説明

対象物ブロックマガジン及びマガジンによるカセット移送方法

【課題】所定の取り出しステーションでカセットが順番に供給され、処理ステーションで場所を取らずに配置することができる、マガジンを提供する。
【解決手段】カセット(11)を収容するマガジンであり、マガジンはカセットを、内部に配設された1つの区画から隣接区画へ順に前進供給させる装置を持つ外部筐体(1)を含む。外部筐体(1)は、その上部と前面(2)が開口しており、送り要素(15)が一つの区画の奥行き分にわたって前後に移動できるように搭載された内部筐体(3)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)本願は、2007年12月10日に出願されたドイツ連邦共和国特許出願第102007059392.0号の優先権を主張するものであり、その全開示内容は、引用をもって本書に繰込み記載されているものとする。
本発明は、カセットを収容する、仕切られた区画を有するマガジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスライドマガジンとしては、医学的試料(対象物ブロック)を埋め込んだカセットを収容するミクロトーム装置の付属部品としても用いられるものがある(DE202004006U1)。このようなマガジンは特にスライドマガジン(Dia-Magazine)として知られる。
【0003】
US3691988Aには、顕微鏡の対象物プレート上の試料を染色するための装置が開示されている。試料搬送機が筐体内でさまざまな染色液の入った容器に浸漬されうる。
【0004】
US3040929Aには、前後に移動して錠剤を順番に1つずつ取り出すことができる移動機構を持つ、錠剤の保管容器が開示されている。
【0005】
DE2306967Aには、前後2方向の直線運動を間欠的な1方向直線運動に変換する自動販売機が開示されている。
【特許文献1】DE 20 2004 006 U1
【特許文献2】US 3 691 988 A
【特許文献3】US 3 040 929 A
【特許文献4】DE 2 306 967 A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
試料を処理するために、カセットはミクロトーム装置に設けられた送り装置により、マガジンから取り出さなければならない。このため、マガジン全体が、取り出すべきカセットのそれぞれが送り装置の収容領域に配置されるように移動されなければならない。このために必要なマガジンのガイドと移動の距離は、そのままマガジン自体に必要な長さとなる。
【0007】
カセットが任意の順序でマガジンから取り出される場合には、マガジンの移動が必要となる。しかし試料処理の自動化をさらに進めるという観点から、カセットはマガジン内の配置の順序に従って、順番に処理されている。このような理由もあって、従来のマガジンはその全体長さだけ移動させる必要がある。
【0008】
本発明は、所定の取り出しステーションでカセットが順次送給され、処理ステーションで場所を取らずに配置することができる、マガジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、この目的は請求項1に記載した特徴を有するマガジンによって達成される。即ち、本発明の一視点において、カセットを収容する複数の区画を持つマガジンが提供される。マガジンは、カセットを、内部に配設された1つの区画から隣接区画へ順に前進送り移動させる装置を持つ外部筐体を有する。外部筐体は、その上部と前面が開口しており、内部に挿入される内部筐体を含み、内部筐体には送り要素が一つの区画の奥行き分にわたって前後に移動できるように搭載されている。送り要素は内部筐体をU字形に取り囲んで長手方向に配されている。この区画には、内部筐体の互いに対向する側壁に一体的かつ対称的に形成され、内部空間に突出している2つ以上のばね要素(ラチェット状要素)が形成され、そのばね頭部は外部筐体の開口した前面を向いている。送り要素は、各区画ごとに2つ以上の、内部筐体の側壁の領域の内部空間に突出して弾性的に構成されたウェッジ要素を有し、そのウェッジ頭部は同様に外部筐体の開口した前面を向いている。ばね頭部及びウェッジ頭部は、カセットの支持面を構成する共通の区画平面内に存在する(形態1)。なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0010】
