説明

容器蓋の天地方向を揃える方法とその装置

【課題】本発明の課題は、表裏の向きが確率50%で供給されてくる蓋体の一方を使用するのではなく、向きを揃えて両方を効率的に使用する蓋体の向き揃え装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の蓋体の天地方向を揃える方法は、孔の開いたベルトのコンベアーを蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置し、前記孔を通して外側方向への吸気を行なわせた状況下で、両ベルト間に蓋体を供給し、各蓋体は天面のある側のベルトに吸着された状態で搬送され、両側に吸着された蓋体を搬送途上で90°逆方向に回動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイスクリームやジャムといった食品容器等の蓋をキャッピングする際に蓋体の天地方向を揃える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に容器詰め工程においては、容器内に内容物が充填された後に該容器の開口部を蓋体で封止する所謂キャッピングが行なわれる。その際、供給される蓋体はみな下向きに揃っている必要がある。蓋体が一方向に積み重ねるスタック形態を採ることが出来るものは複数個分ずつ向きが揃った状態で供給することが可能であるが、スタック形態の取れない蓋体の天地方向を揃える技術としては天地状態がランダムに送られてくる蓋体の向きによって一方を選択する方法が採られている。その選別方法には基本的に重心位置に起因する蓋体の動きを利用する方法とセンサによって天地方向を識別する方法とが知られている。
【0003】
特許文献1に示される手法は前者のタイプであり、多数の蓋体がプールされた容器の出口近傍底面に容器の後端の方に傾下し瓶蓋の直径よりやや短き傾斜板を設けて振分柵となし、振分柵上その緩やかな傾斜面に乗り移った下向きの瓶蓋と上向きの瓶蓋は何れもその緩やかな傾斜と電磁フイーダーの衝繋震動の推進によりその傾斜面を滑り次第に降下前進する、やがて下向きになった瓶蓋はその側面下端が振分柵を構成する傾斜板の傾斜板上に跨がり支えられて進みその傾斜板の先端を外ずれると、該瓶蓋の先端は補給台上に傾下し、更に続いて瓶蓋の後端も振分柵を乗り越えて補給台上に前進し続けるようになる。他方上向になって振分柵の緩やかな傾斜面上に乗り移つた瓶蓋はそれらの重心が振分柵上に留まりその先端を乗り越えて進むことのないように阻止するような阻止板をプール容器の前端下部に取付けられており、これによって先に進むことができない。この様に下向きの蓋体だけが先に進むことが出来ることによって瓶蓋を一方に揃えて供給する。また、図7に示したものは急傾斜に設置されたベルトコンベアーによる選別装置であるが、このベルト101には蓋体係止部材102が所定間隔に配置されており、図のAに示されるコンベアー100の最下位位置に蓋材110が供給される。この際、蓋体の表裏方向はランダムであり、前記蓋体係止部材102に受止められた蓋体110の天面がベルト101に接したものは安定して上方に搬送されるが、内側がベルトに接した蓋体110は重心が外側になり、図中B(a→b→c)に示されるように不安定となって転げ落ちる。その結果、コンベアー100によって上まで搬送されたものは蓋体の天面がベルト101に接したもののみとなる。
【0004】
センサーによる選別方式のものは、例えば光電センサーによって蓋体の表裏を判別し、所望方向のものだけを振り分けて次工程に搬送し、残りは元の供給部へ戻すという形態が採られている。センサーを設置した上その判定結果に基づくGO/NG選別手段を備えなければならないという機構上の複雑化だけでなく、この方法も表裏の向きがランダムに搬送されてくるものの内、一方を通過させ、残りは供給元に返すという形態であることは先のものと同様である。表裏の確率は50%であり、要するに従来の方法は半分を捨てるという結果となるため、スピード供給には不具合な問題となっている。
【0005】
