寝具のずれ防止装置
【課題】敷き具に対する上掛け具の位置ずれを効果的に防止できると共に、敷き具に上掛け具を簡単に固定できる、寝具の位置ずれ防止装置を提供する。
【解決手段】この寝具のずれ防止装置は、上掛け具10の少なくとも一辺を、敷き具20に対して直接又は間接的に連結して、上掛け具10のずれを防止するようにしたもので、敷き具20に付設される部材に設けられた剛性を有する固定部に、帯状片37を介して取付けられた第1ファスナ31と、上掛け具10である肌掛け布団12に帯状片38を介して取付けられた第2ファスナ32とを有し、第1ファスナ31と第2ファスナ32とでスライドファスナ30が構成され、このスライドファスナ30を介して、上掛け具10が固定部材に連結されるように構成されている。
【解決手段】この寝具のずれ防止装置は、上掛け具10の少なくとも一辺を、敷き具20に対して直接又は間接的に連結して、上掛け具10のずれを防止するようにしたもので、敷き具20に付設される部材に設けられた剛性を有する固定部に、帯状片37を介して取付けられた第1ファスナ31と、上掛け具10である肌掛け布団12に帯状片38を介して取付けられた第2ファスナ32とを有し、第1ファスナ31と第2ファスナ32とでスライドファスナ30が構成され、このスライドファスナ30を介して、上掛け具10が固定部材に連結されるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝時に、掛け布団や毛布等の上掛け具が、敷き布団やベッドのマットレス等の敷き具に対してずれることを防止するための、寝具のずれ防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
敷き布団やベッドのマットレス等の敷き具と、掛け布団や毛布タオルケット等の上掛け具とからなる寝具は、就寝時の寝返りや寝相によって、上掛け具が引張られたり、めくれたり、丸まったりして、敷き具に対して上掛け具が位置ずれしてしまうことが多く、寝冷えや安眠の妨げとなるという問題があった。
【0003】
このような上掛け具の位置ずれを防止するために、様々なものが提案されている。例えば、下記特許文献1には、掛け布団の足下部から所定幅の帯状部が延設されると共に、敷き布団の足下部から所定幅の帯状部を延設され、両帯状部にそれぞれ着脱可能な面ファスナーが形成された、就寝中のズレ防止用布団が記載されている。そして、面ファスナーで両帯状部を互いに貼着した後、両帯状部を一対の押さえ板で挟み込んで、ピン状の接合凸部と、ボタン状の接合凹部とで固定することで、掛け布団が敷き布団に固定されるようになっている。
【0004】
また、下記特許文献2には、掛け布団カバーの両側辺にファスナーが取付けられ、敷き布団カバーの両側辺にファスナーが取付けられて、両ファスナーを互いに接合することにより、掛け布団カバーの両側が敷き布団カバーに取付けられるように構成された、布団カバーが記載されている。
【0005】
更に、下記特許文献3には、就寝者の身体及び足部を包む1枚目の毛布本体と、一端が前記毛布本体の丈方向1/5〜1/2の位置に取付けられ、他端が敷き布団の下に挟み込まれる2枚目の毛布とを備えた、貼り合わせ式毛布が記載されている。なお、2枚目の毛布の一端には面ファスナーが付設されており、これが1枚目の毛布本体の面ファスナーに貼着され、1枚目の毛布本体に対して2枚目の毛布が着脱可能となっている。
【0006】
また、下記特許文献4には、布団カバーの一側に沿って複数の結び紐を離間して固定し、これら複数の結び紐を、ベッドの一側に設けた係止部に結び付けるようにした、ベッド用掛け具ずり落ち防止装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3153533号公報
【特許文献2】特開2006−198382号公報
【特許文献3】実用新案登録第3100228号公報
【特許文献4】特開2001−286378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1記載の発明では、面ファスナーを介して貼着された帯状部を、更に一対の押さえ板で挟み込むことにより、敷き布団に掛け布団が固定されるようになっている。また、前記帯状部は敷き布団及び掛け布団の両者に設けられていて、柔軟な敷き布団及び掛け布団どうしが帯状部を介して連結されている。
【0009】
しかしながら、柔軟な敷き布団及び掛け布団は身体を覆うのに好適である反面、形状が定まりにくく変形しやすいので、就寝時の寝返り等により、掛け布団が引張られたり、めくれたりした場合には、敷き布団もそれに追随して変形してしまって、掛け布団の位置ずれ防止性能が不十分であった。また、上記のように、面ファスナーで両帯状部を貼着後、両帯状部を一対の押さえ板で挟み込んで、接合凸部を接合凹部に挿入するように構成されているので、敷き布団に掛け布団を固定する作業が極めて煩雑であった。
【0010】
上記特許文献2記載の発明では、布団カバーどうしをファスナーで接合するようになっているが、布団カバーは薄地で伸びやすいため、就寝時の寝返り等により、掛け布団が引張られたりした場合には、掛け布団及び敷き布団のカバーどうしが伸びる結果となり、この場合も掛け布団の位置ずれ防止性能が不十分であった。また、掛け布団カバーの両側辺を固定するため、圧迫感があって、寝返りしにくくなるという問題があった。
【0011】
上記特許文献3記載の発明では、毛布の他端が、敷き布団の下に挟み込まれる構成となっているので、寝相が悪く、毛布を蹴り上げたりした場合には、毛布の他端が敷き布団の下から抜け外れてしまう虞れがあり、位置ずれ防止効果が十分に得られない場合があった。
【0012】
更に、上記特許文献4記載の発明では、布団カバーの一側が、結び紐によって、ベッドの係止部に部分的に固定されているだけで、ベッドに対して掛け布団がしっかりと固定されているわけではないので、就寝中に掛け布団がずれ動く可能性を捨てきれない。また、複数の結び紐を、逐一、ベッドの係止部に結び付ける必要があるので、掛け布団の固定作業が煩雑であった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、就寝時における、敷き具に対する上掛け具の位置ずれを効果的に防止することができると共に、敷き具に上掛け具を簡単に固定することができる、寝具の位置ずれ防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の寝具のずれ防止装置は、上掛け具の少なくとも一辺を、敷き具に対して直接又は間接的に連結して、上掛け具のずれを防止するようにしたものであって、前記敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に、直接又は帯状片を介して取付けられた第1ファスナと、前記上掛け具の前記連結される辺に沿って直接又は帯状片を介して取付けられた第2ファスナとを有し、前記第1ファスナと前記第2ファスナとでスライドファスナが構成され、このスライドファスナを介して、前記上掛け具が前記固定部に連結されるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
上記発明によれば、第1ファスナと第2ファスナとで構成されるスライドファスナを閉めるだけの簡単な作業で、上掛け具の所定の辺を、敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に線状に連結することができる。その結果、上掛け具の所定の辺が剛性を有する固定部を介して、敷き具に対して直接又は間接的に連結されるので、その保持効果が上掛け部の全体に面状に広がり、寝返り等をしたときのずれを効果的に防止することができる。また、上掛け具が乱れたときには、上掛け具を固定部に対して引っ張ることによって、ピンと伸ばして乱れを直すことができる。
【0016】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記固定部は、敷き具の下面又は間に挟み込まれる固定板に設けられていることが好ましい。これによれば、固定板を敷き具の下面又は間に挟み込んで使用できるので、敷き具として通常のものを使用でき、汎用性を高めることができる。また、固定板によって、連結部をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、上掛け部を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、上掛け部に張力を付与してピンと張らせることができる。
【0017】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記固定部は、マットレスの端部であることが好ましい。マットレスの端部は剛性を有するので、これを固定部とすることにより連結部をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、上掛け部を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、上掛け部に張力を付与してピンと張らせることができる。
