容量調整用給電基板及びそれを用いた放電管均流点灯装置並びに液晶表示装置
【解決手段】絶縁基板16aの表面S上に、互いに分離して形成され、放電管のそれぞれに接続される複数の第一導体301,302と、表面Sにおいて、隣接する第一導体301,302の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体311と、絶縁基板16aの裏面Rにおいて、第一導体301,302及び第二導体311に対向して形成された第三導体32とを備える。
【効果】第一導体301,302と第三導体32との重なる領域にキャパシタンスを作る。これらのキャパシタンスは、容量調整用の第二導体311を、隣接するいずれかの第一導体301,302に接合するかしないかによって、その値を変えることができる。従って、各放電管に直列につながるキャパシタンスを、放電管ごとに調整することができ、各放電管に対して、互いにほぼ等しい大きさの高周波電流を供給することができる。
【効果】第一導体301,302と第三導体32との重なる領域にキャパシタンスを作る。これらのキャパシタンスは、容量調整用の第二導体311を、隣接するいずれかの第一導体301,302に接合するかしないかによって、その値を変えることができる。従って、各放電管に直列につながるキャパシタンスを、放電管ごとに調整することができ、各放電管に対して、互いにほぼ等しい大きさの高周波電流を供給することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の放電管を点灯させる放電管均流点灯装置及び液晶表示装置に関するものである。ここで「放電管」とは、高圧を印加して、密封管内でイオン化した気体(プラズマ)に放電させることにより発光させる器具をいい、ネオン管、ナトリウムランプ、蛍光管、冷陰極管などがこれに該当する。「均流」とは複数の放電管に対して、互いにほぼ等しい大きさの高周波電流を供給することをいう。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置など各種表示装置のバックライトには、放電管の一種である冷陰極管( Cold Cathode Fluorescent Tube)が用いられる。この冷陰極管の点灯駆動には、従来から、高周波駆動回路を用いた高周波点灯方式が採用されている。
図13は、高周波駆動回路の一例を示す回路図である。この高周波駆動回路は、数十kHz〜数百kHzの高周波交流電源を供給するためのインバータ回路101と、高周波交流電源を昇圧するための主変圧器102と、その主変圧器102の出力回線に対して並列に接続される複数の冷陰極管103と、各冷陰極管103の一端又は両端に挿入され、各冷陰極管103に互いに等しい電流を流すため各冷陰極管103と直列に接続されたバラスト・キャパシタ(ballast capacitor)からなる均流回路104とを備えている。
【0003】
このような高周波駆動回路においては、前記均流回路を構成するキャパシタは、各冷陰極管103の一端を支持する基板105上に、当該基板105と一体に形成されている。すなわち、図14に示すように、当該基板105の表面上に各冷陰極管103に接続される各導体106を互いに分離して設け、当該基板105の裏面上に一枚の導体層107を設けて、それら表面及び裏面の導体層106,107の重なる領域すなわち前記導体に作られるキャパシタンスを利用して、均流回路104を構成している。
【特許文献1】特開2005-322479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記構造の均流回路では、一度導体のパターンを作ったらキャパシタンスを増減することができない。実際には、各冷陰極管は、前記基板を介して、放電管均流点灯装置の筐体の一部を構成する支持板に固定配置されるものであるが、各冷陰極管と支持板との間に浮遊キャパシタンスが発生する。この浮遊キャパシタンスは、各冷陰極管の位置に応じて各冷陰極管ごとに異なる値となるものであり、このため各冷陰極管ごとに発光の明るさが異なってくる。この明るさの違いを補償するために、前記各冷陰極管と直列に接続されたキャパシタンスの値を、冷陰極管ごとに調整する必要がある。この調整のために、チップ素子を取り付けたり外したりするのでは手間がかかる。
【0005】
そこで本発明は、各放電管に直列に接続されるキャパシタンスを簡単に調整することができ、かつ安価で製作コストを抑えることのできる基板を提供することを目的とする。
また本発明は、前記基板を用いた放電管均流点灯装置及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容量調整用給電基板は、互いに分離して形成され、前記放電管のそれぞれに接続される複数の第一導体と、前記第一導体が形成されている面において、隣接する前記第一導体の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体と、前記第一導体及び前記第二導体に対向して形成された第三導体とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、前記容量調整用の第二導体を、隣接するいずれかの前記第一導体に接合することにより、前記第一導体及び前記第二導体を合わせた導体と、前記第三導体との重なる領域に作られる比較的大きなキャパシタンスを利用して、放電管のための均流回路を構成することが可能となる。また、前記容量調整用の第二導体を、隣接するいずれかの前記第一導体に接合しない場合は、前記第一導体と、前記第三導体との重なる領域に作られるキャパシタンスを利用して、放電管のための均流回路を構成することになる。これらのキャパシタンスは、前記容量調整用の第二導体を隣接するいずれかの前記第一導体に接合するかしないかによって、その値を変えることができる。従って、各放電管に直列につながるキャパシタンスを、放電管ごとに調整することができる。
【0008】
本発明の容量調整用給電基板は、一枚の絶縁基板の表面に前記第一導体及び前記第二導体を形成し、当該絶縁基板の裏面に前記第三導体を形成した構造を有していてもよい。
また、本発明の容量調整用給電基板は、前記第一導体及び前記第二導体を一つの絶縁基板の一面に形成し、前記第二導体を、他の絶縁基板の一面に形成し、前記2つの絶縁基板の前記一面同士を、絶縁膜を介して接近させた構造を有していてもよい。この構造であれば、絶縁膜の厚みや材質を選定することにより、全キャパシタの容量を一律に調整することもできる。
【0009】
本発明の容量調整用給電基板は、ほぼ長方形状を有し、前記複数の第一導体は、当該容量調整用給電基板の長辺方向を分断する形態で互いに独立して形成されていてもよい。
また、前記第三導体は、当該容量調整用給電基板の短辺方向を分断する形態で分離形成されている構造であれば、前記第三導体の分離された導体片同士を接合したり、接合しなかったりすることにより、全キャパシタンスを一律に調整することができる。すなわち、前記容量調整用の第二導体を隣接するいずれかの前記第一導体に接合するかしないかによって、各キャパシタンスを個別に調整することができ、前記第三導体の分離された導体片同士を接合したり、接合しなかったりすることにより、全キャパシタンスを一律に調整することができる。
【0010】
前記第二導体は、隣接する前記第一導体の間に、複数の導体片に分かれて形成されている場合、各キャパシタンスを個別に、よりきめ細かく調整することができる。
本発明の放電管均流点灯装置は、高周波駆動回路と、前記高周波駆動回路によって駆動される複数の放電管と、前述した容量調整用給電基板とを備え、前記複数の放電管は前記容量調整用給電基板の複数の第一導体にそれぞれ接続され、前記第三導体は前記高周波駆動回路の高周波電源供給端に接続されているものである。この構造であれば、各放電管と高周波駆動回路との間を前記容量調整用給電基板に形成される各キャパシタで接続することができ、かつ、容量調整用給電基板に形成される各キャパシタンスを容易に調整することができる。したがって、各放電管に対して、互いにほぼ等しい大きさの高周波電流を供給することができる。
【0011】
この放電管均流点灯装置は、前記複数の放電管を支持する支持板をさらに含み、前記複数の放電管を、前記容量調整用給電基板と、前記支持板との間に配置するという構成を採用してもよい。これにより、前記容量調整用給電基板と前記支持板との間に発生する浮遊容量を低減させることができる。
