説明

対戦機能を有するトレーニングシステム

【課題】、簡易かつ安価にエンターテイメント性を持たせた対戦機能を有するトレーニングシステムを提供する。
【解決手段】複数のトレーニング装置11の中の1台は親機トレーニング装置11Aであり、その他は子機トレーニング装置11Bであり、親機側制御手段と子機側制御手段は、対戦モードと通常モードとを切替可能であり、子機側制御手段は、通常モードの選択権のみを有すると共に、親機側制御手段へプレイする旨の通知を行い、子機側制御手段は、親機トレーニング装置11Aが対戦モードでプレイする場合にはその旨の通知を親機側制御手段から受け取ると共に、親機側制御手段で作成された正答パターンを受け取り、親機側制御手段は、対戦モードか通常モードかを選択する選択権を有し、子機プレイ通知を受け取ったときには対戦モードの選択を禁止し、対戦モードでプレイする場合には正答パターンをプレイ前に一括生成して子機側制御手段に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対戦機能を有するトレーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ビジョントレーニング装置に関する構成が開示されている。このビジョントレーニング装置は基板を有し、この基板には押し釦スイッチと表示素子とが設けられている。そして、表示素子では7セグメントの数字を表示可能に設けられている。使用者がこのビジョントレーニング装置を使用する場合には、トレーニングの種類を選択し、その選択に応じて表示素子が表示を行う。そして、その表示およびトレーニングの種類に応じて押し釦スイッチを押すことで、ビジョントレーニングを行うことを可能としている。また、特許文献2には、ネットワーク経由で接続された対戦ゲームの一例について示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−36289号公報
【特許文献2】特開2010−227459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1に開示のビジョントレーニング装置においては、その目的がビジョントレーニングであり、たとえば他の仲間と一緒に遊ぶといったエンターテイメント性は有していない。一方、上述の特許文献2に開示のものは対戦型ゲームであり、エンターテイメント性は有しているものの、この特許文献2の構成ではビジョントレーニングを行うことはできない。
【0005】
ところで、現状では対戦型のようなエンターテイメント性を有しつつもビジョントレーニングを行うことが可能なトレーニングシステムは存在していない。そこで、このようなトレーニングシステムの実現が望まれているが、そのようなトレーニングシステムにおいては、トレーニング装置を複数接続するために特許文献2を参考にしても、その制御が複雑なものとなってしまう。すなわち、簡易かつ安価にエンターテイメント性を持たせた対戦機能を有するトレーニングシステムを構成することは困難である。
【0006】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、簡易かつ安価にエンターテイメント性を持たせた対戦機能を有するトレーニングシステムを提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の対戦機能を有するトレーニングシステムの第1の側面は、使用者が押し込むことを可能とする押込部位を備え、この押込部位の押し込みに対応する押込検出信号を送信する複数の押込手段と、押込部位に点灯可能に設けられていると共に、点灯状態をユーザが認識可能とする複数の表示手段と、複数の押込手段の中から所定の条件で押込手段を押し込んだときに正答とする正答パターンを作成し、その正答パターンに対応する押込手段を点灯させ、当該点灯後に所定の条件を満たす押込手段を押し込んだときに正答と判定して点数をカウントする制御手段と、を具備するトレーニング装置が複数存在し、そのトレーニング装置の中の1台は親機となる親機トレーニング装置であり、その他のトレーニング装置は子機となる子機トレーニング装置であり、親機トレーニング装置の親機側制御手段と子機トレーニング装置の子機側制御手段は、同じ正答パターンにて同じタイミングでプレイしたときに獲得した点数を競う対戦モードと、それぞれのトレーニング装置で他のトレーニングとは獲得した点数を競わずにプレイする通常モードとを切り替えることが可能であり、子機側制御手段は、該当する子機トレーニング装置のみでプレイの開始を指示する場合には通常モードの選択権のみを有すると共に、親機側制御手段へプレイする旨の子機プレイ通知を行い、子機側制御手段は、親機トレーニング装置が対戦モードでプレイする場合には当該対戦モードとする旨の通知を親機側制御手段から受け取ると共に、親機側制御手段で作成された正答パターンを受け取り、親機側制御手段は、対戦モードか通常モードかを選択する選択権を有すると共に、子機プレイ通知を受け取ったときには対戦モードの選択を禁止し、対戦モードでプレイする場合には正答パターンをプレイする前に一括生成して子機側制御手段に送信する、ことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明のトレーニングシステムの他の側面は、上述の発明に加えて更に、トレーニング装置には、スイッチボックスが取付可能に設けられていて、スイッチボックスには、ボックス用制御手段が設けられていて、ボックス用制御手段がトレーニング装置に取り付けられた場合には、親機側制御手段として機能してそのスイッチボックスが取り付けられたトレーニング装置の制御手段に代替して全ての制御を司る、ことが好ましい。
【0009】
さらに、本発明のトレーニングシステムの他の側面は、上述の各発明に加えて更に、通常モードでは、所定の条件が異なる複数のプレイモードが存在し、当該プレイモードには初心者用レベルと、複数のトレーニングレベルとが存在し、複数のトレーニングレベルは初心者用レベルよりも点数の獲得が困難となっており、対戦モードでは、複数のプレイモードがプレイ可能であると共にトレーニングレベルのみのプレイが可能である、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、簡易かつ安価にエンターテイメント性を持たせた対戦機能を有するトレーニングシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係るトレーニングシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1のトレーニングシステムを構成するトレーニング装置の構成を示す図である。
【図3】操作盤に取り付けられている基板の様子を示す図である。
【図4】基板の制御的な構成を示すブロック図である。
【図5】通常モード選択画面が表示されている場合の親機のトレーニング装置における処理フローを示す図である。
【図6】対戦モード選択画面が表示されている場合の親機のトレーニング装置における処理フローを示す図である。
【図7】通常モード選択画面が表示されている場合の子機のトレーニング装置における処理フローを示す図である。
