容器洗浄装置
【課題】 洗浄処理の効率化のために容器を井げた状に組んだり、井げた状に組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行う。
【解決手段】多段に積み重ねられた多段積重ね容器13を井げた状に組んだ2枚ずつの井げた状2枚組容器15として井げたばらし部23に搬送し、井げたばらし部23で1枚ずつばらし、向きを揃え、ごみ除去後、井げた組み部27で2枚ずつ重ね、向きを互いに変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として洗浄部29に搬送し、洗浄後、遠心脱水部31で遠心脱水し、段積み部33で段積みし、多段積重ね容器13として排出する。
【解決手段】多段に積み重ねられた多段積重ね容器13を井げた状に組んだ2枚ずつの井げた状2枚組容器15として井げたばらし部23に搬送し、井げたばらし部23で1枚ずつばらし、向きを揃え、ごみ除去後、井げた組み部27で2枚ずつ重ね、向きを互いに変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として洗浄部29に搬送し、洗浄後、遠心脱水部31で遠心脱水し、段積み部33で段積みし、多段積重ね容器13として排出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置に関し、更に詳しくは、例えばコンビニエンスストアなどにパンや惣菜などの物品を納品するために使用されたトレーのような容器を納品後、回収し、向きを一つ置きに90度変えて井げた状に多段に積み重ねられた多数の容器を効率的に洗浄する容器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどにパンや惣菜などの物品を大量に納品する場合には、物品を多数収容することができる例えば図2に示すようなトレー、パレット、コンテナなどと呼ばれる若干縦長の容器11を使用するが、このような容器は、物品を納入した使用後、各店から回収され、何段にも積み重ねられて、トラックなどに積載され、所定の洗浄場所に運搬された後、洗浄される。
【0003】
なお、トラックなどに積載される場合には、その嵩を小さくするために、容器11の向きを一つ置きに90度変えて、図3に示すように2枚ずつ井げた状に組んだもの、すなわち井げた状2枚組容器15を図4に示すように多数積み重ね、この積み重ねた多数の容器11を多段積重ね容器13として容器洗浄装置のある洗浄場所に運ばれる。
【0004】
このように井げた状に組まれて多数積み重ねられた容器11を洗浄するには、各容器11を同じ向きにして1枚ずつにばらして容器洗浄装置に供給したり、またこの1枚ずつにばらした容器11を高圧洗浄処理や遠心脱水処理などに効率的にかけるために図3に示すように互いに90度向きが異なって井げた状に重なった2枚ずつに組んで洗浄箇所に供給することが洗浄処理の効率化のために必要であるし、また各容器11のごみを除去する場合には、容器11を1枚ずつにばらして行うことが必要である。
【0005】
上述したように、容器を積み重ねたり、積み重ねたものをばらすための従来の装置として、例えば特許文献1に記載のトレイ段積み・段ばらし装置がある。この装置は、長いバーの下端に係合爪を設け、バーをトレイの貫通孔に挿入して係合爪をトレイに係合させ、バーを上下動することにより、段積みされたトレイを1枚ずつにばらしたり、1枚ずつ流れてくるトレイを段積みするものである。
【0006】
また、従来、1枚ずつ流れてくるトレイを何段にも積み上げる方法として、流れてくるトレイを上下の二手に分流し、上方に分流したトレイを下方に分流したトレイの上に落下などさせて載置することによりトレイを上下に積み上げる処理を繰り返し行うことによりトレイを何段にも積み上げるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2505692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に記載のトレイ段積み・段ばらし装置は、段積みされたトレイを1枚ずつにばらしたり、1枚ずつ流れてくるトレイを段積みすることはできるが、トレイの向きを一つ置きに90度変えて2枚ずつ井げた状に組んだり、また井げた状に組まれて何段にも積み重ねられた容器を同じ向きにして1枚ずつにばらすことはできないという問題があるとともに、この従来の装置は、比較的複雑で非経済的であるという問題もある。
【0009】
また、トレイを上下の二手に分流する従来の方法もトレイの向きを一つ置きに90度変えて2枚ずつ井げた状に組んだり、また井げた状に組まれて何段にも積み重ねられた容器を同じ向きにして1枚ずつにばらすことはできないとともに、トレイを上下の二手に分流するために広いスペースを必要とし、非経済的であるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、洗浄処理の効率化のために容器を井げた状に組んだり、井げた状に組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができる容器洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため、請求項1記載の容器洗浄装置は、容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、搬送装置で搬送されてくる向きを互いに90度変えて井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させる井げたばらし部と、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、搬送装置で搬送させる井げた組み部とを有することを要旨とする。
【0012】
請求項1記載の容器洗浄装置では、搬送されてくる向きを互いに90度変えて井げた状に組まれた2枚ずつの容器を井げたばらし部で1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させるとともに、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を井げた組み部で2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、搬送装置で搬送させるため、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができ、ごみ除去や洗浄処理の効率化を図ることができるとともに、井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0013】
請求項2記載の容器洗浄装置は、容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、前記積み重ねられた多数の容器を互いに90度向きが異なって井げた状に組まれて重なった2枚ずつにばらされた後、搬送装置で搬送されてくる当該井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げたばらし部と、この井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器のごみを除去した後、搬送されてくる1枚ずつの容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、洗浄部に搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げた組み部とを有することを要旨とする。
【0014】
請求項2記載の容器洗浄装置では、井げた状に組まれた2枚ずつにばらされた後、井げた状に組まれた2枚ずつの容器を井げたばらし部で1枚ずつばらし、向きを揃えて搬送するとともに、このばらされた容器のごみを除去した後、1枚ずつの容器を井げた組み部で2枚ずつ井げた状に組み、洗浄部に搬送するため、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができ、ごみ除去や洗浄処理の効率化を図ることができるとともに、井げた状に組むことにより多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0015】
請求項3記載の容器洗浄装置は、前記井げたばらし部が、搬送装置で搬送されてくる井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、この所定の停止位置で停止した2枚の容器のうちの上側の容器のみを上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、この棒状部材の下端に取り付けられ、前記上側の容器の両端を保持する保持部と、この保持部で保持された上側の容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、上側の容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、この所定の上方位置に上側の容器が上昇した場合、下側の容器を搬送装置で搬送して上側の容器の真下から移動させるとともに、上側の容器を90度回転させて下側の容器の向きと同じ向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、この90度回転した上側の容器を搬送装置の搬送路上に載置して下側の容器と同じ向きで搬送させる載置手段とを有し、前記井げた組み部が、搬送装置で1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、この所定の停止位置で停止した容器を上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、この棒状部材の下端に取り付けられ、前記容器の両端を保持する保持部と、この保持部で保持された容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、この所定の上方位置に容器が上昇した場合、容器を90度回転させて次の容器の向きと90度異なる向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、次に搬送されてくる容器を所定の停止位置に停止させるように前記ストッパを制御するストッパ制御手段と、この停止した容器の上に前記回転手段で90度回転させられた容器を載置し、2枚の容器を重ねて互いに90度向きを変えた井げた状に組んで搬送装置で搬送させる井げた載置手段とを有することを要旨とする。
【0016】
請求項3記載の容器洗浄装置では、井げたばらし部は井げた状に組まれた2枚ずつの容器を停止し、この停止した2枚の容器のうちの上側の容器のみを棒状部材の下端の保持部で保持し上昇させて上方に吊り上げ、所定の上方位置で停止させ、下側の容器を移動させ、上側の容器を90度回転して下側の容器と同じ向きに変え、下側の容器と同じ向きで搬送させ、井げた組み部は1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を停止させ、この容器を棒状部材の下端の保持部で保持し上昇させて上方に吊り上げ、所定の上方位置で停止させ、90度回転させて次の容器と90度異なる向きに変え、次の容器を停止させ、この容器の上に90度回転した容器を載置し、2枚の容器を重ねて井げた状に組んで搬送するため、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができ、ごみ除去や洗浄処理の効率化を図ることができるとともに、井げた状に組むことにより多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0017】
