説明

寸法石の切出し方法および列掘削装置

本発明は、寸法石の切出し方法ならびにそれに使用される列掘削装置に関する。掘削装置(8)は組み枠なしであって、第1のブーム(11)と第2のブーム(12)を有し、その間には、ブームを互いに対して動かすことができる連結機構(13)が配設されている。さらに、連結機構に関連して石支持部(14)が配設され、これは、掘削装置を掘削孔列(6)の近傍に一度おおまかに配置すると、石に対して当接可能である。掘削装置の掘削孔列方向への微調整位置決めは、連結機構によって構成された連結部によって行なわれる。掘削孔(7)の位置決めは、第2のブーム(12)を弧状の運動経路に沿って回転することにより、および掘削ユニット(15)を掘削しようとする石の方に回転させることにより行なう。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、寸法石の切出し方法に関する。本方法は、岩石あるいは石ブロックに複数の孔を少なくとも一本の掘削孔列に、所望の相互の孔間隔で掘削することを含む。掘削には、掘削ユニットを備えるブームを含む列掘削機が使用され、ブームは順に、削岩機、送り桁および送り装置を含む。組み枠なしの列掘削では、掘削ユニットは、掘削孔列において掘削された掘削孔から次に掘削される掘削孔へブームによって配置される。掘削後、掘削孔列で決まった位置から寸法石ブロックを切り離して、さらに加工する。本発明はさらに、寸法石を切り出す列掘削装置に関する。
【0002】
本発明の対象は、本願の独立請求項の前段にさらに正確に記載されている。
【0003】
高品質岩石を岩石から巨大なブロックとして分離し、各ブロックは所望のより小さいブロックに分割される。運搬可能な大きさの寸法石のブロックを採掘場から運んで、さらに装飾用タイル、水平台、墓石等の 製品に加工する。寸法石を切出すため、1本以上の掘削孔列を岩石に掘削する。掘削後、寸法石ブロックは爆破によって、またはくさびを用いて切り離すことができる。寸法石ブロックは、同様の方法で 分割する。掘削は列掘削機によって行ない、列掘削機は通常、掘削される孔列の方向に配置された機械的な組み枠を有し、掘削ユニットを孔から孔へ操作する。しかし、このような組み枠を有する掘削機は、重くて使いにくく、複雑な構造となる。したがって、組み枠なしの列掘削機が開発されている。たとえば、欧州特許公報EP-0 551 299-B1に開示の装置は、ブームを有し、掘削ユニットが最外側の端部に配設されている。掘削ユニットは、掘削列上の最初に掘削すべき孔の開始点、および最後に掘削すべき孔の開始点に配置され、さらに、孔間隔をとった後、掘削機の制御ユニットによって、掘削される各掘削孔の開始位置に 掘削ユニットをブームを使って位置決めする。しかし、この解決法の不都合な点は、掘削される掘削孔列の開始および最後の孔の各開始点に掘削ユニットを位置決めするのが緩慢であることである。さらに、掘削ユニットは比較的長いブームの最外側端部にあり、ブームの正確な位置決めが困難になっている。
【発明の簡単な説明】
【0004】
本発明は、寸法石の新規で改良された切出し方法と、それに適した新規で改良された列掘削装置を達成することを目的とする。
【0005】
本発明による方法は、第1のブーム、第2のブーム、これらのブームの間の実質的に水平な第1の連結部、および第2のブームと掘削ユニットの間の実質的に水平な第2の連結部を含む列掘削装置を使用し、第1のブームと第2のブームとの間で石に対向して石支持部を支持し、掘削孔列の近傍に列掘削装置を配置して第1の連結部および第2の連結部を掘削される掘削孔列に対して垂直に整列させ、掘削が完了するまでこの位置をそのまま保持し、第1の連結部を中心として第2のブームを回転させることにより掘削孔列に属する孔の間で掘削ユニットを位置決めし、それによって第2のブームが掘削孔列方向にのみ移動し、第2のブームの掘削ユニットが弧状の移動経路に沿って回転し、掘削されるそれぞれの掘削孔で、第2の連結部に対して掘削ユニットを回転させることにより被掘削対象に対して掘削ユニットの位置を調整することを特徴とする。
【0006】
