説明

対物レンズおよび光ピックアップ装置

【課題】2つの波長帯のレーザ光のうち、開口数が大きい短波長側のレーザ光のスポットを適正に絞りながら、開口数が小さい長波長側のレーザ光の不要な光を減衰可能な対物レンズおよび光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】対物レンズRは、レーザ光を所定の開口数でスポット状に集束させるレンズ面R1、R2と、レンズ面R1に形成された反射防止膜R1aを備える。レンズ面R1には、BD光と、DVD光と、CD光が、平行光の状態で入射する。反射防止膜R1aは、DVD光の反射率とBD光に対する反射率とが一致する入射角度Dθが、DVD光の最大入射角度以上であって、且つ、BD光の最大入射角度以下の範囲に設定されるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物レンズおよびそれを備えた光ピックアップ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
互いに異なる波長帯のレーザ光を、1つの対物レンズによって、各レーザ光に対応する光ディスク上に集束させる光ピックアップ装置が知られている。かかる対物レンズは、それぞれ、対応する光ディスクの記録密度に応じて、必要な開口数が大きく異なっている(特許文献1)。
【0003】
このように開口数が異なる場合、対物レンズのレンズ面に入射するレーザ光の有効径が、レーザ光毎に互いに異なる。たとえば、ブルーレイディスク(以下、「BD」という)と、デジタルバーサタイルディスク(以下、「DVD」という)と、コンパクトディスク(以下、「CD」という)に対応する対物レンズの場合、BDの開口数(NA=0.85)が最も高く、CDの開口数(NA=0.45)が最も低い。この場合、BDに対応するレーザ光の有効径は、CDに対応するレーザ光の有効径よりもかなり大きい。したがって、CDに対応するレーザ光を対物レンズに入射させる場合、CDに対応するレーザ光の有効径よりも外側のレンズ面に対しても、レーザ光が入射することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−211787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の対物レンズにおいて、不要なレーザ光が対物レンズに入射すると、この不要なレーザ光が光ディスクに照射され、光ピックアップ装置に搭載される光検出器に対し、光ディスクからの不要な反射光がノイズとなって重畳し、再生信号に悪影響を及ぼす惧れがある。
【0006】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、2つの波長帯のレーザ光のうち、開口数が大きい短波長側のレーザ光のスポットを適正に絞りながら、開口数が小さい長波長側のレーザ光の不要な光を減衰可能な対物レンズおよびそれを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、第1の波長帯域の第1のレーザ光と、前記第1の波長帯域よりも長波長側にある第2の波長帯域の第2のレーザ光が、それぞれ、平行光化されて入射する対物レンズに関する。本態様に係る対物レンズは、前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光を、それぞれ、第1の開口数と前記第1の開口数よりも小さい第2の開口数で、スポット状に集束させるレンズ部と、前記レンズ部の入射面に形成された反射防止膜と、を備える。前記入射面は、凸面により形成されるとともに、前記第1のレーザ光に対する第1の有効径が前記第2のレーザ光に対する第2の有効径よりも大きく設定されている。前記反射防止膜は、前記入射面の径方向の位置と前記第1のレーザ光に対する第1の反射率との関係が、前記入射面の光軸から離れるに従って小さくなり、且つ、前記第1のレーザ光の有効径の外縁側の所定の位置において極小値を持つように形成され、前記第1の反射率と前記第2のレーザ光に対する第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置から前記第1の有効径の最も外側の位置までの範囲
に設定されている。
【0008】
第1の態様に係る対物レンズによれば、第1のレーザ光のスポットを小さく絞ることができるとともに、第2の有効径よりも外側のレンズ面に入射する不要な第2のレーザ光を減衰させることができる。
【0009】
第1の態様において、前記第1の反射率と前記第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置は、前記第2の有効径の最も外側の位置の近傍に設定され得る。あるいは、前記第1の反射率と前記第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置から、前記第1および第2のレーザ光の入射角の変化量が10度未満となる範囲に設定され得る。こうすると、不要な第2のレーザ光をより効果的に減衰させることができる。また、第1レーザ光に対して、良好な透過率を得ることができる。
【0010】
