説明

容器用蓋

【課題】 本発明は、ファーストフード店頭でジュース等の液体飲料やポップコーン等の粒状飲食物を小分け販売し、持ち運びする際やヨーグルト等の半流動体食品の販売に使用されるカップ状容器からの零れや漏れを防止し、封被されたカップ状容器を開封し易くする。
【解決手段】 蓋材が略三角形状の厚紙を基材とし、略三角形状の頂部とその内側に相対向して直線状切り込みを設け、この切り込みに連続して斜傾切り込みと外側縁に達する折込線を設け、蓋材裏面には円形板を装着重合すると共に、円形板と蓋材を折込線により折込み折曲し、切り込みと斜傾切り込みを折り曲げにより分け離して形成される天面板及び当接係止片とで容器開口部を封被し、さらに蓋材と円形板を連結片で連結し、連結片の上端縁の横手方向に屈曲部を設けて上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジュース・コーラ等の各種液体飲料やポップコーン等の飲食物をファーストフード店で小分け販売し、持ち運びに使用する際やジャムやアイスクリーム並びにヨーグルト等の粘着性のある半流動体食品の販売の際に使用されるカップ状容器にヒンジロック係止で容器開口部を封被し又開封に際しては一回の作業で容器開口部を開封できる容器用蓋に関するものである。
【背景の技術】
【0002】
従来、ファーストフード店ではジュース・コーラ等の各種液体飲料やポップコーン等の飲食物をファーストフード店で小分け販売し、持ち運びに使用する紙又は合成樹脂製カップ容器が使用され、容器開口部に被せるのには合成樹脂製蓋が広く一般に使用されている。(以下ドリンクリッド蓋使用という)
又アイスクリーム等の粘着性のある半流動体食品の販売の際に使用されるカップ状容器には紙又は合成樹脂製容器が多用され、この種の容器の容器開口部の封被にはアルミ箔を蓋としてシールして使用している。(以下シール蓋使用という)
ジャムやアイスクリーム等の半流動体食品を収納した紙又は合成樹脂製容器の蓋としては、上記シール蓋と、別に製作された紙製蓋を組み合わせて使用している。(組合せ蓋使用という)
更に、紙カップ用簡易蓋として、紙カップのトップカール部を係止めして保持するように簡易蓋の両側部の折り曲げ部を下方に折り曲げて対向する係止部により、紙カップのトップカール部を係止している紙カップ用簡易蓋がある。
【0003】
【特許文献1】特開平6−100029号公報
【特許文献2】実開昭61−12726号公報
【特許文献3】特開2002−154560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓋材としてシール蓋を使用した場合、接着強度は上げられるが、シール蓋を使用したカップ状容器に収容された飲食物の内容量によっては、一度に食べ尽くせないこともあって、シール蓋を反復使用できないという課題がある。(特許文献1特開平6−100029号公報参照)
【0005】
また、ドリンクリッド蓋を使用したカップ状容器では液体飲料やポップコーン等の粒状加工食品を入れて、容器開口部を封被して、容器のフランジ部や捲込部に、前記蓋に係止片を係止して使用することもできる。
ドリンクリッド蓋は一回開封しても反復使用できるも、時にはこの蓋を使用した際、容器ごと床に落としたり、逆さにすると蓋が外れ前記飲料や粒状加工食品が零れてしまうという課題がある。(特許文献2実開昭61−12726号公報参照)
【0006】
組合せ蓋を使用したカップ状容器の場合、容器と紙製蓋等の封被蓋との結合封被力は低く、封被蓋だけを持つと容器が外れてしまうという課題もある。
【0007】
特許文献3特開2002−154560号公報に記載された発明のように紙コップ開口部を封被し、トップカール部を係止して保持するように蓋の両側部の折り曲げ部を下方に折り曲げて対向する係止部により、紙コップトップカール部を係止している蓋もある。
この種の容器に使用された蓋の場合、容器に入れた内容物の大きさによっては、内容物を取り出す際に、紙コップのトップカール部を係止している蓋の相対向する係止部の係止を外すために、紙コップの両側部の折り曲げ部を外す必要があって、一回の開封作業で係止を外せないという不便さと
直線状切り込みを弧状切り込みに形成したような場合には係止片による係止力はヒンジロック係止力が発揮されず微力になり、あるいは係止力は得られなくなるとの課題もある。(特許文献3特開2002−154560号公報参照)
