説明

容器

【課題】収容ケースに取出し可能に収納された円筒体の詰まりを防止すると共に、既存のスペースに容易に配置可能な容器を提供する。
【解決手段】前面部22及び背面部23を有する直方体状の収容ケース2と、収容ケース2の上方側に設けられ、飲料缶10を投入可能な投入部5と、収容ケース2の下方側に設けられ、飲料缶10を取り出し可能な取出し部6と、収容ケース2の内部に設けられ、投入部5から投入された飲料缶10が自重により前面部22側から背面部23側へと転動可能な第1傾斜を有する第1傾斜路3と、第1傾斜路3の下方に設けられ、飲料缶10が自重により背面部23側から前面部22側へと転動可能な第2傾斜を有する第2傾斜路4と、第1傾斜路3の背面部23側に形成され、第1傾斜路3と第2傾斜路4とを連通させる開口を有すると共に、開口から飲料缶10を垂直方向に落下させる落下部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジュースやビール等を収容した円筒体を取出し可能に収容する容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ジュースやビール等の飲料物は、ブランド数が増えると共に、その種類も増加している。これにより、このような飲料物の販売を促進するためには、消費者がそれぞれを選び易くすると共に、取り易いように配置する必要がある。
【0003】
ここで、ジュースやビール等の飲料物は、一般にアルミやスチールで円筒状に形成された飲料缶に収容されている。このような飲料缶は、陳列棚に陳列させた状態においては、その形状により横方向に流れやすく、例えば、購入者が触れることにより、いろんな種類の飲料が混載してしまう場合があった。そして、このような場合、再度飲料缶をその種類ごとに整理する必要があり、管理が大変であるという問題があった。
【0004】
これに対し、上端に形成された缶投入口から下端前面に形成された缶取出口に向かって、前面側と後面側とにつづら折り状に連続しながら緩やかに傾斜した缶収納通路を左右方向に配置することにより、飲料缶を整然と区分けした状態で展示可能な飲料缶の展示ケースが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−267322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された飲料缶の展示ケースは、飲料缶を種類別に区分けした状態で展示可能となるが、展示ケースの内部に設けられた缶収納通路が展示ケースの前面側と後面側とにつづら折り状に連続しながら形成されているため、前面側及び後面側それぞれの屈曲部において、飲料缶が詰まりやすいという問題があった。
【0006】
また、例えば、特許文献1に開示された飲料缶の展示ケースは、その大きさにより、積み重ねて配置することができないと共に、既存の陳列棚等にも配置させることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、収容ケースに取出し可能に収納された飲料缶等の円筒体の詰まりを防止すると共に、既存のスペースに容易に配置可能な容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、収容ケース内にスロープ状に形成された複数の傾斜路と、それぞれを連通させる落下部とを設け、円筒体を落下部により垂直落下させる構成とすることにより、円筒体が詰まることなく収容ケース内を転動可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、以下のような容器を提供する。
なお、本発明の理解を容易にするために、本発明に係る実施形態に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
請求項1の発明は、前面部22及び背面部23を有する直方体状の収容ケース2と、前記収容ケース2の上方側に設けられ、円筒体10を投入可能な投入部5と、前記収容ケース2の下方側に設けられ、前記円筒体10を取り出し可能な取出し部6と、前記収容ケース2の内部に設けられ、前記投入部5から投入された前記円筒体10が自重により前記前面部22側から前記背面部23側へと転動可能な第1傾斜を有する第1傾斜路3と、前記第1傾斜路3の下方に設けられ、前記円筒体10が自重により前記背面部23側から前記前面部22側へと転動可能な第2傾斜を有する第2傾斜路4と、前記第1傾斜路3の前記背面部23側に形成され、前記第1傾斜路3と前記第2傾斜路4とを連通させる開口を有すると共に、前記開口から前記円筒体10を垂直方向に落下させる落下部7と、を備える容器1である。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の容器において、前記落下部7における前記円筒体10の落下方向と交差する両側に立設される下側壁部は、前記第1傾斜路3における前記円筒体10の転動方向と交差する両側に立設される上側壁部よりも、各側壁部同士の水平間距離が長いこと、を特徴とする容器1である。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の容器において、前記第2傾斜路4における前記転動方向と交差する方向の路幅は、前記第1傾斜路3における前記路幅よりも広く形成されること、を特徴とする容器1である。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1から3までのいずれか1項に記載の容器において、前記第2傾斜θ2は、前記第1傾斜θ1よりも水平方向に対する傾斜角度が小さいこと、を特徴とする容器1である。