説明

寝室用光覚醒システム

【課題】寝室内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現する。
【解決手段】寝室10には2つのベッド11,12が横に並べて設置されている。また、寝室10の壁面には、目覚ましタイマの設定機能などを有する設定装置13が設置されている。プロジェクタ装置15はベッド11,12の上方に取り付けられており、このプロジェクタ装置15によって映画等の鑑賞が可能となっている。また、プロジェクタ装置15は、ベッド11,12で就寝中のユーザを目覚めさせる目覚まし機能(光覚醒機能)を有する。光覚醒を行う場合には、プロジェクタ装置15の光軸方向を変更し、下方へ向けて光を照射させるようにする。これにより、就寝中のユーザの頭部に向けて光を照射し、その光によってユーザを目覚めさせることができるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝室内で寝ているユーザを光照射により覚醒させる寝室用光覚醒システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、寝室内の睡眠環境を改善するための各種技術が提案されており、その一つとして就寝中のユーザを快適に目覚めさせるための技術改善もなされている。例えば、特許文献1の目覚まし装置では、朝が来たように室内を明るくする照明と、朝の景色を窓越しに見えるように映像を映す映像装置と、朝を告げる小鳥のさえずりを発生する音声発生装置と、快適な温度の空気を吐き出す空調装置とを有する構成としており、それら各装置を各々制御することで快適に起床できるようにしていた。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、室内環境自体を変更するものであるため、同じ寝室内に複数の人が寝ている場合に、起床したい人以外の人も起こしてしまうという不都合が生じる。この場合、希望する時間よりも早い時間に起こされる人(同室者)にとっては不快感が生じることとなる。上記特許文献1中には、「穏やかな刺激で足りるため、同室者に迷惑がかかるおそれもない」との記載があるが、室内環境を調整することによる影響は寝室内の各人全てに及ぶため、同室者への影響は避けられないと考えられる。なお、同室者への影響を軽減するためには照明光や小鳥のさえずり音を弱めにすると良いが、これでは本来起床したい人の目覚まし効果が損なわれると考えられる。
【特許文献1】実開平5−38595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、寝室内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現することができる寝室用光覚醒システムを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0006】
手段1.建物内の寝室(寝室10)に設けられる寝室用光覚醒システムであり、特定の領域又は特定の方向に光を照射する光源手段(プロジェクタ装置15等)と、ユーザの操作入力に応じて起床時刻と起床対象者とを設定する設定手段(設定装置13等)と、前記起床時刻に対応する時刻において光源手段を作動させ、その時の起床対象者に対して光照射を行う光照射実行手段(コントローラ41等)と、を備える。この場合、ユーザが指定した起床時刻において、特定のユーザ(就寝者)にのみ光照射が行われる。これにより、同じ寝室内で複数の人が寝ている場合に、起床したい人だけを個別覚醒させることができる。その結果、寝室内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現することができる。
【0007】
手段2.映像を投射可能なプロジェクタ装置(プロジェクタ装置15)を設置した寝室に適用され、プロジェクタ装置を前記光源手段として利用して前記光照射を実行する。この場合、寝室では、プロジェクタ装置によって投影される映画等の映像をくつろぎながら鑑賞することができる。また、そのプロジェクタ装置の活用により快適なる目覚めを実現することができる。
【0008】
手段3.プロジェクタ装置による光照射範囲を起床対象者に合わせて変更すると良い。これにより、寝室内で寝ている人の起床時間が異なる場合において個別覚醒を好適に実現できる。なおこの場合、寝室内で寝ている人の起床時間が異なる場合には光照射を個別に行い、起床時間が同一の場合には光照射をまとめて行うと良い。
【0009】
手段4.プロジェクタ装置による照射光の強さを起床時刻を基準として所定の態様で調整すると良い。この場合、照射光の強さを大小調整することにより、ユーザが完全に覚醒状態となる以前に睡眠状態に変化を与えることができる。例えば、起床の前段階として、弱い光をユーザ(起床対象者)に照射し、睡眠深度を浅くすることが考えられる。
【0010】
手段5.起床時刻よりも前にプロジェクタ装置による光照射を開始し、その後起床時刻に至った時に照射光の強さが最大となるよう照射光の強さを徐々に大きくすると良い。この場合、ユーザが希望する起床時刻に至るまでに睡眠深度を徐々に浅くすることができ、起床対象者を起床時刻に無理なく目覚めさせることができる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【0011】
手段6.生体センサ等の計測情報を用いて起床対象者の睡眠状態(睡眠深さ等)を判定する手段を備え、前記光照射を行う際、起床対象者の睡眠状態に応じてプロジェクタ装置による照射光の強さを調整すると良い。この場合、より望ましくは、起床対象者の起床時刻と睡眠状態との相関に応じてプロジェクタ装置による照射光の強さを調整する。例えば、起床時刻間近になっても睡眠深さが深いままであれば照射光の強さを大きくし、逆に、起床時刻間近になって睡眠状態が十分に浅ければ照射光の強さをそれ以上大きくしないようにする。本構成によれば、睡眠状態に応じた光照射を行うことにより、起床時刻よりも前に目が覚めてしまったり、起床時刻にて快適に目を覚ますことができなかったりする不都合が解消できる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【0012】
手段7.映像ソフトを再生する再生装置(映像再生装置45)を備え、該再生装置により再生した映像を前記プロジェクタ装置により投射する構成において、再生装置による再生映像をプロジェクタ装置により起床対象者に投射することで前記光照射を実行する。この場合、光の照射範囲や照射強さなどを映像情報として持たせることにより、それら照射範囲や照射強さを調整するための調整装置(コントローラを含む)や機構などが不要となる。したがって、寝室内で寝ている人の個別覚醒を比較的簡易に実現することができる。
【0013】
手段8.複数の起床対象者の起床順序、及び起床時刻の時間差に応じて個別に映像ソフトを用意しておき、寝室内で寝ている人の各々の起床時刻に対応する映像ソフトを再生して前記光照射を実行する。この場合、どの映像ソフトを再生するかにより、上記の個別覚醒を好適に行わせることができる。
【0014】
手段9.前記映像ソフトは、寝室内で寝ている人を各々含む領域ごとに照度調整された映像を記憶したものであり、その再生映像は、その時々の起床対象者を覚醒させる際に、該当する領域を明るくし、それ以外の領域を暗くするものである。この場合、再生映像は、投影領域ごとに光照度が異なるものであれば良いため、基本的には明るさが異なる単純な映像で良く、簡易に実現できると考えられる。
【0015】
手段10.前記映像ソフトは、再生映像が徐々に明るくなる第1シーンと、その後最大照度となる第2シーンとを有するものであり、前記起床時刻よりも前に第1シーンが再生され、その後起床時刻に至った時に第2シーンが再生されるよう再生装置による映像ソフトの再生を実行する。この場合、ユーザが希望する起床時刻に至るまでに睡眠深度を徐々に浅くすることができ、起床対象者を起床時刻に無理なく目覚めさせることができる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【0016】