本発明の列掘削装置は、第1のブームおよび第2のブームを含み、このブームの間には連結機構が配設され、これは少なくとも1つの実質的に水平な第1の連結部を含み、これを中心として第2のブームが第1のブームの長手軸に対して横切る方向に回転可能であり、第1のブームと第2のブームとの間には、掘削期間中、掘削される岩石に対して支持可能な少なくとも1つの石支持部が配設され、第2のブームと掘削ユニットの間には実質的に水平な第2の連結部が配設され、掘削ユニットは第2の連結部を中心として第2のブームに対して回転可能であり、第2のブームは、第1の連結部と第2の連結部の間に何らかの連結部を有さない長手方向要素であり、掘削孔列に応じた掘削孔への掘削ユニットの位置決めは、第2のブームを掘削孔列方向にのみ回転させることによって実行するよう構成され、掘削された各掘削孔での掘削ユニットの位置は、第2のブームに対して掘削ユニットを回転させることで設定されるよう調整されている。
【0007】
本発明の考えは、寸法石の切出しにおいて組み枠のない列掘削装置を使い、この装置は、連結機構によって互いに連結された第1および第2のブームを含むことである。さらに、ブームの間の部分には、第2の、すなわち最端部のブームの移動中および掘削中、岩石に対して位置決めすることができる石支持部を有する。さらに、本発明の考えは、掘削孔列の方向にのみ第2のブームを動かすことができるように第2のブームを位置決めすることである。この位置は、掘削の完了まで保たれる。掘削ユニットは、実質的に水平な第1の連結部を中心として第2のブームを回転させることによって掘削孔列に属する掘削孔の間に移動させ、第2のブームにある掘削ユニットを弧状の移動経路に沿って回転させる。さらに、被掘削対象物に対する掘削ユニットの位置は、第2のブームと掘削ユニットの間に配設された実質的に水平な第2の連結部に対して掘削ユニットを回転させることにより、掘削される各々の掘削孔に調整される。
【0008】
本発明の利点は、掘削される掘削孔への掘削ユニットの位置決めを簡単な回転運動によって行なうことができ、位置決めに制御ユニットで何らかの複雑な計算を必要としないことである。第2のブームの第1の連結部および第2の連結部を掘削孔列に対して垂直に位置決めした後に、第2のブームを掘削孔列方向に移動させ、これによってさらに簡単で正確に制御することができる。
【0009】
1つの実施例の考えは、第2のブームが堅い単一部材であることである。この実施例では、第2のブームは非常に簡単な構造で、これは製造が簡単で耐久性がある。さらに、この種のブームは操作が簡単である。
【0010】
1つの実施例の考えは、第2のブームの 掘削孔列の方向への移動によって掘削孔列での位置決めを行なう間、第1の連結部および第2の連結部を除いて列掘削装置に属する他のすべての連結部が静止状態にあることである。
【0011】
1つの実施例の考えは、直状連結部、すなわち、いわゆるズームが第1のブームと第2のブームの間の連結機構に接続されて配設され、この連結部によって第1のブームに対して第2のブームおよび掘削ユニットが同時に直線方向に 移動することができることである。これによってまた、たとえ第1のブームがすでに石支持部によって支持され固定されていたとしても、直線方向の微調整位置決めを行なうことができる。
【0012】
1つの実施例の考えは、少なくとも1つの実質的に垂直な連結部、すなわち、いわゆるロールオーバ連結部が第1のブームと第2のブームの間の連結機構に接続されて配設され、その連結部を中心として第2のブームおよび掘削ユニットが回転部によって同時に回転可能であることである。この連結部によって、掘削される掘削孔列の方向へ掘削ユニットを簡単に配置することができる。
【0013】
1つの実施例の考えは、掘削装置の粗い 位置決めを容易にする少なくとも1つの水平な連結部が第1のブームと連結機構との間に配設されていることである。
【0014】
1つの実施例の考えは、少なくとも1つの水平連結部が第2のブームと連結機構の間に配設され、第2のブームを掘削される石に対して傾けることができることである。
【0015】
1つの実施例の考えは、操作者が運搬装置上に配置された操作室等から粗い位置決めを行なうことにある。さらに、操作者は、掘削すべき掘削孔列を操作者が良好に視認することができる掘削現場から携帯遠隔操作器を使って、微調整位置決め、掘削孔における位置決め、および掘削自体についての指示を発する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明のいくつかの実施例を添付図 面により詳細に説明する。
【図1】寸法石の切出し手順を示す概略図である。
【図2】可動台車に配設された本発明の列 掘削装置を示す概略側面図である。
【図3】本発明の列掘削装置におけるブーム間の連結機構を示す概略側面図である。
【図4】第2のブームを円弧に沿って回転することにより 掘削孔列に掘削ユニットを位置決めすることを示すM方向から見た概略図である。
【図5】本発明の列掘削装置の一部を前方から見た斜視図である。