なお、不要な第2のレーザ光を最も効果的に減衰させるには、前記第1の反射率と前記第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置に設定されるのが望ましい。
【0011】
本実施の形態において、前記第1のレーザ光は、たとえば、ブルーレイディスクに対応するレーザ光であり、前記第2のレーザ光は、たとえば、デジタルバーサタイルディスクに対応するレーザ光である。この場合、DVD用のレーザ光を用いる場合に、不要なレーザ光を効果的に減衰させることができる。
【0012】
この場合、前記レンズ部は、コンパクトディスクに対応する第3のレーザ光を、コンパクトディスクに対応する第3の開口数で、スポット状に収束させ、前記入射面は、前記第3のレーザ光に対する第3の有効径が、前記第2の有効径よりも小さくなるように設定され得る。この構成では、CD用のレーザ光を用いる場合にも、不要なレーザ光を減衰させることができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、光ピックアップ装置に関する。本態様に係る光ピックアップ装置は、複数の波長帯域のレーザ光を出射する光源と、前記光源から出射された前記レーザ光を平行光に変換するコリメータレンズと、前記コリメータレンズによって平行光に変換された前記レーザ光が入射される上記第1の態様に係る対物レンズを備える。
【0014】
本態様に係る光ピックアップ装置によれば、上記第1の態様と同様、不要なレーザ光が反射防止膜によって減衰されるため、光ピックアップ装置の特性を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のとおり、本発明によれば、2つの波長帯のレーザ光のうち、開口数が大きい短波長側のレーザ光のスポットを適正に絞りながら、開口数が小さい長波長側のレーザ光の不要なレーザ光を減衰可能な対物レンズおよび光ピックアップ装置を提供することができる。
【0016】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る対物レンズの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る対物レンズによるDVD光の透過領域とCD光の透過領域を説明する図である。
【図3】実施の形態に係る対物レンズの光源側のレンズ面における反射率の入射角度依存特性および反射率の波長依存特性を示すグラフである。
【図4】実施の形態に係る対物レンズのディスク側のレンズ面における反射率の入射角度依存特性を示すグラフである。
【図5】実施の形態に係る対物レンズのディスク側のレンズ面における波長別反射率の入射角度依存特性を示すグラフである。
【図6】実施の形態に係る対物レンズの透過率を示すグラフである。
【図7】実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。本実施の形態では、BD/DVD/CDに対して互換性を持つ対物レンズに本発明が適用されている。
【0019】
<対物レンズ>
図1(a)は、本実施の形態に係る対物レンズRを下方向(光源側)から見たときの平面図、図1(b)は、対物レンズRを上方向(ディスク側)から見たときの平面図である。図1(c)は、対物レンズRの光軸を含む当該光軸に平行な面によって対物レンズRを切断したときの断面を模式的に示す図である。なお、図1(c)には、対物レンズRの光軸とともに、BDに対応するレーザ光(以下、「BD光」という)と、DVDに対応するレーザ光(以下、「DVD光」という)と、CDに対応するレーザ光(以下、「CD光」という)の光線のうち、それぞれの光に必要な有効径の最外角を通る光線が示されている。
【0020】
図1(a)、(b)を参照して、対物レンズRは、平面視において真円の形状を有している。対物レンズRは、光透過性に優れる樹脂材料により形成されている。対物レンズRの下面には、レンズ面R1が形成されている。また、対物レンズRの上面には、レンズ面R2が形成されている。レンズ面R1の径φoと、レンズ面R2の径φiは、それぞれ、対物レンズRの径φよりも、かなり小さくなっている。また、レンズ面R1の径φoは、レンズ面R2の径φiよりも大きくなっている。
【0021】
また、図1(c)に示すように、レンズ面R1は、光源側方向に突出する非球面形状の凸面となっている。レンズ面R2は、ディスク側方向に突出する非球面形状の凸面となっている。レンズ面R1の曲率は、レンズ面R2の曲率よりも、かなり大きくなっている。レンズ面R1とレンズ面R2の光軸は、互いに一致している。レンズ面R1のBD光、DVD光およびCD光の有効径は、レンズ面R2のBD光、DVD光およびCD光の有効径よりも大きくなっている。レンズ面R1、R2において、BD光の有効径は、他の光の有効径よりも大きく、CD光の有効径は、他の光の有効径よりも小さい。また、BD光のレンズ面R1のBD光の有効径は、径φoよりもやや小さくなっており、レンズ面R2のBD光の有効径は、径φiよりもやや小さくなっている。
【0022】