手段11.プロジェクタ装置の光軸方向を変更する光軸可変機能を備えている。そして、ユーザが指定する映像をスクリーン部に投射する映像鑑賞モードと、ユーザの起床時に光照射を行う覚醒モードとでプロジェクタ装置の光軸方向を変更する。この場合、2つのモード(映像鑑賞モード、覚醒モード)の変更により、プロジェクタ装置を映画等の鑑賞に用いる状態と、同プロジェクタ装置を目覚ましに用いる状態とを好適に使い分けることができる。
【0017】
手段12.寝室内のユーザの睡眠状態を判定し、該判定したユーザの睡眠状態に応じて前記映像鑑賞モードから前記覚醒モードへの変更を実行する。この場合、ユーザが睡眠状態になったことをトリガとして、翌朝の光覚醒の準備を行うことができる。
【0018】
手段13.人体センサの検出信号に基づいてユーザの睡眠状態を判定すると良い。人体センサは、脈拍、体動、皮膚温度、皮膚電位等を生体情報として計測する生体情報検出手段であり、該センサによればユーザの生体情報をリアルタイムで計測することができ、ひいては睡眠状態を正しく知ることができる。
【0019】
手段14.複数の人が就寝するための1又は複数のベッド(ベッド101)を設置した寝室に適用され、該ベッド上に寝ている人の上方より光照射可能となるよう前記光源手段(照明ランプ104)を設置した。この場合、ベッド上で寝ているユーザに対して上方から照射光を浴びせることができ、就寝中のユーザを確実に目覚めさせることができる。
【0020】
なお、ヘッドボード(ヘッドボード102)を有するベッドでは、そのヘッドボードに光源手段(照明ランプ104)を設置すると良い。この場合、寝ている人の頭に向けて近い位置から光照射を行うことができ、目覚まし効果が十分に発揮されるようになる。
【0021】
手段15.複数の人が就寝するための1又は複数のベッド(ベッド51,52)を設置するとともに、該ベッドの上方に天蓋(天蓋57)を設置した寝室に適用され、その天蓋に光源手段(照明器具74)を設置することも可能である。この場合、天蓋から光が照射されることにより、ベッド上で寝ているユーザに対して上方から照射光を浴びせることができ、就寝中のユーザを確実に目覚めさせることができる。
【0022】
手段16.天蓋を上下方向に変位させるための駆動機構を備えていると良い。ユーザによっては、天井高さが変わることで安心感が生じ、快適なる睡眠状態が得られるようになることが考えられる。例えば、天蓋を下げて下がり天井とすることで安心感が生じる場合がある。したがって、天蓋を上下動させることにより、睡眠の快適性を高めることができる。
【0023】
手段17.ベッド上に寝ている人を検知する人検知センサ(人検知センサ76等)を有し、人検知センサの検知結果に応じて光源手段の光照射方向を可変とすると良い。この場合、ベッド上に寝ている人に対して確実に照射光を当てることができる。なお、人検知センサとしては、天蓋、寝室の壁面、ベッドのヘッドボード等に設けた人感センサを用いたり、ユーザの人体に装着した人体センサを用いたりすると良い。
【0024】
手段18.ベッド上で用いる枕(長枕121)に、ユーザの頭部位置を検知する頭部検知センサ(センサユニット122)を設け、該頭部検知センサの検知結果に応じて光源手段の光照射方向を可変とすると良い。この場合、ベッド上に寝ている人の頭部に対して確実に照射光を当てることができる。
【0025】
手段19.前記枕は複数の人が共用する長枕であり、当該枕を共用する人ごとに系統分けして頭部検知センサを設けた。これにより、複数の人が枕を共用する場合にも、各人ごとに頭部位置を検知することができ、ユーザ個別の光覚醒が可能となる。
【0026】
手段20.寝室で使用する枕(目覚まし枕160)の内部に前記光源手段(光源装置166)を収納し、枕本体(枕本体161)に設けた光透過孔(貫通孔164)を通じて前記光源手段の照射光を外部に放射させる。この場合、枕上には就寝者の頭が載っているため、この枕から光が照射される構成はユーザを起床させるには効果的な手段であると考えられる。
【0027】
手段21.前記枕において、ユーザの頭部を載置するための頭部載置面(頭載せ部162)に前記光透過孔を開口させ、その頭部載置面を発光面とした。この場合、照射光は基本的に上方にのみ放射されるため、側方に別人(同室者)が寝ていたとしても、その別人への影響を小さくできる。
【0028】
手段22.枕に人検知センサを設置し、その人検知センサの検知結果に基づいて前記光照射を実行する。これにより、実際に本目覚まし用の枕を使っている場合のみ光照射が行われ、不要な光照射を行わせないようにすることができる。
【0029】
手段23.光源手段による照射光の強さを起床時刻を基準として所定の態様で調整すると良い。この場合、照射光の強さを大小調整することにより、ユーザが完全に覚醒状態となる以前に睡眠状態に変化を与えることができる。例えば、起床の前段階として、弱い光をユーザ(起床対象者)に照射し、睡眠深度を浅くすることが考えられる。
【0030】
手段24.起床時刻よりも前に光源手段による光照射を開始し、その後起床時刻に至った時に照射光の強さが最大となるよう照射光の強さを徐々に大きくすると良い。この場合、ユーザが希望する起床時刻に至るまでに睡眠深度を徐々に浅くすることができ、起床対象者を起床時刻に無理なく目覚めさせることができる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【0031】
手段25.生体センサ等の計測情報を用いて起床対象者の睡眠状態(睡眠深さ等)を判定する手段を備え、前記光照射を行う際、起床対象者の睡眠状態に応じて光源手段による照射光の強さを調整すると良い。この場合、より望ましくは、起床対象者の起床時刻と睡眠状態との相関に応じて光源手段による照射光の強さを調整する。例えば、起床時刻間近になっても睡眠深さが深いままであれば照射光の強さを大きくし、逆に、起床時刻間近になって睡眠状態が十分に浅ければ照射光の強さをそれ以上大きくしないようにする。本構成によれば、睡眠状態に応じた光照射を行うことにより、起床時刻よりも前に目が覚めてしまったり、起床時刻にて快適に目を覚ますことができなかったりする不都合が解消できる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、住宅内に設けられた寝室の概略構成を示す図である。この寝室はホームシアターを兼ねるものとなっており、寝室内において就寝できる他、映画やビデオ画像などの各種映像を鑑賞できるようになっている。なお図1において、(a)は寝室10の平面図、(b)は寝室10の正面図である。
【0033】
図1において、寝室10には2つのベッド11,12が横に並べて設置されている。また、寝室10の壁面には、目覚ましタイマの設定機能などを有する設定装置13が設置されている。ただし、設定装置13は、壁面に設置される他、各ベッド11,12のヘッドボード11a,12aや、各ベッド11,12間に設置されるナイトテーブル(図示略)等に設けられていても良い。
【0034】
また、ヘッドボード11a,12a側の壁面には、投影型映像装置であるプロジェクタ装置15が取り付けられ、その反対側の壁面にはスクリーン16が取り付けられている。プロジェクタ装置15には、図示しない映像再生装置やパソコン等から映像信号が入力され、その映像信号に基づいて映像が投影出力される。その他、寝室10の壁面にはスピーカ装置18が取り付けられている。
【0035】
寝室10で映画等を鑑賞する場合には、プロジェクタ装置15を作動させて画像をスクリーン16上に投影させる。この場合、図示するように、投影映像は寝室10内を横断するようにして投射され、ユーザはベッド11,12上でくつろぎながら映画等を鑑賞することができるようになっている。
【0036】
また、プロジェクタ装置15は、上記のように映画等の映像をスクリーン16上に投影する映像投影機能を有する他、ベッド11,12で就寝中のユーザを目覚めさせる目覚まし機能(光覚醒機能)を有する。ここで、光覚醒を行う場合には、図2の(a)に示すように、プロジェクタ装置15の光軸方向を変更し、下方へ向けて光を照射させるようにする。これにより、就寝中のユーザの頭部に向けて光を照射し、その光によってユーザを目覚めさせる(覚醒させる)ことができるようになっている。