【図8】対戦モード選択画面が表示されている場合の子機のトレーニング装置における処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本実施の形態における対戦機能を有するトレーニングシステム10について、図面に従って説明する。
【0013】
図1は本実施の形態の対戦機能を有するトレーニングシステム10の全体構成を示すものである。図1に示すように、本実施の形態においては、対戦機能を有するトレーニングシステム10は、複数のトレーニング装置11が接続されることにより構成されている。このトレーニング装置11には、親機となるトレーニング装置11Aと、子機となるトレーニング装置11Bとが存在する。以下の説明においては、親機となるトレーニング装置11Aと、子機となるトレーニング装置11Bとを区別する必要がない場合には、単にトレーニング装置11と称呼する。
【0014】
なお、親機となるトレーニング装置11Aは、請求項でいう親機トレーニング装置に対応し、子機となるトレーニング装置11Bは、請求項でいう子機トレーニング装置に対応する。
【0015】
これら親機のトレーニング装置11Aと、子機のトレーニング装置11Bとは、ネットワーク12を介して接続されている。このネットワーク12におけるネットワーク構成は、送信した信号が全てのトレーニング装置11で受信されるバス型となっている。それにより、簡易な接続が可能となっている。ただし、ネットワーク構成はバス型には限られず、リング型、スター型、ツリー型等のような、種々の他のネットワーク構成を採用することが可能である。
【0016】
図2に示すように、トレーニング装置11は、操作盤20を有している。操作盤20は、たとえば金属や樹脂を材料とする筐体となっている。この操作盤20は、人の視覚野にほぼ等しい輪郭に設けられている。また、操作盤20のうち正面に位置する盤面20aには、複数の孔部21が設けられている。この孔部21は、後述する押込ボタン31を正面側に露出させるための部分である。なお、孔部21は、操作盤20の盤面20aに所定の間隔で設けられている。
【0017】
なお、押込ボタン31には透明部分が設けられていて、後述する表示素子32を視認可能となっている。また、押込ボタン31は請求項でいう押込部位に対応すると共に、押込ボタン31とスイッチ39Aとは請求項でいう押込手段に対応する。
【0018】
また、図3に示すように、操作盤20の裏面側には、基板30が取り付けられている。この基板30には、後述する押込ボタン31の押し込みに対応するスイッチ39Aが取り付けられているが、押込ボタン31は、そのスイッチ39Aを押し込む。そのため、押込ボタン31の外形の大きさは、孔部21の外形の大きさに合わせたものとなっている。また、この押込ボタン31には、表示素子32が設けられている。すなわち、押込ボタン31のうち操作盤20の正面に露出する部位の一部には、表示素子32の露出部分が存在している。そのため、使用者が表示素子32での表示に基づいて、押込ボタン31を押すことを可能としている。
【0019】
図4に示すように、本実施の形態のトレーニング装置11には、外部から商用電源22が供給され、交流電力である商用電源22を直流電力に変換するAD変換部23が設けられている。また、上述の基板30には、主基板30Aと、音声基板30Bと、副基板30Cとが存在している。主基板30Aは、押込ボタン31が3つ取り付けられていると共に、それぞれの表示素子32の表示を制御する機能を有している。この主基板30Aには、CPU33A、メモリ34A、DC−DCコンバータ35A、電力供給スイッチ36、表示選択部37A、表示ドライバ38Aおよび表示素子32、スイッチ39A、インターフェース部40Aが設けられている。
【0020】
CPU33Aは、メモリ34Aからのプログラム、データ等を読み込んで、主基板30A、副基板30C、音声基板30Bの制御を司る部分である。また、メモリ34Aには、そのような制御のためのプログラム、データ等が記憶されている。なお、メモリ34Aとしては、RAM、ROM、EEPROM等がある。このCPU33Aと、メモリ34Aとは、請求項でいう制御手段および親機側制御手段に対応するか、または制御手段および子機側制御手段に対応する。
【0021】
また、DC−DCコンバータ35Aは、AD変換部23で変換された後の直流電力の電圧を所定のレベルに変換する。電力供給スイッチ36は、たとえばFET等のようなCPU33Aの制御に基づいて作動するスイッチであり、副基板30Cへの電力の供給をオン・オフとするためのスイッチである。
【0022】
表示選択部37Aは、表示素子32のうちいずれの表示素子32を表示させるのかについて選択する部分である。また、表示ドライバ38Aは、表示素子32を駆動するためのドライバである。表示素子32は、光の点灯によって情報を表示可能な部位である。なお、本実施の形態では、表示素子32は、7セグのLEDとなっており、この7セグのLEDが3つ設けられている。そのため、表示ドライバ38AはLEDドライバであり3つ設けられている。スイッチ39Aは、上述した押込ボタン31の押し込みに対応した信号を送信する部分である。
【0023】
なお、このスイッチ39Aは、押込ボタン31の個数に対応して3つ設けられている。また、表示素子32、表示選択部37Aおよび表示ドライバ38Aは、請求項でいう表示手段に対応する。
【0024】
また、インターフェース部40Aは、音声基板30Bや副基板30C、後述する制御基板30Dを接続し、それらの各基板と主基板30Aとの間で信号をやり取りするための部分である。なお、主基板30Aと制御基板30Dとの間の接続は、たとえばUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)やRS−485といったシリアル通信を行うものとなっている。
【0025】
また、音声基板30Bには、DC−DCコンバータ35B、音声プロセッサ41、音声データROM42、およびアンプ43等が搭載され、さらにインターフェース部40Bも設けられている。これらのうち、DC−DCコンバータ35Bは上述したDC−DCコンバータ35Aと同様のものである。音声プロセッサ41は、音声信号の処理を行うための専用回路である。音声データROM42は、音声プロセッサ41で処理される音声データを記憶している部分である。アンプ43は、音声プロセッサ41側からの信号を増幅してスピーカSPへ向けて出力する。インターフェース部40Bは、主基板30Aのインターフェース部40Aとの間で信号をやり取りするための部分である。
【0026】
また、副基板30Cには、DC−DCコンバータ35C、副基板選択部44、表示選択部37C、表示ドライバ38Cおよび表示素子32、スイッチ39C、スイッチ用基板特定部45が設けられ、さらにインターフェース部40Cも設けられている。これらのうち、DC−DCコンバータ35Cは、上述したDC−DCコンバータ35Aと同様のものである。副基板選択部44は、CPU33Aから出力される信号が該当する副基板30Cにおける表示素子32の駆動のために用いられるべく、その副基板30Cの特定のために用いられる部分である。この副基板選択部44としては、本実施の形態では、1〜9までのセレクトスイッチが用いられている。
