説明

対象体インタフェース器具及び前記対象体の気道からガスサンプルを取得しつつ対象体へ呼吸可能な物質を輸送する方法

本発明は、呼吸可能物質を対象体へ輸送するように構成される対象体インタフェース器具に関する。前記対象体インタフェース器具は、呼吸可能物質を対象体へ輸送するように構成される第1インタフェースと前記対象体の気道からサンプルガスを得るように構成される第2のインタフェースを含む。前記第2のインタフェースは前記第1のインタフェースに関してデフォルト位置で弾性的に保持される。前記デフォルト位置は、前記対象体上に前記第1及び第2のインタフェースを装着することが、前記第2のインタフェースにバイアス力を生じさせ、この力が前記第2のインタフェースの位置を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタするために対象体の気道で又は気道近くでガスサンプルを取得しつつ対象体へ呼吸可能な物質を輸送するためのインタフェース器具に関する。
【背景技術】
【0002】
治療目的で呼吸可能な物質を支持するように構成される対象体インタフェース器具が知られている。この器具の従来の使用は、呼吸可能な物質を輸送するように構成される第1のインタフェース器具を用いること、及び、前記対象体の気道から呼気されるガスからガスサンプルを得るように構成される別の第2のインタフェース器具を用いることを含む。これら第1及び第2のインタフェース器具は、一般的には別のインタフェースとして形成されており、特定に治療目的の場合に一緒に使用されるものである。前記第1及び第2のインタフェース器具を共に対象体の顔面に装着することは、これら2つのインタフェース器具の間の機械的干渉(及び/又はこれらの器具の位置を保持する機構)により難しく及び/又は前記第1のインタフェース器具によるユーザからの第2のインタフェース器具の分離により難しくなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/122746A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/319334A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2006/249160A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、対象体インタフェース器具及び前記対象体の気道からガスサンプルを取得しつつ対象体へ呼吸可能な物質を輸送する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの側面は、対象体の気道へ呼吸可能物質を輸送するように構成される対象体インタフェース器具に関する。1つの実施態様では、前記対象体インタフェース器具は、第1のインタフェース、第2のインタフェース及び弾性部材を含む。前記第1のインタフェースはマスクバリアを含み、前記マスクバリアは第1の外部オリフィスを含む前記対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じ、呼吸可能物質がそれを通じて前記マスクバリアで閉じられる前記対象体の1以上の外部オリフィスと流通され得る輸送開口部を形成されるように形状化される。前記第2のインタフェースは中空突起部と第1の導管を含む。前記中空突起部が第1及び第2の端部を持ち、前記対象体の気道の前記第1の外部オリフィス内に挿入されるように構成され、前記中空突起部の第1の端部が前記第1の外部オリフィス内に位置され、前記中空突起部の第2の端部が前記第1の外部オリフィスの外に位置される。前記第1の導管は、前記対象体の気道内の前記中空突起部の第1の端部に入るガスを受けるために前記第2の端部で又は近くで前記中空突起部と接続され、前記中空突起部を通じて前記第2のインタフェース内に受けられたガスをサンプルするように構成されるセンサへ前記受けたガスを案内するように構成される。前記弾性部材は、前記第1のインタフェースから第2のインタフェースへ伸びており、かつ前記第2のインタフェースを前記第1のインタフェースに関してデフォルト位置で前記マスクバリアから空間的に離れて保持するように構成され、前記デフォルト位置からの前記第2のインタフェースの位置のずれが、前記弾性部材による前記第2のインタフェースへ前記デフォルト位置へのバイアス力が生じる結果となる。前記インタフェース器具は、前記第1のインタフェースが前記対象体の顔面に装着されると、前記弾性部材が、前記中空突起部を対象体の顔面上に、前記対象体の気道の第1の外部オリフィス内の前記中空突起部の第1の端部と、弾性的に位置保持する。