【0037】
本実施の形態では特に、左右2つのベッド11,12に寝ているユーザを個別に目覚めさせることができるようになっており、プロジェクタ装置15の光照射範囲が図2の(b),(c),(d)のように適宜切り替えられる。(b)の場合、ベッド11に対して光が照射され、(c)の場合、ベッド12に対して光が照射され、(d)の場合、ベッド11及びベッド12に対して光が照射される。プロジェクタ装置15の光照射範囲を可変とする構成としては任意の構成が適用できるが、本実施の形態では絞り装置を用いて光照射範囲を可変とする。
【0038】
次に、プロジェクタ装置15の構成について図3及び図4を用いて説明する。図3(a),(b)はプロジェクタ装置15の構成を示す斜視図、図4は図3(a)のA−A線断面図である。
【0039】
プロジェクタ装置15は、寝室10の壁面に固定されるブラケット21と、画像生成素子や投影レンズ等の投影機構を備えたプロジェクタ本体22とを有し、ブラケット21の先端部に上下方向に揺動可能にプロジェクタ本体22が取り付けられている。ブラケット21は、室内側に起立する起立部23を有し、その起立部23の先端部分に、プロジェクタ本体22に連結される連結部24が設けられている。連結部24にはその中央に貫通孔25が形成されるとともに、その貫通孔25と同軸をなす円上に内歯26が形成されている。
【0040】
また、プロジェクタ本体22には、ブラケット21の連結部24に連結される被連結部31が設けられており、その被連結部31にはその中央に貫通孔32が形成されるとともに、その貫通孔32を囲むようにして3つのピニオンギア33が設けられている。
【0041】
そして、ブラケット21とプロジェクタ本体22とが結合され、更に各々の貫通孔25,32にシャフト35が挿通されることにより、ブラケット21に対してプロジェクタ本体22が揺動可能となっている。このとき、ブラケット21側の内歯26とプロジェクタ本体22側のピニオンギア33とが噛み合っており、ピニオンギア33が正逆いずれかの方に回転することによりプロジェクタ本体22の角度が調整できるようになっている。なお、符号36a,36bは、プロジェクタ本体22の揺動範囲を規定するためのストッパである。
【0042】
プロジェクタ本体22には角度調整アクチュエータが内蔵されており、その構成を図4を用いて簡単に説明する。すなわち、上記3つのピニオンギア33は、1つが動力歯車、2つが自由歯車となっており、動力歯車がモータ部37の駆動により回転する。モータ部37は、アーマチャ37aとウォームギア37bとヘリカルギア37cとを有する。また、モータ部37には、ホール素子等よりなる位置検出素子38が設けられており、位置検出素子38の検出結果を参照しつつプロジェクタ本体22の角度位置が調整されるようになっている。
【0043】
なお、上記構成ではプロジェクタ本体22に角度調整アクチュエータを内蔵したが、これに代えてブラケット21に同アクチュエータを内蔵することも可能である。また、角度調整アクチュエータの構成としては、上記以外にも任意の構成が適用できる。
【0044】
ところで、プロジェクタ装置15による目覚まし用の光照射は、ユーザが指定した起床対象者に対して起床時刻に応じて行われる。このとき、プロジェクタ装置15の光軸調整、光照射範囲の設定、照度調整は、周知のマイクロコンピュータ等を用いて構成されるコントローラにより実施される。図5に、本システムの電気的な構成の概略を示す。寝室10においてコントローラ41の設置場所は任意であるが、例えば設定装置13と一体に設けられる。
【0045】
ここで、ユーザが設定装置13の入力操作を行うことにより、各ベッド11,12で別々に就寝するユーザ(ユーザA,B)ごとに起床時刻が設定され、その起床時刻情報がコントローラ41に入力される。コントローラ41は、ユーザごとの起床時刻情報などに基づいてプロジェクタ装置15の角度調整アクチュエータの制御や光照射調整などを実行する。このとき、コントローラ41は、ユーザが心地よく目覚めることができるよう、光照度(照射光の強さ)を可変調整する。具体的には、ユーザが設定した起床時刻を基準に、所定時間前からユーザに対する光照射を開始する。そして、その後徐々に光照度を上げていき、起床時刻で丁度目が覚めるよう照度調整を実施する。
【0046】
また、設定装置13は、ユーザの入力操作に応じて目覚まし停止信号(リセット信号)を出力し、コントローラ41は、目覚まし停止信号に入力に基づいてプロジェクタ装置15による光照射を停止させる。
【0047】
また、コントローラ41は、翌朝にプロジェクタ装置15による目覚ましがセットされている場合において、ユーザの就寝後に角度調整アクチュエータによってプロジェクタ装置15の光軸調整を実施する。一例として本実施の形態では、モード切り替えによりプロジェクタ装置15の光軸調整が行われるようになっており、映画鑑賞時等において映像を投影する映像鑑賞モードではほぼ水平方向に光軸が調整され(図1参照)、ユーザの起床時に光照射を行う覚醒モードでは下方に向けて光軸が調整される(図2参照)。このとき、寝室10内の照明がOFFされたことや都度の時刻情報などを基に、ユーザの就寝確認が行われ、その就寝確認後に上記の光軸調整が行われると良い。
【0048】
その他、人体センサ等に基づいてユーザの睡眠状態を判定し、該判定したユーザの睡眠状態に応じて上記の光軸調整(映像鑑賞モードから覚醒モードへのモード変更)を実行するようにしても良い。この場合、ユーザが睡眠状態になったことをトリガとして、翌朝の光覚醒の準備を行うことができる。なお、人体センサは、ユーザの腕などに装着できるウエアラブル式のセンサであると良く、その人体センサの検出信号がコントローラ41に入力される。コントローラ41は、人体センサにより計測される脈拍、体動、皮膚温度、皮膚電位等の生体情報に基づいて睡眠状態を判定する。
【0049】
図6は、プロジェクタ装置15による目覚まし動作を示すタイムチャートである。ここでは、ベッド11で就寝しているユーザAの起床時刻がAM7:00であり、ベッド12で就寝しているユーザBの起床時刻がAM8:00である場合を想定している。
【0050】
図6において、ユーザAの起床時刻よりも30分前のAM6:30になると、ユーザA側の光照射が開始される。その後、実際の起床時刻(AM7:00)に照射光の強さが最大となるように照度調整が行われる。そして、起床時刻(AM7:00)を過ぎ、ユーザの入力操作に伴いコントローラ41に目覚まし停止信号が入力されると、その後ユーザA側の光照射が停止される。
【0051】
目覚まし停止信号が入力されてもユーザが直ぐに起きるとは限らない。また、ユーザが起きたとしても、その後起きる準備等をしたりすることが考えられる。故に、目覚まし停止信号の入力後、所定時間が経過した後に、プロジェクタ装置15による光照射が停止されるようになっている。ただし、目覚まし停止信号により光照射を自動停止する構成は任意であり、ユーザが起床した後も、そのまま光照射の状態が継続されていても良い。目覚まし停止信号とは無関係に、起床時刻から所定時間が経過したタイミングで光照射が自動停止される構成とすることも可能である。
【0052】
また、ユーザBの起床時刻よりも30分前のAM7:30になると、ユーザB側の光照射が開始される。その後、実際の起床時刻(AM8:00)に照射光の強さが最大となるように照度調整が行われる。そして、起床時刻(AM8:00)を過ぎ、ユーザの入力操作に伴いコントローラ41に目覚まし停止信号が入力されると、その後ユーザB側の光照射が停止される。
【0053】
図7及び図8は、各ベッド11,12に寝ているユーザA,Bへの実際の光照射状況を示す略図である。
【0054】
図7の(a),(b)は、起床時刻前にユーザA側の光照度が徐々に上がっていく過程を示しており、これは上記図6の事例ではAM6:30〜7:00の期間内の状態を示す。また、(c)は、起床時刻後においてユーザA側の光照度が最大となった状態を示し、この状態でユーザAが起床する。ユーザB側に関しては、図7の(a),(b),(c)を通じて光照射が行われることはなく、暗い状態のままとなっている。したがって、ユーザBがユーザAと共に起床する(すなわち本来の起床時刻前に起床してしまう)ことがないようになっている。
