説明

対話サービスシステム及び対話サービス方法

【課題】複数のユーザが接続された場合、オペレータ側が各ユーザを即時に認識することができる。
【解決手段】ユーザ情報端末と音声による通話を行う通話部302と、対話サービスに関する表示情報を表示する表示部305と、表示部305のウインドウ内に各ユーザ情報端末1から送信される動画像305bの一覧表示と、アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェース305dを含むGUIを構築するインターフェース制御部204aと、GUIに対する操作を行う入力インターフェース308とを備え、インターフェース制御部204aは、入力インターフェース308の操作によって、ユーザの動画像305bを選択した際、選択されたユーザのユーザIDに基づいてデータベース203aからユーザ情報を取得し、選択された当該ユーザのユーザ情報を表示画面305aに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザとオペレータとの間で対話を行う対話サービスシステム及び対話サービス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テレビ電話機能を有する情報処理端末を用い、高齢者や患者と相手方とで映像を見ながら対話させるサービスを提供するシステムがある。このようなシステムとしては、例えば、医師や各種コンサルタント等のサービス提供者が、患者や相談者等であるユーザと1対1で対話し、診断や各種相談に応じるものや、一人のサービス提供者であるオペレータに対して複数のユーザが同時に参加する1対n(nは2以上の自然数)方式で、会議や説明会を実行するものがある。
【0003】
ここで、このような複数のユーザが同時に参加するテレビ電話システムにおいて、各ユーザがオペレータ側に接続を設定するのでは、ユーザの手続きが煩雑となるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決すべく、従来では、例えば特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1に開示された技術では、多者通話が可能なテレビ電話システムにおいて、予め、利用者でグループを構成してそのメンバを登録し、利用者はグループを選択して発呼すると、管理サーバから該グループのメンバを、一斉に発呼することができる。この場合、利用者は通話相手を1人ずつ発呼するのではなく、一回の発呼操作で接続が可能となり、接続操作の手間を簡素化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開006−157541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような特許文献1に開示された技術では、ユーザ側の接続方法を簡素化できるものの、オペレータ側の負担を軽減させるものではなかった。すなわち、オペレータ情報端末に複数のユーザ情報端末が同時に接続された場合、多数のユーザを担当するオペレータは、一度に複数のユーザを認識する必要がある。しかしながら、特許文献1のように、単にデータベースにユーザ情報を蓄積したのみでは、オペレータ側が自主的にユーザ情報を検索しなければならないため、ユーザ情報を表示させる手続きが煩雑となり、ユーザとの対話がスムーズに進まないという問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、利用者とオペレータとの間で対話を行う対話サービスにおいて、利用者の操作性・利便性を向上させつつ、サービス提供者側の負担を軽減できる対話サービスシステム及び、対話サービス方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明は、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワーク上に分散配置されたユーザ情報端末と、通信ネットワークと接続されたオペレータ情報端末との間に対話サービスを提供する対話サービスシステムであって、
ユーザ情報端末は、オペレータ情報端末と音声又は動画像を送受信して通話を行う通信部を備え、オペレータ情報端末は、
ユーザ情報端末と音声による通話を行う通話部と、
対話サービスに関する表示情報を表示する表示部と、
表示部のウインドウ内に、各ユーザ情報端末から送信される動画像の一覧表示と、
アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェースとを含むグラフィックユーザインターフェースを構築するインターフェース制御部と、
グラフィックユーザインターフェースに対する操作を行う入力インターフェースと、
各ユーザを識別するユーザIDに紐付けされたユーザ情報が蓄積されたデータベースとを備える。
