対のメインT部材クリップ
隣接する上方の構造チャンネルから対をなすグリッド用メインT部材を間隔をあけて平行に正確かつ迅速に吊すためのクリップ。該クリップは、構造チャンネルに掛けられてぶら下がる別の下垂クリップと協働する。対のメインT部材クリップは従来型のグリッド用T部材肥大部と同様の形状を与えられた中心部位を有しており、それによって、下垂クリップが従来型のグリッド用T部材肥大部と結合するのと同じ態様で対のメインT部材クリップが下垂グリップと結合できるようにすることで、製造及び設置において費用効果の高いシステムを実現する。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
[0001]本発明は吊り天井システムに関し、具体的には、1対のメインT部材を平行な位置関係で吊すための革新的なクリップに関する。
【関連技術の説明】
【0002】
[0002]一部の天井の処理又は設計においては、天井に対する独特の外見の付与及び/又は、照明、HVAC(冷暖房空調)システム、スプリンクラーシステム、その他それに類する装備のための中間スペースを提供するために、メインT部材が比較的近接した間隔で対にして使用される。対のメインT部材を支えるために一連の特殊クリップを使用することが知られている。かかるクリップは、典型的には天井構造から鋼線で直接吊り下げられる。一部の地域では、天井構造から単なるワイヤ結合で吊り天井を直接吊すことは現地の規則又は要件によって禁じられている。例えば、一部地域では、まずC字形チャンネルが天井構造から吊り下げられなければならず、吊り天井、器具及びそれに類する要素はその中間チャンネルに吊り下げられなければならない。知られる限り、吊りチャネルに容易かつ迅速に取り付けることができる上に、それ自体が対のメインT部材を均一に平行な間隔で支えることができるというクリップ又はブラケットは存在しない。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明は、天井チャンネルによる懸架に対応し、対のグリッド用メインT部材を正確に平行な配列で支えるクリップを提供する。本発明によるクリップは容易に使用することができ、それによって設置時間を節約し、設置作業者の疲労を防ぐことができる。
【0004】
[0004]クリップは、好ましい形態では、要求される天井懸架チャンネルに対応した従来技術のAdrop clip(商標)ハンガーと協働するように構成される。ここに開示するクリップは、工具及び/又は他の固定具の使用を必要とすることなく、ハンガー及びクリップ要素を手操作だけでハンガーと結合させることができる。ここに開示するクリップの従来型の下垂クリップC字形チャンネルハンガーに対する互換性は、クリップの製造に要する用具類のコスト及び複雑度を顕著に低減し、それによってクリップ製造にかかわるコストを顕著に低減する。さらに、クリップは、対をなすグリッド用T部材の間に均一な間隔を生み出すことについて類似のクリップの場合に知られている便益をもたらす。ばらつきはそれとなく観察するだけでも目につきやすいため、かかる間隔は決定的な意味を持つ。
【好ましい実施形態の説明】
【0005】
[0012]図1に、均一な間隔をあけた平行な配置で1対のグリッド用T部材11を吊すシステム10を示す。グリッド用T部材11は、典型的には、全体に従来型の構造を持つメインT部材である。それぞれのT部材11は下部フランジ部12と全体に垂直なウェブないしステム13とを有しており、該ウェブないしステム13はその上端に近接して慣行どおり補強用肥大部14を備える。典型的には、グリッド用T部材は薄板金材からロール成形によって作られる。グリッド用T部材は複数の構造チャンネル16から吊り下げられる。図1には1本のチャンネル16だけが描かれているが、グリッド用T部材11の平面の上に間隔をおいて広がる共通平面には、典型的には互いに平行に間隔をあけた複数のかかるチャンネル16が存在することが理解されるはずである。建物内では、チャンネル16は、上階の床又は上方にあるその他の上部構造から、吊下げロッド、ワイヤ又はその他によって吊り下げることができる。
【0006】
