説明

容器補強具及び集積包装体

【課題】本発明は、工場内での保管や輸送等の流通過程において容器の歪みや崩れの発生が無く、2〜3段よりも多く積み上げることができ、且つ、構成が簡便な容器補強具及び集積包装体を提供することを目的とする。
【解決手段】容器補強具10を、複数の容器14の間に起立させられる起立板22と、起立板22上に支持されて横方向に延び、集積包装体20を形成した時に、上面24が複数の容器14のバーチカルパネル27の上端28(容器の上端)よりも上へ突出する横設部材30と、から構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を複数個整列させた容器群の周囲をフィルムで集積包装して集積包装体を形成し、集積包装体を複数段積み上げるための容器補強具、及び、容器補強具を使用して前記容器を複数個整列させて容器群を形成し、該容器群の周囲をフィルムで集積包装して形成した集積包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛乳パックやジュース等のゲーブルトップ型の容器の流通方法としては、プラスチック製のコンテナに詰めて流通するのが一般的であった。しかしながら、この方法では、プラスチック製のコンテナを回収し、且つ洗浄する必要があり、その回収および洗浄に多大な費用が発生する。また、容器を包装しないでコンテナに入れるため、流通の過程でゲーブルトップ型の容器が汚れる等の衛生上の問題もあった。
【0003】
そこで、特許文献1に示すように、コンテナにかえて、ゲーブルトップAとゲーブルトップAの頂部のバーチカルパネルBとを収納する収納凹所6が設けられたクレートDが提案されている。これにより、クレートDの減容化がはかられ、外部からの視認性が改善されるが、プラスチック製のものであるため、回収及び洗浄にコストがかかり、又はゲーブルトップ型の容器Cが汚れる等、課題は残ったままである。また、複数段積み上げた場合、ゲーブルトップ型の容器C自体に垂直方向の荷重が負荷されることから、2〜3段積み上げるのが限度である。
【0004】
一方、特許文献2に示すように、コンテナ等にかえて、ワンウェイで使用でき、ゲーブルトップ型の容器aの汚れを防ぎ、紙状物から形成され、ゲーブルトップbとバーチカルパネルcとに接触する5角形の保護部が2個形成された補助具を用いたシュリンク集積包装体が提案されている。しかしながら、保護部を形成することが煩雑であり、かつ、両端にのみ保護部が形成されるため、輸送等の流通において、集積包装体の中央部の強度が必ずしも満足できるものではなく、特許文献1の場合と同様に、2〜3段積み上げるのが限度である。
【0005】
そこで、特許文献3に示すように、ゲーブルトップ型の容器3を複数個整列配置し、底板2と、天板5と、容器3よりも1mm〜20mm高い中仕切板4とを具備し、熱収縮性フィルム6で集積包装された集積包装体1が提案されている。しかしながら、天板5や中仕切板4が四角形の板形状であり十分な強度が得られなかった。また、ゲーブルトップ型の容器3の胴部から上部においては、中仕切板4の強度不足から中仕切板4が座屈するなどの問題があった。これにより、工場内での保管や輸送等の流通過程において、ゲーブルトップ型の容器3の歪みや崩れが発生することから、特許文献1及び2の場合と同様に、2〜3段積み上げるのが限度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−301756号公報
【特許文献2】実開昭54−80472号公報
【特許文献3】特開2006−96384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明者は、このような課題の原因を究明して解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、工場内での保管や輸送等の流通過程において容器の歪みや崩れの発生が無く、2〜3段よりも多く積み上げることができ、且つ、構成が簡便な容器補強具及び集積包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の容器補強具は、容器を複数個整列させた容器群の周囲をフィルムで集積包装して集積包装体を形成し、該集積包装体を複数段積み上げるための容器補強具であり、