【0055】
一方、図8は、ユーザA,Bを同時刻に起床させる場合を示す。図8の(a),(b)は、起床時刻前にユーザA,B両側の光照度が徐々に上がっていく過程を示し、(c)は、起床時刻後においてユーザA,B両側の光照度が最大となった状態を示す。(c)の状態でユーザA,B両者が起床する。
【0056】
以上詳述した本実施の形態によれば、ユーザが指定した起床時刻において、特定のユーザ(就寝者)にのみ光照射が行われるため、同じ寝室内で複数の人が寝ている場合に、起床したい人だけを個別覚醒させることができる。その結果、寝室10内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現することができる。
【0057】
映像を投射可能なプロジェクタ装置15を光源手段として利用したため、寝室10内で映画鑑賞等を楽しむことができるとともに、同プロジェクタ装置15の活用により快適なる目覚めを実現することができる。
【0058】
起床時刻よりも前にプロジェクタ装置15による光照射を開始し、その後起床時刻に至った時に照射光の強さが最大となるよう照射光の強さを徐々に大きくするようにしたため、ユーザが希望する起床時刻に至るまでに睡眠深度を徐々に浅くすることができ、起床対象者を起床時刻に無理なく目覚めさせることができる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【0059】
映像鑑賞モードと覚醒モードとでプロジェクタ装置15の光軸方向を変更するようにしたため、それらのモード変更により、プロジェクタ装置15を映画等の鑑賞に用いる状態と、同プロジェクタ装置15を目覚ましに用いる状態とを好適に使い分けることができる。
【0060】
光覚醒を行う場合における光照射の態様を以下のように変更することも可能である。例えば、生体センサ等の計測情報を用いて起床対象者の睡眠状態(睡眠深さ等)を判定し、その睡眠状態に応じてプロジェクタ装置15による照射光の強さを調整する。この場合、起床対象者の起床時刻と睡眠状態との相関に応じてプロジェクタ装置15による照射光の強さを調整すると良い。具体的には、起床時刻間近になっても睡眠深さが深いままであれば照射光の強さを大きくし、逆に、起床時刻間近になって睡眠状態が十分に浅ければ照射光の強さをそれ以上強くしないようにする。本構成によれば、睡眠状態に応じた光照射を行うことにより、起床時刻よりも前に目が覚めてしまったり、起床時刻にて快適に目を覚ますことができなかったりする不都合が解消できる。したがって、快適なる目覚めが実現できる。
【0061】
上記実施の形態では、各ユーザの起床時刻になった後は、プロジェクタ装置15による照射光の強さを最大としたが、これを変更し、起床時刻以降にプロジェクタ装置15によって点滅光(フラッシュ光)を照射する構成としても良い。この場合、光の点滅によりユーザはより一層眩しさを感じるため、確実に目覚めさせることができる。
【0062】
上記実施の形態では、角度調整アクチュエータを具備するプロジェクタ装置15を用い、その角度調整アクチュエータの作動により光軸調整を行ったが、この構成を変更する。例えば、プロジェクタ装置15の前方に反射板を設け、その反射板の角度を調整することで、光軸調整を行うようにすることも可能である。反射板の角度調整機構は手動式又は電動式のいずれでも良いが、望ましくは電動とし、コントローラ41によって自動調整されると良い。
【0063】
上記実施の形態では、寝室10の壁面やベッド11,12のヘッドボードに設定装置13を設置する構成を説明したが、これを変更し、ユーザが任意に持ち運びできる携帯端末に、設定装置13の機能を内蔵させることも可能である。この場合、携帯端末とプロジェクタ装置15とは無線通信によって情報のやりとりが行われる。
【0064】
寝室10内に設けたスピーカを用い、音声による目覚ましを併用しても良い。ただしこの場合、音声による目覚ましでは、二人のユーザに対しての個別覚醒が困難になるおそれがあるため、ベッド上におけるユーザの頭部付近にスピーカを設置し、そのスピーカをユーザごとに作動させると良い。
【0065】
(第2の実施の形態)
上記実施の形態では、プロジェクタ装置15によりユーザの頭部に各々光照射を行うことでユーザを個別に目覚めさせる(覚醒させる)ようにしていたが、本実施の形態では、映像再生装置により所定の目覚まし用映像ソフトを再生し、その再生映像をプロジェクタ装置15によりユーザの頭部に投射することでユーザを個別に目覚めさせる(覚醒させる)こととする。この場合、複数の目覚まし用映像ソフトを映像再生装置のメモリ(ハードディスク等)に登録しておき、その映像ソフトを選択的に再生する。又は、目覚まし用映像ソフトが記憶された記憶媒体を映像再生装置にセットし、それを再生する。
【0066】
すなわち、図9に示すように、映像再生装置45の再生映像(目覚まし用映像ソフトの再生映像)をプロジェクタ装置15に送り、プロジェクタ装置15によって各ベッド11,12上に映像を投射する。このとき、再生される映像ソフトは1つであるが、ベッド11,12上の映像はベッド11側とベッド12側とで個別に明暗等が設定されたものとなっている(図のP1,P2)。映像再生装置45には、設定装置13から起床時刻情報などが適宜入力される。
【0067】
目覚まし用映像ソフトは、二人のユーザA,B(ベッド11,12側)のいずれを先に起床させるか、又は二人同時に起床させるかに応じて、更には二人の起床時間のずれ時間に応じて区別して設定される。また、映像ソフトによる再生映像の明暗(眩しさ)の違いに応じて区別して設定される。
【0068】
例えば、ユーザA,Bの起床パターン等を考慮して、次に挙げる各映像ソフトが用意される。
(1)ユーザAが先、ユーザBが後に起床し、そのずれ時間が60分の場合に使用する映像ソフト(タイトル名:「A+60分」)。
(2)ユーザBが先、ユーザAが後に起床し、そのずれ時間が30分の場合に使用する映像ソフト(タイトル名:「B+30分」)。
(3)ユーザA,Bが同時に起床する場合に使用する映像ソフト(タイトル名:「AアンドB」)。
(4)ユーザAのみを起床させる場合に使用する映像ソフト(タイトル名:「Aオンリー」)。
【0069】
ユーザは、就寝前に、翌朝先に起床する方の起床時刻(二人同時の場合は、同時起床時刻)を設定装置等に設定するとともに、翌朝に使用する映像ソフト(例えば上記の(1)〜(4)のいずれか)を映像再生装置45に設定しておく。そして、ベッド11,12にて就寝する。これにより、翌朝には、所望とする時刻に、設定済みの映像ソフトが再生され、その再生過程でユーザが個別に起床する。
【0070】
一例として、タイトル名「A+60分」の映像ソフトを使って起床する場合を図10を用いて説明する。図10では、ユーザAの起床時刻がAM7:00であり、ユーザBの起床時刻がAM8:00である場合を想定している。図10において、タイムチャートの下方には期間T1〜T4における映像パターンを併せ示している。
【0071】
図10において、ユーザAの起床時刻よりも30分前のAM6:30になると、目覚まし用映像ソフトの再生が始まる。このとき、映像パターンは図の“T1”となり、ユーザA側は薄明るい映像、ユーザB側は真っ暗な映像となっている。期間T1では、ユーザA側の再生映像として徐々に明るくなるシーンが投影される。その後、ユーザAの起床時刻(AM7:00)になると、映像パターンは図の“T2”となり、ユーザA側は照度最大の明るい映像、ユーザB側は真っ暗な映像のままとなる。これにより、ユーザAが起床する。
【0072】
その後も映像ソフトの再生は継続され、ユーザBの起床時刻よりも30分前のAM7:30になると、映像パターンは図の“T3”となり、ユーザA側は明るい映像のまま、ユーザB側は薄明るい映像となる。期間T3では、ユーザB側の再生映像として徐々に明るくなるシーンが投影される。その後、ユーザBの起床時刻(AM8:00)になると、映像パターンは図の“T4”となり、ユーザA側及びユーザB側共に、照度最大の明るい映像とる。これにより、ユーザBも起床する。
