説明

寄生虫症の治療または予防効果を有するクルクミン類縁体

【課題】トリパノソーマ、リーシュマニア、マラリア症などに対して治療効果や予防効果を有し、優れた抗原虫作用を有する医薬品の提供。
【解決手段】多年生ハーブであるターメリック(Curcuma longa Linnaeus)の地茎に豊富に含まれる天然ポリフェノールであり、血液脳関門(BBB)を通過することも報告されているクルクミンをリード化合物として類縁体を合成し、高い抗リパノソーマ活性を持つクルクミン類縁体。


(式中、R1〜10は、同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシ基、アジドアルコキシ基からなる群から選択されたもの、あるいは隣接する2つの置換基は一緒になって、アルキレンジオキシ基又はアルキレン基を形成している。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマラリア原虫、アフリカトリパノソーマ原虫、アメリカトリパノソーマ原虫、リーシュマニア原虫等の寄生虫によって発症する疾病の治療または予防効果を有するクルクミン類縁体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトアフリカトリパノソーマ症(アフリカ睡眠病)は感染ツェツェバエに咬まれることで感染する熱帯病である。該疾患は1980年代に再興し、今日では6000万人の患者がアフリカ中央部のサハラ砂漠以南(アンゴラ、コンゴ民主共和国、スーダン、中央アフリカ共和国)に集中して感染している。トリパノソーマは、ウシやブタなどの大型家畜への感染もあり、該地域における食糧難の原因となっている。ヒトアフリカトリパノソーマ症は、二段階の臨床ステージが存在し、血中やリンパ液中に原虫が観察される第1ステージから、原虫が血液脳関門を通過することで脳内に進入する第2ステージへと移行する。第2ステージは神経的症状がみられ、昏睡状態から死に至る。このような症状から、該疾患は睡眠病と言われている。ヒトアフリカトリパノソーマ症の対策としては、早期発見、早期治療、または治療後2年間のフォローアップや媒介となるツェツェバエのコントロールがあるがいずれも効果は低い。該疾患の病原菌となるトリパノソーマに対するワクチンは、存在せず、開発も近い将来は期待できない。
【0003】
アフリカトリパノソーマ症の治療薬は、非常に古いこと、毒性が高いこと、さらには耐性原虫の出現という問題点がある。該疾患の治療薬は各ステージにより使い分けなければならず、臨床の現場での負担が大きくなっている。第2ステージの治療薬として、メラソプロル(melarsoprol)、エフロールニチン(Eflornithine)、ニフルティモックス(Nifurtimox)の3種類がある。しかしながら、melarsoprolの投与よる副作用が非常に重篤であり、被投与患者のうちの5〜10%が脳に障害が起こす。そのうち半数は死亡する。
【0004】
クルクミンは多年生ハーブであるターメリック(Curcuma longa Linnaeus)の地茎に豊富に含まれる天然ポリフェノールである。調理スパイスや食品着色料として幅広く使用されており、インドの伝統医学では重要なハーブである。クルクミンには抗炎症作用、大腸がん、乳がん、前立腺がんなどの各種のがん細胞に対して増殖抑制活性を示す抗癌作用、抗感染作用があり、マウスモデルを用いた検討からクルクミンには大腸がんの前がん病変である腺腫の発生を抑制する発がん予防活性があることが知られている(特許文献1)。
【0005】
さらに抗原虫作用として、これまでにマラリア原虫、リーシュマニア原虫、トリパノソーマ原虫等での報告がなされている(特許文献2〜6)。さらにクルクミンが血液脳関門(BBB)を通過することも報告されている(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2007/000998パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Nose M et al. Trypanocidal effects of curcumin in vitro. 21(6), 643-645 (1998)
【非特許文献2】Reddy RC et al. Curcumin for malaria therapy 326(2), 472-474 (2005)
【非特許文献3】Delavaikodihalli N.N. et al. Curcumin-artemisinin combination therapy for malaria 50(5), 1859-1860 (2006)
【非特許文献4】Long C. et al. Cytotoxic effect of curcumin on malaria parasite Plasmodium falciparum: Inhibition of histone acetylation and generation of reactive oxygen species. 51(2), 488-494 (2007)
【非特許文献5】Koide T. et al. Leishmanicidal effect of curcumin in vitro 25(1), 131-133 (2002)
【非特許文献6】Yang F. et al. Curcumin inhibits formation of amyloid B oligomers and fibrils, binds plaques, and reduces amyloid in vivo. 280(7), 5892-5901(2005)
【非特許文献7】Johnson J.J. et al. Curcumin for chemoprevention of colon cancer 255(2), 170-181(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
トリパノソーマ、リーシュマニア、マラリア症などに対して治療効果や予防効果を有する上記の従来の薬剤は、副作用が問題となっており、さらに高価である。また、14日間程度もの点滴による投与が必要なため、実用的とはいえない。該疾患の患者が多数存在するアフリカなどの途上国において、点滴や注射器などの医療器具を必要とする投与方法は望ましい薬剤の形態ともいえない。このような状況において、前記のトリパノソーマ症などに対して優れた抗原虫作用を有する医薬品の開発が早急に求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、クルクミンをリード化合物として類縁体を合成し、さらに高い抗原虫活性を持つ化合物の探索を行った。その結果、高い抗リパノソーマ活性を持つクルクミン類縁体を見出した。
