説明

容量式物理量検出装置

【課題】検出範囲によらず、適切な自己診断を行うことのできる容量式物理量検出装置を提供する。
【解決手段】可動部20と、可動部20の変位方向に対向して配置され、可動部20と共に第1容量部16a、16bを構成する第1固定部30、40と、可動部20の変位方向と垂直方向に対向して配置され、可動部20と共に第2容量部17を構成する第2固定部17とを備える。そして、自己診断時に、第1容量部16a、16bに第1変位信号を印加して第1容量部16a、16bで発生する静電気力によって可動部20を当該可動部20の変位方向に変位させ、第2容量部17に第2変位信号を印加して第2容量部17で発生する静電気力によって可動部20を垂直方向に変位させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度、角速度、圧力等の物理量を検出する容量式物理量検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、物理量を検出する容量式物理量検出装置として、例えば、特許文献1に自己診断を行うことのできる加速度センサが提案されている。具体的には、この加速度センサは、加速度の印加に応じて弾性的に変位する梁部に一体成型された可動電極と、この可動電極に対向配置された2つの固定電極とを備え、これら可動電極と固定電極との間に形成された2つの容量差をC−V変換して出力を計測するようになっている。
【0003】
また、この加速度センサは、周期的に変化する信号であり、物理量を検出するための検出信号と周期的に変化する信号であって自己診断を行うための自己診断信号とを切り替えて可動電極と固定電極との間に印加する自己診断信号印加手段を備えている。そして、自己診断時には、可動電極と固定電極との間に自己診断信号を印加することによって、可動電極と固定電極との間に静電気力を発生させて可動電極を変位させている。
【0004】
これによれば、自己診断時には、静電気力にて可動電極を変位させているため、可動電極の変位をC−V変換回路の出力電圧に基づいて検出することによって自己診断を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−91535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような加速度センサでは、200〜400G程度の大きな加速度を検出する場合には、梁部の剛性を高くしたりして当該梁部を変位しにくくしている。このため、自己診断においては、可動電極と固定電極との間に静電気力を発生させて可動電極を変位させ、可動電極の変位(容量変化)を電圧に変換することで自己診断を行っていたが、梁部の剛性が高くなると自己診断時における可動電極の変位量が小さくなって自己診断に必要な出力を得ることができなくなる、または得にくくなるという問題がある。
【0007】
なお、上記では、加速度を検出する加速度センサを例に挙げて説明したが、可動電極と固定電極との間の容量変化に基づいて角速度や圧力等を検出するセンサについても同様の問題が発生する。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、検出範囲によらず、適切な自己診断を行うことのできる容量式物理量検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、物理量に応じて所定方向へ変位する可動部(20)と、可動部(20)に対向して配置され、可動部(20)と共に第1容量部(16a、16b)を構成する第1固定部(30、40)と、可動部(20)に対して所定方向と垂直方向に対向して配置され、可動部(20)と共に第2容量部(17)を構成する第2固定部(11、90)と、自己診断時には、第1容量部(16a、16b)に可動部(20)を変位させるための第1変位信号を印加すると共に第2容量部(17)に可動部(20)を変位させるための第2変位信号を印加した後、第1容量部(16a、16b)に当該第1容量部(16a、16b)の容量変化を検出するための検出信号を印加する自己診断信号印加手段(220)と、検出信号が第1容量部(16a、16b)に印加されているときに、第1容量部(16a、16b)の容量変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(210)と、を備え、可動部(20)は、第1容量部(16a、16b)に第1変位信号が印加されると第1容量部(16a、16b)で発生する静電気力によって所定方向に変位し、第2容量部(17)に第2変位信号が印加されると、第2容量部(17)で発生する静電気力によって垂直方向に変位することを特徴としている。
【0010】
このような容量式物理量検出装置では、自己診断時には、第1容量部(16a、16b)容量は、可動部(20)が所定方向に変位して間隔が変化することに伴って変化すると共に可動部(20)が垂直方向に変位して対向面積が変化することに伴って変化する。このため、従来の容量式物理量検出装置と比較して、自己診断時における容量の変化を大きくすることができる。したがって、例えば、大きな加速度を検出する加速度センサにおいても、自己診断の感度を確保することができ、適切な自己診断を行うことができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明のように、可動部(20)は可動電極(24)を有し、第1固定部(30、40)は固定電極(31、41)を有し、第1容量部(16a、16b)は、可動電極(24)および固定電極(31、41)によって構成されるものとすることができる。
