説明

密閉型電動圧縮機およびこれを用いた冷凍装置

【課題】R600aを主体とする冷媒を用い、高効率でかつ振動が小さく、騒音の低い密閉型電動圧縮機を提供する。
【解決手段】R600aを主体とする炭化水素冷媒を主成分とする冷媒を用い、商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数で駆動されるインバーター駆動式のレシプロ型密閉型電動圧縮機であって、ピストン130の外径対往復動の比は1対1から1.5対1の範囲内であり、圧縮要素106が電動要素105の略上方に構築され、かつ圧縮要素106が固定子103を介し、固定子103の下方で密閉容器101から弾性支持されたことで圧縮時の振動が小さくおさえられ、また圧縮室122とピストン130の間の漏れが小さく抑えられるので、高効率でかつ振動が小さく、騒音の低い密閉型電動圧縮機を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気冷蔵庫やエアーコンディショナー、あるいは自動販売機等に使用される密閉型圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境に対する要求はますます高まってきており、省エネ、温室効果の高いガスの規制等の動きが加速されている。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来技術の密閉型電動圧縮機について説明する。なお以下の説明において、上下の関係は、密閉型電動圧縮機を正規の姿勢に設置した状態を基準とする。
【0004】
図4は特許文献1に記載された従来技術の密閉型電動圧縮機の断面図で、1は密閉容器で冷凍機油2を貯溜する。5は電動要素で固定子3、および永久磁石を内臓する回転子4からなる。6は圧縮要素で電動要素5の下方に構築され、電動要素5によって駆動され、ともに密閉容器1に収容される。
【0005】
また、この密閉型電動圧縮機はオゾン破壊係数がゼロであるHFC系の代表的な冷媒であるR134aを圧縮するよう、設計されている。
【0006】
次に圧縮要素6の詳細を以下に説明する。
【0007】
10はクランクシャフトで、回転子4を圧入固定した主軸部11および主軸部11に対し偏心して形成された偏心部12を有する。20はシリンダーブロックで、略円筒形の圧縮室22を有するとともに主軸部11を軸支する軸受け部23を有し、電動要素の下方に形成されている。30はピストンで圧縮室22に勘入され、偏心部12との間を連結手段31によって連結されている。33は鉄板を積層したバランスウエイトで回転子4に固定される。35は圧縮室22の端面を封止するバルブプレート、36はヘッドで高圧室を形成し、バルブプレート35の反圧縮室22側に固定される。
【0008】
39はサクションチューブで密閉容器1に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス(図示せず)を密閉容器1内に導く。40はサクションマフラーで消音空間42を形成する。50はサスペンションスプリングで密閉容器1に固定されたスナブバー52およびシリンダーブロック20に形成されたスナブバー部53の間に嵌装され、圧縮要素6を弾性的に支持する。
【0009】
60はインバーター装置で固定子3と結線される。61はインバーター装置60をコントロールする制御回路、62は商用電源で制御回路61、およびインバーター装置60に結線されている。
【0010】
なお、一般に圧縮機の消費電力は運転周波数が低いほど小さくなり、また一方で負荷に応じた冷凍能力も同時に求められることから、通常インバーター装置は商用電源の周波数に対しその半分程度から商用電源の周波数を超える程度までの間で任意に複数の出力周波数が設定される。
【0011】
次に以上のような構成における一連の動作について説明する。
【0012】
商用電源62から供給される電力は制御回路61、インバーター装置60を介して電動要素5に供給され、電動要素5の回転子4を任意の回転数で回転させる。回転子4はクランクシャフト10を回転させ、偏心部12の偏心運動が連結手段31を介してピストン30を駆動することでピストン30は圧縮室22内を往復運動し、サクションチューブ39を通して密閉容器1内に導かれた前記冷媒ガスはサクションマフラー40から吸入され、圧縮室22内で連続して圧縮される。
【0013】