レンズ面R1、レンズ面R2は、それぞれ、平行光の状態で入射したBD光、DVD光、CD光を、それぞれ、BD上、DVD上、CD上に適正に集束させることができるよう構成されている。BD光の波長は、400nm〜440nm程度である。また、DVD光の波長は、630nm〜680nm程度であり、CD光の波長は、770〜790nm程度である。
【0023】
レンズ面R1に入射したBD光、DVD光およびCD光は、レンズ面R1で光軸に向かう方向に屈折され、レンズ面R2に向かう。BD光に対応する有効径の最外角を通ってレンズ面R1に入射する光線のレンズ面の法線からの傾きα(入射角の角度:以下、「入射
角度」という)は、略70度である。また、DVD光に対応する有効径の最外角を通ってレンズ面R1に入射する光線の入射角度βは、略41度であり、CD光に対応する有効径の最外角を通ってレンズ面R1に入射する光線の入射角度γは、略30度である。レンズ面R1に入射する光は、レンズ面R1の周辺部に近いほど、入射角度が大きくなる。したがって、これらの最外角を通る光の入射角度α、β、γは、それぞれ、各光の有効径における最大入射角度に相当する。
【0024】
レンズ面R1にて屈折されたBD光、DVD光およびCD光は、レンズ面R2によって、さらに光軸に向かう方向に屈折される。こうして対物レンズRにより集束されたBD光は、BDに適する高い開口数(NA=0.85)にてBDに入射する。また、DVD光は、開口数(NA=0.6)にてDVDに入射し、CD光は、開口数(NA=0.45)にてCDに入射する。
【0025】
その後、BD光、DVD光およびCD光は、それぞれのカバー層で屈折され、記録層上にフォーカスされる。なお、本願発明において、レンズ部とは、入射してくる光線を屈折させることができる機能を有する部分である。そして、本実施の形態においては、レンズ部はレンズ面R1およびレンズ面R2を含む。
【0026】
レンズ面R1には、BD光、DVD光およびCD光を、それぞれ、BD、DVDおよびCD上に集束させるために、同心円輪状の回折パターンが形成されている。レンズ面R1のうちCD光の有効径の部分には、BD光、DVD光およびCD光を対象に設計された回折パターンが形成され、CD光の有効径の部分を除いたDVD光の有効径の部分にはBD光とDVD光を対象に設計された回折パターンが形成され、DVD光の有効径の部分を除いたBD光の有効径の部分にはBD光を対象に設計された回折パターンが形成されている。
【0027】
また、レンズ面R1、R2の表面には、それぞれ、反射防止膜R1a、R2aが形成されている。反射防止膜R1a、R2aは、屈折率の異なる薄膜が積層された多層膜である。反射防止膜R1a、R2aは、レンズ表面での必要な光の反射を抑制し、必要な光の透過率を高めるよう、膜厚と層数が設計されている。
【0028】
上記のように、BD光、DVD光およびCD光は、それぞれ互いに開口数が異なり、有効径が異なる。すなわち、それぞれの光は、対物レンズRのレンズ面R1において各光の有効径に入射する光束領域の大きさが異なる。したがって、BD光よりも開口数が低いCD光、DVD光は、必要な光束領域よりも外側のレンズ面R1に、不要な光が入射し得る。
【0029】
たとえば、図2(a)に示すように、DVD光が対物レンズRに入射する場合、DVD上にDVD光をスポット状に集束させるために必要なレンズ面R1の領域(DVD光の有効径に対応する領域)は、Daである。したがって、領域Daよりも外側のレンズ面R1の領域Dbに入射するDVD光は、不要光である。すなわち、DVD光の最大入射角度41度よりも大きい入射角度で入射する光は、不要光である。
【0030】
同様に、図2(b)に示すように、CD光が対物レンズRに入射する場合、CD上にCD光をスポット状に集束させるために必要なレンズ面R1の領域(CD光の有効径に対応する領域)は、Caである。したがって、領域Caよりも外側のレンズ面R1の領域Cbに入射するCD光は、不要光である。すなわち、CD光の最大入射角度30度よりも大きい入射角度で入射する光は、不要光である。
【0031】
これらの不要光がレンズ面R1に入射すると、これらの不要光が対応する光ディスクに
照射され、光ピックアップ装置に搭載される光検出器に対し、光ディスクからの不要な反射光がノイズとなって重畳し、再生信号に悪影響を及ぼす惧れがある。
【0032】
したがって、BD光よりも、開口数の低いDVD光またはCD光を対物レンズRに入射させる場合、それぞれの光の有効径の最外角よりも外側のレンズ面R1の領域は、DVD光またはCD光を透過させない方が望ましい。
【0033】
そこで、本実施の形態では、以下に説明するように、BD光のビームスポットを小さく絞りながら、DVD光の有効径よりも外側に入射する不要なDVD光、および、CD光の有効径よりも外側に入射する不要なDVD光およびCD光が効果的に減衰可能なように、反射防止膜R1aが形成される。
【0034】
本実施の形態における対物レンズRの光源側のレンズ面R1、ディスク側のレンズ面R2の形状は、以下の式(1)で示される。
【0035】
【数1】

【0036】
上記式(1)において、Zは、光軸方向のサグ量である。cは、曲率半径の逆数であり、rは、光軸と直交する方向の高さである。kは、コ―ニック定数である。A4、A6、A8、A10、A12、A14およびA16は、それぞれ、4次、6次、8次、10次、12次、14次および16次の非球面係数である。