【0009】
そして、上記インターフェース制御部は、入力インターフェースの操作によって、ユーザの動画像を選択した際、選択されたユーザのユーザIDに基づいてデータベースからユーザ情報を取得し、ウインドウ内にユーザ情報を表示する。
【0010】
また、他の発明は、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワーク上に分散配置されたユーザ情報端末と、通信ネットワークと接続されたオペレータ情報端末との間に対話サービスを提供する対話サービス方法であって、
(1)ユーザ情報端末において、オペレータ情報端末と音声又は動画像を送受信して通話を行う対話ステップと、
(2)オペレータ情報端末において、ユーザ情報端末と音声による通話を行う通話ステップと、
(3)対話サービスに関する表示情報を表示する表示部のウインドウ内に、各ユーザ情報端末から送信される動画像の一覧表示と、アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェースとを含むグラフィックユーザインターフェースを構築するステップと、
(4)各ユーザを識別するユーザIDに紐付けされたユーザ情報をデータベースに蓄積するステップと、
(5)グラフィックユーザインターフェースに対する操作によって、ユーザの動画像を選択した際、選択されたユーザのユーザIDに基づいてデータベースからユーザ情報を取得し、ウインドウ内にユーザ情報を表示するステップと
を有する。
【0011】
このような発明によれば、オペレータとユーザとが音声と動画像とを送受して対話する際、オペレータ情報端末の表示部に表示されたユーザの動画像を選択すれば、ユーザIDに紐付けされたユーザ情報が表示部のウインドウ内に表示されるので、オペレータは、確認したいユーザの情報を即時に取得することができ、1対n方式の対話であっても、ユーザとの対話をスムーズに進めることができる。
【0012】
上記発明において、インターフェース制御部は、入力インターフェースの操作によって特定のユーザが選択された際に、そのユーザの動画像を拡大表示する機能を有することが好ましい。この場合には、個別のユーザの表情を確認しながら対話を行うことができ、より適切にユーザとコミュニケーションを図ることができる。
【0013】
上記発明において、ユーザ情報端末には、対話サービスに対する操作を行う入力デバイスと、表示画面に緊急用のアイコンを表示させる表示制御部とを備え、通信部は、入力デバイスによって、緊急用のアイコンが選択された場合、その他の操作よりも優先させてオペレータ情報端末に緊急データを送信し、インターフェース制御部は、緊急データを受信した際、ウインドウ内に緊急用の表示をポップアップ表示させることが好ましい。この場合には、画面上のアイコンを選択するのみで、即時にオペレータ側にその旨を通知することができるので、例えば、老人や病人など複雑な操作を行うことが困難なユーザであっても、容易にオペレータ側に緊急である旨を通知することができる。
【0014】
また、オペレータ側では、画面上に緊急である旨がポップアップ表示されるので、緊急を要するユーザに対して即座に対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、この発明によれば、利用者とオペレータとの間で対話を行う対話サービスにおいて、数の利用者が接続された場合、オペレータ側が各ユーザを即時に認識することができ、利用者の操作性・利便性を向上させつつ、サービス提供者側の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る対話サービスシステムの全体構成を示す概念図である。
【図2】本実施形態に係るユーザ情報端末の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るオペレータ情報端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態に係るコールセンタサーバの内部構成を示すブロックである。
【図5】本実施形態に係るユーザ情報端末の表示画面を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係るオペレータ情報端末の表示画面を示す説明図である。
【図7】本実施形態に係るオペレータ情報端末の表示画面を示す説明図である。
【図8】本実施形態に係る対話サービス方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る対話サービスシステムの実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る対話サービスシステムの全体構成を示す概念図である。
【0018】
