説明

対象動物を一時的に活動無能力化する方法および組成物

少なくとも1つのエステル不含有親化合物を修飾する方法、そのような方法を使用して生成され、少なくとも1つの対象を一時的に活動無能力化するために展開される化合物が開示される。修飾された化合物は、該修飾化合物への曝露が停止された時に不活性で無毒な代謝物に速やかに代謝される。1つ以上の予め定められた化学的配置が該親化合物に組み込まれて、該親化合物は、式(I):φ-R-X-R′(φは該親化合物に存在するかまたは該親化合物に付加されたフェニル、置換アリールまたはヘテロアリール系であり;Rは該親化合物に存在するかまたはφに付加された0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンであり;XはRに付加されたカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;かつ、R′は1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、代謝的に不安定な様式でXに付加されるかまたは代謝的に不安定な様式でXに接続された親化合物の元来的部分として既に存在する構造元素である)を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医薬物質または薬物は、それらがファーマコフォアと呼ばれる明確な分子配置を含有するために所望の治療的特性を発揮する。しかしながら、しばしばファーマコフォアまたはそのような化合物内の他の化学構成部分の存在は、特定の臨床適応症のための所定の薬物の最終展開に関して理想的とはいえない総合的プロファイルを与える。幾つかのケースでこの状況は、薬物の分布、代謝または除去(DME)と関連する化学的特徴を変化させることにより改善し得る。このプロセスは成功すれば、現在製薬界において元来存在するまたは親薬化合物の“ソフト薬物(soft drug)”形と呼ばれるものをもたらす:(Soft Drugs. XX. Design, Synthesis and Evaluation of Ultra-Short Acting beta-Blockers, H.-S. Yang, W.-M, Wu and N. Bodor, Pharm. Res., 12, 329 (1995); and Synthesis and Enzymatic Hydrolysis of Esters, Constituting Simple Models of Soft Drugs, M. Graffner-Nordberg, K. Sjodin, A. Tunek and A. Hallberg, Chem. Pharm. Bull., 46, 591 (1998).)。
【0002】
しかしながら、リード化合物の臨床用途が問題を生じるであろうことを示唆する無視できない前臨床試験データがない限り、DME関連特徴は、新薬発見および開発の早期プロセスの間に化学的手法で厳密に評価されないのが通常である。この状況が生じる一部の理由は、新薬の有益面に対し望ましくないDME特徴の時折り難解なパラメーターを正確に定義するのにかなりの臨床経験がしばしば要求され、一方でその有益面は特定の病態生理セッティングにおけるそれの実際の臨床用途の閉じられた視野内にあるからである。どのようなDMEおよび毒性関連特性を扱う必要があるか未知であるという問題は、特定のDMEまたは毒性問題が起きてきた場合でさえ、全般的にどのように進めるかについての事前の化学的青写真を持たないことによって更に混迷化する。
【0003】
本願に開示されている発明は、特定の化学的青写真を展開することによりDMEおよび毒性関連特性を変化させるために用意された方法を提供する。そのアプローチは、潜在的な新薬候補可能性物質のファミリー全体についてのDMEパラメーターを、そのファミリーの構造的微調整および前臨床研究のかなり早期段階の間に最初に評価するのに有用である。本発明の方法は、この様式で適用される場合、薬物発見および開発のプロセス全体の効率を向上および改善する。
【0004】
薬物発見および開発プロセスの効率を向上できる技術は、最近において世界的製薬企業の非常に高い関心事となっている:(Lead Generation and Optimization, Annual Meeting Strategic Research Institute, San Diego, June 23, 1997; Emerging Technologies for Drug Discovery, International Biotechnology Event National Management Health Care Congress, Boston, May 19, 1997; and Pharmaceutical Education, Interim Meeting, American Association Colleges Pharmacy, Washington, D.C., March 2, 1997.)。
【0005】
また本発明は、同等に有意義であるがより簡明かつ個別的に向けられた用途においては、親薬分子へのそのようなDME変化が関連するかも知れない特定の治療的/副作用詳細および有益性が所定の適応症について既に認識されている臨床上確立された医薬物質を修飾するのにも有用である。さらに、薬理遺伝学の発展的分野において薬物治療プロトコルを個別化する現在の動向では、所定の個体における所定の適応症のための所定の薬物の総体的薬理プロファイルを微調整および仕立てることに向けて一般的に適用でき、好都合に展開可能な技術を持つことについて非常に高い関心と重要性が強調される:(Recommendations of the NIGMS Working Group-Understanding Individual Variations in Drug Responses: From Phenotype to Genotype, R.M. Long and R.M. Weinshilboum, NIH Report<http://www.hih.gov/nigms/news/reports/pharmacogenetics.html>, 5 pages (June 9-10, 1998).)。
【発明の要旨】
【0006】
本発明は一側面において、親薬化合物内の1つ以上のアルアルキルエステル残基または“メタボフォア(metabophore)”を展開する方法に関する。アルアルキルエステル残基は、親薬化合物の構造性分子骨格内に共通構造化されてもよいし、親薬化合物上へ別個の付加物として加えられてもよい。これらの構築は、その薬物代謝のための特定の経路をプログラムしながらもその親薬物の治療特性を保持するようなやり方で行われる。薬物の代謝のための特定の経路は、その修飾された薬物が経口、吸入、注射、インプラント可能なまたは局所的経路のいずれかによりヒトへ投与された時、不活性または活性が非常に小さい無毒代謝物を導く。
【0007】
さらには、親薬物の構造内におけるアルアルキルエステル残基およびそれらの様々な配置の特定の分子細部は、その代謝速度を正確にコントロールするために微調整できる。そして代謝速度は、得られるソフト薬物の分布、その活性の持続期間、その排出および/または毒性をコントロールするために使用できる。
【0008】
メタボフォアは、プログラムされたエステル開裂が薬物元来のファーマコフォア(pharmacophore)の断片化を引き起こすか、或いはまだ無傷の親薬物内のファーマコフォアによりおよそ許容できる酸性基の生成を導くならば常にあらゆる薬物タイプに有用である。
【0009】
またメタボフォアは、薬物設計および開発のプロセスの間に新薬候補物の総体的薬理プロファイルをより最適化するための密接に関連する化合物のファミリーを生み出すのにも有用である。
【0010】
またメタボフォアは、既に使用されている多種多様な薬物についての総体的治療プロファイルの増強にも有用である。
1つの側面においてメタボフォアは、親薬物により示される望ましくない蓄積および/または毒性経路を回避するために無害な代謝/排出の特定の経路をプログラムするのに有用である。
【0011】
他の側面においてメタボフォアは、親薬物の活性の持続期間を所望の短い時間間隔に調整するために特定の代謝についての速度をプログラムするのに使用される。別の方法では、アルアルキルエステル残基がインプラントまたは薬物デポー送達システムと共に使用される場合、プログラムされた代謝の速度は、そのソフト薬物の送達のための速度と一致させ、長期安定状態レベルの予めキャリブレートされた濃度のソフト薬物を正確に提供するようにできる。
【0012】
他の側面において、メタボフォアは、親薬物内に超短時間持続期間をプログラムするのに使用され、得られるソフト薬物の活性を、それの静脈内投与注入速度を介して正確な瞬時から瞬時へのコントロール下で、クリティカルケアおよび外科的セッティングに特に有用であることが既に実証されている総体的薬物特性とすることを可能にする。かなり若齢のヒトについて以前から指向されている少量の薬物および薬物関連技術が与えられて、本発明は、妊婦、臨月新生児の特定の治療のためにまたは周産期および新生児集団全般のために好都合かつ安全に展開されるアルアルキルエステルソフト薬物の開発に特に有用である。
【0013】
また別の側面では、メタボフォアは、所望の部位内での薬物の初期送達または活性化を選択的やり方(例えば、局所的注射、インプラント、外科用縫合材、または局所的光力学的活性化)で達成できる場合でも、ソフト薬物の効果を局在化することを可能にする超短期間持続性薬物を提供するのに有用である。
【0014】
また別の側面では、メタボフォアは、親薬物から患者を離脱させるために静脈経路により展開できるソフト薬物薬理物質を提供するのに有用であり、その薬理活性がソフト薬物形の静脈内点滴の速度を漸進的に低下させることによりコントロールされた段階的やり方でより安全に除去される(例えば、親薬物の突然の退失に起因するリバウンド薬理発生の回避)。
【0015】
1つの側面において、本発明は、エステルを含有しない親薬物を修飾する方法、および動物およびヒトが含まれる対象を一時的に活動無能力化(incapacitate)するために展開される化合物に関し、修飾された化合物は、それら修飾化合物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物に速やかに代謝されることを保証するものである。本法は、予め決定された1つ以上の化学的配置の親化合物への組込みを伴い、その化学的配置は、
φ−R−X−R′
φは、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経て親化合物に特別に付加されているフェニル、置換アリールまたはヘテロアリール系であり;
Rは、分岐状または非分岐状の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経てφに付加されたものであり;
Xは、代謝的に安定な接続を経てRに特別に付加されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐状または非分岐状のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、代謝的に不安定な方法でXに付加されているものであるか、または代謝的に不安定な方法でXに接続されている親化合物の生来の部分として既に存在している構造元素である。
【0016】
一定の態様においてそれら組成物には、例えば、親化合物がフェンタニル(fentanyl)である組成物が含まれ得る。
一定の態様においてそれら対象動物は、コントロールされていない動物のような哺乳類であり得、他の態様では、一時的に活動無能力化されることが必要とされるヒトであり得る。本発明は、様々なタイプの防御および攻撃用化学物質を修飾するのに特に有用である。
【発明の詳しい記載】
【0017】
本発明は1つの側面において、親薬化合物がヒトに経口、注射、吸入、インプラント可能または局所的経路のいずれかにより投与された時に、不活性または非常に弱い活性で無毒な代謝物を導く親薬化合物の代謝のための特定の経路および速度をプログラムする方法に関する。本法は、親薬化合物をその親薬化合物内に予め決定された1つ以上の化学的配置を形成することにより修飾することを含む。その化学的配置は、A−φ−(R)−X−R′を含み、Aは存在しないか、または親薬化合物に対し成されるべき代謝的安定な化学的接続を可能にするつなぎ部分である。φは、親薬化合物内に既に存在するかまたはAを介して親薬化合物に特別に付加される置換アリールまたはヘテロアリール系である。Rは、親薬化合物内に既に存在するかまたはφへの接続を介して親薬化合物に特別に付加される0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンである。Xは、Rへの接続を介して親薬化合物に特別に付加されるカルボキシ、スルホキシルまたはホスファチル官能基である。R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐の追加のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基;他の一般的遊離基、または親薬化合物の元来的部分として既に存在している構造元素である。その化学的配置は、特定の構造設定との関係では使用されず、それは、親薬化合物がアリールオキシプロパノールアミン、つまり2,6−ビス(1−ピロリジルニルメチル)−4−ベンザミドフェノールである場合、或いは古典的な短期間活性薬物であるスクリニルコリンおよびプロカインに関する特定の場合のように、親薬物がそれの構造の元来的部分としてエステル残基を既に有し、それが親薬物に既に短期間持続の活性を発揮させる場合である。
【0018】
一定の態様ではXはカルボキシルである。他の態様では、RおよびR′は1〜2炭素の非分岐アルキルである。また別の態様では、R′は親薬物の元来的部分として既に存在している構造元素である。
【0019】
修飾された薬物は、薬物設計および開発過程の間、新薬候補物の総体的な薬理学的プロファイルを最適化するように使用される。別の方法では、修飾された薬物は、臨床において既に使用されている親薬物の総体的な治療的プロファイルを増強するように使用される。追加された化学的配置のプログラムされた代謝は、その薬物の望ましくない蓄積を回避することおよび1つ以上の有毒な代謝経路を回避することに役立つ。
【0020】
追加された化学的配置についてプログラムされた代謝速度は、その修飾薬物について親薬物と比較して短い持続期間の活性を生じるように調整される。短い持続期間は、静脈内投与される時のその修飾薬物の注入速度の調節によって修飾薬物の活性を厳密な瞬時から瞬時へのコントロール(moment to moment control)下に置くことができる。その静脈内投与は、救命救急患者を治療することおよび新生児を治療することに使用される。
【0021】
その静脈内投与は、非修飾親薬物から患者を離脱させるのにも使用され、それの類似の薬理作用は、その修飾薬物の静脈内点滴の速度を徐々に落とすことによってコントロールされた段階的やり方でより安全に除去される。短期間持続は、修飾薬物の初期送達または活性化が局所的注射またはインプラント材料の使用により或いは修飾薬物の局所的光力学的活性化により特定部位に指向される場合、修飾薬物の作用を局所化させたままにできる。一定の態様ではインプラントは、修飾薬物が抗生物質または治癒を促進する化合物である外科関連材料または縫合材のタイプのものである。
【0022】
本発明の1つの側面によれば、修飾薬物の代謝のプログラムされた速度は、修飾薬物の徐放性注射用調合物またはインプラントからの放出速度と一致させて、予めキャリブレートされた濃度で長期化させた安定状態レベルの修飾薬物が提供される。
【0023】
本発明の別の側面によれば、修飾薬物は、非修飾親薬物が皮膚上あるいは眼または鼻腔路内への配置後に全身性吸収で生じる望ましくない効果を排除または弱めるために局所的処置として使用される。
【0024】
本発明の方法は、追加の化学的配置を足した親薬物が短期間活性の抗コリン作用薬を含むところで特に有用である。一定の態様において短期間活性の抗コリン作用薬は、眼への局所的投与のために設計されたアトロピン誘導体である。別の態様では短期間活性抗コリン作用薬は、外科関連処置の間の静脈経路による使用のために設計された非脱分極性神経筋接合部ブロッキング剤である。
【0025】
