説明

容量式入射センサ

【課題】
放射線を測定するための容量センサデバイスを提供する。
【解決手段】
デバイスは2つのセンサ領域および上部プレート構造を含む。センサ領域は、放射線がその材料に当たると電子−正孔対を生成する材料から成る。2つのセンサ領域の間に分離領域が配置される。センサ領域と上部プレートとの間のキャパシタンスはセンサ領域に当たる放射線に応じて決まる。遮断構造が、放射線の選択された入射角において他方のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように一方のセンサ領域の電子−正孔対生成に影響を与えるように、或る範囲内のパラメータ値を有する放射線をセンサ領域から選択的にかつ異なって遮断する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、AC50608TPの代理人整理番号を有し、共通の発明者を有し、共通の譲受人を有し、共通の出願日を有する、「容量センサ放射線測定(Capacitive Sensor Radiation Measurement)」と題する出願に関連し、当該出願は、その全体が参照によりすべて本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は容量センサに関し、特に、容量式入射センサに関する。
【背景技術】
【0003】
容量式(capacitive)センサ(以下、容量センサとも称する)は、そのキャパシタンスが被測定パラメータに基づいて変化するセンサである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4331873号明細書
【特許文献2】米国特許第4388532号明細書
【特許文献3】米国特許第5825840号明細書
【特許文献4】米国特許第6040592号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一態様において、放射線を測定するための容量センサデバイスが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
デバイスは2つのセンサ領域および上部プレート構造を含む。センサ領域は、放射線がその材料に当たると電子−正孔対を生成する材料から成る。2つのセンサ領域の間に分離領域が配置される。センサ領域と上部プレートとの間のキャパシタンスはセンサ領域に当たる放射線に応じて決まる。遮断構造が、放射線の選択された入射角において他方のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように一方のセンサ領域の電子−正孔対生成に影響を与えるように、或る範囲内のパラメータ値を有する放射線をセンサ領域から選択的にかつ異なって遮断する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、添付の図面を参照することによってよりよく理解されることができ、その多数の目的、特徴、および利点が当業者に明らかとなる。
【図1】本発明の1つの実施形態による容量式入射センサデバイスの製造における1つの段階の部分断面図である。
【図2】本発明の1つの実施形態による容量式入射センサデバイスの製造における1つの段階の部分断面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態による容量式入射センサデバイスの製造における1つの段階の部分断面図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による容量式入射センサデバイスの部分断面図である。
【図5】本発明の1つの実施形態による容量式入射センサデバイスの部分断面図である。
【図6】本発明の1つの実施形態によるセンサアレイの上面図である。
【図7】本発明の1つの実施形態によるセンサシステムの回路図である。
【図8】本発明の1つの実施形態によるセンサシステムの動作方法を示す流れ図である。
【図9】本発明の1つの実施形態によるコンデンサのプレートに印加するためのさまざまな可能な電圧値を示すグラフである。
【図10】本発明の1つの実施形態による容量式入射センサデバイスの部分断面図を示す。
【図11】本発明の1つの実施形態によるセンサアレイの上面図である。 異なる図面において同じ参照符号が使用されている場合、これは、別途記載しない限り、同一の項目であることを示す。図面は必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下は、本発明を実施するための形態の詳細な説明を示す。本記載は本発明の例示であることが意図されており、限定として解釈されるべきではない。
【0009】
本明細書において記載されるように、センサ領域を含む容量式入射センサデバイスが開示され、各センサ領域に起因するキャパシタンスが独立して測定されることができ、ウィンドウを通過する放射線に関するパラメータを求めるのに使用されることができる。いくつかの例において、上部プレートまたは他の構造が、測定される放射線の向きに応じて、放射線をセンサから(部分的にまたは完全に)遮断することになる。キャパシタンスに影響を与える放射線は、可視範囲もしくは不可視範囲(例えば、UV、赤外線、X線)の波長放射線または粒子放射線(例えば、α粒子または重イオン)である場合がある。キャパシタンス測定値は、放射線の入射角の成分を求めるのに使用されることができる。
【0010】
図1〜3は、その製造の様々な段階における容量センサデバイスの部分断面図である。図1は、ウェハ101の部分断面図である。図示される実施形態において、ウェハ101は、半導体材料層105が絶縁層103の上に位置しているセミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)構成を含む。1つの実施形態において、層103は二酸化ケイ素から成るが、他の実施形態においては他の誘電体から成ってもよい。いくつかの実施形態において、層103はバルク基板層(例えば、シリコン)(図示せず)の上に位置する。他の実施形態において、ウェハ101はバルクウェハであってもよく、絶縁層103は存在しない。
【0011】
1つの実施形態において、層105は単結晶シリコンから成るが、他の半導体材料(例えば、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、または他のIII−V族半導体材料)または他の種類の材料から成ってもよい。図示される実施形態において、層105は導電性ドーパントを低濃度ドープされる。1つの実施形態において、層105は、1016〜1018原子/cmの範囲の濃度を有するP型ドーパント(例えば、ホウ素)をドープされるが、他の実施形態においては、他の濃度において、または他の不純物をドープされてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、層103はイオンを基板中に注入することによって形成される。他の実施形態においては、層105は層103上に堆積される。いくつかの実施形態においては、層105はドナーウェハ(図示せず)から形成される。
【0013】
いくつかの実施形態において、層105の材料の種類は容量センサによって測定されている放射線の種類によって決まることになる。波長放射線を測定するためのいくつかの実施形態において、層105の材料は、測定されるべき所望の波長放射線における光子が電子−正孔(エレクトロン−ホール)対を生成するために吸収されることになる光子吸収断面積を有する。下記の表には、基板材料、および入射放射が基板内で吸収されて正孔−電子対を生成する波長範囲が列挙されている:
材料の種類 波長範囲
シリコン 190〜1100nm
ゲルマニウム 400〜1700nm
インジウム・ガリウムヒ素 800〜2600nm
硫化鉛(II) <1000〜3500nm。
【0014】
粒子放射線を測定するためのいくつかの実施形態において、材料の格子に衝突する粒子が、格子を崩壊させ、その材料の原子にエネルギーを伝達し、それによって、電子−正孔対の生成がもたらされる。1つの実施形態において、使用される材料の種類は、測定されている放射線の粒径および/または粒子エネルギーに応じて決まる吸収断面積を有する。いくつかの実施形態において、放射線は、如何なる電子−正孔対も生成される前に特定のしきい値を上回り得る。
【0015】