請求項4記載の容器洗浄装置は、前記井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器を受け止め、裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するごみ除去部を有することを要旨とする。
【0018】
請求項4記載の容器洗浄装置では、1枚ずつ搬送されてくる容器を裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するため、容器内のごみは確実に除去される。
【0019】
請求項5記載の容器洗浄装置は、前記保持部が、容器の進行方向前後の両側を挟むように保持する挟持手段を有することを要旨とする。
【0020】
請求項5記載の容器洗浄装置では、保持部が容器の進行方向前後の両側を挟むように保持するため、容器を確実に保持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、井げた状に組まれた2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させるとともに、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を井げた組み部で2枚ずつ井げた状に組み、搬送装置で搬送させるので、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができるとともに、1枚ずつばらした場合には、容器内のごみの除去を確実に行うことができ、また井げた状に組んだ場合には、洗浄処理や脱水処理を効率的に行うことができ、更に井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0022】
また、本発明によれば、井げた状に組まれた2枚ずつの容器のうちの上側の容器を上方に吊り上げて停止させ、下側の容器を移動させ、上側の容器の向きを変え、下側の容器と同じ向きで搬送させるとともに、また1枚ずつ搬送されてくる容器を上方に吊り上げて停止させ、次の容器と90度異なる向きに変え、次の容器を停止させ、この容器の上に90度回転した容器を載置し、2枚の容器を井げた状に組んで搬送するので、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができるとともに、1枚ずつばらした場合には、容器内のごみの除去を確実に行うことができ、また井げた状に組んだ場合には、洗浄処理や脱水処理を効率的に行うことができ、更に井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0023】
本発明によれば、1枚ずつ搬送されてくる容器を裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するので、容器内のごみは確実に除去される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係わる容器洗浄装置の全体の流れを示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態の容器洗浄装置で使用する容器を示す斜視図である。
【図3】図2に示す2枚の容器の向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器を示す斜視図である。
【図4】図3に示すように2枚ずつ井げた状に組んだ井げた状2枚組容器を何段にも積み重ねた多段積重ね容器を示す斜視図である。
【図5】図1に示す実施形態の容器洗浄装置を構成する井げたばらし部および井げた組み部で使用する井げたばらし/組み装置の構成を示す斜視図である。
【図6】図5に示す井げたばらし/組み装置の別の動作状態を示す斜視図である。
【図7】図5に示す井げたばらし/組み装置を構成する回転機構の構成を示す平面図である。
【図8】図7に示す回転機構の別の動作状態を示す平面図である。
【図9】図7に示す回転機構の更に別の動作状態を示す平面図である。
【図10】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図11】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図12】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図13】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図14】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図15】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図16】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図17】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図18】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図19】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図20】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図21】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図22】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図23】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図24】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図25】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図26】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図27】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図28】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図29】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係わる容器洗浄装置の全体の流れを示すブロック図である。同図に示す容器洗浄装置は、図2に示した容器11の向きを互いに90度変えて図3に示すように2枚ずつ井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15を図4に示すように何段にも積み重ねた多段積重ね容器13を受け入れ、この多段積重ね容器13の中の各容器11のごみを除去し、洗浄し、脱水するものであり、2枚ばらし部21、井げたばらし部23、ごみ除去部25、井げた組み部27、洗浄部29、遠心脱水部31、段積み部33から構成され、各処理部の間は搬送装置の搬送路を構成する搬送レール41で連結され、この搬送レール41により容器11は各処理部に供給されるべく順次搬送されるとともに、各処理部で処理された容器11が次の処理部に搬送されるようになっている。
【0027】
2枚ばらし部21は、容器11を図4に示すように何段にも積み重ねた多段積重ね容器13を搬送レール41を介して受け取り、この多段積重ね容器13を2枚ずつの向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ図3に示す井げた状2枚組容器15にばらす2枚ばらし処理を行い、この2枚ずつにばらされた井げた状2枚組容器15を次の処理部である井げたばらし部23に供給すべく搬送レール41に載せるものである。
【0028】
この2枚ばらし部21における2枚ばらし処理は、例えば搬送レール41を介して受け取った多段積重ね容器13のうちの最下部の2枚を除く上側の全容器11を両側から挟んで保持し持ち上げ、この持ち上げている間に最下部の2枚をそのまま搬送レール41で搬送し、この2枚の容器11を井げた状2枚組容器15として次の処理部である井げたばらし部23に送るものである。そして、この井げた状2枚組容器15が搬送レール41により移動した後、持ち上げた上側の全容器11を搬送レール41上に降ろし、以降は同じ動作を繰り返し、これにより多段積重ね容器13を2枚ずつの井げた状2枚組容器15にばらすものである。
【0029】
なお、多段積重ね容器13のうちの最下部の2枚を除く上側の全容器を両側から挟んで保持し持ち上げる処理は、例えば全容器を両側から挟んで保持する挟持装置を搬送レール41の上方に設け、この挟持装置を上下動させることで実現したり、または多段積重ね容器13のうちの最下部の2枚を除く下から3番目の容器11の2番目の容器11よりも少し横に出ている両端の底部の下に平行な薄く堅牢なレール状部材を延出して、上側の全容器を下側から保持し持ち上げることなどでも実現することができる。
【0030】
井げたばらし部23は、2枚ばらし部21から搬送レール41を介して搬送されてくる井げた状2枚組容器15を順次受け取り、この井げた状2枚組容器15を1枚ずつの容器11にばらすとともに、各容器11の向きを揃えて、搬送レール41に1枚ずつ載せて搬送し、次の処理部であるごみ除去部25に供給するものである。
【0031】
この井げたばらし部23は、井げた状2枚組容器15をばらして向きを揃えるための装置として、図5および図6に示すような井げたばらし/組み装置51を有する。なお、図5および図6において、井げたばらし/組み装置51は、搬送レール41の真上の上方に設けられ、井げた状2枚組容器15は、搬送レール41上を矢印100で示す方向から搬送されてくる。また、この井げたばらし/組み装置51は、井げたばらし部23の井げたばらし処理を行う機能を有する以外に、後述する井げた組み部27の井げた組み処理も行う機能を有するものである。
【0032】
この井げたばらし/組み装置51は、図5において搬送レール41上を矢印100で示す方向から搬送されてくる井げた状に重なった2枚ずつの容器11である井げた状2枚組容器15を所定の停止位置で停止させるストッパ(図10、11で後述)と、この所定の停止位置で停止した井げた状2枚組容器15の2枚の容器11のうちの上側の容器11aのみを上方に吊り上げるために上側の容器11aの両側に上方から下降してくる4本の棒状部材53と、この棒状部材53の下端に取り付けられ、上側の容器11aの両端を保持する保持部55と、この保持部55で保持された上側の容器11aのみを上方に吊り上げるように棒状部材53を上方に引っ込めるように上昇させ、上側の容器11aが図6に示すように所定の上方位置に来たら上昇を停止するとともに、上述した棒状部材53の下降も制御するシリンダー機構などからなる上昇/下降手段を構成する上昇下降制御機構57と、前記所定の上方位置に上側の容器11aが上昇した場合、下側の容器11bを搬送レール41上で搬送して上側の容器11aの真下から移動させるとともに、上側の容器11aを図7乃至図9に示すように90度回転させて下側の容器11bの向きと同じ向きにすべく前記保持部55および棒状部材53を90度回転させる伸縮アームなどからなる回転手段を構成する回転機構59と、この90度回転した上側の容器11aを搬送レール41上に載置して下側の容器11bと同じ向きで搬送させる載置手段を構成する載置部(図示せず)とから構成されている。なお、井げたばらし/組み装置51は、上述した井げたばらし部23の井げたばらし処理を達成する機能処理部に加えて、後述する井げた組み部27の井げた組み処理を達成するための処理機能部も有するが、ここでは井げたばらし部23の井げたばらし処理に必要な処理部のみ説明する。
【0033】
