寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類
【課題】枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適で、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえる、高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類を提供すること。
【解決手段】弾性袋体10を寝具類の載置パッド9に重合して配置し、弾性袋体10の内部を互いに連通可能な二つの中空室22,23に区画し、一方の中空室22を単一の室に、他方の中空室23を互いに連通可能な一または複数の室に区画する。二つの中空室22,23に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、二つの中空室22,23上に使用者の異なる部位を接触し、一方の中空室22の押圧を介し、内部の流体またはゲルを他方の中空室23に移動することで、他方の中空室23の高さを高位置に調整可能にする。
【解決手段】弾性袋体10を寝具類の載置パッド9に重合して配置し、弾性袋体10の内部を互いに連通可能な二つの中空室22,23に区画し、一方の中空室22を単一の室に、他方の中空室23を互いに連通可能な一または複数の室に区画する。二つの中空室22,23に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、二つの中空室22,23上に使用者の異なる部位を接触し、一方の中空室22の押圧を介し、内部の流体またはゲルを他方の中空室23に移動することで、他方の中空室23の高さを高位置に調整可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適で、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえる、寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば枕によって快適な睡眠を得るためには、頸部を支持して休息させる必要があり、頸部の休息手段である枕には、就眠中、頸部を安定して支持する機能が要請される。
ところで、人は就眠中、幾度となく寝返りして寝姿勢を変えるが、そのような寝姿勢においても、寝姿勢に応じて枕の高さを変える必要がある。
【0003】
このような要請の下で寝姿勢に応じて頭部ないし頸部の高さを調整し、快適な睡眠を得られるようにした枕が種々提案されている。
例えば、流体を注入自在な枕とマットを設け、前記枕をチュ−ブを介して流体を給排可能なポンプ手段に接続し、前記マットを上半身の真下に敷設し、該マットをチュ−ブを介して圧力センサユニットに接続し、該圧力センサユニットの圧力検出信号に応じて流体を枕に給排し、寝姿勢によって身体から受けるマットの圧力によって、仰向け寝の場合は枕の高さを低めにし、横向き寝の場合は枕の高さを高めに調整するようにした枕装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、前記枕装置は、枕とマットを離間して配置するため、大嵩かつ広い設置スペ−スを要する上に、圧力センサユニットやポンプ手段、該ポンプ手段の作動を制御する制御手段を要して、構成が複雑で高価になる等の問題があった。
【0005】
そこで、前記問題を解決するものとして、内部にウレタンフォ−ム等の弾性体を収容した左右一対の袋体からなる第1および第2空気袋を設け、これらの空気袋を上下に重合して枕上に配置するとともに、各空気袋にチュ−ブを接続し、該チュ−ブの先端部に弁体を開閉可能に設け、該弁体を開閉して空気を適宜注入または排出して袋体を膨張または縮小させ、仰向け寝や横向き寝の姿勢に応じて、第1および第2空気袋の高さや硬さを調整するようにしたクッション体がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、前記第1および第2空気袋は、それぞれにチュ−ブと弁体を接続し、弁体を個々に開閉操作して高さ調整するため、構成が複雑な上に高さ調整操作が煩雑になり、また第1および第2空気袋を枕上に重ねて使用するため、枕の高さが実質的に高くなり、不安定な睡眠を強いられるとともに、就眠中は寝姿勢に応じて高さ調整できない、という問題があった。
【0007】
また、前記問題を解決する別のものとして、ウレタンフォ−ム製の枕の内部に空気袋を拡張および収縮可能に設け、該枕上部の頭載せ部の高さを可変にするとともに、空気袋の内部に折畳み可能なリンク機構からなる付勢手段を設け、空気袋を拡張方向に付勢するとともに、前記空気袋への空気の出入りを制御する逆止弁と、頭載せ部の前側の頸支持部の沈下量が所定値以上になった際、前記逆止弁を強制的に開弁するリンク機構からなる開弁機構とを備え、仰向け寝の場合は逆止弁を開弁し、かつ付勢手段を折り畳んで空気袋を収縮し、枕の高さを低めにするとともに、横向き寝の場合は、逆止弁の閉弁状態を維持し付勢手段を伸張して、空気袋を拡張し枕の高さを高めに調整するようにした枕がある(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
しかし、前記枕は内部に大きな空気袋を要し、その空気袋の内部に、リンク機構からなる付勢手段や逆止弁、逆止弁の制御機構である開弁機構、等を収容しているため、構造が複雑で部品点数が多く、製作に手間が掛かって高価になるとともに、重量が嵩んで使用し辛い等の問題があった。
【0009】
更に、前記問題を解決する別のものとして、互いに連通する複数の区画室を設けた高さ調節部と、該調節部の両側に逆止弁を介して配置した流体量調整部と、該流体量調整部の間に前記高さ調節部を凹状に配置し、該高さ調節部上に詰物を充填した頭部支持部と頸部支持部とを前後に隣接して配置し、前記一方の流体量調整部に配管を介し流体給入装置を接続して空気を供給可能にし、使用時に所定量の空気を流体量調整部に供給し、高さ調節部の頭部支持部に頸部を載せ、頸部支持部に頭部を載せて頸部と頭部を支持し、仰向け寝の場合は高さ調節部を押し縮め、当該部の空気を流体量調整部へ移動して頭部の高さを低めに設定し、横向き寝の場合は上半身を肩で支持するため、頭部の高さが高くなり高さ調節部の押圧力が低下して、流体量調整部の空気が高さ調節部へ移動し高さ調節部が拡張して、頭部の高さを高く調整するようにした枕がある(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
しかし、前記枕は逆止弁やその配管を要して構造が複雑になり、しかも流体量調整部が高さ調節部よりも高いため、仰向け寝から横向き寝に移行する際、狭い高さ調節部上での寝返り動作は窮屈で難しく、その際高さ調節部がゆっくり高さを回復するため、寝返り動作に間に合わず、顔面が流体量調整部に接触する不快感を生じて安眠を妨げ、快適な睡眠を得られないという問題があった。
【0011】
一方、横向き寝対応の枕として、両側部を山状に盛り上げ、中央部を凹状に湾曲形成したものがある(例えば、特許文献5参照)。
しかし、この枕は比較的硬く成形されているため、仰向け寝から首を横向きに倒し辛く、寝返りし辛い上に寝返りに必要以上に大きな労力を要し、かつその際首に大きな負担が掛かって、快適な睡眠を得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−113269号公報
【特許文献2】実用新案登録第3160804号公報
【特許文献3】特許第3699472号公報
【特許文献4】特許第4632343号公報
【特許文献5】意匠登録第1358848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような問題を解決し、枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適で、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえる、寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、流体を注入可能な弾性袋体を寝具類の載置パッドに重合して配置し、該弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、前記弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした寝具類の高さ調整具において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、従来のものに比べて構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、流体またはゲルを他方の中空室に緩やかに移動し、載置パッド上の使用者の部位の高さを緩やかに調整し得るようにしている。
【0015】
請求項2の発明は、弾性袋体を載置パッドの直下に重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設け、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室ないし使用者の部位の高さ調整を容易に行なえるようにしている。
請求項3の発明は、流体またはゲルを二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入し、中空室の押圧時に内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促すようにしている。
請求項4の発明は、他方の中空室の一側を側方へ突出し、該突出部上に使用者の部位を載置可能にし、例えば仰向け寝時に前記突出部上に使用者の頭部の一部を載置し、仰向け寝から横向け寝に寝返りする際、頭部を円滑に移動し、寝返り時の負担を軽減するようにしている。
【0016】
請求項5の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、使用者の種々の寝姿勢に対応させている。
請求項6の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にし、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させている。
請求項7の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの弾性袋体をシート状のシ−ル部で一体的に接続し、二つの弾性袋体をシ−ル部によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用し得るようにしている。
請求項8の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの間に流体またはゲルを注入可能な中空室を配置し、該中空室を介し前記二つの弾性袋体を一体的に接続し、二つの弾性袋体を中間位置の中空室によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用し得るとともに、前記中空室に載置パッドの機能を付与し、または載置パッドの機能を補完させるようにしている。
【0017】
請求項9の発明は、複数の弾性袋体を積層して構成し、各層の弾性袋体内の流体またはゲルを二つの中空室に相互に移動可能にし、一方の中空室を押圧することによって、他方の中空室の変位を増倍して形成でき、僅かな押圧変位を合理的に拡大し、載置パッドの高さ調整を合理的に行なうようにしている。
請求項10の発明は、一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを有するカバ−を設け、該カバ−の内部に前記載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置し、カバ−の内部に載置パッドと弾性袋体を合理的に配置し、それらの高さ位置を合理的に形成し得るようにしている。
請求項11の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置し、弾性袋体の端部を保護するようにしている。
請求項12の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であり、多様な寝具類に適用可能にしている。
【0018】
請求項13の発明は、流体を注入した弾性袋体を載置パッドに重合して配置し、前記弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした寝具類において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能に設け、前記弾性袋体の一または複数をカバ−の内部に配置し、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、従来のように逆止弁や弁およびそれらの制御機構を要するものに比べて、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、使用者の部位を載置する載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に調整でき、快適な睡眠を得られるようにしている。
【0019】
請求項14の発明は、弾性袋体の直上に載置パッドを重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設け、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室の高さ調整を容易に行なえ、載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に調整でき、快適な睡眠を得られるようにしている。
請求項15の発明は、前記流体またはゲルを前記二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入し、中空室の押圧時に内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促し、載置パッドの高さ調整を能率良く行なうようにしている。