【0012】
この場合、請求項3に記載の発明のように、可動電極(24)を櫛歯構造とし、固定電極(31、41)を可動電極(24)の櫛歯の隙間にかみ合う櫛歯構造とすることができる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明のように、第2固定部としての支持基板(11)と、支持基板(11)上に配置される埋込絶縁膜(12)と、埋込絶縁膜(12)を挟んで支持基板(11)と反対側に配置される半導体層(13)と、を有する半導体基板(10)を備え、半導体層(13)は、可動部(20)および第1固定部(30、40)が形成されていると共に、可動部(20)および第1固定部(30、40)を囲み、埋込絶縁膜(12)を介して支持基板(11)に支持されている周辺固定部(50)が構成されているものとすることができる。そして、支持基板(11)は、周辺固定部(50)に電圧が印加されると所定電圧に固定されて可動部(20)と共に第2容量部(17)を構成するものとすることができる。
【0014】
さらに、請求項5に記載の発明のように、半導体層(13)には可動部(20)および固定部(30、40)を覆う蓋部(80)が備えられ、蓋部(80)のうち可動部(20)と対向する部分には第2固定部としての自己診断用電極(90)が形成されているものとすることができる。そして、第2容量部(17)は、可動部(20)と支持基板(11)とによって構成されていると共に、可動部(20)と自己診断用電極(90)とによって構成されるものとすることができる。
【0015】
この場合、請求項6に記載の発明のように、自己診断信号印加手段(220)は、自己診断時において、第1容量部(16a、16b)に第1変位信号を印加すると共に、可動部(20)と支持基板(11)とによって構成される第2容量部(17)または可動部(20)と自己診断用電極(90)とによって構成される第2容量部(17)のいずれか一方に第2変位信号を印加した後に第1容量部(16a、16b)に検出信号を印加し、続いて第1容量部(16a、16b)に第1変位信号を印加すると共に、可動部(20)と支持基板(11)とによって構成される第2容量部(17)または可動部(20)と自己診断用電極(90)とによって構成される第2容量部(17)の他方に第2変位信号を印加した後に第1容量部(16a、16b)に検出信号を印加するものとすることができる。
【0016】
これによれば、可動部(20)は、支持基板(11)側および自己診断用電極(90)側に交互に引き寄せられることになる。このため、例えば、可動部(20)が支持基板(11)側に引き寄せられたときの容量と、自己診断用電極(90)側に引き寄せられたときの容量とを比較することによって、可動部(20)上、または支持基板(11)と可動部(20)との間にゴミ等の異物が付着しているか否かを容易に判定することができる。
【0017】
また、請求項7に記載の発明のように、半導体基板(10)を備え、半導体基板(10)の一面側には、可動部(20)および第1固定部(30、40)が形成されていると共に、可動部(20)および第1固定部(30、40)を覆う蓋部(80)が備えられており、蓋部(80)のうち可動部(20)と対向する部分には第2固定部としての自己診断用電極(90)が形成されており、第2容量部(17)は、可動部(20)と自己診断用電極(90)とによって構成されるものとすることができる。
【0018】
そして、請求項8に記載の発明のように、可動部(20)に対して、自己診断時には、nを自然数としたとき、自己診断信号印加手段(220)から可動部(20)の変位方向と垂直方向における共振周波数のn倍、または、(1/n)倍の周波数を有する信号を印加することができる。
【0019】
これによれば、可動部(20)には垂直方向における共振周波数のn倍、または、(1/n)倍の周波数が印加されるため、可動部(20)の垂直方向における変位を大きくすることができる。
【0020】
また、請求項9に記載の発明のように、検出する物理量を加速度とすることができる。
【0021】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態における加速度センサの平面図である。
【図2】図1中のA−A線に沿った断面構成を示す図である。
【図3】回路手段の構成を示す図である。
【図4】図1に示す加速度センサの作動時のタイミングチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態における加速度センサの断面構成を示す図である。
【図6】図5に示す加速度センサの作動時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、容量式物理量検出装置として、差動容量式の加速度センサに本発明を適用したものである。図1は、加速度センサの平面図であり、図2は図1中のA−A線に沿った断面構成を示す図である。この加速度センサは、例えば、エアバッグ、ABS、VSC等の作動制御を行うための自動車用加速度センサやジャイロセンサ等に適用されると好適である。
