説明

容器搬送装置

【課題】複数の容器を効率よく整列させ、充填率を高める容器搬送装置を提供する。
【解決手段】供給手段1から供給された所定数の容器の首部に係合して保持する、袋本体の幅よりも大きいピッチで配置された横移動可能な複数の仮置レール22からなる仮置手段2と、同じく首部に係合して容器を保持する複数の製品レール42からなる整列手段4を設け、製品レール42のピッチは仮置レール22のピッチの整数分の1であり、仮置レール22を順次横移動し整列レール42に合わせながら移載手段3A、3Bにより容器を仮置レール22から製品レール42に順次移載することにより、容器ピッチを狭めるとともに千鳥状に配列した容器群8Aを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋本体と首部とを有する複数の容器を、出荷可能な容器群へと整列させる容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、袋本体にスパウトと称される首部が取り付けられた容器が飲料用容器として広く用いられている(たとえば、特許文献1)。図16および図17に示すように、容器92は、袋本体92aとこれに取り付けられた首部92bとを有している。袋本体92aは、飲料などの内容物が充填される前は、薄い帯状となっている。首部92bは、たとえばねじ式のキャップによって構成されており、飲料の飲み口として用いられる。製品レール91は、複数の容器92を整列させた状態で保持するためのものである。製品レール91は、断面が略コの字状とされており、首部92bと係合する。たとえば容器工場から複数の容器92を出荷するときには、それぞれに複数の容器92を保持させた複数の製品レール91が平行に並べられた状態でケースCに挿入される。
【0003】
容器92を容器工場からたとえば飲料工場まで搬送する際の効率を向上させるには、ケースCへの容器92の充填率を高めることが望まれる。しかしながら、製品レール91に保持される容器92のピッチは、最小でも隣り合う容器92の首部92bどうしが接する大きさである。このピッチで複数の容器92を保持させた製品レール91どうしを並べるため、隣り合う製品レール91どうしのピッチは、せいぜい袋本体92aどうしが接する程度の大きさとならざるを得ない。すると、袋本体92aのみが存在する空間は、比較的隙間が大きい状態となってしまうため、ケースCへの充填率を十分に高めることができない。また、この隙間を縮小させる方策としては、製品レール91に複数の容器92を保持させた後に、容器92の袋本体92aが重なり合うように隣り合う製品レール91のピッチをより小さくすることが考えられる。しかしながら、このような作業は人手で行うことが避けられず、著しく効率が悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−278442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、複数の容器を効率よく整列させ、充填率を高めることが可能な容器搬送装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される容器搬送装置は、それぞれが袋本体と首部とを有する複数の容器を供給する供給手段と、上記供給手段から供給された所定数の上記容器をこれらの上記首部に係合することによりそれぞれが保持可能であり、かつ上記袋本体の幅よりも大きいピッチで互いに平行に配置された複数の仮置レールからなる仮置レール群を具備する、仮置手段と、上記仮置レール群に保持された上記容器を移載させる移載手段と、上記仮置レール群から上記移載手段によって移載された所定数の上記容器をこれらの上記首部に係合することによりそれぞれが保持可能であり、かつ上記袋本体の幅よりも小さいピッチで互いに平行に配置された複数の製品レールからなる製品レール群を保持する整列手段と、を備えており、上記複数の仮置レールは、その本数が上記複数の製品レールの本数よりも小であり、かつ、そのピッチが、上記複数の製品レールのピッチの整数倍とされており、上記複数の仮置レールの少なくともいずれかから、上記複数の製品レールのいずれかへと、上記移載手段によって1以上の上記容器を移載させる移載工程を、上記仮置レールと上記製品レールとの組み合わせを逐次変更させながら繰り返すことにより、上記複数の容器を、上記製品レール群に保持され、かつ互いに千鳥状に配置された容器群へと整列させることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記仮置手段は、それぞれの上記複数の仮置レールの長手方向と直角である方向において並べて配置された1対の上記仮置レール群を具備しており、かつ上記各仮置レール群を上記仮置レールの長手方向と直角である方向に移動させることが可能であり、上記整列手段は、それぞれの上記複数の製品レールの長手方向と直角である方向において並べて配置された1対の上記製品レール群を保持可能である、請求項1に記載の容器搬送装置。