寝具のずれ落ち防止用具
【課題】 圧迫感や寝苦しさを生じさせず、しかも効果的に掛布団等の上掛け寝具の跳ね上げやずれ落ちを防止できる寝具のずれ落ち防止用具とその使用方法の提供。
【解決手段】 平行な二辺を有するn角形であって、平行な二辺をそれらの中央で垂直に横切る線を中心として線対称である本体部と、当該平行な二辺の中の一辺の両端又は当該両端の各々から前記特定の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一組の帯状部とを備え、本体部の長さは50乃至120cmであり、本体部の幅はベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、本体部の幅と一組の帯状部の幅との合計は(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、本体部の、帯状部が存在する部分より下の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)である寝具のずれ落ち防止用具を用いる。
【解決手段】 平行な二辺を有するn角形であって、平行な二辺をそれらの中央で垂直に横切る線を中心として線対称である本体部と、当該平行な二辺の中の一辺の両端又は当該両端の各々から前記特定の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一組の帯状部とを備え、本体部の長さは50乃至120cmであり、本体部の幅はベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、本体部の幅と一組の帯状部の幅との合計は(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、本体部の、帯状部が存在する部分より下の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)である寝具のずれ落ち防止用具を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上掛け寝具のずれ落ちや跳ね上げ防止用具及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人は、就寝中に寝返りを打ったり、掛布団等の上掛け寝具を跳ね上げる。その結果、特にベッドで就寝している場合には、上掛け寝具がベッドからずれ落ち、これが寝冷えやカゼひきの原因の一つとなっている。また、人がベッドから立ち上がる際にも、上掛け寝具がずれ落ちることがある。
【0003】
このような上掛け寝具のずれ落ちや跳ね上げを防止するための用具として、種々のものが提案されている。それらの中で、比較的簡便な構造で、布を使用しているものとして、特許文献1及び2に記載のものがある。
【0004】
図11に示すように、特許文献1に記載の布団の跳ね上げ防止具700は、ベルト状の長尺物であって、長尺の第一の布地1の両端それぞれに伸縮材2,2が取り付けられ、それらの伸縮材2,2それぞれの他端には第二の布地3,3が取り付けられ、さらに、それら第二の布地3,3それぞれの他端には係合部材4a,4bが取り付けられているものである。この跳ね上げ防止具700を使用する際には、第一の布地1の部分を敷布団等の敷寝具の下に配置し、伸縮材2,2と第二の布地3,3を上掛け寝具の上に配置し、そして、係合部材4a,4bによって係合する。係合により、ベルト状の長尺物が輪となり、上掛け寝具Fを止める。
【0005】
特許文献1の布団の跳ね上げ防止具は、布団の長さ方向のおおよそ中央部で使用されるが、足元側は全く固定されていないので、この防止具より下側の足元付近では、布団の跳ね上げが生じる。また、布団の長さ方向のおおよそ中央部の一個所のみで固定しているため、寝返りや跳ね上げが激しいと、上掛け寝具のずれ落ちが生じることもある。
【0006】
特許文献2には、図12に示す、概略T字形状の布団ずり落ち防止カバー800が開示されている。このカバー800は、四角形の本体部6と、その上方左右に位置する帯状部5a,5bとからなるものである。このカバー800の本体部6の幅W6は、本体部6全体にわたって上掛け寝具Fの幅に等しい、即ち、ベッド基台の幅よりも数十cm大きい。図7に示すように、このカバー800は、ベッド基台Bのマットレス載置部上であってベッド用マットレスMの下に載置される。そして、ベッドの下端(足元側)から本体部6の垂れ下がった部分を折り返して、マットレスMの下端側面と上掛け寝具Fの下方部分(上掛け寝具Fの長さ方向で約1/3)であって表地の上を覆い、次いで、ベッド基台Bの左右に垂れ下がった帯状部5a,5bを折り返して、マットレスMの横側面と上掛け寝具Fの下方部分とを、上掛け寝具Fの横側面から表地の幅方向中央に向って覆って使用する。このカバー800の使用時の形態の特徴は、本体部6の上掛け寝具F上を覆っている部分のすべてが、帯状部5a,5bによって覆われていることと、帯状部5a,5bが一部重なっていることである。
【0007】
特許文献2に記載の布団ずり落ち防止カバー800を使用すると、上掛け寝具Fの足元側の長さ方向で約1/3の部分が、このカバー800でしっかりと被覆されるため、上掛け寝具Fの跳ね上げやずれ落ちは生じ難い。しかし、その使用感は、上掛け寝具の足元側がマットレスと共に袋状のカバーに装入されている場合とほぼ同様であり、上掛け寝具がしっかりと被覆されているために圧迫感があり、また、寝返りを打ち辛く、さらに、特に夏季においては、上掛け寝具FとマットレスMとの間における空気の流通が妨げられるために、寝苦しさを与えてしまう。
【0008】
【特許文献1】実開平07−25876
【特許文献2】実開平06−50571
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、圧迫感や寝苦しさを生じさせず、しかも効果的に掛布団等の上掛け寝具の跳ね上げやずれ落ちを防止できる寝具のずれ落ち防止用具と、その使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち第一の発明は、少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部と、前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の両端、又は、当該両端の各々から前記特定の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一組の帯状部とを備え、前記特定の一組の平行な二辺間の距離である本体部の長さは50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交する本体部の幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における本体部の幅と二つの帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、本体部の、帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具に関する。
【0012】
本体部の形状である「n角形」は、正確にn角形である必要はない。例えば縫製の都合により、角部分が曲線状となっていてもよい。nは偶数であるから、「n角形」は、四角形、六角形、八角形等である。
【0013】
上記寝具のずれ落ち防止用具は、シングル、セミダブル、ダブル、ワイドダブル、クイーンサイズ等のベッド用マットレスや上掛け寝具のサイズに応じ、上記の大きさに関する限定を充足する範囲内において、適切な大きさで提供される。ベッド用マットレスや上掛け寝具のサイズは、当業者には公知である。なお、上記のサイズに関する限定は、ベッド用マットレスや上掛け寝具は各々一つのみが使用される場合を想定して規定されている。例えば、ダブル・サイズの寝具のずれ落ち防止用具の大きさを特定する際には、「上掛け寝具の幅」とは、ダブル・サイズの掛布団等の幅を指し、「ベッド用マットレスの幅」とは、ダブル・サイズのベッド用マットレスの幅を指す。
【0014】
上記寝具のずれ落ち防止用具は、本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有するものであってもよい。
【0015】
本体部の形状は、四角形であることが好ましく、正方形、長方形又は台形であることが更に好ましく、正方形又は長方形であることが特に好ましい。
【0016】
上記寝具のずれ落ち防止用具は、織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製であることが好ましい。
【0017】
第二の発明は、並置された、少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部二つと、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第二の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第一の帯状部と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第一の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第二の帯状部とを備え、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間は、直接結合しているか又は少なくとも一つの中間帯状部を介して間接的に結合されており、前記第一及び第二の本体部の各々の前記特定の一組の平行な二辺間の距離である第一及び第二の本体部の長さは、互いに同じであり且つ50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交し、第一の本体部の外側端と第二の本体部の外側端との間の距離である幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における二つの本体部の幅と一組の帯状部の幅、そして存在する場合には中間帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、第一及び第二の本体部の、第一及び第二の帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具に関する。
【0018】
本体部の形状である「n角形」は、正確にn角形である必要はない。例えば縫製の都合により、角部分が曲線状となっていてもよい。また、第一及び第二の本体部は、形状が同じである必要はないが、本体部の外枠を構成する特定の一組の平行な二辺間の距離である長さは、第一及び第二の本体部において同じである。
【0019】
上記第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具も、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具と同様に、ベッド用マットレスのサイズや上掛け寝具のサイズに応じ、上記の大きさに関する限定を充足する範囲内において、適切な大きさで提供される。
【0020】
上記第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具は、本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有するものであってもよい。
【0021】
第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具において、本体部の形状は、四角形であることが好ましく、正方形、長方形又は台形であることが更に好ましく、正方形又は長方形であることが特に好ましい。
【0022】
上記第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具は、織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製であることが好ましい。
【0023】
第三の発明は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0024】
第四の発明は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具であって、シングル・サイズのもの二枚を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側にベッド基台の幅方向に並置し、ここで、第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部と、第二のずれ落ち防止用具の、当該第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部とは反対の側の帯状部は、各々ベッド基台の側面から垂れ下がっており、第一及び第二のずれ落ち防止用具の本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がっており、次いで、二枚の寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記第一及び第二のずれ落ち防止用具各々の本体部の他方の辺の両側端部付近及びベッド基台の側面から垂れ下がっている帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0025】