請求項16の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させている。
請求項17の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にし、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させている。
【0020】
請求項18の発明は、前記カバ−に一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを設けるとともに、前記カバ−の内部に載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置し、前記カバ−の内部に弾性袋体と載置パッドを収納し、これらを一体的に組み込んで、これを簡便に使用し得るから、例えば枕カバ−と枕の使用に好適である。
請求項19の発明は、前記カバ−上に一または複数の弾性袋体に亘って載置パッドを配置し、弾性袋体の上下位置変位に載置パッドを同動させ、載置パッド上の使用者の特定部位の高さを調整し得るから、例えば敷布団の使用に好適である。
請求項20の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置し、弾性袋体の端部を保護するようにしている。
請求項21の発明は、横向き寝姿勢時の載置パッドの高さを、仰向け寝姿勢時の載置パッドの高さよりも高く調整可能にし、横向き寝姿勢時に頭部側を載置パッドで支持するようにして肩部の負担を軽減し、肩部の圧迫を回避して快適な睡眠を得られるようにしている。
請求項22の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であり、多様な寝具類への適用を実現可能にしている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にしたから、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、従来のものに比べて構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、流体またはゲルを他方の中空室に緩やかに移動し、載置パッド上の使用者の部位の高さを緩やかに調整することができる。
【0022】
請求項2の発明は、弾性袋体を載置パッドの直下に重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けたから、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室ないし使用者の部位の高さ調整を容易に行なうことができる。
請求項3の発明は、流体またはゲルを二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入したから、中空室の押圧時に内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促すことができる。
請求項4の発明は、前記他方の中空室の一側を側方へ突出し、該突出部上に使用者の部位を載置可能にしたから、例えば仰向け寝時に前記突出部上に使用者の頭部の一部を載置し、仰向け寝から横向け寝に寝返りする際、頭部を円滑に移動し、寝返り時の負担を軽減することができる。
【0023】
請求項5の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置したから、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、使用者の種々の寝姿勢に対応させることができる。
請求項6の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にしたから、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させることができる。
請求項7の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの弾性袋体をシート状のシ−ル部で一体的に接続したから、二つの弾性袋体をシ−ル部によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用することができる。
請求項8の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの間に流体またはゲルを注入可能な中空室を配置し、該中空室を介し前記二つの弾性袋体を一体的に接続したから、二つの弾性袋体を中間位置の中空室によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用し得るとともに、前記中空室に載置パッドの機能を付与し、または載置パッドの機能を補完させることができる。
【0024】
請求項9の発明は、複数の弾性袋体を積層して構成し、各層の弾性袋体内の流体またはゲルを二つの中空室に相互に移動可能にしたから、一方の中空室を押圧することによって、他方の中空室の変位を増倍して形成でき、僅かな押圧変位を合理的に拡大し、載置パッドの高さ調整を合理的に行なうことができる。
請求項10の発明は、一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを有するカバ−を設け、該カバ−の内部に前記載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置したから、カバ−の内部に載置パッドと弾性袋体を合理的に配置し、それらの高さ位置を合理的に形成することができる。
請求項11の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置したから、弾性袋体の端部を保護することができる。
請求項12の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であるから、多様な寝具類に適用することができる。
【0025】
請求項13の発明は、弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能に設け、前記弾性袋体の一または複数をカバ−の内部に配置し、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にしたから、従来のように逆止弁や弁およびそれらの制御機構を要するものに比べて、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、使用者の部位を載置する載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に、しかも緩やかに調整できすることができる。
【0026】
請求項14の発明は、弾性袋体の直上に載置パッドを重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けたから、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室の高さ調整を容易に行なえ、載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に調整でき、快適な睡眠を得られる効果がある。
請求項15の発明は、流体またはゲルを前記二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入したから、中空室の押圧時における内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促し、載置パッドの高さ調整を能率良く行なうことができる。
【0027】
請求項16の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置したから、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させることができる。
請求項17の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にしたから、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させることができる。
【0028】
請求項18の発明は、カバ−に一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを設けるとともに、前記カバ−の内部に載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置したから、前記カバ−の内部に弾性袋体と載置パッドを収納し、これらを一体的に組み込んで簡便に使用できるから、例えば枕カバ−と枕の使用に好適な効果がある。
請求項19の発明は、カバ−上に一または複数の弾性袋体に亘って載置パッドを配置したから、弾性袋体の上下位置変位に載置パッドを同動させ、載置パッド上の使用者の特定部位の高さを調整し得るから、例えば敷布団の使用に好適な効果がある。
【0029】
請求項20の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置したから、弾性袋体の端部を保護することができる。
請求項21の発明は、横向き寝姿勢時の載置パッドの高さを、仰向け寝姿勢時の載置パッドの高さよりも高く調整可能にしたから、横向き寝姿勢時に頭部側を載置パッドで支持するようにして肩部の負担を軽減し、肩部の圧迫を回避して快適な睡眠を得られる効果がある。
請求項22の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であるから、多様な寝具類への適用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を枕の高さ調整に適用した状況を示す正面図である。
【図2】図1に示す枕の底面図である。
【図3】本発明を適用した枕を分解して示す斜視図で、裏面側から見た状況を示している。
【図4】本発明を適用した弾性袋体を示す正面図である。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図で、若干拡大図示している。
【0031】
【図6】図1のB−B線に沿う断面図で、若干拡大図示している。
【図7】図1のC−C線に沿う断面図で、若干拡大図示している。
【図8】図4のD−D線に沿う断面図である。
【図9】本発明を適用した枕の使用状態を示す正面図で、仰向け寝姿勢の状況を示している。
【図10】図9のE−E線に沿う断面図である。
【0032】
【図11】図9のF−F線に沿う断面図である。
【図12】図9のG−G線に沿う断面図である。
【図13】本発明を適用した枕の使用状態を示す正面図で、仰向け寝から寝返りした横向き寝姿勢の状況を示している。
【図14】図13のH−H線に沿う断面図である
【0033】
【図15】本発明を適用した弾性袋体の第2の実施形態を示す正面図である。
【図16】本発明を適用した弾性袋体の第3の実施形態を示す正面図である。
【図17】本発明を適用した弾性袋体の第4の実施形態を示す正面図である。
【図18】本発明に適用した弾性袋体の第5の実施形態を示す正面図である。
【図19】本発明に適用した弾性袋体の第6の実施形態を示す断面図で、他方の中空室の積層構造を示し、このうち同図(a),(b)は二層構造のものを示し、同図(c)は三層構造のものを示している。
【0034】
【図20】本発明を適用した弾性袋体の第7の実施形態を示す正面図である。
【図21】本発明を適用した弾性袋体の第8の実施形態を示す正面図である。
【図22】本発明を適用した弾性袋体の第9の実施形態を示す正面図である。
【図23】本発明を適用した弾性袋体の第10の実施形態を示す正面図である。
【図24】図23のI−I線に沿う断面図である。
【0035】
【図25】本発明を枕に適用した寝具類の第2の実施形態を示す正面図である。
【図26】本発明を枕に適用した寝具類の第3の実施形態を示す正面図である。
【図27】本発明を敷布団に適用した寝具類の第4の実施形態を示す正面図である。
【図28】図27のJ−J線に沿う断面図である。
【図29】本発明を敷布団に適用した寝具類の第5の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を寝具である枕の高さ調整に適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図14において1は平面略逆U字形状の枕で、その上下側面2,2a、通常は上側面2に、使用者Pの頭部3を載置可能な頭載せ部4が設けられている。
前記頭載せ部4の一側に凹状に湾曲した切欠部5が形成され、該切欠部5の両側に舌片状の肩当て部6,6が突設されている。
【0037】
前記肩当て部6,6は、使用者Pが仰向け寝の際、両肩部7,7を載置可能な幅員と間隔に形成され、その横向き寝の際は下側の肩部7をやや内側にして、該肩部7を一方の肩当て部6に載置可能にしている。
前記頭載せ部4は、頭部3の載置前は中央部が若干凹状に形成され、仰向け寝時には前記中央部に頭部3が載置されて更に凹状に押圧され、その両側が後述の弾性袋体の拡張によって若干押し上げられ、結果的に前記中央部が頭部3の載置前よりも深い凹状に形成されている。
【0038】
一方、仰向け寝から寝返り後の横向き寝時は、頭載せ部4の片側に頭部3が横向きに載置され、かつその際、片側の肩部7が片側の肩当て部6に位置して、直下の弾性袋体の端部を押圧し、該弾性袋体の他側部を拡張して、後述の枕本体を介し頭載せ部4を仰向け寝時よりも高位置に押し上げ可能にしている。
【0039】
前記枕1は図3のように、平面略逆U字形状の袋状のカバ−である枕カバ−8と、該枕カバ−8の内部に出し入れ可能に収納し、使用者の特定部位を載置可能な載置パッドである枕本体9と、枕カバ−8の両側内部に出し入れ可能に収納した、寝具の高さ調整具である弾性袋体10,10とで構成されている。