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1から4までのいずれか1項に記載の容器において、前記投入部5及び前記取出し部6は、前記収容ケース2の前記前面部22側に形成されること、を特徴とする容器1である。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1から5までのいずれか1項に記載の容器において、前記投入部5は、前記円筒体10の軸断面形状と略同形状に形成されること、を特徴とする容器1である。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1から6までのいずれか1項に記載の容器において、前記取出し部6は、前記前面部22から突出するストッパ部60を有すること、を特徴とする容器1である。
【0016】
請求項8の発明は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の容器において、前記収容ケース2は、所定の紙で形成されたケース部材20により構成され、前記第1傾斜路3は、所定の紙で形成された第1路部材30により構成され、前記第2傾斜路4は、所定の紙で形成された第2路部材40により構成されており、前記収容ケース2、前記第1傾斜路3及び前記第2傾斜路4は、前記ケース部材20、前記第1路部材30及び前記第2路部材40それぞれを折り曲げ加工することにより形成されること、を特徴とする容器1である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明による容器は、投入部から投入された円筒体が収容ケースの内部における前面部側から背面部側へと転動可能な第1傾斜路と、第1傾斜路の下方に設けられ、円筒体が背面部側から前面部側へと転動可能な第2傾斜路と、第1傾斜路の背面部側に形成される開口から円筒体を垂直方向に落下させる落下部と、を備えている。このように、容器内部を転動する円筒体の転動路における折り返し移動地点において円筒体を垂直方向に自然落下させて移動させることにより、円筒体を詰まらせることなく容器内を移動させることが可能となる。
【0018】
また、収容ケースは、直方体状に形成されるため、例えば、既存の陳列棚に配置可能になり、既存のスペースを有効に利用することが可能になる。また、複数の容器を並列に配置させたり、積み重ねて配置させることも可能になり、円筒体を種類ごとに整然と展示させることが可能になる。
【0019】
(2)開口を有する落下部における落下方向と直交する方向に設けられる下側壁部は、第1傾斜路における飲料缶の転動方向と交差する両側に設けられる上側壁部よりも壁部同士の水平間距離が長くなるように形成されるため、第1傾斜路から落下部に至る間口が広くなり、円筒体を落下部において詰まらせることなく落下させることが可能になる。
【0020】
(3)第2傾斜路は、第1傾斜路よりも転動方向と交差する方向の路幅が広く形成されているため、円筒体は側壁部に接触し難く、転動時における円筒体が第2傾斜路の途中で詰まって止まること等を防止することができる。また、例えば、第2傾斜路の水平方向に対する傾斜角が小さい場合においても、路幅を広くとることにより、途中で円筒体が詰まることを防止することができる。
【0021】
(4)第2傾斜は、第1傾斜よりも水平方向に対する傾斜角度が小さくなるように形成される。つまり、第1傾斜路の下側に設けられ、取出し部と連結される第2傾斜路において、第1傾斜路の傾斜角よりも水平方向に対する傾斜角を小さくすることにより、取出し部における円筒体に対する転動方向に生じる力を小さくすることが可能になる。これにより、取出し部において、円筒体を押し出す力が小さくなり円筒体を容易に取り出すことが可能になる。また、例えば、円筒体の蛇行等を防止させるため第1傾斜路の水平方向に対する傾斜角を大きくした場合においても、第2傾斜路の傾斜角を小さくすることにより、上記と同様の効果を奏させることが可能になる。
【0022】
(5)投入部及び取出し部は、収容ケースの前面部側に形成される。つまり、取出し部と同じ側に投入部が形成される。これにより、例えば、壁に面した陳列棚等に容器を配置した場合においても投入部が取出し部と同じ側に設けてられることより、容器を移動させることなく円筒体の取出しや補充が可能になる。
【0023】
(6)投入部は、投入される円筒体の軸断面形状と略同形状に形成されている。これにより、円筒体の収容ケース内への投入方向が規制される。つまり、円筒体が転動しない方向、例えば、第1傾斜路における移動方向に対し、円筒体の回転軸が平行になる方向に投入されることを防止することができる。
【0024】
(7)取出し部は、収容ケースの前面部から突出するストッパ部を備えている。これにより、例えば、第2傾斜を有する第2傾斜路から転動してきた円筒体をストッパ部で受け止めることが可能になる。また、収容ケースの前面部から突出させることにより、消費者が容易に円筒体を取り出すことが可能になる。
【0025】
(8)収容ケース、第1傾斜路及び第2傾斜路は、所定の紙で形成されたケース部材、第1路部材及び第2路部材から構成されている。つまり、収容ケース、第1傾斜路及び第2傾斜路は、所定の紙で形成されたケース部材、第1路部材及び第2路部材を折り曲げ加工することにより形成される。このように、収容ケース、第1傾斜路及び第2傾斜路を紙で形成することにより、簡単に容器を組み立てることが可能になると共に、廃棄等の処分も容易になる。
