説明

対流圏風力発電装置用テザー

対流圏風力発電装置(1)用のロープ(3)であって、その長さにおいて、繰り返しの曲げサイクルに耐えるよう構成された少なくとも一つの第1部分(4)であって、安全係数(S1)、直径D(b1)および空気力学的抵抗係数(CD1)を備える第1部分(4)と、大きな負荷による繰り返しの引っ張りサイクルに耐えるよう構成された少なくとも一つの第2部分(5)であって、安全係数S2<S1と直径D(b2)<D(b1)を備える第2部分(5)とを、備えることを特徴とするロープ(3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対流圏風力発電装置用ロープに関する。
【背景技術】
【0002】
対流圏風力発電装置は、高い機械的抵抗を有する長いロープにより地面に束縛された凧、翼、飛行機、軽航空機、飛行船を介して、高高度における膨大な風力エネルギーを活用するという共通の目的を共有している。そのような対流圏風力発電装置の新しいカテゴリーがその技術分野において知られており、現在、複数の異なる調査グループによって開発が進められている。
対流圏風力発電装置の共通の動作原理は、高高度における風力エネルギーを力学的エネルギーに変換可能な空気力学的機体を飛行させ続けることに基づいている。力学的エネルギーによって仕事をすることができ、更に、力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換すれば、電気的エネルギーを民間および産業目的に広く利用することができる。
【0003】
空気力学的機体の最も単純で最も効果的かつ安全な構成としては、単に、高い空気力学的効率を有する翼とすることができる。翼は、現在の風力発電装置では到達不可能な高度で飛行を継続させられながら、高抵抗ロープにより地面に束縛される。
あるいは、空気力学的機体をより複雑なものとすることもできる。例えば、飛行船または尾翼および安定部材を有する飛行機によって飛行を継続させられる風力タービン回転子とすることもできる。
とりわけ、このカテゴリーにおける全ての発電装置は少なくとも1本の束縛用ロープを有しており、そのロープが定期的にウインチまたはウインチシステムによって巻き上げられたり、繰り出されたりする。
【0004】
ウインチの回転を利用して力学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する発電装置だけでなく、飛行高度や軌道を検査するためだけに、あるいはもっと単純に、離陸および着陸段階のためだけに、ロープの巻き上げと繰り出しを用いる発電装置においても、本発明の利点を見出すことができる。
また、海軍で使用される牽引システムや凧に基づく船上発電システムにおいても、本発明の利点を見出すことができる。
このような風力発電装置の例は、対流圏風力発電装置の一般概念を記載したイッポリート=マッシーモのイタリア国特許第0001344401号および第0001344926号や、回転コンベヤ方式の構成を記載したイッポリート=マッシーモのヨーロッパ特許第EP1672214号や、制御システムを記載したカイト・ジェン・リサーチS.r.l.のPCT特許出願PCT_WO2007/129341や、「ヨーヨー」と称する構成における発電機の基盤構造を記載したイタリア国特許出願TO2008A000423に記載されている。
【0005】
とりわけ、上述した既知の発電装置により取り出すことのできるエネルギーは第一に、風速や風向きといった大気現象に依存する。そのような大気現象は設計時点において評価することは可能であっても、設計者から影響を及ぼされることはあり得ない。しかしながら、抽出可能なエネルギーは、帆の表面や空気力学的特性といった、制御可能な、精密な設計上の選択にも依存する。
上述の既知の発電装置により抽出可能なエネルギーに関して本出願人が行った全ての評価により、次のことが確認された。すなわち、依然として設計者に決定権があるパラメータのうち、翼とロープとからなる全システムの空気力学的効率が、最も重要な要素だということである。事実、回収可能なエネルギーを描写し予測する数式において、帆の表面は線型的に表される一方、空気力学的効率は2のべき乗で増加するように表される。揚力係数と抵抗係数の間の比によって表される帆の効率は概して高いが、それは帆の空気力学的断面が、低い値の空気力学的抵抗係数を生じるためである。
【0006】
他の人々は、例えばオッケルスらの米国特許出願2008/0210826に開示されているように、1本のみのロープを使用することを好むが、これに代えて、本出願人が開示した発電装置の安全性と信頼性を向上させるために、一対のロープを採用することを選択した。実際、まず第一に、一対のロープによって、電気機械的装置を船上に設置することを要せずに風の軌道を制御することができる。そして、制御不能落下や、単一のロープが破損した場合の翼の紛失に加えて、機能不全、故障、凧に設置され得る機器の通信困難から操作可能性が保護される。
一対のロープは更に、例えば製造欠陥によるロープの切断のような稀な事態を、潜在的に危険な事態から、単純な復帰と保守の手順へと変容させる。すなわち、2本のロープのうちの1本の破損は、実際、翼の持ち上げの一時的な低下を意味し、その後、残っているロープに働く緊張の低下を伴う。このように、残るロープを素早く巻き戻すことで、パラシュートに似た翼の動きにより、いつでも翼を地面に戻すことができる。
