密閉型電池
【課題】電池ケースの内圧が上昇した場合でも該電池ケースの側面の変形を抑制可能な構成を得る。
【解決手段】密閉型電池(1)は、内部に電極体(30)及び電解液が封入される柱状の電池ケース(2)を備える。電池ケース(2)の側面には、該電池ケース(2)が内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケース(2)の側面に形成される稜線(L)上に、該電池ケース(2)の内方に向かって凹む凹部(41)を形成する。
【解決手段】密閉型電池(1)は、内部に電極体(30)及び電解液が封入される柱状の電池ケース(2)を備える。電池ケース(2)の側面には、該電池ケース(2)が内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケース(2)の側面に形成される稜線(L)上に、該電池ケース(2)の内方に向かって凹む凹部(41)を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体及び電解液が封入された電池ケースに、変形を抑制するための凹部が形成された密閉型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電池ケースの側面に凹部が形成された密閉型電池が知られている。このような密閉型電池では、例えば特許文献1、2に開示されるように、電池ケースの側面の中央部分に、該電池ケースの内方に向かって凹んだ凹部が形成されている。凹部によって電池ケースの側面の一部が予め電池ケースの内方に位置しているため、電池ケースの内圧が上昇した場合でも、該電池ケースの側面の変形を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許平7−183010号公報
【特許文献2】特開2002−42741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1、2に開示される構成のように、電池ケースの側面の中央部分に凹部を設けた場合、電池ケースの初期の変形に対しては該凹部が設けられた部分の変位を小さく抑えることができる。しかしながら、電池ケースの内圧が上昇すると、上述の凹部の効果も徐々に小さくなるため、電池ケースの側面の変形を効果的に抑えることはできない。すなわち、電池ケースの内圧の上昇によって、該電池ケースの側面の中央部分に設けられた凹部が膨らむと、該凹部に電池ケースの側面の変形を小さくする効果はほとんどなくなる。そうすると、電池ケースの内圧がさらに上昇した場合、電池ケースの側面は、凹部が設けられていない場合と同様、凸状に変形を生じる可能性がある。
【0005】
そのため、本発明では、電池ケースの内圧が上昇した場合でも該電池ケースの側面の変形を抑制可能な構成を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態にかかる密閉型電池は、内部に電極体及び電解液が封入される柱状の電池ケースを備え、前記電池ケースの側面には、該電池ケースが内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケースの側面に形成される稜線上に、該電池ケースの内方に向かって凹んだ凹部が形成されている(第1の構成)。
【0007】
以上の構成では、電池ケースの側面のうち、該電池ケースが内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケースの側面に形成される稜線上に、凹部が形成されるため、該凹部によって電池ケースの側面の変形を阻害することができる。すなわち、凹部を稜線上に設けることにより、電池ケースの側面の剛性を部分的に高めることができ、該電池ケースの側面の変形を抑制することができる。
【0008】
しかも、凹部は、従来技術のように変形を生じ易い側面中央部分ではなく、稜線上に形成されるため、電池ケースが多少変形を生じても、凹部の形状を維持することができる。これにより、電池ケースの内圧が上昇した状態でも、該電池ケースの側面の変形を抑制することができる。
【0009】
前記第1の構成において、前記凹部は、前記稜線のうち、前記電池ケースの側面の軸線方向端部から該側面の内方に向かって延びる基端部上に位置する(第2の構成)。これにより、電池ケースに形成される稜線のうち、該電池ケースの変形に伴って初期の段階で出現する稜線の基端部上に、凹部を形成することができる。よって、凹部によって、電池ケースの変形を初期の段階から抑制することができる。
【0010】
前記第1または第2の構成において、前記凹部は、前記稜線に対して交差する方向に延びる凹部側面を有する(第3の構成)。これにより、電池ケースの側面に形成される稜線に対して凹部側面が交差するため、該電池ケースの側面の変形を凹部側面によって阻害することができる。すなわち、電池ケースの側面が変形して膨らむ際に、電池ケース内方側に向かって延びる凹部側面が電池ケースの側面の変形を阻害する。したがって、電池ケースの側面の変形をより確実に抑制することができる。
【0011】
前記第1から第3の構成のうちいずれか一つの構成において、前記電池ケースは、少なくとも一対の対向する側面を有し、前記凹部は、前記一対の側面にそれぞれ形成されている(第4の構成)。
【0012】
これにより、電池ケースの対向する側面の変形を、凹部によって、それぞれ抑制することができる。したがって、電池ケース全体の変形をより確実に抑制することができる。
【0013】
前記第4の構成において、前記凹部は、前記一対の側面において互いに対向する位置にそれぞれ形成されている(第5の構成)。こうすることで、電池ケースの対向する側面の変形を、互いに対向する位置に設けられた凹部によって抑制できるため、該電池ケースの変形をさらに確実に抑制することができる。
【0014】
前記4または第5の構成において、前記一対の側面は、それぞれ矩形状に形成されていて、前記凹部は、前記各側面の四隅の少なくとも一部に形成されている(第6の構成)。
【0015】
電池ケースの側面が矩形状の場合、該側面が膨らんだ際に形成される稜線は、側面の四隅から該側面の内方に向かって延びる。よって、上述のように、矩形状の側面の四隅の少なくとも一部に凹部を形成することで、該側面の変形を抑制することができる。
【0016】
前記第6の構成において、前記凹部は、前記各側面の四隅にそれぞれ形成されているのが好ましい(第7の構成)。こうすることで、電池ケースの側面の変形をより確実に抑制することができる。
【0017】
前記第1から第7の構成のうちいずれか一つの構成において、前記凹部は、前記電池ケースの側面の法線方向から見て、多角形状に形成されているのが好ましい(第8の構成)。
【0018】
この構成では、凹部は複数の凹部側面を有するため、該複数の凹部側面によって、電池ケースの側面の変形を複数の方向で抑制することができる。しかも、凹部は複数の角部を有するため、該角部によっても電池ケースの側面の剛性を複数の方向で高めることができる。これにより、該電池ケースの側面の変形をより確実に抑制することができる。
【0019】
前記第8の構成において、前記凹部は、角部分が、前記稜線上で且つ前記電池ケースの側面の軸線方向端部側に位置するように、前記電池ケースの側面に形成されている(第9の構成)。
【0020】
これにより、多角形状の凹部の角部分によって、電池ケースが稜線に沿って変形するのを抑制できる。すなわち、凹部では、該凹部の角部分で最も剛性が高くなるため、該角部分が稜線上で電池ケースの側面の軸線方向端部側に位置するように、凹部を形成することで、該稜線に沿った電池ケースの変形をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる密閉型電池の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図3は、密閉型電池の概略構成を示す側面図である。
【図4】図4は、図3における電池ケースのIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、平面部に設ける凹部の数を変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図6】図6は、凹部の数を変えた場合において、電池ケースの内圧変化と平面部の最大変形量との関係を示す計算結果である。
