説明

容器検査装置

【課題】光学系を十分に保護可能な容器検査装置を提供する。
【解決手段】レンズ6を介して容器Bを撮像するカメラ2と、レンズ6と容器Bとの間に配置される円筒状ミラー3と、円筒状ミラー3と容器Bとの間に配置されてレンズ6及び円筒状ミラー3を保護するカバーガラス5と、を備え、カバーガラス5の円筒状ミラー3に面した面にカメラ側フィルム7bを貼付した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される容器を検査する容器検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
検査対象物の内周面を検査するため、検査対象物の上方にカメラやミラー、照明が設置された検査装置が周知である(例えば、特許文献1参照。)。検査対象物が搬送されている容器の場合、カメラのレンズやミラーで構成される光学系を保護するため容器との間にはカバーガラスが設けられている。
【特許文献1】特開2006−337074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
容器の転倒や破損により、容器やその破片がカバーガラスに接触すると、カバーガラスが割れて、容器等が進入したり、カバーガラスのガラス片が飛散したりして光学系を傷つけたり、破損したりするおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は光学系を十分に保護可能な容器検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の容器検査装置は、レンズ(6)を介して容器(B)を撮像する撮像手段(2)と、前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラー(3)と、前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラス(5)と、を備え、前記カバーガラスの前記円筒状ミラーに面した面にガラス飛散防止フィルム(7b)を貼付したことにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明の容器検査装置によれば、カバーガラスの円筒状ミラーに面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付することで、容器やその破片が接触してカバーガラスが破損した場合に、円筒状ミラーやレンズが設置される内部にカバーガラスのガラス片が飛散することを防止することができる。また、カバーガラスが破損しても、接触した容器やその破片が内部に進入することを防ぎ、円筒状ミラーやレンズの破損を防止することができる。
【0007】
本発明の容器検査装置は、レンズ(6)を介して容器(B)を撮像する撮像手段(2)と、前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラー(3)と、前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラス(5)と、を備え、前記カバーガラスの前記容器に面した面にガラス飛散防止フィルム(7a)を貼付したことにより上記課題を解決する。本発明の容器検査装置によれば、カバーガラスの容器に面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付することで、カバーガラスのガラス片及びガラス粉末の飛散を防止して容器内にそれらが混入することを防ぐ。カバーガラスに容器やその破片が接触した際に、ガラス飛散防止フィルムがクッションとなり、カバーガラス自体に傷が付くことを防止し、さらに、軽度の接触では、カバーガラスの破損も防止することができる。
【0008】
本発明の容器検査装置は、レンズ(6)を介して容器(B)を撮像する撮像手段(2)と、前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラー(3)と、前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラス(5)と、を備え、前記カバーガラスの両面にガラス飛散防止フィルム(7a、7b)を貼付したことにより上記課題を解決する。本発明の容器検査装置によれば、カバーガラスの円筒状ミラーに面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付することで、容器やその破片が接触してカバーガラスが破損した場合に、円筒状ミラーやレンズが設置される内部にカバーガラスのガラス片が飛散することを防止することができる。カバーガラスが破損しても、接触した容器やその破片が内部に進入することを防ぎ、円筒状ミラーやレンズの破損を防止することができる。また、カバーガラスの容器に面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付することで、カバーガラスのガラス片及びガラス粉末の飛散を防止して容器内にそれらが混入することを防ぐ。カバーガラスに容器やその破片が接触した際に、ガラス飛散防止フィルムがクッションとなり、カバーガラス自体に傷が付くことを防止し、さらに、軽度の接触では、カバーガラスの破損も防止することができる。カバーガラスの両面にガラス飛散防止フィルムを貼付することにより、容器検査装置にカバーガラスを取り付ける際に、取付け方向を選ばないので容易に取り付けることができる。
【0009】