このうち、枕カバ−8は、綿またはポリエステル等の生地を逢着して平面略逆U字形の袋状に形成され、その裏面の上部に開口部11が横方向に設けられている。
前記開口部11の開口縁部にスライドファスナ−12が開閉可能に設けられ、前記開口部11から枕本体9を出し入れ可能にしている。
【0040】
前記枕本体9は、綿またはポリエステル等の生地を逢着して枕カバ−8と略同形の袋状に形成され、その中間部に逢着部13,13が縦方向に設けられ、該逢着部13,13を介して枕本体9内を三室に区画し、その各室に柔軟な合成樹脂のパイプやビ−ズ、綿、フェザ−、等の通気性と流動性に優れる詰物14が充填されている。
図中、15は枕本体9の中央の区画室の中間部に設けた逢着部で、内部の詰物14の横方向への移動を防止し、安定した頭部3の載置状態を確保させており、16,16は枕本体9の一側の両側に僅かに突出した張出部である。
【0041】
前記枕カバ−8の裏面の中央部に、一対の逢着部17が縦方向に離間して設けられ、該逢着部17,17を介して枕カバ−8の裏面の両側に、平面略逆L字形状のポケット18,18が設けられている。
前記ポケット18,18の外側に開口部19,19が縦方向に設けられ、該開口縁部にスライドファスナ−20が開閉可能に設けられ、前記開口部19,19から前記弾性袋体10,10を出し入れ可能にしている。
【0042】
前記弾性袋体10,10は、塩化ビニル等の2枚の合成樹脂シ−トを重合し、その周縁を溶着して略木の葉形状または鱗形状の扁平な袋状に形成され、その内部に空気、高分子系ポリマ−からなるジェル、水、等の流体若しくはゲル、実施形態では空気を使用者Pの枕の高さの好みに応じて注入可能にしている。
実施形態では、前記空気を弾性袋体10の全内容積の20〜80%に注入し、中空室22,23の容積変動を確実かつ速やかに形成可能にしており、可及的には前記内容積の40〜60%が望ましい。
【0043】
前記弾性袋体10の中空室23側の一側、実施形態では内側に突出部10aを設け、該突出部10a上に使用者Pの頭部3を一部を載置可能にしている。
すなわち、仰向け寝時には突出部10a上に頭部3の一部を載置し、仰向け寝から横向け寝へ寝返りする際、頭部3を円滑に移動し、寝返りの労力を軽減するようにしている。
また、前記弾性袋体10の中間部に、前記シ−トを溶着した横長矩形のシール部21が設けられ、該シール部21を介して弾性袋体10内を二つの中空室22,23に区画し、これらを流路断面積が小さな小通路24を介して連通し、弾性袋体10内に注入した空気を中空室22,23相互に移動可能にしている。
【0044】
前記弾性袋体10,10の大部分は枕本体9の下側に重合して配置され、空気の移動によって拡張し、直上の枕本体9を押し上げ可能にしており、その一端部側の中空室22を枕本体9から突出して配置し、かつこの中空室22を肩当て部6内に配置し、肩部7による押圧を可能にして内部の空気を押し出し可能にしている。
前記中空室22の内部は単一の室に形成され、肩部7による押圧力を一様かつ速やかに作用可能にしている。
【0045】
一方、前記他方の中空室23は、前述のように枕本体9の下側に重合して配置され、その内部が複数の仕切壁25〜27によって複数の縦長の室に区画されている。
前記仕切壁25〜27の一端部は切り欠かれ、該切欠部25a〜27aによって各室が連通可能にされている。
前記中空室23の一側に空気を注入可能な短小なチュ−ブ(図示略)が埋設され、該チュ−ブの開口部に止栓28を装着して閉塞し、充填した空気の漏洩を防止可能にしている
【0046】
この他、図中、29は使用者Pが横臥する敷布団またはマットレス、30は使用者Pの頸部、31は枕本体9から突出した弾性袋体10の突出部と、枕カバ−8との間に形成された空隙部である。
【0047】
このように構成した寝具類である枕の高さ調整に適用した、高さ調整具である弾性袋体10は、塩化ビニル等の2枚の合成樹脂シ−トを重合し、その周縁を溶着して略鱗形状に形成した扁平な袋状に形成し、この一方の肩当て部6側に配置する中空室22を単一の室に形成する。
また、枕本体9に重合して配置する他方の中空室23を、小通路24を介して中空室22に連通し、該中空室23を複数の仕切壁25〜27を介して縦長の4室に区画し、この各室を切欠部25a〜27aによって連通可能にする。
【0048】
そして、前記中空室23の一側で、頭部3との接触を回避可能な位置に空気を注入可能な短小なチュ−ブ(図示略)を埋設し、該チュ−ブの開口部に止栓28を装着し、内部の充填流体若しくはゲルの漏洩を防止する。
したがって、従来の袋体のように空気を給排するチュ−ブや開閉弁または逆止弁、およびその弁制御機構を要することがなく、構成が簡単で安価に製作できる。
【0049】
前記弾性袋体10の使用に際しては止栓28を取り外し、埋設したチュ−ブに空気、高分子系ポリマ−からなるジェル、水、等の流体若しくはゲル、実施形態では空気を注入し、その注入量は使用者Pの枕の高さの好みに応じて調整する。
また、実施形態では弾性袋体10の全内容積の20〜80%、可及的には40〜60%に空気を注入し、睡眠時における使用者Pの部位による押圧によって、中空室22,23の容積変動を確実かつ緩やかに形成可能にしている。
【0050】
そして、弾性袋体10に所定量の空気を注入し、チュ−ブに止栓28を装着後、これを枕カバ−8の開口部19からポケット8内に収納すれば使用可能になり、弾性袋体10はポケット8内で移動を拘束される。
この場合、前記弾性袋体10は比較的少量の空気を充填し、扁平でコンパクトかつ柔軟性を有するから、ポケット8に容易かつ速やかに収納でき、収納後はポケット8内で左右の移動を拘束されるとともに、厚さ方向に裕度を持って収納され、緊張時の容積変化に速やかに対応し得る。
【0051】
一方、前記枕1は、枕カバ−8と枕本体9と二つの弾性袋体10とからなり、枕本体9と弾性袋体10とを枕カバ−8に収納して使用する。
前記枕カバ−8は、綿またはポリエステル等の生地を逢着して平面略逆U字形の袋状に形成し、その裏面の上部横方向に枕本体9を収納する開口部11を設け、該枕本体9の収納スペ−スの裏面側に仕切片(図示略)を介して、平面略逆L字形状のポケット18,18を離間して両側に設ける。
【0052】
前記枕本体9は、ポリエステル、綿等の生地を逢着して枕カバ−8と略同形の袋状に形成し、その内部を逢着部13,13を介して三室に区画し、その各室に柔軟な合成樹脂のパイプやビ−ズ、綿、フェザ−、等の詰物14を充填する。
このように枕カバ−8と枕本体9は、構成が簡単で複雑な加工を要しないから、これを容易かつ安価に製作できる。
【0053】
この後、前記製作した枕本体9を枕カバ−8の開口部11からポケット18に収納し、開口部11を閉塞するとともに、適量の空気を注入した弾性袋体10,10を枕カバ−8の開口部19,19からポケット18,18に収納し、各開口部19,19を閉塞する。
【0054】
この状況は図3のようで、枕本体9は枕カバ−8内部の略全域に配置され、弾性袋体10,10はポケット18,18内に配置され、かつ弾性袋体10,10の過半部が枕本体9の直下に重合して配置され、その一部が枕本体9から突出して肩当て部6,6内に配置され、それらの段差部と枕カバ−8との間に空隙部31が形成される。
【0055】
このように枕カバ−8の内部に枕本体9と弾性袋体10,10とを収納して枕1を一体的に構成するから、これらを別々に配置するものに比べて構成が簡潔で、取扱いが至便になる。
こうして組立てた枕1を使用する場合は、例えば敷布団29またはマットレス上の一側端部に弾性袋体10,10を下向きにして、前記枕1を設置する。
【0056】
この状況は図5乃至図7のようで、枕1の両側に弾性袋体10,10が離間して位置し、その突出部10a,10aが内側に近接して配置され、該弾性袋体10,10上に枕本体9が重合して配置され、枕1の中間部は弾性袋体10が存在しない分、下方に沈み込んで凹状に形成される。
【0057】
この場合、弾性袋体10,10は前述のように空気の充填量を減量して充填され、その膨出高さを抑えられ、また頭部3の載置前は弾性袋体10が平常時の収縮状態に置かれているから、枕1の両側と中間部の高さの差は図5のように然程大きくない。
また、枕1の両側の肩当て部6,6側は、図1のように枕本体9が存在しないから、弾性袋体10と枕本体9の端部に段差が形成され、この上部の枕カバ−8との間に空隙部31が形成される。
【0058】
このような状況の下で使用者Pが仰向け寝の姿勢で敷布団29上に横臥し、頭部3を枕1の中間部に載せて使用すると、図9乃至図12のように中央の枕本体9が頭部3に押圧されて凹状に変形し、かつ使用者Pの頭部3の一部が突出部10a,10a上に載置され、また使用者Pの肩部7,7が弾性袋体10,10の端部上に位置し、当該部の枕本体9,9ないし弾性袋体10,10の一部を押圧する。
【0059】
この場合、肩部7,7ないし上半身による押圧力は、両側の枕本体9,9と弾性袋体10,10の一部で支持され、これらに分散されて作用するから、枕本体9,9ないし弾性袋体10,10の押圧変位は僅少であり、その際の弾性袋体10,10内の中空室22から中空室23への空気の移動は少なく、中空室23の拡張変位が抑制される。
したがって、枕本体9,9の押し上げ量は僅少であり、この変位は弾性袋体10が存在しない中央の枕本体9に影響しないから、該中央の枕本体9上の頭部3の高さhは、図10のように低位置に維持される。
【0060】
このような状況から使用者Pが片側の肩部7を若干内側にして寝返りし、横向き寝の姿勢に移行すると、図13のように一方の肩部7が片側の枕本体9と弾性袋体10から離れ、他方の肩部7、つまり下側の肩部7が、他方の肩当て部6直下の弾性袋体10上に位置し、該弾性袋体10の中空室22を押圧する。
【0061】
この場合、仰向け寝時は前述のように、頭部3の一部が突出部10aに載置され、また枕1の中央部と両側の高さの差が小さく、しかも支点となる肩部7は空隙部31を押圧して肩当て部6上を移動するから、その移動高さが僅少で寝返りに要する労力が軽減され、寝返り時の頸部30の負担を軽減する。
【0062】
こうして寝返りすると、下側の肩部7が肩当て部6直下の片側の弾性袋体10を押圧する。
このため、前記弾性袋体10の端部の中空室22が押圧され、該中空室22内の空気が押し出されて小通路24側へ移動し、仕切壁25〜27の各切欠部25a〜27aを経て蛇行しながら各室に順次移動し、各室を順次拡張して直上の枕本体9を押し上げる。
【0063】
その際、前記空気は小通路24で移動量を規制され、その後は中空室23内を一側の室から他側の室へ順次蛇行して移動し、各室を横方向に順に拡張して枕本体9を押し上げる
したがって、枕本体9上の頭部3がゆっくりかつ緩やかに上昇し、空気の急激な移動による頭部3の急上昇と、その際の不快感、並びに頸部31の衝撃を防止する。
【0064】
この状況は図14のようで、横向き寝姿勢の枕1の高さHは、仰向け寝姿勢の枕の高さhよりも自動的に高く調整され、頭部3の高さが仰向け寝姿勢時よりも高く調整されるから、頭部3側の重量が枕本体9で支持され、その分、下側の肩部7に対する負荷が軽減されて、該肩部7の圧迫を軽減される。
しかも、この高さ調整には従来のように逆止弁や開閉弁の作用を経ることなく円滑かつ速やかに行なわれるから、頸部31が略水平に保持されて快適な睡眠を得られる。
【0065】
このような寝姿勢から使用者Pが下側の肩部7を支点に再度寝返りし、横向き寝の姿勢から仰向け寝の姿勢に移行すると、頭部3が弾性袋体10,10の中央部の枕本体9上に移動し、該枕本体9を押圧して凹状に変形する。
そして、両方の肩部7,7が両側の枕本体9ないし弾性袋体10の端部上に移動し、これらに使用者Pの上半身の重量が分散して作用し、前述の片側の肩部7による枕本体9ないし弾性袋体10の端部に対する集中的な押圧力の作用を解除する。
【0066】
このため、片側の弾性袋体10の中空室23内の空気が小通路24を経て中空室22へ移動し、該中空室23の各室が一側から他側方向へ、ゆっくりかつ緩やかに拡張を解除して収縮し、図10乃至図12の原状を回復する。
この場合、下側の肩部7は空隙部31を押圧しながら、押圧した弾性袋体10の一端部を移動し、その移動時の高低差は僅少であるから、寝返りに要する労力が軽減され、寝返り時の頸部30の負担を軽減する。
【0067】
図15乃至図29は本発明の他の実施形態を示し、前述の実施形態と対応する構成部分に同一の符号を用いている。
このうち、図15は高さ調整具である弾性袋体10の第2の実施形態を示し、この実施形態は弾性袋体10の一方の中空室23に複数の仕切壁25〜27を横方向に形成し、その一端に切欠部25a〜27aを設け、各室を連通するとともに、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を下方から順次上方へ移動して拡張し、頭部3を緩やかに押し上げ変位させるようにしている。
【0068】
図16は弾性袋体10の第3の実施形態を示し、この実施形態は二つの弾性袋体10の中空室23に複数の仕切壁25〜27,32〜34を縦横に形成し、多数の室を区画するとともに、仕切壁25〜27に切欠部25a〜27aを形成し、仕切壁32〜34に複数の切欠部32a〜34aを形成し、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を下方から順次上方へ移動して拡張し、頭部3を精密かつ緩やかに押し上げ変位させるとともに、前記仕切壁25〜27,32〜34を介して、中空室23ないし弾性袋体10の強度を強化している。
【0069】
図17は弾性袋体10の第4の実施形態を示し、この実施形態は二つの弾性袋体10の中空室23に単一の仕切壁25を渦巻き状に形成し、中空室22および小通路24に連通する通路35を渦巻き状に形成し、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を中空室23の中心部へ順次移動し、頭部3を精密かつ緩やかに押し上げ変位させるようにしている。
【0070】
図18は弾性袋体10の第5の実施形態を示し、この実施形態は中空室22,23に連通する複数の小通路36をシール部21に設け、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を複数の小通路36を介して中空室23の各室に移動し、頭部3を速やかに押し上げ変位させるようにしている。
