容器
【課題】密封用流体が該流体停止接合個所によって実質的に該流体間隙に制限される容器を提供する
【解決手段】キャップ210;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ240;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を含む容器200において、該キャップの第1の溝220と該ボディの第1の溝250がスナップ式継手270を形成し、かつ、該キャップの第2の溝222と該ボディの第2の溝252が流体停止継手を形成し、これにより密封用流体が該流体停止継手によって実質的に該流体間隙に制限される容器。
【解決手段】キャップ210;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ240;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を含む容器200において、該キャップの第1の溝220と該ボディの第1の溝250がスナップ式継手270を形成し、かつ、該キャップの第2の溝222と該ボディの第2の溝252が流体停止継手を形成し、これにより密封用流体が該流体停止継手によって実質的に該流体間隙に制限される容器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、一部継続出願として、2006年7月13日に出願された同時係属の米国特許出願第11/485,686号の利益を主張するものであり、かつ本明細書中に組み込ま
れる2005年8月9日出願の米国仮特許出願第60/706604号の利益をも主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的には容器、より具体的には、調合薬、医薬、ビタミン類などの用量を個体に供給するために用いられるカプセルなどの容器に関する。
【背景技術】
【0003】
調合薬または他の粉末状、顆粒状もしくは液状の物質のための標準的な容器、いわゆる入れ子式のカプセルは、管状または円筒状の第1の部分、すなわちキャップ部を含み、このキャップ部の一端は閉じており、他端は開放されている。同様の形状であるが径が小さい、しっかりフィットする第2の部分は入れ子状にキャップ部に差し込むことができ、この第2の部分は主要部またはボディ部と呼ばれる。図1は、キャップ110およびボディ140を含む説明用の通常のカプセル100を示す。キャップ110は、開放端112および閉鎖端114を含む。同様に、ボディ140は開放端142および閉鎖端144を含む。ボディ140が部分的にキャップ110に差し込めるように、ボディ140の開放端142はキャップ110の開放端112よりも径がわずかに小さくなっている。キャップ110とボディ140の分離は、ボディ140の外表面および/またはキャップ110の対向する内表面の間の摩擦および/または種々の変更によって防止される。たとえば、参照のために本明細書中に組み込まれるDuynslagerらの米国特許第5,769,267号には、キャップ部およびボディ部上の対応する接続部およびキャップ部とボディの間の摩擦を大きくするためのキャップ部内表面の突起を有する2つの部品からなる入れ子式カプセルが開示される。
【0004】
通常、容器は、ボディ部のごく一部が入れ子式にキャップに差し込まれている「仮止め」状態で充填装置に供給される。2つの部品は充填装置内で引き離され、充填作業後に完全に閉められる。
【0005】
充填後の複合カプセルのさまざまな部分を固定するための種々の固定機構に加えて、各部分はこれに代わるあるいは追加の種々の方法で密封することができる。一般的に、そのような密封方法としては、液体のスプレーまたは液中へのカプセル部品の浸漬がある。そのような液体はそれ自身が接着および/または密封特性を備えていても良い。あるいは、そのような液体は結果的にカプセル部品の部分的な溶解または分解を引き起こす可能性があるが、それによりカプセル部品は液体が蒸発する際に融合または密封される。液体密封方法および溶液の実例については、Bodenmannらの米国特許第4,893,721号に開示されており、参照として本明細書に組入れることとする。選ばれる特定の液体は、ある程度カプセル部品の組成に依るが、たとえば水またはアルコールが挙げられる。
【0006】
カプセルは、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルランなどの種々の被膜剤から作ることができる。いくつかの欠陥、特にカプセル壁面における変形や微小割れは既知の装置で監視されてきた。変形は、過剰の密封用流体によるカプセル壁面の薄化および/または弱化に起因している可能性があり、この流体は必然的にカプセル壁面の材質を少なくとも部分的に溶解または分解する。
【0007】
微小割れは、一般的に小さな破損または裂け目の形状をとっており、ほとんどの場合、固定構造キャップの近く、すなわち、カプセルの開放を防ぐための摩擦を与えるキャップおよびボディの部分に発生する。微小割れは、局部的低乾燥損失(LOD)、すなわち、低水分による脆弱化が生じるカプセル部品にかかる応力に起因する。応力は、たとえば、カプセルの締め付けおよび/または加熱によるカプセルの内部圧力、またはカプセルボディをカプセルキャップに差し込むために必要な力によってカプセル部品自身に生じる応力に起因する。局部的低LODまたは脆弱性は、たとえば、キャップとボディの間隙において除湿剤として機能するアルコール蒸気の存在、またはカプセル材質の乾燥(これも密封用流体中のアルコールが原因となりうる)に起因する。
【0008】
プルランは、特にこれらの欠陥が生じやすいと見られてきた。少なくとも、プルランは室温の水にある程度溶解するという事実から、プルランカプセルは密封処理後の損傷の割合が通常時よりも高いということが経験的に知られている。ゼラチンは、水を加えると固体と液体の間の相中間体を形成し、その中では、ゼラチンの鎖状構造は元の状態のままである。それとは対照的に、プルランは、水を加えると固体から液体に転移する。その結果、プルランの強度は、局部的に密封部位付近で失われる。この場合、変形は普通に起こり、結果としてカプセルの湾曲、膨潤、または破壊をもたらす。損傷の例としては、密封不十分、変形などが挙げられる。結果として、現行のカプセルデザインは、プルラン素材の複合カプセルの液体密封にはうまく適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,769,267号
【特許文献2】米国特許第4,893,721号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上より、通常のアルコール/水スプレーなどを用いて密封でき、かつ、液体密封処理によるカプセルの変形または損傷を受けない複合カプセルデザインの技術が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
容器、より具体的には、調合薬、医薬、ビタミン類などの用量を個体に供給するために用いられるカプセルなどの容器について開示する。1つの態様において、本発明は、キャップ;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を含んでなる容器であって、該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝がスナップ嵌合接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が流体停止接合個所を形成し、これにより密封用流体が該流体停止接合個所によって実質的に該流体間隙に制限される容器を含む。
【0012】
本発明の第1の側面は、キャップ;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を含んでなる容器であって、該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝が、密封用流体と接触していないことを特徴とするスナップ嵌合接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が流体停止接合個所を形成し、これにより密封用流体が該流体停止接合個所によって実質的に該流体間隙に制限される容器を提供する。
【0013】
本発明の第2の側面は、第1の溝および第2の溝を有するキャップ;該キャップの内側に摺動係合可能であり、第1の位置で該キャップの第1の溝と、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第2の溝、および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第3の溝を有する
ボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間の流体間隙を含んでなる容器を提供する。
【0014】
本発明の第3の側面は、第1の溝および第2の溝を有するキャップ;該キャップの内側に摺動係合可能であり、第1の位置で該キャップの第1の溝と、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第2の溝、および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第3の溝を有するボディ;該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙;および圧力放出溝を含んでなる容器であって、該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝がスナップ嵌合接合個所を形成し、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が、実質的に密封用流体を該流体間隙に制限するための流体停止接合個所を形成し、かつ該圧力放出溝が実質的に該スナップ嵌合接合個所内に設けられている容器を提供する。
【0015】
本発明の第4の側面は、第1の溝および第2の溝を有するキャップ;該キャップの内側に摺動係合可能であり、該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第2の溝を有するボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間の流体間隙を含んでなる容器であって、該キャップの第2の溝と、該ボディの開放端と該ボディの第1の溝との間の部分が第1の位置における仮止め接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第1の溝が、第2の位置において実質的に密封用流体を該流体間隙に制限するための流体停止接合個所を形成する容器を提供する。
【0016】
本発明の第5の側面は、キャップ;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を有する容器を用意すること;該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝が接触し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が接触するように該容器を閉じること;該流体間隙に密封用流体を適用すること;および該容器を乾燥することを含んでなる複合容器の密封方法を提供する。
【0017】
本発明の説明のための側面は、本明細書に記述されている問題点のみならず論じられていない他の問題点をも解決できるよう意図されており、このことは当業者によって発見されうる。