この際、ピストン30の往復運動によって発生する振動は、バランスウエイト33でかなり相殺されるが、一部残存する。こうして残存した振動はその反作用としてシリンダーブロック20を振動させるが、この振動はサスペンションスプリング50でさらに減衰される。この時生ずる密閉型電動圧縮機の振動は、電動要素の回転数が低いほど振幅が大きくなるが、27Hz近辺の運転周波数では実用上問題の無い40ミクロンメートルを下回る32ミクロンメートル程度のレベルであった。
【特許文献1】特開平11−107931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記した密閉型電動圧縮機は既に実用化されている一般的な構成であるが、地球環境の観点からは、まだ改良の余地を残す。
【0015】
すなわち従来技術の密閉型電動圧縮機は、オゾン破壊係数がゼロであるHFC系の代表的な冷媒であるR134aを圧縮するよう設計されているが、R134aを含むHFC系の冷媒は温暖化係数が高く、いずれ規制されることが決定している。これに代り、欧州で既に実用化されており、オゾン破壊係数がゼロでしかも温暖化係数の小さい炭化水素系冷媒、具体的にはR600aが、日本国内でも有力な代替冷媒と考えられている。
【0016】
しかしながらR600aは冷媒R134aに較べ、圧縮機吸込み体積当たりの冷凍能力が半分近くしかなく、このことからR134aと同等の冷凍能力を得るためにはピストンによる押しのけ容積をR134aに比べて2倍近くまで拡大する必要がある。
【0017】
通常、押しのけ容積(以下、気筒容積という)を大きくするためには、圧縮室の径、すなわちピストンの外径を大きくするか、クランクシャフトシャフトの偏心量を大きくする、あるいはこれら双方を併用するのが一般的であるが、ピストンの外径を大きくすることはピストンの質量が増加することになり、またクランクシャフトの偏心量を大きくすることは、ピストンの往復動における加速度が増加することになり、こうした手法を採択した場合、いずれもピストンの往復動に伴う振動エネルギーが増加する。特に気筒容積を2倍近くまで拡大した場合、この振動エネルギーは非常に大きくなる。
【0018】
一方、この振動エネルギーによって発生する圧縮機の振動の振幅は、圧縮要素や電動要素の慣性質量と振動エネルギーとの関係で、電動要素の回転数が低いほど大きくなる。インバーター装置を用いた低速運転、具体的には27Hz近辺の回転周波数では、65ミクロンメートル程度のレベルまで振動が増加してしまう。こういった振幅レベルになると、この振動に伴い圧縮機や冷凍装置の発生する騒音が増加してしまう、また冷凍装置の配管が振動によって疲労破壊し、折損してしまうことで冷媒がリークしてしまうといった課題がある。
【0019】
本発明はこういった課題を解決するもので、R600aを主体とする冷媒を用い、高効率でかつ振動が小さく、騒音の低い密閉型電動圧縮機を提供し、また騒音が低く、かつ信頼性の高い冷凍装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記従来の課題を解決するために、本発明の密閉型電動圧縮機はR600aを主体とする炭化水素冷媒を主成分とする冷媒を用い、商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数で駆動されるインバーター駆動式のレシプロ型密閉型電動圧縮機であって、前記ピストンの外径対往復動の比は1対1から1.5対1の範囲内であり、前記圧縮要素が前記電動要素の略上方に構築され、かつ前記圧縮要素が前記固定子を介し、前記固定子の下方で前記密閉容器から弾性支持されたもので、圧縮時の振動が小さくおさえられ、また圧縮室とピストンの間の漏れが小さく抑えられるという作用を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の密閉型電動圧縮機は、圧縮時の振動が小さくおさえられ、また圧縮室とピストンの間の漏れが小さく抑えられるので、高効率でかつ振動が小さく、騒音の低い密閉型電動圧縮機を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に冷凍機油と、圧縮室内で往復動するピストンを含む圧縮要素と、固定子と回転子からなり前記圧縮要素を駆動する電動要素とを収容するとともに、R600aを主体とする炭化水素冷媒を主成分とする冷媒を用い、商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数で駆動されるインバーター駆動式のレシプロ型密閉型電動圧縮機であって、前記ピストンの外径対往復動の比は1対1から1.5対1の範囲内であり、前記圧縮要素が前記電動要素の略上方に構築され、かつ前記圧縮要素が前記固定子を介し、前記固定子の下方で前記密閉容器から弾性支持された密閉型電動圧縮機であり、圧縮時の振動が小さくおさえられ、また圧縮室とピストンの間の漏れが小さく抑えられるので、高効率でかつ振動が小さく、騒音の低い密閉型電動圧縮機を実現できる。