説明

密度相分離装置

流体試料を第1および第2相に分離するための機械的分離器が開示される。機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロート、フロートの部分の周囲に円周方向に配置されるバラスト、および第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズを含む。バラストは、フロートに対して長手方向に移動可能であり、および第1端および第2端の間の変形可能なベローズと係合する。フロートの少なくとも一部は、拘束位置から密封位置までベローズの第1端を通って移行可能である。フロートの第1部分は、拘束位置において、変形可能なベローズの内部内に位置付けられることができ、およびフロートの第1部分は、密封位置において、変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年7月21日に出願され「Density Phase Separation Device」との名称が付けられた米国仮特許出願第61/082,361号に対する優先権を主張し、その開示の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、流体試料のより重い画分およびより軽い画分を分離するための装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、流体試料のより重い画分のより軽い画分からの分離をもたらすために装置および流体試料が遠心分離の対象となる、流体試料の採取および輸送のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
診断検査は、血清または血漿(より軽い相成分)、および赤血球(より重い相成分)のような成分への患者の全血試料の分離を必要とする。全血の試料は、典型的には、注射器または排気採血管に取り付けられたカニューレまたは針を通して静脈穿刺によって採取される。採取後、血清または血漿および赤血球への血液の分離は、遠心分離機における注射器または管の回転によって成し遂げられる。分離を維持するために、より重い相成分とより軽い相成分との間にバリアが置かれていなければならない。これは、分離された成分が後に検査されることを可能にする。
【0004】
流体試料のより重い相とより軽い相との間の領域を分割するために採取装置においてさまざまな分離バリアが使用されている。最も広く使用されている装置は、ポリエステルゲルのようなチキソトロピー性のゲル材料を含む。しかしながら、現行のポリエステルゲルの血清分離管は、ゲルの調製および管の充填の両方に特別の製造機器を必要とする。さらに、製品の貯蔵期間は限定されている。時間と共に、ゲルの大部分から小球が放出され、および分離された相成分の1つまたは両方に入る可能性がある。これらの小球は、管に採取された試料の臨床検査の間に使用される計器の探針のような計測器を詰まらせる可能性がある。さらに、商業的に入手可能なゲルバリアは、被分析物と化学的に反応する可能性がある。したがって、血液試料が取られたときにその中にある種の薬物が存在している場合は、ゲル界面との有害な化学反応が発生し得る。
【0005】
また、流体試料のより重い相とより軽い相との間に機械的バリアをその中で使用することができるある種の機械的分離器が提案されている。慣用の機械的バリアは、遠心分離の間に加えられる微分浮力(differential buoyancy)および高重力(elevated gravitational forces)を用いて、より重い相成分とより軽い相成分との間に位置付けられる。血漿および血清標本に対する適切な配置のために、慣用の機械的分離器は、典型的には、血液採取セットと係合しているときに血液充填が装置を通してまたは装置の周りで生じるような方式で、機械的分離器が管クロージャの下面に取り付けられることを必要とする。この取り付けは、出荷、取扱いおよび採血の間の分離器の時期尚早の動きを防止することが要求される。慣用の機械的分離器は、ベローズ構成要素とクロージャとの間の機械的連結によって、管クロージャに取り付けられる。装置の例は、特許文献1および2に記載されている。
【0006】
慣用の機械的分離器は、いくつかの重大な欠点を有している。図1に示されるように、慣用の分離器は、管または注射器の壁38に密封を提供するためのベローズ34を含む。典型的には、ベローズ34の少なくとも一部は、クロージャ32の内部に収納されているかまたはクロージャ32と接触している。図1に示されるように、針30がクロージャ32を通って入るとき、ベローズ34は押し下げられる。これは、針30が取り除かれるときに血液がその中に溜まる可能性のある空隙36を作り出す。これは、針のすきま問題、クロージャの下方の試料溜まり、血液採取の間に機械的分離器が時期尚早に始動する装置の事前起動、溶血、フィブリンのドレーピングおよび/または低い試料品質をもたらす可能性がある。さらに、従前の機械的分離器は、複雑な多部品製造技術に起因して、費用がかかり製造が複雑である。
【0007】
したがって、試料採取装置と適合しおよび慣用の分離器の前述の課題を低減または除去する分離器装置の要求が存在する。また、本質的に血液試料を分離するために使用され、遠心分離の間に試料のより重い相およびより軽い相の交差汚染を最小限にし、貯蔵および出荷の間に温度に依存せず、ならびに放射線滅菌に安定である分離器装置への要求が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,803,022号明細書
【特許文献2】米国特許第6,479,298号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、流体試料をより高い比重の相およびより低い比重の相に分離するための組立品および方法を対象とする。望ましくは、本発明の機械的分離器は、管と共に使用してもよく、および機械的分離器は、流体試料の部分を分離するために、適用した遠心力の作用の下、管の中で移動するように構造化されている。最も好ましくは、管は、開放端、閉鎖端または並置端(apposing end)、および開放端と閉鎖端または並置端との間に伸びる側壁を含む標本採取管である。側壁は外表面および内表面を含み、ならびに管は、管の開放端において再密封可能な隔壁と適合するように配置されるクロージャをさらに含む。あるいはまた、管の両端は開いていてもよく、および管の両端はエラストマーのクロージャによって密封されていてもよい。管のクロージャの少なくとも1つは、針穿通可能な、再密封可能な隔壁を含んでいてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
機械的分離器は、頂部クロージャと管の底部との間の位置で管内に配置されてもよい。分離器は、対向する頂部端および底部端を含み、ならびにフロート、バラスト、および変形可能なベローズを含む。分離器の構成要素は、血液試料のような流体試料の相の密度の間に位置する分離器のための全体的な密度を実現するように、寸法付けられおよび構成される。
【0011】
1つの実施形態において、流体試料を管内で第1および第2相に分離するための機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロート、ならびにフロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよびフロートに対して長手方向に移動可能なバラストを含む。また、機械的分離器は、第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズを含む。機械的分離器のバラストは、第1端および第2端の間の変形可能なベローズ、ならびに変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能なフロートの少なくとも一部と係合する。フロートの第1部分は、拘束位置において、変形可能なベローズの内部に位置付けられていてもよく、およびフロートの第1部分は、密封位置において、変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられていてもよい。フロートは、第1密度を有していてもよく、およびバラストは、フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有していてもよい。
【0012】
機械的分離器は、フロートの第1部分が、拘束位置において、変形可能なベローズの第1端の下方に位置付けられることができ、およびフロートの第1部分が、密封位置において、変形可能なベローズの第1端の上方に位置付けられることができるように、配向されていてもよい。拘束位置から密封位置までのフロートの移行は、フロートおよびバラストが対向する力を変形可能なベローズに発揮して、変形可能なベローズ内にフロートが受容されるのを可能にする際に、起こることができる。フロートは係合突起部を含んでいてもよく、および変形可能なベローズは拘束肩部を含んでいてもよい。フロートの係合突起部は、拘束肩部によって、変形可能なベローズ内に解放可能に拘束されることができる。密封位置において、フロートおよび変形可能なベローズは、液体不浸透性の密封を形成することができる。