なお、図5乃至図9において、800は、図2に示した容器11よりも厚い容器を同様に処理するための機構であり、本実施形態のものと同様の機構、作用を有するものであるため、その説明は省略する。
【0034】
回転機構59は、図7乃至図9から分かるように、シリンダー機構61と、このシリンダー機構61に対して伸縮自在に挿通される伸縮アーム63と、この伸縮アーム63の先端に一端が回動自在に取り付けられ、他端が上昇下降制御機構57の中心に取り付けられ、直角に折曲した折曲アーム65とを有する。
【0035】
回転機構59は、図7に示す状態では、上側の容器11aの長手方向が搬送レール41の方向と同じになっていて、まだ容器11aを回転させていない原点位置にあり、この原点位置では伸縮アーム63が縮んでシリンダー機構61の内部に引き込まれている。このような原点位置から容器11aを90度回転させて向きを変えるには、シリンダー機構61の作用により図8に示すように伸縮アーム63を伸長させる。このように伸縮アーム63が伸長すると、伸縮アーム63の先端に取り付けられている折曲アーム65が上昇下降制御機構57の中心の周りに反時計方向に回転し、上昇下降制御機構57は45度回転する。
【0036】
図8に示すように、上昇下降制御機構57が45度回転した後、更にシリンダー機構61の作用により伸縮アーム63が図9に示すように伸長すると、折曲アーム65は、更に上昇下降制御機構57の中心の周りに更に45度回転し、図7に示した原点位置に対して全体で90度回転する。その結果、上昇下降制御機構57の保持部55で保持されていた上側の容器11aは、90度回転したことになり、下側の容器11bと同じ向きになる。
【0037】
このように上側の容器11aが90度回転して、下側の容器11bと同じ向きになった後、保持部55による上側の容器11aの保持を解除すると、上側の容器11aは、搬送レール41上に落下して載置されることなる。なお、このように上側の容器11aを搬送レール41上に落下させる時には、下側の容器11bは、既に搬送レール41で搬送され移動しているので、上側の容器11aが下側の容器11bの上に載ることはない。また、上記説明では、上側の容器11aを落下させるとしたが、落下させるのでなく、上昇下降制御機構57の制御により棒状部材53を下降させ、棒状部材53の下端の保持部55を搬送レール41のところまで移動させ、この位置で保持部55による保持を解除し、上側の容器11aを搬送レール41の上に載置してもよい。
【0038】
上述したように、上側の容器11aが下側の容器11bと同じ向きに90度回転させられて搬送レール41上に載置された後、回転機構59は、図9に示した90度回転した位置から逆回転して、図7に示す原点位置に戻る。
【0039】
なお、上昇下降制御機構57は、図5および図6では、この上昇下降制御機構57およびこの上昇下降制御機構57に連結されている棒状部材53および保持部55のみについて説明したが、この上昇下降制御機構57は、図7乃至図9からも分かるように上昇下降制御機構57が薄い容器11に対して容器11を挟むように2個設けられるとともに、符号800で示したように厚い容器に対しても2個設けられ、全体で4個設けられ、この全体で4個の上昇下降制御機構57を十字形に連結している様子が図7乃至図9からも分かるように設けられているものであり、図7乃至図9ではこの十字形連結部の全体も上昇下降制御機構57として含むように符号57が付されている。
【0040】
次に、図10乃至図19を参照して、上述した井げたばらし部23の井げたばらし/組み装置51による一連の動作、すなわち井げた状2枚組容器15を1枚ずつの容器11にばらし、その向きを90度回転して揃え、搬送レール41に載置して搬送するという一連の動作を流れに沿って説明する。
【0041】
まず、図10では、井げた状に組まれた上側の容器11aと下側の容器11bからなる2枚の容器が井げた状2枚組容器15として搬送レール41上を矢印200で示すように井げたばらし部23の井げたばらし/組み装置51の下方に搬送されてくる。この時、この搬送方向の前方の所定の停止位置にはストッパ71が搬送レール41上に突出して設けられる。
【0042】
次に、搬送レール41上を搬送されてくる井げた状2枚組容器15が更に移動して、図11に示すように、ストッパ71に当たると、井げた状2枚組容器15はこの所定の停止位置で停止する。
【0043】
井げた状2枚組容器15が停止位置で停止すると、図12に示すように、上昇下降制御機構57の棒状部材53が下方に下降し、棒状部材53の下端に設けられている保持部55が井げた状2枚組容器15のうちの上側の容器11aの両側に位置するようになる。
【0044】
上昇下降制御機構57の棒状部材53の下端の保持部55が上側の容器11aの両側に位置すると、保持部55は、図13に示すように、上昇下降制御機構57の制御により上側の容器11aを搬送方向において両側から保持する。
【0045】
保持部55が上側の容器11aを両側から保持すると、図14に示すように、上昇下降制御機構57は、棒状部材53を上昇させ、棒状部材53の下端の保持部55で保持している上側の容器11aを所定の上方位置まで上昇させる。
【0046】
上側の容器11aが所定の上方位置まで上昇すると、図15に示すように、上側の容器11aを90度回転させる。なお、この90度回転動作は、図7乃至図9で説明したものと同じである。上側の容器11aが90度回転すると、図16に示すように、搬送レール41上に残っていた下側の容器11bを移動させる。なお、上側の容器11aが90度回転すると、この上側の容器11aの向きは下側の容器11bの向きと同じになる。
【0047】
下側の容器11bが移動すると、上昇下降制御機構57の保持部55で保持していた上側の容器11aを図17に示すように搬送レール41上に落下させる。この結果、上側の容器11aも下側の容器11bと同じ向きで搬送レール41上に載置されることになる。
【0048】
上側の容器11aが下側の容器11bと同じ向きになって、搬送レール41上に載置されると、上側の容器11aも下側の容器11bと同じように搬送レール41上を次の処理部に向かって搬送され始める。一方、回転機構59は、上述したように90度回転した位置から図18に示すように逆回転を開始し、それから図19に示すように、逆回転を完了し、図7に示す原点位置に戻る。
【0049】
上述したように、井げたばらし部23における井げたばらし/組み装置51により、井げた状2枚組容器15を1枚ずつの容器11にばらし、その向きを90度回転して揃え、搬送レール41に載置して搬送するという一連の動作が完了すると、この1枚ずつの容器11にばらして向きを揃えられた各容器11は、井げたばらし部23から搬送レール41によりごみ除去部25に搬送される。
【0050】
ごみ除去部25は、搬送レール41を介して井げたばらし部23から搬送されてくる同じ向きに揃えられた1枚ずつの容器11を受け取ると、この容器11の内部にたまっているごみを除去する処理を行うものであるが、このごみ除去は、容器11を裏向きに反転して、容器11内のごみを落下させて除去し、ごみ除去後、更に表向きに反転し、次の処理部である井げた組み部27に搬送レール41で搬送する。
【0051】
ごみ除去のために、容器11を裏向きに反転する処理は、搬送レール41上を搬送されて移動してくる容器11の先端をストッパなどで固定しつつ、容器11の後端を下方から上昇してくるアームなどで突き上げたり、または持ち上げるなどにより行うことができる。また、ごみ除去後に表向きに反転する処理も同様に裏向きに反転している容器11の先端をストッパなどで固定しつつ、容器11の後端を下方から上昇してくるアームなどで突き上げたり、または持ち上げるなどにより行うことができる。なお、ごみ除去の方法は、このような方法に限定されるものでなく、例えば搬送レール41上を移動してくる容器11の上方から掃除機の吸引ノズルを容器11の内部にのばし、この掃除機の吸引ノズルで容器11の内部のごみを除去してもよい。
【0052】
上述したように、ごみ除去部25でごみを除去された各容器11は、1枚ずつ同じ向きで搬送レール41上に載せられ、次の処理部である井げた組み部27に供給される。
【0053】
井げた組み部27は、ごみ除去部25から搬送レール41により1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を受け取ると、2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、図3に示すような井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に載せ、次の処理部である洗浄部29に搬送する。
【0054】
井げた組み部27は、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を2枚ずつ重ね向きを互いに90度変えて井げた状に組み、井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に載せるための装置として、図5および図6に示すような井げたばらし/組み装置51を有する。なお、図5および図6において、井げたばらし/組み装置51は、搬送レール41の真上の上方に設けられ、各容器11は、搬送レール41上を矢印100で示す方向から搬送されてくる。また、井げたばらし/組み装置51は、上述した井げたばらし部23の井げたばらし/組み装置51と同じものであるが、井げたばらし部23の井げたばらし処理を達成する処理機能に加えて、井げた組み部27の井げた組み処理を達成するための処理機能部も有する。
【0055】
図5および図6を参照して、井げたばらし/組み装置51について説明する。井げたばらし/組み装置51は、搬送レール41上を矢印100で示す方向から1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を所定の停止位置で停止させるストッパ(図20乃至図29で後述)と、この所定の停止位置で停止した容器11を上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材53と、この棒状部材53の下端に取り付けられ、前記ストッパで停止した容器の両端を保持する保持部55と、この保持部55で保持された容器11を上方に吊り上げるように棒状部材53を上昇させ、容器11が所定の上方位置に来たら上昇を停止するとともに、上述した棒状部材53の下降も制御するシリンダー機構などからなる上昇/下降手段を構成する上昇下降制御機構57と、前記所定の上方位置に容器11が上昇した場合、容器11を上述した図7乃至図9に説明したように90度回転させて次の容器の向きと90度異なる向きに変えるべく前記保持部55および棒状部材53を90度回転させる前記伸縮アーム63などからなる回転手段を構成する回転機構59と、次に搬送されてくる容器11を所定の停止位置に停止させるように前記ストッパを制御するストッパ制御手段(制御手段は図示せず)と、この停止した容器11の上に前記回転機構59で90度回転させられた容器11を載置し、2枚の容器11を重ねて互いに90度向きを変えた井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として次の処理部である洗浄部29に搬送すべく搬送レール41上に載置する井げた載置手段を構成する載置部(図示せず)とから構成されている。
【0056】
なお、回転機構59は、図7乃至図9に示したものであり、上述した構成および説明と同じであるので、説明は省略する。
【0057】
次に、図20乃至図29を参照して、井げた組み部27の井げたばらし/組み装置51による一連の動作、すなわちごみ除去部25から搬送レール41により1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を受け取ると、2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に載せ、次の処理部である洗浄部29に搬送する一連の動作を流れに沿って説明する。