第四の発明は、シングル・サイズの第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具二枚を使用して、ダブル・ベッド等の大きいサイズのベッドやマットレスにおいて、上掛け寝具のずれ落ちを防止しようとする場合の、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0026】
第五の発明は、第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具を、第一及び第二の本体部各々の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記第一及び第二の本体部各々の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の第一及び第二の本体部各々の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0027】
上記第三乃至第五の発明において、ベッド・パッドやシーツの使用には言及していないが、ベッド用マットレス上にベッド・パッドを載置したり、ベッド用マットレスをシーツで覆うことは、当然に予定されている。
【0028】
上記第三乃至第五の発明において、上掛け寝具用カバーや上掛け寝具の、寝具のずれ落ち防止用具の本体部の他方の辺の両側端部付近や帯状部の先端部付近が結合される場所は、寝具のずれ落ち防止用具が届く個所である限り特に限定されず、上掛け寝具用カバーや上掛け寝具の表面、側面及び裏面(人体に接する方)の何れでもよいが、側面、特に表生地と裏生地との縫製個所が好ましい。
【0029】
上記第三乃至第五の発明においては、第一及び第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具を、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させている。上掛け寝具が掛布団や毛布のように、カバーをつけて使用されるものである場合には、一般には、上掛け寝具用カバーに結合させる。また、タオルケットのように、カバーをつけずに使用されるものである場合には、寝具のずれ落ち防止用具は上掛け寝具に直接結合させる。勿論、上掛け寝具用カバーと上掛け寝具の両者に、寝具のずれ落ち防止用具を結合させてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、就寝時に、圧迫感や寝苦しさを生じさせず、しかも上掛け寝具のずれ落ちや跳ね上げを防止することができるずれ落ち防止用具が提供される。本発明のずれ落ち防止用具の使用により、寝冷えやカゼひきが防止される。また、本発明のずれ落ち防止用具は上掛け寝具の固定位置が足元側であるので、本発明のずれ落ち防止用具を使用すれば、上掛け寝具の枕側を足元側に向って折り曲げることにより、ベッドから容易に立ち上がることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明を、図面を参照しながら、その実施のための最良の形態に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明における寝具のずれ落ち防止用具の本体部の形状の例を示す平面模式図である。本体部10は、少なくとも一組の平行な二辺a,bを有する四角形、六角形等のn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称であるという形状を有する。
【0033】
図1(A)に示す例では、本体部10の形状は正方形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組と辺c,dの組の二組である。また、この正方形は、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。図1(B)に示す例では、本体部10の形状は長方形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組と辺c,dの組の二組である。また、この長方形は、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。図1(C)に示す例では、本体部10の形状は台形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組のみである。また、この台形は、平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。図1(D)に示す例では、本体部10の形状は六角形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組と辺c1,d2の組と、辺c2,d1の三組である。また、この六角形は、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。
【0034】
図2は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具100は、本体部10と、帯状部31,32からなる。本体部10の形状は、辺a,b,c,dを有する長方形である。本体部10の平行な二辺の組である辺a,bの組と辺c,dの組の中、特定の一組の平行な二辺は辺a,bであり、帯状部31,32は、その一組の平行な二辺である辺a,bの中の一辺(辺a)の両端a1,a2から、辺aを同図中において左方向(帯状部31の場合)及び右方向(帯状部32の場合)へ延長した方向に延びている。なお、「特定の一組の平行な二辺」とは、図2に示すような方向で寝具のずれ落ち防止用具を描いたときに、上下の位置に配される平行な二辺をいう。
【0035】
辺aと辺bとの間の距離である本体部10の長さhは、50乃至120cmである。50乃至110cmであることが好ましく、50乃至100cmであることが更に好ましい。50cm未満であると、マットレスの下に配される部分の長さが短すぎるために、マットレスの下から飛び出してしまうことがある。長くしすぎると、上掛け寝具の表側を寝具のずれ落ち防止用具が覆うことになり、圧迫感を与えることになったり、マットレスの下に配される部分が無用に長くなったり、又はずれ落ち防止効果が不十分となる。
【0036】
本体部10の幅w10は、本体部10の形状が長方形であるため、その長さ方向全体にわたって同じであり、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍である。幅w10は、ベッド用マットレスの幅の40乃至90%であることが好ましい。幅w10がベッド用マットレスの幅の1/3未満であると、マットレスの下において寝具のずれ落ち防止用具を保持する力が小さくなり、一方、ベッド用マットレスの幅を超えると、圧迫感を与えることになる。シングル・サイズの場合、ベッド用マットレスの幅は90乃至100cmであるから、本体部10の幅w10は、30乃至100cmであり、40乃至90cmであることが好ましい。
【0037】
本体部10の幅と二つの帯状部31,32の幅との合計、即ち、w31+w10+w32は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)である。(上掛け寝具の幅)乃至(上掛け寝具の幅+10cm)であることが好ましい。このような大きさであれば、ベッド用マットレスの厚みも考慮すると、寝具のずれ落ち防止用具100を使用する際、帯状部31,32の先端部付近であって上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具と結合される位置は、上掛け寝具用カバーや上掛け寝具の側面(即ち、表側と裏側との縫製個所)付近となる。なお、帯状部31の幅w31と帯状部32w32は、互いに同じであっても異なっていてもよい。シングル・サイズの場合、上掛け寝具の幅は120乃至150cm(通常は120乃至130cm)であるから、w31+w10+w32は110乃至170cmということになる。w31+w10+w32は、実際に使用する上掛け寝具の幅に応じて特定されることが好ましい。
【0038】
本体部10の帯状部31,32が存在する部分よりも下の部分の長さhuは、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)である。図2に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部31,32の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部10の長さh方向にycm離れた位置にある。そして、y=2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)である。
【0039】
寝具のずれ落ち防止用具100の本体部10の特定の一組の平行な二辺a,bの中の他方の辺bの両側端部付近には、ボタン穴21,22が形成されており、また、帯状部31,32の各々の先端部付近にも、ボタン穴23,24が形成されている。寝具のずれ落ち防止用具100は、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具の適切な位置に取り付けられたボタンを、これらのボタン穴に通すことにより、上掛け寝具カバー又は上掛け寝具と結合される。
【0040】
図3は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具200は、本体部10と、帯状部31,32からなる。本体部10の形状は、辺a,b,c,dを有する正方形である。
【0041】
本体部10の平行な二辺の組である辺a,bの組と辺c,dの組の中、特定の一組の平行な二辺は辺a,bであり、帯状部31,32は、その一組の平行な二辺である辺a,bの中の一辺(辺a)の両端a1,a2の各々から、特定の一組の平行な二辺a,bの中の他方の辺である辺bの方へ所定距離近づいた位置(具体的的には、「長さx」だけ近づいた位置)から、辺aを同図中において左方向(帯状部31の場合)及び右方向(帯状部32の場合)へ延長した方向に延びている。「長さx」は、帯状部31,32が配される位置と、帯状部31,32の長さyに応じて特定される。なお、帯状部31,32が配される位置は、本体部10の帯状部31,32が存在する部分よりも下の部分の長さhuが、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)の範囲内となるような位置である。図3に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部31,32の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部10の長さh方向に(x+y)cm離れた位置にある。そして、x+yの値は、2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)の範囲内である。
【0042】
寝具のずれ落ち防止用具200の本体部10の前記特定の一組の平行な二辺a,bの中の辺bの両側端部付近には、面テープ(マジック・テープ(登録商標))25,26が結合されており、また、帯状部31,32の各々の先端部付近にも、面テープ27,28が結合されている。寝具のずれ落ち防止用具200は、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具の適切な位置に結合されている面テープに、これらの面テープを係合させることにより、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具と結合される。
【0043】
寝具のずれ落ち防止用具200の他の個所の説明は、寝具のずれ落ち防止用具100についての説明と同様となるので、省略する。
【0044】
図4は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の更に他の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具500は、本体部10と、帯状部31,32の組と、帯状部33,34の組からなる。本体部10の形状は、辺a,b,c,dを有する正方形である。
【0045】
本体部10の平行な二辺の組である辺a,bの組と辺c,dの組の中、特定の一組の平行な二辺は辺a,bであり、帯状部31,32は、その一組の平行な二辺である辺a,bの中の一辺(辺a)の両端a1,a2の各々から、辺aを同図中において左方向(帯状部31の場合)及び右方向(帯状部32の場合)へ延長した方向に延びており、また、帯状部33,34は、帯状部31,32の下端から、特定の一組の平行な二辺a,bの中の他方の辺である辺bの方へ所定距離近づいた位置(具体的的には、「長さv」だけ近づいた位置)から、辺aを同図中において左方向(帯状部33の場合)及び右方向(帯状部34の場合)へ延長した方向に延びている。