【0037】
上記式(1)を満たすように設計した対物レンズRのレンズ面R1、R2の設計例を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
上記表1で設計されたレンズ面R1におけるBD光の最大入射角度は、68度、DVD光の最大入射角度は、41度、CD光の最大入射角度は、30度である。レンズ面R1とレンズ面R2を組み合わせることにより、それぞれに必要な開口数(NA=0.85、0.6、0.45)が実現され、それぞれの光をディスク上に適正に集束させることができる。
【0040】
上記式(1)、および表1に基づいて設計された対物レンズRのレンズ面R1の表面に
形成される反射防止膜R1aの膜設計の例を表2に示す。また、対物レンズRのレンズ面R2の表面に形成される反射防止膜R2aの膜設計の例を表3に示す。また、これらの反射防止膜R1a、R2a、対物レンズRに用いられる素材の屈折率を表4に示す。なお、表2には、実施例1と実施例2の2つの反射防止膜R1aの設計例が示されており、表3には、実施例3の反射防止膜R2aの設計例が示されている。
【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
表2の実施例1は、レンズ面R1を透過するBD光の入射角度が45度のときに、BD光に対する反射率が極小値となるように設計された反射防止膜R1aの膜設計の例である。また、表2の実施例2は、レンズ面R1を透過するBD光の入射角度が55度のときに
、BD光に対する反射率が極小値になるように設計された反射防止膜R1aの膜設計の例である。実施例1、2の場合、光源側から順に、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニム、二酸化ケイ素の5層膜構造となっており、表2に示す如く、膜厚が設計されている。なお、基材には、三井化学株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂であるアペル(登録商標)を用いた。
【0045】
また、表3の実施例3は、最大反射率が略12%であり、且つ、レンズ面R1を透過するBD光の入射角度が30度のときに、BD光に対する反射率が極小値となるように設計された反射防止膜R2aの膜設計の例である。それぞれ、ディスク(BD)側から順に、互いに屈折率の異なる二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムの2層膜構造となっており、表3に示す如く、膜厚が設計されている。なお、基材には、上記同様、三井化学株式会社製の環状ポリオレフィン系樹脂であるアペル(登録商標)を用いた。
【0046】
図3(a)は、上記実施例1および実施例2のレンズ面R1におけるBD光(波長405nm)の入射角度と反射率の特性を示したグラフである。図3(a)は、横軸にレンズ面R1に対するBD光の入射角度が示されており、縦軸にレンズ面R1の反射率が示されている。
【0047】
図3(a)を参照して、実施例1の場合、反射率が極小となる入射角度は、45度である。このときの反射率は、略5%程度である。また、入射角度が0度のときの反射率は、略25%程度である。したがって、BD光の最外角に近いレンズ面R1の周辺部の透過光量が大きくなり、レンズ面R1の中央部の透過光量が大きく減衰されることとなる。これにより、BD光のスポット径を小さく絞ることができる。
【0048】
また、実施例2の場合、反射率が極小となる入射角度は、55度である。このときの反射率は、略5%程度である。また、入射角度が0度のときの反射率は、略25%程度となっている。したがって、実施例1よりも、さらにBD光の最外角に近いレンズ面R1の周辺部の透過光量が大きくなり、レンズ面R1の中央部の透過光量が大きく減衰されることとなる。これにより、さらにBD光のスポット径を小さく絞ることができる。
【0049】
このように、反射防止膜R1aは、BD光のスポット径を小さく絞るために、BD光の有効径の外縁側に、反射率の極小値が位置付けられるよう設計されている。レンズ面R1に入射するレーザ光(平行光)の強度は、中心の強度がピークとなるガウス分布となっている。このため、そのままの強度分布でBD光を対物レンズRに入射させても、外周部分のパワーが小さいため、BD光のビームスポットを効果的に絞ることができない。この点から、実施例1、2では、有効径の外縁側に反射率の極小値が位置付けられるよう、反射防止膜R1aが設計されている。つまり、反射防止膜R1aによってレーザ光の中心部分の強度を低下させ外周部分の強度を高めることにより、BD光のスポット径を小さく絞ることができる。
【0050】
なお、この場合、反射率の極小値を、どの入射角度の位置に設定するかの検討が必要となる。これについては、追って、図5を参照して説明する。
【0051】
