説明

対話型表示デバイス

対話型表示デバイス、表示システムおよびそれを動作させるための方法を提供する。対話型表示デバイスは、ディスプレイと、対話データおよびその中に記憶されたキャラクタを描写する画像コンテンツを有する不揮発性メモリと、対話データを他の対話型表示デバイスに伝送し、前記の他の対話型表示デバイスから対話データを受信するようにした通信回路と、を有する。ディスプレイコントローラは、受信した対話データに少なくとも部分的に基づいて修正された対話データを決定し、修正された対話データおよび記憶された画像コンテンツに少なくとも部分的に基づいてキャラクタ画像を決定し、ディスプレイに該キャラクタ画像を提示させるようになっている。該ディスプレイコントローラは、さらに、不揮発性メモリ内に修正された対話データを記憶するように適合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に表示デバイス、より特定的には所定のコンテンツを有する対話型表示デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ファンタジーロールプレイングゲームは、人気の高いグループ活動である。例えば、長年にわたり、プレーヤを楽しませるためにボードゲームが使用されてきた。交換可能なカードを用いるファンタジーゲームは、最近になって人気がでてきたものである。これらのゲームでは、プレーヤは標準的にファンタジーキャラクタを描写している各種カードを収集する。カードはプレーヤが持ち運び、プレーヤ同士が出会ったときにカードはトレード、交換または買い取られる。交換は相互の合意によってか、あるいはキャラクタ間の許容された対話を支配するゲームルールを適用して行うことができる。これらのカードには、標準的にはキャラクタの写真およびルールが印刷されている。したがって、その視覚的娯楽価値は、制限されている。
【特許文献1】米国特許第6,634,949B1号明細書
【特許文献2】米国特許第6,544,126B2号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より複雑な対話型プレイングシステムが既に知られている。例えば、2003年10月21日付けで発行された「マルチメディア対話型プレイシステム」という題の米国特許第6,634,949B1号は、さまざまなプレー環境またはプレー媒体の中にある数多くのプレーエレメントをもつマルチメディア対話型プレイシステムについて記述している。プレーエレメントは、参加者の実績、進捗度、キャラクタ属性等の共通の記録にリンクされている。該プレーエレメント内の参加者の実績は、その参加者が進む可能性のあるプレーエレメントならびに参加者が現在関与しているプレーエレメントのプレ−パラメータを決定する。プレーエレメントはかくして、参加者がそれに沿って前進するシーケンスまたは経路ネットワークを定義づけするべくインターリンクされる。プレーエレメント内を前進することにより、参加者は、一定の与えられた少なくとも1つのプレーエレメントを成功裡に完了することに意義を付与するプロット、ストーリー、テーマなどを実施する。同様に開示されているのは、システム内で使用するのに適したさまざまなプレーエレメント、該システムにより実施可能なプロットおよびテーマの一例およびプレーセンター内でプレー参加者を追跡するのに用いることのできる送/受信無線周波数ネットワークである。しかしながら、かかるシステムは実施するのが極めて複雑であり、高価であり、かつ現在子供達およびヤングアダルトの間で人気のあるさらに一般的なカードベースのゲームのためのルールに適合していない。重要なことに、このようなシステムは標準的に、現在人気のあるゲームがもつ収集という側面をサポートするものではない。
【0004】
「たまごっち(登録商標)」として一般に知られている単一エレメントの娯楽デバイスが1997年にバンダイにより日本で紹介された。たまごっち(登録商標)デバイスは、キーチェーンコンピュータゲームである。このデバイスの反復においては、ゲームは、表示スクリーン上の仮想の卵がふ化し仮想ニワトリが生まれた時点でスタートする。次にオーナーは、ユーザインタフェースを用いて、例えば餌をやり、その後清掃しかつそれと遊ぶといったような活動を行うことによってニワトリを有効に飼育する。実際のペットと同様、適切な成長および発育を確保するためには、絶えず日常的に対話することが必要である。このような対話を提供しなければ、極端な場合には仮想ニワトリの仮想死を含めた結末がもたらされる。そのジャンルでは人気が高かったものの、このようなたまごっち(登録商標)ゲームには、カードベースのゲームで人気のある競争的対話が欠如しており、さらに、このようなデバイスが必要とする形状因子および一定の対話は、標準的にユーザがこのようなデバイスの多数のコレクションを維持することを妨げている。
【0005】
その他のより在来型の多種多様なプログラマブルビデオゲームデバイスが周知である。例えば2003年4月8日に発行された「ダウンロード能力をもつ携帯型ゲーム機」という題の米国特許第6,544,126B2号は、もう1つのゲーム機といった供給源からコードをダウンロードし実行する能力を含む携帯型手持ちサイズのゲーム機について記述している。しかしながら、このようなゲームはなおもきわめて大きく、標準的に一人または二人のプレーヤに限定され、比較的高価でかつ複雑である。その上、かかるゲーム機は標準的に人気の高いカードベースのゲームのコレクション面をサポートするものではない。
【0006】
かくして、ユーザが他のデバイスの所持者と対話型トランザクションを実行できるようにしながらかかる表示デバイスのコレクションの保管を容易にするコスト構造および形状因子を有する対話型表示デバイスおよびシステムに対するニーズがなお残っている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様においては、対話型表示デバイスが提供される。この対話型表示デバイスは、ディスプレイ;対話データおよび中に記憶されたキャラクタを描写する画像コンテンツを有する不揮発性メモリ;および対話データをもう1つの対話型表示デバイスに送信し該他の対話型表示デバイスから対話データを受信するようにする通信回路を有する。ディスプレイコントローラは、少なくとも部分的に受信された対話データに基づいて修正された対話データを決定し;少なくとも部分的に修正された対話データおよび記憶された画像コンテンツに基づいてキャラクタ画像を決定し、かつディスプレイに該キャラクタ画像を提示させるようになっている。該ディスプレイコントローラは、さらに、不揮発性メモリ内に修正された対話データを記憶するようになっている。
【0008】
本発明のもう1つの態様においては、対話型表示システムが提供される。該対話型表示システムは、各々の対話型表示デバイスが少なくとも、画像を形成する能力をもつディスプレイおよび内部にキャラクタデータを有する不揮発性メモリを有する、複数の対話型表示デバイスを有している。少なくとも1つのキャラクタ画像供給源、および少なくとも1つの対話データ供給源が提供される。通信回路は、複数の対話型表示デバイスの間でキャラクタ対話データを交換するようになっている。ディスプレイコントローラは、対話型表示デバイスの各々について修正された対話データを決定し、その対話型表示デバイスについて決定された修正された対話データに基づいて各対話型表示デバイス上で提示するためのキャラクタ画像供給源内のキャラクタ画像の少なくとも1つを選択し、かつその対話型表示デバイスに連係するディスプレイ上で、各対話型表示デバイスのために選択されたキャラクタ画像を提示させるようになっている。
