説明

寄生生物駆除性ピラゾール類

【課題】寄生生物駆除性をもつピラゾール誘導体を提供する。
【解決手段】式(I):


の化合物、またはその医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩類、あるいはそれらの医薬用、動物用または農業用として許容しうる溶媒和物{式中:Rは、3,5−ジ置換ピリジン−2−イル等;Rは、ヒドロキシ等、;Rは、水素、C〜Cアルキル等、;RおよびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ等、;Rは、水素、1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;nは0、1または2である}。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寄生生物駆除性をもつピラゾール誘導体に関する。より詳細には、本発明は1−アリール−4−シクロプロピルピラゾールに関する。
【背景技術】
【0002】
特に抗寄生生物活性をもつ特定のピラゾール誘導体は既知である。たとえば欧州特許出願公開第A−0234119号には、節足動物、植物線虫および蠕虫系の有害生物を抑制するための1−アリールピラゾールが開示されている。1−アリールピラゾールは欧州特許出願公開第A−0295117号にも記載され、これらの化合物は節足動物駆除活性、植物線虫駆除活性および蠕虫駆除活性をもつほか、抗原生動物性を示すと報告されている。同様な活性プロフィルが、欧州特許出願公開第A−0295118号に開示される1−アリールピラゾールによっても示される。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、式(I)の化合物:
【0004】
【化1】

【0005】
またはその医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩類、あるいはそれらの医薬用、動物用または農業用として許容しうる溶媒和物(水和物を含む)を提供する。
式中:
は、2,4,6−トリ置換フェニル[2−および6−置換基はそれぞれ独立してハロから選択され、4−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される];または3,5−ジ置換ピリジン−2−イル[3−置換基はハロであり、5−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される]であり;
は、ヒドロキシで、または1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル;シアノ、C〜Cアルカノイルあるいはフェニルであり;
は、水素、C〜Cアルキル、アミノまたはハロであり;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択されるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成し;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択され;
あるいは、RおよびRがシクロアルキル基の一部を形成しない場合は、RとRはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成してもよく;
は、水素、1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;
nは0、1または2である。
【0006】
上記の定義において、別途指示しない限り、3個以上の炭素原子をもつアルキル基およびアルコキシ基、ならびに4個以上の炭素原子をもつアルカノイル基は、直鎖または分枝鎖であってよい;ハロはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0007】
式(I)の化合物は1またはそれ以上のキラル中心をもつ場合があり、したがって立体異性体、すなわち鏡像異性体またはジアステレオ異性体、およびその混合物として存在する可能性がある。本発明は、式(I)の化合物の個々の立体異性体およびその混合物の両方を包含する。ジアステレオ異性体の分離は常法により、たとえば式(I)の化合物またはその適切な塩もしくは誘導体のジアステレオ異性体混合物の分別結晶化またはクロマトグラフィー(HPLCを含む)により達成できる。式(I)の化合物の個々の鏡像異性体は、対応する光学的に純粋な中間体から、または適切なキラル支持体を用いたラセミ体のHPLC、もしくは適切な場合はラセミ体と適切な光学活性酸との反応で形成されたジアステレオ異性体塩類の分別結晶化により分割することによって調製できる。
【0008】
本発明には、生物学的研究に適した、式(I)の化合物の放射性標識誘導体も包含される。
式(I)の化合物の、医薬用、動物用または農業用として許容しうる塩類は、たとえば塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、有機カルボン酸、または有機スルホン酸により形成される無毒性酸付加塩である。適切な塩類の概説については、J.Pharm.Sci.,1977,66,1参照。
【0009】
好ましい式(I)の化合物の群は、Rが2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル、2,4,6−トリクロロフェニルまたは3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルであり;Rがメチル、エチル、プロプ−2−イル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、ホルミル、アセチルまたはフェニルであり;Rが水素、メチル、アミノまたはクロロであり;RおよびRがそれぞれ独立して、水素、メチル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択されるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチルもしくはシクロペンチル基を形成し;RおよびRがそれぞれ独立して、水素、メチル、クロロおよびブロモから選択され;あるいは、RおよびRがシクロアルキル基の一部を形成しない場合は、RとRはそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロペンタンまたはシクロヘキサン基を形成してもよく;かつRが水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはメトキシであるものである。
【0010】
より好ましい式(I)の化合物の群は、Rが2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニルまたは3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルであり;Rがシアノであり;Rが水素またはアミノであり;RおよびRが同一であって、水素、クロロまたはブロモであり;RおよびRが水素であり;かつRが水素、トリフルオロメチルまたはクロロジフルオロメチルであるものである。
【0011】
特に好ましい本発明の個々の化合物には、以下のものが含まれる:
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
(−)−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
4−(1−クロロジフルオロメチルシクロプロピル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;および
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール。
【0012】
他の態様において本発明は、後記のように、式(I)の化合物、またはその医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの医薬用、動物用または農業用として許容しうる溶媒和物(水和物を含む)の製造方法を提供する。記載した特定の方法において、用いた合成工程の順序を変更することができ、これは特に個々の物質中に存在する他の官能基の性質、重要な中間体の入手しやすさ、および保護基がある場合は適用する保護方法などの要因に依存するであろうということは、当業者に自明であろう。明らかに、そのような要因はそれらの合成工程に用いる試薬の選択にも影響を与えるであろう。特定の式(I)の化合物内で置換基または官能基の種々の標準的な相互転化および変換により他の式(I)の化合物が得られることも自明であろう。一例は、Rがアミノである式(I)の化合物の脱アミノ化、RおよびRがブロモである式(I)の化合物のモノ脱ブロモ化、ならびにRがシアノである式(I)の化合物からRがC〜Cアルカノイルである式(I)の化合物への転化、RがC〜Cアルカノイルである式(I)の化合物からRがヒドロキシで、またはジハロで置換されたC〜Cアルキルである式(I)の化合物への転化、およびRがヒドロキシで置換されたアルキルである式(I)の化合物からRがC〜Cアルキル、またはハロでモノ置換されたC〜Cアルキルである式(I)の化合物への転化である。
【0013】
たとえば以下の方法は、本発明化合物を得るために適用できる一般的合成法の具体例である。
1. 式(I)の化合物は式(II)のアルケンのシクロプロパン化により製造できる:
【0014】
【化2】

【0015】
式中、R、R、R、R、RおよびRは式(I)につき前記に定義したものである。これはその系内で(in situ)、(II)の存在下に適切な方法で目的カルベノイド種を生成させることにより達成できる。そのような方法には、好ましくは相間移動触媒作用条件下での塩基によるクロロホルムまたはブロモホルムの処理、アリールトリクロロメチルまたはトリブロモメチル水銀誘導体など適切な有機金属前駆物質の熱分解、遷移金属触媒の存在下でのジアゾアルカンによる処理、および遷移金属触媒の不存在下でのジアゾアルカンによる処理に続く中間体ピラゾリンの熱分解が含まれる。
【0016】
たとえば第1方法では、RおよびRが両方ともクロロまたは両方ともブロモである式(I)の化合物を製造するために、それぞれクロロホルムまたはブロモホルムを、(II)および第四級アンモニウム塩の存在下に適切な溶媒中で、ほぼ室温から反応媒質の還流温度までの温度において、アルカリ金属水酸化物の濃厚水溶液で処理する。好ましくは、試薬はそれぞれ水酸化ナトリウムおよび塩化ベンジルトリエチルアンモニウムであり、一方溶媒は好ましくはジクロロメタンであり、少量のエタノールが存在してもよい。
【0017】
たとえば第2方法では、RおよびRが両方ともクロロまたは両方ともブロモである式(I)の化合物を製造するために、(II)とそれぞれフェニルトリクロロメチル水銀またはフェニルトリブロモメチル水銀との混合物を、適切な溶媒、好ましくはトルエン、キシレンまたはその混合物中で、約60〜約75℃に加熱する。
【0018】
第3方法の代表例は、(II)を、酢酸パラジウム(II)の存在下にほぼ室温で、適切な溶媒、好ましくはエーテル中において、ジアゾメタンのエーテル溶液で処理するものであり、これによりRおよびRが両方とも水素である式(I)の化合物が得られる。
【0019】
およびRが水素である式(I)の化合物を製造するための別法は、上記方法を酢酸パラジウム(II)の不存在下で用いることにより形成されるピラゾリン中間体を経るものである。この単離したピラゾリンを、次いで適切な溶媒、好ましくはキシレン中において約135〜約145℃で熱分解すると、目的化合物が得られる。
【0020】
式(II)の化合物は式(III)の化合物から得ることができる:
【0021】
【化3】

【0022】
式中、Xはブロモまたはヨードであり、R、RおよびRは式(II)につき前記に定義したものであり、ただしRはブロモまたはヨードではない。好ましくはXはヨードである。この変換は、(III)と適切なビニル化試薬を、適切な、所望により脱泡した溶媒中で、遷移金属触媒−架橋結合反応させることにより達成できる。好ましくは遷移金属はパラジウムであり、ビニル化試薬は有機スズ誘導体である。たとえば(III)をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下にジメチルホルムアミド中でほぼ室温から約80℃までの温度においてトリ−n−ブチル(ビニル)スズで処理すると、R、RおよびRが水素である式(II)の化合物が得られる。
【0023】
あるいは、式(II)においてRが水素、C〜Cアルキルまたはハロである化合物は、慣用されるウィティッヒ法を用いて、式(V)の化合物:
【0024】
【化4】

【0025】
(式中、Rは水素、または1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルであり、Rは水素、C〜Cアルキルまたはハロであり、RおよびRは式(II)につき前記に定義したものである)を適切なアルキルホスホニウム塩から誘導したホスホニウムイリドと反応させることにより得ることができる。
【0026】
たとえばメチルトリフェニルホスホニウムハライドを適切な溶媒中において強塩基で処理し、続いて(V)を添加すると、RおよびRが両方とも水素である式(II)の化合物が得られる。好ましくは塩基試薬はヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液であり、溶媒はエーテルまたはテトラヒドロフランであり、ほぼ室温から約35℃までの温度で反応を行う。
【0027】
式(II)においてRがC〜Cアルコキシであり、RおよびRが水素であり、Rが水素、C〜Cアルキルまたはハロであり、RおよびRが式(II)につき前記に定義したものである化合物については、アルケン相互転化シーケンスを用いるのが特に好都合である。その場合、式(II)においてR、RおよびRが水素であり、Rが水素、C〜Cアルキルまたはハロであり、RおよびRが式(II)につき前記に定義したものである化合物を、適切なC〜Cアルカノール中において水銀(II)塩の存在下にヨウ素で処理して、中間体α−アルコキシ−β−ヨードエチルピラゾールを得る。次いでこれを所望により適切な溶媒中において適切な塩基で脱ヨウ化水素する。たとえばRがメトキシである場合、第1工程は酸化水銀(II)およびヨウ素を用いてメタノール中で、ほぼ反応媒質の還流温度において行われ、一方、第2工程は第三級アミン塩基、たとえば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)を用いて、トルエン中でほぼ室温において行うことができる。
【0028】
が水素またはハロである式(III)の化合物は、Rがアミノである式(III)の化合物から、それぞれ慣用される脱アミノ化法または脱アミノ−ハロゲン化法により得ることができる。Rが水素である場合好都合な方法は、上記アミンを溶媒としてのテトラヒドロフラン中でほぼ室温から約70℃までの温度において亜硝酸t−ブチルで処理するものである。Rがたとえばクロロである場合、アセトニトリルなどの適切な溶媒中における上記アミンの溶液を約0℃においてジクロロメタン中における塩化ニトロシルの溶液で処理し、続いて反応混合物の還流温度で加熱する。
【0029】
同様に、Rが水素またはハロである式(V)の化合物は、Rがアミノである式(V)の化合物から得ることができる。後者は、式(IV)においてRがアミノであり、RおよびRが式(III)につき前記に定義したものである化合物から、慣用されるアシル化法により得ることができる。
【0030】
がC〜Cアルキルまたはアミノである式(III)の化合物は、式(IV)の化合物:
【0031】
【化5】

【0032】
(式中、RはC〜Cアルキルまたはアミノであり、RおよびRは式(III)につき前記に定義したものである)から、慣用的なブロム化法またはヨウ素化法により得ることもできる。たとえばXがヨードである場合、(IV)をアセトニトリルなどの適切な溶媒中でほぼ室温から約85℃までの温度においてN−ヨードスクシンイミドで処理する。
【0033】
が水素である式(V)の化合物は、式(II)においてR、RおよびRが水素であり、Rが水素、C〜Cアルキルまたはハロであり、RおよびRが式(II)につき前記に定義したものである化合物から、多様な標準法のいずれかによりビニル基を酸化することにより得るのが好都合である。例としてそのような方法のひとつは、上記アルケンを4−メチルモルホリン−N−オキシドの存在下に適切な溶媒中において四酸化オスミウムで処理し、次いでこの反応混合物をメタ過ヨウ素酸ナトリウムで処理するものである。好ましくは、四酸化オスミウムをt−ブタノール溶液として装入し、反応溶媒は90%アセトン水溶液であり、反応をほぼ室温で実施する。
【0034】
明らかにこの酸化法は、Rが1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルである式(V)の化合物を対応するアルケンから製造するためにも使用できる。ただしRがメチルである場合、(V)への別経路は式(VI)の化合物の水和によるものである:
【0035】
【化6】

【0036】
式中、Rは水素であり、R、RおよびRは式(V)につき前記に定義したものである。有利には、この方法はRがアミノである場合にも使用できる。
たとえばアルキン(VI)を適切な溶媒中でほぼ室温において酸で処理すると、対応する4−アセチルピラゾール誘導体が得られる。好ましくは酸はp−トルエンスルホン酸であり、溶媒はアセトニトリルである。
【0037】
(VI)は、適切に保護された前駆物質、たとえばRがトリメチルシリルである式(VI)の化合物から得ることができる。この場合、脱保護は炭酸カリウムなどの緩和な塩基を用いて、メタノールなどの適切な溶媒中で実施できる。
【0038】
がブロモまたはヨードでない場合、保護されたアルキンは式(III)の化合物から、過剰の第三級塩基の存在下に適切な溶媒中でトリメチルシリルアセチレンと遷移金属触媒−架橋結合反応させることにより得るのが好都合である。好ましくは遷移金属はパラジウムである。たとえば(III)をビス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(II)クロリド、ヨウ化銅(I)およびトリエチルアミンの存在下にジメチルホルムアミド中において約45〜約65℃で、トリメチルシリルアセチレンにより処理する。
【0039】
2. 式(I)の化合物は別のシクロプロパン化法により製造することもできる。これによれば、目的のカルベノイド種はピラゾール含有前駆物質から適切なアルケンの存在下で生成する。このような前駆物質の代表例のひとつは、化合物(V)のアリールスルホニルヒドラゾン誘導体、すなわち式(VII)の化合物である:
【0040】
【化7】