本実施形態に係る対話サービスシステムは、図1に示すように、コールセンタサーバ2に接続されたオペレータ情報端末3a,3bと、ユーザ情報端末1a〜1cとの間で対話サービスを提供するシステムであり、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワークであるIP網5上に、ユーザ情報端末1a〜1cと、各種サービス提供サーバ4と、コールセンタサーバ2とを備える。
【0019】
そして、本実施形態では、このユーザ情報端末1を使用するユーザの要望を、オペレータ情報端末3a,3bを使用するオペレータが聴取し、各種サービス提供サーバ4に依頼を代行する。
【0020】
IP網5は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークであり、このIP網には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。
【0021】
コールセンタサーバ2は、対話サービス管理者が運用するサーバ装置であり、本実施形態では、ユーザ情報端末1とオペレータ情報端末3との接続や、対話サービスシステムを制御するためのアプリケーションを実行し、対話サービスシステムのためのユーザインターフェースを構築を行う。
【0022】
オペレータ情報端末3及びユーザ情報端末1は、CPUによる演算処理機能、及び通信インターフェースによる通信処理機能を備えたユーザ端末であり、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機等も含まれる。特に、本実施形態において、オペレータ情報端末3及びユーザ情報端末1には、インターネットプロトコルにより音声通話を行う、いわゆるIP電話機能を有している。
【0023】
なお、オペレータ情報端末3及びユーザ情報端末1は、IP網接続機能及びWebブラウザ機能と、一般公衆回線・移動体通信網接続機能とを用いることができるが、本実施形態では、IP網接続機能及びWebブラウザ機能を持つ通信端末を用いるものとする。
【0024】
サービス提供サーバ4は、オペレータ情報端末3とデータを送受し、オペレータ情報端末3からの依頼を受け付け、ユーザに対する商品の発送や、訪問介護等の各種サービスの処理を実行するサーバ装置である。本実施形態において、サービス提供サーバ4内には、店舗サーバ4bや病院サーバ4c、決裁サーバ4a等が含まれている。
【0025】
決裁サーバ4aは、金融機関による決裁処理を実行するサーバ装置であり、コールセンタサーバ2や店舗サーバ4bと接続され、ユーザが商品を購入したり、サービスを受けた場合には、決済処理を実行する。店舗サーバ4bは、ユーザに対して販売する商品を管理するサーバ装置であり、ユーザが商品を購入した場合には、ユーザ宅まで商品を発送する処理を実行する。病院サーバ4cは、例えば、訪問看護や、往診等のスケジュールや履歴情報を管理するサーバ装置であり、ユーザからの依頼を受け、医師や看護師などをユーザ宅に派遣する処理を実行する。
【0026】
(ユーザ情報端末の構成)
次いで、ユーザ情報端末の構成について説明する。図2は、ユーザ情報端末1の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0027】
ユーザ情報端末1は、図2に示すように、通話処理に関するモジュールとして、マイク103と、スピーカ104と、VoIP部102とを備えている。
【0028】
VoIP部102は、VoIP機能によるインターネット電話を実現するモジュールである。このVoIP機能としては、マイク103から入力される音声信号をIPパケットデータに変換し、通話相手の端末に送信し、通話相手の端末から受信されたIPパケットデータを音声信号に変換し、スピーカ104に入力する。
【0029】
また、ユーザ情報端末1は、ユーザインターフェースに関するモジュールとして入力インターフェース108と、出力インターフェース106とを備えている。
【0030】
入力インターフェース108は、操作ボタンやタッチパネル、ジョグダイヤルなどユーザ操作を入力するデバイスであり、本実施形態においては、表示部105に設けられたタッチパネルを用いて対話サービスに対する操作を受け付けている。また、入力インターフェース108には、カメラ107が接続されており、カメラ107により撮像された映像がIP網5を介してオペレータ情報端末3に送信される。
【0031】
出力インターフェース106は、映像や音響を出力するデバイスであり、映像及び音響の出力信号を、表示部105やスピーカ104からそれぞれ出力させるモジュールであり、コールセンタサーバ2から配信されたコンテンツデータや、オペレータ情報端末3から送信されたオペレータの動画像を出力又は表示する。
【0032】