【0018】
本発明の態様を以下の図面を参照して詳細に説明する。なお、図面には縮尺を記入しておらず、同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のツーピースカプセル装置を示す。
【図2】本発明の一態様の部分断面図を示す。
【図3】図3A〜図3Dは本発明の種々の態様の断面図を示す。
【図4】本発明の別の態様の部分断面図を示す。
【図5】本発明の第2の別の態様の部分断面図を示す。
【図6A】本発明の第3および第4の別の態様の断面図を示す。
【図6B】本発明の第3および第4の別の態様の断面図を示す。
【図6C】本発明の第3および第4の別の態様の断面図を示す。
【図7】本発明の一態様の仮止め位置の部分断面図を示す。
【図8A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図8B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図9A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図9B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図10A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図10B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図11A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図11B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図12A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図12B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図13】本発明の容器の充填および密封方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2を参照すると、本発明を説明するための第1の態様が示される。容器200は、キャップ210とボディ240を含む。キャップ210およびボディ240は、それぞれ開放端212および242を含む。開放端212、242は、さまざまな断面形状をとることができ、たとえば、円形、卵形、六角形、または正方形が挙げられる。1つの好適な態様では、それぞれの開放端212、242の断面は円形である。開放端242の径は開放端212よりもわずかに小さく、それによりボディ240の少なくとも一部をキャップ210に挿入することができる。任意に、開放端242は、ボディ240のキャップ210への挿入を容易にするための内向きの傾斜243を含んでもよいが、このような特徴は必須ではない。
【0021】
キャップ210およびボディ240のそれぞれは、開放端212、242の反対側に、閉鎖端214、244を含む。開放端の断面形状に多少は左右されるが、閉鎖端はさまざまな形状をとることができ、たとえば、半球状またはピラミッド状が挙げられる。キャップ210およびボディ240の閉鎖端の形状は、同じでも異なっていてもよい。1つの好適な態様では、それぞれの閉鎖端の形状は半球状である。
【0022】
キャップ210およびボディ240の開放端と閉鎖端の間のいくつかの点における断面形状は、それらの開放端または閉鎖端のどちらかの断面形状と異なっていてもよい。すなわち、キャップ210および/またはボディ240の断面形状は、それらの開放端と閉鎖端の間で変化してもよい。しかしながら、ボディ240の少なくとも一部は最終的にはキャップ210に挿入されるので、どちらかの断面形状がその挿入を妨げるものであってはならない。
【0023】
カプセル200を組み立てた後、キャップ210とボディ240の分離を防止するために、容器200は、キャップ210とボディ240のそれぞれに、対応する溝220および250を含むスナップ嵌合接合個所270を有する。「対応する」とは、溝220および250が、1方が他方の上にかぶさるように係合する形状および寸法であることを意味する。しかしながら、溝220、250の形状または寸法は全く同一である必要はない。たとえば、溝220はV形状で、もう一方の溝250はU形状であってもよい。溝220、250のそれぞれは、片方または両方が不連続または分割されていてもよいが、キャップ210およびボディ240の周囲に沿って連続であることが好ましい。スナップ嵌合接
合個所270は、キャップ210とボディ240の間に、好ましくは約20μmから約60μmの間、より好ましくは約40μmの半径方向を向いた干渉・間隙271を有する。スナップ嵌合接合個所270は、完全に閉じた状態で、容器200の高さの好ましくは約1/6から約1/2の間、より好ましくは約1/5から約1/3の間の高さ(すなわち、容器200の軸方向の長さ)を持つ。たとえば、閉じたときの高さが約18mmである容器の寸法に関しては、スナップ嵌合接合個所272の高さは、約1mmから約5mmの間、より好ましくは約1.2mmから約2mmの間である。その他の寸法も可能である。
【0024】
少量の密封用流体290を流体間隙260に加えることで、キャップ210とボディ240の部分的な溶解または分解を起こし、その後、密封用流体290の蒸発および/または除去に伴って、キャップ210とボディ240を融合させることができる。従って、キャップ210とボディ240の融合によって、不正操作または不正開封を防止するように密封することができる(すなわち、このような融合後に容器200を開封するには、密封の破壊が必要となる)。流体間隙260の幅、すなわち、キャップ210の内表面とボディ240の外表面との間隙は、好ましくは約20μmから約120μmの間、より好ましくは約40μmである。流体間隙260の高さ(すなわち、容器200の軸方向の長さ)は、完全に閉じた状態で、容器200の高さの好ましくは約1/10から約1/3の間、より好ましくは約1/8から約2/9の間である。たとえば、閉じたときの高さが約18mmである容器200の寸法に関しては、流体間隙260は、好ましくは約2mmから約5mmの間、より好ましくは約3mmから約4mmの間の高さを持つ。その他の寸法も可能である。流体間隙260の容積は、既知の装置の類似部分よりも小さい。この容積がより小さいことによって、キャップ210とボディ240との間の密封用流体290の量をより少なくすることができ、それによって、容器200を密封した後に、キャップ210またはボディ240のいずれの変形の可能性をより少なくすることができる。流体間隙260の幅は実質的に均一であることが好ましい、すなわち、流体間隙260の長さに沿って、キャップ210とボディ240との間隔は均一であることが好ましい。このように、流体間隙260が均一であることにより、間隙がキャップ110(図1)の開放端112(図1)に近づくにつれて大きくなるような既知の装置の円錐形状の間隙の場合と比べて、キャップ210の開放端212における密封用流体290の量をより少なくすることができる。
【0025】
過剰量の密封用流体290の、キャップ210とボディ240との間の流体間隙260への流入、およびキャップ210とボディ240の片方または両方の弱化を防ぐために、容器200は、任意に、キャップ210とボディ240のそれぞれの対応する溝222および252を含む流体停止接合個所272をさらに有しても良い。溝222、252のそれぞれは、片方または両方が不連続または分割されていてもよいが、キャップ210およびボディ240の周囲に沿って連続であることが好ましい。流体停止接合個所272は、キャップ210とボディ240の間に、好ましくは約−20μmから約+10μmの間、より好ましくは約0μmの間隙273を有する。流体停止接合個所272の高さ(すなわち、容器200の軸方向の長さ)は、完全に閉じた状態で、容器200の高さの好ましくは約1/90から約1/9の間、より好ましくは約1/26から約1/20の間、最も好ましくは約1/21である。たとえば、閉じたときの高さが約18mmである容器の寸法に関しては、流体停止接合個所272の高さは、好ましくは約0.2mmから約3.5mmの間、より好ましくは約0.7mmから約0.9mmの間、最も好ましくは約0.86mmである。その他の寸法も可能である。
【0026】
特に好適な一態様においては、容器200は、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272の両方を有している。このような配置によって、既知の装置の応力による欠陥および脆弱性による欠陥(局部的低LODによる)を排除することができる。すなわち、容器200の同一部分に応力または脆弱化が生じるどころか、スナップ嵌合接合個所
270と流体停止接合個所272の両方を有するこの態様の容器200では、応力をスナップ嵌合接合個所270に制限し、かつ、密封用流体290(従って、アルコール蒸気)を流体間隙260に制限することによって、脆弱化を除去または低減する。さらに、このような配置を用いることにより、流体停止接合個所272が密封用流体290の毛管作用を抑制または停止し、結果として、キャップ210とボディ240の間の密封用流体290の量をより少なくすることができ、かつ、容器200の乾燥をより速く、より効率的に行うことができる。
【0027】
容器200は、ボディ240のキャップ210への挿入の際、容器200内のガスを逃がすために、ボディ240上に1つまたは複数の圧力放出溝280を任意にさらに有してもよい。一態様においては、圧力放出溝280は、ボディ240の表面内にくぼみを含む。圧力放出溝280は、さまざまな断面形状をとることができ、たとえば、卵形、円形が挙げられる。一態様においては、圧力放出溝280の断面は、卵形であることが好ましい。圧力放出溝280は、実質的にはスナップ嵌合接合個所270の領域内に位置し、流体停止接合個所272内には位置しないことが好ましい。このように配置をスナップ嵌合接合個所270および流体停止接合個所272と併用した場合、既知のカプセルにまさる特別な利点が得られる。既知の装置では、圧力放出溝は、カプセルが加熱される乾燥工程中に、ガスをカプセルから逃がす。この工程でのガスの排出は、密封部内にガス通路を形成し、完全な密封に欠陥を生じさせ、カプセル内容物の漏洩および/または密封不良を引き起こす。圧力放出溝280をスナップ嵌合接合個所270の領域内に制限し、かつ、流体停止接合個所272を有することにより、ガスは、容器200を閉じる時に容器内から逃げるが、容器200を一旦完全に閉じると、流体停止接合個所272によって逃げ出すことができなくなる。このように、ガスは乾燥工程時においても容器200から逃げ出さず、かつ、密封部位にガス通路(図示せず)は形成されない。この結果より、強度および完全性の向上した途切れることのない密封状態が得られる。
【0028】
さらに、ボディ240および/またはキャップ210の変形は、厚みを増やしたボディ240および/またはキャップ210を用いることによって防止または低減できることが見出されてきた。既知の容器は、一般的には約100μmの肉厚を持つキャップおよびボディを有する。約130μmの肉厚を持つキャップおよび/またはボディを用いることによって、容器の変形は著しく減少してきた。
【0029】
図3A〜Dは、異なる断面形状を有する、本発明の別の態様の種々の断面図を示す。キャップ210とボディ240の両方の形状は、図3Aでは円形、図3Bでは卵形、図3Cでは六角形、および図3Dでは正方形である。もちろん、キャップ210とボディ240は異なる断面形状を有してもよいが、異なる形状がボディ240のキャップ210への挿入を妨げてはならないことに留意すべきである。
