説明

寄生虫疾患を治療するためのシステインプロテアーゼ阻害剤

哺乳動物疾患の原因である幾つかの寄生虫は各種生活環機能のためにシステインプロテアーゼに依存している。これらのプロテアーゼの機能を抑制または低下させることはトキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症または条虫症を含めた寄生虫疾患の治療及び/または予防において有用であり得る。本発明の式I:


を有する化合物は上記した疾患を治療及び/または予防することができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
哺乳動物疾患の原因である幾つかの寄生虫は各種生活環機能のためにシステインプロテアーゼに依存している。これらのプロテアーゼを阻害することは上記寄生虫疾患の治療及び/または予防において有用であり得る。Lecaille,F.ら,Chem.Rev.,102,4459−4488,2002を参照されたい。
【0002】
クルジパインはクルーズ・トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)中に存在するシステインプロテアーゼ酵素であり、寄生虫の生活環の全期において重要な役割を発揮すると考えられている。この酵素は、主にリソソーム酵素である上鞭毛期において高度に発現し、感染性発育終末錐鞭毛期への分化中タンパク質消化に関与し得る。クルジパインが錐鞭毛型の膜において同定されたことから、この酵素は宿主細胞への寄生虫の侵入に関係している。クルジパインは無鞭毛虫形態の寄生虫の膜中でも発見されている。Cazzulo,J.J.ら,Current Pharmaceutical Design,7,1143−1156,2001を参照されたい。クルジパインはヒトIgGを効率的に分解し、抗原提示を妨げ、よってヒト免疫応答を低下させることにより寄生虫に対する防御役割を発揮し得る。これらの所見に基づいて、クルジパインはシャーガス病の化学療法に対する有効な薬物標的であると提案されている。クルジパインは、いずれもクルーズ・トリパノソーマの生存度に関与し得るクルジパイン1及びクルジパイン2として公知の少なくとも2つの多形配列中に存在すると報告されている(Limaら,Molecular & Parasitology,114,41−52,2001)。
【0003】
シャーガス病及びアフリカトリパノソーマ症を治療するためにシステインプロテアーゼ阻害剤を使用することは、クルジパインの非可逆的阻害剤がマウスモデルにおいてシャーガス病を治療し得るという所見により立証されている。Engel,J.ら,J.Exp.Chem.,188,725−734,1998を参照されたい。
【0004】
システインプロテアーゼのトリパノパイン−Tbの類似の役割は、アフリカトリパノソーマ症、すなわち睡眠病の原因である寄生虫のトリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)の生活環において提案されている。
【0005】
類似の寄生虫であるトリパノソーマ・コンゴレーゼ(T.congolense)はウシの病気であるトリパノソーマ症の原因である。コンゴパインはこの寄生虫におけるクルジパインに対する類似のシステインプロテアーゼである。
【0006】
ファルシパインは熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falicparum)中の重要なシステインプロテアーゼである。この酵素は寄生虫食胞中の宿主ヘモグロビンの分解において重要であると報告されている。ヘモグロビンのプロセシングは寄生虫の増殖にとって必須であり、よってファルシパインの阻害剤は当然マラリアに対する治療として有用である。
【0007】
2つのシステインプロテアーゼのSmCL1及びSmCL2がヒト吸血吸虫のマンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)中に存在している。SmCL1は宿主ヘモグロビンの分解において役割を発揮し得、SmCL2は寄生虫の再生系にとって重要であり得る(Brady,C.P.ら,Archives of Biochemistry and Biophysics,380,46−55,2000)。これらのプロテアーゼの一方または両方の阻害はヒト住血吸虫症に対する有効な治療を提供し得る。
【0008】
LmajcatB及びCP2.8ΔCTEはそれぞれ寄生原生動物の森林型熱帯リーシュマニア(Leishmaia major)及びメキシコ・リーシュマニア(Leishmania mexianus)の重要なシステインプロテアーゼである。Alves,L.C.ら,Eur.J.Biochem.,268,1206−1212,2001を参照されたい。これらの酵素の阻害はリーシュマニア症に対する有用な治療を提供し得る。
【0009】
CP2は、寄生虫のシスト形成及び複製にとって重要であり得る鞭毛虫のランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)の主要なシステインプロテアーゼである(DuBois,K.N.ら,J.Biol.Chem.,283,18024−18031,2008)。この寄生虫中のCP2または他の26公知クランCAプロテアーゼの阻害はジアルジア症の有用な治療を提供し得る。
【0010】
AcCP−1及びAcCP−2によりコードされる2つのシステインプロテアーゼが鉤虫のイヌ鉤虫(Ancylostoma caninum)中で発見された(Ηarrop,S.A.ら,Mol.Biochem.Parasitol.,71,163−71,1995)。これらのプロテアーゼの阻害は鉤虫感染の有用な治療を提供し得る。
【0011】
システインプロテアーゼが膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)中に存在していることも知られている(Jane R.Schwebke,J.R.and Burgess D.,Clinical Microbiology Reviews,17,794−803,2004)。これらのプロテアーゼの阻害はこの寄生虫に関係する性病のトリコモナス症に対する治療を提供し得る。
【0012】
赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)はヒトアメーバ症の原虫原因菌である。システインプロテアーゼEhCPl12を含んでいることは公知である(Garcia−Rivera,G.ら,Molecular Microbiology,33,556−568,1999)。プロテアーゼ阻害剤の使用はアメーバ症の治療において有用であり得る。
【0013】
システインプロテアーゼは腸管寄生虫のクリプトスポリジウム・パルバム(Cryptosporidium parvum)中で同定されている(Nesterenko M.W.ら,Microbios,83,77−88,1995;Forney J.R.ら,J.Parasitol.,82,889−92,1996)。システインプロテアーゼ阻害剤はクリプトスポリジウム症の有用な治療であり得る。実際、マウスを非可逆的阻害剤K−777で治療すると、寄生虫が免疫不全マウスから除去される(Ndaoら,Parasitology,2008,135,1151−6,2008)
多数のアイメリア属(Eimeria)寄生虫により、農業上重要な動物(例えば、ニワトリ及びウシ)に疾患をもたらす恐れがある(Barta.J.R.ら,J.Parasitol.,83,262−71,1997)。システインプロテアーゼ阻害剤はウシ・アイメリア(E.bovis)、アイメリア・ネカトリクス(E.necatrix)、アイメリア・テネラ(E.tenella)、アイメリア・ミチス(E.mitis)、アイメリア・ミバチ(E.mivati)、アイメリア・プレコックス(E.praecox)、アイメリア・マクシマ(E.maxima)、アイメリア・ブルネッティ(E.brumetti)及びアイメリア・アセルブリナ(E.acervulina)に感染した哺乳動物に対する治療を提供し得る。
【0014】
多数の他の寄生虫がシステインプロテアーゼに依存していることは報告されており(Sajid,M.and McKerrow,J.H.,Molecular and Biochemical Parasitology,120,1−21,2002)、よってこれらのプロテアーゼの阻害剤で治療され得る。これらの寄生虫にはプラスモジウム・シャバウディ(Plasmodium chabaudi)、プラスモジウム・ベルゲイ(Plasmodium Berghei)、ネグレリア・フォーレリ(Naegleria fowleri)、タイレリア・パルバ(Theileria parva)、トキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)、糞線虫(Strongyloides stercoralis)、ブタ回虫(Ascaris suum)、捻転毛様線虫(Haemonchus contortus)、アメリカ鉤虫(Necator americanus)、無鉤条虫(Taenia saginata)、ギムノルヒンクス・ギガス(Gymnorhynchus gigas)、スピロメトラ・マンソノイデス(Spirometra mansonoidese)、ジプロストマム・シュードスファテセウム(Diplostomum pseudospathaceum)、回旋糸状虫(Onchercerca volvulus)、アメリカ産肝蛭(Fasciaola hepatica)及びイヌ糸状虫(Dilofilaria immitis)が含まれる。
【0015】
本発明は、寄生虫がパパイン科由来の重要なシステインプロテアーゼを利用している哺乳動物寄生虫疾患を治療及び/または予防し得る化合物に関する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Lecaille,F.ら,Chem.Rev.,102,4459−4488,2002
【非特許文献2】Cazzulo,J.J.ら,Current Pharmaceutical Design,7,1143−1156,2001
【非特許文献3】Limaら,Molecular & Parasitology,114,41−52,2001
【非特許文献4】Engel,J.ら,J.Exp.Chem.,188,725−734,1998
【非特許文献5】Brady,C.P.ら,Archives of Biochemistry and Biophysics,380,46−55,2000
【非特許文献6】Alves,L.C.ら,Eur.J.Biochem.,268,1206−1212,2001
【非特許文献7】DuBois,K.N.ら,J.Biol.Chem.,283,18024−18031,2008
【非特許文献8】Ηarrop,S.A.ら,Mol.Biochem.Parasitol.,71,163−71,1995
【非特許文献9】Jane R.Schwebke,J.R.and Burgess D.,Clinical Microbiology Reviews,17,794−803,2004
【非特許文献10】Garcia−Rivera,G.ら,Molecular Microbiology,33,556−568,1999
【非特許文献11】Nesterenko M.W.ら,Microbios,83,77−88,1995
【非特許文献12】Forney J.R.ら,J.Parasitol.,82,889−92,1996
【非特許文献13】Ndaoら,Parasitology,2008,135,1151−6,2008
【非特許文献14】Barta.J.R.ら,J.Parasitol.,83,262−71,1997
【非特許文献15】Sajid,M.and McKerrow,J.H.,Molecular and Biochemical Parasitology,120,1−21,2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、寄生虫疾患を治療及び/または予防し得る化合物に関する。寄生虫疾患の例には、トキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症が含まれる。
【0018】
本発明の1実施形態は、式I:
【0019】
【化1】

を有する化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及び立体異性体により示される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、クルジパインの活性を阻害または低下させる化合物に関する。クルジパインが寄生虫クルーズ・トリパノソーマの各種生活環機能のために必要であるので、本発明の化合物はクルーズ・トリパノソーマの増殖及び/または生存を抑制及び/または低下させるために有用である。よって、クルーズ・トリパノソーマに起因する寄生虫疾患は本発明の化合物を前記疾患の治療及び/または予防を要する患者に対して投与することにより治療及び/または予防され得る。
【0021】
更に、生活環機能のためにクルジパインまたは類似のシステインプロテアーゼを利用する寄生虫に起因する他の寄生虫疾患も本発明の化合物を投与することにより治療及び/または予防され得る。
【0022】
本発明の化合物は寄生虫疾患を治療及び/または予防し得る。寄生虫疾患の例にはトキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症が含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
本発明の1つの実施形態は、下記式:
【0024】
【化2】