【0073】
以上第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、寝室10内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現することができる。
【0074】
また、映像再生装置45による再生映像をプロジェクタ装置15により起床対象者に投影することで光覚醒を行うようにしたため、照射光の照射範囲や照射強さを調整するための調整装置(コントローラを含む)や機構などが不要となる。したがって、寝室内で寝ている人の個別覚醒を比較的簡易に実現することができる。
【0075】
光覚醒時に再生される映像ソフトを、複数のユーザ(起床対象者)の起床順序、及び起床時刻の時間差に応じて個別に複数用意したため、どの映像ソフトを再生するかにより、上記の個別覚醒を好適に行わせることができる。
【0076】
映像ソフトは、再生映像が徐々に明るくなるシーン(第1シーン)と、その後最大照度となるシーン(第2シーン)とを有するものであり、起床時刻よりも前に第1シーンが再生され、その後起床時刻に至った時に第2シーンが再生されるため、ユーザが希望する起床時刻に至るまでに睡眠深度を徐々に浅くすることができ、起床対象者を起床時刻に無理なく目覚めさせることができる。したがって、快適なる目覚め(光覚醒)が実現できる。
【0077】
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、寝室内に吊り天井である天蓋を設けるとともに、その天蓋に光源手段を組み込んだ構成について説明する。図11は、寝室内に設置したベッド及び天蓋を示す。
【0078】
図11において、寝室には、横に並べて2つのベッド51,52が設置されている。ベッド51,52には共通のヘッドボード53が設けられており、そのヘッドボード53には目覚ましタイマの設定機能などを有する設定装置54が設けられている。
【0079】
また、ベッド51,52の上方には、天井56から吊り下げるようにして天蓋57が設置されている。この場合特に、天蓋57は複数の支柱部58により吊持されるとともに、その支柱部58によって昇降可能となっている。天蓋57を昇降させるための駆動システムを図12に示す。なお、図12に示す駆動システムは天井56と天蓋57との間に設置される。
【0080】
図12において、駆動源たるモータ61は両出力軸タイプのモータであり、図の左右2つの出力軸62ごとに駆動機構が設けられている。すなわち、各出力軸62の先端部には、該出力軸62の回転を、出力軸62に対して直交方向に延びる2つの駆動軸63に伝達するためのギアボックス64が設けられている。このギアボックス64は、出力軸62の先端部に設けた傘歯車64aと、2つの駆動軸63の先端部に各々設けた傘歯車64bとを噛み合わせた構成となっており、このギアボックス64を介してモータ61の回転が各駆動軸63に伝達される。
【0081】
また、各駆動軸63の先端部(傘歯車64bとは逆側の端部)にはウォームギア66が設けられ、そのウォームギア66がヘリカルギア67に噛み合っている。そして、ヘリカルギア67の中心部に支柱部58が設けられている。上記構成において、モータ61が図のα方向に回転すると、その回転に伴い駆動軸63が図のβ方向に回転し、更にヘリカルギア67が図のγ方向に回転する。このとき、モータ61の駆動に伴い4つのヘリカルギア67が同様に回転する。
【0082】
図13には、天蓋57、支柱部58及びヘリカルギア67の結合部における断面構造を示す。図13に示すように、天蓋57の上面には、ヘリカルギア67が固定具68により回転可能に固定されている。また、ヘリカルギア67の内周部と支柱部58の外周部とにはそれぞれネジ溝が形成されている。支柱部58の上端部は天井56に固定されている。この場合、上記図12の駆動機構によりヘリカルギア67が回転すると、その回転によりヘリカルギア67自身が上下何れかの方向に移動する。このとき、ヘリカルギア67と一緒に天蓋57が上下何れかの方向に移動する。
【0083】
支柱部58の下端部には落下防止手段としてのストッパ69が設けられており、このストッパ69によって天蓋57の落下防止が図られている。
【0084】
一方、図14に示すように、天蓋57は、四角形状をなす外枠71と、その外枠71の内側に設けられ、矩形状の多数の開口73を有する格子枠72とから構成されている。また、格子枠72には、多数の開口73のうち特定位置の開口に照明器具74が組み込まれている。照明器具74は、例えば各ベッド51,52に対応させて1つずつ(計2個)設けられ、各照明器具74によってベッド51,52上に寝ているユーザに対して個別に光照射が行われる。
【0085】
図15は、照明器具74が組み込まれた部位の天蓋57の断面構造を示す図である。図15に示すように、格子枠72の開口73には、上下方向に貫通するようにして円筒状のガイド部75が設けられ、そのガイド部75の内側に照明器具74が配設されている。ガイド部75の内周面には鏡面加工が施されている。ガイド部75によって、照明器具74による照射光に指向性が付与されるとともに、照射光の拡散が抑制されるようになっている。また、ガイド部75の外周部には人検知センサ76が設けられており、この人検知センサ76によって各ベッド51,52上に寝ている人の有無が検知されるようになっている。天蓋57が昇降動作する際、照明器具74も一緒に昇降動作する。
【0086】
図16は、設定装置54の前面部の構成を示す図である。設定装置54の前面部には、現在時刻や目覚まし時刻(アラーム時刻)を表示する時刻表示部81と、設定時刻の操作を行うための時刻操作部82と、左右2つの各ベッド51,52のうちいずれかのベッド(ユーザA,B)を選択するユーザ指定スイッチ83と、アラームのON/OFFを行うためのアラームスイッチ84と、読書照明のON/OFFを行うための照明スイッチ85と、天蓋57を昇降させるための昇降スイッチ86と、スピーカ87とが設けられている。この設定装置54においては、ユーザが入力操作を行うことにより、各ベッド51,52で別々に就寝するユーザ(ユーザA,B)ごとに起床時間が設定される。また、昇降スイッチ86の上昇又は下降のボタン操作により、天蓋57が上昇又は下降し、それに伴い照明高さの変更などが行われる。
【0087】
図17は、上記した寝室内システムの電気的な構成を示す略図である。コントローラ91は、周知のマイクロコンピュータ等を用いて構成される制御装置であり、このコントローラ91には設定装置54による各種の設定情報(起床時刻情報や天蓋57の昇降指令情報など)が入力されるとともに、人検知センサ76による検知信号が逐次入力される。コントローラ91の設置場所は任意であるが、例えば設定装置54と一体に設けられる。
【0088】
コントローラ91は、設定装置54により設定されたユーザごとの起床時刻情報に基づいて照明器具74による光照射などを実行する。このとき、コントローラ91は、ユーザが心地よく目覚めることができるよう、光照度の可変調整を実施する。具体的には、ユーザが設定した起床時刻を基準に、所定時間前からユーザに対する光照射を開始する。そして、その後徐々に光照度を上げていき、起床時刻で丁度目が覚めるよう照度調整を実施する。
【0089】
本実施の形態における具体的な目覚まし動作は、前述した図6に準ずるものであり、ここではその図6を再度用いて該目覚まし動作を説明する。なお、ベッド51で就寝しているユーザAの起床時刻がAM7:00であり、ベッド52で就寝しているユーザBの起床時刻がAM8:00である場合を想定している。
【0090】
図6において、ユーザAの起床時刻よりも30分前のAM6:30になると、ユーザA側の光照射が開始される。その後、実際の起床時刻(AM7:00)に照射光の強さが最大となるように照度調整が行われる。そして、起床時刻(AM7:00)を過ぎ、ユーザの入力操作に伴いコントローラ91に目覚まし停止信号が入力されると、その後ユーザA側の光照射が停止される。
【0091】
