説明

容器詰飲料

【課題】高濃度のイソクエルシトリン及びその糖付加物を含有し、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制された容器詰飲料を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)及び(B):
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
を含有し、pHが2〜5である容器詰飲料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器詰飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
イソクエルシトリンは、ケルセチンの3位にグルコース1つがβ結合したフラボノール配糖体である。イソクエルシトリンは、強力な抗酸化活性を有し、色素の退色を防止することが知られており(特許文献1)、また、抗動脈硬化、血流改善等の生体への作用も期待されている。
【0003】
しかしながら、イソクエルシトリンは水に難溶であるため生体外では有効に作用するものの、生体内における効果が十分ではなく、飲料等の水系の組成物としての利用が制限されるという問題あった。そこで、水への溶解性を改善すべく、イソクエルシトリンにでん粉質の存在下、糖転移酵素を作用させて得られる「酵素処理イソクエルシトリン」が提案されている(特許文献2)。「酵素処理イソクエルシトリン」は、イソクエルシトリンと、イソクエルシトリンのグルコース残基に1以上のグルコースをα−1,4結合で更に付加したα−グルコシルイソクエルシトリンとの混合物である。
【0004】
また、酵素処理イソクエルシトリンに含まれるα−グルコシルイソクエルシトリンの組成を分画により変化させて、経口吸収性を更に高めたケルセチン配糖体組成物も提案されている(特許文献3)。そして、最近になりイソクエルシトリンには肥満者の体脂肪を低減させる作用があることが見出され、飲料の形態で摂取させて効果があることが報告されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−131888号公報
【特許文献2】特開平1−213293号公報
【特許文献3】国際公開第2006/070883号パンフレット
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】薬理と治療、第36巻、第10号、919〜930頁、2008年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
イソクエルシトリンの生理作用を、より効果的に発現させるためには、酵素処理等によりイソクエルシトリンに糖を付加させてその摂取量及び体内吸収量を増やすことが有効であり、また、それを簡便に達成可能とする手段として飲料の形態とすることが挙げられる。
本発明者は、酵素処理イソクエルシトリンを含有する飲料を開発すべく検討を行った。その結果、酵素処理イソクエルシトリンを飲料に配合し、それを高濃度化するに従い酸味や苦渋味が後に引きやすくなるため、高濃度の酵素処理イソクエルシトリンを飲料として継続摂取することは困難であることが判明した。一方、低水分の食品や、ゼリー等の高粘度食品においては、酵素処理イソクエルシトリンの含有量を高濃度化しても後味に酸味及び苦渋味が残らないことも確認された。このように、酵素処理イソクエルシトリンを含有する飲食品において、酸味の後味及び苦渋味の後味は低粘度の飲料の形態に特有の課題であることが判明した。なお、本明細書において「後味」とは、JIS Z 8144:2004に記載の「口内に残る感覚」をいう。
したがって、本発明の課題は、高濃度のイソクエルシトリン及びその糖付加物を含有し、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制された容器詰飲料を提供することにある。また、本発明の課題は、高濃度のイソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料の後味の改善方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、イソクエルシトリン及びその糖付加物とともにアミノ酸を含有せしめ、かつ各成分の容器詰飲料中の含有量及びpHを特定範囲内に制御することで、酸味の後味及び苦渋味の後味が抑制され、すっきりしていて飲みやすい飲料が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
を含有し、pHが2〜5である容器詰飲料を提供するものである。
また、本発明は、イソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料の後味の改善方法であって、次の成分(A)及び(B)を、
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
となるように配合し、pHを2〜5に調整する、後味の改善方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、酸味の後味及び苦渋味の後味が抑制され、すっきりしていて飲みやすいイソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料を提供することができる。また、本発明によれば、高濃度のイソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料の後味の改善方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の容器詰飲料は(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物(以下、「イソクエルシトリン糖付加物等」とも称する)を0.03〜0.17質量%含有するものである。成分(A)の含有量の上限は、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の点から、0.15質量%以下、更に0.12質量%以下、更に0.1質量%以下であることが好ましい。また、成分(A)の含有量は、生理効果の観点から、0.04量%以上、更に0.05質量%以上、更に0.06質量%以上が好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、0.04〜0.15質量%、更に0.05〜0.12質量%、更に0.06〜0.12質量%、更に0.06〜0.1質量%が好ましい。