前記放電管は、蛍光灯又は冷陰極管であってもよい。
【0012】
また、本発明の液晶表示装置は、前記放電管均流点灯装置をバックライトとして用いたものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、各放電管に直列につながるキャパシタンスを、放電管ごとに調整することができるので、放電管の明るさを均一にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置10を示す分解図である。この液晶表示装置10は、液晶表示部11と、液晶表示部11を支持する液晶パネル12と、均流点灯装置本体13とを備えている。
均流点灯装置本体13は、樹脂又は金属のいずれか又は両方で構成された支持板14に複数の冷陰極管15が固定配置されたものであり、これらの冷陰極管15は、それぞれ給電線を通して高周波駆動回路に接続される。複数の冷陰極管15のそれぞれを示すとき、冷陰極管151・・・15nと表記することがある。nは冷陰極管の本数(n>=2)である。
【0015】
液晶表示部11は、例えば4:3,16:9などの横長形状である。なお液晶表示部11の構造は公知のものであり、例えば、表面側の透明基板と光源側の透明基板とを向き合わせた構造になっている。液晶駆動方式はパッシブマトリクス型でもアクティブマトリクス型でもよい。アクティブマトリクス型を例に挙げると、表面側の透明基板の内面には複数のマトリクス状透明電極群を配列し、光源側の透明基板の内面にはマトリクス状透明電極群と対向するように1枚の半透明電極を設置している。さらに、それぞれの電極の上に、一定方向にラビングした樹脂からなる配向膜を形成している。そして両配向膜の間に液晶を封入している。なお、カラー液晶の場合は、表面側の透明基板にカラーフィルター層が設けられている。
【0016】
均流点灯装置本体13は、n本の冷陰極管151・・・15nを、液晶表示部11の長辺方向と平行に配列している。各冷陰極管151〜15nの端部には容量調整用給電基板16の一方の電極(第一導体)が接続されていて、この容量調整用給電基板16の他の電極(第三導体)が後述する高周波駆動回路の高周波電源供給端に接続される。
容量調整用給電基板16は、支持板14に、支持板14の面と平行な状態で固定されている。冷陰極管15の一端導体を約90度折り曲げ、容量調整用給電基板16に接合・固定することによって、冷陰極管15の一端部を支持することができる。冷陰極管15の他端部も同様の構造によって固定されている。
【0017】
図2は、高周波駆動回路17及びそれに接続された複数の冷陰極管15を含む均流点灯装置の全体回路図である。この高周波駆動回路17は、商用交流電源22aに接続された整流回路22bと、整流回路22bの直流出力に基づいて数十kHzの高周波交流電源を得るためのスイッチング回路23と、高周波交流電源を昇圧するための主変圧器24と、その主変圧器24の出力回線に接続された高周波電源供給端25と、高周波電源供給端25に対してそれぞれ並列に接続された複数の冷陰極管15と、各冷陰極管151〜15nに接続され、各冷陰極管151〜15nに互いに等しい電流を流すための均流回路18とを備えている。
【0018】
均流回路18は、各冷陰極管151〜15nに直列に接続されたn個のキャパシタC1〜Cnから構成される。なお、図2では、キャパシタC1〜Cnは、各冷陰極管151〜15nの片側の電極に接続されているが、後に図11を用いて説明するように、キャパシタを各冷陰極管151〜15nの両側の電極に接続する構成を採用しても良い。
この高周波駆動回路17の動作説明をすると、まず整流回路22bによって得られた直流電源は、スイッチング回路23によって高周波電源に変換され、主変圧器24に供給される。この高周波電源の交流周波数は、主変圧器24として十分な変換効率が得られる周波数であり、通常は数十kHz〜数百kHzである。周波数がこの範囲より低すぎると、主変圧器24を大きくする必要があり、装置全体が大きく重くなる。周波数がこの範囲よりも高いと、主変圧器24内部や冷陰極管15で発生する並列容量の影響が大きくなり、共振が発生して変換効率が低下する。
【0019】
主変圧器24は、所定の巻き数と巻き数比を持つことによって、交流電圧を所定の昇圧比で昇圧する。これによって、各冷陰極管151〜15nの点灯に必要な交流電圧(通常1000V〜2000V程度)を得ることができる。
主変圧器24によって昇圧された電源は、均流回路18を構成する各キャパシタC1〜Cnを通して、各冷陰極管151〜15nに供給される。これらのキャパシタC1〜Cnは、一定の電圧降下を実現することによって、各冷陰極管151〜15nに均等の電流を供給するものである。
【0020】
ここで、均流回路18を構成する各キャパシタC1〜Cnを実現するための容量調整用給電基板の構造を詳しく説明する。
本発明の実施形態では、容量調整用給電基板は、ほぼ長方形状を有している。容量調整用給電基板には、互いに分離して形成され、各冷陰極管151〜15nに接続される複数(n個)の第一導体と、前記第一導体が形成されている面において、隣接する第一導体の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体と、前記第一導体及び前記第二導体に対向して形成された第三導体とによって形成される。
【0021】
この容量調整用給電基板の構造の一例を、図3,図4に示す。図3は容量調整用給電基板16の外観斜視図、図4は容量調整用給電基板16の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板16では、絶縁基板16aの表面Sに、その長辺方向(xで示す)に沿って、n個の第一導体301〜30n(総称するときは、第一導体30という)がパターン印刷等により形成されている。各第一導体301〜30nは、当該基板の長辺方xを分断する形態で互いに独立して形成されており、隣り合う第一導体30同士の電気的な直接のつながりはない。絶縁基板16aの表面Sにおいて、隣接する第一導体30同士の間には、いずれの第一導体30とも接続されない状態で、容量調整用の第二導体311〜31(n−1)(総称するときは、第二導体31という)がパターン印刷により形成されている。各第二導体31は、さらに複数(図では5本であるが、5本に限定されるものではない)の導体片Pに分かれて形成されており、これらの複数の導体片P同士、電気的な直接のつながりはない。
【0022】
各第一導体301〜30nには、各冷陰極管151〜15nの一方の電極が、半田などの接合部材Bによってそれぞれ接続されている。
容量調整用給電基板16の裏面Rには、図4(c)に示すように、第三導体32が、前記第一導体30及び前記第二導体31に対向する領域、すなわち容量調整用給電基板16の裏面Rのほぼ全面に形成されている。
【0023】
このように絶縁基板16aの厚みを介して、各第一導体301〜30nが第三導体32に対向することにより、各第一導体301〜30nは、第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。また、各第二導体31の各導体片Pも第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。
第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとは、半田、導体ペーストなどの接合部材により、互いに接合可能となっている。図3に、接合部材により互いに接合された領域(容量調整用接合領域という)Aを示している。この容量調整用接合領域Aにおいて互いに接合された導体同士が電気的に一体になることにより、各導体ごとに作られるキャパシタンスは合体したものとなる。
【0024】
例えば、図3では、絶縁基板16aの最も端に位置する第一導体301と、第二導体311を構成する3本の導体片Pとが合体されているので、これらの導体で作られ合体されたキャパシタが、冷陰極管151を駆動するキャパシタC1となる。また、絶縁基板16aの次に位置する第一導体302と、第二導体312を構成する2本の導体片Pとが合体されているので、これらの導体で作られ合体されたキャパシタが、冷陰極管152を駆動するキャパシタC2となる。
【0025】