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記移載手段は、上記複数の仮置レールのうち上記複数の製品レールのいずれかと端部どうしが向かい合うものからのみ上記容器を移載させる。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記整列手段に保持された1対の上記製品枠を同一の搬出位置に搬出する搬出手段をさらに備える。
【0010】
このような構成によれば、人手によらず上記容器の幅よりも狭いピッチで並べられた上記複数の製品レールに複数の上記容器を千鳥状に整列させることができる。上記容器群を構成する複数の上記容器は、互いの上記袋本体が重なり合う位置関係となっている。したがって、上記容器を整列させる作業効率低下を回避しつつ、たとえばケースへの複数の上記容器の充填率を高めることが可能である。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明にかかる容器搬送装置の一例を示す概略全体図である。
【図2】図1に示す容器搬送装置によって搬送される容器の一例を示す、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。
【図3】容器と製品レールとの係合状態を示す要部正面図である。
【図4】仮置レール群から製品レール群へと複数の容器を移載する前の状態を示す概念図である。
【図5】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す概念図である。
【図6】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図5に続く概念図である。
【図7】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図6に続く概念図である。
【図8】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図7に続く概念図である。
【図9】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図8に続く概念図である。
【図10】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図9に続く概念図である。
【図11】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図10に続く概念図である。
【図12】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図11に続く概念図である。
【図13】仮置レール群から製品レール群への複数の容器の移載工程を示す図12に続く概念図である。
【図14】図1に示す容器搬送装置によって整列された容器群の一例を示す平面図である。
【図15】図1に示す容器搬送装置によって整列された容器群の一例を示す正面図である。
【図16】従来の容器群の一例を示す平面図である。
【図17】従来の容器群の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明にかかる容器搬送装置の一例を示している。本実施形態の容器搬送装置Aは、供給手段1、仮置手段2、移載手段3A,3B、整列手段4、および搬出手段5を備えている。容器搬送装置Aは、図2に示す容器8を複数個整列させることにより、図1および図14、図15に示す容器群8Aを形成する。図2に示すように、容器8は、袋本体81および首部82からなる。袋本体81は、たとえば樹脂からなり、たとえば飲料が充填される部分である。図示された袋本体81は、飲料が充填される前の状態であり、薄い帯状となっている。首部82は、たとえばねじ式のキャップによって構成されており、飲料の飲み口として用いられる部分である。
【0015】