図3(b)は、レーザ光が入射角度0度でレンズ面R1を透過する場合の反射率の波長依存特性を示すグラフである。図3(b)は、横軸にレンズ面R1に対する入射するレーザ光の波長帯域が示されており、縦軸にレンズ面R1の反射率が示されている。なお、図3(b)は、図3(a)に示したグラフと同等のグラフである。図3(b)のグラフに示すような特性を有する反射防止膜R1aを設計すると、図3(a)のグラフに示すようなBD光における入射角度と反射率の特性が得られる。また、逆に、図3(a)に示すような特性を有する反射防止膜R1aを設計すると、図3(b)に示すグラフの特性が得られ
る。
【0052】
実施例1の場合、反射率が極小となる波長は、略620nmである。すなわち、このような特性を持つ反射防止膜R1aが形成されたレンズ面R1を透過するBD光の反射率が極小となる入射角度は、45度となる。
【0053】
また、実施例2の場合、反射率が極小となる波長は、略740nmである。すなわち、このような特性を持つ反射防止膜R1aが形成されたレンズ面R1を透過するBD光の反射率が極小となる入射角度は、55度となる。
【0054】
図4は、レンズ面R2におけるBD光(波長405nm)の入射角度と反射率の特性を示したグラフである。図4は、横軸にレンズ面R2に対するBD光の入射角度が示されており、縦軸にレンズ面R2の反射率が示されている。
【0055】
図4には、実施例3として、レンズ面R2の中央部付近を透過するBD光の反射率が、略12%程度であり、レンズ面R2の周辺部を透過するBD光の反射率が、略5%程度の反射防止膜R2aが示されている。実施例3の場合、反射率が極小となる入射角度は、略30度である。実施例3では、実施例1、2と同様に、BD光の最外角に近いレンズ面R2の周辺部の透過光量が大きくなり、レンズ面R2の中央部の透過光量が大きく減衰されることとなる。したがって、スポット径を小さく絞ることができる。
【0056】
図5(a)、(b)は、上記実施例1および実施例2の反射防止膜が適用された対物レンズRにおける、BD光(波長405nm)、DVD光(波長650nm)、CD光(波長780nm)の波長別反射率の入射角度依存特性を示すグラフである。図5(a)、(b)には、横軸にレンズ面R1に対するBD光、DVD光およびCD光の入射角度が示されており、縦軸にレンズ面R1の反射率が示されている。
【0057】
なお、図5(a)、(b)の横軸は、レンズ面R1の光軸からの径方向の位置にも対応する。すなわち、入射角度が30度の位置は、CD光の有効径の最も外側の位置に対応し、入射角度が41度の位置は、DVD光の有効径の最も外側の位置に対応し、入射角度が68度の位置は、BD光の有効径の最も外側の位置に対応する。
【0058】
図5(a)を参照して、実施例1の場合、入射角度が35度を過ぎるまでは、DVD光、CD光の反射率は、BD光の反射率よりも低い。そして、入射角度が略38度になると、CD光の反射率は、BD光の反射率を上回る。また、入射角度が略41度になると、DVD光の反射率は、BD光の反射率を上回る。その後、BD光の反射率は、BD光の最大入射角度である68度付近まで、DVD光、CD光の反射率よりも、かなり低い値で推移する。このときのDVD光、CD光の反射率は、略10%〜略30%であり、BD光の反射率は、略5%〜略25%である。
【0059】
このように、実施例1の場合、DVD光の反射率は、略41度の入射角度において、BD光の反射率よりも高くなる。以下、BD光の反射率が極小値に向かう範囲において、DVD光の反射率とBD光の反射率が一致する入射角度をDθと称する。また、CD光の反射率は、略38度で、BD光の反射率よりも高くなる。以下、BD光の反射率が極小値に向かう範囲において、CD光の反射率とBD光の反射率が一致する入射角度をCθと称する。この角度Cθは、CD光の最大入射角度よりやや大きい角度である。
【0060】
また、図5(b)を参照して、実施例2の場合、入射角度が45度あたりまでは、DVD光、CD光の反射率は、BD光の反射率よりも低い。入射角度が略46度になると、CD光の反射率は、BD光の反射率を上回る。また、入射角度が略48度になると、DVD
光の反射率は、BD光の反射率を上回る。その後、BD光の反射率は、BD光の最大入射角度である68度付近まで、DVD光、CD光の反射率よりも低い値で推移する。このときのDVD光、CD光の反射率は、略10%〜略20%であり、BD光の反射率は、略5%〜略25%である。さらに、入射角度が略68度を超えると、DVD光、CD光の反射率は、BD光の反射率を下回る。
【0061】
このように、実施例2の場合、角度Dθは、略48度である。この角度Dθは、DVD光の最大入射角度よりやや大きい角度である。また、角度Cθは、略38度である。この角度Cθは、CD光の最大入射角度よりやや大きい角度である。
【0062】
以上の関係から、入射角度が増加するに従ってBD光の反射率が減少し、且つ、入射角度がBD光の有効径の外縁側において、BD光の反射率が極小値を持つように、反射防止膜R1aを形成すると、DVD光およびCD光については、逆に、入射角度が小さいほど、反射率が低くなり、入射角度が大きくなるほど、反射率が高くなる傾向があることがわかる。よって、このように反射防止膜R1aを形成することにより、DVD光の有効径よりも外側に入射するDVD光の不要光を減衰させることができ、また、CD光の有効径よりも外側に入射するCD光の不要光を減衰させることができる。
