密度が制限されたフレックス回路を使用した高密度電気相互接続
【課題】2つ以上のフレキシブル回路および圧電素子アレイの使用を含む、インク・ジェット・プリント・ヘッドのための方法および構造体の提供。
【解決手段】第1のパッドアレイが第1のフレックス回路上に含まれてプリントヘッドの圧電素子30のアレイの第1の部分に給電し、第2のパッドアレイが第2のフレックス回路上に含まれてプリントヘッドの圧電素子30のアレイの第2の部分に給電する。2つのフレックス回路を使用することによって、各フレックス回路上には半分の配線しか形成される必要がなく、それによって、間隔要件および設計トレランスを緩和することができる。
【解決手段】第1のパッドアレイが第1のフレックス回路上に含まれてプリントヘッドの圧電素子30のアレイの第1の部分に給電し、第2のパッドアレイが第2のフレックス回路上に含まれてプリントヘッドの圧電素子30のアレイの第2の部分に給電する。2つのフレックス回路を使用することによって、各フレックス回路上には半分の配線しか形成される必要がなく、それによって、間隔要件および設計トレランスを緩和することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、インク・ジェット・プリント装置の分野に関し、より詳細には、高密ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドと、高密ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドおよび高密ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドを有するプリンタを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ドロップ・オン・デマンド・インク・ジェット技術は、印刷産業において広く用いられている。ドロップ・オン・デマンド・インク・ジェット技術を用いるプリンタは、サーマル・インク・ジェット技術、またはピエゾ技術の何れかを用いる可能性がある。ピエゾ・インク・ジェットは、サーマル・インク・ジェットよりも製造費用が高いにも関わらず、一般的に、より広範なインクを使用できかつコゲーションによる問題点を減じる、またはなくすことができるという理由で好まれる。
【0003】
ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドは、典型的には、軟質のダイヤフラムと、ダイヤフラムへ付着される圧電素子(トランスデューサ)のアレイとを含む。圧電素子へ電圧が、典型的には電圧源へ電気接続される電極との電気接続を介して印加されると、圧電素子は曲がり、または偏向してダイヤフラムを屈曲させ、これにより、チャンバから一定量のインクがノズルを介して放出される。この屈曲はさらに、主インクリザーバから開口を介してチャンバへインクを引き込み、放出されたインクが置換される。
【0004】
ピエゾ・インク・ジェット技術を採用するインク・ジェット・プリンタの印刷解像度を上げることは、設計エンジニアの目標である。解像度を上げるための1つの方法が、圧電素子の密度を上げることである。
【0005】
プリントヘッドの解像度及び密度が増大するにつれて、電気相互接続の提供に利用可能な面積は低減する。インク供給構造体等の他の機能をヘッド内にルーティングすることは、この低減されるスペースを巡って競合し、かつ使用される材料のタイプを制限する。例えば、600ドット/インチ(DPI)のプリントヘッドと共に使用するための現行の技術は、各配線がフレックス回路のパッドアレイ(すなわち、電極アレイ)のパッド(すなわち電極)に電気接続されている、フレックス回路上の並列電気配線を含むことが可能である。並列配線は、38マイクロメートル(μm)のピッチ、16μmの配線幅を有することが可能であり、各配線間に22μmのスペースが残っている。プリントヘッド密度が増大するにつれて、現行のフレックス回路設計の実践においては、より厳密な許容範囲およびより小さいフィーチャサイズを有する配線およびパッドの形成が必要とされることになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本教示の一実施形態は、インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法であって、第1のフレキシブル回路(フレックス回路)の複数のパッドを圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合することと、第2のフレックス回路の複数のパッドを圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合することとを含み、第1の複数の圧電素子は第2の複数の圧電素子と異なり、第1の複数の圧電素子および第2の複数の圧電素子の各圧電素子は第1の複数のパッドおよび第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能である、方法を含むことが可能である。
【0007】
本教示の別の実施形態は、インク・ジェット・プリント・ヘッドであって、圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合される第1のフレックス回路の複数のパッドと、圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合される第2のフレックス回路の複数のパッドとを含み、第1の複数の圧電素子は第2の複数の圧電素子と異なり、第1の複数の圧電素子および第2の複数の圧電素子の各圧電素子は第1の複数のパッドおよび第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能であるように構成される、インク・ジェット・プリント・ヘッドを含むことが可能である。
【0008】
本教示の別の実施形態では、プリンタは、インク・ジェット・プリント・ヘッドであって、圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合される第1のフレックス回路の複数のパッドと、圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合される第2のフレックス回路の複数のパッドとを含む、インク・ジェット・プリント・ヘッドを含むことが可能である。第1の複数の圧電素子は第2の複数の圧電素子と異なる。第1の複数の圧電素子および第2の複数の圧電素子の各圧電素子は、第1の複数のパッドおよび第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能であるように構成される。プリンタは、第1のフレックス回路および第2のフレックス回路に物理的に付着されるマニホールドと、マニホールドの表面によって形成されるインクリザーバとをさらに含むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、圧電素子アレイに付着されているフレックス回路の透過斜視図である。
【図2】図2は、本教示の一実施形態による、製造過程のデバイスの中間圧電素子を示す斜視図である。
【図3】図3は、本教示の一実施形態による、製造過程のデバイスの中間圧電素子を示す斜視図である。
【図4】図4は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図5】図5は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図6】図6は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図7】図7は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図8】図8は、圧電素子アレイおよび一対のドライバ基板に付着されるフレックス回路を描いた断面図である。
【図9】図9は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図10】図10は、図9のジェットスタックを含むプリントヘッドを示す断面図である。
【図11】図11は、本教示の一実施形態によるプリントヘッドを含む印刷デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これらの図面が示す詳細の中には、厳密な構造上の精度、ディテールおよび縮尺を保持するというよりは発明的実施形態の理解を容易にするために単純化されて描かれたものがあり得る点に留意されたい。
【0011】
本明細書において使用される場合、「プリンタ」という用語は、任意の目的で印刷出力機能を実行する、デジタルコピー機、製本機械、ファックス機、多機能機械、他等の任意の装置を含む。「ポリマー」という用語は、熱硬化性ポリイミド、熱プラスチック、樹脂、ポリカーボネート、エポキシおよび技術上既知である関連化合物を含む、長鎖分子から形成される広範な炭素ベース化合物のうちの任意のものを含む。