[式中、
は場合によりC1−6アルキル、−COOR、ハロ、ハロアルキル、シアノ、アリール、ヘテロアリールまたは−SO(C1−6アルキル)から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているアリールまたはヘテロアリールであり;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキルであり、前記アルキル基は場合によりC3−6シクロアルキルまたは1〜6個のハロで置換されており;
は1〜6個のハロで置換されているC1−6アルキルであり;
はハロ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクリルであり、前記したRアリール、Rヘテロアリール、RアリールアルキルまたはRヘテロアリールアルキル基は場合によりハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6ハロヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、アリール−SOCH、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、−SO(C1−6アルキル)、−SONR、−COOR、−CONR及びC3−6シクロアルキル−Rから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されており;
は水素またはC1−6アルキルであり;
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケン、(C1−6アルキル)アリール、C1−6ヒドロキシアルキル、−O(C1−6アルキル)、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1−6アルキル−COOR、C0−6アルキル−C(O)NHであり、前記したアルキル、アリール、ヘテロアルキル、C3−8シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合により炭素またはヘテロ原子上でC1−6アルキルまたはハロから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく;
は水素、C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アリール、C1−6ヒドロキシアルキル、−O(C1−6アルキル)、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、前記したアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合により炭素またはヘテロ原子上でC1−6アルキルまたはハロから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく;
及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−8ヘテロシクリル環を形成し得、前記3〜8員環系は場合によりC1−6アルキル及びハロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく;
はH、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6ハロヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、−SOCH、−SONR、−SO(C1−6アルキル)、−COORまたは−CONRであり;
mは0〜2の整数である]
を有する化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及び立体異性体により示される。
【0025】
実施形態では、Rはピリジン、ピリジンN−オキシドまたはフェニルであり、前記フェニルはオルト及び/またはパラ位がブロモ、フルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチルスルホン、ピリジンまたはピリジン−N−オキシド及びフェニルから独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。特定実施形態では、Rはフェニルである。他の変数は最初に定義されている通りである。
【0026】
別の実施形態では、Rはジクロロエチル、2,2−フルオロメチルプロピル、メチレンシクロプロピル、シクロプロピル、2−メチルプロピルまたはイソプロピルである。他の変数は最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0027】
別の実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。他の変数は最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0028】
別の実施形態では、Rはブロモ、メチルピラゾール、N−メチルピロール、ピリジン、ピリジンN−オキシドまたはフェニルであり、前記フェニルは場合によりオルト位がクロロ、パラ位が−SOMeでジ置換されていても、パラ位が−SOMe、−SONH、ピペラジン、2,2−ジフルオロエタノール、−SMe、−SOMe、ピリジン、ピリジンN−オキシド、2−メチルプロパン−1−オール、メチル−ピラゾール、4−SOMe−フェニルまたはシクロプロピル(ここで、シクロプロピルはオキサジアゾール、−CONR、−COOR、シアノ、またはパラ位が−SOMeで置換されているフェニルで置換されていてもよい)でモノ置換されていてもよい。他の変数は最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0029】
別の実施形態では、Rは水素である。他の変数は最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0030】
別の実施形態では、R及びRは独立して水素、エタノール、アリル、シクロプロピル、−CHCONH、1,1,1−トリフルオロエタン、メチルアセテートであるか、またはR及びRモルホリン環を形成している。他の変数は最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0031】
本発明の化合物の別のクラスは、式:
【0032】
【化3】

(式中、
は水素またはハロであり;
は水素、シアノ、クロロまたはC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6ハロアルキルであり;
は水素、−SO(C1−6アルキル)またはヘテロシクリルであり;
は水素またはハロであり;
mは0〜2の整数である)
を有する化合物、並びにその医薬的に許容され得る塩及び立体異性体で示される。
【0033】
別の実施形態では、Xはフルオロまたはクロロである。他の変数は構造IIについて最初に定義されている通りである。
【0034】
別の実施形態では、Xはシアノまたはトリフルオロメチルである。他の変数は構造IIについて最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0035】
別の実施形態では、Rはジクロロエチルまたは2,2−フルオロメチルプロピルである。他の変数は構造IIについて最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0036】
別の実施形態では、Rはトリフルオロメチルである。他の変数は構造IIについて最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0037】
別の実施形態では、Xはメチルスルホンまたはピペラジンである。他の変数は構造IIについて最初に定義されている通りであり、または先の実施形態に記載されている通りである。
【0038】
別の実施形態では、Xはメチルである。他の変数は構造IIについて最初に定義されている通りまたは先の実施形態に記載されている通りである。
【0039】
先に記載した好ましい実施形態に対する言及は、別段の記載がない限り特定の群及び好ましい群のすべての組合せを含むことを意味する。
【0040】
本発明のパパインファミリーシステインプロテアーゼ阻害剤の具体的実施例には、
(2S)−4,4−ジクロロ−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ブタンアミド、
N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[2−(2−クロロ−4−シアノフェニル)−1−シアノエチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[2−(2−クロロ−4−シアノフェニル)−1−シアノエチル]−N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド、
N−2−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−N−[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−L−ロイシンアミド、
N−[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[1−シアノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−N−N{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−{(1S)−1−シアノ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−シアノ−ピリジン−3−イルメチル−メチル)−アミド、
(S)−N−((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−3−シクロプロピル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−プロピオンアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−シアノ−ピリジン−4−イルメチル−メチル)−アミド、
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸アミド、
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸アリルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸シクロプロピルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸カルバモイルメチル−アミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミド、
({1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボニル}−アミノ)−酢酸メチルエステル、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−N−((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ピリジン−4−イル−フェニル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−2−メチル−プロピルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸アミド、
4−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−2−メチル−プロピルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−ピペラジン−1−イウムクロリド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(1−オキシ−ピリジン−4−イル)−ビフェニル−4−イル]−エチルアミノ}−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4’−[1−(モルホリン−4−カルボニル)−シクロプロピル]−ビフェニル−4−イル}−エチルアミノ)−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−ビフェニル−4−イル]−エチルアミノ}−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−N−((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−N−((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−ピリジン−4−イル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−ピリジン−4−イル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(1−メチル−1H−ピロル−2−イル)−フェニル]−エチルアミノ}−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[シアノ−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−スルファモイル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
1−(4’−{(S)−1−[(S)−1−((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチルカルバモイル)−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ]−2,2,2−トリフルオロ−エチル}−ビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(1−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−シクロプロピル)−ビフェニル−4−イル]−エチルアミノ}−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4’−[1−(モルホリン−4−カルボニル)−シクロプロピル]−ビフェニル−4−イル}−エチルアミノ)−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−(1−シアノ−シクロプロピル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メチルスルファニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルフィニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メタンスルホニル−[1,1’;4’,1”]ターフェニル−4”−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−アミド、
(S)−4,4−ジクロロ−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−(ベンジル−シアノ−メチル)−4,4−ジクロロ−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(2S)−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(4−フルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
4−((S)−2−シアノ−2−{(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタノイルアミノ}−エチル)−安息香酸エチルエステル、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−ピリジン−3−イル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−アミド、
(2S)−N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−シアノ−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(4−シアノ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−シクロプロピル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−アセトアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−シクロプロピル−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−アセトアミド、
(S)−N−[(S)−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−シアノ−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−シアノ−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(1−オキシ−ピリジン−4−イルメチル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、或いは
その医薬的に許容され得る塩または立体異性体が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
上記した化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物も本発明の範囲に含まれる。本発明はまた、医薬的に許容され得る担体及び本明細書中に具体的に開示されている化合物を含む医薬組成物を包含すると考えられる。本発明のこれらの態様及び他の態様は本明細書中に含まれている教示内容から明らかであろう。
【0042】
本発明の具体化は、上記した化合物のトキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ系フィラリア、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症の1つ以上の治療及び予防を要する哺乳動物での前記疾患の治療及び予防用薬剤の製造における使用である。
【0043】
本発明の化合物は、哺乳動物、好ましくはヒトに対して単独で、或いは好ましくは標準の製薬プラクティスに従って医薬組成物の形態で医薬的に許容され得る担体または希釈剤と一緒に、場合により公知の佐剤(例えば、明礬)と一緒に投与され得る。本発明の化合物は経口的、または静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸内及び局所投与ルートを含めて非経口的に投与され得る。
【0044】
経口用錠剤の場合、一般的に使用されている担体にはラクトース及びコーンスターチが含まれ、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)が一般的に添加されている。カプセル剤形態で経口投与するための有用な希釈剤にはラクトース及び乾燥コーンスターチが含まれる。本発明の治療用化合物を経口投与する場合には、選択した化合物は例えば錠剤またはカプセル剤の形態で、或いは水性溶液または懸濁液として投与され得る。錠剤またはカプセル剤の形態で経口投与する場合には、活性薬物成分を経口用非毒性医薬的に許容され得る不活性担体(例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール等)と組み合わされ得る。液体形態で経口投与する場合には、経口用薬物成分は経口用非毒性医薬的に許容され得る不活性担体(例えば、エタノール、グリセロール、水等)と組み合わされ得る。更に、所望または所要により、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤を混合物に配合してもよい。適当な結合剤にはデンプン、ゼラチン、天然糖(例えば、グルコースまたはβ−ラクトース)、コーン甘味料、天然及び合成ガム(例えば、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等が含まれる。上記剤形中に使用される滑沢剤にはオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が含まれる。崩壊剤には、非限定的にデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等が含まれる。経口用に水性懸濁液を必要とする場合には、活性成分を乳化/懸濁剤と組み合わせる。所望により、特定の甘味及び/または着香料を添加してもよい。筋肉内、腹腔内、皮下及び静脈内投与のためには、通常活性成分の滅菌溶液を作成し、溶液のpHを適当に調節し、緩衝させなければならない。静脈内のためには、溶質の総濃度は製剤を等張性とするためにコントロールされなければならない。
【0045】
本発明の化合物はリポソームデリバリーシステム(例えば、単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞及び多重ラメラ小胞)の形態でも投与され得る。リポソームは各種リン脂質(例えば、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン)から形成され得る。
【0046】
本発明の化合物を標的可能薬物担体としての可溶性ポリマーとカップリングさせてもよい。前記ポリマーにはポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルタミド−フェノール、またはパルミトイル残渣で置換されているポリエチレンオキシド−ポリリシンが含まれ得る。更に、本発明の化合物を薬物を制御放出させるのに有用である生分解性ポリマー類(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ酢酸とポリグリコール酸のコポリマー、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、及びヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマー)とカップリングさせてもよい。
【0047】
本発明の化合物は、トキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症を含めた寄生虫疾患を治療または予防するために有用である公知の薬物と一緒に使用される。本明細書中に開示されている化合物と寄生虫疾患を治療または予防するのに有用である他の薬物の組合せも本発明の範囲内である。当業者は、薬物の具体的特性及び当該疾患に基づいて薬物の組合せを見分けることができる。
【0048】
シャーガス病のための現行の治療にはニフルチモックス、ベンズニダゾール、アロプリノールが含まれるが、これらに限定されない。寄生虫に対して効果を発揮し得る薬物にはテルビナフィン、ロバスタチン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ミルテホシン、イルモホシン、パミドロネート、アレンドロネート及びリセドロネートが含まれるが、これらに限定されない。シャーガス病の治療のために研究されている他のメカニズムにはトリパノチオンレダクターゼの阻害剤及びヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)の阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。Urbina,Current Pharmaceutical Design,8,287−295,2002を参照されたい。
【0049】
マラリアのための現行の治療にはクロロキン、プログアニル、メフロキン、キニーネ、ピリメタミン−スルファドキシン、ドキソサイクリン、ベルベリン、ハロファントリン、プリマキン、アトバクオン、ピリメタミン−ダプソン、アルテミシニン及びキンガオスが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
リーシュマニア症のための現行の治療にはメグルミンアンチモナイト、スチボグルコン酸ナトリウム及びアンホテリシンBが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
住血吸虫症のための現行の治療にはプラジカンテル及びオキサムニキンが含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
アフリカトリパノソーマ症に対する現行の治療にはペンタミジン、メラルソプロール、スラミン及びエフロルニチンが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
固定用量として処方するならば、配合剤は下記する用量範囲内の本発明の化合物及び容認されている用量範囲内の他の医薬的に活性な物質を使用する。或いは、配合剤が適当でないときには、本発明の化合物を公知の医薬的に許容され得る物質と交互に使用してもよい。
【0054】
本発明の化合物に対する言及での用語「投与」及びその変形(例えば、「化合物を投与する」)は、化合物または化合物のプロドラッグを治療を有する動物の系に導入することを意味する。本発明の化合物またはそのプロドラッグを1つ以上の他の活性物質(例えば、細胞傷害性物質等)と一緒に投与する場合には、「投与」及びその変形はそれぞれ化合物またはそのプロドラッグ及び他の物質の同時及び逐次導入を含むと理解される。本発明はその範囲内に本発明の化合物のプロドラッグを含む。通常、プロドラッグはインビボで所要化合物に容易に変換され得る本発明の化合物の官能性誘導体である。よって、本発明の治療方法において、用語「投与する」は具体的に開示されている化合物または具体的に開示されていないが患者に投与した後インビボで具体的化合物に変換する化合物を用いた挙げられている各種状態の治療を包含する。適当なプロドラッグ誘導体の選択及び製造に関する一般的手順は、例えば全文参照により本明細書に組み入れる“Design of Prodrugs”,Elsevier編,1985に記載されている。これらの化合物の代謝物は、本発明の化合物を生体環境に導入したときに生成される活性物質を含む。
【0055】
本明細書中で使用されている用語「組成物」は、特定成分を特定量で含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。
【0056】
本明細書中で使用されている用語「治療有効量」は、被験者の治療対象の特定疾患、状態または感染(例えば、1つ以上の生活環機能のためにクルジパインまたは類似のシステインプロテアーゼを利用している寄生虫(例えば、クルーズ・トリパノソーマ)に起因する寄生虫疾患)の発症を予防または遅らしたり、または前記疾患の現状の症状を部分的または完全に緩解させるのに有効な化合物または医薬の量である。治療有効量の決定は当業者の能力の範囲内である。
【0057】
本明細書中で使用されている用語「疾患を治療する」または「疾患の治療」は、疾患の軽減、改善、縮小及び/または抑制、例えば疾患の臨床症状または疾患の発症を軽減、縮小、停止及び/または中止させること;或いは疾患の回復、例えば疾患またはその臨床症状を後退させることを含む。
【0058】
本明細書中で使用されている用語「疾患の予防」または「疾患を予防する」は、疾患にかかっていたり疾患にかかりやすい恐れがあったり、或いは疾患にかかる可能性がある(すなわち、病気が発生している地理的領域への旅行により、または遺伝的素因を有している)が、疾患の症状をまだ経験または呈していない哺乳動物において疾患の臨床症状を発現させないこと;疾患の抑制を含む。
【0059】
本明細書中で使用されている用語「1週間に1回」及び「1週間に1回投与」は、本発明の化合物の単位投与のような単位投与を1週間に1回、すなわち7日間に1回、好ましくは毎週同じ日に投与することを意味する。1週間に1回の投与レジメンでは、単位投与を通常ほぼ7日毎に投与する。1週間に1回の投与レジメンの非限定例は化合物の単位投与の毎日曜日の投与を含む。1週間に1回の投与の場合単位投与を連日投与しないが、1週間に1回の投与レジメンは単位投与を2週間以内に2日連続して投与することを含み得ることが通例推奨される。
【0060】
本発明は、治療有効量の本発明の化合物を場合により医薬的に許容され得る担体または希釈剤と共に含む1つ以上の生活環機能のためにクルジパインまたは類似のシステインプロテアーゼを利用している寄生虫(例えば、クルーズ・トリパノソーマ)に起因する寄生虫疾患の治療において有用である医薬組成物をも包含する。本発明の適当な組成物は、本発明の化合物及び医薬的に許容され得る担体、例えばpHレベル(例えば、7.4)の生理食塩液を含む水性溶液を含む。この溶液は局所ボーラス注射により患者の血流中に導入され得る。
【0061】
本発明の化合物をヒト被験者に投与する場合、1日用量は通常個々の患者の年齢、体重及び応答、並びに患者の症状の重症度に応じて担当医により決定される。
【0062】
1つの例示的用途では、適当な量の化合物を寄生虫疾患の治療を受けている哺乳動物に対して投与する。指定されている効果のために使用するときの本発明の経口用量は1日あたり体重1kgあたり約0.01mg(mg/kg/日)〜約100mg/kg/日、好ましくは0.01〜10mg/kg/日、最も好ましくは0.1〜5.0mg/kg/日の範囲である。経口投与するためには、治療対象の患者に対する用量を症状に合わせて調節するために組成物を0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、200、250、300、400及び500mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することが好ましい。薬剤は典型的には約0.01〜約500mgの活性成分、好ましくは約1〜約100mgの活性成分を含有している。静脈投与の場合、一定速度での注入中約0.1〜約10mg/kg/分の範囲の用量が最も好ましい。有利には、本発明の化合物を1日用量を1回で投与しても、または全1日用量を1日2〜4回の分割用量で投与してもよい。更に、本発明の化合物を適当な鼻腔内ビヒクルを局所的に用いて鼻腔内形態で投与したり、当業者に公知の経皮パッチを用いて経皮ルートで投与することが好ましい。経皮デリーシステムの形態で投与するためには、勿論用量を投与レジメン中、間断的よりもむしろ連続的に投与する。
【0063】
別の例示的用途では、指定されている効果のために使用される本発明の経口用量は1週あたり体重1kgあたり約0.01mg(mg/kg/週)〜約10mg/kg/週、好ましくは0.1〜10mg/kg/週、最も好ましくは0.1〜5.0mg/kg/週の範囲である。経口投与するためには、治療対象の患者に対する用量を症状に合わせて調節するために組成物を2.5mg、3.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、40mg、50mg、80mg、100mg、200mg、400mg及び500mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することが好ましい。薬剤は典型的には約2.5〜約200mgの活性成分、具体的には2.5mg、3.5mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、40mg、50mg、80mg、100mg、200mg、400mg及び500mgの活性成分を含有している。或いは、本発明の化合物を2週間に1回、月に2回または毎月投与してもよい。
【0064】
本発明の化合物は、寄生虫疾患を治療するために有用な他の薬物と一緒に使用され得る。前記配合剤の個々の成分を治療中の異なる時期に別々に投与しても、分割したまたは単一の配合剤の形態で同時に投与してもよい。従って、本発明は同時または交互治療のすべてのレジメンを包含すると理解され、用語「投与する」はそのように解釈されるべきである。
【0065】
本発明のこれらの態様及び他の態様は本明細書中に含まれている教示内容から明らかであろう。
【0066】
定義
本発明の化合物は、(E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereochemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,p.1119−1190に記載されている)不斉中心、キラル軸及びキラル面を有し得、ラセミ化合物、ラセミ混合物及び個々のジアステレオマーとして存在し得、光学異性体を含めたすべての考えられる異性体及びその混合物が本発明に含まれる。加えて、本明細書中に開示されている化合物は互変異性体として存在し得、たとえ1つの互変異性体構造しか描かれていなくても両方の互変異性体が本発明の範囲に包含されると意図される。例えば、以下の化合物Aに対する特許請求は互変異性体構造Bまたはその逆、並びにその混合物を含むと理解される。
【0067】
【化4】