前記複数の容器の間に起立させられる起立板と、前記起立板上に支持され若しくは固定されて横方向に延び、又は該起立板上に一体的に形成されて横方向に延び、前記集積包装体を形成した時に、上面が前記複数の容器の上端よりも上へ突出する横設部材と、から構成され、前記集積包装体を複数段積み上げた時に、上段の集積包装体の荷重が下段の前記横設部材から前記起立板へ負荷されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記複数の容器が、切妻屋根部を有するゲーブルトップ型の容器であり、互いに隣接する切妻屋根部により空間が形成され、該空間の間に前記横設部材が入り込むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記集積包装体を形成した時に、前記切妻屋根部の下端と、前記空間の間に入り込んだ前記横設部材の下端との間に隙間が生じることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記隙間の高さが10mm以下であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記集積包装体を形成した時に、前記起立板が、互いに隣接する容器の間に挟持され、該隣接する容器の外壁面に接触することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記複数個整列させた容器及び複数の容器の間に起立させられた起立板を支持する底板を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記横設部材の断面の形状が略三角形であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記横設部材の断面の形状が略五角形であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記集積包装体を形成した時に、前記横設部材の断面が前記起立板と平行になることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の容器補強具は、前記容器補強具において、前記集積包装体を形成した時に、前記横設部材の断面が前記起立板と垂直になることを特徴とする。
【0019】
本発明の集積包装体は、前記容器補強具を使用して前記容器を複数個整列させて容器群を形成し、該容器群の周囲をフィルムで集積包装して形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の容器補強具は、集積包装体を形成して複数段積み上げた時の上段からの荷重が容器補強具に負荷され、容器自体には負荷されず、工場内での保管や輸送等の流通過程において容器の歪みや崩れの発生が無く、2〜3段よりも多く積み上げることができる。また、起立板及び横設部材から構成され、コンパクトな構成によって、このような効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の容器補強具及び集積包装体を示す図であり、同図(a)は容器補強具を示す斜視図であり、同図(b)は集積包装体を形成した状態の斜視図である。
【図2】図1の容器補強具及び集積包装体を示す図であり、同図(a)は正面図であり、同図(b)は側面図である。
【図3】図1の容器補強具及び集積包装体の一部を拡大した図であり、同図(a)は正面図であり、同図(b)は側面図である。
【図4】図1の集積包装体を積み上げた状態を示す正面図である。
【図5】本発明の容器補強具及び集積包装体の他の実施形態を示す図であり、同図(a)は容器補強具を示す斜視図であり、同図(b)は集積包装体を形成した状態の斜視図である。
【図6】本発明の容器補強具及び集積包装体の更に他の実施形態を示す斜視図である。
【図7】図1の容器補強具の起立板の製造方法を説明するための正面図である。
【図8】図1の容器補強具の横設部材の製造方法を説明するための正面図である。
【図9】本発明の容器補強具及び集積包装体の更に他の実施形態を示す正面図である。
【図10】本発明の容器補強具及び集積包装体の更に他の実施形態を示す図であり、同図(a)は容器補強具を示す斜視図であり、同図(b)は集積包装体を形成した状態の斜視図である。
【図11】図10の容器補強具の製造方法を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明に係る容器補強具及び集積包装体について、図面に基づいて詳しく説明する。図1〜図4において、符号10は本発明の容器補強具を示し、符号20は本発明の集積包装体を示す。
【0023】
本発明の容器補強具10は、ゲーブルトップ(切妻屋根部)26を有するゲーブルトップ型の容器14を複数個整列させた容器群16の周囲を熱収縮性のフィルム18で集積包装して集積包装体20を形成し、集積包装体20を複数段積み上げるための容器補強具である。容器補強具10は、図1〜図3に示すように、複数の容器14の間に起立させられる起立板22と、起立板22上に支持されて横方向に延び、集積包装体20を形成した時に、上面24が複数の容器14のバーチカルパネル27の上端28(容器の上端)よりも上へ突出する横設部材30と、から構成され、起立板22及び横設部材30を使用して形成した集積包装体20を複数段積み上げた時に、集積包装体を複数段積み上げた時に、上段の集積包装体20の荷重Pが下段の横設部材30から起立板22へ負荷されるように構成されている。容器14はゲーブルトップ型の容器であるため、互いに隣接するゲーブルトップ26により空間32が形成され、空間32の間に横設部材30が入り込むように構成されている。