【0024】
加速度センサ100は、半導体基板10に周知のマイクロマシン加工を施すことにより形成される。本実施形態では、加速度センサ100を構成する半導体基板10は、図1および図2に示されるように、支持基板11と、支持基板11上に形成された埋込絶縁膜12と、埋込絶縁膜12を挟んで支持基板11と反対側に配置された半導体層13とを有するSOI基板とされている。なお、本実施形態では、半導体層13の表面が本発明の半導体基板10の一面に相当している。
【0025】
半導体層13には、溝部14を形成することにより、可動部20および固定部30、40よりなる櫛歯形状を有する梁構造体が形成されている。また、埋込絶縁膜12のうち梁構造体20〜40の形成領域に対応した部位は、犠牲層エッチング等により矩形状に除去されて開口部15を形成している。
【0026】
可動部20は、開口部15上を横断するように配置されており、矩形状の錘部21の両端が梁部22を介してアンカー部23aおよび23bに一体に連結した構成とされている。アンカー部23aおよび23bは、埋込絶縁膜12における開口部15の開口縁部に固定されて支持基板11に支持されている。これによって、錘部21および梁部22は、開口部15に臨んだ状態となっている。
【0027】
梁部22は、平行な2本の梁がその両端で連結された矩形枠状をなしており、2本の梁の長手方向と直交する方向に変位するバネ機能を有する。具体的には、梁部22は、図1中のx方向の成分を含む加速度を受けたときに錘部21をx方向へ変位させると共に、加速度の消失に応じて元の状態に復元させるようになっている。したがって、このような梁部22を介して半導体基板10に連結された可動部20は、加速度の印加に応じて、開口部15上にて梁部22の変位方向(x方向)へ変位可能となっている。
【0028】
ここで、図1および図2中のx軸、y軸、z軸の各方向について説明する。上記のように、x軸方向は梁部22の変位方向であると共に、錘部21および可動電極24の変位方向である。また、y軸方向は、半導体基板10の面内においてx軸と直交する方向である。また、z軸方向は、半導体基板10の面方向と直交する方向である。
【0029】
可動部20は、梁部22の変位方向(x方向)と直交した方向にて、錘部21の両側面から互いに反対方向へ一体的に突出形成された複数個の可動電極24を備えている。図1では、可動電極24は、錘部21の左側および右側に各々4個ずつ突出して形成されており、断面矩形が梁状とされていると共に開口部15に臨んだ状態となっている。このように、各可動電極24は、梁部22および錘部21と一体的に形成され、梁部22および錘部21と共に梁部22の変位方向へ変位可能となっている。
【0030】
固定部30、40は、埋込絶縁膜12における開口部15の開口縁部における対向辺部のうち、アンカー部23a、23bが支持されていないもう1組の対向辺部に支持されている。ここで、固定部30、40は、錘部21を挟んで2個設けられており、図1中の左側に位置する固定部30と、図1中の右側に位置する固定部40とより成り、両固定部30、40は互いに電気的に独立している。なお、本実施形態では、固定部30、40が本発明の第1固定部に相当している。
【0031】
各固定部30、40は、可動電極24の側面と所定の検出間隔を有するように平行した状態で対向配置された複数個(図示例では4個ずつ)の固定電極31、41と、埋込絶縁膜12における開口部15の開口縁部に固定されて支持基板11に支持された配線部32、42とを有した構成となっている。すなわち、各固定電極31、41は、可動電極24における櫛歯の隙間にかみ合うように櫛歯状に複数本配列されている。また、各固定電極31、41は断面矩形が梁状とされ、各配線部32、42に片持ち状に支持された状態となっており、開口部15に臨んだ状態となっている。
【0032】
また、図1に示されるように、半導体基板10における半導体層13のうち可動電極24および固定電極31、41の溝部14を介した外周部は、周辺固定部50として構成されている。この周辺固定部50は、埋込絶縁膜12を介して支持基板11に固定されて支持されており、支持基板11との対向面積が各電極24、31、41と支持基板11との対向面積に対して非常に大きくされている。
【0033】
各固定部30、40の各配線部32、42上の所定位置には、それぞれワイヤボンディング用の固定電極パッド32a、42aが形成されている。また、一方のアンカー部23bと一体に連結された状態で、可動電極用配線部25が形成されており、この可動電極用配線部25上の所定位置には、ワイヤボンディング用の可動電極パッド25aが形成されている。さらに、周辺固定部50の所定位置には、周辺固定部パッド50aが形成されている。上記各電極パッド25a、32a、42a、50aは、例えば、アルミニウムをスパッタや蒸着すること等により形成されている。
【0034】
また、図2に示されるように、加速度センサ100は、支持基板11の裏面(埋込絶縁膜12とは反対側の面)側において接着剤60を介してパッケージ70に接着固定されている。このパッケージ70には、後述する回路手段が収納されている。そして、この回路手段と上記の各電極パッド25a、32a、42a、50aとは、金またはアルミニウムのワイヤボンディング等により形成されたワイヤW1、W2、W3、W4により電気的に接続されている。