[0013]図6及び7は、本体18及び固定用溝形材ないしキャップ19を備える市販のAdrop clip@アセンブリ17を示したものである。本体18は、全体に方形の外周形状を持つ薄板金の型打品である。下方に延びる突起20はのど部21と協働することによってチャンネル16を把持するフックを形成する。本体18はその上端近くに、構造チャンネル16の外周の周囲に作業空間が与えられるように寸法を定めた方形ののど部21を備えている。本体18はその下端近くに1対の平行な縦溝22を有しており、それによって3本の垂下脚23〜25が形成されている。外側の脚23,25は、図6の平面の向こう側に若干曲げられており、中央の脚24は図6の平面の手前側に若干曲げられている。脚は、それぞれの下端に、従来型のグリッド用T部材の補強用肥大部を法線状に挟み込むように構成された溝形部27,28を備える。固定用溝形キャップ19はそのウェブに中心溝を有しており、それによってクリップ本体18上を垂直に摺動できるようになっている。固定溝形キャップ19を手で押し下げて溝形部27,28を含めた脚23〜25の上にかかるようにすると、溝形部は本体18上部の中心面の方向に押される(図2)。中央の脚24の突出部29は固定溝形キャップ19を脚の溝形部27,28にかかる位置で固定する役を果たす。クリップアセンブリ17をそれぞれのチャンネル16上でチャンネル16がのど部21にはまり込むようにしておいて、本体18の部位31を上に曲げることで、クリップアセンブリがチャンネルから外れないようにすることができる。
【0007】
[0014]本発明のクリップ36は、グリッド用T部材11を下垂クリップ本体18から、従って、下垂クリップアセンブリ17が取り付けられた構造チャンネル16から吊り下げる役を果たすものである。図示したクリップ36は、取り付けた状態では、裏返した長方形の皿の全体形状を持つ薄板金型打品である。クリップ36の角には、グリッド用T部材11の肥大部14を受けるのに必要な切欠きがある。より詳細には、クリップ36は、全体的には平らで長方形の基部37を有しており、そこから下向きに折り曲げられた相対するフランジ38,39及び41,42が垂れている。フランジ38,39は互いに鏡像をなしており、そのそれぞれが、基部37の垂直下方に、グリッド用T部材の補強肥大部14の垂直高さと少なくとも同じで、好ましくはやや長めの距離の間隔をあけて内側に折り曲げられた突起46を有する。フランジ38,39の仮想平面の間に横断方向に延びるもう1つのフランジ41は、基部37の平面から補強用肥大部14の高さと同じ又はやや長い距離だけ間隔をあけた1対の突起47を有する。フランジ41及び42はクリップ36の基部37を補強し、通常予想される使用条件のもとで基部37を平らな形状に保つ役を果たす。フランジ41,42の水平長さは、図2に示すように、グリッド用T部材の肥大部14がフランジ38,39の表面とフランジ41の隣接する垂直端面51,52との間に入り込むためのスペースが、好ましくは若干の隙間とともに確保されるように、相対するフランジ38,39の間の内寸よりもやや短くなっている。フランジ38,39の表面の内寸の間隔及び垂直端面51,52の間隔は、グリッド用T部材11の所望の中心間距離及び補強用肥大部14の幅によって決まるが、後者は典型的には呼び寸法で1/4インチである。図2からわかるように、突起46,47の上端面46a,47aは、グリッド用T部材の補強用肥大部14が入り込むのに十分な距離だけ基部37の下面から間隔をおかれている。わかりやすくするため、図2では、フランジ41の終端部位及び突起47は、図2の断面をなす平面は厳密にはこれらの部位より後ろにあることを無視して示してある。
【0008】
[0015]クリップ36は、その長さに対して横断方向をなす仮想的な垂直中面の両側に配された1対の横断方向の細長い溝53を備える。図示した例では、溝53はクリップの基部37のほぼ全幅にわたって延びている。溝53は、呼び寸法で1/4インチなど、従来型の補強用肥大部14の幅と同じ又はほぼ同じ幅であることが好ましい中央の島部54がその間に残るように互いに隔てられている。溝53は、下垂クリップの脚23〜35の溝形部27,28が自由に通り抜けられるだけの幅と長さを有する。
【0009】
[0016]クリップ36は、グリッド設置作業者が現場で工具なしで利便性をもって、次のようにして下垂クリップアセンブリ17に組み付けて固定する、すなわち結合することができる。下垂クリップ脚23〜25を、図7に示す横に広がった状態で溝53に通し、溝形部27,28の内側に折り曲げられたフランジ57,58がクリップ基部37の島部54の下に来るようにする。その後、固定用溝形キャップ19を下垂クリップ本体18の下方に押し下げて、脚23,25と中央の脚24とをそれぞれ互いの方向に向かわせ、それによってフランジ57,58の上方で島部54を溝形部27,28の中に閉じ込める。溝型キャップ19は、溝形部27,28と完全に接したところで、突起ないし留具29によってその位置で固定される。これにより、下垂クリップアセンブリ17とそれと対をなすTクリップとは互いに確実に固定される。