【0013】
また、フロートは、ヘッド部分および本体部分を含んでいてもよい。フロートの本体部分は、第1直径を有する第1部分および第2直径を有する階段状第2部分を含んでもよく、第2直径は第1直径よりも大きい。また、フロートは、中実(solid)材料製であってもよい。
【0014】
バラストは、それに対して取り付けるための変形可能なベローズの部分を収容するための連結凹部を含んでいてもよい。また、バラストは、外部表面の範囲内で円周方向に配置される環状肩部を画定する外部表面を含んでいてもよい。
【0015】
任意的に、変形可能なベローズの第1端の少なくとも一部は、クロージャ内での受容のために構造化されていてもよい。さらに、変形可能なベローズの第1端の少なくとも一部は、クロージャの部分をその中に受容するために構造化されていてもよい。
【0016】
機械的分離器のフロートはポリプロピレン製であってもよく、バラストはポリエチレンテレフタレート製であってもよく、および変形可能なベローズは熱可塑性エラストマー製であってもよい。
【0017】
別の実施形態において、機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロート、ならびにフロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよびフロートに対して長手方向に移動可能なバラストを含む。また、機械的分離器は、開放第1端および開放第2端を有しおよびそれらの間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズを含む。変形可能なベローズは、バラストの部分と係合する外部表面、およびフロートの部分と解放可能に係合する内部表面を含む。フロートは、第1密度を有していてもよく、およびバラストは、フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有していてもよい。
【0018】
任意的に、フロートの少なくとも一部は、変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能である。フロートの第1部分は、拘束位置において、変形可能なベローズの内部に位置付けられていてもよく、およびフロートの第1部分は、密封位置において、変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられていてもよい。拘束位置から密封位置までのフロートの移行は、フロートおよびバラストが対向する力を変形可能なベローズに発揮して、変形可能なベローズ内にフロートが受容されるのを可能にする際に、起こることができる。機械的分離器は、フロートの第1部分が、拘束位置において、変形可能なベローズの第1端の下方に位置付けられることができ、およびフロートの第1部分が、密封位置において、変形可能なベローズの第1端の上方に位置付けられることができるように、配向されていてもよい。密封位置において、フロートおよび変形可能なベローズは、液体不浸透性の密封を形成する。1つの構成において、フロートは係合突起部を含んでいてもよく、および変形可能なベローズは拘束肩部を含んでいてもよい。フロートの係合突起部は、拘束肩部によって、変形可能なベローズ内に解放可能に拘束されることができる。
【0019】
別の実施形態において、流体試料を第1および第2相に分離することを可能にするための分離組立品は、開放端、閉鎖端または並置端を有する管、およびそれらの間に伸びる側壁を含む。管の開放端と密封係合するのに適したクロージャも含まれる。クロージャは凹部を画定し、および機械的分離器は凹部内で解放可能に係合する。機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロート、ならびにフロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよびフロートに対して長手方向に移動可能なバラストを含む。また、機械的分離器は、第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズを含む。機械的分離器のバラストは、第1端および第2端の間の変形可能なベローズ、ならびに変形可能なベローズの第1端の少なくとも一部を通って拘束位置から密封位置まで移行可能なフロートと係合する。フロートの第1部分は、拘束位置において、変形可能なベローズの内部に位置付けられていてもよく、およびフロートの第1部分は、密封位置において、変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられていてもよい。フロートは第1密度を有していてもよく、およびバラストはフロートの第1密度よりも大きい第2密度を有していてもよい。
【0020】
分離組立品は、フロートの第1部分が、拘束位置において、変形可能なベローズの第1端の下方に位置付けられることができ、およびフロートの第1部分が、密封位置において、変形可能なベローズの第1端の上方に位置付けられることができるように、配向されていてもよい。拘束位置から密封位置までのフロートの移行は、変形可能なベローズの長手方向の変形の際に起こることができる。
【0021】
さらに別の実施形態において、流体試料を第1および第2相に分離することを可能にするための分離組立品は、開放端、閉鎖端または並置端を有する管,およびそれらの間に伸びる側壁を含む。管の開放端と密封係合するのに適したクロージャも含まれる。クロージャは凹部を画定し、および機械的分離器は凹部内で解放可能に係合する。機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロート、ならびにフロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよびフロートに対して長手方向に移動可能なバラストを含む。また、機械的分離器は、開放第1端および開放第2端を有しならびにそれらの間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズを含む。変形可能なベローズは、バラストの部分と係合する外部表面、およびフロートの部分と解放可能に係合する内部表面を含む。フロートは第1密度を有していてもよく、およびバラストはフロートの第1密度よりも大きい第2密度を有していてもよい。
【0022】
1つの構成において、フロートの少なくとも一部は、変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能である。フロートの第1部分は、拘束位置において、変形可能なベローズの内部に位置付けられていてもよく、およびフロートの第1部分は、密封位置において、変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられていてもよい。拘束位置から密封位置までの移行は、変形可能なベローズの長手方向の変形の際に起こることができる。
【0023】
別の実施形態において、流体試料を管内でより軽い相およびより重い相に分離する方法は、その中に配置される流体試料を有する分離組立品を、促進された回転力の対象とする工程を含む。分離組立品は、開放端、閉鎖端または並置端を有する管,およびそれらの間に伸びる側壁を含む。また、分離組立品は、管の開放端と密封係合するのに適したクロージャを含み、クロージャは凹部を画定する。分離組立品は、凹部内で解放可能に係合する機械的分離器をさらに含む。機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロート、フロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよびフロートに対して長手方向に移動可能なバラスト、および側壁の部分と係合する変形可能なベローズを含む。変形可能なベローズは、第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定し、バラストは、第1端および第2端の間の変形可能なベローズと係合する。フロートの少なくとも一部は、変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能である。方法は、クロージャから機械的分離器の係合を解く工程、および機械的分離器が流体内に沈むまで機械的分離器内から変形可能なベローズの開放通路を通って空気を抜く工程をさらに含む。また、方法は、側壁から少なくとも部分的に分離するように変形可能なベローズを伸ばす工程、および拘束位置から密封位置までフロートを移行させる工程を含む。
【0024】
本発明の組立品は、分離ゲルを利用する現存の分離製品よりも有利である。具体的には、本発明の組立品は、試料分離の結果として生じる被分析物を最小化しおよびこれを妨害しない点に関してゲルよりも好ましい。本発明の別の特性は、本発明の組立品は、治療薬物モニタリングの被分析物の妨害を最小化する点で、先行技術よりも好ましいことである。
【0025】