層105内には、層105のウェル領域108を層105のウェル領域109から分離するための分離領域107が配置される。領域107は、ウェル領域に当たる入射放射線によって生成される電子−正孔対の電子が他のウェル領域に移動することを防止する材料から成る。図示される実施形態において、領域107は層105の頂部から層103の頂部まで延在する。1つの実施形態において、領域107は、層105の残りの部分よりも高い導電性ドーパント濃度を有する材料から成る。1つのこのような例において、領域107は、層105の上に保護酸化物層(図示せず)を形成し、保護酸化物層の上にフォトレジストの層(図示せず)を形成し、フォトレジスト内で領域107の位置に開口を形成し、次いで、層105をドープするのに使用されるものと同じ導電型の、より濃度の高い(例えば、1019〜1021cm−3)導電性ドーパントを領域107に注入することによって形成される。その後、フォトレジストおよび酸化物層は除去される。
【0016】
領域107は、他の実施形態においては異なる方法によって形成されてもよく、かつ/あるいは異なる材料から成ってもよい。例えば、領域107は二酸化ケイ素または他の誘電体材料から成ってもよい。1つの実施形態において、開口が層105の中に形成され、続いて、ウェハ101の上に誘電体材料が(酸化および/または堆積のいずれかによって)形成される。次いで、ウェハは平坦化され、図1に示されるような構造が残る。
【0017】
図2はその製造における別の段階にあるウェハ101の部分断面図である。図2は、上部プレート203および誘電体201がウェハ101の上に形成された後のウェハ101を示す。1つの実施形態において、誘電体201は二酸化ケイ素から成り、20〜200オングストロームの厚さを有するが、他の実施形態においては、他の厚さを有してもよく、かつ/あるいは他の材料(例えば、高誘電率(high−k)誘電体または他の種類の誘電体)から成ってもよい。
【0018】
1つの実施形態において、上部プレート203は導電性材料(例えば、ドープされたポリシリコン、タングステン、アルミニウム、他の金属、または異なる導電性材料の層)から成る。1つの実施形態において、上部プレート203は、800〜1000オングストロームの厚さを有するが、他の実施形態においては他の厚さであってもよい。上部プレート203および誘電体201は、それらの材料の層をウェハ101の上に形成し、その後それらの材料を続いてパターニングすることによって形成されることができる。いくつかの実施形態において、誘電体201は、ウェハの他の部分上に構築されるトランジスタのためのゲート誘電体を形成するようにパターニングされ得、プレート203を形成するための層はそれらのトランジスタのためのゲートを形成するようにパターニングされることができる。プレート203は電極として使用されることになり、誘電体201はコンデンサのための誘電体として使用されることになる。
【0019】
上部プレート203および誘電体201が形成された後、接続領域205および207が、これらの領域内にイオンを注入することによって層105の中に形成される。図示される実施形態において、接続領域205および207の中に注入されるドーパントは、ウェル領域108および109内の中に注入されるものと反対の導電型である。P型ドーパントが層105の中に注入される実施形態において、領域205および207は、1019〜1021原子/cmの濃度、または他の実施形態においては他の濃度のN型ドーパント(例えば、ヒ素、リン)を注入される。領域205および207は層105の厚さよりも小さい深さ(例えば、30〜1000nm)を有するが、他の実施形態においては他の深さを有してもよい。注入後、注入されたドーパントはアニールされ、ここで、ドーパントは上部プレート203の下に拡散する。他の実施形態においては、ドーパントは上部プレート203の下に押し入れられる角度で注入される。1つの実施形態において、同じ導電型のドーパントの低濃度ドープされた拡張部が、領域205および207の注入の前に形成されることができる。
【0020】
図3は、スペーサ303および301の形成ならびにシリサイド構造309および311の形成の後のウェハ101を示す。図示される実施形態において、スペーサ301は薄い酸化物ライナから成り、スペーサ303は窒化物から成る。スペーサ301および303は、ウェハ101の上に酸化物の層を形成し、次いで窒化物の層を形成し、次いでこれらの層を異方性エッチングしてスペーサを残すことによって形成される。
【0021】
異方性エッチングの後、酸化物層305および窒化物層307がウェハ101の上に形成され、次いで、接続領域205および207を露出させる開口を画定するようにエッチングされる。次いで、シリサイド構造309および311がこれらの接続領域の露出した部分上に形成される。1つの実施形態において、シリサイド構造309および311は、金属(例えば、チタン、ニッケル、またはコバルト)の層をウェハ101の上に形成し、ウェハを加熱してシリサイドを形成することによって形成される。その後、反応していない金属は除去される。層307および305を形成し、次いでそれらをパターニングしてシリサイド構造のための開口を形成することによって、シリサイド構造が上部プレート203からさらに離れて位置することが可能になる。その後、層307および305は除去される。他の実施形態においては、スペーサ301および303は形成されない。さらに、他の実施形態においては、層305および307は除去されない。
【0022】
他の実施形態においては、他のスペーサがスペーサ301および303に隣接して(異方性エッチングプロセスによって)形成され、シリサイド構造309および311と上部プレート203との間のさらなる分離が(層307および305の形成に代えて、またはそれに加えて)提供される。さらに1つの実施形態において、上部プレート203上にシリサイド構造を形成するために、上部プレート203の頂部を露出させる開口が層307および305内に形成される。
【0023】
図4は、容量センサデバイスの図を示す。図4の実施形態において、層305および307は除去されている。層305および307の除去の後、電気的相互接続、電気的ビア、および層間誘電体層(図示せず)がウェハ101の上に形成される。相互接続およびビアは構造309、311、および上部プレート203に電気的に結合されて、電圧を印加するとともに電圧を測定するためにこれらの構造を他の電気回路に電気的に結合する。これらの他の回路は、センサデバイスと同じウェハ上に形成されることができ、または別個のウェハ上に形成されて後に電気的に結合されることができる。これも図4に示されていないが、誘電体層およびパッシベーション層がウィンドウ415および420ならびに上部プレート203の上に位置している。これらの材料は、相互接続層の電気的相互接続同士の絶縁、およびセンサデバイスの物理的保護を提供する。少なくともセンサデバイスの上に位置する誘電体材料およびパッシベーション材料は測定されている種類の放射線に関しては透過性である。
【0024】
ウェハ101の処理が完了した後、ウェハはダイシングされ、各々が図4に示される少なくとも1つのセンサデバイスを有する個々のダイになる。
【0025】
図4は、層105の平面に対して水平入射角θ403でセンサデバイス上に入射する放射線を示す。図示される実施形態において、上部プレート203、シリサイド構造309、およびシリサイド構造311は、測定されている放射線を層105まで通過させない厚さであり、そのような材料から成る。上部プレート203と構造309との間の空間は、1つの容量センサのための第1のウィンドウ415を画定し、上部プレート203と構造311との間の空間は、他方の容量センサのための別のウィンドウ420を画定する。図示される実施形態において、スペーサ301および303のスペーサ材料(二酸化ケイ素および窒化ケイ素)は、測定されている放射線が通過することを可能にする。いくつかの実施形態において、構造309および311の材料は、測定される放射線が通過することを可能にする材料および厚さのものである。このような実施形態によると、ウィンドウの幅はより大きくなる。
【0026】
ウェル領域108および109は、容量センサ領域として作用する。層105の材料の種類に応じて、放射線が層105に当たると、電子−正孔対405がウェル領域108および109内に生じる。ウェル内に生じる電子−正孔対の数は、ウェルに関連付けられる各ウィンドウを通過する放射線の量に応じて決まる。上部プレート203に電圧が印加されると、放射線から形成される電子−正孔対の電子が、上部プレート203の下で層105の上部に引き寄せられて、層105の上部において負電荷(反転層)407(および409)を形成する。この負電荷407の領域はコンデンサの電極として作用し、上部プレート203が他方の電極として作用する。図4において、ウェル領域109に関するこのキャパシタンスは、コンデンサ記号Cov1によって表され、ウェル領域108に関するキャパシタンスは、コンデンサ記号Cov2によって表される。他の実施形態において、容量センサ領域は、他の実施形態における他の構造によって実装されてもよい。
【0027】
