説明

容器

【課題】 容器本体へのキャップの取り付けが簡単でありながらキャップを容器本体に安定して保持できる、容器を提供する。
【解決手段】 容器10は、容器本体12とキャップ14とを備える。容器本体12は、横断面が略長方形状の胴部16、円筒状の取付部18、および横断面が略長方形状の段部20を有する。キャップ14は、横断面が略長方形状の筒状部32、筒状部32の縁部に連結部36a,36bによって連結される帯部38、および筒状部32内に取付部18と対向するように設けられる複数の壁部42を有する。キャップ14を取付部18に被せるように配置し胴部16側に押すことによって、壁部42が弾性変形して壁部42の第2ねじ山44が取付部18の第1ねじ山22を乗り越え、壁部42の第2ねじ山44が取付部18の第1ねじ山22に螺合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は容器に関し、より特定的には、容器本体とキャップとを備える容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬剤等の収容物を収容するための容器として、容器本体とキャップとを備える容器が知られている。このような容器の一例として、たとえば特許文献1には角型の容器本体に角型のキャップを取り付ける容器が開示されている。
【0003】
特許文献1の容器では、キャップを容器本体の取付部に被せて容器本体の胴部側に押すことによって、キャップ内に設けられる壁部が弾性変形し、壁部の凸部が取付部の凸部を乗り越える。つまり、打ち栓によって簡単に容器本体にキャップが取り付けられる。容器本体からキャップを取り外す際には、容器本体から軸方向に引き離す力をキャップに与えることで、簡単に取付部の凸部と壁部の凸部との係合が外れる。
【特許文献1】特開2001−158452
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の容器では、容器本体から軸方向に引き離す力がキャップに与えられることによって、その必要がない場合であっても簡単に容器本体からキャップが外れてしまい、容器本体に収容される収容物が漏れてしまうおそれがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、容器本体へのキャップの取り付けが簡単でありながらキャップを容器本体に安定して保持できる、容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の容器は、胴部と、外側面に螺旋状の第1ねじ山が形成され胴部から軸方向に延びる円筒状の取付部とを有する容器本体、および筒状部と、筒状部の一方端に設けられる天板と、取付部に対向するように筒状部内に設けられ取付部に対向する面に第2ねじ山が形成される複数の壁部とを有するキャップを備え、取付部に被せたキャップを胴部側に押すことによって第2ねじ山が第1ねじ山を乗り越えて第1ねじ山に螺合し、第2ねじ山が第1ねじ山に螺合した状態でキャップを回転させることによって第1ねじ山と第2ねじ山との螺合が外れる。
【0006】
請求項2に記載の容器は、請求項1に記載の容器において、容器本体は、第1ねじ山よりも胴部側で取付部の外側面に設けられる嵌合部をさらに有し、キャップは、嵌合部に嵌合するように筒状部の内側面を軸方向に延びる突起部をさらに有し、胴部と筒状部とはそれぞれ横断面が非円形に形成され、容器本体へのキャップの取り付けに際して嵌合部に突起部を嵌合させることによって胴部に対して筒状部がずれないように容器本体にキャップが固定されることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の容器は、請求項1または2に記載の容器において、容器本体は、胴部と取付部との間に設けられる段部をさらに有し、キャップは、筒状部に切断可能に設けられる連結部と、連結部によって筒状部に連結される帯部とをさらに有し、帯部は、第2ねじ山が第1ねじ山に螺合した状態で段部の外側面を覆うように段部の外側面に配置されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の容器は、請求項3に記載の容器において、段部の外側面に配置された帯部の動きを規制する規制手段をさらに備え、規制手段は、段部の外側面を軸方向に延びる凹部と、凹部に嵌合するように帯部の内側面を軸方向に延びる凸部とを含むことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の容器は、請求項3に記載の容器において、段部の外側面に配置された帯部の動きを規制する規制手段をさらに備え、段部と帯部とは帯部に段部が嵌合するようにそれぞれ横断面が略同形状かつ非円形に形成され、規制手段は段部と帯部とによって構成されることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の容器では、キャップを容器本体の胴部側に押すことによって、キャップの複数の壁部が弾性変形し、壁部の第2ねじ山が取付部の第1ねじ山を乗り越えて第1ねじ山に螺合する。つまり、打ち栓によって、簡単に第2ねじ山を第1ねじ山に螺合させ、容器本体にキャップが取り付けられる。このようにして容器本体に取り付けられたキャップは、第2ねじ山が第1ねじ山に螺合しているので回転させなければ容器本体から取り外すことができない。したがって、容器本体へのキャップの取り付けが簡単でありながらキャップを容器本体に安定して保持できる。
