説明

対話型アイコン

ネットワークアイコン(108)は電子機器のユーザと対話すると共に、ユーザ入力(102)、コンテキスト情報(104)およびネットワーク情報(106)を使用してユーザに対するアイコン表示を自動的に更新する。アイコン(108)は、アイコン(108)が関連付けられた電子機器との対話の強化をユーザに提供するために、ユーザプロファイル対話履歴情報(112)、ナビゲーションロジック(114)、マルチメディア表示(116)、ネットワークインタフェース(118)等にも関連付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電子機器ユーザインタフェースの分野に関し、より詳細には電子機器で使用される対話型アイコンに関する。
【背景技術】
【0002】
グラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)について言えば、無線通信装置(例えばセル式電話)を始めとする電子機器は、マルチメディアが豊富になっている。新しい機能の促進により、電子機器のユーザに一層優れた対話型の経験を与えるために、新しいGUIは音声と動画を含みつつ、無線通信装置を動作する。現在のGUIは無線通信装置のディスプレイに表示されるアイコンを含んでいるが、それらは単にユーザが無線通信装置のメニューをナビゲートするのを助ける静止の図形ポインタとしての役割を果たしているにすぎない。現在使用されている静止アイコンに対する改良を提供可能なアイコンに対する需要が当該技術分野には存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
新規であると思われる本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に述べられている。本発明は、添付の図面に関連して以下の説明を参照することにより、最も良く理解され得る。図面の幾つかの図において、同様な参照番号は同様な要素を示す。
【0004】
本明細書は、新規であると思われる本発明の特徴を定義する特許請求の範囲で結ばれているが、図面と共に以下の説明を考慮することによって、本発明はさらに良く理解されると思われる。
【0005】
Java(登録商標)対応のモバイル送受話器は、ネットワークアプリケーションを含む多くの種類のJavaアプリケーションを含むことができる。本発明は、オンラインマルチメディア能力を備えたネットワークJavaアプリケーションとして実装可能なユーザ選択可能なアイコンを提供する。この新しいフレームワークは、受動的なデータのみのアイコンを、ユーザと対話でき、かつコンテキスト情報および時間情報の少なくとも一方に基づいて自己更新できるアクティブプログラムに変える。本発明はJava言語を使用して説明しているが、他のプログラミング言語も、説明する対話型アイコンをサポートすることが可能である。
【0006】
アイコンは、Java(または他のプログラミング言語)に基づくプログラムとして表わされ、1または複数の以下の要素を含んでいる。
・関連するアプリケーションを起動するナビゲーションロジック。アイコンはユーザと対話して、アプリケーションを起動するための追加の入力を収集する。
・選択された時にレンダリングされる1または複数のマルチメディア表示。図形でレンダリングされるこの表示は、コンテキストを意識したものであってよい(例えば位置、時間等)。
・ユーザに更新情報、例えば新しいビデオクリップまたは視覚的なアイコンを提供する、1または複数の関連URL。
・ライセンス供与、デジタル権利、更新サイト等を含む、アプリケーションについてのメタデータ。
・アプリケーションの使用方法および更新に関するログ。このログは最も新しいユーザ入力や最も利用されたユーザ入力等のものを含む使用方法プロファイルを構築するために使用される。および/または
・言語依存資源(language dependent resources)。
【0007】
ここで図1を参照すると、本発明の実施形態によるオンラインマルチメディア能力を備えたアイコン108のブロック図が示される。マルチメディアネットワークアイコンは、iconLet とも称される。iconLet 108は、ユーザ入力102、コンテキスト情報104、およびネットワーク情報106と対話する。ユーザ入力102は、例えば無線電話のキーを操作するユーザであり、コンテキスト情報104は、例えばユーザによって現在アクセスされている情報、時間、日時であり、ネットワーク情報106は、例えば無線機が作動している通信網によって無線通信装置に送信される情報である。iconLet 108は、1または複数のJava(または他のプログラミング言語)アプリケーション110に関連付けられている。
【0008】
iconLet 108は、ユーザ対話プロファイル部分112と、ユーザ入力を収集する際のキー押しを最小限にすべく格納されたプロファイル情報を用いてユーザと対話するナビゲーションロジック114とを含んでいる。iconLet 108は、かかる情報を使用して、Javaアプリケーション110を起動する。ナビゲーションロジック114は、ローカルのまたはネットワークのトリガを与えられるとJavaアプリケーション110を自動的に起動する能力も提供することができる(例えば、ユーザが無線電話のGUI上の特定のメニュー項目を選択すると、ユーザは特定のネットワークカバレージ・エリア等に入る)。
【0009】
図2には、最も新しいユーザ入力、最も利用されたユーザ入力、およびコンテキスト−入力関連付け(例えばユーザは午後9:00以降に常に特定の情報を入力する)のようなアイテムを含むユーザ対話プロファイルのさらに細かい内訳である。ユーザ対話プロファイル112は、iconLet 108に関連付けられた1または複数のソフトウェアルーチンを含み得ると共に、格納されたユーザ入力履歴情報も含み得る。
【0010】