【0024】
また、図2に示すように集積包装体20を形成した時に、図3に示すように、ゲーブルトップ26の肩部(切妻屋根部の下端)34と、空間32の間に入り込んだ横設部材30の下端36との間に隙間38が生じ、横設部材30の下端36が肩部34に接触しないように構成され、図4に示すように集積包装体20を複数段積み上げた時に、上段の容器群16から横設部材30に負荷される荷重Pによって肩部34が損傷しないように構成されている。隙間38の高さH1は、10mm以下であり、0mmよりも大きければよい。すなわち、僅かであっても隙間H1が生じればよい。
【0025】
起立板22は、集積包装体20を形成した時に、図2及び図3に示すように、互いに隣接する容器14の間に挟持され、隣接する容器14の外壁面40に面接触又は密着(接触)するように構成されている。隣接する容器14の外壁面40からの、互いに逆方向に作用する二つの反力Nにより、起立板22の起立状態が維持される。このため、荷重Pが横設部材30から起立板22に負荷される。起立板22は、横設部材30が入り込んで支持される逆三角形の係合凹部42が設けられている。
【0026】
横設部材30は、断面の形状が二等辺三角形等の略三角形に形成され、二等辺三角形の場合には二等辺三角形の頂点を下へ向けた状態で起立板22の係合凹部42に支持されることにより、二等辺三角形の底辺によって、起立板22に支持された時に略水平となる上面24を形成できる。横設部材30が起立板22の上部の係合凹部22に支持された時、横設部材30の断面は起立板22と平行となるように構成されている。
【0027】
このような構成の容器補強具10を使用して、牛乳等の飲料を入れた12個の容器14による集積包装体20を形成し、集積包装体20を例えば5段に積み上げる作用について以下に説明する。
【0028】
まず、図1(a)に示すように、2個の係合凹部42を有する起立板22を2枚、横設部材30を2本、それぞれ用意する。次に、図1(b)に示すように、12個の容器14を、X軸方向に3列、Y軸方向に4行整列させて容器群16を形成する。Y軸正方向に数えて1行目と2行目の3個の容器の間、及び3行目と4行目の3個の容器の間には、起立板22を介入し起立させる。なお、Y軸正方向に数えて2行目と3行目の3個の容器の間にも起立板22を介入し起立させてもよい。さらに、起立させた起立板22の係合凹部42に、横設部材30を、二等辺三角形の頂点を下にして入り込ませる。これにより、横設部材30は起立板22に支持される。
【0029】
次に、12個の容器から形成された容器群16を熱収縮性のフィルム18で覆い、熱収縮させることにより、図2に示す集積包装体20が形成される。この時、図3に示すように、起立板22の上端44はバーチカルパネル27の上端28よりも高さH2だけ上へ突出し、横設部材30の上面24が起立板22の上端44よりも高さH3だけ上へ突出しており、結果的に、横設部材30の上面24が容器14のバーチカルパネル27の上端28よりも高さH2+H3だけ上へ突出している。起立板22の上端44はバーチカルパネル27の上端28よりも高さH2だけ上へ突出するため、負荷される荷重Pによってバーチカルパネル27が損傷することはない。
【0030】
次に、図4に示すように、複数の集積包装体20を、パレット46等の上に積み上げる。例えば、4個の集積包装体20を、起立板22がY軸に対して垂直となる状態に整列させてパレット46上に載置して1段目48(1)を形成し、3個の集積包装体20を、起立板22がX軸に対して垂直となる状態に整列させて1段目48(1)上に載置して2段目48(2)を形成し、4個の集積包装体20を、起立板22がY軸に対して垂直となる状態に整列させて2段目48(2)上に載置して3段目48(3)を形成し、3個の集積包装体20を、起立板22がX軸に対して垂直となる状態に整列させて3段目48(3)上に載置して4段目48(4)を形成し、4個の集積包装体20を、起立板22がY軸に対して垂直となる状態に整列させて4段目48(4)上に載置して5段目48(5)を形成することにより、5段に積み上げる。複数の集積包装体20を5段に積み上げた状態で、パレット46及び積み上げた集積包装体20にストレッチ包装47を施し、フォークリフトによりトラックに載せて搬送する。
【0031】
この時、例えば1段目48(1)の集積包装体20には、2段目48(2)〜5段目48(5)の集積包装体20の荷重Pが負荷される。なお、集積包装体20が飲料を入れた12個の1リットルの容器14から形成された場合、集積包装体20の1個当たりの重量は、少なくとも12kgである。この荷重Pは、起立板22、横設部材30及び容器14の中で、上端が上へ最も突出している横設部材30に、フィルム18を介して負荷される。横設部材30に負荷された荷重Pは、横設部材30を支持する起立板22に負荷される。起立板22を2枚使用した場合、起立板22に負荷される荷重は、P/2である。起立板22に負荷される荷重P/2は、パレット46に負荷される。