【0068】
変数(例えば、R、R、R等)が成分中に2回以上現れる場合、各回のその定義は毎回独立している。また、置換基及び変数の組合せは該組合せにより安定な化合物が生ずる場合のみ許容される。置換基から環系に引き出された線は示した結合が置換可能な環炭素原子に結合され得ることを示している。環系が多環系ならば、結合は近接する環上の適当な炭素原子にのみ結合していることが意図される。
【0069】
本発明の化合物上の置換基及び置換パターンは化学的に安定であり、容易に入手できる出発材料から当業界で公知の技術及び下記する方法により容易に合成され得る化合物が得られるように当業者により選択され得ると理解される。置換基がそれ自体2個以上の基で置換されている場合、これらの複数の基は安定な構造が生ずる限り同一炭素上にあっても異なる炭素上にあってもよい。フレーズ「場合により1個以上の置換基で置換されている」とは、フレーズ「場合により少なくとも1個の置換基で置換されている」と均等であると解釈されるべきであり、このような場合好ましい実施形態は0〜3個の置換基を有している。
【0070】
明確に反対の記述がない限り、本明細書中に示されているすべての範囲が含まれる。例えば、「1〜4個のヘテロ原子」を含有するとして記載されているヘテロ芳香族環は、この環が1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し得ることを意味している。また、本明細書中に示されている範囲はこの範囲内のサブ範囲のすべてをその範囲内に含むと理解すべきである。よって、例えば、「1〜4個のヘテロ原子」を含有するとして記載されているヘテロ環式環はその態様として2〜4個のヘテロ原子、3または4個のヘテロ原子、1〜3個のヘテロ原子、2または3個のヘテロ原子、1または2個のヘテロ原子、1個のヘテロ原子、2個のヘテロ原子、3個のヘテロ原子及び4個のヘテロ原子を含有しているヘテロ環式環を含むと意図される。
【0071】
特定の立体異性体を言及していない場合には化合物はいずれのコンフォメーションを有し得ると理解される。1つ以上の位置のコンフォメーションへの言及が特定されている場合には、残りの特定されていない位置のコンフォメーションはいずれかの配向にあり得ると理解される。立体異性体を言及している場合、化合物及びその医薬的に許容され得る塩の両方が含まれると理解される。
【0072】
本明細書中で使用されている「アルキル」は、10個以下の炭素原子を有する分岐状及び直鎖状飽和脂肪族炭化水素基を含むと意図される。例えば、「C−C10アルキル」中のC−C10は直鎖状、分岐状または環状配置で1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個の炭素を有する基を含むと定義される。例えば、「C−C10アルキル」は具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等を含む。具体的実施形態では、用語「アルキル」は1〜6個の炭素原子を有する分岐状及び直鎖状飽和脂肪族炭化水素基を指す。「アルコキシ」は酸素橋を介して結合している指定数の炭素原子を有するアルキル基を表す。
【0073】
本明細書中で使用されている「アルケン」は、2〜6個の炭素原子及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する分岐状及び直鎖状飽和脂肪族炭化水素基を含むと意図される。例えば、「C−Cアルケン」中のC−Cは直鎖状、分岐状または環状配置で2、3、4、5または6個の炭素及び少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する基を含むと定義される。例えば、「C−Cアルケン」は具体的にはエチレン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等を含む。
【0074】
当業者が認識しているように、本明細書中で使用されている「ハロ」または「ハロゲン」はクロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを含むと意図される。
【0075】
用語「ケト」はカルボニル(C=O)を意味する。
【0076】
本明細書中で使用されている用語「アルコキシ」は、直鎖状、分岐状または環状配置で1〜6個の炭素原子を有するアルキル部分が酸素原子を介して分子の残りに結合している基を意味する。アルコキシの例はメトキシ、エトキシ等を含む。
【0077】
用語「ハロアルキル」は、直鎖状、分岐状または環状配置で1〜6個の炭素原子を有するアルキル部分が1〜5個のハロで置換されている基を含む。
【0078】
本明細書中で使用されている用語「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」は、O、N及びSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する5〜10員非芳香族環を意味すると意図され、二環式基も含まれる。従って、「ヘテロシクリル」にはイミダゾリル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピペリジニル、テトラヒドロチオフェニル等が含まれるが、これらに限定されない。ヘテロ環が窒素原子を含んでいる場合、その対応するN−オキシドもこの定義に含まれると理解される。
【0079】
用語「アリール」は、各環が最高12個の原子を含み、少なくとも1つの環が芳香族である安定な単環式または二環式炭素環を意味すると意図される。アリール基の例にはフェニル、ナフチル、ビフェニルまたはインダニルが含まれるが、これらに限定されない。アリール置換基が二環式であり、1つの環が非芳香族である場合には、芳香族環を介して結合されると理解される。具体的実施形態では、アリールはフェニルである。
【0080】
本明細書中で使用されている用語「ヘテロアリール」は、各環が最高10個の原子を含み、少なくとも1つの環が芳香族であり、O、N及びSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有している安定な単環式、二環式または三環式環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基にはベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノリニル、メチレンジオキシベンゼン、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル及びテトラヒドロキノリンが含まれるが、これらに限定されない。ヘテロアリール置換基が二環式であり、1つの環が非芳香族であるかまたはヘテロ原子を含有していない場合には、それぞれ芳香族環またはヘテロ原子含有環を介して結合されると理解される。ヘテロアリールが窒素原子を含有しているならば、その対応するN−オキシドもこの定義に包含されると理解される。
【0081】
用語「アリールアルキル」は、直鎖状、分岐状または環状配置で1〜6個の炭素原子を有するアルキル部分を含み、上に定義した通りのアリール部分を含む。アリールアルキルの例にはベンジル、フルオロベンジル、クロロベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フルオロフェニルエチル及びクロロフェニルエチルが含まれるが、これらに限定されない。アルキルアリールの例にはトルイル、エチルフェニル及びプロピルフェニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
本明細書中で使用されている用語「ヘテロアリールアルキル」は、上に定義した通りのヘテロアリール部分を含み、直鎖状、分岐状または環状配置で1〜6個の炭素原子を有するアルキル部分を含む系を指す。ヘテロアリールアルキルの例にはチエニルメチル、チエニルエチル、チエニルプロピル、ピリジルメチル、ピリジルエチル及びイミダゾリルメチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
用語「ハロアルコキシ」は、1〜5個、好ましくは1〜3個のハロゲンで置換されている基−OR(ここで、Rは直鎖状、分岐状または環状配置で1〜6個の炭素原子を有するアルキルである)を表す。代表例にはトリフルオロメチルオキシ、ジクロロエチルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
用語「ヒドロキシアルキル」は、1または2個のヒドロキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有する線状一価炭化水素基または3〜6個の炭素原子を有する分岐状一価炭化水素基を意味し、ただし2個のヒドロキシ基が存在するならばこれらは同一炭素原子上に存在しない。代表例にはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0085】
用語「ハロヒドロキシアルキル」は、1または2個のヒドロキシ基及び1、2または3個のハロで置換されている1〜6個の炭素原子を有する線状一価炭化水素基または3〜6個の炭素原子を有する分岐状一価炭化水素基を意味する。代表例には2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチル、2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシエチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0086】
用語「シクロアルキル」または「炭素環」は、他の方法で指定されていない限り全部で3〜8個の炭素原子またはこの範囲内のいずれかの数の炭素原子を有するアルカンの環状環(すなわち、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)を意味する。
【0087】
本発明は、式Iを有する化合物のN−オキシド誘導体及び保護誘導体をも含む。例えば、式Iを有する化合物が酸化可能な窒素原子を含んでいる場合には、この窒素原子は当業界で公知の方法によりN−オキシドに変換され得る。また、式Iを有する化合物がヒドロシ、カルボキシ、チオールまたは窒素原子含有基を含んでいる場合には、これらの基を適当な保護基で保護してもよい。適当な保護基の包括的リストはその開示内容を全文参照により本明細書に組み入れるT.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.,1981中に見つけることができる。式Iを有する化合物の保護誘導体は当業界で公知の方法により製造され得る。
【0088】
他の方法で具体的に定義されていない限り、アルキル置換基及びヘテロシクリル置換基は未置換であっても置換されていてもよい。例えば、(C−C)アルキルはOH、オキソ、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノまたはヘテロシクリル(例えば、モルホリニル、ピペリジニル等)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。置換基がオキソ及びOHであるジ置換アルキルの場合には、この定義に−(C=O)CHCH(OH)CH、−(C=O)OH、−CH(OH)CHCH(O)等が含まれる。
【0089】
用語「アルキル」またはその接頭辞が置換基(例えば、アリールC0−8アルキル)の名前中にある場合には、「アルキル」について上記した限定を含むと解釈される。炭素原子の指定数(例えば、C1−6)はアルキルまたは環状アルキル部分中の炭素原子の数、またはアルキルが接頭辞中にあるより大きな置換基に対して独立して言及される。
【0090】
本発明の化合物の医薬的に許容され得る塩は、無機または有機酸から形成される本発明の化合物の一般的な非毒性塩を含む。例えば、一般的な非毒性塩は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸等)から誘導されるもの及び有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸等)から製造される塩を含む。上記した医薬的に許容され得る塩及び他の典型的な医薬的に許容され得る塩の製造は参照により本明細書に組み入れるBergら,“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19に詳しく記載されている。本発明の化合物の医薬的に許容され得る塩は、塩基性または酸性部分を含有している本発明の化合物から一般的な化学的方法により合成され得る。通常、塩基性化合物の塩はイオン交換クロマトグラフィーにより、または遊離塩基を適当な溶媒または溶媒の各種組合せ中で化学量論量または過剰量の所望の塩形成性無機または有機酸と反応させることにより製造される。同様に、酸性化合物の塩は適当な無機または有機塩基と反応させることにより形成される。
【0091】
本明細書の目的で、以下の略語は示されている意味を有している:
AcOH=酢酸、
BaSO=硫酸バリウム、
BOC=t−ブチルオキシカルボニル、
CBr=四臭化炭素、
CCl=四塩化炭素、
CHCl=塩化メチレン、
DCC=ジシクロヘキシルカルボジイミド、
DCM=ジクロロメタン、
DME=ジメチルエーテル、
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、
DMSO=ジメチルスルホキシド、
DPPF=1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、
EtN=トリエチルアミン、
EtOH=エタノール、
HATU=o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、
HBTU=o−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、
HBr=臭化水素、
HCl=塩酸、
CO=炭酸カリウム、
MeCN=アセトニトリル、
MeOH=メタノール、
MeSOH=メタンスルホン酸、
MgSO=硫酸マグネシウム、
NaBH=ホウ水素化ナトリウム、
NaOH=水酸化ナトリウム、
NaSO=硫酸ナトリウム、
NBS=N−ブロモスクシンイミド、
NHOH=水酸化アンモニウム、
PCl=五塩化リン、
PdCl(dppf)=[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、
Pd(dba)=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、
PG=保護基、
PPh=トリフェニルホスフィン、
PyBOP=ベンゾトリアゾル−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、
rt=室温、
sat.aq.=飽和水性、
SOCl=塩化チオニル、
TFAA=トリフルオロ酢酸、
THF=テトラヒドロフラン、
ZnCN=シアン化亜鉛、
ZN(BH=ホウ水素化亜鉛、
tlc=薄層クロマトグラフィー、
Me=メチル、
Et=エチル、
n−Pr=直鎖プロピル、
i−Pr=イソプロピル、
n−Bu=直鎖ブチル、
i−Bu=イソブチル、
s−Bu=第二級ブチル、
t−Bu=第三級ブチル。
【0092】
本発明の化合物は適切な材料を用いて以下の一般的手順に従って製造され得、下記具体例により更に例示される。しかしながら、実施例に例示されている化合物は本発明と見なされる唯一の部類を形成すると解釈されるべきでない。下記実施例は本発明の化合物の製造について詳細に説明している。当業者は、下記製造手順の条件及び方法の公知の変更が化合物を製造するために使用され得ることを容易に理解するであろう。別段の記載がない限り、温度はすべて℃である。
【0093】
スキーム
本発明の化合物は、以下に示すスキーム1に従って製造され得る。すなわち、置換トルエンのメチル基はラジカル反応条件下で臭素化され得る。或いは、ベンジルアルコールを試薬(例えば、PPh及びCBr)を用いて臭素化すると、臭化ベンジルが生じ得る。生じた臭化ベンジルはN−(ジフェニルメチレン)アミノアセトニトリルをアルキル化するために使用され得る。次いで、イミンは酸(例えば、AcOH)を用いて加水分解され得る。遊離アミンは各種カップリング剤(例えば、PyBOP、HBTUまたはHATU)を用いてカルボン酸にカップリングされ得る。最終物質はキラルカラム(例えば、chiralpak A/D)を用いるキラルHPLCにより分割され得る。
【0094】
【化5】