また、本発明の方法は、追加の化学的配置を足した親薬物が、超短期間活性のアルファ−アドレナリンレセプターブロッカーまたはアルファ−アドレナリンレセプターアゴニストを含むところで特に有用である。
【0026】
本発明の方法は、追加の化学的配置を足した親薬物がナトリウムチャンネルの短期間作用阻害剤を含むところでも有用である。一定の態様ではその短期間活性阻害剤が、徐放性またはインプラント可能な剤形として投与される。
【0027】
本発明の方法のまた別の用途には、追加の化学的配置を足した親薬物が、超短期間活性ACE阻害剤;超短期間活性ヒスタミンレセプターブロッカー;超短期間活性アデノシンアンタゴニスト;超短期間活性抗炎症剤;超短期間抗不整脈剤;および超短期間活性カルシウムチャンネルブロッカーが含まれるところにおける使用が含まれる。
【0028】
本発明の方法のまたさらに別の用途には、追加の化学的配置を足した親薬物が、スルホンアミド、ペニシリン、アンピシリン、セファロスポリンまたはテトラサイクリンを含む超短期間活性抗生化合物が含まれる。一定の態様ではその超短期間活性抗生化合物は、外科用縫合材または創傷治癒用でインプラント可能なポリマー材料中へのそれらの含浸を介して投与される。
【0029】
本発明の方法のまたさらに別の用途には、追加の化学的配置を足した親薬物が短期間活性形のメトトレキセートを含むところにおける使用が含まれる。一定の態様ではその短期間活性形のメトトレキセートが局所的に投与される。本発明は、その局所的投与が類表皮癌または乾癬を治療するのに使用されるところで特に有用である。
【0030】
1つの側面において本発明は、対象動物を一時的に活動無能力化するように展開されるエステル不含有親薬物を修飾する方法であって、それら修飾化合物が、修飾化合物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物に速やかに代謝されることを確実なものとする方法を提供する。本法は、予め決定された1つ以上の化学的配置の親化合物への組込みを伴う。その化学的配置は、
φ−R−X−R′
(φは、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経て親化合物に特別に付加されているフェニル、置換アリールまたはヘテロアリール系であり;
Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経てφに付加されたものであり;
Xは、代謝的に安定な接続を経てRに特別に付加されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、代謝的に不安定な方法でXに付加されているものであるか、または代謝的に不安定な方法でXに接続されている親化合物の元来的部分として既に存在している構造元素である。)
を含む。
【0031】
一定の態様において、φは親化合物内に既に存在しているフェニル系であり、Rは0〜10炭素を有する分岐または非分岐の付加アルキルまたはアルケンであり、Xはカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、かつR′は1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル基である。そのような方法の1つの例では、親化合物がフェンタニルである。
【0032】
本法の1つの使用法は、一時的に活動無能力化されることが必要とされるコントロールできない哺乳類または人のような所望の対象動物を一時的に活動無能力化するのに適法に使用される化学物質へのメタボフォアの組込みを伴う。本発明の方法により生成されるこれらのタイプの化学物質の使用は、活動無能力化される対象動物に対する毒性が低く、かつその化学物質に偶然曝されることになり得る近くの罪のない者にとって安全である。これらのタイプの適法な使用には、“催涙薬(chemical mace)”のような一般に入手可能な防護用製品および、化学兵器の使用および不使用に関して国際的に認知されている条約に従う国の法的実施および軍隊だけに入手可能であろう攻撃用製品が含まれる。そのような場合において、本願に開示されているメタボフォアを組込むことから得られる有益性には、非常に短期間の効果をプログラムできること、無毒な代謝物の生成をプログラムできること、およびプログラム化または指向化された代謝段階を実施するためにどこにでもあるエステラーゼを使用できることが含まれる。その最も後者の有益性は、罪の無い者が数日またはそれよりも長く人質に取られている場合にあり得るように、一般に薬物への曝露から回復する彼らの能力が通常より低い時に特に重要である。他の薬物処理代謝経路と異なり、ヒトのエステラーゼ状態は、病気、睡眠不足、栄養不足、および他のネガティブな環境的要因に起因する減退を受けにくいからである。例えば、ちょうど最近、ロシアでエアロゾール化フェンタニルを大多数の人質状況下に適法に散布することが劇場内で起こったが、750人のうち115人の罪のない人質が不慮に殺された(Chemical and Engineering News, page 6, November 4, 2002)。フェンタニルは、即効性で短期間活性麻酔薬であり、それ以外にも短期間持続性鎮痛剤として使用されるが、それは超短期間ではなく、その活性を止めるのにエステラーゼに依拠するものでもない。彼らの数多くの罪のない死は、多くの人質がもはや一般に薬物を代謝する正常な能力、この場合にはフェンタニルを一掃する能力を持たなかったために生じたのであろうと現在推定されている。したがって、これに似た状況では、人質は逮捕者もより化学物質の毒性により影響されやすくなるであろう。別の手段として、本願に開示されているメタボフォアをフェンタニル親薬物分子に組込んで、遍在するまだ強壮なエステラーゼにより代謝されることがプログラムされまたは指向されて生じる修飾薬物を使用すれば、おそらくは、無垢な人質が殺されたとしても僅か数人だったであろう。化学兵器の使用への国際条約のARTICLE II.7は、その国際条約中に禁止物として列挙されておらず、曝露停止後に素早く消失する急速活動無能力化効果を生じる化学物質として“暴動制圧剤(riot-control agent)”を規定している。本願に開示されるメタボフォア技術は、それで始まる短期間活性がない多種多様な親分子においてこのタイプの急速的開始と素早い消失プロファイルを生じさせるために、または既に短期間持続の活性を有するが、それらの活性を終わらせるための基盤としてエステラーゼに依拠しない様々な親分子においてこのタイプのプロファイルへ更に改善するのに理想的に適している。
【0033】
ここで図1中の構造2および3を参照すると、示されたメタボフォリック官能基は、超短期間活性ベータ−アドレナリンレセプターブロッキング剤ソフト薬物を生じるようにプロパノール様構造内に既に組み込まれているものである:(Method for Treatment or Prophylaxis of tetra-substituted Cardiac Disorders (Aryl Esters), P.W. Erhardt, R.J. Borgman and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,387,103 (1983); Method for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (Aryl Esters), P.W. Erhardt, R.J. Borgman and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,593,119 (1986); Method for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (Internal Esters), S.T. Kam, P.W. Erhardt, R.J. Borgman and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,405,642 (1983); Compounds and Method for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (N-External Esters), P.S. Erhardt and R.J. Borgman, U.S. Patent, 4,450,173 (1984); Compounds for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (Internal Esters), R.J. Borgman, P.W. Erhardt, S.T. Kam and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,604,481 (1986); Esters of Thiadiazole Oxypropanolamine Derivatives and Pharmaceutical Uses, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S. Patent, 4,623,652 (1986); Esters of 3-(3-Substituted-Amino-2-Hydroxpropoxy)-4-Substituted-1,2,5-Thiadiazole Derivatives, W.L. Matier, P.W. Erhardt and G. Patil, U.S. Patent, 4,508,725 (1985); Ethylenediamine Derivatives of Aryloxypropanolamine Aryl Esters Having Various Medicinal Properties, P.W. Erhardt and C.M. Woo, U.S. Patent, 4,556,668 (1985); Esters or Aryloxpropanolamine Derivatives and Medicinal Uses, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S Patent, 4,692,446 (1987); Esters of Aryloxypropanolamine Derivatives, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S. Patent, 4,804,677 (1989); Esters of Aryloxypropanolamine Derivatives, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S. Patent, 4,906,661 (1990); Ultra-Short Acting, b-Blockers: A Proposal For The Treatment of The Critically III Patient, J. Zaroslinski, R.J. Borgman, J.P. O'Donnell, W.G. Anderson, P.W. Erhardt, S.T. Kam, R.D. Reynolds, R.J. Lee and R.J. Gorczynski, Life Sciences, 31, 899 (1982); Benzylamine and Dibenzylamine Revisited. Syntheses of N-Substituted Aryloxypropanolamines Exemplifying a General Route to Secondary Aliphatic Amines, P.W. Erhardt, Synth. Comm., 13, 103 (1983); Ultra Short-Acting b-Adrenergic Receptor Blocking Agents. 1. (Aryloxy)propanolamines Containing Esters in the Nitrogen Substituent, P.W. Erhardt, C.M. Woo, R.J. Gorczynski and W.G. Anderson, J. Med. Chem., 25, 1402 (1982); Ultra-Short-Acting b-Adrenergic Receptor Blocking Agents. 2. (Aryloxy)propanolamines Containing Esters on the Aryl Function, P.W. Erhardt, C.M. Woo, W.G. Anderson and R.J. Gorczynski, J. Med. Chem., 25, 1408 (1982); and Ultra-Short-Action b-Adrenergic Receptor Blocking Agents. 3. Ethylenediamine Derivatives of (Aryloxy)propanolamines Having Esters on the Aryl Function, P.W. Erhardt, C.M. Woo, W.L. Matier, R.J. Gorczynski and W.G. Anderson, J. Med. Chem., 26, 1109 (1983). )。構造2(エスモロールまたはBrevibloc(登録商標))の開発およびマーケティングの成功は、クリティカルケア領域においてベータ−ブロッカーを使用する状況の中で、本発明についての有用性の例示的な臨床的証拠を提供する:(P.W. Erhardt, in Chronicles of Drug Discovery, D. Lednicer, Ed. ACS Books, Washington, D.C., U.S.A. 1993; A Prodrug and a Soft Drug. P.W. Erhardt, in Drug Metabolism: Databases and High-Throughout Testing During Drug Design and Development, P.W. Erhardt, Ed. IUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K. 1999. )。
【0034】
図2を参照すると、示されたメタボフォリック官能基は、新規な化合物;構造4中にも既に組み込まれており、この化合物は、長期間活性抗不整脈薬としてのそれに潜在する用途について前臨床および早期臨床開発を受けていたものである。短期間活性の潜在するソフト薬物形;構造5は、類縁化合物の非常に限られたファミリー内でコンプリメンタリー式に得られた:(Ester Derivatives of 2,6-Bis(1-pyrrolidinylmethyl)-4-benzamidophenol as Short-Acting Antiarrhythmic Agents. 1. D.M. Stout, L.A. Black, C. Barcelon-Yang, W.L. Matier, B.S. Brown, C.Y. Quon and H.F. Stampfli, J. Med. Chem., 32, 1910 (1989); and Mono- and Bis(aminomethyl)phenylacetic Acid Esters as Short-Acting Antiarrhythmic Agents. 2. R.J. Chorvat, L.A. Black, V.V. Ranade, C. Barcelon-Yang, D.M. Stout, B.S. Brown, H.F. Stempfli and C.Y. Quon, J. Med. Chem., 36, 2494 (1993).)。これらのリサーチ化合物はその市場にまで遂行されなかったが、親化合物;構造4の特定状況のなかでの短期間活性物質のファミリーの手早い取得は、新薬開発の前臨床および早期臨床開発段階の間に並行するやり方で本願に詳細に記載されているようなメタボフォリック技術を展開することの有用性および容易さの実例を提供する。
【0035】
