説明

寝袋

【課題】胸ポケットがあって使い勝手の良い寝袋を提供する。
【解決手段】胴部11と,胴部11の左右に一体に設けられた腕部12,12と,胴部11の下部に一体に設けられた左右の脚部13,13とを有し,全体として袋状に形成された寝袋であって,胴部11の胸部に左右一対の胸ポケット18,18を設けるとともに,この左右一対の胸ポケット18,18の外側部において胴部11に,寝袋内に摘み33を有するファスナー30をそれぞれ設けた。胸ポケット18,18内の物品を出し入れする際には,胸ポケット18,18の外側部において胴部に設けられているファスナー30,30を,寝袋内でスライダーの摘み33を操作して開け,その開口34から手を出して物品の出し入れを行うことができる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,寝袋に関する。特に人形(ひとがた)の寝袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,人形の寝袋として,例えば特許文献1に見られるような寝袋が知られている。同文献の符号を借りて説明すると,この寝袋は,胴部(1)と,この胴部(1)の左右に一体に設けられた腕部(3)(3)と,前記胴部(1)の下部に一体に設けられた左右の脚部(4)(4)とを有し,全体として袋状に形成されている。
このような人形の寝袋によると,就寝中に腕や脚を自由に動かすことができるとともに,緊急時等には,寝袋内に入ったまま歩行することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−49264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の寝袋では,胸ポケットが設けられていなかったため,必ずしも使い勝手がよいとは言えなかった。
したがって,本発明が解決しようとする課題は,胸ポケットがあって使い勝手の良い寝袋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために,本発明の寝袋は,胴部と,この胴部の左右に一体に設けられた腕部と,前記胴部の下部に一体に設けられた左右の脚部とを有し,全体として袋状に形成された寝袋であって,
前記胴部の胸部に左右一対の胸ポケットを設けるとともに,この左右一対の胸ポケットの外側部において前記胴部に,寝袋内にスライダーの摘みを有するファスナーをそれぞれ設けたことを特徴とする。
この寝袋は,人形の寝袋であるから,就寝中に腕や脚を自由に動かすことができるとともに,緊急時等には,寝袋内に入ったまま歩行することもできる。
そして,この寝袋によれば,胴部の胸部に左右一対の胸ポケットが設けられているので,この胸ポケットに必要な物品を入れておくことができる。また,胸ポケット内の物品を出し入れする際には,胸ポケットの外側部において胴部に設けられているファスナーを,寝袋内でスライダーの摘みを操作して開け,その開口から手を出して物品の出し入れを行うことができるので,必要最小限の開口で出し入れすることができる。したがって,寝袋内の暖気を極力損なわないようにしながら胸ポケットの物品を出し入れすることができる。
以上のようにこの寝袋によれば,胸ポケットがあって使い勝手が向上し,しかも,暖気も損なわれにくいという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明に係る寝袋の一実施の形態を示す正面図。
【図2】同じく背面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下,本発明に係る寝袋の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1,図2に示すように,この寝袋10は,胴部11と,この胴部11の左右に一体に設けられた腕部12,12と,前記胴部11の下部に一体に設けられた左右の脚部13,13とを有し,全体として袋状に形成された寝袋である。
寝袋10の全体形状および素材自体は,公知の人形形状および素材を採用することができる。
【0008】
この実施の形態では,胴部11の上部に,一体に頭部を14をフード状に設け,使用者の顔を出すことができる開口15を設けてある。
開口15には,その縁部に沿って,紐16を通す筒状部(例えば袋縫いによる筒状部)17を設け,その筒状部17に紐16を通してある。開口15の大きさは,紐16を絞ることで調整することができる。
【0009】
胴部11の表側の中央部には,上下方向に延び,上端が前記開口15に連なるセンターファスナー20が設けられている。センターファスナー20は,2つのスライダー21,21を備えており,上下いずれの方向からでも開閉できるようになっている。また,各スライダー21は,寝袋の表側に配置された表側摘み22と,寝袋の内側(寝袋内)に配置された内側摘み23とを備えており,寝袋の外側からでも内側からでもスライダーを操作してファスナーを開閉することができるようになっている。
【0010】
胴部11の胸部には,左右一対の胸ポケット18,18が設けられているとともに,この左右一対の胸ポケット18,18の外側部において胴部11に,サイドファスナー30,30がそれぞれ設けられている。各サイドファスナー30は,2つのスライダー31,31を備えており,上下いずれの方向からでも開閉できるようになっている。また,各スライダー31は,寝袋の表側に配置された表側摘み32と,寝袋の内側(寝袋内)に配置された内側摘み33とを備えており,寝袋の外側からでも内側からでもスライダーを操作してファスナーを開閉することができるようになっている。
【0011】
このような寝袋10は,人形の寝袋であるから,就寝中に腕や脚を腕部12,脚部13に入れた状態で自由に動かすことができるとともに,緊急時等には,寝袋内に入ったまま歩行することもできる。
そして,この寝袋10によれば,胴部11の胸部に左右一対の胸ポケット18,18が設けられているので,この胸ポケット18,18に必要な物品を入れておくことができる。また,胸ポケット18,18(例えば右側の胸ポケット18)内の物品を出し入れする際には,胸ポケット18,18の外側部において胴部に設けられているファスナー30,30(例えば右側のファスナー30)を,寝袋内でスライダーの摘み33を操作して開け,その開口34から手を出して物品の出し入れを行うことができるので,必要最小限の開口34で行うことができる。したがって,寝袋10内の暖気を極力損なわないようにすることができる。
以上のようにこの寝袋10によれば,胸ポケット18,18があって使い勝手が向上し,しかも,暖気も損なわれにくいという効果が得られる。
【0012】
なお,寝袋10への出入りは,センターファスナー20を開いた状態で容易に行うことができる。
この実施の形態のサイドファスナー30は,脚部13の下端近くから,胸ポケット18のの外側部までに亘って設けられているので,上述したように上端部(34)を開くことで,その開口34を通じて胸ポケット18内の物を出し入れすることができるだけでなく,寝袋10内が暑いときには,開口34を大きくして熱気が逃げやすくすることもできる。また,サイドファスナー30の下部を開くことで,その開口35から足を出すこともできる。
【0013】
腕部12,12の先端部分には,半円弧状のファスナー40,40が設けられている。各ファスナー40は,スライダー41を備えており,各スライダー41は,寝袋の表側に配置された表側摘み42と,寝袋の内側(寝袋内)に配置された内側摘み43とを備えており,寝袋の外側からでも内側からでもスライダーを操作してファスナー40を開閉することができるようになっている。したがって,使用者は,ファスナー40を開くことにより,その開口44から手を出すことができる。
【0014】
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0015】
10 寝袋
11 胴部
12 腕部
13 脚部
18 胸ポケット
30 サイドファスナー(ファスナー)
33 内側摘み(摘み)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部と,この胴部の左右に一体に設けられた腕部と,前記胴部の下部に一体に設けられた左右の脚部とを有し,全体として袋状に形成された寝袋であって,
前記胴部の胸部に左右一対の胸ポケットを設けるとともに,この左右一対の胸ポケットの外側部において前記胴部に,寝袋内に摘みを有するファスナーをそれぞれ設けたことを特徴とする寝袋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−9801(P2013−9801A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143935(P2011−143935)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000109129)株式会社ダイヤコーポレーション (31)