また、本発明に係る他の視点として、カセットを収容する複数の区画を持つマガジンにおいて、2以上のばね要素が形成された区画を有する内部筐体の内部に収容された複数のカセットを、送り要素を用いて隣接区画へ順次移送するカセットの移送方法が提供される。マガジンの内部筐体において、該2以上のばね要素は、互いに対向する側壁内側に一体的にかつ対称的に形成される。また、内部空間に弾性的に突出可能であり、送り方向に向かって高くした傾斜面及び送り方向端部に長手方向垂直平面を持つばね頭部を有するように形成される。この方法はさらに、カセットを、送り要素を用いてばね要素の低い傾斜面側から送り方向へ押圧して、ばね要素を側壁内に弾性的に押し込みつつばね頭部まで前進送りする工程と、カセットがばね頭部を超えて送られた時点で、側壁内に押し込まれていたばね要素を内部空間に再び突出させる工程と、カセットをばね頭部に当接させたまま、送り要素のみを逆戻りさせる工程と、を含む(形態12)。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一視点において、所定の取り出しステーションでカセットが順次送給され、処理ステーションで場所を取らずに配置することができる、マガジンが提供される。即ち、本発明に係るマガジンは、固定された(不動の)外部筐体を含んでおり、処理ステーションにおいて、カセットを準備するための移送装置を別途配する必要がない。内部筐体には従来のマガジンと同じ数の区画を持つにもかかわらず、外部筐体全体の長さはおよそ2つの区画分長いだけである。カセットを一つの区画から次の区画へ段階的に移送する装置がマガジンの内部筐体に組み込まれているので、マガジンと処理ステーションを特に簡単に結合することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
有利な実施形態は請求項2〜11に記載される。即ち、2対の前記ばね要素が1つの区画ごとに前記ウェッジ要素の上部と下部に配置されていることが好ましい(形態2)。
また、送り要素は、固定された傾斜面要素を持つウェブを区画の底部領域に有し、傾斜面要素の傾斜面頭部は同様に共通の区画平面内に存在することができる(形態3)。
区画に割当てられたばね要素は、内部筐体の長手方向に、順次一列に配列されていることが好ましい(形態4)。
内部筐体の側壁には、それぞれに一つのガイドスロットが長手方向に延びており、送り要素の弾性的に構成されたウェッジ要素がガイドスロットに挿入されることが好ましい(形態5)。
別のガイドスロットが内部筐体の底面に長手方向に延びており、ガイドスロットに送り要素の傾斜面要素を持つウェブが挿入されることが好ましい(形態6)。
外部筐体の開口した前面は、内部筐体から押し出されたカセットを収容するプラットホームを有することが好ましい(形態7)。
外部筐体の底面には開口部が設けられ、その背後には送り要素の底面に溝が送り方向に直角に設けられ、開口部の大きさは送り要素の行程に適合していることが好ましい(形態8)。
開口部は、マガジンの内部空間へ突出した偏心ピンを持つロータリーディスクを収容するように円形であり、偏心ピンは、送り要素の底面の溝と係合し、その偏心半径は、内部筐体の隣接する区画平面の長手方向で規定される1区画の奥行きの半分の長さに対応していることが好ましい(形態9)。
カセットを前進送りする間は、カセットの前方にあるばね要素は側壁内に押し込まれ、再び側壁から前進したカセットの後方にある区画平面内へ突出して、送り要素が引き戻されている間は、カセットの前方にあるウェッジ要素は静止しているカセットにより側壁内に押し込まれ、再びカセットの後方にある区画平面内へ突出することが好ましい(形態10)。
傾斜面要素を有する送り要素が引き戻されている間、カセットは1つの傾斜面の高さ分だけ持ち上げられて、引き戻された傾斜面頭部の前方にある通路の上に再び落下することが好ましい(形態11)。
【0013】
本発明に係るマガジンの実施例を模式的に図面に示し、以下に図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
図1に示す外部筐体1は、上面と一つの前面2が開口している。
【0015】
図2に示す内部筐体3は、同様に上面が開口している。側壁4、5は、外側が垂直なリブ6で補強されている。内部筐体3の上面の周囲には、外部筐体1の上端部に挿入されるフレーム7が設けられている。内部筐体3は、外部筐体へ挿入した後に外部筐体1の前面2に向く前面が同じく開口している。この前面の下部には、プラットホーム8が形成されている。
【0016】
側壁4、5のそれぞれには、2列の平行に並んだばね要素9が配置されている。ばねの頭部10は、開口した前面に向けられており、側壁4、5から内部空間に向けて突出している。4つのばね頭部10が、内部筐体3に挿入されたカセット11を一つの平面で同時に支持する面を形成するように配置されている。
【0017】
側壁4、5のそれぞれには、内部筐体3の長さ方向にガイドスロット12、13が形成されている。内部筐体3の開口前面の反対側には、ガイドスロット12、13が開口している。内部筐体3の底面には、別のガイドスロット14が配置されている。
【0018】
図3に、U字形断面の送り要素15を示す。U字形の脚部が弾性片部材16として形成され、送り要素15の底部から伸びている。片部材16の上端部には、内側に向いたウェッジ(くさび形ないしV字形)要素17がある。ウェッジ要素17の長さは、ばね要素9の長さと一致している。