【図6a】ないし
【図6c】様々な位置決め位置に回転させた本発明の列掘削装置を示す概略正面図である。 明確にするため図面では本発明のいくつかの実施例を簡略的に示す。図中、類似の要素は同様の参照符号で表す。
【発明のいくつかの実施例の詳細な説明】
【0017】
図1は、岩石1から寸法石を切り出す手順を示す。切出し場所には一般に、段2があり、段から大きい石ブロック3を切り離して小ブロック4に、さらに運搬可能な寸法の石ブロック5に分割する。大きい石ブロック3を切り離し、そこから小さな断片に分割する場合、同じ列掘削機を使用できるか、もしくは代わるものとして、切離しおよび分割用の特別な装置を使用してもよい。図1の切出しでは、比較的小さい径の複数の掘削孔7を段2の中へ上から下方に、第1の掘削孔列6aおよび第2の掘削孔列6bに沿って互いに所定の孔間隔Eで掘削する。掘削は台車から行なってよく、台車は、掘削期間中、段の上に置いておいてよい。全掘削段階を行なってしまうと、掘削孔7の中に配置した爆薬を爆破することにより、大きい石ブロック3を段2より切り離す。大きい石ブロック3を切り離したら、シャーシを段2からその上部で移動してもよく、その後、分割を始めることができる。この位置で、第3の掘削孔列6cを石ブロック3に掘削してもよく、その後、爆破またはくさびによってブロック4を分割することができる。ブロック4は地面に倒してもよく、その後、第4の掘削孔列6dおよび第5の掘削孔列6eを掘削することにより、分割を地面の上で続けることができる。再び掘削孔列で切り離しを行なうことによって、トラック等を使って、たとえば、さらに先の工程場所へ輸送可能な大きさの寸法石ブロック5を形成することができる。図1に示した解決法の代わりを挙げるなら、分割は、なにか他の適当な方法で行なってもよい。目的は、寸法石ブロック4をできるだけ矩形に作り出すために、掘削孔列の掘削孔をできるだけ直線状に掘削して無駄な石を最小にすることである。目的は、寸法石ブロック4からできるだけ正確に立方体または直方体を分割することである。
【0018】
図2は、寸法石を分割するところを図示したものである。列掘削装置8は、可動台車10、たとえば掘削機または採掘車に固定部9によって固定することができる。このように、列掘削装置8は分離できる装置でよい。あるいは、台車10の一部として一体的であってもよい。列掘削装置8は、第1のブーム11および第2のブーム12を有する。第1のブーム11は、第1ブーム部分11aおよび第2ブーム部分11bを有し、その間に少なくとも1つの連結部11cが配設され、これによって両ブーム部分は相対的に移動可能である。第2のブーム12は1部品のみからなってよい。第1のブーム11を使用して、本装置をおおよそ、掘削する掘削孔列6の近くに配置することができる。このおおよその配置は、台車10から、たとえば操作室から操作者によって行なうことができる。第1のブーム11と第2のブーム12の間には連結機構13が配設され、これは、掘削孔列の方向において掘削装置の微調整位置決めが正確にできるように第2のブーム12を様々に動かす1つ以上の連結部を有している。さらに、第1のブーム11と第2のブーム12の間には、おおよその位置決めの後、石に対して支持可能な石支持部14が配設されている。石支持部14は、スパイクかまたは他の適当な支持部材であってよい。一旦、石支持部14がその位置で支持されると、第1のブーム11は固定状態を保ち、本装置の位置の微調整と掘削される孔の位置決めを連結機 構13および第2のブーム12によって行なう。第2のブームには、掘削ユニット15が回転可能に配設され、これは、少なくとも1つの送り桁16を有し、これに沿って削岩機17が移動できる。削岩機17は、これに連結された工具に衝撃波を与え掘削中その長手軸に沿って工具を回転させる 打撃掘削機であってよい。もちろん削岩機17は、目的に合わせて他のどんな空気圧、流体圧または電気の掘削機でもよい。ある場合には、第2のブーム12は、2つ以上の掘削ユニットを備えていてもよい。さらに、2つ以上の列掘削機8を台車10上に設置することも可能である。図2はさらに、操作者18が遠隔操作器19によって本装置の制御操作をすることができることを示し、操作者18は掘削する掘削孔列6がよく見える位置にある。遠隔操作器19とシャーシ上の制御ユニット20との間に無線データ転送路があってもよい。
【0019】