図3を参照すると、構造6および7により特定される構造的配置は、他の薬物分子内に配置した場合に同様の適用性を有する。構造6および7により描かれた構造系または化学的配置は、親分子内に明確な代謝的不安定性をプログラムすることから、それらは本願において“メタボフォア”としても、“ファーマコフォア”という用語への類比により言及される。後者の用語は、薬物の有効性のある薬理活性にとって必須である薬物内の構造部分を特定するのに使用される。類似的に、“メタボフォア”という用語は、最近、エステル残基の酵素的加水分解反応に関するような所定の代謝プロセスに直接関係する特定の分子的特徴を示すために学術論文に使用されている:(Drug Metabolism Data: Past And Present Status, P.W. Erhardt, Med. Chem. Res., 8, 400 (1998); Drug Metabolism Data: Past, Present and Future Considerations, P.W. Erhardt, Metabolism Databases and High Through-put Testing During Drug Design and Development, P. Erhardt, Ed. IUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K., 1999; Statistics-Based Probabilities of Metabolic Possibilities, P.W. Erhardt, Metabolism Databases and High Through-put Testing During Drug Design and Development, P. Erhardt, Ed. IUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K., 1999; and Use of Metabolism Databases During The Design of Prodrugs and Codrugs, P.W. Erhardt, Metabolism Databases and High Through-put Testing During Drug Design and Development, P. Erhardt, Ed. lUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K., 1999.)。
【0036】
かくして、本発明の方法は、親薬化合物内に1回以上組み込まれる明確なメタボフォリック化学的配置の一般的使用を提供する。具体的には、アルアルキルエステル残基の規定されたファミリー内の様々な形態のものが、最初は親薬物により発揮される元来望ましい薬理活性への影響が最小限となるように、親薬化合物内に1回以上組み込まれる明確なメタボフォリック配置を構成する。ただし、それらメタボフォアユニットは、エステラーゼ、スルファターゼ、ホスファターゼ、CYPおよびそれらに類したものの1つ以上によりフェーズ1代謝的加水分解を受ける。図3において、ABCDフラグメントおよびその代謝的加水分解から生じるEフラグメントの両者とも、不活性であるかまたは有意に活性が小さくて無毒であり、その後所定の適応症に適切な速度で代謝および/または排泄経路に入る。さらに、メタボフォアの特定の分子的な側面と関連して立体構造的および電子的に動かされる化学定数の操作は、代謝的加水分解反応の速度の正確なキャリブレーションおよび微調整を可能にする。
【0037】
メタボフォアについての正確な数および好ましい化学的態様は薬物および適応症の個々の場合における最適化を通じて最終的に指示されるが、概して、本法の最も化学的に効率的であり薬学的に適合性である展開を提供する幾つかの配置が存在する。外部エステル;構造6の場合において、その好ましい態様は、しばしば2つ未満のメタボフォアの組込みを反映する。加えて、その好ましい態様ではAが存在せず、BおよびCが親ファーマコフォア内に既に存在する構造元素から少なくとも部分的に誘導可能であり、Dがカルボキシルエステルであり、Eがアルキル基である。最も好ましい一般的態様では、たった1つのメタボフォアが使用され、CはBから離れている1つ以上の非置換炭素にまで特定され、Eはさらに単一のメチルまたはエチル基にまで特定される。内部エステル;構造7の場合において、一般的に好ましい態様は、1つだけのメタボフォアの展開を伴い、そこではAは存在せず、BおよびCは親ファーマコフォア内に既に存在する特徴から少なくとも部分的に誘導可能であり、あるいはCは完全に欠落しており(n=0であるアルキル−(CH2)n−の場合)、Dはカルボキシルエステルであり、EはそれのDへの接続が少なくとも1つの非立体障害的メチレンユニットにより表される限り、元来あるファーマコフォアの一体部分である。また、1つの内部エステルメタボフォアに1つ以上の外部エステルメタボフォアを足して同時に展開する配置は、極めて超短期間持続の活性が特定の適応症に求められる場合に特に有用な態様である。
【0038】
図4および6を参照すると、ターゲット構造8および11はそれぞれ2つの完全に異なるタイプの親分子に適用される本法の外部および内部メタボフォアについての好ましい態様を示す。薬物設計および開発を促進するため、これらのターゲット構造は化学的合成および薬理的評価について最も高い優先度が与えられる。その後のファミリーメンバーは、構造6および7の細部に従い、そのメタボフォリック挿入の性質を更に進展させ微調整し、それにより所定の臨床適応症に最も適応するために要求されるベースとして構築される。これらの図から、本発明は、実験的に誘導された薬理試験結果を伴って実際に選択された現実の化学構造の序列(hierarchy)を展開することにより薬物発見および開発の過程を経て新しいリード化合物を進展させるので、どのようにDME特性を能率的に取扱うかについて用意された青写真を提供するものであることが分かる。この関連において、本願に開示されている方法は、仮想的化合物ライブラリーにわたる様々な探索的パラダイムに付随する理論上またはコンピュータ上の手法を使用する現在のトレンドとは明白に区別されるものであり、現在のトレンドでは、化合物を選択してから合成して実験的薬理検査にかけ、すべてが反復式に行われて、新薬開発の進行中の所定の事例において現実の構造を経てそこで同様に展開されるかも知れない適用可能なメタボフォリックリード配置に向かって最終的に進むようにする:例えば(e.g. Quantitative Structure-Metabolism Relationship: Steric and Nonsteric Effects in the Enzymatic Hydrolysis of Noncongener Carboxylic Esters, P. Buchwald and N. Bodor, J. Med. Chem., 42, 5160 (1999).)。
【0039】
本発明の技術は、特定のターゲット構造を示す図7〜25において、およびメタボフォアが具体的には如何にして現実の化合物の骨格内の多種多様な構造タイプへ組込み可能であるかの範囲をも提示しながら本発明の広く一般的な適用性を例証することが意図された下記の実施例において、さらに具体的に示される。これら代表的な実施例は、必ずしも本発明の最も好ましい態様を示すことが意図されておらず、それら実施例は本法全体の一般的範囲の意味における限定であることを意味するものでもない。
【実施例】
【0040】
実施例1
図7(構造12)は、付加された外部エステルメタボフォアを有するアトロピンの類縁体を表す。それは、眼への点滴としての送達のためにデザインされており、そこで僅か約30分の眼検査の間に有用であるそれの特徴的な抗ムスカリン特性を示すこととなる。アトロピンの数時間の持続期間は、定期的眼検診を行うために典型的に必要とされるタイプのものを大きく上回り、患者の視野がより早く正常化するように化学解毒剤を投与することがしばしば必要とされる。加えて、同じ代謝プログラミングに起因し、そのソフト薬物類縁体は、この局在的な局所部分から吸収されるそのソフト薬物が素早く脱活性化されるので、アトロピンよりも優れた全身性副作用プロファイルを有する。
【0041】
実施例2
図8および9(構造13および14)は、それぞれデカメトニウムおよびパンクロニウムのメタボフォア含有で嵩高い類縁体を表す。2つの外部エステルは、各々の場合に、これらエステルの嵩高な芳香環に近接した配置がそれらの個々の代謝的加水分解速度を遅くする分子全体の代謝的バイオトランスフォーメーションを更に増強させるために展開されている。非脱分極式に神経筋接合部で嵩高い官能基の存在によって生じるその親化合物の元来の抗ニコチン様活性は、付加されたメタボフォアに起因して短い半減期を有する。これら化合物は、滴定可能(titrable)で、短期間活性で非脱分極性の神経筋接合部ブロッキング剤についての長期間の要求性が存在する外科手術の間の使用に理想的に適している:(Approaches to Short-Acting Neuromuscular Blocking Agents: Nonsymmetrical Bistetrahydroisoquinolinium Mono- and Diesters, N.C. Dhar, R.B. Maehr, L.A. Masterson, J.M. Midgley, J.B. Stenlake and W.B. Wastila, J. Med. Chem., 39, 556 (1996).)。
【0042】
実施例3
図10および11(構造15および16)は、それぞれプラゾシンおよびインドラミン(indoramin)のメタボフォア含有類縁体を表す。図10のものは、単一のスルホネートエステル付加物を有するが、図11のものは、内部カルボキシレートメタボフォアおよび外部ホスホネートエステル付加物の両者を有する。双方の場合に、その元来のα−レセプターアンタゴニスト特性は、双方の化合物とも高血圧性発症、ショックまたはレイノー病を治療するために静脈経路を介してクリティカルケアセッティングにおいてよく使用されるような超短期間持続として展開される。
【0043】
実施例4
救命救急室医療プラクティスは、クロニジン;図4の構造9の滴定可能で素早く平衡化する短期間活性形を要求する。この薬物は、α−アドレナリンレセプターリガンドでもある。このファミリーに関する中枢作用α−アドレナリンアゴニストの構造と活性の関係の考察は、2つのオルト−クロロ置換体が中枢αレセプターで要求される捻れコンフォメーションを確立するために重要であるが、そのパラ位置は構造的修飾を受けやすいことを示唆した:(Principles of Medicinal Chemistry, W.O. Foye, T.L. Lemke, D.A. Williams; Eds., Williams & Wilkins Publ., Baltimore, MD, p. 356 (1995).)。図3中に与えられた構造的青写真による単一外部エステルメタボフォアの組込みは、図4の構造8を提供する。構造8はその親構造よりも親油性形であるから、それはIV経路により投与された時、CNS中により素早く平衡化する。その後、修飾されたソフト薬物形は、追加エステル連結の代謝的不安定性に起因して非常に短い薬理的半減期を有し、その生じた代謝物がa−アドレナリンレセプター、例えば、ある領域内のそうでなくとも親油性アリール残基として存在する完全なカルボキシレートアニオンにディスプレイする外観(foreign look)と関連している。加えて、その滴定可能で短期間活性の類縁体は、これらのタイプの親化合物のコントロールされた離脱に影響を与える方向で有用であり、かくして“リバウンド”高血圧症を防ぐことに有用である。クロニジン構造9、ターゲット分子構造8およびプロトタイプのエスモール構造2の間の構造的類似性は、隣合せで図4にすべてが示される。
【0044】
実施例5
図12および13(構造17および18)は、それぞれフェニトインおよびカルバマゼピンのメタボフォア含有類縁体を表す。双方の化合物とも、それら化合物の急速な加水分解性に基づく代謝的クリアランスを促すのに役立つ2つの外部エステルメタボフォアを有する。プログラムされかつコントロールされた排除のため、両方の類縁体ともその親薬物の代謝に見られる現存の高度な変化を打ち消すことができ、例えば、フェニトインはそれの代謝系を飽和してそれの代謝が時間と共に減速する傾向にあり、一方でカルバマゼピンはそれの代謝酵素を誘導してそれの代謝が継続的利用と共に速くなる傾向にある。それら親化合物の双方とも、ナトリウムチャンネルを抑制し、発作の治療における使用が見出される。本法の青写真によりデザインし直された通り、これらの所望される特性はソフト薬物類縁体内に保持されている。各類縁体内におけるエステルの直近の立体的周辺部の更なる化学的調整は、徐放性またはインプラント可能な剤形から放出される薬物の速度と組合せとなる特定の持続期間の活性および排除をプログラムし、その修飾された薬物のかなり一様な濃度を長時間達成するようにすることができる。
【0045】
実施例6
図14(構造19)は、エナラプリラート(enalaprilat)のメタボフォア含有類縁体を表す。それの外部アルアルキルエステル付加物は、加水分解代謝のための速やかな処理を提供して、その分子を一般的ACE阻害剤の短期間活性形にし、生じた酸性残基は当該特定の位置で発生した場合には十分に許容されるものではない。最終的に、効果的なソフト薬物形は、静脈経路により好都合に展開されるのでその活性の点滴速度コントロール性を有し、クリティカルケアセッティング内でより有利に使用される。
【0046】
実施例7
図15および16(構造20および21)は、それぞれジフェンヒドラミンおよびファモチジンのメタボフォア含有類縁体を表す。図15において内部エステルが展開されており、図16において外部エステルが展開されている。それらメタボフォリック配置のため、これら類縁体は、それら各々のH1−レセプターブロッカーおよびH2−レセプターブロッカー親化合物の短期間活性形である。それらアルアルキルエステルソフト薬物は、静脈注射により与えられた時、素早く滴定可能でコントロール可能な超短期間活性剤としてクリティカルケアセッティングにおける使用に向けて有益である。
【0047】
実施例8
図17(構造22)は、アデノシンアンタゴニストが有用であるクリティカルケアセッティングにおける使用のためのテオフィリンの滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表し、例えば、危篤新生児および幼児群における気道耐性を改善する。
【0048】
実施例9
図18(構造23)は、静脈抗炎症剤が有用である でクリティカルケアセッティングにおける使用のためのインドメタシンの滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表す。
【0049】
実施例10
図19(構造24)は、リドカイン、つまりクラスIB抗不整脈剤の滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表す。そのアルアルキルソフト薬剤は、クリティカルケアセッティングにおいて静脈経路により使用された時、親薬物と比較してより一貫した用量−応答関係を可能にする。
【0050】
実施例11
図20および21(構造25および26)は、それぞれカルシウムチャンネルブロッカー、ニフェジピンおよびベラパミルの滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表す。図20のものは単一の外部エステルメタボフォアを有し、図21のものは内部エステル並びに1対の外部エステルメタボフォアを有する。両者の類縁体とも、新生児群が含まれるクリティカルケアセッティングにおける使用に理想的に適している。
【0051】
実施例12
図22、23、24および25(構造27、28、29および30)は、それぞれスルファメトキサゾール、アンピシリン、セファレキシンおよびテトラサイクリンのメタボフォア含有類縁体を表す。これら抗生物質はすべて、超短期間持続の活性を示すようにデザインされており、それは、静脈注射を介するクリティカルケアセッティングにおいて有用であるだけでなく、これらのタイプのいずれか1つ以上の抗生ソフト薬物を含浸させた縫合材または他の創傷治癒用インプラント材として使用されるポリマー材料の隣接範囲内でそれらの効果の局在化に向けても有用である。それら投与方法のすべての容易な実施に向けて、それらすべての類縁体は、それらの酸形成塩として、例えばそれらアミンの塩酸塩として調製された時に優れた水溶性および安定性を示すようにもデザインされる。
【0052】
実施例13