【0007】
同じ原理はまた、巻き取りとエネルギー発生のステップに続くロープの巻き戻しのステップにおける運転条件下においても適用され活用される。実際、一方のロープをコントロールした状態で解放し、もう一方のロープの引張りを保持することにより、翼は空気力学的力の合力がほぼ抵抗力のみからなるような位置へと自然に持っていかれ、持ち上げは無視できるようになる。このような特定の向きに翼を保持することは、緊急時や飛行中に飛行機パイロットが行う操作に例えて「サイドスリップ」操作と定義することができるだろう。これにより、最小限のエネルギーコストで制御ロープを高速度で巻き戻すことができる。
そのため、1本のロープを使用する解決策に対して、2本のロープを使用することは全体の抵抗の増加を暗示するが、安全性および信頼性の観点では間違いなく利点を与えるものである。
しかしながら、市販のロープは対流圏風力発電装置に使用するものとして考えられ最適化されている訳ではなく、全空気力学的性能を大幅に制限する要因である。
【0008】
知られているように、シミュレーションにおけるロープの挙動は、一次近似として、無限の長さを持つ滑らかな円筒であって、その円筒の軸に直行する流れと交差する円筒の挙動に帰することができる。そして、多数の実際の適用において典型的なレイノルズ数に関連する風通路内の実験データに応じて抵抗係数(典型的にはC=1.2)を推定する。この方法は実際のケーブルの形状、表面粗さ、および、長手方向とねじりの弾性を考慮しておらず、概して、真の全抵抗係数を過小評価していることが示唆される。
例えば、多数のより糸を有するロープは、均一な流体に浸された場合により大きな抵抗係数(C=1.5)を持ち得る。長いケーブルの場合、渦に誘発される振動(VIV)の現象が引き起こされると、抵抗係数はC=2.5〜3というオーダーの数値にさえ達し得ると同時に、揚力係数Cに相当する、流れに垂直な力も発生し得る。この問題は多くの応用分野で顕著であり、とりわけ、特に長いロープやケーブル(例えば、石油プラットフォームのタイロッドや、遠隔操作型潜水艇(ROV)を曳航するケーブル)が、変動する強さを持つ流体の作用に晒される海軍および海洋の分野で顕著である。
【0009】
電気エネルギーを伝送する懸垂線や吊り橋のタイロッドなどが潜在的に危険な振動に影響され得る民間の分野においても明らかに多数の例が存在する。これらの応用において、振動の振幅を小さくし、弾性バランスの不安定化発生の可能性を低下させる解決策がまず何よりも探求され、入射流体の方向にかかわらず、性能が要求された。
その他の応用において、特にケーブルの流体力学的抵抗の低減が求められた。
提案された多くの方法の中で、繰り返されたスキームによる粗さ分布というものを思い出すことができる。粗さ分布とは、表面の隆起または凹み、らせん状の巻線、繊維の帯の付加、および多かれ少なかれ空気力学的な、硬いもしくは柔軟な整形板の分布のことである。
しかしながら、前述のタイプの風力発電装置で生ずるように、ケーブルがウインチドラム上での巻き上げと繰り出しの繰り返しのサイクルに晒されると、技術的問題の複雑さが増し、取り得る解決策は少なくなる。
【0010】
航空学においても、この問題は特に関係がある。既に複葉機の時代から、イギリスにおいて「RAFワイヤ」とよばれる輪郭付けされた構造部材が、鋼鉄製ケーブルまたは全赤色酸化鉄で作られたタイロッドの置き換え用に開発されていた。そのような現象の重大さはまず典型的な対流圏発電装置の寸法決めの考察から始めることにより評価することができる。航空機の翼は、10kN/mのオーダーの揚力を発生させることができる。
例えば、満載状態のボーイング747−400が離陸をする際の重量と翼表面との比W/Sは7500N/mである。これは旅客運搬用の航空機であるから、加速度が制限されており(荷重係数n=2.5)、安全条件のもと、翼構造の寸法が、18750N/mに等しい仕様揚力に耐えるように設定されていると推定できる。
【0011】
例えばグライダー、ハンググライダー、クレイジーフライクラフトや凧のように、エンジンを持たない航空機における重量と翼表面の比の基準値は、W/S=300N/mのオーダーである。
これらの飛行機の重量は翼の構造にかかわらず約50N/mである。しかしそれらは大きなgで動作をすることができ(アクロバットの分野で、荷重係数n=6)、そのため、1800N/mのオーダーの仕様揚力値を発生させ、かつそれに耐えることができる。
出願人により発明され上記特許に記載された発電装置の凧を前提として、揚力係数C=1、密度値ρ=1.225kg/m、翼表面S=100m、飛行速度V=40m/sとすれば、揚力の古典的な公式は98000Nという値を返す。よって、1000N/mに近い値である。
【0012】
凧によって生み出され、ロープを伝って発電機まで伝達されなければならない力の値を例えばF=100kNとした場合、後者のものたちの寸法を適切に決定しなければならないことは明らかである。
最も評価の高い合成ロープ製造業者の表を分析したところ、繰り返しの曲げサイクルに対して最適化され、安全係数S=3を適用した1本のロープ(解決策A)を使用することを前提とすると、1本のロープは直径D(a)=18mm、最大引張応力304kNを備えることが必要である。
【0013】