【0012】
圧電素子に電気接続するプリント・ヘッド・フレックス回路の設計は、フレックス回路パッドアレイの隣接するパッド間で複数の配線をルーティングする。フレックス回路パッドアレイの各パッドは固有の圧電素子に電気的に結合される。現行のフレックス回路設計および製造技法を使用するとき、プリントヘッド密度が増大すると、各圧電素子が個別にアドレス指定可能であるように、パッドアレイの各パッドが固有の配線に付着されなければならないため、配線の数を増やす必要があることになる。フレックス回路上のパッドの密度が増大することになるため、より多くの数の配線が隣接するパッド間でルーティングされなければならない。プリントヘッド密度を二倍にするためには、各パッド間の配線の数を二倍にする必要があることになり、一方で隣接するパッド間の間隔は狭くなることになる。
【0013】
プリント・ヘッド・フレックス回路の一実施例10が図1の概略斜視図に描かれている。フレックス回路10は、複数のパッド12と、各パッド12間でルーティングされている複数の配線14とを有するパッドアレイを含む。図1の例では、8本の配線14が隣接するパッド12の各対間でルーティングされている。配線14は各パッド12に電気的に結合されている。図1は、フレックス回路10の下にある複数の圧電素子16をさらに描いており、各パッド12が導体(個別に描かれてはいない)を使用して圧電素子16に電気的に結合されている。圧電素子16はフレックス回路10の下になっていて見えないようになっていることを理解されたい。各パッド12に特有の個々の配線14に電圧を印加することによって、各圧電素子16はパッドアレイのパッド12を通じて個別にアドレス指定されることができる。加えて、メッキ配線が各パッド12に結合されてフレックス回路の端を出てルーティングされ、フレックス回路の金属フィーチャの金属メッキが可能となる。
【0014】
上述の600DPIのプリントヘッドの実施例では、並列配線14は38μmのピッチおよび16μmの配線幅を有することが可能であり、各配線間に22μmのスペースが残る。圧電素子の密度が増大するにつれて、パッドアレイの密度も増大することになり、配線の数も同様である。従って、隣接するパッド12間の利用可能なスペースがより狭くなる中で、隣接するパッド12の各対の間により多くの配線12が形成される必要があることになる。ある実施形態では、配線のピッチは20μmまで低減され得、これは現行のフレックス回路製造能力の大幅な向上を必要とするであろう。
【0015】
本教示の一実施形態は、現行のフレックス回路製造技法を使用してより高いプリントヘッド圧電素子密度を提供するために使用されることが可能である。本教示は、2つ以上の異なるフレックス回路の使用を含むことができ、フレックス回路の各々が圧電素子アレイの異なる部分に付着される。複数のフレックス回路を使用することは、単一のフレックス回路を使用するデバイスに対する再加工も単純化することができ、それによって廃棄および再加工のコストが低減される。例えば、第1のフレックス回路が圧電素子に付着されることができ、その後、第2のフレックス回路を付着および試験する前に、圧電素子に対する電気接続が電気的に試験されることができる。必要である場合、第1のフレックス回路の圧電素子に対する1つまたは複数の電気接続が再加工されることができるか、または第2のフレックス回路を付着および試験する前に、第1のフレックス回路が置換されることができる。任意の数の別個のフレックス回路が、圧電素子のアレイに対する電気的接触を提供することができる。
【0016】
本教示の一実施形態は、ジェットスタック、プリントヘッドおよび前記プリントヘッドを含むプリンタの形成を含むことができる。図2の斜視図では、圧電素子層20は接着材24によって転写キャリア22へ分離可能式に接着されている。圧電素子層20は、内部誘電体として機能するための例えばジルコン酸チタン酸鉛層を約25μm〜約150μm厚で含むことができる。圧電素子層20は、誘電PZTの各側面に導電層を設けるために、両側を例えば無電解メッキ処理を用いてニッケルでメッキされることが可能である。ニッケルメッキされたPZTは、本質的には、内部PZT材料にわたって電位差を発生させる平行板キャパシタとして機能する。キャリア22は、金属シート、プラスチックシートまたは別の転写キャリアを含むことが可能である。圧電素子層20を転写キャリア22へ付着する接着層24は、ダイシングテープ、熱プラスチックまたは別の接着材を含むことが可能である。別の実施形態では、転写キャリア22は、別個の接着層24が不要であるように、粘着性熱プラスチック層等の物質であってよい。
【0017】
図2の構造体の形成後、図3に描かれているように、圧電素子層10はダイシングされ、複数の個々の圧電素子30が形成される。図3は4x3アレイの圧電素子を描いているが、より大きいアレイが形成される可能性もあることを理解されたい。例えば、1200DPIのプリントヘッドは約24×約150素子または他のサイズである圧電素子のアレイを有することが可能である。ダイシングは、ウェーハダイシングソー等のソーのような機械技術を用いて、ドライ・エッチング・プロセスを用いて、レーザ・アブレーション・プロセス、他を用いて実行されてもよい。隣接する各圧電素子30の完全な分離を保証するために、ダイシングプロセスは、接着材24の一部を除去して転写キャリア22上で停止した後に、または接着材24を通過してキャリア22内の途中までダイシングした後に終了することができる。この実施形態では、1200DPIの圧電素子アレイを想定して、隣接する圧電素子間の間隔は約100μm以下であることができ、圧電素子のピッチは約500μm以下であってもよく、圧電素子は約400μm〜約700μmのピッチを有してもよい。
【0018】
個々の圧電素子30を形成した後、図3のアセンブリは、図4の断面図に描かれているように、ジェット・スタック・サブアセンブリ40へ付着されることが可能である。図4の断面図は、図3の構造体のディテールをより良く示すために拡大されたものであり、1つの部分的な圧電素子30及び2つの完全な圧電素子30の断面を描いている。ジェット・スタック・サブアセンブリ40は、任意の数のジェットスタック設計において既知の技術を使用して製造されることが可能であり、単純化するためにブロック形態で描かれている。ある実施形態では、図3の構造体は、接着材42を用いてジェット・スタック・サブアセンブリ40へ付着されることが可能である。例えば、測定された一定量の接着材42が圧電素子30の上面上、ジェット・スタック・サブアセンブリ40の上面上、または双方のいずれかへ分配される、スクリーン印刷される、ローラで延ばされる、等々が可能である。ある実施形態では、ジェット・スタック・サブアセンブリ40の表面上へ、各圧電素子30毎に一滴の接着材42を置くことができる。接着材を付した後、ジェット・スタック・サブアセンブリ40および圧電素子30は互いに位置合わせされ、次いで圧電素子30が接着材42でジェット・スタック・サブアセンブリ40へ機械的に接続される。接着材42は、その接着材が図4の構造体をもたらすことに適する技術によって硬化される。
【0019】
続いて、図4の構造体から転写キャリア22および接着材24が除去され、図5の構造体がもたらされる。
【0020】
次に、各圧電素子30に電気的に接触するために、例えば、スクリーン印刷、化学気相成長、液滴(微小液滴)分配、他によって、図6に描かれているように、露出した各圧電素子30上の各開口内に導体60が形成されることが可能である。
【0021】
次に、図7の概略断面に描かれているように、第1のフレックス回路70および第2のフレックス回路72が図6の構造体に付着される。第1のフレックス回路70は、接着材74を使用して圧電素子アレイ30に物理的に付着されることが可能である。第2のフレックス回路72は、第2のフレックス回路72の一部が第1のフレックス回路70の上面上に配置されるように、接着材(単純化するために個別に描かれてはいない)を使用して第1のフレックス回路70および圧電素子アレイに物理的に付着されることが可能である。この実施形態では、第1のフレックス回路70の少なくとも一部が第2のフレックス回路72と圧電素子アレイ30との間に入るように、第2のフレックス回路72の一部が第1のフレックス回路70の少なくとも一部の上に重なっている。フレックス回路が、単純化するために個別に描かれてはいない1つまたは複数の導電層および1つまたは複数の誘電体層を含むことができることは理解されよう。第1のフレックス回路70のパッドのアレイ(すなわち、バンプ電極)76は、導体60を使用して圧電素子30のアレイの第1の部分に電気接続される。図7は、圧電素子のアレイの第1の部分の単一の圧電素子30Aを描いているが、第1のフレックス回路70は、圧電素子アレイの第1半部の圧電素子の各々と電気接続されることが可能であることを理解されたい。第1のフレックス回路は、複数の配線78を含むことも可能であり、それによって、圧電素子アレイの第1半部の各圧電素子30は、各配線78に印加される電圧によって第1のフレックス回路70を通じて個別にアドレス指定される。第2のフレックス回路72のパッドまたはバンプ電極80のアレイは、導体60を使用して圧電素子30のアレイの第2の部分に電気接続される。図7は、圧電素子のアレイの第2の部分の2つの圧電素子30B、30Cを描いているが、第2のフレックス回路72は、圧電素子アレイの第2半部と電気接続されることが可能であることは理解されよう。第2のフレックス回路は、複数の配線82を含むことも可能であり、それによって、圧電素子アレイの第2半部の各圧電素子30は、各配線82に印加される電圧によって第2のフレックス回路72を通じて個別にアドレス指定される。