【0026】
また、紙で形成することにより、収納する円筒体に収納された飲料の印刷等の加工が容易になる。これにより、例えば、収容ケースに円筒体の種類等の印刷が可能になり、収容ケース内に収容される円筒体の種類等を消費者及び補充者が容易に認識可能になり、取り間違いや補充間違い等を抑制することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
【0028】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る容器1の斜視図である。図2は、飲料缶10を収納した状態における容器1の斜視断面図である。図3は、第1ケース部材20aと第2ケース部材20bを折り曲げ加工した後、収容ケース2を組み立てる途中の様子を示す図である。図4は、収容ケース2を構成する第1ケース部材20aの展開図である。図5は、収容ケース2を構成する第2ケース部材20bの展開図である。図6は、第1路部材30を折り曲げ加工して第1傾斜路3を形成した状態を示す図である。図7は、前記実施形態における第1傾斜路3を構成する第1路部材30を示す図である。図8は、第2路部材40を折り曲げ加工して第2傾斜路4を形成した状態を示す図である。図9は、前記実施形態における第2傾斜路4を構成する第2路部材40を示す図である。
【0029】
また、以下の実施形態においては、容器1の理解を容易にするためにXYZ座標軸を付して説明する。このXYZ座標軸は、X軸方向が容器1の奥行き方向を示し、Y軸方向が容器1の幅方向を示し、Z軸方向が容器1の高さ方向を示している。また、収容ケース2、第1傾斜路3及び第2傾斜路4は、それぞれ別体に形成されており、本実施形態においては、紙製の段ボールで形成された後述のケース部材20、第1路部材30及び第2路部材40を折り曲げ加工することにより構成されている。
【0030】
図1及び図2に示すように、本実施形態における容器1は、略直方体状に形成された収容ケース2と、収容ケース2の内部に配置され、円筒体である飲料缶10が矢印A1方向に転動する第1傾斜路3と、第1傾斜路3の直下に配置され、飲料缶10が矢印A3方向に転動する第2傾斜路4と、を備える。つまり、本実施形態における容器1は、飲料缶10が転動する第1及び第2傾斜路3、4を有する2段式に形成されている。また、第1及び第2傾斜路3、4の間には、飲料缶10を垂直方向に落下させることにより第1及び第2傾斜路3、4を連通させる落下部7が設けられている。
【0031】
また、容器1は、飲料缶10を収容可能に形成されている。具体的には、収容ケース2の高さ方向(Z軸方向)における上方側に設けられる投入部5と収容ケース2の高さ方向(Z軸方向)における下方側に設けられる取出し部6とを連通させる第1傾斜路3、落下部7及び第2傾斜路4それぞれに飲料缶10を配置させることにより収納可能となる。
【0032】
本実施形態においては、容器1の奥行き方向(X軸方向)の長さD1を469.4mmとし、幅方向(Y軸方向)の長さW1を138mmとし、高さ方向(Z軸方向)の長さH1を270mmとして、いわゆる350mlの飲料が収容された飲料缶10を12本収容可能に形成されている。
【0033】
収容ケース2は、容器1の上面を形成する上面部21と、前面を形成する前面部22と、背面を構成する背面部23と、両側面を形成する右側面部24及び左側面部25と、底面を形成する底面部26と、を有しており、略直方体状に形成されている。
【0034】
また、収容ケース2は、後述の第1傾斜路3及び第2傾斜路4を収容可能に形成されており、幅方向(Y軸方向)における長さが、第1傾斜路3及び第2傾斜路4の幅方向(Y軸方向)における長さよりも僅かに長くなるように形成されている。なお、収容ケース2の奥行き方向(X軸方向)における長さ、幅方向(Y軸方向)における長さ及び高さ方向(Z軸方向)における長さは、収納する飲料缶の数や種類、若しくは大きさ等により適宜変更可能である。
【0035】
収容ケース2の上面部21には、前面部22側に飲料缶10を投入可能な投入部5が設けられている。投入部5は、上面部21に開口を設けることにより形成されており、飲料缶10の軸断面形状と略同形状に開口すると共に、飲料缶10の回転軸と収容ケースの幅方向(Y軸方向)とが略平行になるように矩形状に形成されている。また投入部5は、奥行き方向(X軸方向)における長さが飲料缶10の直径よりも5から10mm長くなるように形成されている。これにより、飲料缶10は、飲料缶10の回転軸が第1傾斜路3における転動方向である矢印A1と直交する方向にのみ投入可能となる。
【0036】
収容ケース2の前面部22には、底面部26側に投入部5から投入された飲料缶10を取出し可能な取出し部6が設けられている。取出し部6は、前面部22に開口を設けることにより形成されており、開口は飲料缶10の軸断面形状と略同形状に矩形状に形成されている。なお、取出し部6は、転動する飲料缶10が取出し可能であればよく、例えば、取出し部6の高さ方向(Z軸方向)における長さが飲料缶10の直径よりも長くなるように形成されていればよい。取出し部6の高さ方向(Z軸方向)における長さとしては、飲料缶10の直径よりも5〜10mm長くなるように形成することが例示でき、例えば、350ml缶であれば70mm以上に形成することにより、転動する飲料缶10が前面部22に衝突することなく排出させることが可能となる。
【0037】