【0019】
送り要素15の底面領域には、傾斜面要素19を持つウェブ(桁腹)18があり、その長さはばね要素9の長さと一致している。ウェッジ頭部20と傾斜面頭部21とは、互いに同一の平面上にある。
【0020】
送り要素15は、内部筐体3のガイドスロット12、13、14にウェッジ要素17及びウェブ18が押し込まれ、長さ方向へ内部筐体3にはめ込まれる。挿入する方向は、ウェッジ頭部20及び傾斜面頭部21が内部筐体3の開口前面に向くようにする。基本位置では、ばね頭部10、ウェッジ頭部20及び傾斜面頭部21が同一の平面内にあり、区画内のカセット11を支持する支持面を形成している。製造誤差を補償するため、傾斜面頭部21は、基本位置における区画及びそれに関連する区画平面のやや外側に配置することができる。送り要素15の長さは、内部筐体3の中で、1つの区画の奥行き分だけ前後に移動できるように設定する。1つの区画の奥行きとは、2つの隣り合った区画平面間の距離と定義される。
【0021】
図4に示す外部筐体1の底面図には、円形の開口部22と共に、送り要素15の底面図を示している。送り要素の裏面には、図示した範囲内に、送り方向の直角方向の溝23がある。開口部22の直径は、送り要素15の全行程にわたって溝23が開口部22の範囲に納まるような大きさである。
【0022】
図5に示す送り要素15の駆動部は、直径が円形開口部22と適合させたロータリーディスク24を含む。ロータリーディスク24の上には、マガジンの方向に突出した偏心ピン25が配され、溝23とかみ合っている。偏心半径、即ち偏心ピン25の軸とロータリーディスク24の回転軸との間の距離は、マガジンの1つの区画の奥行きの半分に対応している。ロータリーディスク24を完全に1回転させると、送り要素15は偏心ピン25の働きにより、一つの区画の奥行き分だけ前後に移動する。駆動ユニットにはセンサ30が統合され、偏心ピン25と共にロータリーディスク24の位置がこれによって測定できる。
【0023】
図6は、モータ26、ロータリーディスク24、偏心ピン25及びマガジンマウント27を含む駆動ユニットを独立したユニットとして示した。しかし同様に、ロータリーディスク24を偏心ピン25と共に外部筐体1に組み込むことも可能であり、その場合、マガジンはマガジンマウント27に配置され、そしてモータ26の回転軸の上に配置される。
【0024】
図7は、一部を断面で示した、外部筐体1、内部筐体3及び送り要素15からなるマガジンの構成を示す斜視図である。マガジンの区画にはカセット11がすべて入れられている。1つのカセット11は取り出しのためプラットホーム8に配置されている。
【0025】
図8の断面図は、送り要素15が引き戻された状態の、全て満たされたマガジンの基本位置を示したものである。図8の上側の長手方向断面図からは、ばね要素9、ウェッジ要素17及び傾斜面要素19が列をなして配列され、それぞれの頭部が区画境界平面(compartment abutment plane)28を構成していることが見て取れる。上部から見た長手方向断面図(図8の下側の図)からは、ばね要素9が内部空間に突出していることがわかる。
【0026】
図9は図8と同じ長手方向断面図であるが、送り要素15が前に進んでおり、カセット11がプラットホーム8の上に押し出されている。後ろにあるカセット11は、1区画分だけ送り方向の前方に送られている。前進(送給)している間、このカセット11はその前にあるばね要素9をその底部から順に内部筐体3の側壁4の内部へ押し込んでいる。カセットは前進している間、内部筐体3の底面にある通路29の上をスライドする。
【0027】
送り要素15が引き戻されると、カセット11の新しい区画位置にあるウェッジ要素17が、ウェッジ表面に沿ってカセット11から外側方向へ押される。傾斜面要素19はカセット11を持ち上げる。送り要素15が完全に引き戻されると、カセット11は再び傾斜面頭部21の前方にある通路29の上に落下し、ウェッジ要素17がカセット11の後方で内部筐体3の内部空間へ再び突出する。
【0028】
本発明に係るマガジンは、対象物ブロックを入れたカセットを収容するために配設することが好ましい。もちろん、ばね要素、ウェッジ要素、傾斜面要素の寸法もまた、例えば対象物キャリヤの収容及び送りに合わせることができる。
【0029】
本発明の他の視点におけるカセットの移送方法(形態12)において、さらに以下の形態が可能である。
即ち、前記カセットを前進送りする工程は、送り要素に配設され、送り方向端部にウェッジ頭部を持つウェッジ要素のウェッジ頭部を用いてカセットを送り方向に押圧することにより行うことができる。(形態13)
【0030】
前記ばね要素を内部空間に突出させる工程は、ばね要素の弾性復元力を用いて行うことができる。(形態14)
【0031】
前記送り要素のみを逆戻りさせる工程は、長手方向垂直方向に弾性変形するように構成されたウェッジ要素を、長手方向垂直方向に弾性変形させながら行い、かつ1つ手前のカセットの背後にウェッジ頭部が来るまで行うことができる。(形態15)