【図7】図7は、凹部の数を変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図8】図8は、凹部の側壁部の傾きを変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図9】図9は、凹部の側壁部の傾きを変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図10】図10は、凹部の深さを変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図11】図11は、凹部の位置を変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図12】図12は、凹部の位置を変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図13】図13は、凹部の一辺の長さを変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図14】図14は、凹部の一辺の長さを変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
<実施形態1>
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1にかかる密閉型電池1の概略構成を示す斜視図である。この密閉形電池1は、有底筒状の外装缶10と、該外装缶10の開口を覆う蓋板20と、該外装缶10内に収納される電極体30とを備えている。外装缶10に蓋板20を取り付けることによって、内部に空間を有する柱状の電池ケース2が構成される。なお、この電池ケース2内には、電極体30以外に、非水電解液(以下、単に電解液という)も封入されている。
【0024】
電極体30は、それぞれシート状に形成された正極31及び負極32を、例えば両者の間及び該負極32の下側にセパレータ33がそれぞれ位置するように重ね合わせた状態で、図2に示すように渦巻状に巻回することによって形成された巻回電極体である。電極体30は、正極31、負極32及びセパレータ33を重ね合わせた状態で巻回した後、押しつぶして扁平状に形成される。
【0025】
ここで、図2では、電極体30の外周側の数層分しか図示していない。しかしながら、この図2では電極体30の内周側部分の図示を省略しているだけであり、当然のことながら、電極体30の内周側にも正極31、負極32及びセパレータ33が存在する。また、図2では、蓋板20の電池内方に配置される絶縁体等の記載も省略している。
【0026】
正極31は、正極活物質を含有する正極活物質層を、アルミニウム等の金属箔製の正極集電体の両面にそれぞれ設けたものである。詳しくは、正極31は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有酸化物である正極活物質、導電助剤、及びバインダなどを含む正極合剤を、アルミニウム箔などからなる正極集電体上に塗布して乾燥させることによって形成される。正極活物質であるリチウム含有酸化物としては、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物やLiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を用いるのが好ましい。なお、正極活物質として、1種類の物質のみを用いてもよいし、2種類以上の物質を用いてもよい。また、正極活物質は、上述の物質に限られない。
【0027】
負極32は、負極活物質を含有する負極活物質層を、銅等の金属箔製の負極集電体の両面にそれぞれ設けたものである。詳しくは、負極32は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質、導電助剤、及びバインダなどを含む負極合剤を、銅箔などからなる負極集電体上に塗布して乾燥させることによって形成される。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料(黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類など)を用いるのが好ましい。負極活物質は、上述の物質に限られない。
【0028】
また、電極体30の正極31には、正極リード34が接続されている一方、負極32には負極リード35が接続されている。これにより、正極リード34及び負極リード35が、電極体30の外部に引き出されている。そして、この正極リード34の先端側は、蓋板20に接続されている。一方、負極リード35の先端側は、後述するように、リード板27を介して負極端子22に接続されている。
【0029】
外装缶10は、アルミニウム合金製の有底筒状部材であり、蓋板20とともに電池ケース2を構成する。外装缶10は、図1に示すように、長方形の短辺側が円弧状に形成された底面11を有する有底筒状の部材である。詳しくは、外装缶10は、底面11と、滑らかな曲面を有する扁平筒状の側壁12とを備えている。側壁12は、対向して配置される矩形状(本実施形態では長方形状)の一対の平面部13と、該一対の平面部13同士を接続する半円筒状の半円筒部14とを有する。すなわち、外装缶10は、底面11の短辺方向に対応する厚み方向の寸法が、底面11の長辺方向に対応する幅方向よりも小さくなるように、扁平形状に形成されている。また、この外装缶10は、後述するように正極リード34に接続される蓋板20と接合されているため、密閉型電池1の正極端子も兼ねている。
【0030】
図2に示すように、外装缶10の内側の底部には、該外装缶10を介して電極体30の正極31と負極32との間で短絡が発生するのを防止するためのポリエチレンシートからなる絶縁体15が配置されている。上述の電極体30は、該絶縁体15上に一方の端部が位置付けられるように配置されている。
【0031】
蓋板20は、外装缶10の開口部を覆うように、該外装缶10の開口部に溶接によって接合されている。この蓋板20は、外装缶10と同様、アルミニウム合金製の部材からなり、該外装缶10の開口部の内側に嵌合可能なように長方形の短辺側が円弧状に形成されている。また、蓋板20には、その長手方向の中央部分に貫通孔が形成されている。この貫通孔内には、ポリプロピレン製の絶縁パッキング21及びステンレス鋼製の負極端子22が挿通されている。具体的には、概略柱状の負極端子22が挿通された概略円筒状の絶縁パッキング21が前記貫通孔の周縁部に嵌合されている。
【0032】
負極端子22は、円柱状の軸部の両端に平面部がそれぞれ一体形成された構成を有している。負極端子22は、平面部が外部に露出する一方、該軸部が絶縁パッキング21内に位置付けられるように、該絶縁パッキング21に対して配置されている。この負極端子22には、ステンレス鋼製のリード板27が接続されている。これにより、負極端子22は、リード板27及び負極リード35を介して、電極体30の負極32に電気的に接続されている。なお、リード板27と絶縁パッキング21との間には、絶縁体26が配置されている。
【0033】
蓋板20には、負極端子22と並んで電解液の注入口24が形成されている。注入口24は、平面視で略円形状に形成されている。また、注入口24は、蓋板20の厚み方向に径が2段階で変化するように小径部及び大径部を有している。この注入口24は、該注入口24の径の変化に対応して段状に形成された封止栓25によって封止されている。そして、封止栓25と注入口24の周縁部との間に隙間が生じないように、該封止栓25の大径部側の平面外周部と注入口24の周縁部とはレーザー溶接によって接合されている。
【0034】
(凹部)
図1及び図3に示すように、外装缶10の側壁12の平面部13には、複数の凹部41が形成されている。詳しくは、外装缶10の一対の平面部13には、それぞれ、四隅に凹部41が形成されている。
【0035】
凹部41は、平面部13の法線方向から見て、四角形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。凹部41は、矩形状の底面部41aと、該底面部41aの各辺に対応して電池ケース2の内方側に向かって延びる4つの側壁部41b(凹部側壁)とを有する。また、凹部41は、4つの側壁部41bが外装缶10の平面部13の四辺に対して略平行になるように、該平面部13に形成されている(図3参照)。
