説明

容器搬送装置

【課題】袋本体と首部とを有する複数の容器を整列された状態で箱詰めすることが可能な容器搬送装置を提供すること。
【解決手段】袋本体と首部とを有する容器Cを搬送する容器搬送装置Aであり、容器Cを供給する製袋機1、複数の容器Cを受け渡し位置P1まで順次搬送する入り側コンベア2、容器Cを受け渡し位置P1x方向に沿って受け渡し位置P2まで搬送する中間コンベア4、受け渡し位置P1に設置され、入り側コンベア2によって搬送されてきた容器Cを、首部がy方向の一方側および他方側のいずれかを向く姿勢に整列された所定数の容器Cごとに区分して中間搬送コンベア4へ受け渡す整列手段3、受け渡し位置P2に箱Bを順次搬送し、容器Cが詰められた箱Bを排出する出側コンベア6、第2の受け渡し位置P2に設置され、中間コンベア4により搬送されてきた所定数の容器Cを、出側コンベア6により搬送されてきた箱Bに詰める箱詰め手段5、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋本体と首部とを有する複数の容器を搬送する容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、袋本体にスパウトと称される首部が取り付けられた容器が飲料用容器として広く用いられている(たとえば、特許文献1)。図5に示すように、容器Cは、袋本体C1とこれに取り付けられた首部C2とを有している。袋本体C1は、飲料などの内容物が充填される前は、薄い帯状となっている。首部C2は、たとえばねじ式のキャップによって構成されており、飲料の飲み口として用いられる。一般的に、容器Cは製袋機によって連続的に製造される(たとえば、特許文献2)。図6に示す製袋機90には、シート状にたたまれた筒状のフィルム91と複数のスパウト92とが供給される。製袋機90は、フィルム91を所定長さに切断したものとスパウト92とを接合することにより、容器Cを連続的に製造する。製造された複数の容器Cは、製袋機90から順次送り出される。
【0003】
容器Cを容器工場からたとえば飲料工場まで搬送するには、段ボール箱などに箱詰めする手法が考えられる。しかし、図5(a),(c)に示すように、容器Cは、首部C2が厚く、袋本体C1の大部分が極めて薄い形状である。このため、複数の容器Cを段ボール箱に単に箱詰めしただけでは、段ボール箱の中に過大な隙間が生じてしまう。このような隙間は、箱詰めの充填率を低下させるため、搬送工場までの搬送効率を高める見地から好ましくない。また、搬送中に容器Cどうしが擦れあうことにより、傷つくことが懸念される。このような不具合が生じないように容器Cを箱詰めするには、製袋機90から送り出された容器Cを手作業で一つずつ箱詰めすることが強いられかねない。
【0004】
また、たとえば飲料工場には、段ボール箱に箱詰めされた複数の容器Cが搬入される。これらの容器Cに飲料を充填する作業は、飲料工場内の充填ラインにおいてたいていの場合自動的に行われる。複数の容器Cを上記充填ラインで扱うには、段ボール箱から複数の容器Cを取り出し、これらを上記充填ラインに送り込めるように整列させる必要がある。このような取り出し、および整列作業は、上記充填ラインの充填能力を低下させない処理能力で遂行する必要があり、たとえば手作業で行うことは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−278442号公報
【特許文献2】特開2003−340941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、袋本体と首部とを有する複数の容器を整列された状態で箱詰めすること、あるいは箱詰めされた状態の複数の容器を取り出しおよび整列することが可能な容器搬送装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される容器搬送装置は、それぞれが袋本体と首部とを有する複数の容器を搬送する容器搬送装置であって、上記複数の容器を供給する容器供給手段と、上記容器供給手段から供給された上記複数の容器を第1の受け渡し位置まで順次搬送する入り側搬送手段と、上記複数の容器を上記第1の受け渡し位置から第1の方向に沿って第2の受け渡し位置まで搬送する中間搬送手段と、上記第1の受け渡し位置に設置されており、上記入り側搬送手段によって搬送されてきた上記複数の容器を、すべての上記首部が上記第1の方向と直角である第2の方向の一方側および他方側のいずれかのみを