説明

寸法測定装置

【課題】 投受光器間のビームの経路に対する塵や埃のような微小な異物の局部的な付着を確実に検出できるようにする。
【解決手段】 受光器22から出力される受光信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間に設定された第1のしきい値Vsによって2値化した2値化信号を第1のカウンタ28で計数するとともに、受光信号のピークレベルと第1のしきい値との間に設定された第2のしきい値Vdによって受光信号を2値化した2値化信号を第2のカウンタ31で計数し、判定回路32において、第1、第2のカウンタ28、31の計数結果を比較して、投受光器間のビームの経路に局部的に付着した異物の有無を判定し、異物の付着があると判定されたときにこれを報知回路33によって報知する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投光器から被測定物に出力されたビームを受光器によって受光し、その受光信号に基づいて被測定物の外径等の寸法を非接触に測定する寸法測定装置において、ビームの経路に付着する異物を検出するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、物品の外径寸法を測定するための寸法測定装置は、図5に示すように構成されている。即ち、投光器11から平行に幅Wの範囲を走査されたビームを被測定物1に向かって出力し、そのビームを受光器12で受ける。
【0003】受光器12は、例えば図6の(a)に示すように、被測定物1に対する光ビームの通過位置毎の受光強度に比例した受光信号を2値化回路13に出力する。
【0004】2値化回路13は、しきい値出力回路14から出力されるしきい値Vsと受光信号とを比較して、例えば図6の(b)のように受光信号のレベルがしきい値Vsより高いときにはハイレベル、受光信号がしきい値Vsより低いときにはローレベルとなる2値化信号に変換する。
【0005】外径演算回路15は、2値化信号のレベル反転タイミングとビームの時間に対する光軸位置の関係から、被測定物の外径φを求める。
【0006】このように、受光信号のレベルに基づいて被測定物の寸法を測定する寸法測定装置では、ビームの経路、例えば、投光器の投光窓や対物レンズの表面、受光器の受光窓や対物レンズの表面の広い範囲に、被測定物の製造工程等で発生するガスが膜状に付着すると、図6R>6の(a)で点線で示すように、受光信号のピークレベルLpがLp′のように低下し、2値化のタイミングがずれ、受光信号のS/Nが悪化して測定誤差が大きくなる。このため、従来では、図5に示しているように、ピーク検知回路16によって受光信号のピークレベルを検出し、このピークレベルの変化にしきい値Vsを追従させるとともに、このピークレベルを常時監視してそのピークレベルが大きく低下したときに、ビームの経路に対する清掃等を行なうようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記したように受光信号のピークレベルを監視する従来の寸法測定装置では、膜状に広い範囲に付着した汚れは検知できるが、局部的に付着する塵や埃のような微小な異物を検知することができない。即ち、塵や埃のような微小な異物が局部的に付着した場合、受光信号はビームの一走査期間中にその異物によって一時的に急峻に低下するだけでピーク値に影響を与えないため、これを検出することができない。
【0008】これを解決するための技術として、特開平04−285189号には、被測定物と交わらないビームを受光している期間の受光信号(明部信号)の揺らぎを検出して、その揺らぎが大きくなったときにアラームを出力する技術が開示されている。
【0009】しかしながら、この技術では受光信号から明部信号を抽出するために複数の遅延素子を用いており、その遅延時間の設定が難しいという問題がある。
【0010】即ち、遅延時間を長く設定すると抽出される信号の時間が実際の明部信号より短くなって狭い幅の揺らぎを見過ごしてしまう。また遅延時間を短く設定すると、受光信号の暗部から明部への立ち上がり部分および明部から暗部への立ち上がり部分を含めた信号を抽出してしまい、これを揺らぎ成分と誤判定してしまう。しかも、この明部の幅はビームの走査時間と被測定物の測定対象寸法とによって変わるため、遅延時間の設定の困難さがさらに増すことになる。
【0011】このため、面倒な調整をすることなく、微小な異物の付着を確実に検出する技術の実現が望まれていた。