【0009】
本発明のさらにもう1つの態様においては、内部に記憶された対話データを有する対話型表示デバイスを動作させるための方法が提供される。本方法によると、内部に記憶された対話データを有するもう1つの対話型表示デバイスが検出される。該他の対話型表示デバイスから対話データが受信される。少なくとも部分的に該他の対話型表示デバイスから受信された対話データに基づいて修正された対話データが決定される。修正された対話データに少なくとも部分的に基づいてキャラクタ画像が決定され、表示デバイスを用いてキャラクタ画像が提示される。この修正された対話データは、対話型表示デバイス内に記憶される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の対話型表示デバイス、システムおよび方法は、それらが複数の参加者組合せ間の対話型ゲームおよび社会的対話を可能にする低コストの娯楽用対話型構造を提供するという点で有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明のさまざまな態様によると、ゲーミング、音楽創作、およびその他の形態の社会的対話といった対話型活動において使用するのに適した対話型ディスプレイおよび対話型表示システムが提供される。
【0012】
図1を参照すると、本発明による対話型ディスプレイ8の1実施形態が示されている。この実施形態においては、対話型表示デバイス8は、ディスプレイ10、不揮発性メモリ12、デバイスをオンまたはオフに切替えるためのスイッチ20および不揮発性メモリ12を読み取り該不揮発性メモリ12から得たデータに基づいてディスプレイ10上に画像コンテンツを表示するためのディスプレイコントローラ14を有する。図1に示されるディスプレイコントローラ14の実施形態は、ディスプレイ10に対するディスプレイインタフェース16と不揮発性メモリ12に対するメモリインタフェース18を含む。該ディスプレイコントローラ14は、類似の対話型表示デバイス8とデータ交換するための通信回路26を含む。不揮発性メモリ12は多数のコンポーネントを含むことができ、そのうちのいくつかには、読取り専用メモリ(例えばROM)または不揮発性読取り書込みメモリ(例えばフラッシュメモリ)といった不揮発性メモリと共に揮発性読取り書込みメモリ(例えばRAM)が含まれ得る。このような多数のコンポーネントは分離した構造とすることもできるし、または集積回路として製造されてもよい。
【0013】
以下でさらに詳細に記述するとおり、表示メモリ12の少なくとも一部分はロッキングメモリ13を含むことができる。このロッキング(locking)メモリ13は、内部に記述されたデータを修正し対話型表示デバイス8のユーザの能力を制限することになるようなタイプのメモリであり得る。1実施形態においては、ロッキングメモリ13は従来型の不揮発性プログラマブル読取り専用メモリまたは追記型メモリからなる。この実施形態においては、データを読取り専用メモリまたは追記型メモリに書込むことができるが、ひとたび書込まれたならば、このようなデータは消去、削除又修正が不可能である。このようにして、読取り専用メモリは、その中に記憶されたデータの信頼性の高い記録を提供する。
【0014】
もう1つの実施形態においては、ロッキングメモリ13は、追記型メモリに適切な許可またはコードが与えられる場合にのみ、データが読取りまたは書込みされ得るようにするメモリインタフェース18をもつ不揮発性読取り/書込みメモリからなる。この実施形態では、ロッキングメモリ13に書込まれたデータを、適切な許可なく修正することのできない形で対話型表示システム8と連携することができる。
【0015】
さらにもう1つの実施形態においては、ロッキングメモリ13は、ディスプレイコントローラ14によって読取り可能であるものの、対話型表示デバイス8の従来のユーザにとっては適切に理解または再プログラミングするのがむずかしいように符号化されたまたは暗号化された形でその中に記憶されたデータを有する、従来の不揮発性読取り書込みメモリからなることができる。この目的でさまざまな周知の符号化または暗号化スキームを使用することができる。
【0016】
ディスプレイコントローラ14は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラまたはプログラマブルアナログデバイスといったようなプログラマブルディスプレイコントローラであり得る。代替的には、ディスプレイコントローラ14はプログラマブルでないタイプのものであり得、この代替構成の場合、メモリインタフェースおよびディスプレイドライバを含み得る。ディスプレイコントローラ14のかかる非プログラマブル実施形態は、例えばステートマシンまたはワイヤードロジック回路と共に実現可能である。かかる代替構成は、本発明で記述される機能を果たすことが可能であって、かつ低コスト、低電力のディスプレイコントローラ14を提供する。
【0017】
外部インタフェース22は任意に設けられる。図1に示された実施形態においては、外部インタフェース22は、外部回路40にアクセス可能である。インタフェース22が例えばユニバーサル・シリアル・バスコネクタ(USB)を用いて外部回路40に接続される場合、外部インタフェース22を、外部回路40からの画像コンテンツおよび対話データを送受信するために使用することができ、このインタフェースが不揮発性メモリ12内にこの画像コンテンツを記憶させる。この外部インタフェースの代替的実施形態は例えば、ネットワーク化されたインタフェースによって、コンピュータネットワークまたはインターネットに、提供され得る。画像コンテンツおよび対話データをもって不揮発性メモリ12をセットアップかつプログラムするため、かつディスプレイコントローラ14をプログラミングするために、外部インタフェース22を使用することができる。
【0018】
対話型表示デバイス8と他の対話型表示デバイスとの間の通信を可能にするために、通信回路26が設けられる。この通信回路26は、さまざまな形態をとることができ、例えば、送信器、受信器、トランシーバ、トランスコーダまたはその他のデバイスとの通信中に交換するデータを符号化し復号するように適合されたその他のあらゆるデバイス、そして該当する場合には、かかる通信を容易にすべく対話型表示デバイス8の本体30の外側の領域に対してアクセスする通信アクセスポート28を含むことができる。通信回路26およびアクセスポート28は、通信を容易にすべく協調設計される。通信回路26は、無線で、例えば無線通信経路を確立するための無線周波、光学またはその他の既知の無線通信回路およびシステムを用いて、さまざまな形で実現可能である。かかる無線通信システムの例としては、電気電子技術者協会規格(IEEE)802.11aおよび802.11bで確立され規定されたいわゆる「Wi−Fi」およびいわゆる「ブルートゥース」規格等の無線通信規格に適合する形で通信する回路およびシステムが含まれるが、これらに制限されるわけではない。代替的には、通信回路26を、赤外線通信協会(IrDA)によって確立されたプロトコルを用いた赤外線技術を利用して通信するように適合させることが可能である。かかるプロトコルには、シリアル赤外線プロトコル(SIR)およびIrDAが開発したその他のプロトコルが含まれるが、これらに制限されるわけではない。