【0036】
なお、凹部41は、平面部13の法線方向から見て、長方形や平行四辺形など、正方形以外の四角形状であってもよいし、三角形や五角形など他の多角形状であってもよい。また、凹部41は、平面部13の法線方向から見て、円形や楕円状であってもよい。
【0037】
凹部41は、図3に示すように、密閉型電池1の内部圧力の上昇に伴って電池ケース2が膨らんだ場合に外装缶10に形成される稜線L上に、設けられている。具体的には、凹部41は、2つの側壁部41bが接続される角部分41cが、稜線L上に位置するように、外装缶10の平面部13に設けられている。これにより、凹部41において最も強度が高い角部分41cが稜線L上に位置するため、電池ケース2の変形を該角部分41cによって阻害することができる。したがって、電池ケース2の変形を抑制することができる。しかも、稜線L上に凹部41の角部分41cを設けることで、該角部分41cを構成する2つの側壁部41bによって、稜線Lに対する2方向の変形を抑制することができる。これにより、稜線L近辺での変形を抑制することができる。
【0038】
図3では、稜線Lを、平面部13の隅部分(有底筒状の外装缶10の軸線方向端部)から該平面部13の内方に向かって延びる直線で描いているが、この部分は稜線Lの基端部であり、電池ケース2の変形が進行すると、平面部13の各隅部分から延びる稜線Lの基端部同士が繋がる。図3に示すように、稜線Lの基端部分に凹部41を形成することで、平面部13の変形を、初期の段階で該凹部41によって抑制することができる。
【0039】
また、凹部41は、角部分41cが稜線Lにおける平面部13の隅部分(有底筒状の外装缶10の軸線方向端部)側に位置するように、該稜線L上に形成されている。これにより、平面部13が変形を生じる初期の段階で、凹部41によって、該平面部13の変形をより確実に阻害することができる。したがって、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0040】
なお、凹部41は、側壁部41bが稜線L上に位置するように設けられていてもよい。この場合には、凹部41の角部分41cを稜線L上に配置する場合のような作用効果は期待できないが、側壁部41bによって電池ケース2の変形を抑制することができる。
【0041】
凹部41は、外装缶10の一対の平面部13において、互いに対向する位置に形成されている。すなわち、図3には一方の平面部13のみを示しているが、他方の平面部13にも該一方の平面部13に形成された凹部41と同じ位置に凹部41が形成されている。これにより、電池ケース2における一対の平面部13の変形を、凹部41によって抑制できるため、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0042】
凹部41は、外装缶10をプレス成形する際に、該外装缶10とともにプレスによって形成される。したがって、凹部41の側壁部41bは、図4に断面で示すように、該凹部41の底面部41aから開口側に向かって凹部41が外方に拡がるように傾斜している。このプレス加工によって、凹部41を構成する底面部41a及び側壁部41bの周辺部分で加工硬化が生じることから、該凹部41の周辺部分の強度向上を図れる。したがって、電池ケース2の変形を、凹部41によって、さらに確実に抑制することができる。
【0043】
凹部41は、詳しくは後述するが、平面部13において、端部のうちプレス成形が可能な最も端に形成されるのが好ましい。また、凹部41は、側壁部41bの傾斜が、プレス成形可能な角度の中で最も急勾配であるのが好ましい。さらに、凹部41の深さは、電池ケース2内に収納される電極体30等の機能を阻害しない範囲で、できるだけ深いのが好ましい。
【0044】
次に、凹部41の位置及び形状等を変化させた場合の影響について図5から図14を用いて説明する。なお、図6、図7、図9、図10、図12、図14は、平面部13の横寸法が51mmで且つ縦寸法が48mmで、該平面部13の厚みが0.3mm、ケース厚みが6mmの電池ケースの変形を計算によって求めた結果である。これらの図に示す結果は、いずれも、電池ケース2の平面部13において変形量が最も大きい部分(中央部分)での変形量を示している。電池ケースはアルミ合金製として計算を行い、計算にはLS−DYNA(登録商標)の解析ツールを用いた。また、図6には、密閉型電池1の使用時の電池ケース2の内圧変化を考慮した負荷試験の内圧変化の範囲(0MPaから0.2MPa)に対応する計算結果を示す。なお、図7、図9、図10、図12及び図14には、上述の範囲のうち、内圧が0.1MPaのときの計算結果を示す。
【0045】
まず、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41の数を変更した場合(図5参照)において、該平面部13での最大変形量の変化を図6及び図7に示す。この図6及び図7では、図5(a)に示すように平面部13の四隅全てに凹部41を設けた場合(4箇所)以外に、平面部13において、蓋部20側の隅(2箇所)または底面11側の隅(2箇所)に凹部41を形成した場合(図5(b)、(c))、凹部41を形成しなかった場合(凹部なし)で、電池ケース2の平面部13の変形を求めた。また、凹部41は、一辺が9mmの正方形状とし、その深さは0.2mmとした。
【0046】
図6に示すように、電池ケース2の内圧が上昇すると、該電池ケース2の平面部13の最大変形量は徐々に大きくなる。平面部13の最大変形量は、蓋部20側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合と、底面11側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合とでほぼ同じであった。また、図6に示すように、凹部なし、凹部41を2箇所設けた場合、凹部41を4箇所設けた場合の順に、平面部13の最大変形量が小さくなった。
【0047】
図7に、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。この図7からも分かるように、凹部41を平面部13の四隅に設けた場合には、凹部41を2箇所に設けた場合に比べて電池ケース2の変形を抑制することができる。なお、図7からも、蓋部20側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合と、底面11側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合とで、平面部13の最大変形量がほぼ同じであることが分かる。
【0048】
したがって、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、電池ケース2の平面部13の四隅に凹部41を形成するのが好ましい。
【0049】
次に、凹部41の側壁部41bの傾きを変化させた場合(図8参照)において、平面部13の最大変形量の変化を図9に示す。なお、この図9では、図7の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、図9では、凹部41の深さを0.2mmとし、側壁部41bにおける平面部13の面方向の長さ(以下、単に面方向長さという)を変えることによって、該側壁部41bの傾きを変化させている(図8参照)。したがって、図9において、側壁部41bの面方向長さが大きいほど、該側壁部41bの傾斜は緩やかになる。なお、凹部41の形状は、図7の場合と同様、一辺が9mmの正方形状とする。
【0050】
図9に示すように、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41は、側壁部41bの傾きが急である方が平面部13の最大変形量が小さい。したがって、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、凹部41をプレス成形可能な範囲で、該凹部41の側壁部41bの傾きを可能な限り急勾配にするのが好ましい。
【0051】