【0006】
本発明の他の側面は、対象体の気道からガスのサンプルを得るための方法に関する。1つの実施態様では、前記方法は:対象体の気道の第1のオリフィスを係合することを含み、前記気道の第1の外部オリフィスが対象体の第2のインタフェース器具により係合され、前記第2のインタフェースが;第1の端部及び第2の端部を持つ中空突起部を含み、前記中空突起部は前記対象体の気道に前記第1の外部オリフィス内に挿入されて、前記中空突起部の第1の端部が前記第1の外部オリフィス内に位置され、かつ前記第2の端部が前記第1の外部オリフィス外に位置され、および前記対象体の気道内の前記中空突起部の第1の端部へ入ったガスを受けるために、前記第2の端部で又は近くで前記中空突起部へ接続される第1の導管を含み、前記第1の導管が前記受けたガスを、前記中空突起部を通じて前記第2のインタフェース内に受けられるサンプルガスの1以上のパラメータに関連する情報を伝達するシグナルを生成し出力するように構成されるセンサへ案内し;前記気道の第1の外部オリフィスを含む前記対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じることを含み、前記対象体の気道の1以上の外部オリフィスが前記対象体インタフェース器具の第1のインタフェースで閉じられ、前記第1のインタフェースがマスクバリアを含み、前記マスクバリアが前記気道の1以上の外部オリフィスを閉じ、前記マスクバリアが、呼吸可能物質がそこを通って前記マスクにより閉じられる前記対象体の1以上の外部オリフィスと流通され得る輸送開口部を形成するために形状化され;及び前記第2のインタフェースと前記対象体の気道の第1の外部オリフィスとの間の係合を維持する前記第2のインタフェースへ弾性的バイアス力を与えることを含み、前記弾性的バイアス力が前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースへ伸びる弾性部材により前記第2のインタフェースへ与えられる、方法である。
【0007】
本発明の他の側面は、対象体の気道へ呼吸可能物質を輸送するように構成される対象体インタフェース器具に関する。前記対象体インタフェース器具は、第1の外部オリフィスを含む対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じるための手段を含み、前記閉じるための手段が、そこを通じて呼吸可能物質が、閉じ込められる前記対象体の1以上の外部オリフィスと流通され得る輸送開口部を形成し;前記対象体の気道からガスを得るための手段を含み、前記ガスを得るための手段が:前記対象体の気道の第1の外部オリフィスを係合するための手段を含み、前記第1の外部オリフィスを係合するための手段が前記対象体の気道の第1の外部オリフィスの内に挿入されるように構成され、前記第1の外部オリフィスを係合するための手段の第1の端部が前記第1の外部オリフィス内に位置され、及び前記受けられたガスを、前記係合するための手段を通じて前記第2のインタフェース内に受けられたサンプルガスに関連する情報を伝達する出力シグナルを生成するように構成されるセンサへ案内し;及び前記対象体の気道からのガスを得るための前記手段を、前記閉じるため手段に関してデフォルト位置で閉じるための手段から空間的に離れて保持するための手段を含み、前記対象体の気道からのガスを得るための手段の前記デフォルト位置からの位置変動が、前記保持するための手段により、前記デフォルト位置へのバイアス力が前記対象体の気道からガスを得るための手段に生じる結果となり、前記保持するための手段が、前記対象体の気道からガスを得るための手段を、前記対象体の気道の第1の外部オリフィス内に位置される第1の外部オリフィスを係合するための手段と前記対象体の顔面上に弾性的に位置保持する、対象体インタフェース器具である。
【0008】