ウィンドウを通過する放射線によって生成されるキャパシタンスは、ウィンドウを通過して電子−正孔対を生成する放射線の量およびエネルギーに応じて決まる。多くの対が生成されるほど、ウェルの上部における電子の数が多くなり、従って、測定されるキャパシタンスも大きくなる。生成される正孔は層105へのコンタクト(図示されないがウェル領域109に関しては矢印411の方向)に引きつけられることになる。キャパシタンスCov2は上部プレート203と、接続領域207に接するシリサイド構造309との間で測定される。キャパシタンスCov1は上部プレート203と、接続領域205に接するシリサイド構造311との間で測定される。ウェル領域109の上部において負電荷407の電子によって形成される反転領域は接続領域205に電気的に結合され、それによって、上部プレート203に対する反転層電極のキャパシタンス測定が可能となる。同様に、電子409によって形成される反転領域が接続領域207に電気的に結合されて、上部プレート203に対する反転層電極のキャパシタンス測定が可能となる。図4内の線461は、上部プレート203に正電圧が印加されると形成される空乏領域の下部を画定する。
【0028】
図示される実施形態において、ウィンドウ415および420を通じて放射線が当たらなかった場合、上部プレート203とシリサイド構造309との間で測定されるキャパシタンス値、および上部プレート203とシリサイド構造311との間で測定されるキャパシタンス値は、入射放射線がウィンドウを通過した場合よりも低い値となる。従って、ウィンドウを通過する放射線の量およびエネルギーが増大すると、層105の表面における電子濃度が増大し、従って、キャパシタンスCov2およびCov1も同様に増大する。
【0029】
上部プレート203は測定される放射線を通過させない遮断材料から成るため、垂直でない方向からの放射線は、放射線がウィンドウに入る入射角に応じてウィンドウ415および420のうちの少なくとも一方から部分的に遮断されることになる。例えば、放射線が図4の右側から来ている場合、水平角(θ)は90度よりも小さくなる。このような入射角によると、上部プレート203は放射線をいくらか遮断していることになるため、ウィンドウ420はウィンドウ415よりも多くの放射線を受け取ることになる。放射線が同じ水平角で反対方向から来ている場合、ウィンドウ415はウィンドウ420よりも多くの放射線を受け取る。
【0030】
従って、入射角に応じて、キャパシタンスCov2またはキャパシタンスCov1はより高いキャパシタンス値を有することになる。(図面において示される)θが90度である場合、Cov2はCov1に等しくなる。従って、Cov2とCov1との間のキャパシタンスの差を測定することによって、特定の入射角についてθの値を求めることができる。
【0031】
他の実施形態において、容量センサデバイスはバルク半導体材料の基板上に作成されてもよい。このような実施形態においては、層103の位置にある基板の層は、ウェル領域108および109のドーパントとは反対の導電性ドーパントを高濃度ドープ(例えば、N+型)されてもよい。層103内のドーパントは、ウェル領域108および109内のドーパントと反対の型となり、それによって、層103は接合分離(ジャンクションアイソレーション)を提供する。さらに、他の実施形態において、導電性ドーパントが転換されてもよい。例えば、層105がN型ドーパントをドープされてもよく、領域205および207がP型ドーパントをドープされることになる。N型にドープされたウェルについて、(電荷407の位置にある)容量プレートは正孔から作成されることになる。
【0032】
別の実施形態において、上部プレートは、少なくとも2つの異なるウェル領域の部分を露出させるように配置されることになる内部開口を有することになる。ウェル領域は、分離領域によって分離されることになり、少なくともその一部は開口によって露出することになる。放射線は、開口を通じて露出したウェル領域の部分に当たることになる。接続領域は上部プレートの外側に形成されることになる。プレートの開口内の各ウェル領域のキャパシタンスが測定されることになり、内部開口を通じてウェル領域に当たる放射線の入射角が求められる。
【0033】
図9は、ウィンドウを通じてウェル領域に当たる入射放射線に起因するキャパシタンスを測定するための、上部プレート電圧(上部プレート203に印加される電圧)の所望の動作領域を示すグラフである。図9のグラフにおいて、Y軸は接続領域(例えば、205)と上部プレート(203)との間で測定されるキャパシタンスを表す。X軸は上部プレート(例えば、203)に印加される電圧を表す。
【0034】
グラフにおいて示されるように、上部プレート電圧が初期の低電圧にあるとき、ウェル領域において生成される空乏層の深さ(図4における461)が最小であることに起因して、測定されるキャパシタンスは比較的高い値にある。上部プレート電圧が増大すると、空乏領域の深さは、電圧が点903にあるときの最大の深さに達するまでは増大する。上部プレート電圧がさらに増大すると、測定されるキャパシタンスは上部プレートの下でウェルの上部において反転層(電荷407を参照されたい)が形成されることに起因して増大する。電圧がさらに増大すると、反転層は飽和する(例えば、上部プレート電圧が点905にあるとき)までより高密度になっていく。この点において、キャパシタンスは、上部プレート電圧の増大に伴って、またはウィンドウを通じてウェルに当たる入射放射の増大にともなってさらに増大することはなくなる。
【0035】
従って、入射放射線に起因するキャパシタンスを測定するために上部プレートに印加される電圧は、放射線の変化に起因して測定キャパシタンスの最大の変化を提供する電圧値であることが望ましい。いくつかの実施形態において、キャパシタンスを測定するためのその上部プレート電圧は、点903における電圧と、点905における電圧との間である。1つの例が点907における電圧である。使用される最適な電圧は、誘電体の厚さ、誘電体材料の種類、上部プレート材料の種類、ウィンドウのサイズ、ウェル領域108および109のドープ濃度、接続領域205および207のドープ濃度、ウェル領域108および109と接続領域205および207において印加される電圧、ウィンドウ内に位置する材料の透過性、測定放射線感度の所望の範囲、ならびに測定される放射線の種類のような要因に応じて決まるであろう。
【0036】
図5は、本発明による容量センサデバイスの別の実施形態を示す。図5の実施形態は、上部プレート構造522が逆T字形状を有するという点を除いて図4の実施形態と同様である。それ以外について、図4の対応する構造と同様である構造は同じ参照符号を有する。
【0037】
図5の実施形態において、構造522の上部523は測定されている波長放射線を層105に貫入させない高さおよび材料のものである。しかしながら、上部プレート構造の下部521は、測定されている放射線が層105へ通過することを可能にする高さおよび材料のものである。1つの実施形態において、部分521はポリシリコンから成り、測定される放射線が層105へ通過することを可能にするように十分薄い(例えば、100〜300オングストローム)。他の実施形態において、部分521は、上部523の材料に対して選択エッチングされる窒化タンタルまたは窒化タングステンから成る。1つの実施形態において、部分523の材料は、放射線の貫入を防止するのに十分な厚さを有するポリシリコンまたは金属から成る。部分523がポリシリコンから成る1つの例では、部分523は、800〜10000オングストロームの厚さ(図5において寸法「H」として示される)を有するが、他の実施形態においては他の厚さであってもよい。
【0038】
部分521を放射線が通過することができるように作成することによって、ウィンドウ529および531の位置は、図5において寸法「W」によって示されるように、上部プレート構造522の下まで少なくとも部分的に移動されることができる。これは、生成される電子−正孔対が上部プレート構造の下で、特に上部プレート構造の部分Wの下でより高密度になるという点において、測定されるキャパシタンスの信号強度を増大させるように作用する。このような実施形態において、電子−正孔対の密度が増大する結果としてデバイスの感度がより高くなる。
【0039】
ウィンドウ529および531の幅と上部523の高さ「H」との比は、水平角を測定するために特定の範囲内で分解能を調整するようにセットされることができる。例えば、遮断部分523の厚さ(「H」寸法によって示される)が、ウィンドウの幅よりも相対的に大きい場合、図5における容量センサデバイスは90度に近い水平角のより良好な分解能を提供することが可能になる。これは、水平入射角が90度から動くとウィンドウ(529または531のいずれか)を大きく遮断する比較的「高い」上部523に起因する。他の実施形態において、部分523は、より広い範囲の水平角測定値を提供することを可能にするために、ウィンドウ幅に対して比較的より短くすることができる。