【0019】
このような無線実施形態においては、アクセスポート28は例えば、無線周波通信において使用するアンテナ、または当該技術分野において既知の赤外線またはその他の光学インタフェースシステムといった、データを光学的に交換するように適合された光伝送および検知部分を構成する。
【0020】
その他の実施形態としては、通信回路26を、対話型表示デバイス8のアクセスポート28と、もう1つの対話型表示デバイスとの間の直接的な電気または光学経路を用いて、もう1つの対話型表示デバイスと通信するために適合させることができる。このような実施形態においては、アクセスポート28は例えばシリアルまたはパラレルポートまたはコンピュータネットワークまたはインターネットへのネットワーク化されたインタフェースからなることができる。このタイプの通信回路の1実施例は、電子工業会および電気通信工業会において作成された「シリアルバイナリデータ交換を用いたデータ端末機器とデータ回路終端機器の間のインタフェース」という題のEIA/TIA−232−E規格と一貫性をもつハードウェアおよびプロトコルを使用して通信可能とする通信回路26である。このタイプの通信回路のその他の実施例としては、ユニバーサルシリアルバス規格のために設定された規格およびIEEE1394(いわゆる「ファイア・ワイア」)規格に合致する回路およびシステムが含まれる。通信回路26は同様に、その他の規格に合致するまたは専有規格と合致する回路およびシステムからなることができる。
【0021】
さらにもう1つの実施形態においては、通信回路26は、対話型表示デバイス8のアクセスポート28に保持されて、仲介としてのメモリーカードを用いてデータ交換できるように、もう1つの対話型表示デバイスのアクセスポート28まで移動させることのできる取外し可能なメモリーカードといった携帯式メモリデバイスとデータ交換するようにすることも可能である。
【0022】
代替的実施形態においては、アクセスポート28に加えてまたはアクセスポート28の代わりに、光学的外部インタフェース22を用いて直接的リンクを確立することが可能である。
【0023】
図1に示されている実施形態においては、対話型表示デバイス8は、ディスプレイ10、不揮発性メモリ12、ディスプレイコントローラ14、ディスプレイインタフェース16、メモリインタフェース18、スイッチ20及び/又は外部インタフェース22および通信インタフェース24に対して電力を供給する、例えばバッテリといった電池29を含んでなる。ある種の実施形態においては、外部インタフェース及び/又はアクセスポート28から、対話型表示デバイス8のこれらのコンポーネントに対し電力を供給することもできる。
【0024】
図1の実施形態においては、対話型表示デバイス8はまた、該表示デバイス8を動作させるときにディスプレイコントローラ14が使用できるような、該ディスプレイコントローラ14に対する入力を、ユーザから提供できるようにするための光学的ユーザ入力システム32を含むことができる。例えば、ディスプレイコントローラ14は、以下でさらに詳述するように、ユーザの入力に基づいて対話データを決定することができる。ユーザ入力システム32は、例えば、タッチスクリーン入力、タッチパッド入力、4路スイッチ、5路スイッチ、6路スイッチ、8路スイッチまたはその他の多路スイッチ構造、スタイラスシステム、トラックボールシステム、ジョイスティックシステム、オーディオ認識システム、身振り認識システムまたは他のこのようなシステムからなることができる。
【0025】
不揮発性メモリ12内に記憶されたオーディオ信号を可聴形態に変換するため、そして任意にはユーザにより提供されたオーディオ信号を記録するために、光学オーディオシステム34を対話型表示デバイス内に組込むことができる。以下でさらに詳述するように、対話データの一部としてオーディオ信号を含むことができる。効率の良い低コストのオーディオ再生方法が周知であり、実施化可能な装置が市販されている。
【0026】
例えばカード、写真プリント、紙媒体等といった従来の印刷された通信をできる限り密に模倣(mimic)するために、対話型表示デバイス8の厚みを最小限に抑えることが有用である。この目的で、図2の実施形態において示されるように、対話型表示デバイス8のさまざまな実施形態で使用される不揮発性メモリ12、ディスプレイコントローラ14およびスイッチ20といったようなコンポーネントを、ディスプレイ10の裏面36または表面38の上に組立てることができる。特に、ディスプレイ10の裏面に設けられた不揮発性メモリ12、ディスプレイコントローラ14および通信回路26、そしてディスプレイ10の表面38に設けられるかそうでなければ対話型表示デバイス8のユーザが都合よく起動させ得るような形で位置づけされるべきスイッチ20を有することが有用である。このようにして、対話型表示デバイス8は、ベースボールカード、フットボールカード等といった従来の収集可能な/トレード用カード、現在架空のキャラクタの画像を上に担持するタイプの収集可能な/トレード用/ゲーム用カード及び/又はその他の収集可能な記念品の形態と一貫性ある形、をとることができる。対話型表示デバイス8はまた、多様な品目を提供すべく、剛性または可とう性及び/又は折畳み可能な基板上に組み込むこともできる。
【0027】
例えば小型の低コスト回路を提供すべく保護用樹脂を用いて単一の集積回路内に、ディスプレイコントローラ14および不揮発性メモリ12を組合わせ、及び/又は、これらを合わせて埋め込むことができる。回路に付設される保護材料は全て、画像コンテンツおよび対話データを不揮発性メモリ12に書込んだ後に付設することが可能である。
【0028】
動作中、画像シーケンスおよび対話データの大量生産されたセットは、対話型表示デバイス8の組立ての前に、または外部回路40を用いて組立ての後に、不揮発性メモリ12内に書込むことができる。代替的には、対話型表示デバイス8の購買者が、例えば外部インタフェース22または通信回路26を通して個人化データを伝送することによって、画像コンテンツ及び/又は対話データを個人化することが可能である。このような個人化データには例えば、キャラクタ名およびキャラクタの外観、対話情報、オーディオおよびビデオ信号が含まれ得る。個人化データはまた、対話型表示デバイス8のユーザ入力システム32を用いても入力可能である。例えば、対話型表示デバイス8の動作の初期セットアップ段階の間、ディスプレイコントローラ14はオペレータに対しユーザ入力システム32を通して個人化データを提供するように要求することができる。外部回路40はまた、書込み中、対話型表示デバイス8に対しさらなる電力を供給することもでき、又電池29を充電することも可能である。
【0029】
本発明の1実施形態によると、1つのゲームプレーヤグループに対し、複数の対話型表示デバイス8が提供される。各対話型表示デバイス8は、キャラクタアイデンティティを有する。キャラクタアイデンティティに関連する対話データは、不揮発性メモリ12に記憶される。このキャラクタアイデンティティは、部分的には1つまたは複数の画像、画像シーケンスまたは画像情報ストリームまたはそのキャラクタに関連するビデオまたはグラフィックコンテンツその他のあらゆる形態によって、又部分的には以下でさらに詳述するようにさまざまな対話中にディスプレイコントローラ14によって使用され得るその他の対話データに基づいて定義される。
