説明

密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置

【課題】検査精度を向上させ、検査時間を短縮することのできる密封容器の密封検査装置、及び、その密封検査方法の提供を目的とする。
【解決手段】密封検査装置1は、容器本体11の挿入される開口部20を有し、フランジ部111の載置される密封容器用シール部材21が設けられ、密封容器10を支持する支持部材2と、チャンバ32を形成する形状を有し、密閉部材用シール部材22を介して、支持部材2を覆う密閉部材3と、加圧手段4と、加圧されたチャンバ32の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力が降下する変化に応じて、密封容器10の漏洩の有無を判定する漏洩判定手段6とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置に関し、特に、飲料や食品等を容器本体に充填し、容器本体のフランジ部に蓋部材を接合した密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料や食品等の充填された密封容器は、密封状態が損なわれると、内容物が漏洩するとともに、内容物が変質したり腐敗したりする場合がある。したがって、密封性に不具合のある密封容器は、不良品として検査により確実に排除する必要がある。このため、様々な密封検査方法などが開発されてきた。
【0003】
たとえば、特許文献1には、チャンバ内にパッケージを入れてチャンバ内の空気を設定圧まで急速に吸引した後、チャンバ内の空気の脈動がなくなり安定するまでに要する安定時間の経過後の時点からチャンバ内の真空圧に変動を来たした場合、リークのその測定時間に対する測定値がその判定基準値の限界内にあるか否かを対比することによって、パッケージのリークを検出しその良否を判定し且つ表示させるようにしたパッケージのリーク測定方法の技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、被検体の外部を加圧あるいは減圧することにより被検体内部との間に圧力差を生ぜしめ、密封不良にもとづく被検体外部の圧力変化を検出することにより密封容器の漏洩を検査する密封容器の漏洩検査方法の技術が開示されている。
この技術は、シリンダ内でピストンを一定量移動させることにより被検体外部の加圧あるいは減圧を行ない、この状態を一定時間保持した後にピストンを元の位置に戻し、ピストンが元の位置に戻ったときの被検体外部の圧力を測定して漏洩を判別する。
【0005】
また、特許文献3には、容器及び蓋の双方が変形し易い材料で形成され、容器に商品を充填し、容器の開口部を蓋によって密封した構造の被検査容器の洩れの有無を検出する洩れ検査装置の技術が開示されている。
この技術は、被検査容器の容器部と蓋との間のシール部分に、容器部の外周面及び蓋の外面に与えられる圧力より高い圧力を与える圧力印加カプセルと、この圧力印加カプセルによって上記シール部分に圧力を与えた状態で上記被検査容器の蓋または容器部が膨張変形することを検出するセンサと、を設けてある。
【0006】
ところで、近年、コーヒー専門店のコーヒー飲料などが、コンビニエンスストアなどで販売されている。これらのコーヒー飲料は、通常、樹脂製のカップ(上部にフランジ部の形成されたカップ)に充填されており、フランジ部には、シート状の蓋部材が、接着や溶着などによって接合されている。このような密封容器(適宜、密封カップと略称する。)は、コーヒー缶やペットボトルなどと比べると、容器本体の機械的強度が低いといった特徴を有している。また、上記密封容器において、漏洩を生じる場合、蓋部材のピンホールや、容器本体のフランジ部と蓋部材との接合不良などが原因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平1−253628号公報
【特許文献2】特公平7−113592号公報
【特許文献3】特開平7−286933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、微少な漏洩(たとえば、蓋部材のピンホールの直径が小径である場合)を検出できない、あるいは、検出しようとすると、検査時間を長くする必要があった。特に、密封容器が上記の密封カップである場合には、減圧し過ぎると、密封カップ自体が変形してしまうため、微少な漏洩を検出できない、あるいは、検出しようとすると、検査時間を長くする必要があるといった傾向が顕著であった。
すなわち、特許文献1の技術は、検査精度を向上させたり、検査時間を短縮するといった要望に応えることができなかった。
【0009】
また、上記特許文献2の技術は、鍔部にOリングを当接させシールする構成としてあるが、たとえば、密封容器が密封カップである場合には、適用することができない技術であった。
【0010】
さらに、上記特許文献3の技術は、二つ又は三つのシール部材を用いて、蓋と容器部のシール部の漏れを検出する技術ではあるものの、たとえば、蓋のピンホールを検出できない点において、密封容器が密封カップである場合には、適用することができない技術であった。
【0011】