図3は、第1のブーム11と第2のブーム12との間の連結機構13の適切な構造を示している。第1のブームの第2ブーム部11bは、水平連結部21によって連結機構13に連結することができる。これによって、台車に対する列掘削装置8の高さ位置を変えることができる。さらに、連結機構13は、いわゆるロールオーバ連結である垂直連結部22有し、これによって連結機構13は、掘削孔列6の方向において位置決めを行なえるようにB方向に回転する。連結部22を中心とする回転は、一旦、石支持部14が石に対して配置されると機能させることができる。加えて、連結機構13は、直状連結部23、すなわち、いわゆるズームを有し、これによって第2のブーム12および掘削ユニット15は、第1のブームに対して直線方向Cへ同時に移動することができる。直状連結部23によって列掘削装置8の微調整位置決めが容易になるが、これは、第2のブーム12と掘削ユニット15は、第1のブーム11を動かす必要なしにC方向へ動くことができるためである。連結機構13はさらに、第2のブーム12と掘削ユニット15をD方向に傾ける水平連結部24を有している。連結部24によって第2のブーム12は、掘削される石に対して直角に置くことができる。
【0020】
第2のブーム12と連結機構13との間には水平連結部25を配設してよく、これは、掘削ユニット15を掘削孔列6の掘削すべき掘削孔7に位置決めする際、第2のブーム12をF方向に回転させるものである。この場合、掘削ユニット15は、連結部25に対して弧状にH方向へ可動なように配設され、同時に連結機構13の連結部22、23および24は、静止状態を保つことができる。慎重に位置決めを行なうと、第2のブーム12は、図4に見ることができるように掘削孔列6の方向へ移動する。この場合、掘削装置8が届く範囲に位置する掘削孔7a〜7dでの位置決めは、H方向への簡単な回転移動によって行なわれる。加えて、第2のブーム12と掘削ユニット15の間に水平連結部26を配設して、掘削ユニット15をG方向に回転させて第2の部ブーム12の回転角度に関係なく掘削される石に向くようにする。掘削される石に対する第2のブーム12の最も離れた先端の高さ位置は、第2のブーム12の回転につれて変化するので、掘削ユニット15は、図3に示すように、第2のブーム12の先端に対して直線方向Jへ動けなければならない。送り桁16は、連結部26におけるクレードル27等の直状連結器によって配設してもよい。
【0021】
図4は、M方向から見たときの掘削孔列における掘削孔7a〜7dへの掘削ユニット15の位置決めを示している。位置決めは、単純に第2のブーム12のH方向への回転で行なう。
【0022】
図5は、本発明の列掘削機8を示す。図5は、掘削機8を動かすことのできる少なくともいくつかの作動装置を示す。各作動装置は、この目的に合った加圧媒体シリンダ、加圧媒体モータもしくは他の適当な作動装置であってよい。列掘削機8は、連結機構13を第1のブームに対して動かすことのできる第1の作動装置28を有してよい。さらに、第2の作動装置29をロールオーバ連結部22に接続して設置してもよい。図5は、直状連結部23の作動装置、傾斜連結部24の作動装置、または送り桁16を直線方向に動かすことができる作動装置を示していない。しかし図5は、第2のブーム12を回転させるために使用する第3の作動装置30を示している。加えて、掘削ユニット15は、第4の作動装置31によって第2のブームに対して回転可能である。後で、さらに図6aから図6cにおいて、送り桁16上で削岩機17を動かすための送り装置32を示す。
【0023】
図6aから図6cは、掘削ユニット15の掘削孔列6上での掘削孔7a〜7cへの位置決めを図示している。一旦、 掘削装置8を掘削孔列6の近傍におおよそ配置し、掘削孔列の方向に正確に微調整位置決めをすると、単に、第2のブーム12を回転させた後、掘削する石に向かって掘削ユニット15を位置決めするだけで、掘削される掘削孔7a〜7cでの位置決めを行なうことができる。第2のブーム1を位置決めして第1の連結部25および第2の連結部26が掘削孔列6に対して垂直に整列することから、第2のブーム12と掘削ユニット15は、掘削孔列6の方向にのみ動くことができる。掘削孔列6の方向は、第1のブーム11の長手方向を横切っている。本装置8は、掘削される石に対して掘削ユニット15の所望の位置を一度選択した後に第2のブーム12の回転角度に対して掘削ユニット15を自動的に回転させる機構を有してもよい。さらに、送り桁16は、石に対して直線方向に動かすことができ、その後、掘削を開始できる。
【0024】