これに代えて、上述したような信頼性と安全性の理由から一対のロープの使用を前提とすると(解決策B)、2本のロープは直径D(b)=14mm、最大引張応力168.6kN、全体で337kNを備えることが必要である。実際、かなり大まかではあるが典型的な挙動の前提として、ロープは地上の発電機に隣接する空気に対してはゼロスピードで動き、凧に隣接する部分は凧と同じ速度で動くものとし、ロープに沿って線形的な速度変化を有するとの前提により、全ロープ抵抗を推定することができる。
空気力学的抵抗係数C=1.2、飛行速度V=40m/sとするとき、完全に繰り出された直径D(a)=18mm、長さ1000mの1本のロープは7054N近傍の全抵抗を生み出す。同じ条件の下、直径D(b)=14mmのロープは、5487N近傍の全抵抗を生み出す。それ故、直径D(b)=14mmのロープ一対を考慮に入れれば、全抵抗は10974N近傍となる。
【0014】
空気力学的抵抗の観点からすると、明らかに、解決策A、Bの両方とも問題がある。2本のロープ(解決策B)は安全性と信頼性を高めるために大いに正当化されるが、不利な立場にある。
上記の観点から、プーリとウインチ周辺の繰り返しの曲げに晒されるロープの周期的疲労抵抗を向上するのに適したいくつかの解決策が提案されている。
例えば、Knudsen R.BとSloan F.E.のPCT特許出願WO2004/035896は、性質の異なる繊維(この場合、HMPEとLCP)を特定の比率で混合したものを用いて作成したロープを開示している。
FrazerらのPCT特許出願WO2005/019525は、負荷を支持するのに必要なより糸の間の空洞を埋めるための、構造的機能を有さない芯を持ったロープを開示している。
同様に、BucherらのPCT特許出願WO2006/086338は低い摩擦係数を持つ繊維、特にフッ化重合体繊維を導入することにより、ロープのより糸の構成に革新を与えている。
NyeのPCT特許出願WO2006/101723にも同様の解決策が開示されており、フッ化炭素重合体の繊維が用いられている。
Bosman R.のPCT特許出願WO2006/133881は、代わりに、横方向断面が楕円または長方形形状であり、縦横比が1.2〜4の間であるとともに、プーリはロープ断面に適合した溝を有する。
【0015】
全てのケースにおいて、ロープの直径と重さとを過度に大きくすることなく、ロープの実用ライフサイクル数を伸ばすと同時に、摩耗状態と、起こり得る局所的な損傷とを指摘するための目視検査の実施可能性を維持すること目的としている。
流体と相対的に動くロープの流体力学的摩耗を減らすためのいくつかの解決策も提案されているが、これらはほとんどが海軍または海洋学の分野での応用のためのものであり、それゆえ、対流圏風力発電装置に適したニーズや適用される解決策とはかなり違っている。
【0016】
例えば、渦流により引き起こされる振動を抑制し、海洋環境中に浸された円筒体の空気力学的抵抗を低減するのに適したカバー、整流板、輪郭の例として、Pearceらの特許CA887428、ToussaintとMeyerの特許US3859949、Normintonの特許US4365574、HendersonとWinghamの特許US4836122、Allenらの特許US6179524、AllenらのPCT特許出願WO2005/116459、PearceのPCT特許出願WO2006/134381、McMillanの特許US6179524、およびAllenらの特許US6223672を参照することができる。
次に、興味深い例として、Swensonの特許US4084065があり、更に最近のものとしてScalaの特許US5067384があり、これらは組み紐を有するケーブルの作成方法を開示しており、組み紐内の一組の繊維は流れの中で任意の方向を向くことができ、引き起こされる振動や空気力学的抵抗を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記の特許に開示された発電装置による発電テストを通して、本出願人は次のことを見出した。即ち、各作業サイクルの正相の終わりにロープを完全に巻き上げ、毎回、凧を地面近傍まで持ってくる必要はない。そうする代わりに、中程度の高度と到達可能な最高高度の間の高高度で作業を繰り返す方がよほど望ましく、そのため、新しいサイクルを始める前に、部分的にのみロープを巻き上げる。この方策の適用により、機械的発電部材の中で、ロープのうち限られた長さの部分のみが大きな負荷による繰り返しの曲げサイクルにさらされ、他のロープ部分は限定的な離陸及び着陸の段階においてのみ、ウインチに巻き上げられたり、繰り出されたりすることは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
それ故、本発明の目的は、対流圏風力発電装置用のロープであって、異なる長さと構成を有する少なくとも2つの部分からなり、一または複数の特定の機能のために最適化され、異なる部分間に柔軟な移行部分を有するロープを提供することにより、上記先行技術の課題を解決することにある。
本発明の別の目的は、対流圏風力発電装置用のロープであって、少なくとも2つの部分からなり、発電機に最も近く、機械的力を伝達し電力に変換するシステム内において繰り返しの曲げサイクルに晒されるロープ部分が、長期の周期的疲れ寿命を保証するロープを提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、対流圏風力発電装置用のロープであって、少なくとも2つの部分からなり、ロープの空中部分として定義できる翼または凧に最も近いロープ部分が低い空気力学的抵抗と最小の重さを持つような構造と輪郭をもつロープを提供することにある。