【0030】
動作中、対話型表示デバイス8は組合せた形で使用される。図3に示されるように、これは、もう1つの表示デバイス8bと対の関係で表示デバイス8aに組合わせることによって行うことができる。各対は、通信回路26aおよび26bを通して対話データを交換する。対話データは、キャラクタ識別データ、キャラクタ属性データ、キャラクタステータスデータおよび画像データを含み得る。対話型ディスプレイ8aおよび8b内のディスプレイコントローラ14aおよび14bはこのとき、他の対話型表示デバイスから受信した対話データに基づいて、修正された対話データを決定することになる。次にディスプレイコントローラ14aおよび14bが、ディスプレイ10aおよび10bの各々の表示面上のキャラクタの対話を表す娯楽的画像、画像または画像シーケンス及び/又はオーディオシーケンスを生成するために、メモリ12に記憶された修正された対話データおよび画像またはその他のグラフィックコンテンツを使用することになる。このようにしてキャラクタを交換することができ、そのキャラクタは属性、点数、ステータス、パワーまたはそのゲームまたはその他の対話に関連するその他の属性を獲得したり失なったりすることができる。キャラクタ対話は、ユーザ入力システム32aおよび32bを介した質問あるいはユーザ入力をするための機会に応答しての、対話型表示デバイス8aおよび8bのオペレータからの情報または幾分かのチャンスに依存し得るものであり、これにより1人のオペレータが運に恵まれる一方でもう一人のオペレータがより知力を有し、かくして対話の内容に影響を及ぼす。
【0031】
ロッキングメモリ13を有する対話型表示デバイス8の各実施形態において、その対話型表示デバイスに連係するキャラクタに関連する情報についての保護された記録を保持するために、ロッキングメモリ13を使用することができる。例えば、キャラクタステータスの量を表すデータを記憶するために、ロッキングメモリ13を使用することができる。キャラクタステータスは、残りの健康または体力といった事柄を含み得るもので、これらは対話の性質または成果(outcome)に基づいて増減可能である。ロッキングメモリ13にかかる情報を記憶することにより、カード対話型表示デバイスと連係するキャラクタに仮想の生命が与えられる。そのキャラクタに連係するステータスに、マイナスの影響を及ぼす対話が発生した場合、かかる対話を特徴づける情報がロッキングメモリ13に記憶され、かくして将来の対話において、対話型表示デバイス8aおよび8bと連係するキャラクタ間の対話の性質及び/又は成果は、そのキャラクタが対話に入るにつれて該キャラクタのステータスによって影響されることになる。
【0032】
対話型表示デバイス8aおよび8bが一連の対話を経験するにつれて、対話型表示デバイス8aおよび8bの各々に連係するステータス評点(score)を削減させることができる。例えば、表示デバイス8aと連係するキャラクタについてのステータス評点が最低の閾値に達したとき、表示デバイス8aは対話型表示デバイス8bとまたは他の対話型表示デバイスと対話するのをやめる。このようにして、対話型表示デバイス8aと連係するキャラクタは、次のいずれかによって、ステータス評点が回復されるまで、ゲームから、キャラクタに連係する対話型表示デバイス8aを効果的に外すことができる、例えば:新しいロッキングメモリ13を形成し、ロッキングメモリ13内に回復データを記録することによって;ロッキングメモリ13の書直し可能な実施形態のためのメモリコントローラがステータス評点の編集をできるようにすることになるコードまたは許可を入力することによって;適切な符号化または暗号化スキームを用いてロッキングメモリ13の改正された評点を記録することによって;またはステータス評点を調整するロッキングメモリ13にデータをその他の形で記憶することによって、である。すなわち、このようにして、キャラクタへのステータスの回復は、ゲームの命令により選好されて、阻止され、制限されまたは制御されることができる。さらに、活力の回復は、購入によって得ることができる。
【0033】
他の修正された対話データをロッキングメモリ13に記憶させることができ、これらは、以前に対話されたキャラクタの記録、他のデバイスにより提供された対話データ、以前の対話の産物として得られた技能または能力および他のこのようなデータの記録、といったものである。
【0034】
異なるキャラクタを有する対話型表示デバイス8は、自動販売機、キオスク等によって販売され得る。異なる対話型表示デバイスは、購入者によって選択可能であって、各々異なる属性を有しまた異なる価格で販売され得る。代替的には、プレーヤのグループが、1組のキャラクタおよび対話データパラメータを設定することに合意し、対話データ例えば画像やその対話型表示デバイスについてのステータス評点といったキャラクタに関連する他のデータを提供するためのコンピュータネットワークやソフトウェアを利用することに合意する、ということも考えられる。ある種の実施形態においては、ユーザは、プレーヤ間の合意によりゲーム内で使用するためのキャラクタおよび対話データを決定することができ、又、ユーザインタフェース32を介してこれらの合意された制限を入力することができる。さらに他の実施形態においては、例えば、キャラクタとこれらのキャラクタと連係する対話データとを購入することができ、1つのキャラクタに連係する対話型表示デバイス8のユーザが、小売店、キオスクまたはオンライン小売業者から、特定のキャラクタや特定のキャラクタステータスレベルあるいは技能を購入することができる。
【0035】
図4は、本発明のさらにもう1つの実施形態を示す。この実施形態においては、複数の対話型表示デバイス8c、8dおよびこれらの対話型表示デバイス8c、8dを一緒にするインタフェースモジュール60を有する対話型表示システム50が提供される。この実施形態では、各対話型表示デバイス8cおよび8dはそれぞれ、ディスプレイ10cおよび10d、メモリ12cおよび12dそしてアクセスポート28cおよび28dを内蔵している。メモリ12cおよび12dは、キャラクタ情報を上述のように記憶し、ロッキングメモリ13cおよび13dを構成することができる。インタフェースモジュール60は、ディスプレイドライバ14および係合ポート62および64を含んでなり、これらの係合ポートは、これらの間の通信のために直接的電気接続を確立すべく、それぞれアクセスポート28cおよび28dに係合するようになっている。
【0036】
図4に示されている実施形態においては、インタフェースモジュール60は、必要に応じてインタフェースモジュール60ならびにディスプレイ10cおよび10dおよびメモリ12c、12d、13cおよび13dを動作させるように電力を供給する能力をもつ電力供給源29を含んでなる。
【0037】
動作時、対話型表示デバイス8cおよび8dは、係合ポート62にアクセスポート28cを結合させることによってそして係合ポート64にアクセスポート28dを結合させることによって、対話モジュール60に接続される。かかる係合は、ディスプレイ10、メモリ12c、12d、13cおよび13dそしてディスプレイドライバ14の間に、直接的なデータ経路を構成する。ディスプレイドライバ14は、このデータ経路を用いて対話型表示デバイス8cおよび8dの各々から対話データを得る。かかる情報を受信すると、ディスプレイドライバ14は、対話型表示デバイス8cと8dの間に起こるべき対話の性質を決定する。該当する場合、ディスプレイドライバ14は次に、表示デバイス8cまたは8dのいずれかに画像を生成させる信号またはユーザ入力を誘うオーディオ信号を生成することができる。このようなユーザ入力は、対話モジュール60の一部として設けられたユーザ入力システム26cおよび26dを用いて行うことができる。