【0046】
帯状部31,32,33,34が配される位置は、本体部10の帯状部31,32,33,34が存在する部分よりも下の部分、図4に示された例では帯状部33,34が存在する部分よりも下の部分の長さhuが、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)の範囲内となるような位置である。この条件を充足する限りにおいて、帯状部31,32の長さy1、帯状部33,34の長さy2、及び帯状部31と帯状部33との間の長さvや帯状部32と帯状部34との間の長さvは、特に限定されない。
【0047】
寝具のずれ落ち防止用具500のように、帯状部は、二組以上存在していてもよい。帯状部が二組以上存在する場合には、各組(即ち、左右一組)の帯状部が存在する部分において、本体部10の幅と一組の帯状部の幅との合計、即ち、図4に示された例においてはw31+w10+w32とw33+w10+w34の各々が、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)である。この条件を充足する限り、個々の帯状部31,32,33,34の幅w31,w32,w33,w34は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0048】
第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具において、帯状部の長さy,y1,y2は、帯状部と上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具との結合に支障のない長さであればよく、好ましくは1乃至25cm、更に好ましくは2乃至22cm、更により好ましくは3乃至18cm、特に好ましくは4乃至15cmである。また、図3に示された例における「長さx」や図4に示された例における「長さv」は、帯状部が存在する部分よりも下の部分の長さhuが40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)の範囲内であるという条件を充足する限りにおいて、個々の帯状部の長さy,y1,y2との関係において特定される。なお、「長さx」や「長さv」は、通常は1乃至15cm、好ましくは3乃至12cm、更により好ましくは5乃至10cmである。
【0049】
図5は、第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具300は、第一の本体部11と、第二の本体部12と、帯状部35,36からなる。第一の本体部11の形状は、二組の平行な二辺、即ち、辺eと辺fとの組と、辺gと辺kとの組を有し、辺e,fをそれらの中央で垂直に横切る線(図示せず)を中心として線対称である四角形、より具体的には長方形であり、第二の本体部12の形状は、二組の平行な二辺、即ち、辺oと辺pとの組と、辺qと辺rとの組を有し、辺o,pをそれらの中央で垂直に横切る線(図示せず)を中心として線対称である四角形、より具体的には長方形である。
【0050】
帯状部35は、第一の本体部11の前記二組の平行な二辺の中の、特定の一組の平行な二辺である辺eと辺fの中の一辺(辺e)の両端e1,e2の中、第二の本体部12が存在しない側の端e1から、辺eを同図中において左方向へ延長した方向に延びている。帯状部36は、第二の本体部12の前記二組の平行な二辺の中の、特定の一組の平行な二辺である辺oと辺pの中の一辺(辺o)の両端o1,o2の中、第一の本体部11が存在しない側の端o2から、辺oを同図中において右方向へ延長した方向に延びている。
【0051】
第一の本体部11の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺(辺e)の帯状部35がない方の端である他端e2から、他方の辺(辺f)に所定距離近づいた位置までの間は、第二の本体部12の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺(辺o)の帯状部36がない方の端である他端o1から、他方の辺(辺p)に所定距離近づいた位置までの間と、直接結合している。この結合している個所は、図5において符号sが付された破線で示されている。第一の本体部11と第二の本体部12とが結合している個所の長さは、特に限定されないが、第一及び第二の本体部11,12の長さhの、好ましくは1乃至99%、更に好ましくは5乃至90%、更により好ましくは10乃至80%、特に好ましくは15乃至70%である。なお、辺eと辺fとの間の距離である第一の本体部11の長さhは、辺oと辺pとの間の距離である本体部12の長さhと同じであり、且つ50乃至120cmである。長さhは、50乃至110cmであることが好ましく、50乃至100cmであることが更に好ましい。
【0052】
第一の本体部11の外側端、即ち辺gと、第二の本体部12の外側端、即ち辺rとの間の距離は、寝具のずれ落ち防止用具300においては、第一の本体部11の幅と第二の本体部12の幅との合計w112と同じであるが、それは、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍である。幅w112は、ベッド用マットレスの幅の40乃至90%であることが好ましい。ダブル・サイズの場合、ベッド用マットレスの幅は140cmであるから、前記距離w112は、46.7乃至140cmである。
【0053】
帯状部35,36が存在する部分における二つの本体部11,12の幅と二つの帯状部35,36の幅の合計、即ちw35+w112+w36は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)である。(上掛け寝具の幅)乃至(上掛け寝具の幅+10cm)であることが好ましい。なお、ダブル・サイズの場合、上掛け寝具の幅は190cmであるから、w35+w112+w36は180乃至210cmということになる。
【0054】
第一及び第二の本体部11,12の帯状部35,36が存在する部分よりも下の部分の長さhuは、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)である。図5に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部35,36の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部10の長さh方向にycm離れた位置にある。そして、y=2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)である。帯状部35,36の長さyは、帯状部と上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具との結合に支障のない長さであればよく、好ましくは1乃至25cm、更に好ましくは2乃至22cm、更により好ましくは3乃至18cm、特に好ましくは4乃至15cmである。
【0055】
図6は、第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具400は、第一の本体部13と、第二の本体部14と、帯状部37,38と、中間帯状部39からなる。第一の本体部13の形状は、一組の平行な二辺、即ち、辺eと辺fとの組を有する四角形、より具体的には台形であり、第二の本体部14の形状は、一組の平行な二辺、即ち、辺oと辺pとの組を有する四角形、より具体的には台形である。
【0056】
寝具のずれ落ち防止用具400の、第一の本体部13の外側端(辺g)と第二の本体部14の外側端(辺r)との間の距離である幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍である。この図6においては最も狭い幅であるw20も、最も広い幅であるw100も、いずれもベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であることを要する。ダブル・サイズの場合、ベッド用マットレスの幅は140cmであるから、46.7cm乃至140cmである。
【0057】
帯状部37は、第一の本体部13の平行な二辺、即ち、辺eと辺fの中の一辺(辺e)の両端e1,e2の中、第二の本体部14が存在しない側の端e1から、辺eを同図中において左方向へ延長した方向に延びている。帯状部38は、第二の本体部14の平行な二辺、即ち、辺oと辺pの中の一辺(辺o)の両端o1,o2の中、第一の本体部13が存在しない側の端o2から、辺oを同図中において右方向へ延長した方向に延びている。
【0058】
この例では、第一の本体部13の平行な二辺、即ち、辺eと辺fの中の一辺(辺e)の帯状部37がない方の端である他端e2から、他方の辺(辺f)に所定距離(z)近づく位置までの間(図6において符号tで示されている破線の部分)は、第二の本体部14の平行な二辺、即ち、辺oと辺pの中の一辺(辺o)の帯状部38がない方の端である他端o1から、他方の辺(辺p)に所定距離(z)近づく位置までの間(図6において符号uで示されている破線の部分)とは、直接結合せず、中間帯状体39を介して間接的に結合されている。符号t,uで示されている個所の長さは、特に限定されないが、第一及び第二の本体部13,14の辺k、qの長さの、好ましくは1乃至99%、更に好ましくは5乃至90%、更により好ましくは10乃至80%、特に好ましくは15乃至70%である。所定距離zは、符号t,uで示されている個所の長さが決まればそれに連動して定まる。なお、辺eと辺fとの間の距離である第一の本体部13の長さhは、辺oと辺pとの間の距離である本体部14の長さhと同じであり、且つ50乃至120cmである。長さhは、好ましくは50乃至110cmであり、更に好ましくは50乃至100cmである。
【0059】
帯状部37,38が存在する部分における二つの本体部13,14の幅と二つの帯状部37,38の幅と、中間帯状部39の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)、好ましくは(上掛け寝具の幅)乃至(上掛け寝具の幅+10cm)である。なお、ダブル・サイズの場合、上記合計値は、180乃至210cmということになる。
【0060】
本体部13,14の帯状部37,38が存在する部分よりも下の部分の長さhuは、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)である。図6に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部37,38の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部13,14の長さh方向にycm離れた位置にある。そして、y=2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)である。
【0061】
第二の発明の特徴の中、第一の発明の特徴と同様である事柄、例えば数値限定の理由については、第一の発明についての説明を援用する。
【0062】
図2乃至図4に示した例の説明においては、数値はシングル・サイズの場合を例として取り上げ、また、図5及び図6に示した例の説明においては、数値はダブル・サイズの場合を例として取り上げたが、図2乃至図4に示した例は、シングル・サイズ用というわけではなく、セミダブル、ダブル等の他のサイズ用のものであってもよい。また、同様に、図5及び図6に示した例は、ダブル・サイズ用というわけではなく、シングル、セミダブル等の他のサイズ用のものであってもよい。
【0063】
本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の材質は特に限定されないが、織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料であることが好ましい。ここで、材料として編物を使用すると、伸縮するという特徴が得られるが、本発明の寝具のずれ落ち防止用具は、その材料が伸縮しなくても、十分に機能する。
【0064】
本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具を使用する際には、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合する。この結合に使用するものは、特に限定されないが、例を挙げると、安全ピン、ボタンとボタン穴との組合せ、紐、面テープ(マジック・テープ(登録商標))等がある。寝具のずれ落ち防止用具は、本体部の下方の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、ボタン又はボタン穴、紐、面テープ等の、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有することが好ましい。
【0065】
次に、図7乃至図9を参照しながら、第三の発明である寝具のずれ落ち防止用具の使用方法について説明する。図7乃至図9では、図2に示す寝具のずれ落ち防止用具100を使用している。
【0066】