特に、出力インターフェース106には、液晶ディスプレイなどの表示部105が接続されており、アプリケーションにより構築されるGUI(Graphical User Interface)がこの表示部105に表示される。そして、本実施形態において、入力インターフェース108及び出力インターフェース106は、対話サービスシステムに関するGUIを表示部105のウインドウに表示させるとともに、ユーザは、このGUIを通じ、タッチパネルで確認操作を行う。
【0033】
表示部105は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、テキスト表示や、画像表示などのアプリケーションによって生成されるウインドウを通じて、映像や文字などを表示することができる。
【0034】
また、ユーザ情報端末1には、対話サービスシステムの起動や、コンテンツデータを取得、再生するモジュールとして、アプリケーション実行部109と、記憶部110とを備えている。
【0035】
記憶部110は、OSやブラウザを実行するためのプログラム、その他、当該端末に搭載される各種のアプリケーション用のプログラム、テレビ電話に関するデータなどを記憶するメモリ装置である。
【0036】
アプリケーション実行部109は、CPU等の演算処理装置であり、このアプリケーション実行部109上で各種プログラムを実行することにより、一般のOSやブラウザソフトなどの各機能モジュールを仮想的に構築する。また、アプリケーション実行部109は、コンテンツを再生させる機能を備えており、コールセンタサーバから送信されたコンテンツデータを取得して、画像信号及び音声信号に変換させ、表示部105やスピーカ104で出力させる。また、本実施形態において、アプリケーション実行部109は、IP電話アプリケーションを実行することで、VoIP機能によるインターネット電話を実現させている。
【0037】
このアプリケーション実行部109には、表示制御部109aを備えている。表示制御部109aは、ユーザが対話サービスの提供を受けるためのアプリケーションを実行し、対話サービスの提供を受けるための操作を受け付けるユーザインターフェースを構築するモジュールである。本実施形態においては、表示部105のウインドウに、オペレータ情報端末から送信される動画像と、アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェースとを含むグラフィックユーザインターフェースを構築する。
【0038】
本実施形態において、この対話サービスにおける各機能としては、テレビ電話機能、コンテンツ再生機能、及び体調管理機能が含まれ、自己の情報端末におけるユーザ操作信号、又はオペレータからの操作信号に応じて、専用のビューワーソフトや、汎用的なブラウザソフトにアドインとして起動・実行される。
【0039】
ここで、表示制御部109aにおいて実行される機能毎の画面表示について説明する。図5は、本実施形態に係るテレビ電話機能の表示画面を示す説明図である。
【0040】
表示制御部109aは、オペレータ情報端末3と接続され、対話サービスが開始された場合、図5に示すように、表示部105に対話画面のウインドウ105aとを表示させる。このウインドウ105aには、オペレータの動画像105bと、ユーザ自身の動画像105cと、各種機能を選択するアイコン105dとが併せて表示される。
【0041】
また、表示制御部109aには、図5に示すように、ウインドウ105aに緊急用のアイコン105eを常時、表示させる機能を備えている。この緊急用アイコン105eは、オペレータ情報端末3に緊急である旨を通知するためのアイコンであり、ユーザによって緊急アイコンが選択された場合、緊急用のデータが生成され、通信インターフェース101によりオペレータ情報端末3へ送信される。
【0042】
通信インターフェース101は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル,アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。特に、本実施形態において、通信インターフェース101は、IP網5を通じて、オペレータ情報端末3と音声又は動画像を送受信して通話を行うとともに、コールセンタサーバ2に対して、操作信号を送信して、コールセンタサーバ2からコンテンツデータを受信する。また、本実施形態において、通信インターフェース101は、ユーザがタッチ操作によって、緊急用のアイコン105eを選択した場合、その他の操作よりも優先させてオペレータ情報端末3に緊急データを送信する機能を備えている。
【0043】
(オペレータ情報端末の構成)
次いで、オペレータ情報端末の構成について説明する。図3は、オペレータ情報端末3の内部構成を示すブロック図である。
【0044】
オペレータ情報端末3は、図3に示すように、通話処理に関するモジュールとして、マイク303と、スピーカ304と、VoIP部302とを備えている。
【0045】