半田、導体ペーストなどの接合部材を用いて、第一導体30を、第二導体31のいずれの導体片Pに接合させるか、すなわち容量調整用接合領域Aの範囲を決定するためには、次のようにする。各第一導体301〜30nに各冷陰極管151〜15nの一方の電極を接続し、各冷陰極管151〜15nの他方の電極を接地する。高周波駆動回路17によって全冷陰極管151・・・15nを点灯させて、環状の鉄芯を持つカレントトランスを用いて各冷陰極管151〜15nを流れる電流を非接触に測定して、測定した電流値が基準値より少ない場合、その該当する第一導体30に導体片Pを接合する。このことにより、その該当する第一導体30と第三導体32との間のキャパシタンスを増大させる。導体片Pをいくつ接合するかは、測定した電流値が基準値よりどれだけ少ないかに応じて決めればよい。なお、カレントトランスを用いて各冷陰極管151〜15nを流れる電流を測定する代わりに、各冷陰極管151〜15nの明るさを光度計で測定してもよい。この場合、比較的暗い冷陰極管15に対応する第一導体30に、隣接する導体片Pを多数接合させて、当該冷陰極管15につながるキャパシタのキャパシタンスを増大させる。比較的明るい冷陰極管15に対応する第一導体30には、隣接する導体片Pを接合させない。
【0026】
このようにして、各冷陰極管151〜15nに流れる高周波電流が均一となるように、容量調整用給電基板16上の各キャパシタンスC1〜Cnを調整することができる。
いままでの説明では、容量調整用給電基板の表面Sと裏面Rに、それぞれ導体を形成していた。しかし、2枚の絶縁基板と1枚の絶縁テープを用いて、前記第一導体及び前記第二導体を一つの絶縁基板の一面に形成し、前記第二導体を、他の絶縁基板16cの一面に形成し、前記2つの絶縁基板の前記一面同士を、絶縁テープを介して接着して、容量調整用給電基板を構成することも可能である。
【0027】
図5は、このようにして構成した容量調整用給電基板26の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板26では、図5(a)に示すように、一つの絶縁基板16bの一面に、その長辺方向に沿って、n個の第一導体301〜30nを形成し、同じ面の、隣接する第一導体30同士の間に、いずれの第一導体30とも接続されない状態で、容量調整用の第二導体311〜31(n−1)を形成している。各第二導体31は、さらに複数(図では5本)の導体片Pに分かれて形成されている。
【0028】
他の絶縁基板16cの一面には、図5(c)に示すように、第三導体32をほぼ全面に形成している。
そして、図5(b)のように、一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して対向させている。絶縁基板16b,16cと絶縁テープ16dとは、接着するなどして互いに離れないようにすることが望ましい。
【0029】
この構造の容量調整用給電基板26では、各第一導体301〜30nと各冷陰極管151〜15nの電極とを接続するための、第一導体30に接続用の領域を作っておく必要がある。そこで図5(a)に示すように、一つの絶縁基板16bの幅を、他の絶縁基板16cや絶縁テープ16dの幅よりも広くし、これに応じて第一導体30、第二導体31の幅W1も、第三導体32の幅W2よりも広く作成しておく。
【0030】
一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた状態を示す斜視図が、図6である。この図に示すように、第一導体30、第二導体31の幅W1と、第三導体32の幅W2との差(W1−W2)に相当する領域が、絶縁テープ16dの側辺からはみ出るので、このはみ出た領域において、各冷陰極管151〜15nの電極を接続することができ、第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとを、半田、導体ペーストなどの接合部材により、接合することができる。
【0031】
このように絶縁テープ16dの厚みを介して、第一導体301〜30nが第三導体32に対向することにより、各第一導体301〜30nは、第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。また、第二導体31の各導体片Pも第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとは、半田、導体ペーストなどの接合部材により接合されれば、接合された導体同士を電気的に一体にすることができ、キャパシタンスを増大させることができる。
【0032】
次に、第三導体32を、容量調整用給電基板16の裏面Rに、当該基板の短辺方向を分断する形で形成した実施形態を説明する。
図7は、このようにして構成した容量調整用給電基板36の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板36では、絶縁基板16aの表面Sに形成される第一導体30、第二導体31の形状は図4に示したのと同様であるが、容量調整用給電基板36の裏面Rには、図7(c)に示すように、第三導体32が、前記第一導体30及び前記第二導体31に対向する領域に、かつ、当該基板の短辺方向yを分断する形で複数の導体片321〜323に分割されて形成されている。各導体片321〜323のうち、高周波電源供給端25に接続される主導体片321は、最も面積が大きく、第一導体30、第二導体31と対向することにより大きなキャパシタンスを形成する。導体片322,323は面積が小さく、半田、導体ペーストなどの接合部材により、主導体片321と接合可能となっている。接合された導体片同士が電気的に一体になることにより、各導体片で作られるキャパシタンスも合体したものとなる。
【0033】
この容量調整用給電基板36の構造では、冷陰極管151を駆動するキャパシタC1、冷陰極管152を駆動するキャパシタC2などを個別に調整するのではなく、冷陰極管151〜15nを駆動するキャパシタC1〜Cnを一括して増減することができる。すなわち、主導体片321を導体片322,323に接続しない場合は、各キャパシタC1〜Cnのキャパシタンスは比較的小さく、主導体片321を導体片322に接合すれば、各キャパシタC1〜Cnのキャパシタンスは一律に大きくなる。主導体片321を導体片322及び導体片323に接合すれば、各キャパシタC1〜Cnのキャパシタンスはさらに大きくなる。
【0034】
このように基板裏面Rにおいて第三導体32を分割形成する構造を採用することにより、冷陰極管151〜15nの全体の明るさを調整することができる。
いままでの説明では、容量調整用給電基板の表面Sと裏面Rに、それぞれ導体を形成していた。しかし、2枚の絶縁基板と1枚の絶縁テープを用いて、前記第一導体30及び前記第二導体31を一つの絶縁基板16bの一面に形成し、前記第三導体32を、他の絶縁基板16cの一面に形成し、前記2つの絶縁基板16b,16cの前記一面同士を、絶縁テープ16dを介して接近させて容量調整用給電基板46を構成することも可能である。
【0035】
図8は、このようにして構成した容量調整用給電基板46の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板46では、図8(a)に示すように、一つの絶縁基板16bの一面に、その長辺方向に沿って、n個の第一導体301〜30nを形成し、同じ面の、隣接する第一導体30同士の間に第二導体311〜31(n−1)を形成している。各第二導体31は、さらに複数(図では5本)の導体片Pに分かれて形成されている。
【0036】
他の絶縁基板16cの一面には、図8(c)に示すように、第三導体32を、前記第一導体30及び前記第二導体31に対向する領域に形成し、かつ、当該基板の短辺方向を分断する形で、複数の導体片321〜323に分割している。
この構造の容量調整用給電基板46では、各第一導体301〜30nと各冷陰極管151〜15nの電極とを接続するため、第一導体30に接続用の領域を作る必要があることは、図5、図6を用いて説明したとおりであるが、さらに第三導体32の主導体片321と導体片322,323とを接合するための接続用の領域を作る必要がある。そこで、図8(c)に示すように、絶縁基板16cの長辺方向xに沿った長さを延ばし、第三導体32の長辺方向xに沿った長さを、第一導体30、第二導体31の長さよりも、Uだけ長くしておく。この長さの差Uに相当する領域が、第三導体32の主導体片321を導体片322,323に接合するための接続用の領域となる。
【0037】
