説明

容量性負荷を駆動する電源装置

【目的】 コストダウン、軽量化、小型化等を著しく図れるようにする。
【構成】 一端が直流電源に接続される一次側の充電及び発光用の第一スイッチ素子1と、一端がアースされる二次側の負荷2とを直列に接続し、この第一スイッチ素子1と負荷2との間に、一端がアースされる放電用の第二スイッチ素子3を並列に接続する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、主として平面スピーカ、エレクトロルミネセンス(電場発光)等を駆動させる際に使用される容量性負荷を駆動する電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電源装置としては、一次側の交流発生回路と二次側の負荷との間にコンバータトランスを接続し、このコンバータトランスを用いて一次側の交流電圧により二次側の負荷を駆動していた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、一次側の交流発生回路と二次側の負荷との間にコンバータトランスを接続しなければならないため、コストアップの要因になっていたばかりでなく、全体が重くなり、且つ全体が嵩張って大型になる問題があった。
【0004】
そこで、本考案は、上述のような課題を解決するために案出されたもので、コストダウンを著しく図れるようにすると共に、軽量化及び小型化も著しく図れるような容量性負荷を駆動する電源装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上述のような目的を達成するために、一端が直流電源に接続される一次側の充電及び発光用の第一スイッチ素子と、一端がアースされる二次側の負荷とを直列に接続し、この第一スイッチ素子と負荷との間に、一端がアースされる放電用の第二スイッチ素子を並列に接続したものである。
【0006】
【作用】
そして、上述のような技術的手段により、従来存していたコンバータトランスを用いず、直流電源から一次側の第一スイッチ素子にて二次側の負荷に直流電圧を供給して充電し、続いて第二スイッチ素子にて二次側の負荷を放電させ、この負荷への充電とその負荷からの放電との繰り返しによって、前記負荷に交流電圧を発生させ、容量性負荷の連続駆動を可能にする。
【0007】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0008】
本考案の容量性負荷を駆動する電源装置は、図1のブロック図に示すように、一端が直流電源に接続される一次側の充電及び発光用の第一スイッチ素子1と、一端がアースされる二次側の負荷2とを直列に接続し、この第一スイッチ素子1と負荷2との間に、一端がアースされる放電用の第二スイッチ素子3を並列に接続する。
【0009】
そして、図2及び図3のタイムチャートに示すように、従来存していたコンバータトランスを用いず、直流電源から一次側の第一スイッチ素子1にて二次側の負荷2に直流電圧を供給して充電し、続いて第二スイッチ素子3にて二次側の負荷2を放電させ、この負荷2への充電とその負荷2からの放電との繰り返しによって、前記負荷2に交流電圧を発生させ、容量性負荷の連続駆動を可能にしたものである。
【0010】
また、前記負荷2に第一スイッチ素子1で電圧を加える際は、交流で変調を加えることで、負荷2に電圧を供給中に交流駆動とする。それに、図2に示すように、300 Hz程度の低周波数の場合は、前記第一スイッチ素子1と前記第二スイッチ素子3との点灯及び消灯の時間が同一で、第一スイッチ素子1が点灯しているときは第二スイッチ素子3が消灯し、逆に第二スイッチ素子3が点灯しているときは第一スイッチ素子1が消灯しているというように交互に繰り返す。一方、図3に示すように、400 Hz〜1KHz程度の高周波数の場合は、第一スイッチ素子1が点灯すると同時に負荷2が交流駆動し、続いて負荷2が急激に放電した後、第二スイッチ素子3が点灯し、また暫くしてから同様に順次繰り返す。尚、図2及び図3に示すタイミングにおいて、前記第一スイッチ素子1と前記第二スイッチ素子3とが同一のタイミングで作動状態になることはない。
【0011】
【考案の効果】
本考案の容量性負荷を駆動する電源は、上述のように、一端が直流電源に接続される一次側の充電及び発光用の第一スイッチ素子1と、一端がアースされる二次側の負荷2とを直列に接続し、この第一スイッチ素子1と負荷2との間に、一端がアースされる放電用の第二スイッチ素子3を並列に接続するように構成したから、従来存していたコンバータトランスを用いず、直流電源から一次側の第一スイッチ素子1にて二次側の負荷2に直流電圧を供給して充電し、続いて第二スイッチ素子3にて二次側の負荷2を放電させ、この負荷2への充電とその負荷2からの放電との繰り返しによって、前記負荷2に交流電圧が発生し、容量性負荷の連続駆動が可能になるため、従来のように一次側の交流発生回路と二次側の負荷との間にコンバータトランスを接続することなく、コストダウンを著しく図ることができると共に、そのコンバータトランスが不要になることから、軽量化及び小型化も著しく図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本考案の一実施例の低周波数の場合の作用を示すタイムチャートである。
【図3】本考案の一実施例の高周波数の場合の作用を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 第一スイッチ素子
2 負荷
3 第二スイッチ素子

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 一端が直流電源に接続される一次側の充電及び発光用の第一スイッチ素子と、一端がアースされる二次側の負荷とを直列に接続し、この第一スイッチ素子と負荷との間に、一端がアースされる放電用の第二スイッチ素子を並列に接続したことを特徴とする容量性負荷を駆動する電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3002035号
【登録日】平成6年(1994)7月6日
【発行日】平成6年(1994)9月13日
【考案の名称】容量性負荷を駆動する電源装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−3522
【出願日】平成6年(1994)3月15日
【出願人】(592157733)株式会社日之出電機製作所 (4)