【0095】
本発明の化合物は、以下に示すスキーム1Aに従っても製造され得る。スキーム1で得たα−アミノニトリルはキラルカラム(例えば、chiralpak A/D)を用いるキラルHPLCにより直接分割され得る。スキーム1の場合と同様に、遊離アミンは各種カップリング剤(例えば、PyBOP、HBTUまたはHATU)を用いてカルボン酸にカップリングされ得る。このペプチドカップリングにより、スキーム1に記載されているのと同じ化合物の単一エナンチオマーが得られる。
【0096】
【化6】

【0097】
本発明の化合物は、以下に示すスキーム1Bに従っても製造され得る。スキーム1に記載されている化合物の左端のフェニル環がハロゲン原子(例えば、臭素原子)で置換されている場合、前者の化合物は更にスズキカップリング条件を用いてアリール基で官能化され得る。
【0098】
【化7】

【0099】
本発明の化合物は、以下に示すスキーム1Cに従っても製造され得る。スキーム1に記載されている化合物の右端のフェニル環がハロゲン原子(例えば、臭素原子)で置換されている場合、前者の化合物は更にスズキカップリング条件を用いてアリール基で官能化され得る。シアノ基もパラジウムカップリング条件を用いて、銅媒介反応により導入され得るメチルスルホンを用いて導入され得る。
【0100】
【化8】