【0032】
前記各工程は、カセットが、送り要素の底部に配設され、送り方向に向かって高くなり、送り方向端部に傾斜面頭部を有する傾斜面要素の上に当接支持された状態で行われることができる。(形態16)
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例に係る、外部筐体の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係る、内部筐体の斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る、送り要素の斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る、外部筐体の底面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る、送り要素の駆動部である。
【図6】本発明の一実施例に係る、取り外した、駆動ユニットを含むマガジンマウントである。
【図7】本発明の一実施例に係る、組立てたマガジンの全体図である。
【図8】本発明の一実施例に係る、基本位置における、マガジンの長さ方向の断面立面図と平面図である。
【図9】本発明の一実施例に係る、前進位置における、同じ長さ方向の断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 外部筐体
2 前面
3 内部筐体
4、5 側壁
6 垂直リブ
7 フレーム
8 プラットホーム
9 ばね要素
10 ばね頭部
11 カセット
12、13、14 ガイドスロット
15 送り(送給)要素
16 弾性片部材
17 ウェッジ要素
18 ウェブ(桁腹)
19 傾斜面要素
20 ウェッジ頭部
21 傾斜面頭部
22 円形開口部
23 溝
24 ロータリーディスク
25 偏心ピン
26 モータ
27 マガジンマウント
28 区画境界平面
29 通路
30 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カセットを収容する複数の区画を持つマガジンであって、
該マガジンは、該カセットを、内部に配設された1つの区画から隣接区画へ順に前進送り移動させる装置を持つ外部筐体(1)を有し、
該外部筐体(1)は、その上部と前面(2)が開口しており、内部に挿入される内部筐体(3)を含み、該内部筐体には送り要素(15)が一つの区画の奥行き分にわたって前後に移動できるように搭載され、該送り要素は該内部筐体(3)をU字形に取り囲んで長手方向に配され、
該区画には、該内部筐体(3)の互いに対向する側壁(4、5)に一体的かつ対称的に形成され、内部空間に突出している2つ以上のばね要素(9)が形成され、そのばね頭部(10)は該外部筐体(1)の開口した該前面(2)を向いており、
該送り要素(15)は、各区画ごとに2つ以上の、該内部筐体(3)の側壁(4、5)の領域の内部空間に突出して弾性的に構成されたウェッジ要素(17)を有し、そのウェッジ頭部(20)は同様に該外部筐体(1)の開口した該前面(2)を向いており、
該ばね頭部(10)及びウェッジ頭部(20)は、カセット(11)の支持面を構成する共通の区画平面内に存在する、
ことを特徴とする、マガジン。
【請求項2】
2対の前記ばね要素(9)が1つの区画ごとに前記ウェッジ要素(17)の上部と下部に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のマガジン。
【請求項3】
前記送り要素(15)は、固定された傾斜面要素(19)を持つウェブ(18)を前記区画の底部領域に有し、該傾斜面要素の傾斜面頭部(21)は同様に前記共通の区画平面内に存在することを特徴とする、請求項1又は2に記載のマガジン。
【請求項4】
前記区画に割当てられた前記ばね要素(9)は、前記内部筐体(3)の長手方向に、順次一列に配列されていることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載のマガジン。
【請求項5】
前記内部筐体(3)の前記側壁(4、5)には、それぞれに一つのガイドスロット(12、13)が長手方向に延びており、前記送り要素(15)の弾性的に構成された前記ウェッジ要素(17)が該ガイドスロットに挿入されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のマガジン。
【請求項6】
別のガイドスロット(14)が前記内部筐体(3)の底面に長手方向に延びており、該ガイドスロットに前記送り要素(15)の前記傾斜面要素(19)を持つ前記ウェブ(18)が挿入されることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一に記載のマガジン。
【請求項7】