【0018】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記固定部は、ボード又はマットを挿入されて剛性を強化された布団の端部であることが好ましい。これによれば、ボード又はマットを挿入されて剛性を強化された布団の端部を固定部とすることにより、連結部をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、上掛け具を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、上掛け具に張力を付与してピンと張らせることができる。
【0019】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記第2ファスナが連結される上掛け具は、上掛け具のうち、もっとも身体側に配置されるものであることが好ましい。これによれば、上掛け具のうち、もっとも身体側に配置されるものの所定の辺を、固定部を介して敷き具に固定することにより、該上掛け具がずれないことによって、その上に被せられる上掛け具のずれも効果的に防止することができる。
【0020】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記第2ファスナは、前記上掛け具の連結すべき一辺に沿って、その縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられていることが好ましい。これによれば、上掛け具の縁部からスライドファスナ等の連結部が見えにくくなるので、外観を良好にすることができると共に、敷き具に対して幅広の上掛け具を適正な位置に保持させることができる。
【0021】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け具の下辺を連結するように構成されていることが好ましい。これによれば、敷き具及び上掛け具の下辺を連結することにより、上掛け具によって体を押圧することなく、ずれ防止効果を得ることができると共に、足下の保温性を高めることができる。
【0022】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記敷き具及び前記上掛け部は、壁際に配置されたベッドに適用されるものであり、前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け部の壁際側の一側辺を連結するように配置されていることが好ましい。これによれば、壁際に配置されたベッドに用いられた上掛け具が、ベッドからずれ落ちることを効果的に防止することができると共に、一側辺のみを連結することによって圧迫感を少なくすることができる。なお、この場合、上掛け部の一側辺の連結と下辺の連結を併用して使用することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1ファスナと第2ファスナとで構成されるスライドファスナを閉めるだけの簡単な作業で、上掛け具の所定の辺を、敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に線状に連結することができる。その結果、上掛け具の所定の辺が剛性を有する固定部を介して、敷き具に対して直接又は間接的に連結されるので、その保持効果が上掛け部の全体に面状に広がり、寝返り等をしたときのずれを効果的に防止することができる。また、上掛け具が乱れたときには、上掛け具を固定部に対して引っ張ることによって、ピンと伸ばして乱れを直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の寝具のずれ防止装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同寝具のずれ防止装置の要部拡大斜視図である。
【図3】同寝具のずれ防止装置を構成する固定板を示しており、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図4】同寝具のずれ防止装置を構成する固定板の変形例を示しており、(a)は斜視図、(b)、(c)、(d)は側面図である。
【図5】本発明の寝具のずれ防止装置の第2実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の寝具のずれ防止装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の寝具のずれ防止装置の第4実施形態を示す斜視図である。
【図8】同寝具のずれ防止装置の要部拡大側面図である。
【図9】本発明の寝具のずれ防止装置の第5実施形態を示す斜視図である。
【図10】同寝具のずれ防止装置の要部拡大側面図である。
【図11】本発明の寝具のずれ防止装置の第6実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の寝具のずれ防止装置の第7実施形態を示す斜視図である。
【図13】同寝具のずれ防止装置の要部拡大側面図である。
【図14】本発明の寝具のずれ防止装置の第8実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図1〜4を参照して、本発明の寝具のずれ防止装置の第1実施形態について説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、この寝具のずれ防止装置は、敷き具20に対して上掛け具10(図2参照)の位置ずれを防止するために用いられるものである。
【0027】
寝具のずれ防止装置が適用される上掛け具10は、この実施形態の場合、薄地の肌掛け布団12と、その上に載置される掛け布団14とから構成されている。これ以外にも、毛布、タオルケット、カバー等を、上掛け具10として用いることができる。なお、以下の説明では、肌掛け布団12に後述する第2ファスナー32を取り付けるものとして記述するが、必要に応じて、肌掛け布団以外の上掛け具10(毛布、タオルケット、カバー等)のいずれかにも取り付けることができる。一方、敷き具20は、マットレス22と、この上に載置される敷き布団24とから構成されている。これ以外にも、シーツ、パッド、カバー等を、敷き具20として用いることができる。
【0028】
前記スライドファスナ30は、複数のエレメントが直線状に設けられ、前記敷き具20側に取付けられる第1ファスナ31と、同じく複数のエレメントが直線状に設けられ、前記上掛け具10側に取付けられる第2ファスナ32とから構成されている。このスライドファスナ30にはスライダー35(図1参照)が装着されており、スライダー35を操作することで、両ファスナ31,32のエレメントどうしが連結又は分離して、スライドファスナ30が開閉可能となっている。このようなスライドファスナの構造自体は周知の構造であるため、その詳細な説明は省略する。また、前記スライダー35は、前記敷き具20側に取付けられた第1ファスナ31に装着されていることが好ましい。更に、スライドファスナ30としては、必要に応じて、引き手がスライダー35の表裏両側に反転移動するものや、スライダー35の表裏両側にそれぞれ引き手を備えたもの等の、表裏両側からスライダー35を操作可能なものであってもよい。
【0029】
そして、前記第2ファスナ32は、前記上掛け具10に帯状片38を介して取付けられている。この第1実施形態では、上掛け具10の幅方向に沿って所定長さで伸びる帯状片38の長手方向に沿った一側部が、就寝時にもっとも身体側に配置される肌掛け布団12の足下側の下辺に取付けられ、同帯状片38の長手方向に沿った他側部が、前記第2ファスナ32のエレメントとは反対側の側部に取付けられている(図1及び図2参照)。但し、第2ファスナ32は、前記掛け布団14の一側辺に帯状片38を介して取付けてもよい。
【0030】
一方、前記第1ファスナ31は、敷き具20に付設される部材に設けられた剛性を有する固定部に、敷き具20の幅方向に沿って所定長さで伸びる帯状片37を介して取付けられている。この実施形態での敷き具20に付設される部材は、敷き具20であるマットレス22の下面に挟み込まれる固定板50となっている(図1及び図2参照)。
【0031】
図3(a),(b)に示すように、この固定板50は、所定の剛性を有すると共に、敷き具20の幅方向にほぼ適合する長さで伸びる長方形状をなし、袋53により包み込まれて構成されている。前記袋53は、縫合線H(図3(a)参照)に沿って表裏の生地が縫合され、固定板50が位置決め固定されており、前記縫合線Hよりも外側の、表裏の生地が重ね合わされた部分が、前記帯状片37をなしている。この帯状片37の長手方向に沿った一側部に、前記第1ファスナ31が取付けられている。すなわち、第1ファスナ31は、帯状片37を介して固定板50の一側部に取付けられており、この固定板50の一側部が、本発明における「固定部」をなしている。
【0032】
上記固定板50は、例えば、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート等の合成樹脂や、合板(いわゆるベニヤ板)、パーティクルボード、ファイバーボード等の木質ボードや、アルミニウムや、ステンレス等の金属板、更には、厚紙などから形成されており、少なくとも前記上掛け具10よりも剛性が高いものが用いられるようになっている。また、固定板50の厚さとしては、1〜20mmであることが好ましく、2〜10mmであることがより好ましい。更に、固定板50の4つの角部は、円弧状に丸みを帯びた形状をなしている。ただし、固定板50を袋53に包み込む場合には丸みを付けることを省略してもよい。なお、固定板50の長手方向の中間部を分割し、ヒンジを介して折り曲げ可能とし、収納時に折り畳めるようにしてもよい。