【0041】
式中、Arはフェニルまたはナフチルであり、それらはいずれもC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロで置換されていてもよく、R、R、RおよびRは式(V)につき前記に定義したものである。好ましくはArは4−メチルフェニル(p−トリル)である。
【0042】
たとえば、アルカリ金属塩誘導体の形の(VII)、好ましくは(VII)からヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液を用いてテトラヒドロフランなどの適切な溶媒中で約−78℃からほぼ室温までの温度において容易に調製できるリチウム塩を、遷移金属触媒および式(VIII)のアルケン:
【0043】
【化8】

【0044】
(式中、R、R、RおよびRは式(I)につき前記に定義したものである)の存在下に、所望によりジクロロメタンなどの適切な溶媒中で所望により加圧下に熱分解する。この反応は普通は、大過剰の(VIII)を用い、ほぼ室温から約80℃までの温度および約101kPa(14.7psi)〜約2757kPa(400psi)の圧力で実施される。明らかに、高圧では耐圧容器(ボンベ)を用いる必要があろう。これは反応性の弱いアルケンには好ましい方法である。好ましくは遷移金属触媒は適切な塩の形のロジウム(II)、たとえば酢酸ロジウム(II)である。
【0045】
代表的方法は、式(VII)の化合物のリチウム塩[式中、Arは4−メチルフェニルであり、R、R、RおよびRは式(VII)につき前記に定義したものである]、(VIII)および酢酸ロジウム(II)二量体の混合物を、無水ジクロロメタン中で約50〜約70℃に加熱するものである。
【0046】
式(IV)および(VII)の中間体は、以下に記載しない場合、製造例に記載した方法と同様にして得るか、または有機化学に関する標準的文献もしくは前記文献に従って、慣用される合成法で、容易に入手できる出発物質から適切な試薬および反応条件を用いて得ることができる。
【0047】
さらに当業者には、式(I)の化合物が得られる後記の実施例および製造例に記載した方法の変法および別法が自明であろう。
特定の式(I)の化合物の医薬用、動物用または農業用として許容しうる酸付加塩も、常法により調製できる。たとえば遊離塩基の溶液を適切な酸(そのまま、または適切な溶媒中)で処理し、得られた塩をろ過または減圧下での反応溶媒の蒸発により単離する。
【0048】
本発明化合物、すなわち式(I)の化合物は、ヒト、動物および植物において寄生生物駆除活性をもつ。それらは特に外部寄生生物の処置に有用である。
ヒトにおける本発明化合物の使用に関しては、以下のものが提供される:
式(I)の化合物もしくはその医薬用として許容しうる塩またはそれらの医薬用として許容しうる溶媒和物、ならびに医薬用として許容しうる希釈剤またはキャリヤーを含む、局所適用可能な医薬用寄生生物駆除性組成物;
医薬として使用するための、式(I)の化合物もしくはその医薬用として許容しうる塩またはそれらの医薬用として許容しうる溶媒和物、あるいはそのいずれかを含有する薬剤組成物;
寄生生物の寄生(infestation)を処置する医薬の製造のための、式(I)の化合物もしくはその医薬用として許容しうる塩またはそれらの医薬用として許容しうる溶媒和物、あるいはそのいずれかを含有する薬剤組成物の使用;
ヒトにおいて寄生生物の寄生を処置する方法であって、そのヒトを有効量の式(I)の化合物もしくはその医薬用として許容しうる塩またはそれらの医薬用として許容しうる溶媒和物、あるいはそのいずれかを含有する薬剤組成物で処置することを含む方法。
【0049】
ヒト以外の動物におけるそれらの使用に関しては、本発明化合物を単独で、または意図する個々の用途、処置すべき宿主動物および関係する寄生生物に適した配合物中において投与できる。本発明化合物の投与方法には、カプセル剤、ボーラス、錠剤もしくは飲薬(drench)による経口投与、注ぎかけ(pour−on)、滴下(spot−on)、浸漬、噴霧用の配合物、ムース、シャンプーまたは散剤配合物としての局所投与が含まれる。あるいはそれらを注射(たとえば皮下、筋肉内、または静脈内)により、または植込剤として投与できる。
【0050】
このような配合物は常法により、標準的な獣医学的方法で調製される。たとえばカプセル剤、ボーラスまたは錠剤は、さらに崩壊剤および/または結合剤、たとえばデンプン、乳糖、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどを含有する適切な微細に分割された希釈剤またはキャリヤーと有効成分を混合することにより調製できる。経口飲薬は有効成分を適切な媒質に溶解または懸濁することにより調製される。注ぎかけまたは滴下用の配合物は、所望によりプロパン−2−オールなどの揮発性成分を添加した、許容できる液体キャリヤービヒクル、たとえばブチルジゴール(butyl digol)、流動パラフィンまたは不揮発性エステルに有効成分を溶解することにより調製できる。あるいは注ぎかけ、滴下または噴霧用の配合物は、残留物を動物の体表に残すために、カプセル封入により調製することができる。注射用配合物は無菌溶液の形で調製でき、これは他の物質、たとえば溶液を血液と等張にするのに十分な量の塩類またはグルコースを含有してもよい。許容できる液体キャリヤーには、ゴマ油などの植物油、トリアセチンなどのグリセリド、安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピルおよびプロピレングリコール脂肪酸誘導体などのエステル、ならびにピロリジン−2−オンおよびグリセロールホルマールなどの有機溶剤が含まれる。これらの配合物は、最終配合物が0.01〜10重量%の有効成分を含有するように、有効成分を液体キャリヤーに溶解または懸濁することにより調製される。
【0051】
これらの配合物は、処置すべき動物種、感染の程度およびタイプ、ならびに宿主の体重に応じて、含有する有効化合物の重量が異なるであろう。非経口、局所および経口投与につき有効成分の一般的な用量範囲は、動物の体重1kg当たり0.01〜100mgである。好ましくはこの範囲は0.1〜10mg/kgである。
【0052】
別法として、有効化合物を動物用飼料と共に投与してもよく、この目的のために、普通の動物用飼料と混合するための飼料用濃縮添加剤またはプレミックスを調製することができる。
【0053】
本発明化合物は有害節足動物の抑制に有用である。それらは特に動物用医薬、畜産および公衆衛生保全の分野で、脊椎動物、特にヒトならびに家畜、たとえばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ニワトリ、イヌ、ネコを含めた温血脊椎動物、ならびに魚類の内部または外部に寄生する節足動物に対し使用できる:たとえばダニ目[Acarina]:マダニ類(たとえばマダニ属[Ixodes]種、ブーフィラス属[Boophilus]種、たとえばオウシマダニ[B.microplus]、アンブリオマ属[Amblyomma]種、ヒアロマ属[Hyalomma]種、リピセファラス属[Rhipicephalus]種、たとえばリピセファラス・アペンディキュラタス[R.appendiculatus]、ヘマフィサリス属[Haemaphysalis]種、デルマセンター属[Dermacentor]種、オルニソドラス属[Ornithodorus]種(たとえばオルニソドラス・モーバタ[O.moubata]))、ダニ類(たとえばダマリニア属[Damalinia]種、ワクモ[Dermanyssus gallinae]、ヒゼンダニ属[Sarcoptes]種、たとえばヒゼンダニ[S.scabiei]、プソロプテス属[Psoroptes]種、コリオプテス属[Chorioptes]種、デモデックス属[Demodex]種、ユートロンビキュラ属[Eutrombicula]種);双翅目[Diptera](たとえばヤブカ属[Aedes]種、ハマダラカ属[Anopheles]種、イエバエ属[Muscidae]種、たとえばサシバエ[Stomoxys calcitrans]およびノサシバエ[Haematobia irritans]、ウシバエ属[Hypoderma]種、ウマバエ属[Gastrophilus]種、ブユ属[Simulium]種);半翅目[Hemiptera](たとえばオオサシガメ属[Triatoma]種);シラミ目[Phthiraptera](たとえばダマリニア属種、リノグナタス属[Linognathus]種);ノミ目[Siphonaptera](たとえばクテノセファリデス属[Ctenocephalides]種);網翅目[Dictyoptera](たとえばクロゴキブリ属[Periplaneta]種、チャバネゴキブリ属[Blatella]種)、および膜翅目[Hymenoptera](たとえばイエヒメアリ[Monomorium pharaonis]);貯蔵産物、たとえば穀物(穀類および穀粉を含む)、グラウンドナッツ類、動物用飼料、木材および家庭用品(たとえばカーペットおよび布類)の保護の分野で、節足動物、より詳細には甲虫(ゾウムシ類を含む)、ガおよびダニ類の攻撃に対し:たとえばエフェスチア属[Ephestia]種(flour moths)、マルカツオブシムシ属[Anthrenus]種(carpet beetles)、コクヌストモドキ属[Tribolium]種(flour beetles)、シトフィルス属[Sitophilus]種(コクゾウムシ類(grain weevils))、およびアカラス属[Acarus]種(ダニ類);ゴキブリ、アリおよびシロアリ類ならびにこれらに類する有害節足動物が寄生する家庭や工場敷地におけるその抑制;水路、井戸、貯水池その他の流水または貯水におけるカの幼虫の抑制;シロアリ、たとえばシワシロアリ属[Reticulitermes]種、ヘテロテルメス属[Heterotermes]種、コプトテルメス属[Coptotermes]種による建築物への攻撃を防ぐための、基礎、構造物および土壌の処理;農業において鱗翅目[Lepidoptera](チョウおよびガ)の成虫、幼虫および卵に対し:たとえばヘリオディス属[Heliothis]種、たとえばヘリオディス・バイレッセンス[H.virescens](ヤガ(tobacco budworm))、ヘリオディス・アーミオエラ[H.armioera]およびオオタバコガ[H.zea]、スポドプテラ属[Spodoptera]種、たとえばスポドプテラ・イグゼンプタ[S.exempta]、スポドプテラ・リトラリス[S.littoralis](エジプトワタヨトウ(Egyptian cotton worm))、スポドプテラ・エリダニア[S.eridania](サザンアワヨトウ(southern army worm))、マメストラ・コンフィギュラータ[Mamestra configurata](バーサアワヨトウ(bertha army worm))、イアリアス属[Earias]種、たとえばイアリアス・インシュラナ[E.insulana](エジプトワタキバガ(Egyptian ballworm))、ペクチノフォラ属[Pectinophora]種、たとえばペクチノフォラ・ゴシピエラ[P.gossypiella](ワタキバガ(pink ballworm))、オストリニア属[Ostrinia]種、たとえばオストリニア・ヌビアリス[O.nubialis](ヨーロッパアワノメイガ(European cornborer))、トリコプルシア・ナイ[Trichoplusia ni](ヤガ(cabbage looper))、ピエリス属[Pieris]種(アオムシ類(cabbage worms))、ラフィグマ属[Laphygma]種(アワヨトウ類)、アグロチス属[Agrotis]およびアマテス属[Amathes]種(ネキリムシ類(cut worms))、ウィセアナ属[Wiseana]種(ポリナガ(porina moth))、ニカメイガ属[Chilo]種(rice stem borer)、トリプオリザ属[Tryporyza]種およびジアトレア属[Diatraeae]種(sugar cane borer,rice borer)、テングハマキ[Sparganothis pilleriana](grape berry moth)、シジア・ポモネラ[Cydia pomonella](コドリンガ(codling moth))、ハマキガ属[Archips]種(果樹ハマキガ(fruit tree tortrix moth))、プルテラ・キシロステラ[Plutella xylostella](diamond black moth);鞘翅目[Coleoptera](甲虫)の成虫および幼虫に対し:たとえばハイポテネムス・ハンペイ[Hypothenemus hampei](coffee berry borer)、ハイレシナス属[Hylesinus]種(キクイムシ類(bark beetles))、ワタミゾウムシ[Anthonomus grandis](cotton boll weevil)、アカリンマ属[Acalymma]種(ウリハムシ類(cucumber beetles))、レマ属[Lema]種、プシリオデス属[Psylliodes]種、コロラドハムシ[Leptinotarsa decemlineata](Colorado potato beetle)、ディアブロチカ属[Diabrotica]種(corn rootworms)、スナゴミムシダマシ属[Gonocephalum]種(fals wire worms)、アグリオテス属[Agriotes]種(コメツキムシ(wireworms))、デルモレピダ属[Dermolepida]およびヘテロニクス属[Heteronychus]種(根切り虫類(white grubs))、ファドン・コクレアリア[Phaedon cochleariae](mustard beetle)、リソロプトラス・オリゾフィルス[Lissorhoptrus oryzophilus](rice water weevil)、メリオエテス属[Melioethes]種(pollen beetles)、ソイトリンクス属[Ceutorhynchus]種、リンコフォラス属[Rhynchophorus]およびコスモポリテス属[Cosmopolites]種(root weevils);半翅目に対し:たとえばキジラミ属[Psylla]種、ベミシア属[Bemisia]種、トリアロイローデス属[Trialeurodes]種、アブラムシ属[Aphis]種、コアブラムシ属[Myzus]種、メゴウラ・ビシア[Megoura viciae]、ブドウアブラムシ属[Phylloxera]種、アデルゲス属[Adelges]種、ホップイモアブラムシ[Phorodon humuli](hop damson aphid)、アエネオラミア属[Aeneolamia]種、ツマグロヨコバイ属[Nephotettix]種(rice leaf hoppers)、エンポアスカ属[Empoasca]種、ニラパルバタ属[Nilaparvata]種、パーキンシエラ属[Perkinsiella]種、ピリラ属[Pyrilla]種、アカマルカイガラムシ属[Aonidiella]種(red scales)、ヒラタカタカイガラムシ属[Coccus]種、クワコナカイガラムシ属[Pseudococcus]種、ヘロペルチス属[Helopeltis]種(mosquito bugs)、リガス属[Lygus]種、ジスデルカス属[Dysdercus]種、オキシカレヌス属[Oxycarenus]種、アオクサカメムシ属[Nezara]種、ニメノプテラ目[Nymenoptera]、たとえばアタリア属[Athalia]種およびセファス属[Cephus]種(ハバチ(saw flies))、ハキリアリ属[Atta]種(leaf cutting ants)、双翅目、たとえばハイレミイア属[Hylemyia]種(タネバエ類(root flies))、アテリゴナ属[Atherigona]種およびクロロプス属[Chlorops]種(キモグリバエ類(shoot flies))、フィトミイザ属[Phytomyza]種(ハモグリムシ類(leaf miners))、セラチチス属[Ceratitis]種(ミバエ(fruit flies))、総翅目[Thysanoptera]、たとえばネギアザミウマ[Thrips tabaci]、直翅目[Orthoptera]、たとえばトノサマバッタ属[Locusta]およびシストセルカ属[Schistocerca]種(バッタ類)、ならびにコオロギ類、たとえばコオロギ属[Gryllus]種およびアケタ属[Acheta]種、トビムシ[Collembola]、たとえばマルトビムシ属[Sminthurus]種およびオニキウラス属[Onychiurus]種(トビムシ類(springtails))、シロアリ目[Isoptera]、たとえばオドントテルメス属[Odontotermes]種(シロアリ類)、ハサミムシ目[Dermaptera]、たとえばハサミムシ属[Forficula]種(earwigs);ならびに農業上重要な他の節足動物に対し:たとえばコナダニ目[Acari](ダニ類)、たとえばテトラニカス属[Tetranychus]種、パノニカス属[Panonychus]種、およびクローバーハダニ属[Bryobia]種(spider mites)、フシダニ属[Eriophyes]種(gall mites)、ポリファコタルソネムス属[Polyphacotarsonemus]種、ブラニウラス属[Blaniulus]種(ヤスデ類)、ナミコムカデ属[Scutigerella]種(symphilids)、オニスカス属[Oniscus]種(woodlice)およびトリオプス属[Triops]種(甲殻類)。
【0054】
本発明化合物は植物の有害節足動物の抑制にも有用である。有効化合物を、一般に節足動物寄生を抑制すべき寄生箇所(locus)に、その箇所1ヘクタール(ha)当たり約0.005〜約25kgの有効化合物、好ましくは0.02〜2kg/haの割合で施与する。理想的な条件下では、抑制すべき有害生物によってはより低い割合で適切な保護が得られるであろう。他方、不都合な気候条件その他の要因のため有効成分をより高い割合で使用することが必要な場合があるかもしれない。葉に施与するためには、0.01〜1kg/haの割合を使用できる。
【0055】
有害生物が土壌由来のものである場合、有効成分を含有する配合物を、処理すべき面積に、慣用されるいずれかの方法で均一に散布する。施与は所望により耕地もしくは作物生育地全般に、または攻撃から保護すべき種子もしくは植物の近辺に行うことができる。有効成分を水と共に土地全体に噴霧することにより土壌中へ流し込むか、または降雨による自然作用にまかせることができる。施与の途中または後に、配合物を、たとえば鋤き込みまたは耕作により機械的に土壌中へ分散させることができる。施与は植付け前、植付け時、植付け後であるがただし発芽前、または発芽後に行うことができる。
【0056】
本発明化合物は、施与地点から離れた植物の部分を食する有害生物の抑制にも有効である。たとえば根に本発明化合物を施与することにより、葉を食する昆虫を殺すことができる。さらに本発明化合物は、拒食作用または忌避作用により植物に対する攻撃を減らすことができる。
【0057】
本発明化合物は、耕地、牧草地、プランテーション、温室、果樹園およびブドウ園の作物、または観葉植物、ならびにプランテーションおよび森林の樹木、たとえば以下のものの保護に特に有用である:穀類(たとえばトウモロコシ、コムギ、イネ、モロコシ)、ワタ、タバコ、野菜およびサラダ用野菜(たとえばマメ、アブラナ科作物(cole crops)、ウリ、レタス、タマネギ、トマトおよびコショウ)、農場栽培作物(たとえばジャガイモ、テンサイ、グラウンドナッツ、ダイズ、アブラナ)、サトウキビ、牧草および飼い葉(たとえばトウモロコシ、モロコシ、アルファルファ)、プランテーション作物(たとえば茶、コーヒー、ココア、バナナ、ギネアアブラヤシ、ココナッツ、ゴム、スパイス)、大規模および小規模果樹園の作物(たとえば核果(stone fruit)および種子あり果実(pip fruit)、柑橘類、キーウィフルーツ、アボカド、マンゴー、オリーブならびにクルミ)、ブドウ園、観葉植物、温室、庭園および公園の花卉および低木、ならびに森林、プランテーションおよび養樹園の森林樹木(落葉樹および常緑樹とも)。
【0058】
本発明化合物は、木材(立木、伐採木、加工木、貯蔵木または建築木)をハバチ(たとえばウロセラス属[Urocerus])、甲虫(たとえばキクイムシ(scolytids)、ナガキクイムシ(platypodids)、ヒラタキクイムシ(lyctids)、ナガシンクイムシ(bostrychids)、カミキリムシ(cerambycids)、シバンムシ(anobiids))、またはシロアリ(たとえばレティキュリテルメス属[Reticulitermes]種、ヘテロテルメス属[Heterotermes]種、コプトテルメス属[Coptotermes]種)による攻撃から保護するのにも有用である。
【0059】
さらに本発明化合物は、穀類、果実、ナッツ、スパイスおよびタバコ(全体、製粉したもの、または製品に配合したもの)などの貯蔵産物をガ、甲虫およびダニによる攻撃から保護するのに使用できる。また貯蔵獣製品、たとえば天然のまたは加工した形の皮革、毛、羊毛および羽毛(たとえばカーペットまたは布類)をガおよび甲虫による攻撃から保護し、食肉および魚肉を甲虫、ダニおよびハエによる攻撃から保護する。
【0060】
本発明化合物は、ヒトおよび家畜に有害な、または疾病を伝染させ、もしくは媒介動物として作用する節足動物、たとえば前記のもの、より詳細にはマダニ、ダニ、シラミ、ノミ、ユスリカ、ならびにサシバエ類(bitig flies)、ハエ類(nuisance flies)およびウジバエ類(myiasis flies)を抑制するのに有用である。これらの化合物は宿主家畜の体内にいる、または皮膚の内部もしくは上に生息する、または動物の血を吸う節足動物の抑制に特に有用であり、この目的のためにはそれらの化合物を経口、非経口、経皮または局所投与することができる。
【0061】
したがって本発明の他の態様によれば、式(I)の化合物、またはその動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの動物用または農業用として許容しうる溶媒和物、ならびに動物用または農業用として許容しうる希釈剤またはキャリヤーを含む、動物用または農業用配合物が提供される。好ましくは、配合物は局所投与用として適用される。
【0062】
本発明はさらに、寄生生物駆除薬として使用するための、式(I)の化合物、またはその動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの動物用または農業用として許容しうる溶媒和物、あるいはそれらのいずれかを含有する動物用または農業用として許容しうる配合物を提供する。
【0063】
本発明はまた、寄生生物の寄生を寄生箇所において処置する方法であって、寄生箇所を有効量の式(I)の化合物、またはその動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの動物用または農業用として許容しうる溶媒和物、あるいはそれらのいずれかを含有する動物用または農業用として許容しうる配合物で処置することを含む方法を提供する。
【0064】
好ましくは、寄生箇所は動物の皮膚もしくは被毛、または植物の表面、または処置すべき植物の周囲の土壌である。
処置という語は、寄生生物寄生の予防ならびに確立した症状の軽減および/または治癒を含むと解すべきである。
【0065】
殺虫活性試験
ハエ成虫(サシバエ[Stomoxys calcitrans])を採集し、COで麻酔する。被験化合物を含有するアセトン溶液(1μl)を各ハエの胸郭に直接投与し、次いで湿ったガーゼで覆った50mlの試験管に慎重に入れてCOから回復させる。陰性対照にはアセトン(1μl)を分注する。24時間後に致死率を評価する。表1は、サシバエ成虫に対する特定の本発明化合物のインビトロ活性を示す。100%の致死率を生じるのに要した用量を右欄にμg/匹として示す。
【0066】
表1
実施例NO. μg/匹
3A 0.05
7 0.05
19 0.05
27 0.05
47 0.05
【0067】
殺ダニ活性試験
アセトンまたはエタノールなどの適切な溶剤中における被験化合物の1mg/ml溶液0.5mlを、8×6.25cmの大きさに切断したワットマン(Whatman)No.1(商標)濾紙にピペットで均一に付与することにより、10μg/cmの用量のものを調製する。濾紙が乾燥した時点で半分に折り曲げ、2方側をクリンプ器具でシールし、水で湿らせた生綿パッドが入ったキルナー(Kilner)ジャーに入れる。次いでジャーを密閉し、25℃に24時間置く。次いで約50匹のオウシマダニ[Boophilus microplus]幼虫を、この処理済み濾紙封筒に入れ、次いで3つ目の側に沿ってクリンプ留めして完全にシールする。濾紙封筒をキルナージャーに戻し、密閉し、25℃にさらに48時間置く。次いで濾紙を取り出し、致死率を評価する。適切に切断した濾紙を0.5mlの溶剤のみで処理したのち同じ操作を施すことにより、陰性対照を調製する。被験溶液の濃度を変更することにより、他の用量での活性が得られる。
【0068】
表2は、オウシマダニ幼虫に対する特定の本発明化合物のインビトロ活性を示す。100%の致死率を生じるのに要した用量を右欄にμg/cmとして示す。
【0069】
表2
実施例NO. μg/cm
3A 0.50
7 0.50
19 0.50
47 1.00
【0070】
本発明化合物の合成およびそれに用いる中間体の合成を、以下の実施例および製造例により示す。
融点はガレンカンプ(Gallenkamp)融点測定装置により測定し、未補正である。
【0071】
核磁気共鳴(NMR)スペクトルデータは、ブルーカー(Bruker)AC300またはAM300分光計を用いて得られた。観察した化学シフト(δ)は提示した構造と一致した。
【0072】
質量分析(MS)データは、フィニガン(Finnigan)Mat.TSQ 7000またはファイソンズ・インスツルメンツ、トリオ(Trio)1000分光計により得られた。引用した計算イオンおよび実測イオンは、最小質量の同位体組成を表す。
HPLCは高性能液体クロマトグラフィーを意味する。
室温は20〜25℃を意味する。
【0073】
実施例1
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例2の表題化合物(1.0g)、ブロモホルム(13ml)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.075g)、60%水酸化ナトリウム水溶液(2ml)、ジクロロメタン(12ml)およびエタノール(0.5ml)の混合物を激しく撹拌しながら10日間加熱還流し、次いで放冷し、水で希釈した。分離した有機相をシリカゲル(10g)のカラムに付与し、ジクロロメタンで溶離した。適切な画分から得た粗生成物を、C18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(50:40:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を灰白色固体として得た。融点178〜179℃。
【0074】
【化9】