図1に示すように、供給手段1は、たとえば容器8を製造する製袋機(図示略)から送られてくる複数の容器8を、仮置手段2へと送り出すものであり、供給レール11および計数ホイール12を備えている。供給レール11は、たとえば容器8の首部82に係合することにより、上記製袋機から送られてきた複数の容器8を1列に保持するとともに、仮置手段2へとスライドすることを許容する。上記製袋機からは、たとえば50個前後の容器8が間欠的に送られてくる。その送り量は、時間平均すると160個/分程度である。計数ホイール12は、供給レール11から仮置手段2へと送り出される容器8の個数をカウントするためのものである。1個の容器8が送り出されるごとに、係数ホイール12が所定角度だけ回転させられる。この回転量が、送り出された容器8の個数の認識に用いられる。
【0016】
仮置手段2は、供給手段1から送られてくる複数の容器8を整列手段4へと送る前に仮置きしておくためのものであり、1対の仮置フレーム21A,21B、1対の仮置用ロボット23A,23B、および1対の押し込み手段24A,24Bを備えている。1対の仮置フレーム21A,21Bは、それぞれが4つの仮置レール22を具備している。4つの仮置レール22は、それぞれが供給手段1の供給レール11と長手方向が一致しており、互いに等ピッチで平行に配置されている。各仮置レール22は、供給レール11と同様に、容器8の首部82と係合することにより、複数の容器8を一列に保持し、かつ長手方向にスライドすることを許容する。本実施形態においては、仮置レール22は、最大で50個程度の容器8を保持する。
【0017】
仮置用ロボット23Aは、仮置フレーム21Aを仮置レール22の長手方向と直角である方向に移動可能に保持し、仮置用ロボット23Bは、仮置フレーム21Bを仮置レール22の長手方向と直角である方向に移動可能に保持している。仮置用ロボット23A,23Bは、たとえば電動スライダである。仮置用ロボット23Aに保持された仮置フレーム21Aは、各仮置レール22と供給レール11との端部どうしが向かい合う位置と、供給レール11に対して図中左方に退避した位置とをとる。仮置用ロボット23Bに保持された仮置フレーム21Bは、各仮置レール22と供給レール11との端部どうしが向かい合う位置と、供給レール11に対して図中右方に退避した位置とをとる。押し込み手段24A,24Bは、供給レール11から退避した位置をとったときの仮置フレーム21A,21Bの図中上方に位置している。押し込み手段24Aは、仮置フレーム21Aに保持された複数の容器8を、仮置フレーム21Aの中で整列手段4寄りに移動させる。押し込み手段24Bは、仮置フレーム21Bに保持された複数の容器8を、仮置フレーム21Bの中で整列手段4寄りに移動させる。
【0018】
整列手段4は、仮置手段2から移載された複数の容器8を整列させるものであり、1対の整列用ロボット44A,44Bを備えている。1対の整列用ロボット44A,44Bは、たとえば電動スライダであり、それぞれが製品レール群41を保持する。整列用ロボット44Aは、供給レール11から退避した位置にある仮置フレーム21Aに対して図中下方に位置しており、整列用ロボット44Bは、供給レール11から退避した位置にある仮置フレーム21Bに対して図中下方に位置している。
【0019】
各製品レール群41は、複数の製品レール42からなり、本実施形態においては、14本の製品レール42からなる。複数の製品レール42は、それぞれの長手方向が供給レール11および仮置レール22と一致しており、等ピッチで互いに平行に配置されている。各製品レール42は、図3に示すように容器8の首部82と係合することにより、複数の容器8を1列に保持し、かつ長手方向にスライドすることを許容する。本実施形態においては、各製品レール42には、53個の容器8を保持可能である。これにより、各製品レール群41は、742個の容器8からなる容器群8Aを保持可能である。
【0020】
移載手段3A,3Bは、仮置フレーム21A,21Bに保持された複数の容器8を整列用ロボット44A,44Bに保持された製品レール群41へと逐次移載するためのものである。移載手段3A,3Bは、製品レール群41の幅とほぼ同じ長さとされており、後述するように、仮置フレーム21A,21Bに保持された複数の容器8を、仮置レール22と直角である方向に沿った1列ごとに製品レール群41へと移載する。
【0021】
搬出手段5は、整列用ロボット44A,44Bの鉛直方向下方に設けられたレールシュート51を備えている。整列用ロボット44A,44Bから下ろされた製品レール群41および製品群8Aは、いずれもレールシュート51を経由して図中左方へと移動させられ、搬出位置52へと搬出される。