列掘削装置8の稼動サイクル、すなわち掘削孔での位置決めと掘削は、手動でも半自動でも全自動でも実行できる。手動制御では、操作者18は、シャーシ10のユーザインタフェースから、または遠隔操作器19から作動装置を操作する。半自動機能では、操作者は、第1の掘削孔に掘削ユニット15を位置決めし、その後、制御ユニット20が各掘削作業段階を自動的に制御して、次に掘削される孔に掘削ユニット15を位置決めし、操作者18からの確認を待機する。半自動の稼動サイクルでは、操作者18は、所望に応じて次の掘削孔の位置を 変更してから掘削を続けてもよい。全自動制御では、制御ユニット20が掘削ユニット15を事前に選択した最初の掘削孔に位置決めし、掘削を行ない、決めておいた次の掘削孔に位置決めし、事前に決めた掘削孔をすべて掘削するまで続ける。制御ユニット20には、掘削孔の各寸法と方向、孔間隔および掘削の指示が与えられる。さらに、掘削および位置決めに必要な他の制御属性を制御ユニット20に与えることができる。制御ユニット20は、コンピュータ、プログラム論理等を含んでもよく、これらは、様々な制御機能を処理するプログラムを 実行し、位置決めに必要な計算を実行することができる。
【0025】
第1のブーム11と第2のブーム12は、伸縮可能な入れ子型ブームであることに言及しておく。しかし第2のブーム12は、第1の連結部25と第2の連結部26の間に回転可能な連結部を有していない。必要なら、図示のもの以外の連結部が連結機構13に関連して存在してもよく、さらに、提示した連結部に代わって、本目的に適したいくつかの連結部および連結機構を使用してもよい。
【0026】
場合によっては、本願に開示された各特徴を他の特徴に関係なくそのまま用いてもよい。それとは反対に、必要に応じて、本願に開示された各特徴を組み合わせて、様々な組合せを構成してもよい。
【0027】
さらに、本願で開示された列掘削機は、寸法石の掘削以外の掘削に適用してもよい。
【0028】
図面とその関連説明は、単に本発明の概念を例示するためのものである。その詳細において、本発明は特許請求の範囲内で変更可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩石(1)または石ブロック(3、4)に少なくとも1本の掘削孔列(6)に所望の相互の孔間隔(E)で複数の掘削孔(7)を掘削し、
少なくとも1つの掘削ユニット(15)を装備した少なくとも1つのブーム(11、12)を含む列掘削装置(8)を前記掘削に使用し、該少なくとも1つの掘削ユニット(15)は順に、削岩機(17)、送り桁(16)および作動装置(32)を含み、
前記ブーム(11、12)を用いて前記掘削ユニット(15)を掘削孔列(6)上で掘削される掘削孔から次に掘削される掘削孔(7)へ配置し、
掘削後、寸法石ブロック(5)を掘削孔列(6)により決められた位置で切り離す寸法石の切出し方法において、該方法は、
第1のブーム(11)、第2のブーム(12)、該ブーム(11、12)の間の実質的に水平な第1の連結部(25)、および第2のブームと前記掘削ユニット(15)との間の実質的に水平な第2の連結部(26)を含む列掘削装置(8)を使用し、
第1のブーム(11)と第2のブーム(12)の間で前記石に対して石支持部(14)を支持し、
前記掘削孔列(6)の近傍に前記列掘削装置(8)を配置して第1の連結部(25)および第2の連結部(26)を前記掘削される掘削孔列(6)に対して垂直に整列させ、前記掘削が完了するまでこの位置をそのまま保持し、
第1の連結部(25)を中心として第2のブーム(12)を回転させることにより前記掘削孔列(6)に属する前記掘削孔(7)の間に前記掘削ユニット(15)を位置決めし、それによって第2のブーム(12)が前記掘削孔列(6)方向にのみ移動し、第2のブーム(12)の前記掘削ユニット(15)が弧状の移動経路に沿って回転し、
掘削されるそれぞれの掘削孔(7)で、第2の連結部(26)に対して前記掘削ユニット(15)を回転させることにより被掘削対象に対する前記掘削ユニット(15)の位置を調整することを特徴とする寸法石の切出し方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法は、第1のブームに対して第2のブーム(12)とこれに接続された前記掘削ユニット(15)を同時に直線方向(C)へ移動することにより微調整位置決めを行なうことを特徴とする寸法石の切出し方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、該方法は、第1のブームに対して第2のブーム(12)とこれに接続された前記掘削ユニット(15)を同時に少なくとも1つの連結部(22、24)を中心として回転させることにより 微調整位置決めを行なうことを特徴とする寸法石の切出し方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法において、該方法は、前記掘削孔列(6)上の前記掘削される孔(7)の方向に前記掘削ユニット(15)を位置決めする際、前記掘削ユニット(15)を前記岩石の方へ第2のブーム(12)に対して直線方向(J)に移動させることを特徴とする寸法石の切出し方法。