【0035】
このような構成においては、図1中にコンデンサ記号で示す様に、固定電極31と可動電極24とによって容量CS1を有する第1容量部16aが構成され、固定電極41と可動電極24とによって容量CS2を有する第1容量部16bが構成されている。そして、加速度を受けると、梁部22のバネ機能により、アンカー部を除く可動部20全体が一体的にx方向へ変位し、可動電極24の変位に応じて上記第1容量部16a、16bの容量CS1、CS2が変化する。そして、上記回路手段は、第1容量部16a、16bの差動容量(CS1−CS2)の変化に基づいて加速度を検出する。
【0036】
次に、回路手段の構成について説明する。図3は、回路手段の構成を示す図である。図3に示されるように、回路手段200は、C−V変換回路(スイッチドキャパシタ回路)210およびスイッチ回路220を有する。C−V変換回路210は、可動電極24と固定電極31、41とからなる第1容量部16a、16bの容量変化を電圧に変換して出力するもので、演算増幅器211、コンデンサ212、およびスイッチ213から構成されている。
【0037】
演算増幅器211の反転入力端子は、可動電極パッド25aを介して可動電極24に接続されており、反転入力端子と出力端子との間には、コンデンサ212およびスイッチ213が並列に接続されている。また、演算増幅器211の非反転入力端子には、スイッチ回路220を介してV/2の電圧とV1の電圧のいずれかが入力されるようになっている。
【0038】
スイッチ回路220は、C−V変換回路210における演算増幅器211の非反転入力端子に、図示しないそれぞれの電圧源からのV/2の電圧とV1(V/2とは異なる)の電圧のいずれかを入力するもので、スイッチ221とスイッチ222から構成されている。スイッチ221とスイッチ222は、一方が閉じているときに他方が開くようになっている。
【0039】
また、回路手段200は図示しない制御回路を有しており、この制御回路は、固定電極パッド32aから、一定振幅Vで周期的に変化する搬送波P1を固定電極31へ入力し、固定電極パッド42aから、搬送波P1と位相が180°ずれ且つ同一振幅Vである搬送波P2を固定電極41へ入力する。また、この制御回路は、上記の各スイッチ213、221、222の開閉を所定のタイミングにて制御できるようになっている。さらに、制御回路は、本実施形態では、周辺固定部パッド50aから周辺固定部50にV/2の電圧を入力する。本実施形態では、この制御回路と上記スイッチ回路220とにより本発明の自己診断信号印加手段が構成されている。
【0040】
続いて、上記加速度センサ100の作動について説明する。図4は、加速度センサ100のタイミングチャートである。まず、加速度センサ100の通常作動時の作動について説明する。
【0041】
自己診断信号印加手段としての上記制御回路から出力される搬送波P1(例えば、周波数100kHz、振幅0〜5V)は、図4に示すように、期間φ1を1周期(例えば10μs)としてハイレベルとローレベルが変化する一定振幅の矩形波信号となっており、搬送波P2は、搬送波P1に対して電圧レベルが反転した矩形波信号となっている。
【0042】
また、通常動作時では、上記の各搬送波P1およびP2が固定電極31、41へ印加されているとき、スイッチ回路220においてスイッチ221は閉、スイッチ222は開になっている。それによって、演算増幅器211の非反転入力端子にV/2(例えば、2.5V)の電圧が印加され、可動電極24にはV/2の一定電圧(可動電極信号)が印加されている。また、周辺固定部50には、可動電極24と同様に、制御回路からV/2(例えば、2.5V)の一定電圧が印加されている。
【0043】
この状態において加速度が印加されていない場合には、固定電極31と可動電極24との電位差、および、固定電極41と可動電極24との電位差は、共にV/2となり、固定電極31と可動電極24との間の静電気力、および、固定電極41と可動電極24との間の静電気力は、略等しく釣り合っている。
【0044】
また、通常動作時では、C−V変換回路210において、スイッチ213は図4に示すタイミングで開閉される。このスイッチ213が閉のとき(期間φ2)、コンデンサ212がリセットされる。一方、スイッチ213が開のときに、加速度検出が行われる。つまり、期間φ1のうち期間φ2以外の期間が加速度を検出する期間である。この検出期間において、C−V変換回路210からの出力電圧V0は、次の数式1で示される。
【0045】
(数1)V0=(CS1−CS2)・V’/Cf
ここで、V’は両パッド32a、42aの間、すなわち、固定電極31、41の間の電圧であり、Cfはコンデンサ212の容量である。
【0046】
加速度が印加されると、各第1容量部16a、16bの容量CS1、CS2のバランスが変化する。すると、上記数式1に基づき容量差(CS1−CS2)に応じた電圧が、加速度が印加されていないときの出力V0にバイアスとして加わった形で出力V0(例えば0〜5V)として出力される。この出力V0は、この後、増幅回路やローパスフィルタ等を備えた信号処理回路(図示せず)にて信号処理され、加速度検出信号として検出される。
【0047】