【0033】
また、上記固定板は、図3に示す形態だけではなく、図4に示すような形態としてもよい。図4(a),(b)に示す固定板50aは、前記固定板50のように袋53で覆われておらず、上面又は下面の(ここでは上面)長手方向一側辺に、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37が直接取付けられている。この場合、固定板50aは丸みを付ける形状が好ましい。
【0034】
また、固定板50aを、角部がR型となるように折り曲げた形状(図4(c)参照)、または、薄肉ヒンジ54を介してL型に折り曲げた形状(図4(d)参照)としてもよい。このようにすると、折り曲げにより固定板50aの剛性を高めることができるので、固定板50aの素材を薄く軽量にできる。
【0035】
次に、上記第1実施形態の寝具のずれ防止装置の作用効果について説明する。
【0036】
すなわち、図1及び図2に示すように、帯状片37を介して第1ファスナ31が取付けられた固定板50を、畳やフローリングの上に載置されたマットレス22の、足下側の下辺の下面に挿入して、マットレス22の下面と、畳やフローリングとの間で、挟み込んで保持させる。このように、この実施形態では、剛性を有する固定部を設けた固定板50を敷き具20の下面に挟み込むだけで使用できるので、敷き具20に剛性を有する固定部を設ける必要がなく、通常のマットレス22や敷き布団24を用いることが可能となり、汎用性を高めることができる。
【0037】
この状態で、肌掛け布団12に帯状片38を介して取付けられた第2ファスナ32を、第1ファスナ31の長手方向に沿って配置して、スライダー35を操作して両ファスナ31,32のエレメントどうしを連結させることにより、スライドファスナ30が閉じて、両ファスナ31,32どうしが線状に連結され、スライドファスナ30を介して、マットレス22の下辺に沿って肌掛け布団12の下辺を線状に連結することができる(図1及び図2参照)。これにより、肌掛け布団12の足下側の下辺が、固定板50の剛性を有する固定部に連結され、かつ、同固定板50を介して間接的に、マットレス22の足下側の下辺に、肌掛け布団12の足下側の下辺が連結されるようになっている。
【0038】
なお、引き手がスライダー35の表裏両側に反転移動するスライドファスナや、スライダー35の表裏両側にそれぞれ引き手を備えるスライドファスナである場合、スライダー35を表裏両側から操作することができるので、利便性が向上する。
【0039】
上記のように、この寝具の位置ずれ防止装置においては、スライドファスナ30を採用したことにより、第1ファスナ31と第2ファスナ32とをスライダー35を介して連結させるだけの簡単な作業で、マットレス22に肌掛け布団12を連結することができ、敷き具20に対する上掛け具10の連結作業性を向上させることができる。
【0040】
また、洗濯や交換等のため、肌掛け布団12をマットレス22から取外す場合には、スライダー35を操作して、スライドファスナ30を開くことにより、肌掛け布団12を取外すことができる。この作業は、固定板50をマットレス22の下面に挟み込んだまま行うか、マットレス22の下面から固定板50を引き抜いた後に行ってもよい。また、この実施形態においては、スライダー35が敷き具20側の第1ファスナ31に取付けられているので、肌掛け布団12を取外したときに邪魔とならず都合がよい。
【0041】
上記のようにマットレス22に間接的に連結された肌掛け布団12の上に、更に掛け布団14を乗せて(図2参照)、敷き布団24と肌掛け布団12との間に潜り込んで、眠りに就くことになる。そして、就寝時に寝返りをうったり、寝相が悪かったりする場合には、肌掛け布団12が引張られたり捲れたりすることがある。
【0042】
しかしながら、この寝具のずれ防止装置においては、肌掛け布団12の下辺が、固定板50の剛性を有する固定部を介して、マットレス22の下辺に間接的に且つスライドファスナ30によって線状に連結されているため、肌掛け布団12が引張られたり、めくれたりして、就寝前の初期位置から位置ずれしそうになっても、マットレス22に対する肌掛け布団12の保持効果が、剛性を有する固定部を通じて肌掛け布団12の全体に面状に広がり、肌掛け布団12の位置ずれを効果的に防止することができる。また、就寝中に上掛け具10が乱れたことに気づいた場合には、上掛け具10である肌掛け布団12を、剛性を有する固定部に対して引張ることによって、ピンと伸ばして乱れを直すことができる。
【0043】
上記のように、この寝具のずれ防止装置では、スライドファスナ30及び固定板50に設けた剛性を有する固定部によって、形状が定まりにくく変形しやすい軟質の上掛け具10であっても、その位置ずれを効果的に防止して、就寝前の位置に保持することができるので、寝冷えが防止されて快適に眠ることができる。
【0044】
更に、この実施形態では、剛性を有する固定部を設けた固定板50によって、上掛け具10と敷き具20との連結部、すなわち、スライドファスナ30の第1ファスナ31と第2ファスナ32との線状連結部分をしっかりと固定することができるので、マットレス22に対する肌掛け布団12の保持効果を高めて、肌掛け布団12の位置ずれ防止効果をより向上させることができると共に、肌掛け布団12を固定部に対して引張ったときに、十分な剛性で対抗することができ、その結果、肌掛け布団12に張力を付与して、肌掛け布団12をピンと引張ることができ、肌掛け布団12の乱れを容易に直すことができる。
【0045】
また、この実施形態では、各ファスナ31,32が、帯状片37,38を介して、敷き具20側及び上掛け具10側に取付けられているので、敷き具20や上掛け具10が複数枚重ねられて厚みがあっても、その厚みに柔軟に対応することができ、本発明の寝具のずれ防止装置を適用することが可能となる。
【0046】
更に、この実施形態では、第2ファスナ32が連結される上掛け具10は、上掛け具10のうち、もっとも身体側に配置される肌掛け布団12となっていて、この肌掛け布団12の下辺が固定板50を介してマットレス22に固定されて、肌掛け布団12の位置ずれが図られているので、肌掛け布団12の上に被せられる掛け布団14の位置ずれも、効果的に防止することができる。
【0047】
また、この実施形態では、スライドファスナ30は、マットレス22の足下側の下辺と、肌掛け布団12の足下側の下辺とが連結されているだけなので、連結された上掛け具10により体が圧迫されることなく、ずれ防止効果を得ることができると共に、足下の保温性を高めることができる。
【0048】
図5には、本発明の寝具のずれ防止装置の第2実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0049】
この第2実施形態の寝具のずれ防止装置は、前記第1実施形態と比べて、帯状片37の肌掛け布団12に対する取付け位置が異なっている。図5に示すように、第2ファスナ32が取付けられた帯状片38の、長手方向に沿った一側部が、前記肌掛け布団12の足下側の下辺縁部から、所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられている。その結果、第2ファスナ32は、肌掛け布団12の下辺縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられて、肌掛け布団12の下面に配置されるようになっている。
【0050】
また、第2実施形態の寝具のずれ防止装置では、固定板50をマットレス22と敷き布団24との間に挟み込み、スライドファスナ30を介して、固定板50と肌掛け布団12の下辺とを連結している。
【0051】
この実施形態によれば、上記のように、第2ファスナ32が、肌掛け布団12の下辺縁部から、所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられて、肌掛け布団12の下面に配置されているので、上掛け具10の縁部からスライドファスナ30の連結部分が見えにくくなり、外観を良好にすることができると共に、敷き具20に対して幅広の上掛け具10を適正な位置に保持させることができる。なお、その他の基本的な作用効果は、前記実施形態と同様であるので、省略する。
【0052】
図6には、本発明の寝具のずれ防止装置の第3実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0053】
この第3実施形態の寝具のずれ防止装置は、図6に示すように、マットレス22の下辺の端部に、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37の長手方向に沿った一側部が、直接取付けられた構造となっている。すなわち、この第3実施形態では、マットレス22の端部が本発明における「固定部」をなしている。
【0054】