【0030】
図4を参照すると、容器200が、ボディ240に追加の溝254をさらに有する、本発明の別の態様が示される。追加の溝254は、溝220、250または溝222、252と同様の寸法を有してもよく、かつ、キャップ210の開放端212に隣接して位置することが好ましい。この追加の溝254の位置によって、ボディ240とキャップ210の開放端212の間の入り口間隙262が形成される。入り口間隙262は、好ましくは約90μmから約200μmの間、より好ましくは約110μmから約150μm、最も好ましくは約140μmの幅(すなわち、ボディ240とキャップ210の間の空間)を持つ。追加の溝254を含むことにより、少なくとも3つの利点が得られる。第1に、入り口間隙262が、密封用流体290の毛管作用を改善し、密封用流体290を流体間隙260に引き寄せる。第2に、特に吸引を用いる場合には、入り口間隙262によって、過剰の密封用流体290をよりうまく除去することができる。第3に、容器200を加熱すると、密封用流体290は、既知の装置でよく見られるような開放端212の端に沿っ
て小滴を形成するのではなく、流体間隙260から押し出され、入り口間隙262内に保持される。既知の装置では、そのような小滴の形成はカプセルの変形をもたらす。
【0031】
図5に、本発明の容器200のさらにもう一つ別の態様を示す。これは、ボディ240をキャップ210に完全に挿入する際、開放端242がキャップ210の内表面に接触するように、ボディ240の開放端242を引き伸ばしたものである。開放端242は、さらに内向きの傾斜243を有してもよい。開放端242を引き伸ばすことによって、既知の設計にまさるいくつかの利点が得られる。第1に、容器200を加熱する際に容器内からガスが逃げ出すことにより生じる密封用流体290内でのガス通路の形成を低減または防止する。第2に、容器200を閉じた後に、内圧を実質的に下げる。
【0032】
図6A〜Bを参照すると、本発明における容器200のさらに別の二つの態様の部分断面図が示される。図6Aにおいて、ピラー216は、開放端212の近くのキャップ210の内表面211に包まれている。このピラー216は、キャップ210の内表面211に沿って連続でなく、内表面211に沿って一定間隔をあけて位置していることが好ましい。このような配置によって、図6Aの左側に「ピラー化領域」、および図6Aの右側に毛管路218が形成される。ピラー216は、キャップ210とボディ240の間の間隙261を著しく減少し、かつ、流体間隙260を開放端212から離れた場所に実質的に制限する。上記のように、流体間隙260の幅は、好ましくは約20μmから約120μmの間、より好ましくは約40μmである。しかしながら、ピラー216は、この幅を好ましくは約30μmの干渉と約5μmの間隙の間、より好ましくは約25μmの干渉に変える。このようなピラーを1つまたは複数含むことによって、既知の設計にまさるいくつかの利点が得られる。第1に、ピラー216によって、開放端212における密封用流体
290の全体量の減少をもたらし、溶解または分解の低減とその結果として開放端212における変形の低減をもたらす。第2に、ピラー216が位置する開放端212では、密封用流体290はほとんどまたは全く存在しない。第3に、ピラー216は、既知の設計において典型的に最も弱い位置である領域において、特にキャップ210の強度、一般的に容器200の強度を高める。第4に、ピラー216の間に形成された毛管路218が、密封用流体290の毛管作用を高めて、密封用流体を流体間隙260内に引き上げる。
【0033】
図6Bでは、ピラー216は、開放端212からさらに内側に位置している。この配置によって、図6Aに示す態様よりも多くの密封用流体290を開放端212の真下に保ちながら、上記の強度の増大が図れる。この配置は、たとえば、開放端212においてより高い強度が要求される場所で有益となりうる。ピラー216は、流体停止接合個所272(図2〜4)内のように、高強度、高摩擦、および/または低密封用流体量が要求される、キャップ210の内表面またはボディ240の外表面に沿った他の場所に同様に配置することができる。
【0034】
図6Cは、特に好適な態様の断面図を示す。これは、容器200が、キャップ210の内表面211に均等に配置された複数のピラー216を有し、均等に配置された複数の毛管路218を形成するものである。図に示すように、容器200は、均等に配置された6つのピラー216を有することが最も好ましい。それぞれのピラー216とボディ240の間の間隙261は、流体間隙260と比べて著しく減少している。1つまたは複数のピラー216は、同様にボディ240の外表面241にも配置することができるのは当然である。
【0035】
上記のように、カプセルは、多くの場合、仮止め状態で充填装置に供給され、そこでボディ部のごく一部がキャップ内に入れ子式に挿入される。図7は、この仮止め状態における、本発明の一態様を示す。特に、ボディ240は、ボディ240の溝250(この溝は、容器200が完全に閉じた時、キャップ210の溝222に対応する)がキャップ21
0の溝222と接触する位置までキャップ210内に入れ子式に挿入される。すなわち、仮止め位置まで挿入する時、最終的にスナップ嵌合接合個所270の部分を形成するボディ240の溝は、代わりに、流体停止接合個所272のキャップ210の要素である溝222の位置まで挿入されるだけである。もちろん、他の仮止め位置も可能である。たとえば、キャップ210の溝222が(溝250よりもむしろ)ボディ240の外表面と接触するように、ボディ240をキャップ210内に挿入することもできる。
【0036】
このような態様、すなわち、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272の両方を有するものでは、仮止め位置からキャップ210とボディ240を分離するために必要な力を、既知の装置と比べて減らすことができる。このように必要な力が小さいために、ある程度、上記の応力と流体停止機能を切り離して考えることができる。言い換えると,既知の装置では、典型的には、キャップとボディの固定と密封用流体の流出制限の両方を行うために、1つの接合個所を用いるが、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272の両方を有する本発明の態様では、これらの機能は分担される。その結果、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272を形成する溝(すなわち、それぞれ220、250および222、252)の寸法は、図7に示す溝222と250の相互作用による接合が、図2〜4に示す溝220と250および/または溝222と252の相互作用に起因するものよりも、より緩くなるように調整することができる。この結果より、特に好適な一態様は、既知の装置と比べて、より低い仮止め力を有する容器200である。
【0037】
仮止め力は、本発明に従って、いくつかのキャップとボディの配置を用いることによって、同様に低下させることができる。たとえば、図8A〜Bは、本発明の別の一態様の、仮止めおよび閉止のそれぞれの形態におけるカプセル300の横断面図を示す。図8A〜Bでは、図4〜5の配置と同様に、ボディ340が3つの溝(第1の溝350、第2の溝
352、および第3の溝354)を有することを示している。しかしながら、第1の溝3
50は、図4〜5に示すものよりも高くかつ浅い。キャップ310は、第1の溝320および第2の溝322を有する。図8A〜Bに示すように、本質的なものではないが、キャップ310の第1の溝320の断面は実質的に三角形である。
【0038】
図8Aに示すように、ボディ340の第1の溝350の高さを上げて深さを下げると、
仮止め位置の時の、ボディ340の第1の溝350とキャップ310の第2の溝322の
間の接合がより緩くなる。より詳しく述べると、ボディ340とキャップ310の第2の溝322の間の干渉は、約−20μmから約50μmの間、好ましくは約−10μmから30μm、最も好ましくは約19μmである。従って、図8Aに示すような仮止め位置の時に、ボディ340からキャップ310を取り外すために必要な力は、好ましくは約5gから約55gの間、より好ましくは約5gから約40gの間、最も好ましくは約10gから約30gの間である(10パーツの測定からの平均値として)。
【0039】
図8Bには、容器300の閉じた状態が示されていて、キャップ310の第1の溝320とボディ340の第1の溝350がスナップ嵌合接合個所370を形成し、かつ、キャ
ップ310の第2の溝322とボディ340の第2の溝352が流体停止接合個所372を形成している。上記の別の態様において、スナップ嵌合接合個所370のキャップ310とボディ340の間の干渉は、約−20μmから約60μmの間、より好ましくは約40μmである。
【0040】
図9A〜Bは、本発明のもう一つ別の態様となるカプセル400の横断面図を示す。ここで、ボディ440は2つの溝452、454のみを有する。図8A〜Bと比べると、第1の溝350(図8A〜B)が取り除かれている。このように、図9Aの仮止め位置では
、上記の態様に示すように、キャップ410の第2の溝422は、溝の内部ではなく、溝
452とボディ440の開放端の内向き傾斜443との間の部分に接している。図9Aからわかるように、仮止め位置での摩擦接触によって、キャップ410および/またはボディ440の開放端は歪んでいてもよい。この歪みの度合は、ある程度、キャップ410とボディ440の剛性、およびキャップとボディ間の摩擦接触の度合に依る。
【0041】
仮止め位置では、キャップ410の第2の溝422とボディ440の間の干渉は、約5μmから約80μmの間、好ましくは約0μmから30μmの間、最も好ましくは約19μmである。従って、図9Aに示すような仮止め位置において、ボディ440からキャップ410を取り外すのに要する力は、好ましくは約5gから約55gの間、より好ましくは約5gから約40gの間、最も好ましくは約10gから約30gの間である(10パーツの測定からの平均値として)。
【0042】
図9Bに示す閉じた状態では、キャップ410の第2の溝422はボディ440の溝452の内部にあって、上記の態様のように、流体停止接合個所472を形成する。しかしながら、上記の態様と異なり、スナップ嵌合接合個所470は、キャップ410の溝420が歪むこと、および第1の溝452と内向き傾斜443の間のボディ440の部分によって歪められることによって形成される。この歪みの度合は、ある程度、キャップ410とボディ440の剛性、およびキャップとボディ間の摩擦接触の大きさに依る。しかし、一般的に、図9Bの閉じた状態において、ボディ440からキャップ410を取り外すのに要する力は、上記の態様よりも小さくてすむ。スナップ嵌合接合個所470が有するキャップ410とボディ440の間の干渉は、約−20μmから約80μm、より好ましくは約40μmである。
【0043】
図10A〜Bを参照すると、本発明に従ったさらにもう一つ別の態様であるカプセル500の横断面図が示される。図8A〜Bに示す態様と同様に、ボディ540は、3つの溝(第1の溝550、第2の溝552、および第3の溝554)を有する。しかしながら、