次に、加速度センサ100の自己診断時の作動について説明する。まず支持基板11の電位について説明する。
【0048】
本加速度センサ100においては、固定電極31と支持基板11との間には寄生容量CK1が形成され、固定電極41と支持基板11との間には寄生容量CK2が形成され、可動電極24と支持基板11との間には寄生容量CK3が形成され、周辺固定部50と支持基板11との間には寄生容量CK4が形成されている。この場合、周辺固定部50と支持基板11との間には埋込絶縁膜12が存在すること、周辺固定部50と支持基板11との対向面積が各電極24、31、41と支持基板11との対向面積に対して非常に大きいことから、寄生容量CK4が他の寄生容量CK1〜CK3に対して非常に大きくなる。このため、支持基板11の電位は、容量カップリングによって周辺固定部50と同電位に引き上げられて固定される。すなわち、支持基板11にはV/2の電圧が印加されている状態となる。
【0049】
そして、自己診断時では、自己診断信号印加手段としての上記制御回路により、図4に示す様に、一定振幅V(図示例では振幅0〜5V)の矩形波信号である搬送波P1およびP2が入力される。ここで、期間φ3(例えば100μs)において、搬送波P1と搬送波P2とは、互いに電圧レベルが反転した一定電圧信号(例えば搬送波P1が5V、搬送波P2が0V)となっている。
【0050】
また、この期間φ3では、つまり上記各搬送波P1およびP2が固定電極31、41へ印加されているときでは、スイッチ回路220においてスイッチ221は開、スイッチ222は閉になっている。そのため、演算増幅器211の非反転入力端子へ、V/2とは異なるV1(例えば3V)の電圧が印加され、可動電極24には、この電圧V1が可動電極信号として印加されている。
【0051】
そして、可動電極24に電圧V1が印加されると、上記通常動作時における静電気力の釣り合いが崩れ、可動電極24は、固定電極31、41のうち可動電極24との間の電位差が大きい方の固定電極へ引き寄せられる。すなわち、図4に示されるように静電気力Fxが発生し、可動電極24が図1および図2中のx方向に変位する。図4に示す例では、可動電極24と固定電極41の電位差が可動電極24と固定電極31の電位差より大きいため、固定電極41の方へ引き寄せられるように梁部22がたわみ、それと一体的に可動電極24が固定電極41側に変位する。
【0052】
また、上記のように、支持基板11はV/2の電圧が印加されている状態となっているため、可動電極24に電圧V1が印加されると、可動電極24と支持基板11との間に静電気力(図4中静電気力Fz)が発生し、可動電極24は支持基板11側へ引き寄せられる。すなわち、可動電極24が支持基板11(半導体基板10)の面方向と垂直方向、つまり図1および図2中のz方向に変位する。つまり、本実施形態では、支持基板11が本発明の第2固定部に相当しており、支持基板11と可動部20とによって第2容量部17が構成されている。
【0053】
このように、期間φ3は、可動電極24を変位させる期間である。なお、期間φ3においては、C−V変換回路210のスイッチ213は閉であるため、コンデンサ212がリセット状態にある。
【0054】
次に、期間φ4(例えば10μs)は、上記期間φ1と同様の信号波形を、可動電極24と固定電極31、41との間に印加することにより、直前の期間φ3にて変位させた可動電極24と固定電極31、41との間の容量、つまり第1容量部16a、16bの容量を検出する期間である。すなわち、C−V変換回路210のスイッチ213を所定期間(期間φ2)後に開から閉としてコンデンサ212を加速度検出可能な状態と同じにする。また、上記通常動作時と同様の搬送波P1およびP2を印加する。そして、スイッチ回路220においてスイッチ221を閉、スイッチ222を開として可動電極24にV/2(例えば2.5V)の一定電圧を可動電極信号として印加する。
【0055】
すると、この期間φ4にて、例えば、固定電極31の方へ引き寄せられていると共に支持基板11の方へ引き寄せられていた可動電極24が元の位置に戻ろうとするため、この容量変化に応じてC−V変換回路210のコンデンサ212に電荷が発生し、期間φ3にて変位させた可動電極24と固定電極31、41の容量変化を検出することができる。このように、期間(φ3+φ4)を1周期とした自己診断信号(上記搬送波、可動電極信号、周辺固定部信号)を可動電極24と固定電極31、41との間に印加することにより、自己診断が可能となっている。
【0056】
なお、上記のように、支持基板11は通常動作時および自己診断時においてV/2の電圧が印加されている状態となっているが、通常動作時では可動電極24にもV/2の電圧が印加されており、支持基板11と可動電極24とが同電位となるため、支持基板11と可動電極24との間に静電気力は発生していない。
【0057】
また、本実施形態では、期間φ3に可動電極24と固定電極31、41との間(第1容量部16a、16b)に印加される信号が本発明の第1変位信号に相当しており、期間φ3に可動電極24と支持基板11(周辺固定部50)との間(第2容量部17)に印加される信号が本発明の第2変位信号に相当している。なお、上記のように、第1、第2変位信号における可動電極24に印加される信号(可動電極信号)は同一の信号である。そして、期間φ4に可動電極24と固定電極31、41との間(第1容量部16a、16b)に印加される信号が本発明の検出信号に相当している。