【0058】
まず、図20では、上昇下降制御機構57の棒状部材53は上方に引っ込んで所定の定位置に移動しており、搬送レール41上を1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を受け取る待機状態にある。なお、この待機状態では、搬送レール41上を搬送されてくる容器11を所定の停止位置で停止させるべくストッパが上方に突出しているが、図20では位置的問題で明確に図示されていない。
【0059】
図21では、搬送レール41上を搬送されてくる容器11が井げたばらし/組み装置51の真下に到着し、ストッパで停止したので、上昇下降制御機構57の棒状部材53が下方に延出し、棒状部材53の下端の保持部55が容器11を両側から保持し得るように位置している。そして、図22で、上昇下降制御機構57の保持部55が容器11を保持する。
【0060】
容器11が上昇下降制御機構57の保持部55で保持されると、図23に示すように、棒状部材53が上方に引っ込むように上昇し、容器11が所定の上方位置に上昇する。容器11が所定の上昇位置に上昇すると、図7乃至図9で説明したように回転機構59により容器11(以下、この上昇した容器11を容器11aと称する)は図24に示すように90度回転され、次の容器11(以下、この容器11を容器11bと称する)の向きと90度異なる向きに変えられるとともに、搬送レール41上を矢印300で示すように搬送されてくる次の容器11bを受け取るべくストッパ71が搬送レール41上に突出し、次の容器11bの到着を待つ。
【0061】
図25に示すように、次の容器11bが到着し、ストッパ71で停止すると、上昇下降制御機構57の保持部55は、容器11aの保持を解除し、図26に示すように、上側の向きを90度変えた容器11aを次の容器11bの上に落下させ、これにより2枚の容器11a、11bは向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に位置することになるとともに、この時ストッパ71は、突出状態から下方に戻り、井げた状2枚組容器15は、矢印400で示すように、搬送レール41上を移動開始し、次の処理部である洗浄部29に供給されるべく搬送される。
【0062】
図27では、回転機構59は容器11を保持して90度回転した状態から最初の原点位置に戻るべく逆回転を開始する。図28で、逆回転が完了すると、ストッパ71が突出して、次の容器11の到着を待つ状態に入る。そして、図29に示すように、次の容器11が到着すると、最初の図20で説明した状態になり、以降同様の動作を繰り返す。
【0063】
上述したように、井げた組み部27において、2枚ずつの向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15は、井げた組み部27から搬送レール41を介して次の処理部である洗浄部29に搬送される。
【0064】
洗浄部29は、井げた組み部27から搬送レール41を介して搬送されてくる井げた状2枚組容器15を順次受け取ると、この受け取った井げた状2枚組容器15を順次洗浄し、洗浄した各井げた状2枚組容器15を次の処理部である遠心脱水部31に供給すべく搬送レール41で搬送する。
【0065】
洗浄部29における井げた状2枚組容器15の洗浄は、高圧水流を井げた状2枚組容器15に対して噴射して行う。このような高圧水流の噴射では、井げた状2枚組容器15の各容器11に付着している頑固なごみは勿論のこと、容器11に貼り付けられている例えば容器内の納入品の名称や納入先名などを記入した伝票やラベルのようなものでも、簡単に除去してきれいに洗浄することができる。また、井げた状2枚組容器15として2枚の容器11を同時に洗浄することができ、効率的であるとともに、2枚の容器11は、井げた状2枚組容器15として井げた状に組んであるので、強い高圧水流の噴射がかかっても、井げた状の組合せが外れることもない。
【0066】
上述したように、洗浄部29で洗浄された各井げた状2枚組容器15は、洗浄部29から搬送レール41を介して次の処理部である遠心脱水部31に搬送される。この遠心脱水部31において、各井げた状2枚組容器15は遠心脱水処理を施され、脱水され、次の処理部である段積み部33に搬送される。
【0067】
段積み部33は、遠心脱水部31から搬送されてくる各井げた状2枚組容器15を受け取ると、この各井げた状2枚組容器15を図4に示したように多段に積み重ねて、多段積重ね容器13として搬送レール41を介して外部に排出する。
【0068】
段積み部33における井げた状2枚組容器15の多段積重ね処理は、前述した2枚ばらし部21の2枚ばらし処理の逆の動作を行うものであり、例えば搬送レール41を介して搬送されてくる井げた状2枚組容器15を受け取ると、この井げた状2枚組容器15を両側から挟んで保持し持ち上げ、この持ち上げている間に次の井げた状2枚組容器15を真下に受け入れ、この受け入れた次の井げた状2枚組容器15の上に前記先に持ち上げた井げた状2枚組容器15を降下させ、次の井げた状2枚組容器15が下側になり、その上に先の井げた状2枚組容器15が上側になるように積み重ねた後、この上側の井げた状2枚組容器15の保持を解除し、積み重ねられた井げた状2枚組容器15の全体を保持するように、具体的には積み重ねられた井げた状2枚組容器15のうちの下側の井げた状2枚組容器15を両側から挟んで保持し全体的に持ち上げることで積み重ねられた井げた状2枚組容器15の全体を保持しながら持ち上げ、この全体を持ち上げている間に次の井げた状2枚組容器15を搬送レール41から受け入れ、この受け入れた次の井げた状2枚組容器15の上に前記持ち上げた井げた状2枚組容器15の全体を降下させ、次の井げた状2枚組容器15が下側になり、その上に全体の井げた状2枚組容器15が上側になるように積み重ねることなどを繰り返し行うことにより達成することができる。
【0069】
上述したように、本実施形態では、多段に積み重ねられた多段積重ね容器13を2枚ずつの井げた状2枚組容器15にばらし、更に井げたばらし部23で向きを揃えた1枚ずつの容器11としてごみ除去部25に供給し、ごみを確実に除去してから、井げた組み部27において2枚ずつ重ねて向きを互いに変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として洗浄部29に搬送して洗浄し、更に段積み部33で多段積重ね容器13のように段積みして排出しているように容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができるとともに、1枚ずつばらした場合には、容器内のごみの除去を確実に行うことができ、また井げた状に組んだ場合には、洗浄処理や脱水処理を効率的に行うことができ、更に井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0070】
11 容器
11a 容器
11b 容器
13 多段積重ね容器
15 井げた状2枚組容器
21 2枚ばらし部
23 井げたばらし部
25 ごみ除去部
27 井げた組み部
29 洗浄部
31 遠心脱水部
33 段積み部
41 搬送レール
51 井げたばらし/組み装置
53 棒状部材
55 保持部
57 上昇下降制御機構
59 回転機構
61 シリンダー機構
63 伸縮アーム
65 折曲アーム
71 ストッパ
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置に関し、更に詳しくは、例えばコンビニエンスストアなどにパンや惣菜などの物品を納品するために使用されたトレーのような容器を納品後、回収し、向きを一つ置きに90度変えて井げた状に多段に積み重ねられた多数の容器を効率的に洗浄する容器洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどにパンや惣菜などの物品を大量に納品する場合には、物品を多数収容することができる例えば図2に示すようなトレー、パレット、コンテナなどと呼ばれる若干縦長の容器11を使用するが、このような容器は、物品を納入した使用後、各店から回収され、何段にも積み重ねられて、トラックなどに積載され、所定の洗浄場所に運搬された後、洗浄される。
【0003】
なお、トラックなどに積載される場合には、その嵩を小さくするために、容器11の向きを一つ置きに90度変えて、図3に示すように2枚ずつ井げた状に組んだもの、すなわち井げた状2枚組容器15を図4に示すように多数積み重ね、この積み重ねた多数の容器11を多段積重ね容器13として容器洗浄装置のある洗浄場所に運ばれる。
【0004】
このように井げた状に組まれて多数積み重ねられた容器11を洗浄するには、各容器11を同じ向きにして1枚ずつにばらして容器洗浄装置に供給したり、またこの1枚ずつにばらした容器11を高圧洗浄処理や遠心脱水処理などに効率的にかけるために図3に示すように互いに90度向きが異なって井げた状に重なった2枚ずつに組んで洗浄箇所に供給することが洗浄処理の効率化のために必要であるし、また各容器11のごみを除去する場合には、容器11を1枚ずつにばらして行うことが必要である。
【0005】
上述したように、容器を積み重ねたり、積み重ねたものをばらすための従来の装置として、例えば特許文献1に記載のトレイ段積み・段ばらし装置がある。この装置は、長いバーの下端に係合爪を設け、バーをトレイの貫通孔に挿入して係合爪をトレイに係合させ、バーを上下動することにより、段積みされたトレイを1枚ずつにばらしたり、1枚ずつ流れてくるトレイを段積みするものである。
【0006】
また、従来、1枚ずつ流れてくるトレイを何段にも積み上げる方法として、流れてくるトレイを上下の二手に分流し、上方に分流したトレイを下方に分流したトレイの上に落下などさせて載置することによりトレイを上下に積み上げる処理を繰り返し行うことによりトレイを何段にも積み上げるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2505692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1に記載のトレイ段積み・段ばらし装置は、段積みされたトレイを1枚ずつにばらしたり、1枚ずつ流れてくるトレイを段積みすることはできるが、トレイの向きを一つ置きに90度変えて2枚ずつ井げた状に組んだり、また井げた状に組まれて何段にも積み重ねられた容器を同じ向きにして1枚ずつにばらすことはできないという問題があるとともに、この従来の装置は、比較的複雑で非経済的であるという問題もある。
【0009】
また、トレイを上下の二手に分流する従来の方法もトレイの向きを一つ置きに90度変えて2枚ずつ井げた状に組んだり、また井げた状に組まれて何段にも積み重ねられた容器を同じ向きにして1枚ずつにばらすことはできないとともに、トレイを上下の二手に分流するために広いスペースを必要とし、非経済的であるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、洗浄処理の効率化のために容器を井げた状に組んだり、井げた状に組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができる容器洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を達成するため、請求項1記載の容器洗浄装置は、容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、搬送装置で搬送されてくる向きを互いに90度変えて井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させる井げたばらし部と、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、搬送装置で搬送させる井げた組み部とを有することを要旨とする。
【0012】