そして、この第3実施形態によれば、マットレス22の端部を剛性を有する固定部とすることにより、スライドファスナ30の連結部分をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、肌掛け布団12を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、肌掛け布団12に張力を付与してピンと張らせることができ、肌掛け布団12の乱れを容易に直すことができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0055】
図7及び図8には、本発明の寝具のずれ防止装置の第4実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0056】
この第4実施形態では、敷き布団24aの内部に、上記固定板50と同様の材質、すなわち、アクリル樹脂やベニヤ板、金属板等からなる、板状のボード51が挿入されて、敷き布団24aの剛性が強化されており、この剛性が強化された敷き布団24aの下辺の端部に、第1ファスナ31が直接取付けられた構造となっている(図7及び図8参照)。すなわち、この第4実施形態では、剛性が強化された敷き布団24aの端部が、本発明における「固定部」をなしている。なお、ボードの代わりに、マットを敷き布団24a内に挿入してもよい。また、肌掛け布団12の足下側の下辺に、第2ファスナ32が直接取付けられている。
【0057】
これによれば、ボード51が挿入されて剛性を強化された敷き布団24aの端部を固定部とすることにより、スライドファスナ30の連結部分をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、肌掛け布団12を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、肌掛け布団12に張力を付与してピンと張らせることができ、肌掛け布団12の乱れを容易に直すことができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0058】
図9及び図10には、本発明の寝具のずれ防止装置の第5実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0059】
前記第1〜4の実施形態が、畳やフローリングの上に敷かれる敷き具20に適用されるのに対して、以下に説明する第5〜8の実施形態は、ベッド1に適用されるものとなっている。
【0060】
図9に示すように、この第5実施形態の寝具のずれ防止装置は、ベッド1のフレーム3上に載置された敷き具20であるマットレス22上に、被せられた上掛け具10の一つである肌掛け布団12を、ベッド1に対して位置ずれしないようにするために適用される。
【0061】
図9及び図10に示すように、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37の、長手方向に沿った一側部が、ベッド1のフレーム3の幅方向に沿って伸びる一対の挟持板52,52に挟み込まれて保持されると共に、これら一対の挟持板52,52が、ベッド1のフレーム3の足下側の外面に取付けられている。すなわち、この第5実施形態では、ベッド1のフレーム3が、本発明における「敷き具に付設された部材」をなし、このフレーム3に固着された挟持板52が、本発明における「固定部」をなしている。
【0062】
そして、前記実施形態と同様に、スライドファスナ30を介して、ベッド1のフレーム3の足下側の外面に対して、肌掛け布団12の下辺とを連結することで、肌掛け布団12の位置ずれを防止することができると共に、ベッド1から肌掛け布団12が落ちることを確実に防止することができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0063】
図11には、本発明の寝具のずれ防止装置の第6実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0064】
この第6実施形態では、第1ファスナ31の側部が、ベッド1のフレーム3の足下側外面に固着された前記一対の挟持板52,52に挟み込まれて、第1ファスナ31が挟持板52に直接取付けられている。一方、第2ファスナ32も、肌掛け布団12の足下側の下辺に直接取付けられている。この第6実施形態では、前記第5実施形態と同様に、ベッド1のフレーム3に固着された挟持板52が、本発明における「固定部」をなしている。
【0065】
この実施形態では、帯状片37,38を介さずに、両ファスナ31,32が敷き具20及び上掛け具10に取付けられているので、上掛け具10を引張ったときに、ピンと張りやすいという効果が得られる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0066】
図12及び図13には、本発明の寝具のずれ防止装置の第7実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0067】
この第7実施形態では、第1ファスナ31が、マットレス22の足下側の下辺の端部に直接取付けられていると共に、第2ファスナ32も、肌掛け布団12の足下側の下辺に直接取付けられている(図12及び図13参照)。この第7実施形態においては、図6記載の第3実施形態と同様に、マットレス22の端部が本発明における「固定部」をなしている。
【0068】
この第7実施形態の効果は、図6記載の第3実施形態と同様であるので省略する。その他の基本的な作用効果も前記実施形態と同様であるので省略する。
【0069】
図14には、本発明の寝具のずれ防止装置の第8実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0070】
この第8実施形態では、前記ベッド1は、部屋の壁際に配置されるものとなっており、ベッド1のフレーム3の、壁際側の側辺の外面に、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37の長手方向一側部が、挟持板52を介して取付けられている。また、第2ファスナ32が取付けられた帯状片38の長手方向一側部が、肌掛け布団12の一側辺の縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられている。この第8実施形態では、第5及び第6実施形態と同様に、ベッド1のフレーム3に固着された挟持板52が、本発明における「固定部」をなしている。
【0071】
そして、この第8実施形態によれば、壁際に配置されたベッド1に用いられた肌掛け布団12を、ベッド1からずれ落ちることを効果的に防止することができると共に、壁際側の一側辺のみを連結することによって圧迫感を少なくすることができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【符号の説明】
【0072】
1 ベッド
3 フレーム
10 上掛け具
12 肌掛け布団
14 掛け布団
20 敷き具
22 マットレス
24,24a 敷き布団
30 スライドファスナ
31 第1ファスナ
32 第2ファスナ
35 スライダー
37,38 帯状片
50,50a 固定板
51 ボード
52 挟持板
53 袋
54 薄肉ヒンジ
H 縫合線
【技術分野】
【0001】
本発明は、就寝時に、掛け布団や毛布等の上掛け具が、敷き布団やベッドのマットレス等の敷き具に対してずれることを防止するための、寝具のずれ防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
敷き布団やベッドのマットレス等の敷き具と、掛け布団や毛布タオルケット等の上掛け具とからなる寝具は、就寝時の寝返りや寝相によって、上掛け具が引張られたり、めくれたり、丸まったりして、敷き具に対して上掛け具が位置ずれしてしまうことが多く、寝冷えや安眠の妨げとなるという問題があった。
【0003】
このような上掛け具の位置ずれを防止するために、様々なものが提案されている。例えば、下記特許文献1には、掛け布団の足下部から所定幅の帯状部が延設されると共に、敷き布団の足下部から所定幅の帯状部を延設され、両帯状部にそれぞれ着脱可能な面ファスナーが形成された、就寝中のズレ防止用布団が記載されている。そして、面ファスナーで両帯状部を互いに貼着した後、両帯状部を一対の押さえ板で挟み込んで、ピン状の接合凸部と、ボタン状の接合凹部とで固定することで、掛け布団が敷き布団に固定されるようになっている。
【0004】
また、下記特許文献2には、掛け布団カバーの両側辺にファスナーが取付けられ、敷き布団カバーの両側辺にファスナーが取付けられて、両ファスナーを互いに接合することにより、掛け布団カバーの両側が敷き布団カバーに取付けられるように構成された、布団カバーが記載されている。
【0005】
更に、下記特許文献3には、就寝者の身体及び足部を包む1枚目の毛布本体と、一端が前記毛布本体の丈方向1/5〜1/2の位置に取付けられ、他端が敷き布団の下に挟み込まれる2枚目の毛布とを備えた、貼り合わせ式毛布が記載されている。なお、2枚目の毛布の一端には面ファスナーが付設されており、これが1枚目の毛布本体の面ファスナーに貼着され、1枚目の毛布本体に対して2枚目の毛布が着脱可能となっている。
【0006】