次に、凹部41の深さを変化させた場合において、平面部13の最大変形量の変化を図10に示す。なお、この図10では、図7及び図9の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、凹部41は、平面部13の四隅に設ける。さらに、各凹部41の形状は、図7及び図9の場合と同様、一辺が9mmの正方形状とし、側壁部41bの傾きは各深さにおいて同じ傾きとする。
【0052】
図10に示すように、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41の深さが深いほど、該平面部13の最大変形量を小さくすることができる。したがって、凹部41の深さは、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、電池ケース2内に収納される電極体30の機能等を損なわない範囲で深い方が好ましい。
【0053】
次に、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41の位置を変化させた場合(図11参照)において、平面部13の最大変形量の変化を図12に示す。なお、この図12では、図7、図9及び図10の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、凹部41は平面部13の四隅に設ける。さらに、各凹部41の形状は、図7、図9及び図10の場合と同様、一辺が9mmの正方形状とし、深さは0.2mmmとする。
【0054】
また、図12において端部とは、平面部13の縦横の各辺から約1mmの位置(図11(a)において、x=約1mmの位置)である。図12に示す2.5mm及び5.0mmは、該端部の位置に設けられた凹部(図11(a))に対して平面部13の縦横方向にそれぞれ2.5mmずつ及び5.0mmずつ移動した位置を意味する(図11(b)、(c)参照。図中の点線は図11(a)の凹部の位置を示す。)。
【0055】
図12に示すように、凹部41を平面部13の隅に近い位置に設けた方が、該平面部13の最大変形量を小さくすることができる。したがって、平面部13において凹部41を設ける位置は、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、該凹部41を成形可能な範囲で、可能な限り平面部13の隅であるのが好ましい。
【0056】
次に、凹部41の一辺の長さを変化させた場合(図13参照)において、平面部13の最大変形量の変化を図14に示す。なお、この図14では、図7、図9、図10及び図12の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、凹部41は平面部13の四隅に設ける。図14は、凹部41の一辺の長さを、平面部13の隅から凹部41の角部分41cまでの距離が変わらないように、9mm(図13(a)参照)、6mm(図13(b)参照)及び12mm(図13(c)参照)と変化させた場合の計算結果である。さらに、各凹部41の形状は、図7、図9、図10及び図12の場合と同様、深さは0.2mmmとする。
【0057】
図14に示すように、凹部41の一辺の長さを変化させた場合でも、電池ケース2の平面部13の最大変形量はほとんど変わらない。
【0058】
(実施形態の効果)
本実施形態では、電池ケース2の平面部13の隅部分で、且つ、該電池ケース2が内圧の上昇によって変形した場合に生じる稜線上に、該電池ケース2の内方に向かって凹んだ凹部41を設けた。これにより、電池ケース2の内圧が上昇した場合、凹部41によって、電池ケース2の変形を抑制することができる。
【0059】
また、凹部41を、その角部分41cが前記稜線L上に位置するように平面部13に設けることで、該平面部13の変形を凹部41によってより確実に阻害することができる。したがって、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0060】
さらに、凹部41を、その角部分41cが稜線L上で且つ該凹部41において平面部13の隅部分側に位置するように、該平面部13に形成することで、平面部13の変形を初期段階で抑制することができる。したがって、電池ケース2の変形をさらに確実に抑制することができる。
【0061】
また、凹部41を、側壁部41bが稜線Lに交差する方向に延びるように、平面部13に形成することで、該平面部13が稜線Lに沿って変形を生じるのを凹部41によって阻害することができる。
【0062】
さらに、一対の平面部13において、互いに対向する位置に凹部41を設けることで、該一対の平面部13の変形を凹部41によってそれぞれ抑制することができる。したがって、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0063】
しかも、凹部41を、平面部13の四隅にそれぞれ設けることで、平面部13の変形をさらに確実に抑制することができる。これにより、電池ケース2の変形をさらに確実に抑制することができる。
【0064】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0065】
前記実施形態では、凹部41を、電池ケース2の平面部13の四隅に設けているが、該平面部13の四隅のうち少なくとも一つに設けてもよい。また、凹部41は、電池ケース2の稜線L上に位置すれば、平面部13のいずれの場所に設けてもよい。
【0066】
前記各実施形態では、密閉型電池1の電池ケース2を、長方形の短辺側が円弧状に形成された底面を有する柱状としている。しかしながら、電池ケースの形状は、六面体など他の形状であってもよい。
【0067】
前記各実施形態では、密閉型電池1をリチウムイオン電池として構成している。しかしながら、密閉型電池1はリチウムイオン電池以外の電池であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、電極体等が収納される電池ケースを備えた密閉型電池に利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1:密閉型電池、2:電池ケース、10:外装缶、11:底面、12:側壁、13:平面部、14:半円筒部、20:蓋板、30:電極体、41:凹部、41a:底面部、41b:側壁部、41c:角部分、L:稜線
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極体及び電解液が封入された電池ケースに、変形を抑制するための凹部が形成された密閉型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電池ケースの側面に凹部が形成された密閉型電池が知られている。このような密閉型電池では、例えば特許文献1、2に開示されるように、電池ケースの側面の中央部分に、該電池ケースの内方に向かって凹んだ凹部が形成されている。凹部によって電池ケースの側面の一部が予め電池ケースの内方に位置しているため、電池ケースの内圧が上昇した場合でも、該電池ケースの側面の変形を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許平7−183010号公報
【特許文献2】特開2002−42741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1、2に開示される構成のように、電池ケースの側面の中央部分に凹部を設けた場合、電池ケースの初期の変形に対しては該凹部が設けられた部分の変位を小さく抑えることができる。しかしながら、電池ケースの内圧が上昇すると、上述の凹部の効果も徐々に小さくなるため、電池ケースの側面の変形を効果的に抑えることはできない。すなわち、電池ケースの内圧の上昇によって、該電池ケースの側面の中央部分に設けられた凹部が膨らむと、該凹部に電池ケースの側面の変形を小さくする効果はほとんどなくなる。そうすると、電池ケースの内圧がさらに上昇した場合、電池ケースの側面は、凹部が設けられていない場合と同様、凸状に変形を生じる可能性がある。
【0005】