【0011】
請求項2に記載の容器では、容器本体へのキャップの取り付けに際して容器本体の嵌合部にキャップの突起部を嵌合させることによって、横断面が非円形の胴部に対して横断面が非円形の筒状部の位置がずれることがないように容器本体にキャップが固定される。つまり、容器本体に対してキャップが位置合わせされる。したがって、キャップが位置合わせされているか否かを視認することによって、キャップの取り付け状態を簡単に判断できる。
【0012】
連結部によってキャップの筒状部に帯部が連結されるTE(Tamper-Evident)容器では、容器本体からキャップを取り外す際にキャップを回転させることで連結部が切断され、当該TE容器が開封済みであるか否かを判断できる。従来、このようなTE容器では、キャップが回転によって容器本体に取り付けられるので、取り付けに際して帯部を回転させる力が大きくなると連結部が切れてしまう。一方、これを防ぐために連結部を強固に設けるとキャップの取り外しが難しくなる。請求項3に記載の容器では、帯部が連結されたキャップを打ち栓によって容器本体に取り付けることができるので、取り付けに際して帯部を回転させる力がキャップにかかり難く、連結部の切断を防止できる。また、取り付けに際して連結部の切断を防止できるので、連結部を細くすることや連結部の数を減らすことができ、容器本体からのキャップの取り外しを容易にできる。
【0013】
請求項4に記載の容器では、規制手段がそれぞれ軸方向に延びる段部の凹部と帯部の凸部とを含み、凹部に凸部を嵌合させるように容器本体にキャップを取り付けることによって帯部の周方向(回転方向)の動きが規制される。このように帯部の周方向の動きが規制されるので、キャップの取り外しの際にキャップの回転によって連結部を容易に切断できる。
【0014】
請求項5に記載の容器では、横断面が非円形の帯部に横断面が非円形の段部が嵌合することによって段部と帯部とが規制手段として機能し、帯部の周方向の動きが規制される。したがって、キャップの取り外しの際にキャップの回転によって連結部を容易に切断できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、容器本体へのキャップの取り付けが簡単でありながらキャップを容器本体に安定して保持できる容器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態の容器10は、連結部36a,36b(後述)が切断されているか否かを確認することによって、開封済みであるか否かを判断できるいわゆるTE(Tamper-Evident)容器である。容器10は、容器本体12とキャップ14とを備える。
【0017】
まず、図4〜図6を参照して、容器本体12について説明する。容器本体12は、たとえば、収容物として点眼液等の液状の薬剤を収容する。
容器本体12は、横断面が非円形の胴部16、胴部16から軸方向(矢印A方向)に延びる円筒状の取付部18、および横断面が非円形の段部20を有する。
【0018】
胴部16は、対向する2つの幅広壁16aと対向する2つの幅狭壁16bとを含み、横断面が略長方形状に形成される。取付部18の外側面には、螺旋状に延びる第1ねじ山22が設けられる。段部20は、胴部16と取付部18との間に設けられ、対向する2つの幅広壁20aと対向する2つの幅狭壁20bとを含み、横断面が略長方形状に形成される。幅広壁20aは幅広壁16aの上方(矢印A方向の一方向)に位置し、幅狭壁20bは幅狭壁16bの上方に位置する。
【0019】
図4および図5に示すように、幅広壁20aの外側面の略中央には、矢印A方向に延びる凹部24が設けられる。また、幅狭壁20bの外側面には、周方向(矢印B1方向および矢印B2方向)に延びる凸部26が設けられる。
【0020】
また、図4に示すように、取付部18の外側面には、第1ねじ山22の下方(矢印A方向の一方向)に嵌合部28が設けられる。図6に示すように、嵌合部28は、上方からみて略半円状の滑り部28aと、上方からみて略長方形状の係止部28bとを含む。正面(背面)からみて、滑り部28aは幅広壁20aの凹部24の上方に配置され、係止部28bは滑り部28aの左側に配置される。したがって、嵌合部28は、正面からみて幅広壁20aの上方で左側に寄るように取付部18の外側面に設けられる。
【0021】
このような容器本体12は、たとえば、2つの幅広壁16aを挟むように胴部16が押されることによって取付部18に嵌入される吐出部30の吐出口30aから薬剤を吐出する。容器本体12の材質としては、たとえば、ポリプロピレン、環状オレフィン、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の合成樹脂が用いられる。