目覚まし停止信号が入力されてもユーザが直ぐに起きるとは限らない。また、ユーザが起きたとしても、その後起きる準備等をしたりすることが考えられる。故に、目覚まし停止信号の入力後、所定時間が経過した後に、照明器具74による光照射が停止されるようになっている。ただし、目覚まし停止信号により光照射を自動停止する構成は任意であり、ユーザが起床した後も、そのまま光照射の状態が継続されていても良い。
【0092】
また、ユーザBの起床時刻よりも30分前のAM7:30になると、ユーザB側の光照射が開始される。その後、実際の起床時刻(AM8:00)に照射光の強さが最大となるように照度調整が行われる。そして、起床時刻(AM8:00)を過ぎ、ユーザの入力操作に伴いコントローラ91に目覚まし停止信号が入力されると、その後ユーザB側の光照射が停止される。
【0093】
以上第3の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態等と同様に、寝室10内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現することができる。
【0094】
また、天蓋57に設置した照明器具74を用い、ベッド51,52上で寝ているユーザに対して上方から照射光を浴びせるようにしたため、就寝中のユーザを確実に目覚めさせることができる。
【0095】
天蓋57を上下動可能としたため、例えば天蓋57を下げて下がり天井とすることでユーザに安心感を与えたりすることが可能となる。したがって、睡眠の快適性を高めることができる。
【0096】
天蓋57において外枠71の端部(ベッド上のユーザ足元側の端部)に電動式又は手動式のスクリーンを設置し、そのスクリーンを利用して映画等の映像を投影する構成とすることも可能である。この場合、ベッド51,52のヘッドボード53側にプロジェクタ装置を設置し、そのプロジェクタ装置からの映像をスクリーン上に投影させるようにする。こうしてスクリーンに映像を投影する構成を具備する場合には、起床時において照明器具74による光覚醒に連動させて、スクリーン上にヒーリング映像やその日のスケジュール等を投影することができる。これにより、心地よい起床が実現できる。この場合、人検知センサ76の検出結果も考慮し、ベッド上に人が寝ていると検知されたことを条件にプロジェクタ投影を行う構成としても良い。
【0097】
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、複数の人が同時に寝ることのできる寝具装置においてユーザの個別覚醒を実現するものである。図18及び図19に、ダブルベッドに個別覚醒機能を付加した具体例を示す。図18はベッド全体の構成を示す図であり、図19はヘッドボードの構成を示す正面図である(ベッド上のユーザから見た図であり、特にベッド上の枕よりも上方となる部位について示している)。
【0098】
図18において、ベッド101は、二人の大人(ユーザA,B)が並んで寝るのに十分な大きさを有するものであり、そのヘッド側にはヘッドボード102が設けられている。ヘッドボード102には、ユーザの頭部上方に張り出すようにして張出部103が設けられており、その張出部103の下面に複数の照明ランプ104が取り付けられている。各照明ランプ104はいずれも下向に設けられており、これによりユーザの頭部に対して光照射が可能となっている。照明ランプ104は例えばLEDランプよりなり、指向性を有する構成となっている。この複数の照明ランプ104が光覚醒用の光源手段に相当する。
【0099】
図19に示すように、照明ランプ104は、ベッド101上で就寝する左右のユーザごとに対応するよう二系統で設けられており、ユーザA,B(図18参照)に対応させて各々7個ずつ取り付けられている。照明ランプ104は、左右の系統ごとに個別にON/OFF、及び照度調整が可能となっている。各照明ランプ104は、任意の方向に揺動自在の構成を有しており、その構成を図20の(a),(b)に示す。
【0100】
照明ランプ104は、光源を有するランプ本体105と、ヘッドボード102側に取り付けられるベース体106とを有し、それら両者が軸ピン107によって回転自在に連結されている。また、ベース体106はその長手方向の中心線周りに回転可能となっており、そのヘッドボード側端部にはフリクションスプリング108が設けられている。本構成によれば、照明ランプ104は、ベース体106が中心線周りに回転自在となり、さらにベース体106に対してランプ本体105が揺動可能となる。したがって、ユーザが望む方向に照明方向を手動調整でき、読書用照明として利用する場合にも使い勝手の良いものとなっている。なお、照明方向の角度はフリクションスプリング108によって保持される。
【0101】
ヘッドボード102には、ユーザごと(系統ごと)に2つの設定装置111,112が埋め込まれており、設定装置111,112の前面部がベッド側に露出している。設定装置111,112の前面部には、現在時刻や目覚まし時刻(アラーム時刻)を表示する時刻表示部や、設定時刻の操作を行うための時刻操作部や、読書照明及びアラームのON/OFFを切り替えるための切替スイッチが設けられている。なお、切替スイッチは3位置切替タイプのスイッチ片を有しており、そのスイッチ片によって、(1)読書照明ON&アラームOFF、(2)読書照明OFF&アラームOFF、(3)読書照明OFF&アラームONの3状態の切り替えが可能となっている。
【0102】
また、ヘッドボード102には、2つの設定装置111,112に各々対応する2つのコントローラ113,114が埋設されている。コントローラ113,114は、設定装置111,112により設定されたユーザごとの起床時刻情報等に基づいて照明ランプ104による光照射などを実行する。このとき、コントローラ113,114は、ユーザが心地よく目覚めることができるよう光照度の可変調整を実施する。具体的には、ユーザが設定した起床時刻を基準に、所定時間前からユーザに対する光照射を開始する。そして、その後徐々に光照度を上げていき、起床時刻で丁度目が覚めるよう照度調整を実施する。
【0103】
ベッド101においては専用の長枕121が使用される。図21は長枕121の構成を示す平面図である。長枕121はユーザA,Bで共用され、その枕内部には2つのセンサユニット122が埋設されている。センサユニット122は、ユーザが枕上に頭を載せた時に所定レベルの電気信号を出力するものであり、複数個のセンサ素子122aが直列に接続される構成となっている。このセンサユニット122が人検知手段に相当する。なお、センサ素子122aとして、感圧式のセンサや音検知式のセンサ等が適用できる。
【0104】
また、長枕121にはセンサ信号を出力する信号線123が系統ごとに設けられており、信号線123の先端部には差込プラグ124が設けられている。この差込プラグ124をベッド101の所定の差込口に差し込むことにより、センサユニット122の検出信号がベッド側のコントローラ143,144に取り込まれるようになっている。コントローラ143,144は、センサユニット122の検出信号に基づいて、ベッド101上で寝ているユーザの頭部位置を検知し、その頭部位置に合わせて光照射を実行する。
【0105】
本実施の形態における具体的な目覚まし動作は、前述した図6に準ずるものであり、ここではその図6を再度用いて該目覚まし動作を説明する。なお、ベッド101で就寝している二人のユーザA,Bのうち、ユーザAの起床時刻がAM7:00であり、ユーザBの起床時刻がAM8:00である場合を想定している。
【0106】
図6において、ユーザAの起床時刻よりも30分前のAM6:30になると、ユーザA側の光照射が開始される。その後、実際の起床時刻(AM7:00)に照射光の強さが最大となるように照度調整が行われる。そして、起床時刻(AM7:00)を過ぎ、ユーザの入力操作に伴いコントローラ141に目覚まし停止信号が入力されると、その後ユーザA側の光照射が停止される。
【0107】
目覚まし停止信号が入力されてもユーザが直ぐに起きるとは限らない。また、ユーザが起きたとしても、その後起きる準備等をしたりすることが考えられる。故に、目覚まし停止信号の入力後、所定時間が経過した後に、照明器具74による光照射が停止されるようになっている。ただし、目覚まし停止信号により光照射を自動停止する構成は任意であり、ユーザが起床した後も、そのまま光照射の状態が継続されていても良い。