前記外部筐体(1)の開口した前記前面(2)は、前記内部筐体(3)から押し出されたカセット(11)を収容するプラットホーム(8)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載のマガジン。
【請求項8】
前記外部筐体(1)の底面には開口部(22)が設けられ、その背後には前記送り要素(15)の底面に溝(23)が送り方向に直角に設けられ、該開口部(22)の大きさは該送り要素(15)の行程に適合していることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載のマガジン。
【請求項9】
前記開口部(22)は、マガジンの内部空間へ突出した偏心ピン(25)を持つロータリーディスク(24)を収容するように円形であり、該偏心ピン(25)は、前記送り要素(15)の底面の前記溝(23)と係合し、その偏心半径は、前記内部筐体(3)の隣接する区画平面の長手方向で規定される1区画の奥行きの半分の長さに対応していることを特徴とする、請求項8に記載のマガジン。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一に記載のマガジンであって、
該カセット(11)を前進送りする間は、該カセット(11)の前方にあるばね要素(9)は側壁(4、5)内に押し込まれ、再び該側壁(4、5)から前進した該カセット(11)の後方にある区画平面内へ突出して、
該送り要素(15)が引き戻されている間は、該カセット(11)の前方にあるウェッジ要素(17)は静止している該カセット(11)により該側壁(4、5)内に押し込まれ、再び該カセット(11)の後方にある該区画平面内へ突出する、
ことを特徴とするマガジン。
【請求項11】
傾斜面要素(19)を有する前記送り要素(15)が引き戻されている間、前記カセット(11)は1つの傾斜面の高さ分だけ持ち上げられて、引き戻された傾斜面頭部(21)の前方にある通路(29)の上に再び落下することを特徴とする、請求項10に記載のマガジン。
【請求項12】
カセットを収容する複数の区画を持つマガジンにおいて、2以上のばね要素(9)が形成された区画を有する内部筐体(3)の内部に収容された複数のカセット(11)を、送り要素(15)を用いて隣接区画へ順次移送するカセットの移送方法であって、
該2以上のばね要素は、互いに対向する側壁(4、5)内側に一体的にかつ対称的に形成され、内部空間に弾性的に突出可能であり、送り方向に向かって高くした傾斜面及び送り方向端部に長手方向垂直平面を持つばね頭部(10)を有するよう形成され、
・カセット(11)を、送り要素(15)を用いてばね要素の低い傾斜面側から送り方向へ押圧して、ばね要素(9)を側壁(4、5)内に弾性的に押し込みつつばね頭部(10)まで前進送りする工程と、
・カセット(11)がばね頭部(10)を超えて送られた時点で、側壁(4,5)内に押し込まれていたばね要素(9)を内部空間に再び突出させる工程と、
・カセット(11)をばね頭部(10)に当接させたまま、送り要素(15)のみを逆戻りさせる工程と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記カセット(11)を前進送りする工程は、送り要素(15)に配設され、送り方向端部にウェッジ頭部(20)を持つウェッジ要素(17)のウェッジ頭部を用いてカセット(11)を送り方向に押圧することにより行うことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ばね要素(9)を内部空間に突出させる工程は、ばね要素(9)の弾性復元力を用いて行うことを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記送り要素(15)のみを逆戻りさせる工程は、長手方向垂直方向に弾性変形するように構成されたウェッジ要素(17)を、長手方向垂直方向に弾性変形させながら行い、かつ1つ手前のカセットの背後にウェッジ頭部が来るまで行うことを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一に記載の方法。
【請求項16】
前記各工程は、カセット(11)が、送り要素(15)の底部に配設され、送り方向に向かって高くなり、送り方向端部に傾斜面頭部(21)を有する傾斜面要素(19)の上に当接支持された状態で行われることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−139385(P2009−139385A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313888(P2008−313888)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(500113648)ライカ ビオズュステムス ヌスロッホ ゲーエムベーハー (45)
【Fターム(参考)】