【0022】
次に、図4〜図13を参照しつつ、仮置手段2から整列手段4への複数の容器8の移載工程を説明する。なお、これらの図においては、仮置フレーム21A,21Bの符号を付しており、それぞれでなされる移載工程は同じ手順で進められる。以下の説明においては、仮置フレーム21Aを例に挙げて説明する。
【0023】
まず、図4に示すように、供給手段1から仮置フレーム21Aに複数の容器8を供給しておく。仮置フレーム21Aを構成する4本の仮置レール22を便宜上仮置レール22a,22b,22c,22dと称して区別する。図中の仮置フレーム21Aの細線は、仮置レール22a〜22dを模式的に示している。本実施形態においては、仮置レール22dに保持された容器8の個数は、仮置レール22a〜22cに保持された個数の半分である。また、仮置レール22a〜22dのピッチP1は、容器8の幅Wよりも若干大とされている。このため、供給手段1から仮置レール22a〜22dに容器8を供給するときには、仮置レール22a〜22dに保持された容器8が互いに干渉することはない。図示された複数の容器8は、理解の便宜上、仮置レール22の長手方向におけるピッチを実際よりも大きくした状態で示されている。
【0024】
一方、図示された製品レール群41は、整列用ロボット44Aまたは整列用ロボット44Bに保持されたものである。本説明では、仮置フレーム21Aと組み合わされる整列用ロボット44Aに保持された製品レール群41について説明するが、整列用ロボット44Bに保持された製品レール群41も同じ手順で容器8が移載される。製品レール群41を構成する14本の製品レール42を便宜上製品レール42a,42b,42c,42d,42e,42f,42g,42h,42i,42j,42k,42l,42m,42nと称して区別する。図中の製品レール群41の細線は、製品レール42a〜42nを模式的に示している。本実施形態においては、製品レール42a〜42nのピッチP2は、仮置レール22a〜22dのピッチP1の1/4とされており、容器8の幅Wよりも顕著に狭い。移載工程を開始する状態においては、仮置レール22a〜22dの端部が、製品レール42a,42e,42i,42mの端部とそれぞれ向かい合う位置関係となっている。
【0025】
次いで、図5に示すように、仮置レール22a〜22dに保持された複数の容器8のうち、最も製品レール群41寄りにある横一列に並ぶ4つの容器8を移載手段3Aによって製品レール42a,42e,42i,42mに移載する。本図から理解されるように、移載手段3Aは、その長さが製品レール42a〜42nの配列幅と同じとされている。移載手段3Aによって最前列の容器8が移載されると、前述した押し込み手段24Aによって複数の容器8が前詰めされる。なお、移載手段3B、押し込み手段24Bの動作も移載手段3A、押し込み手段24Aと同じ手順である。
【0026】
次いで、図6に示すように、仮置用ロボット23Aによって仮置フレーム21AをピッチP2だけ右方に移動させる。これにより、仮置レール22a〜22dの端部が、製品レール42b,42f,42j,42nの端部とそれぞれ向かい合う位置関係となる。そして、移載手段3Aによって最前列にある4つの容器8を仮置レール22a〜22dから製品レール42b,42f,42j,42nに移載する。製品レール42a,42e,42i,42mに保持された容器8と製品レール42b,42f,42j,42nに保持された容器8とは、互いの袋本体81が重なり合う位置関係となる。なお、本図以降の図においては、製品レール42a〜42nに保持された複数の容器8の製品レール42a〜42n長手方向ピッチを理解の便宜上実際よりも大きくした状態で示している。
【0027】
次いで、図7に示すように、仮置用ロボット23Aによって仮置フレーム21AをピッチP2だけ右方に移動させる。これにより、仮置レール22a,22b,22cの端部が、製品レール42c,42g,42kの端部とそれぞれ向かい合う位置関係となる。一方、図5、図6に示された状態と異なり、図7においては、仮置レール22dの端部は、製品レール42a〜42nのいずれとも向かい合わず、製品レール群41から右方にずれた位置にある。そして、移載手段3Aが移載動作を行うと、仮置レール22a,22b,22cの最前列にある3つの容器8が製品レール42c,42g,42kに移載される。製品レール群41から右方に退避した位置にある仮置レール22dに保持された容器8は、移載手段3Aの動作範囲にないため移載されない。