取出し部6には、取出し部6と連続するストッパ部60が設けられている。ストッパ部60は、第2傾斜路4から転動し、取出し部6の開口から排出された飲料缶10を受け止め可能に形成されると共に、消費者が容易に取出し可能に形成されている。具体的には、ストッパ部60は、飲料缶10の軸断面形状と略同一形状に形成され、収容ケース2の底面部26と連続する底部61と、底部61における幅方向(Y軸方向)の両側に設けられる壁部62、63と、底部61及び壁部62、63と連続し、収容ケース2の前面部22と対向するように高さ方向(Z軸方向)に伸びる受止め部64と、を備え、収容ケース2の前面部22から突出した状態に形成されている。
【0038】
受止め部64には、上端の略中央部に矩形状に切り欠かれた切り欠き部65が形成されている。このように受止め部64に切り欠き部65を設けることにより、ストッパ部60で受け止められた飲料缶10は露出部分が多くなるため消費者が飲料缶10を取り易くなる。
【0039】
また、底部61は、収容ケース2の底面部26と略平行に形成されている。つまり、底部61は、傾斜を有さない略水平状に形成されている。このように底部61を略水平に形成することにより、ストッパ部60において、飲料缶10の自重と第2傾斜部4の傾斜とから生じる取出し部6の開口から受止め部64方向に生じる力を抑制することが可能になり、消費者が飲料缶10を取り易くなる。
【0040】
第1傾斜路3は、平面状に形成されると共に、収容ケース2の前面部22側から背面部23側へ傾斜するスロープ状に形成されている。具体的には、第1傾斜路3は、収容ケース2の内部において、背面部23側である下端部33を前面部22側である上端部32よりも収容ケース2の高さ方向(Z軸方向)における下方側に配置させることにより背面部23側に傾斜したスロープが形成される。
【0041】
第1傾斜路3の水平方向に対する傾斜角θ1としては、飲料缶10が自重により転動可能な角度を有していればよく、例えば、5〜15度が例示できる。なお、第1傾斜路3における水平方向に対する傾斜角θ1は、後述の第2傾斜路4における水平方向に対する傾斜角θ2よりも大きくなるように形成される。
【0042】
第1傾斜路3は、幅方向(Y軸方向)における長さである路幅が、収納する飲料缶10の回転軸方向における長さよりも僅かに長くなるように形成されている。例えば、飲料缶10の回転軸方向における長さよりも5〜10mm長くなるように形成されている。
【0043】
第1傾斜路3の矢印A1方向と直交する両側には、収容ケース2の高さ方向(Z軸方向)に伸びる上側壁部34、35(図6参照)が設けられている。上側壁部34、35は、第1傾斜路3における飲料缶10が転動する領域の両側に配置され、飲料缶10の転動方向を規制する。
【0044】
また、第1傾斜路3は、収容ケース2の投入部5と連通するように設けられている。つまり、第1傾斜路3は、第1傾斜路3の上端部32側が収容ケース2の投入部5の直下に配置され、第1傾斜路3の上端部32は、収容ケース2の前面部22と当接した状態に設けられている。上端部32には、投入部5の前面部22側に伸びるガイド部31が設けられており、飲料缶10の第1傾斜路3への移動をガイドする。
【0045】
一方、第1傾斜路3の下端部33は、収容ケース2の背面部23と当接しておらず、第1傾斜路3の下端部33と背面部23との間には、矩形状の開口71が形成されている。つまり、第1傾斜路3の矢印A方向における長さは、収容ケース2の奥行き方向(X軸方向)における長さよりも短く形成されており、その端部である下端部33に開口71が設けられている。開口71は、第1傾斜路3と第2傾斜路4とを連通させると共に、飲料缶10を垂直方向に落下させる落下部7を構成している。
【0046】
落下部7を構成する開口71は、幅方向(Y軸方向)における長さが第1傾斜路3の幅方向(Y軸方向)における長さ(路幅)よりも長くなるように形成されている。つまり、開口71が形成される落下部7の幅方向(Y軸方向)両側に設けられる下側壁部72、73(図6参照)の水平間距離は、第1傾斜路3における幅方向(Y軸方向)両側に設けられる上側壁部34、35(図6参照)の水平間距離よりも長くなるように形成されている。すなわち、落下部7は、第1傾斜路3よりも幅方向(Y軸方向)における長さが広くなるように形成されている。言い換えると、第1傾斜路3から開口71を介して落下部7に至る間口が広くなるように形成されている。
【0047】
第2傾斜路4は、平面状に形成されると共に、収容ケース2の背面部23側から前面部22側へ傾斜するスロープ状に形成されている。第2傾斜路4は、収容ケース2の背面部23と当接される上端部43を取出し部6に連通される下端部42よりも収容ケース2の高さ方向(Z軸方向)における上方側に配置させることによりスロープ状に形成されている。
【0048】
第2傾斜路4における水平方向に対する傾斜角θ2としては、飲料缶10が自重により自然転動可能な角度を有していればよく、例えば、10〜20度が例示できる。なお、第2傾斜路4における水平方向に対する傾斜角θ2は、第1傾斜路3における水平方向に対する傾斜角θ1よりも小さくなるように形成される。
【0049】
第2傾斜路4は、幅方向(Y軸方向)における長さである路幅が、第1傾斜路3の幅方向(Y軸方向)における路幅よりも僅かに広くなるように形成されている。第2傾斜路4の幅方向(Y軸方向)における路幅は、例えば、第1傾斜路3の路幅よりも10〜20mm広くなるように形成されている。
【0050】