【0032】
このため、荷重Pは、容器補強具10に負荷され、容器14自体には負荷されず、容器14に歪みや崩れが生じて損傷することはない。特に、ゲーブルトップ26の肩部34と横設部材30の下端36との間に隙間38が生じているため、肩部34に荷重Pが負荷されることなく、損傷しやすい肩部34を保護できる。よって、集積包装体20を2〜3段よりも多く積み上げることができる。また、起立板22及び横設部材30のみのコンパクトな構成によって、このような効果が生じる。また、図3(b)に示すように、起立板22が隣接する容器14の間に挟持され、隣接する容器14の外壁面40に面接触又は密着するため、互いに逆方向に作用する二つの反力Nにより、起立板22の起立状態が維持され、荷重Pが横設部材30から起立板22に負荷される。このため、起立板22が隣接する容器14の間に挟持されるとともに、それら容器14の外壁面40に面接触又は密着することによっても、容器14の損傷を防止できるという効果が生じる。
【0033】
なお、本発明の容器補強具10を使用して集積包装体20を形成し、5段積み上げた場合に相当する荷重P、7段積み上げた場合に相当する荷重Pを集積包装体20に負荷して、振動試験を行った結果、容器14が損傷することがなかった。7段積み上げた場合に相当する荷重Pを集積包装体20に負荷して、12時間静置試験を行った結果、容器14が損傷することがなかった。
【0034】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、その他の実施形態であってもよい。例えば、例えば、図5(a)に示すように、3個の係合凹部42を有する起立板22を2枚、横設部材30を2本、それぞれ用意し、図5(b)に示すように、12個の容器14を、X軸方向に4列、Y軸方向に3行整列させて容器群16を形成し、その容器群16を熱収縮性のフィルム18で覆い、熱収縮させることにより集積包装体20を形成してもよい。この場合。Y軸正方向に数えて1行目と2行目の4個の容器の間、及び2行目と3行目の4個の容器の間には、起立板22を介入し起立させる。さらに、起立させた起立板22の係合凹部42に、横設部材30を、二等辺三角形の頂点を下にして入り込ませる。
【0035】
また、本発明の容器補強具10において、図6に示すように、複数個整列させた容器14及び複数の容器14の間に起立させられた起立板22を支持する底板50を備え、底板50を容器14及び起立板22の下面に密着させた状態で、容器群16を熱収縮性のフィルム18で覆い、熱収縮させることにより集積包装体20を形成してもよい。
【0036】
次に、上述の起立板22、横設部材30及び底板50の製造方法について説明する。起立板22、横設部材30及び底板50は、段ボール、プラスチック段ボール、厚紙、板紙、プラスチック板、合板等から形成される。
【0037】
起立板22は、例えば、図7(a)に示すように、1枚のダンボール60の中心をジグザグの切り目62で切り、不要な部分64を切り取ることにより、1枚のダンボール60から係合凹部42を有する2枚の起立板22を製造できる。また、図7(b)に示すように、段ボール60を切り目66で切り、折り返すのみによっても、係合凹部42を形成できる。起立板22は、図7(c)に示すように、起立させた時に段ボール60の内紙68の波目が上から見て表れるように製造すれば、集積包装体20を形成して積み上げた時に、上からの荷重Pに対する強度が高くなる。
【0038】
横設部材30は、例えば、図8(a)に示すように、段ボール70を、三つに折って粘着テープ72で留めることによって略二等辺三角形の断面を有するように製造する。また、図7(b)に示すように、段ボール70を、四つに折って両端面同士を接着剤で留めることによって略二等辺三角形の断面を有するように製造してもよい。この場合、図8(a)及び(b)に示すように、段ボール70の内紙74の波目が断面において表れるように折って製造すれば、折りやすいとともに、強度も高くなる。また、図8(c)に示すように、横設部材30の下端に凸部76を有するように製造し、起立板22の係合凹部42の最下端に設けた凹部78に挿入するように構成してもよい。
【0039】
また、横設部材30の断面形状は略三角形に限定されず、図9に示すように、略五角形であってもよい。この場合、ゲーブルトップ26及びバーチカルパネル27の形状に沿った形状とすることができる。また、横設部材30によってバーチカルパネル27を上からの荷重Pから保護できる。
【0040】