【0027】
表示選択部37C、表示ドライバ38C、表示素子32およびスイッチ39Cは、上述した表示選択部37C、表示ドライバ38Aおよび表示素子32と同様のものである。スイッチ用基板特定部45は、選択されたスイッチ39Cがどの副基板30Cのものであるのかを特定するための情報を与えるためのものである。本実施の形態では、スイッチ用基板特定部45としては、1〜9までのスキャンスイッチが用いられている。インターフェース部40Cは、主基板30Aのインターフェース部40Aとの間で信号をやり取りするための部分である。
【0028】
以上のような主基板30A、音声基板30B、副基板30Cは、図3に示すように操作盤20に取り付けられている。すなわち、副基板30Cは、合計9個存在しているが、その9個のうち8個は、主基板30Aと音声基板30Bと1つの副基板30Cとを囲むように配置されている。また、操作盤20の中央側に位置する主基板30Aと1つの副基板30Cとは、合計7つの表示素子32が菱形の四隅に配置されている。なお、合計7つの表示素子32のうちの1つの表示素子32は、2つの菱形の四隅が重なり合う位置に配置されている。また、音声基板30Bは、主基板30Aの隣に配置されている。
【0029】
また、親機のトレーニング装置11Aの操作盤20には、図2に示すようなスイッチボックス50が取り付け可能となっている。このスイッチボックス50は、スタート用押込ボタン51と、3つのレベル用押込ボタン52とを有している。スタート用押込ボタン51は、所定の色に着色された透光性を有する樹脂によって形成されている。同じくレベル用押込ボタン52も、所定の色に着色された透光性を有する樹脂によって形成されている。それにより、制御基板30Dに取り付けられている発光素子が発光すると、スタート用押込ボタン51またはレベル用押込ボタン52の所定の色の発光としてユーザに認識される。
【0030】
なお、スイッチボックス50が取り付けられたトレーニング装置11が、親機のトレーニング装置11Aとなるように設定し、スイッチボックス50が取り付けられていないトレーニング装置11が、子機のトレーニング装置11Bとなるように設定しても良い。すなわち、スイッチボックス50が取り付けられ、その旨をトレーニング装置11のCPU33Aが認識した段階で、そのトレーニング装置11が親機のトレーニング装置11Aとなるように、プログラム処理を行うものとしても良い。ただし、2台以上のトレーニング装置11にスイッチボックス50が取り付けられた場合に、いずれを親機とするかについては、たとえば先にスイッチボックス50が接続されたトレーニング装置11を親機とするようにしても良く、最後にスイッチボックス50が接続されたトレーニング装置11を親機とするようにしても良い。また、その他のルールにて、いずれが親機となるのかを定めるようにしても良い。
【0031】
図4に示すように、スイッチボックス50の内部には、制御基板30Dが設けられている。この制御基板30Dには、CPU33D、メモリ34D、DC−DCコンバータ35D、スイッチ53、スイッチ54、発光ドライバ55、発光素子56、インターフェース部57が設けられ、さらにインターフェース部40Dも設けられている。
【0032】
CPU33Dは、上述したCPU33Aと同様であり、メモリ34Dからのプログラム、データ等を読み込んで、主基板30A、副基板30C、音声基板30Bの制御を司る部分である。なお、CPU33Dによって制御を行う場合には、主基板30AのCPU33Aは各部の制御を行わない。すなわち、CPU33Dが全体の制御を行うように構成されている。メモリ34Dには、そのような制御のためのプログラム、データ等が記憶されている。
【0033】
なお、メモリ34Dとしては、RAM、ROM、EEPROM等がある。また、CPU33Dと、メモリ34Dとは、請求項でいう制御手段および親機側制御手段に対応する。
【0034】
なお、以下の説明においては、CPU33AとCPU33Dとで共通の動作となる場合(特に区別する必要がない場合)には、単にCPU33と称呼する。同様に、メモリ34Aとメモリ34Dとで特に区別する必要がない場合には、単にメモリ34と称呼する。
【0035】
また、DC−DCコンバータ35Dは、上述したDC−DCコンバータ35Aと同様のものとなっている。スイッチ53は、上述したスタート用押込ボタン51の押し込みに対応した信号を送信する部分である。また、スイッチ54は、上述したレベル用押込ボタン52の押し込みに対応した信号を送信する部分である。なお、このスイッチ54は、レベル用押込ボタン52の個数に対応して3つ設けられている。また、発光ドライバ55は、発光素子56を駆動するためのドライバである。発光素子56は、スタート用押込ボタン51またはレベル用押込ボタン52の押し込みに対応して、発光(点灯)または消灯する部位である。発光素子56としては、LEDを用いることが可能である。なお、発光ドライバ55および発光素子56は、スタート用押込ボタン51に対応する分が1つ、レベル用押込ボタン52に対応する分が3つ設けられている。インターフェース部40Dは、主基板30Aのインターフェース部40Aとの間で信号をやり取りするための部分である。
【0036】
ここで、後述する料金投入装置から所定の料金が投入された旨の信号をCPU33が受け取ると、発光素子56が発光して、その発光がスタート用押込ボタン51を介してユーザに認識されるようにしても良い。それにより、ユーザは、トレーニング装置11側でプレイの受付が開始されたことを認識可能となる。
【0037】
また、各プレイモードにおいて、レベルを未選択の場合には、スタート用押込ボタン51に対応する発光素子56を消灯させると共に、レベル用押込ボタン52に対応する発光素子56を発光(点灯)させるようにしても良い。また、各プレイモードにおいて、レベルを選択する場合には、スタート用押込ボタン51に対応する発光素子56を点滅させると共に、選択された(押し込まれた)レベル用押込ボタン52に対応する発光素子56のみを点滅させ、押し込まれていない(選択されていない)レベル用押込ボタン52に対応する発光素子56を発光(点灯)させるようにしても良い。
【0038】
また、各プレイモードのプレイ中においては、スタート用押込ボタン51に対応する発光素子56を消灯させると共に、選択された(押し込まれた)レベル用押込ボタン52に対応する発光素子56のみを発光(点灯)させ、押し込まれていない(選択されていない)レベル用押込ボタン52に対応する発光素子56を消灯させるようにしても良い。
【0039】
なお、親機のトレーニング装置11Aにおいては、後述する通常モード以外に、対戦モードの選択が可能となっている。すなわち、親機のトレーニング装置11Aは、対戦モードか通常モードかの選択権を有している。逆に、子機のトレーニング装置11B自身でプレイする場合には、対戦モードは選択できず、通常モードでのプレイのみとなっている。
【0040】
また、トレーニング装置11には、インターフェース部40Aを介して不図示の料金投入装置が接続されている。トレーニング装置11から料金投入装置に対しては、料金受付許可信号が送信される。そして、料金受付許可信号を受け取った後に、料金投入装置において所定の料金が投入されると、料金投入信号がトレーニング装置11に向けて送信される。