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決する為に、ジュース・コーラ等の液体飲料やポッコーン等の粒状飲食物やアイスクリーム等の半粘状飲食物を入れたカップ状容器を持ち運び・保管する際に収容された中身が零れ、漏れることがなくしかも必要に応じて反復再利用することができ、加え収容された中身を取り出すときに一回の開封作業で蓋を外すことのできる容器用蓋を提案するものである。
【0009】
蓋材が略三角形状の厚紙を基材とし、略三角形状の頂部とその内側に相対向して直線状切り込みを設け、前記切り込みに連続して斜傾切り込みと外側縁に達する折込線とを設け、前記蓋材裏面には円形板を前記切り込みに装着重合すると共に、前記折込線を折込み、前記切り込みと斜傾切り込みを折り曲げにより分け離して天面板と当接係止片を形成してなる容器用蓋で課題を解決する。
【0010】
前記蓋材と前記円形板とを連結片で連結し、それぞれの中心を重ね合わせすることもできる容器用蓋で、前記天面板と前記円形板との境界横手方向に、屈曲部を設け、重合し屈曲して、重合し易いように前記天面板と前記円形板に中心ポイントを表示して課題を解決することもできる容器用蓋である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、蓋材に設けた折込線を折込み、切り込みを折り曲げ分け離して天面板と当接係止片が形成される容器用蓋をカップ状容器に被せることで、容器開口部を天面板と円形板で封被し乍ら、当接係止片をフランジ部の外周縁直下に係止して、天面板でこの円形板をも押圧して、ヒンジロック係止状態として容器開口部を封被することができる。ヒンジロック係止がカップ状容器の三方向で係止し、直径方向の係止でない為容器変型(潰れ)による蓋の外れが少ない。
【0012】
又容器開口部の封被を解いて開口するには、三方向のうち一方向を係止する当接係止片を摘み上げるとヒンジロック係止状態が解除され、更に隣接する他の二方向の当接係止片のヒンジロック係止状態も連繋解除し、容易に容器開口部の封被を解くことができる。加えて、この容器用蓋は一枚の厚紙を打ち抜き加工して基材を取得できるので安価に製造できる。
天面板を設けた蓋材と円形板とを連結片で連結した容器用蓋は円形板を散逸することなく、容易に蓋材裏面の中心に円形板の中心を重合し円形板を装着できるという効果も奏する。
蓋材と円形板の製造工程を一枚の厚紙の打ち抜きの一工程で出来るので、省資源低コストで取得できる効果も期待できる。加えて、本発明の容器用蓋は表面に美粧的効果を上げる印刷を施すこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明に係る容器用蓋は、一枚の厚紙を一度の打ち抜き作業で形成され、蓋材が略三角形状の厚紙を基材とし、略三角形状の頂部とその内側に相対向して直線状切り込みを設け、前記切り込みに連続して斜傾切り込みと外側縁に達する折込線とを設け、前記蓋材裏面には円形板を前記切り込みに装着重合すると共に、折込線を折込み折曲し、前記切り込みと斜傾切り込みを折り曲げにより分け離して天面板と当接係止片を形成してなる容器用蓋を取得できる。
作業効率を考慮するときは天面板と円形板とをそれぞれ別の厚紙を打ち抜き作業して準備することも可能である。
発明を実施するための最良の形態として一枚の厚紙を打ち抜き蓋材と円形板を製造する際に、蓋材と円形板とを連結する連結片を同時に付設することが望ましい。
【実施形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。
図1ないし図6は本発明の実施形態1を示す図面である。
図7ないし図11は本発明の実施形態2を示す図面である。
【実施形態1】
【0015】
本発明に係る容器用蓋の実施形態1を図1ないし図6に従って説明すると、
図1は本発明に係る容器用蓋1の斜視図である。
図2は本発明に係る実施形態1の容器用蓋1の分解展開平面図である。
図3は、本発明の容器用蓋1をカップ状容器2に被せた使用状態を示す斜視図である。
図4は図3のA−A断面図である。
図5は図3で示した本発明の容器用蓋1を構成する蓋材7と円形板36及び容器用蓋1で封被するカップ状容器2に分解して示した斜視図である。
図6(イ)(ロ)はカップ状容器2から収容された中身を取り出す為に、前記蓋1を外す手順を示す図面である。
図6(イ)は、容器用蓋1をカップ状容器2に封被した使用状態を示す斜視図で、図6(ロ)は、容器用蓋1を外した状態を示す斜視図である。
容器用蓋1を構成する蓋材7は、厚紙を打ち抜き加工した基材6から形成される。
【0016】
