説明

容器

【課題】容器に機能付与材を有するシート体をインサート成形した場合であっても、機能付与材の剥がれや、該機能付与材の構成成分が液体等に溶出することを防止することができる容器を提供する。
【解決手段】成形材料12にて構成された本体部14と、該本体部14の一部に埋め込まれたシート体16とを有する容器10において、シート体16は、容器10に機能を付与する機能付与材18と、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある保護材20とを少なくとも有し、保護材20が本体部14の表面側に位置し、機能付与材18が本体部14の内方側に位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関し、例えばラベル等のシート体がインサート成形された容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、ラベル等のシート体をインサート成形した容器として、基材フイルムに少なくとも透明な紫外線遮断層、必要に応じて透明なガスバリア層及び成形容器の樹脂との熱接着樹脂層を積層したインモールドラベルを容器の側部、底部に設けた例が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
インサート成形は、金型内に挿入したシート体の周りに成形材料を注入してシート体と樹脂を一体化する成形方法であるが、シート体として、一方の面に印刷が施されたラベル(ラベル材)を用いるのが一般的である(例えば特許文献2〜4参照)。
【0004】
特許文献2記載の方法は、差圧成形金型の下雌金型のキャビティ内に、ラベルを、該ラベルの印刷面が金型のキャビティ面に接するように設置した後、金型吸引により金型内壁に固定し、次いで、容器成形材料樹脂のシートの溶融物を下雌金型の上方に導き、常法による差圧成形を行うことで、ラベルが容器外壁に一体に融着されたラベル貼合容器を得るようにしている。特に、ラベルとして、印刷が施された熱可塑性樹脂フイルムの裏面に、該フイルムの素材樹脂の融点より低い融点を有するヒートシール性樹脂層を設け、このヒートシール性樹脂層にエンボス加工を施したラベルを用いることで、ラベルと樹脂容器の融着をより強固にするようにしている。
【0005】
特許文献3記載の方法は、ラベルとして、印刷が施された熱可塑性樹脂フイルムと、中間層と、ヒートシール性樹脂層(エンボス加工が施されている)よりなる多層フイルムにて構成し、中間層が帯電防止剤を含有した樹脂組成物であるラベルを用いることで、ラベルと樹脂容器の融着をより強固にするようにすると共に、ラベル製造時のダイス先端のメヤニ(resin−like stain)やロール汚れを防止し、且つ、ラベルの印刷加工時の給排紙性や裁断時の紙揃いを良好とし、且つ、インモールド成形時のラベルの金型への挿入時のミスを減少させるようにしている。
【0006】
特許文献4記載の方法は、ラベルとして、印刷基材と、容器の熱可塑性樹脂表面に融着されるヒートシール層を有する延伸ポリプロピレンフイルムと、印刷基材と延伸ポリプロピレンフイルムとの間に介在されたガスバリア層とを有するラベルを用いることで、容器に対するラベルの位置を的確にし、以ってバリア性を確実にするようにしている。
【0007】
そして、特許文献2〜4によれば、成形金型内にシート体を挿入する場合に、印刷基材の印刷面を金型のキャビティ面に接するように挿入設置することになる。このとき、ヒートシール層は、成形材料が注入されるキャビティ側(成形材料側)に向くこととなる。その後、キャビティに成形材料を注入することで、表面にシート体が埋め込まれた容器が完成することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−105067号公報
【特許文献2】実公平5−22947号公報
【特許文献3】特開2002−113771号公報
【特許文献4】特開2006−150979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、成形材料にシート体をインサート成形して作製した容器は、シート体として、防湿性やガスバリア性を有するシート体を使用することで、防湿性やガスバリア性に優れた容器にすることが考えられる。
【0010】
この場合、シート体として、特許文献4記載のラベル、すなわち、印刷基材と、ガスバリア層と、ヒートシール層とを有するラベルを用い、特に、ガスバリア層として、酸素透過度及び水蒸気透過度が低いアルミ箔を用いることが考えられる。
【0011】
上述の特許文献2〜4の方法で、ラベルをインサート成形して容器を作製した場合、ラベルの部分は、容器の成形材料から外方に向かって、ヒートシール層、ガスバリア層、印刷基材という順番で積層された形態となる。従来では、特許文献2及び3にも示すように、ラベルと成形材料との密着性を向上させるために、成形材料に接するヒートシール層にエンボス加工を施すようにしている。
【0012】
しかしながら、ラベルは、上述のように、印刷基材、ガスバリア層及びヒートシール層が積層された積層体となっていることから、上面及び下面を除く側面において、ガスバリア層が露出することになる。
【0013】
従って、上述のラベルが埋設された容器を液体に入れた場合、あるいは容器に液体を入れた場合に、印刷基材とガスバリア層との界面や、ヒートシール層とガスバリア層との界面に液体が浸入して、ガスバリア層が剥がれたり、ガスバリア層の構成成分(アルミ成分等)が液体に溶出し、液体の性質を変質させるおそれがある。
【0014】
そこで、ガスバリア層及び印刷基材の周囲まで成形材料が到達するようにラベルを容器に埋め込むことが考えられるが、ガスバリア層及び印刷基材と成形材料との密着性が低いため、上述した界面に液体が浸入して、ガスバリア層が剥がれたり、ガスバリア層の構成成分(アルミ成分等)が液体に溶出するおそれがある。
【0015】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、容器に防湿性やガスバリア性等の各種機能を付与するための機能付与材を有するシート体をインサート成形した容器において、機能付与材の剥がれや、該機能付与材の構成成分が液体等に溶出することを防止することができる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[1] 第1の本発明に係る容器は、成形材料にて構成された本体部と、該本体部の一部に埋め込まれたシート体とを有する容器において、前記シート体は、前記容器に機能を付与する機能付与材と、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある保護材とを少なくとも有し、前記保護材が前記本体部の表面側に位置し、前記機能付与材が前記本体部の内方側に位置していることを特徴とする。
【0017】
これにより、前記保護材が前記本体部の表面側に位置し、前記機能付与材が前記本体部の内方側に位置することから、例えばインサート成形等によって容器を作製する場合、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある保護材の少なくとも成形材料との接触部分が軟化し、ほとんど隙間なく保護材と成形材料とが密着することとなる。この状態で、成形材料と、保護材の少なくとも成形材料との接触部分とが共に固化されることから、保護材と成形材料との密着性が向上することとなる。その結果、第1の本発明に係る容器は、機能付与層を有するシート体を本体部に埋め込んだ場合であっても、機能付与層の剥がれや、該機能付与層の構成成分が液体等に溶出することを防止することができる。
【0018】