本発明は、以上のような要望に応えるために提案されたものであり、検査精度を向上させ、検査時間を短縮することのできる密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の密封容器の密封検査方法は、フランジ部が形成された容器本体、及び、前記フランジ部に接合される蓋部材を有する密封容器の密封検査方法において、少なくとも前記蓋部材を囲うチャンバに加圧気体を供給して該チャンバ内を加圧状態に保持し、加圧された前記チャンバ内の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力の降下に基づいて前記密封容器の漏洩の有無を判定する方法としてある。
【0013】
また、本発明の密封容器の密封検査方法は、フランジ部が形成された容器本体、及び、前記フランジ部に接合される蓋部材を有する密封容器の密封検査方法において、前記容器本体の胴部と底部を囲う下チャンバを第一圧力まで減圧して該下チャンバ内を減圧状態に保持し、少なくとも前記蓋部材を囲う上チャンバを、前記第一圧力より高い第二圧力まで減圧して該上チャンバ内を減圧状態に保持し、減圧された前記上チャンバ内の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力上昇に基づいて、前記密封容器の漏洩の有無を判定する方法としてある。
【0014】
また、本発明の密封容器の密封検査装置は、フランジ部が形成された容器本体、及び、前記フランジ部に接合される蓋部材を有する密封容器の密封検査装置において、前記容器本体の胴部が挿入される開口部を有し、前記密封容器を支持する支持部材と、前記蓋部材の上方にチャンバを形成する形状を有し、前記支持部材を覆う密閉部材と、前記チャンバに加圧気体を供給し、該チャンバ内を加圧した状態に保持する加圧手段と、加圧された前記チャンバ内の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力の降下に基づいて、前記密封容器の漏洩の有無を判定する漏洩判定手段とを備え、前記支持部材が前記容器本体の上部と接触する密封容器用シール部材を有し、前記支持部材と前記密閉部材とが、密閉部材用シール部材を介してシールされる構成としてある。
【0015】
さらに、本発明の密封容器の密封検査装置は、フランジ部の形成された容器本体、及び、前記フランジ部に接合される蓋部材を有する密封容器の密封検査装置において、前記容器本体の底部と胴部を囲う有底筒状部を有し、前記密封容器を支持する支持容器と、前記蓋部材の上方に上チャンバを形成する形状を有し、前記支持容器を覆う密閉部材と、前記底部と胴部を囲う下チャンバを第一圧力まで減圧し、該下チャンバ内を減圧した状態に保持する第一減圧手段と、前記上チャンバを、前記第一圧力より高い第二圧力まで減圧し、該上チャンバ内を減圧した状態に保持する第二減圧手段と、減圧された前記上チャンバ内の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力上昇に基づいて、前記密封容器の漏洩の有無を判定する漏洩判定手段とを備え、前記支持容器が、前記有底筒状部の上部の周縁に、前記容器本体の上部と接触する密封容器用シール部材を有し、前記支持容器と前記密閉部材とが、密閉部材用シール部材を介してシールされる構成としてある。
【0016】
なお、本発明は、上述したように、加圧方式或いは減圧方式の密封検査方法及び密封検査装置である。そして、これらの発明は、密封容器の胴部の高さ方向の中央付近と比較して機械的強度に優れた前記容器本体の上部であるフランジ部及び胴部の上部の少なくとも一つを、漏洩判定に用いられるチャンバ内の圧力(加圧や減圧)を利用して、密封容器用シール部材にてシールするといった、特別な技術的特徴を有していることにより、単一の一般的発明概念を形成するように関連している技術的関係を有している。
【発明の効果】
【0017】
本発明の密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置によれば、検査精度を向上させ、検査時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第一実施形態にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略断面図を示している。
【図2】図2は、本発明の第一実施形態の第一変更例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略拡大断面図を示している。
【図3】図3は、本発明の第一実施形態の第二変更例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略拡大断面図を示している。
【図4】図4は、本発明の第一応用例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略拡大断面図を示している。
【図5】図5は、本発明の第二応用例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略拡大断面図を示している。
【図6】図6は、本発明の第二実施形態にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略断面図を示している。
【図7】図7は、本発明の第三応用例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[密封容器の密封検査方法及びその検査装置の第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略断面図を示している。