請求項1記載の容器洗浄装置では、搬送されてくる向きを互いに90度変えて井げた状に組まれた2枚ずつの容器を井げたばらし部で1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させるとともに、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を井げた組み部で2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、搬送装置で搬送させるため、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができ、ごみ除去や洗浄処理の効率化を図ることができるとともに、井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0013】
請求項2記載の容器洗浄装置は、容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、前記積み重ねられた多数の容器を互いに90度向きが異なって井げた状に組まれて重なった2枚ずつにばらされた後、搬送装置で搬送されてくる当該井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げたばらし部と、この井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器のごみを除去した後、搬送されてくる1枚ずつの容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、洗浄部に搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げた組み部とを有することを要旨とする。
【0014】
請求項2記載の容器洗浄装置では、井げた状に組まれた2枚ずつにばらされた後、井げた状に組まれた2枚ずつの容器を井げたばらし部で1枚ずつばらし、向きを揃えて搬送するとともに、このばらされた容器のごみを除去した後、1枚ずつの容器を井げた組み部で2枚ずつ井げた状に組み、洗浄部に搬送するため、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができ、ごみ除去や洗浄処理の効率化を図ることができるとともに、井げた状に組むことにより多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0015】
請求項3記載の容器洗浄装置は、前記井げたばらし部が、搬送装置で搬送されてくる井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、この所定の停止位置で停止した2枚の容器のうちの上側の容器のみを上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、この棒状部材の下端に取り付けられ、前記上側の容器の両端を保持する保持部と、この保持部で保持された上側の容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、上側の容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、この所定の上方位置に上側の容器が上昇した場合、下側の容器を搬送装置で搬送して上側の容器の真下から移動させるとともに、上側の容器を90度回転させて下側の容器の向きと同じ向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、この90度回転した上側の容器を搬送装置の搬送路上に載置して下側の容器と同じ向きで搬送させる載置手段とを有し、前記井げた組み部が、搬送装置で1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、この所定の停止位置で停止した容器を上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、この棒状部材の下端に取り付けられ、前記容器の両端を保持する保持部と、この保持部で保持された容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、この所定の上方位置に容器が上昇した場合、容器を90度回転させて次の容器の向きと90度異なる向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、次に搬送されてくる容器を所定の停止位置に停止させるように前記ストッパを制御するストッパ制御手段と、この停止した容器の上に前記回転手段で90度回転させられた容器を載置し、2枚の容器を重ねて互いに90度向きを変えた井げた状に組んで搬送装置で搬送させる井げた載置手段とを有することを要旨とする。
【0016】
請求項3記載の容器洗浄装置では、井げたばらし部は井げた状に組まれた2枚ずつの容器を停止し、この停止した2枚の容器のうちの上側の容器のみを棒状部材の下端の保持部で保持し上昇させて上方に吊り上げ、所定の上方位置で停止させ、下側の容器を移動させ、上側の容器を90度回転して下側の容器と同じ向きに変え、下側の容器と同じ向きで搬送させ、井げた組み部は1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を停止させ、この容器を棒状部材の下端の保持部で保持し上昇させて上方に吊り上げ、所定の上方位置で停止させ、90度回転させて次の容器と90度異なる向きに変え、次の容器を停止させ、この容器の上に90度回転した容器を載置し、2枚の容器を重ねて井げた状に組んで搬送するため、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができ、ごみ除去や洗浄処理の効率化を図ることができるとともに、井げた状に組むことにより多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0017】
請求項4記載の容器洗浄装置は、前記井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器を受け止め、裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するごみ除去部を有することを要旨とする。
【0018】
請求項4記載の容器洗浄装置では、1枚ずつ搬送されてくる容器を裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するため、容器内のごみは確実に除去される。
【0019】
請求項5記載の容器洗浄装置は、前記保持部が、容器の進行方向前後の両側を挟むように保持する挟持手段を有することを要旨とする。
【0020】
請求項5記載の容器洗浄装置では、保持部が容器の進行方向前後の両側を挟むように保持するため、容器を確実に保持することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、井げた状に組まれた2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させるとともに、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を井げた組み部で2枚ずつ井げた状に組み、搬送装置で搬送させるので、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができるとともに、1枚ずつばらした場合には、容器内のごみの除去を確実に行うことができ、また井げた状に組んだ場合には、洗浄処理や脱水処理を効率的に行うことができ、更に井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0022】
また、本発明によれば、井げた状に組まれた2枚ずつの容器のうちの上側の容器を上方に吊り上げて停止させ、下側の容器を移動させ、上側の容器の向きを変え、下側の容器と同じ向きで搬送させるとともに、また1枚ずつ搬送されてくる容器を上方に吊り上げて停止させ、次の容器と90度異なる向きに変え、次の容器を停止させ、この容器の上に90度回転した容器を載置し、2枚の容器を井げた状に組んで搬送するので、容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができるとともに、1枚ずつばらした場合には、容器内のごみの除去を確実に行うことができ、また井げた状に組んだ場合には、洗浄処理や脱水処理を効率的に行うことができ、更に井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【0023】
本発明によれば、1枚ずつ搬送されてくる容器を裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するので、容器内のごみは確実に除去される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係わる容器洗浄装置の全体の流れを示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態の容器洗浄装置で使用する容器を示す斜視図である。
【図3】図2に示す2枚の容器の向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器を示す斜視図である。
【図4】図3に示すように2枚ずつ井げた状に組んだ井げた状2枚組容器を何段にも積み重ねた多段積重ね容器を示す斜視図である。
【図5】図1に示す実施形態の容器洗浄装置を構成する井げたばらし部および井げた組み部で使用する井げたばらし/組み装置の構成を示す斜視図である。
【図6】図5に示す井げたばらし/組み装置の別の動作状態を示す斜視図である。
【図7】図5に示す井げたばらし/組み装置を構成する回転機構の構成を示す平面図である。
【図8】図7に示す回転機構の別の動作状態を示す平面図である。
【図9】図7に示す回転機構の更に別の動作状態を示す平面図である。
【図10】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図11】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図12】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図13】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図14】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図15】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図16】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図17】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図18】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図19】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図20】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図21】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図22】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図23】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図24】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図25】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図26】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図27】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図28】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【図29】図5に示す井げたばらし/組み装置の一動作を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と称する)を説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係わる容器洗浄装置の全体の流れを示すブロック図である。同図に示す容器洗浄装置は、図2に示した容器11の向きを互いに90度変えて図3に示すように2枚ずつ井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15を図4に示すように何段にも積み重ねた多段積重ね容器13を受け入れ、この多段積重ね容器13の中の各容器11のごみを除去し、洗浄し、脱水するものであり、2枚ばらし部21、井げたばらし部23、ごみ除去部25、井げた組み部27、洗浄部29、遠心脱水部31、段積み部33から構成され、各処理部の間は搬送装置の搬送路を構成する搬送レール41で連結され、この搬送レール41により容器11は各処理部に供給されるべく順次搬送されるとともに、各処理部で処理された容器11が次の処理部に搬送されるようになっている。