向く姿勢に整列された所定数の上記容器ごとに区分して上記中間搬送手段へと受け渡す1以上のロボットアームを有する整列手段と、上記第2の受け渡し位置に上記複数の容器を収容するための複数の箱を順次搬送するとともに、それぞれに上記複数の容器が詰められた上記複数の箱を排出する出側搬送手段と、上記第2の受け渡し位置に設置されており、上記中間搬送手段によって搬送されてきた上記所定数の容器を、上記出側搬送手段によって搬送されてきた上記箱に詰める箱詰め手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記箱詰め手段は、上記中間搬送手段に置かれた上記所定数の容器を、それぞれの上記首部が向く方向を変更することなく上記箱に詰めることと、それぞれの上記首部が上記中間搬送手段に置かれたときと反対方向を向く姿勢で上記箱に詰めることと、が可能である。
【0009】
このような構成によれば、上記容器供給手段によって供給された上記複数の容器が、上記整列手段によって上記首部の向く方向が一致した所定数ずつの上記容器に整列および区画される。そして、上記箱詰め手段によって、上記箱へと順次挿入される。この結果、上記箱には、上記首部が向く方向が揃った状態で上記複数の容器が箱詰めされる。この箱詰め作業は、自動的に行われる。したがって、手作業を要することなく、上記複数の容器を上記箱に整列した状態で箱詰めすることができる。
【0010】
本発明の第2の側面によって提供される容器搬送装置は、袋本体と首部とを有する複数の容器をこれらが箱詰めされた箱から取り出す容器搬送装置であって、複数の上記箱を第1の方向に沿って受け渡し位置まで順次搬送する入り側搬送手段と、上記複数の容器を上記受け渡し位置から上記第1の方向に沿って排出する出側搬送手段と、上記受け渡し位置に設置されており、上記入り側搬送手段によって搬送されてきた上記箱から所定数の上記容器を取り出し、これらを上記出側搬送手段へと受け渡す取り出し手段と、を備えており、上記入り側搬送手段によって搬送されてくる上記箱には、上記所定数ごとにすべての上記首部が上記第1の方向と直角である第2の方向の一方側および他方側のいずれかを向く姿勢で上記第1の方向に並べられた複数の容器が箱詰めされており、上記取り出し手段は、上記首部が上記第2の方向の一方側および他方側のいずれかのみを向く姿勢で上記所定数の容器を上記出側搬送手段に受け渡すことを特徴としている。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記取り出し手段は、上記所定数の容器を保持した状態で、上記所定数の容器どうしのピッチを拡大させることが可能である。
【0012】
このような構成によれば、上記首部が互いに反対方向を向く複数の上記容器が箱詰めされた上記箱から、すべての上記首部が同じ方向を向くように上記容器を取り出すことが可能である。これにより、充填率が比較的高く、かつ互いに擦れ合いにくい状態で箱詰めされた上記複数の容器を、すべての上記首部が同じ方向に向けられた状態で、上記出側搬送手段によって下流側へと搬送できる。したがって、たとえば上記容器に飲料を充填する充填ラインへと連続的に、かつ比較的高い供給能力で上記容器を供給することが可能である。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る容器搬送装置の一例を示す平面図である。
【図2】本発明に係る容器搬送装置の一例の整列手段を示す要部平面図である。
【図3】本発明に係る容器搬送装置の一例の箱詰め手段を示す要部平面図である。
【図4】図1に示す容器搬送装置によって箱詰めされた容器を箱から取り出す機能を有する容器搬送装置の一例を示す平面図である。
【図5】袋本体および首部を有する容器の一例を示す、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が側面図である。
【図6】従来の製袋機の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1の側面に係る容器搬送装置の一例を示している。本実施形態の容器搬送装置Aは、製袋機1、入り側コンベア2、整列手段3、中間コンベア4、箱詰め手段5、および出側コンベア6を備えている。容器搬送装置Aは、図5を参照して説明した所定数ずつ複数の容器Cを図1に示す箱Bに箱詰めする機能を有する。
【0017】