本発明の容器検査装置は、レンズ(6)を介して容器(B)を撮像する撮像手段(2)と、前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラー(3)と、前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラス(5)と、を備え、前記カバーガラスでガラス飛散防止フィルム(7)の両側から挟みこんで、該ガラス飛散防止フィルムの両面を該カバーガラスに貼付したことにより上記課題を解決する。本発明の容器検査装置によれば、容器検査装置にカバーガラスを取り付ける際に、取付け方向を選ばず容易に取り付けることができる。カバーガラスに挟まれたガラス飛散防止フィルムがクッションとなり、カバーガラスに容器等が接触しても、その衝撃を和らげることができる。
【0010】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0011】
以上、説明したように、本発明の容器検査装置においては、カバーガラスの円筒状ミラーに面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付することで、容器やその破片が接触してカバーガラスが破損した場合に、円筒状ミラーやレンズが設置される内部にカバーガラスのガラス片が飛散することを防止することができる。また、カバーガラスが破損しても、接触した容器やその破片が内部に進入することを防ぎ、円筒状ミラーやレンズの破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1に本発明の一形態に係る容器検査装置の概略図を示す。容器検査装置1は、コンベア10上を搬送される容器Bの内周面や外周面を撮影し、得られた画像に基づいて欠陥や液中の異物の有無等を検査する。容器Bは、一例として、壜、PETボトル等であり、本形態では容器Bの口部Baを検査する。容器検査装置1は、容器Bを撮像する撮像手段としてのカメラ2と、そのカメラ2と容器Bとの間にて口部Baと同軸的に配置された円筒状ミラー3と、円筒状ミラー3の外周に配置された照明器4と、カメラ2や円筒状ミラー3を保護するカバーガラス5とを備えている。
【0013】
カメラ2は、レンズ6を有し、そのレンズ6で捉えた被写体の像をCCDイメージセンサ等の撮像素子にて電気信号に変換する。カメラ2から出力された画像信号は不図示の信号処理部に入力され、その信号処理部で所定のアルゴリズムに従って異物や傷等の欠陥の有無が判別される。カメラ2は、レンズ6の光軸が容器Bの後部の中心線CLと一致するようにして容器Bの上方に配置されている。円筒状ミラー3は、円筒型のミラーハウジング3aの内周の全面に反射面3bが形成された構成を備えている。反射面3bには、容器Bの口部Baから軸線方向に離れるに従って内径が漸次拡大するテーパが付されている。カメラ2と円筒状ミラー3とは、円筒状ミラー3の反射面3bにて反射した口部内面の像がレンズ6を介して撮像されるように設けられている。照明器4には、光源として多数のLED(不図示)がリング状に配置されている。LEDが発するリング状の照明光はボトルBの口部Baに向けて斜め下方に照射される。LEDのリングは口部Baの中心線CLと同軸に配置される。
【0014】
カバーガラス5は、円筒状ミラー3の下面に配置され、レンズ6や円筒状ミラー3で構成される光学系を保護する。カバーガラス5は、強化ガラスで形成されている。カバーガラス5の厚みは、一例として、1.5[mm]程度である。カバーガラス5の表裏面にはそれぞれガラス飛散防止フィルムとしての、容器B側に面した面に貼り付けられた容器側フィルム7a及びカメラ2側に面した面に貼り付けられたカメラ側フィルム7b(区別しない場合、フィルム7と表記することがある。)が設けられている。フィルム7は、粘着剤によりカバーガラス5の全面に貼付されている。フィルム7は、例えば、単層又は多層のポリエステル樹脂等の透明な材質で形成されている。フィルム7は、光学系に影響のない程度に透明であればよい。フィルム7の厚さは、一例として、100〜200[μm]程度である。フィルム7の厚さは、光学系の焦点距離や照明器4による明るさに影響を及ぼさない程度であれば適宜変更してよい。
【0015】
従来、コンベア10上で容器Bが転倒したり、破損したりすると、容器Bやその破片がカバーガラス5と接触してカバーガラス5が破損し、容器B等が進入してレンズ6や円筒状ミラー3と接触し、これらを傷つけるおそれがある。また、破損したカバーガラス5のガラス片によってもそれら光学系と接触してこれらを傷つけるおそれがある。これらの対策として、カバーガラス5の板厚や強度を増したり、あるいは、カバーガラス5に代えてポリカーボネート等の樹脂による保護カバーを用いたりすることが考えられる。しかしながら、カバーガラス5を厚くすると光学系の位置関係がずれて、検査精度を維持できなくなるおそれがあり、また、カバーガラス5の強度を増しても、容器Bのカバーガラス5への接触の度合が強かったりすると依然破損の可能性が残る。また、樹脂による保護カバーを用いた場合、ガラスのように割れることはないが、傷が付きやすく、検査に悪影響が生じる。
【0016】
本形態では、上述した課題に対して光学系を十分に保護可能である。容器側フィルム7aに容器Bやその破片が接触してカバーガラス5が破損した場合、容器側フィルム7aが、カバーガラス5のガラス片及びガラス粉末の飛散を防止して容器B内にそれらが混入することを防ぐ。また、容器B等の接触の際に、容器側フィルム7aがクッションとなり、カバーガラス5自体に傷が付きにくくなる。さらに、軽度の接触ではカバーガラス5の破損も防止する。この場合、容器Bの接触により容器検査装置1及びコンベア10は運転を停止するが、停止原因となった容器Bを排除している間に容器側フィルム7aのクッション性からその凹みが復元する。このため、容器側フィルム7aを張り替える必要がなくなり、すぐに容器検査装置1及びコンベア10の運転を復旧できる。