【0041】
以上のような構成を有するトレーニングシステム10およびトレーニング装置11について、その動作を以下に説明する。
【0042】
本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、対戦を行わない通常モード、対戦モードを選択して、実行することが可能となっている。これらのうち、対戦を行わない通常モードにおいては、特開2011−36289で述べたのと同様の動作を、単独のトレーニング装置11で実行可能となっている。
【0043】
ここで、対戦モードとは、通常モードで実行されるものを複数人で同時にプレイし、それぞれが獲得するスコアを競うモードとなっている。すなわち、トレーニング装置11を単独でプレイする場合には、専らビジョントレーニングの目的で為され、ゲーム性がほとんどないものとなっている。これに対して、トレーニング装置11を複数人が同時にプレイする場合には、それぞれが獲得するスコアを競うことにより、ビジョントレーニングを行うことが可能でありながらも、ゲーム性が生じるものとなっている。
【0044】
(1.親機のトレーニング装置11Aで通常モード選択画面が表示されている場合について)
まず、通常モード選択画面が表示されている場合の親機のトレーニング装置11Aにおける処理フローについて、図5に基づいて説明する。
【0045】
この場合、CPU33は、スタートボタンが押されたか否かを判断する(ステップS11)。この判断においてスタートボタンが押されたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は表示素子32の点灯箇所に関するデータを生成する(ステップS12)。すなわち、親機のトレーニング装置11Aにおいて、表示素子32を点灯させる順番について、CPU33はプレイする前の段階で一括生成する。そして、この一括生成が終了すると、親機のトレーニング装置11Aにおいて通常プレイモードの動作が実行される。なお、CPU33で一括生成される表示素子32を点灯させる順番は、請求項でいう正答パターンに対応し、その表示素子32が点灯した順番に押込ボタン31(スイッチ39A)を押し込むことにより、正解となる。
【0046】
また、上述のステップS11においてスタートボタンが押されていないと判断される場合(Noの場合)、CPU33はモードまたはレベル変更するか否かを判断する(ステップS13)。すなわち、この状態では通常モードの所定のプレイモードでのスタートとはなっておらず、モードの変更やレベルの変更が行える状態となっているため、CPU33は、そのような変更がされたか否かを判断する。なお、ここでいうモードとは、通常モードか対戦モードかの他に、プレイモードも含まれる。プレイモードとは、ノーマルモード、メモリモード、ナンバーズモード等がある。
【0047】
ステップS13において、モードまたはレベルが変更されたと判断される場合(Yesの場合)、続いて、CPU33は対戦モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS14)。この判断において対戦モードに切り替えられたとは判断されない場合(Noの場合)、CPU33は選択したモード(すなわち通常モードでの所定のプレイモード)またはレベルを適用し(ステップS15)、その後に、ステップS11の判断に戻る。
【0048】
また、ステップS14の判断において対戦モードに切り替えられたと判断される場合(Yesの場合)、続いて、CPU33は全ての子機のトレーニング装置11Bが通常モード選択画面を表示しているか否かを判断する(ステップS16)。なお、この判断は、子機のトレーニング装置11Bへその旨の問い合わせを行い、それに対する返信に基づいて行う。
【0049】
ステップS16において全ての子機のトレーニング装置11Bが通常モード選択画面を表示していないと判断される場合(Noの場合)、ステップS11に戻る。すなわち、子機のトレーニング装置11Bは、対戦モードを選択する選択権を有していない。そのため、もし全ての子機のトレーニング装置11Bで通常モード選択画面を表示していないと判断される場合、いずれかの子機のトレーニング装置11Bで既にプレイされている等の場合が該当する。そのため、ステップS16において全ての子機のトレーニング装置11Bが通常モード選択画面を表示していないと判断される場合には、対戦モードはできない状態に対応するものとして、ステップS11に戻るようにしている。
【0050】
また、ステップS16において全ての子機のトレーニング装置11Bが通常モード選択画面を表示していると判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、子機のトレーニング装置11Bへ対戦モードの切り替えを通知する(ステップS17)。すなわち、親機のトレーニング装置11Aは、対戦モードか通常モードかの選択権を有しており、親機のトレーニング装置11Aで通常モードから対戦モードへ切り替えた場合には、CPU33は、かかる切り替えの旨の信号を子機のトレーニング装置11Bに向けて送信する。そして、この送信の後に、対戦モード選択画面が表示される。
【0051】
(2.親機のトレーニング装置11Aで対戦モード選択画面が表示されている場合について)
次に、対戦モード選択画面が表示されている場合の親機のトレーニング装置11Aにおける処理フローについて、図6に基づいて説明する。
【0052】
まず、CPU33は、スタートボタンが押されたか否かを判断する(ステップS21)。この判断においてスタートボタンが押されたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は表示素子32の点灯箇所に関するデータを生成する(ステップS22)。すなわち、親機のトレーニング装置11Aおよび子機のトレーニング装置11Bにおいて、表示素子32を点灯させる順番について、CPU33はプレイする前の段階で一括生成する。
【0053】
そして、ステップS22において点灯箇所に関するデータを生成した後に、CPU33は子機のトレーニング装置11Bへ点灯箇所を通知する(ステップS23)。すなわち、CPU33は、点灯箇所に関するデータを子機のトレーニング装置11Bに向けて送信する。
【0054】
ステップS23の後に、CPU33は、全ての子機のトレーニング装置11Bがプレイする準備が完了したか否かを判断する(ステップS24)。このとき、子機のトレーニング装置11Bでは、プレイする準備が完了すると、その旨の信号を親機のトレーニング装置11Aに向けて送信する。なお、ステップS24において全ての子機のトレーニング装置11Bがプレイする準備が完了していないと判断される場合(Noの場合)、CPU33は、このステップS24の判断を所定タイミング毎に継続する。
【0055】
そして、ステップS24において全ての子機のトレーニング装置11Bがプレイする準備が完了したと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、子機のトレーニング装置11Bへ対戦動作の開始指示を送信する(ステップS25)。そして、この開始指示が送信されると、親機のトレーニング装置11Aおよび子機のトレーニング装置11Bにおいては、同時に対戦モードでの動作が実行される。