【0040】
1つの実施形態において、結果としての上部プレート構造は、部分523の幅を有するフォトレジストパターン(またはフォトレジストパターンによってパターニングされるハードマスクパターン)を用いて(例えば、ポリシリコンの)層をパターニングすることによって形成されることができる。時限エッチングによってパターンの外側に部分521の厚さを有する層の部分が残される。その後、上部523の側面上に犠牲スペーサ(図示せず)が形成される。スペーサはWの幅を有する。その後、層は異方性エッチングを受け、下側層の残りの部分が除去される。スペーサが測定されている放射線に対して透過性である場合、スペーサが除去される必要はない。
【0041】
他の実施形態において、部分523および521は異なる材料から成ることができる。1つの実施形態において、異なる材料の2つの層がウェハ101の上に形成されることになる。部分523が最初にパターニングされることになり、続いて部分523の周りに犠牲スペーサが形成される。部分523およびスペーサは異方性エッチングによって部分521を形成するためのエッチングマスクとして使用されることになる。他の実施形態において、上部523および下部521は異なるフォトレジストマスクパターンを用いて形成される。しかしながら、部分523の側面に配置される犠牲スペーサを使用することが、2つのマスクパターンの位置整合の問題が回避されることができるという点で好ましい。
【0042】
別の実施形態において、部分523は導電性でなくてもよく、または部分521に電気的に結合されなくてもよい。このような実施形態においては、部分521がセンサの上部プレートである。このような実施形態によると、部分521は部分523よりもさらに(紙面の向こう側または手前側に位置する)領域に拡張されることになり、それによって、部分521にコンタクトを形成することができる。
【0043】
さらに、他の実施形態において、誘電体519は、入射放射線が層105に当たるときに部分521と層105の上部に位置する電子とによって形成されるコンデンサに十分なキャパシタンスを提供する誘電率を有する。
【0044】
他の実施形態において、シリサイド構造311および309は、スペーサ301からより遠い距離に配置されてもよく、またはより近い距離に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、シリサイド構造309および311はスペーサ301まで延在する。
【0045】
図6は、本発明の1つの実施形態によるセンサセルのアレイ603の上面図を示す。アレイ603は、基板601上に形成される多数のセンサセル(635、643、627、639、633、641、631、および637)を含む。これらのセルは、異なる複数の位置で、アレイ603が放射線の入射角のうちの、放射線の方向角(θ)および水平角(θ)を測定することを可能にするように向けられる。水平角θは、基板601の平面に対して測定される放射線の角度である。方向角(θ)は、図6に示されるように12時の方向から測定される放射線の角度である。例えば、図6を参照すると、紙面の上側(12時)から来る放射線は0度の方向角(θ)を有することになる。紙面の下側(6時)から来る放射線は、180度の方向角(θ)を有することになる。特定の方向から来る入射放射線は、方向角θ成分および水平角θ成分の両方を有する。
【0046】
図示される実施形態において、各センサセル(例えば、635)は、図4のセンサデバイスと同様である。センサセル627について、上部プレート605は上部プレート203と同様であり、シリサイド構造607はシリサイド構造309と同様であり、シリサイド構造608はシリサイド構造311と同様であり、分離領域617(破線で示されている)は分離領域107と同様である。図示される実施形態において、ウィンドウ651はウィンドウ420と同様であり、ウィンドウ653はウィンドウ415と同様である。1つの実施形態において、ウェル領域(例えば、108および109)は基板601内でシリサイド部分の下にかつウィンドウの領域内に位置する。アレイ603のウェル領域は、図6に示されるように分離領域(例えば、617)によって分離されるリング(または他の実施形態においては他の閉ループ構造)の断片を形成する。基板601は、ウェル領域を電気的に遮蔽するために、ウェル領域を取り囲むとともにウェル領域の内部に位置する誘電体材料602を含む。当該実施形態において、リング構造は、容量センサウェル領域によって形成される側面を有し、ここで、分離領域(例えば、617)がリングの側面の位置に対して垂直に位置づけられる。
【0047】
アレイ603は、センサアレイ603内のさまざまな点においてキャパシタンスを測定するための電気的接触を提供するために多数の上部プレートコンタクト(613)およびシリサイド構造コンタクト(615)を含む。コンタクトは基板601およびアレイ603の上に形成される電気的相互接続(図示せず)に電気的に結合される。相互接続は、同じく基板601およびアレイ603の上に形成される誘電体材料(図示せず)内に位置する。
【0048】
図示される実施形態によると、各シリサイドコンタクト615は、2つのウェル領域についてキャパシタンスを測定するために使用される。例えば、コンタクト615は、(上部プレート605とシリサイド構造607との間のキャパシタンスの差として示される)ウィンドウ653のウェル領域からのキャパシタンスを測定するのに使用されるとともに、(シリサイド構造607および上部プレート606からのキャパシタンスの差として示される)ウィンドウ655のウェル領域のキャパシタンスを測定するのに使用される。従って、図示される実施形態において、各容量センサは、隣接するセンサと接続領域およびウェル領域を共有する。
【0049】
1つの実施形態において、アレイは、ウェル領域に当たる放射線から形成される正孔を引き付けるためのボディコンタクト(図示せず)を含む。センサアレイがSOI基板上に実装されるいくつかの実施形態において、各センサ領域がボディ結合部(ボディタイ)を含む。しかしながら、SOI基板上に実装される他の実施形態において、アレイが単一のウェル結合部(ウェルタイ)を含んでもよい。
【0050】
センサセルは、放射線の方向角(θ)を測定することが可能であるように、複数の異なる方向角で位置づけられる。例えば、入来する放射線が0度の方向角(θ)を有する(紙面の上側から来る)か、または180度の方向角を有する(紙面の下側から来る)場合、セル631および627はそれらの2つのウィンドウの間でキャパシタンスの最大の差を示すことになる。これは、上部プレート構造(例えば、605)が、上部プレート構造に隣接する2つのウィンドウのうちいずれか一方が全量の放射線を受け取ることを阻害するためである。例えば、方向角が180度(紙面の下側から来る放射線)である場合、プレート605は放射線がウィンドウ651を通過するのを阻害(または部分的に阻害)することになり、その一方でウィンドウ653は阻害されないことになる。従って、上部プレート605とシリサイド構造607との間のキャパシタンス読み値と、上部プレート605とシリサイド構造608との間のキャパシタンス読み値との差は、他のセンサの相対的な容量読み値とともに、方向角が180度であることを示すであろう。
【0051】
セル635および633は、270度(紙面の左から)または90度(紙面の右から)における放射線の方向角に対してキャパシタンスの最大の差を示すことになる。セル637および633は、45度および225度における放射線の方向角に対してキャパシタンスの最大の差を示すことになる。セル643および641は、135度および315度における放射線の方向角に対してキャパシタンスの最大の差を示すことになる。
【0052】
上述のように、セル対は0度、45度、90度、135度、180度、225度、270度、および315度の角度における放射線の方向角に対してキャパシタンスの最大の差を提供するように位置付けられる。さらに、各センサセルのキャパシタンス測定値は、これらの値の間に位置する方向角および水平角を求めるために比較されることができる。
【0053】