【0063】
次に、反射防止膜R1aにおいて、BD光の反射率が極小値となる入射角度をどの範囲に設定するのが望ましいかについて検討する。
【0064】
上記のように、レンズ面R1に入射するBD光の強度は、ガウス分布となっている。このため、BD光の反射率が極小値となる入射角度は、BD光の有効径の最外角にBD光が入射するときの入射角度(最大入射角度:本実施の形態では68度)に近づけるのが望ましい。すなわち、BD光の反射率が極小値となる入射角度をBD光の最大入射角度に近づけるほど、BD光の有効径の外縁部分の光強度を高めることができ、ビームスポットを小さく絞ることができる。なお、BD光の反射率が極小値となる入射角度の上限は、BD光の最大入射角度である。したがって、角度Dθは、少なくとも、BD光の最大入射角度より小さくなる。
【0065】
また、図5(a)を参照すると、角度Dθの前後において、DVD光に対する反射率が急峻に立ち上がっている。このことから、角度Dθを、DVD光の最大入射角度(本実施の形態では41度)より小さく設定すると、DVD光の最大入射角度付近において、DVD光の反射率が急激に増加することが、図5(a)に示す特性から推測される。たとえば、角度Dθを38度程度に設定すると、最大入射角度付近におけるDVD光の反射率は10%程度にまで立ち上がると推測される。こうなると、不要光のみならず、DVD光の有効径に入射するDVD光もまた、有効径の外縁の領域において減衰することになってしまう。したがって、DVD光のビームスポットを絞りにくくなり、また、DVD光に対する対物レンズRの透過率も低下する。また、このように角度Dθを設定すると、CD光についても、角度CθがCD光の最大入射角度に接近するため、CD光の有効径に入射するCD光もまた、有効径の外縁の領域において大きく減衰することになる。このため、CD光のビームスポットも絞りにくくなり、また、CD光に対する対物レンズRの透過率も低下する。
【0066】
以上の検討から、BD光に対する反射率特性が、図5(a)、(b)に示すように、BD光の最大入射角度に近い角度範囲において極小値を持つように、反射防止膜R1aを形成する場合、角度DθがDVD光の最大入射角度よりも大きくなるように、反射率の極小値を設定するのが望ましい。こうすると、BD光のビームスポットを小さく絞りながら、DVD光の不要光とCD光の不要光を効果的に減衰させることができる。
【0067】
なお、不要光を除去する観点からは、角度DθをDVD光の最大入射角度になるべく近づけるのが望ましい。たとえば、実施例1、2の条件の場合、角度Dθは、41度〜50度程度に設定するのが望ましく、より望ましくは、41度〜45度程度に設定するのが望ましい。最も望ましくは、角度Dθを、DVD光の最大入射角度である41度(あるいは、それよりやや大きい角度)に設定する。つまり、角度Dθは、DVD光の最大入射角度付近に設定するのが望ましく、少なくとも、DVD光の最大入射角度からプラス方向に数度の範囲(精々10度までの範囲)に設定するのが望ましい。こうすると、DVD光の有効径の範囲内においてはDVD光の反射率を小さく抑えながら、DVD光の最大入射角度付近において、DVD光に対する反射率を急峻に大きくすることができ、DVD光の不要光を効果的に減衰させることができる。また、CD光の反射率特性も、DVD光の反射率特性と同様の傾向で変化するため、このように角度Dθを設定すると、CD光の不要光も、効果的に減衰させることができる。
【0068】
図6は、対物レンズRの入射瞳Pyの位置に対するBD光の透過率を示すグラフである。なお、瞳座標Pyは、BD光の最外角(入射瞳)に対応するレンズ面R1の位置が1、レンズ面R1の光軸に対応するレンズ面R1の位置が0として、示されている。すなわち、瞳座標Py=1が、BD光の最大入射角度略70度に対応する。
【0069】
図示の如く、実施例1は、瞳座標Pyが0.3〜0.7の領域において、実施例2よりも透過率が高くなっている。また、実施例1は、瞳座標Pyが0〜0.2の領域および瞳座標Pyが0.8の領域において、実施例2よりも透過率がやや低くなっている。瞳座標Pyが0.3〜0.7の領域における実施例1と実施例2の透過率の差は、瞳座標Pyが0〜0.2の領域および瞳座標Pyが0.8の領域における実施例1と実施例2の透過率の差よりもかなり大きい。
【0070】
したがって、実施例1のように角度DθをDVD光の最大入射角度に近付けた方が、BD光に対する対物レンズRの透過率を高めることができ、この点においても、角度DθをDVD光の最大入射角度に近付けるのが有利であると言える。
【0071】
<対物レンズの効果>
本実施の形態による対物レンズによれば、以下の効果が奏され得る。
【0072】
角度Dθが、DVD光の最大入射角度以上であって、BD光の最大入射角度以下の範囲に設定されるように、反射防止膜R1aを形成することにより、BD光のビームスポットを小さく絞りながら、DVD光の不要光とCD光の不要光を効果的に減衰させることができる。
【0073】
この場合、角度Dθを、DVD光の最大入射角度付近に設定することにより、不要光をより好適に減衰させることができる。また、BD光に対して、良好な透過率を得ることができる。