図1において、本実施形態の密封容器の密封検査装置1(適宜、密封検査装置1と略称する。)は、支持部材2、密閉部材3、加圧手段4、及び、漏洩判定手段6などを備えた構成としてあり、密封容器10を加圧方式により密封検査する。
【0020】
(密封容器)
本実施形態の密封容器10は、上述した密封カップとしてあり、ほぼ同一平面上にフランジ部111が形成された樹脂製の容器本体11、及び、フランジ部111に接合されるシート状の蓋部材12を有する構成としてある。また、容器本体11は、フランジ部111、胴部112及び底部113を有している。なお、フランジ部111の半径方向の長さは、密封する為に必要な接着力や溶着力の確保と無駄な材料の使用量削減の目的から、通常、約2mm〜10mmである。
この密封容器10は、コーヒー飲料などの内容物13が充填されており、容器本体11の上部に、気体からなるヘッドスペース14を有している。
【0021】
また、容器本体11は樹脂製としてあるので、通常、胴部112の高さ方向の中央付近は、容易に手で握りつぶすことができる程度の機械的強度を有している。ただし、フランジ部111と胴部112の上部1121とは、断面形状がほぼ直角に折れ曲がった形状となり、互いにリブのように機能する。これにより、容器本体11の上部のフランジ部111と胴部112の上部1121は、胴部112の高さ方向の中央付近より機械的強度が向上している。
ここで、容器本体11の上部は、フランジ部111と胴部112の上部1121である。また、胴部112の上部1121とは、胴部112の上端から下方に距離L(ここで、距離Lは、フランジ部111の半径方向の長さである。)の位置までの部分である(図1参照)。
なお、密封検査装置1が対応できる密封容器10は、コーヒー飲料用の密封カップに限定されるものではなく、たとえば、プリンやゼリーなどを充填する密封容器でもよい。また、密封検査装置1が対応できる密封容器10は、水平断面が円形に限定されるものではなく、角形やオーバル形等といった様々な形状であってもよい。
【0022】
(支持部材)
支持部材2は、ほぼ平板状の金属板であり、中央に容器本体11の胴部112が挿入される円形の開口部20を有している。また、支持部材2は、開口部20の周縁に(すなわち、開口部20の周縁であって、支持部材2の上面に)、フランジ部111と接触する密封容器用シール部材21が設けられており、フランジ部111が密封容器用シール部材21を押圧する状態で、フランジ部111を介して密封容器10を支持する。また、密封容器用シール部材21は、Oリングとしてあり、Oリング用の溝に収納されている。
さらに、支持部材2は、上記のOリング用の溝の外側に、もう一つのOリング用の溝が形成されており、後述する密閉部材用シール部材22としてのOリングが収納されている。
【0023】
ここで、支持部材2は、平板状に限定されるものではなく、容器本体11を保護する筒状のカバー部23(二点鎖線で示してある。)を有してもよい。このようにすると、容器本体11を外部からの接触等から効果的に保護することができる。
なお、密封容器用シール部材21や密閉部材用シール部材22としてOリングを使用しているが、これに限定されるものではなく、良品を検査する際にチャンバ32が検査可能な圧力状態を維持できるものであればよく、たとえば、パッキンなどを使用してもよい。また、溝に収納されることに限定されるものではなく、支持部材2に固定されていればよい。
【0024】
また、密封容器用シール部材21と密閉部材用シール部材22がそれぞれ独立しているものに限定されるものではなく、たとえば、図2に示すように、密封容器用シール部材21と密閉部材用シール部材22を一体化した共用シール部材210を用いてもよい。この共用シール部材210は、フランジ部111及び密閉部材3と接触する。また、図示してないが、共用シール部材210が、上部1121、フランジ部111及び密閉部材3と接触する構成としてもよい。
さらに、密封容器用シール部材21は容器本体11の上部のフランジ部111の下面と接触する構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、図3に示すように、密封容器用シール部材21がフランジ部111の外周方向の端部と接触する構成としてもよい。
また、支持部材2に密閉部材用シール部材22を取り付ける構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、密閉部材3に密閉部材用シール部材22を取り付ける構成としてもよい。
【0025】
(密閉部材)
密閉部材3は、支持部材2の外形に対応する形状の金属板としてあり、蓋部材12の上方にチャンバ32を形成する形状(本実施形態では、凹部31)を有している。また、密閉部材3は、密閉部材用シール部材22と対応する外周縁部の下面が平坦であり、密閉部材用シール部材22を介して、支持部材2を覆う構成としてある。
なお、本実施形態では、支持部材2をほぼ平板状とし、密閉部材3に凹部31を形成してあるが、この構造に限定されるものではない。たとえば、図示してないが、密封容器用シール部材21と密閉部材用シール部材22との間に、密封容器用シール部材21を下方に位置させる段付き部を形成し、密閉部材3をほぼ平板状としてもよい。
【0026】
また、図示してないが、支持部材2及び/又は密閉部材3には、密封容器10をセットしたり取り外すために、支持部材2及び/又は密閉部材3を移動(昇降や回動)させる移動手段などが取り付けられている。すなわち、密封検査装置1は、支持部材2と密閉部材3とが離れた状態で、密封容器10が支持部材2に支持され、次に、密閉部材3が、密閉部材用シール部材22を介して支持部材2を覆い、続いて、後述する密封検査後に、支持部材2と密閉部材3とが離れ、密封容器10が支持部材2から取り外される。