また、本発明の組立品は、機械的分離器の変形可能なベローズはクロージャの下面から突出する突起をスナップ式に覆い、これが保持力を提供しおよび荷重制御を開始する点で、現存の機械的分離器よりも有利である。このように、変形可能なベローズは、針がクロージャを抜け出る領域においてクロージャの下面と直接的に接合(interface)しない。したがって、事前起動(Pre-launch)は、変形可能なベローズを収集針の通路から除外することによって最小化される。これは、クロージャの下方の試料溜まり、溶血、フィブリンのドレーピング、および/または低い試料品質をさらに最小化する。加えて、本発明の組立品は、製造の間、複雑な押出技術を必要とせず、および2ショット成形技術を採用してもよい。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態に従って、流体試料を第1および第2相に分離することを可能にするための分離組立品は、開放端、並置端、およびそれらの間に伸びる側壁を有する管を含む。また、分離組立品は、管の開放端と密封係合するのに適したクロージャ、および管内に配置される機械的分離器を含む。機械的分離器は、第1部分および第2部分を有するフロートを含み、フロートは第1密度を有する。また、機械的分離器は、フロートの部分の周囲に配置されおよびフロートに対して長手方向に移動可能なバラストを含み、バラストはフロートの第1密度よりも大きい第2密度を有する。機械的分離器は、フロートと接合する変形可能なベローズをさらに含み、ベローズは、開放第1端および開放第2端を有しならびにそれらの間に伸びる開放通路を画定する。変形可能なベローズは、バラストの部分と係合する外部表面、およびフロートの部分と解放可能に係合する内部表面を含み、ここで、フロートの密度よりも低い密度からバラストの密度よりも高い密度に及ぶ局在性密度の流体成分で充填されたときに、分離組立品に遠心力が加えられ、およびここで、充分な遠心力は、ベローズをフロート上に着座させることができる。
【0027】
本発明のさらなる詳細および利点は、添付図面と併せて読むときに、以下の発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】慣用の機械的分離器の部分的な断面側面図である。
【図2】本発明の実施形態に従う、クロージャ、変形可能なベローズ、バラスト、フロートおよび採取管を含む機械的分離組立品の分解斜視図である。
【図3】図2のクロージャの断面正面図である。
【図4】図2のフロートの斜視図である。
【図5】図2のフロートの正面図である。
【図6】図2のバラストの斜視図である。
【図7】図2のバラストの正面図である。
【図8】図7の線8−8に沿って取った図2のバラストの断面図である。
【図9】図8の部分9に沿って取った図2のバラストの断面の拡大図である。
【図10】図2の変形可能なベローズの正面図である。
【図11】図10の線11−11に沿って取った図2の変形可能なベローズの断面図である。
【図12】図2の変形可能なベローズの側面図である。
【図13】図12の線13−13に沿って取った図2の変形可能なベローズの断面図である。
【図14】組み立てられた図2の機械的分離器の拘束位置における斜視図である。
【図15】図2のクロージャと係合する組み立てられた機械的分離器の拘束位置における断面図である。
【図16】本発明の実施形態に従う、クロージャを有する管およびその中に配置される機械的分離器を含む組立品の正面図である。
【図17】本発明の実施形態に従う、管の内部にアクセスする針および該針を通して管の内部に提供される流体の量を有する図16の組立品の断面正面図である。
【図18】本発明の実施形態に従う、使用の間にそこから取り除かれる針、およびクロージャから離間して位置付けられる機械的分離器、を有する図17の組立品の断面正面図である。
【図19】組み立てられた図2の機械的分離器の密封位置における斜視図である。
【図20】組み立てられた図2の機械的分離器の密封位置における正面図である。
【図21】図20の線21−21に沿って取った、組み立てられた図2の機械的分離器の密封位置における断面図である。
【図22】本発明の実施形態に従う、流体のより密度が低い部分を流体のより高密度の部分から分離する機械的分離器を有する図18の組立品の断面正面図である。
【図23】本発明の実施形態に従う、慣用のストッパーと係合する代替的な機械的分離器の拘束位置における断面図である。
【図24】本発明の実施形態に従う、図23の慣用のストッパーとの係合を解く機械的分離器の密封位置における断面図である。
【図25】本発明の実施形態に従う、慣用のストッパーおよびルアーカラーと係合する機械的分離器の拘束位置における断面図である。
【図26】本発明の実施形態に従う、図25の慣用のストッパーおよびルアーカラーとの係合を解く機械的分離器の密封位置における断面図である。
【図27】本発明の実施形態に従う、クロージャ、密封位置における機械的分離器、管挿入部分、および採取管を含む機械的分離組立品の部分断面の部分的な分解斜視図である。
【図28】本発明の実施形態に従う、クロージャ、クロージャ挿入部分、拘束位置における機械的分離器、および採取管を含む機械的分離組立品の部分断面の正面図である。
【図29】本発明の実施形態に従う、フロート、拘束性肩部を有する変形可能なベローズ、およびバラストを含む機械的分離器の、クロージャで拘束された位置における断面図である。
【図30】図29の機械的分離器の密封位置における断面図である。
【図31】本発明の実施形態に従う、代替のフロート、変形可能なベローズ、およびバラストを含む機械的分離器の、クロージャで拘束された位置における断面図である。
【図32】図31の機械的分離器の密封位置における断面図である。
【図33】本発明の実施形態に従う、球状のフロート、変形可能なベローズ、およびバラストを含む機械的分離器の、クロージャで拘束された位置における断面図である。
【図34】図33の機械的分離器の密封位置における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以後、説明のために、単語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「横」、「縦(長手方向)」等の空間的用語は、もし使用されるならば、図面中に配向されるように説明される実施形態に関連するものとする。しかしながら、それとは異なると明確に特定されている場合以外は、代替的な変化および実施形態が想定されてもよいことが理解されよう。また、添付図面中に例示されおよび本明細書中に記載されている特定の装置および実施形態は、単に、本発明の模範的な実施形態であるにすぎないことが理解されよう。
【0030】
図2において分解斜視図に示されるように、本発明の機械的分離組立品40は、流体試料を管46内で第1および第2相に分離するために管46と接続して使用するための機械的分離器44を備えるクロージャ42を含む。管46は、プロテオミクス、分子診断学、化学試料管、血液または他の体液採取管、凝集試料管、血液学試料管等のような試料採取管であってもよい。また、管46は、特定の管機能のために必要とされるような付加的な添加物を含有していてもよい。例えば、管46は、凝固阻害剤、凝固剤等を含有していてもよい。これらの添加物は、粒子または液体の形態で提供されてもよく、および管46に噴霧されていてもよく、または管46の底部に位置していてもよい。望ましくは、管46は、排気採血管である。管46は、閉鎖底部端または並置底部端48、開放頂部端50およびそれらの間に伸びる円筒状側壁52を含んでいてもよい。円筒状側壁52は、開放頂部端50から閉鎖底部端48に実質的に隣接する位置まで実質的に均一に伸びる内径「a」を有する内表面54を含む。
【0031】
管46は、以下の代表的な材料のうちの1つまたは複数製であってもよい:ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ガラス、またはそれらの組み合わせ。管46は、単一壁または多重壁構成を含むことができる。加えて、管46は、適切な生物学的試料を得るための任意の実際的なサイズに構成されていてもよい。例えば、管46は、当該技術分野で知られているような、慣用の大容量の管、小容量の管、または極小容量(microtainer)管と同様のサイズのものであってもよい。1つの特定の実施形態において、管46は、同様に当該技術分野において知られている標準的な3mlの排気採血管または16mmの直径および100mmの長さを有する8.5mlの採血管であってもよい。
【0032】
開放頂部端50は、液体不浸透性の密封を形成するためにクロージャ42をその中に少なくとも部分的に受容するように構造化されている。クロージャは、頂部端56および管46内に少なくとも部分的に受容されるように構造化された底部端58を含む。頂部端56に隣接するクロージャ42の部分は、管46の内径「a」を超える最大外径を画定する。
【0033】