【0056】
また、上述のステップS21の判断においてスタートボタンが押されていない判断される場合(Noの場合)、CPU33は、上述のステップS13と同様に、モードまたはレベル変更するか否かを判断する(ステップS26)。
【0057】
また、ステップS26において、モードまたはレベルが変更されたと判断される場合(Yesの場合)、続いて、CPU33は、子機のトレーニング装置11Bへモードまたはレベルの変更がなされる可能性があることを通知する(ステップS27)。
【0058】
そして、ステップS27の後に、CPU33は、通常モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS28)。この判断において通常モードに切り替えられたとは判断されない場合(Noの場合)、CPU33は、ステップS21の判断に戻る。また、ステップS28の判断において通常モードに切り替えられたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、通常モード選択画面を表示させる。
【0059】
(3.子機のトレーニング装置11Bで通常モード選択画面が表示されている場合について)
次に、通常モード選択画面が表示されている場合の子機のトレーニング装置11Bにおける処理フローについて、図7に基づいて説明する。
【0060】
まず、子機のトレーニング装置11BのCPU33は、親機のトレーニング装置11Aに向けて通常モード選択画面が表示されている旨を通知する(ステップS31)。このような通知を親機のトレーニング装置11AのCPU33が受け取ると、親機のトレーニング装置11AのCPU33では、対戦モード選択画面へ切り替えることが可能であると判断する。
【0061】
ステップS31の後に、CPU33は、スタートボタンが押されたか否かを判断する(ステップS32)。この判断において、スタートボタンが押されたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は親機のトレーニング装置11Aへ状態変化通知を送信する(ステップS33)。すなわち、子機のトレーニング装置11Bで通常モードでプレイされたことを通知する。そのような通知を親機のトレーニング装置11AのCPU33が受け取ると、親機のトレーニング装置11AのCPU33では、対戦モードを選択することができない状態であると判断する。
【0062】
ステップS32の後に、CPU33は、表示素子32の点灯箇所に関するデータを生成する(ステップS34)。すなわち、子機のトレーニング装置11Bにおいて、表示素子32を点灯させる順番について、CPU33はプレイする前の段階で一括生成する。そして、この一括生成が終了すると、子機のトレーニング装置11Bにおいて通常プレイモードの動作が実行される。
【0063】
また、ステップS32においてスタートボタンが押されていないと判断される場合(Noの場合)、CPU33は、対戦モードへの切り替え通知を受信したか否かを所定のタイミング毎に判断する(ステップS35)。すなわち、親機のトレーニング装置11A側から対戦モードへの切り替えがなされたか否かを判断する。このステップS35において対戦モードへの切り替え通知が受信されたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、対戦モード選択画面を表示させ、以後この対戦モード選択画面での処理が実行される。
【0064】
また、ステップS35において対戦モードへの切り替え通知が受信されていないと判断される場合(Noの場合)、CPU33は、プレイモードやレベルの変更操作が行われたか否かを判断する(ステップS36)。すなわち、プレイモードの中にはノーマルモード、ナンバーズモード、メモリモード等があり、それらの中でプレイモードの変更がなされたか否かを判断する。また、それらのプレイモードにおいて、レベルの変更がなされたか否かを判断する。なお、ステップS36においてプレイモードやレベルの変更操作が行われていないと判断される場合(Noの場合)、ステップS32に戻る。
【0065】
また、ステップS36においてプレイモードやレベルの変更操作が行われたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、選択したプレイモードやレベルを適用(設定)する(ステップS37)。そして、この適用(設定)の後に、ステップS32に戻る。
【0066】
(4.子機のトレーニング装置11Bで対戦モード選択画面が表示されている場合について)
次に、対戦モード選択画面が表示されている場合の子機のトレーニング装置11Bにおける処理フローについて、図8に基づいて説明する。
【0067】
まず、CPU33は、点灯箇所通知を受信されたか否かを判断する(ステップS41)。すなわち、親機のトレーニング装置11A側で対戦モードが選択される場合、ステップS22で述べたように、親機のトレーニング装置11AのCPU33は、親機のトレーニング装置11Aおよび子機のトレーニング装置11Bにおいて表示素子32を点灯させる順番について、プレイする前の段階で一括生成する。そのため、ステップS41では、そのような一括生成された点灯箇所通知が受信されたか否かを判断する。
【0068】
ステップS41において点灯箇所通知が受信されたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、点灯箇所に関するデータの取り込みを行う(ステップS42)。すなわち、点灯通知箇所に関するデータをCPU33が処理して、親機のトレーニング装置11A側からの所定のトリガ信号を受け取った段階でプレイできる状態に準備しておく。
【0069】
ステップS42の後に、CPU33は、親機のトレーニング装置11Aに向けて対戦モードをプレイする準備が完了した旨の通知を送信する(ステップS43)。
【0070】
また、ステップS43の後に、CPU33は、親機のトレーニング装置11A側から対戦動作開始通知(トリガ信号)を受信したか否かを判断する(ステップS44)。この判断において、対戦動作開始通知(トリガ信号)を受信したと判断される場合には、対戦プレイモードでの動作が実行される。このとき、親機のトレーニング装置11Aおよび他の子機のトレーニング装置11Bにおいても、対戦モードでの動作が同時に実行される。
【0071】
また、ステップS41において点灯箇所通知を受信していないと判断した場合(Noの場合)、CPU33は、モードまたはレベルを変更する旨の通知を受信したか否かを判断する(ステップS45)。この判断においてモードまたはレベルを変更する旨の通知を受信していないと判断される場合(Noの場合)、ステップS41の判断に戻る。
【0072】
ステップS45においてモードまたはレベルを変更する旨の通知を受信したと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、プレイモードまたはレベルを変更する(ステップS46)。
【0073】