【0038】
得られた対話データおよびユーザ入力に基づいて、ディスプレイコントローラ14は、各対話型表示デバイス8cおよび8dについての修正された対話データを決定することができる。次にディスプレイコントローラ14は、表示デバイス8cおよび8d上にて表示するための修正された画像コンテンツを決定することができる。図4に示されている実施形態においては、ディスプレイコントローラ14は対話データに基づいてメモリ12cおよび12dの各々から画像情報を得、各対話型表示デバイス8cおよび8dに修正された対話データに適した画像を表示させる信号を生成する。したがって、この実施形態においては、対話型表示デバイスにコストを追加するあるシステムおよび回路をインタフェースモジュール60まで移動させることによって、小さな形状をもちかつ低コストでありながら、対話型機能を保持する対話型表示デバイス8cまたは8dを提供することができる。
【0039】
さらなる実施形態においては、メモリ12cおよび12dの各々は、キャラクタを識別する情報を有するキャラクタ識別データのみを保持することができ、そのキャラクタ識別データを用いてそのキャラクタのための対話データを提供する。これが行われる場合、対話モジュール60は、各キャラクタについてのキャラクタ画像情報を得るように適合されることになる。これは、そのような情報をメモリ63から、すなわちその中に記憶されているキャラクタに関するキャラクタ画像情報及び/又は他の情報を有する該メモリ63から得ることによって、図4に示すように行うことができる。メモリ63は、対話モジュール60の1コンポーネントとすることができ、そうでなければ、それとは分離して有線または無線通信経路を介してモジュール60と一緒にされてもよい。このタイプの構成の一例においては、キャラクタ識別データは、ディスプレイドライバ14が、インターネットといったネットワークを経由してメモリ63からキャラクタ画像情報を得ることができるようにする情報を含むことができる。例えばここではキャラクタ識別データは、ワールドワイドウェブ(WWW)アドレスを含むことができる。ディスプレイドライバ14は、画像情報を得るためにこのワールドワイドウェブアドレスを使用する。このとき、ディスプレイドライバ14は適宜ディスプレイ10cまたは10d上に表示された画像の外観を調整するために、獲得した画像情報を使用する。
【0040】
さらにもう1つの実施形態においては、メモリ12cおよび12dの各々を、対話型表示デバイス8cおよび8dのそれぞれに関連するキャラクタを一意に識別するキャラクタ識別データのみを含むようにすることができる。この実施形態においては、ディスプレイドライバ14は、キャラクタ識別データを用いてかかるデータを呼戻しできるような形で、メモリ63にキャラクタ画像データおよびキャラクタ 対話データを記憶する。したがって、この実施形態においては、対話型表示デバイス8cおよび8dの中に記憶すべきデータの量は最小限であり、このタイプの対話型表示デバイスのコストをさらに削減する。
【0041】
またこれらの実施形態においては、各対話型表示デバイス8において、ディスプレイドライバ14も電源も設けられていないということでも良いであろう。このようなアプローチは、画像情報を提示するのに不揮発性ディスプレイ10が使用される場合に可能である。不揮発性ディスプレイには画像を電子的に書込みおよび書換え可能にすることができる、というのが不揮発性ディスプレイ10の特徴である。しかしながら、ひとたび書込まれると、その書込まれたコンテンツは、さらなる電力の入力を必要とすることなく、その上に書込まれた外観を維持する。
【0042】
かかる不揮発性ディスプレイ10の1つの良く知られている実施形態は、双安定コレステリック表示デバイスである。このような不揮発性ディスプレイ10は、反射性(reflective)ピクチャエレメントを提供し、これは少なくとも2つの状態を有し、かつ1つの状態から少なくとも1つの他の状態まで遷移して画像を形成することができる不揮発性ディスプレイ10は例えば反射性パッシブマトリクスディスプレイからなることができる。かかる反射性パッシブマトリクスディスプレイは、発光のためのエネルギーを必要とせず低コストの制御および製造に十分適していることから、利用されている。双安定コレステリック材料を使用するこのような1つのディスプレイは、1995年8月1日に発行された「液晶光変調デバイスおよび材料」という題の米国特許第5,437,811号の中で記述されている。かかるディスプレイは、可とう性基板上でかつ低コストのロール・ツー・ロールすなわち連続式製造方法で作ることができ、かくしてコストを削減し、対話型ディスプレイの利用分野で有用な属性を提供することができる。かかる不揮発性ディスプレイが使用される場合、インタフェースモジュール60は、ディスプレイ10に画像を書込むために必要な回路およびシステムを提供することができる。このようにして、各対話型表示デバイス8を、安価にかつ従来の実践と一貫性のある要領でまた便利に収集および記憶し得る形状因子(form factor)にて、作ることが可能である。
【0043】
本発明のその他の実施形態においては、フルカラー有機発光ダイオード(OLED)または液晶ディスプレイ(LCD)を含むさまざまなフラットパネルディスプレイ技術を使用してディスプレイ10を実現することができ、ユーザが要求するとおりの画像を提供できるように、かかるディスプレイタイプを動作させる適切なドライバと電源を、対話型表示デバイス内に含ませることができる。
【0044】
ここで図5〜7を参照すると、一対の表示デバイスのための対話シーケンスの図解的な実例が示されている。この実例のために、図3に示されたような、表示デバイス8aおよび8bの間の対話について以下で記述する。図5aおよび5bは、一般に、対話型表示デバイス8aおよび8b内の不揮発性メモリ12aおよび12bに記憶された対話データ70aおよび70bの1つの構成を描いたメモリマップの一例を示す。この実例のために、その対話型表示デバイス8aおよび8bが初めて提供されたとき、各不揮発性メモリ12aおよび12bが、それぞれ内部に記憶する1組のキャラクタ画像72a、74a、76a、78aおよび72b、74b、76bおよび78bを有するものと想定する。各画像セット内の各画像は、1組のステータス評点80aおよび80bのうちの1つにそれぞれ対応する異なる外観をもつキャラクタの1画像を描いている。当初各々のキャラクタは3というステータス評点を有し、したがってディスプレイコントローラ14aおよび14bは、ディスプレイ10aおよび10b上に画像72aおよび72bをそれぞれ提示させる。
【0045】
図6は、対話型表示デバイス8aおよび8bといった2つの対話型表示デバイスを用いて対話型ゲームを実現するための方法の1実施形態を例示するフローチャートである。
【0046】