また、特許文献2にはセンサーと振り分け手段に代え、吸着選別という手法が提示されている。すなわち、上下一対の無端回動コンベアからなり、瓶蓋は下側無端回動コンベアのベルト上に瓶蓋の内側窪み部を上向き又は下向きのいずれかの向きに載置されるとともに下側回動コンベアの一端側まで搬送される。一方、上側無端コンベアは、その一端側ロールの外周面に大気吸引装置と袴部材を介して連通された條溝を周設してあり、上側コンベアベルトに穿設した複数の小孔は、この條溝に添って係回する構成としてあるので、一端側ロール部に回動する上側コンベアベルトの小孔は常に吸気している状態に保持されている。従って、上下回動コンベアの一端側へ搬送された瓶蓋には常に上側コンベアベルトの小孔からの吸上げ力が働くので瓶蓋は上側ベルトに漸時吸着状態とされる。この際、下側無端回動コンベアの一端側を搬送方向へ下り傾斜に配設することによって、上下の無端回動コンベア間隔が緩やかに拡がるようになるので、吸着される瓶蓋とされない瓶蓋の振り分け作用がより一層スムーズになるというものである。この発明は天地方向が不統一で搬送される瓶蓋の方向揃え装置であって、大きさ形状が異なる瓶蓋であっても、装置の取換えや型換えを要しない簡易構造の瓶蓋の方向揃え装置を提供することを目的としたものであり、その課題は解決できているが、この手法も表裏の一方を用い他方を捨てるという形態では上記のものと同様であり、スピード化への対応は非効率的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭39−26687号公報 「瓶蓋を下向きに揃えて供給する装置」 昭和39年11月24日公告。
【特許文献2】特開2000−326906号公報 「瓶蓋の方向揃え装置」 平成12年11月28日公開。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、表裏の向きが確率50%で供給されてくる蓋体の一方を使用するのではなく、向きを揃えて両方を効率的に使用する蓋体の向き揃え装置を提供することにある。また、本発明の更なる課題は、蓋体の向き揃え動作を安定して行なう機構を提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の蓋体の天地方向を揃える方法は、孔の開いたベルトのコンベアーを蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置し、前記孔を通して外側方向への吸気を行なわせた状況下で、両ベルト間に蓋体を供給し、各蓋体は天面のある側のベルトに吸着された状態で搬送され、両側に吸着された蓋体を搬送途上で90°逆方向に回動させるようにした。
また、前記蓋体の供給は蓋体の回動動作において前後の蓋体同士が干渉しないだけの間隔を持ってなされるようにした。
【0009】
本発明の蓋体の天地方向を揃える装置は、孔の開いたベルトを備えたコンベアーが蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置されると共に前記孔の開いたベルトの外側には吸気室が配置され、前記両ベルト間領域に蓋体を供給する手段と、ベルトに吸着された状態で搬送される各蓋体を対向するベルト側に90°回動させる手段と、回動され向きが揃えられた蓋体を共に搬送する手段とからなるものとした。
また、前記吸気室にはブロアーが連結配置され、前記両ベルト間領域の大気は前記孔を介して吸引される構成を採用した。
また、蓋体を対向するベルト側に90°回動させる両側の前記手段は相手側蓋体の回動に干渉しない間隔で配置され、その中央部には搬送方向に低くなる傾斜を持った受け部材が配置されるようにした。
更に、前記回動手段と前記傾斜を持った受け部材は搬送手段の速度と同期が取られたエンドレスロープを採用するようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の蓋体の天地方向を揃える方法は、孔の開いたベルトのコンベアーを蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置し、前記孔を通して外側方向への吸気を行なわせた状況下で、両ベルト間に蓋体を供給するものであるから、各蓋体は天面のある側のベルトに吸着された状態となって選別して搬送される。両側に吸着されたその蓋体を搬送途上で90°逆方向に回動させるようにしたことにより、双方の表裏の向きが揃うことになる。従って、一方だけを使用して他方を供給元に戻すことなく両方の蓋がすべて使用できる。因みに、ラインの速度として400個/分が可能であり、このスピードは現状の供給装置の約2倍に相当する能力となる。
また、前記蓋体の供給は蓋体の回動動作において前後の蓋体同士が干渉しないだけの間隔を持ってなされるようすることにより、互いの回転動作を阻害することなく安定した動作を確保することができる。
【0011】