【0074】
<光ピックアップ装置>
以下、上記のようにして形成された対物レンズRを用いた実施の形態について説明する。本実施の形態は、BD、DVD、CDに対応可能な光ピックアップ装置に本発明を適用したものである。
【0075】
図7は、本実施の形態に係る光ピックアップ装置の光学系を示す図である。
【0076】
光ピックアップ装置の光学系は、半導体レーザ101a〜101cと、発散レンズ102a、102bと、偏光ビームスプリッタ103a〜103cと、コリメータレンズ10
4と、レンズアクチュエータ105と、立ち上げミラー106と、1/4波長板107と、アパーチャ108と、対物レンズ109と、ホルダ110と、対物レンズアクチュエータ111と、アナモレンズ112と、光検出器113を備えている。なお、対物レンズ109が、上記のようにして形成された対物レンズである。
【0077】
半導体レーザ101a〜101cは、それぞれ、BD用のレーザ光(波長:405nm)と、DVD用のレーザ光(波長:660nm)と、CD用のレーザ光(波長:785nm)を出射する。半導体レーザ101a〜101cは、記録または再生が行われるディスクに応じて択一的に使用される。
【0078】
発散レンズ102a、102bは、半導体レーザ101b、101cから出射されたDVD光とCD光が、半導体レーザ101aから出射されたBD光と同様、光検出器113上に収束するように、DVD光とCD光の広がり角を調整する。
【0079】
偏光ビームスプリッタ103a〜103cは、それぞれ、BD光、DVD光、CD光(S偏光)を略全反射するとともに、コリメータレンズ104側から入射されるレーザ光(P偏光)を略全透過する。
【0080】
コリメータレンズ104は、偏光ビームスプリッタ103c側から入射されるBD光、DVD光、CD光を略平行光に変換する。
【0081】
コリメータレンズアクチュエータ105は、波長毎にコリメータレンズ104の位置を変化させるとともに、サーボ信号に応じてコリメータレンズ104を光軸方向に変位させる。これにより、各波長のレーザ光に生じる収差が補正される。立ち上げミラー106は、コリメータレンズ104側から入射された各波長のレーザ光を対物レンズ109に向かう方向に反射する。
【0082】
1/4波長板107は、ディスクへと向かう各波長のレーザ光を円偏光に変換するとともに、ディスクからの反射光をディスクへ向かう際の偏光方向に直交する直線偏光に変換する。これにより、ディスクによって反射された各波長のレーザ光は、偏光ビームスプリッタ103a〜103cを透過する。アパーチャ108は、対物レンズ109に対するBD光の有効径が適正となるように、BD光のビーム形状を円形形状に調整する。また、アパーチャ108は、DVD光、CD光のビーム形状を円形形状に調整する。
【0083】
対物レンズ109は、上記実施の形態の対物レンズRのように、光源側に反射防止膜raが形成されたレンズ面109a、ディスク側に反射防止膜rbが形成されたレンズ面109bが形成されている。反射防止膜raは、図5を参照して説明したように、DVD光の最大入射角度41度以上であって、BD光の最大入射角度68度以下の範囲に角度Dθが設定されるように、形成されている。また、反射防止膜rbは、図4を参照して説明したように、最大反射率が略12%であり、且つ、レンズ面109bを透過するBD光の入射角度が30度のときに、BD光に対する反射率が極小値となるように形成されている。
【0084】
ホルダ110は、1/4波長板107およびアパーチャ108と対物レンズ109を一体的に保持する。対物レンズアクチュエータ111は、従来周知の電磁駆動回路によって構成され、当該回路のうち、フォーカスコイル等のコイル部がホルダ110に装着されている。
【0085】
アナモレンズ112は、偏光ビームスプリッタ103a側から入射された各波長のレーザ光に非点収差を導入する。光検出器113のセンサから出力される検出信号は、光検出器113の後段の信号演算回路(図示せず)によって、上記式(1)、(2)に従って演
算処理され、フォーカスエラー信号とプッシュプル信号が生成される。また、かかる信号演算回路は、これら8個のセンサから出力された検出信号を加算して再生RF信号を生成する。
【0086】
本実施の形態の光ピックアップ装置によれば、上記対物レンズの実施の形態と略同様の効果が奏され得る。
【0087】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記の他に種々の変更が可能である。
【0088】
たとえば、上記実施の形態では、レンズ面R1およびレンズ面R2の両方に、反射防止膜R1a、R2aが設けられたが、レンズ面R1のみに設けられても良い。
【0089】
また、上記実施の形態では、BD/DVD/CDに対して互換性を持つ対物レンズが示されたが、当該レンズは、BDとDVDに対して互換性を持つ対物レンズに本発明を適用することも可能である。また、同様に、上記実施の形態では、BD/DVD/CD用の光ピックアップ装置の構成が示されたが、BDとDVDに対して互換型の光ピックアップ装置に本発明を適用することも可能である。