【0027】
2枚ばらし部21は、容器11を図4に示すように何段にも積み重ねた多段積重ね容器13を搬送レール41を介して受け取り、この多段積重ね容器13を2枚ずつの向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ図3に示す井げた状2枚組容器15にばらす2枚ばらし処理を行い、この2枚ずつにばらされた井げた状2枚組容器15を次の処理部である井げたばらし部23に供給すべく搬送レール41に載せるものである。
【0028】
この2枚ばらし部21における2枚ばらし処理は、例えば搬送レール41を介して受け取った多段積重ね容器13のうちの最下部の2枚を除く上側の全容器11を両側から挟んで保持し持ち上げ、この持ち上げている間に最下部の2枚をそのまま搬送レール41で搬送し、この2枚の容器11を井げた状2枚組容器15として次の処理部である井げたばらし部23に送るものである。そして、この井げた状2枚組容器15が搬送レール41により移動した後、持ち上げた上側の全容器11を搬送レール41上に降ろし、以降は同じ動作を繰り返し、これにより多段積重ね容器13を2枚ずつの井げた状2枚組容器15にばらすものである。
【0029】
なお、多段積重ね容器13のうちの最下部の2枚を除く上側の全容器を両側から挟んで保持し持ち上げる処理は、例えば全容器を両側から挟んで保持する挟持装置を搬送レール41の上方に設け、この挟持装置を上下動させることで実現したり、または多段積重ね容器13のうちの最下部の2枚を除く下から3番目の容器11の2番目の容器11よりも少し横に出ている両端の底部の下に平行な薄く堅牢なレール状部材を延出して、上側の全容器を下側から保持し持ち上げることなどでも実現することができる。
【0030】
井げたばらし部23は、2枚ばらし部21から搬送レール41を介して搬送されてくる井げた状2枚組容器15を順次受け取り、この井げた状2枚組容器15を1枚ずつの容器11にばらすとともに、各容器11の向きを揃えて、搬送レール41に1枚ずつ載せて搬送し、次の処理部であるごみ除去部25に供給するものである。
【0031】
この井げたばらし部23は、井げた状2枚組容器15をばらして向きを揃えるための装置として、図5および図6に示すような井げたばらし/組み装置51を有する。なお、図5および図6において、井げたばらし/組み装置51は、搬送レール41の真上の上方に設けられ、井げた状2枚組容器15は、搬送レール41上を矢印100で示す方向から搬送されてくる。また、この井げたばらし/組み装置51は、井げたばらし部23の井げたばらし処理を行う機能を有する以外に、後述する井げた組み部27の井げた組み処理も行う機能を有するものである。
【0032】
この井げたばらし/組み装置51は、図5において搬送レール41上を矢印100で示す方向から搬送されてくる井げた状に重なった2枚ずつの容器11である井げた状2枚組容器15を所定の停止位置で停止させるストッパ(図10、11で後述)と、この所定の停止位置で停止した井げた状2枚組容器15の2枚の容器11のうちの上側の容器11aのみを上方に吊り上げるために上側の容器11aの両側に上方から下降してくる4本の棒状部材53と、この棒状部材53の下端に取り付けられ、上側の容器11aの両端を保持する保持部55と、この保持部55で保持された上側の容器11aのみを上方に吊り上げるように棒状部材53を上方に引っ込めるように上昇させ、上側の容器11aが図6に示すように所定の上方位置に来たら上昇を停止するとともに、上述した棒状部材53の下降も制御するシリンダー機構などからなる上昇/下降手段を構成する上昇下降制御機構57と、前記所定の上方位置に上側の容器11aが上昇した場合、下側の容器11bを搬送レール41上で搬送して上側の容器11aの真下から移動させるとともに、上側の容器11aを図7乃至図9に示すように90度回転させて下側の容器11bの向きと同じ向きにすべく前記保持部55および棒状部材53を90度回転させる伸縮アームなどからなる回転手段を構成する回転機構59と、この90度回転した上側の容器11aを搬送レール41上に載置して下側の容器11bと同じ向きで搬送させる載置手段を構成する載置部(図示せず)とから構成されている。なお、井げたばらし/組み装置51は、上述した井げたばらし部23の井げたばらし処理を達成する機能処理部に加えて、後述する井げた組み部27の井げた組み処理を達成するための処理機能部も有するが、ここでは井げたばらし部23の井げたばらし処理に必要な処理部のみ説明する。
【0033】
なお、図5乃至図9において、800は、図2に示した容器11よりも厚い容器を同様に処理するための機構であり、本実施形態のものと同様の機構、作用を有するものであるため、その説明は省略する。
【0034】
回転機構59は、図7乃至図9から分かるように、シリンダー機構61と、このシリンダー機構61に対して伸縮自在に挿通される伸縮アーム63と、この伸縮アーム63の先端に一端が回動自在に取り付けられ、他端が上昇下降制御機構57の中心に取り付けられ、直角に折曲した折曲アーム65とを有する。
【0035】
回転機構59は、図7に示す状態では、上側の容器11aの長手方向が搬送レール41の方向と同じになっていて、まだ容器11aを回転させていない原点位置にあり、この原点位置では伸縮アーム63が縮んでシリンダー機構61の内部に引き込まれている。このような原点位置から容器11aを90度回転させて向きを変えるには、シリンダー機構61の作用により図8に示すように伸縮アーム63を伸長させる。このように伸縮アーム63が伸長すると、伸縮アーム63の先端に取り付けられている折曲アーム65が上昇下降制御機構57の中心の周りに反時計方向に回転し、上昇下降制御機構57は45度回転する。
【0036】
図8に示すように、上昇下降制御機構57が45度回転した後、更にシリンダー機構61の作用により伸縮アーム63が図9に示すように伸長すると、折曲アーム65は、更に上昇下降制御機構57の中心の周りに更に45度回転し、図7に示した原点位置に対して全体で90度回転する。その結果、上昇下降制御機構57の保持部55で保持されていた上側の容器11aは、90度回転したことになり、下側の容器11bと同じ向きになる。
【0037】
このように上側の容器11aが90度回転して、下側の容器11bと同じ向きになった後、保持部55による上側の容器11aの保持を解除すると、上側の容器11aは、搬送レール41上に落下して載置されることなる。なお、このように上側の容器11aを搬送レール41上に落下させる時には、下側の容器11bは、既に搬送レール41で搬送され移動しているので、上側の容器11aが下側の容器11bの上に載ることはない。また、上記説明では、上側の容器11aを落下させるとしたが、落下させるのでなく、上昇下降制御機構57の制御により棒状部材53を下降させ、棒状部材53の下端の保持部55を搬送レール41のところまで移動させ、この位置で保持部55による保持を解除し、上側の容器11aを搬送レール41の上に載置してもよい。
【0038】
上述したように、上側の容器11aが下側の容器11bと同じ向きに90度回転させられて搬送レール41上に載置された後、回転機構59は、図9に示した90度回転した位置から逆回転して、図7に示す原点位置に戻る。
【0039】
なお、上昇下降制御機構57は、図5および図6では、この上昇下降制御機構57およびこの上昇下降制御機構57に連結されている棒状部材53および保持部55のみについて説明したが、この上昇下降制御機構57は、図7乃至図9からも分かるように上昇下降制御機構57が薄い容器11に対して容器11を挟むように2個設けられるとともに、符号800で示したように厚い容器に対しても2個設けられ、全体で4個設けられ、この全体で4個の上昇下降制御機構57を十字形に連結している様子が図7乃至図9からも分かるように設けられているものであり、図7乃至図9ではこの十字形連結部の全体も上昇下降制御機構57として含むように符号57が付されている。
【0040】
次に、図10乃至図19を参照して、上述した井げたばらし部23の井げたばらし/組み装置51による一連の動作、すなわち井げた状2枚組容器15を1枚ずつの容器11にばらし、その向きを90度回転して揃え、搬送レール41に載置して搬送するという一連の動作を流れに沿って説明する。
【0041】
まず、図10では、井げた状に組まれた上側の容器11aと下側の容器11bからなる2枚の容器が井げた状2枚組容器15として搬送レール41上を矢印200で示すように井げたばらし部23の井げたばらし/組み装置51の下方に搬送されてくる。この時、この搬送方向の前方の所定の停止位置にはストッパ71が搬送レール41上に突出して設けられる。
【0042】
次に、搬送レール41上を搬送されてくる井げた状2枚組容器15が更に移動して、図11に示すように、ストッパ71に当たると、井げた状2枚組容器15はこの所定の停止位置で停止する。
【0043】
井げた状2枚組容器15が停止位置で停止すると、図12に示すように、上昇下降制御機構57の棒状部材53が下方に下降し、棒状部材53の下端に設けられている保持部55が井げた状2枚組容器15のうちの上側の容器11aの両側に位置するようになる。
【0044】
上昇下降制御機構57の棒状部材53の下端の保持部55が上側の容器11aの両側に位置すると、保持部55は、図13に示すように、上昇下降制御機構57の制御により上側の容器11aを搬送方向において両側から保持する。
【0045】
保持部55が上側の容器11aを両側から保持すると、図14に示すように、上昇下降制御機構57は、棒状部材53を上昇させ、棒状部材53の下端の保持部55で保持している上側の容器11aを所定の上方位置まで上昇させる。
【0046】
上側の容器11aが所定の上方位置まで上昇すると、図15に示すように、上側の容器11aを90度回転させる。なお、この90度回転動作は、図7乃至図9で説明したものと同じである。上側の容器11aが90度回転すると、図16に示すように、搬送レール41上に残っていた下側の容器11bを移動させる。なお、上側の容器11aが90度回転すると、この上側の容器11aの向きは下側の容器11bの向きと同じになる。
【0047】