【0012】
イソクエルシトリンは、ケルセチンの3位にグルコース1つがβ結合したものである(quercetin 3-O-β-D-glucopyranoside)。イソクエルシトリン糖付加物は、例えば、イソクエルシトリンに糖供与体(グルコース源)の存在下、糖転移酵素を作用させて得ることができ、イソクエルシトリンのグルコース残基に1以上のグルコースをα−1,4結合で更に付加したα−グルコシルイソクエルシトリンとなっている(FFIジャーナル,Vol.209,No.7,2004,p.622-628;食品衛生学雑誌,Vol.41,No.1,p.54-60)。
【0013】
成分(A)は、より具体的には、下記式(1)において、グルコース残基数(n)が0であるイソクエルシトリンと、グルコース残基数(n)が1以上の整数(好ましくは1〜15の整数、より好ましくは1〜10の整数、更に好ましくは1〜8の整数)であるイソクエルシトリン糖付加物との混合物である。
【0014】
【化1】

【0015】
〔式中、Glcはグルコース残基を示し、nは0又は1以上の整数を示す。〕
【0016】
また、成分(A)中のイソクエルシトリンの糖付加物/イソクエルシトリンの質量比は、水溶性の点から1以上であることが好ましく、更に2以上、殊更に4以上が好ましい。また、当該質量比は、製造効率の点から1000以下、更に500以下、更に100以下、更に50以下、更に25以下、更に10以下であることが好ましい。かかる質量比の範囲としては、1〜1000、更に1〜500、更に1〜100、更に1〜50、更に1〜25、更に1〜10、更に2〜10、更に4〜10が好ましい。
【0017】
このような(A)イソクエルシトリン糖付加物等は商業的に入手可能であり、例えば、サンメリンAO−1007、サンメリンパウダーC−10等(以上、三栄源エフ・エフ・アイ社製)を挙げることができる。
【0018】
イソクエルシトリンの配糖化処理に使用される糖転移酵素としては、例えば、α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、α−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.20)等のグルコシダーゼや、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)等のトランスグルコシダーゼを挙げることができる。
【0019】
これらの糖転移酵素はいずれも商業的に入手可能であり、例えば、コンチザイム(天野エンザイム社製)を挙げることができる。なお、糖転移酵素の使用量は酵素の種類や所望の組成により一様ではないが、例えば、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ〔酵素比活性約100単位(溶性デンプンからβ−シクロデキストリンを1分間当たり1mg生成する酵素量を1単位とする)〕の場合、イソクエルシトリン1質量部に対して、通常0.001〜20質量部、好ましくは0.005〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。
【0020】
配糖化の際に用いられる糖供与体(グルコース源)としては、そのグルコース残基の1分子以上がイソクエルシトリンの1分子に転移され得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、グルコース、マルトース、アミロース、アミロペクチン、でん粉、でん粉液化物、でん粉糖化物、シクロデキストリン等を挙げることができる。グルコース源の使用量は、イソクエルシトリン1質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜15質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
【0021】
また、得られる(A)イソクエルシトリン糖付加物等の組成は反応条件によって一様ではなく、例えば、温度80℃以下、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜75℃、pH3〜11、好ましくはpH4〜8の条件で、糖供与体(グルコース源)の存在下、イソクエルシトリンに糖転移酵素を作用させることにより、種々の組成のものが得られる。なお、(A)イソクエルシトリン糖付加物等の分析方法は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
【0022】
上記反応は、静置又は攪拌若しくは振盪しながら行うことができる。反応中の酸化を防止するために、反応系のヘッドスペースを窒素等の不活性ガスで置換してもよく、またアスコルビン酸等の酸化防止剤を反応系に添加することも可能である。
【0023】
(A)イソクエルシトリン糖付加物等は、前述のようにイソクエルシトリンを原料とする他、ルチンから出発して調製することも可能である。例えば、ルチンにα−1,6−ラムノシダーゼ(E.C.3.2.1.40)を作用させてイソクエルシトリンに変換してから、前述の方法にしたがって(A)イソクエルシトリン糖付加物等を調製することができる。α−1,6−ラムノシダーゼは商業的に入手可能であり、例えば、ヘスペリジナーゼ、ナリンジナーゼ(以上、田辺製薬社製)、セルラーゼA「アマノ」3(天野エンザイム社製)が挙げられる。
【0024】