本発明の蓋体の天地方向を揃える装置は、孔の開いたベルトを備えたコンベアーが蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置されると共に前記孔の開いたベルトの外側には吸気室が配置され、前記両ベルト間領域に蓋体を供給する手段と、ベルトに吸着された状態で搬送される各蓋体を対向するベルト側に90°回動させる手段と、回動され向きが揃えられた蓋体を共に搬送する手段とからなるものであるから、上記の蓋体の天地方向を揃える動作を簡単な構成で実施することが出来る。
また、蓋体の吸着動作を吸気室の背後に真空源に接続するのではなく、吸気室にはブロアーが連結配置され、両ベルト間領域の大気はベルト孔を介して吸引される構成を採用したことにより、蓋体の吸着並びに剥ぎ取り動作に適したほどよい吸着力を得ることができた。
また、蓋体を対向するベルト側に90°回動させる両側の前記手段は相手側蓋体の回動動作に干渉しない間隔で配置され、その中央部には搬送方向に低くなる傾斜を持った受け部材が配置されるようにしたことにより、蓋体の回動が緩やかに行なわれ、回動が逆方向であっても向き揃え動作が安定して実行できる。
更に、前記回動手段と前記傾斜を持った受け部材は搬送手段の速度と同期が取られたエンドレスロープを採用するようにしたことにより、搬送手段の動作中であっても蓋体に異なる方向の力をかけることなくそれぞれの動作を実行することが出来る。また、ベルトではなくロープを採用したことにより、搬送装置への干渉も少ないものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る装置の全体構成図で、Aはその平面図、Bは手前側の機構省いて蓋体の状態が分かるようにした部分破断側面図である。
【図2】両側に配置された孔の開いたベルトのコンベアーによって、表裏向きの異なる蓋体を分別する本発明の動作を説明する図である。
【図3】分別された蓋体を搬送途上で90°逆方向に回動させる本発明の向き揃え動作を説明する図である。
【図4】蓋体が孔の開いたベルトのコンベアーによって吸着された状態から剥ぎ取られて回動させられる形態を順次示した図である。
【図5】天面の周囲が凸形状となっている蓋体と該蓋体がループ状の突起部材を介して孔に吸着された形態を示す図である。
【図6】突起部材が取付けられたベルトを備えたコンベアーの入口に搬送される蓋体と孔位置の同期を取る手段が備えられた実施形態を説明する図である。
【図7】表裏の向きがランダムに供給されてくる蓋体の一方を選別する従来技術の1例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明に係る装置の全体構成を示した図であり、Aは本発明装置を上方から見た平面図、Bは左右対称となっている本発明装置の手前側の機構省いて蓋体の状態が分かるようにした部分破断側面図である。上流側の蓋体の供給は図示していないホッパーのような供給元があり、大量の蓋体がランダムな姿勢で収納されている。蓋体は下方に移動するにつれ蓋体の高さ寸法近くまで徐々に流路が狭められているため、表裏の向きはランダムであるが蓋体の姿勢は揃えられる。そして、蓋体1が立った姿勢の形態で図に示す上流側蓋体ガイド9の間に送られ、上流側ベルトコンベアー7によって図中左方向に搬送される。上流側蓋体ガイド9の先には両側から蓋体1を挟むように走行方向に有孔ベルト2が走行しており、その有孔ベルト2には間欠的に孔2aが穿設されている。その走行する有孔ベルト2の両側背面には吸気室4が配置されている。その吸気室4には有孔ベルト2の孔2aと高さが一致する位置に有孔ベルト2の走行方向に沿って長い窓4a(図4参照)が設けられていると共に、ブロアー6が連結されている。
【0014】
ブロアー6が駆動すると吸気室4の空気は排出され室内が負圧状態となるため、前記長い窓4aおよび有孔ベルト2の孔2aを介して前記両側の有孔ベルト2に挟まれた領域の空気を吸気室4内に吸い込むこととなる。この吸い込み現象によって、両側の有孔ベルト2に挟まれた領域に搬送されてきた蓋体1は空気と共に吸引力を受けるのであるが、両側からの吸い込み現象に対しては蓋体の表裏の向き、すなわち蓋体の天面のある表側が吸着されることになる。なぜならば、表側は天面が有孔ベルト2に接触状態であるのに対し裏面側は蓋体1の周縁部が接触するだけで中央部分は空洞となっており有孔ベルト2の孔2aを塞ぐものがないためである。そのため、図2に示されるように搬送されてきた蓋体1は天面のある表側と接した側の有孔ベルト2によって吸着され、蓋体の表裏向きに応じて選別されて搬送される。すなわち、下流側では両側の有孔ベルト2及び吸気室4がY字状に広げられていることにより、表裏向きに応じて選別された蓋体1は左右に分離され下流側に搬送されることとなる。
【0015】