本発明のこれらの及びその他の課題、構成及び特徴は、操作方法及び構造の関連する要素及び部品の組合せの機能及び製造方法の経済性と同様に、以下の記載及び特許請求の範囲を明細書の一部である添付図面とともに考慮することで明確となる。ここで類似する参照符号・番号は種々の図面において対応する部品を示す。本発明の1つの実施態様では、ここで示される構成部品は寸法通りに描かれる。しかし明示的に理解されるべきことは、図面は図示及び説明のためだけのものであり本発明をなんら限定するものではない、ということである。さらに、理解されるべきことは、ここで全ての実施態様で示され記載される構成は他の実施態様でも使用され得る、ということである。しかし明示的に理解されるべきことは、図面は図示及び説明のためだけのものであり本発明をなんら限定するものではない、ということである。明細書及び特許請求の範囲で使用される、単数形「1つの」、「前記」は、特に断られていない限り複数を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施態様による、対象体の気道へ呼吸可能な物質を輸送するように構成される対象体インタフェースを示す。
【図2】図2は、図1は、本発明の実施態様による、対象体の気道へ呼吸可能な物質を輸送するように構成される対象体インタフェースを示す。
【図3】図3は、本発明の実施態様による方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2は、対象体の気道へ呼吸可能な物質を輸送するように構成される対象体インタフェース10を示す。例えば、1つの実施態様では対象体インタフェース10は前記対象体の気道へ呼吸可能なガスのフローを輸送するために使用される。呼吸可能なガスのフローは特定の成分(例えば高濃度酸素)を含み、圧サポート治療方法に従い輸送され及び/又は他の治療効果を与えるために輸送され得る。対象体インタフェース10はさらに、前記対象体の気道からガスのサンプルを取得するように構成され、前記対象体の肺から呼気されるガスの1以上のパラメータが監視され得る。例えば、対象体インタフェース10により得られるガスのサンプルは、前記ガスサンプルの成分を検出するために測定される(例えば1以上の分子種の分圧及び/又は濃度など)。1つの実施態様では、対象体インタフェース10は、第1のインタフェース12、第2のインタフェース14及び1以上の弾性部材16を含む。
【0011】
前記第2のインタフェース12は、前記対象体の気道へ呼吸可能な物質を輸送するように構成される。前記呼吸可能な物質は、そのソースから第1のインタフェース12で受け取られる。非限定的例示によると、前記ソースは、圧サポート治療を提供するように構成される圧サポート装置、非侵襲性呼吸を提供するように構成される呼吸装置、特定成分(例えば酸素富化ガス)を持つガスソース及び/又は呼吸可能なガスのフローを提供するように構成されるその他のソースが含まれる。前記第1のインタフェース12は、マスクバリア18、密閉部20、ソース接続装置22、1以上のヘッドギア接続装置23及び/又はその他のコンポーネントが含まれる。
【0012】
前記マスクバリア18は、対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じるように構成される。前記1以上の外部オリフィスには、対象体の鼻孔及び/又は対象体の口のいずれか又は両方が含まれる。マスクバリア18は、一般にはドーム形状を持つ膜として形成され、そこを通って呼吸可能物質が対象体の気道と流通される輸送開口部24を定める。対象体の顔面に装着されると、前記マスクバリア18は、対象体の気道の1以上の前記外部オリフィスの周りの空間と、周辺大気との間のバリアとして作用する。ソース接続装置22と輸送開口部24の間の第1のインタフェース12によりこの空間内に1つの流路が形成される。マスクバリア18は、ポリカーボネート及び/又は他の材料から形成され得る。
【0013】
前記密閉部20は、第1のインタフェース12と、対象体の気道の1以上の外部オリフィスを囲む対象体の顔面との間に密閉(又は実質的に密閉)係合を形成するように構成される。前記密閉部20は、輸送開口部24の端部で第1のインタフェース12上に曝露されている。前記密閉部は弾性材料、例えば弾性ポリマー、プラスチック及び/又はその他の弾性材料から形成され、対象体の顔面と密閉部20との間に形成される密閉性を強化する。密閉部20と対象体の顔面との間の密閉は、密閉部20と顔面との間に形成される物理的接触の表面領域を増加させるように構成される、密閉部20により形成される密閉表面28により強化される。1つの実施態様では、密閉部20は、輸送開口部24の端部に沿ってマスクバリア18により形成される縁部上に接続又は配設されている。この接続又は配設は、可動又は実質的に固定され得る。
【0014】
前記ソース接続装置22は、第1のインタフェースを、対象体に呼吸可能な物質を与えるソースと移動可能に接続するように構成される。前記ソースには、例えば、圧サポート装置、呼吸装置、壁ガスソース、デュワー及び/又はその他の呼吸可能物質のソースが含まれる。1つの実施態様では、ソース接続装置22は、第1の端部を含む導管であり、ソース(又はソース接続装置を前記ソースに接続する呼吸回路)と脱着可能に係合されるように構成される。