ボディ540の第2の溝552は、ボディ540の第1の溝550よりも高くかつ浅い。同様に、キャップの第2の溝522は、キャップ510の第1の溝520よりも高くかつ浅く、より重要なことは、ボディ540の第1の溝550よりも高くかつ浅いということである。その結果、図10Aの仮止め位置において、キャップ510の第2の溝522は、ボディ540の第1の溝550内で固定されない。これにより、仮止め位置におけるキャップ510とボディ540の間の接合がより緩くなる。より詳細には、仮止め位置において、キャップ510の第2の溝522とボディ540の間の干渉は、約5μmから約80μmの間、好ましくは約0μmから30μmの間、最も好ましくは約19μmである。従って、図10Aに示すような仮止め位置において、ボディ540からキャップ510を取り外すのに要する力は、好ましくは約5gから約55gの間、より好ましくは約5gから約40gの間、最も好ましくは約10gから約30gの間である(10パーツの測定からの平均値として)。
【0044】
図10Bは、カプセル500の閉じた状態を示す。上記のように、キャップ510の第1の溝520とボディ540の第1の溝550は類似の形状であり、またキャップ510の第2の溝522とボディ540の第2の溝552も同様である。このように、図9A〜Bとは異なり、キャップとボディの溝が一致する形状を有する図2、4、5、7および8A〜Bの態様と同様に、スナップ嵌合接合個所570および流体停止接合個所572が形成される。その結果、図10Bの閉じた状態において、ボディ540からキャップ510を取り外すのに要する力は、図9Bの態様のものよりも大きくなる。
【0045】
図11A〜Bは、本発明に従ったさらにもう一つ別の態様であるカプセル600の横断面図を示す。ボディ640は、2つの溝(第1の溝650および第2の溝652)を有する。しかしながら、上記の他の態様とは異なり、第2の溝652は、第1の深みを有する
第1部分652Aおよび第1の深みよりも浅い第2の深みを有する第2部分652Bを含む。第1部分652Aは、第2部分652Bよりもボディ640の開放端のより近くに位置する。
【0046】
図11Aは、キャップ610の第2の溝622がボディ640の第1の溝650内にある、仮止め位置のカプセル600を示す。図11Bは、閉じた状態のカプセル600を示し、ここでは、キャップ610の第1の溝620がボディ640の第1の溝650内にあって、スナップ嵌合接合個所670を形成し、かつ、キャップ610の第2の溝622がボディ640の第2の溝652内にあって、流体停止接合個所672を形成している。より詳細には、キャップ610の第2の溝622は、ボディ640の第2の溝652の第1部分652A内にある。このような配置において、第2部分652Bによって、キャップ610の開放端の真下に空隙が生じ、その中にある量の密封用流体(図示せず)を保持することができる。よって、カプセル600には、特に、密封用流体を用いたカプセル600の十分な密封処理を確実に行えるという利点がある。
【0047】
既知のカプセルでは、キャップおよび/またはボディの断面形状および/または肉厚を変化させることによって、キャップの開放端に隣接した領域でキャップとボディを接触させることができ、それにより、キャップの真下への密封用流体の侵入を防ぎ、完全な密封が得られる。第2部分652Bを有することによって、キャップ610の真下に密封用流体が入り込める空隙が設けられるため、十分な密封が保証される。
【0048】
キャップおよびボディの片方または両方の第1および第2の溝の配置を、多くのカプセル配置に適用することができるのは当然である。たとえば、参照により本明細書に組み込まれる、Bodenmannらの米国特許第4,893,721号には、キャップとボディがほぼ同一の長さを有し、それぞれの径がその長さよりも実質的に短い、不正操作防止カプセルについて記述されている。
【0049】
図12A〜Bは、このような態様に従ったカプセル700を示す。図12Aは、仮止め位置のキャップ710およびボディ740を示す。キャップ710は、ボディ740の長さL2とほぼ等しい長さL1を有する。同様に、L1およびL2のそれぞれは、キャップ710の径D1、およびボディ740の径D2よりも長い。上記のように、D2は必然的に、D1と等しいかまたはそれよりもわずかに短い。図12Bは、閉じた状態にあるカプセル700のキャップ710とボディ740を示しており、これによりL1とL2の長さが同様であることがより明確に見て取れる。
【0050】
本発明のいずれの態様においても、キャップおよびボディは、たとえば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルデンプン、およびプルランを含む当該分野で公知のさまざまな材料から形成することができる。プルランは特に好適な材料である。キャップおよびボディは、それぞれ複数の材料から構成することができ、かつ、それぞれが異なる材料または材料の組み合わせから構成されてもよい。
【0051】
上記のように、キャップおよびボディは、少なくとも部分的にキャップおよび/またはボディの一部を溶解および/または分解することができる密封用流体290(図2〜5B)を用いて、さらなる密封処理を施すことができる。このような溶解および/または分解が発生する場所としては、好ましくはキャップとボディの間の領域、最も好ましくはキャップの開放端212(図2)に隣接した領域である。キャップおよびボディの組成に基づいて、当該分野で公知のいかなる密封用流体も使用することができる。キャップおよび/またはボディがプルランを含む場合、好適な密封用流体としては、水およびアルコールのうちの少なくとも1つが挙げられる。特に好適な密封用流体としては、水およびエタノー
ルがある。図13に関して以下に述べるように、過剰量の密封用流体は、蒸発または吸引によって除去することができる。
【0052】
図13を参照すると、本発明の容器の充填および密封方法のフローチャートが示される。工程S1では、本発明の一態様に従った容器を、図7、8A、9A、10A、11A、および12Aに示すような仮止め位置に準備する。この容器は、上記の全ての態様を含む、さまざまな形状および形態をとってもよい。
【0053】
工程S2では、この容器を、キャップ210(図7)とボディ240(図7)が接触しない状態まで開放する。一旦開放し、工程S3において、ある物質を、キャップ210(図7)およびボディ240(図7)の片方または両方に加えることができる。本発明の容器は、個体に供給されるさまざまな物質、たとえば、調合薬、医薬、またはビタミンを収容するために用いることができる。この物質は、多くの形態、たとえば、粉末、液体、または固体の形態の中の1つまたは複数をとることができる。この物質は、ボディ240(図7)の方だけに加えることが好ましい。
【0054】
工程S4では、たとえば、図2に示すように、ボディ240をキャップ210に挿入することによって、この容器を閉じる。工程S5では、密封用流体290(図2)を、ボディとキャップの間の流体間隙260(図2)に適用する。密封用流体は、キャップおよびボディのうちの少なくとも1つを、少なくとも部分的に溶解および/または分解する。工程S6では、過剰量の密封用流体を必要に応じて除去する。このような除去操作は、たとえば、容器を吸引することによって行うことができる。最後に工程S7において、この容器を乾燥することにより残存する密封用流体を実質的に除去し、かつ、キャップおよびボディの少なくとも部分的に溶解および/または分解した部位を融合する。この乾燥工程としては、たとえば、容器の加熱を挙げることができる。乾燥工程において加熱を採用する場合、容器を約35℃から約55℃の間に加熱することが好ましい。
【0055】
もちろん、本発明の容器は、仮止め位置ではなくて開放状態で供給できることに留意すべきである。その場合、工程S2は不要となる。同様に、本発明の容器は、既にある物質がその中に収容されている閉じた状態で供給することもできる。その場合、工程S2からS4までが不要となる。
【0056】
本発明は、上記の特定の態様とともに記載されているが、多くの代替、修正および変更が行われ得ることは、当業者にとっては明らかである。従って、上記のような本発明の態様は、例証を意図したものであって、制限を意図したものではない。以下に示す請求の範囲に定められた本発明の精神および範囲から逸脱することがなければ、種々の変更を施すことも可能である。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、一部継続出願として、2006年7月13日に出願された同時係属の米国特許出願第11/485,686号の利益を主張するものであり、かつ本明細書中に組み込ま
れる2005年8月9日出願の米国仮特許出願第60/706604号の利益をも主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的には容器、より具体的には、調合薬、医薬、ビタミン類などの用量を個体に供給するために用いられるカプセルなどの容器に関する。
【背景技術】
【0003】
調合薬または他の粉末状、顆粒状もしくは液状の物質のための標準的な容器、いわゆる入れ子式のカプセルは、管状または円筒状の第1の部分、すなわちキャップ部を含み、このキャップ部の一端は閉じており、他端は開放されている。同様の形状であるが径が小さい、しっかりフィットする第2の部分は入れ子状にキャップ部に差し込むことができ、この第2の部分は主要部またはボディ部と呼ばれる。図1は、キャップ110およびボディ140を含む説明用の通常のカプセル100を示す。キャップ110は、開放端112および閉鎖端114を含む。同様に、ボディ140は開放端142および閉鎖端144を含む。ボディ140が部分的にキャップ110に差し込めるように、ボディ140の開放端142はキャップ110の開放端112よりも径がわずかに小さくなっている。キャップ110とボディ140の分離は、ボディ140の外表面および/またはキャップ110の対向する内表面の間の摩擦および/または種々の変更によって防止される。たとえば、参照のために本明細書中に組み込まれるDuynslagerらの米国特許第5,769,267号には、キャップ部およびボディ部上の対応する接続部およびキャップ部とボディの間の摩擦を大きくするためのキャップ部内表面の突起を有する2つの部品からなる入れ子式カプセルが開示される。
【0004】
通常、容器は、ボディ部のごく一部が入れ子式にキャップに差し込まれている「仮止め」状態で充填装置に供給される。2つの部品は充填装置内で引き離され、充填作業後に完全に閉められる。
【0005】
充填後の複合カプセルのさまざまな部分を固定するための種々の固定機構に加えて、各部分はこれに代わるあるいは追加の種々の方法で密封することができる。一般的に、そのような密封方法としては、液体のスプレーまたは液中へのカプセル部品の浸漬がある。そのような液体はそれ自身が接着および/または密封特性を備えていても良い。あるいは、そのような液体は結果的にカプセル部品の部分的な溶解または分解を引き起こす可能性があるが、それによりカプセル部品は液体が蒸発する際に融合または密封される。液体密封方法および溶液の実例については、Bodenmannらの米国特許第4,893,721号に開示されており、参照として本明細書に組入れることとする。選ばれる特定の液体は、ある程度カプセル部品の組成に依るが、たとえば水またはアルコールが挙げられる。
【0006】
カプセルは、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、プルランなどの種々の被膜剤から作ることができる。いくつかの欠陥、特にカプセル壁面における変形や微小割れは既知の装置で監視されてきた。変形は、過剰の密封用流体によるカプセル壁面の薄化および/または弱化に起因している可能性があり、この流体は必然的にカプセル壁面の材質を少なくとも部分的に溶解または分解する。