【0022】
ついで、図7〜図10を参照して、キャップ14について説明する。
ここでは、容器本体12に固定されたキャップ14を上方からみて反時計回り方向{矢印B1方向:図1(b)参照}にさせることによって容器本体12からキャップ14が取り外されるものとする。
【0023】
キャップ14は、横断面が非円形の筒状部32、筒状部32の一方端を塞ぐように筒状部32に一体的に設けられる天板34、筒状部32の縁部に切断可能に設けられる連結部36a,36b、および連結部36a,36bによって筒状部32に連結される帯部38を有する。
【0024】
図7および図8に示すように、筒状部32は、対向する2つの幅広壁32aと対向する2つの幅狭壁32bとを含み、横断面が容器本体12の胴部16と略同形状の略長方形状に形成される。容器本体12にキャップ14が固定された状態で、幅広壁32aは幅広壁16aの上方に位置し、幅狭壁32bは幅狭壁16bの上方に位置する(図2参照)。
【0025】
幅広壁32aには、筒状部32の内側面を矢印A方向に延びる突起部40が設けられる。図6をも参照して、容器本体12にキャップ14を固定した状態で、突起部40は容器本体12の嵌合部28に嵌合するように筒状部32内に配置される。突起部40は、横断面が略台形状に形成され、嵌合部28に嵌合した際に滑り部28aの側面に接する滑り面40aと係止部28bの側面に接する係止面40bとを有する。
【0026】
図9に示すように、天板34には、筒状部32内を矢印A方向に延びる複数(ここでは2つ)の壁部42が設けられる。2つの壁部42は、対向する幅狭壁32bの間で取付部18の直径よりも大きな間隔を有して互いに対向するように配置される。天板34から筒状部32内を矢印A方向に延びる肉厚部42aと、肉厚部42aから矢印A方向に延びる肉薄部42bとによって構成される。
【0027】
図3をも参照して、肉薄部42bは、キャップ14を容器本体12の取付部18に被せた際に取付部18の外側面に対向する。肉薄部42bの取付部18に対向する面には第2ねじ山44が設けられる。各肉薄部42bに設けられる第2ねじ山44は、全体として断続的な螺旋状に形成され、取付部18の第1ねじ山22に螺合する。
【0028】
また、天板34の中央には吐出部30が嵌入する円筒部46が設けられ、円筒部46の中央には吐出部30の吐出口30aに嵌入する栓体46aが設けられる。さらに、天板34には、壁部42と円筒部46とを繋ぐ板状の補強部48、および幅広壁32aと円筒部46とを繋ぐ板状の補強部50とが設けられる。
【0029】
連結部36aは各幅広壁32aの縁部に2つずつ設けられ、連結部36bは各幅狭壁32bの縁部に1つずつ設けられる。したがって、この実施形態では、筒状部32の縁部に連結部36aが4つ設けられ連結部36bが2つ設けられる。連結部36a,36bは、切断後に筒状部32に残ることがないように帯部38との接触面積よりも筒状部32との接触面積が小さくなるように側面視略台形状に形成される。連結部36aは、矢印B1方向への回転によって切断されやすいように矢印B2方向側の斜辺の傾斜が強くなっている。
【0030】
図5をも参照して、帯部38は、対向する2つの幅広壁38aと対向する2つの幅狭壁38bとを含み、横断面が容器本体12の段部20と略同形状の略長方形状に形成される。帯部38が筒状部32に連結されている状態において、幅広壁38aは幅広壁32aの下方に位置し、幅狭壁38bは幅狭壁32bの下方に位置する。容器本体12にキャップ14が固定された状態において、容器本体12の段部20は帯部38に嵌合し、幅広壁38aは幅広壁20aを覆い、幅狭壁38bは幅狭壁20bを覆う(図2参照)。
【0031】
幅広壁38aは端部から中央にかけて厚みが薄くなるように形成され、幅広壁38aの略中央には幅広壁20aの凹部24に嵌合する凸部52が設けられる。また、幅狭壁38bには、矢印B1方向および矢印B2方向に配列される複数(ここでは3つ)の凸部54が設けられる。凸部54は、容器本体12にキャップ14が固定された状態で幅狭壁20bの凸部26の下方に位置する(図3参照)。
【0032】
この実施形態では、規制手段が、凹部24、凸部26、段部20、凸部52および凸部54によって構成される。具体的には、段部20の凹部24に帯部38の凸部52が嵌合することによって帯部38の矢印B1方向および矢印B2方向の動きが規制され、段部20の凸部26に帯部38の凸部54が引っ掛かることによって帯部38の矢印A方向の動きが規制される。また、帯部38に段部20が嵌合することによって帯部38の矢印B1方向および矢印B2方向の動きが規制される。
【0033】
このようなキャップ14の材質としては、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の弾性変形可能な合成樹脂が用いられる。