【0075】
実施例2
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
エタノール(0.1ml)、および水(0.5ml)中における水酸化ナトリウム(0.29g)の溶液を、ジクロロメタン(2ml)中における製造例4の表題化合物(0.6g)およびブロモホルム(1.83g)の撹拌溶液に添加し、続いて塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.01g)を添加した。反応混合物を室温で18時間、50℃で5時間、室温で48時間、50℃で4時間、そして室温で18時間、連続して撹拌し、次いでジクロロメタン(100ml)と水(100ml)の間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させると油が得られた。これをシリカゲル(10g)上でヘキサン:ジクロロメタン(3:7)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて目的物質をヘキサンから結晶化した。こうして表題化合物を白色固体として得た。融点121〜123℃。
【0076】
【化10】

【0077】
実施例3Aおよび3B
A.(−)−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾールおよび
B.(+)−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
実施例2の表題化合物(28.5mg)を、キラルパック(Chiralpak、商標)ADカラム(25cm×2cm)、溶離剤としてのヘキサン:プロパン−2−オール混合物(93:7)、および溶出速度9ml/分を用いるキラルHPLCにより分割した。
【0078】
(−)−鏡像異性体(A)が最初に溶出し、白色結晶質固体として得られた。融点132.5〜135℃。
[α]25 −42.54°(c=1.5mg/ml、メタノール)
(+)−鏡像異性体(B)が2番目に溶出し、白色結晶質固体として得られた。融点132.5〜134℃。
[α]25 +44.02°(c=3.5mg/ml、メタノール)
X線結晶分析により、この後者の鏡像異性体はR−立体配置をもつと判定された。
【0079】
実施例4
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.01g)およびエタノール(0.015ml)を、クロロホルム(0.66ml)中における製造例4の表題化合物(0.46g)の撹拌溶液に添加した。次いで50%水酸化ナトリウム水溶液(0.25ml)を添加し、反応混合物を60℃で1カ月間撹拌した。得られた混合物をジクロロメタンと水の間で分配し、次いで有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。こうして得た褐色の油をシリカゲル(10g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(50:40:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製した。目的物質をヘキサンから結晶化して、表題化合物を無色板状晶として得た。融点123〜126℃。
【0080】
【化11】

【0081】
実施例5
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール
ブロモホルム(6.4ml)、続いてエタノール(0.1ml)、および水(0.5ml)中における水酸化ナトリウム(0.29g)の溶液を、ジクロロメタン(2ml)中における製造例6の表題化合物(0.35g)の撹拌溶液に添加した。次いで塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.01g)を添加し、反応混合物を50℃で13日間撹拌し、次いで放冷した。得られた混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をジクロロメタンと水の間で分配した。有機相を分離し、水相の酢酸エチル抽出液と合わせ、次いでこの合わせた有機溶液をブラインで洗浄し、乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点178〜180℃。
【0082】
【化12】

【0083】
実施例6
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール
製造例8の表題化合物から実施例5と同様にして、ただし最初のカラムクロマトグラフィー精製工程でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いて、白色泡状物として得た。
【0084】
【化13】

【0085】
実施例7
3−シアノ−4−シクロプロピル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
エーテル中の0.2Mジアゾメタン溶液(25ml)を、エーテル(10ml)中における製造例4の表題化合物(0.332g)および酢酸パラジウム(II)(0.01g)の撹拌溶液に、25分かけて添加し、この混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を追加量のジアゾメタン−エーテル溶液(25ml)および酢酸パラジウム(II)(0.01g)で処理し、24時間撹拌し、さらにジアゾメタン−エーテル溶液(50ml)および酢酸パラジウム(II)(0.01g)で処理し、さらに24時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(5g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(50:45:5)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点124℃。
【0086】
【化14】

【0087】
実施例8
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモ−3,3−ジメチルシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
トルエン(2ml)中における製造例10の表題化合物(0.15g)およびフェニルトリブロモメチル水銀(0.44g)の溶液を70℃に5時間加熱し、放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を灰白色固体として得た。融点146〜148℃。
【0088】
【化15】