さらに、製造ライン(図示せず)に組み込まれる密封検査装置1は、通常、複数の支持部材2及び密閉部材3がターレット(図示せず)に配設されている。
【0027】
(加圧手段)
加圧手段4は、チャンバ32に加圧気体を供給し、チャンバ32の内部を加圧した状態に保持する手段である。本実施形態の加圧手段4は、コンプレッサー等による加圧されたエアの供給手段及び開閉弁5などを有しており、開閉弁5を介して、コンプレッサー等による加圧されたエアをチャンバ32に供給する。
なお、加圧手段4は、上記の構成に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、上述した特許文献2に記載されているシリンダ方式の加圧手段でもよい。
【0028】
(漏洩判定手段)
漏洩判定手段6は、圧力センサ、及び、プログラマブルロジックコントローラなどの情報処理装置等を有しており、加圧されたチャンバ32の内部の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力が降下する変化に応じて、密封容器10の漏洩の有無を判定する。
すなわち、密封検査装置1は、チャンバ32に加圧気体が供給され、一定圧に達したところで開閉弁5を閉じてチャンバ32を密閉し、チャンバ32の内部の圧力が安定したときの圧力を基準圧力とし、所定の時間が経過した後の圧力を測定し、基準圧力との圧力差(圧力降下)により、漏洩の有無を判定する。
【0029】
次に、上記構成の密封検査装置1の動作及び本実施形態の密封容器の密封検査方法(適宜、密封検査方法と略称する。)について説明する。
本実施形態の密封検査方法は、密封検査装置1を用いて、密封容器10の密封検査を行う方法としてある。
密封検査装置1は、まず、たとえば、密閉部材3が上昇しており、密封容器10が支持部材2にセットされ、次に、密閉部材3が降下する。これにより、密封検査装置1は、密封容器10のフランジ部111が密封容器用シール部材21と接触し、密閉部材3が密閉部材用シール部材22を介して支持部材2を覆う状態となる。
【0030】
次に、密封検査装置1は、加圧手段4が、少なくとも蓋部材12を囲うチャンバ32に加圧気体を供給し、チャンバ32の内部を加圧した状態に保持する。この際、支持部材2と密閉部材3は、密閉部材用シール部材22によってシールされており、また、蓋部材12がチャンバ32の加圧気体により押下されると、フランジ部111と支持部材2は、密封容器用シール部材21によってシールされる。
【0031】
次に、密封検査装置1は、漏洩判定手段6が、加圧されたチャンバ32の内部の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力が降下する変化に応じて、密封容器10の漏洩(すなわち、蓋部材12のピンホールや、容器本体11のフランジ部111と蓋部材12との接合不良など)の有無を判定する。
すなわち、密封検査装置1は、機械的強度に優れたフランジ部111を支持し、蓋部材12の上方にチャンバ32を形成し、チャンバ32の内部を加圧した状態に保持して、漏洩の有無を判定する。
【0032】
ここで、密封容器10の全体を加圧して漏洩を検査する場合、印加する圧力は、たとえば、通常20kPa程度であり、これ以上高い圧力を印加すると、容器本体11が変形してしまい、検査精度が低下する。
これに対し、密封検査装置1は、機械的強度に優れたフランジ部111を支持するので、フランジ部111や蓋部材12に高い圧力(たとえば、40kPa)を印加することができ、検査精度を向上させることができる。たとえば、従来技術(密封容器を加圧容器や減圧容器に入れて、圧力変化を検出する技術)では検出できなかった微小なピンホールを検出することができる。
さらに、密封容器10の全体を加圧する場合と比べると、チャンバ32の容積を小さくできるため、検査精度を向上させることができ、また、検査時間を短縮することができる。
【0033】
また、密封検査装置1は、強度が弱い容器本体11を有する密封容器にも適用できる。すなわち、密封検査装置1は、ほぼ同一面にあるフランジ部111を有すれば、容器本体11の胴部112の機械的強度を問わず幅広い種類の密封容器に適用できる点で付加価値を向上させることができる。
さらに、密封検査装置1は、チャンバ32の加圧気体により、フランジ部111をシールする構成としてあるので、装置としての構造を単純化することができ、設備費のコストダウンを図ることができる。
【0034】
また、本実施形態の密封容器10は、ヘッドスペース14を有する構成としてあるが、密封検査装置1は、密封容器10がヘッドスペース14を全く有していない場合であっても、蓋部材12のピンホールや、容器本体11のフランジ部111と蓋部材12との接合不良などの有無を判定することができる。すなわち、ピンホールなどがあると、容器本体11が変形することにより、チャンバ32の加圧気体が密封容器10の内部に侵入し、チャンバ32の圧力降下が発生する。密封検査装置1は、この圧力降下を検出し、密封容器10がヘッドスペース14を全く有していない場合であっても、漏洩の有無を判定することができる。
【0035】
また、密封検査装置1は、加圧方式としてあるので、減圧方式のような容器本体11に充填密封された内容物が漏洩経路に浸入するといった不具合を回避することができ、また、減圧方式のような蓋部材12の接合部が後退するといった不具合を回避することができる。