そのため、本発明では、電池ケースの内圧が上昇した場合でも該電池ケースの側面の変形を抑制可能な構成を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態にかかる密閉型電池は、内部に電極体及び電解液が封入される柱状の電池ケースを備え、前記電池ケースの側面には、該電池ケースが内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケースの側面に形成される稜線上に、該電池ケースの内方に向かって凹んだ凹部が形成されている(第1の構成)。
【0007】
以上の構成では、電池ケースの側面のうち、該電池ケースが内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケースの側面に形成される稜線上に、凹部が形成されるため、該凹部によって電池ケースの側面の変形を阻害することができる。すなわち、凹部を稜線上に設けることにより、電池ケースの側面の剛性を部分的に高めることができ、該電池ケースの側面の変形を抑制することができる。
【0008】
しかも、凹部は、従来技術のように変形を生じ易い側面中央部分ではなく、稜線上に形成されるため、電池ケースが多少変形を生じても、凹部の形状を維持することができる。これにより、電池ケースの内圧が上昇した状態でも、該電池ケースの側面の変形を抑制することができる。
【0009】
前記第1の構成において、前記凹部は、前記稜線のうち、前記電池ケースの側面の軸線方向端部から該側面の内方に向かって延びる基端部上に位置する(第2の構成)。これにより、電池ケースに形成される稜線のうち、該電池ケースの変形に伴って初期の段階で出現する稜線の基端部上に、凹部を形成することができる。よって、凹部によって、電池ケースの変形を初期の段階から抑制することができる。
【0010】
前記第1または第2の構成において、前記凹部は、前記稜線に対して交差する方向に延びる凹部側面を有する(第3の構成)。これにより、電池ケースの側面に形成される稜線に対して凹部側面が交差するため、該電池ケースの側面の変形を凹部側面によって阻害することができる。すなわち、電池ケースの側面が変形して膨らむ際に、電池ケース内方側に向かって延びる凹部側面が電池ケースの側面の変形を阻害する。したがって、電池ケースの側面の変形をより確実に抑制することができる。
【0011】
前記第1から第3の構成のうちいずれか一つの構成において、前記電池ケースは、少なくとも一対の対向する側面を有し、前記凹部は、前記一対の側面にそれぞれ形成されている(第4の構成)。
【0012】
これにより、電池ケースの対向する側面の変形を、凹部によって、それぞれ抑制することができる。したがって、電池ケース全体の変形をより確実に抑制することができる。
【0013】
前記第4の構成において、前記凹部は、前記一対の側面において互いに対向する位置にそれぞれ形成されている(第5の構成)。こうすることで、電池ケースの対向する側面の変形を、互いに対向する位置に設けられた凹部によって抑制できるため、該電池ケースの変形をさらに確実に抑制することができる。
【0014】
前記4または第5の構成において、前記一対の側面は、それぞれ矩形状に形成されていて、前記凹部は、前記各側面の四隅の少なくとも一部に形成されている(第6の構成)。
【0015】
電池ケースの側面が矩形状の場合、該側面が膨らんだ際に形成される稜線は、側面の四隅から該側面の内方に向かって延びる。よって、上述のように、矩形状の側面の四隅の少なくとも一部に凹部を形成することで、該側面の変形を抑制することができる。
【0016】
前記第6の構成において、前記凹部は、前記各側面の四隅にそれぞれ形成されているのが好ましい(第7の構成)。こうすることで、電池ケースの側面の変形をより確実に抑制することができる。
【0017】
前記第1から第7の構成のうちいずれか一つの構成において、前記凹部は、前記電池ケースの側面の法線方向から見て、多角形状に形成されているのが好ましい(第8の構成)。
【0018】
この構成では、凹部は複数の凹部側面を有するため、該複数の凹部側面によって、電池ケースの側面の変形を複数の方向で抑制することができる。しかも、凹部は複数の角部を有するため、該角部によっても電池ケースの側面の剛性を複数の方向で高めることができる。これにより、該電池ケースの側面の変形をより確実に抑制することができる。
【0019】
前記第8の構成において、前記凹部は、角部分が、前記稜線上で且つ前記電池ケースの側面の軸線方向端部側に位置するように、前記電池ケースの側面に形成されている(第9の構成)。
【0020】
これにより、多角形状の凹部の角部分によって、電池ケースが稜線に沿って変形するのを抑制できる。すなわち、凹部では、該凹部の角部分で最も剛性が高くなるため、該角部分が稜線上で電池ケースの側面の軸線方向端部側に位置するように、凹部を形成することで、該稜線に沿った電池ケースの変形をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる密閉型電池の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図3は、密閉型電池の概略構成を示す側面図である。
【図4】図4は、図3における電池ケースのIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、平面部に設ける凹部の数を変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図6】図6は、凹部の数を変えた場合において、電池ケースの内圧変化と平面部の最大変形量との関係を示す計算結果である。
【図7】図7は、凹部の数を変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図8】図8は、凹部の側壁部の傾きを変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図9】図9は、凹部の側壁部の傾きを変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図10】図10は、凹部の深さを変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図11】図11は、凹部の位置を変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図12】図12は、凹部の位置を変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【図13】図13は、凹部の一辺の長さを変えて計算したモデルの概略図を示す。
【図14】図14は、凹部の一辺の長さを変えた場合において、電池ケースの内圧を0.1MPaとしたときの平面部の最大変形量の計算結果である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
<実施形態1>
(全体構成)
図1は、本発明の実施形態1にかかる密閉型電池1の概略構成を示す斜視図である。この密閉形電池1は、有底筒状の外装缶10と、該外装缶10の開口を覆う蓋板20と、該外装缶10内に収納される電極体30とを備えている。外装缶10に蓋板20を取り付けることによって、内部に空間を有する柱状の電池ケース2が構成される。なお、この電池ケース2内には、電極体30以外に、非水電解液(以下、単に電解液という)も封入されている。
【0024】
電極体30は、それぞれシート状に形成された正極31及び負極32を、例えば両者の間及び該負極32の下側にセパレータ33がそれぞれ位置するように重ね合わせた状態で、図2に示すように渦巻状に巻回することによって形成された巻回電極体である。電極体30は、正極31、負極32及びセパレータ33を重ね合わせた状態で巻回した後、押しつぶして扁平状に形成される。
【0025】
ここで、図2では、電極体30の外周側の数層分しか図示していない。しかしながら、この図2では電極体30の内周側部分の図示を省略しているだけであり、当然のことながら、電極体30の内周側にも正極31、負極32及びセパレータ33が存在する。また、図2では、蓋板20の電池内方に配置される絶縁体等の記載も省略している。
【0026】