また、本発明の容器補強具は、図10に示す容器補強具80であってもよい。この容器補強具80は、複数の容器14の間に起立させられる起立板22と、起立板82上に一体的に形成されて横方向に延び、集積包装体20を形成した時に、上面24が複数の容器14の上端よりも上へ突出する横設部材30と、から構成され、積包装体20を形成した時に、横設部材30の断面が起立板22と垂直になるように構成されている。この容器補強具80によっても、集積包装体20を形成して積み上げた時に、容器14が損傷するのを防止できる。
【0041】
次に、この容器補強具80の製造方法について説明する。容器補強具80は、段ボール、プラスチック段ボール、厚紙又は板紙等から形成される。例えば、図11(a)及び(b)に示すように、1枚の段ボール82を五つに折り曲げて接着剤によって留めることにより製造できる。また、図11(c)に示すように、1枚の段ボール82を五つに折り曲げ、段ボール82の端部付近84を段ボール82の図示しない孔に挿入して留めることにより製造してもよい。このように、容器補強具80は、1枚の段ボール82から容易に製造できる。
【0042】
また、本発明は図示した実施形態には限定されない。例えば、本発明の容器補強具を使用する容器は、ゲーブルトップ型の容器ではなく、ペットボトル等のボトル型の容器や角柱型の容器であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の容器補強具及び集積包装体によれば、集積包装体を形成して複数段積み上げた時の上段からの荷重が容器補強具に負荷され、工場内での保管や輸送等の流通過程において容器の歪みや崩れの発生が無く、また、起立板及び横設部材から構成され、コンパクトな構成によって、このような効果が生じる。このため、容器の搬送や保管のために広く利用できる。
【符号の説明】
【0044】
10、80:容器補強具
14:容器
16:容器群
18:フィルム
20:集積包装体
22:起立板
24:上面
26:ゲーブルトップ(切妻屋根部)
28:上端(容器の上端)
30:横設部材
32:空間
34:肩部(切妻屋根部の下端)
36:横設部材の下端
38:隙間
40:外壁面
42:係合凹部
P:荷重

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を複数個整列させた容器群の周囲をフィルムで集積包装して集積包装体を形成し、該集積包装体を複数段積み上げるための容器補強具であり、
前記複数の容器の間に起立させられる起立板と、
前記起立板上に支持され若しくは固定されて横方向に延び、又は該起立板上に一体的に形成されて横方向に延び、前記集積包装体を形成した時に、上面が前記複数の容器の上端よりも上へ突出する横設部材と、
から構成され、
前記集積包装体を複数段積み上げた時に、上段の集積包装体の荷重が下段の前記横設部材から前記起立板へ負荷される容器補強具。
【請求項2】
前記複数の容器が、切妻屋根部を有するゲーブルトップ型の容器であり、互いに隣接する切妻屋根部により空間が形成され、該空間の間に前記横設部材が入り込む請求項1に記載する容器補強具。
【請求項3】
前記集積包装体を形成した時に、前記切妻屋根部の下端と、前記空間の間に入り込んだ前記横設部材の下端との間に隙間が生じる請求項2に記載する容器補強具。
【請求項4】
前記隙間の高さが10mm以下である請求項3に記載する容器補強具。
【請求項5】
前記集積包装体を形成した時に、前記起立板が、互いに隣接する容器の間に挟持され、該隣接する容器の外壁面に接触する請求項1〜請求項4のいずれかに記載する容器補強具。
【請求項6】
前記複数個整列させた容器及び複数の容器の間に起立させられた起立板を支持する底板を備える請求項1〜請求項5のいずれかに記載する容器補強具。
【請求項7】
前記横設部材の断面の形状が略三角形である請求項1〜請求項6のいずれかに記載する容器補強具。
【請求項8】
前記横設部材の断面の形状が略五角形である請求項1〜請求項6のいずれかに記載する容器補強具。
【請求項9】
前記集積包装体を形成した時に、前記横設部材の断面が前記起立板と平行になる請求項1〜請求項8のいずれかに記載する容器補強具。
【請求項10】
前記集積包装体を形成した時に、前記横設部材の断面が前記起立板と垂直になる請求項1〜請求項8のいずれかに記載する容器補強具。
【請求項11】
前記請求項1〜請求項10のいずれかの容器補強具を使用して前記容器を複数個整列させて容器群を形成し、該容器群の周囲をフィルムで集積包装して形成した集積包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−153421(P2012−153421A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16395(P2011−16395)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】