蓋材7には厚紙の打ち抜き取得時に、直線状切り込み11、12、13が設けられ、蓋材7の裏面には同時又は別途に厚紙を打ち抜き取得された円形板36が直線状切り込み11、12、13に重合装着されている。さらに蓋材7に設けた折込線23、24、25、26、27、28を折込み折曲し、加え前記直線状切り込み11、12、13を折り曲げにより分け離して、天面板35が形成される。
【0017】
図2は本発明に係る実施形態1の容器用蓋1の分解展開平面図である。
図2は一枚の厚紙を基材6とする打ち抜き加工された蓋材7の分解展開平面図で、基材6から蓋材7を形成する時に円形板36が同時に打ち抜き取得される。
図2に示した基材6から蓋材7を形成する際に、直線状切り込み11、12、13が、蓋材7の略三角形状の各頂部8、9、10の内側に、間隔を置いて相対向して形成されている。同様に直線状切り込み11、12、13の左右両端には、起立した切り込み14、15、16、17、18、19が設けられている。
この直線状切り込み11、12、13はカップ状容器2に蓋材7が載せられたときに、直線状切り込み11、12、13をこの容器2のフランジ部4の内周縁5よりも内側に設けるとヒンジロック係止力が発揮される。
尚、前記容器2の上端周縁を実施形態1では板状のフランジ部4を図示したが容器開口部の上端周縁が捲込部に形成されたカップ状容器でも、同様に直線状切り込みをカップ状容器の内周縁よりも内側に設けることでヒンジロック係止力が得られる。
また前記切り込み11、12、13の左右両端には、斜傾起立した切り込み14、15、16、17、18、19が設けられ、前記切り込み11、12、13と連設して皿状切り込み形状を構成する。
前記切り込み14、15、16、17、18、19の斜傾は、蓋材7の中心45を半径の中心とする仮想半径R1と同一軌跡上で同一斜傾に形成される。
【0018】
前記切り込み14、15、16、17、18、19の左右両端から蓋材7の外側縁20、21、22に達する斜傾折込線23、24、25、26、27、28が設けられ、この折込線23、24、25、26、27、28は、折込線23と折込線28が仮想延長線上で交わり仮想交点29が、同様に折込線24と折込線25仮想延長線上には仮想交点30が、折込線26と折込線27の仮想延長線上には仮想交点31が形成され、これら仮想交点29、30、31を結ぶと、略三角形状の蓋材7上に、逆三角形状32の天面板35が形成される。
前記折込線23、24、25、26、27、28の折込み折曲と前記直線状切り込み11、12、13と前記切り込み14、15、16、17、18、19を蓋材7から折り曲げにより分け離し、円形板36とフランジ部4の円周縁37が装入される略台形状の切り口38、39(仮想線で表した)、40が逆三角形状32の三方向の各辺に形成される。
前記折込線23、24、25、26、27、28の折込み折曲し、前記直線状切り込み11、12、13を蓋材7から折り曲げにより分け離して略逆三角形状32の天面板35とその三方向に前記切り口38、39(仮想線で表した)、40と前記頂部8、9、10には当接係止片41、42、43が形成される。
【0019】
円形板36は、基材6から蓋材7の打ち抜き取得と同時に形成された円形板で、蓋材7の裏面に重合装着され、その円周縁37が直線状切り込み11、12、13に装入される。円形板36の半径R2は前記仮想半径R1と同一若しくはやや小さい半径で、容器開口部3を封被できる半径、即ち円形板36がフランジ部4に載せられる半径であれば容器開口部3を封被する目的を達成できる。
本発明の容器用蓋1は、直線状切り込み11、12、13を折り曲げにより分け離し、折込線23、24、25、26、27、28を折込み折曲して形成される三片の当接係止片41、42、43が、それぞれ円形板36を乗り越えてフランジ部4の外周縁44直下にヒンジロック係止される。
本発明の容器用蓋1をカップ状容器2の容器開口部3を封被してヒンジロック係止力を得るには、直線状切り込み11、12、13と折込線23、24、25、26、27、28で形成される前記逆三角形状32の辺(仮想直線)の近傍で、カップ状容器2の内周縁5より図4に示すように内側に直線状切り込み11、12、13を設けると強いヒンジロック係止力が得られる。従って、直線状切り込み11、12、13をカップ状容器2の内周縁5よりも外側に設け、直線状切り込みを弧状切り込みにしたような場合には係止片による係止力は微力になり、あるいは係止力は得られなくなる。
【0020】