【0022】
隣接する圧電素子間の間隔が約50μm〜約150μmであるこの実施形態では、隣接するパッド76、80間の間隔内にルーティングされる、各フレックス回路70、72上の配線78、82は約14μm〜25μmの幅、および約24μm〜約50μmのピッチを有することが可能である。パッドおよび配線が単一のフレックス回路上に形成されたとすると、隣接するパッド間に二倍の数の配線が形成されなければならなくなるため、配線幅は約7μm〜12μmでなければならなくなり、配線ピッチは14μm〜24μmでなければならなくなるであろう。
【0023】
フレックス回路の重なりを可能にする機構は、第2のフレックス回路72が、第1のフレックス回路の端にかかるとともに垂直段差84に適合することが可能であることである。圧電素子および/またはフレックス回路の配列行のピッチを500μm程度に維持するために、第2のフレックス回路72は、図7に描かれているように、圧電素子アレイの上に重なる、第1のフレックス回路70の端にわたる垂直段差84を形成することが可能であるべきである。ある実施形態では、その上に導電性フレックス回路配線材料が形成される、第1のフレックス回路の誘電体シート(個別に描かれてはいない)は約38μm厚であることができ、これに金属、およびカバーレイ/はんだマスクが加わって、100μm程度の垂直段差84全体がもたらされるが、典型的には幾分それよりも小さい。フレックス回路70、72はエンボス加工によって形成されることが可能である。ポストおよびダイを使用してフレックス回路をエンボス加工すると、100μmのバンプが達成されて、100μm程度の段差距離または1:1のアスペクト比を有するパッド76、80が形成されることが可能である。これらのバンプが配線金属化において直接作成されると、フレックス回路の幅にわたる階段上の外観が同様の信頼性をもって同様に形成されることができる。
【0024】
図8は、フレックス回路70、72の電気路を描いた概略断面図である。図8は、第1のフレックス回路70の第1半部70Aおよび第2のフレックス回路72の第1半部72Aが第1のドライバ基板86に付着された後の図7の構造体を描いたものである。加えて、第1のフレックス回路70の第2半部70Bおよび第2のフレックス回路72の第2半部72Bが第2のドライバ基板88に付着されることが可能である。この事例では、フレックス回路部分70A、70B、72A、および72Bは、互いに電気的に絶縁される4つの別個のフレックス回路であることが可能である。任意の数の積層フレックス回路が使用されることが可能である。単純化するために、図8の構造体の中のプリント・ヘッド・フレックス回路領域の背後の一定容積の流体路は描かれていない。
【0025】
一実施形態では、フレックス回路70、72は、単一の導電層によって提供される複数のパッド76、80と、複数の配線78、82とを含むことが可能である。単一の導電層は、平坦な層として形成され、その後打ち抜きまたは型抜きされて、整形されたパッドを形成するためにプレスを使用して成形されることが可能である。描かれている実施形態では、各配線78、82は導電性パッド76、80のうちの一方に電気的に結合され、各導電性パッド76、80は、導体60を使用して圧電電極30の1つに電気的に結合される。
【0026】
次に、デバイスの設計に応じて追加の処理を実行することができる。追加の処理は例えば、導電性、誘電体、パターン化、または連続であることができ、図9に描かれているもののような層90によって共に概略的に表されている1つまたは複数の追加の層の形成を含んでもよい。
【0027】
次に、ジェット・スタック・サブアセンブリ30の設計に応じて、ジェットスタックを完成させるためにさまざまな処理工程が実行されることができる。例えば、1つまたは複数のインクポート開口92が図9に描かれているもののような層90を貫通して形成されることができる。さらに、デバイスの設計に応じて、インクポート開口92は、その開口92が電気的な開状態または他の望ましくない効果をもたらさない限り、フレックス回路70、72の一部を貫通して形成されることができる。インクポート開口92が描かれている場所に形成される場合、開口92はジェット・スタック・サブアセンブリを貫通して、例えば、ジェットスタックダイヤフラムを貫通して延在することができる。別の実施形態では、フレックス回路70、72および/または圧電アレイ20が存在していない、描かれていない場所に1つまたは複数のインクポート開口が形成されてもよい。一実施形態では、図9に描かれているように、有孔プレート94が接着材(単純化するために個別に描かれてはいない)を用いてジェット・スタック・サブアセンブリ40に付着されることができる。有孔プレート94は、印刷中にインクが通って放出されるノズル96を含むことができる。有孔プレート94が付着されると、ジェットスタック98は完成する。ジェットスタック98は、単純化するために図示または説明されていない他の層および処理要件を含んでもよい。
【0028】
次に、マニホールド100がジェットスタック98の上面に接着されることができ、これはマニホールド100を第1のフレックス回路70および第2のフレックス回路72に物理的に付着させる。マニホールドの付着は、接着材等の流体密封シール式接続部102を使用することを含むことができ、結果的に図10に描かれているようなインク・ジェット・プリント・ヘッド104が生じる。インク・ジェット・プリント・ヘッド104は、マニホールド100の表面及びジェットスタック98の上面によって形成される、一定量のインクを貯蔵するためのインクリザーバ106を含むことができる。リザーバ106からのインクはポートを通じて、例えば、ジェットスタック98内の1つまたは複数のポート92を通じて送達されることが可能であり、インクポートは一部には、フレックス回路70、72の一方または双方、接着材74、およびジェット・スタック・サブアセンブリ40を貫通する連続した開口によって提供されることが可能である。例えば上述の例のような、インクポートのための他の構成が企図される。図10が簡易図であることは、理解されるであろう。実際のプリントヘッドは、図10には描かれていない、例えば左右への追加的構造体である様々な構造体及び差異を含んでもよいが、これらは、説明を単純にするために描画を省かれている。図10は単一のポート92を描いているが、ジェットスタックは複数のポートを含んでもよい。
【0029】
使用に際して、プリントヘッド104のマニホールド100内のリザーバ106は、一定量のインクを含む。プリントヘッドの最初のプライミングは、インクをリザーバ106からポート92を介してジェットスタック98内へと流れ込ませるために使用されることが可能である。バンプ電極76、80、導体60、および圧電電極30に伝達される、各配線78、82に加えられる電圧112に応答して、各PZT圧電素子30はそれに応じて適切な時点において曲がるかまたは偏向する。圧電素子30の偏向はダイヤフラム(単純化するために個別には描かれていない)を屈曲させ、これによりジェットスタック98内に圧力パルスが生じ、インクの一滴がノズル96から放出される。
【0030】
これにより、上述の方法及び構造体は、インク・ジェット・プリンタのためのジェットスタック98を形成する。一実施形態では、ジェットスタック98は、図11に描かれているようなインク・ジェット・プリント・ヘッド120の一部として使用されてもよい。
【0031】
図11は、本教示の一実施形態による、1つまたは複数のプリントヘッド104および1つまたは複数のノズル96から噴出されるインク122を含むプリンタ120を描いたものである。各プリントヘッド104は、用紙、プラスチック、他のような印刷媒体124上へ所望される画像を生成するために、デジタル命令に従って動作するように構成される。各プリントヘッド104は、スワス毎に印刷画像を生成するために、走査動作において印刷媒体124に対して前後に移動することができる。代替的には、プリントヘッド104が固定して保持されかつ印刷媒体124がそれと相対的に移動されて、単一の通過でプリントヘッド104と同じ幅の画像が生成されてもよい。プリントヘッド104は、印刷媒体124より狭い、またはこれと同幅であることが可能である。別の実施形態では、プリントヘッドは、印刷媒体への後続の転写のために回転ドラムまたはベルトのような中間表面に印刷することができる。
【0032】