正極31は、正極活物質を含有する正極活物質層を、アルミニウム等の金属箔製の正極集電体の両面にそれぞれ設けたものである。詳しくは、正極31は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有酸化物である正極活物質、導電助剤、及びバインダなどを含む正極合剤を、アルミニウム箔などからなる正極集電体上に塗布して乾燥させることによって形成される。正極活物質であるリチウム含有酸化物としては、例えば、LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物やLiMn2O4などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物等のリチウム複合酸化物を用いるのが好ましい。なお、正極活物質として、1種類の物質のみを用いてもよいし、2種類以上の物質を用いてもよい。また、正極活物質は、上述の物質に限られない。
【0027】
負極32は、負極活物質を含有する負極活物質層を、銅等の金属箔製の負極集電体の両面にそれぞれ設けたものである。詳しくは、負極32は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質、導電助剤、及びバインダなどを含む負極合剤を、銅箔などからなる負極集電体上に塗布して乾燥させることによって形成される。負極活物質としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料(黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類など)を用いるのが好ましい。負極活物質は、上述の物質に限られない。
【0028】
また、電極体30の正極31には、正極リード34が接続されている一方、負極32には負極リード35が接続されている。これにより、正極リード34及び負極リード35が、電極体30の外部に引き出されている。そして、この正極リード34の先端側は、蓋板20に接続されている。一方、負極リード35の先端側は、後述するように、リード板27を介して負極端子22に接続されている。
【0029】
外装缶10は、アルミニウム合金製の有底筒状部材であり、蓋板20とともに電池ケース2を構成する。外装缶10は、図1に示すように、長方形の短辺側が円弧状に形成された底面11を有する有底筒状の部材である。詳しくは、外装缶10は、底面11と、滑らかな曲面を有する扁平筒状の側壁12とを備えている。側壁12は、対向して配置される矩形状(本実施形態では長方形状)の一対の平面部13と、該一対の平面部13同士を接続する半円筒状の半円筒部14とを有する。すなわち、外装缶10は、底面11の短辺方向に対応する厚み方向の寸法が、底面11の長辺方向に対応する幅方向よりも小さくなるように、扁平形状に形成されている。また、この外装缶10は、後述するように正極リード34に接続される蓋板20と接合されているため、密閉型電池1の正極端子も兼ねている。
【0030】
図2に示すように、外装缶10の内側の底部には、該外装缶10を介して電極体30の正極31と負極32との間で短絡が発生するのを防止するためのポリエチレンシートからなる絶縁体15が配置されている。上述の電極体30は、該絶縁体15上に一方の端部が位置付けられるように配置されている。
【0031】
蓋板20は、外装缶10の開口部を覆うように、該外装缶10の開口部に溶接によって接合されている。この蓋板20は、外装缶10と同様、アルミニウム合金製の部材からなり、該外装缶10の開口部の内側に嵌合可能なように長方形の短辺側が円弧状に形成されている。また、蓋板20には、その長手方向の中央部分に貫通孔が形成されている。この貫通孔内には、ポリプロピレン製の絶縁パッキング21及びステンレス鋼製の負極端子22が挿通されている。具体的には、概略柱状の負極端子22が挿通された概略円筒状の絶縁パッキング21が前記貫通孔の周縁部に嵌合されている。
【0032】
負極端子22は、円柱状の軸部の両端に平面部がそれぞれ一体形成された構成を有している。負極端子22は、平面部が外部に露出する一方、該軸部が絶縁パッキング21内に位置付けられるように、該絶縁パッキング21に対して配置されている。この負極端子22には、ステンレス鋼製のリード板27が接続されている。これにより、負極端子22は、リード板27及び負極リード35を介して、電極体30の負極32に電気的に接続されている。なお、リード板27と絶縁パッキング21との間には、絶縁体26が配置されている。
【0033】
蓋板20には、負極端子22と並んで電解液の注入口24が形成されている。注入口24は、平面視で略円形状に形成されている。また、注入口24は、蓋板20の厚み方向に径が2段階で変化するように小径部及び大径部を有している。この注入口24は、該注入口24の径の変化に対応して段状に形成された封止栓25によって封止されている。そして、封止栓25と注入口24の周縁部との間に隙間が生じないように、該封止栓25の大径部側の平面外周部と注入口24の周縁部とはレーザー溶接によって接合されている。
【0034】
(凹部)
図1及び図3に示すように、外装缶10の側壁12の平面部13には、複数の凹部41が形成されている。詳しくは、外装缶10の一対の平面部13には、それぞれ、四隅に凹部41が形成されている。
【0035】
凹部41は、平面部13の法線方向から見て、四角形状(本実施形態では正方形状)に形成されている。凹部41は、矩形状の底面部41aと、該底面部41aの各辺に対応して電池ケース2の内方側に向かって延びる4つの側壁部41b(凹部側壁)とを有する。また、凹部41は、4つの側壁部41bが外装缶10の平面部13の四辺に対して略平行になるように、該平面部13に形成されている(図3参照)。
【0036】
なお、凹部41は、平面部13の法線方向から見て、長方形や平行四辺形など、正方形以外の四角形状であってもよいし、三角形や五角形など他の多角形状であってもよい。また、凹部41は、平面部13の法線方向から見て、円形や楕円状であってもよい。
【0037】
凹部41は、図3に示すように、密閉型電池1の内部圧力の上昇に伴って電池ケース2が膨らんだ場合に外装缶10に形成される稜線L上に、設けられている。具体的には、凹部41は、2つの側壁部41bが接続される角部分41cが、稜線L上に位置するように、外装缶10の平面部13に設けられている。これにより、凹部41において最も強度が高い角部分41cが稜線L上に位置するため、電池ケース2の変形を該角部分41cによって阻害することができる。したがって、電池ケース2の変形を抑制することができる。しかも、稜線L上に凹部41の角部分41cを設けることで、該角部分41cを構成する2つの側壁部41bによって、稜線Lに対する2方向の変形を抑制することができる。これにより、稜線L近辺での変形を抑制することができる。
【0038】
図3では、稜線Lを、平面部13の隅部分(有底筒状の外装缶10の軸線方向端部)から該平面部13の内方に向かって延びる直線で描いているが、この部分は稜線Lの基端部であり、電池ケース2の変形が進行すると、平面部13の各隅部分から延びる稜線Lの基端部同士が繋がる。図3に示すように、稜線Lの基端部分に凹部41を形成することで、平面部13の変形を、初期の段階で該凹部41によって抑制することができる。
【0039】
また、凹部41は、角部分41cが稜線Lにおける平面部13の隅部分(有底筒状の外装缶10の軸線方向端部)側に位置するように、該稜線L上に形成されている。これにより、平面部13が変形を生じる初期の段階で、凹部41によって、該平面部13の変形をより確実に阻害することができる。したがって、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0040】
なお、凹部41は、側壁部41bが稜線L上に位置するように設けられていてもよい。この場合には、凹部41の角部分41cを稜線L上に配置する場合のような作用効果は期待できないが、側壁部41bによって電池ケース2の変形を抑制することができる。
【0041】
凹部41は、外装缶10の一対の平面部13において、互いに対向する位置に形成されている。すなわち、図3には一方の平面部13のみを示しているが、他方の平面部13にも該一方の平面部13に形成された凹部41と同じ位置に凹部41が形成されている。これにより、電池ケース2における一対の平面部13の変形を、凹部41によって抑制できるため、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0042】