先ず、図7に示すように、寝具のずれ落ち防止用具100の本体部10の特定の一組の平行な二辺a,bの中、帯状部31,32側の一辺である辺aが頭部側、他方の辺である辺bが足元側となるように、そして、二つの帯状部31,32は各々ベッド基台Bの側面から垂れ下がり、本体部10の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台Bのマットレス載置部上であって足元側に置く。
【0067】
次いで、図8に示すように、寝具のずれ落ち防止用具100の上にベッド用マットレスMを載置する。その後、図9に示すように、マットレスM上に上掛け寝具(上掛け寝具用カバーで覆われていてもよい)Fを乗せ、寝具のずれ落ち防止用具100の本体部10の足元側の一辺bの両側端部付近及び二つの帯状部31,32各々の先端部付近に形成されたボタン穴21,22,23,24(ボタン穴24は図示せず)に、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに縫い付けられたボタンを通すことにより、寝具のずれ落ち防止用具100を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに結合させる。
【0068】
図3に示されたずれ落ち防止用具200を用いる場合も、上記と同様である。図4に示された寝具のずれ落ち防止用具500を用いる場合には、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに結合させる部位が、帯状部の数が多い分だけ多くなるが、その他の点は寝具のずれ落ち防止用具100を用いる場合と同様である。
【0069】
さらに、図10を参照しながら、第四の発明である寝具のずれ落ち防止用具の使用方法について説明する。第四の発明では、第一の発明のずれ落ち防止用具の中、シングル・サイズのもの二つを使用する。
【0070】
先ず、図10に示すように、二枚の寝具のずれ落ち防止用具100,100を、それらの本体部10の特定の平行な二辺a,bの中、帯状部31,32側の一辺である辺aが頭部側、他方の辺である辺bが足元側となるように、そして、一方の寝具のずれ落ち防止用具100の帯状部31と、他方の寝具のずれ落ち防止用具100の帯状部32とがベッド基台Bの側面から垂れ下がり、また、二枚の寝具のずれ落ち防止用具100,100各々の本体部10,10の一部はベッド基台Bの足元側の端部から垂れ下がるように、そして、ベッド基台Bの側面から垂れ下がっていない帯状部32,31は、互いに他方のずれ落ち防止用具100,100の本体部10,10に重なるように、ベッド基台Bのマットレス載置部上であって足元側に、ベッド基台Bの幅方向に並置させる。
【0071】
次いで、寝具のずれ落ち防止用具100,100の上にベッド用マットレスを載置する。その後、マットレス上に上掛け寝具(上掛け寝具用カバーで覆われていてもよい)Fを乗せ、二枚の寝具のずれ落ち防止用具100,100各々の本体部10,10の足元側の辺b,bの両側端部付近及びベッド基台の側面から垂れ下がっていた二つの帯状部31,32の各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに結合させる。
【0072】
第五の発明である寝具のずれ落ち防止用具の使用方法は、使用するずれ落ち防止用具が例えば図5や図6に示されたずれ落ち防止用具のような第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具であることと、当該ずれ落ち防止用具を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させる個所が、二つの本体部各々の足元側の辺の両側端部付近と二つの帯状部各々の先端付近の六個所となること以外は、第三の発明と同様である。
【0073】
上記第三乃至第五の発明において、本体部のマットレスの下に敷かれる部分の長さ、例えば図7における長さiは、本発明のずれ落ち防止用具の本体部の長さと、ベッド用マットレスの厚み(通常は20乃至30cm)によるが、通常は20乃至90cmであり、好ましくは30乃至80cmである。
【実施例】
【0074】
(寝具のずれ落ち防止用具の製造と使用)
綿ブロードを用い、概略、図2に示す形状の寝具のずれ落ち防止用具を製造した。周囲の仕末は、バイアス・テープを用いて巻縫いで行なった。また、本体部と帯状部とを結合する個所は、本体部用の布と帯状部用の布の両者を挟み込んで、バイアス・テープで巻縫いを行なった。角部は、いずれも、曲線状となるように縫製した。本体部の幅w10は75cm、帯状部31,32の幅W31,W32は、それぞれ30cmであった。ボタン穴は形成しなかった。
【0075】
この寝具のずれ落ち防止用具を、図7に示すように、シングル・サイズのベッド基台Bのマットレス載置部上におき、図8に示すように、その上にマットレスMを乗せた。マットレスMにシーツを被せた後、布団カバーをかけたシングル・サイズの羽毛掛け布団Fを載せた。寝具のずれ落ち防止用具の本体部の下部(辺bに近い部分)の両側端部付近と、帯状部の先端部付近を、安全ピンで羽毛布団に留めた。この際の状態は、ボタンとボタン穴での結合の代わりに安全ピンを用いたこと以外は、図9に示すとおりである。
【0076】
以上のようにセットしたベッドにて就寝したところ、圧迫感はなく、しかも、掛け布団がずれ落ちることもなかった。この寝具のずれ落ち防止用具では、掛け布団と結合されているのが足元側のみであることと、足元側も、掛け布団と結合されていない個所(掛け布団の足元側の両側端部付近)があるため、圧迫感がなく且つ足を自由に動かすことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の本体部の形状を説明するための平面模式図である。
【図2】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。
【図3】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。
【図4】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具のさらに他の一例を示す平面模式図である。
【図5】第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。
【図6】第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。
【図7】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図8】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図9】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図10】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図11】特許文献1に記載された布団の跳ね上げ防止具の一例を示す平面模式図である。
【図12】特許文献2に記載された布団のずり落ち防止カバーの一例を示す平面模式図である。
【図13】特許文献2に記載された布団のずり落ち防止カバーの使用方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
10,11,12,13,14 本体部
31,32,35,36,37,38 帯状部
100,200,300,400,500 寝具のずれ落ち防止用具
B ベッド基台
M マットレス
F 上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具
【技術分野】
【0001】
本発明は、上掛け寝具のずれ落ちや跳ね上げ防止用具及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人は、就寝中に寝返りを打ったり、掛布団等の上掛け寝具を跳ね上げる。その結果、特にベッドで就寝している場合には、上掛け寝具がベッドからずれ落ち、これが寝冷えやカゼひきの原因の一つとなっている。また、人がベッドから立ち上がる際にも、上掛け寝具がずれ落ちることがある。
【0003】
このような上掛け寝具のずれ落ちや跳ね上げを防止するための用具として、種々のものが提案されている。それらの中で、比較的簡便な構造で、布を使用しているものとして、特許文献1及び2に記載のものがある。
【0004】
図11に示すように、特許文献1に記載の布団の跳ね上げ防止具700は、ベルト状の長尺物であって、長尺の第一の布地1の両端それぞれに伸縮材2,2が取り付けられ、それらの伸縮材2,2それぞれの他端には第二の布地3,3が取り付けられ、さらに、それら第二の布地3,3それぞれの他端には係合部材4a,4bが取り付けられているものである。この跳ね上げ防止具700を使用する際には、第一の布地1の部分を敷布団等の敷寝具の下に配置し、伸縮材2,2と第二の布地3,3を上掛け寝具の上に配置し、そして、係合部材4a,4bによって係合する。係合により、ベルト状の長尺物が輪となり、上掛け寝具Fを止める。
【0005】
特許文献1の布団の跳ね上げ防止具は、布団の長さ方向のおおよそ中央部で使用されるが、足元側は全く固定されていないので、この防止具より下側の足元付近では、布団の跳ね上げが生じる。また、布団の長さ方向のおおよそ中央部の一個所のみで固定しているため、寝返りや跳ね上げが激しいと、上掛け寝具のずれ落ちが生じることもある。
【0006】
特許文献2には、図12に示す、概略T字形状の布団ずり落ち防止カバー800が開示されている。このカバー800は、四角形の本体部6と、その上方左右に位置する帯状部5a,5bとからなるものである。このカバー800の本体部6の幅W6は、本体部6全体にわたって上掛け寝具Fの幅に等しい、即ち、ベッド基台の幅よりも数十cm大きい。図7に示すように、このカバー800は、ベッド基台Bのマットレス載置部上であってベッド用マットレスMの下に載置される。そして、ベッドの下端(足元側)から本体部6の垂れ下がった部分を折り返して、マットレスMの下端側面と上掛け寝具Fの下方部分(上掛け寝具Fの長さ方向で約1/3)であって表地の上を覆い、次いで、ベッド基台Bの左右に垂れ下がった帯状部5a,5bを折り返して、マットレスMの横側面と上掛け寝具Fの下方部分とを、上掛け寝具Fの横側面から表地の幅方向中央に向って覆って使用する。このカバー800の使用時の形態の特徴は、本体部6の上掛け寝具F上を覆っている部分のすべてが、帯状部5a,5bによって覆われていることと、帯状部5a,5bが一部重なっていることである。
【0007】
特許文献2に記載の布団ずり落ち防止カバー800を使用すると、上掛け寝具Fの足元側の長さ方向で約1/3の部分が、このカバー800でしっかりと被覆されるため、上掛け寝具Fの跳ね上げやずれ落ちは生じ難い。しかし、その使用感は、上掛け寝具の足元側がマットレスと共に袋状のカバーに装入されている場合とほぼ同様であり、上掛け寝具がしっかりと被覆されているために圧迫感があり、また、寝返りを打ち辛く、さらに、特に夏季においては、上掛け寝具FとマットレスMとの間における空気の流通が妨げられるために、寝苦しさを与えてしまう。
【0008】
【特許文献1】実開平07−25876
【特許文献2】実開平06−50571
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、圧迫感や寝苦しさを生じさせず、しかも効果的に掛布団等の上掛け寝具の跳ね上げやずれ落ちを防止できる寝具のずれ落ち防止用具と、その使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち第一の発明は、少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部と、前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の両端、又は、当該両端の各々から前記特定の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一組の帯状部とを備え、前記特定の一組の平行な二辺間の距離である本体部の長さは50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交する本体部の幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における本体部の幅と二つの帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、本体部の、帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具に関する。
【0012】
本体部の形状である「n角形」は、正確にn角形である必要はない。例えば縫製の都合により、角部分が曲線状となっていてもよい。nは偶数であるから、「n角形」は、四角形、六角形、八角形等である。
【0013】
上記寝具のずれ落ち防止用具は、シングル、セミダブル、ダブル、ワイドダブル、クイーンサイズ等のベッド用マットレスや上掛け寝具のサイズに応じ、上記の大きさに関する限定を充足する範囲内において、適切な大きさで提供される。ベッド用マットレスや上掛け寝具のサイズは、当業者には公知である。なお、上記のサイズに関する限定は、ベッド用マットレスや上掛け寝具は各々一つのみが使用される場合を想定して規定されている。例えば、ダブル・サイズの寝具のずれ落ち防止用具の大きさを特定する際には、「上掛け寝具の幅」とは、ダブル・サイズの掛布団等の幅を指し、「ベッド用マットレスの幅」とは、ダブル・サイズのベッド用マットレスの幅を指す。