1つの例において、放射線の方向角を求めるために、各セルから測定値が生成されてセルのウェルの間でいずれのセルが最大の差分キャパシタンスを提供するかが判定される。例えば、セル631および627が最大差分を提供する場合、ウィンドウ651(0度を示す)またはウィンドウ653(180度を示す)のいずれがより大きい測定値を有するかに応じて、方向角は0度または180度に近い可能性が最も高いであろう。セル対637および633ならびにセル対643および641(さらにセル対635および633)の測定値は、方向角が180度を上回るか、または180度を下回るかを判定するために使用される。例えば、セル対641および643がセル対633および637よりも大きいキャパシタンス差分を提供する場合、方向角は180度を下回る。一方で、セル対633および637がより大きいキャパシタンス差分を提供する場合、方向角は180度を上回る。隣接するセル対(対633および637と対641および643)間のキャパシタンス差分が同じである場合、方向角はちょうど180度である。従って、アレイの各セル間の容量差を測定および比較することによって、放射線の方向角に対する正確な推定値を求めることができる。
【0054】
方向角が求められることによって、セル間の実際の容量差に基づいて水平角も求めることができる。例えば、容量差が最大であるセルが小さいキャパシタンス差分を有する場合、水平角は90度に近い。最大差分が大きい場合、水平角は0度に近いであろう。
【0055】
単一時点における放射線量は、単一時点またはほぼ同時点におけるアレイのすべてのセルの総容量測定値を加算することによって測定されることができる。総測定値が大きいほど、放射線量も大きくなる。いくつかの実施形態において、水平角は、低水平値を有する角度(例えば、ほぼゼロ)を補償するために線量の計算において使用されることができる。線量は、累積線量を測定するために経時的に積分されることができる。
【0056】
図示される実施形態において、アレイ603は各角度について冗長セルを有する。例えば、セル635および633は0度の方向角において一列に位置付けられる。アレイに、同じ方向角で位置付けられている冗長セルを設けることによって、製造欠陥を許容することができるより正確なシステムが提供される。しかしながら、他の実施形態においては、他のアレイは冗長セルを含まない。
【0057】
いくつかの実施形態において、冗長セルの上部プレートは(例えば、電気的相互接続(図示せず)によって)電気的に結合され、それによって、両方のセルのキャパシタンスを反映する1つの測定値が生成されることができる。例えば、セル635および633の上部プレートが共に電気的に結合されることになる。このような実施形態において、リングの対向する両側にあるシリサイド構造も共に電気的に結合されることになる。例えば、セル対641および643とセル対631および627との組み合わされたキャパシタンスを測定するために、シリサイド構造608はシリサイド構造656に電気的に結合されることになる。他の実施形態において、アレイはより多数の(3つ以上の)冗長セルを含んでもよい。
【0058】
図6において、セルはシリサイド構造およびウェル領域が隣接するセルの間で共有されるリング状に配置されて示されている。しかしながら、他の実施形態においては、アレイのウェルおよびシリサイド構造は(例えば、誘電体材料または多量に注入される導電性不純物によって)互いから分離されてもよく、これは、電子がウェル領域間で移動することを防止する。
【0059】
他のアレイは、異なる数のセルを含んでもよく、かつ/あるいは互いに対して異なる角度で位置付けられてもよく、例えば、アレイは、放射線方向角(θ)測定のより良好な分解能を提供するために、リング状に(または別の構成において)配置されるより多くのセンサセルを含んでもよい。しかしながら、アレイは、より少ない数、例えば、2つのセルであって、1つのセンサセルの上部プレートが他方のセンサセルの上部プレートから90度方向付けられている、2つのセルを含んでもよい。別の実施形態において、アレイは、3つのセルであって、上部プレートが互いから120度に方向付けられることになる、3つのセルを含む。
【0060】
他の実施形態において、アレイのセルはリング以外の異なる構成において配置されてもよい。例えば、アレイ上で各方向角に位置付けられた複数のセルがアレイの1つの列または行内に配置されてもよく、ここで、他の角度に方向付けられたセルが基板の異なる行または列内に配置される。
【0061】
他の実施形態において、ウィンドウおよび上部プレートは図6に示される以外の異なる形状を有してもよい。例えば、ウィンドウおよび/または上部プレートは特定の入射角もしくは入射角の範囲のついて得られるキャパシタンス差を最大にするように設計され得る円、楕円、正方形、または他の形状を有することができる。さらに、他の実施形態において、上部プレートはウィンドウに対する2つ以上の方向角を遮断してもよい。さらに、上部プレートに対するウィンドウの寸法は他の実施形態においては異なってもよい。
【0062】
他の実施形態において、アレイ内のセルは、アレイ内で異なる複数の分解能の角度測定を提供するために、アレイ内の他のセルに対して異なる上部プレート高さ、ウィンドウサイズ、および/またはウィンドウ位置を有してもよい。例えば、セル627の上部プレート605は、セル631の上部プレートより高くてもよく、それによって、セル627は、90度に近い水平角のより良好な分解能を提供することができ、セル631は、0度に近い水平角においてより良好な分解能を提供することができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、セルは単一の上部プレート構造を取り囲む3つ以上の領域を含む。例えば、図11は、上部プレート1103を取り囲む、基板1102内に配置される8つのウェル領域(1105、1107、1109、1111、1113、1115、1117、および1119)を含むセンサアレイ1101の上面図を示す。各ウェル領域は、ウェル領域と上部プレート1103との間で容量測定値を得るのに使用されるシリサイド構造(例えば、1121)に関連付けられる。シリサイド構造を電気的相互接続(図示せず)を介してキャパシタンス測定回路に電気的に結合するために、コンタクト(例えば、1123)が各シリサイド構造(1121)上に形成される。上部プレート1103は、相互接続(図示せず)を介してキャパシタンス測定回路(図示せず)に電気的に結合するためのコンタクト1125を含む。図11には図示されていないが、アレイ1101の上に誘電体層が位置している。同じく図11には図示されていないが、ウェル領域に当たる放射線から形成される正孔を引き付けるために少なくとも1つのウェルタイがある。
【0064】
いくつかの実施形態において、上部プレートの相互接続に起因する各領域に対する遮蔽に均等に影響を与えるように、上部プレート1103の中心から等間隔の複数の方向に、コンタクト1125からの複数の相互接続が走っている。さらに、他の実施形態において、上部プレート1103を電気的に結合するために、上部プレート1103から基板1102を貫通して基板1102の背面まで導電性バイアが形成されてもよい。
【0065】
1つの実施形態において、容量測定回路は、アレイ1101の各ウェル領域と上部プレート1103との間のキャパシタンスを順次に測定する。異なる複数のウェル領域と上部プレート1103との複数の容量読み値の差によって、入射放射線の方向角および水平角を求めることができる。上部プレート1103の入来する放射線の方向角から反対側の領域は、上部プレート1103がこれらの領域を遮蔽することに起因して、最小の容量読み値を提供することになる。
【0066】
他の実施形態において、ウェル領域、シリサイド構造および上部プレートは図11に示される以外の異なるサイズおよび/または形状を有してもよい。さらに、アレイ1101は、図11に示される以外の異なる数のウェルを含んでもよい。さらに、他の実施形態において、上部プレート構造は、異なる複数のウェル領域に対して上部プレート構造としての役割を果たす多数の電気的に絶縁された導電性構造を有してもよい。1つのこのような実施形態において、各ウェル領域は、それ自身の導電性上部プレート構造を有するであろう。
【0067】
図7は、放射線の方向角、水平角、および線量を測定するためのシステム701の回路図である。システム701は、センサアレイ703、705,および708を含む。1つの実施形態において、システム701の各アレイはアレイ603またはセンサアレイ1101と同様である。1つの実施形態において、各センサアレイは異なる波長範囲の波長放射線を測定するように調整される。いくつかの実施形態において、各アレイは異なる種類の粒子放射線を測定するように調整されてもよい。例えば、1つの実施形態において、センサアレイ703は100〜1000nmの範囲内の波長を有する放射線を測定するように設計され、センサアレイ705は1000〜2000nmの範囲内の波長を有する放射線を測定するように設計され、センサアレイ708は2000〜3000nmの範囲内の波長を有する放射線を測定するように設計される。種々の波長を有する放射線を測定するために、センサアレイは、種々の材料から成るセンサ領域を有することができ、かつ/あるいは種々の波長の放射線をフィルタリングする被覆誘電体材料を有することができる。いくつかの実施形態において、センサアレイは、種々の範囲の水平角または種々の範囲の方向角を測定してもよい。いくつかの実施形態において、システム701はただ1つのアレイを含む。いくつかの実施形態において、アレイはただ1つのセンサを有してもよい。
