説明

対象物

【課題】偽造防止可能な対象物を提供する。
【解決手段】読み取り装置において認識されるシンボルが記録された対象物であって、見る角度に応じて受光する光の成分が変化するシンボルが記録され、前記シンボルは、ゲーム情報を決定するための情報に応じたシンボルであり、対象物に照射する光源の設定に応じて前記シンボルから受光する光の成分が変化する。また、当該対象物の真正を示す所定情報に応じた前記シンボルが記録される対象物であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コードを読み取るためのコードリーダが存在する(特許文献1)。また、ゲーム分野においては、コードが記録されたカードから当該コードを読取り、読み取った情報を用いてゲーム処理を行うゲーム装置が存在する。
【0003】
しかし、従来では、このカードが偽造されることがあり、ゲーム装置等において、本物のカードと偽造のカードとを簡易に判別することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−179926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、偽造防止可能な対象物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、読み取り装置において認識されるシンボルが記録された対象物であって、見る角度に応じて受光する光の成分が変化するシンボルが記録され、前記シンボルは、ゲーム情報を決定するための情報に応じたシンボルである対象物に関する。
【0007】
ここで、「対象物」は、カードなどの印刷物(印刷媒体)、表示画面(表示媒体)等の物(媒体)である。また、「シンボル」は、例えば、コード(1次元コード、2次元コード)や、図柄、文字、絵文字、数値、色、模様、色分け模様、無模様、無地、帯状のグラデーション等である。また、「光の成分」とは光の色成分及び光の輝度成分の少なくとも一方を含む。
【0008】
本発明の対象物は、見る角度に応じて受光する光の成分が変化するシンボルが記録されるので、複写機等による偽造が困難な対象物を提供することができる。
【0009】
また、本発明によれば、シンボルを見る角度に応じて、シンボルが認識される結果と、シンボルが認識されない結果の2つの結果が生じることになる。そして、この2つの結果が生じた場合に当該対象物が真正であることを証明できるので、容易に真贋判定を行うことが可能な対象物を提供できる。
【0010】
(2)また、対象物は、対象物に光源からの光が照射された場合において、当該光源の設定に応じて、シンボルから受光する光の成分が変化する物であってもよい。本発明によれば、更に複写機等による偽造が困難な対象物を提供することができる。
【0011】
(3)また、対象物は、当該対象物の真正を示す所定情報に応じた前記シンボルが記録されていてもよい。
【0012】
本発明によれば、シンボルを見る角度に応じて、シンボルから所定情報が認識される結果と、シンボルから所定情報が認識されない結果の2つの結果が生じることになる。そして、この2つの結果が生じた場合に当該対象物が真正であることを証明できるので、容易に真贋判定を行うことが可能な対象物を提供できる。
【0013】
(4)また、対象物は、当該対象物の真正を示す所定情報に応じた第1のシンボルと、当該所定情報とは異なる第2のシンボルとが記録されていてもよい。
【0014】
本発明によれば、第1のシンボル、第2のシンボルを見る角度に応じて、第1のシンボルから所定情報が認識される結果と、第2のシンボルから所定情報が認識されない結果の2つの結果が生じることになる。そして、この2つの結果が生じた場合に当該対象物が真正であることを証明できるので、容易に真贋判定を行うことが可能な対象物を提供できる。
【0015】
(5)また、対象物は、当該対象物の真正を示す第1の所定情報に応じた第1のシンボルと、当該対象物の真正を示す第2の所定情報に応じた第2のシンボルとが記録されていてもよい。
【0016】
本発明によれば、第1のシンボル、第2のシンボルを見る角度に応じて、第1のシンボルから第1の所定情報が認識される結果と、第2のシンボルから第2の所定情報が認識される結果の2つの結果が生じることになる。そして、この2つの結果が生じた場合に当該対象物が真正であることを証明できるので、容易に真贋判定を行うことが可能な対象物を提供できる。
【0017】
(6)また、対象物は、見る角度に応じて、第1のシンボルから受光する光の成分から、第2のシンボルから受光する光の成分に変化するように、第1のシンボルと第2のシンボルとが記録されていてもよい。
【0018】
(7)また、対象物には、前記シンボルが記録されている所定領域以外に、いずれの方向からも視認可能な複数の識別マークが記録され、前記複数の識別マークと前記所定領域とが、所定の配置関係で配置されていてもよい。
【0019】