なお、機能付与材によって付与される機能としては、酸素の透過を遮断したり、水蒸気の透過を遮断するガスバリア性、容器を機械的に補強する剛性や耐引き裂き性、機能美や装飾等の美観を含めた意匠性、広告媒体としての顧客吸引性、容器を電磁波等によって識別できる識別性、遮光や赤外線の遮断等を含む電磁波の遮断、光吸収等を含む電磁波の吸収、断熱性、遮音性等を含む。
【0019】
[2] 第1の本発明において、前記シート体の前記保護材は、さらに融点が前記成形材料の融点よりも低くてもよい。
【0020】
[3] 第1の本発明において、前記保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていてもよい。この場合、液体が入った別の容器に第1の本発明に係る容器を重ねる、あるいは入れたり、第1の本発明に係る容器内に液体を入れたとしても、機能付与材の剥がれや、該機能付与材の構成成分が液体に溶出することを防止することができる。
【0021】
[4] 第1の本発明において、前記シート体は、予め前記保護材の一主面に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていてもよい。この場合、例えばインサート成形等によって容器を作製する場合に、簡単にシート体を金型に設置することができ、工数の低減化に有効である。
【0022】
[5] 第1の本発明において、前記シート体は、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある第1保護材と、ガラス転移点が前記第1保護材のガラス転移点以上の第2保護材と、前記第1保護材と前記第2保護材との間に介在された前記機能付与材とを有し、前記第1保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記第1保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていてもよい。
【0023】
これにより、液体が入った別の容器に第1の本発明に係る容器を重ねる、あるいは入れたり、第1の本発明に係る容器内に液体を入れたとしても、機能付与材の剥がれや、該機能付与材の構成成分が液体に溶出することを防止することができる。また、例えばインサート成形等によって容器を作製する場合に、高温の成形材料から機能付与材を保護することができる。
【0024】
[6] この場合、前記シート体は、予め前記第1保護材と前記第2保護材との間に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていてもよい。この場合、シート体のハンドリングや金型への位置決めが容易であり、作業効率を高めることができる。
【0025】
[7] 第1の本発明において、前記シート体の側端面に沿って前記機能付与材の変形部が露出し、前記シート体は、前記機能付与材の変形部の先端が前記本体部の内方側に位置するように前記本体部に埋め込まれていてもよい。これにより、変形部の先端が露出することがなくなり、機能付与材の剥がれや、該機能付与材の構成成分が液体等に溶出することを防止することができる。
【0026】
[8] 第2の本発明に係る容器は、成形材料にて構成された本体部と、前記本体部の一部に埋め込まれたシート体とを有する容器において、前記シート体は、前記容器に機能を付与する機能付与材と、融点が前記成形材料の融点よりも低い保護材とを少なくとも有し、前記保護材が前記本体部の表面側に位置し、前記機能付与材が前記本体部の内方側に位置していることを特徴とする。
【0027】
これにより、前記保護材が前記本体部の表面側に位置し、前記機能付与材が前記本体部の内方側に位置することから、例えばインサート成形等によって容器を作製する場合、融点が成形材料の融点よりも低い保護材の少なくとも成形材料との接触部分が溶融し、ほとんど隙間なく保護材と成形材料とが密着することとなる。この状態で、成形材料と、保護材の少なくとも成形材料との接触部分とが共に固化されることから、保護材と成形材料との密着性が向上することとなる。その結果、第2の本発明に係る容器は、機能付与層を有するシート体を本体部に埋め込んだ場合であっても、機能付与層の剥がれや、該機能付与層の構成成分が液体等に溶出することを防止することができる。
【0028】
[9] 第2の本発明において、前記シート体の前記保護材は、さらにガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にあってもよい。
【0029】
[10] 第2の発明において、前記保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていてもよい。
【0030】
[11] 第2の発明において、前記シート体は、予め前記保護材の一主面に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていてもよい。
【0031】
[12] 第2の発明において、前記シート体は、融点が前記成形材料の融点よりも低い第1保護材と、融点が前記第1保護材の融点以上の第2保護材と、前記第1保護材と前記第2保護材との間に介在された前記機能付与材とを有し、前記第1保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記第1保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていてもよい。
【0032】
[13] この場合、前記シート体は、予め前記第1保護材と前記第2保護材との間に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていてもよい。
【0033】
[14] 第2の発明において、前記シート体の側端面に沿って前記機能付与材の変形端部が露出し、前記シート体は、前記機能付与材の変形端部の先端が前記本体部の内方側に位置するように前記本体部に埋め込まれていてもよい。
【0034】
[15] 第1及び第2の本発明において、前記本体部で囲まれた部分の積層方向の長さが30μm以上、好ましくは60μm以上であってもよい。
【0035】
[16] 第1及び第2の本発明において、前記シート体は面取り加工された角部を有するようにしてもよい。
【0036】
[17] この場合、面取りされた1つの前記角部のうち、前記保護材の角部と前記本体部との接触面積が45×10−3(mm)以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明に係る容器によれば、容器に防湿性やガスバリア性等の各種機能を付与するための機能付与材を有するシート体をインサート成形した場合であっても、機能付与材の剥がれや、該機能付与材の構成成分が液体等に溶出することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1Aは容器の1つの構成例を示す断面図であり、図1Bは容器の他の構成例を示す断面図である。
【図2】図2Aは容器の1つの使用例を示す断面図であり、図2Bは容器の他の使用例を示す断面図である。
【図3】図3Aは第1容器の構成例を示す断面図であり、図3Bは第2容器の構成例を示す断面図である。
【図4】図4Aは第3容器の構成例を示す断面図であり、図4Bは第4容器の構成例を示す断面図である。
【図5】本実施の形態に係る容器の製造方法(射出成形方法)を示すフローチャートである。
【図6】図6A〜図6Dは本実施の形態に係る容器の製造方法(射出成形方法)を示す工程図である。
【図7】図7Aは第1容器に使用される第1積層体(2層構造)を示す断面図であり、図7Bは第1積層体の第1金型への設置過程を示すフローチャートであり、図7Cは第1積層体を第1金型に設置した状態を示す工程図である。
【図8】図8Aは第2容器に使用される第2積層体(3層構造)を示す断面図であり、図8Bは第2積層体の第1金型への設置過程を示すフローチャートであり、図8Cは第2積層体を第1金型に設置した状態を示す工程図である。