【0068】
1つの実施形態において、センサアレイのうちの1つは被覆され、それによって、いかなる放射線もそのキャパシタンス値に影響を与えない。このようなアレイは、他のセンサアレイから測定されるキャパシタンス値と比較するための基準キャパシタンス値を提供するために使用される。
【0069】
システム701は、アレイのセンサのキャパシタンスを測定するとともに測定されたキャパシタンスを使用して放射線の水平角、方向角、および線量を計算するための回路707を含む。回路707(新たな番号を必要とする)は、各アレイの各上部プレートおよび各ウェル接続領域に結合される入力を有するマルチプレクサ711を含む。マルチプレクサ711は、センサのキャパシタンスを測定するために、測定されている上部プレートおよびウェル接続領域をキャパシタンス測定回路713に結合する2つの入力を含む。1つの実施形態において、各センサ(上部プレートとウェル接続領域との組み合わせ)は、当該上部プレート−ウェル接続領域についてキャパシタンス値を求めるために回路713に順次に結合される(またはいくつかの実施形態においては、冗長構造がともに結合されて、冗長構造の総キャパシタンス値が測定される)。他の実施形態において、各セルアレイ703、705、および708が、それ自身の容量測定回路に関連付けられる。さらに他の実施形態において、各センサが、それ自身の容量測定回路に関連付けられる。図11のアレイを含む1つの実施形態では、上部プレート1103はマルチプレクサを使用することなく回路713に結合される。
【0070】
図示される実施形態において、回路713は、キャパシタンスを求めるために、測定されている容量センサの上部プレートまたはウェル接続領域に所定の周波数の信号を提供するための発振器715を含む。1つの実施形態において、上部プレートとウェル接続領域との組み合わせにDC電流が印加され、ここで、上部プレートとウェル接続領域との間の電圧の変化率が測定される。別の実施形態において、AC電流が上部プレートとウェル接続領域との組み合わせに印加され、ここで、結果として生じる電圧差分が測定される。さらに別の実施形態において、回路713は平衡ブリッジ法を実装する。いくつかの実施形態において、0ボルトの電圧が上部プレートに印加され、より高い電圧がウェル接続領域に印加される。しかしながら、上部プレートとウェル接続領域との組み合わせのキャパシタンスは、他の実施形態においては他の方法によって測定されてもよい。
【0071】
各上部プレート−ウェル接続領域の測定値はアナログ/デジタル変換器(A/D)717を介してプロセッサ719に提供される。1つの実施形態において、測定キャパシタンス値がプロセッサ719に提供される。他の実施形態において、プロセッサ719は測定値(例えば、電圧、電流)を受け取りキャパシタンス値を計算する。各キャパシタンス値はメモリ721内に記憶される。図示される実施形態において、上部プレート−ウェル接続領域についてキャパシタンスが測定された後、プロセッサ719は、マルチプレクサ711を、キャパシタンスを測定するために異なる上部プレート/ウェル接続領域を回路713に結合するように制御する。
【0072】
アレイに関するキャパシタンス値がすべて求められると、プロセッサ719はこれらの値を使用してアレイに当たる放射線の方向角、水平角、および線量値を計算する。システム701が、一切放射線を受け取らない「ダミーアレイ」を含む実施形態では、プロセッサ719はその方向値、水平値、および線量値の計算においてダミーアレイの基準キャパシタンス測定からの情報を使用する。
【0073】
1つの実施形態において、メモリ721は、アレイのセルに関する正規化キャパシタンス値のエントリのテーブル(表)722を含む。各エントリは、異なる水平角/方向角の組み合わせに関連付けられる。センサアレイに当たる放射線の水平角を求めるために、プロセッサ719は、求められたキャパシタンス値に最も近くマッチするキャパシタンス値(例えば、各センサについての値としてのもの、または関連付けられるセンサ対の差分値として記憶されているもののいずれか)を有するエントリを求めてテーブル722を検索することになる。いくつかの実施形態において、テーブル722から求められる水平角および方向角の値はさらに、求められたキャパシタンス値とテーブルエントリのキャパシタンス値との間の差に基づいてテーブルエントリ値から推定されることになる。
【0074】
他の実施形態において、プロセッサ719は、(例えば、メモリ721内に記憶されている)式を、求められたキャパシタンス値を当該式に対する変数として使用して実行することによって、水平角、方向角、および/または光線量を計算する。他の実施形態は、異なる技法および/または回路において測定されたキャパシタンス値を使用して方向値、水平値、および線量値を計算してもよい。
【0075】
回路707は、測定された水平角、方向角、および線量値を外部ソース(例えば、制御回路においてデータを使用するユーザディスプレイまたはシステム)に提供するための出力762を含む。1つの実施形態において、プロセッサ719は、装置(例えば、太陽電池)を制御するために測定された情報を使用するデバイスの制御回路の一部である。
【0076】
回路707は、他の実施形態においては、他の構成を有してもよく、かつ/あるいは他の構成要素を使用してもよい。例えば、回路707は、測定キャパシタンス値から水平値および方向値を計算するためのロジックまたは他の種類の「ハード・ワイヤード回路」を含んでもよい。さらに、回路713の機能のいくつかは、いくつかの実施形態においてはプロセッサ719によって実行されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、回路707は、水平角、方向角、および線量の値の正確な確定をもたらすためにアレイのキャパシタンス測定値を較正するための較正回路(図示せず)を含む。1つの例において、較正回路は、較正値をセットするためのヒューズを含む。1つの実施形態において、センサは、所定の水平角および方向角ならびに線量で放射線にさらされる。この角度において測定されるキャパシタンス値はが正規化されてテーブル722のエントリ内に記憶されることになる。他の実施形態において、値は例えば、トリミングによって変更可能であり得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、回路707は、アレイ703、705、および708と同じ集積回路上に配置される。しかしながら、他の実施形態においては、回路707の一部またはすべてが異なる集積回路上に配置される。さらに、いくつかの実施形態において、各アレイ(703、705、および708)は、別個の集積回路上に配置されてもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、方向角または水平角のみが回路707によって計算されることになる。いくつかの実施形態において、各容量センサは、それ自身の容量測定回路(例えば、713)を含むことになる。さらに、いくつかの実施形態において、容量センサを用いて放射線の成分を測定するためのシステムは、図4のものと同様のただ1つの容量センサデバイスを含む。別の実施形態において、容量センサを用いて放射線の成分を測定するためのシステムは、ただ1つのセンサ(例えば、1つのウェル−上部プレート構造)であって、当該センサに容量測定回路が結合されている、センサを含むであろう。
【0080】
図8は、(例えば、システム701と同様の)システムによって放射線の方向角、水平角、および線量を求めるための流れ図を示す。動作801において、アレイの各センサアレイについてキャパシタンス値(例えば、図4に示される実施形態についてはCOV1およびCOV2)が測定される。803において、セルのこれらのキャパシタンス値の間の差が計算され、セルに当たる波長放射線の方向角および水平角を求めるのに使用される。805において、セルの総測定キャパシタンス値を加算することによって、放射線量が求められる。いくつかの実施形態において、線量の計算は、803において求められる水平値および方向値を利用する。
【0081】
いくつかの実施形態において、センサセルの2つのセンサ間のキャパシタンスの差が、(例えば、プロセッサによって)明確に計算される。これらの差の値は水平角および方向角の計算(またはテーブル内の検索)に使用される。他の実施形態において、各センサについての値は、方向角および水平角を計算するために式において使用されるか、またはテーブルエントリとして使用され、ここで、テーブルエントリまたは式は本質的には、方向角および水平角の計算においてセルのセンサ間のキャパシタンスの差を使用する。