【0014】
上記寝具のずれ落ち防止用具は、本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有するものであってもよい。
【0015】
本体部の形状は、四角形であることが好ましく、正方形、長方形又は台形であることが更に好ましく、正方形又は長方形であることが特に好ましい。
【0016】
上記寝具のずれ落ち防止用具は、織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製であることが好ましい。
【0017】
第二の発明は、並置された、少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部二つと、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第二の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第一の帯状部と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第一の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第二の帯状部とを備え、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間は、直接結合しているか又は少なくとも一つの中間帯状部を介して間接的に結合されており、前記第一及び第二の本体部の各々の前記特定の一組の平行な二辺間の距離である第一及び第二の本体部の長さは、互いに同じであり且つ50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交し、第一の本体部の外側端と第二の本体部の外側端との間の距離である幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における二つの本体部の幅と一組の帯状部の幅、そして存在する場合には中間帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、第一及び第二の本体部の、第一及び第二の帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具に関する。
【0018】
本体部の形状である「n角形」は、正確にn角形である必要はない。例えば縫製の都合により、角部分が曲線状となっていてもよい。また、第一及び第二の本体部は、形状が同じである必要はないが、本体部の外枠を構成する特定の一組の平行な二辺間の距離である長さは、第一及び第二の本体部において同じである。
【0019】
上記第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具も、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具と同様に、ベッド用マットレスのサイズや上掛け寝具のサイズに応じ、上記の大きさに関する限定を充足する範囲内において、適切な大きさで提供される。
【0020】
上記第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具は、本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有するものであってもよい。
【0021】
第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具において、本体部の形状は、四角形であることが好ましく、正方形、長方形又は台形であることが更に好ましく、正方形又は長方形であることが特に好ましい。
【0022】
上記第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具は、織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製であることが好ましい。
【0023】
第三の発明は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0024】
第四の発明は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具であって、シングル・サイズのもの二枚を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側にベッド基台の幅方向に並置し、ここで、第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部と、第二のずれ落ち防止用具の、当該第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部とは反対の側の帯状部は、各々ベッド基台の側面から垂れ下がっており、第一及び第二のずれ落ち防止用具の本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がっており、次いで、二枚の寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記第一及び第二のずれ落ち防止用具各々の本体部の他方の辺の両側端部付近及びベッド基台の側面から垂れ下がっている帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0025】
第四の発明は、シングル・サイズの第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具二枚を使用して、ダブル・ベッド等の大きいサイズのベッドやマットレスにおいて、上掛け寝具のずれ落ちを防止しようとする場合の、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0026】
第五の発明は、第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具を、第一及び第二の本体部各々の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記第一及び第二の本体部各々の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の第一及び第二の本体部各々の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法に関する。
【0027】
上記第三乃至第五の発明において、ベッド・パッドやシーツの使用には言及していないが、ベッド用マットレス上にベッド・パッドを載置したり、ベッド用マットレスをシーツで覆うことは、当然に予定されている。
【0028】
上記第三乃至第五の発明において、上掛け寝具用カバーや上掛け寝具の、寝具のずれ落ち防止用具の本体部の他方の辺の両側端部付近や帯状部の先端部付近が結合される場所は、寝具のずれ落ち防止用具が届く個所である限り特に限定されず、上掛け寝具用カバーや上掛け寝具の表面、側面及び裏面(人体に接する方)の何れでもよいが、側面、特に表生地と裏生地との縫製個所が好ましい。
【0029】
上記第三乃至第五の発明においては、第一及び第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具を、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させている。上掛け寝具が掛布団や毛布のように、カバーをつけて使用されるものである場合には、一般には、上掛け寝具用カバーに結合させる。また、タオルケットのように、カバーをつけずに使用されるものである場合には、寝具のずれ落ち防止用具は上掛け寝具に直接結合させる。勿論、上掛け寝具用カバーと上掛け寝具の両者に、寝具のずれ落ち防止用具を結合させてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、就寝時に、圧迫感や寝苦しさを生じさせず、しかも上掛け寝具のずれ落ちや跳ね上げを防止することができるずれ落ち防止用具が提供される。本発明のずれ落ち防止用具の使用により、寝冷えやカゼひきが防止される。また、本発明のずれ落ち防止用具は上掛け寝具の固定位置が足元側であるので、本発明のずれ落ち防止用具を使用すれば、上掛け寝具の枕側を足元側に向って折り曲げることにより、ベッドから容易に立ち上がることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、本発明を、図面を参照しながら、その実施のための最良の形態に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明における寝具のずれ落ち防止用具の本体部の形状の例を示す平面模式図である。本体部10は、少なくとも一組の平行な二辺a,bを有する四角形、六角形等のn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称であるという形状を有する。
【0033】
図1(A)に示す例では、本体部10の形状は正方形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組と辺c,dの組の二組である。また、この正方形は、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。図1(B)に示す例では、本体部10の形状は長方形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組と辺c,dの組の二組である。また、この長方形は、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。図1(C)に示す例では、本体部10の形状は台形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組のみである。また、この台形は、平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。図1(D)に示す例では、本体部10の形状は六角形であり、従って、平行な二辺の組は、辺a,bの組と辺c1,d2の組と、辺c2,d1の三組である。また、この六角形は、特定の一組の平行な二辺a,bをそれらの中央でそれら二辺a,bに対して垂直に横切る線lを中心として線対称である。
【0034】
図2は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具100は、本体部10と、帯状部31,32からなる。本体部10の形状は、辺a,b,c,dを有する長方形である。本体部10の平行な二辺の組である辺a,bの組と辺c,dの組の中、特定の一組の平行な二辺は辺a,bであり、帯状部31,32は、その一組の平行な二辺である辺a,bの中の一辺(辺a)の両端a1,a2から、辺aを同図中において左方向(帯状部31の場合)及び右方向(帯状部32の場合)へ延長した方向に延びている。なお、「特定の一組の平行な二辺」とは、図2に示すような方向で寝具のずれ落ち防止用具を描いたときに、上下の位置に配される平行な二辺をいう。
【0035】
辺aと辺bとの間の距離である本体部10の長さhは、50乃至120cmである。50乃至110cmであることが好ましく、50乃至100cmであることが更に好ましい。50cm未満であると、マットレスの下に配される部分の長さが短すぎるために、マットレスの下から飛び出してしまうことがある。長くしすぎると、上掛け寝具の表側を寝具のずれ落ち防止用具が覆うことになり、圧迫感を与えることになったり、マットレスの下に配される部分が無用に長くなったり、又はずれ落ち防止効果が不十分となる。
【0036】
本体部10の幅w10は、本体部10の形状が長方形であるため、その長さ方向全体にわたって同じであり、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍である。幅w10は、ベッド用マットレスの幅の40乃至90%であることが好ましい。幅w10がベッド用マットレスの幅の1/3未満であると、マットレスの下において寝具のずれ落ち防止用具を保持する力が小さくなり、一方、ベッド用マットレスの幅を超えると、圧迫感を与えることになる。シングル・サイズの場合、ベッド用マットレスの幅は90乃至100cmであるから、本体部10の幅w10は、30乃至100cmであり、40乃至90cmであることが好ましい。
【0037】