以下の明細書により表される本発明の上記その他の目的と利点は、クレーム1に記載の対流圏風力発電装置用ロープによって達せられる。好ましい実施形態と本発明の非自明なバリエーションは従属クレームの主題である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、同封の図面を参照し、非限定的な例として提示される複数の好ましい実施形態によってより的確に描写される。同封の図面において、
【図1】図1は本発明によるロープの好ましい実施形態を備える対流圏風力発電装置の斜視図を表し、
【図2】図2は本発明によるロープの別の好ましい実施形態を備える対流圏風力発電装置の斜視図を表し、
【図3】図3は従来のロープに対する、本発明によるロープの性能を示す図であり、
【図4a】図4aは、本発明によるロープの別の好ましい実施形態の側面図であり、
【図4b】図4bは、図4aのロープの断面図であり、
【図5】図5は、本発明によるロープの別の好ましい実施形態の側面図であり、
【図6】図6は、図5のロープの詳細図であり、
【図7】図7は、図5のロープの別の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を参照して、本発明による2本のロープからなる構成3における対流圏風力発電装置の概略を述べることができる。当該ロープは、数万メートルのオーダーの長さに到達可能であり、凧2から発電機1への機械的エネルギーを制御し伝達する。特に、対流圏風力発電装置1用の本発明のロープ3は、その長さにおいて、少なくとも一つの第1部分4と、少なくとも一つの第2部分5とを備える。
第1部分4は、繰り返しの曲げサイクルに耐えるよう最適化されており、好ましくは高い弾性係数を有する合成繊維を混合したものからなり、3から15の間に含まれる安全係数S1(すなわち、運転中のロープの静的最大引張強度と最大負荷との比)を適用した寸法とされており、典型的には6mmから72mmの間、好ましくは8mmから48mmの間に含まれる直径D(b1)を有し、空気力学的抵抗係数CD1を有する。
【0022】
第2部分5は、大荷重による繰り返しの引張りサイクルに耐えるよう最適化されており、好ましくは高い弾性係数を有する合成繊維を混合したものからなり、安全係数S2<S1を適用した寸法とされており、第2部分5の直径D(b2)は、第1部分4の直径D(b1)よりも小さい。特に、第2部分5は円形断面を有し、空気力学的抵抗を低減するように最適化されており、かつ/または、低摩擦係数を有するコーティングにより被膜されており、ロープ同士がもつれた場合に互いに滑ることができるようになっている。
特に、第1と第2の部分3、4は各々の端部において終結しており、金属または複合材料からなる一つまたは複数の連結部材あるいは管によって互いに連結されている。あるいは、好ましくは、同一の作成過程において異なる部分3、4の間に緩やかな遷移を生じさせることにより、または、連続的または漸進的変形を生じさせることにより、部分3、4を連結させる。
【0023】
好ましくは、そのような合成繊維はHMPE繊維である。実際、例えば、Dyneema(登録商標)やSpectra(登録商標)といった商標が付された繊維を用いたHMPE繊維によって製造されたロープの主な特徴は、最大引張強度に対する高い割合の引張強度で行われる単純な引張りサイクルに抵抗する性能が非常に高いことである。
好ましくは、本発明の各ロープ3は、前方添え索および後方添え索の少なくとも一対の添え索7により凧2に接続される。各添え索7はそれぞれ異なる弾性係数を有する材料から作られるため、各添え索7は同じ負荷による伸長が異なる。これにより、凧2のバランスの角度を凧2自身に働く負荷に応じて変えることができる。
実験において、本出願人は実際に、2つの前方添え索と2つの後方添え索からなる4つの添え索7の長さを固定的に規制すると、空気に対する凧2のバランスの角度が調整不能な態様で決定されることを見出した。これは凧の容易な離陸または運転中に生み出され得る電力が制限されることを意味している。
【0024】
代わって本願発明に従って作られた添え索7は、離陸段階において凧2に掛かる負荷が小さいときは、凧が離陸に適した姿勢(例えば、バランスの角度の値α=α1)となることを保証する長さを有する。
代わって、飛行段階において凧2に働く負荷が非常に大きいときには、一対の添え索7、例えば、2つの前方添え索つまり前方右側添え索と前方左側添え索を、負荷の下、複数の後方添え索つまり後方右側添え索と後方左側添え索の伸長よりそれぞれ長く伸長させることができ、これにより凧を、バランス角α=α2>α1によって、離陸姿勢と比べてより持ち上げた姿勢とすることができる。
飛行段階において凧2の姿勢を離陸姿勢に比べてより押し下げた姿勢としたい場合、同様の推論を行うことができ、負荷の下、後方添え索を前方添え索よりも長くする。
凧の負荷、および、負荷と飛行速度の間に関係があることから、飛行速度とに応じて添え索に関わる伸長を設計の際に計算して、所望の飛行姿勢を課すことができる。
【0025】
「空中」と定義することができるロープの部分5は引張りサイクルのみに晒され、プーリおよびウインチ上での繰り返しの曲げサイクルには晒されないものとみなすと、HMPEのような繊維の最適の引張抵抗特性を活用し、安全係数を単一のものに近い値に近づけるように工夫することができる。