【0071】
図19は弾性袋体10の第6の実施形態を示し、この実施形態は3枚ないし4枚の合成樹脂製シートを重合し、その周縁部を溶着して、単一室を2層または3層に積層した中空室22に構成し(図示略)、他方の中空室23を同様に2層または3層構造に構成し、各層の中空室22,23を1または複数の小通路24,36を介して連通し、結果的に複数の弾性袋体10を重合した構成にしている。
したがって、寝返り時における押圧力を各層に均一に作用させ、中空室23の各層を精密かつ僅かに変位させることによって、使用者Pの重量の軽重に係りなく、枕1の高さを容易かつ精密に調整するようにしている。
【0072】
図20は弾性袋体10の第7の実施形態を示し、この実施形態は二つの弾性袋体10を分離して構成する代わりに、二つの中空室23,23をシール部21を延設したシール部37によって接続し、一体的かつ左右対称に構成することによって、二つの中空室23,23を実質的に維持しながら、部品点数を低減し構成を簡潔化して、容易かつ安価に製作し得るようにしている。
したがって、この場合は枕カバ−8の裏面に単一かつ横長のポケット18を設け、該ポケット18の開口部にスライドファスナ−を設けて、一体的に構成した弾性袋体10を収納するようにしている。
【0073】
図21は弾性袋体10の第8の実施形態を示し、この実施形態は前記第7の実施形態の応用形態で、シール部37を縮小し、代わりに当該部に仕切壁38を増設して室を増加し、かつ該室を切欠部38aによって他室に連通し、弾性袋体10全体の面積を維持しながら、個々の中空室23の面積を拡張し、その作用効果を増進するようにしている。
【0074】
図22は弾性袋体10の第9の実施形態を示し、この実施形態は前記第8の実施形態の応用形態で、左右の中空室23の中間部に小通路36を設けて中空室22に連通し、横向きに寝返りした際、中空室22内の空気を小通路24,36に分流させて中空室23,23に移動し、頭部3の押し上げ変位を促進させるようにしている。
【0075】
図23および図24は弾性袋体10の第10の実施形態を示し、この実施形態は前記第7の実施形態の別の応用形態で、シール部37の代わりに中空室39を設け、該中空室39の適所にチュ−ブ(図示略)と止栓28を装着し、該中空室39に空気を僅かに充填して、弾性袋体10を3つの中空室23,23,39で構成するとともに、前記中空室39によって中央部の枕本体9を補完し、または枕本体9を代用可能にしている。
この場合、空気充填後の中空室39の高さは、同様な両側の中空室23,23よりも低く形成する。
【0076】
図25乃至図29は前記弾性袋体10を備えた寝具類の他の実施形態を示し、このうち図25は寝具類の第2の実施形態を示している。
この実施形態は、横長矩形の枕カバ−8の裏面に左右一対のポケット18,18を設け、該ポケット18に弾性袋体10を個別に収納し、その中空室23,23の直上に既設または汎用の横長矩形の枕本体9を重合して配置し、中空室22,22の一部を枕本体9から突出して配置し、前記肩当て部6を突設しない既設または汎用の枕カバ−8に適用可能にし、構成の簡潔化と容易かつ安価な製作を図るようにしている。
【0077】
図26は寝具類の第3の実施形態を示し、この実施形態は図25の実施形態の応用形態で、横長矩形の枕カバ−8の裏面に横長矩形の単一のポケット18を設け、該ポケット18に二つの中空室23をシ−ル部37によって接続し、一体的に構成した弾性袋体10を収納し、該弾性袋体10の直上に既設または汎用の横長矩形の枕本体9を重合して配置し、かつ中空室22,22の一部を枕本体9から突出して配置し、前記肩当て部6を突設しない既設または汎用の枕カバ−8に適用可能にし、構成の簡潔化と容易かつ安価な製作を図るとともに、使用の利便性を向上するようにしている。
【0078】
図27および図28は寝具類の第4の実施形態を示し、この実施形態は枕1の代わりに敷布団29またはクッションの寝具類に本発明を適用している。
すなわち、この実施形態は敷布団29の内部、つまり敷布団29の袋状のカバ−である被覆生地38の適宜位置に、左右一対のポケット39,39を離間して設け、該ポケット39,39に、二つの弾性袋体10,10を個別に収納する。
このようにすると、前記敷布団29の一端部側は、中空室22,23による二つの緩やかな凸部が離間して連なる凸凹状に形成される。
【0079】
そこで、前記敷布団29を使用して就眠する場合は、前記中空室23,23の直上に被覆生地38を介して、既設または汎用の横長矩形の枕1を重合して配置し、該枕1から中空室22,22の端部を突出して配置する。換言すれば、弾性袋体10の直上に枕1を若干上方に位置をずらせて重合配置する。
このように枕1を配置することによって、使用前の枕1は両側が高く中央部が低く形成される。
【0080】
次に、このような敷布団29に使用者Pが横臥し枕1の凹状の中央部に頭部3を載置すれば、仰向けの寝姿勢が形成される。
この状況は図28のようで、弾性袋体10,10に使用者Pの負荷が分散して作用するため、空気の移動は僅少で中空室23,23は然程拡張せず、図示のように頭部3が低位置に置かれ、枕1の中央部と両側部との高さの差は僅少である。
【0081】
一方、仰向けの寝から横向き寝に寝返えると、前述のように使用者Pの下側の肩部7が直下の中空室22を押圧し、内部の空気を中空室23側へ押し出し、該中空室23を拡張することによって直上の枕1が押し上げられ、仰向けの寝時よりも枕1の高さが高く調整される。
したがって、この場合は前述のように肩部7の圧迫を免れる。
また、前記仰向けの寝からの寝返り時は、枕1の中央部と両側部との高さの差が僅少であるから、寝返りに要する労力の負担が軽減され、容易かつ自然な寝返りを促す。
【0082】
図29は寝具類の第5の実施形態を示し、この実施形態は前記寝具類の第4の実施形態の応用形態で、敷布団29の被覆生地38の適宜位置に横長の単一のポケット39を設け、該ポケット39に、二つの中空室23をシ−ル部37によって接続し、これらを一体的に構成した前記弾性袋体10を収納する。したがって、二つのポケット39に弾性袋体10を個別に収納する前述の場合に比べて、弾性袋体10と敷布団29の構成が簡潔になり、これを容易に製作し得る。
こうしてポケット39に弾性袋体10を収納すると、敷布団29の一端部側は、中空室22,23による二つの緩やかな凸部が離間して連なる凸凹状に形成され、この後の仰向け寝や寝返り後の横向き寝の状況は前記寝具類の第4の実施形態と同様である。
【0083】
なお、前記クッションは座布団類の他に、例えば椅子の背当て部または背もたれ部に装着するものにも適用し得る。
【0084】
また、前述の実施形態では何れも弾性袋体10をシール部21を介して二つの中空室22,23に区画し、これらを小通路24によって連通しているが、例えば中空室22,23を分離し、つまり二つの弾性袋体10を設け、これらを小通路24の代わりに柔軟なチューブで連通させることも可能である。
このようにすれば各弾性袋体10を適宜位置に移動し、使用者Pの所望の部位に位置付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
このように本発明の寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類は、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえるから、枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適である。
【符号の説明】
【0086】
1 寝具類(枕)
3 部位(頭部)
7 部位(肩部)
8 カバ−(枕カバ−)
9 載置パッド(枕本体)
【0087】
10 高さ調整具(弾性袋体)
10a 突出部
18,39 ポケット
21,37 シール部
22 中空室
23 中空室
【0088】
24 小通路
29 寝具類(敷布団)
34 仕切壁
38 カバ−(被覆カバ−)
【0089】
h 枕の高さ(仰向き寝姿勢時)
H 枕の高さ(横向き寝姿勢時)
P 使用者
【技術分野】
【0001】
本発明は、枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適で、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえる、寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば枕によって快適な睡眠を得るためには、頸部を支持して休息させる必要があり、頸部の休息手段である枕には、就眠中、頸部を安定して支持する機能が要請される。
ところで、人は就眠中、幾度となく寝返りして寝姿勢を変えるが、そのような寝姿勢においても、寝姿勢に応じて枕の高さを変える必要がある。
【0003】
このような要請の下で寝姿勢に応じて頭部ないし頸部の高さを調整し、快適な睡眠を得られるようにした枕が種々提案されている。
例えば、流体を注入自在な枕とマットを設け、前記枕をチュ−ブを介して流体を給排可能なポンプ手段に接続し、前記マットを上半身の真下に敷設し、該マットをチュ−ブを介して圧力センサユニットに接続し、該圧力センサユニットの圧力検出信号に応じて流体を枕に給排し、寝姿勢によって身体から受けるマットの圧力によって、仰向け寝の場合は枕の高さを低めにし、横向き寝の場合は枕の高さを高めに調整するようにした枕装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、前記枕装置は、枕とマットを離間して配置するため、大嵩かつ広い設置スペ−スを要する上に、圧力センサユニットやポンプ手段、該ポンプ手段の作動を制御する制御手段を要して、構成が複雑で高価になる等の問題があった。
【0005】
そこで、前記問題を解決するものとして、内部にウレタンフォ−ム等の弾性体を収容した左右一対の袋体からなる第1および第2空気袋を設け、これらの空気袋を上下に重合して枕上に配置するとともに、各空気袋にチュ−ブを接続し、該チュ−ブの先端部に弁体を開閉可能に設け、該弁体を開閉して空気を適宜注入または排出して袋体を膨張または縮小させ、仰向け寝や横向き寝の姿勢に応じて、第1および第2空気袋の高さや硬さを調整するようにしたクッション体がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、前記第1および第2空気袋は、それぞれにチュ−ブと弁体を接続し、弁体を個々に開閉操作して高さ調整するため、構成が複雑な上に高さ調整操作が煩雑になり、また第1および第2空気袋を枕上に重ねて使用するため、枕の高さが実質的に高くなり、不安定な睡眠を強いられるとともに、就眠中は寝姿勢に応じて高さ調整できない、という問題があった。
【0007】
また、前記問題を解決する別のものとして、ウレタンフォ−ム製の枕の内部に空気袋を拡張および収縮可能に設け、該枕上部の頭載せ部の高さを可変にするとともに、空気袋の内部に折畳み可能なリンク機構からなる付勢手段を設け、空気袋を拡張方向に付勢するとともに、前記空気袋への空気の出入りを制御する逆止弁と、頭載せ部の前側の頸支持部の沈下量が所定値以上になった際、前記逆止弁を強制的に開弁するリンク機構からなる開弁機構とを備え、仰向け寝の場合は逆止弁を開弁し、かつ付勢手段を折り畳んで空気袋を収縮し、枕の高さを低めにするとともに、横向き寝の場合は、逆止弁の閉弁状態を維持し付勢手段を伸張して、空気袋を拡張し枕の高さを高めに調整するようにした枕がある(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
しかし、前記枕は内部に大きな空気袋を要し、その空気袋の内部に、リンク機構からなる付勢手段や逆止弁、逆止弁の制御機構である開弁機構、等を収容しているため、構造が複雑で部品点数が多く、製作に手間が掛かって高価になるとともに、重量が嵩んで使用し辛い等の問題があった。
【0009】
更に、前記問題を解決する別のものとして、互いに連通する複数の区画室を設けた高さ調節部と、該調節部の両側に逆止弁を介して配置した流体量調整部と、該流体量調整部の間に前記高さ調節部を凹状に配置し、該高さ調節部上に詰物を充填した頭部支持部と頸部支持部とを前後に隣接して配置し、前記一方の流体量調整部に配管を介し流体給入装置を接続して空気を供給可能にし、使用時に所定量の空気を流体量調整部に供給し、高さ調節部の頭部支持部に頸部を載せ、頸部支持部に頭部を載せて頸部と頭部を支持し、仰向け寝の場合は高さ調節部を押し縮め、当該部の空気を流体量調整部へ移動して頭部の高さを低めに設定し、横向き寝の場合は上半身を肩で支持するため、頭部の高さが高くなり高さ調節部の押圧力が低下して、流体量調整部の空気が高さ調節部へ移動し高さ調節部が拡張して、頭部の高さを高く調整するようにした枕がある(例えば、特許文献4参照)。
【0010】
しかし、前記枕は逆止弁やその配管を要して構造が複雑になり、しかも流体量調整部が高さ調節部よりも高いため、仰向け寝から横向き寝に移行する際、狭い高さ調節部上での寝返り動作は窮屈で難しく、その際高さ調節部がゆっくり高さを回復するため、寝返り動作に間に合わず、顔面が流体量調整部に接触する不快感を生じて安眠を妨げ、快適な睡眠を得られないという問題があった。
【0011】
一方、横向き寝対応の枕として、両側部を山状に盛り上げ、中央部を凹状に湾曲形成したものがある(例えば、特許文献5参照)。
しかし、この枕は比較的硬く成形されているため、仰向け寝から首を横向きに倒し辛く、寝返りし辛い上に寝返りに必要以上に大きな労力を要し、かつその際首に大きな負担が掛かって、快適な睡眠を得られないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−113269号公報
【特許文献2】実用新案登録第3160804号公報
【特許文献3】特許第3699472号公報
【特許文献4】特許第4632343号公報