さらに、レトルト工程を経た直後に検査するといった場合等において、密封容器10に水滴が付着いていることもある。かかる場合であっても、減圧方式のように密封容器10に付着した水滴の気化により、正確な圧力を得ることができず、検査精度が低下するといった不具合を回避することができる。
【0036】
次に、密封検査装置1は、大気開放弁(図示せず)が開き、チャンバ32の加圧気体を開放した後、密閉部材3が上昇し、密封容器10が支持部材2から取り外される。
なお、良品と判定された密封容器10は、後工程に搬送され、また、不良品と判定された密封容器10は、回収手段(図示せず)により、工程外に回収される。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の密封検査方法及び密封検査装置1によれば、機械的強度に優れたフランジ部111を、加圧気体による圧力を利用して、密封容器用シール部材21にてシールすることによって、密封容器10の胴部112を加圧することなく、チャンバ32の内部を加圧することができる。
したがって、密封容器10の胴部112の変形の影響を受けないので、精度よく漏洩を判定できる。
また、高い圧力で密封検査が可能となるので、検査精度の向上、及び、検査時間の短縮を図ることができる。
【0038】
<密封容器の密封検査方法及びその検査装置の第一応用例>
図4は、本発明の第一応用例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略拡大断面図を示している。
図4において、本応用例の密封検査装置(番号を付与せず。)は、上述した密封検査装置1と比べると、支持部材2が、開口部20の周縁に、容器本体の上部である胴部112の上部1121と接触する密封容器用シール部材21を有している点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、密封検査装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図4において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0039】
(支持部材)
本応用例の支持部材2は、開口部20の周縁に(すなわち、開口部20の周縁であって、支持部材2の内側の側面に)、容器本体11の上部である胴部112の上部1121と接触する密封容器用シール部材21が設けられている。加圧手段4がチャンバ32に加圧気体を供給すると、上部1121は、密封容器用シール部材21を外側方向に押圧するように、密封容器用シール部材21と接触し、上部1121と支持部材2は、密封容器用シール部材21によってシールされる。
ここで、上述したように、胴部112の上部1121は、胴部112の高さ方向の中央付近より機械的強度が向上しているので、上部1121と支持部材2は、密封容器用シール部材21によって好適にシールされる。
【0040】
なお、図4において、シールの状態を理解しやすいように、フランジ部111を支持部材2の上面から離して図示してあるが、加圧手段4がチャンバ32に加圧気体を供給すると、通常、フランジ部111が支持部材2の上面と当接し、支持部材2は、フランジ部111を介して密封容器10を支持する。
また、その他の構成や動作などは、上述した第一実施形態の密封容器の密封検査方法及び密封検査装置1とほぼ同様としてある。
【0041】
このように、本応用例の密封検査方法及び密封検査装置によれば、機械的強度に優れた胴部112の上部1121を、加圧気体による圧力を利用して、密封容器用シール部材21にてシールすることによって、密封容器10の胴部112(すなわち、上部1121より下方の部分)を加圧することなく、チャンバ32の内部を加圧することができる。
したがって、密封容器10の胴部112(すなわち、上部1121より下方の部分)の変形の影響を受けないので、精度よく漏洩を判定できる。
また、高い圧力で密封検査が可能となるので、検査精度の向上、及び、検査時間の短縮を図ることができる。
【0042】
<密封容器の密封検査方法及びその検査装置の第二応用例>
図5は、本発明の第二応用例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略拡大断面図を示している。
図5において、本応用例の密封検査装置(番号を付与せず。)は、上述した第一応用例の密封検査装置と比べると、密封容器用シール部材21が、容器本体11の上部である胴部112の上部1121に成形された段差1122と接触する点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、第一応用例の密封検査装置とほぼ同様としてある。
したがって、図5において、図4と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0043】
まず、本応用例の密封容器(番号を付与せず。)は、上述した密封容器10と比べると、胴部112の上部1121に段差1122(この段差は、スタックとも呼ばれる。)が成形されている点が相違する。また、この密封容器は、段差1122が成形されることにより、段差1122及び段差1122の近傍が、胴部112の高さ方向の中央付近より機械的強度が向上している。
なお、他の構成は、密封容器10とほぼ同様としてある。
【0044】
(支持部材)