2本のロープが使用される場合に注意を集中すると、空中部分5のみに対しては、低減された安全係数S2=1.5を適用することができると考えられ、結果として、縮小された直径D(b2)=9mmとなる。これは最大引張強さ77.8kN、全体として155.6kNに相当する。
低減された安全係数を適用することにより、ロープ全体としての長さおよび強さを損なうことなく、本発明のロープ3の空中部分である第2部分5の直径を小さくすることができる。
【0026】
ロープ3の第2空中部分5の安全係数と、繰り返しの曲げサイクルに晒されるロープ3の第1部分4の安全係数の比を設計段階で定義および最適化することで、異なる応力に晒される両部分の疲労寿命を同じにできることは明らかである。
先の例の数値を再び参照して、本発明のロープ3の適用に関する第一の大きな利点は、一定の直径D(a)=18mmを有する従来の単一のロープの代わりに、直径D(b2)=9mmを有する第2部分5を有する2本のロープ3を、流体力学的な不利益無く、信頼性と安全性の点で大きな利点を得ながら、用い得ることである。
事実、直径D(b1)=14mmと長さ500mを有し、繰り返しの曲げサイクルに晒される第1部分4と、直径D(b2)=9mmと長さ500mを有する第2部分5とを備えたロープ3を前提として、凧2の速度V=40m/sとして、一次の速度変化を0から40m/sの間として計算すると、全ロープ抵抗はたったの3772Nに低減され、ロープが2本の時の全抵抗は7544Nとなる。
【0027】
例として提案された解決策の利点は、従来技術に属するロープを用いた上記解決策Aに対して、全抵抗が31%低減されることにある。
この利点がもたらされるのは、全空気力学的抵抗に対する最も大きな貢献が、空気に対してより速く動くロープ3の第2部分5、つまり、翼2に最も近い部分からもたらされるためである。
その代わり、よりゆっくりと動き、発電機1に隣接するロープ3の第1部分4の長い疲労寿命を保証するために大きな直径を採用することは十分に許容できることである。
【0028】
第2の大きな利点は、高高度での作業サイクルの繰り返しを提供する方策に関連しており、ロープの空中部分の空気力学的特徴を、ロープを完全にかつ繰り返して巻き上げる場合には排除される方策により、改善し得るという点である。実際、凧の離陸と着陸の段階では、ウインチ速度とロープ引張力を低減し、ロープをガイドする自動システムと、空気力学体を接続したり接続を切ったりするためのシステムを提供するというやり方でよい。
その代わり、発電の段階では、制御システムは最大ロープ引張力と回転速度に関して発電機の全機械的能力を利用可能としなくてはならない。そのため、機械的部材の繰り返しの曲げに晒されるロープ部分の操作能力は欠かせないものとなる。
【0029】
第1の改善は、対流圏風力発電装置1の性能に大きな影響を与えるものであるが、別の分野で成功裏に、ただし空気力学的抵抗係数を低減するために発電機の運転要件に対して適用されている解決策と同様の適切な解決策を、縮小された直径を有するロープ3の空中部分の第2部分5のみに対して適用することで得られるものである。
例えば、表面粗さを低減し、Cを滑らかな円筒の値(C=1.2)に近づけるために、ロープ3の第2部分5のみを極めて滑らかな鞘またはプラスチック材料でできたコーティングで覆うことができる。
【0030】
また例えば、境界層の乱流遷移を予防し、空気力学的抵抗係数を低減するために、ロープ3の第2部分5のみを、分散配置された凹凸を有する鞘またはプラスチック材料でできたコーティングで覆うこともできる。
更なる解決策は、スリップストリーム渦の剥離の効果を低減し、渦による振動の発生を防ぎ、空気力学的抵抗係数を低減するために、適切なピッチでの少なくとも一つのらせん状輪郭を表面に有する鞘で、ロープ3の第2部分5のみを覆うことである。
【0031】
更なる解決策は、境界層の乱流遷移を予防し、空気力学的抵抗係数を低減するために、ロープ3の第2部分5のみを、流れ線に沿って自由に方向を合わせることができる繊維を備えた保護紐により覆うことである。
また別の解決策は、境界層の乱流遷移を予防し、空気力学的抵抗係数を低減するために、流れ線に沿って自由に方向を合わせることができる繊維の帯またはプラスチック材料でロープ3の第2部分5の近辺のみを巻くことである。
最後に、更に別の解決策は、ロープの空中部分のみに、空気力学的に輪郭形成されたプラスチック材料でできた鞘を備えることである。
【0032】
代わって、全く新規な解決策は、通常は円形のロープ3の第2部分5を、それのみ長軸と短軸の比が1.5〜5の間となるような細長い断面を有するように作成することである。結果としてできる断面は所望の空気力学的特徴をいまだ有してはいないが、技術的には可能である。空気力学的特徴の改良は、長細い断面を有するよう作成したロープ3に紐を巻きつけ、低密度物質で凹部を埋めて楕円状断面を作ることによって達成することができる。あるいは、長細い断面を有するように作られたロープ3に沿って、プラスチック材料によって作られた柔軟な鞘を押し出すことによって楕円状断面を形成することも可能である。この解決策に対するまた別の素晴らしい改良はしかしながら、一本のロープ3に代えて、互いに異なる直径を有し互いに平行に配置される2本以上のロープを用い、各ロープ3の抵抗断面の合計が、設計時に与えられる機械的応力を支持するように構成される抵抗断面に等しくなるようにすることにある。異なる直径を有するロープ3の間の凹部に低密度物質を適切に充填することで、断面に翼の形の輪郭を与えることができ、その中で大きな直径を持つロープ3は最大厚さを有する空間を占めることになる(図4b)。このように輪郭形成された複数のロープ8は、例えば図4a、4b、5に示すように、全体の機械的抵抗に貢献するのに適した、織った保護紐で覆うことができる。