図6に示すように、本方法の第1段階では、各表示デバイス8aおよび8bが、それぞれの他方の対話型表示デバイス、デバイス8bおよび8aを検出する(ステップ100)。かかる検出は、標準的に、表示デバイス8aと8bの間に通信経路が確立されたときに行われる。上述のとおり、かかる通信経路は、無線接続または有線接続を用いてか、またはメモリカードといった仲介を用いることによって、またはその他の従来の通信システムによって確立され得る。
【0047】
対話型表示デバイス8aおよび8bの間の通信経路が検出されると、ディスプレイコントローラ14aおよび14bは対話データを交換することになる(ステップ110)。上述したように、対話データは、1つのキャラクタ、キャラクタのステータスおよび、キャラクタに連係する、対話型表示デバイスの不揮発性メモリ12及び/又はロッキングメモリ13に記憶されるそのキャラクタについての他の情報を識別するあらゆる情報を含むことができる。対話データは、この例では所望の対話を定義づける情報といった他の情報を含むことができる。例えば、対話型表示デバイス8bのユーザは、自らが対話型表示デバイスと連係するキャラクタが、特定の要領で、対話型表示デバイス8aと連係するキャラクタと対話することを望んでいることを表示するために、ユーザ入力システム32を使用することができる。このような入力は、ディスプレイコントローラ14bによって使用され、任意には、対話データの一部として対話型表示デバイス8aまで搬送される。同様にして、ディスプレイコントローラ14bは対話型表示デバイス8aから対話データを受信することになる。
【0048】
交換された対話データに基づいて、ディスプレイコントローラ14aおよび14bは修正された対話データを決定することになる(ステップ104)。この実施形態においては、この段階は、受信した対話データに基づいて修正されたステータス評点を決定することによって実行される。これを行うことのできる方法は数多く存在する。例えば、対話データは、各対話型デバイスについての攻撃モードおよび各対話型デバイスについての防御モードといったような対話タイプを定義づけることができる。対話型表示デバイス8aに連係するキャラクタについて選択されたその攻撃モードは、その防御モードが「ブロック・ロー・モード」である間、例えば「キック・ハイ・モード」であり得、一方、対話型表示デバイス8bに連係するキャラクタについて選択されたその攻撃モードは、その防御モードが「ブロック・ハイ」モードである間、「アタック・ミドル・モード」であり得る。このような状況下では、対話型表示デバイス8aに連係するキャラクタについてのステータスは、該キャラクタが攻撃をブロックせず又そのキャラクタの攻撃も後続しないことを理由として、2レベルだけ削減され、一方対話型表示デバイス8bに連係するキャラクタについてのステータスは、対話型表示デバイス8bに連係するキャラクタが選択された攻撃をブロックしたことを理由として、同じレベルにとどまることができる。多種多様な変形形態が可能であることが分かるだろう。
【0049】
この例においては、表示デバイス8aおよび8bと連係する各キャラクタについての変更されたステータスは、修正された対話データを含む。この修正された対話データはこのとき、ディスプレイ10aおよび10bを用いて提示されるべき画像を決定するのに使用される(ステップ106)。この実施形態においては、ディスプレイコントローラ14aは変更されたステータスレベルを用いて、不揮発性メモリ12aから画像76aを選択し、図7aに示されているように、この画像をディスプレイ10a上に提示させる。同様にして、ディスプレイコントローラ14bは、不揮発性メモリ12bから画像74bを得るため表示デバイス8bと連係するキャラクタについて決定された変更されたステータスレベルを使用して、図7bで示されているようにディスプレイ10b上にこの画像を提示させる。
【0050】
ディスプレイコントローラ14aおよび14bはこのとき、もう1回の対話ラウンドに取組むか否かを決定する(ステップ108)。この決定を行うことのできる方法は多様に存在する。例えば、対話型表示デバイス8aと対話型表示デバイス8bとの間の接続が、最初の対話ラウンドの完了後一定期間とどまっている場合には、もう1回の対話ラウンドを所望しているものと決定することができる。あるいは、さらなる対話ラウンドが起こるべきか否かについてのユーザ入力を要請する問合せを、ディスプレイ10aおよび10bまたはオーディオシステム34aおよび34bを用いて、提示することができる。さらにもう1つの実施形態においては、対話型表示デバイスコントローラ14aおよび14bを、それらに連係するキャラクタの1つが、0ステータスレベルまたは他の最低閾値に達するまで対話を続行するようにさせることができる。
【0051】
この例のために、後者の実施形態が使用される。両方のキャラクタについてのステータスが0レベルを上回っていることから、もう1ラウンド対話が起こることになり、プロセスは、対話データを交換する段階(ステップ102)そして対話データを用いて修正された対話データを決定する段階(ステップ104)にまで戻る。この例において、第2ラウンドの対話の結果として、対話内の各キャラクタのステータスが1レベルだけ削減された場合には、対話型表示デバイス8aに連係するキャラクタのステータスレベルは0レベルまで削減され、対話型表示デバイス8aに連係するキャラクタのステータスレベルは2レベルまで削減される。したがって、このことが起こっている図9aに示されているように、ディスプレイドライバ14aは不揮発性メモリ12aから画像78aを得、この画像をディスプレイ10a上に提示させる(ステップ106)。同様にして、図9bに示されているように、ディスプレイドライバ14bは、不揮発性メモリ12から画像74bを得、この画像をディスプレイ10b上に提示させる(ステップ106)。かかる画像は、例えば再プログラミングまたは後続する対話の結果としてさらなる修正されたステータスが決定されるまで、提示され続ける。
【0052】
この時点で、対話型表示デバイス8aに連係するキャラクタは0ステータスレベルを有することから、対話型表示デバイス8aと対話型表示デバイス8bとの間の対話が完了しているものと決定することができる(ステップ108)。このときプロセスは、修正された対話データを記憶する段階(ステップ110)まで移行する。この段階では、対話サイクルの完了時に各キャラクタと連係するステータスレベルは、それぞれ不揮発性メモリ12aおよび12bに記録される。ある種の実施形態においては、ステータスレベルはロッキングメモリ13に記録される。関与する対話のためのルールに従い、対話の結果として、不揮発性メモリ12aおよび不揮発性メモリ12bにその他の情報を記憶することができる。例えば、現在好評の選択されたゲームにおいては、各キャラクタは、特定の1組の能力と関連づけられる。本発明の1実施形態においては、1組の能力を1つのキャラクタと関連づけることができ、1つのキャラクタがもう1つのキャラクタのステータスレベルを0まで有効に削減させた場合には、その削減させたキャラクタの能力を生き残ったキャラクタが吸収することができる。かかる付加的な能力は、不揮発性メモリ12及び/又はロッキングメモリ13に記憶させることができる。このようにして、進化する1組の特徴および能力をもちかつ他の対話型表示デバイスとうまく対話するにつれて、より価値の高まるキャラクタが新規に作成される。
【0053】