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、少なくとも27Hz以下の回転数を含む運転周波数で駆動されるものであり、請求項1に記載の発明の効果に加えてさらに密閉型電動圧縮機の消費電力量を小さくできる。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、圧縮室とピストンとの間のクリアランスが5から10ミクロンメートルの範囲内であるとしたものであり、圧縮室とピストンの間の漏れが小さく抑えられるので、請求項1または2に記載の発明の効果に加えてさらに高い効率を実現できる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、冷凍機油は40度Cの時の粘度が7から32cStの範囲内であるとしたものであり、圧縮室とピストンの間の漏れが小さく抑えられるので、請求項1または2に記載の発明の効果に加えてさらに高い効率を実現できる。
【0026】
請求項5に記載の発明は、圧縮機、凝縮器、乾燥器、膨張器、および蒸発器とを備え、前記圧縮機に請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機を用いた冷凍装置であり、圧縮機の振動が小さいことで冷凍装置の騒音を低く抑え、かつ配管折損を生じにくくするため信頼性の高い冷凍装置を実現できる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、圧縮機、凝縮器、乾燥器、膨張器、および蒸発器はそれぞれがロウ付けを含む溶接によって配管で結合されたものであり、請求項5に記載の発明の効果に加えてさらに疲労によるロウ付け部のクラックの発生が抑えられ、信頼性の高い冷凍装置を実現できる。
【0028】
以下、本発明による密閉型電動圧縮機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来例と同一構成については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による密閉型電動圧縮機の断面図、図2は振動特性図で運転周波数と圧縮機の振幅の関係を示すグラフである。
【0030】
図1において、101は密閉容器で冷凍機油102を貯溜する。105は電動要素で固定子103、および永久磁石を内臓する回転子104からなる。106は圧縮要素で電動要素105の上方に構築され、電動要素105によって駆動され、ともに密閉容器101に収容される。また、この密閉型電動圧縮機は温暖化係数の低い炭化水素系冷媒の代表的な冷媒であるR600aを圧縮する。
【0031】
次に圧縮要素106の詳細を以下に説明する。
【0032】
110はクランクシャフトで、回転子4を圧入固定した主軸部111および主軸部111に対し偏心して形成された偏心部112を有する。120はシリンダーブロックで、略円筒形の圧縮室122を有するとともに主軸部111を軸支する軸受け部123を有し、電動要素が下方に形成されている。130はピストンで圧縮室122に嵌入され、偏心部112との間を連結手段131によって連結されている。従来例で採用されているR134aと同等の冷凍能力をR600aで得るために、偏心部112の偏心量およびピストン130の外径は従来例より遥かに拡大されている。
【0033】
133は鉄板を積層したバランスウエイトで回転子104に固定される。135は圧縮室22の端面を封止するバルブプレート、136はヘッドで高圧室を形成し、バルブプレート135の反圧縮室122側に固定される。139はサクションチューブで密閉容器1に固定されるとともに冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス(図示せず)を密閉容器101内に導く。140はサクションマフラーで消音空間142を形成する。
【0034】