また、本発明においては、上記式(1)で表わされる(A)イソクエルシトリン糖付加物等において、nが0であるイソクエルシトリンと、nが1以上の整数であるイソクエルシトリン糖付加物との混合物から、例えば、nが0であるイソクエルシトリンと、nが4以上であるイソクエルシトリン糖付加物を分画により低減し、nが3であるイソクエルシトリン糖付加物を豊富に含む画分を分取して使用してもよい。
【0025】
本発明の容器詰飲料は、(A)イソクエルシトリン糖付加物等をケルセチン換算で0.01〜0.07質量%となるように含有することが、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の観点から好ましく、更に0.06質量%以下、更に0.05質量%以下、更に0.04質量%以下であるのが好ましく、また生理効果の観点から、0.016質量%以上、更に0.021質量%以上、更に0.025質量%以上が好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、ケルセチン換算で0.016〜0.06質量%、更に0.021〜0.05質量%、更に0.025〜0.04質量%が好ましい。
【0026】
また、本発明の容器詰飲料は、酸味の後味及び苦渋味の後味を抑制するために、(B)アミノ酸を含有する。アミノ酸としては、酸性アミノ酸、中性アミノ酸及び塩基性アミノ酸のいずれも使用することが可能であり、また単一の光学活性体でもラセミ体でもよい。ここで、本明細書において「中性アミノ酸」とは、1分子中にアミノ基、イミノ基、グアニジル基等の含窒素塩基性基と、カルボキシル基を各1個有するアミノ酸をいい、また「酸性アミノ酸」とは1分子中に上記含窒素塩基性基よりもカルボキシル基を多く有するアミノ酸をいい、更に「塩基性アミノ酸」とは1分子中にカルボキシル基よりも上記含窒素塩基性基を多く有するアミノ酸をいう。
【0027】
酸性アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸が挙げられる。また、中性アミノ酸としては、例えば、ロイシン、プロリン、グリシン、サルコシン、α−アラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、グルタミン、アスパラギン、イソロイシン、イプシロン−アミノカプロン酸、γ−アミノ酪酸、グリシルグリシン、システイン、シスチン、クレアチン、セリン、チロシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、フェニルアラニン、プロリン、ハイドロキシプロリン、メチオニン等を挙げることができる。更に、塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、オルニチン、ヒドロキシリジン、ヒスチジンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、より一層の酸味の後味及び苦渋味の後味の改善の観点から、中性アミノ酸が好ましく、ロイシン、プロリンがより好ましい。
【0028】
本発明の容器詰飲料中の(B)アミノ酸の含有量は0.0001〜2質量%であるが、より一層の酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の観点から、好ましくは1.9質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは1質量以下、更に好ましくは0.5質量%以下、殊更に好ましくは0.3質量%以下、そして、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、殊更に好ましくは0.02質量%以上である。成分(B)の含有量の範囲としては、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の観点から、0.001〜1.9質量%、更に0.005〜1.5質量%、更に0.01〜1.2質量%、更に0.02〜1質量%、更に0.02〜0.5質量%、更に0.02〜0.3質量%が好ましい。
【0029】
本発明の容器詰飲料中の成分(A)と、成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]は、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下、殊更に好ましくは1以下、そして、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、殊更に好ましくは0.2以上である。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、0.01〜20、更に0.01〜10、更に0.01〜5、更に0.01〜3であることが好ましい。また、0.02〜2、更に0.05〜1.5、更に0.1〜1、殊更0.2〜1とすることもできる。
【0030】
また、本発明の容器詰飲料には、甘味料を含有させることができる。かかる甘味料としては、例えば、果糖,ブドウ糖,タガトース,アラビノース等の単糖、乳糖,トレハロース,麦芽糖,ショ糖等の二糖、粉末水あめ等の多糖といった結晶性糖類や、マルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のオリゴ糖、水あめ等の非結晶性糖類、更にはブドウ糖や果糖等の糖分が約7割を占める蜂蜜等を挙げることができる。これら甘味料は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の容器詰飲料中の甘味料の含有量は適宜決定することが可能であるが、0.02〜1質量%、更に0.05〜0.8質量%、更に0.05〜0.6質量%であることが、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の点から好ましい。
【0031】