図9、図10は、一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた容量調整用給電基板46を示す斜視図である。
図9に示すように、絶縁基板16bにおいて、第一導体30、第二導体31の幅W1と、第三導体32の幅W2との差(W1−W2)に相当する領域が、絶縁テープ16dの側辺からはみ出るので、このはみ出た領域において、各冷陰極管151〜15nの電極を接続したり、第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとを、半田、導体ペーストなどの接合部材により、接合することができる。
【0038】
また、図10に示すように、他の絶縁基板16cにおいて、第三導体32が、第一導体30、第二導体31よりも、基板の長辺方向に沿って距離Uだけはみ出している。この長さの差Uに相当する領域において、第三導体32の主導体片321を導体片322,323に接合することができる。
このように絶縁テープ16dの厚みを介して、第一導体301〜30nが第三導体32に対抗することにより、各第一導体301〜30nは、第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。また、第二導体31の各導体片Pも第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとは、半田、導体ペーストなどの接合部材により接合されれば、接合された導体同士を電気的に一体にすることができ、キャパシタンスを増大させることができる。
【0039】
また、第三導体32の主導体片321を導体片322に接合し、又は導体片322,323に接合することにより、冷陰極管151〜15nを駆動するキャパシタC1〜Cnを一括して増減することができる。
いままで本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、実施の形態に限られるものでない。例えば、図11に示すように、各冷陰極管151〜15nの両側の電極に均流回路181,182を接続する場合がある。均流回路181を構成するキャパシタをC11〜Cn1と表記し、均流回路182を構成するキャパシタをC12〜Cn2と表記する。この場合は、高周波電源供給端25,25間の電圧を、2つの均流回路181,182で分圧することができるので、各キャパシタC11〜Cn1、C12〜Cn2にかかる電圧を図2の回路と比べて半分にすることができる。この構造において、本発明の容量調整用給電基板16,26,36,46は、冷陰極管15の両側に設置すればよい。絶縁基板16a,16b,16cや絶縁テープ16dの耐圧が低くなるので、絶縁体の材質の選択範囲を広げることができる。
【0040】
以上のような本発明の構成によって、複数の冷陰極管151・・・15nに均等の電流を流すことができ、均一な明るさで点灯することができる。
いままで本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、実施の形態に限られるものでないことはもちろんである。例えば、図12に示すように、樹脂又は金属のいずれか又は両方で構成された支持板14の上に冷陰極管15を設置し、さらにその上に容量調整用給電基板16を配置する構造も可能である。この構造によれば、冷陰極管15は、支持板14と容量調整用給電基板16との間に配置される。したがって、支持板14と容量調整用給電基板16との距離を図3の構造のものよりも広げることができ、容量調整用給電基板16に起因する浮遊容量を減少させることができる。また、本発明は、実施の形態で用いた冷陰極管に限られず、放電管一般に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の液晶表示装置10を示す分解斜視図である。
【図2】高周波駆動回路17及びそれに接続された複数の冷陰極管15を含む本発明の均流点灯装置の全体回路図である。
【図3】容量調整用給電基板16に冷陰極管を接続した状態を示す外観斜視図である。
【図4】容量調整用給電基板16の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図5】一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた容量調整用給電基板26の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図6】容量調整用給電基板26に冷陰極管を接続した状態を示す外観斜視図である。
【図7】絶縁基板の裏面Rの第三導体を、当該基板の短辺方向を分断する形で形成した容量調整用給電基板36の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図8】一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた容量調整用給電基板46の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図9】前記容量調整用給電基板46を示す斜視図である。
【図10】前記容量調整用給電基板46の、特に端部を示す斜視図である。
【図11】各冷陰極管151〜15nの両側の電極に均流回路181,182を接続した回路例を示す図である。
【図12】支持板14の上に冷陰極管15を設置し、さらにその上に容量調整用給電基板16を配置した構造を示す図である。
【図13】キャパシタを利用した放電管均流点灯装置の一例を示す回路図である。
【図14】各冷陰極管の一端又は両端を支持する基板上にキャパシタを、当該基板と一体に形成した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 液晶表示装置10
11 液晶表示部
12 液晶パネル
13 均流点灯装置本体
14 支持板
15,151・・・15n 冷陰極管
16,26,36,46 容量調整用給電基板
16a,16b,16c 絶縁基板
16d 絶縁テープ
17 高周波駆動回路
18,181,182 均流回路
25 高周波電源供給端
30,301〜30n 第一導体
31,311〜31(n−1) 第二導体
32 第三導体
321,322,323 導体片
A 容量調整用接合領域
P 導体片
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の放電管を点灯させる放電管均流点灯装置及び液晶表示装置に関するものである。ここで「放電管」とは、高圧を印加して、密封管内でイオン化した気体(プラズマ)に放電させることにより発光させる器具をいい、ネオン管、ナトリウムランプ、蛍光管、冷陰極管などがこれに該当する。「均流」とは複数の放電管に対して、互いにほぼ等しい大きさの高周波電流を供給することをいう。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置など各種表示装置のバックライトには、放電管の一種である冷陰極管( Cold Cathode Fluorescent Tube)が用いられる。この冷陰極管の点灯駆動には、従来から、高周波駆動回路を用いた高周波点灯方式が採用されている。
図13は、高周波駆動回路の一例を示す回路図である。この高周波駆動回路は、数十kHz〜数百kHzの高周波交流電源を供給するためのインバータ回路101と、高周波交流電源を昇圧するための主変圧器102と、その主変圧器102の出力回線に対して並列に接続される複数の冷陰極管103と、各冷陰極管103の一端又は両端に挿入され、各冷陰極管103に互いに等しい電流を流すため各冷陰極管103と直列に接続されたバラスト・キャパシタ(ballast capacitor)からなる均流回路104とを備えている。
【0003】
このような高周波駆動回路においては、前記均流回路を構成するキャパシタは、各冷陰極管103の一端を支持する基板105上に、当該基板105と一体に形成されている。すなわち、図14に示すように、当該基板105の表面上に各冷陰極管103に接続される各導体106を互いに分離して設け、当該基板105の裏面上に一枚の導体層107を設けて、それら表面及び裏面の導体層106,107の重なる領域すなわち前記導体に作られるキャパシタンスを利用して、均流回路104を構成している。