製袋機1は、本発明で言う容器供給手段の一例であり、フィルム11と複数のスパウト12とが供給される。フィルム11は、もともと筒状であり、シート状に折りたたまれた状態で製袋機1に供給される。各スパウト12は、容器Cの首部C2を構成するための部品であり、たとえば樹脂製の筒にねじが形成された構成とされている。製袋機1は、フィルム11を所定長さに切断したものとスパウト12とを接合することにより、複数の容器Cを連続的に製造する。製造された複数の容器Cは、シュート13から順次排出される。本実施形態においては、製袋機1の製造能力は、150個/分程度である。なお、本発明で言う容器供給手段としては、容器Cを製造する機器に限定されず、たとえば製造済みの複数の容器Cを一時的に溜めておく機器であってもよい。
【0018】
入り側コンベア2は、本発明で言う入り側搬送手段の一例である。入り側コンベア2は、搬送方向がx方向に沿っており、製袋機1のシュート13から供給された複数の容器Cを順次x方向右方へと搬送する。搬送された複数の容器Cは、受け渡し位置P1に到達する。なお、本発明で言う入り側搬送手段としては、入り側コンベア2に限定されず、たとえば複数の駆動ローラが並べられたいわゆるローラコンベアであってもよい。
【0019】
中間コンベア4は、本発明で言う中間搬送手段の一例であり、たとえばサーボ駆動される駆動ローラを含む1対以上のローラに無端ベルトがかけまわされている。中間コンベア4は、搬送方向が入り側コンベア2と同様にx方向に沿っており、受け渡し位置P1において入り側コンベア2から移載された複数の容器Cをx方向右方へと搬送する。搬送された複数の容器Cは、受け渡し位置P2に到達する。後述するように、中間コンベア4によって搬送される複数の容器Cは、所定数ごとに区画された状態で搬送される。なお、本発明で言う中間搬送手段としては、中間コンベア4に限定されず、たとえば複数の駆動ローラが並べられた、いわゆるローラコンベアであってもよい。
【0020】
整列手段3は、受け渡し位置P1に設置されており、入り側コンベア2から中間コンベア4へと複数の容器Cを順次移載するためのものである。整列手段3は、整列ロボット31,32を備えている。整列ロボット31,32は、図2に示すように、x方向に互いに離間配置されている。整列ロボット31,32は、それぞれ複数のリンクアーム31a,32aと吸着ヘッド31b,32bと図示しないカメラシステムとを備えている。このような整列ロボット31,32の一例としては、BOSCH社製のパラレルメカニズムロボットが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0021】
整列ロボット31,32の動作はほぼ同一であり、整列ロボット31を例に以下に説明する。入り側コンベア2によって受け渡し位置P1に到達した容器Cは、整列ロボット31の上記カメラシステムによってその位置および首部C2が向いている方向が把握される。整列ロボット31は、上記位置情報をもとに、複数のリンクアーム31aを駆動させることにより、吸着ヘッド31bを容器Cへと移動させる。そして、吸着ヘッド31bによって容器Cを吸着する。吸着ヘッド31bは、複数のリンクアーム31aに対してx方向およびy方向のいずれにも直角である方向に延びる軸周りに回転自在とされている。容器Cの首部C2が向く方向とy方向とがなす角度をもとに、首部C2が向く方向がy方向と一致するように吸着ヘッド31bを回転させる。そして、容器Cを、中間コンベア4へと載置する。
【0022】
同図に示された例においては、整列ロボット31,32は、首部C2が紙面におけるy方向上方を向く姿勢で容器Cを中間コンベア4に置く。入り側コンベア2に置かれた容器Cの姿勢が、中間コンベア4に置かれた姿勢とするためにたとえば180度近く回転させる必要があるときなどは、整列困難な容器Cとして搬送経路から排出する機能を整列ロボット31,32に備えてもよい。整列ロボット31,32は、所定数(たとえば、図1においては7個)の容器Cを互いの首部C2が同一方向を向く姿勢で並列に整列させる動作を一単位とし、この単位作業を順次繰り返す。本実施形態においては、整列ロボット31,32の処理能力は、それぞれ80個/分程度である。2台の整列ロボット31,32を備えることにより、整列手段3の処理能力は、製袋機1の製造能力より若干上回っている。
【0023】
図1に示す出側コンベア6は、本発明で言う出側搬送手段の一例である。出側コンベア6は、搬送方向がx方向に沿っており、図示しない箱供給手段から供給された空の複数の箱Bを受け渡し位置P2まで順次搬送する。そして、複数の容器Cが箱詰めされた箱Bを順次x方向右方へと搬送する。なお、本発明で言う出側搬送手段としては、出側コンベア6に限定されず、たとえば複数の駆動ローラが並べられたいわゆるローラコンベアであってもよい。