【0082】
図10は、本発明の別の実施形態による、センサセル1000の製造の或る段階におけるウェハの部分側面図である。セル1000は、基板1001上に形成される。ウェル1021および1023は、放射線が当たると正孔−電子対を形成する材料(例えば、シリコン)から成る。ウェル1021および1023は、埋め込み酸化物層1005上に位置する。ウェル領域1021は分離領域1007と1009との間に位置し、ウェル領域1023は分離領域1007と1010との間に位置する。1つの実施形態において、分離領域は酸化物から成る。接続領域1013および1015はP型ドーパントを高濃度ドープされ、ウェル領域1021および1023はP型ドーパントを低濃度ドープされる。接続領域およびウェルは同じ導電型のドーパントをドープされるため、ウェル領域は、他のセルの他のウェルによって共有されるのとは対照的に、分離領域1009および1010によって分離される。上部プレート1027が誘電体層1026上に形成される。シリサイド構造1017および1019が、それぞれ接続領域1013および1015上に形成される。ウェル領域1021のためのウィンドウ1025は、シリサイド構造1017と上部プレート1027との間の空間であり、ウェル領域1023のためのウィンドウ1028は、上部プレート1027とシリサイド構造1019との間の空間である。反転層電子は、P+接続領域1013および1015と比較して反対の極性型である。1つの実施形態において、センサは、通常モードではない反転モードにおいてはバラクタのように動作する。他の実施形態において、負電圧が上部プレートに印加され、ここで、センサは通常のバラクタのように蓄積モードにおいて動作する。
【0083】
1つの実施形態において、容量センサデバイスは、第1のセンサ領域および第2のセンサ領域を含む基板を含む。第1のセンサ領域および第2のセンサ領域は、放射パラメータ値の範囲内のパラメータ値を有する放射線が当たるときの電子−正孔対生成に対して導電性の材料から成る。容量センサデバイスは、基板内に、第1のセンサ領域と第2のセンサ領域との間に位置する分離領域を含む。この分離領域は、第1のセンサ領域と第2のセンサ領域との間のキャリアの流れを阻止する。デバイスは、基板の上に位置する上部プレート構造を含む。上部プレート構造は、範囲内のパラメータ値を有する放射線に対して不透過性である遮断構造を含む。上部プレート構造は、導電性構造と、当該導電性構造および基板の間に位置する誘電体層とを含む。上部プレート構造は、第1のセンサ領域の第1の部分、および第2のセンサ領域の第1の部分の上に位置する。遮断構造は、放射線の選択された入射角において第2のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように第1のセンサ領域の電子−正孔対生成に影響を与えるために、範囲内のパラメータ値を有する放射線を第1のセンサ領域および第2のセンサ領域から選択的にかつ異なって遮断するように、第1のセンサ領域および第2のセンサ領域に対して位置付けられる。
【0084】
別の実施形態において、容量センサを形成するための方法は、第1のセンサ領域、第2のセンサ領域、および分離領域を形成することを含む。分離領域は、第1のセンサ領域と第2のセンサ領域との間に位置する。分離領域は、第1のセンサ領域と第2のセンサ領域との間のキャリアの流れを阻害する。第1のセンサ領域および第2のセンサ領域は、放射線パラメータ値の範囲内のパラメータ値を有する放射線が当たるときの電子−正孔対生成に対して導電性の材料から成る。本方法は、第1のセンサ領域の第1の部分の上、及び第2のセンサ領域の第1の部分の上に上部プレート構造を形成することを含み、上部プレート構造は、範囲内のパラメータ値を有する放射線に対して不透過性である遮断構造を含む。上部プレート構造は、導電性構造と、当該導電性構造の下に位置する誘電体層とを含む。遮断構造は、放射線の選択された入射角において第2のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように第1のセンサ領域の電子−正孔対生成に影響を与えるために、範囲内のパラメータ値を有する放射線を第1のセンサ領域および第2のセンサ領域から選択的にかつ異なって遮断するように、第1のセンサ領域および第2のセンサ領域に対して位置付けられる。遮断構造は、第1のセンサ領域の第2の部分、および第2のセンサ領域の第2の部分の上には位置しない。
【0085】
本発明の特定の実施形態が図示および説明されてきたが、本明細書における教示に基づいて、本発明およびそのより広い態様から逸脱することなくさらなる変更および修正を為すことができ、従って添付の特許請求の範囲はそれらの範囲内において、本発明の真の精神および範囲内にあるすべてのこのような変更および修正を包含するものであることが当業者には認識されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量センサデバイスであって、
第1のセンサ領域および第2のセンサ領域を含む基板であって、前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域は、放射線パラメータ値の範囲内のパラメータ値を有する放射線が当たるときの電子−正孔対生成に対して導電性の材料から成る、基板と、
前記基板内の、前記第1のセンサ領域と前記第2のセンサ領域との間に位置する分離領域であって、該分離領域は、前記第1のセンサ領域と前記第2のセンサ領域との間のキャリアの流れを阻止する、分離領域と、
前記基板の上に位置する上部プレート構造であって、該上部プレート構造は、前記範囲内のパラメータ値を有する放射線に対して不透過性である遮断構造を含み、該上部プレート構造は、導電性構造、ならびに該導電性構造および前記基板の間に位置する誘電体層を含み、該上部プレート構造は、前記第1のセンサ領域の第1の部分、および前記第2のセンサ領域の第1の部分の上に位置する、上部プレート構造とを備え、
前記遮断構造は、前記放射線の選択された入射角において前記第2のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように前記第1のセンサ領域の電子−正孔対生成に影響を与えるために、前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域から前記範囲内のパラメータ値を有する放射線を選択的にかつ異なって遮断するように、前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域に対して位置付けられる、容量センサデバイス。
【請求項2】
前記遮断構造は、前記導電性構造を含む、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項3】
前記材料は、第1の導電型の第1の濃度の導電性不純物を有する半導体材料であり、前記分離領域は、前記第1の導電型の第2の濃度の導電性不純物を有する同じ半導体材料から成り、前記第2の濃度は前記第1の濃度よりも高い、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項4】
前記第1のセンサ領域に電気的に結合される第1の接続領域と、前記第2のセンサ領域に電気的に結合される第2の接続領域とをさらに備え、
前記材料は、第1の導電型の正味のドーピング濃度の導電性不純物を有する半導体材料であり、前記第1の接続領域および前記第2の接続領域は前記半導体材料から成り、前記第1の導電型と反対の第2の導電型の正味のドーピング濃度の導電性不純物を有し、
前記第1のセンサ領域および前記導電性構造に関連付けられるキャパシタンスが前記第1の接続領域を介して測定され、前記第2のセンサ領域および前記導電性構造に関連付けられるキャパシタンスが前記第2の接続領域を介して測定される、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項5】
前記第1の接続領域と電気的に接触する第1のシリサイド構造と、前記第2の接続領域と電気的に接触する第2のシリサイド構造とをさらに備える、請求項4に記載の容量センサデバイス。
【請求項6】
前記上部プレート構造は前記分離領域の上に位置する、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項7】
前記上部プレート構造は前記第1のセンサ領域と前記第2のセンサ領域との間のロケーションにおいて前記基板の上に位置する部分を含む、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項8】