本体部10の幅と二つの帯状部31,32の幅との合計、即ち、w31+w10+w32は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)である。(上掛け寝具の幅)乃至(上掛け寝具の幅+10cm)であることが好ましい。このような大きさであれば、ベッド用マットレスの厚みも考慮すると、寝具のずれ落ち防止用具100を使用する際、帯状部31,32の先端部付近であって上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具と結合される位置は、上掛け寝具用カバーや上掛け寝具の側面(即ち、表側と裏側との縫製個所)付近となる。なお、帯状部31の幅w31と帯状部32w32は、互いに同じであっても異なっていてもよい。シングル・サイズの場合、上掛け寝具の幅は120乃至150cm(通常は120乃至130cm)であるから、w31+w10+w32は110乃至170cmということになる。w31+w10+w32は、実際に使用する上掛け寝具の幅に応じて特定されることが好ましい。
【0038】
本体部10の帯状部31,32が存在する部分よりも下の部分の長さhuは、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)である。図2に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部31,32の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部10の長さh方向にycm離れた位置にある。そして、y=2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)である。
【0039】
寝具のずれ落ち防止用具100の本体部10の特定の一組の平行な二辺a,bの中の他方の辺bの両側端部付近には、ボタン穴21,22が形成されており、また、帯状部31,32の各々の先端部付近にも、ボタン穴23,24が形成されている。寝具のずれ落ち防止用具100は、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具の適切な位置に取り付けられたボタンを、これらのボタン穴に通すことにより、上掛け寝具カバー又は上掛け寝具と結合される。
【0040】
図3は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具200は、本体部10と、帯状部31,32からなる。本体部10の形状は、辺a,b,c,dを有する正方形である。
【0041】
本体部10の平行な二辺の組である辺a,bの組と辺c,dの組の中、特定の一組の平行な二辺は辺a,bであり、帯状部31,32は、その一組の平行な二辺である辺a,bの中の一辺(辺a)の両端a1,a2の各々から、特定の一組の平行な二辺a,bの中の他方の辺である辺bの方へ所定距離近づいた位置(具体的的には、「長さx」だけ近づいた位置)から、辺aを同図中において左方向(帯状部31の場合)及び右方向(帯状部32の場合)へ延長した方向に延びている。「長さx」は、帯状部31,32が配される位置と、帯状部31,32の長さyに応じて特定される。なお、帯状部31,32が配される位置は、本体部10の帯状部31,32が存在する部分よりも下の部分の長さhuが、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)の範囲内となるような位置である。図3に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部31,32の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部10の長さh方向に(x+y)cm離れた位置にある。そして、x+yの値は、2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)の範囲内である。
【0042】
寝具のずれ落ち防止用具200の本体部10の前記特定の一組の平行な二辺a,bの中の辺bの両側端部付近には、面テープ(マジック・テープ(登録商標))25,26が結合されており、また、帯状部31,32の各々の先端部付近にも、面テープ27,28が結合されている。寝具のずれ落ち防止用具200は、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具の適切な位置に結合されている面テープに、これらの面テープを係合させることにより、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具と結合される。
【0043】
寝具のずれ落ち防止用具200の他の個所の説明は、寝具のずれ落ち防止用具100についての説明と同様となるので、省略する。
【0044】
図4は、第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の更に他の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具500は、本体部10と、帯状部31,32の組と、帯状部33,34の組からなる。本体部10の形状は、辺a,b,c,dを有する正方形である。
【0045】
本体部10の平行な二辺の組である辺a,bの組と辺c,dの組の中、特定の一組の平行な二辺は辺a,bであり、帯状部31,32は、その一組の平行な二辺である辺a,bの中の一辺(辺a)の両端a1,a2の各々から、辺aを同図中において左方向(帯状部31の場合)及び右方向(帯状部32の場合)へ延長した方向に延びており、また、帯状部33,34は、帯状部31,32の下端から、特定の一組の平行な二辺a,bの中の他方の辺である辺bの方へ所定距離近づいた位置(具体的的には、「長さv」だけ近づいた位置)から、辺aを同図中において左方向(帯状部33の場合)及び右方向(帯状部34の場合)へ延長した方向に延びている。
【0046】
帯状部31,32,33,34が配される位置は、本体部10の帯状部31,32,33,34が存在する部分よりも下の部分、図4に示された例では帯状部33,34が存在する部分よりも下の部分の長さhuが、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)の範囲内となるような位置である。この条件を充足する限りにおいて、帯状部31,32の長さy1、帯状部33,34の長さy2、及び帯状部31と帯状部33との間の長さvや帯状部32と帯状部34との間の長さvは、特に限定されない。
【0047】
寝具のずれ落ち防止用具500のように、帯状部は、二組以上存在していてもよい。帯状部が二組以上存在する場合には、各組(即ち、左右一組)の帯状部が存在する部分において、本体部10の幅と一組の帯状部の幅との合計、即ち、図4に示された例においてはw31+w10+w32とw33+w10+w34の各々が、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)である。この条件を充足する限り、個々の帯状部31,32,33,34の幅w31,w32,w33,w34は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0048】
第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具において、帯状部の長さy,y1,y2は、帯状部と上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具との結合に支障のない長さであればよく、好ましくは1乃至25cm、更に好ましくは2乃至22cm、更により好ましくは3乃至18cm、特に好ましくは4乃至15cmである。また、図3に示された例における「長さx」や図4に示された例における「長さv」は、帯状部が存在する部分よりも下の部分の長さhuが40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)の範囲内であるという条件を充足する限りにおいて、個々の帯状部の長さy,y1,y2との関係において特定される。なお、「長さx」や「長さv」は、通常は1乃至15cm、好ましくは3乃至12cm、更により好ましくは5乃至10cmである。
【0049】
図5は、第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具300は、第一の本体部11と、第二の本体部12と、帯状部35,36からなる。第一の本体部11の形状は、二組の平行な二辺、即ち、辺eと辺fとの組と、辺gと辺kとの組を有し、辺e,fをそれらの中央で垂直に横切る線(図示せず)を中心として線対称である四角形、より具体的には長方形であり、第二の本体部12の形状は、二組の平行な二辺、即ち、辺oと辺pとの組と、辺qと辺rとの組を有し、辺o,pをそれらの中央で垂直に横切る線(図示せず)を中心として線対称である四角形、より具体的には長方形である。
【0050】
帯状部35は、第一の本体部11の前記二組の平行な二辺の中の、特定の一組の平行な二辺である辺eと辺fの中の一辺(辺e)の両端e1,e2の中、第二の本体部12が存在しない側の端e1から、辺eを同図中において左方向へ延長した方向に延びている。帯状部36は、第二の本体部12の前記二組の平行な二辺の中の、特定の一組の平行な二辺である辺oと辺pの中の一辺(辺o)の両端o1,o2の中、第一の本体部11が存在しない側の端o2から、辺oを同図中において右方向へ延長した方向に延びている。
【0051】
第一の本体部11の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺(辺e)の帯状部35がない方の端である他端e2から、他方の辺(辺f)に所定距離近づいた位置までの間は、第二の本体部12の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺(辺o)の帯状部36がない方の端である他端o1から、他方の辺(辺p)に所定距離近づいた位置までの間と、直接結合している。この結合している個所は、図5において符号sが付された破線で示されている。第一の本体部11と第二の本体部12とが結合している個所の長さは、特に限定されないが、第一及び第二の本体部11,12の長さhの、好ましくは1乃至99%、更に好ましくは5乃至90%、更により好ましくは10乃至80%、特に好ましくは15乃至70%である。なお、辺eと辺fとの間の距離である第一の本体部11の長さhは、辺oと辺pとの間の距離である本体部12の長さhと同じであり、且つ50乃至120cmである。長さhは、50乃至110cmであることが好ましく、50乃至100cmであることが更に好ましい。
【0052】
第一の本体部11の外側端、即ち辺gと、第二の本体部12の外側端、即ち辺rとの間の距離は、寝具のずれ落ち防止用具300においては、第一の本体部11の幅と第二の本体部12の幅との合計w112と同じであるが、それは、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍である。幅w112は、ベッド用マットレスの幅の40乃至90%であることが好ましい。ダブル・サイズの場合、ベッド用マットレスの幅は140cmであるから、前記距離w112は、46.7乃至140cmである。
【0053】
帯状部35,36が存在する部分における二つの本体部11,12の幅と二つの帯状部35,36の幅の合計、即ちw35+w112+w36は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)である。(上掛け寝具の幅)乃至(上掛け寝具の幅+10cm)であることが好ましい。なお、ダブル・サイズの場合、上掛け寝具の幅は190cmであるから、w35+w112+w36は180乃至210cmということになる。
【0054】
第一及び第二の本体部11,12の帯状部35,36が存在する部分よりも下の部分の長さhuは、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)である。図5に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部35,36の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部10の長さh方向にycm離れた位置にある。そして、y=2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)である。帯状部35,36の長さyは、帯状部と上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具との結合に支障のない長さであればよく、好ましくは1乃至25cm、更に好ましくは2乃至22cm、更により好ましくは3乃至18cm、特に好ましくは4乃至15cmである。
【0055】
図6は、第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。寝具のずれ落ち防止用具400は、第一の本体部13と、第二の本体部14と、帯状部37,38と、中間帯状部39からなる。第一の本体部13の形状は、一組の平行な二辺、即ち、辺eと辺fとの組を有する四角形、より具体的には台形であり、第二の本体部14の形状は、一組の平行な二辺、即ち、辺oと辺pとの組を有する四角形、より具体的には台形である。
【0056】
寝具のずれ落ち防止用具400の、第一の本体部13の外側端(辺g)と第二の本体部14の外側端(辺r)との間の距離である幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍である。この図6においては最も狭い幅であるw20も、最も広い幅であるw100も、いずれもベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であることを要する。ダブル・サイズの場合、ベッド用マットレスの幅は140cmであるから、46.7cm乃至140cmである。