VoIP部302は、VoIP機能によるインターネット電話を実現して、ユーザ情報端末1と音声による通話を行うモジュールである。このVoIP機能としては、マイク303から入力される音声信号をIPパケットデータに変換し、通話相手の端末に送信し、通話相手の端末から受信されたIPパケットデータを音声信号に変換し、スピーカ304に入力する。
【0046】
また、オペレータ情報端末3は、ユーザインターフェースに関するモジュールとして入力インターフェース308と、出力インターフェース306とを備えている。
【0047】
入力インターフェース308は、操作ボタンやタッチパネル、ジョグダイヤルなどユーザ操作を入力するデバイスであり、本実施形態では、グラフィックユーザインターフェースに対する操作を行う。この入力インターフェース308には、カメラ307が接続されており、カメラ307により撮像された映像がIP網5を介してユーザ情報端末1に送信される。
【0048】
出力インターフェース306は、映像や音響を出力するデバイスであり、映像及び音響の出力信号を、表示部305やスピーカ304からそれぞれ出力させるモジュールであり、ユーザ情報端末1から配信された動画像を出力又は表示する。
【0049】
特に、出力インターフェース306には、液晶ディスプレイなどの表示部305が接続されており、コールセンタサーバ2により構築されるGUI(Graphical User Interface)がこの表示部305に表示される。そして、本実施形態において、入力インターフェース308及び出力インターフェース306は、対話サービスシステムに関するGUIを表示部305のウインドウに表示させるとともに、オペレータは、このGUIを通じ、ユーザとの対話を行う。
【0050】
表示部305は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、テキスト表示や、画像表示などのアプリケーションによって生成されるウインドウを通じて、対話サービスに関する表示情報を表示することができる。
【0051】
また、オペレータ情報端末3には、通信系のモジュールとして、通信インターフェース301を備えている。通信インターフェース301は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル,アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。特に、本実施形態において、通信インターフェース301は、IP網5を通じて、ユーザ情報端末1に音声データ及び動画像データを送信するとともに、ユーザ情報端末1からユーザの音声データ、及び動画像データを受信する。また、通信インターフェース301は、コールセンタサーバ2に対して、入力インターフェース308による操作信号を送信するとともに、コールセンタサーバ2から表示部305に表示するGUIの各データを受信する。
【0052】
(コールセンタサーバの構成)
次いで、コールセンタサーバ2の構成について説明する。図4は、コールセンタサーバ2の内部構成を示すブロック図である。
【0053】
コールセンタサーバ2は、図4に示すように、通信インターフェース201と、制御部204と、記憶部203と、交換部202とを備えている。
【0054】
記憶部203は、対話サービスシステムに関する情報を蓄積するデータベースであり、本実施形態においては、主として、ユーザ情報DB203aと、コンテンツDB203bと、提供サービス情報DB203cと、オペレータ情報DB203dとを備えており、各種DB内のデータは、各ユーザを識別するユーザIDに関連付けされている。
【0055】
ユーザ情報DB203aは、登録されたユーザの各種情報を蓄積するメモリ装置であり、本実施形態では、ユーザIDに、ユーザ情報端末のIPアドレス、氏名、年齢、住所、契約内容、体調情報、及び履歴情報等が関連付けられて蓄積されている。
【0056】
コンテンツDB203bは、表示情報である各種データを蓄積するメモリ装置であり、本実施形態では、ユーザに配信する映画、ドラマ又は音楽などのデータや、オペレータが操作・実行する対話サービスシステムに関するWebページや、ポップアップ表示に関する画面等の表示データが蓄積されている。
【0057】
提供サービス情報DB203cは、各提供サービスサーバに関する商品やサービスの内容が蓄積されたメモリ装置であり、店舗名、住所、営業時間、及び取扱商品等のデータが蓄積されている。オペレータ情報DB203dは、各オペレータに関する情報が蓄積されたメモリ装置であり、本実施形態では、オペレータIDに、使用しているオペレータ情報端末のIPアドレス、過去の対応記録等が関連付けられて蓄積されている。
【0058】
交換部202は、ユーザ情報端末1からの接続要求を受け、コールセンタ内のオペレータ情報端末3との接続を制御するPBX機能を有するモジュールであり、本実施形態では、一台のオペレータ情報端末3と複数のユーザ情報端末1との間で対話サービスシステムを実行する機能も備えている。また、交換部202は、ユーザ情報端末1からの接続要求に応じて、自動で着呼をオペレータ情報端末に分配するACD機能も有している。