【0028】
次いで、図8に示すように、仮置用ロボット23Aによって仮置フレーム21AをさらにピッチP2だけ右方に移動させる。これにより、仮置レール22a,22b,22cの端部が、製品レール42d,42h,42lの端部とそれぞれ向かい合う位置関係となる。一方、仮置レール22dの端部は、図7に示した状態と同様に製品レール42a〜42nのいずれとも向かい合わない。そして、移載手段3Aが移載動作を行うと、仮置レール22a,22b,22cの最前列にある3つの容器8が製品レール42d,42h,42lに移載される。ここまでの移載により、製品レール42a〜42nには、1つずつの容器8が保持されている。これらの容器8は、互いの袋本体81が重なり合う位置関係となっている。
【0029】
次いで、図9に示すように、仮置用ロボット23Aによって仮置フレーム21AをピッチP2の3倍だけ左方に移動させる。これにより、仮置レール22a〜22dの端部が、製品レール42a,42e,42i,42mの端部とそれぞれ再び向かい合う位置関係となる。そして、移載手段3Aの動作により4つの容器8が製品レール42a,42e,42i,42mに移載される。これにより、製品レール42a,42e,42i,42mには、2つずつの容器8がそれぞれ保持される。
【0030】
次いで、図10に示すように、仮置フレーム21AをピッチP2だけ右方に移動させ、移載手段3Aにより仮置レール22a〜22dから42b,42f,42j,42nに4つの容器8を移載する。次いで、図11に示すように、仮置フレーム21AをピッチP2だけ右方に移動させ、移載手段3Aにより仮置レール22a〜22cから42c,42g,42kに3つの容器8を移載する。次いで、図12に示すように、仮置フレーム21AをピッチP2だけ右方に移動させ、移載手段3Aにより仮置レール22a〜22cから42d,42h,42lに3つの容器8を移載する。これにより、製品レール42a〜42nに2つずつの容器8が保持される。これらの容器8は、互いの袋本体81が重なり合っている。
【0031】
そして、図13に示すように、仮置フレーム21AをピッチP2の3倍だけ左方に移動させる。この後は、ここまでに述べた移載動作を繰り返すことにより、4回の移載動作を経るごとに製品レール42a〜42nに保持される容器8の個数がそれぞれ1つずつ増えていく。
【0032】
本実施形態においては、仮置フレーム21A,21Bに保持可能な容器8の個数が、せいぜい200個程度であるのに対し、製品レール群41に保持可能な容器8の個数は、742個である。したがって、仮置フレーム21Aに保持されたすべての容器8を製品レール群41に移載する工程を、4,5回ほど繰り返す。これにより、図14および図15に示すように製品レール群41に複数の容器8が満載された状態となる。この満載された状態の複数の容器8は、容器群8Aを構成している。複数の容器8は、互いに袋本体81が重なるように千鳥状に密に配列されている。容器群8Aは、製品レール群41に保持されたまま、ケースCに梱包される。
【0033】
図1において、仮置フレーム21Aから整列用ロボット44Aによって保持された製品レール群41に複数の容器8を移載するときには、供給手段1から仮置フレーム21Bへの複数の容器8の供給を行っておく。反対に、仮置フレーム21Bから整列用ロボット44Bによって保持された製品レール群41に複数の容器8を移載するときには、供給手段1から仮置フレーム21Aへの複数の容器8の供給を行っておく。このような手順により、整列用ロボット44A,44Bが保持する製品レール群41に対して容器群8Aが交互に整列されていく。整列用ロボット44A,44Bは、容器群8Aが完成すると、順次レールシュート51へと製品レール群41ごと容器群8Aを下ろす。下ろされた製品レール群41および容器群8Aは、レールシュート51を左方に移動した後に、搬出位置52に搬出される。
【0034】
次に、容器搬送装置Aの作用について説明する。
【0035】
本実施形態によれば、人手によらず容器8の幅Wよりも狭いピッチP2で並べられた製品レール42a〜42nに複数の容器8を千鳥状に整列させることができる。容器群8Aを構成する複数の容器8は、互いの袋本体81が幾重にも重なり合う位置関係となっている。したがって、容器8を整列する作業効率低下を回避しつつ、ケースCへの複数の容器8の充填率を高めることが可能である。
【0036】