本発明によれば、いずれの方向からも視認可能な複数の識別マークが記録され、前記複数の識別マークと前記所定領域とが、所定の配置関係で配置されているので、例えば、読み取り装置において、識別マークの配置関係によって、いずれの領域にシンボルが記録されているのかを容易に判断することが可能な対象物を提供できる。
【0020】
(8)また、対象物には、前記シンボルが記録されている所定領域以外に、所与の情報に応じた第3のシンボルが記録されていてもよい。本発明によれば、所与の情報に応じた第3のシンボルが記録されるので、読み取り装置において認識される情報を多く記録可能な対象物を提供できる。
【0021】
(9)また、対象物には、偏光インク又は偏光シートを用いて、前記シンボルが記録されていてもよい。本発明によれば、偏光インク又は偏光シートを用いて、シンボルが記録されるので、比較的安価に偽造防止可能な対象物を作成することができる。
【0022】
(10)また、対象物には、エンボス加工によって、前記シンボルが記録されていてもよい。本発明によれば、エンボス加工によって、シンボルが記録されるので、比較的安価に偽造防止可能な対象物を作成することができる。
【0023】
(11)また、対象物には、レンチキュラーを用いて、前記シンボルが記録されていてもよい。本発明によれば、レンチキュラーを用いて、シンボルが記録されるので、比較的安価に偽造防止可能な対象物を作成することができる。
【0024】
(12)また、対象物には、前記シンボルを描画した画像に基づく立体視画像を表示する立体視画像表示画面であってもよい。
【0025】
ここで立体視画像表示画面(立体視映像表示画面)とは、立体視ディスプレイのことであり、立体視画像は、人間の左右の眼の視線角度のずれ、輻輳、焦点距離(ピント調整)の生理的機能を利用して、立体物があるかのように感じることができる画像のことである。本発明によれば、立体視画像表示画面に、シンボルを描画した画像に基づく立体視画像を表示することができ、利便性を高めた対象物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本実施形態の読み取り装置(端末)の機能ブロック図の一例。
【図2】図2(A)、(B)は、本実施形態の読み取り装置の一例。
【図3】図3は、本実施形態の読み取り装置の一例。
【図4】図4(A)、(B)は、真の対象物の説明図。
【図5】図5(A)、(B)は、真の対象物の撮像画像の説明図。
【図6】図6(A)、(B)は、偽造物の説明図。
【図7】図7(A)、(B)は、偽造物の撮像画像の説明図。
【図8】図8(A)〜(D)は、対象物の一例。
【図9】図9は、レンチキュラーの説明図。
【図10】図10は、偏光インク、偏光シートの説明図。
【図11】図11(A)〜(C)は、対象物の一例。
【図12】図12は、撮像部の撮影手法の説明図。
【図13】図13(A)〜(C)は、認識処理の説明図。
【図14】図14(A)〜(C)は、認識処理の説明図。
【図15】図15は、ゲーム情報を決定するための説明図。
【図16】図16は、ゲーム情報を決定するための説明図。
【図17】図17は、本実施形態の処理の流れ図。
【図18】図18は、撮像部の撮影手法の説明図。
【図19】図19は、対象物の位置の設定に関する説明図。
【図20】図20は、自然光の遮蔽について説明するための図。
【図21】図21(A)(B)は、光源設定と真の対象物の関係を説明するための図。
【図22】図22(A)(B)は、光源設定と偽造物の関係を説明するための図。
【図23】図23(A)(B)は、光源設定の説明図。
【図24】図24(A)(B)は、光源設定の説明図。
【図25】図25(A)(B)は、光源設定の説明図。
【図26】図26(A)(B)は、光源設定の説明図。
【図27】図27は、端末10とサーバ20とが接続されたネットワークシステムを示す図。
【図28】図28(A)(B)は、業務用のゲーム装置の一例。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0028】
1.構成
図1に本実施形態の読み取り装置10(コンピュータ、ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、筐体、端末(端末装置)、携帯電話、スマートフォン、携帯端末、タブレット型コンピュータ、画像生成装置)の機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態の読み取り装置10は図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0029】
撮像部30は、物体から発した光をレンズなどの光学系によって撮像素子の受光平面に結像させ、その像の光による明暗を電荷の量に光電変換し、それを順次読み出して電気信号に変換する。そして、撮像部30は撮像画像(入力画像)を撮像画像記憶部173に出力する処理を行う。例えば、撮像部30は、RGB、YUV、HSVなどの色空間(フォーマット)で定義された色画像を、撮像画像記憶部173に出力する処理を行う。また、本実施形態の撮像部30は、第1の撮像部31、第2の撮像部32を備えていてもよい。かかる場合は、例えば、第1の撮像部31において撮像された第1の撮像画像と、第2の撮像部32において撮像された第2の撮像画像とを撮像画像記憶部173に記憶する。