図2〜3に示されるように、クロージャ42の部分は、頂部端56に、穿通可能な再密封可能な隔壁を画定する中央凹部60を含む。底部端58から下向きに伸びるクロージャ42の部分は、管46の内径「a」とおよそ等しいかまたはわずかに小さい小直径から管46の内径「a」よりも大きい大直径まで先細りしていてもよい。したがって、クロージャ42の底部端58は、開放頂部端50に隣接する管46の部分内に促される。クロージャ42の固有の弾性力は、管46の円筒状側壁52の内表面との密封係合を保証することができる。
【0034】
1つの実施形態において、クロージャ42は、管46との密封係合を提供するために、任意の適当なサイズおよび寸法(dimensions)を有する単一的に成形されたゴムまたはエラストマー材料で形成されることができる。また、クロージャ42は、底部端58中に伸びる底部凹部62を画定するように形成されることができる。底部凹部62は、機械的分離器44の少なくとも一部を受容するようにサイズ指定されていてもよい。1つの実施形態において、クロージャ42の底部端58は、機械的分離器44との係合のためにクロージャ42の底部端58から伸びる段階的な突起部分64を含む。クロージャの段階的な突起部分64は、外側稜線68および外側稜線68内に配置される内表面70を含んでいてもよい。1つの実施形態において、突起部分64は、機械的分離器44の部分内に伸びていてもよい。加えて、複数の間隔が空けられた弓状のフランジ66が、機械的分離器44をその中に少なくとも部分的に拘束するために、底部凹部62の周囲に伸びていてもよい。1つの実施形態において、フランジ66は、底部凹部62の円周の周囲において連続的である。
【0035】
任意的に、クロージャ42は、知られているように、クロージャ42が管46から取り除かれるときのクロージャ42内の血液の液滴からおよび潜在的な血液のエアロゾル化効果から使用者を保護するために、当出願人から商業的に入手可能なHemogard(登録商標)Shieldのような保護物によって、少なくとも部分的に包囲されていてもよい。
【0036】
図2を再度参照して、機械的分離器44は、バラスト74が変形可能なベローズ76の部分と係合し、およびフロート72もまた変形可能なベローズ76の部分と係合するように、フロート72、バラスト74、および変形可能なベローズ76を含む。
【0037】
図4〜5を参照して、機械的分離器のフロート72は、上端80および下端82を有する概して管状の本体である。フロート72の上端80は、係合突起部86によって下端82から分離されるヘッド部分84を含んでいてもよい。1つの実施形態において、ヘッド部分84は首部分88によって係合突起部86から分離されている。フロート72の下端82は、第1部分92および第1部分92から段階的な階段状第2部分94を有する本体部分90を含んでいてもよい。
【0038】
1つの実施形態において、階段状第2部分94の外径「b」は、図2に示される管46の内径「a」よりも小さい。別の実施形態において、第1部分92の外径「c」は、階段状第2部分94の外径「b」よりも小さい。ヘッド部分84の外径「d」は、典型的には、第1部分92の外径「c」または階段状第2部分94の外径「b」よりも小さい。係合係合突起部86の外径「e」は、ヘッド部分84の外径「d」よりも大きい。1つの実施形態において、係合突起部86の外径「e」は、階段状第2部分94の外径「b」よりも小さい。別の実施形態において、外径「b」および外径「e」は、同一のサイズである。
【0039】
1つの実施形態において、ヘッド部分84は、図3に示される突起部分64の曲率に実質的に相当する曲率を有するような概して湾曲した形状を有する。別の実施形態においてヘッド部分84は、図3に同様に示される突起部分64の内表面70の曲率に実質的に相当する曲率を有する。ヘッド部分84の曲率は、遠心分離の間の細胞または他の生物学的材料の除去を促進する可能性がある。
【0040】
フロート72は、縦軸Lに関して実質的に対称であることができる。1つの実施形態において、機械的分離器44のフロート72は、2つの相に分離することを意図する液体より軽い密度を有する材料で製造されることが望ましい。例えば、人血を血清および血漿に分離することが所望されるならば、次いで、フロート72はわずか約0.902gm/ccの密度を有することが望まれる。1つの実施形態において、フロート72は、ポリプロピレンのような中実材料製であることができる。
【0041】
図6〜9に示されるように、機械的分離器44のバラスト74は、上端124および下端126をそれらの間に伸びる概して円筒状の部分120と共に含む。1つの実施形態において、バラスト74は、図2に示される変形可能なベローズ76の少なくとも一部と係合するように構造化された内部表面122を含む。別の実施形態において、上端124は、図2に同様に示される変形可能なベローズ76の部分をその中に受容するための凹部128を含む。
【0042】
バラスト74の外径「j」は、図2に示される管46の内径「a」よりも小さく、したがって、バラスト74は、管46内で自由にスライドしてもよい。凹部128の内径「i」は、バラスト74の外径「j」よりも小さく、および図2に同様に示される変形可能なベローズ76の部分を受容するのに適当な任意の寸法を有することができる。また、バラスト74の内部表面122の内径「k」は、図4〜5に示されるフロート72の階段状第2部分94の外径「b」よりも大きい。したがって、フロート72は、バラスト74の内部内で自由に移動してもよい。1つの実施形態において、バラストは、フロート72の少なくとも一部の周囲に円周方向に配置される。さらに別の実施形態において、バラスト74は、フロート72に対して長手方向に移動可能である。
【0043】
図7に示されるように、1つの実施形態において、バラスト74は、上端124に隣接するような概して円筒状の部分120を通って伸びる機械的連結凹部130を含んでいてもよい。別の実施形態において、バラスト74は、それに対して取り付けるための変形可能なベローズ76の部分を収容するためのような、変形可能なベローズ76の部分に係合するための内壁131内に、機械的連結凹部130を含んでいてもよい。さらなる実施形態において、連結凹部130は、凹部128に設置される。
【0044】
1つの実施形態において、機械的分離器44のバラスト74は、2つの相に分離することを意図する液体より重い密度を有する材料で製造されることが望ましい。例えば、人血を血清および血漿に分離することが所望されるならば、次いで、バラスト74は少なくとも1.326gm/ccの密度を有することが望まれる。1つの実施形態において、バラスト74は、図4〜5に示されるフロート72の密度より大きい密度を有していてもよい。別の実施形態において、バラスト74は、PETで製造されることができる。
【0045】
図6〜9に示されるように、バラスト74の外部表面は、バラスト72の縦軸Lの周囲に円周方向に配置され、および円筒状部分120の外部表面中に伸びる環状凹部134を画定することができる。この実施形態において、環状凹部134は、バラスト74を図2に示される変形可能なベローズ76および/またはフロート72と係合させるための自動化された組立品を実現するために構造化されている。
【0046】
図10〜13に示されるように、機械的分離器44の変形可能なベローズ76は、上部第1端136および下部第2端138をそれらの間に伸びる開放通路142と共に含む。上部第1端136は、図2に示される管46の円筒状側壁52との密封性係合を提供するために、開放通路142の周囲に円周方向に配置される変形可能な密封性部分140を含む。変形可能な密封性部分140は、変形可能なベローズ76の上部第1端136の上部表面144に実質的に隣接して位置付けられることができる。変形可能な密封性部分140は、不偏位置において図2に示される管46の内径「a」をわずかに超える外径「k」を有する概してトロイダル形状を有していてもよい。しかしながら、変形可能なベローズ76の上部第1端136および下部第2端138に対する逆方向性の力は変形可能な密封性部分140を伸ばし、同時に外径「k」を「a」未満の寸法まで低減させる。同様に、開放通路142は、不偏位置において、図5に示されるフロート72のヘッド部分84の外径「d」よりも小さい内径「m」を有する。変形可能なベローズ76の上部第1端136および下部第2端138に対する逆方向性の力は、開放通路の内径「m」を、図5に再度示されるフロート72のヘッド部分84の外径「d」を超える直径まで増大させる。
【0047】
変形可能な密封性部分140を含む変形可能なベローズ76は、(突起部160の配置を考え得る例外として)縦軸Lに関して実質的に対称であり、および図2に示される管46の円筒状側壁52と液体不浸透性の密封を形成するのに充分な任意の充分にエラストマー性の材料製であることができる。1つの実施形態において、変形可能なベローズ76は、熱可塑性ポリプロピレンのような熱可塑性エラストマー製であり、および約0.020インチから約0.050インチまでのおよその寸法の厚さを有する。別の実施形態において、ベローズ構造70の全体は、熱可塑性エラストマー製である。
【0048】