図1を戻って参照すると、iconLet 108は選択された時に格納かつレンダリングされる1または複数のマルチメディア表示116も含んでいる。どの表示がレンダリングされるかはコンテキストを意識したものであってよい(例えば無線電話位置、時間等)。例証的な例として、「フリップフォン」のフリップハウジングが閉じられる場合、レンダリングされるのは音のみであり得る。マルチメディア表示116も、iconLet 108にリンクされ、ユーザ入力102、コンテキスト情報104またはネットワーク対話106、もしくはそれらのアイテムの組み合わせによって作動されるソフトウェアルーチンである。
【0011】
図1に示されたようなiconLet 108は、図3にさらに詳述するように、リンクされたURLアドレス302からの情報のような情報を収集することが可能なネットワークインタフェース118をさらに含んでいる。図1を戻って参照すると、iconLet 108はライセンス供与、デジタル権利情報、ライセンス供与更新サイト等を含むアプリケーションについてのメタデータ120にもリンクされ得る。
【0012】
また、言語依存の資源122もiconLet 108の一部として示される。言語依存資源122は、例えば、無線通信装置が異なる位置(例えば異なる国)に物理的に位置するときに作動される異なる言語の音声アイコンを含む。
【0013】
図4を参照すると、本発明の対話型アイコン108を利用することが可能な無線通信装置400のような電子機器のブロック図が示される。セル式電話400は、従来の受信機404および送信機406の部分に選択的に結合されたアンテナ418を含んでいる。コントローラ402は、これはマイクロプロセッサやデジタル信号プロセッサのようなものであるが、電話400に対する全体的制御を提供する。コントローラ402は、アイコン108によって要求されるプログラムを実行し、ユーザ入力102、コンテキスト情報104およびネットワーク情報106からの入力を受け取り、かつユーザ対話プロファイル112、ナビゲーションロジック114等と共にその入力情報を使用してiconLet 108を生成することにより、アイコンジェネレータとして機能する。ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、FLASH等のようなコントローラ402に結合されたメモリ414は、セル式電話400によって必要とされるアルゴリズムおよび変数をすべて格納する。メモリ414は、ユーザ対話プロファイル112情報を格納すると共に、iconLet 108の生成に関連する他の情報も格納する。
【0014】
ディスプレイ416はセル式電話のユーザに視覚情報を与える。ディスプレイ416は、iconLet 108を図形表示するために使用される。ボコーダおよびアナログディジタル(A/D)ならびにデジタル/アナログ(D/A)ブロックを含み得るオーディオ処理ブロック408は、入力される音声トラフィックと出力される音声トラフィックの両方に必要なすべてのオーディオ処理を与える。オーディオ処理ブロック408にはスピーカ412とマイクロホン410が結合されている。
【0015】
コントローラ402には、全地球測位システム(GPS)の受信機部分420および光センサ422のような1または複数のコンテキスト捕捉装置が結合され、iconLet 108によって使用される必要なコンテキスト情報104の一部を提供する。時間のような他のコンテキスト情報は、通信システムによって無線機400に与えられてもよいし、または無線機がコントローラ402によって制御されるハードウェアおよび/またはソフトウェアの少なくとも一方により提供されるクロックをさらに含んでもよい。コントローラ402は、iconLet の機能を行なうのに必要なすべての必要なルーチンを実行し、一方、メモリ414は、iconLet 108に必要とされるすべてのソフトウェアルーチンを格納する。ユーザ制御424は、例えばキーパッドまたは無線通信に配置された他のスイッチであるが、iconLet 108に使用されるユーザ入力102を提供する。他のユーザ入力102は、ユーザまたは無線機の環境(例えば、音声コマンドを与える無線機のユーザ、または周囲ノイズを測定する無線機)からオーディオまたは音声信号の形でマイクロホン410によって受け取ることができる。
【0016】
図5を参照すると、iconLet 504を表示するためのディスプレイを有するセル式電話500のような無線通信装置が示されている。図6では、その日の天気が晴れであることをユーザに通知する太陽を示す図形のiconLet 602が示されている。iconLet 602は、iconLet 108がそのネットワークインタフェース118を使用して天候URLから無線通信装置500が無線通信しているという情報(例えば通信システムから要求されるURLアドレス由来の情報)を集めた後で、生成され得る。気象情報を集めた後、iconLet 108はその情報を視覚的な形式で表示する。時間の変化やセル式電話500の位置の変化のようなコンテキストの変化に基づいて、iconLet 602は、更新されたiconLet 604として、更新された天気の図形の視野を提供する。図形情報のこの変更は、GPS 420によって決定されるような新しい位置にセル式電話500が移動し、かつGPS 420がネットワークインタフェース118と対話して新しい位置における気象条件を見い出すことによって、促進され得る。
【0017】
図7では、テキストに基づくiconLet 702が示される。マイクロホン402によって収集されたコンテキスト情報104を使用して、iconLet 108は自動的に、光センサ422によって提供されるコンテキスト情報104によって決定されるような低い光条件下で(例えばセル式電話のユーザが暗室に入った)、音声またはオーディオのiconLet 704に切り替わる。
【0018】