【0012】本発明は、この問題を解決し、塵や埃のような微小な異物の局部的な付着を確実に検出できるようにした寸法測定装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明の請求項1の寸法測定装置は、同一平面上を光軸が平行に移動するように走査されたビームを出射する投光器と、前記投光器から出射されるビームの走査範囲内に配置された被測定物をはさんで前記投光器と対向する位置に配置され、前記投光器から出射されたビームを受けてその強度に応じた受光信号を出力する受光器と、前記受光信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間に設定された第1のしきい値を出力する第1のしきい値出力回路と、前記受光信号を前記第1のしきい値と比較して2値化信号に変換する第1の2値化回路と、前記第1の2値化回路から出力される2値化信号のレベル反転タイミングに基づいて被測定物の寸法を算出する演算回路と、前記第1の2値化回路から出力される2値化信号のパルスを計数する第1のカウンタと、前記受光信号のピークレベルと前記第1のしきい値との間に設定された第2のしきい値を出力する第2のしきい値出力回路と、前記受光信号を前記第2のしきい値と比較して2値化信号に変換する第2の2値化回路と、前記第2の2値化回路から出力される2値化信号のパルスを計数する第2のカウンタと、前記第1のカウンタの計数結果と前記第2のカウンタの計数結果とを比較し、前記第2のカウンタの計数結果が前記第1のカウンタの計数結果より大きいか否かを判定する判定回路と、前記判定回路によって前記第2のカウンタの計数結果が前記第1のカウンタの計数結果より大きいと判定されたとき、前記投光器と受光器との間のビームの経路に異物が付着していることを報知する報知回路とを備えている。
【0014】また、本発明の請求項2の寸法測定装置は、請求項1記載の寸法測定装置において、前記第2のしきい値出力回路は、前記受光信号のピークレベルと第1のしきい値との間でレベルの異なる第2のしきい値を出力できるように構成され、前記判定回路は、前記第2のしきい値の各レベルに対する前記第2のカウンタの計数結果に基づいて異物の付着程度を判定し、前記報知回路は、前記判定回路によって判定された異物の付着程度に対応した報知を行なうことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態の寸法測定装置の構成を示す図である。
【0016】図1において、投光器21は、レーザ光源(図示せず)から出力されるビームを一定の平面上で所定幅W内を平行に且つ一定周期で往復走査するように偏向して投光器21と対向する受光器22へ出射する。
【0017】受光器22は、投光器21から出射されるビームを受けて受光素子(図示せず)の受光面に集光し、受光した光の強度に比例した受光信号を出力する。
【0018】被測定物1は、投光器21から出射されるビームの走査範囲内に配置されており、被測定物1がビームを透過しない材料で構成されているものとするば、ビームの走査位置が被測定物1に交わる期間は受光器22がほぼ遮光状態となり受光信号のレベルは低く(ほぼ0)なる。また、ビームの走査位置が被測定物1と交わらない期間は、ビームが受光器22に直接入力して、受光信号のレベルは投光器21から出射されるビームの強度に比例した大きなレベルとなる。
【0019】ピーク検出回路23は、受光器22から出力される受光信号のピークレベル、即ち、ビームの走査位置が被測定物1と交わらない期間の受光信号の最大レベルを検出する。このピークレベルの検出は、例えばビームの走査周期毎に行なわれる。
【0020】第1のしきい値出力回路24は、ピーク値検出回路23によって検出されたピークレベルのほぼ1/2に設定された第1のしきい値Vsをピークレベルに追従させるように出力する。なお、ここでは、ビームの走査位置が被測定物1と交わっている期間の受光信号のレベルがほぼ0として第1のしきい値Vsを受光信号のピークレベルのほぼ1/2に設定しているが、被測定物1がビームに対して透光性を有している場合には、ビームの走査位置が被測定物1と交わっている期間の受光信号のレベルが0より高くなるので、そのレベル(ボトムレベル)を検出して、ピークレベルとボトムレベルのほぼ中間に第1のしきい値Vsを設定すればよい。
【0021】第1の2値化回路25は、受光器22から出力される受光信号を第1のしきい値Vsと比較して2値化信号に変換して出力する。
【0022】外径演算回路26は、第1の2値化回路25から出力される2値化信号のレベルが反転するタイミングと、ビームの光軸位置と時間との関係等に基づいて被測定物1の外径寸法φを算出し、その算出結果を表示器27に表示する。
【0023】第1のカウンタ28は、投光器21がビームを少なくとも片道走査する期間Taに第1の2値化回路25から出力される2値化信号のパルスを計数する。
【0024】第2のしきい値出力回路29は、ピーク検出回路23によって検出されたピークレベルと第1のしきい値Vsとの間に設定された第2のしきい値Vdをピークレベルに追従するように出力する。第2のしきい値Vdは、ピーク検出回路23によって検出されたピークレベルの例えば90パーセントの値に設定されている。