【0010】
その態様としては、クルクミン類縁体の塩、水和物及びその溶媒和物、化合物分子中に存在する官能基から誘導されるプロドラックが考えられる。製剤は各種経口剤、腸溶製剤などのDDS製剤、注射剤、吸入剤等が考えられる(特許文献1)。
【0011】
本発明は以下の通りである
項1
一般式(1):
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、R1〜10は、同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシ基、アジドアルコキシ基からなる群から選択されたもの、あるいは隣接する2つの置換基は一緒になって、アルキレンジオキシ基又はアルキレン基を形成している。)で表される化合物またはその塩を有効成分とすることを特徴とするトリパノソーマ属またはプラスモディウム属に属する原虫によって引き起こされる疾病に対する、治療薬または予防薬。
【0014】
項2
ビス(アリールメチリデン)アセトン化合物又はその塩が、(1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタジエン-3-オン(GO-Y012)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y013)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,3-ジメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y015)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2-クロロフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y017)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-プロモフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y018)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y019)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,3,4-トリメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y020)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y021)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y023)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y026)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ビスメトキシメトキシ)フェニルペンタジエン-3-オン(GO-Y030,BDMMMPP)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y031,BBMMPP)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ニトロフェニル)-ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y035)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジヒドロキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-YO38)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシ-4-メトキシエトキシメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y039)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,4-ビスメトキシメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y040)、(1E,4E)-1,5-ビス-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジメトキシフェニル]ペンタジエン-3-オン(GO-Y044)、(1E,4E)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y046)、(1E,4E)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-(4-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y047)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y048)、(1E,4E)-1-(4-メトキシフェニル)-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y049)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y050)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y051)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-[3-(1-エトキシエトキシ)-4-メトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y052)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-[4-(1-エトキシエトキシ)-3-メトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y053)、(1E,4E)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y055)、(1E,4E)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y056)、(1E,4E)-1-[3-(1-エトキシエトキシ)-4-メトキシフェニル]-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y057)