更に、本発明の容器詰飲料には、高甘味度甘味料を含有せしめることができる。ここで、本明細書において「高甘味度甘味料」とは、ショ糖に比べて強い甘味を有する甘味料の総称であり、天然甘味料、合成甘味料がある。具体的には、スクラロース、ステビア、甘草抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、グリチルリチン酸2ナトリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムK、アリテーム、ネオテーム等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0032】
本発明の容器詰飲料中の高甘味度甘味料の含有量は、その種類により適宜選択可能であるが、酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の点から、好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.0001〜0.25質量%、更に好ましくは0.0001〜0.1質量%である。
【0033】
また、本発明においては、炭酸ガスを含有せしめて炭酸飲料とすることも可能である。炭酸ガスの適度な起泡性により、酸味の後味及び苦渋味の後味を抑制することができる。
本発明の容器詰飲料に炭酸ガスを含有させる場合、その含有量は、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1〜0.9質量%、更に好ましくは0.2〜0.8質量%、更に好ましくは0.3〜0.7質量%である。なお、炭酸ガスの測定方法としては、ガスボリューム計により計測し、ガス質量に換算することができる。ガスボリュームとは、飲料中に溶解している炭酸ガスの20℃における気体容量の飲料容量に対する比率をいい、本発明の容器詰飲料の場合、好ましくは0.5〜4、更に1〜3.8、更に2〜3.5であることが好ましい。
【0034】
更に、本発明の容器詰飲料は、カリウムイオンを含有することができる。これにより、長期保存時においても爽快感が希薄にならず、口中におけるスッキリ感が保持され、酸味の後味及び苦渋味の後味を抑制するのに寄与する。
カリウムイオンは、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩として配合することができる。なお、カリウムイオンは、原料由来のものも含まれる。
本発明の容器詰飲料中のカリウムイオンの含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上、更に好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.005質量%以上、殊更に好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.09質量%以下、更に好ましくは0.08質量%以下、殊更に好ましくは0.07質量%以下である。カリウムイオンの含有量の範囲としては0.001〜0.2質量%が好ましく、更に0.002〜0.1質量%、更に0.003〜0.09質量、更に0.005〜0.08質量%、殊更に0.01〜0.07質量%が好ましい。
【0035】
更に、本発明の容器詰飲料には、所望により、酸味料、香料(乳化香料を含む)、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、起泡剤、泡安定剤、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、アミノ酸を除く調味料、果汁、穀物エキス、麦芽エキス、野菜エキス、花蜜エキス、品質安定剤等の添加剤を単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。なお、添加剤の含有量は、本発明の目的を妨げない範囲内で適宜選択可能である。
【0036】
本発明の容器詰飲料のpH(20℃)は2〜5であるが、より一層の酸味の後味及び苦渋味の後味の抑制の観点から、3〜4が好ましい。
【0037】
本発明の容器詰飲料は、容器詰めされた状態において低粘度のものであることが好ましい。例えば、ゼリー等の保形性を有する高粘度食品ではなく、容器を傾けるだけで流動して飲用できる程度の粘度のものであることが好ましい。具体的な粘度としては、振動式粘度計にて20℃で測定した場合に0.01〜500mPa・s、更に0.01〜400mPa・s、殊更0.01〜200mPa・sであることが好ましい。
【0038】
本発明の容器詰飲料は、例えば、成分(A)と成分(B)を配合し、各成分の濃度及びpHを調整して製造することができる。
【0039】
また、本発明の容器詰飲料に使用できる容器としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器が挙げられる。
更に、容器に充填後、例えば、金属缶のような加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件で殺菌することができる。他方、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。
【0040】
以上、本発明の容器詰飲料について説明したが、イソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料の後味の改善方法においても、上記と同様の構成を採用することができる。
【0041】
すなわち、上記実施形態に関し、本発明は更に以下の容器詰飲料、あるいは後味の改善方法を開示する。
〔1−1〕
次の成分(A)及び(B):
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
を含有し、pHが2〜5である容器詰飲料。
〔1−2〕
成分(A)の含有量が、好ましくは0.04量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.06質量%以上であって、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.12質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である、前記〔1−1〕記載の容器詰飲料。