また、下記特許文献4には、布団カバーの一側に沿って複数の結び紐を離間して固定し、これら複数の結び紐を、ベッドの一側に設けた係止部に結び付けるようにした、ベッド用掛け具ずり落ち防止装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3153533号公報
【特許文献2】特開2006−198382号公報
【特許文献3】実用新案登録第3100228号公報
【特許文献4】特開2001−286378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1記載の発明では、面ファスナーを介して貼着された帯状部を、更に一対の押さえ板で挟み込むことにより、敷き布団に掛け布団が固定されるようになっている。また、前記帯状部は敷き布団及び掛け布団の両者に設けられていて、柔軟な敷き布団及び掛け布団どうしが帯状部を介して連結されている。
【0009】
しかしながら、柔軟な敷き布団及び掛け布団は身体を覆うのに好適である反面、形状が定まりにくく変形しやすいので、就寝時の寝返り等により、掛け布団が引張られたり、めくれたりした場合には、敷き布団もそれに追随して変形してしまって、掛け布団の位置ずれ防止性能が不十分であった。また、上記のように、面ファスナーで両帯状部を貼着後、両帯状部を一対の押さえ板で挟み込んで、接合凸部を接合凹部に挿入するように構成されているので、敷き布団に掛け布団を固定する作業が極めて煩雑であった。
【0010】
上記特許文献2記載の発明では、布団カバーどうしをファスナーで接合するようになっているが、布団カバーは薄地で伸びやすいため、就寝時の寝返り等により、掛け布団が引張られたりした場合には、掛け布団及び敷き布団のカバーどうしが伸びる結果となり、この場合も掛け布団の位置ずれ防止性能が不十分であった。また、掛け布団カバーの両側辺を固定するため、圧迫感があって、寝返りしにくくなるという問題があった。
【0011】
上記特許文献3記載の発明では、毛布の他端が、敷き布団の下に挟み込まれる構成となっているので、寝相が悪く、毛布を蹴り上げたりした場合には、毛布の他端が敷き布団の下から抜け外れてしまう虞れがあり、位置ずれ防止効果が十分に得られない場合があった。
【0012】
更に、上記特許文献4記載の発明では、布団カバーの一側が、結び紐によって、ベッドの係止部に部分的に固定されているだけで、ベッドに対して掛け布団がしっかりと固定されているわけではないので、就寝中に掛け布団がずれ動く可能性を捨てきれない。また、複数の結び紐を、逐一、ベッドの係止部に結び付ける必要があるので、掛け布団の固定作業が煩雑であった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、就寝時における、敷き具に対する上掛け具の位置ずれを効果的に防止することができると共に、敷き具に上掛け具を簡単に固定することができる、寝具の位置ずれ防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の寝具のずれ防止装置は、上掛け具の少なくとも一辺を、敷き具に対して直接又は間接的に連結して、上掛け具のずれを防止するようにしたものであって、前記敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に、直接又は帯状片を介して取付けられた第1ファスナと、前記上掛け具の前記連結される辺に沿って直接又は帯状片を介して取付けられた第2ファスナとを有し、前記第1ファスナと前記第2ファスナとでスライドファスナが構成され、このスライドファスナを介して、前記上掛け具が前記固定部に連結されるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
上記発明によれば、第1ファスナと第2ファスナとで構成されるスライドファスナを閉めるだけの簡単な作業で、上掛け具の所定の辺を、敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に線状に連結することができる。その結果、上掛け具の所定の辺が剛性を有する固定部を介して、敷き具に対して直接又は間接的に連結されるので、その保持効果が上掛け部の全体に面状に広がり、寝返り等をしたときのずれを効果的に防止することができる。また、上掛け具が乱れたときには、上掛け具を固定部に対して引っ張ることによって、ピンと伸ばして乱れを直すことができる。
【0016】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記固定部は、敷き具の下面又は間に挟み込まれる固定板に設けられていることが好ましい。これによれば、固定板を敷き具の下面又は間に挟み込んで使用できるので、敷き具として通常のものを使用でき、汎用性を高めることができる。また、固定板によって、連結部をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、上掛け部を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、上掛け部に張力を付与してピンと張らせることができる。
【0017】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記固定部は、マットレスの端部であることが好ましい。マットレスの端部は剛性を有するので、これを固定部とすることにより連結部をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、上掛け部を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、上掛け部に張力を付与してピンと張らせることができる。
【0018】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記固定部は、ボード又はマットを挿入されて剛性を強化された布団の端部であることが好ましい。これによれば、ボード又はマットを挿入されて剛性を強化された布団の端部を固定部とすることにより、連結部をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、上掛け具を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、上掛け具に張力を付与してピンと張らせることができる。
【0019】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記第2ファスナが連結される上掛け具は、上掛け具のうち、もっとも身体側に配置されるものであることが好ましい。これによれば、上掛け具のうち、もっとも身体側に配置されるものの所定の辺を、固定部を介して敷き具に固定することにより、該上掛け具がずれないことによって、その上に被せられる上掛け具のずれも効果的に防止することができる。
【0020】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記第2ファスナは、前記上掛け具の連結すべき一辺に沿って、その縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられていることが好ましい。これによれば、上掛け具の縁部からスライドファスナ等の連結部が見えにくくなるので、外観を良好にすることができると共に、敷き具に対して幅広の上掛け具を適正な位置に保持させることができる。
【0021】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け具の下辺を連結するように構成されていることが好ましい。これによれば、敷き具及び上掛け具の下辺を連結することにより、上掛け具によって体を押圧することなく、ずれ防止効果を得ることができると共に、足下の保温性を高めることができる。
【0022】
本発明の寝具のずれ防止装置においては、前記敷き具及び前記上掛け部は、壁際に配置されたベッドに適用されるものであり、前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け部の壁際側の一側辺を連結するように配置されていることが好ましい。これによれば、壁際に配置されたベッドに用いられた上掛け具が、ベッドからずれ落ちることを効果的に防止することができると共に、一側辺のみを連結することによって圧迫感を少なくすることができる。なお、この場合、上掛け部の一側辺の連結と下辺の連結を併用して使用することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1ファスナと第2ファスナとで構成されるスライドファスナを閉めるだけの簡単な作業で、上掛け具の所定の辺を、敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に線状に連結することができる。その結果、上掛け具の所定の辺が剛性を有する固定部を介して、敷き具に対して直接又は間接的に連結されるので、その保持効果が上掛け部の全体に面状に広がり、寝返り等をしたときのずれを効果的に防止することができる。また、上掛け具が乱れたときには、上掛け具を固定部に対して引っ張ることによって、ピンと伸ばして乱れを直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の寝具のずれ防止装置の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】同寝具のずれ防止装置の要部拡大斜視図である。