【0015】
ヘッドギア接続装置23は、マスクバリア18の外部に設けられており、対象体インタフェース10をヘッドギア30と接続するように構成される。図1及び2に示される実施態様では、ヘッドギア接続装置23は、輸送開口部24(例えば密閉部24に隣接して)で又近くで曝露される。ヘッドギア30には、1以上のストラップ、パッド、剛性部材及び/又はその他のコンポーネントであって対象体インタフェース10を対象体の顔面の位置に保持するように構成されるコンポーネントを含む。図1及び2に示される実施態様では、ヘッドギア30は、ヘッドギア接続装置23に脱着可能に接続されるストラップを含む。ヘッドギア30と所定のヘッドギア接続装置23との間の脱着可能な接続には、スナップフィット、プレスフィット、フリクションフィット、フードループファスナ、スレッドファスナ及び/又はその他の機構であって2つのコンポの間を保持接続するものが含まれる。1つの実施態様では、ヘッドギア接続装置23は、ヘッドギア30へ実質的に非脱着可能な方法で接続される。
【0016】
第2のインタフェース14は、対象体の気道の1以上の外部オリフィスで又はその近くの位置からガスのサンプルを取得するように構成される。特に、第2のインタフェース14は、第1のインタフェース12で囲まれた対象体の気道の少なくとも1つの外部オリフィス内に、そこからガスサンプルを得るために挿入されるように構成される。第2のインタフェース14は、少なくとも1つの中空突起部34、第1の導管36及び/又はその他のコンポーネントの1以上を含むことができる。
【0017】
前記中空突起部34は第1の端部及び第2の端部を持つ。前記ガス入口32は前記中空突起部34の第1の端部で形成される。前記中空突起部34は、対象体の気道の外部オリフィス内に挿入され、前記第1の端部が前記気道の外部オリフィス内に位置し、対象体の気道からガスを受ける。前記中空突起部34は、比較的柔らかい及び/又は弾性材料から形成され、対象体への心地よさを強化する。例えば、中空突起部34は、弾性ポリマー材料及び/又は他の材料から形成され得る。
【0018】
図1及び2に記載の実質的にでは、第2のインタフェース14は、対象体の鼻孔及び口のための別の中空突起部34を含み得る。これはなにかを限定するものではない。例えば、中空突起部34は、より少ない中空突起部34を含み得るものであり、対象体の口及び/又は対象体の鼻孔からガスサンプルを取得しなくてもよい。さらに1つの実施態様では、中空突起部34の全てがガスサンプルを取得することは必要ではない。この実施態様では、1以上の中空突起部34は、治療目的でガスの補充フローを輸送するために使用され得る。例えば、対象体の鼻孔内に挿入されるように構成される中空突起部34の1つは、酸素富化ガスのフローを輸送するために使用され、一方で他の中空突起部34がセンサによる監視のために対象体の気道からガスのサンプルを取得するために使用され得る。
【0019】
1つの実施態様では、第2のインタフェース14は、図1及び2に示される中空突起部34の全てを含まない。例えば、鼻孔のためのみ、口のためのみ、又は1つの鼻孔のためのみのガス入口32を含む第2のインタフェース及び/又はその他の構成の第2のインタフェースもまた本発明の開示の範囲に含まれる。
【0020】
前記第1の導管36は、中空突起部34と、中空突起部34の前記第2の端部で又はその近くで接続されている。前記第1の導管36は、中空突起部34を通じて第2のインタフェースへ入るガスを受け取り、及び前記受け取られたガスをセンサへ案内するように構成される。前記センサ(図示されていない)は、対象体の気道で又はその近くで第2のインタフェースによりサンプルされたガスの1以上のパラメータに関する情報を伝達する出力シグナルを生成するように構成され得る。例えば、1以上のパラメータには、第2のインタフェース14により受けられたガスの組成、及び/又はその他のパラメータを含み得る。
【0021】
第1の導管36が受け取られたガスを伝達するセンサは第1のインタフェース12の外部に設けられ得る。従って、1つの実施態様では、第1のインタフェース12は、第1の導管36が第1のインタフェース12を通って通過することができるように構成される。例えば第1の導管36はマスクバリア18を通るようにすることができる。マスクバリア18は、第1の導管36がマスクバリア18を通過する点で第1の導管36周りの密閉性を維持して、この点でマスクバリア18の内部及び外部の間の漏れを防止するように構成される。