【0034】
ついで、キャップ14の容器本体12への取り付け方法について説明する。
まず、図11に示すように、筒状部32内の2つの壁部42の間に取付部18が位置しかつ帯部38の凸部52が段部20の凹部24に嵌合するように、キャップ14を容器本体12の取付部18に被せる。
【0035】
そして、キャップ14を矢印A方向の胴部16側(下方)に押すことによって、図12に示すように、壁部42の第2ねじ山44が取付部18の第1ねじ山22を乗り越えようとし、壁部42が筒状部32側(外側)に反るように弾性変形する。
【0036】
その後、壁部42の第2ねじ山44が取付部18の第1ねじ山22を乗り越えることによって、図3に示すように、壁部42が元の状態に戻り、第2ねじ山44が第1ねじ山22に螺合する。このとき、図6に示すように、キャップ14の突起部40が容器本体12の嵌合部28に上方から嵌合する。また、このとき、帯部38の凸部52が段部20の凹部24に嵌合し、帯部38の凸部54が段部20の凸部26を乗り越える。
【0037】
容器本体12にキャップ14が固定された状態において、胴部16の幅広壁16aと筒状部32の幅広壁32aと帯部38の幅広壁38aとが略面一になり、胴部16の幅狭壁16bと筒状部32の幅狭壁32bと帯部38の幅狭壁38bとが略面一になる。つまり、容器本体12に対してキャップ14が位置合わせされ、胴部16に対して筒状部32および帯部38の位置がずれることのないように容器本体12にキャップ14が固定される。
【0038】
上述のように打ち栓によって容器本体12に固定されたキャップ14は、矢印B1方向{図1(b)参照}に回転されることによって容器本体12から取り外される。詳しくは、キャップ14を矢印B1方向に回転させることによって、滑り面40aが滑り部28aの側面を滑り突起部40が嵌合部28から外れ(図6参照)、筒状部32が回転しつつ上方に移動する。このとき、帯部38は、矢印A方向および矢印B1方向の動きが規制されているので回転することはない。このように、筒状部32を回転させ帯部38の動きを規制することによって、筒状部32と帯部38とを連結する連結部36a,36bが切断される。そして、帯部38が切り離されたキャップ14(筒状部32)が容器本体12から取り外され、図13に示すように、帯部38が容器本体12に残る。
【0039】
このように容器本体12から取り外され帯部38が切り離されたキャップ14は、打ち栓によって容器本体12に取り付けてもよいし、矢印B2方向への回転によって容器本体12に取り付けてもよい。
【0040】
帯部38が切り離されたキャップ14を打ち栓によって容器本体12に取り付ける場合、突起部40が嵌合部28に嵌合するように帯部38が切り離されたキャップ14を容器本体12に配置し、胴部16側に押せばよい。
【0041】
一方、帯部38が切り離されたキャップ14を回転によって容器本体12に取り付ける場合、矢印B2方向への回転に伴って第2ねじ山44が第1ねじ山22に螺合し、外側に広がるように筒状部32が弾性変形して突起部40が滑り部28aを乗り越え嵌合部28に嵌合する。嵌合部28に突起部40が嵌合すれば、突起部40が係止面40aで嵌合部28の係止部28bに接するので(図6参照)、帯部38が切り離されたキャップ14がそれ以上矢印B2方向に回転することはできない。
【0042】
このように、嵌合部28に突起部40を嵌合させることによって、打ち栓あるいは回転のいずれの場合であっても、帯部38が切り離されたキャップ14が位置合わせされて容器本体12に固定される。
【0043】
このような容器10では、打ち栓によって簡単に容器本体12にキャップ14を固定でき、固定されたキャップ14は第2ねじ山44が第1ねじ山22に螺合しているので矢印B1方向に回転させなければ容器本体12から取り外すことができない。したがって、容器本体12へのキャップ14の取り付けが簡単でありながら、キャップ14を容器本体12に安定して保持できる。また、打ち栓によって容器本体12にキャップ14を固定できるので、取り付けに際して帯部38を回転させる力がキャップ14にかかり難く、連結部36a,36bの切断を防止できる。連結部36a,36bの切断を防止できるので連結部36a,36bを強固に設ける必要がなく、容器本体12からのキャップ14の取り外しを容易にできる。
【0044】
また、嵌合部28に突起部40を嵌合させることによって、帯部38が切り離されたキャップ14が位置合わせされて容器本体12に固定される。したがって、位置合わせされているか否かを視認することによって帯部38が切り離されたキャップ14の容器本体12への取り付け状態を簡単に判断できる。
【0045】
さらに、キャップ14の取り外しに際して、凸部52の凹部24への嵌合、凸部54の凸部26への係合、および段部20の帯部38への嵌合によって、帯部38の動きが強固に規制され、連結部36a,36bを容易に切断できる。
【0046】