【0030】
本実施形態の撮像部30は、撮像位置に応じて撮像部が受光する光の成分が変化するシンボルを含む対象物を撮像する。言い換えると、撮像部30は、見る角度に応じて反射光の成分が変化するシンボルを含む対象物を撮像する。また、別の言い方をすれば、撮像部30は、光源の設定に応じて撮像部が受光する光の成分が変化するシンボルを含む対象物を撮像する。なお、撮像部30は、対象物の一部を撮像してもよい。例えば、シンボルが記録されている領域(所定領域)を撮像してもよい。また、撮像部30は、対象物を含むように撮像してもよい。
【0031】
また、被写体となる対象物(印刷媒体、表示媒体等)のシンボルから受光する光の成分は、見る角度に応じて、第1の成分から第2の成分に変化する。また、被写体となる対象物は、いずれの方向からも視認可能な識別マークが記録されている。例えば、対象物には、いずれの方向からも視認可能な複数の識別マークそれぞれが、各所定位置に記録されている。なお、本実施形態の対象物のシンボルから受光する光の成分(反射光の成分)は、見る角度に応じて、第1の成分から第2の成分に変化してもよい。例えば、本実施形態の対象物のシンボルから受光する光の成分(反射光の成分)は、第1のシンボルからの反射光の第1の成分から第2のシンボルからの反射光の第2の成分に変化してもよい。
【0032】
また、撮像部30は、対象物のシンボルからの第1の成分を少なくとも受光する第1の撮像位置から対象物を撮像し、対象物のシンボルからの第2の成分を少なくとも受光する第2の撮像位置から対象物を撮像してもよい。例えば、第1の成分は、対象物に記録されたシンボル(例えば、コード)からの光の成分であり、第2の成分は、対象物に記録された当該シンボルではない光の成分とすることができる。
【0033】
また、撮像部30は、同じタイミングで第1、第2の撮像位置から対象物を撮像してもよいし、異なるタイミングで第1、第2の撮像位置から対象物を撮像してもよい。
【0034】
また、第1の撮像部31が、第1の撮像位置から対象物を撮像し、第2の撮像部32が、第1の撮像位置から対象物を撮像する場合において、第1の撮像部31と第2の撮像部32とが、所定の撮像位置関係及び所定の撮像方向関係を有するようにしてもよい。
【0035】
また、撮像部30は、第1の光源設定時に対象物を撮像し、第2の光源設定時に対象物を撮像してもよい。例えば、撮像部30は、第1の光源(可視光の光源)の照射時に対象物の反射光の第1の成分を少なくとも受光する位置であって、第2の光源(可視光の光源)の照射時に対象物の反射光の第2の成分を少なくとも受光する位置を撮像位置として配置してもよい。
【0036】
入力部160は、プレーヤ(操作者)からの入力情報を入力するための入力機器(コントローラ)であり、プレーヤの入力情報を処理部に出力する。本実施形態の入力部160は、プレーヤの入力情報(入力信号)を検出する検出部162を備える。入力部160は、例えば、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイなどがある。また、入力部160は、振動信号に基づいて振動させる処理を行う振動部を備えていてもよい。
【0037】
また、入力部160は、3軸の加速度を検出する加速度センサや、角速度を検出するジャイロセンサ、撮像部30を備えた入力機器でもよい。例えば、入力部160は、プレーヤが把持して動かすものであってもよいし、プレーヤが身につけて動かすものであってもよい。また、入力部160は、プレーヤが把持する刀型コントローラや銃型コントローラ、あるいはプレーヤが身につける(プレーヤが手に装着する)グローブ型コントローラなど実際の道具を模して作られた入力機器でもよい。また入力部160は、端末(携帯電話、携帯端末、スマートフォン、携帯型ゲーム装置、タブレット型コンピュータ)そのものであってもよい。
【0038】
記憶部170は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
【0039】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0040】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0041】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0042】
通信部196は外部(例えば他の端末、サーバ)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0043】
なお、本実施形態では、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体180や記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0044】
処理部100(プロセッサ)は、入力部160からの入力データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。