【図9】図9Aは第3容器に使用される第3積層体(2層構造)を示す断面図であり、図9Bは第3積層体の第1金型への設置過程を示すフローチャートであり、図9Cは第3積層体を第1金型に設置した状態を示す工程図である。
【図10】図10Aは第4容器に使用される第4積層体(3層構造)を示す断面図であり、図10Bは第4積層体の第1金型への設置過程を示すフローチャートであり、図10Cは第4積層体を第1金型に設置した状態を示す工程図である。
【図11】第1保護材(第3保護材)の側端面のうち、成形材料(本体部)で囲まれた部分の積層方向の長さを説明するための図である。
【図12】図12A〜図12Dは第1金型のキャビティ面の第1形態〜第4形態とシート体の設置位置を示す断面図である。
【図13】図13Aは第2形態の第1金型(図12B参照)を用いて成形材料を射出成形して作製した容器を示す断面図であり、図13Bは第3形態の第1金型(図12C参照)を用いて成形材料を射出成形して作製した容器を示す断面図であり、図13Cは第4形態の第1金型(図12D参照)を用いて成形材料を射出成形して作製した容器を示す断面図である。
【図14】図14A及び図14Bは面取りによってR面とされた角部を有するシート体を一部省略して示す斜視図及び平面図である。
【図15】図15A及び図15Bは面取りによってC面とされた角部を有するシート体を一部省略して示す斜視図及び平面図である。
【図16】図16Aは周縁部が一方向に反った形状のシート体を第1金型に設置した状態を示す工程図であり、図16Bはキャビティ内に成形材料を注入した状態を示す工程図である。
【図17】図17Aは周縁部が一方向に反った形状のシート体を本実施の形態とは逆の方向に設置して射出成形することにより作製された容器を示す断面図であり、図17Bは図16A及び図16Bに示す射出成形によって作製された容器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る容器の実施の形態例を図1A〜図17Bを参照しながら説明する。なお、本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
【0040】
先ず、本実施の形態に係る容器10の一例について図1A〜図2Bを参照しながら説明する。
【0041】
この容器10は、成形材料12にて構成された本体部14と、本体部14の一部に埋め込まれたシート体16とを有する。
【0042】
シート体16は、容器10に機能を付与する機能付与材18と、該機能付与材18に積層された保護材20とを少なくとも有する。図1A〜図2Bでは、シート体16として、代表的に、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある第1保護材20aと、ガラス転移点が第1保護材20aのガラス転移点以上の第2保護材20bと、第1保護材20aと第2保護材20bとの間に介在された機能付与材18とを有するシート体、あるいは、融点が成形材料12の融点よりも低い第3保護材20cと、融点が第3保護材20cの融点以上の第4保護材20dと、第3保護材20cと第4保護材20dとの間に介在された機能付与材18とを有するシート体を使用した場合を示す。
【0043】
すなわち、容器10は、保護材20の表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16が成形材料12に埋め込まれ、保護材20の側端面が成形材料12にて囲まれた形態を有する。
【0044】
機能付与材18によって容器10に付与される機能としては、酸素の透過を遮断したり、水蒸気の透過を遮断するガスバリア性、容器を機械的に補強する剛性や耐引き裂き性、機能美や装飾等の美観を含めた意匠性、広告媒体としての顧客吸引性、容器を電磁波等によって識別できる識別性、遮光や赤外線の遮断等を含む電磁波の遮断、光吸収等を含む電磁波の吸収、断熱性、遮音性等を含む。
【0045】
そして、シート体16の埋め込み箇所としては、例えば図1Aに示すように、容器10の底部側の下面(底面)や、図1Bに示すように、容器10の底部の上面等が挙げられる。容器10の使用例としては、例えば図2Aに示すように、液体22が入った別の容器24に本実施の形態に係る容器10を重ねる、あるいは入れたり、図2Bに示すように、本実施の形態に係る容器10内に液体22を入れる等が挙げられる。
【0046】
ここで、容器10の種々の形態について図3A〜図4Bを参照しながら説明する。
【0047】
先ず、第1の形態に係る容器(以下、第1容器10Aと記す)は、図3Aに示すように、本体部14の一部に第1積層体50Aにて構成されたシート体16が埋め込まれて構成されている。第1積層体50Aは、機能付与材18と、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある第1保護材20aとを有する。そして、第1容器10Aは、第1保護材20aの表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16(第1積層体50A)が本体部14に埋め込まれ、第1保護材20aの側端面が本体部14にて囲まれた形態となっている。
【0048】
第2の形態に係る容器(以下、第2容器10Bと記す)は、図3Bに示すように、本体部14の一部に第2積層体50Bにて構成されたシート体16が埋め込まれて構成されている。第2積層体50Bは、機能付与材18と、第1保護材20aと、ガラス転移点が第1保護材20aのガラス転移点以上の第2保護材20bとを有する。そして、第2容器10Bは、第1保護材20aの表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16(第2積層体50B)が本体部14に埋め込まれ、第1保護材20aの側端面が本体部14にて囲まれた形態となっている。
【0049】
第3の形態に係る容器(以下、第3容器10Cと記す)は、図4Aに示すように、本体部14の一部に第3積層体50Cにて構成されたシート体16が埋め込まれて構成されている。第3積層体50Cは、機能付与材18と、融点が成形材料12の融点よりも低い第3保護材20cとを有する。そして、第3容器10Cは、第3保護材20cの表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16(第3積層体50C)が本体部14に埋め込まれ、第3保護材20cの側端面が本体部14にて囲まれた形態となっている。
【0050】
第4の形態に係る容器(以下、第4容器10Dと記す)は、図4Bに示すように、本体部14の一部に第4積層体50Dにて構成されたシート体16が埋め込まれて構成されている。第4積層体50Dは、機能付与材18と、第3保護材20cと、融点が第3保護材20cの融点以上の第4保護材20dとを有する。そして、第4容器10Dは、第3保護材20cの表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16(第4積層体50D)が本体部14に埋め込まれ、第3保護材20cの側端面が本体部14にて囲まれた形態となっている。
【0051】
次に、本実施の形態に係る容器10の製造方法、特に、射出成形による製造方法について図5〜図10Cを参照しながら説明する。
【0052】
先ず、図5のステップS1において、図6Aに示すように、第1金型30(可動型又は固定型)のキャビティ面32にシート体16を設置する。第1金型30のキャビティ面32へのシート体16の位置決めは、第1金型30に設けられた複数の吸引孔34を通じてシート体16を吸引保持する機構を好ましく採用することができる。
【0053】
その後、図5のステップS2において、図6Bに示すように、第1金型30と、成形材料12の注入部36を有する第2金型38(固定型又は可動型)とを型閉めしてキャビティ40を形成する。第2金型38は、第1金型30が可動型であれば固定型であり、第1金型30が固定型であれば可動型である。