このように、上述の実施形態は、プリンタに使用されることが可能なインク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックを提供することができる。ジェットスタックを形成するための方法、および完成したジェットスタックは2つ以上のフレックス回路を有することができ、1つのフレックス回路が別のフレックス回路の上面上に積層されることが可能である。各フレックス回路は、プリントヘッド圧電素子アレイからの、すべてではないいくつかの圧電素子と電気接続されることが可能である。各フレックス回路は、圧電素子アレイの異なる部分と電気的に結合されることが可能である。
【0033】
圧電素子アレイの異なる複数の部分と電気的に結合される2つ以上のフレックス回路を含み、2つ以上のフレックス回路が互いの上面上に積層されず、並んで配置される実施形態が企図されることを理解されたい。圧電素子アレイの異なる複数の部分に電気的に結合される2つの異なるフレックス回路を参照して本教示が説明されているが、3つ以上のフレックス回路が組み込まれることができ、各フレックス回路が圧電素子アレイの3つ以上の異なる部分と電気的に結合される。
【0034】
各フレックス回路が圧電素子アレイの異なる部分に電気的に結合される、2つ以上のフレックス回路を使用して、別個の各フレックス回路上で必要とされる配線の数を低減することが可能である。従って、圧電素子アレイ密度が増大するにつれて、すべての配線が単一のフレックス回路上に形成された場合よりも、パッドアレイの隣接するパッド間に形成される必要がある配線の数が少なくなることになる。
【0035】
さらに、フレックス回路製造技術が向上し、より密度の高いフレックス回路を達成するためにより密なスペース内に配線が形成されることが可能であるため、2つ以上のフレックス回路に置き換わる新規の単一のフレックス回路における設計はプリントヘッドの再設計を必要としなくなることを理解されたい。複数のフレックス回路が単一のフレックス回路に置き換わることによって、単一のより密度の高いフレックス回路の組み入れのみが必要になると期待される。組み入れは、より密度の高いフレックス回路を使用するコストが、複数のフレックス回路よりも低くなる点まで減少するような、または、より密度の高いフレックス回路を使用することによって、製造、性能、もしくは収率の向上が有利になるような交差点において生じる可能性がある。
【0036】
従って、複数の(2つ以上の)フレックス回路を使用することによって、より密度の高いマルチポイント電気相互接続を形成する低コストの方法が提供される。この方法は、バンプパッドを有するフレキシブルプリント回路を使用することと、回路をそれらのそれぞれのアクチュエータと位置合わせすることと、非導電性接着材を用いて回路を固定することとを含む。市販のフレキシブル回路の解像度および密度は限られているため、必要とされる密度およびルーティングを達成するために複数のフレックス回路が重なり合いずれる可能性がある。一実施形態では、複数のフレックス回路が屋根板と同様の構成において使用されることが可能である。利点は、現行のフレックス回路製造技法を用いて高密度ヘッドを設計することができることを含み、供給業者の指針がより密度の高い回路を達成することができる場合には、単純な組み入れが促進されることが可能である。さらに、システムを管理可能・試験可能なサブユニットに分解することによって、予備検査された構成要素をもたらすことがよりコスト効率的になることが可能である。
【0037】
この例示的な方法は、一連の行動またはイベントとして示されかつ記述されているが、本発明がこのような行動またはイベントの例示された順序に限定されないことに留意されたい。例えば、幾つかの行動は、本教示に従って、本明細書に例示されかつ/または記述されている順序とは異なる順序で、かつ/または他の行動またはイベントと同時に発生する場合もある。さらに、本教示による方法論を実装する際には、例示されている全てのステップが必要とされなくてもよい。明細書の本文及び図面を参照すれば、一般的な当業者には他の実施形態も明らかとなるであろう。
【技術分野】
【0001】
本教示は、インク・ジェット・プリント装置の分野に関し、より詳細には、高密ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドと、高密ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドおよび高密ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドを有するプリンタを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
ドロップ・オン・デマンド・インク・ジェット技術は、印刷産業において広く用いられている。ドロップ・オン・デマンド・インク・ジェット技術を用いるプリンタは、サーマル・インク・ジェット技術、またはピエゾ技術の何れかを用いる可能性がある。ピエゾ・インク・ジェットは、サーマル・インク・ジェットよりも製造費用が高いにも関わらず、一般的に、より広範なインクを使用できかつコゲーションによる問題点を減じる、またはなくすことができるという理由で好まれる。
【0003】
ピエゾ・インク・ジェット・プリントヘッドは、典型的には、軟質のダイヤフラムと、ダイヤフラムへ付着される圧電素子(トランスデューサ)のアレイとを含む。圧電素子へ電圧が、典型的には電圧源へ電気接続される電極との電気接続を介して印加されると、圧電素子は曲がり、または偏向してダイヤフラムを屈曲させ、これにより、チャンバから一定量のインクがノズルを介して放出される。この屈曲はさらに、主インクリザーバから開口を介してチャンバへインクを引き込み、放出されたインクが置換される。
【0004】
ピエゾ・インク・ジェット技術を採用するインク・ジェット・プリンタの印刷解像度を上げることは、設計エンジニアの目標である。解像度を上げるための1つの方法が、圧電素子の密度を上げることである。
【0005】
プリントヘッドの解像度及び密度が増大するにつれて、電気相互接続の提供に利用可能な面積は低減する。インク供給構造体等の他の機能をヘッド内にルーティングすることは、この低減されるスペースを巡って競合し、かつ使用される材料のタイプを制限する。例えば、600ドット/インチ(DPI)のプリントヘッドと共に使用するための現行の技術は、各配線がフレックス回路のパッドアレイ(すなわち、電極アレイ)のパッド(すなわち電極)に電気接続されている、フレックス回路上の並列電気配線を含むことが可能である。並列配線は、38マイクロメートル(μm)のピッチ、16μmの配線幅を有することが可能であり、各配線間に22μmのスペースが残っている。プリントヘッド密度が増大するにつれて、現行のフレックス回路設計の実践においては、より厳密な許容範囲およびより小さいフィーチャサイズを有する配線およびパッドの形成が必要とされることになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本教示の一実施形態は、インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法であって、第1のフレキシブル回路(フレックス回路)の複数のパッドを圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合することと、第2のフレックス回路の複数のパッドを圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合することとを含み、第1の複数の圧電素子は第2の複数の圧電素子と異なり、第1の複数の圧電素子および第2の複数の圧電素子の各圧電素子は第1の複数のパッドおよび第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能である、方法を含むことが可能である。
【0007】
本教示の別の実施形態は、インク・ジェット・プリント・ヘッドであって、圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合される第1のフレックス回路の複数のパッドと、圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合される第2のフレックス回路の複数のパッドとを含み、第1の複数の圧電素子は第2の複数の圧電素子と異なり、第1の複数の圧電素子および第2の複数の圧電素子の各圧電素子は第1の複数のパッドおよび第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能であるように構成される、インク・ジェット・プリント・ヘッドを含むことが可能である。
【0008】