〔1−3〕
成分(A)の含有量が、好ましくは0.04〜0.15質量%、より好ましくは0.05〜0.12質量%、更に好ましくは0.06〜0.12質量%、更に好ましくは0.06〜0.1質量%である、前記〔1−1〕記載の容器詰飲料。
〔1−4〕
成分(A)は、イソクエルシトリン糖付加物/イソクエルシトリンの質量比が、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは4以上であって、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、更に好ましくは25以下、更に好ましくは10以下である、前記〔1−1〕〜〔1−3〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−5〕
成分(A)は、イソクエルシトリン糖付加物/イソクエルシトリンの質量比が、好ましくは1〜1000、より好ましくは1〜500、更に好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜25、更に好ましくは1〜10、更に好ましくは2〜10、更に好ましくは4〜10である、前記〔1−1〕〜〔1−3〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−6〕
成分(A)の含有量が、ケルセチン換算で、好ましくは0.01〜0.07質量%、より好ましくは0.016〜0.06質量%、更に好ましくは0.021〜0.05質量%、更に好ましくは0.025〜0.04質量%である、前記〔1−1〕〜〔1−5〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−7〕
成分(B)が、中性アミノ酸である、前記〔1−1〕〜〔1−6〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−8〕
中性アミノ酸がロイシン又はプロリンである、前記〔1−7〕記載の容器詰飲料。
〔1−9〕
成分(B)の含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であって、好ましくは1.9質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である、前記〔1−1〕〜〔1−8〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−10〕
成分(B)の含有量が、好ましくは0.001〜1.9質量%、より好ましくは0.005〜1.5質量%、更に好ましくは0.01〜1.2質量%、更に好ましくは0.02〜1質量%、更に0.02〜0.5質量%、更に0.02〜0.3質量%である、前記〔1−1〕〜〔1−8〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
【0042】
〔1−11〕
成分(A)と、成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であって、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下である、前記〔1−1〕〜〔1−10〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−12〕
成分(A)と、成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.01〜20、より好ましくは0.01〜10、更に好ましくは0.01〜5、更に好ましくは0.01〜3である、前記〔1−1〕〜〔1−10〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−13〕
成分(A)と、成分(B)との含有質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.02〜2、より好ましくは0.05〜1.5、更に好ましくは0.1〜1、更に好ましくは0.2〜1である、前記〔1−1〕〜〔1−10〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−14〕
更に高甘味度甘味料を含有する、前記〔1−1〕〜〔1−13〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−15〕
高甘味度甘味料がスクラロース、ステビア、甘草抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、グリチルリチン酸2ナトリウム、グリチルリチン酸アンモニウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムK、アリテーム及びネオテームから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔1−14〕記載の容器詰飲料。
〔1−16〕
高甘味度甘味料の含有量が、好ましくは0.0001〜0.5質量%、より好ましくは0.0001〜0.25質量%、更に好ましくは0.0001〜0.1質量%である、前記〔1−14〕又は〔1−15〕記載の容器詰飲料。
〔1−17〕
更に炭酸ガスを含有し、炭酸ガスの含有量が、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1〜0.9質量%、更に好ましくは0.2〜0.8質量%、更に好ましくは0.3〜0.7質量%である、前記〔1−1〕〜〔1−16〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−18〕