【0025】第2の2値化回路30は、受光器22から出力される受光信号を第2のしきい値Vdと比較して2値化信号に変換して第2のカウンタ31へ出力する。
【0026】第2のカウンタ31は、第1のカウンタ28の計数期間Taと同一期間に、第2の2値化回路30から出力される2値化信号のパルスを計数する。
【0027】判定回路32は、第2のカウンタ31の計数結果Bと第1のカウンタ28の計数結果Aとの差(B−A)を求め、その差が正であればその差に応じた異物付着信号を出力する。
【0028】報知回路33は、判定回路32からの異物付着信号を受けて、投受光器間のビームの経路に異物が付着していることを音や光によって報知する。なお、報知回路33は、例えばブザー等で異物付着を報知する場合には、判定回路32からの異物付着信号に応じて(計数結果の差に応じて)音量、音の高さ、音の発生間隔等を変化させる。また、ランプの点灯や点滅で異物付着を報知する場合には、判定回路32からの異物付着信号に応じて光の強さ、点灯ランプの色、点滅間隔等を変化させる。
【0029】次に、この寸法測定装置の動作を説明する。投受光器間のビームの経路に異物が付着していない場合、図2の(a)に示すように、投光器21から出射されるビームの走査位置が被測定物1から最も遠い位置(走査周期のスタート位置)にある時刻t1から最初に被測定物1のエッジに交わる直前までは、受光信号のレベルが高くほぼ一定で、ビームの走査位置が被測定物1のエッジに交わると受光信号のレベルが低下し、時刻t2には第1のしきい値Vsと等しくなる。
【0030】さらにビームの走査位置が内側に移動するとビームは被測定物に完全に遮光されて受光信号のレベルがほぼ0で一定となる。
【0031】そして、ビームの走査位置が被測定物1の反対側のエッジに交わると受光信号のレベルが急激に高くなり、時刻t3には第1のしきい値Vsと等しくなり、ビームの走査位置が被測定物1と交わらない位置まで移動してから被測定物に対して最も遠い位置まで移動した時刻t4までは、受光信号のレベルが高い状態に維持される。
【0032】ここで、時刻t1から時刻t4までの期間がビームの片道の走査期間Taであり、以後、時刻t1から時刻t4までの受光信号が、ビームの往復走査が継続している間繰り返し出力される。
【0033】この受光信号は、第1の2値化回路25において受光信号のピークレベルのほぼ1/2に設定された第1のしきい値Vsと比較されて、図2の(b)に示す2値化信号に変換される。
【0034】外径演算回路26は、この2値化信号の立ち下がりと立ち上がりのタイミングと、Ta期間中におけるビームの走査位置との関係から、被測定物1の外径寸法φを求めて表示器27に表示する。
【0035】例えば、ビームの走査速度が一定であれば、2値化信号の立ち下がりから立ち上がりまでの時間Tbにビームの走査速度を乗じて、被測定物1の外径寸法φを求める。またビームがその走査中心を基準にしてAcos ωtの位置にあるように走査される場合には、次式によって被測定物1の外径寸法φを求める。
φ=A|cos ω(t2−t1)−cos ω(t3−t1)|
【0036】また、第1のカウンタ28は、期間Taに第1の2値化回路25から出力される2値化信号のパルスを計数する。ここで、第1のカウンタ28が2値化信号の立ち下がりをカウントするものとすれば、期間Taの第1のカウンタ28の計数結果は、図2の(c)に示すように「1」となる。
【0037】一方、ビームが被測定物1と交わらない期間の受光信号のレベルは、第2のしきい値Vdより高いので、第2の2値化回路30からは、図2の(d)に示すように、第1の2値化回路25から出力される2値化信号とほぼ同期した2値化信号が出力される。なお、第2のしきい値Vdは第1のしきい値Vsより高いので、第2の2値化回路30から出力されるローレベルパルスの幅は第1の2値化回路25から出力されるローレベルパルスの幅より僅かに広い。
【0038】したがって、期間Taにおける第2のカウンタ31の計数結果も、図2の(e)に示すように「1」となり、第1のカウンタ28の計数結果と等しい。このため、判定回路32からは異物付着信号は出力されない。
【0039】また、投受光器間のビームの経路に局部的に異物が付着した場合、例えば図3の(a)に示すように、ビームの走査位置が被測定物1から最も遠い位置にある時刻t1から最初に被測定物1のエッジに交わるまでの期間に異物によって第1のしきい値Vsと第2のしきい値Vdとの間までレベルが短時間だけ急峻に低下する異物パルスpが発生する。
【0040】この異物パルスpは、ピーク検出回路23で検出されるピークレベルには影響を与えないので、第1の2値化回路25は異物が無い場合と同様に図3の(b)に示す2値化信号を出力し、第1のカウンタ28の計数結果は図3の(c)のように「1」となる。