また、第2傾斜路4の矢印A3方向と直交する両側には、落下部7に形成される下側壁部72、73が連続して設けられている。下側壁部72、73は、第2傾斜路4の転動路の両側に配置され、飲料缶10の転動方向を規制する。
【0051】
第2傾斜路4は、収容ケース2の取出し部6と連通するように設けられている。第2傾斜路4は、第2傾斜路4の上端部43側が落下部7の直下に配置され、第2傾斜路4の上端部43は、収容ケース2の背面部23と当接した状態に設けられる。
【0052】
一方、第2傾斜路4の下端部42は、取出し部6と連通されている。つまり、第2傾斜路4は、収容ケース2の背面部23から前面部22に向かって形成されており、下端部42が取出し部6と繋がっている。
【0053】
次に、収容ケース2を構成するケース部材20について説明する。図3、図4及び図5に示すように、ケース部材20は、第1ケース部材20aと第2ケース部材20bとから構成されている。第1ケース部材20a及び第2ケース部材20bは、紙製の段ボールにより形成されており、段ボールを所定の折曲線で折り曲げ加工することにより、立体的に形成される。なお、図4及び5の破線は、折曲線を示している。
【0054】
また、図4及び図5におけるD1、W1及びH1それぞれは、D1がX軸方向の寸法である収容ケース2の奥行きを示し、W1がY軸方向の寸法である収容ケース2の幅を示し、H1がZ軸方向の寸法である収容ケース2の高さを示している。また、D2は、上面部21のX軸方向における奥行きを示し、D3は、投入部5のX軸方向における奥行きを示している。また、H2は、前面部22のZ軸方向における高さを示し、H3は、取出し部6のZ軸方向における高さを示している。
【0055】
図4に示すように、第1ケース部材20aは、収容ケース2の上面部21を構成する第1上面部21aと、前面部22と、背面部23と、右側面部24と、底面部26を構成する第1底面部26aとを備えている。そして、第1上面部21a、前面部22、背面部23、右側面部24及び第1底面部26aそれぞれは、一体に形成されており、それぞれを区分する部分には、折曲線101、102、103、104、105が形成されている。
【0056】
具体的には、第1上面部21aと右側面部24とが区分される部分には長さD2の折曲線101が形成され、前面部22と右側面部24とが区分される部分には長さH2の折曲線102が形成され、背面部23と右側面部24とが区分される部分には長さH1の折曲線103が形成され、第1底面部26aと右側面部24とが区分される部分には長さD1の折曲線104が形成され、背面部23と第1底面部26aとが区分される部分には長さW1の折曲線105が形成されている。
【0057】
第1ケース部材20aは、図4に示す第1ケース部材20aを正面に見た場合に、各折曲線101、102、103、104、105に沿って、それぞれを山折りすることにより、第1ケース部材20aが立体的に形成される(図3参照)。
【0058】
また、第1ケース部材20aには、複数の糊代が設けられているおり、折り曲げ加工した後、対応する部位と接合可能になっている。具体的には、第1上面部21aに設けられる糊代106は、後述の第2上面部21bと接合され、背面部23に設けられる糊代107は、第1上面部21aと接合され、ストッパ部60の壁部に設けられる糊代108は、後述の第2ケース部材20bに設けられる受止め部64と接合される。各糊代106、107、108は、それぞれが連結される部分に折曲線109、110、111が設けられており、折曲線109、110、111に沿って糊代106、107、108を山折りした後に上記部位と接合される。
【0059】
ここで、第1底面部26aは、右側面部24の底面に形成される第1係合凸部26a−1及び第1係合凸部26a−2と、第1係合凸部26a−1と第1係合凸部26a−2の間に形成される凹部26a−3、及び背面部23の底面に形成される第1係合凸部26a−4と、により構成されている。そして、第1係合凸部26a−1、第1係合凸部26a−2、凹部26a−3及び第1係合凸部26a−4は、後述の第2係合凸部26b−1、第2係合凸部26b−2、第2係合凸部26b−3、凹部26b−4、凹部26b−5及び係合凸部26b−6それぞれと互いに嵌合可能に形成されており、これらを互いに嵌め合わせることにより底面部26が形成される。
【0060】
図5に示すように、第2ケース部材20bは、収容ケース2の上面部21を構成する第2上面部21bと、左側面部25と、底面部26を構成する第2底面部26bと、ストッパ部60とを備えている。そして、第2上面部21b、左側面部25、第2底面部26b及びストッパ部60それぞれは、一体に形成されており、それぞれを区分する部分には、折曲線201、202、203、204が形成されている。
【0061】
具体的には、第2上面部21bと左側面部25とが区分される部分には長さD2の折曲線201が形成され、第2底面部26bと左側面部25とが区分される部分には長さD1の折曲線202が形成され、ストッパ部60における壁部62と受止め部64とが区分される部分には折曲線203が形成され、受止め部64と第2底面部26bとが区分される部分には長さW1の折曲線204が形成されている。
【0062】
第2ケース部材20bは、図5に示す第2ケース部材20bを正面に見た場合に、各折曲線201、202、203、204に沿って、それぞれを山折りすることにより、第2ケース部材20bが立体的に形成される(図3参照)。
【0063】