当該容器詰飲料がカリウムイオンを含み、カリウムイオンの含有量が、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上、更に好ましくは0.003質量%以上、更に好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であって、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.09質量%以下、更に好ましくは0.08質量%以下、更に好ましくは0.07質量%以下である、前記〔1−1〕〜〔1−17〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−19〕
当該容器詰飲料がカリウムイオンを含み、カリウムイオンの含有量が、好ましくは0.001〜0.2質量%、より好ましくは0.002〜0.1質量%、更に好ましくは0.003〜0.09質量、更に好ましくは0.005〜0.08質量%、更に好ましくは0.01〜0.07質量%である、前記〔1−1〕〜〔1−17〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
〔1−20〕
pH(20℃)が、好ましくは3〜4である、前記〔1−1〕〜〔1−19〕のいずれか一に記載の容器詰飲料。
【0043】
〔2−1〕
イソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料の後味の改善方法であって、次の成分(A)及び(B)を、
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
となるように配合し、pHを2〜5に調整する、後味の改善方法。
〔2−2〕
成分(A)を、好ましくは0.04量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.06質量%以上であって、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.12質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下となるように配合する、前記〔2−1〕記載の後味の改善方法。
〔2−3〕
成分(A)を、好ましくは0.04〜0.15質量%、より好ましくは0.05〜0.12質量%、更に好ましくは0.06〜0.12質量%、更に好ましくは0.06〜0.1質量%配合する、前記〔2−1〕記載の後味の改善方法。
〔2−4〕
成分(B)として、中性アミノ酸を使用する、前記〔2−1〕〜〔2−3〕のいずれか一に記載の後味の改善方法。
〔2−5〕
中性アミノ酸として、ロイシン又はプロリンを使用する、前記〔2−4〕記載の後味の改善方法。
〔2−6〕
成分(B)を、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上であって、好ましくは1.9質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下となるように配合する、前記〔2−1〕〜〔2−5〕のいずれか一に記載の後味の改善方法。
〔2−7〕
成分(B)を、好ましくは0.001〜1.9質量%、より好ましくは0.005〜1.5質量%、更に好ましくは0.01〜1.2質量%、更に好ましくは0.02〜1質量%、更に0.02〜0.5質量%、更に0.02〜0.3質量%配合する、前記〔2−1〕〜〔2−5〕のいずれか一に記載の後味の改善方法。
〔2−8〕
成分(A)と、成分(B)とを、質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上であって、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下、更に好ましくは1以下となるように配合する、前記〔2−1〕〜〔2−7〕のいずれか一に記載の後味の改善方法。
〔2−9〕
成分(A)と、成分(B)とを、質量比[(B)/(A)]が、好ましくは0.01〜20、より好ましくは0.01〜10、更に好ましくは0.01〜5、更に好ましくは0.01〜3となるように配合する、前記〔2−1〕〜〔2−7〕のいずれか一に記載の後味の改善方法。
〔2−10〕
pH(20℃)を、好ましくは3〜4に調整する、前記〔2−1〕〜〔2−9〕のいずれか一に記載の後味の改善方法。
【実施例】
【0044】
1.イソクエルシトリン糖付加物等の分析
イソクエルシトリン糖付加物等の分析は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)法に基づき、次の方法にしたがって行った。
分析機器は、LC-10AD(島津製作所社製)を使用した。
分析機器の装置構成は次の通りである。
検出器 :紫外可視吸光光度計 SPD-10AV(島津製作所社製)、
カラム :YMC-Pack ODS-A AA12S05-1506WT、φ6mm×150mm(ワイエムシィ社製)。
【0045】
分析条件は次の通りである。
カラム温度:40℃
移動相 :水、アセトニトリル、2−プロパノール及び酢酸の混液(200:38:2:1)
流量 :1.0mL/min
試料注入量:10μL
測定波長 :360nm
【0046】
以下の手順にて分析用試料を調製した。
検体1gを量りとり、メタノール1mLを加え、更にメタノール及び水の混液(1:1)を加えて10mLに定容し、試料溶液とした。調製した試料溶液を高速液体クロマトグラフ分析に供した。
【0047】
また、イソクエルシトリンの標準品を用いて濃度既知の溶液を調製し、高速液体クロマトグラフ分析に供することにより検量線を作成し、イソクエルシトリンを指標として、前記試料溶液中のイソクエルシトリン糖付加物等の定量を行った。即ち、前記検量線から、前記資料溶液のHPLC分析におけるイソクエルシトリン(前記式(1)におけるn=0)及びn≧1の各糖付加物についてそれぞれモル濃度を求め、更に各物質の分子量からその含有量(質量%)を計算し、試料中のイソクエルシトリン糖付加物等の定量を行った。また、試料中のイソクエルシトリン糖付加物等のケルセチン換算量は、上記イソクエルシトリン及び各糖付加物のそれぞれのモル濃度から、アグリコン部分の含有量を計算することにより算出した。