【特許文献1】特開2005-322479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記構造の均流回路では、一度導体のパターンを作ったらキャパシタンスを増減することができない。実際には、各冷陰極管は、前記基板を介して、放電管均流点灯装置の筐体の一部を構成する支持板に固定配置されるものであるが、各冷陰極管と支持板との間に浮遊キャパシタンスが発生する。この浮遊キャパシタンスは、各冷陰極管の位置に応じて各冷陰極管ごとに異なる値となるものであり、このため各冷陰極管ごとに発光の明るさが異なってくる。この明るさの違いを補償するために、前記各冷陰極管と直列に接続されたキャパシタンスの値を、冷陰極管ごとに調整する必要がある。この調整のために、チップ素子を取り付けたり外したりするのでは手間がかかる。
【0005】
そこで本発明は、各放電管に直列に接続されるキャパシタンスを簡単に調整することができ、かつ安価で製作コストを抑えることのできる基板を提供することを目的とする。
また本発明は、前記基板を用いた放電管均流点灯装置及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容量調整用給電基板は、互いに分離して形成され、前記放電管のそれぞれに接続される複数の第一導体と、前記第一導体が形成されている面において、隣接する前記第一導体の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体と、前記第一導体及び前記第二導体に対向して形成された第三導体とを備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、前記容量調整用の第二導体を、隣接するいずれかの前記第一導体に接合することにより、前記第一導体及び前記第二導体を合わせた導体と、前記第三導体との重なる領域に作られる比較的大きなキャパシタンスを利用して、放電管のための均流回路を構成することが可能となる。また、前記容量調整用の第二導体を、隣接するいずれかの前記第一導体に接合しない場合は、前記第一導体と、前記第三導体との重なる領域に作られるキャパシタンスを利用して、放電管のための均流回路を構成することになる。これらのキャパシタンスは、前記容量調整用の第二導体を隣接するいずれかの前記第一導体に接合するかしないかによって、その値を変えることができる。従って、各放電管に直列につながるキャパシタンスを、放電管ごとに調整することができる。
【0008】
本発明の容量調整用給電基板は、一枚の絶縁基板の表面に前記第一導体及び前記第二導体を形成し、当該絶縁基板の裏面に前記第三導体を形成した構造を有していてもよい。
また、本発明の容量調整用給電基板は、前記第一導体及び前記第二導体を一つの絶縁基板の一面に形成し、前記第二導体を、他の絶縁基板の一面に形成し、前記2つの絶縁基板の前記一面同士を、絶縁膜を介して接近させた構造を有していてもよい。この構造であれば、絶縁膜の厚みや材質を選定することにより、全キャパシタの容量を一律に調整することもできる。
【0009】
本発明の容量調整用給電基板は、ほぼ長方形状を有し、前記複数の第一導体は、当該容量調整用給電基板の長辺方向を分断する形態で互いに独立して形成されていてもよい。
また、前記第三導体は、当該容量調整用給電基板の短辺方向を分断する形態で分離形成されている構造であれば、前記第三導体の分離された導体片同士を接合したり、接合しなかったりすることにより、全キャパシタンスを一律に調整することができる。すなわち、前記容量調整用の第二導体を隣接するいずれかの前記第一導体に接合するかしないかによって、各キャパシタンスを個別に調整することができ、前記第三導体の分離された導体片同士を接合したり、接合しなかったりすることにより、全キャパシタンスを一律に調整することができる。
【0010】
前記第二導体は、隣接する前記第一導体の間に、複数の導体片に分かれて形成されている場合、各キャパシタンスを個別に、よりきめ細かく調整することができる。
本発明の放電管均流点灯装置は、高周波駆動回路と、前記高周波駆動回路によって駆動される複数の放電管と、前述した容量調整用給電基板とを備え、前記複数の放電管は前記容量調整用給電基板の複数の第一導体にそれぞれ接続され、前記第三導体は前記高周波駆動回路の高周波電源供給端に接続されているものである。この構造であれば、各放電管と高周波駆動回路との間を前記容量調整用給電基板に形成される各キャパシタで接続することができ、かつ、容量調整用給電基板に形成される各キャパシタンスを容易に調整することができる。したがって、各放電管に対して、互いにほぼ等しい大きさの高周波電流を供給することができる。
【0011】
この放電管均流点灯装置は、前記複数の放電管を支持する支持板をさらに含み、前記複数の放電管を、前記容量調整用給電基板と、前記支持板との間に配置するという構成を採用してもよい。これにより、前記容量調整用給電基板と前記支持板との間に発生する浮遊容量を低減させることができる。
前記放電管は、蛍光灯又は冷陰極管であってもよい。
【0012】
また、本発明の液晶表示装置は、前記放電管均流点灯装置をバックライトとして用いたものである。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、各放電管に直列につながるキャパシタンスを、放電管ごとに調整することができるので、放電管の明るさを均一にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置10を示す分解図である。この液晶表示装置10は、液晶表示部11と、液晶表示部11を支持する液晶パネル12と、均流点灯装置本体13とを備えている。
均流点灯装置本体13は、樹脂又は金属のいずれか又は両方で構成された支持板14に複数の冷陰極管15が固定配置されたものであり、これらの冷陰極管15は、それぞれ給電線を通して高周波駆動回路に接続される。複数の冷陰極管15のそれぞれを示すとき、冷陰極管151・・・15nと表記することがある。nは冷陰極管の本数(n>=2)である。
【0015】
液晶表示部11は、例えば4:3,16:9などの横長形状である。なお液晶表示部11の構造は公知のものであり、例えば、表面側の透明基板と光源側の透明基板とを向き合わせた構造になっている。液晶駆動方式はパッシブマトリクス型でもアクティブマトリクス型でもよい。アクティブマトリクス型を例に挙げると、表面側の透明基板の内面には複数のマトリクス状透明電極群を配列し、光源側の透明基板の内面にはマトリクス状透明電極群と対向するように1枚の半透明電極を設置している。さらに、それぞれの電極の上に、一定方向にラビングした樹脂からなる配向膜を形成している。そして両配向膜の間に液晶を封入している。なお、カラー液晶の場合は、表面側の透明基板にカラーフィルター層が設けられている。
【0016】
均流点灯装置本体13は、n本の冷陰極管151・・・15nを、液晶表示部11の長辺方向と平行に配列している。各冷陰極管151〜15nの端部には容量調整用給電基板16の一方の電極(第一導体)が接続されていて、この容量調整用給電基板16の他の電極(第三導体)が後述する高周波駆動回路の高周波電源供給端に接続される。
容量調整用給電基板16は、支持板14に、支持板14の面と平行な状態で固定されている。冷陰極管15の一端導体を約90度折り曲げ、容量調整用給電基板16に接合・固定することによって、冷陰極管15の一端部を支持することができる。冷陰極管15の他端部も同様の構造によって固定されている。
【0017】
図2は、高周波駆動回路17及びそれに接続された複数の冷陰極管15を含む均流点灯装置の全体回路図である。この高周波駆動回路17は、商用交流電源22aに接続された整流回路22bと、整流回路22bの直流出力に基づいて数十kHzの高周波交流電源を得るためのスイッチング回路23と、高周波交流電源を昇圧するための主変圧器24と、その主変圧器24の出力回線に接続された高周波電源供給端25と、高周波電源供給端25に対してそれぞれ並列に接続された複数の冷陰極管15と、各冷陰極管151〜15nに接続され、各冷陰極管151〜15nに互いに等しい電流を流すための均流回路18とを備えている。
【0018】
均流回路18は、各冷陰極管151〜15nに直列に接続されたn個のキャパシタC1〜Cnから構成される。なお、図2では、キャパシタC1〜Cnは、各冷陰極管151〜15nの片側の電極に接続されているが、後に図11を用いて説明するように、キャパシタを各冷陰極管151〜15nの両側の電極に接続する構成を採用しても良い。