図1及び2を見ると、クリップ17及び36の連結は仮想的な垂直面に関して対称をなすことがわかる。その垂直面の1つは下垂クリップの本体18の厚みの中央面に当たる面であり、もう1つは本体の両垂直端の中間で本体面と直角をなす面である。そのため、対となるT部材クリップ36の対称形の支持が得られることになり、そのことによって、クリップ36の4つの突起46,47がそれぞれの上面46a,47bにおいて対応するグリッド用T部材の肥大部14にかかる垂直荷重の支持に有効となる。クリップ36が1対のグリッド用T部材11に沿って間隔をあけた同一のクリップと連携することで、設置作業者によって注ぎ込まれる技能と労力は最小限でも、該1対のグリッド用T部材の間に正確に水平に間隔を与えられることは了解されるはずである。クリップ36の長さ、すなわち、下垂クリップの本体18の面のそれぞれの側におけるその範囲は、例えば通常であれば建築家によって決定されるように、個々の施設に合わせて調整することが可能である。平行な対グリッド用T部材11の間のスペースは、照明器具、HVACエアブーツ、スプリンクラーヘッド、スピーカ、並びにその他のユーティリティ及び器具用に利用することができる。
【0010】
[0017]この開示は例を示したものであって、細部の追加、変更又は除外によって、この開示に含まれる教示の正当な範囲から外れることなく、様々な変更が行われうることは自明であってしかるべきである。従って、特許請求の範囲が必然的に限定される範囲を除き、本発明はこの開示の具体的詳細に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】上方に吊り下げられた構造チャンネルから本発明のクリップによって支えられた1対の平行なグリッド用T部材の部分斜視図である。
【図2】間隔をあけた平行なグリッド用T部材及びクリップを図1に示す2−2平面で切り取った断面図である。
【図3】本発明によるクリップの正面図である。
【図4】クリップの側面図である。
【図5】クリップの平面図である。
【図6】既知の下垂クリップアセンブリの横立面図である。
【図7】既知の下垂クリップアセンブリの側方図である。
【発明の分野】
【0001】
[0001]本発明は吊り天井システムに関し、具体的には、1対のメインT部材を平行な位置関係で吊すための革新的なクリップに関する。
【関連技術の説明】
【0002】
[0002]一部の天井の処理又は設計においては、天井に対する独特の外見の付与及び/又は、照明、HVAC(冷暖房空調)システム、スプリンクラーシステム、その他それに類する装備のための中間スペースを提供するために、メインT部材が比較的近接した間隔で対にして使用される。対のメインT部材を支えるために一連の特殊クリップを使用することが知られている。かかるクリップは、典型的には天井構造から鋼線で直接吊り下げられる。一部の地域では、天井構造から単なるワイヤ結合で吊り天井を直接吊すことは現地の規則又は要件によって禁じられている。例えば、一部地域では、まずC字形チャンネルが天井構造から吊り下げられなければならず、吊り天井、器具及びそれに類する要素はその中間チャンネルに吊り下げられなければならない。知られる限り、吊りチャネルに容易かつ迅速に取り付けることができる上に、それ自体が対のメインT部材を均一に平行な間隔で支えることができるというクリップ又はブラケットは存在しない。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明は、天井チャンネルによる懸架に対応し、対のグリッド用メインT部材を正確に平行な配列で支えるクリップを提供する。本発明によるクリップは容易に使用することができ、それによって設置時間を節約し、設置作業者の疲労を防ぐことができる。
【0004】
[0004]クリップは、好ましい形態では、要求される天井懸架チャンネルに対応した従来技術のAdrop clip(商標)ハンガーと協働するように構成される。ここに開示するクリップは、工具及び/又は他の固定具の使用を必要とすることなく、ハンガー及びクリップ要素を手操作だけでハンガーと結合させることができる。ここに開示するクリップの従来型の下垂クリップC字形チャンネルハンガーに対する互換性は、クリップの製造に要する用具類のコスト及び複雑度を顕著に低減し、それによってクリップ製造にかかわるコストを顕著に低減する。さらに、クリップは、対をなすグリッド用T部材の間に均一な間隔を生み出すことについて類似のクリップの場合に知られている便益をもたらす。ばらつきはそれとなく観察するだけでも目につきやすいため、かかる間隔は決定的な意味を持つ。