【0059】
制御部204は、CPU等の演算処理装置であり、この制御部204上で各種プログラムを実行することにより、一般のOSやブラウザソフトなどの各機能モジュールを仮想的に構築する。本実施形態では、ユーザが選択したコンテンツを配信したり、交換部202における着呼の接続を制御する。さらに、本実施形態において、制御部204には、オペレータ情報端末3の表示部のウインドウ内に、各ユーザ情報端末1から送信される動画像の一覧表示と、アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェースとを含むグラフィックユーザインターフェースを構築するインターフェース制御部204aを備えている。
【0060】
ここで、インターフェース制御部204aにおいて実行される画面表示について説明する。図6は、本実施形態に係る対話サービス機能の表示画面を示す説明図であり、図7は、本実施形態に係るウインドウにポップアップ表示される表示画面を示す説明図である。
【0061】
先ず、ユーザとオペレータとの対話サービスに関する表示画面について説明する。具体的には、オペレータ情報端末3と接続され、対話サービスが開始された場合、図6(a)に示すように、インターフェース制御部204aは、表示部305に、対話画面のウインドウ305aを表示させる。このウインドウ305aには、図6(a)に示すように、オペレータ自身のオペレータの動画像305cと、ユーザの動画像305bと、各種機能を選択する機能アイコン305dとが併せて表示される。
【0062】
また、本実施形態において、インターフェース制御部204aは、図6(b)に示すように、オペレータが複数のユーザと同時に対話を行う1対n方式の対話サービスを実行する場合、ウインドウ305aに複数のユーザの動画像305bをサムネイル表示させる機能を備えている。
【0063】
また、インターフェース制御部204aは、入力インターフェース308の操作によって、各種データをポップアップ表示させる機能を備えている。具体的には、図7(a)に示すように、オペレータの操作によって、特定のユーザの動画像が選択されると、選択されたユーザのユーザIDを抽出し、そのユーザIDに基づいてユーザ情報DB203aからユーザ情報を取得し、ウインドウ内にユーザ情報画面305eをポップアップ表示させる。
【0064】
また、インターフェース制御部204aには、図7(b)に示すように、オペレータの操作によって特定のユーザの動画像を選択された際、そのユーザの拡大画面305fを拡大表示させる機能を有している。さらに、インターフェース制御部204aには、図7(c)に示すように、ユーザ情報端末1から緊急コールのデータを受信した際、ウインドウ305aに緊急コールを受信した旨をポップアップ表示させる機能を有している。
【0065】
なお、インターフェース制御部204aは、店舗DB203cから商品等のデータを抽出して、各種サービス提供サーバ4に対して商品やサービスの注文を行う発注画面や、各ユーザの体温や血圧などの体調に関する画面を表示画面上に表示させる機能も備えている。
【0066】
通信インターフェース201は、データ通信を行うための通信インターフェースであり、無線等による非接触通信や、ケーブル,アダプタ手段等により接触(有線)通信をする機能を備えている。特に、本実施形態において、通信インターフェース201は、IP網5を通じて、ユーザ情報端末1から操作信号を受信したり、ユーザ情報端末1にコンテンツを送信する。また、複数のオペレータ情報端末3の表示部305に表示させるGUIのデータを送信する。
【0067】
なお、本実施形態において、オペレータ情報端末3は、コールセンタサーバ2と接続され、コールセンタサーバ2のインターフェース制御部204aの制御により、GUIが構築される構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、各オペレータ情報端末2内に記憶部203と、インターフェース制御部204aの機能をそれぞれ有する構成としてもよい。
【0068】
(対話サービス方法)
以上の構成を有する対話サービスシステムを動作させることによって、対話サービス方法を実施することができる。図8は、本実施形態に係る対話サービス方法を示すフローチャート図である。ここでは、ユーザがオペレータに商品の発送を依頼して、オペレータがサービス提供サーバにその商品の注文を代行する場合を例に説明する。なお、本実施形態では、コールセンタサーバ2の記憶部203に、各ユーザを識別するユーザIDに紐付けされたユーザ情報や、商品に関するデータ等が蓄積されているものとする。
【0069】