【図3】同寝具のずれ防止装置を構成する固定板を示しており、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図4】同寝具のずれ防止装置を構成する固定板の変形例を示しており、(a)は斜視図、(b)、(c)、(d)は側面図である。
【図5】本発明の寝具のずれ防止装置の第2実施形態を示す要部拡大斜視図である。
【図6】本発明の寝具のずれ防止装置の第3実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の寝具のずれ防止装置の第4実施形態を示す斜視図である。
【図8】同寝具のずれ防止装置の要部拡大側面図である。
【図9】本発明の寝具のずれ防止装置の第5実施形態を示す斜視図である。
【図10】同寝具のずれ防止装置の要部拡大側面図である。
【図11】本発明の寝具のずれ防止装置の第6実施形態を示す斜視図である。
【図12】本発明の寝具のずれ防止装置の第7実施形態を示す斜視図である。
【図13】同寝具のずれ防止装置の要部拡大側面図である。
【図14】本発明の寝具のずれ防止装置の第8実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図1〜4を参照して、本発明の寝具のずれ防止装置の第1実施形態について説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、この寝具のずれ防止装置は、敷き具20に対して上掛け具10(図2参照)の位置ずれを防止するために用いられるものである。
【0027】
寝具のずれ防止装置が適用される上掛け具10は、この実施形態の場合、薄地の肌掛け布団12と、その上に載置される掛け布団14とから構成されている。これ以外にも、毛布、タオルケット、カバー等を、上掛け具10として用いることができる。なお、以下の説明では、肌掛け布団12に後述する第2ファスナー32を取り付けるものとして記述するが、必要に応じて、肌掛け布団以外の上掛け具10(毛布、タオルケット、カバー等)のいずれかにも取り付けることができる。一方、敷き具20は、マットレス22と、この上に載置される敷き布団24とから構成されている。これ以外にも、シーツ、パッド、カバー等を、敷き具20として用いることができる。
【0028】
前記スライドファスナ30は、複数のエレメントが直線状に設けられ、前記敷き具20側に取付けられる第1ファスナ31と、同じく複数のエレメントが直線状に設けられ、前記上掛け具10側に取付けられる第2ファスナ32とから構成されている。このスライドファスナ30にはスライダー35(図1参照)が装着されており、スライダー35を操作することで、両ファスナ31,32のエレメントどうしが連結又は分離して、スライドファスナ30が開閉可能となっている。このようなスライドファスナの構造自体は周知の構造であるため、その詳細な説明は省略する。また、前記スライダー35は、前記敷き具20側に取付けられた第1ファスナ31に装着されていることが好ましい。更に、スライドファスナ30としては、必要に応じて、引き手がスライダー35の表裏両側に反転移動するものや、スライダー35の表裏両側にそれぞれ引き手を備えたもの等の、表裏両側からスライダー35を操作可能なものであってもよい。
【0029】
そして、前記第2ファスナ32は、前記上掛け具10に帯状片38を介して取付けられている。この第1実施形態では、上掛け具10の幅方向に沿って所定長さで伸びる帯状片38の長手方向に沿った一側部が、就寝時にもっとも身体側に配置される肌掛け布団12の足下側の下辺に取付けられ、同帯状片38の長手方向に沿った他側部が、前記第2ファスナ32のエレメントとは反対側の側部に取付けられている(図1及び図2参照)。但し、第2ファスナ32は、前記掛け布団14の一側辺に帯状片38を介して取付けてもよい。
【0030】
一方、前記第1ファスナ31は、敷き具20に付設される部材に設けられた剛性を有する固定部に、敷き具20の幅方向に沿って所定長さで伸びる帯状片37を介して取付けられている。この実施形態での敷き具20に付設される部材は、敷き具20であるマットレス22の下面に挟み込まれる固定板50となっている(図1及び図2参照)。
【0031】
図3(a),(b)に示すように、この固定板50は、所定の剛性を有すると共に、敷き具20の幅方向にほぼ適合する長さで伸びる長方形状をなし、袋53により包み込まれて構成されている。前記袋53は、縫合線H(図3(a)参照)に沿って表裏の生地が縫合され、固定板50が位置決め固定されており、前記縫合線Hよりも外側の、表裏の生地が重ね合わされた部分が、前記帯状片37をなしている。この帯状片37の長手方向に沿った一側部に、前記第1ファスナ31が取付けられている。すなわち、第1ファスナ31は、帯状片37を介して固定板50の一側部に取付けられており、この固定板50の一側部が、本発明における「固定部」をなしている。
【0032】
上記固定板50は、例えば、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート等の合成樹脂や、合板(いわゆるベニヤ板)、パーティクルボード、ファイバーボード等の木質ボードや、アルミニウムや、ステンレス等の金属板、更には、厚紙などから形成されており、少なくとも前記上掛け具10よりも剛性が高いものが用いられるようになっている。また、固定板50の厚さとしては、1〜20mmであることが好ましく、2〜10mmであることがより好ましい。更に、固定板50の4つの角部は、円弧状に丸みを帯びた形状をなしている。ただし、固定板50を袋53に包み込む場合には丸みを付けることを省略してもよい。なお、固定板50の長手方向の中間部を分割し、ヒンジを介して折り曲げ可能とし、収納時に折り畳めるようにしてもよい。
【0033】
また、上記固定板は、図3に示す形態だけではなく、図4に示すような形態としてもよい。図4(a),(b)に示す固定板50aは、前記固定板50のように袋53で覆われておらず、上面又は下面の(ここでは上面)長手方向一側辺に、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37が直接取付けられている。この場合、固定板50aは丸みを付ける形状が好ましい。
【0034】
また、固定板50aを、角部がR型となるように折り曲げた形状(図4(c)参照)、または、薄肉ヒンジ54を介してL型に折り曲げた形状(図4(d)参照)としてもよい。このようにすると、折り曲げにより固定板50aの剛性を高めることができるので、固定板50aの素材を薄く軽量にできる。
【0035】
次に、上記第1実施形態の寝具のずれ防止装置の作用効果について説明する。
【0036】
すなわち、図1及び図2に示すように、帯状片37を介して第1ファスナ31が取付けられた固定板50を、畳やフローリングの上に載置されたマットレス22の、足下側の下辺の下面に挿入して、マットレス22の下面と、畳やフローリングとの間で、挟み込んで保持させる。このように、この実施形態では、剛性を有する固定部を設けた固定板50を敷き具20の下面に挟み込むだけで使用できるので、敷き具20に剛性を有する固定部を設ける必要がなく、通常のマットレス22や敷き布団24を用いることが可能となり、汎用性を高めることができる。
【0037】
この状態で、肌掛け布団12に帯状片38を介して取付けられた第2ファスナ32を、第1ファスナ31の長手方向に沿って配置して、スライダー35を操作して両ファスナ31,32のエレメントどうしを連結させることにより、スライドファスナ30が閉じて、両ファスナ31,32どうしが線状に連結され、スライドファスナ30を介して、マットレス22の下辺に沿って肌掛け布団12の下辺を線状に連結することができる(図1及び図2参照)。これにより、肌掛け布団12の足下側の下辺が、固定板50の剛性を有する固定部に連結され、かつ、同固定板50を介して間接的に、マットレス22の足下側の下辺に、肌掛け布団12の足下側の下辺が連結されるようになっている。
【0038】
なお、引き手がスライダー35の表裏両側に反転移動するスライドファスナや、スライダー35の表裏両側にそれぞれ引き手を備えるスライドファスナである場合、スライダー35を表裏両側から操作することができるので、利便性が向上する。
【0039】
上記のように、この寝具の位置ずれ防止装置においては、スライドファスナ30を採用したことにより、第1ファスナ31と第2ファスナ32とをスライダー35を介して連結させるだけの簡単な作業で、マットレス22に肌掛け布団12を連結することができ、敷き具20に対する上掛け具10の連結作業性を向上させることができる。
【0040】
また、洗濯や交換等のため、肌掛け布団12をマットレス22から取外す場合には、スライダー35を操作して、スライドファスナ30を開くことにより、肌掛け布団12を取外すことができる。この作業は、固定板50をマットレス22の下面に挟み込んだまま行うか、マットレス22の下面から固定板50を引き抜いた後に行ってもよい。また、この実施形態においては、スライダー35が敷き具20側の第1ファスナ31に取付けられているので、肌掛け布団12を取外したときに邪魔とならず都合がよい。