【特許文献5】意匠登録第1358848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はこのような問題を解決し、枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適で、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえる、寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1の発明は、流体を注入可能な弾性袋体を寝具類の載置パッドに重合して配置し、該弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、前記弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした寝具類の高さ調整具において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、従来のものに比べて構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、流体またはゲルを他方の中空室に緩やかに移動し、載置パッド上の使用者の部位の高さを緩やかに調整し得るようにしている。
【0015】
請求項2の発明は、弾性袋体を載置パッドの直下に重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設け、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室ないし使用者の部位の高さ調整を容易に行なえるようにしている。
請求項3の発明は、流体またはゲルを二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入し、中空室の押圧時に内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促すようにしている。
請求項4の発明は、他方の中空室の一側を側方へ突出し、該突出部上に使用者の部位を載置可能にし、例えば仰向け寝時に前記突出部上に使用者の頭部の一部を載置し、仰向け寝から横向け寝に寝返りする際、頭部を円滑に移動し、寝返り時の負担を軽減するようにしている。
【0016】
請求項5の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、使用者の種々の寝姿勢に対応させている。
請求項6の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にし、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させている。
請求項7の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの弾性袋体をシート状のシ−ル部で一体的に接続し、二つの弾性袋体をシ−ル部によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用し得るようにしている。
請求項8の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの間に流体またはゲルを注入可能な中空室を配置し、該中空室を介し前記二つの弾性袋体を一体的に接続し、二つの弾性袋体を中間位置の中空室によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用し得るとともに、前記中空室に載置パッドの機能を付与し、または載置パッドの機能を補完させるようにしている。
【0017】
請求項9の発明は、複数の弾性袋体を積層して構成し、各層の弾性袋体内の流体またはゲルを二つの中空室に相互に移動可能にし、一方の中空室を押圧することによって、他方の中空室の変位を増倍して形成でき、僅かな押圧変位を合理的に拡大し、載置パッドの高さ調整を合理的に行なうようにしている。
請求項10の発明は、一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを有するカバ−を設け、該カバ−の内部に前記載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置し、カバ−の内部に載置パッドと弾性袋体を合理的に配置し、それらの高さ位置を合理的に形成し得るようにしている。
請求項11の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置し、弾性袋体の端部を保護するようにしている。
請求項12の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であり、多様な寝具類に適用可能にしている。
【0018】
請求項13の発明は、流体を注入した弾性袋体を載置パッドに重合して配置し、前記弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした寝具類において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能に設け、前記弾性袋体の一または複数をカバ−の内部に配置し、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、従来のように逆止弁や弁およびそれらの制御機構を要するものに比べて、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、使用者の部位を載置する載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に調整でき、快適な睡眠を得られるようにしている。
【0019】
請求項14の発明は、弾性袋体の直上に載置パッドを重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設け、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室の高さ調整を容易に行なえ、載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に調整でき、快適な睡眠を得られるようにしている。
請求項15の発明は、前記流体またはゲルを前記二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入し、中空室の押圧時に内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促し、載置パッドの高さ調整を能率良く行なうようにしている。
請求項16の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させている。
請求項17の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にし、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させている。
【0020】
請求項18の発明は、前記カバ−に一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを設けるとともに、前記カバ−の内部に載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置し、前記カバ−の内部に弾性袋体と載置パッドを収納し、これらを一体的に組み込んで、これを簡便に使用し得るから、例えば枕カバ−と枕の使用に好適である。
請求項19の発明は、前記カバ−上に一または複数の弾性袋体に亘って載置パッドを配置し、弾性袋体の上下位置変位に載置パッドを同動させ、載置パッド上の使用者の特定部位の高さを調整し得るから、例えば敷布団の使用に好適である。
請求項20の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置し、弾性袋体の端部を保護するようにしている。
請求項21の発明は、横向き寝姿勢時の載置パッドの高さを、仰向け寝姿勢時の載置パッドの高さよりも高く調整可能にし、横向き寝姿勢時に頭部側を載置パッドで支持するようにして肩部の負担を軽減し、肩部の圧迫を回避して快適な睡眠を得られるようにしている。
請求項22の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であり、多様な寝具類への適用を実現可能にしている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明は、弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にしたから、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にし、従来のものに比べて構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、流体またはゲルを他方の中空室に緩やかに移動し、載置パッド上の使用者の部位の高さを緩やかに調整することができる。
【0022】
請求項2の発明は、弾性袋体を載置パッドの直下に重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けたから、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室ないし使用者の部位の高さ調整を容易に行なうことができる。
請求項3の発明は、流体またはゲルを二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入したから、中空室の押圧時に内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促すことができる。
請求項4の発明は、前記他方の中空室の一側を側方へ突出し、該突出部上に使用者の部位を載置可能にしたから、例えば仰向け寝時に前記突出部上に使用者の頭部の一部を載置し、仰向け寝から横向け寝に寝返りする際、頭部を円滑に移動し、寝返り時の負担を軽減することができる。
【0023】
請求項5の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置したから、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、使用者の種々の寝姿勢に対応させることができる。
請求項6の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にしたから、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させることができる。
請求項7の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの弾性袋体をシート状のシ−ル部で一体的に接続したから、二つの弾性袋体をシ−ル部によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用することができる。
請求項8の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの間に流体またはゲルを注入可能な中空室を配置し、該中空室を介し前記二つの弾性袋体を一体的に接続したから、二つの弾性袋体を中間位置の中空室によって一体的に接続し、弾性袋体を分離構成したものに比べて部品点数を低減し、これを簡便に使用し得るとともに、前記中空室に載置パッドの機能を付与し、または載置パッドの機能を補完させることができる。
【0024】
請求項9の発明は、複数の弾性袋体を積層して構成し、各層の弾性袋体内の流体またはゲルを二つの中空室に相互に移動可能にしたから、一方の中空室を押圧することによって、他方の中空室の変位を増倍して形成でき、僅かな押圧変位を合理的に拡大し、載置パッドの高さ調整を合理的に行なうことができる。
請求項10の発明は、一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを有するカバ−を設け、該カバ−の内部に前記載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置したから、カバ−の内部に載置パッドと弾性袋体を合理的に配置し、それらの高さ位置を合理的に形成することができる。
請求項11の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置したから、弾性袋体の端部を保護することができる。
請求項12の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であるから、多様な寝具類に適用することができる。
【0025】
請求項13の発明は、弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能に設け、前記弾性袋体の一または複数をカバ−の内部に配置し、二つの中空室に流体またはゲルが速やかに移動し得る程度に注入し、一方の中空室を使用者が押圧した際、内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にしたから、従来のように逆止弁や弁およびそれらの制御機構を要するものに比べて、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、使用者の部位を載置する載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に、しかも緩やかに調整できすることができる。
【0026】
請求項14の発明は、弾性袋体の直上に載置パッドを重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けたから、一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置することによって、使用者の肩部等の特定部位の接触を促し、前記中空室の高さ調整を容易に行なえ、載置パッドの高さを寝姿勢に応じて最適かつ自然に調整でき、快適な睡眠を得られる効果がある。
請求項15の発明は、流体またはゲルを前記二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入したから、中空室の押圧時における内部の流体またはゲルの確実かつ速やかな移動を促し、載置パッドの高さ調整を能率良く行なうことができる。