下側の容器11bが移動すると、上昇下降制御機構57の保持部55で保持していた上側の容器11aを図17に示すように搬送レール41上に落下させる。この結果、上側の容器11aも下側の容器11bと同じ向きで搬送レール41上に載置されることになる。
【0048】
上側の容器11aが下側の容器11bと同じ向きになって、搬送レール41上に載置されると、上側の容器11aも下側の容器11bと同じように搬送レール41上を次の処理部に向かって搬送され始める。一方、回転機構59は、上述したように90度回転した位置から図18に示すように逆回転を開始し、それから図19に示すように、逆回転を完了し、図7に示す原点位置に戻る。
【0049】
上述したように、井げたばらし部23における井げたばらし/組み装置51により、井げた状2枚組容器15を1枚ずつの容器11にばらし、その向きを90度回転して揃え、搬送レール41に載置して搬送するという一連の動作が完了すると、この1枚ずつの容器11にばらして向きを揃えられた各容器11は、井げたばらし部23から搬送レール41によりごみ除去部25に搬送される。
【0050】
ごみ除去部25は、搬送レール41を介して井げたばらし部23から搬送されてくる同じ向きに揃えられた1枚ずつの容器11を受け取ると、この容器11の内部にたまっているごみを除去する処理を行うものであるが、このごみ除去は、容器11を裏向きに反転して、容器11内のごみを落下させて除去し、ごみ除去後、更に表向きに反転し、次の処理部である井げた組み部27に搬送レール41で搬送する。
【0051】
ごみ除去のために、容器11を裏向きに反転する処理は、搬送レール41上を搬送されて移動してくる容器11の先端をストッパなどで固定しつつ、容器11の後端を下方から上昇してくるアームなどで突き上げたり、または持ち上げるなどにより行うことができる。また、ごみ除去後に表向きに反転する処理も同様に裏向きに反転している容器11の先端をストッパなどで固定しつつ、容器11の後端を下方から上昇してくるアームなどで突き上げたり、または持ち上げるなどにより行うことができる。なお、ごみ除去の方法は、このような方法に限定されるものでなく、例えば搬送レール41上を移動してくる容器11の上方から掃除機の吸引ノズルを容器11の内部にのばし、この掃除機の吸引ノズルで容器11の内部のごみを除去してもよい。
【0052】
上述したように、ごみ除去部25でごみを除去された各容器11は、1枚ずつ同じ向きで搬送レール41上に載せられ、次の処理部である井げた組み部27に供給される。
【0053】
井げた組み部27は、ごみ除去部25から搬送レール41により1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を受け取ると、2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、図3に示すような井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に載せ、次の処理部である洗浄部29に搬送する。
【0054】
井げた組み部27は、1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を2枚ずつ重ね向きを互いに90度変えて井げた状に組み、井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に載せるための装置として、図5および図6に示すような井げたばらし/組み装置51を有する。なお、図5および図6において、井げたばらし/組み装置51は、搬送レール41の真上の上方に設けられ、各容器11は、搬送レール41上を矢印100で示す方向から搬送されてくる。また、井げたばらし/組み装置51は、上述した井げたばらし部23の井げたばらし/組み装置51と同じものであるが、井げたばらし部23の井げたばらし処理を達成する処理機能に加えて、井げた組み部27の井げた組み処理を達成するための処理機能部も有する。
【0055】
図5および図6を参照して、井げたばらし/組み装置51について説明する。井げたばらし/組み装置51は、搬送レール41上を矢印100で示す方向から1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を所定の停止位置で停止させるストッパ(図20乃至図29で後述)と、この所定の停止位置で停止した容器11を上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材53と、この棒状部材53の下端に取り付けられ、前記ストッパで停止した容器の両端を保持する保持部55と、この保持部55で保持された容器11を上方に吊り上げるように棒状部材53を上昇させ、容器11が所定の上方位置に来たら上昇を停止するとともに、上述した棒状部材53の下降も制御するシリンダー機構などからなる上昇/下降手段を構成する上昇下降制御機構57と、前記所定の上方位置に容器11が上昇した場合、容器11を上述した図7乃至図9に説明したように90度回転させて次の容器の向きと90度異なる向きに変えるべく前記保持部55および棒状部材53を90度回転させる前記伸縮アーム63などからなる回転手段を構成する回転機構59と、次に搬送されてくる容器11を所定の停止位置に停止させるように前記ストッパを制御するストッパ制御手段(制御手段は図示せず)と、この停止した容器11の上に前記回転機構59で90度回転させられた容器11を載置し、2枚の容器11を重ねて互いに90度向きを変えた井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として次の処理部である洗浄部29に搬送すべく搬送レール41上に載置する井げた載置手段を構成する載置部(図示せず)とから構成されている。
【0056】
なお、回転機構59は、図7乃至図9に示したものであり、上述した構成および説明と同じであるので、説明は省略する。
【0057】
次に、図20乃至図29を参照して、井げた組み部27の井げたばらし/組み装置51による一連の動作、すなわちごみ除去部25から搬送レール41により1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を受け取ると、2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に載せ、次の処理部である洗浄部29に搬送する一連の動作を流れに沿って説明する。
【0058】
まず、図20では、上昇下降制御機構57の棒状部材53は上方に引っ込んで所定の定位置に移動しており、搬送レール41上を1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器11を受け取る待機状態にある。なお、この待機状態では、搬送レール41上を搬送されてくる容器11を所定の停止位置で停止させるべくストッパが上方に突出しているが、図20では位置的問題で明確に図示されていない。
【0059】
図21では、搬送レール41上を搬送されてくる容器11が井げたばらし/組み装置51の真下に到着し、ストッパで停止したので、上昇下降制御機構57の棒状部材53が下方に延出し、棒状部材53の下端の保持部55が容器11を両側から保持し得るように位置している。そして、図22で、上昇下降制御機構57の保持部55が容器11を保持する。
【0060】
容器11が上昇下降制御機構57の保持部55で保持されると、図23に示すように、棒状部材53が上方に引っ込むように上昇し、容器11が所定の上方位置に上昇する。容器11が所定の上昇位置に上昇すると、図7乃至図9で説明したように回転機構59により容器11(以下、この上昇した容器11を容器11aと称する)は図24に示すように90度回転され、次の容器11(以下、この容器11を容器11bと称する)の向きと90度異なる向きに変えられるとともに、搬送レール41上を矢印300で示すように搬送されてくる次の容器11bを受け取るべくストッパ71が搬送レール41上に突出し、次の容器11bの到着を待つ。
【0061】
図25に示すように、次の容器11bが到着し、ストッパ71で停止すると、上昇下降制御機構57の保持部55は、容器11aの保持を解除し、図26に示すように、上側の向きを90度変えた容器11aを次の容器11bの上に落下させ、これにより2枚の容器11a、11bは向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として搬送レール41上に位置することになるとともに、この時ストッパ71は、突出状態から下方に戻り、井げた状2枚組容器15は、矢印400で示すように、搬送レール41上を移動開始し、次の処理部である洗浄部29に供給されるべく搬送される。
【0062】
図27では、回転機構59は容器11を保持して90度回転した状態から最初の原点位置に戻るべく逆回転を開始する。図28で、逆回転が完了すると、ストッパ71が突出して、次の容器11の到着を待つ状態に入る。そして、図29に示すように、次の容器11が到着すると、最初の図20で説明した状態になり、以降同様の動作を繰り返す。
【0063】
上述したように、井げた組み部27において、2枚ずつの向きを互いに90度変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15は、井げた組み部27から搬送レール41を介して次の処理部である洗浄部29に搬送される。
【0064】
洗浄部29は、井げた組み部27から搬送レール41を介して搬送されてくる井げた状2枚組容器15を順次受け取ると、この受け取った井げた状2枚組容器15を順次洗浄し、洗浄した各井げた状2枚組容器15を次の処理部である遠心脱水部31に供給すべく搬送レール41で搬送する。
【0065】
洗浄部29における井げた状2枚組容器15の洗浄は、高圧水流を井げた状2枚組容器15に対して噴射して行う。このような高圧水流の噴射では、井げた状2枚組容器15の各容器11に付着している頑固なごみは勿論のこと、容器11に貼り付けられている例えば容器内の納入品の名称や納入先名などを記入した伝票やラベルのようなものでも、簡単に除去してきれいに洗浄することができる。また、井げた状2枚組容器15として2枚の容器11を同時に洗浄することができ、効率的であるとともに、2枚の容器11は、井げた状2枚組容器15として井げた状に組んであるので、強い高圧水流の噴射がかかっても、井げた状の組合せが外れることもない。
【0066】
上述したように、洗浄部29で洗浄された各井げた状2枚組容器15は、洗浄部29から搬送レール41を介して次の処理部である遠心脱水部31に搬送される。この遠心脱水部31において、各井げた状2枚組容器15は遠心脱水処理を施され、脱水され、次の処理部である段積み部33に搬送される。
【0067】
段積み部33は、遠心脱水部31から搬送されてくる各井げた状2枚組容器15を受け取ると、この各井げた状2枚組容器15を図4に示したように多段に積み重ねて、多段積重ね容器13として搬送レール41を介して外部に排出する。
【0068】
段積み部33における井げた状2枚組容器15の多段積重ね処理は、前述した2枚ばらし部21の2枚ばらし処理の逆の動作を行うものであり、例えば搬送レール41を介して搬送されてくる井げた状2枚組容器15を受け取ると、この井げた状2枚組容器15を両側から挟んで保持し持ち上げ、この持ち上げている間に次の井げた状2枚組容器15を真下に受け入れ、この受け入れた次の井げた状2枚組容器15の上に前記先に持ち上げた井げた状2枚組容器15を降下させ、次の井げた状2枚組容器15が下側になり、その上に先の井げた状2枚組容器15が上側になるように積み重ねた後、この上側の井げた状2枚組容器15の保持を解除し、積み重ねられた井げた状2枚組容器15の全体を保持するように、具体的には積み重ねられた井げた状2枚組容器15のうちの下側の井げた状2枚組容器15を両側から挟んで保持し全体的に持ち上げることで積み重ねられた井げた状2枚組容器15の全体を保持しながら持ち上げ、この全体を持ち上げている間に次の井げた状2枚組容器15を搬送レール41から受け入れ、この受け入れた次の井げた状2枚組容器15の上に前記持ち上げた井げた状2枚組容器15の全体を降下させ、次の井げた状2枚組容器15が下側になり、その上に全体の井げた状2枚組容器15が上側になるように積み重ねることなどを繰り返し行うことにより達成することができる。