ベルトに吸着された状態で左右に分離され下流側に搬送された蓋体1は対向するベルト側に90°回動させる手段3によって回動され向きが揃えられることになる。この機構は図3に示されるように、天面のある表側と接した対向するベルトは、先に進むに連れて回動手段3によって吸着された蓋体1を剥がす方向に押圧力を受け、対向するベルト側に90°回動させられる。すなわち、有孔ベルト2の吸着状態から剥ぎ取られ開放され蓋体1は天面のある表側を上にするように回動されるのであるが、図示した例では傾斜受け部材5を配設し、まずは高い位置で蓋体1を受止め、徐々に低くして下流側ベルトコンベアー8の面に寝かせる構成を採っている。この構成は必ずしも必須ではないが蓋体1の回動を穏やかに行なわれるための望ましい構成である。対向する有孔ベルト2によって吸着された蓋体1についても同様の操作がなされるが回動手段3によってなされる回動方向が逆となるため、やはり天面のある表側を上にするように回動され下流側ベルトコンベアー8の面に寝かせられる。表側を上にするように揃えられた蓋体1はラッパ形状に広げられた導入部を備えた排出側蓋体ガイド10によって集められ、キャッピング工程に送られる。
【0016】
蓋体1が孔2aの開いたベルト2のコンベアーによって吸着された状態から剥ぎ取られて回動させられる形態を図4によって説明する。Aは蓋体1が有孔ベルト2に吸着されている形態を示したものである。吸気室4の空気はブロアー6の作用によって排気状態となっているため、吸気室4の長窓4aとベルト2の孔2aを介して蓋体1の天面を吸着している。Bはその状態で下流側に搬送されるにつれ、回動部材3(この例ではエンドレスロープ3a)が接近してくる形態を示している。Cは吸着されていた蓋体1を回動部材3の押圧力によって剥がし取る形態を示している。Dは蓋体1を回動部材3の押圧力によって剥がし取った後、この回動部材3によって対向する有孔ベルト2側に回動させる形態を示したものである。5aは傾斜受け部材5として採用されたエンドレスロープである。この高さ位置は下流側に行くに従って低くなり、最終的に蓋体1は下流側ベルトコンベアー8の面に寝かされる。
【実施例】
【0017】
本発明を具体化した実施例について説明する。まず、回動手段3の機構についてであるが、図に示した例では2つの駆動輪3b,3c 間に搬送方向に張ったエンドレスロープ3aを用いている。有孔ベルト2に吸着された状態で搬送されてくる蓋体1はY字状に曲げられて運ばれるため、図4に示されるようにエンドレスロープ3aが蓋体1の天面に徐々に接近し、接触して更に天面に押圧力を加える作用を及ぼす。この力が吸引力に勝って蓋体1を有孔ベルト2から剥ぎ取る機能を果たす。エンドレスロープ3aの走行は蓋体1の搬送速度に合わせることが不要のストレスを生じさせないため望ましい。
なお、回動手段3の機構はこれに限られるものではなく、有孔ベルト2に吸着された状態で搬送されてくる蓋体1を剥離させる機構であればよい。例えば、スピンドルが往復駆動する機構をY字状となっている吸気室4の先端部近傍上面に設置したものを採用することが出来る。スピンドルの駆動力によって蓋体1を剥離させる機構である。
【0018】
次に傾斜受け部材5の機構についてであるが、図に示した例では2つの駆動輪5b,5c 間に搬送方向に張ったエンドレスロープ5aを用いている。傾斜構造であることから、当初は高い位置で受止め徐々に低くして寝かせ着けることが出来る。前述したようにこの機構は必須の構成というわけではないが、蓋体1の回動を穏やかに行なわれるための望ましい構成である。特に蓋体が円形であった場合など駆動と共に転がり出すことを防止するのに有効である。このエンドレスロープ5aの走行は蓋体1の搬送速度である下流側ベルトコンベアー8の速度に合わせることが安定した回動のために望ましい。傾斜受け部材5としてエンドレスロープ5aを設置するため、ベルトコンベアーは左右2つに分離する必要が生じる。しかし、上流の蓋体供給側は蓋体1が立てられた状態で供給される細い流路となっているため、中央部で分離されたベルトコンベアーは不都合という事情があって、下流側ベルトコンベアー8と上流側ベルトコンベアー7は別個のものを設置している。両ベルトコンベアー間には段部ができるが、この部分では蓋体1は有孔ベルト2に吸着保持された状態であるので、搬送上全く問題は生じない。
なお、この傾斜受け部材の機構も上記のエンドレスロープ5aに限られるものではなく、三角形状板を側面から支持する形態のものであってもよい。その場合には下流側ベルトコンベアー8を左右2つに分離する必要はなく、上流側ベルトコンベアーと共用の1つのコンベアーで構成することが出来る。