【請求項5】
固定部(9)を有し、該固定部によって可動台車(10)の上へなどの基台機械に固定できる少なくとも1つのブーム(11、12)と、
ブームに配設され、送り桁(16)、削岩機(17)および送り装置(32)を含む少なくとも1つの掘削ユニット(15)とを含み、前記削岩機は、前記送り装置により移動可能であって前記送り桁により支持された列掘削装置において、
該列掘削装置は、第1のブーム(11)および第2のブーム(12)を含み、
該ブーム間には連結機構(13)が配設され、該連結機構は少なくとも1つの実質的に水平な第1の連結部(25)を含み、第2のブーム(12)は、第1のブーム(11)の長手軸に対して横切る方向で第1の連結部を中心として回転可能であり、
第1のブーム(11)と第2のブーム(12)との間には、掘削期間中、掘削される岩石に対して支持可能な少なくとも1つの石支持部(14)が配設され、
第2のブーム(12)と前記掘削ユニット(15)との間には実質的に水平な第2の連結部(26)が配設され、前記掘削ユニット(15)は、第2の連結部を中心として第2のブーム(12)に対して回転可能であり、
第2のブーム(12)は、第1の連結部(25)と第2の連結部(26)の間に何らかの連結部を有さない長手方向要素であり、
掘削孔列(6)に応じた前記掘削孔(7)への前記掘削ユニット(15)の位置決めは、第2のブーム(12)を該掘削孔列(6)の方向にのみ回転させることにより実行するように構成され、
それぞれの掘削される掘削孔(7)への前記掘削ユニット(15)の位置は、第2のブーム(12)に対して該掘削ユニット(15)を回転させることで設定されるよう構成されることを特徴とする列掘削装置。
【請求項6】
請求項5に記載の列掘削装置において、該装置は、前記連結機構(13)に関連して直状連結部(23)が配設され、該直状連結部は、第1のブーム(11)に対して直線方向(C)に第2のブーム(12)および前記掘削ユニット(15)を同時に移動させることを特徴とする列掘削装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の列掘削 装置において、前記連結機構(13)に関連して少なくとも1つの実質的に垂直な連結部(22)が配設され、該連結部を中心として第2のブーム(12)および前記掘削ユニット(15)が同時に回転可能であることを特徴とする列掘削装置。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載の列掘削装置において、前記連結機構(13)に関連して少なくとも1つの実質的に水平な連結部(24)が配設され、該連結部を中心として第2のブームおよび前記掘削ユニットとが同時に傾斜可能であることを特徴とする列掘削装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれかに記載の列掘削装置において、第1のブーム(11)と前記連結機構(13)の間には、少なくとも1つの実質的に水平な連結部(21)が配設され、該連結部を中心として前記連結機構(13)が回転可能であることを特徴とする列掘削装置。
【請求項10】
請求項5ないし9のいずれかに記載の列掘削装置において、前記送り桁(16)は第2の連結部(26)に直状連結部によって配設されていることを特徴とする列掘削装置。
【請求項11】
請求項5ないし10のいずれかに記載の列掘削装置において、第2のブーム(12)は堅い単一部材であることを特徴とする列掘削装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公表番号】特表2010−529334(P2010−529334A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510840(P2010−510840)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050332
【国際公開番号】WO2008/148939
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY
【Fターム(参考)】