また、ステップS46の後に、CPU33は、通常モードに切り替えられたか否かを判断する(ステップS47)。この判断において通常モードに切り替えられたとは判断されない場合(Noの場合)、CPU33は、ステップS41の判断に戻る。また、ステップS47の判断において通常モードに切り替えられたと判断される場合(Yesの場合)、CPU33は、通常モード選択画面を表示させる。
【0074】
(各プレイモードについて)
続いて、各プレイモードの詳細について説明する。以下の各プレイモードは、上述した通常モードでもプレイ可能であり、また上述した対戦モードでもプレイ可能である。ここで、各プレイモードは、請求項でいう所定の条件の一例に対応する。
【0075】
なお、各プレイモードにおいては、乱数で表示素子32が点灯する箇所を決定するが、単に乱数を発生させただけでは、特定の部位に偏る可能性がある。そのため、操作盤20の全域に均等に表示素子32の点灯箇所が散るように、主基板30A、各副基板30Cから必ず1箇所が表示されるように設定されている。
【0076】
また、以下の各プレイモードは、メモリ34に記憶されている所定のプログラムおよびデータをCPU33が読み込んで実行され、各部位を制御することにより実現されている。
【0077】
[1.ノーマルモードについて]
ノーマルモードは、点灯している表示素子32が次々と移り変わるが、その点灯している表示素子32が存在する部位の押込ボタン31を押す、といった要領でプレイする。いわば、従前存在するもぐらたたきの要領で行うプレイモードである。このノーマルモードは、レベル1〜レベル5といった、5段階の難易度を備えている。
【0078】
ここで、5段階の難易度のうちレベル1は、点灯している表示素子32が存在する部位の押込ボタン31が押されるまで点灯箇所が移り変わらないというものであり、そのトレーニング時間(プレイ時間)は30秒となっている。また、レベル2は、点灯している表示素子32が存在する部位の押込ボタン31が押されるまで点灯箇所が移り変わらないというものであり、そのトレーニング時間(プレイ時間)は60秒となっている。また、レベル3は、押込ボタン31を押さなくても、点灯箇所が移り変わるというものであり、0.8秒間同じ表示素子32が点灯した後に、別の表示素子32を点灯するように移り変わる。なお、このレベル3におけるトレーニング時間(プレイ時間)は30秒となっている。
【0079】
また、レベル4は、レベル3と同様の内容であるが、0.6秒間同じ表示素子32が点灯した後に、別の表示素子32を点灯するように移り変わる、という点でレベル3と相違している。なお、このレベル4におけるトレーニング時間(プレイ時間)も30秒となっている。また、レベル5は、レベル3と同様の内容であるが、0.4秒間同じ表示素子32が点灯した後に、別の表示素子32を点灯するように移り変わる、という点でレベル3と相違している。なお、このレベル5におけるトレーニング時間(プレイ時間)も30秒となっている。
【0080】
なお、ノーマルモードにおけるレベルのうち、レベル1、2は請求項でいう初心者用レベルに対応し、レベル3〜5はトレーニングレベルに対応する。
【0081】
[2.ナンバーズモードについて]
ナンバーズモードは、0から9までの数字がそれぞれ別々の表示素子32に同時に表示される。そして、表示素子32が存在する部位の押込ボタン31を難易度に応じた以下の順番で押し、それを10回行う、というものである。
【0082】
このナンバーズモードにおけるレベル1は、押込ボタン31を押す順番は1から開始し、以後、2から0まで数字の順に押込ボタン31を押す。そして、押す順番が正しいと正解となり、正解となった表示素子32における数字の表示は消える。なお、1回のプレイにおける制限時間は12秒となっている。また、レベル2は、上述のレベル1と同様の内容であるが、1回のプレイにおける制限時間が10秒となっている点が相違している。また、レベル3は、レベル1,2と同じ順に押込ボタン31を押すが、正解しても表示素子32における数字の表示は消えない。なお、1回のプレイにおける制限時間は8秒となっている。
【0083】
また、レベル4は、レベル3とは押す順番が逆となっている。すなわち、0から押し始めて、最後に1を押す内容となっている。なお、1回のプレイ時間における制限時間は8秒となっている。また、レベル5は、レベル4と同様の内容であるが、1回のプレイにおける制限時間は7秒となっている。
【0084】
なお、ナンバーズモードにおけるレベルのうち、レベル1、2は請求項でいう初心者用レベルに対応し、レベル3〜5はトレーニングレベルに対応するものとしても良い。
【0085】
[3.メモリモードについて]
メモリモードは、表示素子32の点灯する順番を覚え、その点灯した順番に表示素子32の存在する部位の押込ボタン31を押す、というプレイモードである。なお、点灯した順番を間違えずに全て押し終えて正解となると、次回は点灯する表示素子32が1つずつ増えていき、間違えるまでそれが繰り返される。なお、間違えて失敗となった場合に、正解の表示順番をトレースする機能があるため、プレイヤーは、どこで失敗したのか(押し間違えたのか)を確認することができる。
【0086】
このメモリモードのレベル1は、操作盤20の中央に位置する9個の表示素子32が点灯する、といった具合にエリアが限定される。なお、制限時間はない。また、レベル2では、最も外周側を除く23個の表示素子32が点灯するようにエリアが限定されている。このレベル2においても、制限時間はない。また、レベル3では、操作盤20の全ての表示素子32が点灯する。このレベル3においても、制限時間はない。
【0087】
なお、メモリモードのレベルにおいては、トレーニングレベルのみが存在するものとしても良い。しかしながら、レベル1またはレベル1とレベル2は、請求項でいう初心者用レベルに対応するものとしても良い。
【0088】
<プレイ中の正解音について>
続いて、プレイ中の正解音について説明する。なお、正解音に関する音声データは、予め音声基板30Bの音声データROM42に記憶されている。そして、CPU33の指令により、音声データが音声データROM42から読み込まれて音声プロセッサ41で処理され、その後所定の信号処理を経ることにより、スピーカSPから正解音が発せられる。
【0089】
本実施の形態においては、各プレイモードでのプレイ中において、正解した場合にスピーカから発せられる正解音として、以下のものがある。まず、正解音として、「ピンポン」とユーザに聴き取られる音を発するものがある。また、正解音としては、2オクターブの音階に設定するものがある。
【0090】
2オクターブの音階に設定した場合としては、正解するたびに徐々に高い音に上がっていくというものがある。たとえば、ド(低)→レ(低)→ミ(低)→・・・といった具合である。そして、一番高いド(高)まで音が上がったら、それからは徐々に低い音に下がっていく。たとえば、・・・→ラ(高)→シ(高)→ド(高;最も高い音)→ド(高;最も高い音)→シ(高)→ラ(高)→・・・といった具合である。そして、一番低いド(低)まで下がったら、再び高い音に上がっていく。たとえば、・・・ミ(低)→レ(低)→ド(低;最も低い音)→ド(低;最も低い音)→レ(低)→ミ(低)→・・・といった具合である。