【0057】
帯状部37は、第一の本体部13の平行な二辺、即ち、辺eと辺fの中の一辺(辺e)の両端e1,e2の中、第二の本体部14が存在しない側の端e1から、辺eを同図中において左方向へ延長した方向に延びている。帯状部38は、第二の本体部14の平行な二辺、即ち、辺oと辺pの中の一辺(辺o)の両端o1,o2の中、第一の本体部13が存在しない側の端o2から、辺oを同図中において右方向へ延長した方向に延びている。
【0058】
この例では、第一の本体部13の平行な二辺、即ち、辺eと辺fの中の一辺(辺e)の帯状部37がない方の端である他端e2から、他方の辺(辺f)に所定距離(z)近づく位置までの間(図6において符号tで示されている破線の部分)は、第二の本体部14の平行な二辺、即ち、辺oと辺pの中の一辺(辺o)の帯状部38がない方の端である他端o1から、他方の辺(辺p)に所定距離(z)近づく位置までの間(図6において符号uで示されている破線の部分)とは、直接結合せず、中間帯状体39を介して間接的に結合されている。符号t,uで示されている個所の長さは、特に限定されないが、第一及び第二の本体部13,14の辺k、qの長さの、好ましくは1乃至99%、更に好ましくは5乃至90%、更により好ましくは10乃至80%、特に好ましくは15乃至70%である。所定距離zは、符号t,uで示されている個所の長さが決まればそれに連動して定まる。なお、辺eと辺fとの間の距離である第一の本体部13の長さhは、辺oと辺pとの間の距離である本体部14の長さhと同じであり、且つ50乃至120cmである。長さhは、好ましくは50乃至110cmであり、更に好ましくは50乃至100cmである。
【0059】
帯状部37,38が存在する部分における二つの本体部13,14の幅と二つの帯状部37,38の幅と、中間帯状部39の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)、好ましくは(上掛け寝具の幅)乃至(上掛け寝具の幅+10cm)である。なお、ダブル・サイズの場合、上記合計値は、180乃至210cmということになる。
【0060】
本体部13,14の帯状部37,38が存在する部分よりも下の部分の長さhuは、40cm乃至(本体部10の長さh−2cm)である。図6に示された例では、帯状部は一組しかないので、帯状部37,38の下端、即ち辺I,IIの位置は、辺aから本体部13,14の長さh方向にycm離れた位置にある。そして、y=2cm乃至(本体部10の長さh−40cm)である。
【0061】
第二の発明の特徴の中、第一の発明の特徴と同様である事柄、例えば数値限定の理由については、第一の発明についての説明を援用する。
【0062】
図2乃至図4に示した例の説明においては、数値はシングル・サイズの場合を例として取り上げ、また、図5及び図6に示した例の説明においては、数値はダブル・サイズの場合を例として取り上げたが、図2乃至図4に示した例は、シングル・サイズ用というわけではなく、セミダブル、ダブル等の他のサイズ用のものであってもよい。また、同様に、図5及び図6に示した例は、ダブル・サイズ用というわけではなく、シングル、セミダブル等の他のサイズ用のものであってもよい。
【0063】
本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の材質は特に限定されないが、織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料であることが好ましい。ここで、材料として編物を使用すると、伸縮するという特徴が得られるが、本発明の寝具のずれ落ち防止用具は、その材料が伸縮しなくても、十分に機能する。
【0064】
本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具を使用する際には、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合する。この結合に使用するものは、特に限定されないが、例を挙げると、安全ピン、ボタンとボタン穴との組合せ、紐、面テープ(マジック・テープ(登録商標))等がある。寝具のずれ落ち防止用具は、本体部の下方の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、ボタン又はボタン穴、紐、面テープ等の、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有することが好ましい。
【0065】
次に、図7乃至図9を参照しながら、第三の発明である寝具のずれ落ち防止用具の使用方法について説明する。図7乃至図9では、図2に示す寝具のずれ落ち防止用具100を使用している。
【0066】
先ず、図7に示すように、寝具のずれ落ち防止用具100の本体部10の特定の一組の平行な二辺a,bの中、帯状部31,32側の一辺である辺aが頭部側、他方の辺である辺bが足元側となるように、そして、二つの帯状部31,32は各々ベッド基台Bの側面から垂れ下がり、本体部10の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台Bのマットレス載置部上であって足元側に置く。
【0067】
次いで、図8に示すように、寝具のずれ落ち防止用具100の上にベッド用マットレスMを載置する。その後、図9に示すように、マットレスM上に上掛け寝具(上掛け寝具用カバーで覆われていてもよい)Fを乗せ、寝具のずれ落ち防止用具100の本体部10の足元側の一辺bの両側端部付近及び二つの帯状部31,32各々の先端部付近に形成されたボタン穴21,22,23,24(ボタン穴24は図示せず)に、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに縫い付けられたボタンを通すことにより、寝具のずれ落ち防止用具100を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに結合させる。
【0068】
図3に示されたずれ落ち防止用具200を用いる場合も、上記と同様である。図4に示された寝具のずれ落ち防止用具500を用いる場合には、上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに結合させる部位が、帯状部の数が多い分だけ多くなるが、その他の点は寝具のずれ落ち防止用具100を用いる場合と同様である。
【0069】
さらに、図10を参照しながら、第四の発明である寝具のずれ落ち防止用具の使用方法について説明する。第四の発明では、第一の発明のずれ落ち防止用具の中、シングル・サイズのもの二つを使用する。
【0070】
先ず、図10に示すように、二枚の寝具のずれ落ち防止用具100,100を、それらの本体部10の特定の平行な二辺a,bの中、帯状部31,32側の一辺である辺aが頭部側、他方の辺である辺bが足元側となるように、そして、一方の寝具のずれ落ち防止用具100の帯状部31と、他方の寝具のずれ落ち防止用具100の帯状部32とがベッド基台Bの側面から垂れ下がり、また、二枚の寝具のずれ落ち防止用具100,100各々の本体部10,10の一部はベッド基台Bの足元側の端部から垂れ下がるように、そして、ベッド基台Bの側面から垂れ下がっていない帯状部32,31は、互いに他方のずれ落ち防止用具100,100の本体部10,10に重なるように、ベッド基台Bのマットレス載置部上であって足元側に、ベッド基台Bの幅方向に並置させる。
【0071】
次いで、寝具のずれ落ち防止用具100,100の上にベッド用マットレスを載置する。その後、マットレス上に上掛け寝具(上掛け寝具用カバーで覆われていてもよい)Fを乗せ、二枚の寝具のずれ落ち防止用具100,100各々の本体部10,10の足元側の辺b,bの両側端部付近及びベッド基台の側面から垂れ下がっていた二つの帯状部31,32の各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具Fに結合させる。
【0072】
第五の発明である寝具のずれ落ち防止用具の使用方法は、使用するずれ落ち防止用具が例えば図5や図6に示されたずれ落ち防止用具のような第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具であることと、当該ずれ落ち防止用具を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させる個所が、二つの本体部各々の足元側の辺の両側端部付近と二つの帯状部各々の先端付近の六個所となること以外は、第三の発明と同様である。
【0073】
上記第三乃至第五の発明において、本体部のマットレスの下に敷かれる部分の長さ、例えば図7における長さiは、本発明のずれ落ち防止用具の本体部の長さと、ベッド用マットレスの厚み(通常は20乃至30cm)によるが、通常は20乃至90cmであり、好ましくは30乃至80cmである。
【実施例】
【0074】
(寝具のずれ落ち防止用具の製造と使用)
綿ブロードを用い、概略、図2に示す形状の寝具のずれ落ち防止用具を製造した。周囲の仕末は、バイアス・テープを用いて巻縫いで行なった。また、本体部と帯状部とを結合する個所は、本体部用の布と帯状部用の布の両者を挟み込んで、バイアス・テープで巻縫いを行なった。角部は、いずれも、曲線状となるように縫製した。本体部の幅w10は75cm、帯状部31,32の幅W31,W32は、それぞれ30cmであった。ボタン穴は形成しなかった。
【0075】
この寝具のずれ落ち防止用具を、図7に示すように、シングル・サイズのベッド基台Bのマットレス載置部上におき、図8に示すように、その上にマットレスMを乗せた。マットレスMにシーツを被せた後、布団カバーをかけたシングル・サイズの羽毛掛け布団Fを載せた。寝具のずれ落ち防止用具の本体部の下部(辺bに近い部分)の両側端部付近と、帯状部の先端部付近を、安全ピンで羽毛布団に留めた。この際の状態は、ボタンとボタン穴での結合の代わりに安全ピンを用いたこと以外は、図9に示すとおりである。
【0076】
以上のようにセットしたベッドにて就寝したところ、圧迫感はなく、しかも、掛け布団がずれ落ちることもなかった。この寝具のずれ落ち防止用具では、掛け布団と結合されているのが足元側のみであることと、足元側も、掛け布団と結合されていない個所(掛け布団の足元側の両側端部付近)があるため、圧迫感がなく且つ足を自由に動かすことができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の本体部の形状を説明するための平面模式図である。
【図2】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。
【図3】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。
【図4】第一の発明の寝具のずれ落ち防止用具のさらに他の一例を示す平面模式図である。
【図5】第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の一例を示す平面模式図である。
【図6】第二の発明の寝具のずれ落ち防止用具の他の一例を示す平面模式図である。
【図7】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図8】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図9】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図10】本発明に係る寝具のずれ落ち防止用具の使用方法を説明するための斜視図である。
【図11】特許文献1に記載された布団の跳ね上げ防止具の一例を示す平面模式図である。
【図12】特許文献2に記載された布団のずり落ち防止カバーの一例を示す平面模式図である。
【図13】特許文献2に記載された布団のずり落ち防止カバーの使用方法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0078】
10,11,12,13,14 本体部
31,32,35,36,37,38 帯状部
100,200,300,400,500 寝具のずれ落ち防止用具
B ベッド基台
M マットレス
F 上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部と、前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の両端、又は、当該両端の各々から前記特定の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一組の帯状部とを備え、前記特定の一組の平行な二辺間の距離である本体部の長さは50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交する本体部の幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における本体部の幅と一組の帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、本体部の、帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項2】