上記では数例の状況について説明したが、本発明のiconLet は様々な機能を果たすことが可能である。例えば、時間が経つと変化するiconLet は、金融ウェブサイトと対話するネットワークインタフェース118によって収集された最新の株式市場指数情報に従って変化するiconLet であってよく、株価情報を集め、かつそれをアイコンの一部として表示する。その日が所定の期間(例えば毎時間等)を過ぎるにつれ、その情報は自動的に変化し得る。
【0019】
iconLet 108は、従来の受動的なアイコンを、マルチメディア豊富なアクティブな(Javaまたは他のプログラミング言語)プログラムと置き換え、ユーザとインテリジェントに対話することができる。iconLet 108はさらに、パスの使用方法をプロファイリングし、繰り返されることの多いタスクを終えるのに必要なキー押しを最小限にすることにより、ユーザと将来の対話を改善するようにも「学習」する。
【0020】
本発明の好適な実施態様を図示および説明してきたが、本発明がそれらに限定されないことは明らかであろう。添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲を逸脱することなく、当業者には、多数の修正物、変更物、変形物、置換物、および均等物が想到されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態によるオンラインマルチメディア能力を備えたアイコンの図。
【図2】本発明の実施形態によるユーザ対話プロファイルを備えたアイコンの図。
【図3】本発明の実施形態によるネットワークインタフェースを備えたアイコンの図。
【図4】本発明の実施形態による無線通信装置のブロック図。
【図5】本発明の実施形態による無線通信装置の図。
【図6】本発明の実施形態に従って、アイコンが経つとどのように変化し得るかを示す。
【図7】本発明の実施形態に従って、アイコンがどのようにテキストから音声に変化し得るかを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
ディスプレイ;
ユーザ入力情報を受け取るための入力;
コンテキスト情報を受け取るための入力;および
ディスプレイに結合され、受け取られる入力情報およびコンテキスト情報に基づいて変化するディスプレイ上のアイコンを表示するためのアイコンジェネレータ;
を備えた電子機器。
【請求項2】
電子機器が作動しているネットワークから情報を受け取るための入力をさらに備え、前記アイコンジェネレータは、その受け取られたネットワーク情報に基づいてアイコンを変更する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記アイコンジェネレータはユーザ対話プロファイル格納領域に結合され、該ユーザ対話プロファイル格納領域は、アイコンの変更のためにアイコンジェネレータによって使用されるユーザ対話履歴を格納する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記アイコンジェネレータは1または複数のマルチメディア表示に結合され、該1または複数のマルチメディア表示は、アイコンの一部として表示されるようアイコンジェネレータによって選択される、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記アイコンジェネレータはネットワークインタフェースに結合され、該ネットワークインタフェースは、アイコンによって示された情報を変更すべく使用されるネットワークからの情報を受け取る、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記アイコンジェネレータに結合された言語依存資源をさらに備え、該言語依存資源はアイコンの一部としてテキストまたはオーディオの形で使用されている言語に変化をもたらす、請求項2に記載の電子機器。
【請求項7】
電子機器で使用されるアイコンを生成する方法であって、
電子機器の過去の使用方法をプロファイルする工程;および
前記過去の使用方法プロファイルに基づいてアイコンを表示する工程;
から成る方法。
【請求項8】
電子機器の現在のコンテキストを決定する工程と、その決定されるコンテキスト情報を使用して、アイコンがどのように表示されるかを更新する工程と、をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用されている使用方法プロファイル情報を収集して、アイコンがどのように表示されるかを更新する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
電子機器が作動しているネットワークから情報を受け取り、該ネットワーク情報を使用してアイコンがどのように表示されるかを更新する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
コンテキスト情報に基づいてアイコンと関連付けられた複数のマルチメディア表示の中から選択する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
コンテキスト情報に基づいてアイコンの表示と共に使用されることになっている言語依存資源の中から選択する工程をさらに含む、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−516529(P2007−516529A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545507(P2006−545507)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/042564
【国際公開番号】WO2005/060215
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】