、(1E,4E)-1-[4-(1-エトキシエトキシ)-3-メトキシフェニル]-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y058)、(1E,4E)-1-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y060)、(1E,4E)-1-(3,5-ビス-メトキシメトキシフェニル)-5-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y062)、(1E,4E)-1-(3,5-ジメトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)-5-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y063)、(1E,4E)-1,5-ビス-[4-(2-アジドエトキシ)-3,5-ジメトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y065)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y067)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,4-ビスメトキシメトキシ)フェニルペンタジエン-3-オン(GO-035)、(1E,4E)-1,5-ビス-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-949)、(1E,4E)-1,5-ジナフタレン-2-イルペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y011)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y022)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y033)及びその塩からなる群から選択されたものであることを特徴とする項1に記載の治療薬または予防薬。
【発明の効果】
【0015】
本発明はワクチンや、画期的な根治薬が存在しないトリパノソーマ症への治療または予防に有効である。さらに、プラスモディウム属やリーシュマニア属に属する原虫が引き起こす疾病への効果も期待される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例にて用いたクルクミン類縁体の構造式、化学式、分子量を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明におけるトリパノソーマ属は、ガンビアトリパノソーマ、ローデシアトリパノソーマなどのアフリカトリパノソーマ、アメリカトリパノソーマ(クルーズトリパノソーマ)、リーシュマニアからなる群より選ばれるトリパノソーマ属である。
【0018】
本発明におけるプラスモディウム属は、熱帯熱マラリア原虫、三日熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫および卵形マラリア原虫からなる群より選ばれるプラスモディウム属である。
【0019】
本発明における疾病は、トリパノソーマ属またはプラスモディウム属に属する原虫によって引き起こされる疾病であり具体的には、トリパノソーマ症として、催眠病、眠り病、アフリカトリパノソーマ病、シャーガス病(アメリカトリパノソーマ病)、またはリーシュマニア症として内臓リーシュマニア症または皮膚リーシュマニア症などがあげられる。ヒト以外の家畜に感染した際は、ナガナ病、媾疫、スーラ病などがあげられる。
【0020】
本発明における疾病のうちアフリカトリパノソーマ症は、第1ステージ、第2ステージと臨床的に2段階の症状に区別され、第1ステージは血中またはリンパ液などに前記原虫が観察されることで判断され、発熱、頚部リンパ節腫脹、脾腫、肝腫大、発疹、掻痒、浮腫がみられる。第2ステージは前記原虫が血液脳関門を通過して、感覚障害、精神障害、昏睡等の神経症状引き起こすことで判断される。
【0021】
本発明における治療薬または予防薬は、既に存在するトリパノソーマ属に属する原虫によって引き起こされる疾病に対する治療薬と併用することも可能である。該治療薬の具体的な例として、上記第1ステージの疾病に対して用いられるスラミン(Suramin)、またはペンタミジン(Pentamidine)等の治療薬があげられ、上記第2ステージの疾病に対して用いられるメラソプロル(Melarsoprol)、エフロールニチン(Eflornithine)などがあげられる。
【0022】
本発明における、「アルコキシ基」、「アルコキシアルコキシ基」、「アルコキシアルコキシアルコキシ基」及び「アジドアルコキシ基」中の「アルキル」部分、「アルケニル」部分あるいは「アルキニル」部分としては、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のものであってよい。
【0023】
本発明におけるアジドアルコキシ基は、アルコキシ基の末端にアジド基が結合したものをいい、具体的には-OCH2CH2N3、-OCH2CH2CH2N3、-OCH2CH2CH2CH2N3などが挙げられる。
【0024】
上記のアルキル部、上記のアルケニル部あるいは上記のアルキニル部は、好適には、アルキル基、アルケニル基またはアルキニル基、あるいはそれから誘導されるアルキレン鎖、アルケニレン鎖、又はアルキニレン鎖である。
【0025】
アルキル基としては、炭素数1〜4個の低級アルキル基及び炭素数4個以上のアルキル基が挙げられ、アルケニル基又はアルキニル基としては、炭素数2〜4個の低級アルケニル基又は低級アルキニル基及び炭素数4個以上のアルケニル基又はアルキニル基が挙げられ、その炭素鎖中に不飽和結合、例えば、二重結合や三重結合を混在しているものを含んでいてよく、C1-24アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニル、ヘキサデカニル、エイコサニルなど)、C2-24アルケニル(例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-2-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-1-プロペニルなど)、C2-6アルキニル(例えば、エチニル、プロパルギル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ヘキシニルなど)、C3-8シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、2-シクロペンテン-1-イル、シクロヘキシル、1,3-シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、スピロ[4.5]デカニルなど)が挙げられる。