1つの実施形態において、変形可能なベローズ76の上部第1端136は、変形可能な密封性部分140に隣接する変形可能なベローズ76の内部148内に伸びる環状肩部146を含む。別の実施形態において、環状肩部146は、変形可能なベローズ76の上部第1端136の内部表面152であってもよい。好ましくは、環状肩部146は、変形可能な密封性部分140の少なくとも一部の長手方向上方に位置付けられる。あるいはまた、環状肩部146は、変形可能な密封性部分140の上部部分の内部表面152であってもよい。1つの実施形態において、変形可能なベローズ76は、上部第1端136の内部表面152内に少なくとも部分的に伸びる凹部150を含む。凹部150は、開放通路142の周囲に円周方向に配置されていてもよく、および連続的な凹部または区分化された凹部であってもよい。凹部150は、変形可能なベローズ76のバネ定数を低減させて、より小さな力の適用により、変形可能なベローズ76を長手方向に変形させることを可能にしてもよい。1つの実施形態において、これは、変形可能なベローズ76の壁部分を低減させてヒンジを作り出すことにより成し遂げられてもよい。
【0049】
加えて、上部第1端136のような変形可能なベローズ76の少なくとも一部は、図2〜3に同様に示される底部凹部62のようなクロージャ42内での受容のために構造化されることができる。1つの実施形態において、変形可能なベローズ76の変形可能な密封性部分140の少なくとも一部は、クロージャ42の底部凹部62内での受容のために構造化されている。
【0050】
変形可能なベローズ76の下部第2端138は、上部第1端136から長手方向下方に伸びる対向する従属部分154を含む。1つの実施形態において、対向する従属部分154は、開放通路142の周囲円周方向および変形可能な密封性部分140の下方に伸びる下端環156に接続されている。1つの実施形態において、対向する従属部分154は、外部表面160の部分から伸びる少なくとも1つのバラスト連結突起部158を含む。連結突起部158は、バラスト74を上部第1端136と下部第2端138との間の変形可能なベローズ76の部分に固定するために、図6〜9に示されるバラスト74の連結凹部130と係合可能である。任意的に、バラスト74の連結凹部130は、バラスト74の対向する壁にわたって完全に伸びていてもよい。1つの実施形態において、変形可能なベローズ76の外部表面160は、図6〜9に示されるバラスト74の内壁131と固定されてもよい。1つの実施形態において、2ショット成形技術は、変形可能なベローズ76をバラスト74に固定するために使用されてもよい。
【0051】
また、変形可能なベローズ76の下部第2端138は、変形可能なベローズ76の内部148内に伸びる拘束肩部162を含んでいてもよい。拘束肩部162は、対向する従属部分154の底部端163に位置付けられていてもよい。1つの実施形態において、変形可能なベローズ76の内部148は、図4〜5に示されるフロート72の少なくとも一部をその中に解放可能に保持するために構造化されている。別の実施形態において、拘束肩部162は、フロート72の係合突起部86をそれに対して拘束するように構造化され、およびヘッド部分84のようなフロート72の部分が変形可能なベローズ76の内部148内に入るのを可能にするように寸法付けられている。拘束肩部162の間に伸びるような下部第2端138に隣接する変形可能なベローズの内径「n」は、開放通路142の内径「m」よりも大きいが、図5に示されるフロート72の係合係合突起部86の外径「e」よりも小さいように寸法付けられている。したがって、ヘッド部分84のようなフロート72の部分は、変形可能なベローズ76の内部148内に受容されおよび保持されることができる。
【0052】
図14〜15に示されるように、拘束位置において、本発明の組み立てられた機械的分離器44は、バラスト74と係合する変形可能なベローズ76を含む。ヘッド部分84のようなフロート72の部分は、変形可能なベローズ76の内部148内で係合する。フロート72は、フロート72の係合突起部86および変形可能なベローズ76の拘束肩部162の機械的係合によって変形可能なベローズ76の内部148内に少なくとも部分的に固定されてもよい。
【0053】
図15に示されるように、機械的分離器44は、拘束位置において、クロージャ42の部分と係合することができる。示されるように、突起部分64のようなクロージャ42の部分は、変形可能なベローズ76の開放通路142内に少なくとも部分的に受容される。1つの実施形態において、突起部分64は、変形可能なベローズ76の上部第1端136で、それと共に液体不浸透性の密封を形成する開放通路142に受容される。
【0054】
拘束位置において、ヘッド部分84のようなフロート72の部分もまた、開放通路142内に受容されてもよい。1つの実施形態において、フロート72のヘッド部分84は、変形可能なベローズ76の下部第2端138で開放通路142内に受容されている。フロート72は、外径「d」を有するヘッド部分84が、図13に示されるような上部第1端136で、変形可能なベローズ76の開放通路142の内径「m」よりも大きいように寸法付けられる。したがって、拘束位置において、フロート72のヘッド部分84は、変形可能なベローズ76の開放通路142を通過することができない。
【0055】
図15を再度参照して、組み立てられた機械的分離器44は、クロージャ42の底部凹部62内に促される。この挿入は、クロージャ42のフランジ64を変形可能なベローズ76の上部第1端136と係合させる。挿入の間、変形可能なベローズ76の上部第1端136の少なくとも一部は、クロージャ42の輪郭を収容するように変形する。1つの実施形態において、クロージャ42は、底部凹部62内への機械的分離器44の挿入の間、実質的に変形されない。
【0056】
図16〜18に示されるように、機械的分離組立品40は、機械的分離器44およびクロージャ42の底部端58が管46内に位置するように管46の開放頂部端50内に挿入される機械的分離器44およびクロージャ42を含む。変形可能なベローズ76を含む機械的分離器44は、円筒状側壁52の内部および管46の開放頂部端を密封するように係合する。
【0057】
図17に示されるように、液体試料は、クロージャ42の頂部端56および突起部分64の隔壁を貫通する穿刺先端164によって、管46に供給される。単に例示の目的のために、液体は血液である。血液は、クロージャの穿通された突起部分64を通り、図11および13に示される変形可能なベローズ76の開放通路142を通り、フロート72のヘッド部分84を超え、およびフロート72と変形可能なベローズ76の下部第2端138の対向する従属部分154との間の空間を通って流れる。図10および13に示されるように、対向する従属部分154は、それらの間に流体アクセス領域166を画定して、穿刺先端164から受け入れた流体が、矢印Bによって示されるように、フロート72と変形可能なベローズ76との間を通過しならびに管46の閉鎖底部端48へ入るのを可能にし、機械的分離器の事前起動を低減させる。
【0058】
図18に示されるように、いったん充分な体積の流体が上述のように穿刺先端164を通って管46に供給されると、穿刺先端164は、クロージャ42から取り除かれることができる。1つの実施形態において、突起部分64のようなクロージャ42の少なくとも一部は、自己密封性材料製であって、いったん穿刺先端164が取り除かれると液体不浸透性の密封を形成する。機械的分離組立品40は、次いで、流体の相を分離するために、遠心分離機のような促進された回転力の対象とされてもよい。
【0059】
図16〜17を再度参照して、使用時に、機械的分離器44、特に、変形可能なベローズ76は、機械的分離器44が遠心分離機内のような促進された回転力の対象とされるまで、クロージャ42で拘束されているように意図される。
【0060】
図18に示されるように、遠心分離のような促進された回転力を適用すると、血液の各相は、図22に示される分離された相を備えて、管46の閉鎖底部端58に向かって変位されたより高密度の相と、管46の開放頂部端50に向かって変位されたより密度が低い相と、に分離し始める。遠心分離の間、機械的分離器44は、クロージャ42からその係合を解くのに充分な力を受ける。いったん係合が解かれると、機械的分離器44は、流体界面に向かって管46を下って動く。拘束位置から密封位置までのフロート72の移行は、機械的分離器44が流体に接触しおよび沈む際に起こる。機械的分離器44内で捕捉される空気は変形可能なベローズ76の開放通路142を通って抜けるので、フロート72は、機械的分離器44が流体界面と接触しおよび流体中に沈み始めるとすぐに機械的分離器44内で上方に移動し始める。フロート72は中実材料で形成されていてもよいので、空気はフロート72内で捕捉されず、およびしたがって、フロート72内に何ら付加的な空気抜き機構は含まれていない。結果として、フロート72と変形可能なベローズ76との間の漏れは最小化される。
【0061】
いったん機械的分離器44が完全に沈むと、フロート72およびバラスト74は変形可能なベローズ76に対向する力を発揮する。結果として、変形可能なベローズ76、および特に、変形可能な密封性部分140は、より長くおよびより細くなり、ならびに円筒状側壁52の内表面から同心円状に内側に間隔を空けるようになる。