【0007】
微小割れは、一般的に小さな破損または裂け目の形状をとっており、ほとんどの場合、固定構造キャップの近く、すなわち、カプセルの開放を防ぐための摩擦を与えるキャップおよびボディの部分に発生する。微小割れは、局部的低乾燥損失(LOD)、すなわち、低水分による脆弱化が生じるカプセル部品にかかる応力に起因する。応力は、たとえば、カプセルの締め付けおよび/または加熱によるカプセルの内部圧力、またはカプセルボディをカプセルキャップに差し込むために必要な力によってカプセル部品自身に生じる応力に起因する。局部的低LODまたは脆弱性は、たとえば、キャップとボディの間隙において除湿剤として機能するアルコール蒸気の存在、またはカプセル材質の乾燥(これも密封用流体中のアルコールが原因となりうる)に起因する。
【0008】
プルランは、特にこれらの欠陥が生じやすいと見られてきた。少なくとも、プルランは室温の水にある程度溶解するという事実から、プルランカプセルは密封処理後の損傷の割合が通常時よりも高いということが経験的に知られている。ゼラチンは、水を加えると固体と液体の間の相中間体を形成し、その中では、ゼラチンの鎖状構造は元の状態のままである。それとは対照的に、プルランは、水を加えると固体から液体に転移する。その結果、プルランの強度は、局部的に密封部位付近で失われる。この場合、変形は普通に起こり、結果としてカプセルの湾曲、膨潤、または破壊をもたらす。損傷の例としては、密封不十分、変形などが挙げられる。結果として、現行のカプセルデザインは、プルラン素材の複合カプセルの液体密封にはうまく適していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,769,267号
【特許文献2】米国特許第4,893,721号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上より、通常のアルコール/水スプレーなどを用いて密封でき、かつ、液体密封処理によるカプセルの変形または損傷を受けない複合カプセルデザインの技術が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
容器、より具体的には、調合薬、医薬、ビタミン類などの用量を個体に供給するために用いられるカプセルなどの容器について開示する。1つの態様において、本発明は、キャップ;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を含んでなる容器であって、該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝がスナップ嵌合接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が流体停止接合個所を形成し、これにより密封用流体が該流体停止接合個所によって実質的に該流体間隙に制限される容器を含む。
【0012】
本発明の第1の側面は、キャップ;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を含んでなる容器であって、該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝が、密封用流体と接触していないことを特徴とするスナップ嵌合接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が流体停止接合個所を形成し、これにより密封用流体が該流体停止接合個所によって実質的に該流体間隙に制限される容器を提供する。
【0013】
本発明の第2の側面は、第1の溝および第2の溝を有するキャップ;該キャップの内側に摺動係合可能であり、第1の位置で該キャップの第1の溝と、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第2の溝、および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第3の溝を有する
ボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間の流体間隙を含んでなる容器を提供する。
【0014】
本発明の第3の側面は、第1の溝および第2の溝を有するキャップ;該キャップの内側に摺動係合可能であり、第1の位置で該キャップの第1の溝と、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝、第2の位置で該キャップの第2の溝と係合可能な第2の溝、および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第3の溝を有するボディ;該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙;および圧力放出溝を含んでなる容器であって、該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝がスナップ嵌合接合個所を形成し、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が、実質的に密封用流体を該流体間隙に制限するための流体停止接合個所を形成し、かつ該圧力放出溝が実質的に該スナップ嵌合接合個所内に設けられている容器を提供する。
【0015】
本発明の第4の側面は、第1の溝および第2の溝を有するキャップ;該キャップの内側に摺動係合可能であり、該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第2の溝を有するボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間の流体間隙を含んでなる容器であって、該キャップの第2の溝と、該ボディの開放端と該ボディの第1の溝との間の部分が第1の位置における仮止め接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第1の溝が、第2の位置において実質的に密封用流体を該流体間隙に制限するための流体停止接合個所を形成する容器を提供する。
【0016】
本発明の第5の側面は、キャップ;該キャップの内側に摺動係合可能なボディ;および該キャップと該キャップの一端に隣接した該ボディとの間に位置する流体間隙を有する容器を用意すること;該キャップの第1の溝と該ボディの第1の溝が接触し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第2の溝が接触するように該容器を閉じること;該流体間隙に密封用流体を適用すること;および該容器を乾燥することを含んでなる複合容器の密封方法を提供する。
【0017】
本発明の説明のための側面は、本明細書に記述されている問題点のみならず論じられていない他の問題点をも解決できるよう意図されており、このことは当業者によって発見されうる。
【0018】
本発明の態様を以下の図面を参照して詳細に説明する。なお、図面には縮尺を記入しておらず、同様の符号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のツーピースカプセル装置を示す。
【図2】本発明の一態様の部分断面図を示す。
【図3】図3A〜図3Dは本発明の種々の態様の断面図を示す。
【図4】本発明の別の態様の部分断面図を示す。
【図5】本発明の第2の別の態様の部分断面図を示す。
【図6A】本発明の第3および第4の別の態様の断面図を示す。
【図6B】本発明の第3および第4の別の態様の断面図を示す。
【図6C】本発明の第3および第4の別の態様の断面図を示す。
【図7】本発明の一態様の仮止め位置の部分断面図を示す。
【図8A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図8B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図9A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図9B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図10A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図10B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図11A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図11B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図12A】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図12B】本発明の別の態様の、仮止めおよび閉じた位置でのそれぞれの横断面図を示す。
【図13】本発明の容器の充填および密封方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2を参照すると、本発明を説明するための第1の態様が示される。容器200は、キャップ210とボディ240を含む。キャップ210およびボディ240は、それぞれ開放端212および242を含む。開放端212、242は、さまざまな断面形状をとることができ、たとえば、円形、卵形、六角形、または正方形が挙げられる。1つの好適な態様では、それぞれの開放端212、242の断面は円形である。開放端242の径は開放端212よりもわずかに小さく、それによりボディ240の少なくとも一部をキャップ210に挿入することができる。任意に、開放端242は、ボディ240のキャップ210への挿入を容易にするための内向きの傾斜243を含んでもよいが、このような特徴は必須ではない。
【0021】
キャップ210およびボディ240のそれぞれは、開放端212、242の反対側に、閉鎖端214、244を含む。開放端の断面形状に多少は左右されるが、閉鎖端はさまざまな形状をとることができ、たとえば、半球状またはピラミッド状が挙げられる。キャップ210およびボディ240の閉鎖端の形状は、同じでも異なっていてもよい。1つの好適な態様では、それぞれの閉鎖端の形状は半球状である。
【0022】
キャップ210およびボディ240の開放端と閉鎖端の間のいくつかの点における断面形状は、それらの開放端または閉鎖端のどちらかの断面形状と異なっていてもよい。すなわち、キャップ210および/またはボディ240の断面形状は、それらの開放端と閉鎖端の間で変化してもよい。しかしながら、ボディ240の少なくとも一部は最終的にはキャップ210に挿入されるので、どちらかの断面形状がその挿入を妨げるものであってはならない。
【0023】
カプセル200を組み立てた後、キャップ210とボディ240の分離を防止するために、容器200は、キャップ210とボディ240のそれぞれに、対応する溝220および250を含むスナップ嵌合接合個所270を有する。「対応する」とは、溝220および250が、1方が他方の上にかぶさるように係合する形状および寸法であることを意味する。しかしながら、溝220、250の形状または寸法は全く同一である必要はない。たとえば、溝220はV形状で、もう一方の溝250はU形状であってもよい。溝220、250のそれぞれは、片方または両方が不連続または分割されていてもよいが、キャップ210およびボディ240の周囲に沿って連続であることが好ましい。スナップ嵌合接