本教示の別の実施形態では、プリンタは、インク・ジェット・プリント・ヘッドであって、圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合される第1のフレックス回路の複数のパッドと、圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合される第2のフレックス回路の複数のパッドとを含む、インク・ジェット・プリント・ヘッドを含むことが可能である。第1の複数の圧電素子は第2の複数の圧電素子と異なる。第1の複数の圧電素子および第2の複数の圧電素子の各圧電素子は、第1の複数のパッドおよび第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能であるように構成される。プリンタは、第1のフレックス回路および第2のフレックス回路に物理的に付着されるマニホールドと、マニホールドの表面によって形成されるインクリザーバとをさらに含むことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、圧電素子アレイに付着されているフレックス回路の透過斜視図である。
【図2】図2は、本教示の一実施形態による、製造過程のデバイスの中間圧電素子を示す斜視図である。
【図3】図3は、本教示の一実施形態による、製造過程のデバイスの中間圧電素子を示す斜視図である。
【図4】図4は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図5】図5は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図6】図6は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図7】図7は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図8】図8は、圧電素子アレイおよび一対のドライバ基板に付着されるフレックス回路を描いた断面図である。
【図9】図9は、インク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックの形成を描いた断面図である。
【図10】図10は、図9のジェットスタックを含むプリントヘッドを示す断面図である。
【図11】図11は、本教示の一実施形態によるプリントヘッドを含む印刷デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これらの図面が示す詳細の中には、厳密な構造上の精度、ディテールおよび縮尺を保持するというよりは発明的実施形態の理解を容易にするために単純化されて描かれたものがあり得る点に留意されたい。
【0011】
本明細書において使用される場合、「プリンタ」という用語は、任意の目的で印刷出力機能を実行する、デジタルコピー機、製本機械、ファックス機、多機能機械、他等の任意の装置を含む。「ポリマー」という用語は、熱硬化性ポリイミド、熱プラスチック、樹脂、ポリカーボネート、エポキシおよび技術上既知である関連化合物を含む、長鎖分子から形成される広範な炭素ベース化合物のうちの任意のものを含む。
【0012】
圧電素子に電気接続するプリント・ヘッド・フレックス回路の設計は、フレックス回路パッドアレイの隣接するパッド間で複数の配線をルーティングする。フレックス回路パッドアレイの各パッドは固有の圧電素子に電気的に結合される。現行のフレックス回路設計および製造技法を使用するとき、プリントヘッド密度が増大すると、各圧電素子が個別にアドレス指定可能であるように、パッドアレイの各パッドが固有の配線に付着されなければならないため、配線の数を増やす必要があることになる。フレックス回路上のパッドの密度が増大することになるため、より多くの数の配線が隣接するパッド間でルーティングされなければならない。プリントヘッド密度を二倍にするためには、各パッド間の配線の数を二倍にする必要があることになり、一方で隣接するパッド間の間隔は狭くなることになる。
【0013】
プリント・ヘッド・フレックス回路の一実施例10が図1の概略斜視図に描かれている。フレックス回路10は、複数のパッド12と、各パッド12間でルーティングされている複数の配線14とを有するパッドアレイを含む。図1の例では、8本の配線14が隣接するパッド12の各対間でルーティングされている。配線14は各パッド12に電気的に結合されている。図1は、フレックス回路10の下にある複数の圧電素子16をさらに描いており、各パッド12が導体(個別に描かれてはいない)を使用して圧電素子16に電気的に結合されている。圧電素子16はフレックス回路10の下になっていて見えないようになっていることを理解されたい。各パッド12に特有の個々の配線14に電圧を印加することによって、各圧電素子16はパッドアレイのパッド12を通じて個別にアドレス指定されることができる。加えて、メッキ配線が各パッド12に結合されてフレックス回路の端を出てルーティングされ、フレックス回路の金属フィーチャの金属メッキが可能となる。
【0014】
上述の600DPIのプリントヘッドの実施例では、並列配線14は38μmのピッチおよび16μmの配線幅を有することが可能であり、各配線間に22μmのスペースが残る。圧電素子の密度が増大するにつれて、パッドアレイの密度も増大することになり、配線の数も同様である。従って、隣接するパッド12間の利用可能なスペースがより狭くなる中で、隣接するパッド12の各対の間により多くの配線12が形成される必要があることになる。ある実施形態では、配線のピッチは20μmまで低減され得、これは現行のフレックス回路製造能力の大幅な向上を必要とするであろう。
【0015】
本教示の一実施形態は、現行のフレックス回路製造技法を使用してより高いプリントヘッド圧電素子密度を提供するために使用されることが可能である。本教示は、2つ以上の異なるフレックス回路の使用を含むことができ、フレックス回路の各々が圧電素子アレイの異なる部分に付着される。複数のフレックス回路を使用することは、単一のフレックス回路を使用するデバイスに対する再加工も単純化することができ、それによって廃棄および再加工のコストが低減される。例えば、第1のフレックス回路が圧電素子に付着されることができ、その後、第2のフレックス回路を付着および試験する前に、圧電素子に対する電気接続が電気的に試験されることができる。必要である場合、第1のフレックス回路の圧電素子に対する1つまたは複数の電気接続が再加工されることができるか、または第2のフレックス回路を付着および試験する前に、第1のフレックス回路が置換されることができる。任意の数の別個のフレックス回路が、圧電素子のアレイに対する電気的接触を提供することができる。
【0016】
本教示の一実施形態は、ジェットスタック、プリントヘッドおよび前記プリントヘッドを含むプリンタの形成を含むことができる。図2の斜視図では、圧電素子層20は接着材24によって転写キャリア22へ分離可能式に接着されている。圧電素子層20は、内部誘電体として機能するための例えばジルコン酸チタン酸鉛層を約25μm〜約150μm厚で含むことができる。圧電素子層20は、誘電PZTの各側面に導電層を設けるために、両側を例えば無電解メッキ処理を用いてニッケルでメッキされることが可能である。ニッケルメッキされたPZTは、本質的には、内部PZT材料にわたって電位差を発生させる平行板キャパシタとして機能する。キャリア22は、金属シート、プラスチックシートまたは別の転写キャリアを含むことが可能である。圧電素子層20を転写キャリア22へ付着する接着層24は、ダイシングテープ、熱プラスチックまたは別の接着材を含むことが可能である。別の実施形態では、転写キャリア22は、別個の接着層24が不要であるように、粘着性熱プラスチック層等の物質であってよい。
【0017】
図2の構造体の形成後、図3に描かれているように、圧電素子層10はダイシングされ、複数の個々の圧電素子30が形成される。図3は4x3アレイの圧電素子を描いているが、より大きいアレイが形成される可能性もあることを理解されたい。例えば、1200DPIのプリントヘッドは約24×約150素子または他のサイズである圧電素子のアレイを有することが可能である。ダイシングは、ウェーハダイシングソー等のソーのような機械技術を用いて、ドライ・エッチング・プロセスを用いて、レーザ・アブレーション・プロセス、他を用いて実行されてもよい。隣接する各圧電素子30の完全な分離を保証するために、ダイシングプロセスは、接着材24の一部を除去して転写キャリア22上で停止した後に、または接着材24を通過してキャリア22内の途中までダイシングした後に終了することができる。この実施形態では、1200DPIの圧電素子アレイを想定して、隣接する圧電素子間の間隔は約100μm以下であることができ、圧電素子のピッチは約500μm以下であってもよく、圧電素子は約400μm〜約700μmのピッチを有してもよい。
【0018】