【0048】
2.アミノ酸の分析
アミノ酸の分析は、次の方法にしたがい、アミノ酸自動分析計に供することにより行った。
<アミノ酸自動分析計操作条件>
機種 :L-8800形高速アミノ酸分析計〔日立ハイテクノロジーズ社製〕
カラム :日立カスタムイオン交換樹脂、φ4.6mm×60mm〔日立ハイテクノロジーズ社製〕
移動相 :MCI BUFFER L-8500-PF(PF-1〜PF-4)〔三菱化学社製〕
反応液 :ニンヒドリン試液〔和光純薬工業社製〕
流量 :移動相 0.35 mL/min、反応液 0.30 mL/min
測定波長:570nm(プロリンを除く)
440nm(プロリン)
【0049】
以下の手順にて分析用試料を調製した。
1)検体6gを量りとり、これに10w/v%スルホサリチル酸溶液25mLを加えて、抽出(混和)した後、3mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えた。
2)その溶液をpH2.2に調整し、更にクエン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)を加えて50mLに定容した。
3)その溶液をろ過後、必要に応じてクエン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)で希釈し、試料溶液とした。
4)試料溶液をアミノ酸自動分析計に供した。
【0050】
3.カリウムイオンの分析
カリウムは、「分析実務者が書いた五訂日本食品標準成分表分析マニュアルの解説」(財団法人日本食品分析センター編集、中央法規出版株式会社発行所、2001年7月10日発行)のp90−91及びp99−103にしたがい測定した。
具体的には、検体2〜5gを抽出容器に量り取り、1%塩酸溶液200mLを加え、室温下で30分振とう抽出した。抽出液を遠心管に移し、遠心分離後の上澄み液を原子吸光用試験溶液とした。原子吸光光度計の測定波長を766.5nmに設定し、カリウムを測定した。そして、予め作成した検量線を用いて試料中のカリウム量を定量した。
【0051】
4.官能評価
各容器詰飲料の酸味の後味及び苦渋味の後味について、専門パネル3名による飲料試験を行い、その平均値をもって評価値とした。飲用試験では、比較例2の容器詰飲料を標準とする相対評価とし、下記の基準にしたがって行った。
【0052】
酸味の後味の評価基準
5:比較例2の容器詰飲料と比較して、酸味の後味が少ない
4:比較例2の容器詰飲料と比較して、酸味の後味がやや少ない
3:比較例2の容器詰飲料と比較して、酸味の後味が僅かに少ない
2:比較例2の容器詰飲料と比較して、酸味の後味がやや多い
1:比較例2の容器詰飲料と比較して、酸味の後味が多い
0:比較例2の容器詰飲料と比較して、酸味がなさ過ぎて、すっきりしない
【0053】
苦渋味の後味の評価基準
5:比較例2の容器詰飲料と比較して、苦渋味の後味が少ない
4:比較例2の容器詰飲料と比較して、苦渋味の後味がやや少ない
3:比較例2の容器詰飲料と比較して、苦渋味の後味が僅かに少ない
2:比較例2の容器詰飲料と比較して、苦渋味の後味がやや多い
1:比較例2の容器詰飲料と比較して、苦渋味の後味が多い
【0054】
実施例1〜18、比較例1〜3
表1に示す組成で調合し、次いで85℃で2分殺菌を行い、200mLのPETボトルに160mL充填して容器詰飲料を調製した。各容器詰飲料の成分分析及び評価結果を表1に併せて示す。
【0055】
【表1】

【0056】
表1から、(A)イソクエルシトリン糖付加物等とともに(B)アミノ酸を含有せしめ、かつ各成分の濃度及びpHを特定範囲内に制御することで、酸味の後味及び苦渋味の後味が抑制され、すっきりしていて飲みやすい容器詰飲料が得られることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
を含有し、pHが2〜5である容器詰飲料。
【請求項2】
成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.01〜20である、請求項1記載の容器詰飲料。
【請求項3】
アミノ酸が中性アミノ酸である、請求項1又は2記載の容器詰飲料。
【請求項4】
中性アミノ酸がロイシン又はプロリンである、請求項3記載の容器詰飲料。
【請求項5】
更に、高甘味度甘味料を0.0001〜0.5質量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
【請求項6】
更に、炭酸ガスを1質量%以下含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
【請求項7】
カリウムイオンを0.001〜0.2質量%含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器詰飲料。
【請求項8】
イソクエルシトリン及びその糖付加物を含有する容器詰飲料の後味の改善方法であって、次の成分(A)及び(B)を、
(A)イソクエルシトリン及びその糖付加物 0.03〜0.17質量%、
(B)アミノ酸 0.0001〜2質量%
となるように配合し、pHを2〜5に調整する、後味の改善方法。
【請求項9】
成分(A)と成分(B)を、成分(A)に対する成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.01〜20となるように配合する、請求項8記載の後味の改善方法。
【請求項10】
アミノ酸として、中性アミノ酸を使用する、請求項8又は9記載の後味の改善方法。
【請求項11】
中性アミノ酸として、ロイシン又はプロリンを使用する、請求項10記載の後味の改善方法。

【公開番号】特開2013−81455(P2013−81455A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212901(P2012−212901)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】