【0090】
また、上記実施の形態では、BD光に対する最大入射角度が68度であるレンズ面R1が示されたが、レンズ面R1のBD光に対する最大入射角度は、BD光を適正に集光可能であれば、どのような角度であっても良い。また、レンズ面R1のDVD光、CD光に対する最大入射角度も、適宜変更可能である。
【0091】
また、上記実施の形態では、所定の厚みの二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウムの複数層構造の反射防止膜R1a、R2aが示されたが、本発明に示す特性を有すれば、反射防止膜は、どのような厚み、層数、素材であっても良い。また、上記実施の形態では、対物レンズRは、樹脂製のレンズが用いられたが、ガラス製のレンズが用いられても良い。
【0092】
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
R … 対物レンズ
R1 … レンズ面(レンズ部)
R1a… 反射防止膜
R2 … レンズ面(レンズ部)
R2a… 反射防止膜
104 … コリメータレンズ
109 … 対物レンズ
109a… レンズ面(レンズ部)
109b… レンズ面(レンズ部)
ra … 反射防止膜
rb … 反射防止膜
Dθ … 角度(第1の反射率と第2の反射率とが一致する径方向の位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の波長帯域の第1のレーザ光と、前記第1の波長帯域よりも長波長側にある第2の波長帯域の第2のレーザ光が、それぞれ、平行光化されて入射する対物レンズにおいて、
前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光を、それぞれ、第1の開口数と前記第1の開口数よりも小さい第2の開口数で、スポット状に集束させるレンズ部と、
前記レンズ部の入射面に形成された反射防止膜と、
を備え、
前記入射面は、凸面により形成されるとともに、前記第1のレーザ光に対する第1の有効径が前記第2のレーザ光に対する第2の有効径よりも大きく設定されており、
前記反射防止膜は、前記入射面の径方向の位置と前記第1のレーザ光に対する第1の反射率との関係が、前記入射面の光軸から離れるに従って小さくなり、且つ、前記第1のレーザ光の有効径の外縁側の所定の位置において極小値を持つように形成され、前記第1の反射率と前記第2のレーザ光に対する第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置から前記第1の有効径の最も外側の位置までの範囲に設定されている、
ことを特徴とする対物レンズ。
【請求項2】
請求項1に記載の対物レンズにおいて、
前記第1の反射率と前記第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置の近傍に設定されている、
ことを特徴とする対物レンズ。
【請求項3】
請求項1に記載の対物レンズにおいて、
前記第1の反射率と前記第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置から、前記第1および第2のレーザ光の入射角の変化量が10度未満となる範囲に設定されている、
ことを特徴とする対物レンズ。
【請求項4】
請求項2または3に記載の対物レンズにおいて、
前記第1の反射率と前記第2の反射率とが一致する前記入射面の径方向の位置が、前記第2の有効径の最も外側の位置に設定されている、
ことを特徴とする対物レンズ。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の対物レンズにおいて、
前記第1のレーザ光は、ブルーレイディスクに対応するレーザ光であり、
前記第2のレーザ光は、デジタルバーサタイルディスクに対応するレーザ光である、
ことを特徴とする対物レンズ。
【請求項6】
請求項5に記載の対物レンズにおいて、
前記レンズ部は、コンパクトディスクに対応する第3のレーザ光を、コンパクトディスクに対応する第3の開口数で、スポット状に集束させ、
前記入射面は、前記第3のレーザ光に対する第3の有効径が、前記第2の有効径よりも小さく設定されている、
ことを特徴とする対物レンズ。
【請求項7】
複数の波長帯域のレーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射された前記レーザ光を平行光に変換するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズによって平行光に変換された前記レーザ光が入射される請求項1ないし6の何れか一項に記載の対物レンズと、を有する
ことを特徴とする光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114724(P2013−114724A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261607(P2011−261607)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】