【0101】
本発明の化合物を得るためにスキーム1及びスキーム1Aにおいて使用されるカルボン酸は、以下に示すスキーム1Dに従って製造され得る。天然または非天然アミノ酸のエステルをカルボニル基(例えば、トリフルオロケトン)と反応させてイミンを形成し、このイミンを更に還元剤(例えば、NaBHまたはZn(BH)を用いて還元する。生じたカルボン酸をスキーム1及びスキーム1Aの場合のようにアミンに直接カップリングさせたり、場合により更にスズキ型カップリング反応のようなカップリング反応により官能化させてもよい。
【0102】
【化9】

【0103】
本発明の化合物は、以下に示すスキーム2に従っても製造され得る。すなわち、キラルBOC保護されているアミノ酸のカルボン酸をアンモニア源(例えば、NHOH)及びカップリング剤(例えば、DCCまたはHATU)と反応させると、第1級アミドが生じる。この第1級アミドをTFAAを用いて脱水すると、ニトリルが生じ得る。BOC保護基は強酸(例えば、TFAまたはMeSOH)の存在下で除去され得る。遊離アミンを各種カップリング剤(例えば、PyBOP、HBTUまたはHATU)を用いてカルボン酸にカップリングすると、所望の物質が得られ得る。この物質を更にスズキ型カップリング反応条件下で反応させると、更に官能化された化合物が得られ得る。
【0104】
【化10】

【0105】
本発明の化合物は、以下に示すスキーム3に従っても製造され得る。すなわち、シクロプロパンカルボン酸中間体は適切なボロン酸またはエステルを用いたスズキカップリング型反応から製造され得る。次いで、アミドは、カップリング剤(例えば、DCCまたはHATU)を用いてアミンを酸とカップリングすることにより製造され得る。
【0106】
【化11】

【0107】
本発明の化合物は、以下に示すスキーム4に従って製造され得る。L−アスパラギン酸をヘキサフルオロアセトンと反応させると、遊離β−カルボン酸が生じた。この酸を塩素源(例えば、塩化チオニル)の存在下で酸クロリドに変換させた。この酸クロリドをパラジウム触媒及び水素の存在下でアルデヒドに還元した。このアルデヒドを塩素化溶媒中でPClと反応させると、gem−ジクロロアルキルが生じた。保護基を強酸(例えば、HBr)の存在下で開裂させると、新しく形成されたアミノ酸が遊離した。カルボン酸をアルコール溶媒(例えば、エタノール)中アセチルクロリドの存在下でエステル化した。アミノエステルをカルボニル基(例えば、ケトンまたはアルデヒド)と反応させると、イミンが形成された。このイミンを更に還元剤(例えば、NaBHまたはZn(BH)を用いて還元した。カルボン酸を各種カップリング剤(例えば、PyBOP、HBTUまたはHATU)を用いてスキーム1または2において形成した遊離アミンにカップリングさせてもよい。次いで、スズキカップリングにかけると、本発明の化合物が得られた。
【0108】
【化12】

【0109】
実施例1
(S)−4,4−ジクロロ−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミドの合成
【0110】
【化13】

【0111】
ステップ1:[(4S)−5−オキソ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−4−イル]酢酸の製造
ドライアイス凝縮器(コールドフィンガー)及び導入バブラーを備えた250ml容量の3首丸底フラスコにおいてL−アスパラギン酸(20g)のDMSO(60ml)室温溶液にヘキサフルオロアセトンを1時間通気した。発泡が生じて、攪拌棒の回転が妨げられた。反応物を1時間攪拌した。ここで曇っている溶液に更にガスを通気した(もはや発泡せず)。溶液を30分間攪拌した。溶液にガスを通気した。溶液を回転させながら室温に達するまで一晩放置すると、ドライアイスは融解した。溶液は朝にはほぼ透明であり、固体粒子はほんの数個であった。溶液を水(300ml)及びDCM(150ml)に注いだ。分離を促進するために全混合物をセライトを介して濾過した。振とうすると、透明溶液は白色になった。分離はゆっくりであり、よって500mlのDCM及び水を添加した。溶液は透明になった。合わせた有機層を水で2回逆洗浄して、微量のDMSOを除去した。次いで、有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、標記化合物を得た。残渣をそのまま次反応において使用した。
H NMR δ(ppm)(CDCl):4.36(1H,dd,J=9.68,2.79Hz),3.01(1H,dd,J=17.59,2.88Hz),2.73(1H,dd,J=19.04,9.44Hz)。
【0112】
ステップ2:[(4S)−5−オキソ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−4−イル]アセチルクロリドの製造
SOCl(56ml)をゆっくり酸(22g)に添加した。生じた混合物を2時間攪拌した。次いで、溶液を70℃の油浴において一晩加熱した。反応物を冷却した。塩化チオニルを蒸発させた。黄橙色油状物を蒸留により精製した。70〜92℃で収集した。
H NMR δ(ppm)(CDCl):4.43(1H,ddd,J=9.93,6.98,2.40Hz),3.59−3.52(2H,m),3.24(1H,dd,J=18.60,9.82Hz)。
【0113】
ステップ3:[(4S)−5−オキソ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−4−イル]アセトアルデヒドの製造
酸クロリド(25g)をトルエン(278ml)中に溶解し、非還元5% Pd/BaSO(20g)を添加した。パール反応器(40psi)において24時間水素化した。反応混合物をセライトパッドを用いて濾過した。濾液を濃縮し、アルデヒドを更に精製することなく使用した。
H NMR δ(ppm)(CDCl):9.82(1H,s),4.43(1H,t,J=8.44Hz),3.53(1H,s),3.21(1H,dd,J=19.13,2.28Hz),2.89(1H,dd,J=19.11,10.06Hz)。
【0114】
ステップ4:(4S)−4−(2,2−ジクロロエチル)−2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−オキサゾリジン−5−オンの製造
アルデヒドをジクロロメタン中に溶解し、氷浴においてNガス下で攪拌した。PClをCCl中に溶解し、氷浴において攪拌した。30分後、PCl溶液を添加した。室温で一晩攪拌した。透明な溶液を飽和水性NaHCOに添加した。水性層をジエチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。粗な生成物をフラッシュクロマトグラフィー(5:95→10:90 EtOAc/ヘキサン)により精製した。
H NMR δ(ppm)(CDCl):5.97(1H,t,J=6.16Hz),4.36−4.30(1H,m),3.37(1H,d,J=7.15Hz),2.79−2.73(1H,m),2.56−2.50(1H,m)。
【0115】
ステップ5:(2S)−2−アミノ−4,4−ジクロロブタン酸の製造
保護されているアミノ酸(14.8g)をTHF(100ml)及び水(100ml)中に溶解した。45% HBr/AcOH(8ml)溶液を添加した。溶液を室温で12時間攪拌した。反応の進行をNMRにより追跡した。12時間後酢酸中HBr(2extra ml)を添加し、24時間後酢酸中HBr(4extra ml)を添加し、48時間時間後酢酸中HBr(3extra ml)を添加した。溶液にNを30分間通気した後、溶媒を蒸発させた。混合物を減圧下で濃縮し、トルエンと3回共蒸発させた。アミノ酸を更に精製することなく使用した。
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):8.37(3H,s),6.34(1H,t,J=6.63Hz),4.01(1H,d,J=7.08Hz),2.79−2.61(2H,m)。
【0116】
ステップ6:(2S)−2−アミノ−4,4−ジクロロブタン酸エチルの製造
アセチルクロリド(18.7ml)をエタノール(185ml)中に1滴ずつ添加した。この溶液をアミノ酸(7.5g)に添加した。混合物を一晩還流(75℃)した。混合物を減圧下で濃縮し、更に精製することなく使用した。
H NMR δ(ppm)(DMSO−d):8.68(3H,s),6.47(1H,t,J=6.60Hz),4.23(2H,q,J=7.12Hz),2.80−2.72(2H,m),1.26(3H,t,J=7.10Hz)。
【0117】
ステップ7:(2S)−2−{[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アミノ}−4,4−ジクロロブタン酸の製造
アミノエステル(4.6g)及び炭酸カリウム(7.9g)を無水メタノール(13.5ml)中で混合した。1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノン(5.8g)を添加し、混合物を50℃に8時間加熱した。混合物をセライトパッドを用いて濾過し、濾液を濃縮した。生じたイミンをそのまま使用した。Zn(BH溶液は、ZnCl(1.4g)をDME(10.5ml)中に含む0℃懸濁液にNaBH(790mg)を添加することにより調製した。混合物を一晩攪拌した。この混合物から4mlを別の丸底フラスコに移した。イミンをMeCN(67.4ml)で希釈し、−40℃で冷却したZn(BH懸濁液に添加した。混合物を−40℃で4時間攪拌した。反応物をアセトン(10ml)でクエンチし、1時間かけて室温まで加温した。1M 水性HCl(50ml)をゆっくり添加した。溶液を減圧下で濃縮し、混合物をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な物質をフラッシュ(20:80 EtOAc/ヘキサン→100% EtOAc)より精製して、カルボン酸を得た。
Η NMR δ(ppm)(CHOH−d):7.61−7.53(2H,m),7.41−7.35(2H,m),6.19(1H,dd,J=9.06,4.09Hz),4.31(1H,d,J=7.50Hz),3.64(1H,dd,J=9.87,4.25Hz),2.56(1H,dd,J=9.30,4.41Hz),2.47(1H,dd,J=10.03,4.19Hz)。
【0118】
ステップ8:(2S)−2−{[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アミノ}−4,4−ジクロロ−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]ブタンアミドの製造
(2S)−2−{[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アミノ}−4,4−ジクロロブタン酸(120mg)及び(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エタンアミニウムクロリド(66mg)をDMF(1.5ml)中に溶解し、HATU(223mg)を添加した。反応混合物を室温で5分間攪拌し、ヒューニッヒ塩基(204μL)を添加した。溶液を18時間攪拌した。混合物を水性炭酸水素ナトリウム(飽和,20ml)及び水(20ml)に注いだ。混合物を三角フラスコにおいて10分間攪拌した。水性層をEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。減圧下で濃縮した。粗な生成物をフラッシュ(20:80→55:45 EtOAc/ヘキサンで溶離)により精製した。
H NMR δ(ppm)(CDCl):7.59−7.52(3H,m),7.50−7.42(2H,m),7.26−7.20(2H,m),5.98(1H,t,J=6.36Hz),5.13−5.06(1H,m),4.18−4.07(1H,m),3.43(1H,q,J=7.42Hz),3.26(1H,dd,J=13.92,7.03Hz),3.16(1H,dd,J=13.97,7.20Hz),2.56−2.38(2H,m),2.38−2.36(1H,m)。
【0119】
ステップ9:(2S)−4,4−ジクロロ−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ブタンアミドの製造
マイクロ波チューブにおいて、(2S)−2−{[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]アミノ}−4,4−ジクロロ−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]ブタンアミド、[4−(メチルスルホニル)フェニル]ボロン酸及びNaCO(2M)をDMF(1.35ml)中に溶解し、Nで脱ガスした。PdCl(dppf)−CHCl付加物を添加した。チューブを密封し、マイクロ波を用いて110℃で600秒間加熱した。反応混合物を後処理し、水性炭酸水素ナトリウム(飽和,50ml)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。合わせた有機画分をブライン(2×50ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗な生成物をフラッシュクロマトグラフィー(27:63→5:45 EtOAc/ヘキサン)により精製した。
M+1,+ESI=655。
【0120】
実施例2
(2S)−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドの合成
【0121】
【化14】