この高周波駆動回路17の動作説明をすると、まず整流回路22bによって得られた直流電源は、スイッチング回路23によって高周波電源に変換され、主変圧器24に供給される。この高周波電源の交流周波数は、主変圧器24として十分な変換効率が得られる周波数であり、通常は数十kHz〜数百kHzである。周波数がこの範囲より低すぎると、主変圧器24を大きくする必要があり、装置全体が大きく重くなる。周波数がこの範囲よりも高いと、主変圧器24内部や冷陰極管15で発生する並列容量の影響が大きくなり、共振が発生して変換効率が低下する。
【0019】
主変圧器24は、所定の巻き数と巻き数比を持つことによって、交流電圧を所定の昇圧比で昇圧する。これによって、各冷陰極管151〜15nの点灯に必要な交流電圧(通常1000V〜2000V程度)を得ることができる。
主変圧器24によって昇圧された電源は、均流回路18を構成する各キャパシタC1〜Cnを通して、各冷陰極管151〜15nに供給される。これらのキャパシタC1〜Cnは、一定の電圧降下を実現することによって、各冷陰極管151〜15nに均等の電流を供給するものである。
【0020】
ここで、均流回路18を構成する各キャパシタC1〜Cnを実現するための容量調整用給電基板の構造を詳しく説明する。
本発明の実施形態では、容量調整用給電基板は、ほぼ長方形状を有している。容量調整用給電基板には、互いに分離して形成され、各冷陰極管151〜15nに接続される複数(n個)の第一導体と、前記第一導体が形成されている面において、隣接する第一導体の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体と、前記第一導体及び前記第二導体に対向して形成された第三導体とによって形成される。
【0021】
この容量調整用給電基板の構造の一例を、図3,図4に示す。図3は容量調整用給電基板16の外観斜視図、図4は容量調整用給電基板16の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板16では、絶縁基板16aの表面Sに、その長辺方向(xで示す)に沿って、n個の第一導体301〜30n(総称するときは、第一導体30という)がパターン印刷等により形成されている。各第一導体301〜30nは、当該基板の長辺方xを分断する形態で互いに独立して形成されており、隣り合う第一導体30同士の電気的な直接のつながりはない。絶縁基板16aの表面Sにおいて、隣接する第一導体30同士の間には、いずれの第一導体30とも接続されない状態で、容量調整用の第二導体311〜31(n−1)(総称するときは、第二導体31という)がパターン印刷により形成されている。各第二導体31は、さらに複数(図では5本であるが、5本に限定されるものではない)の導体片Pに分かれて形成されており、これらの複数の導体片P同士、電気的な直接のつながりはない。
【0022】
各第一導体301〜30nには、各冷陰極管151〜15nの一方の電極が、半田などの接合部材Bによってそれぞれ接続されている。
容量調整用給電基板16の裏面Rには、図4(c)に示すように、第三導体32が、前記第一導体30及び前記第二導体31に対向する領域、すなわち容量調整用給電基板16の裏面Rのほぼ全面に形成されている。
【0023】
このように絶縁基板16aの厚みを介して、各第一導体301〜30nが第三導体32に対向することにより、各第一導体301〜30nは、第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。また、各第二導体31の各導体片Pも第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。
第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとは、半田、導体ペーストなどの接合部材により、互いに接合可能となっている。図3に、接合部材により互いに接合された領域(容量調整用接合領域という)Aを示している。この容量調整用接合領域Aにおいて互いに接合された導体同士が電気的に一体になることにより、各導体ごとに作られるキャパシタンスは合体したものとなる。
【0024】
例えば、図3では、絶縁基板16aの最も端に位置する第一導体301と、第二導体311を構成する3本の導体片Pとが合体されているので、これらの導体で作られ合体されたキャパシタが、冷陰極管151を駆動するキャパシタC1となる。また、絶縁基板16aの次に位置する第一導体302と、第二導体312を構成する2本の導体片Pとが合体されているので、これらの導体で作られ合体されたキャパシタが、冷陰極管152を駆動するキャパシタC2となる。
【0025】
半田、導体ペーストなどの接合部材を用いて、第一導体30を、第二導体31のいずれの導体片Pに接合させるか、すなわち容量調整用接合領域Aの範囲を決定するためには、次のようにする。各第一導体301〜30nに各冷陰極管151〜15nの一方の電極を接続し、各冷陰極管151〜15nの他方の電極を接地する。高周波駆動回路17によって全冷陰極管151・・・15nを点灯させて、環状の鉄芯を持つカレントトランスを用いて各冷陰極管151〜15nを流れる電流を非接触に測定して、測定した電流値が基準値より少ない場合、その該当する第一導体30に導体片Pを接合する。このことにより、その該当する第一導体30と第三導体32との間のキャパシタンスを増大させる。導体片Pをいくつ接合するかは、測定した電流値が基準値よりどれだけ少ないかに応じて決めればよい。なお、カレントトランスを用いて各冷陰極管151〜15nを流れる電流を測定する代わりに、各冷陰極管151〜15nの明るさを光度計で測定してもよい。この場合、比較的暗い冷陰極管15に対応する第一導体30に、隣接する導体片Pを多数接合させて、当該冷陰極管15につながるキャパシタのキャパシタンスを増大させる。比較的明るい冷陰極管15に対応する第一導体30には、隣接する導体片Pを接合させない。
【0026】
このようにして、各冷陰極管151〜15nに流れる高周波電流が均一となるように、容量調整用給電基板16上の各キャパシタンスC1〜Cnを調整することができる。
いままでの説明では、容量調整用給電基板の表面Sと裏面Rに、それぞれ導体を形成していた。しかし、2枚の絶縁基板と1枚の絶縁テープを用いて、前記第一導体及び前記第二導体を一つの絶縁基板の一面に形成し、前記第二導体を、他の絶縁基板16cの一面に形成し、前記2つの絶縁基板の前記一面同士を、絶縁テープを介して接着して、容量調整用給電基板を構成することも可能である。
【0027】
図5は、このようにして構成した容量調整用給電基板26の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板26では、図5(a)に示すように、一つの絶縁基板16bの一面に、その長辺方向に沿って、n個の第一導体301〜30nを形成し、同じ面の、隣接する第一導体30同士の間に、いずれの第一導体30とも接続されない状態で、容量調整用の第二導体311〜31(n−1)を形成している。各第二導体31は、さらに複数(図では5本)の導体片Pに分かれて形成されている。
【0028】
他の絶縁基板16cの一面には、図5(c)に示すように、第三導体32をほぼ全面に形成している。
そして、図5(b)のように、一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して対向させている。絶縁基板16b,16cと絶縁テープ16dとは、接着するなどして互いに離れないようにすることが望ましい。
【0029】
この構造の容量調整用給電基板26では、各第一導体301〜30nと各冷陰極管151〜15nの電極とを接続するための、第一導体30に接続用の領域を作っておく必要がある。そこで図5(a)に示すように、一つの絶縁基板16bの幅を、他の絶縁基板16cや絶縁テープ16dの幅よりも広くし、これに応じて第一導体30、第二導体31の幅W1も、第三導体32の幅W2よりも広く作成しておく。
【0030】
一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた状態を示す斜視図が、図6である。この図に示すように、第一導体30、第二導体31の幅W1と、第三導体32の幅W2との差(W1−W2)に相当する領域が、絶縁テープ16dの側辺からはみ出るので、このはみ出た領域において、各冷陰極管151〜15nの電極を接続することができ、第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとを、半田、導体ペーストなどの接合部材により、接合することができる。