本応用例の支持部材2は、開口部20の周縁に(すなわち、開口部20の周縁であって、支持部材2の内側の側面に)、胴部112の上部1121に成形された段差1122と接触する密封容器用シール部材21が設けられている。加圧手段4がチャンバ32に加圧気体を供給すると、段差1122の外周方向の端部は、密封容器用シール部材21を下方向、外側方向又は外側斜め下方向に押圧するように、密封容器用シール部材21と接触し、段差1122と支持部材2は、密封容器用シール部材21によってシールされる。
ここで、上述したように、段差1122は、胴部112の高さ方向の中央付近より機械的強度が向上しているので、段差1122と支持部材2は、密封容器用シール部材21によって好適にシールされる。
【0045】
なお、図5において、シールの状態を理解しやすいように、フランジ部111を支持部材2の上面から離して図示してあるが、加圧手段4がチャンバ32に加圧気体を供給すると、通常、フランジ部111が支持部材2の上面と当接し、支持部材2は、フランジ部111を介して密封容器10を支持する。
また、本応用例では、密封容器用シール部材21が段差1122と接触する構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、段差1122の近傍(すなわち、段差1122の上方又は下方に数mm離れた部分)と接触する構成としてもよい。
また、その他の構成や動作などは、上述した第一応用例の密封容器の密封検査方法及び密封検査装置1とほぼ同様としてある。
【0046】
このように、本応用例の密封検査方法及び密封検査装置によれば、機械的強度に優れた容器本体11の上部の段差1122を、加圧気体による圧力を利用して、密封容器用シール部材21にてシールすることによって、密封容器10の胴部112(すなわち、段差1122より下方の部分)を加圧することなく、チャンバ32の内部を加圧することができる。
したがって、密封容器10の胴部112(すなわち、段差1122より下方の部分)の変形の影響を受けないので、精度よく漏洩を判定できる。
また、高い圧力で密封検査が可能となるので、検査精度の向上、及び、検査時間の短縮を図ることができる。
なお、上記の変更例や応用例は、加圧方式の場合に限定されるものではなく、後述する減圧方式の場合にも適用することができる。
【0047】
[密封容器の密封検査方法及びその検査装置の第二実施形態]
図6は、本発明の第二実施形態にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略断面図を示している。
図6において、本実施形態の密封検査装置1aは、支持容器2a、密閉部材3、第一減圧手段41、第二減圧手段42、漏洩判定手段6、及び、胴部漏洩判定手段61などを備えた構成としてあり、密封容器10を減圧方式により密封検査する。
なお、図6において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0048】
(支持容器)
支持容器2aは、金属製の有底筒状部及びフランジ部(有底筒状部の上部に突設された環状の周縁部)を有し、有底筒状部に容器本体11の胴部112と底部113が囲われている。また、支持容器2aは、有底筒状部の上部の周縁に(すなわち、フランジ部の上面に)、容器本体11の上部のフランジ部111と接触する密封容器用シール部材21が設けられており、フランジ部111が密封容器用シール部材21を押圧する状態で、フランジ部111を介して密封容器10を支持する。また、密封容器用シール部材21は、Oリングとしてあり、Oリング用の溝に収納されている。
さらに、支持容器2aは、上記のOリング用の溝の外側に、もう一つのOリング用の溝が形成されており、後述する密閉部材用シール部材22としてのOリングが収納されている。
【0049】
(密閉部材)
密閉部材3は、第一実施形態とほぼ同様な構造としてある。ただし、蓋部材12の上方に形成されるチャンバは、上チャンバ32aと呼ばれる。
また、第一実施形態とほぼ同様に、支持容器2a及び/又は密閉部材3には、密封容器10をセットしたり取り外すために、支持部材2及び/又は密閉部材3を移動(昇降や回動)させる移動手段などが取り付けられている。
【0050】
(第一減圧手段)
第一減圧手段41は、真空発生装置及び開閉弁51などを有しており、開閉弁51を介して、支持容器2aと容器本体11との間に形成された下チャンバ24を第一圧力まで減圧し、下チャンバ24の内部を減圧した状態に保持する。また、下チャンバ24は、容器本体11の胴部112と底部113を囲っている。
【0051】
(第二減圧手段)
第二減圧手段42は、真空発生装置及び開閉弁5などを有しており、開閉弁5を介して、上チャンバ32aを、上記の第一圧力より高い第二圧力まで減圧し、上チャンバ32aの内部を減圧した状態に保持する。
なお、第一減圧手段41や第二減圧手段42は、上記の構成に限定されるものではなく、たとえば、図示してないが、上述した特許文献2に記載されているようなシリンダ方式を利用した減圧手段でもよい。
【0052】
(漏洩判定手段)
漏洩判定手段6は、圧力センサ、及び、プログラマブルロジックコントローラなどの情報処理装置等を有しており、減圧された上チャンバ32aの内部の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力の上昇する変化に応じて、密封容器10の漏洩の有無を判定する。