【0033】
あるいは、このように輪郭形成された複数のロープ8を、プラスチック材料で作った柔軟な鞘で覆って、その表面粗さを最小限にまで低減することもできる。
あるいは、ロープそのものを織って作り、空気力学的断面とすることができる。
あるいは、伝統的方法によりロープを織り、プラスチックまたはエラストマー材料中に入れて固め、圧力下で変形させることによって空気力学的断面を得ることもできる。
織物で形成した保護紐もしくはプラスチック材料で形成した鞘を規則的な間隔で(例えば、図5に示すように)中断して、一本のロープもしくはロープ全体を構成する複数のロープの組を屈曲自在のままとすることで、ロープの空中部分の柔軟性を増し、ウインチドラム上での巻き戻しを容易にすることができる。
【0034】
更に、輪郭形成されたロープの空中部分の別々の領域が、空気に対して異なる飛行速度で移動することを考慮に入れると、選択される翼の輪郭は異なる形状を有する可能性があり、そのためロープの空中部分の異なる領域は異なる空気力学的特徴を持つ可能性がある。
しかしながら、円形断面とは異なる形状に応じてロープを輪郭形成することは、飛行機の翼に生じるような現象と類似の不安定現象の発生を暗示する。事実、楕円状の輪郭と対照的な翼の輪郭は不安定であることが分かっている。即ち、入射角の正変動は、輪郭が流れに対して垂直に向くまで、入射角をより増加させる傾向を有する空気力学的モーメントを生じさせる。この挙動が、ロープ全体におけるスリップストリームの剥離、抵抗の増加、および空気弾性的不安定性を誘発し得ることは自明である。
【0035】
この理由により、特に図2、4a、4b、5、6、7を参照し、本発明のロープ3の別の好ましい実施形態は、飛行機において用いられるものに似た本物の尾翼を有する第2部分5を備えることができる。尾翼は、ロープ上の入射変動により生じる空気力学的モーメントのバランスを取ることができ、安定した挙動を保証することができる。そこで、特に図2を参照して、対流圏発電装置1用の本発明によるロープ3の別の好ましい実施形態は、長さにおいて、少なくとも一つの第3部分6を更に備えるものとすることができ、当該第3部分6は輪郭形成部分9を備え、当該輪郭形成部分9の横方向断面の空気力学的抵抗係数CD3は、好ましくは1.2と0.05の間に含まれ、更に好ましくは、0.6と0.05の間に含まれ、CD3<CD1である。更に、そのような第3部分6は、全体的なロープの安定性を保証するための数および相互距離における安定化尾翼10を備えることができる。
【0036】
図5、6を参照し、尾翼10は好ましくは少なくとも一つのヒンジ12と一つのピン13によってロープ3の第3部分6に対して束縛されるが、尾翼10はロープ3の軸と垂直な軸の周りを回転可能となっている。これにより、着陸手順中に、ロープ3の回収ドラム上で、尾翼10を含むロープ3の第3部分6を秩序よく巻き戻すことが保証される。好ましくは、ヒンジ12は少なくとも一つのストラップ11によって輪郭形成部分9に対して束縛される。図7に示すように、尾翼10はヒンジ12の軸周りに回転し、ロープ3に曲げ戻されることができる。
尾翼10の数と互いの位置関係が、ロープ3の空気力学的特徴と空気に対するロープ3の最大速度に依存することは自明であり、全ての運転状況の下でロープ3の安定性を保証し、かつ、尾翼による追加的空気力学的抵抗が最小であることを保証する解決策が選択される。
【0037】
尾翼10は最後にロープの空中部分に対して束縛することができる。または、発電機を始動しロープの空中部分をゆっくりと繰り出す時に、クリップ式機構によりケーブルに自動的に固定することができる。同様に、ケーブルの空中部分を巻き戻し、発電機を停止する時に、尾翼10を取り外すことができる。
尾翼10が最終的にロープの空中部分に束縛されると、尾翼10は、限定的な離陸と着陸の段階においては、ロープと一体的に回収ウインチに巻かれ得るようになっていなければならない。
空気力学的輪郭形成部分9の逃げ縁に隣接するヒンジ12上に尾翼を束縛することで、尾翼10をウインチドラムに隣接して曲げ、回収ドラム上に秩序よく配列させられることが明らかになった。
回収ドラム上に巻かれたロープの最後の、より外側の層の上に尾翼10を巻く方が容易であることは自明である。
【0038】
飛行段階において尾翼10の正しい向きを保証することについては、ヒンジ12に隣接し、空気力学的力による作用にもかかわらず尾翼の位置を保持するのに十分な剛性を有するねじりバネ等のバネにより、この技術的課題を効果的に解決できることが分かった。
上述したように、本発明によってもたらされる革新はどのような対流圏または高高度風力発電装置においても有利に用いることができる。
しかしながら、特に2本のロープ3による解決策3を、本出願人の上記特許に記載された発電装置の場合の様に機械的エネルギーを地上に伝達するために用いる場合、飛行および発電段階においてロープがからまってしまう可能性があることを考慮に入れ、それに対する保証をしておく必要がある。そのような発電装置の試作品による実験に際して、ロープが互いにもつれた時の翼とコントロールシステムの挙動を、幅広くテストした