【0027】
請求項16の発明は、二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置したから、二つの弾性袋体を離間して配置することによって、使用者による二つの中空室の押圧とその内部の流体またはゲルの移動に対応させ、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させることができる。
請求項17の発明は、二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にしたから、二つの弾性袋体上での使用者の寝姿勢に対応させることができる。
【0028】
請求項18の発明は、カバ−に一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを設けるとともに、前記カバ−の内部に載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置したから、前記カバ−の内部に弾性袋体と載置パッドを収納し、これらを一体的に組み込んで簡便に使用できるから、例えば枕カバ−と枕の使用に好適な効果がある。
請求項19の発明は、カバ−上に一または複数の弾性袋体に亘って載置パッドを配置したから、弾性袋体の上下位置変位に載置パッドを同動させ、載置パッド上の使用者の特定部位の高さを調整し得るから、例えば敷布団の使用に好適な効果がある。
【0029】
請求項20の発明は、前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置したから、弾性袋体の端部を保護することができる。
請求項21の発明は、横向き寝姿勢時の載置パッドの高さを、仰向け寝姿勢時の載置パッドの高さよりも高く調整可能にしたから、横向き寝姿勢時に頭部側を載置パッドで支持するようにして肩部の負担を軽減し、肩部の圧迫を回避して快適な睡眠を得られる効果がある。
請求項22の発明は、前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団であるから、多様な寝具類への適用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を枕の高さ調整に適用した状況を示す正面図である。
【図2】図1に示す枕の底面図である。
【図3】本発明を適用した枕を分解して示す斜視図で、裏面側から見た状況を示している。
【図4】本発明を適用した弾性袋体を示す正面図である。
【図5】図1のA−A線に沿う断面図で、若干拡大図示している。
【0031】
【図6】図1のB−B線に沿う断面図で、若干拡大図示している。
【図7】図1のC−C線に沿う断面図で、若干拡大図示している。
【図8】図4のD−D線に沿う断面図である。
【図9】本発明を適用した枕の使用状態を示す正面図で、仰向け寝姿勢の状況を示している。
【図10】図9のE−E線に沿う断面図である。
【0032】
【図11】図9のF−F線に沿う断面図である。
【図12】図9のG−G線に沿う断面図である。
【図13】本発明を適用した枕の使用状態を示す正面図で、仰向け寝から寝返りした横向き寝姿勢の状況を示している。
【図14】図13のH−H線に沿う断面図である
【0033】
【図15】本発明を適用した弾性袋体の第2の実施形態を示す正面図である。
【図16】本発明を適用した弾性袋体の第3の実施形態を示す正面図である。
【図17】本発明を適用した弾性袋体の第4の実施形態を示す正面図である。
【図18】本発明に適用した弾性袋体の第5の実施形態を示す正面図である。
【図19】本発明に適用した弾性袋体の第6の実施形態を示す断面図で、他方の中空室の積層構造を示し、このうち同図(a),(b)は二層構造のものを示し、同図(c)は三層構造のものを示している。
【0034】
【図20】本発明を適用した弾性袋体の第7の実施形態を示す正面図である。
【図21】本発明を適用した弾性袋体の第8の実施形態を示す正面図である。
【図22】本発明を適用した弾性袋体の第9の実施形態を示す正面図である。
【図23】本発明を適用した弾性袋体の第10の実施形態を示す正面図である。
【図24】図23のI−I線に沿う断面図である。
【0035】
【図25】本発明を枕に適用した寝具類の第2の実施形態を示す正面図である。
【図26】本発明を枕に適用した寝具類の第3の実施形態を示す正面図である。
【図27】本発明を敷布団に適用した寝具類の第4の実施形態を示す正面図である。
【図28】図27のJ−J線に沿う断面図である。
【図29】本発明を敷布団に適用した寝具類の第5の実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を寝具である枕の高さ調整に適用した図示の実施形態について説明すると、図1乃至図14において1は平面略逆U字形状の枕で、その上下側面2,2a、通常は上側面2に、使用者Pの頭部3を載置可能な頭載せ部4が設けられている。
前記頭載せ部4の一側に凹状に湾曲した切欠部5が形成され、該切欠部5の両側に舌片状の肩当て部6,6が突設されている。
【0037】
前記肩当て部6,6は、使用者Pが仰向け寝の際、両肩部7,7を載置可能な幅員と間隔に形成され、その横向き寝の際は下側の肩部7をやや内側にして、該肩部7を一方の肩当て部6に載置可能にしている。
前記頭載せ部4は、頭部3の載置前は中央部が若干凹状に形成され、仰向け寝時には前記中央部に頭部3が載置されて更に凹状に押圧され、その両側が後述の弾性袋体の拡張によって若干押し上げられ、結果的に前記中央部が頭部3の載置前よりも深い凹状に形成されている。
【0038】
一方、仰向け寝から寝返り後の横向き寝時は、頭載せ部4の片側に頭部3が横向きに載置され、かつその際、片側の肩部7が片側の肩当て部6に位置して、直下の弾性袋体の端部を押圧し、該弾性袋体の他側部を拡張して、後述の枕本体を介し頭載せ部4を仰向け寝時よりも高位置に押し上げ可能にしている。
【0039】
前記枕1は図3のように、平面略逆U字形状の袋状のカバ−である枕カバ−8と、該枕カバ−8の内部に出し入れ可能に収納し、使用者の特定部位を載置可能な載置パッドである枕本体9と、枕カバ−8の両側内部に出し入れ可能に収納した、寝具の高さ調整具である弾性袋体10,10とで構成されている。
このうち、枕カバ−8は、綿またはポリエステル等の生地を逢着して平面略逆U字形の袋状に形成され、その裏面の上部に開口部11が横方向に設けられている。
前記開口部11の開口縁部にスライドファスナ−12が開閉可能に設けられ、前記開口部11から枕本体9を出し入れ可能にしている。
【0040】
前記枕本体9は、綿またはポリエステル等の生地を逢着して枕カバ−8と略同形の袋状に形成され、その中間部に逢着部13,13が縦方向に設けられ、該逢着部13,13を介して枕本体9内を三室に区画し、その各室に柔軟な合成樹脂のパイプやビ−ズ、綿、フェザ−、等の通気性と流動性に優れる詰物14が充填されている。
図中、15は枕本体9の中央の区画室の中間部に設けた逢着部で、内部の詰物14の横方向への移動を防止し、安定した頭部3の載置状態を確保させており、16,16は枕本体9の一側の両側に僅かに突出した張出部である。
【0041】
前記枕カバ−8の裏面の中央部に、一対の逢着部17が縦方向に離間して設けられ、該逢着部17,17を介して枕カバ−8の裏面の両側に、平面略逆L字形状のポケット18,18が設けられている。
前記ポケット18,18の外側に開口部19,19が縦方向に設けられ、該開口縁部にスライドファスナ−20が開閉可能に設けられ、前記開口部19,19から前記弾性袋体10,10を出し入れ可能にしている。
【0042】
前記弾性袋体10,10は、塩化ビニル等の2枚の合成樹脂シ−トを重合し、その周縁を溶着して略木の葉形状または鱗形状の扁平な袋状に形成され、その内部に空気、高分子系ポリマ−からなるジェル、水、等の流体若しくはゲル、実施形態では空気を使用者Pの枕の高さの好みに応じて注入可能にしている。
実施形態では、前記空気を弾性袋体10の全内容積の20〜80%に注入し、中空室22,23の容積変動を確実かつ速やかに形成可能にしており、可及的には前記内容積の40〜60%が望ましい。
【0043】
前記弾性袋体10の中空室23側の一側、実施形態では内側に突出部10aを設け、該突出部10a上に使用者Pの頭部3を一部を載置可能にしている。
すなわち、仰向け寝時には突出部10a上に頭部3の一部を載置し、仰向け寝から横向け寝へ寝返りする際、頭部3を円滑に移動し、寝返りの労力を軽減するようにしている。
また、前記弾性袋体10の中間部に、前記シ−トを溶着した横長矩形のシール部21が設けられ、該シール部21を介して弾性袋体10内を二つの中空室22,23に区画し、これらを流路断面積が小さな小通路24を介して連通し、弾性袋体10内に注入した空気を中空室22,23相互に移動可能にしている。
【0044】
前記弾性袋体10,10の大部分は枕本体9の下側に重合して配置され、空気の移動によって拡張し、直上の枕本体9を押し上げ可能にしており、その一端部側の中空室22を枕本体9から突出して配置し、かつこの中空室22を肩当て部6内に配置し、肩部7による押圧を可能にして内部の空気を押し出し可能にしている。
前記中空室22の内部は単一の室に形成され、肩部7による押圧力を一様かつ速やかに作用可能にしている。
【0045】
一方、前記他方の中空室23は、前述のように枕本体9の下側に重合して配置され、その内部が複数の仕切壁25〜27によって複数の縦長の室に区画されている。
前記仕切壁25〜27の一端部は切り欠かれ、該切欠部25a〜27aによって各室が連通可能にされている。
前記中空室23の一側に空気を注入可能な短小なチュ−ブ(図示略)が埋設され、該チュ−ブの開口部に止栓28を装着して閉塞し、充填した空気の漏洩を防止可能にしている
【0046】
この他、図中、29は使用者Pが横臥する敷布団またはマットレス、30は使用者Pの頸部、31は枕本体9から突出した弾性袋体10の突出部と、枕カバ−8との間に形成された空隙部である。
【0047】
このように構成した寝具類である枕の高さ調整に適用した、高さ調整具である弾性袋体10は、塩化ビニル等の2枚の合成樹脂シ−トを重合し、その周縁を溶着して略鱗形状に形成した扁平な袋状に形成し、この一方の肩当て部6側に配置する中空室22を単一の室に形成する。
また、枕本体9に重合して配置する他方の中空室23を、小通路24を介して中空室22に連通し、該中空室23を複数の仕切壁25〜27を介して縦長の4室に区画し、この各室を切欠部25a〜27aによって連通可能にする。
【0048】
そして、前記中空室23の一側で、頭部3との接触を回避可能な位置に空気を注入可能な短小なチュ−ブ(図示略)を埋設し、該チュ−ブの開口部に止栓28を装着し、内部の充填流体若しくはゲルの漏洩を防止する。
したがって、従来の袋体のように空気を給排するチュ−ブや開閉弁または逆止弁、およびその弁制御機構を要することがなく、構成が簡単で安価に製作できる。
【0049】
前記弾性袋体10の使用に際しては止栓28を取り外し、埋設したチュ−ブに空気、高分子系ポリマ−からなるジェル、水、等の流体若しくはゲル、実施形態では空気を注入し、その注入量は使用者Pの枕の高さの好みに応じて調整する。
また、実施形態では弾性袋体10の全内容積の20〜80%、可及的には40〜60%に空気を注入し、睡眠時における使用者Pの部位による押圧によって、中空室22,23の容積変動を確実かつ緩やかに形成可能にしている。
【0050】
そして、弾性袋体10に所定量の空気を注入し、チュ−ブに止栓28を装着後、これを枕カバ−8の開口部19からポケット8内に収納すれば使用可能になり、弾性袋体10はポケット8内で移動を拘束される。
この場合、前記弾性袋体10は比較的少量の空気を充填し、扁平でコンパクトかつ柔軟性を有するから、ポケット8に容易かつ速やかに収納でき、収納後はポケット8内で左右の移動を拘束されるとともに、厚さ方向に裕度を持って収納され、緊張時の容積変化に速やかに対応し得る。
【0051】
一方、前記枕1は、枕カバ−8と枕本体9と二つの弾性袋体10とからなり、枕本体9と弾性袋体10とを枕カバ−8に収納して使用する。
前記枕カバ−8は、綿またはポリエステル等の生地を逢着して平面略逆U字形の袋状に形成し、その裏面の上部横方向に枕本体9を収納する開口部11を設け、該枕本体9の収納スペ−スの裏面側に仕切片(図示略)を介して、平面略逆L字形状のポケット18,18を離間して両側に設ける。
【0052】
前記枕本体9は、ポリエステル、綿等の生地を逢着して枕カバ−8と略同形の袋状に形成し、その内部を逢着部13,13を介して三室に区画し、その各室に柔軟な合成樹脂のパイプやビ−ズ、綿、フェザ−、等の詰物14を充填する。
このように枕カバ−8と枕本体9は、構成が簡単で複雑な加工を要しないから、これを容易かつ安価に製作できる。
【0053】
この後、前記製作した枕本体9を枕カバ−8の開口部11からポケット18に収納し、開口部11を閉塞するとともに、適量の空気を注入した弾性袋体10,10を枕カバ−8の開口部19,19からポケット18,18に収納し、各開口部19,19を閉塞する。
【0054】
この状況は図3のようで、枕本体9は枕カバ−8内部の略全域に配置され、弾性袋体10,10はポケット18,18内に配置され、かつ弾性袋体10,10の過半部が枕本体9の直下に重合して配置され、その一部が枕本体9から突出して肩当て部6,6内に配置され、それらの段差部と枕カバ−8との間に空隙部31が形成される。
【0055】
このように枕カバ−8の内部に枕本体9と弾性袋体10,10とを収納して枕1を一体的に構成するから、これらを別々に配置するものに比べて構成が簡潔で、取扱いが至便になる。
こうして組立てた枕1を使用する場合は、例えば敷布団29またはマットレス上の一側端部に弾性袋体10,10を下向きにして、前記枕1を設置する。
【0056】
この状況は図5乃至図7のようで、枕1の両側に弾性袋体10,10が離間して位置し、その突出部10a,10aが内側に近接して配置され、該弾性袋体10,10上に枕本体9が重合して配置され、枕1の中間部は弾性袋体10が存在しない分、下方に沈み込んで凹状に形成される。
【0057】