【0041】これに対し、第2の2値化回路30は、異物パルスpに交わる第2のしきい値Vdで受光信号を2値化するため、図3の(d)に示すように、受光信号の異物パルスpにそれぞれ対応した幅狭のローレベルパルスqを含む2値化信号が出力され、第2のカウンタ31の計数結果は、図3の(e)に示すように、Ta期間に発生するローレベルパルスqと被測定物1によって生じる1つの幅広のローレベルパルスの合計(図3では「3」)となる。
【0042】したがって、期間Taにおける第2のカウンタ31の計数結果は、第1のカウンタ28の計数結果より大きくなり、判定回路32からはその計数結果の差に応じた異物付着信号が出力される。
【0043】この異物付着信号を受けた報知回路33は、投受光器間のビームの経路に異物が付着していることを光や音によって報知する。
【0044】報知回路33によって異物付着のあることを知った者は、その報知回路33が出力する光や音の状態によって、異物の付着程度を判断し、その付着程度に応じて清掃等を行なう。
【0045】以上のように、この実施形態の寸法測定装置では、受光信号をそのピークレベルとボトムレベルのほぼ中間に設定された第1のしきい値によって2値化した2値化信号と、受光信号のピークレベルと第1のしきい値との間に設定された第2のしきい値によって2値化した2値化信号の計数結果を比較することによって、投受光器間のビームの経路に局部的に付着した異物を検出して、これを報知するように構成されているので、面倒な調整をすることなく、微小な異物の付着を検出することができる。
【0046】また、計数結果の差に応じた報知を行なっているから、異物の付着程度(付着異物の数)が容易に判断できる。
【0047】なお、この実施形態では局部的に付着する微小な異物を検出する場合についてのみ説明していたが、ピーク検出回路23が検出する受光信号のピークレベルとそのピークレベルに追従しない固定された第3のしきい値とを比較して、ビームの経路に膜状に付着した汚れも合わせて検出するようにしてもよい。
【0048】
【他の実施の形態】前記実施形態では、第1のカウンタと第2のカウンタの計数結果の差、即ち、異物の数に応じた報知を行なうようにしていたが、異物の数とともにビームに対する異物の減衰量(異物パルスpの大きさ)に応じた報知を行なうようにしてもよい。
【0049】例えば、図4に示す寸法測定装置のように、第1、第2のカウンタ28、31の計数結果に差があるとき、判定回路51が第2のしきい値出力回路29を制御して第2のしきい値Vdを受光信号のピークレベルと第1のしきい値Vsの間で可変して、この第2のしきい値Vdの変化に対する第2のカウンタの計数結果の変化に基づいて、異物の数と異物の減衰量とを判定し、その判定結果に応じた異物付着信号を報知回路33に出力する。
【0050】例えば、第2のしきい値Vdが受光信号のピークレベルの90パーセントのときに、第1、第2のカウンタの計数結果の差(B−A)がM1(>0)、第2のしきい値Vdをピークレベルの75パーセントに下げたときの計数結果の差(B−A)がM2、第2のしきい値Vdをピークレベルの60パーセントに下げたときの計数結果の差(B−A)がM3の場合、次の演算によって異物の付着程度を示す指数Kを算出する。
【0051】K=αM3+β(M2−M3)+γ(M1−M2−M3)
ここで、α、β、γは重み付け係数であり、異物の減衰量を重視する場合にはα>β>γとなるように設定し、異物の数を重視する場合にはα<β<γとなるように設定する。
【0052】このようにして求めた指数Kと、予め設定された程度範囲と比較し、その比較結果を異物付着信号として報知回路33に出力したり、あるいは指数Kそのものを異物付着信号として報知回路33に出力して報知させる。
【0053】このように、異物の数だけでなくその減衰量を含めて判定することにより、異物の付着程度をより正確に把握することができ、異物付着程度に応じた適切な処置が行なえる。なお、図4の寸法測定装置の場合、ビームの走査周期に同期したタイミングで第2のしきい値Vdのレベルを可変する。
【0054】また、図4に示した寸法測定装置では、第2のしきい値Vdを段階的に異なるレベルに可変していたが、第2のしきい値出力回路がピークレベルと第1のしきい値Vsとの間でレベルの異なる複数(N個)のしきい値Vd1、Vd2、Vd3、…、Vdnを並列出力するように構成するとともに、第2の2値化回路30および第2のカウンタ31をN組設け、これらN組の第2の2値化回路30および第2のカウンタ31によって、受光器22からの受光信号を各しきい値Vd1〜Vdnでそれぞれ2値化し、その2値化信号のパルスをそれぞれ計数してN個の計数結果B1〜Bnを求め、そのうちで最大の計数結果Bmax と第1のカウンタ28の計数結果Aとを判定回路で比較し、Bmax >Aのときに、例えば前式のように異物の付着程度を示す指数Kを求めて、この指数に応じた報知を行なうようにしてもよい。このように構成した場合には、最低1回のビーム走査で異物の付着程度を詳細に判定することができる。