【0089】
実施例9
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモ−1−メチルシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例15の表題化合物から実施例8と同様にして、ただし4時間の反応時間を用い、続いて反応混合物をろ過し、ヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるシリカゲル上での最初のカラムクロマトグラフィー精製工程を行い、白色固体として得た。融点133〜134℃。
【0090】
【化16】

【0091】
実施例10
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−メチルシクロプロピル)ピラゾール
エーテル中の0.007Mジアゾメタン溶液(20ml)を二等分して、エーテル(10ml)中における製造例15の表題化合物(0.346g)および酢酸パラジウム(II)(0.01g)の撹拌溶液に添加し、この混合物を室温で48時間撹拌し、次いでろ過した。反応混合物を追加量のジアゾメタン−エーテル溶液(20ml)および酢酸パラジウム(II)(0.01g)で処理し、24時間撹拌し、ろ過し、次いでこのサイクルを繰り返した。反応混合物をジアゾメタン−エーテル溶液(20ml)および酢酸パラジウム(II)(0.01g)でさらに処理し、5日間撹拌し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。残留物をシクロヘキサンから結晶化して、表題化合物を黄色固体として得た。融点138〜139℃。
【0092】
【化17】

【0093】
実施例11
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモ−1−メトキシシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
トルエン(1ml)中における製造例17の表題化合物(0.4g)およびフェニルトリブロモメチル水銀(0.76g)の溶液を60℃に4時間加熱し、放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点117〜118℃。
【0094】
【化18】

【0095】
実施例12
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピル)ピラゾール
ジクロロメタン(0.3ml)中における製造例18の表題化合物(0.04g)、2,3−ジメチルブト−2−エン(1.08ml)および酢酸ロジウム(II)二量体(0.001g)の溶液を30分かけて70℃に加熱し、この温度にさらに30分間保持した。反応混合物にジクロロメタン(0.3ml)を添加し、次いでこれをさらに1時間加熱し、放冷し、ジクロロメタン(5ml)と水(2ml)の間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル(1g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色結晶質固体として得た。融点158〜159℃。
【0096】
【化19】

【0097】
実施例13
3−シアノ−4−(t−2,t−3−ジクロロ−r−1−シクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
無水ジクロロメタン(7.5ml)中における製造例18の表題化合物(0.254g)、cis−1,2−ジクロロエチレン(7.0g)および酢酸ロジウム(II)二量体(0.045g)の溶液を60℃に4.5時間加熱し、次いで室温に18時間放置した。得られた混合物をシリカゲル(50g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点138〜139℃。
【0098】
【化20】

【0099】
実施例14
3−シアノ−4−(t−2,t−3−ジブロモ−r−1−シクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例18の表題化合物および1,2−ジブロモエチレンから実施例13と同様にして、ただし反応混合物を55℃に4時間加熱し、クロマトグラフィー精製工程後に得られた残留物を最終的にt−ブタノールから凍結乾燥して、淡黄色固体として得た。融点106〜108℃。
【0100】
【化21】

【0101】
実施例15
3−シアノ−4−(ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−イル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例18の表題化合物およびシクロペンテンから実施例13と同様にして、ただし反応混合物を55℃に4時間加熱して、白色固体として得た。融点105〜106℃。
【0102】
【化22】

【0103】
実施例16
3−シアノ−4−(ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−7−イル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例18の表題化合物およびシクロヘキセンから実施例15と同様にして、白色固体として得た。融点113〜114℃。
【0104】
【化23】

【0105】
実施例17
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2,2−ジメチルシクロプロピル)ピラゾール
無水ジクロロメタン(7ml)中における製造例18の表題化合物(0.507g)および酢酸ロジウム(II)二量体(0.045g)の溶液をガラスライニングしたボンベ(50ml容)に入れ、次いでこれを窒素で2回フラッシした。反応器に2−メチルプロペンを装入し、反応混合物を55℃に2時間加熱し、次いで室温に18時間放置した。得られた混合物をシリカゲル(50g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た。融点122〜123℃。
【0106】
【化24】

【0107】
実施例18
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(スピロ[2.4]ヘプタン−1−イル)ピラゾール
製造例18の表題化合物およびメチレンシクロペンタンから実施例15と同様にして、ただし反応混合物を3時間だけ加熱し、淡黄色固体として得た。融点117〜118℃。
【0108】
【化25】

【0109】
実施例19
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2,2−ジフルオロシクロプロピル)ピラゾール
製造例18の表題化合物および1,1−ジフルオロエチレンから実施例17と同様にして、ただし反応混合物を50℃および2068kPa(300psi)で24時間加熱して得た。生成物をC18シリカ上でアセトニトリル:水(55:45)を溶離剤として用いる反復逆相HPLCによりさらに精製して、表題化合物を白色無定形固体として得た。
【0110】
【化26】

【0111】
実施例20
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(スピロ[2.3]ヘキサン−1−イル)ピラゾール
製造例18の表題化合物およびメチレンシクロブタンから実施例15と同様にして、ただし反応混合物を4時間加熱還流し、次いでその後の室温での一夜放置を省いて、表題化合物を白色固体として得た。融点108〜110℃。
【0112】
【化27】

【0113】
実施例21
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(スピロ[2.2]ペンタン−2−イル)ピラゾール
無水ジクロロメタン(7ml)中における製造例18の表題化合物(0.507g)、メチレンシクロプロパン(5ml)および酢酸ロジウム(II)二量体(0.045g)の撹拌溶液を、シールした厚壁ガラス容器内で55℃に24時間加熱し、次いで放冷した。得られた混合物を実施例13と同様に精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点108〜110℃。
【0114】
【化28】

【0115】
実施例22
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチルピラゾール
ブロモホルム(1.08ml)、続いて水(1ml)中における水酸化ナトリウム(0.495g)の溶液およびエタノール(0.1ml)を、ジクロロメタン(4ml)中における製造例22の表題化合物(0.993g)の撹拌溶液に添加した。次いで塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.222g)を添加し、反応混合物を50℃に6日間加熱した。同量のブロモホルム、水酸化ナトリウム水溶液およびエタノールを再び添加し、50℃での撹拌を5日間続けた。低温の反応混合物をエーテルと水の間で分配し、次いで水相を分離し、エーテルで抽出した(2回)。有機相を合わせて乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(3:2)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて冷ヘキサンで摩砕処理して、表題化合物を灰白色固体として得た。融点66.8〜68.2℃。
【0116】
【化29】

【0117】
実施例23
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5−ジメチルピラゾール
ブロモホルム(1.1ml)、続いて水(0.5ml)中における水酸化ナトリウム(0.175g)の溶液およびエタノール(0.1ml)を、ジクロロメタン(2ml)中における製造例25の表題化合物(0.368g)の撹拌溶液に添加した。次いで塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.01g)を添加し、反応混合物を4日間加熱還流した。同量のブロモホルム、水酸化ナトリウム水溶液およびエタノールを再び添加し、還流下での撹拌を9日間続けた。低温の反応混合物をジクロロメタン(20ml)で希釈し、次いでこの混合物を水(15mlで3回)およびブライン(10ml)で順に洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(30g)上でヘキサン、次いでヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(8:1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を油として得た。
【0118】
【化30】

【0119】
実施例24
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−3−メチル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
水(1ml)中における水酸化ナトリウム(0.64g)の溶液およびエタノール(0.1ml)を、ジクロロメタン(2ml)中における製造例28の表題化合物(1.0g)、ブロモホルム(2ml)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.04g)の撹拌溶液に添加し、反応混合物を16時間加熱還流し、次いで放冷した。得られた混合物をジクロロメタンと水の間で分配し、次いで有機相を分離し、水およびブラインで順に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(50:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の油を得た。これを同様にヘキサン:酢酸エチル(19:1)を溶離剤として用いてさらに精製し、続いてプロパン−2−オールで摩砕処理して、表題化合物を黄色固体として得た。融点84〜86℃。
【0120】
【化31】

【0121】
実施例25
4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−3−メチル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
50%水酸化ナトリウム水溶液(2ml)を、エタノール(0.2ml)およびジクロロメタン(2ml)の混合物中における製造例28の表題化合物(1.0g)、クロロホルム(7ml)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.08g)の撹拌溶液に添加し、次いで反応混合物を16時間加熱還流した。追加量のクロロホルム(3ml)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.04g)および水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を添加し、次いでこの混合物を還流下で16時間撹拌し、放冷し、ジクロロメタンと水の間で分配した。有機相を分離し、水およびブラインで順に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(19:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色の油を得た。これをC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCによりさらに精製して、表題化合物を無色の油として得た。
【0122】
【化32】

【0123】
実施例26Aおよび26B
A.4−(c−2−ブロモ−r−1−シクロプロピル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾールおよび
B.4−(t−2−ブロモ−r−1−シクロプロピル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
水素化トリ−n−ブチルスズ(0.9g)を注射器で、トルエン(10ml)中における実施例2の表題化合物(0.504g)の撹拌溶液に−10℃で滴加した。反応混合物を室温にまで高め、5時間撹拌し、−20℃に3日間保持し、再び室温にまで高め、次いで追加量の水素化トリ−n−ブチルスズ(0.9g)で処理した。この混合物をさらに24時間撹拌し、水で処理し、次いで30分後に水相を分離し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせて乾燥させ、減圧下で蒸発させて褐色の油を得た。これをシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(4:1)、次いでジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて目的生成物をジプロプ−2−イルエーテルから結晶化して、異性体Aを灰白色固体として得た。融点120.5〜121℃。
【0124】
【化33】

【0125】
結晶化母液をC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(50:40:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、異性体Bを灰白色固体として得た。融点126℃。
【0126】
【化34】

【0127】
実施例27
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール
キシレン(250ml)中における製造例31の表題化合物(27g)の溶液を16時間、緩和に加熱還流し、次いで溶媒を減圧下で蒸発除去した。得られた残留物をシリカゲル(1kg)上でヘキサン、次いでヘキサン:エーテル(8:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてシクロヘキサンから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点141℃。
【0128】
【化35】

【0129】
実施例28
5−クロロ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
ジクロロメタン(1ml)中における製造例33の表題化合物(0.288g)の撹拌溶液に、ブロモホルム(0.275ml)、続いて水(0.25ml)中における水酸化ナトリウム(0.126g)の溶液およびエタノール(0.05ml)を添加した。次いで塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.006g)を添加し、反応混合物を室温で48時間、激しく撹拌し、50℃に7時間加熱し、次いで室温で24時間撹拌した。さらに50℃に24時間加熱した後、ブロモホルム(0.275ml)、水(0.25ml)中における水酸化ナトリウム(0.126g)の溶液およびエタノール(0.05ml)を添加し、72時間加熱し続けた。反応混合物を冷却し、エーテルと水の間で分配し、水相を分離し、エーテル(2回)で抽出した。抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(3:2)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点103.5〜104.2℃。
【0130】
【化36】

【0131】
実施例29
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−トリフルオロメチルピラゾール
ジクロロメタン(3ml)中における製造例36の表題化合物(0.530g)の撹拌溶液に、ブロモホルム(0.49ml)、続いて水(1ml)中における水酸化ナトリウム(0.226g)の溶液およびエタノール(0.1ml)を添加した。次いで塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.01g)を添加し、反応混合物を50℃に3日間加熱した。ブロモホルム(0.49ml)、水(1ml)中における水酸化ナトリウム(0.226g)の溶液およびエタノール(0.1ml)を添加し、5日間加熱し続けた。反応混合物を放冷し、エーテルと水の間で分配し、水相を分離し、エーテル(2回)で抽出した。有機抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル上でヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(1:1:2)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を緑黄色のガムとして得た。
【0132】
【化37】

【0133】
実施例30
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−フェニルピラゾール
ジクロロメタン(4ml)中における製造例40の表題化合物(0.3g)の撹拌溶液に、ブロモホルム(ml)、続いて水(0.1ml)中における水酸化ナトリウム(0.125g)の溶液およびエタノール(0.1ml)を添加した。次いで塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.022g)を添加し、反応混合物を50℃に5日間加熱し、放冷し、ジクロロメタン(10ml)と水(10ml)の間で分配した。有機相を分離し、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル(70g)上でヘキサン:エーテルの溶離濃度勾配(100:0→95:5→90:10→0:100)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製した。HPLCからの目的画分を濃縮し、ジクロロメタン(20mlで3回)で抽出した。有機抽出液を合わせて凍結乾燥して、表題化合物を灰白色固体として得た。融点47〜48℃。
【0134】
【化38】

【0135】
実施例31
4−(1−クロロジフルオロメチルシクロプロピル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例44の表題化合物から実施例27と同様にして、ただし4時間加熱し、クロマトグラフィー溶離剤としてヘキサン:エーテル(8:1)を用い、その後の結晶化を行わずに、白色固体として得た。融点124〜125℃。
【0136】
【化39】

【0137】
実施例32
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−エチルシクロプロピル)ピラゾール
エーテル中の0.467Mジアゾメタン溶液(30ml)を2分かけて、エーテル(5ml)中における製造例47の表題化合物(3g)および酢酸パラジウム(II)(0.025g)の撹拌溶液に添加し、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物をろ過し、追加量のジアゾメタン−エーテル溶液(30ml)および酢酸パラジウム(II)(0.025g)で処理し、さらに4時間撹拌し、ろ過し、次いでジアゾメタン−エーテル溶液(30ml)および酢酸パラジウム(II)(0.025g)でさらに処理し、さらに40時間撹拌し、ろ過し、次いでジアゾメタン−エーテル溶液(30ml)および酢酸パラジウム(II)(0.025g)でさらに処理し、さらに88時間撹拌し、ろ過し、次いでジアゾメタン−エーテル溶液(30ml)および酢酸パラジウム(II)(0.025g)でさらに処理し、さらに2時間撹拌し、ろ過し、次いでジアゾメタン−エーテル溶液(30ml)および酢酸パラジウム(II)(0.025g)でさらに処理し、さらに18時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をC18シリカ上でアセトニトリル:水(60:40)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点118〜119℃。
【0138】
【化40】

【0139】
実施例33
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモ−1−エチルシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
トルエン(4ml)中における製造例47の表題化合物(105mg)およびフェニルトリブロモメチル水銀(160mg)の溶液を70℃に2時間加熱し、次いでトルエン(2ml)中におけるフェニルトリブロモメチル水銀(180mg)の溶液を添加し、混合物を70℃に16時間加熱した。フェニルトリブロモメチル水銀(230mg)を追加し、混合物を70℃に4時間加熱し、さらにフェニルトリブロモメチル水銀(310mg)を追加し、混合物を70℃に2時間加熱し、さらにフェニルトリブロモメチル水銀(310mg)を追加し、混合物を70℃に16時間加熱し、次いで放冷した。得られた混合物をシリカゲル(10g)によりヘキサン、次いでジクロロメタンを溶離剤としてろ過し、目的の溶出画分を減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(10g)上でジクロロメタン:ヘキサン(1:4)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点107〜108℃。
【0140】
【化41】