この場合、弾性袋体10,10は前述のように空気の充填量を減量して充填され、その膨出高さを抑えられ、また頭部3の載置前は弾性袋体10が平常時の収縮状態に置かれているから、枕1の両側と中間部の高さの差は図5のように然程大きくない。
また、枕1の両側の肩当て部6,6側は、図1のように枕本体9が存在しないから、弾性袋体10と枕本体9の端部に段差が形成され、この上部の枕カバ−8との間に空隙部31が形成される。
【0058】
このような状況の下で使用者Pが仰向け寝の姿勢で敷布団29上に横臥し、頭部3を枕1の中間部に載せて使用すると、図9乃至図12のように中央の枕本体9が頭部3に押圧されて凹状に変形し、かつ使用者Pの頭部3の一部が突出部10a,10a上に載置され、また使用者Pの肩部7,7が弾性袋体10,10の端部上に位置し、当該部の枕本体9,9ないし弾性袋体10,10の一部を押圧する。
【0059】
この場合、肩部7,7ないし上半身による押圧力は、両側の枕本体9,9と弾性袋体10,10の一部で支持され、これらに分散されて作用するから、枕本体9,9ないし弾性袋体10,10の押圧変位は僅少であり、その際の弾性袋体10,10内の中空室22から中空室23への空気の移動は少なく、中空室23の拡張変位が抑制される。
したがって、枕本体9,9の押し上げ量は僅少であり、この変位は弾性袋体10が存在しない中央の枕本体9に影響しないから、該中央の枕本体9上の頭部3の高さhは、図10のように低位置に維持される。
【0060】
このような状況から使用者Pが片側の肩部7を若干内側にして寝返りし、横向き寝の姿勢に移行すると、図13のように一方の肩部7が片側の枕本体9と弾性袋体10から離れ、他方の肩部7、つまり下側の肩部7が、他方の肩当て部6直下の弾性袋体10上に位置し、該弾性袋体10の中空室22を押圧する。
【0061】
この場合、仰向け寝時は前述のように、頭部3の一部が突出部10aに載置され、また枕1の中央部と両側の高さの差が小さく、しかも支点となる肩部7は空隙部31を押圧して肩当て部6上を移動するから、その移動高さが僅少で寝返りに要する労力が軽減され、寝返り時の頸部30の負担を軽減する。
【0062】
こうして寝返りすると、下側の肩部7が肩当て部6直下の片側の弾性袋体10を押圧する。
このため、前記弾性袋体10の端部の中空室22が押圧され、該中空室22内の空気が押し出されて小通路24側へ移動し、仕切壁25〜27の各切欠部25a〜27aを経て蛇行しながら各室に順次移動し、各室を順次拡張して直上の枕本体9を押し上げる。
【0063】
その際、前記空気は小通路24で移動量を規制され、その後は中空室23内を一側の室から他側の室へ順次蛇行して移動し、各室を横方向に順に拡張して枕本体9を押し上げる
したがって、枕本体9上の頭部3がゆっくりかつ緩やかに上昇し、空気の急激な移動による頭部3の急上昇と、その際の不快感、並びに頸部31の衝撃を防止する。
【0064】
この状況は図14のようで、横向き寝姿勢の枕1の高さHは、仰向け寝姿勢の枕の高さhよりも自動的に高く調整され、頭部3の高さが仰向け寝姿勢時よりも高く調整されるから、頭部3側の重量が枕本体9で支持され、その分、下側の肩部7に対する負荷が軽減されて、該肩部7の圧迫を軽減される。
しかも、この高さ調整には従来のように逆止弁や開閉弁の作用を経ることなく円滑かつ速やかに行なわれるから、頸部31が略水平に保持されて快適な睡眠を得られる。
【0065】
このような寝姿勢から使用者Pが下側の肩部7を支点に再度寝返りし、横向き寝の姿勢から仰向け寝の姿勢に移行すると、頭部3が弾性袋体10,10の中央部の枕本体9上に移動し、該枕本体9を押圧して凹状に変形する。
そして、両方の肩部7,7が両側の枕本体9ないし弾性袋体10の端部上に移動し、これらに使用者Pの上半身の重量が分散して作用し、前述の片側の肩部7による枕本体9ないし弾性袋体10の端部に対する集中的な押圧力の作用を解除する。
【0066】
このため、片側の弾性袋体10の中空室23内の空気が小通路24を経て中空室22へ移動し、該中空室23の各室が一側から他側方向へ、ゆっくりかつ緩やかに拡張を解除して収縮し、図10乃至図12の原状を回復する。
この場合、下側の肩部7は空隙部31を押圧しながら、押圧した弾性袋体10の一端部を移動し、その移動時の高低差は僅少であるから、寝返りに要する労力が軽減され、寝返り時の頸部30の負担を軽減する。
【0067】
図15乃至図29は本発明の他の実施形態を示し、前述の実施形態と対応する構成部分に同一の符号を用いている。
このうち、図15は高さ調整具である弾性袋体10の第2の実施形態を示し、この実施形態は弾性袋体10の一方の中空室23に複数の仕切壁25〜27を横方向に形成し、その一端に切欠部25a〜27aを設け、各室を連通するとともに、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を下方から順次上方へ移動して拡張し、頭部3を緩やかに押し上げ変位させるようにしている。
【0068】
図16は弾性袋体10の第3の実施形態を示し、この実施形態は二つの弾性袋体10の中空室23に複数の仕切壁25〜27,32〜34を縦横に形成し、多数の室を区画するとともに、仕切壁25〜27に切欠部25a〜27aを形成し、仕切壁32〜34に複数の切欠部32a〜34aを形成し、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を下方から順次上方へ移動して拡張し、頭部3を精密かつ緩やかに押し上げ変位させるとともに、前記仕切壁25〜27,32〜34を介して、中空室23ないし弾性袋体10の強度を強化している。
【0069】
図17は弾性袋体10の第4の実施形態を示し、この実施形態は二つの弾性袋体10の中空室23に単一の仕切壁25を渦巻き状に形成し、中空室22および小通路24に連通する通路35を渦巻き状に形成し、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を中空室23の中心部へ順次移動し、頭部3を精密かつ緩やかに押し上げ変位させるようにしている。
【0070】
図18は弾性袋体10の第5の実施形態を示し、この実施形態は中空室22,23に連通する複数の小通路36をシール部21に設け、横向きに寝返りした際、中空室22を肩部7で押圧し、内部の空気を複数の小通路36を介して中空室23の各室に移動し、頭部3を速やかに押し上げ変位させるようにしている。
【0071】
図19は弾性袋体10の第6の実施形態を示し、この実施形態は3枚ないし4枚の合成樹脂製シートを重合し、その周縁部を溶着して、単一室を2層または3層に積層した中空室22に構成し(図示略)、他方の中空室23を同様に2層または3層構造に構成し、各層の中空室22,23を1または複数の小通路24,36を介して連通し、結果的に複数の弾性袋体10を重合した構成にしている。
したがって、寝返り時における押圧力を各層に均一に作用させ、中空室23の各層を精密かつ僅かに変位させることによって、使用者Pの重量の軽重に係りなく、枕1の高さを容易かつ精密に調整するようにしている。
【0072】
図20は弾性袋体10の第7の実施形態を示し、この実施形態は二つの弾性袋体10を分離して構成する代わりに、二つの中空室23,23をシール部21を延設したシール部37によって接続し、一体的かつ左右対称に構成することによって、二つの中空室23,23を実質的に維持しながら、部品点数を低減し構成を簡潔化して、容易かつ安価に製作し得るようにしている。
したがって、この場合は枕カバ−8の裏面に単一かつ横長のポケット18を設け、該ポケット18の開口部にスライドファスナ−を設けて、一体的に構成した弾性袋体10を収納するようにしている。
【0073】
図21は弾性袋体10の第8の実施形態を示し、この実施形態は前記第7の実施形態の応用形態で、シール部37を縮小し、代わりに当該部に仕切壁38を増設して室を増加し、かつ該室を切欠部38aによって他室に連通し、弾性袋体10全体の面積を維持しながら、個々の中空室23の面積を拡張し、その作用効果を増進するようにしている。
【0074】
図22は弾性袋体10の第9の実施形態を示し、この実施形態は前記第8の実施形態の応用形態で、左右の中空室23の中間部に小通路36を設けて中空室22に連通し、横向きに寝返りした際、中空室22内の空気を小通路24,36に分流させて中空室23,23に移動し、頭部3の押し上げ変位を促進させるようにしている。
【0075】
図23および図24は弾性袋体10の第10の実施形態を示し、この実施形態は前記第7の実施形態の別の応用形態で、シール部37の代わりに中空室39を設け、該中空室39の適所にチュ−ブ(図示略)と止栓28を装着し、該中空室39に空気を僅かに充填して、弾性袋体10を3つの中空室23,23,39で構成するとともに、前記中空室39によって中央部の枕本体9を補完し、または枕本体9を代用可能にしている。
この場合、空気充填後の中空室39の高さは、同様な両側の中空室23,23よりも低く形成する。
【0076】
図25乃至図29は前記弾性袋体10を備えた寝具類の他の実施形態を示し、このうち図25は寝具類の第2の実施形態を示している。
この実施形態は、横長矩形の枕カバ−8の裏面に左右一対のポケット18,18を設け、該ポケット18に弾性袋体10を個別に収納し、その中空室23,23の直上に既設または汎用の横長矩形の枕本体9を重合して配置し、中空室22,22の一部を枕本体9から突出して配置し、前記肩当て部6を突設しない既設または汎用の枕カバ−8に適用可能にし、構成の簡潔化と容易かつ安価な製作を図るようにしている。
【0077】
図26は寝具類の第3の実施形態を示し、この実施形態は図25の実施形態の応用形態で、横長矩形の枕カバ−8の裏面に横長矩形の単一のポケット18を設け、該ポケット18に二つの中空室23をシ−ル部37によって接続し、一体的に構成した弾性袋体10を収納し、該弾性袋体10の直上に既設または汎用の横長矩形の枕本体9を重合して配置し、かつ中空室22,22の一部を枕本体9から突出して配置し、前記肩当て部6を突設しない既設または汎用の枕カバ−8に適用可能にし、構成の簡潔化と容易かつ安価な製作を図るとともに、使用の利便性を向上するようにしている。
【0078】
図27および図28は寝具類の第4の実施形態を示し、この実施形態は枕1の代わりに敷布団29またはクッションの寝具類に本発明を適用している。
すなわち、この実施形態は敷布団29の内部、つまり敷布団29の袋状のカバ−である被覆生地38の適宜位置に、左右一対のポケット39,39を離間して設け、該ポケット39,39に、二つの弾性袋体10,10を個別に収納する。
このようにすると、前記敷布団29の一端部側は、中空室22,23による二つの緩やかな凸部が離間して連なる凸凹状に形成される。
【0079】
そこで、前記敷布団29を使用して就眠する場合は、前記中空室23,23の直上に被覆生地38を介して、既設または汎用の横長矩形の枕1を重合して配置し、該枕1から中空室22,22の端部を突出して配置する。換言すれば、弾性袋体10の直上に枕1を若干上方に位置をずらせて重合配置する。
このように枕1を配置することによって、使用前の枕1は両側が高く中央部が低く形成される。
【0080】
次に、このような敷布団29に使用者Pが横臥し枕1の凹状の中央部に頭部3を載置すれば、仰向けの寝姿勢が形成される。
この状況は図28のようで、弾性袋体10,10に使用者Pの負荷が分散して作用するため、空気の移動は僅少で中空室23,23は然程拡張せず、図示のように頭部3が低位置に置かれ、枕1の中央部と両側部との高さの差は僅少である。
【0081】
一方、仰向けの寝から横向き寝に寝返えると、前述のように使用者Pの下側の肩部7が直下の中空室22を押圧し、内部の空気を中空室23側へ押し出し、該中空室23を拡張することによって直上の枕1が押し上げられ、仰向けの寝時よりも枕1の高さが高く調整される。
したがって、この場合は前述のように肩部7の圧迫を免れる。
また、前記仰向けの寝からの寝返り時は、枕1の中央部と両側部との高さの差が僅少であるから、寝返りに要する労力の負担が軽減され、容易かつ自然な寝返りを促す。
【0082】
図29は寝具類の第5の実施形態を示し、この実施形態は前記寝具類の第4の実施形態の応用形態で、敷布団29の被覆生地38の適宜位置に横長の単一のポケット39を設け、該ポケット39に、二つの中空室23をシ−ル部37によって接続し、これらを一体的に構成した前記弾性袋体10を収納する。したがって、二つのポケット39に弾性袋体10を個別に収納する前述の場合に比べて、弾性袋体10と敷布団29の構成が簡潔になり、これを容易に製作し得る。
こうしてポケット39に弾性袋体10を収納すると、敷布団29の一端部側は、中空室22,23による二つの緩やかな凸部が離間して連なる凸凹状に形成され、この後の仰向け寝や寝返り後の横向き寝の状況は前記寝具類の第4の実施形態と同様である。
【0083】
なお、前記クッションは座布団類の他に、例えば椅子の背当て部または背もたれ部に装着するものにも適用し得る。
【0084】
また、前述の実施形態では何れも弾性袋体10をシール部21を介して二つの中空室22,23に区画し、これらを小通路24によって連通しているが、例えば中空室22,23を分離し、つまり二つの弾性袋体10を設け、これらを小通路24の代わりに柔軟なチューブで連通させることも可能である。
このようにすれば各弾性袋体10を適宜位置に移動し、使用者Pの所望の部位に位置付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
このように本発明の寝具類の高さ調整具および高さ調整具を備えた寝具類は、構成が簡単で小形軽量化を図れ、容易かつ安価に製作できるとともに、寝姿勢に応じて寝具の高さを最適に調整でき、快適な睡眠を得られるとともに、肩部を圧迫することなく自然な寝返りを行なえるから、枕や敷布団、クッション若しくは座布団、等の寝具類の使用に好適である。
【符号の説明】
【0086】
1 寝具類(枕)
3 部位(頭部)
7 部位(肩部)
8 カバ−(枕カバ−)
9 載置パッド(枕本体)
【0087】
10 高さ調整具(弾性袋体)
10a 突出部
18,39 ポケット
21,37 シール部
22 中空室
23 中空室
【0088】
24 小通路