【0054】
その後、図5のステップS3において、図6Cに示すように、第2金型38の注入部36を通じてキャビティ40内に成形材料12を注入する。このとき、成形材料12は温度が例えば170℃〜220℃で射出されて、キャビティ40内に注入されることになる。
【0055】
その後、図5のステップS4において、図6Dに示すように、成形材料12の固化及び型開きを経て射出成形による容器10が完成する。
【0056】
以下、上述した第1容器10A〜第4容器10Dの製造方法について具体的に説明する。
【0057】
[第1容器の製造方法]
先ず、図7Aに示すように、予め第1保護材20aの一主面に機能付与材18が形成(ラミネートを含む)された第1積層体50Aを用意し、図7BのステップS1−aにおいて、図7Cに示すように、第1金型30のキャビティ面32に第1保護材20aを対向させて第1積層体50Aを第1金型30に設置する。
【0058】
その後、上述した図5のステップS2以降の処理を行うことによって、図3Aに示す第1容器10Aが完成する。
【0059】
[第2容器の製造方法]
先ず、図8Aに示すように、予め第1保護材20aと第2保護材20bとの間に機能付与材18が形成(ラミネートを含む)された第2積層体50Bを用意し、図8BのステップS1−bにおいて、図8Cに示すように、第1金型30のキャビティ面32に第1保護材20aを対向させて第2積層体50Bを第1金型30に設置する。なお、第2積層体50Bは、上面及び下面を除く側面において、機能付与材18の側面が露出した状態となっている。
【0060】
その後、上述した図5のステップS2以降の処理を行うことによって、図3Bに示す第2容器10Bが完成する。
【0061】
[第1容器及び第2容器の効果]
上述した第1容器10A及び第2容器10Bでは、図3A及び図3Bに示すように、第1保護材20aの表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16が成形材料12(本体部14)に埋め込まれ、第1保護材20aの側端面が成形材料12(本体部14)にて囲まれた形態を有することとなる。特に、第1保護材20aは、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にあることから、温度が例えば170℃〜220℃で射出された成形材料12がキャビティ40内に注入された際に、第1保護材20aの少なくとも成形材料12との接触部分が軟化し、ほとんど隙間なく第1保護材20aと成形材料12とが密着することとなる。この状態で、成形材料12と、第1保護材20aの少なくとも成形材料12との接触部分とが共に固化されることから、第1保護材20aと成形材料12との密着性が向上することとなる。しかも、第1容器10Aでは、機能付与材18が第1保護材20aと成形材料12とで挟まれ、且つ、機能付与材18の側端面が成形材料12で囲まれた状態となり、第2容器10Bでは、機能付与材18が第1保護材20aと第2保護材20bとで挟まれ、且つ、機能付与材18の側端面が成形材料12で囲まれた状態となるため、例えば図2Aに示すように、液体22が入った別の容器24に容器10(第1容器10A又は第2容器10B)を重ねる、あるいは入れたり、図2Bに示すように、容器10(第1容器10A又は第2容器10B)内に液体22を入れたとしても、機能付与材18の剥がれや、該機能付与材18の構成成分が液体22に溶出することを防止することができる。
【0062】
第2容器10Bでは、機能付与材18を第1保護材20aと第2保護材20bとで挟む形態としているため、成形材料12の射出成形の際に、高温の成形材料12から機能付与材18を保護することができる。特に、シート体16として、予め第1保護材20aと第2保護材20bとの間に機能付与材18が形成(ラミネートを含む)された第2積層体50Bを使用するようにしたので、シート体16のハンドリングや第1金型30への位置決めが容易であり、作業効率を高めることができる。
【0063】
[第3容器の製造方法]
先ず、図9Aに示すように、予め第3保護材20cの一主面に機能付与材18が形成(ラミネートを含む)された第3積層体50Cを用意し、図9BのステップS1−cにおいて、図9Cに示すように、第1金型30のキャビティ面32に第3保護材20cを対向させて第3積層体50Cを第1金型30に設置する。
【0064】
その後、上述した図5のステップS2以降の処理を行うことによって、図4Aに示す第3容器10Cが完成する。
【0065】
[第4容器の製造方法]
先ず、図10Aに示すように、予め第3保護材20cと第4保護材20dとの間に機能付与材18が形成(ラミネートを含む)された第4積層体50Dを用意し、図10BのステップS1−dにおいて、図10Cに示すように、第1金型30のキャビティ面32に第3保護材20cを対向させて第4積層体50Dを第1金型30に設置する。
【0066】
その後、上述した図5のステップS2以降の処理を行うことによって、図4Bに示す第4容器10Dが完成する。
【0067】
[第3容器及び第4容器の効果]
上述した第3容器10C及び第4容器10Dでは、図4A及び図4Bに示すように、第3保護材20cの表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16が成形材料12に埋め込まれ、第3保護材20cの側端面が成形材料12にて囲まれた形態を有することとなる。特に、第3保護材20cは、融点が成形材料12の融点よりも低いことから、温度が例えば170℃〜220℃で射出された成形材料12がキャビティ40内に注入された際に、第3保護材20cの少なくとも成形材料12との接触部分が溶融し、ほとんど隙間なく第3保護材20cと成形材料12とが密着することとなる。この状態で、成形材料12と、第3保護材20cの少なくとも成形材料12との接触部分とが共に固化されることから、第3保護材20cと成形材料12との密着性が向上することとなる。しかも、第3容器10Cでは、機能付与材18が第3保護材20cと成形材料12とで挟まれ、且つ、機能付与材18の側端面が成形材料12で囲まれた状態となり、第4容器10Dでは、機能付与材18が第3保護材20cと第4保護材20dとで挟まれ、且つ、機能付与材18の側端面が成形材料12で囲まれた状態となるため、例えば図2Aに示すように、液体22が入った別の容器24に容器10(第3容器10C又は第4容器10D)を重ねる、あるいは入れたり、図2Bに示すように、容器10(第3容器10C又は第4容器10D)内に液体22を入れたとしても、機能付与材18の剥がれや、該機能付与材18の構成成分が液体22に溶出することを防止することができる。
【0068】
第4容器10Dでは、機能付与材18を第3保護材20cと第4保護材20dとで挟む形態としているため、成形材料12の射出成形の際に、高温の成形材料12から機能付与材18を保護することができる。特に、シート体16として、予め第3保護材20cと第4保護材20dとの間に機能付与材18が形成(ラミネートを含む)された第4積層体50Dを使用するようにしたので、シート体16のハンドリングや第1金型30への位置決めが容易であり、作業効率を高めることができる。
【0069】
[構成材料の内訳]
ここで、シート体16を構成する第1保護材20a、第2保護材20b、第3保護材20c、第4保護材20d、機能付与材18並びに成形材料12について説明する。
【0070】
<第1保護材>
第1保護材20aとしては、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある熱可塑性樹脂のフイルム等を使用することができる。例えばポリプロピレンは、ガラス転移点が0℃付近であるが、フイルム状に加工された例えばCPP(無軸延伸ポリプロピレン)フイルムは、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲となる。
【0071】
つまり、第1保護材20aとしては、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある材料、あるいは、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にない材料であっても、加工や他の材料との重合等によってガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にあれば加工や重合後の材料(フイルム等)を含む。
【0072】
<第2保護材>
第2保護材20bとしては、ガラス転移点が第1保護材20aのガラス転移点以上にある熱可塑性樹脂のフイルム等を使用することができる。例えばポリプロピレンは、ガラス転移点が0℃付近であるが、フイルム状に加工された例えばOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フイルムは、ガラス転移点が140℃よりも高い温度となる。
【0073】
つまり、第2保護材20bにおいても、ガラス転移点が第1保護材20aのガラス転移点以上にある材料、あるいは、ガラス転移点が第1保護材20aのガラス転移点以上にない材料であっても、加工や他の材料との重合等によってガラス転移点が第1保護材20aのガラス転移点以上にあれば、加工や重合後の材料(フイルム等)を含む。
【0074】
<第3保護材>
第3保護材20cとしては、融点が成形材料12の融点よりも低い熱可塑性樹脂のフイルム等を使用することができる。例えば成形材料としてポリプロピレンを用いた場合、融点は170℃付近であるが、フイルム状に加工された例えばCPPフイルムは、融点が135℃〜165℃の範囲となる。
【0075】
つまり、第3保護材20cとしては、融点が成形材料12の融点よりも低い材料、あるいは、融点が成形材料12の融点よりも高い材料であっても、加工や他の材料との重合等によって融点が成形材料12の融点よりも低くなれば、加工や重合後の材料(フイルム等)を含む。
【0076】
<第4保護材>
第4保護材20dとしては、融点が第3保護材20cの融点以上である熱可塑性樹脂のフイルム等を使用することができる。例えば成形材料としてポリプロピレンを用いた場合、上述したように、融点は170℃付近であるが、フイルム状に加工された例えばOPPフイルムは、融点が165℃である。
【0077】
つまり、第4保護材20dにおいても、融点が第3保護材20cの融点以上の材料、あるいは、融点が第3保護材20cの融点よりも低い材料であっても、加工や他の材料との重合等によって融点が第3保護材20cの融点以上になれば、加工や重合後の材料(フイルム等)を含む。
【0078】
<機能付与材>
機能付与材18としては、容器10にガスバリア性を付与する場合は、酸素透過度及び水蒸気透過度の低い材料が好ましく採用される。例えば酸化珪素が蒸着されたポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、アルミ箔、アルミ蒸着膜等が好ましく採用され、本実施の形態では、アルミ箔やアルミ蒸着膜を好ましく使用することができる。アルミ箔やアルミ蒸着膜等は遮光性を付与することもできる。
【0079】
また、機能付与材18としては、容器10に剛性や耐引き裂き性を付与する場合は、炭素繊維シートを好ましく使用することができ、意匠性や広告媒体としての顧客吸引性を付与する場合は、印刷されたフイルムシートを好ましく使用することができる。容器10に識別性を付与する場合は、電子回路(RFIDを含むICチップ等)を好ましく使用することができ、電磁波の遮断性を付与する場合は、金属膜がスパッタ法にて形成されたフイルムを好ましく使用することができ、光吸収性を付与する場合は、例えばカーボンナノチューブ製の光吸収材を好ましく使用することができ、断熱性を付与する場合は、例えばアクリル系樹脂等による断熱フイルムを好ましく使用することができ、遮音性を付与する場合は、例えば金属粉を混入させた樹脂フイルムを好ましく使用することができる。
【0080】
もちろん、これらの材料を組み合わせて使用することで、様々な機能を付与するようにしてもよい。
【0081】
<第1積層体〜第4積層体>
例えば第1容器10Aで使用される第1積層体50Aとして、第1保護材20aにアルミ箔がラミネートされた、あるいは第1保護材20aにアルミ蒸着膜が形成されたフイルムを使用することができる。また、第2容器10Bで使用される第2積層体50Bとして、第2保護材20bの一主面にアルミ箔がラミネートされ、さらにアルミ箔に第1保護材20aがラミネートされたフイルムや、第2保護材20bの一主面にアルミ蒸着膜が形成され、さらにアルミ蒸着膜に第1保護材20aがラミネートされたフイルム等を使用することができる。
【0082】
同様に、第3容器10Cで使用される第3積層体50Cとして、第3保護材20cにアルミ箔がラミネートされた、あるいは第3保護材20cにアルミ蒸着膜が形成されたフイルムを使用することができる。また、第4容器10Dで使用される第4積層体50Dとして、第4保護材20dの一主面にアルミ箔がラミネートされ、さらにアルミ箔に第3保護材20cがラミネートされたフイルムや、第4保護材20dの一主面にアルミ蒸着膜が形成され、さらにアルミ蒸着膜に第3保護材20cがラミネートされたフイルム等を使用することができる。
【0083】
なお、第1保護材20a及び第3保護材20cの表面を保護するために、第1保護材20a及び第3保護材20cの表面にさらに保護膜を形成するようにしてもよい。これにより、第1保護材20a及び第3保護材20cへの傷つきや変形等を防止することができる。
【0084】
また、第1保護材20a及び第3保護材20cは、透明でもよいし、半透明でもよい。もちろん、着色されていてもよい。容器10に美観を施すための化粧面として機能させてもよい。また、容器10の内容物や使用例が表示された印刷が施されていてもよい。
【0085】
[さらに好ましい態様]
上述した容器10において、さらに好ましい態様を図11〜図15Bを参照しながら説明する。
【0086】
好ましい第1の態様は、作製される容器10が以下の条件となるようにする。
【0087】
具体的には、図11に示すように、第1保護材20a(第3保護材20c)の表面の一部又は全部が露出した状態でシート体16が成形材料12に埋め込まれ、第1保護材20a(第3保護材20c)の側端面52が成形材料12にて囲まれ、第1保護材20a(第3保護材20c)の側端面52のうち、成形材料12で囲まれた部分の積層方向の長さtが30μm以上、好ましくは60μm以上である。
【0088】
この場合、第1金型30のキャビティ面32としては、図12A〜図12Dに示すような形態が考えられる。
【0089】
すなわち、図12Aに示すように、第1金型30のキャビティ面32のうち、シート体16が設置される第1面32aよりもその周りの環状の第2面32bが図示しない第2金型側に突出している第1形態と、図12Bに示すように、第1金型30のキャビティ面32の第1面32aと第2面32bとが面一となっている第2形態と、図12Cに示すように、第1金型30のキャビティ面32のうち、第1面32aが第2面32bよりも図示しない第2金型側に突出している第3形態と、図12Dに示すように、第1金型30のキャビティ面32のうち、第1面32aが第2面32bよりも第2金型側に突出し、且つ、第1面32aの大きさ(縦サイズ及び横サイズ)がシート体16の大きさ(縦サイズ及び横サイズ)より小さい第4形態とがある。
【0090】