【0141】
実施例34
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−ペンタフルオロエチルシクロプロピル)ピラゾール
製造例50の表題化合物から実施例31と同様にして、ただしC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(60:30:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製し、白色固体として得た。融点105〜106℃。
【0142】
【化42】

【0143】
実施例35
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−ヘプタフルオロプロピルシクロプロピル)ピラゾール
製造例53の表題化合物から実施例31と同様にして、ただし3時間加熱し、クロマトグラフィー後にシクロヘキサンから結晶化して、白色固体として得た。融点95〜96℃。
【0144】
【化43】

【0145】
実施例36
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール
キシレン(8ml)およびトルエン(1ml)の混合物中における製造例55の表題化合物(130mg)の溶液を7時間、緩和に加熱還流し、次いで室温に16時間放置した。溶媒を減圧下での蒸発により除去し、得られた残留物をC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(45:45:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点178〜179℃。
【0146】
【化44】

【0147】
実施例37
1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)ピラゾール
トルエン(5ml)中における製造例58の表題化合物(0.50g)およびフェニルトリブロモメチル水銀(1.0g)の溶液を、窒素下で70℃に1.5時間加熱した。フェニルトリブロモメチル水銀(0.50g)を追加し、さらに72時間加熱し続けた。得られた混合物を放冷し、エーテルと水の間で分配し、水相を分離し、エーテル(2回)で抽出した。抽出液を合わせて水および飽和ブラインで順に洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。粗生成物(0.50g)(褐色の油)をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(9:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色固体として得た。融点81〜83℃。
【0148】
【化45】

【0149】
実施例38
3−アセチル−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
エーテル(25ml)中における実施例2の表題化合物(3.42g)の溶液を、エーテル中の3.0Mヨウ化メチルマグネシウム溶液(2.26ml)および無水エーテル(25ml)の撹拌氷冷混合物に窒素下で添加した。その間、反応温度を2℃より低く維持した。反応混合物を室温にまで高め、2時間加熱還流し、次いで追加量(0.5ml)のヨウ化メチルマグネシウム溶液−エーテル溶液で処理した。混合物を1時間加熱還流し、次いで室温で18時間撹拌した。追加量(1ml)のヨウ化メチルマグネシウム溶液−エーテル溶液を添加し、得られた混合物を3時間加熱還流し、次いで濃塩酸(2ml)および氷(10g)の撹拌混合物に注入した。エーテル(3回)で抽出し、続いて抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。これをシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてヘキサンから結晶化して、表題化合物を淡黄色固体として得た。融点149.5〜150.3℃。
【0150】
【化46】

【0151】
実施例39
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−(1−ヒドロキシエチル)ピラゾール
テトラヒドロフラン中の1Mボラン:テトラヒドロフラン複合体溶液(4.61ml)を、無水テトラヒドロフラン(5ml)中における実施例38の表題化合物(0.40g)の撹拌溶液に約−50℃で窒素下に添加した。反応混合物を室温にまで高め、さらに4時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:エーテル(3:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を油性の白色固体として得た。
【0152】
【化47】

【0153】
実施例40
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−エチルピラゾール
トリエチルシラン(0.22ml)を、ジクロロメタン(5ml)中における実施例39の表題化合物(0.18g)の撹拌溶液に約−75℃で添加した。その間、反応温度を−70℃より低く維持した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.17ml)を添加し、反応混合物を室温にまで高め、次いでさらに24時間撹拌した。次いで混合物を約−70℃に冷却し、トリエチルシラン(0.22ml)および三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.17ml)を追加し、冷却浴を取り除き、室温で4日間撹拌し続けた。得られた混合物を希塩酸で洗浄し、水相をジクロロメタン(2回)で抽出した。有機溶液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル上でヘキサン:エーテル(2:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油として得た。
【0154】
【化48】

【0155】
実施例41
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−(2−ヒドロキシプロプ−2−イル)ピラゾール
エーテル(5ml)中における実施例38の表題化合物(0.30g)の溶液を、3.0Mヨウ化メチルマグネシウム溶液(0.21ml)および無水エーテル(5ml)の撹拌氷冷混合物に窒素下で添加した。その間、反応温度を2℃より低く維持した。反応混合物を室温にまで高め、1時間加熱還流し、放冷し、次いで濃塩酸(2ml)および氷(10g)の撹拌混合物に注入した。エーテル(3回)で抽出し、続いて抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。これをトルエンから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点132.1〜132.7℃。
【0156】
【化49】

【0157】
実施例42
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−(プロプ−2−イル)ピラゾール
トリエチルシラン(0.14ml)を、ジクロロメタン(5ml)中における実施例41の表題化合物(0.115g)の撹拌溶液に、約−75℃で添加した。その間、反応温度を−70℃より低く維持した。三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.11ml)を添加し、反応混合物を約−70℃に2.5時間保持した後、室温にまで高めた。さらに24時間後、混合物を希塩酸で洗浄し、次いで水相をエーテル(2回)で抽出した。有機溶液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて粗生成物を得た。これをシリカゲル上でヘキサン:エーテル(4:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を無色の油として得た。
【0158】
【化50】

【0159】
実施例43
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−ホルミルピラゾール
ヘキサン中の1M水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(1.5ml)を、無水テトラヒドロフラン(15ml)中における実施例2の表題化合物(0.50g)の撹拌氷冷溶液に5分かけて滴加した。1時間後、反応混合物を追加量(2.25ml)の上記水素化物溶液で処理し、18時間撹拌し、次いで酸性化したメタノール水溶液に注入した。この混合物をエーテル(2回)で抽出し、次いで抽出液を合わせて水およびブラインで順に洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。得られた残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(9:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を油として得た。
【0160】
【化51】

【0161】
実施例44
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−ジフルオロメチルピラゾール
三フッ化ジエチルアミノ硫黄(diethylaminosulphur trifluoride)(0.13g)を、ジクロロメタン(5ml)中における実施例43の表題化合物(0.20g)の撹拌溶液に添加した。室温でさらに3時間後、反応混合物をジクロロメタンで希釈し、水(2回)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(19:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点99〜101℃。
【0162】
【化52】

【0163】
実施例45
4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−3−ジクロロメチル−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
五塩化リン(0.17g)を、エーテル(10ml)中における実施例43の表題化合物(0.20g)の撹拌溶液に添加した。さらに24時間後、五塩化リン(0.17g)を追加し、反応混合物をさらに24時間撹拌した後、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(19:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点87〜89℃。
【0164】
【化53】

【0165】
実施例46
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
製造例61の表題化合物(2.0g)、1〜3%エタノールで安定化した96%ブロモホルム(6.5ml)、水酸化ナトリウム(1.0g)、水(1.0ml)、エタノール(0.14ml)、ジクロロメタン(6.5ml)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(80mg)の混合物を、緩和に還流しながら約40℃で6時間、次いで室温で18時間、そして再び約40℃で6時間、急速に撹拌した。水酸化ナトリウム(0.3g)、水(0.6ml)および第四級アンモニウム塩触媒(130mg)を追加し、反応混合物を約40℃で6時間、次いで室温で18時間、激しく撹拌した。触媒(100mg)を追加し、反応混合物を約40℃で6時間、次いで室温で66時間撹拌した。さらに触媒(100mg)およびジクロロメタン(2.0ml)を追加し、反応混合物を約40℃で6時間、室温で18時間、約40℃で7時間、室温で18時間、約40℃で7時間、そして室温で18時間撹拌した。最後に96%ブロモホルム(3.0ml)、50%水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)、ジクロロメタン(3.0ml)および触媒(150mg)を追加し、得られた混合物を室温で1週間撹拌し、次いでジクロロメタン(100ml)と水(50ml)の間で分配した。分離した有機相を水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて黒色のガムを得た。これをシリカゲル(100g)上でヘキサン、次いでヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(8:1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物をごく淡い黄色の固体として得た。融点164℃。
【0166】
【化54】

【0167】
実施例47
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
製造例61の表題化合物(2.0g)、クロロホルム(6.0ml)、水酸化ナトリウム(1.0g)、水(1.0ml)、エタノール(0.2ml)、ジクロロメタン(6.5ml)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(150mg)の混合物を、約40℃で66時間、急速に撹拌した。水酸化ナトリウム(0.5g)、水(1.0ml)、ジクロロメタン(4ml)および第四級アンモニウム塩触媒(180mg)を追加し、反応混合物を約40℃で9時間撹拌した。さらに触媒(150mg)、ジクロロメタン(5.0ml)、50%水酸化ナトリウム水溶液(0.5ml)およびクロロホルム(3.0ml)を追加し、得られた混合物を約36℃で10日間撹拌し、次いでジクロロメタン(100ml)と水(50ml)の間で分配した。分離した有機相を水(50ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて黒色のガムを得た。これをシリカゲル(80g)上でヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(8:1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た。融点157.8℃。
【0168】
【化55】

【0169】
実施例48
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−エテニルピラゾール(国際特許出願公開第WO−A−97/07102号;0.50g)、クロロホルム(3.0ml)、水(0.25ml)中における水酸化ナトリウム(0.25g)の溶液、エタノール(2滴)、ジクロロメタン(2.0ml)および塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(25mg)の混合物を、激しく撹拌しながら18時間加熱還流した。次いでクロロホルム(3.0ml)および第四級アンモニウム塩触媒(25mg)を追加し、還流下で78時間撹拌し続けた。さらにクロロホルム(3.0ml)および触媒(25mg)を追加し、得られた混合物を還流下で4日間撹拌し、次いでジクロロメタン(30ml)と水(30ml)の間で分配した。分離した有機相を水(20mlで2回)および飽和ブライン(20ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて暗褐色の油を得た。この粗製物質を以下に従って精製した:(i)溶媒としてジクロロメタンを用いてシリカゲル(1.5g)に予備吸収させ、続いてシリカゲル(20g)上でヘキサン:酢酸エチル(7:3)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィー;(ii)C18シリカ上でアセトニトリル:水(70:30)を溶離剤として用いる逆相HPLC;および(iii)さらにC18シリカ上でアセトニトリル:メタノール:水(50:10:40)を溶離剤として用いる逆相HPLC。表題化合物を灰白色固体として得た。融点90〜95℃。
【0170】
【化56】

【0171】
実施例49
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール
実施例48の方法、および出発物質としての3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−エテニルピラゾール(国際特許出願公開第WO−A−97/07102号)を用いて反応を行った。粗製の暗褐色の油をを以下に従って精製した:(i)溶媒としてジクロロメタンを用いてシリカゲル(1.5g)に予備吸収させ、続いてシリカゲル(15g)上でヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(8:1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィー;(ii)得られた淡黄色の油をジイソプロピルエーテルで摩砕処理し、続いてろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させると黄色の油が得られ、これは放置すると凝固した;(iii)C18シリカ上でアセトニトリル:水(70:30)を溶離剤として用いる逆相HPLC;(iv)さらに、ヘキサンで予め洗浄したC18シリカ上で、ヘキサン、次いでジクロロメタンを溶離剤として用いる逆相HPLC;および(v)得られた油をメタノールに溶解し、次いでこの溶液に混濁するまで水を添加し、続いて冷却する。表題化合物を白色固体として得た。融点78〜80℃。
【0172】
【化57】

【0173】
製造例1
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨードピラゾール
N−ヨードスクシンイミド(3.52g)を少量ずつ5分かけて、アセトニトリル(60ml)中における5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール(欧州特許出願公開第A−0295117号;5.0g)の溶液に室温で添加した。1時間撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発させて粗製の目的生成物(8.2g)を得た。これはスクシンイミドを含有するが、さらに精製せずに使用できる。
【0174】
所望により、粗生成物をジクロロメタンと水の間で分配し、有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させ、次いで得られた黄色固体をヘキサンで摩砕処理することにより精製して、表題化合物を白色固体として得ることができる。融点213℃(分解)。
【0175】
製造例2
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エテニルピラゾール
トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(4.25g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.3g)を、ジメチルホルムアミド(10ml)中における製造例1の表題化合物(2.0g)の撹拌溶液に室温で添加し、得られた混合物を75℃に1時間加熱し、次いで室温でさらに60時間撹拌した後、水で希釈した。この混合物をエーテルで抽出し、抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させると粗生成物(6.0g)が黒色の油として得られた。これをシリカゲル(200g)上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄褐色固体として得た。融点186〜187℃。
【0176】
【化58】

【0177】
製造例3
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨードピラゾール
亜硝酸t−ブチル(144ml)を30分かけて、テトラヒドロフラン(720ml)中における製造例1の表題化合物(90g)の撹拌溶液に65℃で添加した。65℃で3時間後、反応混合物を放冷し、減圧下で蒸発させ、次いで残留物をプロパノールから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点83〜84℃。
【0178】
【化59】

【0179】
製造例4
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エテニルピラゾール
ジメチルホルムアミド(350ml)中における製造例3の表題化合物(58g)、トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(116ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.5g)の溶液を75℃で3時間撹拌し、次いで放冷した。反応混合物をエーテル(600ml)と水(600ml)の間で分配し、次いで有機相を水(5回)およびブラインで順に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をプロパン−2−オールから結晶化して、表題化合物を淡褐色固体として得た。融点75〜76℃。
【0180】
【化60】

【0181】
製造例5
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−ヨードピラゾール
N−ヨードスクシンイミド(11.5g)を4つに分け、5分かけて、アセトニトリル(100ml)中における5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール(国際特許出願公開第WO−A−93/06089号;18.95g)の撹拌溶液に室温で添加した。さらに15分後、反応混合物を減圧下で蒸発させ、残留固体をジクロロメタンと水の混合物で処理した。不溶性物質をろ過採集し、酢酸エチルに溶解し、次いでこの溶液を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、表題化合物を淡黄褐色固体として得た。融点253℃。
【0182】
【化61】

【0183】
製造例6
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−エテニルピラゾール
トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(4.5ml)を、ジメチルホルムアミド(32ml)中における製造例5の表題化合物(5.05g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.175g)の撹拌脱泡溶液に室温で添加し、得られた混合物を70℃に30分間加熱した。70℃でさらに1時間後、トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(4.5ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.175g)を添加し、反応混合物を70℃に1時間加熱し、減圧下で蒸発させた。残留物をエーテルと水の間で分配し、次いで分離した有機相を水相のエーテル抽出液と合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させると褐色のペーストが得られた。これをヘキサンで摩砕処理した。得られた褐色固体を酢酸エチルで処理し、混合物をろ過し、ろ液を減圧下で蒸発させ、残留物をトルエンから結晶化して、表題化合物を淡黄褐色固体として得た。融点227〜228℃。
【0184】
【化62】