個々の圧電素子30を形成した後、図3のアセンブリは、図4の断面図に描かれているように、ジェット・スタック・サブアセンブリ40へ付着されることが可能である。図4の断面図は、図3の構造体のディテールをより良く示すために拡大されたものであり、1つの部分的な圧電素子30及び2つの完全な圧電素子30の断面を描いている。ジェット・スタック・サブアセンブリ40は、任意の数のジェットスタック設計において既知の技術を使用して製造されることが可能であり、単純化するためにブロック形態で描かれている。ある実施形態では、図3の構造体は、接着材42を用いてジェット・スタック・サブアセンブリ40へ付着されることが可能である。例えば、測定された一定量の接着材42が圧電素子30の上面上、ジェット・スタック・サブアセンブリ40の上面上、または双方のいずれかへ分配される、スクリーン印刷される、ローラで延ばされる、等々が可能である。ある実施形態では、ジェット・スタック・サブアセンブリ40の表面上へ、各圧電素子30毎に一滴の接着材42を置くことができる。接着材を付した後、ジェット・スタック・サブアセンブリ40および圧電素子30は互いに位置合わせされ、次いで圧電素子30が接着材42でジェット・スタック・サブアセンブリ40へ機械的に接続される。接着材42は、その接着材が図4の構造体をもたらすことに適する技術によって硬化される。
【0019】
続いて、図4の構造体から転写キャリア22および接着材24が除去され、図5の構造体がもたらされる。
【0020】
次に、各圧電素子30に電気的に接触するために、例えば、スクリーン印刷、化学気相成長、液滴(微小液滴)分配、他によって、図6に描かれているように、露出した各圧電素子30上の各開口内に導体60が形成されることが可能である。
【0021】
次に、図7の概略断面に描かれているように、第1のフレックス回路70および第2のフレックス回路72が図6の構造体に付着される。第1のフレックス回路70は、接着材74を使用して圧電素子アレイ30に物理的に付着されることが可能である。第2のフレックス回路72は、第2のフレックス回路72の一部が第1のフレックス回路70の上面上に配置されるように、接着材(単純化するために個別に描かれてはいない)を使用して第1のフレックス回路70および圧電素子アレイに物理的に付着されることが可能である。この実施形態では、第1のフレックス回路70の少なくとも一部が第2のフレックス回路72と圧電素子アレイ30との間に入るように、第2のフレックス回路72の一部が第1のフレックス回路70の少なくとも一部の上に重なっている。フレックス回路が、単純化するために個別に描かれてはいない1つまたは複数の導電層および1つまたは複数の誘電体層を含むことができることは理解されよう。第1のフレックス回路70のパッドのアレイ(すなわち、バンプ電極)76は、導体60を使用して圧電素子30のアレイの第1の部分に電気接続される。図7は、圧電素子のアレイの第1の部分の単一の圧電素子30Aを描いているが、第1のフレックス回路70は、圧電素子アレイの第1半部の圧電素子の各々と電気接続されることが可能であることを理解されたい。第1のフレックス回路は、複数の配線78を含むことも可能であり、それによって、圧電素子アレイの第1半部の各圧電素子30は、各配線78に印加される電圧によって第1のフレックス回路70を通じて個別にアドレス指定される。第2のフレックス回路72のパッドまたはバンプ電極80のアレイは、導体60を使用して圧電素子30のアレイの第2の部分に電気接続される。図7は、圧電素子のアレイの第2の部分の2つの圧電素子30B、30Cを描いているが、第2のフレックス回路72は、圧電素子アレイの第2半部と電気接続されることが可能であることは理解されよう。第2のフレックス回路は、複数の配線82を含むことも可能であり、それによって、圧電素子アレイの第2半部の各圧電素子30は、各配線82に印加される電圧によって第2のフレックス回路72を通じて個別にアドレス指定される。
【0022】
隣接する圧電素子間の間隔が約50μm〜約150μmであるこの実施形態では、隣接するパッド76、80間の間隔内にルーティングされる、各フレックス回路70、72上の配線78、82は約14μm〜25μmの幅、および約24μm〜約50μmのピッチを有することが可能である。パッドおよび配線が単一のフレックス回路上に形成されたとすると、隣接するパッド間に二倍の数の配線が形成されなければならなくなるため、配線幅は約7μm〜12μmでなければならなくなり、配線ピッチは14μm〜24μmでなければならなくなるであろう。
【0023】
フレックス回路の重なりを可能にする機構は、第2のフレックス回路72が、第1のフレックス回路の端にかかるとともに垂直段差84に適合することが可能であることである。圧電素子および/またはフレックス回路の配列行のピッチを500μm程度に維持するために、第2のフレックス回路72は、図7に描かれているように、圧電素子アレイの上に重なる、第1のフレックス回路70の端にわたる垂直段差84を形成することが可能であるべきである。ある実施形態では、その上に導電性フレックス回路配線材料が形成される、第1のフレックス回路の誘電体シート(個別に描かれてはいない)は約38μm厚であることができ、これに金属、およびカバーレイ/はんだマスクが加わって、100μm程度の垂直段差84全体がもたらされるが、典型的には幾分それよりも小さい。フレックス回路70、72はエンボス加工によって形成されることが可能である。ポストおよびダイを使用してフレックス回路をエンボス加工すると、100μmのバンプが達成されて、100μm程度の段差距離または1:1のアスペクト比を有するパッド76、80が形成されることが可能である。これらのバンプが配線金属化において直接作成されると、フレックス回路の幅にわたる階段上の外観が同様の信頼性をもって同様に形成されることができる。
【0024】
図8は、フレックス回路70、72の電気路を描いた概略断面図である。図8は、第1のフレックス回路70の第1半部70Aおよび第2のフレックス回路72の第1半部72Aが第1のドライバ基板86に付着された後の図7の構造体を描いたものである。加えて、第1のフレックス回路70の第2半部70Bおよび第2のフレックス回路72の第2半部72Bが第2のドライバ基板88に付着されることが可能である。この事例では、フレックス回路部分70A、70B、72A、および72Bは、互いに電気的に絶縁される4つの別個のフレックス回路であることが可能である。任意の数の積層フレックス回路が使用されることが可能である。単純化するために、図8の構造体の中のプリント・ヘッド・フレックス回路領域の背後の一定容積の流体路は描かれていない。
【0025】
一実施形態では、フレックス回路70、72は、単一の導電層によって提供される複数のパッド76、80と、複数の配線78、82とを含むことが可能である。単一の導電層は、平坦な層として形成され、その後打ち抜きまたは型抜きされて、整形されたパッドを形成するためにプレスを使用して成形されることが可能である。描かれている実施形態では、各配線78、82は導電性パッド76、80のうちの一方に電気的に結合され、各導電性パッド76、80は、導体60を使用して圧電電極30の1つに電気的に結合される。
【0026】
次に、デバイスの設計に応じて追加の処理を実行することができる。追加の処理は例えば、導電性、誘電体、パターン化、または連続であることができ、図9に描かれているもののような層90によって共に概略的に表されている1つまたは複数の追加の層の形成を含んでもよい。
【0027】
次に、ジェット・スタック・サブアセンブリ30の設計に応じて、ジェットスタックを完成させるためにさまざまな処理工程が実行されることができる。例えば、1つまたは複数のインクポート開口92が図9に描かれているもののような層90を貫通して形成されることができる。さらに、デバイスの設計に応じて、インクポート開口92は、その開口92が電気的な開状態または他の望ましくない効果をもたらさない限り、フレックス回路70、72の一部を貫通して形成されることができる。インクポート開口92が描かれている場所に形成される場合、開口92はジェット・スタック・サブアセンブリを貫通して、例えば、ジェットスタックダイヤフラムを貫通して延在することができる。別の実施形態では、フレックス回路70、72および/または圧電アレイ20が存在していない、描かれていない場所に1つまたは複数のインクポート開口が形成されてもよい。一実施形態では、図9に描かれているように、有孔プレート94が接着材(単純化するために個別に描かれてはいない)を用いてジェット・スタック・サブアセンブリ40に付着されることができる。有孔プレート94は、印刷中にインクが通って放出されるノズル96を含むことができる。有孔プレート94が付着されると、ジェットスタック98は完成する。ジェットスタック98は、単純化するために図示または説明されていない他の層および処理要件を含んでもよい。
【0028】