【0108】
また、ユーザBの起床時刻よりも30分前のAM7:30になると、ユーザB側の光照射が開始される。その後、実際の起床時刻(AM8:00)に照射光の強さが最大となるように照度調整が行われる。そして、起床時刻(AM8:00)を過ぎ、ユーザの入力操作に伴いコントローラ141に目覚まし停止信号が入力されると、その後ユーザB側の光照射が停止される。
【0109】
以上第4の実施の形態によれば、やはり上記の各実施の形態と同様、寝室10内で複数の人が寝ている場合において各人にとって快適なる目覚めを実現することができる。
【0110】
また、ベッド上で用いる長枕121に、ユーザの頭部位置を検知するセンサユニット122を内蔵したため、ベッド上に寝ている人の頭部に対して確実に照射光を当てることができる。
【0111】
(第5の実施の形態)
本実施の形態では、ベッド上で用いる枕に光覚醒機能を付加し、その光覚醒によりユーザを覚醒させるものである。図22は、光覚醒機能を有する目覚まし枕160の全体構成を示す一部破断斜視図である。
【0112】
図22の目覚まし枕160において、枕本体161は、発泡性低反発樹脂(例えば、ポリウレタンの連続気泡発泡材料)にて成型されており、平面視形状が横長の長方形状をなすものとなっている。枕本体161の片面(図の上面)が頭載せ部162となっており、その頭載せ部162は中央が緩やかに凹んだ形状となっている。枕本体161の底面側には、その長手方向に延びるようにして凹部163が形成されている。また、枕本体161には、頭載せ部162と凹部163とを連通する複数の貫通孔164が形成されている。貫通孔164は、例えば均等間隔で点在して設けられ、いずれも同方向を向くように互いに平行に設けられている。
【0113】
また、枕本体161の凹部163には、枕本体161の内部で発光する光源装置166が設けられている。光源装置166は、凹部163内に収容可能な大きさで作製されており、底板167上に載置された状態で光源装置166が枕本体161に組み付けられている。光源装置166及びその周辺部材の詳細な構成を以下に説明する。
【0114】
底板167は凹部163の開口と同形状・同サイズにて形成されており、その底板167上に反射鏡168が固定されている。反射鏡168は長尺板状をなし、その短手方向が弧状に湾曲した形状となっている。反射鏡168は集光板としても機能する。また、底板167上には、反射鏡168の長手方向両側に一対のランプソケット170が設けられており、そのランプソケット170の間に蛍光灯171が取り付けられている。この場合、蛍光灯171が発光すると、その光が反射鏡168によって上方に反射される。その際、枕本体161の貫通孔164を通じて枕上方(頭載せ部162側)に光が放出される。なお、反射鏡168には、蛍光灯171を保護するためのワイヤ等の光源保護部材172が取り付けられている。
【0115】
また、底板167上には、目覚ましタイマの設定機能などを有する設定装置180が設けられている。設定装置180はその一面(設定操作面)が枕本体161から外部に露出しており、その設定操作面には、現在時刻や目覚まし時刻(アラーム時刻)を表示する時刻表示部181や、設定時刻の操作を行うための時刻操作部182や、アラームのON/OFFを切り替えるための切替スイッチ183が設けられている。
【0116】
その他、底板167上には香り発生装置185が設けられている。この場合、香り発生装置185から発生する香りによって、入眠時における精神安定効果が得られる。また、ストレスを軽減したり、リラクゼーションを促したりする効果も期待できる。
【0117】
本実施の形態においても、上記の各実施の形態で説明したように、設定装置180内のコントローラ(図示略)が、起床時刻よりも前(例えば起床時刻前30分)に光源装置166による光照射を開始し、その後起床時刻に至った時に照射光の強さが最大となるよう照射光の強さを徐々に大きくすると良い。これにより、ユーザが希望する起床時刻に至るまでに睡眠深度を徐々に浅くすることができ、起床対象者を起床時刻に無理なく目覚めさせることができる。
【0118】
以上第5の実施の形態によれば、光源装置166を内蔵した目覚まし枕160を用い、起床時刻に応じて光源装置166を発光させて照射光を外部に放射させるようにしたため、各ユーザに対して照射光による個別覚醒が実現できる。この場合、目覚まし枕160上には就寝者の頭が載っているため、目覚まし枕160から光が直接照射される構成はユーザを起床させる上で効果的な手段であると考えられる。
【0119】
目覚まし枕160において、頭載せ部162に貫通孔164(光透過孔)を開口させるようにしたため、照射光は基本的に上方にのみ放射されることとなり、側方に別人(同室者)が寝ていたとしても、その別人への影響を小さくできる。
【0120】
上記の目覚まし枕160に人検知センサを設置し、その人検知センサの検知結果に基づいて光照射を実行する構成としても良い。これにより、実際に目覚まし枕160を使っている場合のみ光照射が行われ、不要な光照射を行わせないようにすることができる。
【0121】
また、目覚まし枕160を複数人で共用できる長枕としても良い。この場合、複数の光源装置を内蔵する構成とし、個々に光照射できる構成とする。
【0122】
上記の各実施の形態において、照射光による目覚まし(覚醒)に加え、音声や振動による目覚まし(覚醒)を行うようにする。この場合、ユーザの個別覚醒を行うには上記のような光覚醒手法が望ましいが、ユーザの目覚めが悪い場合等において音声や振動による目覚まし(覚醒)を適宜行うと良い。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】住宅内に設けられた寝室の概略構成を示す図。
【図2】プロジェクタ装置の光軸方向を可変調整した状態を示す図。
【図3】プロジェクタ装置の構成を示す斜視図。
【図4】図3(a)のA−A線断面図。
【図5】コントローラを中心とする電気的な構成の概略を示す図。
【図6】プロジェクタ装置による目覚まし動作を説明するためのタイムチャート。
【図7】各ベッドに寝ているユーザA,Bへの実際の光照射状況を示す略図。
【図8】各ベッドに寝ているユーザA,Bへの実際の光照射状況を示す略図。
【図9】第2の実施の形態における光覚醒システムの概要を示す図。
【図10】プロジェクタ装置による目覚まし動作を説明するためのタイムチャート。
【図11】第3の実施の形態において寝室内に設置したベッド及び天蓋を示す図。
【図12】天蓋を昇降させるための駆動システムを示す図。
【図13】天蓋、支柱部及びヘリカルギアの結合部における断面構造を示す図。
【図14】天蓋の形状を示す図。
【図15】照明器具が組み込まれた部位の天蓋の断面構造を示す図。
【図16】設定装置の前面部の構成を示す図。
【図17】寝室内システムの電気的な構成を示す略図。
【図18】第4の実施の形態においてダブルベッドに個別覚醒機能を付加した具体例を示す図。
【図19】ヘッドボードの構成を示す図。
【図20】照明ランプの構成を示す図。
【図21】長枕の構成を示す平面図。
【図22】第5の実施の形態において目覚まし枕の全体構成を示す一部破断斜視図。
【符号の説明】
【0124】
10…寝室、11,12…ベッド、13…設定装置、15…プロジェクタ装置、16…スクリーン、41…コントローラ、45…映像再生装置、51,52…ベッド、57…天蓋、74…照明器具、76…人検知センサ、101…ベッド、102…ヘッドボード、104…照明ランプ、121…長枕、122…センサユニット、160…目覚まし枕、164…貫通孔、166…光源装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の寝室に設けられる寝室用光覚醒システムであり、
特定の領域又は特定の方向に光を照射する光源手段と、
ユーザの操作入力に応じて起床時刻と起床対象者とを設定する設定手段と、