【0122】
ステップ1:4−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゾニトリルの製造
大気に対して開放されている還流冷却器を備えているフラスコにおいて1,2−ジクロロエタン(500ml)中の懸濁液としての3−フルオロ−4−メチルベンゾニトリル(29.54g)及びNBS(46.7g)の混合物を過酸化ベンゾイル(4.24g)で処理した。フラスコを75℃の油浴中に浸し、太陽灯を用いて光を照らした。より激しい還流が突然観察され、反応物は均質となった。反応物をこの温度で全部で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。ヘキサン(500ml)を添加し、沈殿を濾過し、捨てた。濾液を減圧下でほぼ100mlまで濃縮し、酢酸エチル(200ml)に取った。反応物を半飽和炭酸水素ナトリウム(100ml)、次いでブライン(100ml)で洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相を減圧下で濃縮して、臭化ベンジルを黄色固体として得た。これをそのまま次ステップにおいて使用した。
【0123】
ステップ2:4−{2−シアノ−2−[(ジフェニルメチレン)アミノ]エチル}−3−フルオロベンゾニトリルの製造
水素化ナトリウム(2.62g)をジメチルホルムアミド(100ml)中に含む懸濁液に0℃で[(ジフェニルメチリデン)アミノ]アセトニトリル(13.20g)をジメチルホルムアミド(40ml)中に含む溶液をゆっくり添加した。添加中反応温度は2〜8℃で変化した。ガスの発生を伴って色は黄色から褐色になった。反応混合物を0℃で更に10分間攪拌した後、ステップ1からの4−(ブロモメチル)−3−フルオロベンゾニトリル(12.72g)をジメチルホルムアミド(60ml)中に極めて迅速に添加した。温度は27℃に上昇し、冷却浴を外した。反応物を4時間攪拌した。フラスコ内容物をリン酸二水素ナトリウム溶液(300ml)及び氷水(1.4L)に注いだ。混合物は黄色に変わり、大きい塊が非常に少量の細かい粉末と一緒に形成された。細かい固体を濾過し、塊は三角フラスコ中に残した。塊をエーテル(500ml)中に溶解し、水(200ml)と一緒に分液漏斗に入れた。相を分離し、有機層をブライン(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相を減圧下で濃縮して、4−{2−シアノ−2−[(ジフェニルメチレン)アミノ]エチル}−3−フルオロベンゾニトリルを橙色固体として得た。これをそのまま次ステップにおいて使用した。
【0124】
ステップ3:4−[(2S)−(2−アミノ−2−シアノエチル)]−3−フルオロベンゾニトリルの製造
ステップ2からの4−{2−シアノ−2−[(ジフェニルメチレン)アミノ]エチル}−3−フルオロベンゾニトリル(24.5g)をテトラヒドロフラン(190ml)中に含む溶液を水(45ml)、次いで酢酸(90ml)で処理し、40℃で24時間攪拌した。次いで、揮発物の約75%を減圧下で除去した。残留溶液を水(100ml)及び1N 塩酸(25ml)で希釈し、ジエチルエーテル(各100ml)で2回抽出した後、pH9〜10に達するまで8N 水酸化カリウム及び水性リン酸カリウムを用いて塩基性とした。アミノニトリルを酢酸エチル(各300ml)で3回抽出した。プールした有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。有機生成物のガムをエタノール(20ml)中に溶解し、ヘキサン(20ml)で希釈した。500mgのアリコートを50% エタノール:50%ヘキサン無勾配条件を用いてChiralcel ADカラムに注入した。より速く溶離したニトリルは誤エナンチオマー(Rt=19分)であり、蒸発させ、カップリングした(ステップ4)後により遅く溶離するエナンチオマー(t=24分)はS立体配置を有すると推定される(2S)−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({1(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドの有力なジアステレオマーとなるであろう。
【0125】
ステップ4:(2S)−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({1(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドの製造
ジメチルホルムアミド(5ml)中の(全文参照により組み入れられる)米国特許第7,183,425号明細書に記載されている(2S)−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタン酸ジシクロヘキシルアミン塩(301mg)にHATU(213mg)を添加し、溶液を1分間攪拌した。(ステップ3からの)より遅く溶離するアミノニトリル(88mg)及び2,6−ルチジン(0.136ml)を同時に導入し、反応物を一晩攪拌した。反応媒体に1N HClを添加し、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を10% EtOAc/Hex→100% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製して、(2S)−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({1(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドを白色固体として得た。より遅く溶離するアミノニトリルはより有力なジアステレオマー(d6−アセトン中活性物について4.25ppm、不活性物質について4.45ppmのH NMRシグナルで特徴的)を与える。
M+1(+ESI)=633.2。
【0126】
実施例3
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミドの合成
【0127】
【化15】

【0128】
ステップ1:Nα−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヨード−L−フェニルアラニンアミドの製造
DMF(0.15M)中の(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−(4−ヨードフェニル)プロパン酸に0℃でHATUを添加した。次いで、NHOHの30%水性溶液をゆっくり添加した後、反応混合物を0℃で2時間攪拌した。混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和水性溶液に注ぎ、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、所望のアミドを得た。
【0129】
ステップ2:[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルの製造
THF(0.13M)中のNα−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヨード−L−フェニルアラニンアミドに0℃でトリエチルアミンを添加した。次いで、無水トリフルオロ酢酸をゆっくり添加し、混合物を2時間攪拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和水性溶液を添加し、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を5% EtOAc/Hex→50% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製して、所望のアミノニトリルを得た。
【0130】
ステップ3:(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エタンアミニウムクロリドの製造
THF(0.4M)中の[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]カルバミン酸tert−ブチルに室温でメタンスルホン酸(10当量)を添加した。混合物を3時間攪拌し、炭酸水素ナトリウムの飽和水性溶液に注ぎ、KPOを添加して、混合物のpHを〜9とした。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を50% EtOAc/Hex→100% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製した。遊離アミンをEtO(0.3M)中に溶解し、過剰量のジエチルエーテル中2M HClで処理した。混合物を30分間攪拌した。生じたアミンHCl塩を濾別し、高真空下で乾燥すると、白色固体が生じた。
【0131】
ステップ4:N−[(1S)−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドの製造
N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミドを、(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エタンアミニウムクロリドを用いて実施例2のステップ4に記載されている手順に従って製造した。
【0132】
ステップ5:(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミドの製造
DMF(0.1M)中のN−[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド(1当量)にPd(dba)(0.05当量)、dppf(0.05当量)、水(10当量)及びシアン化亜鉛(2.5当量)を添加した。混合物にNを5分間通気した後、混合物を90℃に2時間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAc及び飽和水性塩化アンモニウムで希釈し、水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を40% EtOAc/Hex→100% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製した。
M−1(−ESI)=612.9。
【0133】
実施例4
(2S)−N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドの合成
【0134】
【化16】

【0135】
ステップ1:(2S)−N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドの製造
(2S)−N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミドを、実施例2のステップ3に従って製造した4−[(2R)−(2−アミノ−2−シアノエチル)]−3−フルオロベンゾニトリルを用いて実施例2のステップ4に記載されている手順に従って製造した。
M+1(+ESI)=633.3。
【0136】
実施例5
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミドの合成
【0137】
【化17】

【0138】
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミドを、3−クロロ−4−メチルベンゾニトリルから実施例2に記載されている手順に従って製造した。
M+1(+ESI)=648.9。
【0139】
実施例6
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミドの合成
【0140】
【化18】

【0141】
ステップ1:2−クロロ−1−ヨード−4−(メチルスルホニル)ベンゼンの製造
酢酸、37% 塩酸及び水の1:1:3混合物(0.4M)中の2−クロロ−4−メチルスルホニルアニリンを0℃まで冷却し、水中亜硝酸ナトリウムの4M溶液でゆっくり処理した。反応物を5℃で30分間攪拌した後、水中ヨウ化カリウムの2M溶液で1滴ずつ処理した。反応物からガスが発生し、褐色に変わった。反応物を0℃で15分間、室温で40分間、60℃で1時間攪拌した。褐色固体を濾過し、酢酸エチル中に溶解し、溶液を酸性化チオ硫酸ナトリウム、次いでブラインで洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。蒸発中、沈殿が生じ、濾過した。母液を更に蒸発させ、更に2つの生成物を収集した。最後の母液をジエチルエーテルを用いて移し、蒸発させると、更に生成物が生じた。
【0142】
ステップ2:4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキボロラン−2−イル)フェニル]エチル}−L−ロイシンエチルの製造
(全文参照により本明細書に組み入れる)米国特許第7,407,959号明細書に記載されているN−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−4−フルオロ−L−ロイシンのエチルエステルの溶液に酢酸カリウム及びDMF(0.2M)中のビス(ピナコラト)ジボランを添加した。窒素を5分間通気することにより混合物を脱ガスした。次いで、Pd(dppf)Clを添加し、反応物を70℃の油浴中に一晩浸した。反応物を減圧下でその容量のおおよそ1/3まで濃縮し、シリカゲルを用い、酢酸エチルで溶離させることにより濾過した。濾液を濃縮し、そのまま次反応に使用した。
【0143】
ステップ3:N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンエチルの製造
4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エチル}−L−ロイシンエチル、2−クロロ−1−ヨード−4−(メチルスルホニル)ベンゼン及びDMF(0.2M)中2M 水性炭酸ナトリウムを窒素を3分間通気して脱ガスした。次いで、PdC1(dppf)−CHC1付加物を一度に添加し、フラスコを70℃の油浴中に一晩浸した。反応媒体を冷却し、水に注いだ。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。
【0144】
ステップ4:N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンの製造
N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンエチルをテトラヒドロフラン、水及びエタノールの3:1:1混合物(0.1M)中に含む溶液に固体水酸化リチウムを添加した。反応物を室温で64時間攪拌し、38℃で1時間加熱した。その後、TLC分析は出発物質の消失を示した。反応物を冷却し、水性pH5のNaHPO溶液及びブラインで処理した後、pH2まで1N 水性HClで処理した。相を分離し、有機相を水性pH5のNaHPO溶液及びブラインで洗浄した。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。
【0145】
ステップ5:(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミドの製造
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミドを、N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシン及び4−(2−アミノ−2−シアノエチル)−3−クロロベンゾニトリルから実施例2のステップ4に記載されている手順に従って製造した。
M+1(+ESI)=683.0。
【0146】
実施例7
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミドの合成
【0147】
【化19】

【0148】
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミドを、N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシン及び4−[(2S)−(2−アミノ−2−シアノエチル)]−3−フルオロベンゾから実施例6に記載されている手順を用いて製造した。
M−1(−ESI)=665.7。
【0149】
実施例8
(S)−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミドの合成
【0150】
【化20】

【0151】
(S)−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミドを、L−ロイシンメチル及び(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エタンアミニウムクロリドから実施例1のステップ7〜9及び実施例3のステップ5に記載されている手順を用いて製造した。
M−1(−ESI)=595.1。
【0152】
実施例9
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチル]−アミドの合成
【0153】
【化21】