図3は、本発明の容器用蓋1をカップ状容器2に被せた使用状態を示す斜視図で、容器用蓋1を使用するには容器用蓋1を被せ、折込線23、24、25、26、27、28を折込み折曲し、直線状切り込み11、12、13を折り曲げにより分け離して形成される前記切り口38、39(仮想線で表した)、40に、カップ状容器2のフランジ部4と、フランジ部4に載せられ容器開口部3を封被する円形板36の円周縁37を装入し、一方直線状切り込み11、12、13から折り曲げにより分け離された当接係止片41、42、43を円形板36の円周縁37とフランジ部4を乗り越えさせて、フランジ部4の外周縁44直下に当接係止させて、切り口38、39(仮想線で表した)、40に装入されたフランジ部4と円形板36を蓋材7の天面板35と当接係止片41、42、43で、挟着しヒンジロック係止して容器開口部3を封被して使用する。
尚、図4は図3のA−A断面図で、直線状切り込み11、12、13をカップ状容器2の内周縁5よりも内側に設けて強いヒンジロック係止力を得る。
【0021】
図5は図3で示した本発明の容器用蓋1を被せ、封被したカップ状容器2を、本発明の容器用蓋1を構成する蓋材7と円形板36と容器用蓋1で封被するカップ状容器2に分解して示した斜視図である。
図5に図示した三方向の略台形状の切り口38、39(仮想線で表した)、40は、、折込線23、24、25、26、27、28を折込み、直線状切り込み11、12、13を折り曲げにより分け離して形成され、フランジ部4と円形板36の円周縁37が装入される。
【0022】
図6(イ)(ロ)はカップ状容器2から収容された中身を取り出す為に、前記蓋1を外す手順を示す図面である。
図6(イ)は、容器用蓋1をカップ状容器2に封被した使用状態を示す斜視図
図6(ロ)は、容器用蓋1を外した状態を示す斜視図
容器開口部3にフランジ部4を有するカップ状容器2に、容器用蓋1を封被したカップ状容器2から容器用蓋1を外すには、カップ状容器2のフランジ部4の外周縁44直下に装入され、天面板35と当接係止片41、42、43で挟着され、天面板35と当接係止片41、42、43で円形板36を均等係止力でヒンジロック係止し、封被されている容器用蓋1の一方向の当接係止片41を摘んで引き上げると、ヒンジロック係止状態が解除されて当接係止片41が外れ、均等係止力で係止している隣接する他の二方向の当接係止片42、43のヒンジロック係止状態も連繋して解除され、前記蓋1と円形板36は一回の開放作業で簡便にカップ状容器2の容器開口部3の封被している容器用蓋1を外せて便益大である。
【実施形態2】
【0023】
本発明に係る容器用蓋101の実施形態2を図7ないし図11に従って説明すると、
図7は本発明に係る容器用蓋101の実施形態2の斜視図である。
図8は本発明に係る容器用蓋101の実施形態2の展開平面図である。
図9は本発明の容器用蓋101をカップ状容器102に被せた使用状態を示す斜視図
図10は図7で示した本発明の容器用蓋101を構成する蓋材107と円形板136及び容器用蓋101で封被するカップ状容器102に分解して示した斜視図である。
図11は図9のB−B線断面図である。
【0024】
図7は本発明に係る容器用蓋101の実施形態2を示し、実施形態2も実施形態1と同様に容器用蓋101でカップ状容器102の容器開口部103を封被して形成されている。容器用蓋101は蓋材107と円形板136で構成され、蓋材107裏面には連結片150を介して連結される円形板136が重合装着されている。
円形板136と連結片150は蓋材107を基材106から取得する際に同時に取得される。
【0025】
図8は 一枚の略三角形の厚紙を基材106とする蓋材107で、蓋材107は略三角形を呈し、その外側縁120から連結片150を介して円形板136が延設されている。
【0026】
図8に示した蓋材107を打ち抜き取得する際に同時に直線状切り込み111、112、113 が、蓋材107の略三角形状の各頂部108、109、110の内側に間隔を置いて相対向して設けられる。
直線状切り込み111、112、113 はカップ状容器102に蓋材107が載せられたときに、図11に示すように前記容器102のフランジ部104の内周縁105より内側に設けることでヒンジロック係止力が発揮される。
前記直線状切り込み111、112、113の両端から左右に斜傾起立した斜傾切り込み114、115、116、117、118、119が前記基材106から蓋材107を打ち抜き加工する際に設けられ、前記切り込み111、112、113と連設して皿状切り込み形状を構成する。