【0055】また、前記実施形態では、音や光によって異物の付着を報知していたが、この報知とともに、第1、第2のカウンタの計数結果の差(B−A)、異物の付着程度を示す前記指数Kの値、第2のしきい値のレベル毎の計数結果の差等を表示器に表示してもよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1の寸法測定装置は、受光器から出力される受光信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間に設定された第1のしきい値で2値化した2値化信号と、受光信号のピークレベルと第1のしきい値との間に設定された第2のしきい値で2値化した2値化信号の計数結果を比較することによって、投受光器間のビームの経路に局部的に付着した異物の有無を判定し、これを報知するように構成されている。
【0057】このため、面倒な調整をすることなく、微小な異物の付着を確実に検出することができる。
【0058】また、本発明の請求項2の寸法測定装置は、受光信号のピークレベルと第1のしきい値との間でレベルの異なる第2のしきい値を出力できるように第2のしきい値出力回路を構成し、第2のしきい値の各レベルに対する第2のカウンタの計数結果に基づいて判定回路が異物の付着程度を判定し、この異物の付着程度に対応した報知を行なうようにしている。
【0059】このため、異物の数およびビームに対する減衰量を含めたより正確な異物の付着程度を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図
【図2】一実施形態の動作を説明するための信号図
【図3】一実施形態の動作を説明するための信号図
【図4】本発明の他の実施形態の構成を示すブロック図
【図5】従来装置の構成を示すブロック図
【図6】従来装置の動作を説明するための信号図
【符号の説明】
1 被測定物
21 投光器
22 受光器
23 ピーク検出回路
24 第1のしきい値出力回路
25 第1の2値化回路
26 外径演算回路
28 第1のカウンタ
29 第2のしきい値出力回路
30 第2の2値化回路
31 第2のカウンタ
32 判定回路
33 報知回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】同一平面上を光軸が平行に移動するように走査されたビームを出射する投光器と、前記投光器から出射されるビームの走査範囲内に配置された被測定物をはさんで前記投光器と対向する位置に配置され、前記投光器から出射されたビームを受けてその強度に応じた受光信号を出力する受光器と、前記受光信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間に設定された第1のしきい値を出力する第1のしきい値出力回路と、前記受光信号を前記第1のしきい値と比較して2値化信号に変換する第1の2値化回路と、前記第1の2値化回路から出力される2値化信号のレベル反転タイミングに基づいて被測定物の外形寸法を算出する演算回路と、前記第1の2値化回路から出力される2値化信号のパルスを計数する第1のカウンタと、前記受光信号のピークレベルと前記第1のしきい値との間に設定された第2のしきい値を出力する第2のしきい値出力回路と、前記受光信号を前記第2のしきい値と比較して2値化信号に変換する第2の2値化回路と、前記第2の2値化回路から出力される2値化信号のパルスを計数する第2のカウンタと、前記第1のカウンタの計数結果と前記第2のカウンタの計数結果とを比較し、前記第2のカウンタの計数結果が前記第1のカウンタの計数結果より大きいか否かを判定する判定回路と、前記判定回路によって前記第2のカウンタの計数結果が前記第1のカウンタの計数結果より大きいと判定されたとき、前記投光器と受光器との間のビームの経路に異物が付着していることを報知する報知回路とを備えた寸法測定装置。
【請求項2】前記第2のしきい値出力回路は、前記受光信号のピークレベルと第1のしきい値との間でレベルの異なる第2のしきい値を出力できるように構成され、前記判定回路は、前記第2のしきい値の各レベルに対する前記第2のカウンタの計数結果に基づいて異物の付着程度を判定し、前記報知回路は、前記判定回路によって判定された異物の付着程度に対応した報知を行なうことを特徴とする請求項1記載の寸法測定装置。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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