【好ましい実施形態の説明】
【0005】
[0012]図1に、均一な間隔をあけた平行な配置で1対のグリッド用T部材11を吊すシステム10を示す。グリッド用T部材11は、典型的には、全体に従来型の構造を持つメインT部材である。それぞれのT部材11は下部フランジ部12と全体に垂直なウェブないしステム13とを有しており、該ウェブないしステム13はその上端に近接して慣行どおり補強用肥大部14を備える。典型的には、グリッド用T部材は薄板金材からロール成形によって作られる。グリッド用T部材は複数の構造チャンネル16から吊り下げられる。図1には1本のチャンネル16だけが描かれているが、グリッド用T部材11の平面の上に間隔をおいて広がる共通平面には、典型的には互いに平行に間隔をあけた複数のかかるチャンネル16が存在することが理解されるはずである。建物内では、チャンネル16は、上階の床又は上方にあるその他の上部構造から、吊下げロッド、ワイヤ又はその他によって吊り下げることができる。
【0006】
[0013]図6及び7は、本体18及び固定用溝形材ないしキャップ19を備える市販のAdrop clip@アセンブリ17を示したものである。本体18は、全体に方形の外周形状を持つ薄板金の型打品である。下方に延びる突起20はのど部21と協働することによってチャンネル16を把持するフックを形成する。本体18はその上端近くに、構造チャンネル16の外周の周囲に作業空間が与えられるように寸法を定めた方形ののど部21を備えている。本体18はその下端近くに1対の平行な縦溝22を有しており、それによって3本の垂下脚23〜25が形成されている。外側の脚23,25は、図6の平面の向こう側に若干曲げられており、中央の脚24は図6の平面の手前側に若干曲げられている。脚は、それぞれの下端に、従来型のグリッド用T部材の補強用肥大部を法線状に挟み込むように構成された溝形部27,28を備える。固定用溝形キャップ19はそのウェブに中心溝を有しており、それによってクリップ本体18上を垂直に摺動できるようになっている。固定溝形キャップ19を手で押し下げて溝形部27,28を含めた脚23〜25の上にかかるようにすると、溝形部は本体18上部の中心面の方向に押される(図2)。中央の脚24の突出部29は固定溝形キャップ19を脚の溝形部27,28にかかる位置で固定する役を果たす。クリップアセンブリ17をそれぞれのチャンネル16上でチャンネル16がのど部21にはまり込むようにしておいて、本体18の部位31を上に曲げることで、クリップアセンブリがチャンネルから外れないようにすることができる。
【0007】
[0014]本発明のクリップ36は、グリッド用T部材11を下垂クリップ本体18から、従って、下垂クリップアセンブリ17が取り付けられた構造チャンネル16から吊り下げる役を果たすものである。図示したクリップ36は、取り付けた状態では、裏返した長方形の皿の全体形状を持つ薄板金型打品である。クリップ36の角には、グリッド用T部材11の肥大部14を受けるのに必要な切欠きがある。より詳細には、クリップ36は、全体的には平らで長方形の基部37を有しており、そこから下向きに折り曲げられた相対するフランジ38,39及び41,42が垂れている。フランジ38,39は互いに鏡像をなしており、そのそれぞれが、基部37の垂直下方に、グリッド用T部材の補強肥大部14の垂直高さと少なくとも同じで、好ましくはやや長めの距離の間隔をあけて内側に折り曲げられた突起46を有する。フランジ38,39の仮想平面の間に横断方向に延びるもう1つのフランジ41は、基部37の平面から補強用肥大部14の高さと同じ又はやや長い距離だけ間隔をあけた1対の突起47を有する。フランジ41及び42はクリップ36の基部37を補強し、通常予想される使用条件のもとで基部37を平らな形状に保つ役を果たす。フランジ41,42の水平長さは、図2に示すように、グリッド用T部材の肥大部14がフランジ38,39の表面とフランジ41の隣接する垂直端面51,52との間に入り込むためのスペースが、好ましくは若干の隙間とともに確保されるように、相対するフランジ38,39の間の内寸よりもやや短くなっている。フランジ38,39の表面の内寸の間隔及び垂直端面51,52の間隔は、グリッド用T部材11の所望の中心間距離及び補強用肥大部14の幅によって決まるが、後者は典型的には呼び寸法で1/4インチである。図2からわかるように、突起46,47の上端面46a,47aは、グリッド用T部材の補強用肥大部14が入り込むのに十分な距離だけ基部37の下面から間隔をおかれている。わかりやすくするため、図2では、フランジ41の終端部位及び突起47は、図2の断面をなす平面は厳密にはこれらの部位より後ろにあることを無視して示してある。