先ず、複数のユーザ情報端末1は、コールセンタサーバ2に発信し、接続依頼をする(S101)。コールセンタサーバ2の交換部202は、各ユーザ情報端末1からの接続依頼を受信して(S102)、各ユーザ情報端末1と接続するオペレータ情報端末3を決定し(S103)、着呼を転送する(S104)。この転送を受けて、オペレータ情報端末3は、着呼処理を実行する(S105)。そして、ユーザ情報端末1とオペレータ情報端末3とが接続されて通話を開始する(S106、S107)。
【0070】
この際、インターフェース制御部204aは、オペレータ情報端末3へGUIのデータを送信し(S108)、オペレータ情報端末3は、GUIデータを受信する(S109)。また、ユーザ情報端末1とオペレータ情報端末3とは、互いに音声又は動画像を送受信する(S110、及びS111)。
【0071】
そして、オペレータ情報端末3の表示部305には、対話サービスに関する表示情報を表示する表示部305のウインドウ305a内に、グラフィックユーザインターフェースが構築され、各ユーザ情報端末1から送信されるユーザの動画像305bの一覧表示と、アプリケーションを起動及び実行させるためのアイコン305dと、オペレータ自身の動画像305cとが表示される(S112)。
【0072】
一方、ユーザ情報端末1の表示部105においても、表示制御部109aの制御により、ウインドウ105aにオペレータの動画像105bと、ユーザ自身の動画像105cと、各種機能を選択するアイコン105dとが併せて表示される(S113)。そして、ユーザ情報端末1とオペレータ情報端末3とは音声による通話を開始する(S114、及びS115)。
【0073】
次いで、特定のユーザと対話中において、オペレータがウインドウ305aに表示された特定のユーザの動画像305bを選択すると(S116)、インターフェース制御部204aは、その操作信号を受信して、選択されたユーザのユーザIDを取得して、ユーザIDに基づいて、紐付けされたユーザ情報をユーザ情報DB203aから抽出し(S117)、ウインドウ305a内にユーザ情報の画面305eを表示させるとともに(S118)、選択されたユーザの動画像が拡大された画面305fを表示させる。そして、オペレータはこのユーザ情報や、ユーザの動画像を閲覧しながら、ユーザと対話を行う。
【0074】
次いで、オペレータとユーザの対話中において、例えば、ユーザが商品の発送を依頼すると(S119)、オペレータは、その依頼を受け付け(S120)、サービス提供サーバに対して注文データを入力し、店舗サーバ4aに商品の注文データを送信する(S121)。そして、サービス提供サーバ4は、注文データを受信すると(S122)、入力されたユーザに対して商品の発送処理を実行し(S123)、商品は発送されてユーザは商品を受け取る(S124)。
【0075】
なお、対話の際、ユーザが緊急用のアイコン105eを選択した場合には、緊急データがコールセンタサーバ2に送信され、インターフェース制御部204aは、各オペレータ情報端末3の表示部305に、緊急コールのアイコン305gを表示させる。
【0076】
(作用・効果)
このような発明によれば、オペレータとユーザとが音声と動画像とを送受して対話する際、オペレータ情報端末3の表示部305に表示されたユーザの動画像305bを選択すれば、ユーザIDに紐付けされたユーザ情報が表示部305のウインドウ305a内に表示されるので、オペレータは、確認したいユーザの情報を即時に取得することができる。
【0077】
また、本実施形態では、インターフェース制御部204aは、入力インターフェース308の操作によって特定のユーザが選択された際に、そのユーザの動画像を拡大表示する機能を有するので、個別のユーザの表情が確認しながら対話を行うことができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、ユーザ情報端末1には、対話サービスに対する操作を行う入力インターフェース108と、表示画面に緊急用のアイコン105eを表示させる表示制御部109aとを備え、通信インターフェース101は、入力インターフェース106によって、緊急用のアイコン105eが選択された場合、その他の操作よりも優先させてコールセンタサーバ2に緊急データを送信し、インターフェース制御部204aは、緊急データを受信した際、オペレータ情報端末3のウインドウ305a内に緊急用の画面305fをポップアップ表示させるので、例えば、老人や病人など複雑な操作を行うことが困難なユーザであっても、容易にオペレータ側に通知することができるとともに、オペレータ側では、緊急を要するユーザに対して即座に対応することが可能となる。
【符号の説明】
【0079】
1(1a〜1c)…ユーザ情報端末
2…コールセンタサーバ
3(3a,3b)…オペレータ情報端末
4…サービス提供サーバ
4a…決裁サーバ
4b…店舗サーバ
4c…病院サーバ
5…IP網
101…通信インターフェース
102…VoIP部
103…マイク
104…スピーカ