放射線が前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域に当たる少なくとも1つの入射角について、前記遮断構造は、前記範囲内のパラメータ値を有する放射線が前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域に、前記第1のセンサ領域の前記電子−正孔対生成が前記第2のセンサ領域の前記電子−正孔対生成に等しくなるように当たることを可能にするように位置付けられる、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項9】
前記放射線は波長放射線であり、前記パラメータは波長の長さである、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項10】
前記放射線は粒子放射線であり、前記パラメータは、粒径および粒子エネルギーから成る群のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項11】
前記上部プレート構造は、第1の部分と、該第1の部分の上に位置する第2の部分とを有し、該第2の部分の幅は、前記第1の部分の幅よりも狭く、前記第1の部分は導電性であり、前記範囲内のパラメータを有する放射線に対して透過性であり、前記第2の部分は前記範囲内のパラメータを有する放射線に対して不透過性であり、前記遮断構造は前記第2の部分を含む、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項12】
請求項1に記載の容量センサデバイスを複数含む容量センサアレイであって、各容量センサデバイスが前記基板内に前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域を含む、容量センサアレイ。
【請求項13】
前記複数の容量センサデバイスの各々は、
前記第1のセンサ領域と電気的に接触する第1の接続領域と、
前記第2のセンサ領域と電気的に接触する第2の接続領域とをさらに備え、
前記材料は、第1の導電型の正味のドーピング濃度の導電性不純物を有する半導体材料であり、前記第1の接続領域および前記第2の接続領域は前記半導体材料から成り、前記第1の導電型と反対の第2の導電型の正味のドーピング濃度の導電性不純物を有し、
前記第1のセンサ領域および前記導電性構造に関連付けられるキャパシタンスが前記第1の接続領域を介して測定され、前記第2のセンサ領域および前記導電性構造に関連付けられるキャパシタンスが前記第2の接続領域を介して測定され、
前記複数の容量センサデバイスのうちの第1の容量センサデバイスの第1の接続領域は、前記センサアレイの前記複数の容量センサデバイスのうちの隣接する容量センサデバイスの第2の接続領域と共有される、請求項12に記載の容量センサアレイ。
【請求項14】
前記基板は第3のセンサ領域を含み、該第3のセンサ領域は、放射線パラメータ値の範囲内のパラメータ値を有する放射線が当たるときの電子−正孔対生成に対して導電性の材料から成り、
前記上部プレート構造は、前記第3のセンサ領域の第1の部分の上に位置し、
前記遮断構造は、前記放射線の選択された入射角において前記第1のセンサ領域における電子−正孔対生成に対して、および前記第2のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように前記第3のセンサ領域における電子−正孔対生成に影響を与えるために、前記第1のセンサ領域、前記第2のセンサ領域、および前記第3のセンサ領域から前記範囲内のパラメータ値を有する放射線を選択的にかつ異なって遮断するように、前記第1のセンサ領域、前記第2のセンサ領域、および前記第3のセンサ領域に対して位置付けられる、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項15】
前記第1のセンサ領域は、前記範囲内のパラメータ値を有する放射線が該第1のセンサ領域に当たることを可能にする第1のウィンドウに関連付けられ、
前記第2のセンサ領域は、前記範囲内のパラメータ値を有する放射線が該第2のセンサ領域に当たることを可能にする第2のウィンドウに関連付けられ、
前記第1のウィンドウは前記遮断構造の第1の側面上に位置し、前記第2のウィンドウは前記遮断構造の、前記第1の側面の反対の第2の側面上に位置する、請求項1に記載の容量センサデバイス。
【請求項16】
容量センサを形成する方法であって、
第1のセンサ領域、第2のセンサ領域、および分離領域を形成することであって、該分離領域は、前記第1のセンサ領域と前記第2のセンサ領域との間に位置し、該分離領域は、該第1のセンサ領域と該第2のセンサ領域との間のキャリアの流れを阻止し、前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域は、放射線パラメータ値の範囲内のパラメータ値を有する放射線が当たるときの電子−正孔対生成に対して導電性の材料から成る、形成することと、
前記第1のセンサ領域の第1の部分の上、および前記第2のセンサ領域の第1の部分の上に上部プレート構造を形成することであって、該上部プレート構造は、前記範囲内のパラメータ値を有する放射線に対して不透過性である遮断構造を含み、前記上部プレート構造は、導電性構造と、該導電性構造の下に位置する誘電体層とを含む、形成することとを含み、
前記遮断構造は、前記放射線の選択された入射角において前記第2のセンサ領域内の電子−正孔対生成に対してとは異なるように前記第1のセンサ領域の電子−正孔対生成に影響を与えるために、前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域から前記範囲内のパラメータ値を有する放射線を選択的にかつ異なって遮断するように、前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域に対して位置付けられ、該遮断構造は、前記第1のセンサ領域の第2の部分、および前記第2のセンサ領域の第2の部分の上には位置しない、方法。
【請求項17】
前記上部プレート構造を前記形成することは、前記第1のセンサ領域、前記第2のセンサ領域、および前記分離領域の上に前記誘電体層を形成するとともに、前記誘電体層の上に導電性材料の層を形成すること、ならびに、前記誘電体層および前記導電性材料の層をパターニングすることを含み、該導電性材料の層を該パターニングすることは、前記導電性構造の少なくとも一部を形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記上部プレート構造を前記形成することは、前記導電性材料の層の上に遮断材料の層を形成することをさらに含み、該遮断材料の層は、前記範囲内のパラメータを有する放射線に対して不透過性である材料および厚さであり、
前記上部プレート構造を前記形成することは、前記遮断材料の層をパターニングして前記遮断構造を形成することをさらに含み、前記遮断構造は、前記導電性構造の幅よりも狭い幅を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記材料は、第1の導電型の正味のドーピング濃度の導電性不純物を有する半導体材料であり、前記方法は、
前記第1のセンサ領域内の第1の接続領域、および前記第2のセンサ領域内の第2の接続領域を形成することをさらに含み、該形成することは、前記第1のセンサ領域内で前記第1の接続領域に、および前記第2のセンサ領域内で前記第2の接続領域に、第2の導電型の導電性ドーパントを注入することを含み、前記第2の導電型は前記第1の導電型の反対である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の接続領域と電気的に接触する第1のシリサイド構造と、前記第2の接続領域と電気的に接触する第2のシリサイド構造を形成することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のセンサ領域および前記第2のセンサ領域は各々、導電性ドーパントをドープされた基板の半導体材料のウェル領域として実装される、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−58753(P2013−58753A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−195705(P2012−195705)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【出願人】(504199127)フリースケール セミコンダクター インコーポレイテッド (806)
【Fターム(参考)】