ロープに多数の巻きつき合いがあっても、システムは正常に動作可能なことが示された。翼の制御がロープの異なる長さとロープの異なる引張り値に関連付けられているためである。
【0039】
しかしならが、円形断面を有するロープは、もつれた場合でも互いに自由に摺動し合うことができ、更に、巻きつき合いの数は、飛行制御システムの効率を低下させない。
ロープの相互摺動の自由度は、輪郭付された断面によって制限され、尾翼の存在によって損なわれ、あるいは不可能とさえなってしまうことも明らかになった。
実験の際、ケーブルの絡まりはロープの飛行部分の中心の距離から始まり、巻き付きが増え始めると、飛行中の翼の方向と地上の発電機の方向とに沿って延びることも立証された。
この理由から、ロープの空中部分は、好ましい実施形態においては、順番に2つの部分に分けられ、全体として3つの部分に分けられることが見出された。
発電機から翼の方向に完全に繰り出されたロープに沿って移動する場合、繰り返しの曲げサイクルに晒される第1部分、円形断面を有しロープ同士の絡まりに耐えられる第2部分、および空気力学的に輪郭形成がされ尾翼を有する第3部分が存在することになる。
【0040】
特に、円形断面を有するロープの空中部分については、紐、鞘または表面摩擦抵抗の少ない表面コーティングで覆うことにより、ロープ同士の巻き付きが発生し得る領域近辺のロープ同士の摺動を容易にすることができる。
有利には、乱流の遷移を予防し、空気力学的抵抗係数を低減するために、鞘またはコーティングは表面凹部を有するものとすることができる。
先ほどの数値例に戻って、好ましい実施形態によるロープ3は、直径D(b1)=14mm、長さ500m、C=1.2の第1部分4、直径D(b2)=9mm、長さ300m、C=1.2の第2部分5、および直径D(b3)=9mm、長さ200m、低減された空気力学的抵抗係数C=0.5の第3部分とを持ち、全体的抵抗が2768Nに等しいものとすることができる。
【0041】
最後に、本発明の対流圏風力発電装置用のロープは、異なる長さと構成的特徴を有する少なくとも2つの部分からなる。発電機に最も近く、機械的力を伝達し電力に変換するシステムの内部において繰り返しの曲げサイクルに晒されるロープ部分は、長期の周期的疲労寿命を保証できるように構成されている。
ロープの空中部分として定義できる翼もしくは凧に最も近いロープ部分は、低い空気力学的抵抗と最軽量を備えるように構築され輪郭形成がされている。
隣接するロープ間の移行は、柔軟な推移を保証するようになされている。
本発明のロープ3によりもたらされる更なる利点は、1本のロープが破損したとき、ロープの切片が地面に落ちる代わりに柔らかに滑空し、それゆえ、破損したロープが地面に達する前に、自動制御システムがその破損したロープを素早く巻き戻すのに十分な時間があることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対流圏風力発電装置(1)用のロープ(3)であって、その長さにおいて、
繰り返しの曲げサイクルに耐えるよう構成され、安全係数(S1)、直径D(b1)および空気力学的抵抗係数(CD1)を備える少なくとも一つの第1部分(4)と、
大きな負荷による繰り返しの引っ張りサイクルに耐えるよう構成され、安全係数S2<S1と直径D(b2)<D(b1)を備える少なくとも一つの第2部分(5)と
を備えることを特徴とするロープ(3)。
【請求項2】
長さにおいて更に、空気力学的抵抗係数(CD3)がCD3<CD1であるような横方向断面を有する輪郭部分(9)を備える少なくとも1つの第3部分(6)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項3】
前記空気力学的抵抗係数(CD3)が好ましくは1.2と0.05の間に存在し、更に好ましくは0.6と0.05の間に存在することを特徴とする請求項2に記載のロープ(3)。
【請求項4】
前記部分(4、5、6)は、連続的かつ漸進的な変化をなすように連結されることを特徴とする先行する請求項のいずれか一つに記載のロープ(3)。
【請求項5】
前記部分(4、5、6)は、それぞれの端部で終結され、金属または複合材料からなる一または複数の接合部材により相互に連結されていることを特徴とする請求項4に記載のロープ(3)。
【請求項6】
前記部分(4、5、6)は、配管によって連結されていることを特徴とする請求項4に記載のロープ(3)。
【請求項7】
異なる弾性係数を有する材料によってそれぞれ作られた少なくとも一対の添え索(7)によって凧(2)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項8】
前記第3部分(6)が安定用尾翼(10)を備えることを特徴とする請求項2に記載のロープ(3)。
【請求項9】
前記尾翼(10)が前記ロープ(3)の軸に垂直な軸の周りを回転可能となるように構成された少なくとも一つのヒンジ(12)と一つのピン(13)によって、前記尾翼(10)が前記第3部分(6)に束縛されることを特徴とする請求項8に記載のロープ(3)。
【請求項10】
前記ヒンジ(12)は、少なくとも一つのストラップ(11)によって前記輪郭部分(9)に束縛されることを特徴とする請求項9に記載のロープ(3)。
【請求項11】