類表皮癌および重い乾癬の両方を治療するためのメタボフォア(図6中の構造10)の使用は、局所的治療後の経皮吸収で全身毒性を除去するように本発明のメタボフォア法を展開することにおいて理想的な状況である:(The Physicians Desk Reference (PDR) 50th ed., Publ: Med. Econ. Co., Montvale, NJ, p. 1276 (1996).)。十分に確立された構造−活性関係は、メタボフォアのそれの生物レセプター(これは酵素ジヒドロホレートレダクターゼ(DHFR)である)との相互作用のために要求される3つの構造部分が存在することを明らかにする。したがって、いずれか2つまたはこれらの元素の間の不安定なエステルメタボフォアの配置(例えば、内部エステル)は、そのメタボフォアの加水分解で不活性な代謝物を生じる。この状態は、構造10がそれのDHFRとの相互作用において描かれた図5に示される:(D.A. Matthews, et al., Science, 297, 452 (1997).)。2つのグルタメートカルボキシル基のその分子の残部に対する重要性は、グルタメート−p−アミノ安息香酸アミド結合を直ぐ近くに囲むどちらかといえば非要求性領域であるので、明白である。かくして、このアミド結合のエステル結合での置換は、活性のために許容され、それでも加水分解された時に親分子を不活性化する好ましい内部エステルタイプメタボフォアユニットの配置を可能にする。メトトレキセート;構造10と、それの内部エステルメタボフォア形;構造11との間の並列的比較は図6に示される。
【0053】
実施例14
図26は、フェンタニルの短期間活性形である構造IIVを示し、そのメタボフォアは、犯罪的行動をとる人々を一時的に活動無能力化するための修飾薬物の展開後、ヒトエステラーゼのようなエステラーゼによる素早い代謝をプログラムするようにフェンタニル中に組み込まれている。
【0054】
構造IIIIにおいて、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素を有するアルキルまたはアルケンであり、Xは、Rに代謝的に安定なやり方で接続されたカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、R′は、Xに代謝手金胃不安定なやり方を介して接続された分岐または非分岐の1〜10炭素を有するアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であり、そして、窒素で置換されていないフェニル環の中心へおよびアニリンタイプのフェニル環の中心へ引かれた線は、そうして記載されたR-X-R′系が水素原子の置換によってその非置換位置のいずれに付加してもよいことを示す。
【0055】
構造IVは、Rがエチル接続鎖、Xがカルボキシル官能基、R′がメチル基である特定の態様を示し、そのメタボフォア系は、アニリンタイプのフェニル環系のパラ位置への付加によって完成する。
【0056】
実施例15
一定の態様において組成物は、1つ以上の予め決定された化学的配置を、非窒素置換された元来のフェニル環系に組込むことにより修飾されたフェンタニルを含む。そのような態様において、その化学的配置は、
R−X−R′
(その式中、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に直接接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、ヒトのような対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている。)
を含む。
【0057】
実施例16
一定の態様において組成物には、予め決定されている1つの化学的配置が付加され、そこでRがエチル鎖であり、Xがカルボキシル官能基であり、かつR′がメチル基である場合の上記実施例15の組成物が含まれる。
【0058】
実施例17
他の態様において組成物は、予め決定されている1つ以上の化学的配置をアニリンタイプの元来のフェニル環系に接続することにより修飾されたフェンタニルを含む。そのような態様において、その化学的配置は、
R−X−R′
(その式中、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、ヒトのような対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている。)
を含む。
【0059】
実施例18
一定の態様において組成物は、予め決定されている1つの化学的配置を非窒素置換された元来のフェニル環系に接続することによって、および予め決定されている1つの化学的配置をアニリンタイプの元来のフェニル環系に接続することによって、修飾されたフェンタニルを含む。そのような化学的配置は、
R−X−R′
(その式中、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、その元来のフェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に直接接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、ヒトのような対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている。)
を含む。
【0060】
実施例19
上記の実施例18に示された組成物の別の例は、Rが両方の事例においてエチル基であり、Xが両方の事例においてカルボキシル官能基であり、かつR′が両方の事例においてメチル基である場合をもたらす組成物である。
【0061】
実施例20
また別の態様において組成物は、フェンタニルに存在するアニリンタイプの元来のフェニル環系のパラ位置に接続されている予め決定されている少なくとも1つの化学的配置を含み、そこでRはエチル接続鎖であり、Xはカルボキシル官能基であり、かつR′はメチル基である。
【0062】
当業者は、対象物を実施して、言及された結果および利点並びにそこに本来的に存在するものを取得するように本発明を上手く適合させることを速やかに認識するであろう。本願に記載されている方法、手順、処置、分子および特定の化合物を伴う本願実施例は、目下好ましい態様の代表的なものであり、それらは例示であって、本発明の範囲への限定としては意図されていない。そこにおける変更および他の使用は当業者が思い付くことであり、それらは特許請求の範囲により規定された通りの当該発明の精神の範囲内に包含される。本願明細書において言及された特許および刊行物はいずれも、本発明が属する技術分野における当業者の水準を示唆する。これら特許および刊行物は、各々別個の刊行物が参照により組み込まれることが特定的かつ個別的に指示されるかのようにして同じ程度まで、参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0063】
本発明の目下好ましい態様が記載されており、添付された特許請求の範囲の範囲内である他の態様も存在することが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、プロプラノロール(propranolol)である構造1を示し、つまり臨床上使用されており長期間持続の活性(即ち、数時間の半減期)を有するプロトタイプのアリールオキシプロパノールアミンベータ−アドレナリンレセプターブロッキング剤である。構造2はエスモロール(esmolol)であり、臨床上使用されているベータブロッカーでもあるが、付加された“外部”エステル(分子全体のサザン領域から伸びるカルボキシル残基に留意されたい)の結果として超短期間持続の活性(即ち、10分の半減期)を有するように設計されている。構造3は別の超短期間活性ベータブロッカーであり、親のアリールオキシプロパノールアミンファーマコフォア内または“内部”にエステル(分子全体内の中心位置のカルボキシル残基に留意されたい)を有する。
【図2】図2は、2,6−ビス(1−ピロリジニルメチル)−4−ベンザミドフェノールである構造4、つまり抗不整脈薬物候補である。構造5は、4の一連の外部エステル含有誘導体を代表するものであり、様々に短期間化された活性持続を有する親の潜在的ソフト薬物形のコンプリメンタリーファミリーを提供する。
【図3】図3は、臨床上使用されている薬物分子内の配置についておよび/または臨床内の使用のための開発を受ける新薬候補化合物内の細部について“メタボフォリック”青写真を示す化学元素の概略図を示す。構造6において:Aは、Bが親薬物分子の元来的部分でない場合の付加または連結官能基であり;Bは、アリールまたはヘテロアリール系であり;Cは、アリールまたはアルケン鎖であり;Dは、カルボキシル(-CO2-)、スルホキシル(-SO3-)またはホスファチル官能基(-PO3-)であり;そしてEは、アルキル、アルアルキルまたは追加的に誘導された遊離基である。一定の態様において、Aは、BまたはBおよびCの両者が親構造の元来的部分として既に存在しているという理由から省略し得る。例えば、Aが存在しない場合、Bは置換フェニル、Cはエチル、Dはカルボキシル、Eはメチルであり、そのとき構造6は、構造2のサザン部分を規定し、それに加えて、それの構造1(これはプロトタイプのβ−ブロッカーファーマコフォアである)内のナフタレン系の右半分におけるフェニル環との関連性を規定する。構造7において:Eは、親薬化合物の必要なファーマコフォリック構成部分であり得る(あるいはそれに付加されてもよい)。この態様ではそのようにしてエステルメタボフォアDは、親構造のファーマコフォア内の両側から包囲され(例えば、図1の構造3にあるように)、それの付加物としての居留部(図1の構造2にあるように)とは対照的である。かくして、Aが存在しない場合、Bはオルト−フルオロフェニルであり、Cは存在せず(n=0であるアルキルの場合-CH2)n-)、Dはカルボキシルであり、Eは親ファーマコフォアの部分に付加されたメチレンであり、その際、構造7は図1の構造3内の肝要なメタボフォリック配置を規定する。
【図4】図4は、エスモロール構造2、新規ターゲット分子構造8、およびクロニジンである構造9、つまりそれの有益な臨床効果が中枢に媒介されるプロトタイプのα−アドレナリンレセプターアゴニストの間の構造的類似性を示す。構造2内の部分的に付加された(外部)メタボフォアおよび構造9内の必要とされるファーマコフォアの重要部分の肝要な元素に関する相互補完的重複は、構造8のフェニル環内の共通の場所に見ることができる。
【図5】図5は、結合メトトレキセート(methotrexate)分子を含有するE-Coliジヒドロホレートレダクターゼの主鎖折り畳みを図示し、その薬物中のすべての原子および酵素のすべてのα炭素原子のコンピュータ処理プロットから導かれたものである。中心ひだ状シートのストランドは幅広い矢印として示される。
【図6】図6は、メトトレキセート(構造10)および代謝的に不安定な内部エステルターゲット形態(構造11)の構造を示し、そこでは単一エステル結合が親構造のアミド結合として展開されている。
【図7−25】図7−25は、臨床的に使用されている確立された医薬物質の幅広い列挙について親分子骨格内に位置するメタボフォアの例を示す。
【図26】図26は、短期活性形のフェンタニルである構造I〜IVを示し、そこにおいて、開示されているメタボフォアは、犯罪的行動をとる人を一時的に活動無能力化するための修飾薬物の展開後、ヒトエステラーゼのようなエステラーゼによる素早い代謝をプログラムするようにフェンタニル中に組み込まれている。
【0065】
構造I〜IIIにおいて、Rは0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンであり、Xは代謝的に安定な方法でRに接続しているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、R′は代謝的に不安定な方法でXに接続している1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキルであり、そして、窒素で置換されていないフェニル環の中心へおよびアニリンタイプのフェニル環の中心へ引かれた線は、そうして記載されたR-X-R′系が水素原子の置換によってその非置換位置のいずれに付加してもよいことを示す。
【0066】
構造IVは、Rがエチル接続鎖、Xがカルボキシル官能基、R′がメチル基である特定の態様を示し、そのメタボフォア系は、アニリンタイプのフェニル環系のパラ位置への付加によって完成する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2000年5月12日に提出され係属中の米国特許出願第09/570,485号の一部継続出願であり、それは参照により本願明細書中に明白に組み込まれる。
医薬物質または薬物は、それらがファーマコフォアと呼ばれる明確な分子配置を含有するために所望の治療的特性を発揮する。しかしながら、しばしばファーマコフォアまたはそのような化合物内の他の化学構成部分の存在は、特定の臨床適応症のための所定の薬物の最終展開に関して理想的とはいえない総合的プロファイルを与える。幾つかのケースでこの状況は、薬物の分布、代謝または除去(DME)と関連する化学的特徴を変化させることにより改善し得る。このプロセスは成功すれば、現在製薬界において元来存在するまたは親薬化合物の“ソフト薬物(soft drug)”形と呼ばれるものをもたらす:(Soft Drugs. XX. Design, Synthesis and Evaluation of Ultra-Short Acting beta-Blockers, H.-S. Yang, W.-M, Wu and N. Bodor, Pharm. Res., 12, 329 (1995); and Synthesis and Enzymatic Hydrolysis of Esters, Constituting Simple Models of Soft Drugs, M. Graffner-Nordberg, K. Sjodin, A. Tunek and A. Hallberg, Chem. Pharm. Bull., 46, 591 (1998).)。
【0002】
しかしながら、リード化合物の臨床用途が問題を生じるであろうことを示唆する無視できない前臨床試験データがない限り、DME関連特徴は、新薬発見および開発の早期プロセスの間に化学的手法で厳密に評価されないのが通常である。この状況が生じる一部の理由は、新薬の有益面に対し望ましくないDME特徴の時折り難解なパラメーターを正確に定義するのにかなりの臨床経験がしばしば要求され、一方でその有益面は特定の病態生理セッティングにおけるそれの実際の臨床用途の閉じられた視野内にあるからである。どのようなDMEおよび毒性関連特性を扱う必要があるか未知であるという問題は、特定のDMEまたは毒性問題が起きてきた場合でさえ、全般的にどのように進めるかについての事前の化学的青写真を持たないことによって更に混迷化する。
【0003】
本願に開示されている発明は、特定の化学的青写真を展開することによりDMEおよび毒性関連特性を変化させるために用意された方法を提供する。そのアプローチは、潜在的な新薬候補可能性物質のファミリー全体についてのDMEパラメーターを、そのファミリーの構造的微調整および前臨床研究のかなり早期段階の間に最初に評価するのに有用である。本発明の方法は、この様式で適用される場合、薬物発見および開発のプロセス全体の効率を向上および改善する。
【0004】
薬物発見および開発プロセスの効率を向上できる技術は、最近において世界的製薬企業の非常に高い関心事となっている:(Lead Generation and Optimization, Annual Meeting Strategic Research Institute, San Diego, June 23, 1997; Emerging Technologies for Drug Discovery, International Biotechnology Event National Management Health Care Congress, Boston, May 19, 1997; and Pharmaceutical Education, Interim Meeting, American Association Colleges Pharmacy, Washington, D.C., March 2, 1997.)。
【0005】