【0062】
図18〜22を参照して、機械的分離器44がクロージャ42からの係合を解きおよび流体中に沈んだ後は、変形可能な密封性部分140の外径「n」(図13に示される)は小さくなり、血液のより軽い相成分が変形可能な密封性部分140を越えてスライドしおよび上方に移動することを可能にする。同様に、血液のより重い相成分は、変形可能な密封性部分140を越えてスライドしおよび下方に移動することができる。上で述べたとおり、機械的分離器44は、血液の分離された相の密度の間の全体的な密度を有する。適用した遠心力の促進がなされると、変形可能なベローズ76の開放通路142もまた、フロート72およびバラスト74によってそれに発揮される対向する力の結果として、変形する。この変形は、図13に示される開放通路142の内径「m」を図5に示されるフロート72のヘッド部分84の外径「d」よりも大きい寸法に増大させ、それによって、フロート72のヘッド部分84が開放通路142を通過することを可能にする。したがって、遠心分離の間、機械的分離器44は、図14〜15に示される拘束位置から図19〜21に示される密封位置まで移行する。
【0063】
図19〜21を参照して、密封位置における変形可能なベローズ76、バラスト74、およびフロート72を含む機械的分離器44が示される。機械的分離器44の変形可能なベローズ76の開放通路142の内径「m」は、遠心分離の間、増大されるので、フロート72のヘッド部分84はそれを通過することができる。好ましくは、変形可能なベローズ76の開放通路142の内径「m」は、変形の間、フロート72の係合突起部86の外径「e」を超えない。さらにより好ましくは、開放通路142の内径「m」は、変形の間、フロート72の階段状第2部分94の外径「b」を超えない。フロート72は当然に浮力のある材料製であるので、フロート72は、矢印Aによって示されるように上方に促される。
【0064】
いったん遠心分離を停止させると、開放通路142の内径「m」は、不偏位置に戻り、および密封位置においてフロート72と首部分88の周囲で係合する。1つの実施形態において、変形可能なベローズ76は、密封位置において、フロート72の首部分88の周囲に開放通路142にわたって液体不浸透性の密封を形成する。密封位置において、ヘッド部分84のようなフロート72の少なくとも一部は、変形可能なベローズ76の内部148に対する外部位置168のような、変形可能なベローズ76に対する外部位置168に位置付けられる。この実施形態において、ヘッド部分84は、密封位置において、変形可能なベローズ76から機械的分離器44の縦軸Lに沿って長手方向に変位されている外部位置168に位置付けられていてもよい。機械的分離器44のフロート72は流体中で浮力があるので、機械的分離器44が図16〜18に示されるように配向されているとき、フロート72のヘッド部分84は、拘束位置において、図15に示される変形可能なベローズ76の上部第1端136の下方に位置付けられることができ、および密封位置において、図19〜21に示される変形可能なベローズ76の上部第1端136の上方に位置付けられることができる。
【0065】
図22を参照して、遠心分離および拘束位置から密封位置までの機械的分離器44の移行の後、機械的分離器44は、機械的分離装置40の管46内の位置で、より重い相成分170が機械的分離器44と管46の閉鎖底部端58との間に位置付けられ、一方、より軽い相成分172が機械的分離器44と管の頂部端50との間に位置付けられるように、安定化される。この安定化された状態に達した後、遠心分離は停止され、および変形可能なベローズ76、特に、変形可能な密封性部分140は、その不偏状態に弾性的に戻り、および管46の円筒状側壁52の内部と密封性係合を結ぶ。形成された液体相は、次いで、分析のために別個にアクセスされることができる。
【0066】
上記発明は、ある種の構成を具体的に参照して説明されているが、本明細書中の特許請求の範囲の精神を逸脱することなく多様な代替の構造を採用してもよいことは、本明細書において意図されている。例えば、図23〜24に示されるように、本発明の前の説明は、底部凹部および/または突起部分を有するクロージャを参照して行われているが、機械的分離器244は、慣用的に傾斜が付けられた底部表面246を有する標準的なクロージャ242を含むように構成されることができる。この構成において、開放通路243を有する変形可能なベローズ276は、管252の内壁250と変形可能なベローズ276の外表面254との間の締りばめ(interference fit)によって、標準的なクロージャ242に隣接する位置に保持される。任意的に、管252の内壁250内の小さな環状突起部258は、変形可能なベローズ276と管252との間の締りをさらに増大させるために採用されてもよい。バラスト290は、変形可能なベローズ276の少なくとも一部と係合する。図23〜24に同様に示されるように、ヘッド部分280のようなフロート272の少なくとも一部が図23に示される拘束位置における変形可能なベローズ276の内部内の位置から図24に示される密封位置における変形可能なベローズ276に対する外部位置まで移行するという条件で、フロート272の多様な構成が採用されてもよいことは、本明細書において意図されている。
【0067】
図25〜26に示されるように、機械的分離器344は、クロージャ342の下面に係合していてもよいルアーカラー320を有するクロージャ342と係合することができる。1つの実施形態において、ルアーカラー320は、クロージャ342の下面370にスナップ係合していてもよい。使用時に、変形可能なベローズ376、変形可能なベローズ376の部分と係合するバラスト390、および同じく変形可能なベローズ376の部分と係合するフロート372を含む機械的分離器344が遠心分離の対象とされるとき、ルアーカラー320は、クロージャ342の下面370から機械的分離器344と共に解放されてもよい。図25に示される拘束位置から図26に示される密封位置までの移行に際して、機械的分離器344のフロート372のヘッド部分384は、変形可能なベローズ376に対して少なくとも部分的に内部の位置から変形可能なベローズ376の外部位置まで、およびルアーカラー320内に移行する。
【0068】
図27に示されるように、変形可能なベローズ476、変形可能なベローズ476の部分と係合するバラスト490、および同じく変形可能なベローズ476の部分と係合するフロート472を含む機械的分離器444は、管挿入部分450を有する管446中に挿入されていてもよい。管挿入部分450は、機械的分離器444の部分の周囲に円周方向に配置されるような管446中に挿入される任意の適当な装置であることができ、クロージャ442の管挿入部分450からの機械的分離器444の時期尚早の解放を防止する。1つの実施形態において、管挿入部分450は、変形可能なベローズ476の部分の周囲に円周方向に配置されて、管476との付加的な締りを提供する。
【0069】
あるいはまた、図28に示されるように、変形可能なベローズ576、変形可能なベローズ576の部分と係合するバラスト590、および同じく変形可能なベローズ576の部分と係合するフロート572を含む機械的分離器544は、クロージャ542の下面に恒久的に取り付けられている保持カラー550と係合していてもよい。1つの実施形態において、変形可能なベローズ576は、出荷および取扱いの間、クロージャ542に対して固定されて保持されている。保持カラー550の内部直径「r」は、遠心分離(不図示)後に、それを介したクロージャサンプリングのための穿刺先端のアクセスを可能にするように、充分にサイズ指定されている。
【0070】
また、図29〜30に示されるように、機械的分離器644は、変形可能なベローズ676、変形可能なベローズ676の部分と係合するバラスト690、および同じく変形可能なベローズ676の部分と係合するフロート672を含んでいてもよい。この実施形態において、変形可能なベローズ676は、クロージャ642の突起部分646にわたってバイアスされている。拘束位置において、図29に示されるように、変形可能なベローズ676の開放通路652の内径「s」は、突起部分646を収容するために拡大されている。図30に示される密封位置において、フロート672のヘッド部分684は、変形可能なベローズ676に対して外部位置まで開放通路652を通過し、およびその中に通路652の不偏直径によって密封される。任意的に、バラスト690は肩部630を含んでいてもよく、およびフロート672は、出荷の間、拘束位置において、フロート672を機械的分離器644内で拘束するための係合突起部632を含んでいてもよい。
【0071】
図31〜32に示されるように、機械的分離器744は、変形可能なベローズ776、変形可能なベローズ776の部分と係合するバラスト790、および同じく変形可能なベローズ776の部分と係合するフロート772を含んでいてもよい。クロージャ742は、図31に示される拘束位置において、変形可能なベローズ776をクロージャ742に固定するために、接触表面752と隣接する環750を含んでいてもよい。この構成において、血液のような流体の導入は、機械的分離器744のフロート772を上昇させ、および遠心分離は、変形可能なベローズ776をクロージャ742から分離させ、および機械的分離器744を図31に示される拘束位置から図32に示される閉鎖位置まで移行させる。
【0072】
あるいはまた、図33〜34に示されるように、機械的分離器844は、変形可能なベローズ876、変形可能なベローズ876の部分と係合するバラスト890、および実質的に球状のフロート872を含んでいてもよい。この実施形態において、変形可能なベローズ876の開放通路870は、球状のフロート872の外径に実質的に対応する突起部882を含む。図33に示される拘束位置において、球状のフロート872は、機械的分離器844の内部840内に位置付けられる。図34に示される密封位置において、球状のフロート872は、機械的分離器844の内部840に対して少なくとも部分的に外部に移行された第1部分835を含む。1つの実施形態において、球状のフロート872は、変形可能なベローズ876の突起部882で密封を形成する。
【0073】
本発明の機械的分離器は、フロートおよびバラストが対向する力を変形可能なベローズに働かせた際に拘束位置から密封位置まで移行可能であるフロートを含み、それによって、変形可能なベローズ内にフロートが受容されるのを可能にする。したがって、使用時に、本発明の機械的分離器は、ベローズ内に開放通路を提供することによって、装置の事前起動を最小化し、およびクロージャの下方の試料溜まりを低減させる。加えて、フロートの外部とバラストの内部との間の低減されたすきまは、血清および血漿のような捕捉された流体相の損失を最小化する。
【0074】
本発明を、開放端に隣接する管内に配置される機械的分離器の観点で説明してきたが、機械的分離器は、管の底部に取り付けられるように、管の底部に位置していてもよいこともまた、本明細書において意図される。この構成は、遠心分離の間、機械的分離器は試料を通って上に移動することができるので、特に、その中で血液試料は凝固しない血漿アプリケーションのために有用である可能性がある。
【0075】
機械的分離器組立品および使用方法のいくつかの特徴的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は、範囲および精神を逸脱することなく修正および変更を加えることができよう。したがって、上述の詳細な説明は、限定的ではなく例示的であることが意図される。例えば、上述の組立品は生物学的試料管に関していたが、他の種類の試料容器が使用されてもよい。加えて、成分の多様な構成が上に提供されてきたが、同様に、他の形状および寸法が意図されてもよいことに留意されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分および第2部分を有するフロート;
前記フロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよび前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト;および
第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズ、
を含み、前記バラストは、第1端および第2端の間の前記変形可能なベローズと係合し、および前記フロートの少なくとも一部は、前記変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能であり、
ここで、前記フロートの第1部分は、拘束位置において、前記変形可能なベローズの内部内に位置付けられ、および前記フロートの第1部分は、密封位置において、前記変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられることを特徴とする機械的分離器。
【請求項2】
前記フロートは第1密度を有し、および前記バラストは前記フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有することを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項3】
前記機械的分離器は、前記フロートの第1部分が、拘束位置において、前記変形可能なベローズの第1端の下方に位置付けられ、および前記フロートの第1部分が、密封位置において、前記変形可能なベローズの第1端の上方に位置付けられるように配向されていることを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項4】
拘束位置から密封位置までの移行は、前記フロートおよびバラストが対向する力を前記変形可能なベローズに発揮する際に起こることを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項5】
拘束位置から密封位置までの移行は、前記フロートを前記変形可能なベローズの前記開放通路内に前進させることをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の機械的分離器。
【請求項6】
前記フロートは係合突起部を含み、および前記変形可能なベローズは拘束肩部を含み、および前記フロートの前記係合突起部は前記拘束肩部によって前記変形可能なベローズ内に拘束されることを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項7】
前記フロートはヘッド部分および本体部分を含み、前記本体部分は第1直径を有する第1部分および第2直径を有する階段状第2部分を含み、第2直径は第1直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項8】
前記フロートは中実であることを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項9】
前記バラストは、それに対して取り付けるための前記変形可能なベローズの部分を収容するための連結凹部を含むことを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項10】
前記バラストは、外部表面を含み、および前記外部表面の範囲内で円周方向に配置される環状肩部を画定することを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項11】
前記変形可能なベローズの第1端の少なくとも一部は、クロージャ内に受容されるために構造化されていることを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項12】
前記変形可能なベローズの第1端の少なくとも一部は、その中に前記クロージャの部分を受容するために構造化されていることを特徴とする請求項11に記載の機械的分離器。
【請求項13】
前記フロートおよび変形可能なベローズは、密封位置において、液体不浸透性の密封を形成することを特徴とする請求項11に記載の機械的分離器。
【請求項14】
前記フロートはポリプロピレンを含み、前記バラストはポリエチレンテレフタレートを含み、および前記変形可能なベローズは熱可塑性エラストマーを含むことを特徴とする請求項1に記載の機械的分離器。
【請求項15】
第1部分および第2部分を有するフロート;
前記フロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよび前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト;および
開放第1端および開放第2端を有しならびにそれらの間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズであって、前記バラストの部分と係合する外部表面、および前記フロートの部分と解放可能に係合する内部表面を含む変形可能なベローズ、
を含むことを特徴とする機械的分離器。
【請求項16】
前記フロートは第1密度を有し、および前記バラストは前記フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有することを特徴とする請求項15に記載の機械的分離器。
【請求項17】
前記フロートの少なくとも一部は、前記変形可能なベローズの前記第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能であり、ここで、前記フロートの第1部分は、拘束位置において、前記変形可能なベローズの内部内に位置付けられ、および前記フロートの第1部分は、密封位置において、前記変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられることを特徴とする請求項15に記載の機械的分離器。
【請求項18】
拘束位置から密封位置までの移行は、前記フロートおよびバラストが対向する力を前記変形可能なベローズに発揮する際に起こることを特徴とする請求項17に記載の機械的分離器。
【請求項19】