【0058】
また、本実施形態では、効率的な自己診断を可能とするために、自己診断時において、可動電極24には、nを自然数とすると、z方向の共振周波数のn倍、または(1/n)倍の周波数を有する信号を回路手段200から印加するようにしている。これによって、自己診断時に可動電極24をz方向に大きく変位させることができる。また、より好ましくは、可動電極24には、x方向の共振周波数のn倍、または(1/n)倍の周波数を有する信号を回路手段200から印加されるようにするのがよい。これによって、自己診断時に可動電極24をx方向に大きく変位させることができる。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、自己診断時には、自己診断信号が周期的に可動電極24と固定電極31、41との間(第1容量部16a、16b)に印加されると共に、可動電極24と周辺固定部50(支持基板11)との間(第2容量部17)に印加される。そして、可動電極24と固定電極31、41との間に静電気力を発生させて可動電極24をx方向に変位させると共に、可動電極24と支持基板11との間に静電気力を発生させて可動電極24をz方向に変位させている。
【0060】
このため、自己診断時では、可動電極24と固定電極31、41との間の容量(第1容量部16a、16bの容量)、可動電極24がx方向に変位して間隔が変化することに伴って変化すると共に可動電極24がz方向に変位して対向面積が変化することに伴って変化する。このため、従来の容量式物理量検出装置と比較して、自己診断時における容量の変化を大きくすることができる。したがって、大きな加速度を検出する加速度センサにおいても、自己診断の感度を確保することができ、適切な自己診断を行うことができる。
【0061】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、可動電極24および固定電極31、41を覆う蓋部を半導体層13に接合し、蓋部に自己診断用電極を備えたものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0062】
図5に示されるように、本実施形態の加速度センサ100は、半導体層13に可動電極24および固定電極31、41を覆うように蓋部80が接合されている。具体的には、蓋部80は、各パッド25a、32a、42a、50aを露出させるように半導体層13に接合されている。
【0063】
また、蓋部80は、半導体層13と対向する一面のうち、可動部20と対向する部分に凹部81が形成されている。そして、凹部81の底面には、自己診断用電極90が備えられている。この自己診断用電極90は、蓋部80に形成されたスルーホール等を介して回路手段200と電気的に接続されており、回路手段200から所定の信号が印加されるようになっている。
【0064】
次に、本実施形態の自己診断時の作動について説明する。図6は、本実施形態における容量式物理量検出装置のタイミングチャートである。
【0065】
図6に示されるように、自己診断信号印加手段としての上記制御回路により、期間φ3では、一定振幅V(図示例では振幅0〜5V)の矩形波信号である搬送波P1およびP2が入力されており、可動電極24には、電圧V1(例えば、3V)が可動電極信号として印加されている。
【0066】
また、周辺固定部50(支持基板11)には、上記第1実施形態と同様に、自己診断信号印加手段としての制御回路から電圧V/2(例えば、2.5V)が印加されている。そして、自己診断用電極90には、自己診断信号印加手段としての制御回路から可動電極24に印加される電圧V1と同じ電圧V1が印加されている。すなわち、期間φ3では、可動電極24は、固定電極41側に引き寄せられていると共に支持基板11側に引き寄せられている。
【0067】
そして、期間φ4では、上記期間φ1と同様の信号波形を、可動電極24と固定電極31、41との間に印加することにより、直前の期間φ3にて変位させた第1容量部16a、16bの容量を検出する。
【0068】
その後、期間φ5では、周辺固定部50(支持基板11)には、自己診断信号印加手段としての制御回路から可動電極24に印加する電圧V1(例えば、3V)と同じ電圧V1が印加される。すなわち、可動電極24と支持基板11との間に静電気力が発生しないようにしている。そして、自己診断用電極90には、自己診断信号印加手段としての制御回路から可動電極24に印加する電圧V1と異なる電圧V/2(例えば、2.5V)が印加される。すなわち、期間φ5では、可動電極24は、固定電極41側へ引き寄せられていると共に自己診断用電極90側に引き寄せられている。つまり、可動電極24は、期間φ5では、z方向において、期間φ3と反対側に変位する。
【0069】
続いて、期間φ6では、期間φ4と同様に、第1容量部16a、16bの容量を検出する。
【0070】
なお、本実施形態では、支持基板11および自己診断用電極90が本発明の第2固定部に相当しており、支持基板11と可動部20とによって第2容量部17が構成されていると共に自己診断用電極90と可動部20とによって第2容量部17が構成されている。
【0071】