また、第2ケース部材20bには、複数の糊代が設けられているおり、折り曲げ加工した後、対応する部位と接合可能になっている。具体的には、左側面部25の前面部22側に設けられる糊代205は、第1ケース部材20aの前面部22と接合され、左側面部25の背面部23側に設けられる糊代206は、第1ケース部材20aの背面部23と接合される。各糊代205、206は、それぞれが連結される部分に折曲線207、208が設けられており、折曲線207、208に沿って糊代205、206を山折りした後に対応した部位と接合される。
【0064】
ここで、第2底面部26bは、左側面部25の底面に形成される第2係合凸部26b−1、第2係合凸部26b−2及び第2係合凸部26b−3と、第2係合凸部26b−1と第2係合凸部26b−2の間に形成される凹部26b−4、第2係合凸部26b−2と第2係合凸部26b−3の間に形成される凹部26b−5及びストッパ部60の底部61に形成される係合凸部26b−6と、により構成されている。
【0065】
これらは、第1ケース部材20aに設けられる第1係合凸部26a−1、第1係合凸部26a−2、凹部26a−3及び第1係合凸部26a−4それぞれと互いに嵌合可能に形成されており、それぞれを互いに嵌め合うことにより底面部26が形成される。
【0066】
次に、第1傾斜路3を構成する第1路部材30について図6及び図7を参照しながら説明する。第1路部材30は、紙製の段ボールにより形成されており、段ボールを所定の折曲線で折り曲げ加工することにより、立体的に形成される。なお、図7の破線は、折曲線を示している。
【0067】
また、図7におけるD30、W30及びH30それぞれは、D30がX軸方向の寸法における第1傾斜路3の脚部36、37の奥行きを示し、W30は、Y軸方向の寸法における第1傾斜路3の幅を示し、H30がZ軸方向の寸法における第1傾斜路3の脚部36の高さを示す。
【0068】
図7及び図8に示すように、第2路部材40は、第1傾斜路3と、脚部36、37と、上側壁部34、35と、を備えている。そして、第1傾斜路3、脚部36、37、及び上側壁部34、35それぞれは、一体に形成されており、それぞれを区分する部分には、折曲線301、302、303、304、305、306、307が形成されている。
【0069】
具体的には、第1傾斜路3と上側壁部34とが区分される部分には折曲線301が形成され、第1傾斜路3と上側壁部35とが区分される部分には折曲線302が形成され、上側壁部34と脚部36とが区分される部分には長さD30の折曲線303、304が形成され、上側壁部35と脚部37とが区分される部分には長さD30の折曲線305、306が形成され、第1傾斜路3とガイド部31とが区分される部分には長さW30の折曲線307が形成されている。
【0070】
第1路部材30は、図7に示す第1路部材30を正面に見た場合に、折曲線303、304、305、306に沿って、折曲線303、304、305、306それぞれを山折りすると共に、折曲線301、302、307に沿って、折曲線301、302、307それぞれを谷折りすることにより、第1路部材30が立体的に形成される(図6参照)。
【0071】
ここで、第1傾斜路3は、第1路部材30の脚部36、37が収容ケース2の右及び左側面部24、25と略同形状に形成されており、脚部36、37を折り曲げ加工により立設させることにより下側壁部72、73が形成される。そして、上側壁部34、35は、折り曲げ加工により、脚部36、37である下側壁部72、73の内側に配置される。このように、上側壁部34、35が折り曲げ加工により下側壁部72、73の内側に配置されることにより、上側壁部34、35の水平間距離は、下側壁部72、73の水平間距離よりも短くなる。すなわち、上側壁部34、35がその両側に配置される第1傾斜路3の路幅は、下側壁部72、73がその両側に配置される第2傾斜路4の路幅よりも短くなる。
【0072】
また、第1傾斜路3の転動方向における長さは、脚部36、37の奥行き方向(X軸方向)における長さよりも短く形成されている。これにより、第1傾斜路3と脚部36、37とを繋ぐ上側壁部34、35は、脚部36、37の端部から第1傾斜路3の下端部32に斜行した形状になる。これにより、第1傾斜路3の下端部32側、すなわち、開口71近傍においては、上側壁部34、35が切り欠かれた状態が形成され、落下部7を構成する開口71においても、水平方向における幅の広い下側壁部72、73を構成させることが可能になる(図6参照)。
【0073】
次に、第2傾斜路4を構成する第2路部材40について図8及び図9を参照しながら説明する。第2路部材40は、紙製の段ボールにより形成されており、段ボールを所定の折曲線で折り曲げ加工することにより、立体的に形成される。なお、図9の破線は、折曲線を示している。
【0074】
また、図9におけるD40及びW40それぞれは、D40がX軸方向の寸法におけるストッパ部60の奥行きを示し、W30は、Y軸方向の寸法である第2傾斜路4の幅を示している。
【0075】
図8及び図9に示すように、第2路部材40は、第2傾斜路4と、脚部44、45と、底部61と、受止め部64と、を備えている。そして、第2傾斜路4、脚部44、45、底部61、受止め部64それぞれは、一体に形成されており、それぞれを区分する部分には、折曲線401、402、403、404が形成されている。
【0076】
具体的には、第2傾斜路4と脚部44とが区分される部分には折曲線401が形成され、第2傾斜路4と脚部45とが区分される部分には折曲線402が形成され、第2傾斜路4と底部46とが区分される部分には長さW40の折曲線403が形成され、底部46と受け部47とが区分される部分には長さW40の折曲線404が形成されている。