【0091】
<各プレイモードでのプレイ回数のカウントについて>
続いて、各プレイモードでのプレイ回数のカウントについて説明する。本実施の形態では、CPU33は各プレイモードでのプレイ回数をカウントし、そのカウントした回数をメモリ34に記憶させている。なお、この場合のメモリ34としては、電源をオフにしても記憶し続けるEEPROMが好適である。かかるプレイ回数のカウントは、各プレイモードの各レベル別に行う。このようなカウントを行うことにより、本実施の形態におけるトレーニングシステム10が設置される場所(たとえば店舗等)においては、各プレイモードでの利用された回数に対して、料金投入装置から回収される料金が符合しているか否かを確認することが可能となる。
【0092】
<ベストスコアおよび平均点の算出機能について>
次に、ベストスコアおよび平均点の算出機能について説明する。本実施の形態では、ベストスコアおよび平均点の算出は、各プレイモードのレベル別に行う。また、CPU33で算出されたベストスコアおよび平均点は、メモリ34に記憶されるが、この場合のメモリ34としては、電源をオフにしても記憶し続けるEEPROMが好適である。
【0093】
ベストスコアについては、上位5位の成績を記憶する。ここでいう上位5位とは、本実施の形態のトレーニングシステム10が稼働している期間中で、今までにプレイした中で成績の高い順から5人を指す。ただし、稼働している特定の営業日において成績の高い順から5人としても良い。
【0094】
また、平均点の算出は、以下のようにして行っている。まず、プレイ回数が100回に到達しない場合には、プレイした回数の累計点数を算出する。そして、平均点は、累計点数をプレイした回数で除算することにより算出する。また、プレイ回数が101回以上の場合には、(新たな累計点数)=(前回までの累計点数)−平均点+(今回の点数)、という数式にて、新たな累計点数を算出する。そして、(平均点)=(新たな累計点数)÷100、という数式にて、平均点を算出する。
【0095】
このようにして平均点を算出することにより、EEPROMといったメモリ34の容量が低減可能となる。すなわち、平均点の算出のために、過去100回分またはそれ以上の成績を保持しておく必要がないため、その分だけEEPROMといったメモリ34の容量が低減可能となる。
【0096】
<効果について>
本実施の形態のトレーニングシステム10によると、トレーニング装置11の中の1台は親機のトレーニング装置11Aとなり、その他のトレーニング装置11は子機のトレーニング装置11Bとなる。そして、親機のトレーニング装置11Aと子機のトレーニング装置11Bとの間では、同じ正答パターンにて同じタイミングでプレイしたときに獲得した点数を競う対戦モードでのプレイが可能である。このように、対戦モード(対戦機能)においては、1台が親機のトレーニング装置11Aとなり、その他のトレーニング装置11は子機のトレーニング装置11Bとなることにより、単独のトレーニング装置11においては実現できなかった対戦機能を有しつつも、その対戦機能を簡易かつ安価に実現可能となる。
【0097】
また、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、対戦モードと通常モードとを切り替えることが可能である。
【0098】
さらに、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、親機のトレーニング装置11AのCPU33は、対戦モードか通常モードかを選択する選択権を有する一方、子機のトレーニング装置11BのCPU33は、当該子機のトレーニング装置11Bのみでプレイを開始する場合には、通常モードの選択権のみを有している。そのため、制御が容易なものとなり、対戦機能が簡易かつ安価に実現可能となる。
【0099】
また、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、親機側のトレーニング装置11AのCPU33で、正答パターンを一括生成する。そして、この正答パターンを子機のCPU33側に送信し、この正答パターンに基づいて、親機のトレーニング装置11Aおよび子機のトレーニング装置11Bで同時にプレイする。そのため、親機のトレーニング装置11Aと子機のトレーニング装置11Bで、異なる正答パターンに基づいてプレイすることがなくなるため、獲得する点数の差は視機能に関する差を正確に表すことが可能となる。
【0100】
また、親機側のトレーニング装置11AのCPU33で、正答パターンを一括生成し、それを親機のトレーニング装置11Aと子機のトレーニング装置11Bとで同時にプレイするため、異なるトレーニング装置11の間で異なるタイミングでプレイするのを防止することができる。それにより、同じ正答パターンについて、他人のプレイした内容を見て自身の正答パターンのもので正答を予測しつつプレイする、といった事態が発生するのを防止可能となる。
【0101】
また、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、子機のトレーニング装置11Bにおいて通常モードで単独でプレイする場合には、上述のステップS33で述べたように、親機のトレーニング装置のCPU33へその旨の通知を行う。そのため、親機のトレーニング装置11Aにおいては、その後子機のトレーニング装置11Bと対戦モードでのプレイができないことを認識可能となり、そのような対戦モードでの受付を行わないとする処理を実行可能となる。
【0102】
また、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、スイッチボックス50が取り付けられたトレーニング装置11を、親機のトレーニング装置11Aとなるように設定しても良い。このように構成する場合、トレーニング装置11が親機となるか子機となるかの設定が容易になる。
【0103】
さらに、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、スイッチボックス50が取り付けられた親機のトレーニング装置11Aにおいては、スイッチボックス50のCPU33Dが、トレーニング装置11AのCPU33Aに代替して全ての制御を司るように構成されている。このような代替とすることにより、全体制御に加えて、スタート用押込ボタン51(スイッチ53)およびレベル用押込ボタン52(スイッチ54)による処理や、発光素子56を発光させるといった処理を行うことも可能となる。
【0104】
また、本実施の形態におけるトレーニングシステム10においては、通常モードでは、正答に対する条件の異なる複数のプレイモードが存在する。そして、そのプレイモードにおいては、対戦モードではレベルの低いもの(初心者用レベル)はプレイさせずにレベルの高いもの(トレーニングレベル)のみをプレイさせるようにしている。そのため、対戦モードにおいては、点数の獲得に差がつき易くなり、獲得する点数を競い合うことが可能となり、よりゲーム性を持たせることが可能となる。なお、この場合のプレイモードとは、ノーマルモード、メモリモード、ナンバーズモード等がある。
【0105】