仮置手段2に1対の仮置フレーム21A,21Bを備え、整列手段4に1対の整列用ロボット44A,44Bを備えることにより、供給手段1からの容器8の供給と製品レール群41への容器8の移載とを並行して行うことが可能である。これにより、容器群8Aを構成する作業効率をより好適に高めることができる。
【0037】
図7、図8および図11、図12に示すように、仮置レール22a〜22dのうち製品レール42a〜42nと向かい合わないものからは容器8を移載しない手順とすることにより、製品レール42a〜42nに均等に容器8を保持させることが可能である。これは、ケースCに梱包する容器8(製品レール42)の数を、容器8を納入する顧客の要望に応じて適宜増減させるのに有利である。移載手段3A,3Bの長さを製品レール42a〜42nの配列幅としておくことは、このような選択的な移載を実現するのに合理的である。
【0038】
本発明に係る容器搬送装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る容器搬送装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0039】
上記実施形態における仮置レール22と製品レール42との本数の組み合わせは一例であり、それぞれの本数は適宜増減してもよい。1対の仮置フレーム21A,21Bと1対の整列用ロボット44A,44Bを備えることは、整列作業の効率を高めるのに好適であるが、さほど整列作業の効率を高めることが求められない場合には、仮置レールおよび整列用ロボットを1つずつ備える構成であってもよい。このような構成によっても、手作業と比較して高い効率で整列作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0040】
A 容器搬送装置
C ケース
P1,P2 ピッチ
W 幅
1 供給手段
11 供給レール
12 計数ホイール
2 仮置手段
21A,21B 仮置フレーム
22,22a,22b,22c,22d 仮置レール
23A,23B 仮置用ロボット
24A,24B 押し込み手段
3A,3B 移載手段
4 整列手段
41 製品レール群
42,42a〜42n 製品レール
44A,44B 整列用ロボット
5 搬出手段
51 レールシュート
52 搬出位置
8A 容器群
8 容器
81 袋本体
82 首部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが袋本体と首部とを有する複数の容器を供給する供給手段と、
上記供給手段から供給された所定数の上記容器をこれらの上記首部に係合することによりそれぞれが保持可能であり、かつ上記袋本体の幅よりも大きいピッチで互いに平行に配置された複数の仮置レールからなる仮置レール群を具備する、仮置手段と、
上記仮置レール群に保持された上記容器を移載させる移載手段と、
上記仮置レール群から上記移載手段によって移載された所定数の上記容器をこれらの上記首部に係合することによりそれぞれが保持可能であり、かつ上記袋本体の幅よりも小さいピッチで互いに平行に配置された複数の製品レールからなる製品レール群を保持する整列手段と、を備えており、
上記複数の仮置レールは、その本数が上記複数の製品レールの本数よりも小であり、かつ、そのピッチが、上記複数の製品レールのピッチの整数倍とされており、
上記複数の仮置レールの少なくともいずれかから、上記複数の製品レールのいずれかへと、上記移載手段によって1以上の上記容器を移載させる移載工程を、上記仮置レールと上記製品レールとの組み合わせを逐次変更させながら繰り返すことにより、上記複数の容器を、上記製品レール群に保持され、かつ互いに千鳥状に配置された容器群へと整列させることを特徴とする、容器搬送装置。
【請求項2】
上記仮置手段は、それぞれの上記複数の仮置レールの長手方向と直角である方向において並べて配置された1対の上記仮置レール群を具備しており、かつ上記各仮置レール群を上記仮置レールの長手方向と直角である方向に移動させることが可能であり、
上記整列手段は、それぞれの上記複数の製品レールの長手方向と直角である方向において並べて配置された1対の上記製品レール群を保持可能である、請求項1に記載の容器搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−201569(P2011−201569A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71302(P2010−71302)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】