また本発明は、同等に有意義であるがより簡明かつ個別的に向けられた用途においては、親薬分子へのそのようなDME変化が関連するかも知れない特定の治療的/副作用詳細および有益性が所定の適応症について既に認識されている臨床上確立された医薬物質を修飾するのにも有用である。さらに、薬理遺伝学の発展的分野において薬物治療プロトコルを個別化する現在の動向では、所定の個体における所定の適応症のための所定の薬物の総体的薬理プロファイルを微調整および仕立てることに向けて一般的に適用でき、好都合に展開可能な技術を持つことについて非常に高い関心と重要性が強調される:(Recommendations of the NIGMS Working Group-Understanding Individual Variations in Drug Responses: From Phenotype to Genotype, R.M. Long and R.M. Weinshilboum, NIH Report<http://www.hih.gov/nigms/news/reports/pharmacogenetics.html>, 5 pages (June 9-10, 1998).)。
【発明の要旨】
【0006】
本発明は一側面において、親薬化合物内の1つ以上のアルアルキルエステル残基または“メタボフォア(metabophore)”を展開する方法に関する。アルアルキルエステル残基は、親薬化合物の構造性分子骨格内に共通構造化されてもよいし、親薬化合物上へ別個の付加物として加えられてもよい。これらの構築は、その薬物代謝のための特定の経路をプログラムしながらもその親薬物の治療特性を保持するようなやり方で行われる。薬物の代謝のための特定の経路は、その修飾された薬物が経口、吸入、注射、インプラント可能なまたは局所的経路のいずれかによりヒトへ投与された時、不活性または活性が非常に小さい無毒代謝物を導く。
【0007】
さらには、親薬物の構造内におけるアルアルキルエステル残基およびそれらの様々な配置の特定の分子細部は、その代謝速度を正確にコントロールするために微調整できる。そして代謝速度は、得られるソフト薬物の分布、その活性の持続期間、その排出および/または毒性をコントロールするために使用できる。
【0008】
メタボフォアは、プログラムされたエステル開裂が薬物元来のファーマコフォア(pharmacophore)の断片化を引き起こすか、或いはまだ無傷の親薬物内のファーマコフォアによりおよそ許容できる酸性基の生成を導くならば常にあらゆる薬物タイプに有用である。
【0009】
またメタボフォアは、薬物設計および開発のプロセスの間に新薬候補物の総体的薬理プロファイルをより最適化するための密接に関連する化合物のファミリーを生み出すのにも有用である。
【0010】
またメタボフォアは、既に使用されている多種多様な薬物についての総体的治療プロファイルの増強にも有用である。
1つの側面においてメタボフォアは、親薬物により示される望ましくない蓄積および/または毒性経路を回避するために無害な代謝/排出の特定の経路をプログラムするのに有用である。
【0011】
他の側面においてメタボフォアは、親薬物の活性の持続期間を所望の短い時間間隔に調整するために特定の代謝についての速度をプログラムするのに使用される。別の方法では、アルアルキルエステル残基がインプラントまたは薬物デポー送達システムと共に使用される場合、プログラムされた代謝の速度は、そのソフト薬物の送達のための速度と一致させ、長期安定状態レベルの予めキャリブレートされた濃度のソフト薬物を正確に提供するようにできる。
【0012】
他の側面において、メタボフォアは、親薬物内に超短時間持続期間をプログラムするのに使用され、得られるソフト薬物の活性を、それの静脈内投与注入速度を介して正確な瞬時から瞬時へのコントロール下で、クリティカルケアおよび外科的セッティングに特に有用であることが既に実証されている総体的薬物特性とすることを可能にする。かなり若齢のヒトについて以前から指向されている少量の薬物および薬物関連技術が与えられて、本発明は、妊婦、臨月新生児の特定の治療のためにまたは周産期および新生児集団全般のために好都合かつ安全に展開されるアルアルキルエステルソフト薬物の開発に特に有用である。
【0013】
また別の側面では、メタボフォアは、所望の部位内での薬物の初期送達または活性化を選択的やり方(例えば、局所的注射、インプラント、外科用縫合材、または局所的光力学的活性化)で達成できる場合でも、ソフト薬物の効果を局在化することを可能にする超短期間持続性薬物を提供するのに有用である。
【0014】
また別の側面では、メタボフォアは、親薬物から患者を離脱させるために静脈経路により展開できるソフト薬物薬理物質を提供するのに有用であり、その薬理活性がソフト薬物形の静脈内点滴の速度を漸進的に低下させることによりコントロールされた段階的やり方でより安全に除去される(例えば、親薬物の突然の退失に起因するリバウンド薬理発生の回避)。
【0015】
1つの側面において、本発明は、エステルを含有しない親薬物を修飾する方法、および動物およびヒトが含まれる対象を一時的に活動無能力化(incapacitate)するために展開される化合物に関し、修飾された化合物は、それら修飾化合物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物に速やかに代謝されることを保証するものである。本法は、予め決定された1つ以上の化学的配置の親化合物への組込みを伴い、その化学的配置は、
φ−R−X−R′
φは、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経て親化合物に特別に付加されているフェニル、置換アリールまたはヘテロアリール系であり;
Rは、分岐状または非分岐状の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経てφに付加されたものであり;
Xは、代謝的に安定な接続を経てRに特別に付加されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐状または非分岐状のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、代謝的に不安定な方法でXに付加されているものであるか、または代謝的に不安定な方法でXに接続されている親化合物の生来の部分として既に存在している構造元素である。
【0016】
一定の態様においてそれら組成物には、例えば、親化合物がフェンタニル(fentanyl)である組成物が含まれ得る。
一定の態様においてそれら対象動物は、コントロールされていない動物のような哺乳類であり得、他の態様では、一時的に活動無能力化されることが必要とされるヒトであり得る。本発明は、様々なタイプの防御および攻撃用化学物質を修飾するのに特に有用である。
【発明の詳しい記載】
【0017】
本発明は1つの側面において、親薬化合物がヒトに経口、注射、吸入、インプラント可能または局所的経路のいずれかにより投与された時に、不活性または非常に弱い活性で無毒な代謝物を導く親薬化合物の代謝のための特定の経路および速度をプログラムする方法に関する。本法は、親薬化合物をその親薬化合物内に予め決定された1つ以上の化学的配置を形成することにより修飾することを含む。その化学的配置は、A−φ−(R)−X−R′を含み、Aは存在しないか、または親薬化合物に対し成されるべき代謝的安定な化学的接続を可能にするつなぎ部分である。φは、親薬化合物内に既に存在するかまたはAを介して親薬化合物に特別に付加される置換アリールまたはヘテロアリール系である。Rは、親薬化合物内に既に存在するかまたはφへの接続を介して親薬化合物に特別に付加される0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンである。Xは、Rへの接続を介して親薬化合物に特別に付加されるカルボキシ、スルホキシルまたはホスファチル官能基である。R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐の追加のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基;他の一般的遊離基、または親薬化合物の元来的部分として既に存在している構造元素である。その化学的配置は、特定の構造設定との関係では使用されず、それは、親薬化合物がアリールオキシプロパノールアミン、つまり2,6−ビス(1−ピロリジルニルメチル)−4−ベンザミドフェノールである場合、或いは古典的な短期間活性薬物であるスクリニルコリンおよびプロカインに関する特定の場合のように、親薬物がそれの構造の元来的部分としてエステル残基を既に有し、それが親薬物に既に短期間持続の活性を発揮させる場合である。
【0018】
一定の態様ではXはカルボキシルである。他の態様では、RおよびR′は1〜2炭素の非分岐アルキルである。また別の態様では、R′は親薬物の元来的部分として既に存在している構造元素である。
【0019】
修飾された薬物は、薬物設計および開発過程の間、新薬候補物の総体的な薬理学的プロファイルを最適化するように使用される。別の方法では、修飾された薬物は、臨床において既に使用されている親薬物の総体的な治療的プロファイルを増強するように使用される。追加された化学的配置のプログラムされた代謝は、その薬物の望ましくない蓄積を回避することおよび1つ以上の有毒な代謝経路を回避することに役立つ。
【0020】
追加された化学的配置についてプログラムされた代謝速度は、その修飾薬物について親薬物と比較して短い持続期間の活性を生じるように調整される。短い持続期間は、静脈内投与される時のその修飾薬物の注入速度の調節によって修飾薬物の活性を厳密な瞬時から瞬時へのコントロール(moment to moment control)下に置くことができる。その静脈内投与は、救命救急患者を治療することおよび新生児を治療することに使用される。
【0021】
その静脈内投与は、非修飾親薬物から患者を離脱させるのにも使用され、それの類似の薬理作用は、その修飾薬物の静脈内点滴の速度を徐々に落とすことによってコントロールされた段階的やり方でより安全に除去される。短期間持続は、修飾薬物の初期送達または活性化が局所的注射またはインプラント材料の使用により或いは修飾薬物の局所的光力学的活性化により特定部位に指向される場合、修飾薬物の作用を局所化させたままにできる。一定の態様ではインプラントは、修飾薬物が抗生物質または治癒を促進する化合物である外科関連材料または縫合材のタイプのものである。
【0022】
本発明の1つの側面によれば、修飾薬物の代謝のプログラムされた速度は、修飾薬物の徐放性注射用調合物またはインプラントからの放出速度と一致させて、予めキャリブレートされた濃度で長期化させた安定状態レベルの修飾薬物が提供される。
【0023】
本発明の別の側面によれば、修飾薬物は、非修飾親薬物が皮膚上あるいは眼または鼻腔路内への配置後に全身性吸収で生じる望ましくない効果を排除または弱めるために局所的処置として使用される。
【0024】
本発明の方法は、追加の化学的配置を足した親薬物が短期間活性の抗コリン作用薬を含むところで特に有用である。一定の態様において短期間活性の抗コリン作用薬は、眼への局所的投与のために設計されたアトロピン誘導体である。別の態様では短期間活性抗コリン作用薬は、外科関連処置の間の静脈経路による使用のために設計された非脱分極性神経筋接合部ブロッキング剤である。
【0025】
また、本発明の方法は、追加の化学的配置を足した親薬物が、超短期間活性のアルファ−アドレナリンレセプターブロッカーまたはアルファ−アドレナリンレセプターアゴニストを含むところで特に有用である。
【0026】
本発明の方法は、追加の化学的配置を足した親薬物がナトリウムチャンネルの短期間作用阻害剤を含むところでも有用である。一定の態様ではその短期間活性阻害剤が、徐放性またはインプラント可能な剤形として投与される。
【0027】
本発明の方法のまた別の用途には、追加の化学的配置を足した親薬物が、超短期間活性ACE阻害剤;超短期間活性ヒスタミンレセプターブロッカー;超短期間活性アデノシンアンタゴニスト;超短期間活性抗炎症剤;超短期間抗不整脈剤;および超短期間活性カルシウムチャンネルブロッカーが含まれるところにおける使用が含まれる。
【0028】
本発明の方法のまたさらに別の用途には、追加の化学的配置を足した親薬物が、スルホンアミド、ペニシリン、アンピシリン、セファロスポリンまたはテトラサイクリンを含む超短期間活性抗生化合物が含まれる。一定の態様ではその超短期間活性抗生化合物は、外科用縫合材または創傷治癒用でインプラント可能なポリマー材料中へのそれらの含浸を介して投与される。
【0029】
本発明の方法のまたさらに別の用途には、追加の化学的配置を足した親薬物が短期間活性形のメトトレキセートを含むところにおける使用が含まれる。一定の態様ではその短期間活性形のメトトレキセートが局所的に投与される。本発明は、その局所的投与が類表皮癌または乾癬を治療するのに使用されるところで特に有用である。
【0030】
1つの側面において本発明は、対象動物を一時的に活動無能力化するように展開されるエステル不含有親薬物を修飾する方法であって、それら修飾化合物が、修飾化合物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物に速やかに代謝されることを確実なものとする方法を提供する。本法は、予め決定された1つ以上の化学的配置の親化合物への組込みを伴う。その化学的配置は、
φ−R−X−R′
(φは、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経て親化合物に特別に付加されているフェニル、置換アリールまたはヘテロアリール系であり;
Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、親化合物内に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経てφに付加されたものであり;
Xは、代謝的に安定な接続を経てRに特別に付加されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、代謝的に不安定な方法でXに付加されているものであるか、または代謝的に不安定な方法でXに接続されている親化合物の元来的部分として既に存在している構造元素である。)
を含む。
【0031】
一定の態様において、φは親化合物内に既に存在しているフェニル系であり、Rは0〜10炭素を有する分岐または非分岐の付加アルキルまたはアルケンであり、Xはカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、かつR′は1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル基である。そのような方法の1つの例では、親化合物がフェンタニルである。
【0032】
本法の1つの使用法は、一時的に活動無能力化されることが必要とされるコントロールできない哺乳類または人のような所望の対象動物を一時的に活動無能力化するのに適法に使用される化学物質へのメタボフォアの組込みを伴う。本発明の方法により生成されるこれらのタイプの化学物質の使用は、活動無能力化される対象動物に対する毒性が低く、かつその化学物質に偶然曝されることになり得る近くの罪のない者にとって安全である。これらのタイプの適法な使用には、“催涙薬(chemical mace)”のような一般に入手可能な防護用製品および、化学兵器の使用および不使用に関して国際的に認知されている条約に従う国の法的実施および軍隊だけに入手可能であろう攻撃用製品が含まれる。そのような場合において、本願に開示されているメタボフォアを組込むことから得られる有益性には、非常に短期間の効果をプログラムできること、無毒な代謝物の生成をプログラムできること、およびプログラム化または指向化された代謝段階を実施するためにどこにでもあるエステラーゼを使用できることが含まれる。その最も後者の有益性は、罪の無い者が数日またはそれよりも長く人質に取られている場合にあり得るように、一般に薬物への曝露から回復する彼らの能力が通常より低い時に特に重要である。他の薬物処理代謝経路と異なり、ヒトのエステラーゼ状態は、病気、睡眠不足、栄養不足、および他のネガティブな環境的要因に起因する減退を受けにくいからである。例えば、ちょうど最近、ロシアでエアロゾール化フェンタニルを大多数の人質状況下に適法に散布することが劇場内で起こったが、750人のうち115人の罪のない人質が不慮に殺された(Chemical and Engineering News, page 6, November 4, 2002)。フェンタニルは、即効性で短期間活性麻酔薬であり、それ以外にも短期間持続性鎮痛剤として使用されるが、それは超短期間ではなく、その活性を止めるのにエステラーゼに依拠するものでもない。彼らの数多くの罪のない死は、多くの人質がもはや一般に薬物を代謝する正常な能力、この場合にはフェンタニルを一掃する能力を持たなかったために生じたのであろうと現在推定されている。したがって、これに似た状況では、人質は逮捕者もより化学物質の毒性により影響されやすくなるであろう。別の手段として、本願に開示されているメタボフォアをフェンタニル親薬物分子に組込んで、遍在するまだ強壮なエステラーゼにより代謝されることがプログラムされまたは指向されて生じる修飾薬物を使用すれば、おそらくは、無垢な人質が殺されたとしても僅か数人だったであろう。化学兵器の使用への国際条約のARTICLE II.7は、その国際条約中に禁止物として列挙されておらず、曝露停止後に素早く消失する急速活動無能力化効果を生じる化学物質として“暴動制圧剤(riot-control agent)”を規定している。本願に開示されるメタボフォア技術は、それで始まる短期間活性がない多種多様な親分子においてこのタイプの急速的開始と素早い消失プロファイルを生じさせるために、または既に短期間持続の活性を有するが、それらの活性を終わらせるための基盤としてエステラーゼに依拠しない様々な親分子においてこのタイプのプロファイルへ更に改善するのに理想的に適している。