【0022】
図1及び2に示されるように、操作の際には第2のインタフェース14は第1のインタフェース12内に設けられ、対象体の気道の外部オリフィスからのガスを受け取り、一方呼吸可能な物質が第1のインタフェース12により対象体の気道の外部オリフィスへ輸送される。従って、従来のインタフェース器具において、第2のインタフェースと対象体の1以上の外部オリフィスとの間の係合は、物理的に第1のインタフェースの外部オリフィスから分離されている。このことは、第2のインタフェースを受け入れ可能な従来のインタフェース器具が外れた状態となり、使用の際に不確実になる恐れが生じる。
【0023】
弾性部材16は第1のインタフェース12から第2のインタフェース14へ伸びる。前記弾性部材16は、第1のインタフェース12に関してデフォルト位置でマスクバリア18から空間的に離れて第2のインタフェース14を保持するように構成される。弾性部材16は、弾性材料から少なくとも部分的に形成されており、第2のインタフェース14の位置の前記デフォルト位置からのずれは、弾性部材16に、第2のインタフェース14をそのデフォルト位置へ戻すバイアス力を適用する結果となる。
【0024】
使用の際には、第1のインタフェース12に関しての第2のインタフェース14のデフォルト位置は、第1のインタフェース12が対象体の顔面上に装着されると、弾性部材16による第2のインタフェースに適用される力が第2のインタフェース14を前記外部オリフィスの位置に配置させるように、位置付けされるべきである。図1及び2で非限定的な例で示されるように、第2のインタフェース14の前記デフォルト位置が密閉部20で定められる平面内(又はその近くに)にあり、かつ対象体の鼻孔よりもやや高い位置にある場合には、対象体インタフェース器具10が対象体の顔面に装着されると、弾性部材16による第2のインタフェース14へ適用されるバイアスが、対象体の鼻孔に対応する中空突起部34を前記鼻孔内の位置を確実にするものである。前記弾性部材16は、前記バイアス力のバネ定数は、中空突起部34を、対象体が不愉快を感じるほどの強くなく確実に位置を保持するように構成され得る。
【0025】
1つの実施態様では、弾性部材16は、第2のインタフェース14のデフォルト位置が前記対象体の顔面及び/又は快適性をカスタマイズされ得るように調節可能である。これは、第2のインタフェース14のデフォルトを、対象体の顔面から、上下、左右、近づけるか遠ざけるかなど動かすことが含まれる。非限定的に例示すると、第2のインタフェース14を第1のインタフェース12に関する位置で支える1以上の弾性材料を含む場合には(図1及び2に示されるように)、第2のインタフェース14と第1のインタフェース12との間の接続が調節可能となる。1つの実施態様では、弾性部材16の形状は調節可能であり、第2のインタフェース14のデフォルト位置の配置をカスタマイズすることができる。
【0026】
理解されるべきことは、弾性部材16は図1及び2では全体が弾性材料(例えば弾性材料)で形成されているが、これは意図的な限定を意味するものではない。例えば、弾性部材16は剛性部分と弾性部分を含むことができる。1つの実施態様では、第1のインタフェース12と弾性部材16との接続は弾性材料から形成され得る。またこの接続から第2のインタフェース、14へ伸びる前記弾性部材16の部分は剛性材料から形成され得る。さらに、弾性材料16は図1及び2には、密閉部20で又は近くで第1のインタフェース12の2つの点で接続されているように図示されているが、これは意図的に限定することを意味するものではない。1つの実施態様では、弾性部材16は第1のインタフェース12と1点で接続される。1つの実施態様では、弾性部材16は第1のインタフェース12と多くとも2つの位置で接続される。1つの実施態様では、弾性部材16は、密閉部20から離れたマスクバリア18に又は近くの位置(例えばソース接続装置22の近く)で第1のインタフェース12と接続される。
【0027】
以下、対象体インタフェース器具10を対象体の顔面に装着する方法が説明される。理解されるべきことは、対象体の顔面に対象体インタフェース器具10を装着する例示的方法が、説明的・例示的目的のために提供され、本開示の範囲をなんら制限するものではない、ということである。図3は、方法38のフローチャートを提供し、少なくともいくつかの装着プロセスに含まれる操作を含む。
【0028】