【0045】
この処理部100は記憶部170内の主記憶部171をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0046】
処理部100は、共通性判定部110、認識処理部111、真贋判定部112、ゲーム処理部113、決定部114、表示制御部115、光源設定部116、撮像部設定部117、対象物設定部118、通信制御部119、描画部120、音処理部130を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0047】
共通性判定部110は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有するか否かを判定する。例えば、共通性判定部110は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて識別マークを検出した場合に、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有すると判定する。また、共通性判定部110は、第1の撮像画像上の各識別マークの位置関係と、第2の撮像画像上の各識別マークの位置関係とを比較し、比較結果が所定の位置関係条件を満たす場合に、共通性を有すると判定するようにしてもよい。
【0048】
また、共通性判定部110は、第1の撮像画像上の各識別マークの位置関係から第1の撮像位置に対する対象物の向きと、第2の撮像画像上の各識別マークの位置関係から第2の撮像位置に対する対象物の向きとを比較し、比較結果が所定の向き関係条件を満たす場合に、共通性を有すると判定するようにしてもよい。
【0049】
認識処理部111は、撮像部30で撮像された撮像画像の認識処理を行う。例えば、認識処理部111は、第1の撮像位置から撮像された第1の撮像画像の認識処理を行い、第2の撮像位置から撮像された第2の撮像画像の認識処理を行う。
【0050】
認識処理部111は、第1の光源設定時に対象物を撮像した第1の撮像画像の認識処理と、第2の光源設定時に対象物を撮像した第2の撮像画像の認識処理とを行うようにしてもよい。また、例えば、認識処理部111は、第1の光源の照射時に撮像された第1の撮像画像の認識処理を行い、第2の光源の照射時に撮像された第2の撮像画像の認識処理を行うようにしてもよい。
【0051】
真贋判定部(真偽判定部)112は、対象物の真贋判定処理を行う。例えば、真贋判定部112は、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し他方の撮像画像から当該第1の所定情報を認識しない場合に、真の対象物と判定する処理を行う。
【0052】
また、真贋判定部112は、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し、他方の撮像画像から第2の所定情報を認識した場合に、真と判定する処理を行うようにしてもよい。
【0053】
また、真贋判定部112は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有する場合であって、かつ、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し他方の撮像画像から当該第1の所定情報を認識しない場合に、真の対象物と判定する処理を行うようにしてもよい。また、真贋判定部112は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有する場合であって、かつ、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し他方の撮像画像から当該第2の所定情報を認識する場合に、真の対象物と判定する処理を行うようにしてもよい。つまり、真贋判定部112は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有しない場合には対象物を偽と判定してもよい。
【0054】
ゲーム処理部113は、種々のゲーム演算処理を行う。例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などがある。
【0055】
また、ゲーム処理部113は、プレーヤキャラクタ、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行うようにしてもよい。
【0056】
ここでオブジェクト空間とは、仮想空間であり、2次元空間、3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。例えば、オブジェクト空間設定部111は、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。また、例えば、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義であり、例えば、ワールド座標系でのX、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0057】