【0185】
製造例7
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−ヨードピラゾール
テトラヒドロフラン(15ml)中における亜硝酸t−ブチル(3.1g)の溶液を30分かけて、テトラヒドロフラン(35ml)中における製造例5の表題化合物(2.5g)の撹拌溶液に滴加し、次いで反応混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をプロパン−2−オールから結晶化して、表題化合物を薄桃色固体として得た。融点179〜180℃。
【0186】
【化63】

【0187】
製造例8
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−エテニルピラゾール
トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(4.2ml)を、ジメチルホルムアミド(32ml)中における製造例7の表題化合物(1.23g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.09g)の撹拌脱泡溶液に室温で添加し、得られた混合物を70℃に1.5時間加熱した後、減圧下で蒸発させた。残留物をヘキサンで摩砕処理し、得られた固体をジクロロメタンに溶解し、シリカゲル(60g)上でヘキサン、次いでヘキサン:ジクロロメタン(80:20)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点156℃。
【0188】
【化64】

【0189】
製造例9
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ホルミルピラゾール
90%アセトン水溶液(50ml)中における製造例4の表題化合物(0.1g)、t−ブタノール中の2.5重量%四酸化オスミウム溶液(50μl)および4−メチルモルホリン−N−オキシド(0.005g)の溶液を、室温で16時間撹拌した。メタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.005g)を添加し、反応混合物をさらに16時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をエーテルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の間で分配し、水相を分離し、エーテルで抽出し、
次いでエーテル抽出液を合わせて乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(5g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物をベージュ色固体として得た。融点167.5〜168.5℃。
【0190】
【化65】

【0191】
製造例10
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(2−メチルプロペン−1−イル)ピラゾール
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム溶液(0.9ml)を、無水エーテル(10ml)中におけるヨウ化プロプ−2−イルトリフェニルホスホニウム(0.97g)の撹拌溶液に室温で添加すると、暗赤色溶液が得られた。エーテル(20ml)中における製造例9の表題化合物(0.6g)の溶液を添加し、反応混合物を2時間撹拌し、水(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄褐色固体として得た。融点72〜74℃。
【0192】
【化66】

【0193】
製造例11
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリメチルシリルエチニルピラゾール
トリメチルシリルアセチレン(3ml)、ヨウ化銅(I)(150mg)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(300mg)を、トリエチルアミン(30ml)およびジメチルホルムアミド(6ml)の混合物中における製造例1の表題化合物(6.96g)の撹拌溶液に室温で添加し、得られた混合物を50〜60℃に1時間加熱した。トリメチルシリルアセチレン(0.3ml)を追加し、次いで反応混合物を50〜60℃で30分間撹拌し、放冷し、水(250ml)で希釈した。相分離を促進するためにブラインを用いてこの混合物をエーテル(250ml)で抽出し、水相を分離し、エーテル(250ml)で抽出した。エーテル抽出液を合わせて乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、ガム(4.67g)を得た。これをシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いて目的物質をヘキサン−エーテルから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点181〜182℃。
【0194】
【化67】

【0195】
製造例12
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エチニルピラゾール
炭酸カリウム(1.0g)を、メタノール(30ml)中における製造例11の表題化合物(2.0g)の撹拌溶液に添加した。室温で10分後、反応混合物をエーテル(100ml)と水(100ml)の間で分配し、次いで有機相を分離し、ブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてエーテルから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点215〜216℃。
【0196】
【化68】

【0197】
製造例13
4−アセチル−5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
p−トルエンスルホン酸(0.5g)を、アセトニトリル(5ml)中における製造例12の表題化合物(0.345g)の撹拌溶液に添加した。室温でさらに2時間後、反応混合物をエーテル(100ml)と水(100ml)の間で分配し、次いで有機相を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで順に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g)上でヘキサン:ジクロロメタン(1:10)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色結晶質固体として得た。融点200〜201℃。
【0198】
【化69】

【0199】
製造例14
4−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
亜硝酸t−ブチル(0.0262ml)を、テトラヒドロフラン(2ml)中における製造例13の表題化合物(0.4g)の撹拌溶液に滴加した。反応混合物を30分間加熱還流し、次いでシリカゲル(1.0g)のカラムに付与した。テトラヒドロフランで溶離して、表題化合物を白色固体として得た。融点166〜168℃。
【0200】
【化70】

【0201】
製造例15
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−メチルエテニル)ピラゾール
テトラヒドロフラン中の2.5M n−ブチルリチウム溶液(0.64ml)を、無水エーテル(10ml)中における臭化メチルトリフェニルホスホニウム(0.565g)の撹拌懸濁液に添加すると、黄色溶液が得られた。これに無水テトラヒドロフラン(10ml)中における製造例14の表題化合物(0.5g)の溶液を添加した。反応混合物を30℃に4時間加熱し、放冷し、エーテル(100ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)の間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ、減圧下で蒸発させ、次いで残留物をシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(1:9)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点129〜130℃。
【0202】
【化71】

【0203】
製造例16
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−(2−ヨード−1−メトキシエチル)ピラゾール
酸化水銀(II)(0.325g)およびヨウ素(0.381g)を、メタノール(10ml)中における製造例8の表題化合物(0.5g)の撹拌溶液に添加し、次いで得られた混合物を3時間加熱還流し、放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色固体として得た。融点92〜94℃。
【0204】
【化72】

【0205】
製造例17
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)−4−(1−メトキシエテニル)ピラゾール
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.064g)を、トルエン(10ml)中における製造例16の表題化合物(0.2g)の撹拌溶液に添加した。室温で18時間後、反応混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲル上でヘキサン、次いでヘキサン:ジクロロメタン(1:5)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点116〜118℃。
【0206】
【化73】

【0207】
製造例18
N−[3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール−4−イルメチリデン]−N′−(4−メチルフェニルスルホニル)ヒドラジン、リチウム塩
テトラヒドロフラン中における製造例9の表題化合物(0.333g)およびp−トルエンスルホニルヒドラジン(0.186g)の溶液を室温で10分間撹拌し、次いで活性化した3Åモレキュラーシーブ(2ペレット、約0.011g)を添加した。この混合物を窒素下で−78℃に冷却し、ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム溶液(0.4ml)を3分かけて添加した。反応混合物を室温にまで高め、ろ過し、ろ液をヘキサン(40ml)で処理した。生じた白色沈殿をろ過採集し、乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た。
【0208】
【化74】

【0209】
製造例19
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチルピラゾール
3−アミノクロトノニトリル(5.0g)を、エタノール(100ml)中における2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン(15.0g)の撹拌溶液に添加し、次いで得られた溶液を濃硫酸(1.0ml)で処理すると、白色固体沈殿が生じた。この混合物を6時間加熱還流し、放冷し、室温でさらに18時間撹拌した;このサイクルを繰り返し、次いで濃硫酸(4ml)を追加した。反応混合物を60℃に8時間加熱し、放冷し、室温で18時間撹拌し、減圧下で蒸発させた。得られた橙色の油をジクロロメタン(100ml)と水(100ml)の間で分配し、次いで有機相を乾燥させ、室温に18時間放置し、ろ過して若干の白色固体物質を除去した。ろ液を減圧下で蒸発させると橙色の油が得られ、これを熱ヘキサンで摩砕処理した。冷却するとヘキサン溶液から黄色の油が沈降し、これは徐々に結晶化して、表題化合物が白色固体として得られた。融点80〜83℃。
【0210】
【化75】

【0211】
製造例20
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨード−3−メチルピラゾール
N−ヨードスクシンイミド(5.5g)を、アセトニトリル(200ml)中における製造例19の表題化合物(9.0g)の撹拌溶液に室温で添加した。反応混合物を1時間加熱還流し、室温に18時間放置し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物を熱ヘキサンで抽出し、冷ヘキサン溶液から得られた沈殿を採集し、乾燥させて、表題化合物を灰白色固体として得た。融点116〜118℃。
【0212】
【化76】

【0213】
製造例21
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨード−3−メチルピラゾール
亜硝酸t−ブチル(2.33ml)を、テトラヒドロフラン(35ml)中における製造例20の表題化合物(2.85g)の撹拌溶液に0℃で滴加した。反応混合物を室温にまで高め、1.5時間加熱還流し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製すると黄色の油が得られた。これを同様にヘキサン:ジクロロメタン(2:1)を溶離剤として用いてさらに精製した。こうして表題化合物を白色固体として得た。融点118.5〜119.4℃。
【0214】
【化77】

【0215】
製造例22
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エテニル−3−メチルピラゾール
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1g)およびトリ−n−ブチル(ビニル)スズ(2ml)を、ジメチルホルムアミド(25ml)中における製造例21の表題化合物(2.06g)の撹拌溶液に添加し、反応混合物を70℃に2時間加熱し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をエーテルと水の間で分配し、水相を分離し、エーテル(2回)で洗浄し、有機溶液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g)上でヘキサン:エーテル(9:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:水:メタノール(40:50:10)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点68.1〜68.7℃。
【0216】
【化78】

【0217】
製造例23
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5−ジメチルピラゾール
ペンタン−2,4−ジオン(0.100g)を、エタノール(4.5ml)中における2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン(0.245g)の撹拌溶液に添加し、続いて氷酢酸(0.5ml)を室温で添加した。反応混合物を1時間加熱還流し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、まず無色の油を得た。余分な溶媒を真空中で除去した後、これは結晶化し、表題化合物(0.265g)が得られた。融点87〜89℃。
【0218】
【化79】

【0219】
製造例24
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5−ジメチル−4−ヨードピラゾール
アセトニトリル(3ml)中におけるN−ヨードスクシンイミド(0.158g)の溶液を、アセトニトリル(3ml)中における製造例23の表題化合物(0.218g)の撹拌溶液に室温で滴加した。さらに27時間後、反応混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をシリカゲル(5g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色の油として得た。
【0220】
【化80】

【0221】
製造例25
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3,5−ジメチル−4−エテニルピラゾール
ジメチルホルムアミド(10ml)中における製造例24の表題化合物(1.0g)、トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(2ml)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1g)の溶液を75℃で2時間、次いで室温で18時間撹拌した。次いで反応混合物を75℃で2時間撹拌し、トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(2ml)で処理し、75℃で2時間撹拌し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1g)で処理し、75℃で2時間撹拌し、減圧下で蒸発させた。残留物をジクロロメタンと水の間で分配し、次いで有機相を分離し、水(2回)およびブラインで順に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物をシリカゲル(20g)に吸着させ、次いでシリカゲル(150g)上でヘキサン:ジクロロメタンの溶離濃度勾配(100:0から0:100まで)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色の油として得た。
【0222】
【化81】

【0223】
製造例26
5−アミノ−4−ヨード−3−メチル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
アセトニトリル(450ml)中における5−アミノ−3−メチル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール(国際特許出願公開第WO−A−94/13643号;35g)およびN−ヨードスクシンイミド(29g)の撹拌溶液を1.5時間加熱還流し、次いで反応混合物を放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をジクロロメタンに溶解し、この溶液をチオ硫酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで順に洗浄し、次いで乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。得られた暗色固体をヘキサンで摩砕処理して、表題化合物を淡橙色固体として得た。融点135〜137℃。
【0224】
【化82】

【0225】
製造例27
4−ヨード−3−メチル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
無水テトラヒドロフラン(50ml)中における亜硝酸t−ブチル(12ml)の溶液を、無水テトラヒドロフラン(120ml)中における製造例26の表題化合物(18.11g)の撹拌溶液に緩和に還流しながら滴加した。反応混合物を放冷し、減圧下で蒸発させ、次いで残留物をシリカゲル上でヘキサン、続いてヘキサン:酢酸エチル(19:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を橙色固体として得た。融点97〜99℃。
【0226】
【化83】

【0227】
製造例28
4−エテニル−3−メチル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
無水ジメチルホルムアミド(100ml)中における製造例27の表題化合物(16.62g)、トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(27.27g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.6g)の撹拌溶液を、75℃に2.5時間加熱した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.6g)を追加し、反応混合物を75℃にさらに2時間加熱し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン、次いでヘキサン:酢酸エチル(99:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た。融点71〜73℃。
【0228】
【化84】

【0229】
製造例29
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロアセチルピラゾール
亜硝酸t−ブチル(12.45ml)を、テトラヒドロフラン(250ml)中における5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロアセチルピラゾール(特開平8−311036号;30g)の撹拌溶液に滴加し、混合物を55℃で16時間撹拌した。添加した亜硝酸t−ブチルの追加量/後続の55℃での撹拌期間は以下のとおりであった:9ml/7時間、6ml/16時間、9ml/6時間、4.75ml/16時間、6ml/6時間、および3.5ml/22時間。反応混合物を放冷し、減圧下で蒸発させ、次いで残留物を同じ3回の操作で得たものと合わせた。シリカゲル(1Kg)上でヘキサン:ジクロロメタン(6:4)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して黄色の油を得た。これをヘキサン(50mlで3回)、続いてジクロロメタン(100ml)で摩砕処理して、表題化合物を白色固体として得た。融点124〜125℃。
【0230】
【化85】

【0231】
製造例30
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロプロペン−2−イル)ピラゾール
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム溶液(0.11ml)を、テトラヒドロフラン(6ml)中におけるヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム(111mg)の撹拌懸濁液に窒素下に室温で滴加した。得られた赤褐色溶液を窒素下で、テトラヒドロフラン(1ml)中における製造例29の表題化合物(100mg)の撹拌溶液に室温で滴加し、反応混合物を30分間撹拌した。次いで水(30ml)を添加し、エーテル(50ml)で抽出し、有機抽出液を乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(10g)上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点103〜104℃。
【0232】
【化86】

【0233】
製造例31
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3−トリフルオロメチル−1−ピラゾリン−3−イル)ピラゾール
エーテル(100ml)中におけるジアゾメタン(40mmol)の溶液を、エーテル(150ml)中における製造例30の表題化合物(27g)の撹拌溶液に室温で徐々に添加し、混合物を40分間撹拌した。エーテル(150ml)中のジアゾメタン(50mmol)を徐々に追加し、反応混合物を室温でさらに16時間撹拌した。過剰のジアゾメタンを留去し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させて、表題化合物を白色固体として得た。
【0234】
【化87】