合個所270は、キャップ210とボディ240の間に、好ましくは約20μmから約60μmの間、より好ましくは約40μmの半径方向を向いた干渉・間隙271を有する。スナップ嵌合接合個所270は、完全に閉じた状態で、容器200の高さの好ましくは約1/6から約1/2の間、より好ましくは約1/5から約1/3の間の高さ(すなわち、容器200の軸方向の長さ)を持つ。たとえば、閉じたときの高さが約18mmである容器の寸法に関しては、スナップ嵌合接合個所272の高さは、約1mmから約5mmの間、より好ましくは約1.2mmから約2mmの間である。その他の寸法も可能である。
【0024】
少量の密封用流体290を流体間隙260に加えることで、キャップ210とボディ240の部分的な溶解または分解を起こし、その後、密封用流体290の蒸発および/または除去に伴って、キャップ210とボディ240を融合させることができる。従って、キャップ210とボディ240の融合によって、不正操作または不正開封を防止するように密封することができる(すなわち、このような融合後に容器200を開封するには、密封の破壊が必要となる)。流体間隙260の幅、すなわち、キャップ210の内表面とボディ240の外表面との間隙は、好ましくは約20μmから約120μmの間、より好ましくは約40μmである。流体間隙260の高さ(すなわち、容器200の軸方向の長さ)は、完全に閉じた状態で、容器200の高さの好ましくは約1/10から約1/3の間、より好ましくは約1/8から約2/9の間である。たとえば、閉じたときの高さが約18mmである容器200の寸法に関しては、流体間隙260は、好ましくは約2mmから約5mmの間、より好ましくは約3mmから約4mmの間の高さを持つ。その他の寸法も可能である。流体間隙260の容積は、既知の装置の類似部分よりも小さい。この容積がより小さいことによって、キャップ210とボディ240との間の密封用流体290の量をより少なくすることができ、それによって、容器200を密封した後に、キャップ210またはボディ240のいずれの変形の可能性をより少なくすることができる。流体間隙260の幅は実質的に均一であることが好ましい、すなわち、流体間隙260の長さに沿って、キャップ210とボディ240との間隔は均一であることが好ましい。このように、流体間隙260が均一であることにより、間隙がキャップ110(図1)の開放端112(図1)に近づくにつれて大きくなるような既知の装置の円錐形状の間隙の場合と比べて、キャップ210の開放端212における密封用流体290の量をより少なくすることができる。
【0025】
過剰量の密封用流体290の、キャップ210とボディ240との間の流体間隙260への流入、およびキャップ210とボディ240の片方または両方の弱化を防ぐために、容器200は、任意に、キャップ210とボディ240のそれぞれの対応する溝222および252を含む流体停止接合個所272をさらに有しても良い。溝222、252のそれぞれは、片方または両方が不連続または分割されていてもよいが、キャップ210およびボディ240の周囲に沿って連続であることが好ましい。流体停止接合個所272は、キャップ210とボディ240の間に、好ましくは約−20μmから約+10μmの間、より好ましくは約0μmの間隙273を有する。流体停止接合個所272の高さ(すなわち、容器200の軸方向の長さ)は、完全に閉じた状態で、容器200の高さの好ましくは約1/90から約1/9の間、より好ましくは約1/26から約1/20の間、最も好ましくは約1/21である。たとえば、閉じたときの高さが約18mmである容器の寸法に関しては、流体停止接合個所272の高さは、好ましくは約0.2mmから約3.5mmの間、より好ましくは約0.7mmから約0.9mmの間、最も好ましくは約0.86mmである。その他の寸法も可能である。
【0026】
特に好適な一態様においては、容器200は、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272の両方を有している。このような配置によって、既知の装置の応力による欠陥および脆弱性による欠陥(局部的低LODによる)を排除することができる。すなわち、容器200の同一部分に応力または脆弱化が生じるどころか、スナップ嵌合接合個所
270と流体停止接合個所272の両方を有するこの態様の容器200では、応力をスナップ嵌合接合個所270に制限し、かつ、密封用流体290(従って、アルコール蒸気)を流体間隙260に制限することによって、脆弱化を除去または低減する。さらに、このような配置を用いることにより、流体停止接合個所272が密封用流体290の毛管作用を抑制または停止し、結果として、キャップ210とボディ240の間の密封用流体290の量をより少なくすることができ、かつ、容器200の乾燥をより速く、より効率的に行うことができる。
【0027】
容器200は、ボディ240のキャップ210への挿入の際、容器200内のガスを逃がすために、ボディ240上に1つまたは複数の圧力放出溝280を任意にさらに有してもよい。一態様においては、圧力放出溝280は、ボディ240の表面内にくぼみを含む。圧力放出溝280は、さまざまな断面形状をとることができ、たとえば、卵形、円形が挙げられる。一態様においては、圧力放出溝280の断面は、卵形であることが好ましい。圧力放出溝280は、実質的にはスナップ嵌合接合個所270の領域内に位置し、流体停止接合個所272内には位置しないことが好ましい。このように配置をスナップ嵌合接合個所270および流体停止接合個所272と併用した場合、既知のカプセルにまさる特別な利点が得られる。既知の装置では、圧力放出溝は、カプセルが加熱される乾燥工程中に、ガスをカプセルから逃がす。この工程でのガスの排出は、密封部内にガス通路を形成し、完全な密封に欠陥を生じさせ、カプセル内容物の漏洩および/または密封不良を引き起こす。圧力放出溝280をスナップ嵌合接合個所270の領域内に制限し、かつ、流体停止接合個所272を有することにより、ガスは、容器200を閉じる時に容器内から逃げるが、容器200を一旦完全に閉じると、流体停止接合個所272によって逃げ出すことができなくなる。このように、ガスは乾燥工程時においても容器200から逃げ出さず、かつ、密封部位にガス通路(図示せず)は形成されない。この結果より、強度および完全性の向上した途切れることのない密封状態が得られる。
【0028】
さらに、ボディ240および/またはキャップ210の変形は、厚みを増やしたボディ240および/またはキャップ210を用いることによって防止または低減できることが見出されてきた。既知の容器は、一般的には約100μmの肉厚を持つキャップおよびボディを有する。約130μmの肉厚を持つキャップおよび/またはボディを用いることによって、容器の変形は著しく減少してきた。
【0029】
図3A〜Dは、異なる断面形状を有する、本発明の別の態様の種々の断面図を示す。キャップ210とボディ240の両方の形状は、図3Aでは円形、図3Bでは卵形、図3Cでは六角形、および図3Dでは正方形である。もちろん、キャップ210とボディ240は異なる断面形状を有してもよいが、異なる形状がボディ240のキャップ210への挿入を妨げてはならないことに留意すべきである。
【0030】
図4を参照すると、容器200が、ボディ240に追加の溝254をさらに有する、本発明の別の態様が示される。追加の溝254は、溝220、250または溝222、252と同様の寸法を有してもよく、かつ、キャップ210の開放端212に隣接して位置することが好ましい。この追加の溝254の位置によって、ボディ240とキャップ210の開放端212の間の入り口間隙262が形成される。入り口間隙262は、好ましくは約90μmから約200μmの間、より好ましくは約110μmから約150μm、最も好ましくは約140μmの幅(すなわち、ボディ240とキャップ210の間の空間)を持つ。追加の溝254を含むことにより、少なくとも3つの利点が得られる。第1に、入り口間隙262が、密封用流体290の毛管作用を改善し、密封用流体290を流体間隙260に引き寄せる。第2に、特に吸引を用いる場合には、入り口間隙262によって、過剰の密封用流体290をよりうまく除去することができる。第3に、容器200を加熱すると、密封用流体290は、既知の装置でよく見られるような開放端212の端に沿っ
て小滴を形成するのではなく、流体間隙260から押し出され、入り口間隙262内に保持される。既知の装置では、そのような小滴の形成はカプセルの変形をもたらす。
【0031】
図5に、本発明の容器200のさらにもう一つ別の態様を示す。これは、ボディ240をキャップ210に完全に挿入する際、開放端242がキャップ210の内表面に接触するように、ボディ240の開放端242を引き伸ばしたものである。開放端242は、さらに内向きの傾斜243を有してもよい。開放端242を引き伸ばすことによって、既知の設計にまさるいくつかの利点が得られる。第1に、容器200を加熱する際に容器内からガスが逃げ出すことにより生じる密封用流体290内でのガス通路の形成を低減または防止する。第2に、容器200を閉じた後に、内圧を実質的に下げる。
【0032】
図6A〜Bを参照すると、本発明における容器200のさらに別の二つの態様の部分断面図が示される。図6Aにおいて、ピラー216は、開放端212の近くのキャップ210の内表面211に包まれている。このピラー216は、キャップ210の内表面211に沿って連続でなく、内表面211に沿って一定間隔をあけて位置していることが好ましい。このような配置によって、図6Aの左側に「ピラー化領域」、および図6Aの右側に毛管路218が形成される。ピラー216は、キャップ210とボディ240の間の間隙261を著しく減少し、かつ、流体間隙260を開放端212から離れた場所に実質的に制限する。上記のように、流体間隙260の幅は、好ましくは約20μmから約120μmの間、より好ましくは約40μmである。しかしながら、ピラー216は、この幅を好ましくは約30μmの干渉と約5μmの間隙の間、より好ましくは約25μmの干渉に変える。このようなピラーを1つまたは複数含むことによって、既知の設計にまさるいくつかの利点が得られる。第1に、ピラー216によって、開放端212における密封用流体
290の全体量の減少をもたらし、溶解または分解の低減とその結果として開放端212における変形の低減をもたらす。第2に、ピラー216が位置する開放端212では、密封用流体290はほとんどまたは全く存在しない。第3に、ピラー216は、既知の設計において典型的に最も弱い位置である領域において、特にキャップ210の強度、一般的に容器200の強度を高める。第4に、ピラー216の間に形成された毛管路218が、密封用流体290の毛管作用を高めて、密封用流体を流体間隙260内に引き上げる。
【0033】
図6Bでは、ピラー216は、開放端212からさらに内側に位置している。この配置によって、図6Aに示す態様よりも多くの密封用流体290を開放端212の真下に保ちながら、上記の強度の増大が図れる。この配置は、たとえば、開放端212においてより高い強度が要求される場所で有益となりうる。ピラー216は、流体停止接合個所272(図2〜4)内のように、高強度、高摩擦、および/または低密封用流体量が要求される、キャップ210の内表面またはボディ240の外表面に沿った他の場所に同様に配置することができる。
【0034】
図6Cは、特に好適な態様の断面図を示す。これは、容器200が、キャップ210の内表面211に均等に配置された複数のピラー216を有し、均等に配置された複数の毛管路218を形成するものである。図に示すように、容器200は、均等に配置された6つのピラー216を有することが最も好ましい。それぞれのピラー216とボディ240の間の間隙261は、流体間隙260と比べて著しく減少している。1つまたは複数のピラー216は、同様にボディ240の外表面241にも配置することができるのは当然である。