操作40で、対象体の顔面に対象体インタフェース器具を位置保持するヘッドギアは対象体の頭部に装着される。前記ヘッドギアが適切に調節され得ることを確実にするために、対象体インタフェース器具は、ヘッドギアが対象体の頭部に置かれる間、ヘッドギアに接続され得る。操作40では、対象体の顔面に関して対象体インタフェース器具の第1のインタフェースの適合性に特別の注意が払われる。1つの実施態様では、前記第1のインタフェースは、第1のインタフェース12(図1及び2に示され前記されるように)と類似するか同じである。1つの実施態様では、前記ヘッドギアは、ヘッドギア30(図1及び2に示され前記されるように)と類似するか同じである。
【0029】
操作42で、対象体インタフェース器具は、ヘッドギアから外され、ヘッドギアは対象体の頭部に装着されたままである。これは、対象体インタフェース器具に曝露されるヘッドギア接続装置からヘッドギアを外すことを含む。1つの実施態様では、前記ヘッドギア接続装置は、ヘッドギア接続装置23(図1及び2に示され、前記されるように)と類似するか同じである。
【0030】
操作44で、対象体インタフェース器具の第2のインタフェースは前記対象体の顔面に、第2のインタフェースが対象体の1以上の外部オリフィスに係合するように位置され、前記第2のインタフェースが対象体の気道の1以上の外部オリフィスで又はその近くでガスのサンプルを取得することができる。例えば、前記第2のインタフェースは、対象体の気道の1以上の外部オリフィスに又は外部オリフィス内に位置されるべき1以上のガス入口を設けるように構成され得る。1つの実施態様では、前記第2のインタフェースは、第2のインタフェース14(図1及び2に示され、前記されるように)と類似するか同じである。
【0031】
操作46で、前記第1のインタフェースは対象体の顔面に再度装着される。これは、前記第1のインタフェースとヘッドギアとを、ヘッドギアが前記第1のインタフェースを対象体の顔面に、対象体の気道の1以上のオリフィス(前記第2のインタフェース内に設けられる前記1以上の外部オリフィスを含む)を閉じるように位置保持するように再接続されることを含む。
【0032】
前記第1のインタフェース及び第2のインタフェースはお互いに弾性部材で接続される。前記弾性分際は前記第2のインタフェースを前記第1のインタフェースに関してデフォルト位置に弾性的に保持する。前記第2のインタフェースのデフォルト位置は、前記第1のインタフェースが対象体の顔面に装着されると(例えば操作46で)、前記第2のインタフェースが前記デフォルト位置から遠ざかり、それにより前記弾性部材が弾性的バイアス力を前記第2のインタフェースに与えて、前記第2のインタフェースが前記第2のインタフェースの前記ガス入口を対象体の気道の1以上の外部オリフィスの位置保持するように構成される。
【0033】
操作48で、呼吸可能物質は対象体に対象体インタフェース器具を通じて輸送される。1つの実施態様では、前記呼吸可能物質が前記第1のインタフェースを通じて対象体に輸送される。
【0034】
操作50で、対象体の1以上の外部オリフィスで又は近くで得られたガスサンプルは、前記ガスを監視するセンサへ案内される。1つの実施態様では、操作50は前記第2のインタフェースにより実行される。
【0035】
以上本発明は、現在最も実用的であり好ましい実施態様であると考えられることに基づいて説明する目的で詳細に記載された。理解されるべきことは、かかる詳細な説明は前記目的のためだけのものであり、本発明はここで開示された実施態様に限定されるものではないということ、むしろ本発明は添付の特許請求の範囲の本質及び範囲に含まれる変更及び均等な構成を含むものである、ということである。例えば、理解されるべきことは、本発明は可能な限り、全ての実施態様の1以上の構成がその他の全ての実施態様の1以上の構成と組み合わせることができる、ということである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象体の気道へ呼吸可能物質を輸送するように構成される対象体インタフェース器具であり、前記対象体インタフェース器具が:
マスクバリアを含む第1のインタフェースを含み、前記マスクバリアは第1の外部オリフィスを含む前記対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じ、前記マスクバリアは、呼吸可能物質がそれを通じて前記マスクバリアで閉じられる前記対象体の1以上の外部オリフィスと流通され得る輸送開口部を形成されるように形状化され;