<変形例について>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、これら以外にも、種々変形可能となっている。以下、それについて説明する。
【0106】
上述の実施の形態における表示素子32においては、その点灯方式は上述したものには限られず、種々の点灯方式を採用することが可能である。たとえば、プレイしている場合に正解ではなく間違った押込ボタン31を押した場合に、表示素子32が点滅するようにしても良い。所定間隔での点滅は、たとえば電子機器等が故障した場合にそれを知らせるべく多用されているが、そのようなイメージの点滅とすることで、ユーザに間違ったことを知らせることが可能となる。
【0107】
また、たとえば正解となった場合、またはある条件を満たした場合に、操作盤20において表示素子32が渦巻きを描くように、順に点灯するようにしても良い。たとえば、操作盤20の外周側の表示素子32から内周側の表示素子32に向かって渦巻状に順に点灯する如くである。このように点灯する場合には、その点灯を視認したユーザは、正解となったこと、またはある条件を満たしたことを認識可能となる。
【0108】
また、上述の実施の形態においては、プレイ中の正解音について、2オクターブの音階に設定する場合について説明している。しかしながら、プレイ中の正解音については、異なる設定としても良い。たとえば、8個の副基板30Cのそれぞれに、ドレミファソラシドのいずれかを割り当てるようにする。そして、押込ボタン31を押したときに、それが正しいものである場合には割り当てられた正解音が鳴るようにしても良い。なお、副基板30Cには4つの押込ボタン31が存在するため、最大で4オクターブの音階に設定することが可能であるが、1オクターブ〜4オクターブの間で自由に設定を変えるようにしても良い。
【0109】
また、たとえば親機のトレーニング装置11Aと子機のトレーニング装置11Bとが4台あるいはそれ以上接続されている場合において、たとえばトーナメント方式にて対戦することが可能としても良い。
【0110】
また、上述の実施の形態では、対戦モードにおいては、同時に同じ押込ボタン31を押すプレイ形態としているが、その他のプレイ形態としても良い。たとえば、先行側では複数回操作盤20の中から任意の押込ボタン31を選んで押し込み、後攻側では先行側が押し込んだのと同じ押込ボタン31を、後攻でプレイする人が押し込むと正解とする。そして、先行と後攻とが入れ替わるようにする。このようにして、獲得する得点を競うようにしても良い。
【符号の説明】
【0111】
10…トレーニングシステム
11…トレーニング装置
11A…親機のトレーニング装置(親機トレーニング装置に対応)
11B…子機のトレーニング装置(子機トレーニング装置に対応)
20…操作盤
20a…盤面
21…孔部
30…基板
30A…主基板
30B…音声基板
30C…副基板
31…押込ボタン(押込部位および押込手段の一部に対応)
32…表示素子(表示手段の一部に対応)
33,33A,33D…CPU(制御手段、親機側制御手段、子機側制御手段の一部に対応)
34,34A,34C…メモリ(制御手段、親機側制御手段、子機側制御手段の一部に対応)
35A〜35D…DC−DCコンバータ
37A,37C…表示選択部(表示手段の一部に対応)
38A,38C…表示ドライバ(表示手段の一部に対応)
39A,39C…(押込手段の一部に対応)
40A,40B,40C,40D…インターフェース部
41…音声プロセッサ
42…音声データROM
44…副基板選択部
45…スイッチ用基板特定部
50…スイッチボックス
51…スタート用押込ボタン
52…レベル用押込ボタン
53,54…スイッチ
55…発光ドライバ
56…発光素子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が押し込むことを可能とする押込部位を備え、この押込部位の押し込みに対応する押込検出信号を送信する複数の押込手段と、
前記押込部位に点灯可能に設けられていると共に、点灯状態をユーザが認識可能とする複数の表示手段と、
複数の押込手段の中から所定の条件で押込手段を押し込んだときに正答とする正答パターンを作成し、その正答パターンに対応する押込手段を点灯させ、当該点灯後に前記所定の条件を満たす押込手段を押し込んだときに正答と判定して点数をカウントする制御手段と、
を具備するトレーニング装置が複数存在し、
そのトレーニング装置の中の1台は親機となる親機トレーニング装置であり、その他のトレーニング装置は子機となる子機トレーニング装置であり、
前記親機トレーニング装置の親機側制御手段と前記子機トレーニング装置の子機側制御手段は、同じ前記正答パターンにて同じタイミングでプレイしたときに獲得した前記点数を競う対戦モードと、それぞれの前記トレーニング装置で他の前記トレーニングとは獲得した前記点数を競わずにプレイする通常モードとを切り替えることが可能であり、
前記子機側制御手段は、該当する前記子機トレーニング装置のみでプレイの開始を指示する場合には前記通常モードの選択権のみを有すると共に、前記親機側制御手段へプレイする旨の子機プレイ通知を行い、
前記子機側制御手段は、前記親機トレーニング装置が前記対戦モードでプレイする場合には当該対戦モードとする旨の通知を前記親機側制御手段から受け取ると共に、前記親機側制御手段で作成された前記正答パターンを受け取り、
前記親機側制御手段は、前記対戦モードか前記通常モードかを選択する選択権を有すると共に、前記子機プレイ通知を受け取ったときには前記対戦モードの選択を禁止し、前記対戦モードでプレイする場合には前記正答パターンをプレイする前に一括生成して前記子機側制御手段に送信する、
ことを特徴とするトレーニングシステム。
【請求項2】
請求項1記載のトレーニングシステムであって、
前記トレーニング装置には、スイッチボックスが取付可能に設けられていて、
前記スイッチボックスには、ボックス用制御手段が設けられていて、前記ボックス用制御手段が前記トレーニング装置に取り付けられた場合には、前記親機側制御手段として機能してそのスイッチボックスが取り付けられた前記トレーニング装置の前記制御手段に代替して全ての制御を司る、
ことを特徴とするトレーニングシステム。
【請求項3】
請求項1または2記載のトレーニングシステムであって、
前記通常モードでは、前記所定の条件が異なる複数のプレイモードが存在し、当該プレイモードには初心者用レベルと、複数のトレーニングレベルとが存在し、複数の前記トレーニングレベルは前記初心者用レベルよりも前記点数の獲得が困難となっており、
前記対戦モードでは、複数の前記プレイモードがプレイ可能であると共に前記トレーニングレベルのみのプレイが可能である、
ことを特徴とするトレーニングシステム。




【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−34765(P2013−34765A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174997(P2011−174997)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(503253079)株式会社サニカ (20)
【Fターム(参考)】