【0077】
第2路部材40は、図9に示す第2路部材40を正面に見た場合に、折曲線401及び402に沿って、折曲線401及び402それぞれを山折りすると共に、折曲線403及び404に沿って、折曲線403及び404を谷折りすることにより、第2路部材40が立体的に形成される(図7参照)。
【0078】
第2路部材40は、折曲線403を設けることによりストッパ部60の底部61を略水平に形成することが可能になる。また、第2路部材40は、脚部44、45の高さ(Z軸方向)を調整することにより、第2傾斜路4の傾斜角θ2を調整することが可能になる。
【0079】
次に、本実施形態の容器1の使用方法の例を説明する。本実施形態においては、容器1は、例えば、ドラッグストア等に設けられる奥行きのある陳列棚に配置可能であると共に、前面部22側に投入部5及び取出し部6が設けられているため、容器1を動かすことなく取出し及び補充が可能になる。以下、詳細に説明する。
【0080】
図10は、容器1の内部を飲料缶10が転動する様子を示す図である。
まず、投入部5から飲料缶10を投入させる。ここで、投入部5は、飲料缶10の軸断面形状と略同形状に形成されると共に、投入部5の幅方向(Y軸方向)が第1傾斜路3の転動方向である矢印A1と直交するように形成されている。つまり、飲料缶10の投入方向が規制され、投入部5より投入される飲料缶10は、飲料缶10の円筒部が第1傾斜路3を転動可能な方向にのみ投入可能になる。
【0081】
そして、第1傾斜路3は、収容ケース2の内部において、収容ケース2の前面部22から背面部23に向かって傾斜角θ1に傾斜するスロープ状に形成されているため、投入部5より投入された飲料缶10は、第1傾斜路3を矢印A1方向に転動する。ここで、第1傾斜路3は、所定の路幅に形成されると共に、飲料缶10の転動方向と直交する方向における両側に上側壁部が形成されているため、飲料缶10は、転動方向が規制され、蛇行することなく転動可能となる。
【0082】
飲料缶10が第1傾斜路3を転動し、第1傾斜路3の下端部33に至ると、飲料缶10は下端部33に形成された開口71を有する落下部7を介して第2傾斜路4に垂直方向(矢印A2)に落下する。ここで、開口71の近傍は、開口71及び落下部7の幅方向(Y軸方向)の両側に設けられた下側壁部72、73同士の水平間距離が第1傾斜路3の幅方向(Y軸方向)の両側に設けられた上側壁部34、35同士の水平間距離よりも広く形成されているため、飲料缶10は、下側壁部72、73に引っかかることなく開口71から垂直方向への落下が可能になる。
【0083】
開口71を介して落下部7を落下した飲料缶10は、次に第2傾斜路4を取出し部6に向かって転動を開始する。ここで、第2傾斜路4は、傾斜角θ2が第1傾斜路3の傾斜角θ1よりも水平方向における角度が小さくなるように形成されているため、飲料缶10は、第1傾斜路3における転動速度よりも遅い速度で転動することとなる。これにより、例えば、収納済みの飲料缶10への衝突力を小さくすることが可能となると共に、収納済みの飲料缶10を押し出す力も小さくさせることが可能になり、飲料缶10を取りやすくなる。
【0084】
第2傾斜路4を転動した飲料缶10は、ストッパ部60の受止め部64に衝突することにより止まる。ここで、ストッパ部60は、略水平に形成されているため、受止め部64側に押し出す力が抑制され、飲料缶10が取りやすくなる。また、ストッパ部60には切り欠き部65が形成されているためストッパ部60における飲料缶60の露出が多くなり、容易に飲料缶10を取ることが可能になる。また、ストッパ部60は、飲料缶10と略同形状に形成されるため、例えば、1本ずつ取り出すことが可能なる。
【0085】
以上の通り、本実施形態によれば、容器1に取出し可能に収納された飲料缶10を収容ケース2の内部において詰まらせることなく取出し及び補充することが可能になる。また、容器1が略直方体状に形成されていると共に、前面側に投入部5及び取出し部6が設けられているため、陳列棚等の既存のスペースに容易に配置させることが可能になる。
【0086】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、傾斜部は、第1傾斜路と第2傾斜路とからなる2段式に形成する例を示したが、これに限らず、例えば、第3傾斜路や第4傾斜路等を有する多段式に形成してもよい。
(2)本実施形態では、投入部5は、収容ケース2の上面部21の前面部22側に設ける例を示したが、投入部5は、前面部22の上面部21側に設ける形態としてもよい。また、投入部5は、右及び左側面部24、25のいずれかの上面部21側であって前面部22側に形成してもよい。これにより、例えば、容器1を高さ方向(Z軸方向)に積み重ねて配置させることが可能になる。なお、右及び左側面部24、25に投入部5を形成した場合においては、投入部5の形状は、円筒形状に形成することが好ましい。これは、右及び左側面部24、25に投入部5を形成した場合における投入部5の形状を円筒形状にすることにより、飲料缶10の投入方向が規制されるためである。
【0087】
(3)本実施形態では、容器1は、収容ケース2、第1傾斜路3及び第2傾斜路4が共に段ボールを用いて作製される例を示したが、これに限らず、例えば、他の紙を用いて作製してもよいし、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等のプラスチックを用いて作製してもよい。例えば、透明なPP樹脂等を用いて容器1を作製した場合には、容器1の外部から中身を確認できる。