また、期間φ3、期間φ5に可動電極24と固定電極31、41との間(第1容量部16a、16b)に印加される信号が本発明の第1変位信号に相当している。そして、期間φ3に可動電極24と支持基板11(周辺固定部50)との間(第2容量部17)に印加される信号が本発明の第2変位信号に相当しており、期間φ5に可動電極24と自己診断用電極90との間(第2容量部17)に印加される信号が本発明の第2変位信号に相当している。なお、上記のように、第1、第2変位信号における可動電極24に印加される信号(可動電極信号)は同一の信号である。また、期間φ4、期間φ6に可動電極24と固定電極31、41との間(第1容量部16a、16b)に印加される信号が本発明の検出信号に相当している。
【0072】
このような加速度センサ100では、自己診断時には、可動電極24は、支持基板11側および自己診断用電極90側に交互に引き寄せられることになる。このため、例えば、可動電極24が支持基板11側に引き寄せられたときの容量と可動電極24が自己診断用電極90側に引き寄せられたときの容量とを比較することによって、可動電極24上、または可動電極24と支持基板11との間にゴミ等の異物が付着しているか否かを容易に判定することができる。
【0073】
(他の実施形態)
上記第1実施形態では、自己診断時において、周辺固定部50(支持基板11)にV/2の電圧を印加するものを説明したが、周辺固定部50(支持基板11)に印加する電圧は可動電極24に印加する電圧と異なる電圧であればよい。すなわち、自己診断時において、周辺固定部50(支持基板11)にV(例えば、5V)の電圧を印加したり、周辺固定部50をグランドに接続したりすることによって可動電極24との間の電位差を大きくすることにより、z方向の変位を大きくすることができる。
【0074】
同様に、第2実施形態においても、周辺固定部50(支持基板11)に印加する電圧や自己診断用電極90に印加する電圧は適宜変更可能である。
【0075】
また、上記各実施形態では、通常動作時と自己診断時とで、可動電極24に印加する電圧を変えて可動電極24を変位させているが、固定電極31、41に印加する搬送波P1、P2において電圧を変えることにより、可動電極24をx方向に変位させるようにしてもよい。この場合、上記第1実施形態では、周辺固定部50に印加する電圧を変えて可動電極24をz方向に変位させることができる。また、上記第2実施形態では、周辺固定部50(支持基板11)や自己診断用電極90に印加する電圧を変えて可動電極24をz方向に変位させることができる。
【0076】
さらに、上記各実施形態では、自己診断時において、可動電極24をx方向およびz方向に変位させるものについて説明したが、可動電極24をx方向およびy方向に変位させるようにしてもよい。この場合は、例えば、図1において、固定電極31、41を3個ずつとし、固定電極31、41と対向配置されない可動電極24に対して、埋込絶縁膜12における開口部15の開口縁部における対向辺部のうち、アンカー部23a、23bが支持されていないもう1組の対向辺部に自己診断用電極を配置する。そして、自己診断時において、当該自己診断用電極と可動電極24との間に静電気力を発生させて可動電極24をy方向に変位させるようにしてもよい。
【0077】
また、上記第2実施形態では、各パッド25a、32a、42a、50aが蓋部80から露出しているものを説明したが、各パッド25a、32a、42a、50aは周辺固定部50と共に蓋部80と接合されていてもよい。この場合は、蓋部80にスルーホール等を形成し、当該スルーホールが各パッド25a、32a、42a、50aと電気的に接続されるように蓋部80を配置してスルーホールを介して各パッド25a、32a、42a、50aと回路手段200とが電気的に接続されるようにすればよい。
【0078】
さらに、上記第2実施形態では、自己診断時には、可動電極24と自己診断用電極90との間にのみ静電気力を発生させるようにし、可動電極24と支持基板11との間に静電気力を発生させないようにしてもよい。
【0079】
さらに、本発明の梁部22は上記のような枠形状でなくてもよく、バネ機能を有するものであれば、どのような形状でも良い。また、本発明は上記加速度センサ100に適用するものに限らず、圧力センサ、角速度センサ等の静電容量式の物理量検出装置にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
10 半導体基板
20 可動部
22 梁部
24 可動電極
30、40 固定部
31、41 固定電極
50 周辺固定部
210 C−V変換回路
220 スイッチ回路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
物理量に応じて所定方向へ変位する可動部(20)と、
前記可動部(20)に対向して配置され、前記可動部(20)と共に第1容量部(16a、16b)を構成する第1固定部(30、40)と、
前記可動部(20)に対して前記所定方向と垂直方向に対向して配置され、前記可動部(20)と共に第2容量部(17)を構成する第2固定部(11、90)と、
自己診断時には、前記第1容量部(16a、16b)に前記可動部(20)を変位させるための第1変位信号を印加すると共に前記第2容量部(17)に前記可動部(20)を変位させるための第2変位信号を印加した後、前記第1容量部(16a、16b)に当該第1容量部(16a、16b)の容量変化を検出するための検出信号を印加する自己診断信号印加手段(220)と、