すなわち、密封検査装置1aは、上チャンバ32aが第二圧力まで減圧され、第二圧力に達したところで開閉弁5を閉じて上チャンバ32aを密閉し、上チャンバ32aの内部の圧力が安定したときの圧力を基準圧力とし、所定の時間が経過した後の圧力を測定し、基準圧力との圧力差(圧力上昇)により、漏洩の有無を判定する。
【0053】
(胴部漏洩判定手段)
また、本実施形態の密封検査装置1aは、胴部漏洩判定手段61を備えている。
胴部漏洩判定手段61は、圧力センサ、及び、プログラマブルロジックコントローラなどの情報処理装置等を有しており、減圧された下チャンバ24の内部の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力の上昇する変化に応じて、密封容器10の胴部(底部を含む)112の漏洩の有無を判定する。
なお、本実施形態では、胴部漏洩判定手段61を設けているが、これに限定されるものではなく、たとえば、密封容器10の胴部112の漏洩の有無を判定しない場合には、胴部漏洩判定手段61の代わりに、圧力センサだけを設けてもよい。
【0054】
次に、上記構成の密封検査装置1aの動作及び本実施形態の密封容器の密封検査方法について説明する。
本実施形態の密封検査方法は、密封検査装置1aを用いて、密封容器10の密封検査を行う方法としてある。
密封検査装置1aは、まず、たとえば、密閉部材3が上昇しており、密封容器10が支持容器2aにセットされ、次に、密閉部材3が降下する。これにより、密封検査装置1aは、容器本体11の上部のフランジ部111が密封容器用シール部材21と接触し、密閉部材3が密閉部材用シール部材22を介して支持部材2を覆う状態となる。
【0055】
次に、密封検査装置1aは、第一減圧手段41が下チャンバ24を第一圧力まで減圧し、下チャンバ24の内部を減圧した状態に保持し、続いて、第二減圧手段42が、少なくとも蓋部材12を囲う上チャンバ32aを上記の第一圧力より高い第二圧力まで減圧し、上チャンバ32aの内部を減圧した状態に保持する。この際、支持容器2aと密閉部材3は、密閉部材用シール部材22によってシールされており、また、蓋部材12が第二圧力と第一圧力との差圧により押下されるので、フランジ部111と支持容器2aは、密封容器用シール部材21によってシールされる。
【0056】
次に、密封検査装置1aは、漏洩判定手段6が、減圧された上チャンバ32aの内部の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力が上昇する変化に応じて、密封容器10の漏洩(すなわち、蓋部材12のピンホールや、容器本体11のフランジ部111と蓋部材12との接合不良など)の有無を判定する。
すなわち、密封検査装置1aは、機械的強度に優れたフランジ部111を支持し、蓋部材12の上方に上チャンバ32aを形成し、上チャンバ32aの内部を減圧した状態に保持して、漏洩の有無を判定する。
【0057】
ここで、密封検査装置1aは、密封容器用シール部材21によって仕切られた上チャンバ32aと下チャンバ24を有しており、上述したように、上チャンバ32aの内部の圧力を検出することにより、密封容器10の漏洩の有無を判定する。このようにすると、密封検査装置1aは、容器本体11の胴部112の水滴付着などによる影響を受けないので、蓋部材12のピンホール不良や、蓋部材12とフランジ部111とのシールの不良だけを精度よく検知できる。
さらに、密封容器10を一つのチャンバ(減圧容器)に収め、全体的に減圧する場合と比べると、上チャンバ32aの容積を小さくできるため、検査精度を向上させることができ、また、検査時間を短縮することができる。
【0058】
また、密封検査装置1aは、胴部漏洩判定手段61が、減圧された下チャンバ24の内部の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力が上昇する変化に応じて、密封容器10の胴部漏洩(すなわち、容器本体11の胴部(底部を含む)112のピンホールなど)の有無を判定する。これにより、密封検査装置1aは、付加価値を向上させることができる。
さらに、密封検査装置1aは、第二圧力と第一圧力との差圧により、フランジ部111をシールする構成としてあるので、装置としての構造を単純化することができ、設備費のコストダウンを図ることができる。
なお、本実施形態の密封容器10は、ヘッドスペース14を有している必要がある。
【0059】
次に、密封検査装置1aは、支持容器2a及び密閉部材3にそれぞれ設けられた大気開放弁(図示せず)が開き、減圧状態を解除した後、密閉部材3が上昇し、密封容器10が支持部材2から取り外される。
なお、良品と判定された密封容器10は、後工程に搬送され、また、不良品と判定された密封容器10は、回収手段(図示せず)により、工程外に回収される。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の密封検査方法及び密封検査装置1aによれば、機械的強度に優れたフランジ部111を、第二圧力と第一圧力との差圧を利用して、密封容器用シール部材21にてシールすることによって、下チャンバ24と仕切られた上チャンバ32aを減圧することができる。
したがって、容器本体11の胴部112の水滴付着などによる影響を受けないので、精度よく漏洩を判定できる。
また、上チャンバ32aの容積を小さくできるため、検査精度を向上させることができ、また、検査時間を短縮することができる。
【0061】
<密封容器の密封検査方法及びその検査装置の第三応用例>
図7は、本発明の第三応用例にかかる密封容器の密封検査装置の要部の概略断面図を示している。