前記ヒンジ(12)は、尾翼(10)を正しい位置に保つように構成された少なくとも一つのバネを備えることを特徴とする請求項9に記載のロープ(3)。
【請求項12】
前記第1部分(4)と前記第2部分(5)は高い弾性係数を持つ合成繊維の混合物によって作られることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項13】
前記安全係数(S1)は、好ましくは3と15の間に存在することを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項14】
前記直径D(b1)は、好ましくは6mmと72mmの間に含まれ、より好ましくは8mmと48mmの間に含まれることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項15】
前記第2部分(5)は円形断面を有し、低摩擦係数のコーティングにより被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項16】
前記合成繊維はHMPE繊維であることを特徴とする請求項12に記載のロープ(3)。
【請求項17】
前記第2部分(5)は、滑らかな鞘またはプラスチック材料でできたコーティングに覆われていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項18】
前記第2部分(5)は、境界層の乱流遷移を予防し、空気力学的抵抗係数を低下させるように構成され分散配置された凹凸を有する鞘またはプラスチック材料からなるコーティングにより覆われていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項19】
前記第2部分(5)は、少なくとも一つのらせん状輪郭を表面に有する鞘により覆われていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項20】
前記第2部分(5)は、流れ線に沿って自由に方向を合わせることができる繊維を有する保護紐によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項21】
前記第2部分(5)は、流れ線に沿って自由に方向を合わせられる繊維帯またはプラスチック材料が巻かれていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項22】
前記第2部分(5)は、プラスチック材料によって作られ空気力学的に輪郭形成された鞘によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項23】
前記第2部分(5)は、長い軸と短い軸の比が1.5と5の間に存在する細長い断面形状を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)。
【請求項24】
互いに平行になるよう配置された請求項1に記載の複数のロープ(3)からなる複数のロープ(8)。
【請求項25】
異なる直径の前記ロープ(3)の間の凹部に低密度物質が充填されることにより断面の輪郭が翼状に形成され、その輪郭内において、前記ロープ(3)のうち、より大きな直径を有する一つのロープ(3)が前記翼状輪郭のうち、最大厚さを有する領域を占めることを特徴とする請求項24に記載の複数のロープ(8)。
【請求項26】
保護紐により覆われることを特徴とする請求項25に記載の複数のロープ(8)。
【請求項27】
プラスチック材料で作られた柔軟な鞘により覆われていることを特徴とする請求項25に記載の複数のロープ(8)。
【請求項28】
空気力学的断面を得るように織られていることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)または請求項24に記載の複数のロープ(8)。
【請求項29】
織られ、プラスチックまたはエラストマー材料内に入れられて固められ、変形させられて空気力学的断面を得ることを特徴とする請求項1に記載のロープ(3)または請求項24に記載の複数のロープ(8)。
【請求項30】
織物で作った前記保護紐またはプラスチック材料で作った前記鞘が規則的な間隔で中断され、前記ロープ(3)または前記複数のロープ(8)を屈曲自在とすることを特徴とする、先行する請求項のうちいずれか一つに記載のロープ(3)または複数のロープ(8)。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図4b】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−515877(P2012−515877A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547067(P2011−547067)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【国際出願番号】PCT/IT2010/000015
【国際公開番号】WO2010/084520
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(509044659)セコイア オートメーション ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (2)
【Fターム(参考)】