【0154】
ステップ1:N−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]−L−ロイシンアミドの製造
−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]−L−ロイシンアミドを、L−ロイシンメチル及び(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エタンアミニウムクロリドから実施例8に記載されている手順を用いて製造した。
【0155】
ステップ2:(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチル]−アミドの製造
DMSO(0.3M)中のN−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エチル]−L−ロイシンアミド(1当量)にメタンスルホン酸ナトリウム塩(2当量)及びヨウ化銅(3当量)を添加し、混合物を100℃で2時間攪拌した。反応混合物を冷却し、EtOAcで希釈した。有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を40% EtOAc/Hex→100% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製した。
M−1(−ESI)=572.3。
【0156】
実施例10
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸アミドの合成
【0157】
【化22】

【0158】
ステップ1:N−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−L−バリンアミドの製造
−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−L−バリンアミドを、L−バリンメチル及び(1S)−1−シアノ−2−(4−ヨードフェニル)エタンアミニウムクロリドから実施例1及び2に記載されている手順を用いて製造した。
【0159】
ステップ2:1−[4’−((1S)−1−{[(1S)−1−({[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−2−メチルプロピル]アミノ}−2,2,2−トリフルオロエチル)ビフェニル−4−イル]シクロプロパンカルボン酸の製造
DMF(0.1M)中のN−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−L−バリンアミド(1当量)に1−[4−(ジヒドロキシボリル)フェニル]シクロプロパンカルボン酸(1.2当量)、Pd(dppf)Cl(0.05当量)及び2M 水性炭酸ナトリウム(3当量)を添加した。窒素を5分間通気することにより混合物を脱ガスし、90℃に2時間加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、反応混合物をpH5まで酸性化するために3N HClを添加した。水性層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を40% EtOAc/Hex→100% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製した。
【0160】
ステップ2:1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}シクロプロパンカルボン酸アミドの製造
DMF(0.15M)中の1−[4’−((1S)−1−{[(1S)−1−({[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]アミノ}カルボニル)−2−メチルプロピル]アミノ}−2,2,2−トリフルオロエチル)ビフェニル−4−イル]シクロプロパンカルボン酸(1当量)に0℃でHATU(1.2当量)を添加した。次いで、NHOHの30%水性溶液(3当量)をゆっくり添加した後、反応混合物を0℃で2時間攪拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、水性層をEtOACで抽出した。合わせた有機層をブライン及び水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗な化合物を40% EtOAc/Hex→100% EtOAc/Hexの溶媒勾配を用いる自動SiOフラッシュクロマトグラフィー系により精製した。
M+1(+ESI)=605.641。
【0161】
実施例11
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミドの合成
【0162】
【化23】

【0163】
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミドを、N−[(1S)−1−(4−ブロモフェニル)−2,2,2−トリフルオロエチル]−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−L−バリンアミド及び(1R)−2,2−ジフルオロ−1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]エタノール(全文参照により本明細書に組み入れる米国特許第7,407,959号明細書に記載されている)から実施例10のステップ2に記載されている手順を用いて製造した。
M+1(+ESI)=603.2。
【0164】
上記した方法を用いて、以下の化合物を製造した。
【0165】
【表1】






































【0166】
医薬組成物
本発明の具体的実施形態として、100mgの(2S)−4,4−ジクロロ−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ブタンアミドを十分に微細なラクトースと一緒に処方して580〜590mgの全量とし、サイズ0の硬ゼラチンカプセル中に充填する。
【0167】
本明細書中に開示されている化合物は以下のアッセイにおいて活性を示した。加えて、本明細書中に開示されている化合物は従来公知の化合物に比して高い薬理学的プロフィールを有している。
【0168】
クルジパインアッセイ
試験化合物の500μMから0.0025μMまでの連続希釈物(1/3)をジメチルスルホキシド(DMSO)を用いて調製した。次いで、各希釈物からのDMSO中化合物のアリコートをアッセイ緩衝溶液(NaOAc 50mM(pH5.5);DTT 5mM;トゥイーン−20 0.002%v/v及びDMSO 10%v/v)中50pMのクルジパインを収容している黒色384ウェルポリスチレンプレート(Corningカタログ番号3573)に添加した。アッセイ溶液を混合し、室温で15分間インキュベートした後、2μMのZ−Phe−Arg−AMC基質を添加した。クマリン遊離基(AMC)の加水分解を以下のフィルター:Ex λ=360nm;Em λ=460nm;Dichroic @ 435nm)を備えたPherastar蛍光分光光度計(BMG Labtech)装置を用いて10分間追跡した。抑制%を実験値を用量応答曲線の標準数学モデルにフィッティングさせることにより計算した。アッセイの結果(IC50)を表1に示す。
【0169】
本発明の化合物の活性を評価するために使用され得る追加アッセイには以下のものが含まれる:
クルーズ・トリパノソーマ上鞭毛型アッセイ
上鞭毛型のクルーズ・トリパノソーマ(ブラジル株)を25cm容量のフラスコに2×10個の上鞭毛型/mlの細胞密度で充填し、10%新生ウシ血清(Gibco)及び抗生物質を補充した肝臓浸出液トリプトース(LIT)ブロス培地において28℃で攪拌(80rpm)しながら、電子粒子カウンター(モデルZBI;フロリダ州ハイアリアに所在のCoulter Electronics Inc.)を用い、血球計数器で直接カウントすることにより測定して0.5×10〜1×10の細胞密度まで増殖させる。上鞭毛型細胞密度が0.5×10〜1×10/mlに達したときにフラスコにDMSO中試験化合物を添加した後、24〜48時間インキュベートし、上鞭毛型を対数増殖期に収集する。収集した上鞭毛型を4℃で850gで15分間遠心することにより1M リン酸緩衝食塩液(PBS;pH7.4)で3回洗浄する。収集した上鞭毛型を28℃で攪拌(80rpm)しながら10%新生ウシ血清(Gibco)及び抗生物質を補充した新鮮なLITブロス中で再度インキュベートし、上鞭毛型の生存度をトリパンブルー排除(光学顕微鏡検査)及び[H]−チミジン取込みアッセイ(以下参照)を用いて最長1週間評価する。
【0170】
クルーズ・トリパノソーマ錐鞭毛型アッセイ
上鞭毛型のクルーズ・トリパノソーマを上記したように増殖させ、14日目(固定相)に収集し、グレース昆虫培地pH6.5(InvitrogenまたはWisent)で3回洗浄し、10%ウシ胎児血清(FCS)及びヘミン(25μg/ml)を補充した新鮮なグレース培地を添加することによるメタサイクロジェネシスにより錐鞭毛型に誘導し、28℃で最長5日間培養する。より多くの錐鞭毛型を産生させるために、この培養物をU937(ヒトマクロファージ)、J774(マウスマクロファージ)またはVero(アフリカミドリザル腎臓)細胞のような哺乳動物細胞の単層を感染させるために最長4日間使用し得る。上清から遊離した錐鞭毛型を3000gで15分間遠心することにより収集し、1mM グルコースを補充したハンクス平衡塩食塩液(HBSS)で2回洗浄する。錐鞭毛型の培養物にDMSO中試験化合物を10/mlの細胞密度で添加した後、RPMI−10%中37℃で24〜48時間インキュベートする。錐鞭毛型を収集し、数の減少(寄生虫溶解)をNeubauerチャンバを用いて調べ、薬物濃度の対数に対して減少%をプロットすることによりLD50値(未処理対照と比較して錐鞭毛型を50%減少させる薬物濃度)を求める。収集した錐鞭毛型の生存度を以下のH−チミジン取込みアッセイにより測定されるマクロファージを感染させ、新鮮培地において増殖させる能力により評価する。
【0171】
クルーズ・トリパノソーマ無鞭毛型活性(細胞内)アッセイ
寄生虫細胞の約30%が発育終末型であるように発育終末型の形成を誘導するために、上鞭毛型のクルーズ・トリパノソーマを10% FCS及びヘミン(25μg/ml)を補充したグレース昆虫培地において28℃で最長14日間培養する。これらの寄生虫細胞を収集し、24ウェルのマイクロプレートにおいてMEM中37℃及び5% COで増殖させたU937(ヒトマクロファージ)、J774(マウスマクロファージ)またはVero(アフリカミドリザル腎臓)細胞培養物のようなコンフルエント哺乳動物細胞を感染させるために使用する。寄生虫細胞をマクロファージに感染させた後、培地を除去し、MEM培地中の試験化合物をウェルに添加し、マイクロプレートを48時間インキュベートする。インキュベート期間後、培地を除去し、マクロファージを固定し、メイ・グリュンワルド・ギムザ染料で染色する。100マクロファージあたりの無鞭毛型の数(No.A/100Mφ)を測定し、抗無鞭毛型活性を(%AA):
%AA=
[1−(No.A/100Mφ)p/(No.A/100Mφ)c]×100
として表す。
【0172】
H−チミジン取込みアッセイ
U937(ヒトマクロファージ)、J774(マウスマクロファージ)またはVero(アフリカミドリザル腎臓)細胞のような哺乳動物細胞株を含有しているMEM懸濁液(200μL)を96ウェルの平底マイクロタイタープレートの各ウェルに添加し、37℃及び5% COで24〜48時間インキュベートする。培地を除去し、細胞をPBSで3回洗浄する。固定相1mlあたり1×10個の錐鞭毛型クルーズ・トリパノソーマを含有しているMEM混合物(200μL)を各ウェルに添加した後、同一条件下で24時間または48時間インキュベートする。インキュベート期間後、培地を除去し、細胞をPBSで3回洗浄する。MEM中の試験化合物を適当なウェルに添加し、最長3日間インキュベートする。インキュベート期間後、培地を除去し、細胞をPBSで3回洗浄し、マクロファージを0.01% ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で溶解し、寄生虫細胞を収集する。収集した寄生虫細胞をグレース昆虫培地中に懸濁し、28℃で48時間インキュベートする。インキュベート期間後、1μCiのグレース昆虫培地中H−チミジンを各ウェルに添加し、更に20時間インキュベートする。これを収集し、H−チミジン取込みを調べる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
は場合によりC1−6アルキル、−COOR、ハロ、ハロアルキル、シアノ、アリール、ヘテロアリールまたは−SO(C1−6アルキル)から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されているアリールまたはヘテロアリールであり;
はC1−6アルキル、C3−6シクロアルキルであり、前記アルキル基は場合によりC3−6シクロアルキルまたは1〜6個のハロで置換されており;
は1〜6個のハロで置換されているC1−6アルキルであり;
はハロ、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクリルであり、前記したRアリール、Rヘテロアリール、RアリールアルキルまたはRヘテロアリールアルキル基は場合によりハロ、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6ハロヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、アリール、アリール−SOCH、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、−SO(C1−6アルキル)、−SONR、−COOR、−CONR及びC3−6シクロアルキル−Rから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されており;
は水素またはC1−6アルキルであり;
は水素、C1−6アルキル、C2−6アルケン、(C1−6アルキル)アリール、C1−6ヒドロキシアルキル、−O(C1−6アルキル)、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル、ヘテロシクリル、C1−6アルキル−COOR、C0−6アルキル−C(O)NHであり、前記したアルキル、アリール、ヘテロアルキル、C3−8シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合により炭素またはヘテロ原子上でC1−6アルキルまたはハロから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく;
は水素、C1−6アルキル、(C1−6アルキル)アリール、C1−6ヒドロキシアルキル、−O(C1−6アルキル)、ヒドロキシル、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル、ヘテロシクリルであり、前記したアルキル、アリール、ヘテロアリール、C3−8シクロアルキル及びヘテロシクリルは場合により炭素またはヘテロ原子上でC1−6アルキルまたはハロから独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよく;
及びRはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−8ヘテロシクリル環を形成し得、前記3〜8員環系は場合によりC1−6アルキル及びハロから独立して選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく;
はH、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C1−6ヒドロキシアルキル、C1−6ハロヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、シアノ、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、−SOCH、−SONR、−SO(C1−6アルキル)、−COORまたは−CONRであり;
mは0〜2の整数である]
を有する化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項2】
はピリジン、ピリジンN−オキシドまたはフェニルであり、前記フェニルはオルト及び/またはパラ位がブロモ、フルオロ、クロロ、シアノ、トリフルオロメチル、メチルスルホン、ピリジンまたはピリジン−N−オキシドから独立して選択される置換基で置換されていてもよい請求項1に記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項3】
はジクロロエチル、2,2−フルオロメチルプロピル、メチレンシクロプロピル、シクロプロピル、2−メチルプロピルまたはイソプロピルである請求項1〜2のいずれかに記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項4】
はトリフルオロメチルである請求項1〜3のいずれかに記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項5】
はメチルピラゾール、N−メチルピロール、ピリジン、ピリジンN−オキシドまたはフェニルであり、前記フェニルは場合によりオルト位がクロロ、パラ位が−SOMeでジ置換されていてもよく、またはパラ位が−SOMe、−SONH、ピペラジン、2,2−ジフルオロエタノール、−SMe、−SOMe、ピリジン、ピリジンN−オキシド、2−メチルプロパン−1−オール、メチル−ピラゾール、4−SOMe−フェニルまたはシクロプロピルでモノ置換されていてもよく、前記シクロプロピルは−CONR、−COORまたはシアノで置換されていてもよく;
は水素であり;
及びRは独立して水素、エタノール、アリル、シクロプロピル、−CHCONH、1,1,1−トリフルオロエタン、メチルアセテートであり、またはR及びRはモルホリン環を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項6】
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(1−オキシ−ピリジン−2−イルメチル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−シアノ−ピリジン−3−イルメチル−メチル)−アミド、
(S)−N−((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−3−シクロプロピル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−プロピオンアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−シアノ−ピリジン−4−イルメチル−メチル)−アミド、
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸アミド、
1−{4’−[(S)−1−((S)−1−{[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−カルバモイル}−2−メチル−プロピルアミノ)−2,2,2−トリフルオロ−エチル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸アリルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸シクロプロピルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸カルバモイルメチル−アミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミド、
({1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボニル}−アミノ)−酢酸メチルエステル、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸(2−ヒドロキシ−エチル)−アミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−N−((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−ピリジン−4−イル−フェニル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−2−メチル−プロピルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸アミド、
4−[4’−((S)−1−{(S)−1−[((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−カルバモイル]−2−メチル−プロピルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−ピペラジン−1−イウムクロリド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(1−オキシ−ピリジン−4−イル)−ビフェニル−4−イル]−エチルアミノ}−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4’−[1−(モルホリン−4−カルボニル)−シクロプロピル]−ビフェニル−4−イル}−エチルアミノ)−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)−ビフェニル−4−イル]−エチルアミノ}−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−N−((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−N−((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−ピリジン−4−イル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
1−[4’−((S)−1−{(S)−1−[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチルカルバモイル]−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ}−2,2,2−トリフルオロ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−シクロプロパンカルボン酸アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−ピリジン−4−イル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(1−メチル−1H−ピロル−2−イル)−フェニル]−エチルアミノ}−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[シアノ−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[シアノ−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−スルファモイル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
1−(4’−{(S)−1−[(S)−1−((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチルカルバモイル)−3−フルオロ−3−メチル−ブチルアミノ]−2,2,2−トリフルオロ−エチル}−ビフェニル−4−イル)−シクロプロパンカルボン酸アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−{(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(1−[1,2,4]オキサジアゾル−3−イル−シクロプロピル)−ビフェニル−4−イル]−エチルアミノ}−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−((S)−2,2,2−トリフルオロ−1−{4’−[1−(モルホリン−4−カルボニル)−シクロプロピル]−ビフェニル−4−イル}−エチルアミノ)−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−(1−シアノ−シクロプロピル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸((S)−1−シアノ−2−フェニル−エチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メチルスルファニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルフィニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メタンスルホニル−[1,1’;4’,1”]ターフェニル−4”−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−アミド、
(S)−4,4−ジクロロ−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−(ベンジル−シアノ−メチル)−4,4−ジクロロ−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(2S)−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−1−シアノ−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(2’−クロロ−4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−[(S)−1−(4−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ]−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(2−フルオロ−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(4−フルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
4−((S)−2−シアノ−2−{(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタノイルアミノ}−エチル)−安息香酸エチルエステル、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−1−シアノ−2−(4−ピリジン−3−イル−フェニル)−エチル]−アミド、
(S)−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−4−フルオロ−4−メチル−ペンタン酸((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸((S)−ベンジル−シアノ−メチル)−アミド、
(2S)−N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−4−メチル−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ペンタンアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−シアノ−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(4−シアノ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−シクロプロピル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−アセトアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2−フルオロ−ベンジル)−メチル]−2−シクロプロピル−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−アセトアミド、
(S)−N−[(S)−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−シアノ−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−シアノ−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−3−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ブチルアミド、
(S)−N−[(S)−シアノ−(4−シアノ−2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−2−{(S)−1−[4’−((R)−2,2−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−エチル)−ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エチルアミノ}−3−メチル−ブチルアミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(1−オキシ−ピリジン−3−イルメチル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(1−オキシ−ピリジン−4−イルメチル)−メチル]−アミド、
(S)−4−フルオロ−4−メチル−2−[(S)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−エチルアミノ]−ペンタン酸[(S)−シアノ−(2,6−ジフルオロ−ベンジル)−メチル]−アミド
から選択される請求項1に記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項7】
化合物は式:
【化2】