【0033】
ここで図1中の構造2および3を参照すると、示されたメタボフォリック官能基は、超短期間活性ベータ−アドレナリンレセプターブロッキング剤ソフト薬物を生じるようにプロパノール様構造内に既に組み込まれているものである:(Method for Treatment or Prophylaxis of tetra-substituted Cardiac Disorders (Aryl Esters), P.W. Erhardt, R.J. Borgman and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,387,103 (1983); Method for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (Aryl Esters), P.W. Erhardt, R.J. Borgman and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,593,119 (1986); Method for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (Internal Esters), S.T. Kam, P.W. Erhardt, R.J. Borgman and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,405,642 (1983); Compounds and Method for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (N-External Esters), P.S. Erhardt and R.J. Borgman, U.S. Patent, 4,450,173 (1984); Compounds for Treatment or Prophylaxis of Cardiac Disorders (Internal Esters), R.J. Borgman, P.W. Erhardt, S.T. Kam and J.P. O'Donnell, U.S. Patent, 4,604,481 (1986); Esters of Thiadiazole Oxypropanolamine Derivatives and Pharmaceutical Uses, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S. Patent, 4,623,652 (1986); Esters of 3-(3-Substituted-Amino-2-Hydroxpropoxy)-4-Substituted-1,2,5-Thiadiazole Derivatives, W.L. Matier, P.W. Erhardt and G. Patil, U.S. Patent, 4,508,725 (1985); Ethylenediamine Derivatives of Aryloxypropanolamine Aryl Esters Having Various Medicinal Properties, P.W. Erhardt and C.M. Woo, U.S. Patent, 4,556,668 (1985); Esters or Aryloxpropanolamine Derivatives and Medicinal Uses, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S Patent, 4,692,446 (1987); Esters of Aryloxypropanolamine Derivatives, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S. Patent, 4,804,677 (1989); Esters of Aryloxypropanolamine Derivatives, P.W. Erhardt and W.L. Matier, U.S. Patent, 4,906,661 (1990); Ultra-Short Acting, b-Blockers: A Proposal For The Treatment of The Critically III Patient, J. Zaroslinski, R.J. Borgman, J.P. O'Donnell, W.G. Anderson, P.W. Erhardt, S.T. Kam, R.D. Reynolds, R.J. Lee and R.J. Gorczynski, Life Sciences, 31, 899 (1982); Benzylamine and Dibenzylamine Revisited. Syntheses of N-Substituted Aryloxypropanolamines Exemplifying a General Route to Secondary Aliphatic Amines, P.W. Erhardt, Synth. Comm., 13, 103 (1983); Ultra Short-Acting b-Adrenergic Receptor Blocking Agents. 1. (Aryloxy)propanolamines Containing Esters in the Nitrogen Substituent, P.W. Erhardt, C.M. Woo, R.J. Gorczynski and W.G. Anderson, J. Med. Chem., 25, 1402 (1982); Ultra-Short-Acting b-Adrenergic Receptor Blocking Agents. 2. (Aryloxy)propanolamines Containing Esters on the Aryl Function, P.W. Erhardt, C.M. Woo, W.G. Anderson and R.J. Gorczynski, J. Med. Chem., 25, 1408 (1982); and Ultra-Short-Action b-Adrenergic Receptor Blocking Agents. 3. Ethylenediamine Derivatives of (Aryloxy)propanolamines Having Esters on the Aryl Function, P.W. Erhardt, C.M. Woo, W.L. Matier, R.J. Gorczynski and W.G. Anderson, J. Med. Chem., 26, 1109 (1983). )。構造2(エスモロールまたはBrevibloc(登録商標))の開発およびマーケティングの成功は、クリティカルケア領域においてベータ−ブロッカーを使用する状況の中で、本発明についての有用性の例示的な臨床的証拠を提供する:(P.W. Erhardt, in Chronicles of Drug Discovery, D. Lednicer, Ed. ACS Books, Washington, D.C., U.S.A. 1993; A Prodrug and a Soft Drug. P.W. Erhardt, in Drug Metabolism: Databases and High-Throughout Testing During Drug Design and Development, P.W. Erhardt, Ed. IUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K. 1999. )。
【0034】
図2を参照すると、示されたメタボフォリック官能基は、新規な化合物;構造4中にも既に組み込まれており、この化合物は、長期間活性抗不整脈薬としてのそれに潜在する用途について前臨床および早期臨床開発を受けていたものである。短期間活性の潜在するソフト薬物形;構造5は、類縁化合物の非常に限られたファミリー内でコンプリメンタリー式に得られた:(Ester Derivatives of 2,6-Bis(1-pyrrolidinylmethyl)-4-benzamidophenol as Short-Acting Antiarrhythmic Agents. 1. D.M. Stout, L.A. Black, C. Barcelon-Yang, W.L. Matier, B.S. Brown, C.Y. Quon and H.F. Stampfli, J. Med. Chem., 32, 1910 (1989); and Mono- and Bis(aminomethyl)phenylacetic Acid Esters as Short-Acting Antiarrhythmic Agents. 2. R.J. Chorvat, L.A. Black, V.V. Ranade, C. Barcelon-Yang, D.M. Stout, B.S. Brown, H.F. Stempfli and C.Y. Quon, J. Med. Chem., 36, 2494 (1993).)。これらのリサーチ化合物はその市場にまで遂行されなかったが、親化合物;構造4の特定状況のなかでの短期間活性物質のファミリーの手早い取得は、新薬開発の前臨床および早期臨床開発段階の間に並行するやり方で本願に詳細に記載されているようなメタボフォリック技術を展開することの有用性および容易さの実例を提供する。
【0035】
図3を参照すると、構造6および7により特定される構造的配置は、他の薬物分子内に配置した場合に同様の適用性を有する。構造6および7により描かれた構造系または化学的配置は、親分子内に明確な代謝的不安定性をプログラムすることから、それらは本願において“メタボフォア”としても、“ファーマコフォア”という用語への類比により言及される。後者の用語は、薬物の有効性のある薬理活性にとって必須である薬物内の構造部分を特定するのに使用される。類似的に、“メタボフォア”という用語は、最近、エステル残基の酵素的加水分解反応に関するような所定の代謝プロセスに直接関係する特定の分子的特徴を示すために学術論文に使用されている:(Drug Metabolism Data: Past And Present Status, P.W. Erhardt, Med. Chem. Res., 8, 400 (1998); Drug Metabolism Data: Past, Present and Future Considerations, P.W. Erhardt, Metabolism Databases and High Through-put Testing During Drug Design and Development, P. Erhardt, Ed. IUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K., 1999; Statistics-Based Probabilities of Metabolic Possibilities, P.W. Erhardt, Metabolism Databases and High Through-put Testing During Drug Design and Development, P. Erhardt, Ed. IUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K., 1999; and Use of Metabolism Databases During The Design of Prodrugs and Codrugs, P.W. Erhardt, Metabolism Databases and High Through-put Testing During Drug Design and Development, P. Erhardt, Ed. lUPAC Books, Blackwell Science, Oxford, U.K., 1999.)。
【0036】
かくして、本発明の方法は、親薬化合物内に1回以上組み込まれる明確なメタボフォリック化学的配置の一般的使用を提供する。具体的には、アルアルキルエステル残基の規定されたファミリー内の様々な形態のものが、最初は親薬物により発揮される元来望ましい薬理活性への影響が最小限となるように、親薬化合物内に1回以上組み込まれる明確なメタボフォリック配置を構成する。ただし、それらメタボフォアユニットは、エステラーゼ、スルファターゼ、ホスファターゼ、CYPおよびそれらに類したものの1つ以上によりフェーズ1代謝的加水分解を受ける。図3において、ABCDフラグメントおよびその代謝的加水分解から生じるEフラグメントの両者とも、不活性であるかまたは有意に活性が小さくて無毒であり、その後所定の適応症に適切な速度で代謝および/または排泄経路に入る。さらに、メタボフォアの特定の分子的な側面と関連して立体構造的および電子的に動かされる化学定数の操作は、代謝的加水分解反応の速度の正確なキャリブレーションおよび微調整を可能にする。
【0037】
メタボフォアについての正確な数および好ましい化学的態様は薬物および適応症の個々の場合における最適化を通じて最終的に指示されるが、概して、本法の最も化学的に効率的であり薬学的に適合性である展開を提供する幾つかの配置が存在する。外部エステル;構造6の場合において、その好ましい態様は、しばしば2つ未満のメタボフォアの組込みを反映する。加えて、その好ましい態様ではAが存在せず、BおよびCが親ファーマコフォア内に既に存在する構造元素から少なくとも部分的に誘導可能であり、Dがカルボキシルエステルであり、Eがアルキル基である。最も好ましい一般的態様では、たった1つのメタボフォアが使用され、CはBから離れている1つ以上の非置換炭素にまで特定され、Eはさらに単一のメチルまたはエチル基にまで特定される。内部エステル;構造7の場合において、一般的に好ましい態様は、1つだけのメタボフォアの展開を伴い、そこではAは存在せず、BおよびCは親ファーマコフォア内に既に存在する特徴から少なくとも部分的に誘導可能であり、あるいはCは完全に欠落しており(n=0であるアルキル−(CH2)n−の場合)、Dはカルボキシルエステルであり、EはそれのDへの接続が少なくとも1つの非立体障害的メチレンユニットにより表される限り、元来あるファーマコフォアの一体部分である。また、1つの内部エステルメタボフォアに1つ以上の外部エステルメタボフォアを足して同時に展開する配置は、極めて超短期間持続の活性が特定の適応症に求められる場合に特に有用な態様である。
【0038】