そして、上述した第1形態〜第4形態の第1金型30を用いて成形材料12を射出成形すると、図12Aに示す第1形態では、第2面32bの第2金型側への突出量に応じて、図11に示すように、シート体16を囲む成形材料12の端面12aの位置が、図11において、二点鎖線で示すように、機能付与材18に対応した位置であったり、実線で示すように、第1保護材20a(第3保護材20c)に対応した位置であったりする。従って、上述の好ましい第1の態様を満足するには、シート体16を囲む成形材料12の端面12aの位置が、第1保護材20a(第3保護材20c)に対応した位置であって、且つ、第1保護材20a(第3保護材20c)の側端面52のうち、成形材料12(本体部14)で囲まれた部分の積層方向の長さtが30μm以上、好ましくは60μm以上となるように、キャビティ面32の第2面32bの突出量(第2金型側への突出量)を調整する。
【0091】
一方、図12Bに示す第2形態では、図13Aに示すように、シート体16を囲む成形材料12の端面12aの位置が、第1保護材20a(第3保護材20c)の表面54(機能付与材18側の端面とは反対の面)の位置とほぼ一致あるいは一致した位置となる。図12Cに示す第3形態では、図13Bに示すように、シート体16を囲む成形材料12の端面12aの位置が、第1保護材20a(第3保護材20c)の表面54の位置よりも外方に突出(第1保護材20a(第3保護材20c)の表面54の法線方向に沿って外方に突出)した位置となる。図12Dに示す第4形態では、図13Cに示すように、シート体16を囲む成形材料12の端面12aの位置が第1保護材20a(第3保護材20c)の表面54の位置よりも外方に突出し、且つ、成形材料12の一部が第1保護材20a(第3保護材20c)の表面54の外周部分を覆った状態(いわゆる額縁形状55)となる。額縁形状55を形成することで、実質的に液体の浸入経路を長くすることが可能となり、液体が機能付与材18に接触することをさらに確実に防止することができる。
【0092】
これら第2形態〜第4形態では、第1保護材20a(第3保護材20c)の側端面52のうち、成形材料12(本体部14)で囲まれた部分の積層方向の長さtは、第1保護材20a(第3保護材20c)の厚みと同等となる。従って、第2形態〜第4形態を採用する場合は、厚みが30μm以上、好ましくは60μm以上の第1保護材20a(第3保護材20c)を使用することが好ましい。
【0093】
次に、好ましい第2の態様は、図14A及び図15Aに示すように、面取り加工が施された角部56を有するシート体16を使用することである。面取り加工が施された角部56としては、図14A及び図14Bに示すように、曲率半径r(mm)のR面56aとしてもよいし、図15BA及び図15Bに示すように、切り落とし長さL(mm)のC面56bとしてもよい。
【0094】
この好ましい第2の態様においては、容器10が以下の条件となるように、少なくとも面取り加工を調整したり、第1金型30のキャビティ面32の形状を調整する。
【0095】
すなわち、面取りされた1つの角部56のうち、第1保護材20a(第3保護材20c)の角部と成形材料12との接触面積が45×10−3(mm)以上である。この条件は、第1金型30のキャビティ面32の形状を示す上述した第1形態〜第4形態(図12A〜図12D参照)の全てに適用される。上述の接触面積は、図14A及び図14Bの例では、第1保護材20a(第3保護材20c)の側端面52のうち、成形材料12で囲まれた部分の積層方向の長さをt(μm)としたとき(図11参照)、t×(2πr)×(1/4)×10−3(mm)を計算することで求めることができ、図15A及び図15Bの例では、t×(L√2)×10−3(mm)を計算することで求めることができる。
【実施例】
【0096】
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0097】
[第1実施例]
第1実施例は、実施例1〜12、比較例1及び2について、容器10におけるシート体16と成形材料12との界面への液体の浸入度合いを評価した。
【0098】
先ず、実施例1〜12、比較例1及び2の内訳は以下の通りである(後述の表1参照)。
【0099】
(実施例1)
実施例1では、射出成形の第1金型30のキャビティ面32として、図12Bに示す第2形態のキャビティ面32を使用し、シート体16として、厚みが100μmのOPPフイルムの一主面にアルミ蒸着膜が形成され、さらにアルミ蒸着膜に厚みが10μmのCPPフイルムがラミネートされた積層フイルムを使用した。
【0100】
そして、第1金型30のキャビティ面32にCPPフイルムを対向させて積層フイルムを第1金型30に設置した後、第1金型30と第2金型38とを型閉めしてキャビティ40を形成し、第2金型38の注入部36を通じてキャビティ40内に成形材料12(ポリプロピレン:温度170℃〜220℃)を注入し、成形材料12の固化及び型開きを経て射出成形による容器(実施例1による容器)を作製した。CPPフイルムは、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある。また、CPPフイルムは、融点が成形材料(ポリプロピレン)の融点よりも低い。OPPフイルムは、融点がCPPフイルムの融点よりも高い。
【0101】
(実施例2〜4)
実施例2、3及び4は、積層フイルムにおけるCPPフイルムの厚みを20μm、30μm及び40μmとしたこと以外は、上述した実施例1と同様にして容器(実施例2、3及び4による容器)を作製した。
【0102】
(実施例5〜7)
実施例5、6及び7は、CPPフイルムの厚みを50μm、60μm及び70μmとしたこと以外は、上述した実施例1と同様にして容器(実施例5、6及び7による容器)を作製した。
【0103】
(実施例8〜10)
実施例8、9及び10は、CPPフイルムの厚みを80μm、100μm及び120μmとしたこと以外は、上述した実施例1と同様にして容器(実施例8、9及び10による容器)を作製した。
【0104】
(実施例11及び12)
実施例11及び12は、CPPフイルムの厚みを150μm及び250μmとしたこと以外は、上述した実施例1と同様にして容器(実施例11及び12による容器)を作製した。
【0105】
(比較例1)
比較例1では、実施例9で使用した積層フイルム(CPPフイルム及びOPPフイルムの厚みが共に100μm)を使用した。そして、第1金型30のキャビティ面32に、実施例1〜12とは反対に、OPPフイルムを対向させて積層フイルムを第1金型30に設置した後、第1金型30と第2金型38とを型閉めしてキャビティ40を形成し、第2金型38の注入部36を通じてキャビティ40内に成形材料12(ポリプロピレン:温度170℃〜220℃)を注入し、成形材料12の固化及び型開きを経て射出成形による容器(比較例1による容器)を作製した。
【0106】
(比較例2)
比較例2は、積層フイルムにおけるOPPフイルムの厚みを250μmとしたこと以外は、上述した比較例1と同様にして容器(比較例2による容器)を作製した。
【0107】
<評価方法>
容器10のシート体16の表面に向けて、染色浸透探傷試験で用いられる浸透液をスプレーにて塗布し、1時間だけ放置した後、現像剤を塗布した。そして、シート体16と成形材料12との界面に浸透液がどの程度浸透しているかを目視にて確認し、下記の評価基準に従って評価した。
【0108】
評価A:CPPフイルムと成形材料(ポリプロピレン)との境界に浸透液がほとんど浸透していない。浸透液が浸透している深さは、最大でCPPフイルムの厚みの1/10以下である。
【0109】
評価B:CPPフイルムと成形材料との境界に浸透液が浸透している部分があるが、浸透液はアルミ蒸着膜まで到達していない。浸透液が浸透している深さは、最大でCPPフイルムの厚みの1/3以下である。
【0110】
評価C:CPPフイルムと成形材料との境界に浸透液が浸透している部分があるが、浸透液はアルミ蒸着膜まで到達していない。浸透液が浸透している深さは、最大でCPPフイルムの厚みの1/2以下である。