修正された対話データが記憶された後(ステップ110)、対話型表示デバイスの1つ(例えば対話型表示デバイス8b)はさらなる対話に取組むべく、付加的な対話型表示デバイスをサーチすることができる(ステップ112)。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の1実施形態による対話型ディスプレイの概略図である。
【図2】効率的なコンポーネント配置を有する対話型ディスプレイの1実施形態を示す概略図である。
【図3】組合せた形で使用された一対の対話型表示デバイスの一例を示す図である。
【図4】本発明に基づく対話型表示システムのもう1つの実施形態を例示する図である。
【図5a】対話型表示デバイスのメモリ内に記憶された対話データの1つの構成を全体的に描写するメモリマップを例示する図(その1)である。
【図5b】対話型表示デバイスのメモリ内に記憶された対話データの1つの構成を全体的に描写するメモリマップを例示する図(その2)である。
【図6】対話型ディスプレイを用いて対話型ゲームを実行するための方法の1実施形態を例示するフローチャートである。
【図7a】対話前に対話型表示デバイス上に提示されるものを示す図(その1)である。
【図7b】対話前に対話型表示デバイス上に提示されるものを示す図(その2)である。
【図8a】最初の対話後に対話型表示デバイス上に提示されるものを示す図(その1)である。
【図8b】最初の対話後に対話型表示デバイス上に提示されるものを示す図(その2)である。
【図9a】第2の対話の後に対話型表示デバイス上に提示されるものを示す図(その1)である。
【図9b】第2の対話の後に対話型表示デバイス上に提示されるものを示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0055】
8 対話型表示デバイス
10 ディスプレイ
12a、b、c、d 不揮発性メモリ
13a、b ロッキングメモリ
14a、b、c、d ディスプレイコントローラ
16a、b ディスプレイ インタフェース
18a、b メモリインタフェース
20a、b スイッチ
22a、b 外部インタフェース
24a、b 通信回路
26a、b 通信トランスジューサ
28a、b アクセスポート
29a、b 電池
30 本体
32a、b ユーザ入力システム
34a、b オーディオシステム
36 ディスプレイの表面
38 ディスプレイの裏面
40 外部回路
60 インタフェースモジュール
62 ポート
64 ポート
70a、b 対話データ
70a、b−78a、b キャラクタ画像
80a、b ステータス評点
100 表示デバイス検出段階
102 対話データ交換段階
104 修正された対話データ決定段階
106 画像表示段階
108 対話完了決定段階
110 修正された対話データ記憶段階
112 付加的対話段階

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)ディスプレイと、
b)対話データおよび、キャラクタを描写する画像コンテンツを記憶する不揮発性メモリと、
c)対話データを他の対話型表示デバイスに送信し、該他の対話型表示デバイスから対話データを受信するようにする通信回路と、
d)受信した対話データに少なくとも部分的に基づいて、修正された対話データを決定し、前記修正された対話データおよび記憶された画像コンテンツに少なくとも部分的に基づいてキャラクタ画像を決定し、前記ディスプレイに該キャラクタ画像を提示させるようにするディスプレイコントローラと、
を含んでなる対話型表示デバイスにおいて、
e)前記ディスプレイコントローラがさらに、不揮発性メモリ内に前記修正された対話データを記憶するようになっている対話型表示デバイス。
【請求項2】
前記キャラクタを描写する前記画像コンテンツが、少なくとも1つの画像シーケンス群を含む請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項3】
前記キャラクタを描写する前記画像コンテンツが、キャラクタ対話を描写する画像コンテンツを含む請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項4】
前記通信回路が、無線通信経路を用いてデータを交換するためのトランスデューサを含んでなる請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項5】
前記通信回路が、物理的通信経路を介した通信に適合する請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項6】
前記通信回路が、前記他の対話型ディスプレイとデータを交換するために、取外し可能なメモリを使用するようになっている請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項7】
さらに前記ユーザ入力システムを含み、対話データが該ユーザ入力システムを用いて入力される請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項8】
前記通信回路が、ネットワーク対話を用いて前記他の表示デバイスと通信するようになっている請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項9】
前記対話データが、キャラクタ識別、キャラクタ属性およびキャラクタステータスのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項10】
修正された対話データが、前記修正されたキャラクタ識別、修正されたキャラクタ属性および修正されたキャラクタステータスのうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項11】
個人化情報を決定すべく前記ディスプレイコントローラにより使用され得る信号へとユーザ入力動作を変換するためのトランスデューサを有するユーザ入力システムをさらに含んでなる請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項12】
前記キャラクタ、画像及び/又はキャラクタ属性のうちの少なくとも1つが、個人化データに従って個人化される請求項11に記載の対話型表示デバイス。
【請求項13】
前記ディスプレイコントローラがさらに、キャラクタに関連する質問を前記ディスプレイに提示させるようになっており、該質問に対する返答が個人化データを決定するのに使用される請求項12に記載の対話型表示デバイス。
【請求項14】
前記個人化データが、対話データの一部として使用される請求項11に記載の対話型表示デバイス。
【請求項15】
前記ディスプレイが、フレキシブルディスプレイである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項16】
前記ディスプレイが、大体トランプサイズである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項17】
前記ディスプレイが、フラットパネルディスプレイである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項18】
前記不揮発性メモリ、前記ディスプレイコントローラ、および前記通信回路のいずれかが、ディスプレイ上に設けられている請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項19】