前記起床時刻に対応する時刻において前記光源手段を作動させ、その時の起床対象者に対して光照射を行う光照射実行手段と、
を備えたことを特徴とする寝室用光覚醒システム。
【請求項2】
映像を投射可能なプロジェクタ装置を設置した寝室に適用され、
前記光照射実行手段は、前記プロジェクタ装置を前記光源手段として利用して前記光照射を実行することを特徴とする請求項1に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項3】
前記プロジェクタ装置による光照射範囲を前記起床対象者に合わせて変更することを特徴とする請求項2に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項4】
前記光照射実行手段は、前記プロジェクタ装置による照射光の強さを前記起床時刻を基準として所定の態様で調整することを特徴とする請求項2又は3に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項5】
前記光照射実行手段は、前記起床時刻よりも前に前記プロジェクタ装置による光照射を開始し、その後起床時刻に至った時に照射光の強さが最大となるよう照射光の強さを徐々に大きくすることを特徴とする請求項4に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項6】
生体センサ等の計測情報を用いて起床対象者の睡眠状態を判定する手段を備え、
前記光照射実行手段は、前記光照射を行う際、前記起床対象者の睡眠状態に応じて前記プロジェクタ装置による照射光の強さを調整することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項7】
映像ソフトを再生する再生装置を備え、該再生装置により再生した映像を前記プロジェクタ装置により投射する構成において、
前記光照射実行手段は、前記再生映像をプロジェクタ装置により起床対象者に投射することで前記光照射を実行することを特徴とする請求項2に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項8】
複数の起床対象者の起床順序、及び起床時刻の時間差に応じて個別に映像ソフトを用意しておき、
前記光照射実行手段は、寝室内で寝ている人の各々の起床時刻に対応する前記映像ソフトを再生して前記光照射を実行することを特徴とする請求項7に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項9】
前記映像ソフトは、寝室内で寝ている人を各々含む領域ごとに照度調整された映像を記憶したものであり、その再生映像は、その時々の起床対象者を覚醒させる際に、該当する領域を明るくし、それ以外の領域を暗くするものであることを特徴とする請求項7又は8に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項10】
前記映像ソフトは、再生映像が徐々に明るくなる第1シーンと、その後最大照度となる第2シーンとを有するものであり、
前記光照射実行手段は、前記起床時刻よりも前に前記第1シーンが再生され、その後起床時刻に至った時に前記第2シーンが再生されるよう前記再生装置による映像ソフトの再生を実行することを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項11】
前記プロジェクタ装置の光軸方向を変更する光軸可変機能を備え、
前記光照射実行手段は、ユーザが指定する映像をスクリーン部に投射する映像鑑賞モードと、ユーザの起床時に光照射を行う覚醒モードとで前記プロジェクタ装置の光軸方向を変更することを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項12】
寝室内のユーザの睡眠状態を判定する睡眠状態判定手段を備え、
前記光照射実行手段は、前記睡眠状態判定手段により判定したユーザの睡眠状態に応じて前記映像鑑賞モードから前記覚醒モードへの変更を実行することを特徴とする請求項11に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項13】
前記睡眠状態判定手段は、人体センサの検出信号に基づいてユーザの睡眠状態を判定することを特徴とする請求項12に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項14】
複数の人が就寝するための1又は複数のベッドを設置した寝室に適用され、該ベッド上に寝ている人の上方より光照射可能となるよう前記光源手段を設置したことを特徴とする請求項1に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項15】
複数の人が就寝するための1又は複数のベッドを設置するとともに、該ベッドの上方に天蓋を設置した寝室に適用され、その天蓋に前記光源手段を設置したことを特徴とする請求項1に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項16】
前記天蓋を上下方向に変位させるための駆動機構を備えたことを特徴とする請求項15に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項17】
前記ベッド上に寝ている人を検知する人検知センサを有し、
前記光照射実行手段は、前記人検知センサの検知結果に応じて前記光源手段の光照射方向を可変とすることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項18】
前記ベッド上で用いる枕に、ユーザの頭部位置を検知する頭部検知センサを設け、
前記光照射実行手段は、前記頭部検知センサの検知結果に応じて前記光源手段の光照射方向を可変とすることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項19】
前記枕は複数の人が共用する長枕であり、当該枕を共用する人ごとに系統分けして前記頭部検知センサを設けたことを特徴とする請求項18に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項20】
寝室で使用する枕の内部に前記光源手段を収納し、枕本体に設けた光透過孔を通じて前記光源手段の照射光を外部に放射させることを特徴とする請求項1に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項21】
前記枕において、ユーザの頭部を載置するための頭部載置面に前記光透過孔を開口させ、その頭部載置面を発光面としたことを特徴とする請求項20に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項22】
前記枕に人検知センサを設置し、
前記光照射実行手段は、前記人検知センサの検知結果に基づいて前記光照射を実行することを特徴とする請求項20又は21に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項23】
前記光照射実行手段は、前記光源手段による照射光の強さを前記起床時刻を基準として所定の態様で調整することを特徴とする請求項14乃至22のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項24】
前記光照射実行手段は、前記起床時刻よりも前に前記光源手段による光照射を開始し、その後起床時刻に至った時に照射光の強さが最大となるよう照射光の強さを徐々に大きくすることを特徴とする請求項23に記載の寝室用光覚醒システム。
【請求項25】
生体センサ等の計測情報を用いて起床対象者の睡眠状態を判定する手段を備え、
前記光照射実行手段は、前記光照射を行う際、前記起床対象者の睡眠状態に応じて前記光源手段による照射光の強さを調整することを特徴とする請求項14乃至24のいずれかに記載の寝室用光覚醒システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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