150はサスペンションスプリングで図1の断面を中心に4箇所に設けてあり、密閉容器101に固定されたスナブバー152および電動要素105の固定子103に固定されたスナブバー153の間に嵌装され、圧縮要素106を、電動要素105の固定子103を介して間接的に弾性的に支持する。
【0035】
以上のように構成された密閉型電動圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0036】
商用電源62から供給される電力は制御回路61、インバーター装置60を介して電動要素105に供給され、電動要素105の回転子104を任意の回転数で回転させる。回転子104はクランクシャフト110を回転させ、偏心部112の運動が連結手段131を介してピストン130に伝えられることでピストン130は圧縮室122内を往復運動し、サクションチューブ139を通して密閉容器101内に導かれた前記冷媒ガスはサクションマフラー140から吸入され、圧縮室122内で連続して圧縮される。
【0037】
この際、ピストン130の往復運動によって発生する振動は、バランスウエイト133でかなり相殺されるが、一部残存する。こうして残存した振動はその反作用としてシリンダーブロック20を振動させるが、偏心部112の偏心量およびピストン130の外径は、冷媒R134aを圧縮する従来例に示した密閉型電動圧縮機に比べ遥かに拡大されていることから、ピストン130の往復運動によって発生する振動エネルギーは、従来例に示したものに較べ遥かに大きく、その反作用としてシリンダーブロック120は大きく振動する。
【0038】
しかしながら、この振動は圧縮要素106の上部とサスペンションスプリング150近傍でまったくその挙動が異なる。すなわちピストン130の反作用を直接受けるシリンダーブロック120近傍は大きく振動するものの、サスペンションスプリング150の近傍では電動要素105を介し下方でこの動きを支えることからサスペンションスプリング150近傍が支点となることで、振幅は小さくなる。この小さくなった振幅はさらにサスペンションスプリング150で減衰される。
【0039】
前述したように、ピストンの往復動による慣性エネルギーによって発生する密閉型電動圧縮機の振動の振幅は、電動要素の回転数が低いほど大きくなるが、本実施の形態によれば、27Hz近辺の回転周波数では、実用上問題の無い40ミクロンメートル以下のレベルに収まることがわかった。
【0040】
上記メカニズムの検証結果として、図2の振動特性図を用いて説明する。
【0041】
図2においてBは従来例に示した圧縮機の結果で、気筒容積は5.7cm3で冷媒にはR134aを用いたものである。Cは従来例の構成のまま、気筒容積を10cm3に拡大し、冷媒にR600aを用いて測定したもの、Aは本発明の実施例による圧縮機でやはり気筒容積を10cm3に拡大し冷媒にR600aを用いて測定したものである。
【0042】
振動値はそれぞれ圧縮機の中心部近傍で横方向の振動を測定した結果である。この結果からBは27Hzでの振動が32ミクロンメートル、Cは27Hzでの振動が65ミクロンメートル、Dは27Hzでの振動が29ミクロンメートルであった。
【0043】
以上の実測データからも明白なように、本発明では従来のR134aを用いた圧縮機とほぼ同等の振動値が得られ、冷媒R600aを使用しながらインバーター装置による低回転速度運転を実現することができた。
【0044】
なお、この際、引き続き評価した圧縮機の効率においても、25Hz近辺の回転周波数でのCOPが1.3を超える、良好な結果が得られた。今回検証試験に使用した冷凍機油はすでに欧州等で実用化されているアルキルベンゼン系の冷凍機油で、40℃のときの粘度が10cStのものである。通常、低い回転数で圧縮機を運転した場合、圧縮機の仕事量が小さく、その結果、圧縮機からの発熱量が小さく、密閉容器内でこの熱影響を強く受ける冷凍機油も温度上昇が小さい。
【0045】
本実施の形態においては比較的粘度の低い冷凍機油が圧縮機の摺動部での粘性抵抗を小さく抑えたこと、また低回転運転下では温度上昇が小さいことから圧縮室122とピストン130の間の漏れが小さく抑えられたことの相乗効果で良好な効率の結果が得られたものと推測される。上記結果から、粘度が7から32cStの範囲であれば同様に良好な効率の結果が得られると推察される。また、評価した圧縮機は圧縮室122とピストン130との間のクリアランスが5から10ミクロンメートルに管理されており、このことも圧縮室122とピストン130の間の漏れが小さく抑えられた要因と考えられる。