29 寝具類(敷布団)
34 仕切壁
38 カバ−(被覆カバ−)
【0089】
h 枕の高さ(仰向き寝姿勢時)
H 枕の高さ(横向き寝姿勢時)
P 使用者
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を注入可能な弾性袋体を寝具類の載置パッドに重合して配置し、該弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、前記弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした寝具類の高さ調整具において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にしたことを特徴とする寝具類の高さ調整具。
【請求項2】
前記弾性袋体を載置パッドの直下に重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けた請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項3】
前記流体またはゲルを二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項4】
前記他方の中空室の一側を側方へ突出し、該突出部上に使用者の部位を載置可能にした請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項5】
二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置した請求項2記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項6】
前記二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にした請求項5記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項7】
前記二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの弾性袋体をシート状のシ−ル部で一体的に接続した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項8】
前記二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの間に流体またはゲルを注入可能な中空室を配置し、該中空室を介し前記二つの弾性袋体を一体的に接続した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項9】
複数の弾性袋体を積層して構成し、各層の弾性袋体内の流体またはゲルを二つの中空室に相互に移動可能にした請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項10】
一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを有するカバ−を設け、該カバ−の内部に前記載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項11】
前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置した請求項2記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項12】
前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団である請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項13】
流体を注入した弾性袋体を載置パッドに重合して配置し、前記弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした高さ調整具を備えた寝具類において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能に設け、前記弾性袋体の一または複数をカバ−の内部に配置したことを特徴とする高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項14】
前記弾性袋体の直上に載置パッドを重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けた請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項15】
前記流体またはゲルを前記二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項16】
二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項17】
前記二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にした請求項16記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項18】
前記カバ−に一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを設けるとともに、前記カバ−の内部に載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項19】
前記カバ−上に一または複数の弾性袋体に亘って載置パッドを配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項20】
前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項21】
横向き寝姿勢時の載置パッドの高さを、仰向け寝姿勢時の載置パッドの高さよりも高く調整可能にした請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項22】
前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団である請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項1】
流体を注入可能な弾性袋体を寝具類の載置パッドに重合して配置し、該弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、前記弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした寝具類の高さ調整具において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能にしたことを特徴とする寝具類の高さ調整具。
【請求項2】
前記弾性袋体を載置パッドの直下に重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けた請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項3】
前記流体またはゲルを二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項4】
前記他方の中空室の一側を側方へ突出し、該突出部上に使用者の部位を載置可能にした請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項5】
二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置した請求項2記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項6】
前記二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にした請求項5記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項7】
前記二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの弾性袋体をシート状のシ−ル部で一体的に接続した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項8】
前記二つの弾性袋体を離間して配置し、これらの間に流体またはゲルを注入可能な中空室を配置し、該中空室を介し前記二つの弾性袋体を一体的に接続した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項9】
複数の弾性袋体を積層して構成し、各層の弾性袋体内の流体またはゲルを二つの中空室に相互に移動可能にした請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項10】
一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを有するカバ−を設け、該カバ−の内部に前記載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置した請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項11】
前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置した請求項2記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項12】
前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団である請求項1記載の寝具類の高さ調整具。
【請求項13】
流体を注入した弾性袋体を載置パッドに重合して配置し、前記弾性袋体上に使用者の部位を接触して弾性袋体を押圧かつ拡張可能に設け、弾性袋体に接触する使用者の部位を高さ調整可能にした高さ調整具を備えた寝具類において、前記弾性袋体の内部を互いに連通可能な二つの中空室に区画し、該二つの中空室に流体またはゲルを移動可能に調量して注入し、前記一方の中空室を単一の室に形成し、他方の中空室を互いに連通可能な一または複数の室に区画し、前記二つの中空室上に使用者の異なる部位を接触し、かつこれらの中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室の押圧を介し内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動し、該他方の中空室の高さを高位置に調整可能に設け、前記弾性袋体の一または複数をカバ−の内部に配置したことを特徴とする高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項14】
前記弾性袋体の直上に載置パッドを重合して配置し、前記一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置し、該突出した中空室の一部に使用者の部位を接触し、かつ該中空室を押圧可能に設け、前記一方の中空室内部の流体またはゲルを他方の中空室に移動可能に設けた請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項15】
前記流体またはゲルを前記二つの中空室の拡張時容積の20〜80%に注入した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項16】
二つの弾性袋体を離間して配置し、それらの他方の中空室上に亘って載置パッドを重合配置し、かつそれらの一方の中空室を前記載置パッドから突出して配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項17】
前記二つの弾性袋体の間の載置パッド上に使用者の頭部を載置し、前記一方の中空室の突出部の直上に使用者の肩部を載置可能にした請求項16記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項18】
前記カバ−に一または複数の弾性袋体を収納可能な一または複数のポケットを設けるとともに、前記カバ−の内部に載置パッドを収納可能に設け、該載置パッドと前記弾性袋体の一部を重合して配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項19】
前記カバ−上に一または複数の弾性袋体に亘って載置パッドを配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項20】
前記カバ−の内部に、載置パッドから突出した弾性袋体の端部を配置した請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項21】
横向き寝姿勢時の載置パッドの高さを、仰向け寝姿勢時の載置パッドの高さよりも高く調整可能にした請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【請求項22】
前記寝具類は、枕または敷布団、クッション若しくは座布団である請求項13記載の高さ調整具を備えた寝具類。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2013−75075(P2013−75075A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217518(P2011−217518)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(394000437)ナオ・シング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(394000437)ナオ・シング株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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