【0008】
[0015]クリップ36は、その長さに対して横断方向をなす仮想的な垂直中面の両側に配された1対の横断方向の細長い溝53を備える。図示した例では、溝53はクリップの基部37のほぼ全幅にわたって延びている。溝53は、呼び寸法で1/4インチなど、従来型の補強用肥大部14の幅と同じ又はほぼ同じ幅であることが好ましい中央の島部54がその間に残るように互いに隔てられている。溝53は、下垂クリップの脚23〜35の溝形部27,28が自由に通り抜けられるだけの幅と長さを有する。
【0009】
[0016]クリップ36は、グリッド設置作業者が現場で工具なしで利便性をもって、次のようにして下垂クリップアセンブリ17に組み付けて固定する、すなわち結合することができる。下垂クリップ脚23〜25を、図7に示す横に広がった状態で溝53に通し、溝形部27,28の内側に折り曲げられたフランジ57,58がクリップ基部37の島部54の下に来るようにする。その後、固定用溝形キャップ19を下垂クリップ本体18の下方に押し下げて、脚23,25と中央の脚24とをそれぞれ互いの方向に向かわせ、それによってフランジ57,58の上方で島部54を溝形部27,28の中に閉じ込める。溝型キャップ19は、溝形部27,28と完全に接したところで、突起ないし留具29によってその位置で固定される。これにより、下垂クリップアセンブリ17とそれと対をなすTクリップとは互いに確実に固定される。図1及び2を見ると、クリップ17及び36の連結は仮想的な垂直面に関して対称をなすことがわかる。その垂直面の1つは下垂クリップの本体18の厚みの中央面に当たる面であり、もう1つは本体の両垂直端の中間で本体面と直角をなす面である。そのため、対となるT部材クリップ36の対称形の支持が得られることになり、そのことによって、クリップ36の4つの突起46,47がそれぞれの上面46a,47bにおいて対応するグリッド用T部材の肥大部14にかかる垂直荷重の支持に有効となる。クリップ36が1対のグリッド用T部材11に沿って間隔をあけた同一のクリップと連携することで、設置作業者によって注ぎ込まれる技能と労力は最小限でも、該1対のグリッド用T部材の間に正確に水平に間隔を与えられることは了解されるはずである。クリップ36の長さ、すなわち、下垂クリップの本体18の面のそれぞれの側におけるその範囲は、例えば通常であれば建築家によって決定されるように、個々の施設に合わせて調整することが可能である。平行な対グリッド用T部材11の間のスペースは、照明器具、HVACエアブーツ、スプリンクラーヘッド、スピーカ、並びにその他のユーティリティ及び器具用に利用することができる。
【0010】
[0017]この開示は例を示したものであって、細部の追加、変更又は除外によって、この開示に含まれる教示の正当な範囲から外れることなく、様々な変更が行われうることは自明であってしかるべきである。従って、特許請求の範囲が必然的に限定される範囲を除き、本発明はこの開示の具体的詳細に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】上方に吊り下げられた構造チャンネルから本発明のクリップによって支えられた1対の平行なグリッド用T部材の部分斜視図である。
【図2】間隔をあけた平行なグリッド用T部材及びクリップを図1に示す2−2平面で切り取った断面図である。
【図3】本発明によるクリップの正面図である。
【図4】クリップの側面図である。
【図5】クリップの平面図である。
【図6】既知の下垂クリップアセンブリの横立面図である。
【図7】既知の下垂クリップアセンブリの側方図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆T字形の全体形状と中心ウェブの上端近くの所定幅の補強用肥大部とを有する形式の1対のグリッド用メインT部材を、互いに水平に間隔をあけて平行な位置関係で吊り下げるクリップであって、
前記T部材をそれぞれ相対的に水平な位置に保持するために間隔をあけたそれぞれの前記T部材の基本的に垂直をなす両側のウェブ側面を把持するための表面域と、
前記T部材をそれぞれ垂直位置に保持するために前記肥大部の下部を把持するための表面域と
を備え、
間隔をあけた前記両T部材の前記把持表面域の間に本体部分が基本的に水平に延びており、該本体部分が、前記両T部材が間隔をあけて保持される方向と平行な方向に幅を持つ連結域を有しており、該結合域の幅が前記T部材の前記肥大部の所定の幅と基本的に同じであり、それによって該連結域が、該所定の幅を持つ補強用の上部肥大部を備えるグリッド用T部材を吊り下げるように元来設計された下垂クリップによって把持され、吊り下げられるように適合された、クリップ。