【0041】
上記のようにマットレス22に間接的に連結された肌掛け布団12の上に、更に掛け布団14を乗せて(図2参照)、敷き布団24と肌掛け布団12との間に潜り込んで、眠りに就くことになる。そして、就寝時に寝返りをうったり、寝相が悪かったりする場合には、肌掛け布団12が引張られたり捲れたりすることがある。
【0042】
しかしながら、この寝具のずれ防止装置においては、肌掛け布団12の下辺が、固定板50の剛性を有する固定部を介して、マットレス22の下辺に間接的に且つスライドファスナ30によって線状に連結されているため、肌掛け布団12が引張られたり、めくれたりして、就寝前の初期位置から位置ずれしそうになっても、マットレス22に対する肌掛け布団12の保持効果が、剛性を有する固定部を通じて肌掛け布団12の全体に面状に広がり、肌掛け布団12の位置ずれを効果的に防止することができる。また、就寝中に上掛け具10が乱れたことに気づいた場合には、上掛け具10である肌掛け布団12を、剛性を有する固定部に対して引張ることによって、ピンと伸ばして乱れを直すことができる。
【0043】
上記のように、この寝具のずれ防止装置では、スライドファスナ30及び固定板50に設けた剛性を有する固定部によって、形状が定まりにくく変形しやすい軟質の上掛け具10であっても、その位置ずれを効果的に防止して、就寝前の位置に保持することができるので、寝冷えが防止されて快適に眠ることができる。
【0044】
更に、この実施形態では、剛性を有する固定部を設けた固定板50によって、上掛け具10と敷き具20との連結部、すなわち、スライドファスナ30の第1ファスナ31と第2ファスナ32との線状連結部分をしっかりと固定することができるので、マットレス22に対する肌掛け布団12の保持効果を高めて、肌掛け布団12の位置ずれ防止効果をより向上させることができると共に、肌掛け布団12を固定部に対して引張ったときに、十分な剛性で対抗することができ、その結果、肌掛け布団12に張力を付与して、肌掛け布団12をピンと引張ることができ、肌掛け布団12の乱れを容易に直すことができる。
【0045】
また、この実施形態では、各ファスナ31,32が、帯状片37,38を介して、敷き具20側及び上掛け具10側に取付けられているので、敷き具20や上掛け具10が複数枚重ねられて厚みがあっても、その厚みに柔軟に対応することができ、本発明の寝具のずれ防止装置を適用することが可能となる。
【0046】
更に、この実施形態では、第2ファスナ32が連結される上掛け具10は、上掛け具10のうち、もっとも身体側に配置される肌掛け布団12となっていて、この肌掛け布団12の下辺が固定板50を介してマットレス22に固定されて、肌掛け布団12の位置ずれが図られているので、肌掛け布団12の上に被せられる掛け布団14の位置ずれも、効果的に防止することができる。
【0047】
また、この実施形態では、スライドファスナ30は、マットレス22の足下側の下辺と、肌掛け布団12の足下側の下辺とが連結されているだけなので、連結された上掛け具10により体が圧迫されることなく、ずれ防止効果を得ることができると共に、足下の保温性を高めることができる。
【0048】
図5には、本発明の寝具のずれ防止装置の第2実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0049】
この第2実施形態の寝具のずれ防止装置は、前記第1実施形態と比べて、帯状片37の肌掛け布団12に対する取付け位置が異なっている。図5に示すように、第2ファスナ32が取付けられた帯状片38の、長手方向に沿った一側部が、前記肌掛け布団12の足下側の下辺縁部から、所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられている。その結果、第2ファスナ32は、肌掛け布団12の下辺縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられて、肌掛け布団12の下面に配置されるようになっている。
【0050】
また、第2実施形態の寝具のずれ防止装置では、固定板50をマットレス22と敷き布団24との間に挟み込み、スライドファスナ30を介して、固定板50と肌掛け布団12の下辺とを連結している。
【0051】
この実施形態によれば、上記のように、第2ファスナ32が、肌掛け布団12の下辺縁部から、所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられて、肌掛け布団12の下面に配置されているので、上掛け具10の縁部からスライドファスナ30の連結部分が見えにくくなり、外観を良好にすることができると共に、敷き具20に対して幅広の上掛け具10を適正な位置に保持させることができる。なお、その他の基本的な作用効果は、前記実施形態と同様であるので、省略する。
【0052】
図6には、本発明の寝具のずれ防止装置の第3実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0053】
この第3実施形態の寝具のずれ防止装置は、図6に示すように、マットレス22の下辺の端部に、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37の長手方向に沿った一側部が、直接取付けられた構造となっている。すなわち、この第3実施形態では、マットレス22の端部が本発明における「固定部」をなしている。
【0054】
そして、この第3実施形態によれば、マットレス22の端部を剛性を有する固定部とすることにより、スライドファスナ30の連結部分をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、肌掛け布団12を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、肌掛け布団12に張力を付与してピンと張らせることができ、肌掛け布団12の乱れを容易に直すことができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0055】
図7及び図8には、本発明の寝具のずれ防止装置の第4実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0056】
この第4実施形態では、敷き布団24aの内部に、上記固定板50と同様の材質、すなわち、アクリル樹脂やベニヤ板、金属板等からなる、板状のボード51が挿入されて、敷き布団24aの剛性が強化されており、この剛性が強化された敷き布団24aの下辺の端部に、第1ファスナ31が直接取付けられた構造となっている(図7及び図8参照)。すなわち、この第4実施形態では、剛性が強化された敷き布団24aの端部が、本発明における「固定部」をなしている。なお、ボードの代わりに、マットを敷き布団24a内に挿入してもよい。また、肌掛け布団12の足下側の下辺に、第2ファスナ32が直接取付けられている。
【0057】
これによれば、ボード51が挿入されて剛性を強化された敷き布団24aの端部を固定部とすることにより、スライドファスナ30の連結部分をしっかりと固定してずれ防止効果を高めると共に、肌掛け布団12を固定部に対して引っ張ったときに、十分な剛性をもって対抗できるので、肌掛け布団12に張力を付与してピンと張らせることができ、肌掛け布団12の乱れを容易に直すことができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0058】
図9及び図10には、本発明の寝具のずれ防止装置の第5実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0059】
前記第1〜4の実施形態が、畳やフローリングの上に敷かれる敷き具20に適用されるのに対して、以下に説明する第5〜8の実施形態は、ベッド1に適用されるものとなっている。
【0060】
図9に示すように、この第5実施形態の寝具のずれ防止装置は、ベッド1のフレーム3上に載置された敷き具20であるマットレス22上に、被せられた上掛け具10の一つである肌掛け布団12を、ベッド1に対して位置ずれしないようにするために適用される。
【0061】
図9及び図10に示すように、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37の、長手方向に沿った一側部が、ベッド1のフレーム3の幅方向に沿って伸びる一対の挟持板52,52に挟み込まれて保持されると共に、これら一対の挟持板52,52が、ベッド1のフレーム3の足下側の外面に取付けられている。すなわち、この第5実施形態では、ベッド1のフレーム3が、本発明における「敷き具に付設された部材」をなし、このフレーム3に固着された挟持板52が、本発明における「固定部」をなしている。
【0062】
そして、前記実施形態と同様に、スライドファスナ30を介して、ベッド1のフレーム3の足下側の外面に対して、肌掛け布団12の下辺とを連結することで、肌掛け布団12の位置ずれを防止することができると共に、ベッド1から肌掛け布団12が落ちることを確実に防止することができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0063】