【0031】
このように絶縁テープ16dの厚みを介して、第一導体301〜30nが第三導体32に対向することにより、各第一導体301〜30nは、第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。また、第二導体31の各導体片Pも第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとは、半田、導体ペーストなどの接合部材により接合されれば、接合された導体同士を電気的に一体にすることができ、キャパシタンスを増大させることができる。
【0032】
次に、第三導体32を、容量調整用給電基板16の裏面Rに、当該基板の短辺方向を分断する形で形成した実施形態を説明する。
図7は、このようにして構成した容量調整用給電基板36の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板36では、絶縁基板16aの表面Sに形成される第一導体30、第二導体31の形状は図4に示したのと同様であるが、容量調整用給電基板36の裏面Rには、図7(c)に示すように、第三導体32が、前記第一導体30及び前記第二導体31に対向する領域に、かつ、当該基板の短辺方向yを分断する形で複数の導体片321〜323に分割されて形成されている。各導体片321〜323のうち、高周波電源供給端25に接続される主導体片321は、最も面積が大きく、第一導体30、第二導体31と対向することにより大きなキャパシタンスを形成する。導体片322,323は面積が小さく、半田、導体ペーストなどの接合部材により、主導体片321と接合可能となっている。接合された導体片同士が電気的に一体になることにより、各導体片で作られるキャパシタンスも合体したものとなる。
【0033】
この容量調整用給電基板36の構造では、冷陰極管151を駆動するキャパシタC1、冷陰極管152を駆動するキャパシタC2などを個別に調整するのではなく、冷陰極管151〜15nを駆動するキャパシタC1〜Cnを一括して増減することができる。すなわち、主導体片321を導体片322,323に接続しない場合は、各キャパシタC1〜Cnのキャパシタンスは比較的小さく、主導体片321を導体片322に接合すれば、各キャパシタC1〜Cnのキャパシタンスは一律に大きくなる。主導体片321を導体片322及び導体片323に接合すれば、各キャパシタC1〜Cnのキャパシタンスはさらに大きくなる。
【0034】
このように基板裏面Rにおいて第三導体32を分割形成する構造を採用することにより、冷陰極管151〜15nの全体の明るさを調整することができる。
いままでの説明では、容量調整用給電基板の表面Sと裏面Rに、それぞれ導体を形成していた。しかし、2枚の絶縁基板と1枚の絶縁テープを用いて、前記第一導体30及び前記第二導体31を一つの絶縁基板16bの一面に形成し、前記第三導体32を、他の絶縁基板16cの一面に形成し、前記2つの絶縁基板16b,16cの前記一面同士を、絶縁テープ16dを介して接近させて容量調整用給電基板46を構成することも可能である。
【0035】
図8は、このようにして構成した容量調整用給電基板46の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
この容量調整用給電基板46では、図8(a)に示すように、一つの絶縁基板16bの一面に、その長辺方向に沿って、n個の第一導体301〜30nを形成し、同じ面の、隣接する第一導体30同士の間に第二導体311〜31(n−1)を形成している。各第二導体31は、さらに複数(図では5本)の導体片Pに分かれて形成されている。
【0036】
他の絶縁基板16cの一面には、図8(c)に示すように、第三導体32を、前記第一導体30及び前記第二導体31に対向する領域に形成し、かつ、当該基板の短辺方向を分断する形で、複数の導体片321〜323に分割している。
この構造の容量調整用給電基板46では、各第一導体301〜30nと各冷陰極管151〜15nの電極とを接続するため、第一導体30に接続用の領域を作る必要があることは、図5、図6を用いて説明したとおりであるが、さらに第三導体32の主導体片321と導体片322,323とを接合するための接続用の領域を作る必要がある。そこで、図8(c)に示すように、絶縁基板16cの長辺方向xに沿った長さを延ばし、第三導体32の長辺方向xに沿った長さを、第一導体30、第二導体31の長さよりも、Uだけ長くしておく。この長さの差Uに相当する領域が、第三導体32の主導体片321を導体片322,323に接合するための接続用の領域となる。
【0037】
図9、図10は、一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた容量調整用給電基板46を示す斜視図である。
図9に示すように、絶縁基板16bにおいて、第一導体30、第二導体31の幅W1と、第三導体32の幅W2との差(W1−W2)に相当する領域が、絶縁テープ16dの側辺からはみ出るので、このはみ出た領域において、各冷陰極管151〜15nの電極を接続したり、第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとを、半田、導体ペーストなどの接合部材により、接合することができる。
【0038】
また、図10に示すように、他の絶縁基板16cにおいて、第三導体32が、第一導体30、第二導体31よりも、基板の長辺方向に沿って距離Uだけはみ出している。この長さの差Uに相当する領域において、第三導体32の主導体片321を導体片322,323に接合することができる。
このように絶縁テープ16dの厚みを介して、第一導体301〜30nが第三導体32に対抗することにより、各第一導体301〜30nは、第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。また、第二導体31の各導体片Pも第三導体32との間にキャパシタンスをそれぞれ形成する。第一導体30とそれに隣接する第二導体31のいずれかの導体片Pとは、半田、導体ペーストなどの接合部材により接合されれば、接合された導体同士を電気的に一体にすることができ、キャパシタンスを増大させることができる。
【0039】
また、第三導体32の主導体片321を導体片322に接合し、又は導体片322,323に接合することにより、冷陰極管151〜15nを駆動するキャパシタC1〜Cnを一括して増減することができる。
いままで本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、実施の形態に限られるものでない。例えば、図11に示すように、各冷陰極管151〜15nの両側の電極に均流回路181,182を接続する場合がある。均流回路181を構成するキャパシタをC11〜Cn1と表記し、均流回路182を構成するキャパシタをC12〜Cn2と表記する。この場合は、高周波電源供給端25,25間の電圧を、2つの均流回路181,182で分圧することができるので、各キャパシタC11〜Cn1、C12〜Cn2にかかる電圧を図2の回路と比べて半分にすることができる。この構造において、本発明の容量調整用給電基板16,26,36,46は、冷陰極管15の両側に設置すればよい。絶縁基板16a,16b,16cや絶縁テープ16dの耐圧が低くなるので、絶縁体の材質の選択範囲を広げることができる。
【0040】
以上のような本発明の構成によって、複数の冷陰極管151・・・15nに均等の電流を流すことができ、均一な明るさで点灯することができる。
いままで本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、実施の形態に限られるものでないことはもちろんである。例えば、図12に示すように、樹脂又は金属のいずれか又は両方で構成された支持板14の上に冷陰極管15を設置し、さらにその上に容量調整用給電基板16を配置する構造も可能である。この構造によれば、冷陰極管15は、支持板14と容量調整用給電基板16との間に配置される。したがって、支持板14と容量調整用給電基板16との距離を図3の構造のものよりも広げることができ、容量調整用給電基板16に起因する浮遊容量を減少させることができる。また、本発明は、実施の形態で用いた冷陰極管に限られず、放電管一般に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の液晶表示装置10を示す分解斜視図である。