凹部41は、外装缶10をプレス成形する際に、該外装缶10とともにプレスによって形成される。したがって、凹部41の側壁部41bは、図4に断面で示すように、該凹部41の底面部41aから開口側に向かって凹部41が外方に拡がるように傾斜している。このプレス加工によって、凹部41を構成する底面部41a及び側壁部41bの周辺部分で加工硬化が生じることから、該凹部41の周辺部分の強度向上を図れる。したがって、電池ケース2の変形を、凹部41によって、さらに確実に抑制することができる。
【0043】
凹部41は、詳しくは後述するが、平面部13において、端部のうちプレス成形が可能な最も端に形成されるのが好ましい。また、凹部41は、側壁部41bの傾斜が、プレス成形可能な角度の中で最も急勾配であるのが好ましい。さらに、凹部41の深さは、電池ケース2内に収納される電極体30等の機能を阻害しない範囲で、できるだけ深いのが好ましい。
【0044】
次に、凹部41の位置及び形状等を変化させた場合の影響について図5から図14を用いて説明する。なお、図6、図7、図9、図10、図12、図14は、平面部13の横寸法が51mmで且つ縦寸法が48mmで、該平面部13の厚みが0.3mm、ケース厚みが6mmの電池ケースの変形を計算によって求めた結果である。これらの図に示す結果は、いずれも、電池ケース2の平面部13において変形量が最も大きい部分(中央部分)での変形量を示している。電池ケースはアルミ合金製として計算を行い、計算にはLS−DYNA(登録商標)の解析ツールを用いた。また、図6には、密閉型電池1の使用時の電池ケース2の内圧変化を考慮した負荷試験の内圧変化の範囲(0MPaから0.2MPa)に対応する計算結果を示す。なお、図7、図9、図10、図12及び図14には、上述の範囲のうち、内圧が0.1MPaのときの計算結果を示す。
【0045】
まず、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41の数を変更した場合(図5参照)において、該平面部13での最大変形量の変化を図6及び図7に示す。この図6及び図7では、図5(a)に示すように平面部13の四隅全てに凹部41を設けた場合(4箇所)以外に、平面部13において、蓋部20側の隅(2箇所)または底面11側の隅(2箇所)に凹部41を形成した場合(図5(b)、(c))、凹部41を形成しなかった場合(凹部なし)で、電池ケース2の平面部13の変形を求めた。また、凹部41は、一辺が9mmの正方形状とし、その深さは0.2mmとした。
【0046】
図6に示すように、電池ケース2の内圧が上昇すると、該電池ケース2の平面部13の最大変形量は徐々に大きくなる。平面部13の最大変形量は、蓋部20側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合と、底面11側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合とでほぼ同じであった。また、図6に示すように、凹部なし、凹部41を2箇所設けた場合、凹部41を4箇所設けた場合の順に、平面部13の最大変形量が小さくなった。
【0047】
図7に、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。この図7からも分かるように、凹部41を平面部13の四隅に設けた場合には、凹部41を2箇所に設けた場合に比べて電池ケース2の変形を抑制することができる。なお、図7からも、蓋部20側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合と、底面11側の隅の2箇所に凹部41を設けた場合とで、平面部13の最大変形量がほぼ同じであることが分かる。
【0048】
したがって、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、電池ケース2の平面部13の四隅に凹部41を形成するのが好ましい。
【0049】
次に、凹部41の側壁部41bの傾きを変化させた場合(図8参照)において、平面部13の最大変形量の変化を図9に示す。なお、この図9では、図7の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、図9では、凹部41の深さを0.2mmとし、側壁部41bにおける平面部13の面方向の長さ(以下、単に面方向長さという)を変えることによって、該側壁部41bの傾きを変化させている(図8参照)。したがって、図9において、側壁部41bの面方向長さが大きいほど、該側壁部41bの傾斜は緩やかになる。なお、凹部41の形状は、図7の場合と同様、一辺が9mmの正方形状とする。
【0050】
図9に示すように、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41は、側壁部41bの傾きが急である方が平面部13の最大変形量が小さい。したがって、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、凹部41をプレス成形可能な範囲で、該凹部41の側壁部41bの傾きを可能な限り急勾配にするのが好ましい。
【0051】
次に、凹部41の深さを変化させた場合において、平面部13の最大変形量の変化を図10に示す。なお、この図10では、図7及び図9の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、凹部41は、平面部13の四隅に設ける。さらに、各凹部41の形状は、図7及び図9の場合と同様、一辺が9mmの正方形状とし、側壁部41bの傾きは各深さにおいて同じ傾きとする。
【0052】
図10に示すように、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41の深さが深いほど、該平面部13の最大変形量を小さくすることができる。したがって、凹部41の深さは、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、電池ケース2内に収納される電極体30の機能等を損なわない範囲で深い方が好ましい。
【0053】
次に、電池ケース2の平面部13に設ける凹部41の位置を変化させた場合(図11参照)において、平面部13の最大変形量の変化を図12に示す。なお、この図12では、図7、図9及び図10の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、凹部41は平面部13の四隅に設ける。さらに、各凹部41の形状は、図7、図9及び図10の場合と同様、一辺が9mmの正方形状とし、深さは0.2mmmとする。
【0054】
また、図12において端部とは、平面部13の縦横の各辺から約1mmの位置(図11(a)において、x=約1mmの位置)である。図12に示す2.5mm及び5.0mmは、該端部の位置に設けられた凹部(図11(a))に対して平面部13の縦横方向にそれぞれ2.5mmずつ及び5.0mmずつ移動した位置を意味する(図11(b)、(c)参照。図中の点線は図11(a)の凹部の位置を示す。)。
【0055】
図12に示すように、凹部41を平面部13の隅に近い位置に設けた方が、該平面部13の最大変形量を小さくすることができる。したがって、平面部13において凹部41を設ける位置は、電池ケース2の変形を抑制する観点からは、該凹部41を成形可能な範囲で、可能な限り平面部13の隅であるのが好ましい。
【0056】
次に、凹部41の一辺の長さを変化させた場合(図13参照)において、平面部13の最大変形量の変化を図14に示す。なお、この図14では、図7、図9、図10及び図12の場合と同様、電池ケース2の内圧が0.1MPaのときの平面部13の最大変形量を示す。また、凹部41は平面部13の四隅に設ける。図14は、凹部41の一辺の長さを、平面部13の隅から凹部41の角部分41cまでの距離が変わらないように、9mm(図13(a)参照)、6mm(図13(b)参照)及び12mm(図13(c)参照)と変化させた場合の計算結果である。さらに、各凹部41の形状は、図7、図9、図10及び図12の場合と同様、深さは0.2mmmとする。
【0057】
図14に示すように、凹部41の一辺の長さを変化させた場合でも、電池ケース2の平面部13の最大変形量はほとんど変わらない。