前記ディスプレイが、OLEDディスプレイである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項20】
前記画像コンテンツが、動画像シーケンス、静止画像、静止画像群および画像情報ストリームのうちの少なくとも1つである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項21】
前記不揮発性メモリの内部に記憶されたオーディオコンテンツに基づいてオーディオ信号を生成するオーディオシステムと、ディスプレイコントローラとをさらに含んでなる請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項22】
前記対話データがさらにオーディオコンテンツを含み、前記ディスプレイがさらに、前記表示デバイスによって受信されたオーディオコンテンツに基づいて音を生成するようなオーディオシステムを含んでなる請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項23】
前記ディスプレイが、パッシブマトリクスディスプレイである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項24】
前記ディスプレイが、反射性ディスプレイである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項25】
前記ディスプレイが、双安定コレステリック材料を用いて画像を形成する請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項26】
前記ディスプレイが、カラーディスプレイである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項27】
前記ディスプレイコントローラが、非プログラマブルステートマシンである請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項28】
ディスプレイコントローラが、非プログラマブルロジック回路である請求項1に記載の対話型表示デバイス。
【請求項29】
複数の対話型表示デバイスであって、その各々が少なくとも、
画像を形成する能力をもつディスプレイ、および内部に記憶されたキャラクタデータを有する不揮発性メモリと、
少なくとも1つのキャラクタ画像供給源と、
少なくとも1つの対話データ供給源と、
前記複数の対話型表示デバイス間で対話データを交換するようになっている通信回路と、
前記複数の表示デバイスの各々について修正された対話データを決定し、その対話型表示デバイスについて決定された前記修正された対話データに基づいて、各対話型表示デバイス上で提示するため前記キャラクタ前記画像供給源内のキャラクタ画像の少なくとも1つを選択し、かつその対話型表示デバイスに連係するディスプレイ上で、各前記対話型表示デバイスのために選択された前記キャラクタ画像を提示させるようになっているディスプレイコントローラと、
を有するような複数の対話型表示デバイスを含んでなる対話型表示システムにおいて、
前記ディスプレイコントローラがさらに、前記修正された対話データを前記不揮発性メモリに記憶させる対話型表示システム。
【請求項30】
前記通信回路およびディスプレイコントローラが、前記表示デバイスとは別のインタフェースモジュール内に設けられている請求項29に記載の表示システム。
【請求項31】
前記ディスプレイが双安定ディスプレイであり、前記ディスプレイコントローラが、画像を双安定ディスプレイ上に形成させるためのディスプレイドライバを含んでなる請求項30に記載の表示システム。
【請求項32】
各対話型表示デバイスは、内部に記憶する対話データを有し、該対話データはキャラクタ画像に連係する請求項29に記載の表示システム。
【請求項33】
前記キャラクタ画像およびキャラクタ対話データが、コンピュータネットワークを通じた通信を介して送信され、前記対話型表示デバイス内に記憶される請求項32に記載の対話型表示システム。
【請求項34】
前記キャラクタ画像および対話データが製造時に前記対話型表示デバイス内に記憶され、対話型表示デバイスが自動販売機において販売される請求項33に記載の対話型表示システム。
【請求項35】
各対話型表示デバイスに連係する前記キャラクタが、購買者によって選択される請求項31に記載の対話型表示システム。
【請求項36】
キオスクが、購買者によって選択された異なるキャラクタを有する対話型表示デバイスを販売する請求項29に記載の対話型表示システム。
【請求項37】
前記キオスクが、異なる価格を有する特定のキャラクタを伴う対話型表示デバイスを販売する請求項36に記載の対話型表示システム。
【請求項38】
少なくとも部分的に前記対話型表示デバイスについて支払われた価格に基づいて決定される個人化データ、キャラクタ画像、キャラクタ属性のうちの少なくとも1つを有するキャラクタを伴う対話型表示デバイスを、前記キオスクで消費する請求項36に記載の対話型表示システム。
【請求項39】
前記対話型表示デバイスが、トレード可能なカードの形をとる請求項29に記載の対話型表示システム。
【請求項40】
内部に記憶された対話データを有する対話型表示デバイスを動作させるための方法において、
内部に記憶された対話データを有する他の対話型表示デバイスを検出する段階と、
該他の対話型表示デバイスから対話データを受信する段階と、
該他の対話型表示デバイスから受信された前記対話データに少なくとも部分的に基づいて修正された対話データを決定する段階と、
少なくとも部分的に前記修正された対話データに基づいてキャラクタ画像を決定する段階と、
前記表示デバイスを用いて前記キャラクタ画像を提示し、前記対話型表示デバイス内に前記修正された対話データを記憶する段階と、
からなる方法。
【請求項41】
前記対話データを前記他の表示デバイスに伝送する段階をさらに含んでなる請求項40に記載の方法。
【請求項42】
対話データがステータス評点を含み、修正された対話データを生成する段階がステータス評点を調整する段階からなり、該ステータス評点が閾値より低くなった場合に、該対話型表示デバイスと該他の対話型表示デバイスとの間のさらなる対話を禁止する段階をさらに含んでなる請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記対話型表示デバイスと前記他の対話型表示デバイスとの間のさらなる対話に対する禁止を除去するために、前記閾値より大きく前記ステータス評点を調整するリセット信号を生成する段階をさらに含んでなる請求項42に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【公表番号】特表2007−528265(P2007−528265A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502842(P2007−502842)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/006203
【国際公開番号】WO2005/092456
【国際公開日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】