前記切り込みの斜傾114、115、116、117、118、119は、蓋材107の中心145から仮想半径R3の同一軌跡上で同一斜傾に形成される。
【0027】
斜傾切り込み114、115、116、117、118、119の左右上端から蓋材107の外側縁120、121、122 に達する斜傾折込線123、124、125、126、127、128が設けられ、この折込線123と折込線128が仮想延長線上で交わり仮想交点129が、同様に折込線124と折込線125が仮想延長上で交わり仮想交点130が、折込線126と折込線127が仮想延長上で交わり仮想交点131がそれぞれ形成され、これら仮想交点129、130、131を結ぶと、略三角形状の蓋材107に、逆三角形状132が形成されこの逆三角形状の主要部が天面板135を形成する。
【0028】
蓋材107の折込線123、124、125、126、127、128 を折込み、前記直線状切り込み111、112、113を折り曲げにより分け離して、蓋材107を折り曲げすると、天面板135と三方向に前記切り口138、139(仮想線で表した)、140と前記頂部108、109、110には当接係止片141、142、143 が形成される。
【0029】
蓋材107の中心145と円形板136の中心146は、厚紙の基材106から蓋材107と円形板136を打ち抜き加工する際に同軸線上に設定されている。
円形板136の中心146は、蓋材107の中心145と外側縁120との距離X(長さ)が外側縁120と円形板136の中心146との距離Y(長さ)と同じ距離(長さ)に形成されている。蓋材107の中心145と円形板136の中心146とを屈曲部155の屈曲により重ね合わせできる。尚、円形板136の半径R4は、前記蓋材107の仮想半径R3よりも小さい半径に形成されている。
【0030】
前記蓋材107と前記円形板136とを連結する連結片150の境界の横手方向に、屈曲部155が設けられ、屈曲が可能である。この屈曲部155を形成する連結片150の上端縁の幅aを、前記蓋材107に設けた外側縁120に向かう二本の折込線123、128で形成される外側縁120の幅bよりも狭く形成することで、屈曲部155を屈曲しても、蓋材107の中心145と円形板136の中心146とを屈曲部155の屈曲により重ね合わせできる。連結片150の逆ハ字状の両側縁が、二本の折込線123、128と重合することなく屈曲することが可能となる。
【0031】
図9は本発明の容器用蓋101をカップ状容器102に被せた使用状態を示す斜視図で、図10は図9で示した本発明の容器用蓋101を構成する蓋材107と円形板136及び被せるカップ状容器102とを分解して示した斜視図である。
本発明の容器用蓋101を使用するには、先ず連結片150の屈曲部155を屈曲して、更に折込線123、124、125、126、127、128 により蓋材107を折込み、前記切り込み111、112、113を折り曲げにより分け離して、円形板136の円周縁137を前記切り込み111、112、113に装入重合し、更に折込線123、124、125、126、127、128 により蓋材107を折り曲げて、略台形状の切り口138、139(仮想線で表した)、140を形成し、この切り口138、139、(仮想線で表した)140にはカップ状容器102のフランジ部104と、フランジ部104に載せられ容器開口部103を封被する円形板136装入し、一方直線状切り込み111、112、113から折り曲げにより分け離され、円形板136の円周縁137を乗り越えた当接係止片141、142、143 はフランジ部104を乗り越え、フランジ部104の外周縁144直下に当接係止させて、三方向に設けられる切り口138、139(仮想線で表した)、140に装入されたフランジ部104と円形板136を蓋材107の天面板135と当接係止片141、142、143で挟着して均等力でヒンジロック係止してカップ状容器102の容器開口部103を封被して使用する。
図11は図9のB−B断面図で、直線状切り込み111、112、113をカップ状容器102の内周縁105よりも内側に設けて強いヒンジロック係止力を得る。
【0032】