105…表示部
105a…対話画面
105b…オペレータの動画像
105c…ユーザ動画像
105d…機能アイコン
105e…緊急用アイコン
106…出力インターフェース
107…カメラ
108…入力インターフェース
109…アプリケーション実行部
109a…表示制御部109a
110…記憶部
201…通信インターフェース
202…交換部
203…記憶部
204…制御部
204a…インターフェース制御部
301…通信インターフェース
302…VoIP部
303…マイク
304…スピーカ
305…表示部
305a…ウインドウ
305b…ユーザの動画像
305c…オペレータの動画像
305d…機能アイコン
305e…ユーザ情報画面
305f…拡大画面
305g…緊急用アイコン
306…出力インターフェース
307…カメラ
308…入力インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワーク上に分散配置されたユーザ情報端末と、前記通信ネットワークと接続されたオペレータ情報端末との間に対話サービスを提供する対話サービスシステムであって、
前記ユーザ情報端末は、
前記オペレータ情報端末と音声又は動画像を送受信して通話を行う通信部を備え、
前記オペレータ情報端末は、
前記ユーザ情報端末と音声による通話を行う通話部と、
前記対話サービスに関する表示情報を表示する表示部と、
前記表示部のウインドウ内に、各ユーザ情報端末から送信される動画像の一覧表示と、アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェースとを含むグラフィックユーザインターフェースを構築するインターフェース制御部と、
前記グラフィックユーザインターフェースに対する操作を行う入力インターフェースと、
各ユーザを識別するユーザIDに関連付けされたユーザ情報が蓄積されたデータベースとを備え、
前記インターフェース制御部は、前記入力インターフェースの操作によって、前記ユーザの動画像を選択した際、選択されたユーザのユーザIDに基づいて前記データベースから前記ユーザ情報を取得し、前記ウインドウ内に前記ユーザ情報を表示する
ことを特徴とする対話サービスシステム。
【請求項2】
前記インターフェース制御部は、前記入力インターフェースの操作によって特定のユーザが選択された際に、そのユーザの動画像を拡大表示させる機能をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の対話サービスシステム。
【請求項3】
前記ユーザ情報端末には、
前記対話サービスに対する操作を行う入力デバイスと、
表示画面に緊急用のアイコンを表示させる表示制御部とを備え、
前記通信部は、前記入力デバイスによって、緊急用のアイコンが選択された場合、その他の操作よりも優先させて前記オペレータ情報端末に緊急データを送信し、
前記インターフェース制御部は、緊急データを受信した際、前記ウインドウ内に緊急用の表示をポップアップ表示させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の対話サービスシステム。
【請求項4】
(方法)
通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワーク上に分散配置されたユーザ情報端末と、前記通信ネットワークと接続されたオペレータ情報端末との間に対話サービスを提供する対話サービス方法であって、
前記ユーザ情報端末において、前記オペレータ情報端末と音声又は動画像を送受信して通話を行う対話ステップと、
前記オペレータ情報端末において、前記ユーザ情報端末と音声による通話を行う通話ステップと、
前記対話サービスに関する表示情報を表示する表示部のウインドウ内に、各ユーザ情報端末から送信される動画像の一覧表示と、アプリケーションを起動及び実行させるためのインターフェースとを含むグラフィックユーザインターフェースを構築するステップと、
各ユーザを識別するユーザIDに紐付けされたユーザ情報をデータベースに蓄積するステップと、
前記グラフィックユーザインターフェースに対する操作によって、前記ユーザの動画像を選択した際、選択されたユーザのユーザIDに基づいて前記データベースから前記ユーザ情報を取得し、前記ウインドウ内に前記ユーザ情報を表示するステップと
を有することを特徴とする対話サービス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−129603(P2012−129603A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276878(P2010−276878)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(510328489)医療法人恭和会 (1)
【Fターム(参考)】