前記検出信号が前記第1容量部(16a、16b)に印加されているときに、前記第1容量部(16a、16b)の容量変化に応じた電圧を出力するC−V変換回路(210)と、を備え、
前記可動部(20)は、前記第1容量部(16a、16b)に前記第1変位信号が印加されると前記第1容量部(16a、16b)で発生する静電気力によって前記所定方向に変位し、前記第2容量部(17)に前記第2変位信号が印加されると前記第2容量部(17)で発生する静電気力によって前記垂直方向に変位することを特徴とする容量式物理量検出装置。
【請求項2】
前記可動部(20)は可動電極(24)を有し、
前記第1固定部(30、40)は、固定電極(31、41)を有し、
前記第1容量部(16a、16b)は、前記可動電極(24)および前記固定電極(31、41)によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量式物理量検出装置。
【請求項3】
前記可動電極(24)は、櫛歯構造とされており、
前記固定電極(31、41)は、前記可動電極(24)の櫛歯の隙間にかみ合う櫛歯構造とされていることを特徴とする請求項2に記載の容量式物理量検出装置。
【請求項4】
前記第2固定部としての支持基板(11)と、前記支持基板(11)上に配置される埋込絶縁膜(12)と、前記埋込絶縁膜(12)を挟んで前記支持基板(11)と反対側に配置される半導体層(13)と、を有する半導体基板(10)を備え、
前記半導体層(13)には、前記可動部(20)および前記第1固定部(30、40)が形成されていると共に、前記可動部(20)および前記第1固定部(30、40)を囲み、前記埋込絶縁膜(12)を介して前記支持基板(11)に支持されている周辺固定部(50)が構成されており、
前記支持基板(11)は、前記周辺固定部(50)に電圧が印加されると所定電圧に固定されて前記可動部(20)と共に前記第2容量部(17)を構成することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の容量式物理量検出装置。
【請求項5】
前記半導体層(13)には前記可動部(20)および前記固定部(30、40)を覆う蓋部(80)が備えられ、前記蓋部(80)のうち前記可動部(20)と対向する部分には前記第2固定部としての自己診断用電極(90)が形成されており、
前記第2容量部(17)は、前記可動部(20)と前記支持基板(11)とによって構成されていると共に、前記可動部(20)と前記自己診断用電極(90)とによって構成されていることを特徴とする請求項4に記載の容量式物理量検出装置。
【請求項6】
前記自己診断信号印加手段(220)は、自己診断時において、前記第1容量部(16a、16b)に前記第1変位信号を印加すると共に、前記可動部(20)と前記支持基板(11)とによって構成される前記第2容量部(17)または前記可動部(20)と前記自己診断用電極(90)とによって構成される前記第2容量部(17)のいずれか一方に前記第2変位信号を印加した後に前記第1容量部(16a、16b)に前記検出信号を印加し、続いて前記第1容量部(16a、16b)に前記第1変位信号を印加すると共に、前記可動部(20)と前記支持基板(11)とによって構成される前記第2容量部(17)または前記可動部(20)と前記自己診断用電極(90)とによって構成される前記第2容量部(17)の他方に前記第2変位信号を印加した後に前記第1容量部(16a、16b)に前記検出信号を印加することを特徴とする請求項5に記載の容量式物理量検出装置。
【請求項7】
半導体基板(10)を備え、
前記半導体基板(10)の一面側には、前記可動部(20)および前記第1固定部(30、40)が形成されていると共に、前記可動部(20)および前記第1固定部(30、40)を覆う蓋部(80)が備えられており、
前記蓋部(80)のうち前記可動部(20)と対向する部分には前記第2固定部としての自己診断用電極(90)が形成されており、
前記第2容量部(17)は、前記可動部(20)と前記自己診断用電極(90)とによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量式物理量検出装置。
【請求項8】
前記可動部(20)には、自己診断時において、nを自然数としたとき、前記自己診断信号印加手段(220)から前記垂直方向における共振周波数のn倍、または、(1/n)倍の周波数を有する信号が印加されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の容量式物理量検出装置。
【請求項9】
前記物理量は加速度であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の容量式物理量検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−242201(P2012−242201A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111139(P2011−111139)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】