【請求項2】
1対のグリッド用メインT部材を、そのウェブが垂直に、かつフランジが水平になるように間隔をあけた平行な位置関係で構造チャンネルから吊り下げる方法であって、
薄板金製クリップ要素を、該クリップののど部がチャネルの垂直面及び水平面の少なくとも一部を包み込むようにしてチャンネルに組み付けるステップと、
前記クリップ要素から、その下端に近接して、前記平行なグリッド用T部材の所望の中心線間の間隔よりも長い距離にわたって水平に延びる薄板金構造を提供するステップと
を含み、
該薄板金構造が、間隔をあけた前記平行なT部材が所望の間隔のその平行な位置関係で維持されるように前記T部材の前記肥大部を保持するように構成された表面域を持つ構造を有している、方法。
【請求項3】
前記薄板金構造が、前記T部材の長手方向と直角をなす両水平方向に基本的に対称形をなして前記薄板金製クリップから延びるように構成されている請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記薄板金クリップ及び前記板金構造が別個の部品として形成されている請求項2に記載の方法。
【請求項5】
吊り下げられた構造チャンネルの表面を拘束するのど部及びチャンネルの下方に延びる延長部を持つ薄板金製本体を有する下垂クリップアセンブリであって、該延長部が従来型のグリッド用メインT部材の肥大部の下側を両側から把持するように構成された1組の脚を有する下垂クリップアセンブリと、
該下垂クリップと結合し、1対のグリッド用T部材を間隔をあけた平行な位置関係で吊り下げる薄板金製の展開クリップであって、前記脚において従来型のグリッド用T部材の肥大部を把持することができるようになっているのと同様の態様で前記脚によって少なくとも部分的に下から把持される中心部を備えており、さらに前記1対のグリッド用T部材を前記間隔をあけた平行な位置関係で吊り下げるように構成された1組の表面要素を備えている展開クリップと
の組合せ。
【請求項6】
前記表面要素が前記肥大部の対向する部位を上から下に拘束するように構成されている請求項5に記載の組合せ。
【請求項7】
ウェブが垂直な平面内にあり、ウェブ上端及び下端のフランジが水平な平面内にあるように吊り下げられたC字形構造チャンネルから1対のグリッド用T部材を間隔をあけた平行な位置関係で吊り下げるための器具であって、
前記チャンネルの上部フランジの上に配置される堅固なフックを持つものとしてあらかじめ成形された第1の金属部品と、該第1の部品にぶら下がる部分で、1対のグリッド用T部材を所定の間隔で平行な位置関係に支持するための把持要素を有する第2の金属部品とを備える器具。
【請求項8】
前記把持要素が、従来型のグリッド用T部材の補強用上部肥大部の下側を拘束するように構成された表面を有する請求項7に記載の器具。
【請求項9】
前記第1及び第2の部品が別個に形成されており、吊り天井グリッドの設置作業者によって現場で組み立てることができるようになっている請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記第1の部品が従来型のグリッド用T部材をその補強用肥大部との結合によって支持する構成を有しており、前記第2の部品が、前記第1の部品の構成によって拘束されることによって前記第1の部品が前記第2の部品を支持できるようにする構成を有している請求項7に記載の器具。
【請求項1】
逆T字形の全体形状と中心ウェブの上端近くの所定幅の補強用肥大部とを有する形式の1対のグリッド用メインT部材を、互いに水平に間隔をあけて平行な位置関係で吊り下げるクリップであって、
前記T部材をそれぞれ相対的に水平な位置に保持するために間隔をあけたそれぞれの前記T部材の基本的に垂直をなす両側のウェブ側面を把持するための表面域と、
前記T部材をそれぞれ垂直位置に保持するために前記肥大部の下部を把持するための表面域と
を備え、
間隔をあけた前記両T部材の前記把持表面域の間に本体部分が基本的に水平に延びており、該本体部分が、前記両T部材が間隔をあけて保持される方向と平行な方向に幅を持つ連結域を有しており、該結合域の幅が前記T部材の前記肥大部の所定の幅と基本的に同じであり、それによって該連結域が、該所定の幅を持つ補強用の上部肥大部を備えるグリッド用T部材を吊り下げるように元来設計された下垂クリップによって把持され、吊り下げられるように適合された、クリップ。
【請求項2】