【0024】
箱詰め手段5は、受け渡し位置P2に設置されており、中間コンベア4から出側コンベア6上の箱Bへと複数の容器Cを所定個数ずつ箱詰めするためのものである。本実施形態においては、箱詰め手段5は、箱詰めロボット51,52によって構成されている。図3に示すように、箱詰めロボット51,52は、吸着ヘッド51a,52aをそれぞれ有している。
【0025】
箱詰めロボット51,52の動作はほぼ同一であり、箱詰めロボット51を例に以下に説明する。図3に示すように、吸着ヘッド51aは、中間コンベア4上においてx方向に整列された7個の容器Cを一括して吸着保持可能である。また、吸着ヘッド51aは、これらの容器Cを吸着保持した状態で互いのピッチを縮小する幅寄せ機能を有する。幅寄せされた状態で吸着ヘッド51aに吸着保持されたこれらの容器Cは、吸着ヘッド51aとともに、出側コンベア6上の箱Bの直上へと移動される。そして、吸着ヘッド51aが下降および吸着解除することにより、7個の容器Cは、箱Bへと整列した状態で挿入される。なお、同図において想像線で示すように、箱Bにあらかじめ仕切りBaを設けておいてもよい。仕切りBaを設けることにより、容器Cが箱B内において崩れてしまったり、擦れ合って傷ついてしまったりすることを防止することができる。
【0026】
また、整列ロボット51,52は、吸着ヘッド51a,52aをx方向およびy方向のいずれに対しても直角である方向に延びる軸周りに回転させる機能を有する。すなわち、図3に示す整列ロボット52の動作のように、中間コンベア4上に整列された所定数の容器Cを吸着した後に、これらを吸着ヘッド52aとともに180度回転させる。そして、これらの容器Cを箱Bに挿入する。本実施形態においては、整列ロボット51,52は、7個の容器Cを箱Bに挿入する作業を一単位とし、この単位作業を箱Bが満杯となるまで繰り返す。この単位作業の繰り返しにおいては、整列ロボット51,52はそれぞれ、吸着ヘッド51a,52aの回転を伴わない単位作業と、吸着ヘッド51a,52aの回転を伴う単位作業とを交互に行う。この結果、箱Bには、整列ロボット51,52のいずれによって箱詰めされたかにかかわらず、首部C2が向く方向が交互に反対方向を向くように積層された複数の容器Cが箱詰めされる。
【0027】
図4は、本発明の第2の側面に係る容器搬送装置の一例を示している。本実施形態の容器搬送装置8は、上述した容器搬送装置Aによって箱Bに箱詰めされた複数の容器Cを、たとえば飲料工場へと搬送された後に箱Bから取り出すために用いられる。容器搬送装置8は、入り側コンベア81、取り出し手段82、出側コンベア83a、袋ガイド83b、ピン付きチェーン83c、ひねりガイド84a、直線ガイド84b、チャッキングユニット85、直線ガイド86a、およびピン付きチェーン86bを備えている。
【0028】
入り側コンベア81は、本発明で言う入り側搬送手段の一例であり、複数の容器Cが箱詰めされた箱Bを受け渡し位置P3まで順次x方向左方へと搬送する。
【0029】
取り出し手段82は、受け渡し位置P3に設置されており、取り出しロボット82A,82Bからなる。取り出しロボット82A,82Bは、吸着ヘッド82Aa,82Baを有している。吸着ヘッド82Aa,82Baは、入り側コンベア81上において箱B内にx方向に整列された状態で箱詰めされた複数の容器Cのうち同層に位置する所定数(本実施形態においては7個)を一括して吸着保持可能である。また、吸着ヘッド82Aa,82Baは、これらの容器Cを吸着保持した状態で互いのピッチを拡大する拡幅機能を有する。拡幅された状態で吸着ヘッド82Aa,82Baに吸着保持されたこれらの容器Cは、吸着ヘッド82Aa,82Baとともに、出側コンベア83a上へと移動される。そして、吸着ヘッド82Aa,82Baが下降および吸着解除することにより、7個の容器Cは、出側コンベア83aに移載される。拡大された後の容器Cのピッチは、出側コンベア83aによる搬送に適したピッチとされており、より具体的には、後述するピン付きチェーン83cのピンのピッチとほぼ同じとされている。これにより、たとえば、箱Bに詰められた容器Cのサイズが箱Bごとに種々異なる場合であっても、所定のピッチに拡幅することにより、出側コンベア83aおよびピン付きチェーン83cによって適切に搬送することができる。