【0088】
(4)本実施形態では、容器1に飲料缶10が収納される例を示したが、これに限らず、例えば、容器1にペットボトル等が収納されてもよく、特に限定しない。
【0089】
(5)本実施形態では、容器1に飲料缶10が合計12本収納可能な例を示したが、飲料缶10の本数は6本でもよいし、18本でもよいし、容器1の大きさに合わせて適宜選択してよい。
(6)本実施形態では、容器1の大きさを既存の陳列棚に収納可能な大きさの例を示したが、これに限らず、例えば、家庭用の冷蔵庫等に収納可能な大きさにしてもよい。
【0090】
(7)本実施形態では、収容ケース2外側の右及び左側面部24、25等は無地である例を示したが、これに限らず、商品名やロゴマーク、絵柄、バーコード等を印刷し、宣伝効果や利便性、意匠性等を高めてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態に係る容器1の斜視図である。
【図2】飲料缶10を収納した状態における容器1の斜視断面図である。
【図3】第1ケース部材20aと第2ケース部材20bを折り曲げ加工した後、収容ケース2を組み立てる途中の様子を示す図である。
【図4】収容ケース2を構成する第1ケース部材20aの展開図である。
【図5】収容ケース2を構成する第2ケース部材20bの展開図である。
【図6】第1路部材30を折り曲げ加工して第1傾斜路3を形成した状態を示す図である。
【図7】前記実施形態における第1傾斜路3を構成する第1路部材30を示す図である。
【図8】第2路部材40を折り曲げ加工して第2傾斜路4を形成した状態を示す図である。
【図9】前記実施形態における第2傾斜路4を構成する第2路部材40を示す図である。
【図10】容器の内部を飲料缶が転動する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
1 容器
2 収容ケース
3 第1傾斜路
4 第2傾斜路
5 投入部
6 取出し部
7 落下部
10 飲料缶
21 上面部
22 前面部
23 背面部
71 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面部及び背面部を有する直方体状の収容ケースと、
前記収容ケースの上方側に設けられ、円筒体を投入可能な投入部と、
前記収容ケースの下方側に設けられ、前記円筒体を取り出し可能な取出し部と、
前記収容ケースの内部に設けられ、前記投入部から投入された前記円筒体が自重により前記前面部側から前記背面部側へと転動可能な第1傾斜を有する第1傾斜路と、
前記第1傾斜路の下方に設けられ、前記円筒体が自重により前記背面部側から前記前面部側へと転動可能な第2傾斜を有する第2傾斜路と、
前記第1傾斜路の前記背面部側に形成され、前記第1傾斜路と前記第2傾斜路とを連通させる開口を有すると共に、前記開口から前記円筒体を垂直方向に落下させる落下部と、
を備える容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、
前記落下部における前記円筒体の落下方向と交差する両側に立設される下側壁部は、前記第1傾斜路における前記円筒体の転動方向と交差する両側に立設される上側壁部よりも、各側壁部同士の水平間距離が長いこと、
を特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の容器において、
前記第2傾斜路における転動方向と交差する方向の路幅は、前記第1傾斜路における前記路幅よりも広く形成されること、
を特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の容器において、
前記第2傾斜は、前記第1傾斜よりも水平方向に対する傾斜角度が小さいこと、
を特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の容器において、
前記投入部及び前記取出し部は、前記収容ケースの前記前面部側に形成されること、
を特徴とする容器。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の容器において、
前記投入部は、前記円筒体の軸断面形状と略同形状に形成されること、
を特徴とする容器。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の容器において、
前記取出し部は、前記前面部から突出するストッパ部を有すること、
を特徴とする容器。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の容器において、
前記収容ケースは、所定の紙で形成されたケース部材により構成され、
前記第1傾斜路は、所定の紙で形成された第1路部材により構成され、
前記第2傾斜路は、所定の紙で形成された第2路部材により構成されており、
前記収容ケース、前記第1傾斜路及び前記第2傾斜路は、前記ケース部材、前記第1路部材及び前記第2路部材それぞれを折り曲げ加工することにより形成されること、
を特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−292533(P2009−292533A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150834(P2008−150834)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】