【0069】
上述したように、本実施形態では、多段に積み重ねられた多段積重ね容器13を2枚ずつの井げた状2枚組容器15にばらし、更に井げたばらし部23で向きを揃えた1枚ずつの容器11としてごみ除去部25に供給し、ごみを確実に除去してから、井げた組み部27において2枚ずつ重ねて向きを互いに変えて井げた状に組んだ井げた状2枚組容器15として洗浄部29に搬送して洗浄し、更に段積み部33で多段積重ね容器13のように段積みして排出しているように容器を井げた状に組んだり、組まれた容器をばらして向きを揃えることを効率的に行うことができるとともに、1枚ずつばらした場合には、容器内のごみの除去を確実に行うことができ、また井げた状に組んだ場合には、洗浄処理や脱水処理を効率的に行うことができ、更に井げた状に組むことにより容器を多段に積み重ねた場合の嵩を小さくすることができる。
【符号の説明】
【0070】
11 容器
11a 容器
11b 容器
13 多段積重ね容器
15 井げた状2枚組容器
21 2枚ばらし部
23 井げたばらし部
25 ごみ除去部
27 井げた組み部
29 洗浄部
31 遠心脱水部
33 段積み部
41 搬送レール
51 井げたばらし/組み装置
53 棒状部材
55 保持部
57 上昇下降制御機構
59 回転機構
61 シリンダー機構
63 伸縮アーム
65 折曲アーム
71 ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、
搬送装置で搬送されてくる向きを互いに90度変えて井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させる井げたばらし部と、
1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、搬送装置で搬送させる井げた組み部と
を有することを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項2】
容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、
前記積み重ねられた多数の容器を互いに90度向きが異なって井げた状に組まれて重なった2枚ずつにばらされた後、搬送装置で搬送されてくる当該井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げたばらし部と、
この井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器のごみを除去した後、搬送されてくる1枚ずつの容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、洗浄部に搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げた組み部と
を有することを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項3】
前記井げたばらし部は、
搬送装置で搬送されてくる井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、
この所定の停止位置で停止した2枚の容器のうちの上側の容器のみを上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、
この棒状部材の下端に取り付けられ、前記上側の容器の両端を保持する保持部と、
この保持部で保持された上側の容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、上側の容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、
この所定の上方位置に上側の容器が上昇した場合、下側の容器を搬送装置で搬送して上側の容器の真下から移動させるとともに、上側の容器を90度回転させて下側の容器の向きと同じ向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、
この90度回転した上側の容器を搬送装置の搬送路上に載置して下側の容器と同じ向きで搬送させる載置手段と
を有し、
前記井げた組み部は、
搬送装置で1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、
この所定の停止位置で停止した容器を上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、
この棒状部材の下端に取り付けられ、前記容器の両端を保持する保持部と、
この保持部で保持された容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、
この所定の上方位置に容器が上昇した場合、容器を90度回転させて次の容器の向きと90度異なる向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、
次に搬送されてくる容器を所定の停止位置に停止させるように前記ストッパを制御するストッパ制御手段と、
この停止した容器の上に前記回転手段で90度回転させられた容器を載置し、2枚の容器を重ねて互いに90度向きを変えた井げた状に組んで搬送装置で搬送させる井げた載置手段と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の容器洗浄装置。
【請求項4】
前記井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器を受け止め、裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するごみ除去部
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器洗浄装置。
【請求項5】
前記保持部は、容器の進行方向前後の両側を挟むように保持する挟持手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の容器洗浄装置。
【請求項1】
容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、
搬送装置で搬送されてくる向きを互いに90度変えて井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送装置で搬送させる井げたばらし部と、
1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、搬送装置で搬送させる井げた組み部と
を有することを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項2】
容器の向きを一つ置きに90度変えて積み重ねられた多数の若干縦長の容器を搬送装置で搬送しながら洗浄する容器洗浄装置であって、
前記積み重ねられた多数の容器を互いに90度向きが異なって井げた状に組まれて重なった2枚ずつにばらされた後、搬送装置で搬送されてくる当該井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を1枚ずつばらし、向きを揃えて、搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げたばらし部と、
この井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器のごみを除去した後、搬送されてくる1枚ずつの容器を2枚ずつ重ね、向きを互いに90度変えて井げた状に組み、洗浄部に搬送すべく搬送装置の搬送路に載置する井げた組み部と
を有することを特徴とする容器洗浄装置。
【請求項3】
前記井げたばらし部は、
搬送装置で搬送されてくる井げた状に組まれて重なった2枚ずつの容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、
この所定の停止位置で停止した2枚の容器のうちの上側の容器のみを上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、
この棒状部材の下端に取り付けられ、前記上側の容器の両端を保持する保持部と、
この保持部で保持された上側の容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、上側の容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、
この所定の上方位置に上側の容器が上昇した場合、下側の容器を搬送装置で搬送して上側の容器の真下から移動させるとともに、上側の容器を90度回転させて下側の容器の向きと同じ向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、
この90度回転した上側の容器を搬送装置の搬送路上に載置して下側の容器と同じ向きで搬送させる載置手段と
を有し、
前記井げた組み部は、
搬送装置で1枚ずつ同じ向きで搬送されてくる容器を所定の停止位置で停止させるストッパと、
この所定の停止位置で停止した容器を上方に吊り上げるために上方から下降してくる棒状部材と、
この棒状部材の下端に取り付けられ、前記容器の両端を保持する保持部と、
この保持部で保持された容器を上方に吊り上げるように前記棒状部材を上昇させ、容器が所定の上方位置に来たら上昇を停止する上昇手段と、
この所定の上方位置に容器が上昇した場合、容器を90度回転させて次の容器の向きと90度異なる向きに変えるべく前記保持手段および棒状部材を90度回転させる回転手段と、
次に搬送されてくる容器を所定の停止位置に停止させるように前記ストッパを制御するストッパ制御手段と、
この停止した容器の上に前記回転手段で90度回転させられた容器を載置し、2枚の容器を重ねて互いに90度向きを変えた井げた状に組んで搬送装置で搬送させる井げた載置手段と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の容器洗浄装置。
【請求項4】
前記井げたばらし部でばらされ、向きを揃えられて1枚ずつ搬送されてくる容器を受け止め、裏向きに反転して、容器内のごみを除去し、ごみ除去後、表向きに反転し、次の工程に搬送すべく搬送装置に載置するごみ除去部
を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器洗浄装置。
【請求項5】
前記保持部は、容器の進行方向前後の両側を挟むように保持する挟持手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の容器洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2011−173706(P2011−173706A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40250(P2010−40250)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(396013329)株式会社クレオ (12)
【出願人】(392008415)クレヴァ電機工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(396013329)株式会社クレオ (12)
【出願人】(392008415)クレヴァ電機工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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