【0026】
アルキル基としては、好ましくはC1-24の低級アルキル基であり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert-ブチルなどが挙げられる。アルキニル基としては、好ましくはC2-4の低級アルキニル基であり、例えばエチニル、プロパルギル、1-ブチニルなどが挙げられる。
【0027】
代表的な「アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピ-2-イニロキシ基などが挙げられ、好ましくは、メトキシ基などである。
【0028】
代表的な「アルコキシアルコキシ基」としては、例えば、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、1,2-ビスメトキシエトキシ基、プロピ-2-イニロキシメトキシ基などが挙げられ、好ましくは、メトキシメトキシ基などである。
【0029】
代表的な「アルコキシアルコキシアルコキシ基」としては、例えば、メトキシメトキシメトキシ基、メトキシメトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、エトキシメトキシメトキシ基、1,2-ビスメトキシエトキシメトキシ基などが挙げられ、好ましくは、メトキシメトキシメトキシ基などである。
【0030】
「アルキレンジオキシ基」は、当該アルキレン鎖上にアルキル基及び/又はアルコキシ基が置換しているものであってよく、そこでアルキル基及びアルコキシ基とは上記で説明したものの中から選択でき、その代表的な「アルキレンジオキシ基」としては、例えば、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、トリメチレンジオキシ基などが挙げられ、好ましくは、メチレンジオキシ基などである。代表的な「アルキレン基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられ、好ましくは、テトラメチレン基などである。
【0031】
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
【0032】
本発明の治療薬又は予防薬の有効成分となる化合物は、該化合物の塩のほか、該化合物の水和物及び溶媒和物、さらには、該化合物分子中に存在する官能基から誘導されたもののいかなるプロドラッグ体であってもよく、前記のプロドラッグ体とは、生体内で加水分解、酸化、還元、トランスエステル化などの代謝により一般式(1)で表される化合物などに変換しうるものが含まれ、例えばエステル、エーテル、アミド、アルコール、アミン誘導物をも包含する意味で使用されている。
【0033】
本発明の治療薬又は予防薬の有効成分となる化合物は、2つ以上の互変異性体として存在する場合もあるし、また1個ないし複数個の不斉炭素原子を有する場合もあり、これに基づく(R)体、(S)体等の光学異性体、ラセミ体、ジアステレオマー等が存在する。本発明は、これらの異性体の分離されたものあるいは混合物を全て包含する。前記の化合物は水和物、エタノール等の溶媒和物や結晶多形の物質として単離することができる。
【0034】
本発明の治療薬又は予防薬の有効成分となる化合物は、遊離の状態であっても塩の状態であってもよい。該塩としては、医学上もしくは薬学上からみて使用可能な無毒性ないし低毒性の無機酸および有機酸の塩が挙げられ、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。
である。更に好ましい化合物は、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,3-ジメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y015)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y023)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジヒドロキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y038)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y050)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-[3-(1-エトキシエトキシ)-4-メトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y052)、(1E,4E)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y056)、または(1E,4E)-1-[3-(1-エトキシエトキシ)-4-メトキシフェニル]-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y057)である。
【0035】
前記の本発明の治療薬又は予防薬の有効成分となる化合物の作成方法の例としては、特許文献1に記載の方法が挙げられる。
【0036】
本発明の治療薬又は予防薬の有効成分となる化合物は、疾患を有する患者あるいはその危険性を有する者に対して単独で、好ましくは薬剤学的に許容される添加物を加えた製剤の形で投与される。その投与経路としては、経口および注射のほか、吸入などの局所投与による経路が採用される。
【0037】
上記製剤においては、いずれの投与経路による場合も、公知の製剤添加物から選択された成分(以下「製剤成分」ということもある)を適宜使用することができる。具体的な公知の製剤添加物は、例えば、(1)医薬品添加物 ハンドブック、丸善(株)(1989)、(2)医薬品添加物事典、第1版、(株)薬事日報社(1994)、(3)医薬品添加物事典追補、第1版、(株)薬事日報社(1995)および(4)薬剤学、改訂第5版、(株)南江堂(1997)に収載されている成分の中から、投与経路および製剤用途に応じて適宜選択することができる。
【0038】
例えば、経口投与による場合、上記添加物としては、経口剤を構成できる製剤成分であって本発明の目的を達成し得るものならばどのようなものでも良いが、通常は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤など公知の製剤成分が選択される。具体的な経口剤としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤などが挙げられる。なお、当該経口剤には、公知の製剤成分を用いて、有効成分として含有する本発明化合物の体内での放出をコントロールした製剤(例:速放性製剤、徐放性製剤)も含まれる。