【図2】高周波駆動回路17及びそれに接続された複数の冷陰極管15を含む本発明の均流点灯装置の全体回路図である。
【図3】容量調整用給電基板16に冷陰極管を接続した状態を示す外観斜視図である。
【図4】容量調整用給電基板16の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図5】一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた容量調整用給電基板26の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図6】容量調整用給電基板26に冷陰極管を接続した状態を示す外観斜視図である。
【図7】絶縁基板の裏面Rの第三導体を、当該基板の短辺方向を分断する形で形成した容量調整用給電基板36の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図8】一つの絶縁基板16bの一面と他の絶縁基板16cの一面とを、その間に絶縁テープ16dを介して重ね合わせた容量調整用給電基板46の平面図(a)、正面図(b)及び底面図(c)である。
【図9】前記容量調整用給電基板46を示す斜視図である。
【図10】前記容量調整用給電基板46の、特に端部を示す斜視図である。
【図11】各冷陰極管151〜15nの両側の電極に均流回路181,182を接続した回路例を示す図である。
【図12】支持板14の上に冷陰極管15を設置し、さらにその上に容量調整用給電基板16を配置した構造を示す図である。
【図13】キャパシタを利用した放電管均流点灯装置の一例を示す回路図である。
【図14】各冷陰極管の一端又は両端を支持する基板上にキャパシタを、当該基板と一体に形成した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
10 液晶表示装置10
11 液晶表示部
12 液晶パネル
13 均流点灯装置本体
14 支持板
15,151・・・15n 冷陰極管
16,26,36,46 容量調整用給電基板
16a,16b,16c 絶縁基板
16d 絶縁テープ
17 高周波駆動回路
18,181,182 均流回路
25 高周波電源供給端
30,301〜30n 第一導体
31,311〜31(n−1) 第二導体
32 第三導体
321,322,323 導体片
A 容量調整用接合領域
P 導体片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波駆動回路によって駆動される複数の放電管の一端又は両端を支持するための基板であって、
互いに分離して形成され、前記放電管のそれぞれに接続される複数の第一導体と、
前記第一導体が形成されている面において、隣接する前記第一導体の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体と、
前記第一導体及び前記第二導体に対向して形成された第三導体と、を備えることを特徴とする容量調整用給電基板。
【請求項2】
前記第一導体及び前記第二導体は一枚の絶縁基板の表面に形成され、前記第三導体は、当該絶縁基板の裏面に形成されている、請求項1記載の容量調整用給電基板。
【請求項3】
前記第一導体及び前記第二導体は一つの絶縁基板の一面に形成され、前記第二導体は、他の絶縁基板の一面に形成され、前記2つの絶縁基板の前記一面同士を、絶縁膜を介して接近させている、請求項1記載の容量調整用給電基板。
【請求項4】
前記容量調整用給電基板はほぼ長方形状を有し、
前記複数の第一導体は、当該容量調整用給電基板の長辺方向を分断する形態で独立して形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板。
【請求項5】
前記第三導体は、当該容量調整用給電基板の短辺方向を分断する形態で分離形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板。
【請求項6】
前記第二導体は、隣接する前記第一導体の間に、複数の導体片に分かれて形成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板。
【請求項7】
高周波駆動回路と、前記高周波駆動回路によって駆動される複数の放電管と、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板とを備え、
前記複数の放電管は前記容量調整用給電基板の複数の第一導体にそれぞれ接続され、前記第三導体は前記高周波駆動回路の高周波電源供給端に接続されていることを特徴とする放電管均流点灯装置。
【請求項8】
前記複数の放電管を支持する支持板をさらに含み、
前記複数の放電管は、前記容量調整用給電基板と、前記支持板との間に配置されている請求項7記載の放電管均流点灯装置。
【請求項9】
前記放電管は、蛍光灯又は冷陰極管である請求項7又は請求項8記載の放電管均流点灯装置。
【請求項10】
請求項9記載の放電管均流点灯装置をバックライトとして用いた液晶表示装置。
【請求項1】
高周波駆動回路によって駆動される複数の放電管の一端又は両端を支持するための基板であって、
互いに分離して形成され、前記放電管のそれぞれに接続される複数の第一導体と、
前記第一導体が形成されている面において、隣接する前記第一導体の間に、いずれの第一導体とも接続されない状態で形成された容量調整用の第二導体と、
前記第一導体及び前記第二導体に対向して形成された第三導体と、を備えることを特徴とする容量調整用給電基板。
【請求項2】
前記第一導体及び前記第二導体は一枚の絶縁基板の表面に形成され、前記第三導体は、当該絶縁基板の裏面に形成されている、請求項1記載の容量調整用給電基板。
【請求項3】
前記第一導体及び前記第二導体は一つの絶縁基板の一面に形成され、前記第二導体は、他の絶縁基板の一面に形成され、前記2つの絶縁基板の前記一面同士を、絶縁膜を介して接近させている、請求項1記載の容量調整用給電基板。
【請求項4】
前記容量調整用給電基板はほぼ長方形状を有し、
前記複数の第一導体は、当該容量調整用給電基板の長辺方向を分断する形態で独立して形成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板。
【請求項5】
前記第三導体は、当該容量調整用給電基板の短辺方向を分断する形態で分離形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板。
【請求項6】
前記第二導体は、隣接する前記第一導体の間に、複数の導体片に分かれて形成されている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板。
【請求項7】
高周波駆動回路と、前記高周波駆動回路によって駆動される複数の放電管と、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の容量調整用給電基板とを備え、
前記複数の放電管は前記容量調整用給電基板の複数の第一導体にそれぞれ接続され、前記第三導体は前記高周波駆動回路の高周波電源供給端に接続されていることを特徴とする放電管均流点灯装置。
【請求項8】
前記複数の放電管を支持する支持板をさらに含み、
前記複数の放電管は、前記容量調整用給電基板と、前記支持板との間に配置されている請求項7記載の放電管均流点灯装置。
【請求項9】
前記放電管は、蛍光灯又は冷陰極管である請求項7又は請求項8記載の放電管均流点灯装置。
【請求項10】
請求項9記載の放電管均流点灯装置をバックライトとして用いた液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−170667(P2009−170667A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−7257(P2008−7257)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【Fターム(参考)】
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