【0017】
カメラ側フィルム7bは、カバーガラス5が破損した場合に、円筒状ミラー3やレンズ6等が設置される検査装置内部にガラス片が飛散することを防止する。また、カバーガラス5が破損しても、接触した容器B等が検査装置内部に進入することを防ぎ、円筒状ミラー3やレンズ6の破損を防止する。カバーガラス5の表裏面にフィルム7を貼付することにより、容器検査装置1にカバーガラス5を取り付ける際に、取付け方向を選ばないので容易に取り付けることができる。なお、カバーガラス5の表裏面にフィルム7を貼付するので、容器側フィルム7a及びカメラ側フィルム7bには、それぞれの厚さを考慮して光学系や明るさに影響を及ぼさない程度の厚さを選択するとよい。
【0018】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、カバーガラス5の表裏面にそれぞれフィルム7を貼付したが、これに限られない。例えば、容器側フィルム7aのみ、あるいは、カメラ側フィルム7bのみであってもよい。この場合においても、上述したそれぞれの利点を有することができ、貼付したフィルム7により検査装置内部を破損から保護することができる。あるいは、フィルム7をその両側からカバーガラス5で挟むようにしてもよい。この場合においても、容器検査装置1にカバーガラス5を取り付ける際に、取付け方向を選ばず容易に取り付けることができる。カバーガラス5に挟まれたフィルム7がクッションとなり、カバーガラス5に容器B等が接触しても、その衝撃を和らげることができる。本形態では、カバーガラス5はレンズ6や円筒状ミラー3を保護するように取り付けられているが、これに限られず、例えば、照明器4を含めて覆って保護してもよい。
【0019】
本形態では、容器Bとして壜、PETボトルを想定して説明したが、これに限られず、例えば、缶であってもよく、形状、材質に限定されない。容器Bの形状に合わせて、検査装置のカメラや、円筒状ミラー、照明のレイアウトや種類を適宜変更してもよい。本形態では、フィルム7をカバーガラス5の全面に貼付するとして説明したが、これに限られず、カバーガラス5に対してフィルム7を容器B等の接触の可能性のある一部の領域に貼付してもよい。本形態では、コンベア10で搬送される容器Bを対象とした容器検査装置1で説明したがこれに限られず、例えば、スターホイール装置等のロータリー式の搬送装置で搬送される容器Bに対して検査を行ってもよい。容器Bの上部にカメラ2等が設置される例に限られず、例えば、容器Bの側面や底面にカメラ2等を設置してもよい。この場合においても、容器Bやその破片の接触による破損からカメラ2等を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一形態に係る容器検査装置の概略図。
【符号の説明】
【0021】
1 容器検査装置
2 カメラ(撮像手段)
3 円筒状ミラー
5 カバーガラス
6 レンズ
7 フィルム(ガラス飛散防止フィルム)
B 容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを介して容器を撮像する撮像手段と、
前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラーと、
前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラスと、を備え、
前記カバーガラスの前記円筒状ミラーに面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付したことを特徴とする容器検査装置。
【請求項2】
レンズを介して容器を撮像する撮像手段と、
前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラーと、
前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラスと、を備え、
前記カバーガラスの前記容器に面した面にガラス飛散防止フィルムを貼付したことを特徴とする容器検査装置。
【請求項3】
レンズを介して容器を撮像する撮像手段と、
前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラーと、
前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラスと、を備え、
前記カバーガラスの両面にガラス飛散防止フィルムを貼付したことを特徴とする容器検査装置。
【請求項4】
レンズを介して容器を撮像する撮像手段と、
前記レンズと前記容器との間に配置される円筒状ミラーと、
前記円筒状ミラーと前記容器との間に配置されて前記レンズ及び前記円筒状ミラーを保護するカバーガラスと、を備え、
前記カバーガラスでガラス飛散防止フィルムの両側から挟みこんで、該ガラス飛散防止フィルムの両面を該カバーガラスに貼付したことを特徴とする容器検査装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−156786(P2009−156786A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337531(P2007−337531)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390014661)キリンテクノシステム株式会社 (126)
【Fターム(参考)】