【0235】
製造例32
5−クロロ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨードピラゾール
ジクロロメタン中の約1M塩化ニトロシル溶液(2.7ml)を、アセトニトリル(15ml)中における製造例1の表題化合物(1.0g)の撹拌氷冷溶液に滴加し、次いで反応混合物を10分間加熱還流し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:トルエン(2:1)、次いでトルエンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡橙色固体として得た。融点115.7〜116.3℃。
【0236】
【化88】

【0237】
製造例33
5−クロロ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エテニルピラゾール
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.448g)を、ジメチルホルムアミド(75ml)中における製造例32の表題化合物(6.0g)の撹拌溶液に室温で添加し、続いて5分後にトリ−n−ブチル(ビニル)スズ(11.3ml)を滴加した。得られた混合物を70℃に18時間加熱し、次いで減圧下で蒸発させ、残留物をエーテルと水の間で分配した。有機相を分離し、乾燥させ、減圧下で蒸発させ、得られた残留物をシリカゲル上でヘキサン、次いでヘキサン:ジクロロメタン(2:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてヘキサンから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点69.8〜70.4℃。
【0238】
【化89】

【0239】
製造例34
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨード−3−トリフルオロメチルピラゾール
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−トリフルオロメチルピラゾール(国際特許出願公開第WO−A−87/03781号)から製造例1と同様にして、灰白色固体として得た。融点126℃。
【0240】
【化90】

【0241】
製造例35
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨード−3−トリフルオロメチルピラゾール
製造例34の表題化合物から製造例3と同様にして油として得られ、これを放置すると凝固した。プロパン−2−オールから結晶化して、表題化合物を黄色固体として得た。融点109〜112℃。
【0242】
【化91】

【0243】
製造例36
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エテニル−3−トリフルオロメチルピラゾール
製造例35の表題化合物から製造例4と同様にして、ただし粗生成物をヘキサンから結晶化し、次いでシリカゲル上でエーテルを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーによりさらに精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:メタノール:水(40:10:50)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製し、続いてプロパン−2−オールから結晶化して、表題化合物を淡黄色固体として得た。融点95〜98℃。
【0244】
【化92】

【0245】
製造例37
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−3−フェニルピラゾール
エタノール(2ml)中における2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン(0.245g)の溶液を、エタノール(8ml)中におけるベンゾイルアセトニトリル(0.145g)の撹拌溶液に添加し、得られた溶液を6時間加熱還流した。氷酢酸(1ml)を添加し、得られた混合物をさらに6時間加熱還流し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(10g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてC18シリカ上でアセトニトリル:メタノール:水(50:10:40)を溶離剤として用いる逆相HPLCにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点141.5〜142.5℃。
【0246】
【化93】

【0247】
製造例38
5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨード−3−フェニルピラゾール
製造例37の表題化合物から製造例1と同様にして、ただし反応混合物を18時間撹拌して、黄色固体として得た。融点162〜164℃。
【0248】
【化94】

【0249】
製造例39
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヨード−3−フェニルピラゾール
テトラヒドロフラン(20ml)中における亜硝酸t−ブチル(3.0g)の溶液を30分かけて、テトラヒドロフラン(50ml)中における製造例38の表題化合物(2.5g)の撹拌溶液に65℃で滴加した。65℃でさらに3時間後、反応混合物を放冷し、室温に18時間保持し、次いで減圧下で蒸発させた。得られた油をシリカゲル上で、まずジクロロメタンを溶離剤として用い、次いでヘキサン、ヘキサン:酢酸エチル(95:5)、そしてヘキサン:酢酸エチル(90:10)を溶離剤として用いる2回のカラムクロマトグラフィー操作により精製して、表題化合物をクリーム色固体として得た。融点88〜89℃。
【0250】
【化95】

【0251】
製造例40
1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−エテニル−3−フェニルピラゾール
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.07g)を、ジメチルホルムアミド(12ml)中における製造例39の表題化合物(1.0g)の撹拌溶液に室温で添加し、続いて10分後にトリ−n−ブチル(ビニル)スズ(1.8ml)を添加した。得られた混合物を70℃に6時間加熱し、室温に18時間放置し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をジクロロメタン(50ml)と水(50ml)の間で分配し、次いで有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上で、まずヘキサン中の酢酸エチルの溶離濃度勾配、次いでヘキサン中のエーテルの溶離濃度勾配を用いる2回のカラムクロマトグラフィー操作により精製して、表題化合物を黄色の油として得た。
【0252】
【化96】

【0253】
製造例41
5−アミノ−4−クロロジフルオロアセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
無水クロロジフルオロ酢酸(30.37g)を、ピリジン(200ml)中における5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール(欧州特許出願公開第A−0295117号;20.0g)の撹拌氷冷溶液に滴加し、次いで反応混合物を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を減圧下でのピリジン(150ml)の蒸発により濃縮し、次いで撹拌した氷/水(500ml)に注入した。濃塩酸(30ml)を撹拌滴加することによりこの混合物のpHを1に調整し、酢酸エチル(500mlで2回)で抽出した。有機抽出液を合わせて炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をテトラヒドロフラン(200ml)および水(50ml)の混合物に溶解し、次いでこの溶液を60℃に16時間加熱し、放冷し、減圧下での蒸発により大部分のテトラヒドロフランを除去した。酢酸エチル(300mlで2回)で抽出し、次いで有機抽出液を合わせて水(100ml)およびブライン(100mlで2回)で順に洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。得られた残留物をプロパン−2−オールから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点225〜226℃。
【0254】
【化97】

【0255】
製造例42
4−クロロジフルオロアセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
亜硝酸t−ブチル(12.45ml)を、テトラヒドロフラン(100ml)中における製造例41の表題化合物(13.7g)の撹拌溶液に滴加し、混合物を60℃に22時間加熱し、放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(50g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、続いてヘキサン(50mlで5回)で摩砕処理し、ジクロロメタンから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点124〜125℃。
【0256】
【化98】

【0257】
製造例43
4−(3−クロロ−3,3−ジフルオロプロペン−2−イル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム溶液(3.8ml)を、テトラヒドロフラン(20ml)中におけるヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム(3.817g)の撹拌懸濁液に窒素下に室温で滴加した。得られた赤褐色溶液を窒素下で、テトラヒドロフラン(30ml)中における製造例42の表題化合物(3.95g)の撹拌溶液に室温で滴加し、反応混合物を1時間撹拌した。次いで水(50ml)を添加し、エーテル(50mlで2回)で抽出し、有機抽出液を合わせて乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(100g)上でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、プロパン−2−オールから結晶化して、表題化合物を白色固体として得た。融点113〜114℃。
【0258】
【化99】

【0259】
製造例44
4−(3−クロロジフルオロメチル−1−ピラゾリン−3−イル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
エーテル中のジアゾメタン溶液(7.0ml,2.3mmol)を、エーテル(10ml)中における製造例43の表題化合物(800mg)の撹拌溶液に室温で徐々に添加し、混合物を1時間撹拌した。過剰のジアゾメタンおよび溶媒を窒素の定常流下で蒸発させて、表題化合物を白色固体として得た。
【0260】
【化100】

【0261】
製造例45
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−プロパノイルピラゾール
p−トルエンスルホン酸・1水和物(2.92g)を、アセトニトリル(40ml)中における5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(プロプ−1−イン−1−イル)ピラゾール(国際特許出願公開第WO−A−97/07102号;2.1g)の撹拌溶液に添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。p−トルエンスルホン酸・1水和物(1.0g)を追加し、この混合物を室温で16時間撹拌した。さらにアセトニトリル(20ml)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物(1.0g)を追加し、1時間撹拌し続け、次いで反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)に注入し、エーテル(100mlで2回)で抽出した。有機抽出液を合わせてブライン(100ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル(70g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を淡褐色固体として得た。融点167〜169℃。
【0262】
【化101】

【0263】
製造例46
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−プロパノイルピラゾール
亜硝酸t−ブチル(0.66ml)を、テトラヒドロフラン(30ml)中における製造例45の表題化合物(1.2g)の撹拌溶液に滴加し、混合物を室温で1時間撹拌した。亜硝酸t−ブチル(0.3ml)を追加し、混合物を室温で1時間撹拌した。次いで反応混合物を60℃に10分間加熱し、放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(50g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物をごく淡い黄色の固体として得た。融点143℃。
【0264】
【化102】

【0265】
製造例47
4−(ブト−1−エン−2−イル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール
製造例46の表題化合物から製造例43と同様にして、ただしヘキサン:ジクロロメタン(2:3)をクロマトグラフィー溶離剤として用い、後続の結晶化を行わずに、白色固体として得た。融点104〜105℃。
【0266】
【化103】

【0267】
製造例48
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ペンタフルオロプロパノイルピラゾール
ヘキサン中の2.5M n−ブチルリチウム溶液(2.78ml)を、−80℃のテトラヒドロフラン(80ml)中における製造例3の表題化合物(3.0g)の撹拌溶液に窒素下で、反応混合物の温度が−73℃を越えない速度で添加した。混合物を−73℃で10分間撹拌し、次いでテトラヒドロフラン(5ml)中におけるペンタフルオロプロピオン酸メチル(0.89ml)の溶液を、反応混合物の温度が−75℃を越えない速度で添加した。添加終了時に反応混合物を1.5時間かけて室温にまで高め、次いで水(100ml)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(80mlで2回)で抽出した。有機層を合わせて乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させた。次いで残留物をシリカゲル(150g)上でヘキサン:ジクロロメタン(1:9)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらにシリカゲル(50g)上でヘキサン:エーテル(9:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点120℃。
【0268】
【化104】

【0269】
製造例49
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3,3,4,4,4−ペンタフルオロブト−1−エン−2−イル)ピラゾール
製造例48の表題化合物から製造例43と同様にして、ただしクロマトグラフィー後の結晶化を行わずに、白色固体として得た。融点107〜108℃。
【0270】
【化105】

【0271】
製造例50
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3−ペンタフルオロエチル−1−ピラゾリン−3−イル)ピラゾール
製造例49の表題化合物から製造例44と同様にして、白色固体として得た。
【0272】
【化106】

【0273】
製造例51
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−ヘプタフルオロブタノイルピラゾール
製造例3の表題化合物およびヘプタフルオロ酪酸メチルから製造例48と同様にして、ただし1回目のクロマトグラフィー精製工程でヘキサン:エーテル(2:3)を溶離剤として用い、2回目の精製工程でヘキサン:エーテル溶離濃度勾配(19:1から9:1まで)を用いて、淡黄色固体として得た。融点102〜103℃。
【0274】
【化107】

【0275】
製造例52
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペント−1−エン−2−イル)ピラゾール
製造例51の表題化合物から製造例43と同様にして、ただし1回目のクロマトグラフィー精製工程でジクロロメタンを溶離剤として用い、2回目の精製工程でヘキサン:ジクロロメタン(1:1)を溶離剤として用い、後続の結晶化を行わずに、白色固体として得た。融点109〜110℃。
【0276】
【化108】

【0277】
製造例53
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3−ヘプタフルオロプロピル−1−ピラゾリン−3−イル)ピラゾール
製造例52の表題化合物から製造例44と同様にして、白色固体として得た。
【0278】
【化109】

【0279】
製造例54
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3,3,3−トリフルオロプロペン−2−イル)ピラゾール
テトラヒドロフラン中における3,3,3−トリフルオロプロペン−2−イル亜鉛ブロミド:N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン錯体(J.Org.Chem.,1991,56,7336;4.5ml,5mmol)を、無水テトラヒドロフラン(1.0ml)中における製造例1の表題化合物(1.0g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(60mg)の撹拌溶液に窒素下で添加し、反応混合物を55℃に20時間加熱し、放冷し、撹拌したヘキサン(50ml)に注入した。得られた混合物をろ過し、フィルターパッドをエーテル(50ml)で洗浄し、有機溶液を合わせて減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(40g、次いで10g)上で、まずヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(4:1:1)を溶離剤として用い、次いでヘキサン、ヘキサン:エーテル(4:1)、そしてヘキサン:エーテル:ジクロロメタン(4:1:1)を溶離剤として用いる2回のカラムクロマトグラフィー操作により精製して、表題化合物をごく淡い黄色の固体として得た。融点147〜148℃。
【0280】
【化110】

【0281】
製造例55
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(3−トリフルオロメチル−1−ピラゾリン−3−イル)ピラゾール
製造例54の表題化合物から製造例44と同様にして、白色固体として得た。
【0282】
【化111】

【0283】
実施例56
5−アミノ−1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−ヨードピラゾール
N−ヨードスクシンイミド(10g)を、アセトニトリル(100ml)中における5−アミノ−1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノピラゾール(欧州特許出願公開第A−0500209号;7.91g)の撹拌溶液に室温で添加した。16時間後、反応混合物を減圧下で蒸発させ、残留固体をジクロロメタンに溶解し、得られた溶液をチオ硫酸ナトリウム水溶液(2回)、水および飽和ブラインで順に洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、表題化合物を桃色固体として得た。融点107〜108℃。
【0284】
【化112】

【0285】
実施例57
1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−ヨードピラゾール
テトラヒドロフラン(30ml)中における亜硝酸t−ブチル(7.2ml)の溶液を、緩和に加熱還流したテトラヒドロフラン(90ml)中における製造例56の表題化合物(12.5g)の撹拌混合物に滴加し、次いで反応混合物を室温にまで放冷し、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(4:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を黄色固体として得た。融点104〜107℃。
【0286】
【化113】

【0287】
実施例58
1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−エテニルピラゾール
トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(9.19g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.3g)を、ジメチルホルムアミド(100ml)中における製造例57の表題化合物(10.50g)の撹拌溶液に室温で窒素下に添加し、得られた混合物を75℃に16時間加熱し、次いで放冷した。混合物を減圧下で蒸発させ、残留物をジクロロメタンと水の間で分配し、次いで有機相を水(3回)および飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル上でヘキサン:酢酸エチル(9:1)を溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィー操作により精製して、表題化合物を白色固体として得た。融点57.5〜58.5℃。
【0288】
【化114】

【0289】
製造例59
5−アミノ−3−シアノ−4−ヨード−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
N−ヨードスクシンイミド(17.67g)を少量ずつ、アセトニトリル(300ml)中における5−アミノ−3−シアノ−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール(米国特許第5,232,940号;22.5g)の撹拌溶液に添加し、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次いで減圧下で蒸発させた。残留物をシリカゲル(800g)上でジクロロメタン:酢酸エチルの溶離濃度勾配(100:0から0:100まで)を用いるカラムクロマトグラフィーにより部分精製して淡褐色固体を得た。これをさらに以下により精製した。ヘキサン(25ml)で摩砕処理すると残留物が得られ、これをジクロロメタン(500ml)に溶解した。この溶液を水(500ml)で洗浄し、洗浄水を酢酸エチル(500ml)で逆洗浄し、有機溶液を合わせて乾燥させ(NaSO)、減圧下で蒸発させて、表題化合物を淡褐色固体として得た。
【0290】
【化115】