第2のインタフェースを含み、前記第2のインタフェースが:
第1の端部及び第2の端部を持つ中空突起部を含み、前記中空突起部が前記対象体の気道の第1の外部オリフィス内に挿入されて、前記中空突起部の第1の端部が前記第1の外部オリフィス内に位置され、かつ前記中空突起部の第2の端部が前記第2の外部オリフィス外に位置され、及び
前記対象体の気道内に前記中空突起部の第1の端部に入るガスを受けるために前記中空突起部に前記第2の端部で又は近くで接続される第1の導管を含み、前記第1の導管が前記受けたガスを、前記中空突起部を通じて第2のインタフェース内に受けられたサンプルガスの1以上のパラメータに関連した情報を伝達する出力シグナルを生成するように構成されるセンサに案内するように構成され;及び
前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースへ伸びる弾性部材を含み、前記弾性部材は前記第1のインタフェースに関してデフォルト位置で前記マスクバリアから空間的に離れて前記第2のインタフェースを保持し、前記第2のインタフェースの前記デフォルト位置からの位置変動が前記第2のインタフェースに前記弾性部材により前記デフォルト位置へのバイアス力を生じる結果となり、
前記インタフェース器具が、前記第1のインタフェースが前記対象体の顔面に装着すると、前記弾性部材が前記中空突起部を、前記対象体の気道の前記第1の外部オリフィス内の前記中空突起部の第1の端部と前記対象体の顔面上に、弾性的に位置保持する、対象体インタフェース器具。
【請求項2】
請求項1に記載の対象体インタフェース器具であり、前記第1のインタフェースがさらに、前記輸送開口部の回りの前記マスクバリアの端部で形成される密閉部を含み、前記密閉部は、前記対象体の顔面と、前記第1のインタフェース及び前記対象体の顔面との間を実質的に密閉係合する、対象体インタフェース器具。
【請求項3】
請求項2に記載の対象体インタフェース器具であり、前記弾性部材が、前記第1のインタフェースの前記密閉部で又は近くで前記第1のインタフェースから伸びている、対象体インタフェース器具。
【請求項4】
請求項1に記載の対象体インタフェース器具であり、前記第1のインタフェースがさらに、前記第1のインタフェースを呼吸可能物質のソースと脱着可能に接続するように構成されるソース接続装置を含み、前記呼吸可能物質が前記ソース接続装置と前記輸送開口部を通じて前記対象体の気道の前記第1のオリフィスへ輸送される、対象体インタフェース器具。
【請求項5】
請求項1に記載の対象体インタフェース器具であり、前記弾性部材が、前記第2のインタフェースの前記デフォルト位置が前記対象体の顔面にカスタマイズされるように調節可能であるように構成される、対象体インタフェース器具。
【請求項6】
対象体の気道からガスのサンプルを得る方法であり、前記方法が:
対象体の気道の第1のオリフィスを係合することを含み、前記気道の第1の外部オリフィスが対象体の第2のインタフェース器具により係合され、前記第2のインタフェースが;
第1の端部及び第2の端部を持つ中空突起部を含み、前記中空突起部は前記対象体の気道に前記第1の外部オリフィス内に挿入されて、前記中空突起部の第1の端部が前記第1の外部オリフィス内に位置され、かつ前記第2の端部が前記第1の外部オリフィス外に位置され、および
前記対象体の気道内の前記中空突起部の第1の端部へ入ったガスを受けるために、前記第2の端部で又は近くで前記中空突起部へ接続される第1の導管を含み、前記第1の導管が前記受けたガスを、前記中空突起部を通じて前記第2のインタフェース内に受けられるサンプルガスの1以上のパラメータに関連する情報を伝達するシグナルを生成し出力するように構成されるセンサへ案内し;
前記気道の第1の外部オリフィスを含む前記対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じることを含み、前記対象体の気道の1以上の外部オリフィスが前記対象体インタフェース器具の第1のインタフェースで閉じられ、前記第1のインタフェースがマスクバリアを含み、前記マスクバリアが前記気道の1以上の外部オリフィスを閉じ、前記マスクバリアが、呼吸可能物質がそこを通って前記マスクにより閉じられる前記対象体の1以上の外部オリフィスと流通され得る輸送開口部を形成するために形状化され;及び