図7において、本応用例の密封検査装置1bは、上述した密封検査装置1aと比べると、第一減圧手段41及び第二減圧手段42の代わりに、共用化された減圧手段40を備えた点などが相違する。なお、本応用例の他の構成は、密封検査装置1aとほぼ同様としてある。
したがって、図7において、図6と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0062】
(減圧手段)
減圧手段40は、真空発生装置、第一開閉弁52及び第二開閉弁53などを有している。第一開閉弁52と第二開閉弁53の一方の接続口は、分岐管などを介して減圧手段40と並列に接続されており、また、第一開閉弁52の他方の接続口は、チューブなどを介して下チャンバ24と連通し、第二開閉弁53の他方の接続口は、チューブなどを介して上チャンバ32aと連通している。
第一開閉弁52は、減圧手段40により下チャンバ24が第一圧力まで減圧されると閉じて、下チャンバ24の内部を第一圧力まで減圧した状態に保持する。また、第二開閉弁53は、減圧手段40により上チャンバ32aが第二圧力まで減圧されると閉じて、上チャンバ32aの内部を第二圧力まで減圧した状態に保持する。
また、その他の構成や動作などは、上述した第二実施形態の密封容器の密封検査方法及び密封検査装置1aとほぼ同様としてある。
【0063】
このように、本応用例の密封容器の密封検査方法及び密封検査装置1bは、第二実施形態の密封検査方法及び密封検査装置1aとほぼ同様の効果を奏するとともに、第一減圧手段41及び第二減圧手段42の代わりに、共用化された減圧手段40を備えることにより、部品点数を削減でき、製造原価のコストダウンを図ることができる。
【0064】
以上、本発明の密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置について、好ましい実施形態などを示して説明したが、本発明に係る密封容器の密封検査方法、及び、その検査装置は、上述した実施形態などにのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、図示してないが、上述した実施形態の密封検査方法及び密封検査装置は、チャンバを加圧したり減圧すると、蓋部材が凹状や凸状に湾曲するので、漏洩判定手段の代わりに、蓋部材の湾曲量を検出する変位計を使用して、漏洩の有無を判定する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1、1a、1b 密封検査装置
2 支持部材
2a 支持容器
3 密閉部材
4 加圧手段
5 開閉弁
6 漏洩判定手段
10 密封容器
11 容器本体
12 蓋部材
13 内容物
14 ヘッドスペース
20 開口部
21 密封容器用シール部材
22 密閉部材用シール部材
23 カバー部
24 下チャンバ
31 凹部
32 チャンバ
32a 上チャンバ
40 減圧手段
41 第一減圧手段
42 第二減圧手段
51 開閉弁
52 第一開閉弁
53 第二開閉弁
61 胴部漏洩判定手段
111 フランジ部
112 胴部
113 底部
210 共用シール部材
1121 上部
1122 段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部が形成された容器本体、及び、前記フランジ部に接合される蓋部材を有する密封容器の密封検査方法において、
前記容器本体の胴部を加圧することなく、前記蓋部材を囲うチャンバに加圧気体を供給して該チャンバ内を加圧状態に保持し、加圧された前記チャンバ内の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力の降下に基づいて前記密封容器の漏洩の有無を判定することを特徴とする密封容器の密封検査方法。
【請求項2】
フランジ部が形成された容器本体、及び、前記フランジ部に接合される蓋部材を有する密封容器の密封検査装置において、
前記容器本体の胴部が挿入される開口部を有し、前記密封容器を支持する支持部材と、
前記蓋部材の上方にチャンバを形成する形状を有し、前記支持部材を覆う密閉部材と、
前記チャンバに加圧気体を供給し、該チャンバ内を加圧した状態に保持する加圧手段と、
加圧された前記チャンバ内の圧力を検出し、所定の時間が経過した後の圧力の降下に基づいて、前記密封容器の漏洩の有無を判定する漏洩判定手段と
を備え、
前記支持部材が前記容器本体の上部と接触する密封容器用シール部材を有し、前記支持部材と前記密閉部材とが、密閉部材用シール部材を介してシールされることを特徴とする密封容器の密封検査装置。
【請求項3】
前記支持部材が、前記容器本体を保護する筒状部を有することを特徴とする請求項2に記載の密封容器の密封検査装置。
【請求項4】
前記容器本体の上部が、フランジ部及び前記胴部の上部であることを特徴とする請求項2又は3に記載の密封容器の密封検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−42489(P2012−42489A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−265268(P2011−265268)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2010−181079(P2010−181079)の分割
【原出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】