【0111】
評価D:浸透液がアルミ蒸着膜まで到達している。
【0112】
(評価結果)
評価結果を下記表1に示す。
【0113】
【表1】

【0114】
表1から、比較例1及び2は共に、浸透液がアルミ蒸着膜まで到達しており、シート体16と成形材料12との密着性が低いことがわかる。一方、実施例1〜12は、いずれもアルミ蒸着膜まで浸透液が到達していなかった。このことから、シート体16を本体部14に埋め込むにあたっては、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にあるCPPフイルムを本体部14の表面側に位置させることが好ましいことがわかる。同様に、シート体16を本体部14に埋め込むにあたっては、融点が成形材料12の融点よりも低いCPPフイルムを本体部14の表面側に位置させることが好ましいことがわかる。
【0115】
さらに、実施例1〜12のうち、実施例3〜5が評価Bであり、実施例6〜12が評価Aであった。このことから、シート体16を構成するCPPフイルムの厚みが30μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは60μm以上であることがわかる。換言すれば、CPPフイルムの側端面のうち、成形材料12で囲まれた部分の積層方向の長さtが30μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは60μm以上である。
【0116】
[第2実施例]
第2実施例は、実施例21〜60について、容器10のシート体16と成形材料12との界面への液体の浸入度合いを評価した。
【0117】
先ず、実施例21〜60の内訳は以下の通りである(後述の表2〜表4参照)。
【0118】
(実施例21:表2参照)
実施例21では、射出成形の第1金型30のキャビティ面32として、図12Bに示す第2形態のキャビティ面32を使用し、シート体16として、厚みが100μmのOPPフイルムの一主面にアルミ蒸着膜が形成され、アルミ蒸着膜に厚みが10μmのCPPフイルムがラミネートされ、さらに、角部56が、図14A及び図14Bに示すように、曲率半径0.2(mm)のR面とされた積層フイルムを使用した。
【0119】
そして、第1金型30のキャビティ面32にCPPフイルムを対向させて積層フイルムを第1金型30に設置した後、第1金型30と第2金型38とを型閉めしてキャビティ40を形成し、第2金型38の注入部36を通じてキャビティ40内に成形材料12(ポリプロピレン:温度170℃〜220℃)を注入し、成形材料12の固化及び型開きを経て射出成形による容器(実施例21による容器)を作製した。
【0120】
(実施例22〜28:表2参照)
実施例22〜28は、積層フイルムにおけるCPPフイルムの厚みを20μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、250μmとしたこと以外は、上述した実施例21と同様にして容器(実施例22〜28による容器)を作製した。
【0121】
(実施例29:表2参照)
シート体16として、角部56が、曲率半径0.5(mm)のR面とされた積層フイルムを使用した点以外は、上述した実施例21と同様にして容器(実施例29による容器)を作製した。
【0122】
(実施例30〜36:表2参照)
実施例30〜36は、積層フイルムにおけるCPPフイルムの厚みを20μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、250μmとしたこと以外は、上述した実施例29と同様にして容器(実施例30〜36による容器)を作製した。
【0123】
(実施例37:表3参照)
シート体16として、角部56が、曲率半径1.0(mm)のR面とされた積層フイルムを使用した点以外は、上述した実施例21と同様にして容器(実施例37による容器)を作製した。
【0124】
(実施例38〜44:表3参照)
実施例38〜44は、積層フイルムにおけるCPPフイルムの厚みを20μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、250μmとしたこと以外は、上述した実施例37と同様にして容器(実施例38〜44による容器)を作製した。
【0125】
(実施例45:表3参照)
シート体16として、角部56が、曲率半径2.0(mm)のR面とされた積層フイルムを使用した点以外は、上述した実施例21と同様にして容器(実施例45による容器)を作製した。
【0126】
(実施例46〜52:表3参照)
実施例46〜52は、積層フイルムにおけるCPPフイルムの厚みを20μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、250μmとしたこと以外は、上述した実施例45と同様にして容器(実施例46〜52による容器)を作製した。
【0127】
(実施例53:表4参照)
シート体16として、角部56が、曲率半径5.0(mm)のR面とされた積層フイルムを使用した点以外は、上述した実施例21と同様にして容器(実施例53による容器)を作製した。
【0128】
(実施例54〜60:表4参照)
実施例54〜60は、積層フイルムにおけるCPPフイルムの厚みを20μm、50μm、80μm、100μm、120μm、150μm、250μmとしたこと以外は、上述した実施例53と同様にして容器(実施例54〜60による容器)を作製した。
【0129】
(接触面積)
上述した実施例21〜60による容器は、それぞれ面取りされた1つの角部56のうち、CPPフイルムの角部と成形材料12との接触面積は、下記表2〜表4に示す通りである。
【0130】
(評価方法)
評価方法は、上述した第1実施例と同様の方法で評価した。
【0131】
(評価結果)
評価結果を下記表2〜表4に示す。
【0132】
【表2】

【0133】
【表3】

【0134】
【表4】

【0135】
表2〜表4から、実施例21〜60は、いずれもアルミ蒸着膜まで浸透液が到達していないことが確認された。
【0136】
さらに、実施例21〜60のうち、それぞれ面取りされた1つの角部56のうち、CPPフイルムの角部と成形材料12との接触面積が45×10−3(mm)未満の実施例21〜26、29〜31、37、38、45は、いずれも評価Bであった。残りの実施例、すなわち、上記接触面積が45×10−3(mm)以上の実施例27、28、32〜36、39〜44、46〜60はいずれも評価Aであった。このことから、上述の接触面積は45×10−3(mm)以上であることが好ましい。
【0137】
これは、図15A及び図15Bに示すように、面取り加工が施された角部56が、切り落とし長さL(mm)のC面56bとした場合でも同様であった。
【0138】
なお、本発明に係る容器は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0139】
すなわち、シート体16として、図16Aに示すように、周縁部が一方向に反った形状のシート体を用いてもよい。
【0140】
周縁部が一方向に反った形状のシート体16を作製する方法としては、例えば第4積層体50D(図10A参照)を例に挙げて説明すると、幅広の第4積層体50Dを用意し、この幅広の第4積層体50Dを一定寸法(縦×横)に切断する切断装置にて切断して、複数の第4積層体50Dを作製すればよい。このとき、切断装置の基台上に第3保護材20cをカッタ側に向けて、すなわち、第4保護材20dを基台に対向させて設置して切断することで、周縁部が一方向に反った形状であって、且つ、凸面とされた側に第3保護材20cが位置し、凹面とされた側に第4保護材20dが位置した第4積層体50D、すなわち、シート体16を簡単に得ることができる。
【0141】