前記第2のインタフェースと前記対象体の気道の第1の外部オリフィスとの間の係合を維持する前記第2のインタフェースへ弾性的バイアス力を与えることを含み、前記弾性的バイアス力が前記第1のインタフェースから前記第2のインタフェースへ伸びる弾性部材により前記第2のインタフェースへ与えられる、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であり、さらに、前記輸送開口部周りの前記マスクバリアの端部で前記対象体の顔面と前記第1のインタフェースとの間に密閉部を形成することを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり、前記弾性部材が、前記第1のインタフェースと前記対象体の顔面との間の前記密閉部で又は近くで前記第1のインタフェースから伸びている、方法。
【請求項9】
請求項6に記載の方法であり、さらに、前記輸送開口部を通じて前記対象体の気道の第1のオリフィスへ呼吸可能物質を輸送することを含む、方法。
【請求項10】
請求項6に記載の方法であり、さらに、前記対象体の顔面の形状のために、前記第2のインタフェースと対象体の気道の第1の外部オリフィスとの間の係合をカスタマイズするために、前記弾性部材を調節することを含む、方法。
【請求項11】
対象体の気道へ呼吸可能物質を輸送するように構成される対象体インタフェース器具であり、前記対象体インタフェース器具は:
第1の外部オリフィスを含む対象体の気道の1以上の外部オリフィスを閉じるための手段を含み、前記閉じるための手段が、そこを通じて呼吸可能物質が、閉じ込められる前記対象体の1以上の外部オリフィスと流通され得る輸送開口部を形成し;
前記対象体の気道からガスを得るための手段を含み、前記ガスを得るための手段が:
前記対象体の気道の第1の外部オリフィスを係合するための手段を含み、前記第1の外部オリフィスを係合するための手段が前記対象体の気道の第1の外部お露フィードスルーの内に挿入されるように構成され、前記第1の外部オリフィスを係合するための手段の第1の端部が前記第1の外部オリフィス内に位置され、及び
前記受けられたガスを、前記係合するための手段を通じて前記第2のインタフェース内に受けられたサンプルガスに関連する情報を伝達する出力シグナルを生成するように構成されるセンサへ案内し;及び
前記対象体の気道からのガスを得るための前記手段を、前記閉じるため手段に関してデフォルト位置で閉じるための手段から空間的に離れて維持するための手段を含み、前記対象体の気道からのガスを得るための手段の前記デフォルト位置からの位置変動が、前記保持するための手段による前記デフォルト位置へのバイアス力が、前記対象体の気道からガスを得るための手段に生じる結果となり、前記保持するための手段が、前記対象体の気道からガスを得るための手段を、前記対象体の気道の第1の外部オリフィス内に位置される第1の外部オリフィスと係合するための手段で前記対象体の顔面上に弾性的に位置保持する、対象体インタフェース器具。
【請求項12】
請求項11に記載の対象体インタフェース器具であり、さらに、前記対象体の顔面の間を密閉するための手段及び前記輸送開口部の端部周りを閉じるための手段を含む。
【請求項13】
請求項12に記載の対象体インタフェース器具であり、前記保持のための手段が、前記密閉部を形成するための手段で又は近くで前記閉じるための手段から伸びている、対象体インタフェース器具。
【請求項14】
請求項11に記載の対象体インタフェース器具であり、さらに、前記閉じるための手段と呼吸可能物質と脱着可能に接続するための手段を含み、前記呼吸可能物質が、前記脱着可能に接続するための手段と、前記閉じるための手段の輸送開口部を通じて前記対象体の気道の第1のオリフィスへ輸送される、対象体インタフェース器具。
【請求項15】
請求項11に記載の対象体インタフェース器具であり、前記保持するための手段が、前記対象体の気道からのガスを得るための手段の前記デフォルト位置が前記対象体の顔面に対してカスタマイズできるように調節可能であるように構成される、対象体インタフェース器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515548(P2013−515548A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545494(P2012−545494)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055753
【国際公開番号】WO2011/080641
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)