なお、上述の実施形態では、キャップ14を矢印B1方向に回転させることによって、容器本体12からキャップ14が取り外される場合について説明したが、矢印B2方向に回転させることによって容器本体からキャップが取り外されるようにしてもよい。この場合、帯部が切り離されたキャップが矢印B1方向への回転によって容器本体に取り付けられることはいうまでもない。
【0047】
また、上述の実施形態では、横断面が略長方形状の容器本体12に横断面が略長方形状のキャップ14を取り付ける場合について説明したが、これに限定されない。容器本体およびキャップの横断面の形状として、円形、楕円形、三角形等の任意の形状を選択できる。
【0048】
さらに、上述の実施形態では、TE容器である容器10について説明したが、帯部がないキャップと容器本体とを備える容器であってもこの発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の容器の一例を示し、(a)は正面図解図であり、(b)は平面図解図である。
【図2】この発明の容器の斜視図解図である。
【図3】容器のX1−X1{図1(b)}断面図解図である。
【図4】容器に用いられる容器本体の斜視図解図である。
【図5】容器のX2−X2{図1(a)}断面図解図である。
【図6】容器のX3−X3{図1(a)}断面図解図である。
【図7】容器に用いられるキャップの斜視図解図である。
【図8】キャップの底面図解図である。
【図9】キャップのX1−X1{図1(b)}断面図解図である。
【図10】キャップのX4−X4{図1(b)}断面図解図である。
【図11】容器本体にキャップを取り付ける際のキャップの配置態様を示す断面図解図である。
【図12】容器本体にキャップを取り付ける際に弾性変形した段部を示す断面図解図である。
【図13】帯部が残された容器本体を示す斜視図解図である。
【符号の説明】
【0050】
10 容器
12 容器本体
14 キャップ
16 胴部
18 取付部
20 段部
22 第1ねじ山
24 凹部
26,52,54 凸部
28 嵌合部
32 筒状部
34 天板
36a,36b 連結部
38 帯部
40 突起部
44 第2ねじ山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部と、外側面に螺旋状の第1ねじ山が形成され前記胴部から軸方向に延びる円筒状の取付部とを有する容器本体、および
筒状部と、前記筒状部の一方端に設けられる天板と、前記取付部に対向するように前記筒状部内に設けられ前記取付部に対向する面に第2ねじ山が形成される複数の壁部とを有するキャップを備え、
前記取付部に被せた前記キャップを前記胴部側に押すことによって前記第2ねじ山が前記第1ねじ山を乗り越えて前記第1ねじ山に螺合し、前記第2ねじ山が前記第1ねじ山に螺合した状態で前記キャップを回転させることによって前記第1ねじ山と前記第2ねじ山との螺合が外れる、容器。
【請求項2】
前記容器本体は、前記第1ねじ山よりも前記胴部側で前記取付部の外側面に設けられる嵌合部をさらに有し、
前記キャップは、前記嵌合部に嵌合するように前記筒状部の内側面を軸方向に延びる突起部をさらに有し、
前記胴部と前記筒状部とはそれぞれ横断面が非円形に形成され、前記容器本体への前記キャップの取り付けに際して前記嵌合部に前記突起部を嵌合させることによって前記胴部に対して前記筒状部がずれないように前記容器本体に前記キャップが固定される、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記容器本体は、前記胴部と前記取付部との間に設けられる段部をさらに有し、
前記キャップは、前記筒状部に切断可能に設けられる連結部と、前記連結部によって前記筒状部に連結される帯部とをさらに有し、
前記帯部は、前記第2ねじ山が前記第1ねじ山に螺合した状態で前記段部の外側面を覆うように前記段部の外側面に配置される、請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記段部の外側面に配置された前記帯部の動きを規制する規制手段をさらに備え、
前記規制手段は、前記段部の外側面を軸方向に延びる凹部と、前記凹部に嵌合するように前記帯部の内側面を軸方向に延びる凸部とを含む、請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記段部の外側面に配置された前記帯部の動きを規制する規制手段をさらに備え、
前記段部と前記帯部とは前記帯部に前記段部が嵌合するようにそれぞれ横断面が略同形状かつ非円形に形成され、前記規制手段は前記段部と前記帯部とによって構成される、請求項3に記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−335454(P2006−335454A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−165242(P2005−165242)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】