【0030】
また、取り出しロボット82A,82Bは、吸着ヘッド82Aa,82Baをx方向およびy方向のいずれに対しても直角である方向に延びる軸周りに回転させる機能を有する。本実施形態においては、吸着保持した所定数の容器Cの首部C2がy方向紙面上方を向いている場合、回転を伴うことなくこれらの容器Cを出側コンベア83aに移載する。一方、吸着保持した所定数の容器Cの首部C2がy方向紙面下方を向いている場合、吸着ヘッド82Aa,82Baを180度回転させた上で、これらの容器Cを出側コンベア83aに移載する。
【0031】
上述したとおり、箱Bには、首部C2がy方向上方を向く容器Cとy方向下方を向く容器Cとが所定数ごとに交互に積層されている。このため、箱Bからの容器Cの取り出しに際しては、取り出しロボット82A,82Bは、吸着ヘッド82Aa,82Baを回転させない取り出し動作と180度回転させる取出し動作とを交互に行う。
【0032】
出側コンベア83aは、その搬送面が水平面に対してx方向に延びる軸周りに45度程度傾斜している。出側コンベア83aの脇には、袋ガイド83bが設けられている。袋ガイド83bは、その長手方向(x方向)に延びる溝を有する。この溝には、容器Cの首部C2が嵌り込む。取り出しロボット82A,82Bによって移載された所定数の容器Cは、それぞれの首部C2が袋ガイド83bに嵌め込まれる。首部C2が袋ガイド83bの上記溝に嵌められた容器Cは、首部C2がy方向上方を指すとともに、首部C2が斜め上側に、袋本体C1の下端が斜め下側に位置するように水平面に対して45度傾いた姿勢でx方向にスライド可能な状態となる。袋ガイド83bと平行した位置には、ピン付きチェーン83cが設けられている。ピン付きチェーン83cは、x方向に延びる環状経路を循環しており、所定間隔ごとに複数のピンが取り付けられている。これらのピンが、容器Cの首部C2を押す位置に配置されている。出側コンベア83aおよびピン付きチェーン83cの駆動により、複数の容器Cが一定間隔をおいてx方向左方へと搬送される。
【0033】
袋ガイド83bの左端には、ひねりガイド84aが設けられている。ひねりガイド84aは、袋ガイド83bがx方向左方に向かうにつれてひねられた形状とされている。袋ガイド83bからひねりガイド84aへと受け渡された容器Cは、45度傾いた状態から鉛直方向に垂れ下がった状態となる。
【0034】
ひねりガイド84a左端からは、直線ガイド84bが続いている。直線ガイド84bも同様に、首部C2がはまり込む溝(またはスリット)を有している。そして、直線ガイド84bに沿って搬送された容器Cは、チャッキングユニット85によって図中y方向下方へと送られる。チャッキングユニット85は、それぞれが首部C2を保持可能な複数のチャッキングヘッドが環状に配置されており、これらのチャッキングヘッドが回転する構造とされている。
【0035】
チャッキングユニット85からy方向下方へと送り出された容器Cは、直線ガイド86aに沿って、ピン付きチェーン86bによって順次搬送される。こののちは、たとえば図示しない飲料充填装置によって容器Cに飲料が充填される。
【0036】
次に、容器搬送装置Aおよび容器搬送装置8の作用について説明する。
【0037】
容器搬送装置Aによれば、製袋機1によって供給された複数の容器Cが、整列ロボット31,32によって首部C2の向く方向が一致した所定数ずつの容器Cに整列および区画される。そして、箱詰めロボット51,52によって、箱Bへと順次挿入される。この結果、各箱Bには、首部C2が向く方向が揃った状態で複数の容器Cが箱詰めされる。この箱詰め作業は、たとえば150個/分の製造能力を持つ製袋機1をフル稼働させた状態であっても自動的に行われる。したがって、手作業を要することなく、複数の容器Cを箱Bに整列した状態で箱詰めすることができる。
【0038】
箱詰めロボット51,52によって、首部C2がy方向一方側を向く状態の所定数(7個)の容器Cと首部C2がy方向他方側を向く状態の所定数(7個)の容器Cを箱Bに順次挿入することにより、箱Bには、首部C2が互いに反対方向を向く容器Cが整然と積層されることとなる。このため、たとえば首部C2が箱Bの一箇所にかためて詰まれることにより、箱詰めされた容器Cが大きく傾いてしまうといった不具合が生じない。このように箱詰めされた容器Cは箱B内において各層が比較的平らに積まれているため、たとえば容器搬送装置8において取り出しロボット82A,82Bによって自動的に取り出す動作を滞りなく行いやすいという利点がある。