本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有する、請求項1に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項3】
n角形が四角形である、請求項1又は2に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項4】
本体部の形状が正方形、長方形又は台形である、請求項3に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項5】
織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項6】
並置された、少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部二つと、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第二の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第一の帯状部と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第一の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第二の帯状部とを備え、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間は、直接結合しているか又は少なくとも一つの中間帯状部を介して間接的に結合されており、前記第一及び第二の本体部の各々の前記特定の一組の平行な二辺間の距離である第一及び第二の本体部の長さは、互いに同じであり且つ50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交し、第一の本体部の外側端と第二の本体部の外側端との間の距離である幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における二つの本体部の幅と一組の帯状部の幅、そして存在する場合には中間帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、第一及び第二の本体部の、第一及び第二の帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項7】
本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有する、請求項6に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項8】
n角形が四角形である、請求項6又は7に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項9】
本体部の形状が正方形、長方形又は台形である、請求項8に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項10】
織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製である、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法。
【請求項12】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具であって、シングル・サイズのもの二枚を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側にベッド基台の幅方向に並置し、ここで、第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部と、第二のずれ落ち防止用具の、当該第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部とは反対の側の帯状部は、各々ベッド基台の側面から垂れ下がっており、第一及び第二のずれ落ち防止用具の本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がっており、次いで、二枚の寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記第一及び第二のずれ落ち防止用具各々の本体部の他方の辺の両側端部付近及びベッド基台の側面から垂れ下がっている帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法。
【請求項13】
請求項6乃至10記載の寝具のずれ落ち防止用具を、第一及び第二の本体部各々の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記第一及び第二の本体部各々の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の第一及び第二の本体部各々の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法。
【請求項1】
少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部と、前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の両端、又は、当該両端の各々から前記特定の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一組の帯状部とを備え、前記特定の一組の平行な二辺間の距離である本体部の長さは50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交する本体部の幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における本体部の幅と一組の帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、本体部の、帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項2】
本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有する、請求項1に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項3】
n角形が四角形である、請求項1又は2に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項4】
本体部の形状が正方形、長方形又は台形である、請求項3に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項5】
織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項6】
並置された、少なくとも一組の平行な二辺を有するn角形(但し、nは偶数である)であって、特定の一組の平行な二辺をそれらの中央でそれら二辺に対して垂直に横切る線を中心として線対称である本体部二つと、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第二の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第一の帯状部と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の第一の本体部が存在しない側の端又は当該端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置から、前記一辺を延長した方向に延びる少なくとも一つの第二の帯状部とを備え、第一の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間と、第二の本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の一辺の他端から前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺に所定距離近づいた位置までの間は、直接結合しているか又は少なくとも一つの中間帯状部を介して間接的に結合されており、前記第一及び第二の本体部の各々の前記特定の一組の平行な二辺間の距離である第一及び第二の本体部の長さは、互いに同じであり且つ50乃至120cmであり、本体部の長さ方向と直交し、第一の本体部の外側端と第二の本体部の外側端との間の距離である幅は、ベッド用マットレスの幅の1/3乃至1倍であり、帯状部が存在する部分における二つの本体部の幅と一組の帯状部の幅、そして存在する場合には中間帯状部の幅との合計は、(上掛け寝具の幅−10cm)乃至(上掛け寝具の幅+20cm)であり、第一及び第二の本体部の、第一及び第二の帯状部が存在する部分より下の部分の長さは40cm乃至(本体部の長さ−2cm)であることを特徴とする寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項7】
本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中の他方の辺の両側端部付近及び/又は帯状部先端部付近に、上掛け寝具に結合させるための結合手段を有する、請求項6に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項8】
n角形が四角形である、請求項6又は7に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項9】
本体部の形状が正方形、長方形又は台形である、請求項8に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項10】
織物、編物、不織布、フェルト、及びキルティング加工地からなる群から選択されるいずれかの材料製である、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法。
【請求項12】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の寝具のずれ落ち防止用具であって、シングル・サイズのもの二枚を、前記本体部の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側にベッド基台の幅方向に並置し、ここで、第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部と、第二のずれ落ち防止用具の、当該第一のずれ落ち防止用具の一方の帯状部とは反対の側の帯状部は、各々ベッド基台の側面から垂れ下がっており、第一及び第二のずれ落ち防止用具の本体部の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がっており、次いで、二枚の寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記第一及び第二のずれ落ち防止用具各々の本体部の他方の辺の両側端部付近及びベッド基台の側面から垂れ下がっている帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法。
【請求項13】
請求項6乃至10記載の寝具のずれ落ち防止用具を、第一及び第二の本体部各々の前記特定の一組の平行な二辺の中、帯状部側の一辺が頭部側、他方の辺が足元側となるように、そして、帯状部は各々ベッド基台の側面から垂れ下がり、前記第一及び第二の本体部各々の一部はベッド基台の足元側の端部から垂れ下がるように、ベッド基台のマットレス載置部上であって足元側に置き、次いで、寝具のずれ落ち防止用具の上にベッド用マットレスを載置し、当該マットレス上に上掛け寝具を乗せ、前記寝具のずれ落ち防止用具の第一及び第二の本体部各々の他方の辺の両側端部付近及び帯状部各々の先端部付近を上掛け寝具用カバー又は上掛け寝具に結合させることを特徴とする、寝具のずれ落ち防止用具の使用方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−183116(P2008−183116A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17912(P2007−17912)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(397007011)株式会社オーシンエムエルピー (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(397007011)株式会社オーシンエムエルピー (12)
【Fターム(参考)】
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