図11には、本発明の寝具のずれ防止装置の第6実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0064】
この第6実施形態では、第1ファスナ31の側部が、ベッド1のフレーム3の足下側外面に固着された前記一対の挟持板52,52に挟み込まれて、第1ファスナ31が挟持板52に直接取付けられている。一方、第2ファスナ32も、肌掛け布団12の足下側の下辺に直接取付けられている。この第6実施形態では、前記第5実施形態と同様に、ベッド1のフレーム3に固着された挟持板52が、本発明における「固定部」をなしている。
【0065】
この実施形態では、帯状片37,38を介さずに、両ファスナ31,32が敷き具20及び上掛け具10に取付けられているので、上掛け具10を引張ったときに、ピンと張りやすいという効果が得られる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【0066】
図12及び図13には、本発明の寝具のずれ防止装置の第7実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0067】
この第7実施形態では、第1ファスナ31が、マットレス22の足下側の下辺の端部に直接取付けられていると共に、第2ファスナ32も、肌掛け布団12の足下側の下辺に直接取付けられている(図12及び図13参照)。この第7実施形態においては、図6記載の第3実施形態と同様に、マットレス22の端部が本発明における「固定部」をなしている。
【0068】
この第7実施形態の効果は、図6記載の第3実施形態と同様であるので省略する。その他の基本的な作用効果も前記実施形態と同様であるので省略する。
【0069】
図14には、本発明の寝具のずれ防止装置の第8実施形態が示されている。前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0070】
この第8実施形態では、前記ベッド1は、部屋の壁際に配置されるものとなっており、ベッド1のフレーム3の、壁際側の側辺の外面に、第1ファスナ31が取付けられた帯状片37の長手方向一側部が、挟持板52を介して取付けられている。また、第2ファスナ32が取付けられた帯状片38の長手方向一側部が、肌掛け布団12の一側辺の縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられている。この第8実施形態では、第5及び第6実施形態と同様に、ベッド1のフレーム3に固着された挟持板52が、本発明における「固定部」をなしている。
【0071】
そして、この第8実施形態によれば、壁際に配置されたベッド1に用いられた肌掛け布団12を、ベッド1からずれ落ちることを効果的に防止することができると共に、壁際側の一側辺のみを連結することによって圧迫感を少なくすることができる。なお、その他の基本的な作用効果は前記実施形態と同様であるので省略する。
【符号の説明】
【0072】
1 ベッド
3 フレーム
10 上掛け具
12 肌掛け布団
14 掛け布団
20 敷き具
22 マットレス
24,24a 敷き布団
30 スライドファスナ
31 第1ファスナ
32 第2ファスナ
35 スライダー
37,38 帯状片
50,50a 固定板
51 ボード
52 挟持板
53 袋
54 薄肉ヒンジ
H 縫合線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上掛け具の少なくとも一辺を、敷き具に対して直接又は間接的に連結して、上掛け具のずれを防止するようにした寝具のずれ防止装置において、
前記敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に、直接又は帯状片を介して取付けられた第1ファスナと、
前記上掛け具の前記連結される辺に沿って直接又は帯状片を介して取付けられた第2ファスナとを有し、
前記第1ファスナと前記第2ファスナとでスライドファスナが構成され、このスライドファスナを介して、前記上掛け具が前記固定部に連結されるように構成されていることを特徴とする寝具のずれ防止装置。
【請求項2】
前記固定部は、敷き具の下面又は間に挟み込まれる固定板に設けられている請求項1記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項3】
前記固定部は、マットレスの端部である請求項1記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項4】
前記固定部は、ボード又はマットを挿入されて剛性を強化された布団の端部である請求項1又は2記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項5】
前記第2ファスナが連結される上掛け具は、上掛け具のうち、もっとも身体側に配置されるものである請求項1〜4のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項6】
前記第2ファスナは、前記上掛け部の連結すべき一辺に沿って、その縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項7】
前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け部の下辺を連結するように構成されている請求項1〜6のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項8】
前記敷き具及び前記上掛け部は、壁際に配置されたベッドに適用されるものであり、前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け部の壁際側の一側辺を連結するように配置されている請求項1〜7のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項1】
上掛け具の少なくとも一辺を、敷き具に対して直接又は間接的に連結して、上掛け具のずれを防止するようにした寝具のずれ防止装置において、
前記敷き具自体又は該敷き具に付設される部材に設けられた、剛性を有する固定部に、直接又は帯状片を介して取付けられた第1ファスナと、
前記上掛け具の前記連結される辺に沿って直接又は帯状片を介して取付けられた第2ファスナとを有し、
前記第1ファスナと前記第2ファスナとでスライドファスナが構成され、このスライドファスナを介して、前記上掛け具が前記固定部に連結されるように構成されていることを特徴とする寝具のずれ防止装置。
【請求項2】
前記固定部は、敷き具の下面又は間に挟み込まれる固定板に設けられている請求項1記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項3】
前記固定部は、マットレスの端部である請求項1記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項4】
前記固定部は、ボード又はマットを挿入されて剛性を強化された布団の端部である請求項1又は2記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項5】
前記第2ファスナが連結される上掛け具は、上掛け具のうち、もっとも身体側に配置されるものである請求項1〜4のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項6】
前記第2ファスナは、前記上掛け部の連結すべき一辺に沿って、その縁部から所定距離だけ内側に位置する部分に取付けられている請求項1〜5のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項7】
前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け部の下辺を連結するように構成されている請求項1〜6のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【請求項8】
前記敷き具及び前記上掛け部は、壁際に配置されたベッドに適用されるものであり、前記スライドファスナは、前記敷き具及び前記上掛け部の壁際側の一側辺を連結するように配置されている請求項1〜7のいずれか1つに記載の寝具のずれ防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−135355(P2012−135355A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288144(P2010−288144)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(510341374)
【出願人】(510341385)
【出願人】(510341396)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(510341374)
【出願人】(510341385)
【出願人】(510341396)
【Fターム(参考)】
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