次に、マニホールド100がジェットスタック98の上面に接着されることができ、これはマニホールド100を第1のフレックス回路70および第2のフレックス回路72に物理的に付着させる。マニホールドの付着は、接着材等の流体密封シール式接続部102を使用することを含むことができ、結果的に図10に描かれているようなインク・ジェット・プリント・ヘッド104が生じる。インク・ジェット・プリント・ヘッド104は、マニホールド100の表面及びジェットスタック98の上面によって形成される、一定量のインクを貯蔵するためのインクリザーバ106を含むことができる。リザーバ106からのインクはポートを通じて、例えば、ジェットスタック98内の1つまたは複数のポート92を通じて送達されることが可能であり、インクポートは一部には、フレックス回路70、72の一方または双方、接着材74、およびジェット・スタック・サブアセンブリ40を貫通する連続した開口によって提供されることが可能である。例えば上述の例のような、インクポートのための他の構成が企図される。図10が簡易図であることは、理解されるであろう。実際のプリントヘッドは、図10には描かれていない、例えば左右への追加的構造体である様々な構造体及び差異を含んでもよいが、これらは、説明を単純にするために描画を省かれている。図10は単一のポート92を描いているが、ジェットスタックは複数のポートを含んでもよい。
【0029】
使用に際して、プリントヘッド104のマニホールド100内のリザーバ106は、一定量のインクを含む。プリントヘッドの最初のプライミングは、インクをリザーバ106からポート92を介してジェットスタック98内へと流れ込ませるために使用されることが可能である。バンプ電極76、80、導体60、および圧電電極30に伝達される、各配線78、82に加えられる電圧112に応答して、各PZT圧電素子30はそれに応じて適切な時点において曲がるかまたは偏向する。圧電素子30の偏向はダイヤフラム(単純化するために個別には描かれていない)を屈曲させ、これによりジェットスタック98内に圧力パルスが生じ、インクの一滴がノズル96から放出される。
【0030】
これにより、上述の方法及び構造体は、インク・ジェット・プリンタのためのジェットスタック98を形成する。一実施形態では、ジェットスタック98は、図11に描かれているようなインク・ジェット・プリント・ヘッド120の一部として使用されてもよい。
【0031】
図11は、本教示の一実施形態による、1つまたは複数のプリントヘッド104および1つまたは複数のノズル96から噴出されるインク122を含むプリンタ120を描いたものである。各プリントヘッド104は、用紙、プラスチック、他のような印刷媒体124上へ所望される画像を生成するために、デジタル命令に従って動作するように構成される。各プリントヘッド104は、スワス毎に印刷画像を生成するために、走査動作において印刷媒体124に対して前後に移動することができる。代替的には、プリントヘッド104が固定して保持されかつ印刷媒体124がそれと相対的に移動されて、単一の通過でプリントヘッド104と同じ幅の画像が生成されてもよい。プリントヘッド104は、印刷媒体124より狭い、またはこれと同幅であることが可能である。別の実施形態では、プリントヘッドは、印刷媒体への後続の転写のために回転ドラムまたはベルトのような中間表面に印刷することができる。
【0032】
このように、上述の実施形態は、プリンタに使用されることが可能なインク・ジェット・プリント・ヘッドのためのジェットスタックを提供することができる。ジェットスタックを形成するための方法、および完成したジェットスタックは2つ以上のフレックス回路を有することができ、1つのフレックス回路が別のフレックス回路の上面上に積層されることが可能である。各フレックス回路は、プリントヘッド圧電素子アレイからの、すべてではないいくつかの圧電素子と電気接続されることが可能である。各フレックス回路は、圧電素子アレイの異なる部分と電気的に結合されることが可能である。
【0033】
圧電素子アレイの異なる複数の部分と電気的に結合される2つ以上のフレックス回路を含み、2つ以上のフレックス回路が互いの上面上に積層されず、並んで配置される実施形態が企図されることを理解されたい。圧電素子アレイの異なる複数の部分に電気的に結合される2つの異なるフレックス回路を参照して本教示が説明されているが、3つ以上のフレックス回路が組み込まれることができ、各フレックス回路が圧電素子アレイの3つ以上の異なる部分と電気的に結合される。
【0034】
各フレックス回路が圧電素子アレイの異なる部分に電気的に結合される、2つ以上のフレックス回路を使用して、別個の各フレックス回路上で必要とされる配線の数を低減することが可能である。従って、圧電素子アレイ密度が増大するにつれて、すべての配線が単一のフレックス回路上に形成された場合よりも、パッドアレイの隣接するパッド間に形成される必要がある配線の数が少なくなることになる。
【0035】
さらに、フレックス回路製造技術が向上し、より密度の高いフレックス回路を達成するためにより密なスペース内に配線が形成されることが可能であるため、2つ以上のフレックス回路に置き換わる新規の単一のフレックス回路における設計はプリントヘッドの再設計を必要としなくなることを理解されたい。複数のフレックス回路が単一のフレックス回路に置き換わることによって、単一のより密度の高いフレックス回路の組み入れのみが必要になると期待される。組み入れは、より密度の高いフレックス回路を使用するコストが、複数のフレックス回路よりも低くなる点まで減少するような、または、より密度の高いフレックス回路を使用することによって、製造、性能、もしくは収率の向上が有利になるような交差点において生じる可能性がある。
【0036】
従って、複数の(2つ以上の)フレックス回路を使用することによって、より密度の高いマルチポイント電気相互接続を形成する低コストの方法が提供される。この方法は、バンプパッドを有するフレキシブルプリント回路を使用することと、回路をそれらのそれぞれのアクチュエータと位置合わせすることと、非導電性接着材を用いて回路を固定することとを含む。市販のフレキシブル回路の解像度および密度は限られているため、必要とされる密度およびルーティングを達成するために複数のフレックス回路が重なり合いずれる可能性がある。一実施形態では、複数のフレックス回路が屋根板と同様の構成において使用されることが可能である。利点は、現行のフレックス回路製造技法を用いて高密度ヘッドを設計することができることを含み、供給業者の指針がより密度の高い回路を達成することができる場合には、単純な組み入れが促進されることが可能である。さらに、システムを管理可能・試験可能なサブユニットに分解することによって、予備検査された構成要素をもたらすことがよりコスト効率的になることが可能である。
【0037】
この例示的な方法は、一連の行動またはイベントとして示されかつ記述されているが、本発明がこのような行動またはイベントの例示された順序に限定されないことに留意されたい。例えば、幾つかの行動は、本教示に従って、本明細書に例示されかつ/または記述されている順序とは異なる順序で、かつ/または他の行動またはイベントと同時に発生する場合もある。さらに、本教示による方法論を実装する際には、例示されている全てのステップが必要とされなくてもよい。明細書の本文及び図面を参照すれば、一般的な当業者には他の実施形態も明らかとなるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法であって、
第1のフレキシブル回路(フレックス回路)の複数のパッドを圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合することと、
第2のフレックス回路の複数のパッドを前記圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合することと、を含み、
前記第1の複数の圧電素子が、前記第2の複数の圧電素子と異なり、前記第1の複数の圧電素子および前記第2の複数の圧電素子の各圧電素子が、前記第1の複数のパッドおよび前記第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能である、方法。
【請求項2】
前記第1のフレックス回路の少なくとも一部が前記第2のフレックス回路と前記圧電素子アレイとの間に入るように、前記第2のフレックス回路の前記複数のパッドの前記第2の複数の圧電素子への前記電気的結合の間に、前記第2のフレックス回路を前記第1のフレックス回路上に配置することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
圧電素子アレイを提供することをさらに含み、前記圧電素子アレイの隣接する圧電素子間の間隔が、約100μm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の複数の配線を有する前記第1のフレックス回路を提供することであって、前記第1の複数の配線からの各配線は前記第1のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、提供することと、
第2の複数の配線を有する前記第2のフレックス回路を提供することであって、前記第2の複数の配線からの各配線は前記第2のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、提供することと、をさらに含み、
各配線の幅が、約14μm〜約25μmであり、前記配線のピッチが約24μm〜約50μmである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