【0039】
上記経口剤には腸溶製剤も含まれ、むしろ腸溶製剤にした方が好ましい場合もある。このような腸溶製剤としては、後述するコーティング剤中のセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびメチルメタアクリレート−メタアクリル酸共重合体などの腸溶性のコーティング剤を使用した被覆製剤およびマトリックス製剤並びに該腸溶性コーティング剤を剤皮に含むカプセル製剤等が挙げられる。
【0040】
以下に上記経口剤で使用される具体的な製剤成分を挙げるが、これらに限定されない。
1)賦形剤の例:乳糖、デンプン(含トウモロコシデンプン)、結晶セルロース、微結晶セルロース、結晶セルロース・カロメロースナトリウム、デキストリン、白糖、ブドウ糖、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クロスポビドン、乾燥酵母、大豆油不けん化物。
2)結合剤の例:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、デンプン(含トウモロコシデンプン)、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、エチルセルロース(EC)、ブドウ糖および白糖。
3)崩壊剤の例:デンプン(含トウモロコシデンプン)、寒天、ゼラチン、CMC-Na、CMC-Ca、結晶セルロース、結晶セルロース・カロメロースナトリウム、低置換度HPC、クロスポビドン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム。
4)滑沢剤の例:ステアリン酸マグネシウム、水素添加植物油、タルク、マクロゴール、軽質無水ケイ酸。
5)コーティング剤の例:白糖、HPC、セラック、ゼラチン、グリセリン、ソルビトール、EC、HPC、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、PVP、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、メチルメタアクリレート−メタアクリル酸共重合体、酸化チタン。
【0041】
また注射による場合、上記添加物としては、水性注射剤もしくは非水性注射剤を構成できる製剤成分が使用され、通常は溶解剤、溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、保存剤などの公知の製剤成分が使用されるが、さらに投与時に溶解あるいは懸濁して使用するための粉末注射剤を構成する公知の製剤成分であっても良い。
【0042】
上記注射剤の具体的な溶解剤の例としては、注射用水、生理食塩水、リンゲル液、植物油(例:オリーブ油、ゴマ油、ダイズ油)、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、N,N-ジメチルアセタミド、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
【0043】
また上記注射剤の溶解補助剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、保存剤の具体的な製剤成分の例としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、エチレンジアミン、ベンジルアルコール、ポリソルベート80、カルメロースナトリウム、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール等が挙げられる。上記粉末注射剤を構成する具体的な製剤成分の例としては、グルコース、ソルビトール等が挙げられる。
【0044】
さらに、吸入などの局所投与による場合、上記添加物としては、溶解補助剤、安定剤、緩衝剤、懸濁化剤、乳化剤、保存剤等の公知の製剤成分が使用される。具体的な吸入剤の例としては、エアゾール剤が挙げられる。エアゾールの発生法としては、同一密封容器に医薬有効成分と代替フロン等の噴射剤を充填し、スプレーするタイプのものでも、また医薬有効成分と別の容器に充填した二酸化炭素や窒素等の圧縮ガスを用いたネブライザーやアトマイザーのタイプのものでもいずれの形態でもよい。
【0045】
上記エアゾール剤の噴射剤、溶解補助剤、安定剤、緩衝剤、懸濁化剤、乳化剤、保存剤等の具体的な製剤成分の例としては、塩素を含まないフッ化炭化水素類[例:1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)]、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80、グリセリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、α-トコフェロール、アスコルビン酸、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール等が挙げられる。
【0046】
このほか、上記ネブライザーやアトマイザーのタイプにするときは、製剤成分として注射用水、精製水等を使用することができる。また、吸入剤の場合、上記噴射剤を使用したスプレーおよびネブライザーやアトマイザーのタイプに加え、粉末形態とすることも可能である。当該粉末吸入剤は、例えば、既存の粉末吸入剤[例:インタール(登録商標)カプセルとその投与装置スピンヘラー(登録商標);クロモグリク酸ナトリウム投与用]と同様の形態をとることができる。
【0047】
本発明の治療薬又は予防薬は、上記吸入剤のほかにも軟膏剤、貼付剤、外用液剤、点眼剤、点鼻剤および坐剤等の剤形での局所投与も可能であり、これらの局所投与剤には前記の医薬品添加物ハンドブックおよび医薬品添加物事典などに収載されている製剤成分を適宜使用することができる。上記製剤成分を使用して所望の経口剤、注射剤または吸入剤を始めとする局所投与剤を得るためには、自体公知の製造法、例えば、第十五改正日本薬局方(日局XV)記載の製造法ないしこれに適当なモデフィケーションを加えた製造法を採用することができる。
【0048】