前記機械的分離器は、前記フロートの第1部分が、拘束位置において、前記変形可能なベローズの第1端の下方に位置付けられ、および前記フロートの第1部分が、密封位置において、前記変形可能なベローズの第1端の上方に位置付けられるように配向されていることを特徴とする請求項17に記載の機械的分離器。
【請求項20】
前記フロートおよび変形可能なベローズは、密封位置において、液体不浸透性の密封を形成することを特徴とする請求項16に記載の機械的分離器。
【請求項21】
前記フロートは係合突起部を含み、および前記変形可能なベローズは拘束肩部を含み、前記フロートの前記係合突起部は前記拘束肩部によって前記変形可能なベローズ内に拘束されることを特徴とする請求項16に記載の機械的分離器。
【請求項22】
開放端、並置端、およびそれらの間に伸びる側壁を有する管;
前記管の前記開放端と密封係合するのに適したクロージャであって、凹部を画定するクロージャ;および
前記凹部内で解放可能に係合する機械的分離器であって:
第1部分および第2部分を有するフロートであって、第1密度を有するフロート;
前記フロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよび前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラストであって、前記フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有するバラスト;および
第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズ、
を含み、前記バラストは、第1端および第2端の間の前記変形可能なベローズ、および前記変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能な前記フロートの少なくとも一部と係合する機械的分離器、
を含み、
ここで、前記フロートの第1部分は、拘束位置において、前記変形可能なベローズの内部内に位置付けられ、および前記フロートの第1部分は、密封位置において、前記変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられることを特徴とする流体試料を第1および第2相に分離することを可能にするための分離組立品。
【請求項23】
前記機械的分離器は、前記フロートの第1部分が、拘束位置において、前記変形可能なベローズの第1端の下方に位置付けられ、および前記フロートの第1部分が、密封位置において、前記変形可能なベローズの第1端の上方に位置付けられるように配向されていることを特徴とする請求項22に記載の分離組立品。
【請求項24】
前記フロートは係合突起部を含み、および前記変形可能なベローズは拘束肩部を含み、前記フロートの前記係合突起部は、前記拘束肩部によって前記変形可能なベローズ内に拘束されることを特徴とする請求項22に記載の分離組立品。
【請求項25】
拘束位置から密封位置までの移行は、前記変形可能なベローズの変形、および前記フロートの前記変形可能なベローズの前記通路内での受容の際に起こることを特徴とする請求項22に記載の分離組立品。
【請求項26】
開放端、並置端、およびそれらの間に伸びる側壁を有する管;
前記管の前記開放端と密封係合するのに適したクロージャであって、凹部を画定するクロージャ;および
前記凹部内で解放可能に係合する機械的分離器であって:
第1部分および第2部分を有するフロートであって、第1密度を有するフロート;
前記フロートの部分の周囲に円周方向に配置され、および前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラストであって、前記フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有するバラスト;および
開放第1端および開放第2端を有し、ならびにそれらの間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズであって、前記バラストの部分と係合する外部表面、および前記フロートの部分と解放可能に係合する内部表面を含む変形可能なベローズ、
を含む機械的分離器、
を含むことを特徴とする流体試料を第1および第2相に分離することを可能にするための分離組立品。
【請求項27】
前記フロートの少なくとも一部は、前記変形可能なベローズの前記第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能であり、ここで、前記フロートの第1部分は、拘束位置において、前記変形可能なベローズの前記内部内に位置付けられ、および前記フロートの第1部分は、密封位置において、前記変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられることを特徴とする請求項26に記載の分離組立品。
【請求項28】
その中に配置される流体試料を有する分離組立品を、促進された回転力の対象とする工程であって、前記分離組立品は:
開放端、並置端、およびそれらの間に伸びる側壁を有する管;
前記管の前記開放端と密封係合するのに適したクロージャであって、凹部を画定するクロージャ;および
前記凹部内で解放可能に係合する機械的分離器、
を含み、前記機械的分離器は:
第1部分および第2部分を有するフロート;
前記フロートの部分の周囲に円周方向に配置されおよび前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラスト;および
前記側壁の部分と係合し、および第1端および第2端の間に伸びる開放通路を画定する変形可能なベローズ、
を含み、前記バラストは、第1端および第2端の間の前記変形可能なベローズと係合し、および前記フロートの少なくとも一部は、前記変形可能なベローズの第1端を通って拘束位置から密封位置まで移行可能である、
工程;
前記クロージャから前記機械的分離器の係合を解く工程;
前記機械的分離器が前記流体内に沈むまで前記機械的分離器内から前記変形可能なベローズの前記開放通路を通って空気を抜く工程;
前記側壁から少なくとも部分的に分離するように前記変形可能なベローズを伸ばす工程;および
前記拘束位置から前記密封位置まで前記フロートを移行させる工程、
を含むことを特徴とする流体試料を管内でより軽い相およびより重い相に分離する方法。
【請求項29】
前記流体の前記より軽い相およびより重い相は、前記変形可能なベローズを伸ばす工程の間、前記側壁および前記変形可能なベローズの間を通過することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記フロートの第1部分は、拘束位置において、前記変形可能なベローズの内部内に位置付けられ、および前記フロートの第1部分は、密封位置において、前記変形可能なベローズから長手方向に変位された外部位置に位置付けられることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
開放端、並置端、およびそれらの間に伸びる側壁を有する管;
前記管の前記開放端と密封係合するのに適したクロージャ;および
前記管内に配置される機械的分離器、
を含み、前記機械的分離器は:
第1部分および第2部分を有するフロートであって、第1密度を有するフロート;
前記フロートの部分の周囲に配置され、および前記フロートに対して長手方向に移動可能なバラストであって、前記フロートの第1密度よりも大きい第2密度を有するバラスト;および
前記フロートと接合する変形可能なベローズであって、開放第1端および開放第2端を有しならびにそれらの間に伸びる開放通路を画定し、前記バラストの部分と係合する外部表面、および前記フロートの部分と解放可能に係合する内部表面を含む変形可能なベローズ、
を含み、ここで、前記フロートの密度よりも低い密度から前記バラストの密度よりも高い密度に及ぶ局在性密度の流体成分で充填されたときに、前記分離組立品に遠心力が適用され、およびここで、充分な遠心力は、前記ベローズを前記フロート上に着座させることができることを特徴とする流体試料を第1および第2相に分離することを可能にするための分離組立品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2011−528620(P2011−528620A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520137(P2011−520137)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/051274
【国際公開番号】WO2010/011664
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(595117091)ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー (539)
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417−1880, UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】