容器用蓋101を封被して構成される容器開口部103にフランジ部104を有するカップ状容器102から容器用蓋101を外すには、一方向のカップ状容器102のフランジ部104の外周縁144直下に装入されている。円形板136をヒンジロック係止している当接係止片141を摘んで引き上げると、フランジ部104の外周縁144から、ヒンジロック係止が外れて当接係止片141が外れる。均等係止力で係止している隣接する他の二方向の天面板135と当接係止片142、143でヒンジロック係止している係止状態も連繋して開放され、カップ状容器102の容器開口部3の封被している容器用蓋1を簡便に一回の開放作業で外せる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る実施形態1の容器用蓋1の斜視図
【図2】本発明に係る実施形態1の容器用蓋1の分解展開平面図
【図3】本発明の実施形態1の容器用蓋1をカップ状容器2に被せた使用状態を示す斜視図
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の実施形態1の容器用蓋1を構成する蓋材7と円形板36と、容器用蓋1で封被するカップ状容器2とに分解して示した斜視図
【図6】カップ状容器2から収容された中身を取り出す為に、容器用蓋1を外す手順を示す図面である。
【図7】本発明に係る実施形態2の容器用蓋101の斜視図である。
【図8】本発明に係る容器用蓋101の実施形態2の展開平面図である。
【図9】本発明の実施形態2の容器用蓋101をカップ状容器102に被せた使用状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態2の容器用蓋101を構成する蓋材107と円形板136と容器用蓋101で封被するカップ状容器102とを分解して示した斜視図である。
【図11】図9のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 容器用蓋
2 カップ状容器
3 容器開口部
4 フランジ部
5 内周縁
6 基材
7 蓋材
8、9、10 頂部
11、12、13 直線状切り込み
14、15、16、17、18、19 斜傾切り込み
20、21、22 外側縁
23、24、25、26、27、28 折り込み線
29、30、31 仮想交点
35 天面板 36 円形板
37 円周縁 38、39、40 切り口
41、42、43、当接係止片 44 外周縁
45、46 中心
101 容器用蓋
102 カップ状容器
103 容器開口部
104 フランジ部
105 内周縁
106 基材
107 蓋材
108、109、110 頂部
111、112、113 直線状切り込み
114、115、116、117、118、119 斜傾切り込み
120、121、122 外側縁
123、124、125、126、127、128 折込線
129、130、131 仮想交点
135 天面板 136 円形板
137 円周縁 138、139、140 切り口
141、142、143 当接係止片 144 外周縁
145、146 中心
150 連結片
155 屈曲部
a 屈曲幅 R1 仮想半径 R2 円形板の半径
b 屈曲幅 R3 仮想半径 R4 円形板の半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋材が略三角形状の厚紙を基材とし、略三角形状の頂部とその内側に相対向して直線状切り込みを設け、前記切り込みに連続して斜傾切り込みと外側縁に達する折込線とを設け、前記蓋材裏面には円形板を前記切り込みに装着重合すると共に、前記折込線を折込み、前記切り込みと斜傾切り込みを折り曲げにより分け離して天面板と当接係止片を形成してなることを特徴とする容器用蓋。
【請求項2】
前記容器用蓋の蓋材と円形板とを連結片で連結し、蓋材と円形板の中心を重ね合わせすることを特徴とする請求項1記載の容器用蓋
【請求項3】
前記容器用蓋の連結片の上端縁の屈曲幅は、外側縁に達する二本の折込線で形成される蓋材の外側縁の屈曲幅よりも狭く形成されていることを特徴とする請求項2記載の容器用蓋
【請求項4】
前記容器用蓋の蓋材と円形板を連結する連結片の境界の横手方向に、屈曲部を設けたことを特徴とする請求項2記載の容器用蓋
【請求項5】
容器開口部にフランジ部を有するカップ状容器に、請求項1または請求項2記載の容器用蓋を封被して構成される容器用蓋付カップ状容器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−254806(P2008−254806A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117699(P2007−117699)
【出願日】平成19年3月31日(2007.3.31)
【出願人】(000145910)株式会社尚山堂 (6)
【Fターム(参考)】