図4および6を参照すると、ターゲット構造8および11はそれぞれ2つの完全に異なるタイプの親分子に適用される本法の外部および内部メタボフォアについての好ましい態様を示す。薬物設計および開発を促進するため、これらのターゲット構造は化学的合成および薬理的評価について最も高い優先度が与えられる。その後のファミリーメンバーは、構造6および7の細部に従い、そのメタボフォリック挿入の性質を更に進展させ微調整し、それにより所定の臨床適応症に最も適応するために要求されるベースとして構築される。これらの図から、本発明は、実験的に誘導された薬理試験結果を伴って実際に選択された現実の化学構造の序列(hierarchy)を展開することにより薬物発見および開発の過程を経て新しいリード化合物を進展させるので、どのようにDME特性を能率的に取扱うかについて用意された青写真を提供するものであることが分かる。この関連において、本願に開示されている方法は、仮想的化合物ライブラリーにわたる様々な探索的パラダイムに付随する理論上またはコンピュータ上の手法を使用する現在のトレンドとは明白に区別されるものであり、現在のトレンドでは、化合物を選択してから合成して実験的薬理検査にかけ、すべてが反復式に行われて、新薬開発の進行中の所定の事例において現実の構造を経てそこで同様に展開されるかも知れない適用可能なメタボフォリックリード配置に向かって最終的に進むようにする:例えば(e.g. Quantitative Structure-Metabolism Relationship: Steric and Nonsteric Effects in the Enzymatic Hydrolysis of Noncongener Carboxylic Esters, P. Buchwald and N. Bodor, J. Med. Chem., 42, 5160 (1999).)。
【0039】
本発明の技術は、特定のターゲット構造を示す図7〜25において、およびメタボフォアが具体的には如何にして現実の化合物の骨格内の多種多様な構造タイプへ組込み可能であるかの範囲をも提示しながら本発明の広く一般的な適用性を例証することが意図された下記の実施例において、さらに具体的に示される。これら代表的な実施例は、必ずしも本発明の最も好ましい態様を示すことが意図されておらず、それら実施例は本法全体の一般的範囲の意味における限定であることを意味するものでもない。
【実施例】
【0040】
実施例1
図7(構造12)は、付加された外部エステルメタボフォアを有するアトロピンの類縁体を表す。それは、眼への点滴としての送達のためにデザインされており、そこで僅か約30分の眼検査の間に有用であるそれの特徴的な抗ムスカリン特性を示すこととなる。アトロピンの数時間の持続期間は、定期的眼検診を行うために典型的に必要とされるタイプのものを大きく上回り、患者の視野がより早く正常化するように化学解毒剤を投与することがしばしば必要とされる。加えて、同じ代謝プログラミングに起因し、そのソフト薬物類縁体は、この局在的な局所部分から吸収されるそのソフト薬物が素早く脱活性化されるので、アトロピンよりも優れた全身性副作用プロファイルを有する。
【0041】
実施例2
図8および9(構造13および14)は、それぞれデカメトニウムおよびパンクロニウムのメタボフォア含有で嵩高い類縁体を表す。2つの外部エステルは、各々の場合に、これらエステルの嵩高な芳香環に近接した配置がそれらの個々の代謝的加水分解速度を遅くする分子全体の代謝的バイオトランスフォーメーションを更に増強させるために展開されている。非脱分極式に神経筋接合部で嵩高い官能基の存在によって生じるその親化合物の元来の抗ニコチン様活性は、付加されたメタボフォアに起因して短い半減期を有する。これら化合物は、滴定可能(titrable)で、短期間活性で非脱分極性の神経筋接合部ブロッキング剤についての長期間の要求性が存在する外科手術の間の使用に理想的に適している:(Approaches to Short-Acting Neuromuscular Blocking Agents: Nonsymmetrical Bistetrahydroisoquinolinium Mono- and Diesters, N.C. Dhar, R.B. Maehr, L.A. Masterson, J.M. Midgley, J.B. Stenlake and W.B. Wastila, J. Med. Chem., 39, 556 (1996).)。
【0042】
実施例3
図10および11(構造15および16)は、それぞれプラゾシンおよびインドラミン(indoramin)のメタボフォア含有類縁体を表す。図10のものは、単一のスルホネートエステル付加物を有するが、図11のものは、内部カルボキシレートメタボフォアおよび外部ホスホネートエステル付加物の両者を有する。双方の場合に、その元来のα−レセプターアンタゴニスト特性は、双方の化合物とも高血圧性発症、ショックまたはレイノー病を治療するために静脈経路を介してクリティカルケアセッティングにおいてよく使用されるような超短期間持続として展開される。
【0043】
実施例4
救命救急室医療プラクティスは、クロニジン;図4の構造9の滴定可能で素早く平衡化する短期間活性形を要求する。この薬物は、α−アドレナリンレセプターリガンドでもある。このファミリーに関する中枢作用α−アドレナリンアゴニストの構造と活性の関係の考察は、2つのオルト−クロロ置換体が中枢αレセプターで要求される捻れコンフォメーションを確立するために重要であるが、そのパラ位置は構造的修飾を受けやすいことを示唆した:(Principles of Medicinal Chemistry, W.O. Foye, T.L. Lemke, D.A. Williams; Eds., Williams & Wilkins Publ., Baltimore, MD, p. 356 (1995).)。図3中に与えられた構造的青写真による単一外部エステルメタボフォアの組込みは、図4の構造8を提供する。構造8はその親構造よりも親油性形であるから、それはIV経路により投与された時、CNS中により素早く平衡化する。その後、修飾されたソフト薬物形は、追加エステル連結の代謝的不安定性に起因して非常に短い薬理的半減期を有し、その生じた代謝物がa−アドレナリンレセプター、例えば、ある領域内のそうでなくとも親油性アリール残基として存在する完全なカルボキシレートアニオンにディスプレイする外観(foreign look)と関連している。加えて、その滴定可能で短期間活性の類縁体は、これらのタイプの親化合物のコントロールされた離脱に影響を与える方向で有用であり、かくして“リバウンド”高血圧症を防ぐことに有用である。クロニジン構造9、ターゲット分子構造8およびプロトタイプのエスモール構造2の間の構造的類似性は、隣合せで図4にすべてが示される。
【0044】
実施例5
図12および13(構造17および18)は、それぞれフェニトインおよびカルバマゼピンのメタボフォア含有類縁体を表す。双方の化合物とも、それら化合物の急速な加水分解性に基づく代謝的クリアランスを促すのに役立つ2つの外部エステルメタボフォアを有する。プログラムされかつコントロールされた排除のため、両方の類縁体ともその親薬物の代謝に見られる現存の高度な変化を打ち消すことができ、例えば、フェニトインはそれの代謝系を飽和してそれの代謝が時間と共に減速する傾向にあり、一方でカルバマゼピンはそれの代謝酵素を誘導してそれの代謝が継続的利用と共に速くなる傾向にある。それら親化合物の双方とも、ナトリウムチャンネルを抑制し、発作の治療における使用が見出される。本法の青写真によりデザインし直された通り、これらの所望される特性はソフト薬物類縁体内に保持されている。各類縁体内におけるエステルの直近の立体的周辺部の更なる化学的調整は、徐放性またはインプラント可能な剤形から放出される薬物の速度と組合せとなる特定の持続期間の活性および排除をプログラムし、その修飾された薬物のかなり一様な濃度を長時間達成するようにすることができる。
【0045】
実施例6
図14(構造19)は、エナラプリラート(enalaprilat)のメタボフォア含有類縁体を表す。それの外部アルアルキルエステル付加物は、加水分解代謝のための速やかな処理を提供して、その分子を一般的ACE阻害剤の短期間活性形にし、生じた酸性残基は当該特定の位置で発生した場合には十分に許容されるものではない。最終的に、効果的なソフト薬物形は、静脈経路により好都合に展開されるのでその活性の点滴速度コントロール性を有し、クリティカルケアセッティング内でより有利に使用される。
【0046】
実施例7
図15および16(構造20および21)は、それぞれジフェンヒドラミンおよびファモチジンのメタボフォア含有類縁体を表す。図15において内部エステルが展開されており、図16において外部エステルが展開されている。それらメタボフォリック配置のため、これら類縁体は、それら各々のH1−レセプターブロッカーおよびH2−レセプターブロッカー親化合物の短期間活性形である。それらアルアルキルエステルソフト薬物は、静脈注射により与えられた時、素早く滴定可能でコントロール可能な超短期間活性剤としてクリティカルケアセッティングにおける使用に向けて有益である。
【0047】
実施例8
図17(構造22)は、アデノシンアンタゴニストが有用であるクリティカルケアセッティングにおける使用のためのテオフィリンの滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表し、例えば、危篤新生児および幼児群における気道耐性を改善する。
【0048】
実施例9
図18(構造23)は、静脈抗炎症剤が有用である でクリティカルケアセッティングにおける使用のためのインドメタシンの滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表す。
【0049】
実施例10
図19(構造24)は、リドカイン、つまりクラスIB抗不整脈剤の滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表す。そのアルアルキルソフト薬剤は、クリティカルケアセッティングにおいて静脈経路により使用された時、親薬物と比較してより一貫した用量−応答関係を可能にする。
【0050】
実施例11
図20および21(構造25および26)は、それぞれカルシウムチャンネルブロッカー、ニフェジピンおよびベラパミルの滴定可能で素早く平衡化する超短期間活性形を表す。図20のものは単一の外部エステルメタボフォアを有し、図21のものは内部エステル並びに1対の外部エステルメタボフォアを有する。両者の類縁体とも、新生児群が含まれるクリティカルケアセッティングにおける使用に理想的に適している。
【0051】
実施例12
図22、23、24および25(構造27、28、29および30)は、それぞれスルファメトキサゾール、アンピシリン、セファレキシンおよびテトラサイクリンのメタボフォア含有類縁体を表す。これら抗生物質はすべて、超短期間持続の活性を示すようにデザインされており、それは、静脈注射を介するクリティカルケアセッティングにおいて有用であるだけでなく、これらのタイプのいずれか1つ以上の抗生ソフト薬物を含浸させた縫合材または他の創傷治癒用インプラント材として使用されるポリマー材料の隣接範囲内でそれらの効果の局在化に向けても有用である。それら投与方法のすべての容易な実施に向けて、それらすべての類縁体は、それらの酸形成塩として、例えばそれらアミンの塩酸塩として調製された時に優れた水溶性および安定性を示すようにもデザインされる。
【0052】
実施例13
類表皮癌および重い乾癬の両方を治療するためのメタボフォア(図6中の構造10)の使用は、局所的治療後の経皮吸収で全身毒性を除去するように本発明のメタボフォア法を展開することにおいて理想的な状況である:(The Physicians Desk Reference (PDR) 50th ed., Publ: Med. Econ. Co., Montvale, NJ, p. 1276 (1996).)。十分に確立された構造−活性関係は、メタボフォアのそれの生物レセプター(これは酵素ジヒドロホレートレダクターゼ(DHFR)である)との相互作用のために要求される3つの構造部分が存在することを明らかにする。したがって、いずれか2つまたはこれらの元素の間の不安定なエステルメタボフォアの配置(例えば、内部エステル)は、そのメタボフォアの加水分解で不活性な代謝物を生じる。この状態は、構造10がそれのDHFRとの相互作用において描かれた図5に示される:(D.A. Matthews, et al., Science, 297, 452 (1997).)。2つのグルタメートカルボキシル基のその分子の残部に対する重要性は、グルタメート−p−アミノ安息香酸アミド結合を直ぐ近くに囲むどちらかといえば非要求性領域であるので、明白である。かくして、このアミド結合のエステル結合での置換は、活性のために許容され、それでも加水分解された時に親分子を不活性化する好ましい内部エステルタイプメタボフォアユニットの配置を可能にする。メトトレキセート;構造10と、それの内部エステルメタボフォア形;構造11との間の並列的比較は図6に示される。
【0053】
実施例14
図26は、フェンタニルの短期間活性形である構造IIVを示し、そのメタボフォアは、犯罪的行動をとる人々を一時的に活動無能力化するための修飾薬物の展開後、ヒトエステラーゼのようなエステラーゼによる素早い代謝をプログラムするようにフェンタニル中に組み込まれている。
【0054】
構造IIIIにおいて、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素を有するアルキルまたはアルケンであり、Xは、Rに代謝的に安定なやり方で接続されたカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、R′は、Xに代謝手金胃不安定なやり方を介して接続された分岐または非分岐の1〜10炭素を有するアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であり、そして、窒素で置換されていないフェニル環の中心へおよびアニリンタイプのフェニル環の中心へ引かれた線は、そうして記載されたR-X-R′系が水素原子の置換によってその非置換位置のいずれに付加してもよいことを示す。
【0055】
構造IVは、Rがエチル接続鎖、Xがカルボキシル官能基、R′がメチル基である特定の態様を示し、そのメタボフォア系は、アニリンタイプのフェニル環系のパラ位置への付加によって完成する。
【0056】
実施例15
一定の態様において組成物は、1つ以上の予め決定された化学的配置を、非窒素置換された元来のフェニル環系に組込むことにより修飾されたフェンタニルを含む。そのような態様において、その化学的配置は、
R−X−R′
(その式中、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に直接接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、ヒトのような対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている。)
を含む。
【0057】
実施例16
一定の態様において組成物には、予め決定されている1つの化学的配置が付加され、そこでRがエチル鎖であり、Xがカルボキシル官能基であり、かつR′がメチル基である場合の上記実施例15の組成物が含まれる。
【0058】
実施例17
他の態様において組成物は、予め決定されている1つ以上の化学的配置をアニリンタイプの元来のフェニル環系に接続することにより修飾されたフェンタニルを含む。そのような態様において、その化学的配置は、
R−X−R′
(その式中、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、ヒトのような対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている。)
を含む。
【0059】
実施例18
一定の態様において組成物は、予め決定されている1つの化学的配置を非窒素置換された元来のフェニル環系に接続することによって、および予め決定されている1つの化学的配置をアニリンタイプの元来のフェニル環系に接続することによって、修飾されたフェンタニルを含む。そのような化学的配置は、
R−X−R′
(その式中、Rは、分岐または非分岐の0〜10炭素の鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、その元来のフェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に直接接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、ヒトのような対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている。)