【0035】
上記のように、カプセルは、多くの場合、仮止め状態で充填装置に供給され、そこでボディ部のごく一部がキャップ内に入れ子式に挿入される。図7は、この仮止め状態における、本発明の一態様を示す。特に、ボディ240は、ボディ240の溝250(この溝は、容器200が完全に閉じた時、キャップ210の溝222に対応する)がキャップ21
0の溝222と接触する位置までキャップ210内に入れ子式に挿入される。すなわち、仮止め位置まで挿入する時、最終的にスナップ嵌合接合個所270の部分を形成するボディ240の溝は、代わりに、流体停止接合個所272のキャップ210の要素である溝222の位置まで挿入されるだけである。もちろん、他の仮止め位置も可能である。たとえば、キャップ210の溝222が(溝250よりもむしろ)ボディ240の外表面と接触するように、ボディ240をキャップ210内に挿入することもできる。
【0036】
このような態様、すなわち、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272の両方を有するものでは、仮止め位置からキャップ210とボディ240を分離するために必要な力を、既知の装置と比べて減らすことができる。このように必要な力が小さいために、ある程度、上記の応力と流体停止機能を切り離して考えることができる。言い換えると,既知の装置では、典型的には、キャップとボディの固定と密封用流体の流出制限の両方を行うために、1つの接合個所を用いるが、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272の両方を有する本発明の態様では、これらの機能は分担される。その結果、スナップ嵌合接合個所270と流体停止接合個所272を形成する溝(すなわち、それぞれ220、250および222、252)の寸法は、図7に示す溝222と250の相互作用による接合が、図2〜4に示す溝220と250および/または溝222と252の相互作用に起因するものよりも、より緩くなるように調整することができる。この結果より、特に好適な一態様は、既知の装置と比べて、より低い仮止め力を有する容器200である。
【0037】
仮止め力は、本発明に従って、いくつかのキャップとボディの配置を用いることによって、同様に低下させることができる。たとえば、図8A〜Bは、本発明の別の一態様の、仮止めおよび閉止のそれぞれの形態におけるカプセル300の横断面図を示す。図8A〜Bでは、図4〜5の配置と同様に、ボディ340が3つの溝(第1の溝350、第2の溝
352、および第3の溝354)を有することを示している。しかしながら、第1の溝3
50は、図4〜5に示すものよりも高くかつ浅い。キャップ310は、第1の溝320および第2の溝322を有する。図8A〜Bに示すように、本質的なものではないが、キャップ310の第1の溝320の断面は実質的に三角形である。
【0038】
図8Aに示すように、ボディ340の第1の溝350の高さを上げて深さを下げると、
仮止め位置の時の、ボディ340の第1の溝350とキャップ310の第2の溝322の
間の接合がより緩くなる。より詳しく述べると、ボディ340とキャップ310の第2の溝322の間の干渉は、約−20μmから約50μmの間、好ましくは約−10μmから30μm、最も好ましくは約19μmである。従って、図8Aに示すような仮止め位置の時に、ボディ340からキャップ310を取り外すために必要な力は、好ましくは約5gから約55gの間、より好ましくは約5gから約40gの間、最も好ましくは約10gから約30gの間である(10パーツの測定からの平均値として)。
【0039】
図8Bには、容器300の閉じた状態が示されていて、キャップ310の第1の溝320とボディ340の第1の溝350がスナップ嵌合接合個所370を形成し、かつ、キャ
ップ310の第2の溝322とボディ340の第2の溝352が流体停止接合個所372を形成している。上記の別の態様において、スナップ嵌合接合個所370のキャップ310とボディ340の間の干渉は、約−20μmから約60μmの間、より好ましくは約40μmである。
【0040】
図9A〜Bは、本発明のもう一つ別の態様となるカプセル400の横断面図を示す。ここで、ボディ440は2つの溝452、454のみを有する。図8A〜Bと比べると、第1の溝350(図8A〜B)が取り除かれている。このように、図9Aの仮止め位置では
、上記の態様に示すように、キャップ410の第2の溝422は、溝の内部ではなく、溝
452とボディ440の開放端の内向き傾斜443との間の部分に接している。図9Aからわかるように、仮止め位置での摩擦接触によって、キャップ410および/またはボディ440の開放端は歪んでいてもよい。この歪みの度合は、ある程度、キャップ410とボディ440の剛性、およびキャップとボディ間の摩擦接触の度合に依る。
【0041】
仮止め位置では、キャップ410の第2の溝422とボディ440の間の干渉は、約5μmから約80μmの間、好ましくは約0μmから30μmの間、最も好ましくは約19μmである。従って、図9Aに示すような仮止め位置において、ボディ440からキャップ410を取り外すのに要する力は、好ましくは約5gから約55gの間、より好ましくは約5gから約40gの間、最も好ましくは約10gから約30gの間である(10パーツの測定からの平均値として)。
【0042】
図9Bに示す閉じた状態では、キャップ410の第2の溝422はボディ440の溝452の内部にあって、上記の態様のように、流体停止接合個所472を形成する。しかしながら、上記の態様と異なり、スナップ嵌合接合個所470は、キャップ410の溝420が歪むこと、および第1の溝452と内向き傾斜443の間のボディ440の部分によって歪められることによって形成される。この歪みの度合は、ある程度、キャップ410とボディ440の剛性、およびキャップとボディ間の摩擦接触の大きさに依る。しかし、一般的に、図9Bの閉じた状態において、ボディ440からキャップ410を取り外すのに要する力は、上記の態様よりも小さくてすむ。スナップ嵌合接合個所470が有するキャップ410とボディ440の間の干渉は、約−20μmから約80μm、より好ましくは約40μmである。
【0043】
図10A〜Bを参照すると、本発明に従ったさらにもう一つ別の態様であるカプセル500の横断面図が示される。図8A〜Bに示す態様と同様に、ボディ540は、3つの溝(第1の溝550、第2の溝552、および第3の溝554)を有する。しかしながら、
ボディ540の第2の溝552は、ボディ540の第1の溝550よりも高くかつ浅い。同様に、キャップの第2の溝522は、キャップ510の第1の溝520よりも高くかつ浅く、より重要なことは、ボディ540の第1の溝550よりも高くかつ浅いということである。その結果、図10Aの仮止め位置において、キャップ510の第2の溝522は、ボディ540の第1の溝550内で固定されない。これにより、仮止め位置におけるキャップ510とボディ540の間の接合がより緩くなる。より詳細には、仮止め位置において、キャップ510の第2の溝522とボディ540の間の干渉は、約5μmから約80μmの間、好ましくは約0μmから30μmの間、最も好ましくは約19μmである。従って、図10Aに示すような仮止め位置において、ボディ540からキャップ510を取り外すのに要する力は、好ましくは約5gから約55gの間、より好ましくは約5gから約40gの間、最も好ましくは約10gから約30gの間である(10パーツの測定からの平均値として)。
【0044】
図10Bは、カプセル500の閉じた状態を示す。上記のように、キャップ510の第1の溝520とボディ540の第1の溝550は類似の形状であり、またキャップ510の第2の溝522とボディ540の第2の溝552も同様である。このように、図9A〜Bとは異なり、キャップとボディの溝が一致する形状を有する図2、4、5、7および8A〜Bの態様と同様に、スナップ嵌合接合個所570および流体停止接合個所572が形成される。その結果、図10Bの閉じた状態において、ボディ540からキャップ510を取り外すのに要する力は、図9Bの態様のものよりも大きくなる。
【0045】
図11A〜Bは、本発明に従ったさらにもう一つ別の態様であるカプセル600の横断面図を示す。ボディ640は、2つの溝(第1の溝650および第2の溝652)を有する。しかしながら、上記の他の態様とは異なり、第2の溝652は、第1の深みを有する
第1部分652Aおよび第1の深みよりも浅い第2の深みを有する第2部分652Bを含む。第1部分652Aは、第2部分652Bよりもボディ640の開放端のより近くに位置する。
【0046】
図11Aは、キャップ610の第2の溝622がボディ640の第1の溝650内にある、仮止め位置のカプセル600を示す。図11Bは、閉じた状態のカプセル600を示し、ここでは、キャップ610の第1の溝620がボディ640の第1の溝650内にあって、スナップ嵌合接合個所670を形成し、かつ、キャップ610の第2の溝622がボディ640の第2の溝652内にあって、流体停止接合個所672を形成している。より詳細には、キャップ610の第2の溝622は、ボディ640の第2の溝652の第1部分652A内にある。このような配置において、第2部分652Bによって、キャップ610の開放端の真下に空隙が生じ、その中にある量の密封用流体(図示せず)を保持することができる。よって、カプセル600には、特に、密封用流体を用いたカプセル600の十分な密封処理を確実に行えるという利点がある。
【0047】
既知のカプセルでは、キャップおよび/またはボディの断面形状および/または肉厚を変化させることによって、キャップの開放端に隣接した領域でキャップとボディを接触させることができ、それにより、キャップの真下への密封用流体の侵入を防ぎ、完全な密封が得られる。第2部分652Bを有することによって、キャップ610の真下に密封用流体が入り込める空隙が設けられるため、十分な密封が保証される。
【0048】
キャップおよびボディの片方または両方の第1および第2の溝の配置を、多くのカプセル配置に適用することができるのは当然である。たとえば、参照により本明細書に組み込まれる、Bodenmannらの米国特許第4,893,721号には、キャップとボディがほぼ同一の長さを有し、それぞれの径がその長さよりも実質的に短い、不正操作防止カプセルについて記述されている。
【0049】
図12A〜Bは、このような態様に従ったカプセル700を示す。図12Aは、仮止め位置のキャップ710およびボディ740を示す。キャップ710は、ボディ740の長さL2とほぼ等しい長さL1を有する。同様に、L1およびL2のそれぞれは、キャップ710の径D1、およびボディ740の径D2よりも長い。上記のように、D2は必然的に、D1と等しいかまたはそれよりもわずかに短い。図12Bは、閉じた状態にあるカプセル700のキャップ710とボディ740を示しており、これによりL1とL2の長さが同様であることがより明確に見て取れる。
【0050】
本発明のいずれの態様においても、キャップおよびボディは、たとえば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルデンプン、およびプルランを含む当該分野で公知のさまざまな材料から形成することができる。プルランは特に好適な材料である。キャップおよびボディは、それぞれ複数の材料から構成することができ、かつ、それぞれが異なる材料または材料の組み合わせから構成されてもよい。
【0051】