そして、図16Aに示すように、凸面とされた側に第1金型30のキャビティ面32と対向する保護材20(第3保護材20c)が位置し、凹面とされた側に第4保護材20dが位置するようにする。これにより、第1金型30のキャビティ面32にシート体16を設置したとき、キャビティ面32と保護材20の周縁部との間に隙間60が形成されるが、図16Bに示すように、キャビティ40内に成形材料12を充填したとき、シート体16の形状が矯正されて、該シート体16が第1金型30のキャビティ面32に沿って平坦化され、例えば図1A、図1B、図17Bに示すような容器10を得ることができる。
【0142】
ところで、機能付与材18がアルミ箔やアルミ蒸着膜のように金属性であれば、その展延性により、例えば図17Aに示すように、シート体16の切断面にカッタの切断方向に沿った変形(ばり70)が生じる場合がある。このようなシート体16を、例えば第4保護材20dを第1金型30のキャビティ面32に接触させて設置して、射出成形すると、機能付与材18のばり70の先端70aが露出あるいは露出しやすくなり、機能付与層材18の剥がれや、該機能付与材18の構成成分が液体等に溶出するおそれがある。
【0143】
そこで、上述したように、シート体16を、第3保護材20cを第1金型30のキャビティ面32に接触させて設置して、射出成形することで、図17Bに示すように、ばり70の先端70aが成形材料12に埋め込まれた形態となる。その結果、ばり70の先端70aが露出することがなくなり、機能付与材18の剥がれや、該機能付与材18の構成成分が液体22に溶出することを防止することができる。
【符号の説明】
【0144】
10…容器 12…成形材料
14…本体部 16…シート体
18…機能付与材 20…保護材
20a〜20d…第1保護材〜第4保護材
22…液体 24…別の容器
30…第1金型 32…キャビティ面
32a…第1面 32b…第2面
38…第2金型 40…キャビティ
50A〜50D…第1積層体〜第4積層体
52…側端面 54…表面
55…額縁形状 56…角部
56a…R面 56b…C面
60…隙間 70…ばり

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形材料にて構成された本体部と、該本体部の一部に埋め込まれたシート体とを有する容器において、
前記シート体は、前記容器に機能を付与する機能付与材と、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある保護材とを少なくとも有し、
前記保護材が前記本体部の表面側に位置し、前記機能付与材が前記本体部の内方側に位置していることを特徴とする容器。
【請求項2】
請求項1記載の容器において、
前記シート体の前記保護材は、さらに融点が前記成形材料の融点よりも低いことを特徴とする容器。
【請求項3】
請求項1又は2記載の容器において、
前記保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていることを特徴とする容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器において、
前記シート体は、予め前記保護材の一主面に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていることを特徴とする容器。
【請求項5】
請求項1又は2記載の容器において、
前記シート体は、ガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にある第1保護材と、ガラス転移点が前記第1保護材のガラス転移点以上の第2保護材と、前記第1保護材と前記第2保護材との間に介在された前記機能付与材とを有し、
前記第1保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記第1保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていることを特徴とする容器。
【請求項6】
請求項5記載の容器において、
前記シート体は、予め前記第1保護材と前記第2保護材との間に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていることを特徴とする容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器において、
前記シート体の側端面に沿って前記機能付与材の変形部が露出し、
前記シート体は、前記機能付与材の変形部の先端が前記本体部の内方側に位置するように前記本体部に埋め込まれていることを特徴とする容器。
【請求項8】
成形材料にて構成された本体部と、前記本体部の一部に埋め込まれたシート体とを有する容器において、
前記シート体は、前記容器に機能を付与する機能付与材と、融点が前記成形材料の融点よりも低い保護材とを少なくとも有し、
前記保護材が前記本体部の表面側に位置し、前記機能付与材が前記本体部の内方側に位置していることを特徴とする容器。
【請求項9】
請求項8記載の容器において、
前記シート体の前記保護材は、さらにガラス転移点が120℃〜140℃の範囲にあることを特徴とする容器。
【請求項10】
請求項8又は9記載の容器において、
前記保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていることを特徴とする容器。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか1項に記載の容器において、
前記シート体は、予め前記保護材の一主面に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていることを特徴とする容器。
【請求項12】
請求項8又は9記載の容器において、
前記シート体は、融点が前記成形材料の融点よりも低い第1保護材と、融点が前記第1保護材の融点以上の第2保護材と、前記第1保護材と前記第2保護材との間に介在された前記機能付与材とを有し、
前記第1保護材の表面の一部又は全部が露出した状態で前記シート体が前記本体部に埋め込まれ、前記第1保護材の側端面が前記本体部にて囲まれていることを特徴とする容器。
【請求項13】
請求項12記載の容器において、
前記シート体は、予め前記第1保護材と前記第2保護材との間に前記機能付与材が形成された積層体にて構成されていることを特徴とする容器。
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか1項に記載の容器において、
前記シート体の側端面に沿って前記機能付与材の変形端部が露出し、
前記シート体は、前記機能付与材の変形端部の先端が前記本体部の内方側に位置するように前記本体部に埋め込まれていることを特徴とする容器。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の容器において、
前記本体部で囲まれた部分の積層方向の長さが30μm以上、好ましくは60μm以上であることを特徴とする容器。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の容器において、
前記シート体は面取り加工された角部を有することを特徴とする容器。
【請求項17】
請求項16記載の容器において、
面取りされた1つの前記角部のうち、前記保護材の角部と前記本体部との接触面積が45×10−3(mm)以上であることを特徴とする容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−63793(P2013−63793A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203571(P2011−203571)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】