接着材を使用して前記第1のフレックス回路を前記圧電素子アレイに物理的に付着させることであって、前記第1のフレックス回路は前記圧電素子アレイの上に重なる端部を備える、付着させることと、
前記第2のフレックス回路を前記第1のフレックス回路および前記圧電素子アレイに物理的に付着させることであって、前記第2のフレックス回路は前記第1のフレックス回路の前記端部にかかり、前記第1のフレックス回路の前記端部によって形成される垂直段差に適合する、付着させることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフレックス回路をドライバ基板に電気的に結合することと、
前記第2のフレックス回路を前記ドライバ基板に電気的に結合することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
インク・ジェット・プリント・ヘッドであって、
圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合される第1のフレキシブル回路(フレックス回路)の複数のパッドと、
前記圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合される第2のフレックス回路の複数のパッドと、を備え、
前記第1の複数の圧電素子が、前記第2の複数の圧電素子と異なり、前記第1の複数の圧電素子および前記第2の複数の圧電素子の各圧電素子が、前記第1の複数のパッドおよび前記第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能であるように構成される、インク・ジェット・プリント・ヘッド。
【請求項8】
前記第1のフレックス回路の少なくとも一部は前記第2のフレックス回路と前記圧電素子アレイとの間に入る、請求項7に記載のインク・ジェット・プリント・ヘッド。
【請求項9】
第1の複数の配線を備える前記第1のフレックス回路であって、前記第1の複数の配線からの各配線は前記第1のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、前記第1のフレックス回路と、
第2の複数の配線を備える前記第2のフレックス回路であって、前記第2の複数の配線からの各配線は前記第2のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、前記第1のフレックス回路と、をさらに備え、
各配線の幅が、約14μm〜約25μmであり、前記配線のピッチが、約24μm〜約50μmである、請求項7に記載のインク・ジェット・プリント・ヘッド。
【請求項10】
前記第1のフレックス回路が、前記圧電素子アレイに物理的に付着され、
前記第1のフレックス回路が、前記圧電素子アレイの上に重なる端部を備え、
前記第2のフレックス回路が、前記第1のフレックス回路および前記圧電素子アレイに物理的に付着され、
前記第2のフレックス回路が、前記第1のフレックス回路の前記端部にかかり、前記第1のフレックス回路の前記端部によって形成される垂直段差に適合する、請求項7に記載の方法。
【請求項1】
インク・ジェット・プリント・ヘッドを形成するための方法であって、
第1のフレキシブル回路(フレックス回路)の複数のパッドを圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合することと、
第2のフレックス回路の複数のパッドを前記圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合することと、を含み、
前記第1の複数の圧電素子が、前記第2の複数の圧電素子と異なり、前記第1の複数の圧電素子および前記第2の複数の圧電素子の各圧電素子が、前記第1の複数のパッドおよび前記第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能である、方法。
【請求項2】
前記第1のフレックス回路の少なくとも一部が前記第2のフレックス回路と前記圧電素子アレイとの間に入るように、前記第2のフレックス回路の前記複数のパッドの前記第2の複数の圧電素子への前記電気的結合の間に、前記第2のフレックス回路を前記第1のフレックス回路上に配置することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
圧電素子アレイを提供することをさらに含み、前記圧電素子アレイの隣接する圧電素子間の間隔が、約100μm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第1の複数の配線を有する前記第1のフレックス回路を提供することであって、前記第1の複数の配線からの各配線は前記第1のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、提供することと、
第2の複数の配線を有する前記第2のフレックス回路を提供することであって、前記第2の複数の配線からの各配線は前記第2のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、提供することと、をさらに含み、
各配線の幅が、約14μm〜約25μmであり、前記配線のピッチが約24μm〜約50μmである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
接着材を使用して前記第1のフレックス回路を前記圧電素子アレイに物理的に付着させることであって、前記第1のフレックス回路は前記圧電素子アレイの上に重なる端部を備える、付着させることと、
前記第2のフレックス回路を前記第1のフレックス回路および前記圧電素子アレイに物理的に付着させることであって、前記第2のフレックス回路は前記第1のフレックス回路の前記端部にかかり、前記第1のフレックス回路の前記端部によって形成される垂直段差に適合する、付着させることと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のフレックス回路をドライバ基板に電気的に結合することと、
前記第2のフレックス回路を前記ドライバ基板に電気的に結合することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
インク・ジェット・プリント・ヘッドであって、
圧電素子アレイの第1の複数の圧電素子に電気的に結合される第1のフレキシブル回路(フレックス回路)の複数のパッドと、
前記圧電素子アレイの第2の複数の圧電素子に電気的に結合される第2のフレックス回路の複数のパッドと、を備え、
前記第1の複数の圧電素子が、前記第2の複数の圧電素子と異なり、前記第1の複数の圧電素子および前記第2の複数の圧電素子の各圧電素子が、前記第1の複数のパッドおよび前記第2の複数のパッドの1つを通じて個別にアドレス指定可能であるように構成される、インク・ジェット・プリント・ヘッド。
【請求項8】
前記第1のフレックス回路の少なくとも一部は前記第2のフレックス回路と前記圧電素子アレイとの間に入る、請求項7に記載のインク・ジェット・プリント・ヘッド。
【請求項9】
第1の複数の配線を備える前記第1のフレックス回路であって、前記第1の複数の配線からの各配線は前記第1のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、前記第1のフレックス回路と、
第2の複数の配線を備える前記第2のフレックス回路であって、前記第2の複数の配線からの各配線は前記第2のフレックス回路の前記複数のパッドからの1つのパッドに電気的に結合される、前記第1のフレックス回路と、をさらに備え、
各配線の幅が、約14μm〜約25μmであり、前記配線のピッチが、約24μm〜約50μmである、請求項7に記載のインク・ジェット・プリント・ヘッド。
【請求項10】
前記第1のフレックス回路が、前記圧電素子アレイに物理的に付着され、
前記第1のフレックス回路が、前記圧電素子アレイの上に重なる端部を備え、
前記第2のフレックス回路が、前記第1のフレックス回路および前記圧電素子アレイに物理的に付着され、
前記第2のフレックス回路が、前記第1のフレックス回路の前記端部にかかり、前記第1のフレックス回路の前記端部によって形成される垂直段差に適合する、請求項7に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−67166(P2013−67166A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−194709(P2012−194709)
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月5日(2012.9.5)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】
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