上記のように、キャップおよびボディは、少なくとも部分的にキャップおよび/またはボディの一部を溶解および/または分解することができる密封用流体290(図2〜5B)を用いて、さらなる密封処理を施すことができる。このような溶解および/または分解が発生する場所としては、好ましくはキャップとボディの間の領域、最も好ましくはキャップの開放端212(図2)に隣接した領域である。キャップおよびボディの組成に基づいて、当該分野で公知のいかなる密封用流体も使用することができる。キャップおよび/またはボディがプルランを含む場合、好適な密封用流体としては、水およびアルコールのうちの少なくとも1つが挙げられる。特に好適な密封用流体としては、水およびエタノー
ルがある。図13に関して以下に述べるように、過剰量の密封用流体は、蒸発または吸引によって除去することができる。
【0052】
図13を参照すると、本発明の容器の充填および密封方法のフローチャートが示される。工程S1では、本発明の一態様に従った容器を、図7、8A、9A、10A、11A、および12Aに示すような仮止め位置に準備する。この容器は、上記の全ての態様を含む、さまざまな形状および形態をとってもよい。
【0053】
工程S2では、この容器を、キャップ210(図7)とボディ240(図7)が接触しない状態まで開放する。一旦開放し、工程S3において、ある物質を、キャップ210(図7)およびボディ240(図7)の片方または両方に加えることができる。本発明の容器は、個体に供給されるさまざまな物質、たとえば、調合薬、医薬、またはビタミンを収容するために用いることができる。この物質は、多くの形態、たとえば、粉末、液体、または固体の形態の中の1つまたは複数をとることができる。この物質は、ボディ240(図7)の方だけに加えることが好ましい。
【0054】
工程S4では、たとえば、図2に示すように、ボディ240をキャップ210に挿入することによって、この容器を閉じる。工程S5では、密封用流体290(図2)を、ボディとキャップの間の流体間隙260(図2)に適用する。密封用流体は、キャップおよびボディのうちの少なくとも1つを、少なくとも部分的に溶解および/または分解する。工程S6では、過剰量の密封用流体を必要に応じて除去する。このような除去操作は、たとえば、容器を吸引することによって行うことができる。最後に工程S7において、この容器を乾燥することにより残存する密封用流体を実質的に除去し、かつ、キャップおよびボディの少なくとも部分的に溶解および/または分解した部位を融合する。この乾燥工程としては、たとえば、容器の加熱を挙げることができる。乾燥工程において加熱を採用する場合、容器を約35℃から約55℃の間に加熱することが好ましい。
【0055】
もちろん、本発明の容器は、仮止め位置ではなくて開放状態で供給できることに留意すべきである。その場合、工程S2は不要となる。同様に、本発明の容器は、既にある物質がその中に収容されている閉じた状態で供給することもできる。その場合、工程S2からS4までが不要となる。
【0056】
本発明は、上記の特定の態様とともに記載されているが、多くの代替、修正および変更が行われ得ることは、当業者にとっては明らかである。従って、上記のような本発明の態様は、例証を意図したものであって、制限を意図したものではない。以下に示す請求の範囲に定められた本発明の精神および範囲から逸脱することがなければ、種々の変更を施すことも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の溝および第2の溝を有するキャップ;
該キャップの内側に摺動係合可能であり、該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第2の溝を有するボディ;および
該キャップと、該キャップの一端に隣接した該ボディとの間の流体間隙、を含んでなる容器であって、
該キャップの第2の溝と、該ボディの開放端と該ボディの第1の溝との間の部分とが、第1の位置における仮止め接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第1の溝が、第2の位置において実質的に密封用流体を該流体間隙に制限するための流体停止接合個所を形成する容器。
【請求項2】
該ボディの第1の溝と該キャップの第2の溝が仮止め接合個所を形成する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
該ボディから該キャップを取り外すのに要する力が約5gから約55gの間である、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
該ボディの第1の溝の高さが該キャップの第2の溝の高さよりも大きい、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
該ボディの第1の溝の深さが該キャップの第2の溝の深さよりも小さい、請求項2に記載の容器。
【請求項6】
該ボディの第2の溝の高さが該ボディの第1の溝の高さよりも大きい、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
該キャップの第2の溝の高さが該キャップの第1の溝の高さよりも大きい、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
該キャップの第2の溝と該ボディの第1の溝が仮止め接合個所を形成する、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
該ボディの第2の溝の高さが該キャップの第2の溝の高さよりも大きい、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
該ボディの第2の溝のうちの少なくとも1部分の深さが該キャップの第2の溝の深さよりも大きい、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
該ボディの第2の溝が、第1の深さを有する第1の部分および第2の深さを有する第2の部分を含み、該第1の深さが該第2の深さよりも大きい、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
該第1の部分が該第2の部分よりも該ボディの閉鎖端のより近くに位置する、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
該ボディの表面上にあり、かつ、実質的にスナップ嵌合接合個所の領域内に位置する圧力放出溝をさらに含んでなる、請求項1に記載の容器。
【請求項14】
該キャップの内表面および該ボディの外表面のうちの少なくとも一方の上に少なくとも1つのピラーをさらに含んでなる、請求項1に記載の容器。
【請求項15】
該少なくとも1つのピラーと該ボディの外表面との間に間隙および干渉のうちの1つをさらに含み、それが約5μmの間隙から約30μmの干渉の間である、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
該容器が、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルデンプン、およびプルランのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項1】
第1の溝および第2の溝を有するキャップ;
該キャップの内側に摺動係合可能であり、該キャップの第2の溝と係合可能な第1の溝および該キャップの開放端に隣接した入り口部の間隙を形成する第2の溝を有するボディ;および
該キャップと、該キャップの一端に隣接した該ボディとの間の流体間隙、を含んでなる容器であって、
該キャップの第2の溝と、該ボディの開放端と該ボディの第1の溝との間の部分とが、第1の位置における仮止め接合個所を形成し、かつ、該キャップの第2の溝と該ボディの第1の溝が、第2の位置において実質的に密封用流体を該流体間隙に制限するための流体停止接合個所を形成する容器。
【請求項2】
該ボディの第1の溝と該キャップの第2の溝が仮止め接合個所を形成する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
該ボディから該キャップを取り外すのに要する力が約5gから約55gの間である、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
該ボディの第1の溝の高さが該キャップの第2の溝の高さよりも大きい、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
該ボディの第1の溝の深さが該キャップの第2の溝の深さよりも小さい、請求項2に記載の容器。
【請求項6】
該ボディの第2の溝の高さが該ボディの第1の溝の高さよりも大きい、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
該キャップの第2の溝の高さが該キャップの第1の溝の高さよりも大きい、請求項6に記載の容器。
【請求項8】
該キャップの第2の溝と該ボディの第1の溝が仮止め接合個所を形成する、請求項7に記載の容器。
【請求項9】
該ボディの第2の溝の高さが該キャップの第2の溝の高さよりも大きい、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
該ボディの第2の溝のうちの少なくとも1部分の深さが該キャップの第2の溝の深さよりも大きい、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
該ボディの第2の溝が、第1の深さを有する第1の部分および第2の深さを有する第2の部分を含み、該第1の深さが該第2の深さよりも大きい、請求項10に記載の容器。
【請求項12】
該第1の部分が該第2の部分よりも該ボディの閉鎖端のより近くに位置する、請求項11に記載の容器。
【請求項13】
該ボディの表面上にあり、かつ、実質的にスナップ嵌合接合個所の領域内に位置する圧力放出溝をさらに含んでなる、請求項1に記載の容器。
【請求項14】
該キャップの内表面および該ボディの外表面のうちの少なくとも一方の上に少なくとも1つのピラーをさらに含んでなる、請求項1に記載の容器。
【請求項15】
該少なくとも1つのピラーと該ボディの外表面との間に間隙および干渉のうちの1つをさらに含み、それが約5μmの間隙から約30μmの干渉の間である、請求項14に記載の容器。
【請求項16】
該容器が、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルデンプン、およびプルランのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図6C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図6C】
【公開番号】特開2012−71141(P2012−71141A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229263(P2011−229263)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【分割の表示】特願2009−190251(P2009−190251)の分割
【原出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【分割の表示】特願2009−190251(P2009−190251)の分割
【原出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】
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