【0291】
製造例60
3−シアノ−4−ヨード−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
亜硝酸t−ブチル(7.13ml)を5分かけて、テトラヒドロフラン(400ml)中における製造例59の表題化合物(15.5g)の撹拌溶液に滴加し、次いで混合物を室温で1時間撹拌し、40分かけて60℃にまで高め、放冷し、減圧下で蒸発させた。得られた淡赤色固体をシリカゲル(500g)上でジクロロメタンを溶離剤として用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物をごく淡い黄色の固体として得た。
【0292】
【化116】

【0293】
製造例61
3−シアノ−4−エテニル−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラゾール
製造例60の表題化合物(10.8g)、トリ−n−ブチル(ビニル)スズ(20ml)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.0g)およびジメチルホルムアミド(60ml)の混合物を75℃で3時間撹拌し、放冷し、撹拌した水(100ml)に注入した。得られた混合物をエーテル(150mlで2回)で抽出し、抽出液を合わせて水(50ml)で洗浄し、減圧下で蒸発させた。残留物をヘキサン(25mlで3回)で摩砕処理し、続いてシリカゲル(200g)上でヘキサン:酢酸エチルの溶離濃度勾配(100:0から50:50まで)を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いでヘキサン−ジクロロメタンから結晶化して、表題化合物をごく淡い灰色の固体として得た。
【0294】
【化117】

【0295】
本願発明は、以下のものに関する。
1.式(I)の化合物:
【0296】
【化118】

【0297】
またはその医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの医薬用、動物用または農業用として許容しうる溶媒和物
{式中:
は、2,4,6−トリ置換フェニル[2−および6−置換基はそれぞれ独立してハロから選択され、4−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される];または3,5−ジ置換ピリジン−2−イル[3−置換基はハロであり、5−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される]であり;
は、ヒドロキシで、または1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル;シアノ、C〜Cアルカノイルあるいはフェニルであり;
は、水素、C〜Cアルキル、アミノまたはハロであり;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択されるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成し;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択され;
あるいは、RおよびRがシクロアルキル基の一部を形成しない場合は、RとRはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成してもよく;
は、水素、1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;
nは0、1または2である}。
【0298】
2.Rが2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル、2,4,6−トリクロロフェニルまたは3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルであり;Rがメチル、エチル、プロプ−2−イル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、ホルミル、アセチルまたはフェニルであり;Rが水素、メチル、アミノまたはクロロであり;RおよびRがそれぞれ独立して、水素、メチル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択されるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチルもしくはシクロペンチル基を形成し;RおよびRがそれぞれ独立して、水素、メチル、クロロおよびブロモから選択され;あるいは、RおよびRがシクロアルキル基の一部を形成しない場合は、RとRはそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロペンタンまたはシクロヘキサン基を形成してもよく;かつRが水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはメトキシである、請求項1記載の化合物。
【0299】
3.Rが2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニルまたは3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルであり;Rがシアノであり;Rが水素またはアミノであり;RおよびRが同一であって、水素、クロロまたはブロモであり;RおよびRが水素であり;かつRが水素、トリフルオロメチルまたはクロロジフルオロメチルである、請求項2記載の化合物。
【0300】
4.式(I)の化合物が以下のものから選択される、請求項3記載の化合物:
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
(−)−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
4−(1−クロロジフルオロメチルシクロプロピル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;および
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール。
【0301】
5.式(I)の化合物、またはその動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの動物用または農業用として許容しうる溶媒和物、ならびに動物用または農業用として許容しうる希釈剤またはキャリヤーを含む、動物用または農業用配合物。
【0302】
6.式(I)の化合物、もしくはその医薬用として許容しうる塩、またはそれらの医薬用として許容しうる溶媒和物、ならびに医薬用として許容しうる希釈剤またはキャリヤーを含む、医薬組成物。
【0303】
7.局所投与用として調製した、請求項5記載の動物用もしくは農業用配合物、または請求項6記載の医薬組成物。
8.寄生生物駆除薬として使用するための、式(I)の化合物、またはその動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの動物用または農業用として許容しうる溶媒和物、あるいはそれらのいずれかを含有する動物用または農業用として許容しうる配合物。
【0304】
9.医薬として使用するための、式(I)の化合物、もしくはその医薬用として許容しうる塩、またはそれらの医薬用として許容しうる溶媒和物、あるいはそれらのいずれかを含有する医薬組成物。
【0305】
10.ヒトまたは動物の寄生生物駆除薬の製造のための、式(I)の化合物、またはその医薬用もしくは動物用として許容しうる塩、あるいはそれらの医薬用または動物用として許容しうる溶媒和物、あるいはそれらのいずれかを含有する医薬組成物または動物用配合物の使用。
【0306】
11.式(VII)の化合物:
【0307】
【化119】

【0308】
[式中、Arはフェニルまたはナフチルであり、それらはいずれもC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロで置換されていてもよく;Rは水素、C〜Cアルキルまたはハロであり;Rは水素、または1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルであり;RおよびRは請求項1において定義したものである]。
【0309】
12.Arが4−メチルフェニルである、請求項11記載の化合物。
13.動物(ヒトを含む)において寄生生物の寄生を処置する方法であって、その動物を有効量の式(I)の化合物、またはその医薬用もしくは動物用として許容しうる塩、あるいはそれらの医薬用または動物用として許容しうる溶媒和物、あるいはそのいずれかを含有する医薬組成物または動物用配合物で処置することを含む方法。
【0310】
14.寄生生物の寄生を寄生箇所において処置する方法であって、寄生箇所を有効量の式(I)の化合物、またはその動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの動物用または農業用として許容しうる溶媒和物、あるいはそれらのいずれかを含有する動物用または農業用として許容しうる配合物で処置することを含む方法。
【0311】
15.寄生箇所が動物の皮膚もしくは被毛、または植物の表面、または処置すべき植物の周囲の土壌である、請求項14記載の方法。
16.式(I)の化合物:
【0312】
【化120】

【0313】
またはその医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの医薬用、動物用または農業用として許容しうる溶媒和物
{式中:
は、2,4,6−トリ置換フェニル[2−および6−置換基はそれぞれ独立してハロから選択され、4−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される];または3,5−ジ置換ピリジン−2−イル[3−置換基はハロであり、5−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される]であり;
は、ヒドロキシで、または1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル;シアノ、C〜Cアルカノイルあるいはフェニルであり;
は、水素、C〜Cアルキル、アミノまたはハロであり;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択されるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成し;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択され;
あるいは、RおよびRがシクロアルキル基の一部を形成しない場合は、RとRはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成してもよく;
は、水素、1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;
nは0、1または2である}
の製造方法であって、
式(II)の化合物:
【0314】
【化121】

【0315】
[式中、R、R、R、R、RおよびRは式(I)につき前記に定義したものである]を
(a)RおよびRが両方ともクロロまたは両方ともブロモである場合、
(i)塩基の存在下にクロロホルムもしくはブロモホルムで処理するか、または
(ii)熱分解条件下にアリールトリクロロメチル水銀もしくはアリールトリブロモメチル水銀誘導体で処理する;あるいは
(b)RおよびRがそれぞれ独立して水素またはC〜Cアルキルである場合、
(i)遷移金属触媒の存在下に対応するジアゾアルカンで処理するか、または
(ii)第1工程において遷移金属触媒の不存在下に対応するジアゾアルカンで処理し、次いで第2工程において中間体ピラゾリンを熱分解する;
次いで所望により目的生成物の医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、またはそれらの医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる溶媒和物を形成する
ことを含む方法。
【0316】
17.(a)(i)において、塩基はアルカリ金属水酸化物の濃厚水溶液であり、相間移動触媒作用条件下で触媒としての第四級アンモニウム塩の存在下に適切な溶媒中で、ほぼ室温からほぼ反応媒質の還流温度までの温度において反応を行う;
(a)(ii)において、試薬はフェニルトリクロロメチル水銀またはフェニルトリブロモメチル水銀であり、適切な溶媒中で約60〜約75℃において反応を行う;
(b)(i)において、RおよびRが両方とも水素である場合、ジアゾアルカンはジアゾメタンであり、触媒は酢酸パラジウム(II)であり、適切な溶媒中でほぼ室温において反応を行う;
(b)(ii)において、RおよびRが両方とも水素である場合、第1工程においてジアゾアルカンはジアゾメタンであり、適切な溶媒中でほぼ室温において反応を行い、第2工程において単離した該ピラゾリンの熱分解を適切な溶媒中で約135〜約145℃において行う、
請求項16記載の方法。
【0317】
18.(a)(i)において、塩基は水酸化ナトリウムの濃厚水溶液であり、触媒は塩化ベンジルトリエチルアンモニウムであり、溶媒は所望により少量のエタノールの存在下におけるジクロロメタンである;
(a)(ii)において、溶媒はトルエン、キシレンまたはその混合物である;
(b)(i)において、溶媒はエーテルである;
(b)(ii)において、第1工程の溶媒はエーテルであり、第2工程の溶媒はキシレンである、
請求項17記載の方法。
【0318】
19.式(VII)の化合物:
【0319】
【化122】

【0320】
[式中、Arはフェニルまたはナフチルであり、それらはいずれもC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロで置換されていてもよく;Rは水素、C〜Cアルキルまたはハロであり;Rは水素、または1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキルであり;RおよびRは請求項16において定義したものである]
のアルカリ金属塩誘導体を、式(VIII)の化合物:
【0321】
【化123】

【0322】
(式中、R、R、RおよびRは請求項16において定義したものである)中で、遷移金属触媒の存在下に、適切な溶媒中で所望により加圧下に熱分解し;
次いで所望により目的生成物の医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、またはそれらの医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる溶媒和物を形成する
ことを含む、請求項16記載の式(I)の化合物の製造方法。
【0323】
20.遷移金属触媒が酢酸ロジウム(II)であり、溶媒がジクロロメタンであり、約101kPa(14.7psi)〜約2757kPa(400psi)の圧力でほぼ室温から約80℃までの温度において反応を行う、請求項19記載の方法。
【0324】
21.Arが4−メチルフェニルである、請求項19または20記載の方法。
22.Rが2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル、2,4,6−トリクロロフェニルまたは3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルであり;Rがメチル、エチル、プロプ−2−イル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロプ−2−イル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、シアノ、ホルミル、アセチルまたはフェニルであり;Rが水素、メチル、アミノまたはクロロであり;RおよびRがそれぞれ独立して、水素、メチル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択されるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロプロピル、シクロブチルもしくはシクロペンチル基を形成し;RおよびRがそれぞれ独立して、水素、メチル、クロロおよびブロモから選択され;あるいは、RおよびRがシクロアルキル基の一部を形成しない場合は、RとRはそれらが結合している炭素原子と一緒にシクロペンタンまたはシクロヘキサン基を形成してもよく;かつRが水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはメトキシである、請求項16〜21のいずれか1項記載の方法。
【0325】
23.Rが2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニルまたは3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルであり;Rがシアノであり;Rが水素またはアミノであり;RおよびRが同一であって、水素、クロロまたはブロモであり;RおよびRが水素であり;かつRが水素、トリフルオロメチルまたはクロロジフルオロメチルである、請求項22記載の方法。
【0326】
24.式(I)の化合物が以下のものから選択される、請求項23記載の方法:
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
(−)−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール;
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
4−(1−クロロジフルオロメチルシクロプロピル)−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
1−[(3−クロロ−5−トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジブロモシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;
5−アミノ−3−シアノ−4−(2,2−ジクロロシクロプロピル)−1−(2,6−ジクロロ−4−ペンタフルオロチオフェニル)ピラゾール;および
5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−(1−トリフルオロメチルシクロプロピル)ピラゾール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

またはその医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、あるいはそれらの医薬用、動物用または農業用として許容しうる溶媒和物
{式中:
は、2,4,6−トリ置換フェニル[2−および6−置換基はそれぞれ独立してハロから選択され、4−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される];または3,5−ジ置換ピリジン−2−イル[3−置換基はハロであり、5−置換基は1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルコキシ、1個またはそれ以上のハロで置換されていてもよいS(O)〜Cアルキル、ハロおよびペンタフルオロチオから選択される]であり;
は、ヒドロキシで、または1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル;シアノ、C〜Cアルカノイルあるいはフェニルであり;
は、水素、C〜Cアルキル、アミノまたはハロであり;
およびRはそれぞれ独立して水素またはC〜Cアルキルであり;
およびRはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フルオロ、クロロおよびブロモから選択され;
とRはそれらが結合している炭素原子と一緒にC〜Cシクロアルキル基を形成してもよく;
は、水素、1個もしくはそれ以上のハロで置換されていてもよいC〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;
nは0、1または2である}
の製造方法であって、
式(II)の化合物:
【化2】

[式中、R、R、R、R、RおよびRは式(I)につき前記に定義したものである]を
(i)遷移金属触媒の存在下に対応するジアゾアルカンで処理するか、または
(ii)第1工程において遷移金属触媒の不存在下に対応するジアゾアルカンで処理し、次いで第2工程において中間体ピラゾリンを熱分解する;
次いで所望により目的生成物の医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる塩、またはそれらの医薬用、動物用もしくは農業用として許容しうる溶媒和物を形成する
ことを含む方法。
【請求項2】
(i)において、RおよびRが両方とも水素である場合、ジアゾアルカンはジアゾメタンであり、触媒は酢酸パラジウム(II)であり、適切な溶媒中でほぼ室温において反応を行う;
(ii)において、RおよびRが両方とも水素である場合、第1工程においてジアゾアルカンはジアゾメタンであり、適切な溶媒中でほぼ室温において反応を行い、第2工程において単離した該ピラゾリンの熱分解を適切な溶媒中で約135〜約145℃において行う、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
(i)において、溶媒はエーテルである;
(ii)において、第1工程の溶媒はエーテルであり、第2工程の溶媒はキシレンである、
請求項2記載の方法。

【公開番号】特開2007−211016(P2007−211016A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53011(P2007−53011)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【分割の表示】特願平10−525178の分割
【原出願日】平成9年11月25日(1997.11.25)
【出願人】(593141953)ファイザー・インク (302)
【Fターム(参考)】