を含む。
【0060】
実施例19
上記の実施例18に示された組成物の別の例は、Rが両方の事例においてエチル基であり、Xが両方の事例においてカルボキシル官能基であり、かつR′が両方の事例においてメチル基である場合をもたらす組成物である。
【0061】
実施例20
また別の態様において組成物は、フェンタニルに存在するアニリンタイプの元来のフェニル環系のパラ位置に接続されている予め決定されている少なくとも1つの化学的配置を含み、そこでRはエチル接続鎖であり、Xはカルボキシル官能基であり、かつR′はメチル基である。
【0062】
当業者は、対象物を実施して、言及された結果および利点並びにそこに本来的に存在するものを取得するように本発明を上手く適合させることを速やかに認識するであろう。本願に記載されている方法、手順、処置、分子および特定の化合物を伴う本願実施例は、目下好ましい態様の代表的なものであり、それらは例示であって、本発明の範囲への限定としては意図されていない。そこにおける変更および他の使用は当業者が思い付くことであり、それらは特許請求の範囲により規定された通りの当該発明の精神の範囲内に包含される。本願明細書において言及された特許および刊行物はいずれも、本発明が属する技術分野における当業者の水準を示唆する。これら特許および刊行物は、各々別個の刊行物が参照により組み込まれることが特定的かつ個別的に指示されるかのようにして同じ程度まで、参照によって本願明細書に組み込まれる。
【0063】
本発明の目下好ましい態様が記載されており、添付された特許請求の範囲の範囲内である他の態様も存在することが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、プロプラノロール(propranolol)である構造1を示し、つまり臨床上使用されており長期間持続の活性(即ち、数時間の半減期)を有するプロトタイプのアリールオキシプロパノールアミンベータ−アドレナリンレセプターブロッキング剤である。構造2はエスモロール(esmolol)であり、臨床上使用されているベータブロッカーでもあるが、付加された“外部”エステル(分子全体のサザン領域から伸びるカルボキシル残基に留意されたい)の結果として超短期間持続の活性(即ち、10分の半減期)を有するように設計されている。構造3は別の超短期間活性ベータブロッカーであり、親のアリールオキシプロパノールアミンファーマコフォア内または“内部”にエステル(分子全体内の中心位置のカルボキシル残基に留意されたい)を有する。
【図2】図2は、2,6−ビス(1−ピロリジニルメチル)−4−ベンザミドフェノールである構造4、つまり抗不整脈薬物候補である。構造5は、4の一連の外部エステル含有誘導体を代表するものであり、様々に短期間化された活性持続を有する親の潜在的ソフト薬物形のコンプリメンタリーファミリーを提供する。
【図3】図3は、臨床上使用されている薬物分子内の配置についておよび/または臨床内の使用のための開発を受ける新薬候補化合物内の細部について“メタボフォリック”青写真を示す化学元素の概略図を示す。構造6において:Aは、Bが親薬物分子の元来的部分でない場合の付加または連結官能基であり;Bは、アリールまたはヘテロアリール系であり;Cは、アリールまたはアルケン鎖であり;Dは、カルボキシル(-CO2-)、スルホキシル(-SO3-)またはホスファチル官能基(-PO3-)であり;そしてEは、アルキル、アルアルキルまたは追加的に誘導された遊離基である。一定の態様において、Aは、BまたはBおよびCの両者が親構造の元来的部分として既に存在しているという理由から省略し得る。例えば、Aが存在しない場合、Bは置換フェニル、Cはエチル、Dはカルボキシル、Eはメチルであり、そのとき構造6は、構造2のサザン部分を規定し、それに加えて、それの構造1(これはプロトタイプのβ−ブロッカーファーマコフォアである)内のナフタレン系の右半分におけるフェニル環との関連性を規定する。構造7において:Eは、親薬化合物の必要なファーマコフォリック構成部分であり得る(あるいはそれに付加されてもよい)。この態様ではそのようにしてエステルメタボフォアDは、親構造のファーマコフォア内の両側から包囲され(例えば、図1の構造3にあるように)、それの付加物としての居留部(図1の構造2にあるように)とは対照的である。かくして、Aが存在しない場合、Bはオルト−フルオロフェニルであり、Cは存在せず(n=0であるアルキルの場合-CH2)n-)、Dはカルボキシルであり、Eは親ファーマコフォアの部分に付加されたメチレンであり、その際、構造7は図1の構造3内の肝要なメタボフォリック配置を規定する。
【図4】図4は、エスモロール構造2、新規ターゲット分子構造8、およびクロニジンである構造9、つまりそれの有益な臨床効果が中枢に媒介されるプロトタイプのα−アドレナリンレセプターアゴニストの間の構造的類似性を示す。構造2内の部分的に付加された(外部)メタボフォアおよび構造9内の必要とされるファーマコフォアの重要部分の肝要な元素に関する相互補完的重複は、構造8のフェニル環内の共通の場所に見ることができる。
【図5】図5は、結合メトトレキセート(methotrexate)分子を含有するE-Coliジヒドロホレートレダクターゼの主鎖折り畳みを図示し、その薬物中のすべての原子および酵素のすべてのα炭素原子のコンピュータ処理プロットから導かれたものである。中心ひだ状シートのストランドは幅広い矢印として示される。
【図6】図6は、メトトレキセート(構造10)および代謝的に不安定な内部エステルターゲット形態(構造11)の構造を示し、そこでは単一エステル結合が親構造のアミド結合として展開されている。
【図7−25】図7−25は、臨床的に使用されている確立された医薬物質の幅広い列挙について親分子骨格内に位置するメタボフォアの例を示す。
【図26】図26は、短期活性形のフェンタニルである構造I〜IVを示し、そこにおいて、開示されているメタボフォアは、犯罪的行動をとる人を一時的に活動無能力化するための修飾薬物の展開後、ヒトエステラーゼのようなエステラーゼによる素早い代謝をプログラムするようにフェンタニル中に組み込まれている。
【0065】
構造I〜IIIにおいて、Rは0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンであり、Xは代謝的に安定な方法でRに接続しているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、R′は代謝的に不安定な方法でXに接続している1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキルであり、そして、窒素で置換されていないフェニル環の中心へおよびアニリンタイプのフェニル環の中心へ引かれた線は、そうして記載されたR-X-R′系が水素原子の置換によってその非置換位置のいずれに付加してもよいことを示す。
【0066】
構造IVは、Rがエチル接続鎖、Xがカルボキシル官能基、R′がメチル基である特定の態様を示し、そのメタボフォア系は、アニリンタイプのフェニル環系のパラ位置への付加によって完成する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するために展開される少なくとも1つのエステル不含有親化合物を修飾して、該修飾化合物への曝露が停止された時に該修飾化合物が不活性で無毒な代謝物に速やかに代謝されることを確実にするための方法であって、1つ以上の予め定められた化学的配置を該親化合物に組み込むことを含み、該化学的配置は、
φ−R−X−R′
(φは、該親化合物に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経て該親化合物に特別に付加されているフェニル、置換アリールまたはヘテロアリール系であり;
Rは、0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、該親化合物に既に存在しているかまたは代謝的に安定な接続を経てφに付加されたものであり;
Xは、代謝的に安定な接続を経てRに特別に付加されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、代謝的に不安定な様式でXに付加されているか、または代謝的に不安定な様式でXに接続されている親化合物の元来的部分として既に存在している構造元素である)
を含む方法。
【請求項2】
φは、該親化合物に既に存在しているフェニル系であり、Rは、0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有する付加アルキルまたはアルケンであり、Xは、カルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり、かつR′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル基である、請求項1の方法。
【請求項3】
該親化合物が暴動制圧剤を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
該親化合物がフェンタニルを含む、請求項3の方法。
【請求項5】
該対象動物が哺乳類である、請求項1の方法。
【請求項6】
該対象動物がヒトである、請求項1の方法。
【請求項7】
対象動物を活動無能力化するために使用される組成物であって、元来存在するフェニル環系に組み込まれた1つ以上の予め定められた化学的配置によって修飾された少なくとも1つのエステル不含有親化合物を含み、該化学的配置は、
R−X−R′
(Rは、0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に直接接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている)
を含む組成物。
【請求項8】
該対象動物が哺乳類である、請求項7の組成物。
【請求項9】
該対象動物がヒトである、請求項8の組成物。
【請求項10】
該エステル不含有親化合物がフェンタニルを含む、請求項7の組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの予め定められた化学的配置が付加されており、そこでRがエチル鎖であり、Xがカルボキシル官能基であり、かつR′がメチル基である、請求項7の組成物。
【請求項12】
アニリンタイプの元来存在するフェニル環系に接続された1つ以上の予め定められた化学的配置によって修飾されたフェンタニルを含む組成物であって、該化学的配置は、
R−X−R′
(Rは、0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケニルであって、該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている)
を含む組成物。
【請求項13】
該対象動物が哺乳類である、請求項12の組成物。
【請求項14】
該対象動物がヒトである、請求項13の組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの予め定められた化学的配置が付加されており、そこでRがエチル鎖であり、Xがカルボキシル官能基であり、かつR′がメチル基である、請求項12の組成物。
【請求項16】
元来存在する非窒素置換フェニル環系に接続された少なくとも1つの予め定められた化学的配置によって、およびアニリンタイプの元来存在するフェニル環系に接続された少なくとも1つの予め定められた化学的配置によって修飾されたフェンタニルを含む組成物であって、該化学的配置は、
R−X−R′
(Rは、0〜10炭素の分岐または非分岐鎖を有するアルキルまたはアルケンであって、元来存在する該フェニル環系内のいずれかの非置換炭素原子に直接接続されており;
Xは、代謝的に安定な連結を経てRに接続されているカルボキシル、スルホキシルまたはホスファチル官能基であり;
R′は、1〜10炭素を有する分岐または非分岐のアルキル、アルケニルまたはアルアルキル基であって、対象動物による代謝に対して不安定である連結を経てXに接続されている)
を含む組成物。
【請求項17】
該対象動物が哺乳類である、請求項16の組成物。
【請求項18】
該対象動物がヒトである、請求項17の組成物。
【請求項19】
Rは、元来存在する非窒素置換フェニル環系におけるおよびアニリンタイプの元来存在するフェニル環系におけるエチル基であり;
Xは、元来存在する非窒素置換フェニル環系におけるおよびアニリンタイプの元来存在するフェニル環系におけるカルボキシル官能基であり;
R′は、元来存在する非窒素置換フェニル環系におけるおよびアニリンタイプの元来存在するフェニル環系におけるメチル基である、請求項16の組成物。
【請求項20】
少なくとも1つの予め定められた化学的配置が、フェンタニルにおいて元来存在するアニリンタイプのフェニル環系に接続されており、そこでRがエチル鎖であり、Xがカルボキシル官能基であり、かつR′がメチル基である、請求項16の組成物。
【請求項21】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項7の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項22】
該対象動物が哺乳類である、請求項21の組成物。
【請求項23】
該対象動物がヒトである、請求項21の組成物。
【請求項24】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項10の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項25】
該対象動物が哺乳類である、請求項24の組成物。
【請求項26】
該対象動物がヒトである、請求項25の組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項11の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項28】
該対象動物が哺乳類である、請求項27の組成物。
【請求項29】
該対象動物がヒトである、請求項28の組成物。
【請求項30】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項12の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項31】
該対象動物が哺乳類である、請求項30の組成物。
【請求項32】
該対象動物がヒトである、請求項31の組成物。
【請求項33】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項15の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項34】
該対象動物が哺乳類である、請求項33の組成物。
【請求項35】
該対象動物がヒトである、請求項34の組成物。
【請求項36】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項16の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項37】
該対象動物が哺乳類である、請求項36の組成物。
【請求項38】
該対象動物がヒトである、請求項37の組成物。
【請求項39】
少なくとも1つの対象動物を一時的に活動無能力化するための方法であって、請求項19の少なくとも1つの組成物を有効量で投与することを含み、該組成物が、該組成物への曝露を停止した時に不活性で無毒な代謝物へ速やかに代謝される方法。
【請求項41】
該対象動物が哺乳類である、請求項39の組成物。
【請求項42】
該対象動物がヒトである、請求項41の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2006−508985(P2006−508985A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553817(P2004−553817)
【出願日】平成15年11月17日(2003.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/036700
【国際公開番号】WO2004/045536
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(502409721)ザ・ユニバーシティ・オブ・トレド (13)
【Fターム(参考)】