1対のグリッド用メインT部材を、そのウェブが垂直に、かつフランジが水平になるように間隔をあけた平行な位置関係で構造チャンネルから吊り下げる方法であって、
薄板金製クリップ要素を、該クリップののど部がチャネルの垂直面及び水平面の少なくとも一部を包み込むようにしてチャンネルに組み付けるステップと、
前記クリップ要素から、その下端に近接して、前記平行なグリッド用T部材の所望の中心線間の間隔よりも長い距離にわたって水平に延びる薄板金構造を提供するステップと
を含み、
該薄板金構造が、間隔をあけた前記平行なT部材が所望の間隔のその平行な位置関係で維持されるように前記T部材の前記肥大部を保持するように構成された表面域を持つ構造を有している、方法。
【請求項3】
前記薄板金構造が、前記T部材の長手方向と直角をなす両水平方向に基本的に対称形をなして前記薄板金製クリップから延びるように構成されている請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記薄板金クリップ及び前記板金構造が別個の部品として形成されている請求項2に記載の方法。
【請求項5】
吊り下げられた構造チャンネルの表面を拘束するのど部及びチャンネルの下方に延びる延長部を持つ薄板金製本体を有する下垂クリップアセンブリであって、該延長部が従来型のグリッド用メインT部材の肥大部の下側を両側から把持するように構成された1組の脚を有する下垂クリップアセンブリと、
該下垂クリップと結合し、1対のグリッド用T部材を間隔をあけた平行な位置関係で吊り下げる薄板金製の展開クリップであって、前記脚において従来型のグリッド用T部材の肥大部を把持することができるようになっているのと同様の態様で前記脚によって少なくとも部分的に下から把持される中心部を備えており、さらに前記1対のグリッド用T部材を前記間隔をあけた平行な位置関係で吊り下げるように構成された1組の表面要素を備えている展開クリップと
の組合せ。
【請求項6】
前記表面要素が前記肥大部の対向する部位を上から下に拘束するように構成されている請求項5に記載の組合せ。
【請求項7】
ウェブが垂直な平面内にあり、ウェブ上端及び下端のフランジが水平な平面内にあるように吊り下げられたC字形構造チャンネルから1対のグリッド用T部材を間隔をあけた平行な位置関係で吊り下げるための器具であって、
前記チャンネルの上部フランジの上に配置される堅固なフックを持つものとしてあらかじめ成形された第1の金属部品と、該第1の部品にぶら下がる部分で、1対のグリッド用T部材を所定の間隔で平行な位置関係に支持するための把持要素を有する第2の金属部品とを備える器具。
【請求項8】
前記把持要素が、従来型のグリッド用T部材の補強用上部肥大部の下側を拘束するように構成された表面を有する請求項7に記載の器具。
【請求項9】
前記第1及び第2の部品が別個に形成されており、吊り天井グリッドの設置作業者によって現場で組み立てることができるようになっている請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記第1の部品が従来型のグリッド用T部材をその補強用肥大部との結合によって支持する構成を有しており、前記第2の部品が、前記第1の部品の構成によって拘束されることによって前記第1の部品が前記第2の部品を支持できるようにする構成を有している請求項7に記載の器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2008−542653(P2008−542653A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514642(P2008−514642)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/015461
【国際公開番号】WO2006/132715
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(595026667)ユーエスジー インテリアーズ,インコーポレーテツド (20)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/015461
【国際公開番号】WO2006/132715
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(595026667)ユーエスジー インテリアーズ,インコーポレーテツド (20)
【Fターム(参考)】
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