(式中、
は水素またはハロであり;
は水素、シアノ、クロロまたはC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6ハロアルキルであり;
はC1−6ハロアルキルであり;
は水素、−SO(C1−6アルキル)またはヘテロシクリルであり;
は水素またはハロであり;
mは0〜2の整数である)
を有する請求項1に記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項8】
はフルオロまたはクロロであり、Rはシアノまたはトリフルオロメチルである請求項7に記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項9】
はジクロロエチルまたは2,2−フルオロメチルプロピルであり、Rはトリフルオロメチルである請求項7〜8のいずれかに記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項10】
はメチルスルホンまたはピペラジンである請求項7〜9のいずれかに記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項11】
(2S)−4,4−ジクロロ−N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−2−({(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}アミノ)ブタンアミド、
N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[(1S)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[(1R)−1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[2−(2−クロロ−4−シアノフェニル)−1−シアノエチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[2−(2−クロロ−4−シアノフェニル)−1−シアノエチル]−N−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−4−フルオロ−L−ロイシンアミド、
N−2−{(1S)−1−[2’−クロロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]−2,2,2−トリフルオロエチル}−N−[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−L−ロイシンアミド、
N−[1−シアノ−2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)エチル]−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−[1−シアノ−2−(4−シアノフェニル)エチル]−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド、
N−{(1S)−1−シアノ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−フルオロ−N−{(1S)−2,2,2−トリフルオロ−1−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−4−イル]エチル}−L−ロイシンアミド
から選択される請求項7に記載の化合物、或いはその医薬的に許容され得る塩または立体異性体。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項13】
トキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症からなる群から選択される寄生虫疾患の治療用薬剤の製造における請求項1〜11のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれかに記載の化合物及びニフルチモックス、ベンズニダゾール、アロプリノール、テルビナフィン、ロバスタチン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ミルテホシン、イルモホシン、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、クロロキン、プログアニル、メフロキン、キニーネ、ピリメタミン−スルファドキシン、ドキソサイクリン、ベルベリン、ハロファントリン、プリマキン、アトバクオン、ピリメタミン−ダプソン、アルテミシニン、キンガオス、メグルミンアンチモナイト、スチボグルコン酸ナトリウム、アンホテリシンB、プラジカンテル、オキサムニキン、ペンタミジン、メラルソプロール、スラミン及びエフロルニチン、医薬的に許容され得る塩並びにその混合物からなる群から選択される別の薬物を含む医薬組成物。
【請求項15】
トキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症からなる群から選択される寄生虫疾患の治療のために有用な薬剤の製造における請求項1〜11のいずれかに記載の化合物及びニフルチモックス、ベンズニダゾール、アロプリノール、テルビナフィン、ロバスタチン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ミルテホシン、イルモホシン、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、クロロキン、プログアニル、メフロキン、キニーネ、ピリメタミン−スルファドキシン、ドキソサイクリン、ベルベリン、ハロファントリン、プリマキン、アトバクオン、ピリメタミン−ダプソン、アルテミシニン、キンガオス、メグルミンアンチモナイト、スチボグルコン酸ナトリウム、アンホテリシンB、プラジカンテル、オキサムニキン、ペンタミジン、メラルソプロール、スラミン及びエフロルニチン、医薬的に許容され得る塩並びにその混合物からなる群から選択される第2薬物の使用。
【請求項16】
トキソプラズマ症、マラリア、アフリカトリパノソーマ症、シャーガス病、リーシュマニア症、住血吸虫症、アメーバ症、ジアルジア症、肝吸虫症、オピストルキス症、肺吸虫症、肥大吸虫症、リンパ管フィラリア症、オンコセルカ症、メジナ虫症、回虫症、鞭虫症、糞線虫症、毛様線虫症、トリコモナス症及び条虫症からなる群から選択される寄生虫疾患の治療を要する患者に対して請求項1〜11のいずれかに記載の化合物を含む組成物を投与することを含む前記寄生虫疾患を有している患者の治療方法。
【請求項17】
組成物は更にニフルチモックス、ベンズニダゾール、アロプリノール、テルビナフィン、ロバスタチン、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、ミルテホシン、イルモホシン、パミドロネート、アレンドロネート、リセドロネート、クロロキン、プログアニル、メフロキン、キニーネ、ピリメタミン−スルファドキシン、ドキソサイクリン、ベルベリン、ハロファントリン、プリマキン、アトバクオン、ピリメタミン−ダプソン、アルテミシニン、キンガオス、メグルミンアンチモナイト、スチボグルコン酸ナトリウム、アンホテリシンB、プラジカンテル、オキサムニキン、ペンタミジン、メラルソプロール、スラミン及びエフロルニチン、医薬的に許容され得る塩、並びにその混合物からなる群から選択される第2薬物を含む請求項16に記載の方法。

【公表番号】特表2011−504883(P2011−504883A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535184(P2010−535184)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/CA2008/002071
【国際公開番号】WO2009/067797
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】