【0039】
容器搬送装置8によれば、首部C2がy方向上方を向く容器Cとy方向下方を向く容器Cとが箱詰めされた箱Bから、すべての首部C2が同じ方向を向くように容器Cが取り出される。これにより、充填率が比較的高く、かつ互いに擦れ合いにくい状態で箱詰めされた複数の容器Cを、すべての首部C2が同じ方向に向けられた状態で、出側コンベア83aによって下流側へと搬送できる。したがって、たとえば容器Cに飲料を充填する充填ラインへと連続的に、かつ比較的高い供給能力で容器Cを供給することが可能である。
【0040】
本発明に係る容器搬送装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る容器搬送装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0041】
C 容器
C1 袋本体
C2 首部
B 箱
P1 (第1の)受け渡し位置
P2 (第2の)受け渡し位置
P3 受け渡し位置
x (第1の)方向
y (第2の)方向
A 容器搬送装置
1 製袋機(容器供給手段)
11 フィルム
12 スパウト
13 シュート
2 入り側コンベア(入り側搬送手段)
3 整列手段
31,32 整列ロボット
4 中間コンベア(中間搬送手段)
5 箱詰め手段
51,52 箱詰めロボット
6 出側コンベア(出側搬送手段)
8 容器搬送装置
81 入り側コンベア(入り側搬送手段)
82 取り出し手段
82A,82B 取り出しロボット
82Aa,82Ba 吸着ヘッド
83a 出側コンベア(出側搬送手段)
83b 袋ガイド
83c ピン付きチェーン
84a ひねりガイド
84b 直線ガイド
85 チャッキングユニット
86a 直線ガイド
86b ピン付きチェーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋本体と首部とを有する複数の容器を搬送する容器搬送装置であって、
上記複数の容器を供給する容器供給手段と、
上記容器供給手段から供給された上記複数の容器を第1の受け渡し位置まで順次搬送する入り側搬送手段と、
上記複数の容器を上記第1の受け渡し位置から第1の方向に沿って第2の受け渡し位置まで搬送する中間搬送手段と、
上記第1の受け渡し位置に設置されており、上記入り側搬送手段によって搬送されてきた上記複数の容器を、すべての上記首部が上記第1の方向と直角である第2の方向の一方側および他方側のいずれかのみを向く姿勢に整列された所定数の上記容器ごとに区分して上記中間搬送手段へと受け渡す1以上のロボットアームを有する整列手段と、
上記第2の受け渡し位置に上記複数の容器を収容するための複数の箱を順次搬送するとともに、それぞれに上記複数の容器が詰められた上記複数の箱を排出する出側搬送手段と、
上記第2の受け渡し位置に設置されており、上記中間搬送手段によって搬送されてきた上記所定数の容器を、上記出側搬送手段によって搬送されてきた上記箱に詰める箱詰め手段と、
を備えることを特徴とする、容器搬送装置。
【請求項2】
袋本体と首部とを有する複数の容器をこれらが箱詰めされた箱から取り出す容器搬送装置であって、
複数の上記箱を第1の方向に沿って受け渡し位置まで順次搬送する入り側搬送手段と、
上記複数の容器を上記受け渡し位置から上記第1の方向に沿って排出する出側搬送手段と、
上記受け渡し位置に設置されており、上記入り側搬送手段によって搬送されてきた上記箱から所定数の上記容器を取り出し、これらを上記出側搬送手段へと受け渡す取り出し手段と、を備えており、
上記入り側搬送手段によって搬送されてくる上記箱には、上記所定数ごとにすべての上記首部が上記第1の方向と直角である第2の方向の一方側および他方側のいずれかを向く姿勢で上記第1の方向に並べられた複数の容器が箱詰めされており、
上記取り出し手段は、上記首部が上記第2の方向の一方側および他方側のいずれかのみを向く姿勢で上記所定数の容器を上記出側搬送手段に受け渡すことを特徴とする、容器搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−213412(P2011−213412A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85999(P2010−85999)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】