本発明の治療薬又は予防薬の投与対象は哺乳動物、特にヒトであり、その投与量は、本発明化合物の量に換算した場合、経口剤として使用する場合は、通常0.1〜1,000mg(/日)程度であり、好ましくは0.1〜500mg(/日)程度である。また、注射剤として使用する場合は、通常0.01〜200mg(/日)程度であり、好ましくは0,05〜100mg(/日)程度である。さらに、局所投与剤として使用する場合は、通常0.01〜200mg(/日)程度であり、好ましくは0.05〜100mg(/日)程度である。上記投与経路および投与量を具体的に決定する場面においては、患者の状態(一般的状態、病状、合併症の有無など)、年齢、性別、体重などを考慮してその経路および最適量が決められる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例に従いより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(クルクミン類縁体の作製)
実施例に用いたクルクミン類縁体である、GO-Y015、GO-Y023、GO-Y038、GO-Y050、GO-Y052、GO-Y056、およびGO-Y057は特許文献1の記載に基づいて作製した。各化合物の分子式、構造式、計算分子量、及び質量分析による分子量を、図1に示す。また、対照実験としてトリパノソーマ症の第1ステージに対して効果を有するスラミン(Suramin;商品名ゲルマニン(バイエル社、登録商標))および第2ステージに対して効果を有するエフロールニチン(Eflornithine;商品名オルニジル(アベンティスファーマ、登録商標))を比較実験例として用いた。
【0050】
(in vitroにおける、抗トリパノソーマ活性)
トリパノソーマ原虫で、ナガナ病の起因原虫(Trypanosoma brucei brucei)のGUTat 3.1株を用い、in vitro薬剤感受性試験を行った。培地として10%非働化牛胎児血清及び種々の補給剤添加したIMDM培地を用い、培養条件は5% CO2、95% air中、37℃下で該実験を行った。すなわち、前培養した原虫浮遊液を原虫数2.0〜2.5×104 個/mLに調整し、96ウェル培養プレートにそれぞれ95 μLずつ分注し、上記クルクミン、クルクミン類縁体化合物、スラミン、およびエフロールニチン溶液を各ウェルにそれぞれ5 μLを添加して72時間培養した。その後、各ウェルにAlamar Blue試薬を10 μLを添加して混和して3〜6時間培養した後に、蛍光マイクロプレートリーダーにて励起波長528 nm(半値幅20 nm)、蛍光波長590 nm(半値幅35nm)での蛍光強度を測定することにより、原虫の増殖の有無を比色定量した。原虫の増殖阻害活性(IC50)は、化合物濃度作用曲線より算出した。
【0051】
一方でヒト胎児肺由来正常線維芽細胞MRC-5を用い細胞毒性(増殖阻害濃度;IC50)を評価した。表1に示すとおり、トリパノソーマ原虫とMRC-5細胞の間でのIC50値の比から算出した選択毒性(Selective Index; SI)から、細胞に安全でトリパノソーマ原虫に対する阻害効果の高い化合物を得た。また各クルクミン類縁体化合物は、クルクミンよりも高い選択毒性値を有することが明らかとなった。
【0052】
トリパノソーマ原虫のIC50値は現存の治療薬である、suramin(臨床第1ステージに対する治療薬)およびeflornithine(臨床第2ステージに対する治療薬)よりも低く有効であるといえる。選択毒性はいずれも10以上であり、国際機関であるDNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative)の示す基準を満たしていた。この基準値はWHOによる基準に準拠したものである。
【0053】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の予防薬又は治療薬は、トリパノソーマ症を含む各種熱帯病への治療又は予防に用いられる。また本発明の予防薬又は治療薬は、有効成分がクルクミンの類縁体又はその塩であることから経口摂取により効果がみられる。更に脳への移行性が高い。従って、現存のトリパノソーマ症などの薬剤が注射剤として提供されることが多いのに対して、本発明のトリパノソーマ症を含む各種熱帯病への治療又は予防剤は、より簡便な吸引投与法や経口投与法などによって提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】


(式中、R1〜10は、同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アルコキシアルコキシアルコキシ基、アジドアルコキシ基からなる群から選択されたもの、あるいは隣接する2つの置換基は一緒になって、アルキレンジオキシ基又はアルキレン基を形成している。)で表される化合物またはその塩を有効成分とすることを特徴とするトリパノソーマ属またはプラスモディウム属に属する原虫によって引き起こされる疾病に対する、治療薬または予防薬。
【請求項2】
ビス(アリールメチリデン)アセトン化合物又はその塩が、(1E,4E)-1,5-ジフェニルペンタジエン-3-オン(GO-Y012)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y013)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,3-ジメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y015)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2-クロロフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y017)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-プロモフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y018)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y019)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,3,4-トリメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y020)、(1E,4E)-1,5-ビス-(2,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y021)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y023)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y026)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ビスメトキシメトキシ)フェニルペンタジエン-3-オン(GO-Y030,BDMMMPP)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y031,BBMMPP)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ニトロフェニル)-ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y035)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジヒドロキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-YO38)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシ-4-メトキシエトキシメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y039)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,4-ビスメトキシメトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y040)、(1E,4E)-1,5-ビス-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-3,5-ジメトキシフェニル]ペンタジエン-3-オン(GO-Y044)、(1E,4E)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y046)、(1E,4E)-1-(3,4-ジメトキシフェニル)-5-(4-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y047)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y048)、(1E,4E)-1-(4-メトキシフェニル)-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y049)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y050)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y051)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-[3-(1-エトキシエトキシ)-4-メトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y052)、(1E,4E)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-1-[4-(1-エトキシエトキシ)-3-メトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y053)、(1E,4E)-1-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y055)、(1E,4E)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y056)、(1E,4E)-1-[3-(1-エトキシエトキシ)-4-メトキシフェニル]-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y057)、(1E,4E)-1-[4-(1-エトキシエトキシ)-3-メトキシフェニル]-5-(3-メトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y058)、(1E,4E)-1-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)-5-(3,4,5-トリメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y060)、(1E,4E)-1-(3,5-ビス-メトキシメトキシフェニル)-5-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y062)、(1E,4E)-1-(3,5-ジメトキシ-4-メトキシメトキシフェニル)-5-(3,5-ジメトキシ-4-プロピ-2-イニロキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y063)、(1E,4E)-1,5-ビス-[4-(2-アジドエトキシ)-3,5-ジメトキシフェニル]ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y065)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,5-ジメトキシメトキシフェニル)ペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y067)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3,4-ビスメトキシメトキシ)フェニルペンタジエン-3-オン(GO-035)、(1E,4E)-1,5-ビス-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-949)、(1E,4E)-1,5-ジナフタレン-2-イルペンタ-1,4-ジエン-3-オン(GO-Y011)、(1E,4E)-1,5-ビス-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y022)、(1E,4E)-1,5-ビス-(3-ブロモ-5-メトキシフェニル)ペンタジエン-3-オン(GO-Y033)及びその塩からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の治療薬または予防薬。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2010−248119(P2010−248119A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98878(P2009−98878)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(507186687)株式会社セラバリューズ (13)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】