【0046】
また、評価した圧縮機はピストンの外径対往復運動の距離との比が約1.5対1と相対的にピストンの外径を小さく抑えていることも圧縮室122とピストン130の間の漏れが小さく抑えられた要因と考えられ、この比はさらに通常設計される約1対1の比の近辺まで下げることで、より良好な効率の結果が得られると推定される。
【0047】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2による冷凍装置の構成図である。図3において170は圧縮機、180は凝縮器、185は乾燥器、187は膨張器、189は蒸発器でそれぞれがロウ付け等の溶接により、配管によって流体的に結合している。また、圧縮機170は実施の形態1に記載された密閉型電動圧縮機である。
【0048】
以上の構成において、圧縮機の振動が実用上問題の無いレベル、具体的には40ミクロンメートル以下に収まっていることから、冷凍装置に対する加振力が小さく、従って冷凍装置が共振することで発生する異常音を防ぐことができる。また、冷凍装置の構成要素は前述したとおり、ロウ付け等の溶接により、配管によって結合しているが、このロウ付けされた部分に大きな振動による繰り返し応力がかかると疲労によるクラックが発生する可能性がある。しかしながら本実施例では圧縮機の振動が小さいことで繰り返し応力の応力振幅が小さく、その結果、疲労によるクラックの発生が抑えられ、配管折損が生じにくくなり、信頼性の高い冷凍装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1による密閉型電動圧縮機の断面図
【図2】本発明の実施の形態1による密閉型電動圧縮機の振動特性図
【図3】本発明の実施の形態2による冷凍装置の構成図
【図4】従来技術の密閉型電動圧縮機の断面図
【符号の説明】
【0050】
60 インバーター装置
61 制御回路
101 密閉容器
102 冷凍機油
105 電動要素
106 圧縮要素
130 ピストン
150 サスペンションスプリング
170 圧縮機
180 凝縮器
185 乾燥器
187 膨張器
189 蒸発器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器内に冷凍機油と、圧縮室内で往復動するピストンを含む圧縮要素と、固定子と回転子からなり前記圧縮要素を駆動する電動要素とを収容するとともに、R600aを主体とする炭化水素冷媒を主成分とする冷媒を用い、商用電源周波数未満の回転数を含む複数の運転周波数で駆動されるインバーター駆動式のレシプロ型密閉型電動圧縮機であって、前記ピストンの外径対往復動の比は1対1から1.5対1の範囲内であり、前記圧縮要素が前記電動要素の略上方に構築され、かつ前記圧縮要素が前記固定子を介し、前記固定子の下方で前記密閉容器から弾性支持された密閉型電動圧縮機。
【請求項2】
少なくとも27Hz以下の回転数を含む運転周波数で駆動される請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
【請求項3】
圧縮室とピストンとの間のクリアランスが5から10ミクロンメートルの範囲内である請求項1または2に記載の密閉型電動圧縮機。
【請求項4】
冷凍機油は40度Cの時の粘度が7から32cStの範囲内である請求項1または2に記載の密閉型電動圧縮機。
【請求項5】
圧縮機、凝縮器、乾燥器、膨張器、および蒸発器とを備え、前記圧縮機に請求項1から4のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機を用いた冷凍装置。
【請求項6】
圧縮機、凝縮器、乾燥器、膨張器、および蒸発器はそれぞれがロウ付けを含む溶接によって配管で結合されている請求項5に記載の冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−316795(P2006−316795A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205906(P2006−205906)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【分割の表示】特願2001−187729(P2001−187729)の分割
【原出願日】平成13年6月21日(2001.6.21)
【出願人】(000004488)松下冷機株式会社 (25)
【Fターム(参考)】