【0058】
(実施形態の効果)
本実施形態では、電池ケース2の平面部13の隅部分で、且つ、該電池ケース2が内圧の上昇によって変形した場合に生じる稜線上に、該電池ケース2の内方に向かって凹んだ凹部41を設けた。これにより、電池ケース2の内圧が上昇した場合、凹部41によって、電池ケース2の変形を抑制することができる。
【0059】
また、凹部41を、その角部分41cが前記稜線L上に位置するように平面部13に設けることで、該平面部13の変形を凹部41によってより確実に阻害することができる。したがって、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0060】
さらに、凹部41を、その角部分41cが稜線L上で且つ該凹部41において平面部13の隅部分側に位置するように、該平面部13に形成することで、平面部13の変形を初期段階で抑制することができる。したがって、電池ケース2の変形をさらに確実に抑制することができる。
【0061】
また、凹部41を、側壁部41bが稜線Lに交差する方向に延びるように、平面部13に形成することで、該平面部13が稜線Lに沿って変形を生じるのを凹部41によって阻害することができる。
【0062】
さらに、一対の平面部13において、互いに対向する位置に凹部41を設けることで、該一対の平面部13の変形を凹部41によってそれぞれ抑制することができる。したがって、電池ケース2の変形をより確実に抑制することができる。
【0063】
しかも、凹部41を、平面部13の四隅にそれぞれ設けることで、平面部13の変形をさらに確実に抑制することができる。これにより、電池ケース2の変形をさらに確実に抑制することができる。
【0064】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0065】
前記実施形態では、凹部41を、電池ケース2の平面部13の四隅に設けているが、該平面部13の四隅のうち少なくとも一つに設けてもよい。また、凹部41は、電池ケース2の稜線L上に位置すれば、平面部13のいずれの場所に設けてもよい。
【0066】
前記各実施形態では、密閉型電池1の電池ケース2を、長方形の短辺側が円弧状に形成された底面を有する柱状としている。しかしながら、電池ケースの形状は、六面体など他の形状であってもよい。
【0067】
前記各実施形態では、密閉型電池1をリチウムイオン電池として構成している。しかしながら、密閉型電池1はリチウムイオン電池以外の電池であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、電極体等が収納される電池ケースを備えた密閉型電池に利用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1:密閉型電池、2:電池ケース、10:外装缶、11:底面、12:側壁、13:平面部、14:半円筒部、20:蓋板、30:電極体、41:凹部、41a:底面部、41b:側壁部、41c:角部分、L:稜線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に電極体及び電解液が封入される柱状の電池ケースを備え、
前記電池ケースの側面には、該電池ケースが内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケースの側面に形成される稜線上に、該電池ケースの内方に向かって凹んだ凹部が形成されている、密閉型電池。
【請求項2】
請求項1に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記稜線のうち、前記電池ケースの側面の軸線方向端部から該側面の内方に向かって延びる基端部上に位置する、密閉型電池。
【請求項3】
請求項1または2に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記稜線に対して交差する方向に延びる凹部側面を有する、密閉型電池。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の密閉型電池において、
前記電池ケースは、少なくとも一対の対向する側面を有し、
前記凹部は、前記一対の側面にそれぞれ形成されている、密閉型電池。
【請求項5】
請求項4に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記一対の側面において互いに対向する位置にそれぞれ形成されている、密閉型電池。
【請求項6】
請求項4または5に記載の密閉型電池において、
前記一対の側面は、それぞれ矩形状に形成されていて、
前記凹部は、前記各側面の四隅の少なくとも一部に形成されている、密閉型電池。
【請求項7】
請求項6に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記各側面の四隅にそれぞれ形成されている、密閉型電池。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記電池ケースの側面の法線方向から見て、多角形状に形成されている、密閉型電池。
【請求項9】
請求項8に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、角部分が、前記稜線上で且つ前記電池ケースの側面の軸線方向端部側に位置するように、前記電池ケースの側面に形成されている、密閉型電池。
【請求項1】
内部に電極体及び電解液が封入される柱状の電池ケースを備え、
前記電池ケースの側面には、該電池ケースが内圧の上昇によって膨らんだ際に該電池ケースの側面に形成される稜線上に、該電池ケースの内方に向かって凹んだ凹部が形成されている、密閉型電池。
【請求項2】
請求項1に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記稜線のうち、前記電池ケースの側面の軸線方向端部から該側面の内方に向かって延びる基端部上に位置する、密閉型電池。
【請求項3】
請求項1または2に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記稜線に対して交差する方向に延びる凹部側面を有する、密閉型電池。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の密閉型電池において、
前記電池ケースは、少なくとも一対の対向する側面を有し、
前記凹部は、前記一対の側面にそれぞれ形成されている、密閉型電池。
【請求項5】
請求項4に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記一対の側面において互いに対向する位置にそれぞれ形成されている、密閉型電池。
【請求項6】
請求項4または5に記載の密閉型電池において、
前記一対の側面は、それぞれ矩形状に形成されていて、
前記凹部は、前記各側面の四隅の少なくとも一部に形成されている、密閉型電池。
【請求項7】
請求項6に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記各側面の四隅にそれぞれ形成されている、密閉型電池。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の密閉型電池において、
前記凹部は、前記電池ケースの側面の法線方向から見て、多角形状に形成されている、密閉型電池。
【請求項9】
請求項8に記載の密閉型電池において、
前記凹部は、角部分が、前記稜線上で且つ前記電池ケースの側面の軸線方向端部側に位置するように、前記電池ケースの側面に形成されている、密閉型電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−98137(P2013−98137A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242651(P2011−242651)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000005810)日立マクセル株式会社 (2,366)
【Fターム(参考)】
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