【0019】
また、蓋体には図5Aに示すような天面が平坦ではなく、周縁に突起ができて少し窪んだ形状となっているものがある。この様な蓋体の場合、ベルトの孔2と天面間には間隙が出来るため、上記した実施形態では蓋体の吸着ができない。そこで、図5Bに示すようにループ状の突起2bをベルト2に設け、これを介在させることによって吸着させるようにする。ただし、ベルト2には前記のループ状の突起2bが取付けられるため、蓋体1の周縁とが干渉することとなる。そこで、前記突起2bが取付けられたベルト2を備えたコンベアーの入口には搬送される蓋体1の中央部と突起2bが取付けられた孔位置との同期を取る手段を備え、この干渉を回避するものとした。図6にその1実施形態を示す。この例は搬送される蓋体と孔位置の同期を取る手段として、スターホイール11を採用したものである。スターホイール11の窪みにホールドされた蓋体1を有孔ベルト2のコンベアーの送りと同期させて送り込むものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の容器蓋の天地方向を揃える方法と装置は、食品容器等の蓋をキャッピングする際の問題に着目して発明したものであるが、蓋に限らず、断面が凹形状の部材の向きを揃える技術としても応用が可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 蓋体 2 有孔ベルト
2a 孔 2b ループ状の突起部材
3 回動手段 3a 回動用エンドレスロープ
3b,3c 駆動輪 4 吸気室
5 傾斜受け部材 5a 受け部材用エンドレスロープ
5b,5c 駆動輪 6 ブロワー
7 上流側ベルトコンベアー 8 下流側ベルトコンベアー
9 供給側蓋体ガイド 10 排出側蓋体ガイド
11 スターホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔の開いたベルトのコンベアーを蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置し、前記孔を通して外側方向への吸気を行なわせた状況下で、両ベルト間に蓋体を供給し、各蓋体は天面のある側のベルトに吸着された状態で搬送され、両側に吸着された蓋体を搬送途上で90°逆方向に回動させることによって蓋体の天地方向を揃える方法。
【請求項2】
前記蓋体の供給は蓋体の回動動作において前後の蓋体同士が干渉しないだけの間隔を持ってなされるものである請求項1に記載の蓋体の天地方向を揃える方法。
【請求項3】
孔の開いたベルトを備えたコンベアーが蓋の高さ寸法より若干広い間隔で両側に配置されると共に前記孔の開いたベルトの外側には吸気室が配置され、前記両ベルト間領域に蓋体を供給する手段と、ベルトに吸着された状態で搬送される各蓋体を対向するベルト側に90°回動させる手段と、回動され向きが揃えられた蓋体を共に搬送する手段とからなる蓋体の天地方向を揃える装置。
【請求項4】
前記吸気室にはブロアーが連結配置され、前記両ベルト間領域の大気は前記孔を介して吸引されることを特徴とする請求項3に記載の蓋体の天地方向を揃える装置。
【請求項5】
蓋体を対向するベルト側に90°回動させる両側の前記手段は相手側蓋体の回動に干渉しない間隔で配置され、その中央部には搬送方向に低くなる傾斜を持った受け部材が配置されている請求項3又は4に記載の蓋体の天地方向を揃える装置。
【請求項6】
前記回動手段と前記傾斜を持った受け部材は搬送手段の速度と同期が取られたエンドレスロープを採用した請求項5に記載の蓋体の天地方向を揃える装置。
【請求項7】
天面の周囲が凸形状となっている蓋体用であって、ベルトの孔は蓋体の搬送間隔に合わされた位置に開けられると共に、該孔にはループ状の突起部材が取付けられ、前記孔の開いたベルトを備えたコンベアーの入口には蓋体と孔位置の同期を取る手段が備えられた請求項3乃至6のいずれかに記載の蓋体の天地方向を揃える装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−20752(P2012−20752A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158634(P2010−158634)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(506100990)日本トーカンパッケージ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】