また、ゲーム処理部113は、オブジェクト空間において、プレーヤキャラクタを移動させる処理を行うようにしてもよい。すなわち入力部160によりプレーヤが入力した入力情報や、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、プレーヤキャラクタをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、プレーヤキャラクタの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度などの移動パラメータ)や動作情報(オブジェクトを構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(例えば、1/60秒)毎に順次求める処理を行うようにしてもよい。なおフレームは、プレーヤキャラクタの移動・動作処理や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0058】
ゲーム処理部113は、認識処理結果に基づいてゲーム処理を行う。例えば、第1の所定情報と第2の所定情報とを認識した場合には、第1の所定情報と第2の所定情報とに基づいて、ゲーム処理を行う。
【0059】
決定部114は、第1の撮像画像の認識処理結果と、第2の撮像画像の認識処理結果とに基づいて、ゲーム処理で用いられるゲーム情報を決定する処理を行う。例えば、決定部114は、第1の撮像画像から認識した情報と、第2の撮像画像から認識した情報とに基づいて、ゲーム処理で用いられるゲーム情報を決定する処理を行う。なお、決定部114は、対象物が真と判定された場合に、第1の撮像画像から認識した情報と、第2の撮像画像から認識した情報とに基づいて、ゲーム処理で用いられるゲーム情報を決定する処理を行うようにしてもよい。
【0060】
また、表示制御部115は、ゲーム処理部113によるゲーム処理内容を表示させる表示制御や、描画部120において生成された画像を表示部190に表示させる表示制御を行う。
【0061】
また、表示制御部115は、サーバ20から受信した認識処理結果、例えば、撮像画像から認識した情報を表示してもよい。また、サーバ20から、Webページ(インターネット上で提供されるハイパーテキスト記述言語で記載されたデータ。例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)データなど)や、ゲーム結果等を表示させる処理を行ってもよい。
【0062】
光源設定部116は、対象物を照射するための少なくとも1つの光源を設定する。例えば、光源設定部116は、光源を可変に設定してもよいし、固定に設定してもよい。また、光源設定部116は、少なくとも1つの光源に対して、第1の光源設定と第2の光源設定とを排他的に行うようにしてもよい。
【0063】
具体的には、第1の光源設定は、撮像部30が第1の成分を受光するための光源設定としてもよい。また、第2の光源設定は、撮像部30が第2の成分を受光するための光源設定としてもよい。例えば、第1の光源設定は、撮像部30が対象物に記録されたシンボル(例えば、コード)からの光の第1の成分を受光するための光源設定としてもよい。また、第2の光源設定は、撮像部30が対象物に記録された当該シンボルからの第2の成分を受光するための光源設定としてもよい。
【0064】
また、光源設定部116は、光源の強度を可変に設定するようにしてもよい。また、光源設定部116は、光源の明度を可変に設定するようにしてもよい。また、光源設定部116は、光源の照射方向を可変に設定するようにしてもよい。また、光源設定部116は、光源の照射数を可変に設定するようにしてもよい。また、光源設定部116は、光源位置を可変に設定するようにしてもよい。
【0065】
撮像部設定部(カメラ設定部)117は、撮像部30の位置を可変又は固定に設定する。例えば、撮像部設定部117は、(例えば、撮像時に)撮像部の位置を固定に設定するようにしてもよい。また、撮像部設定部は、複数の撮像部の位置を設定するようにしてもよい。また、撮像部設定部117は、撮像部30の被写体が常に対象物(対象物のコード記録面)になるように自動制御するようにしてもよい。
【0066】
対象物設定部118は、カード等の対象物の位置を可変又は固定に設定する。例えば、対象物設定部118は、(例えば、撮像時に)対象物の位置を固定に設定するようにしてもよい。
【0067】
通信制御部119は、他の読み取り装置(端末)10又はサーバ20とデータを送受信する処理を行う。例えば、通信制御部119は、サーバのIPアドレスやポート番号を指定してデータを送受信する処理を行う。また、通信制御部119は、サーバ20から受信したデータを記憶部170に格納する処理、受信したデータを解析する処理、その他のデータの送受信に関する制御処理等を行う。なお、通信制御部119は、サーバの宛先情報(IPアドレス、ポート番号)を情報記憶媒体180に記憶し、管理する処理を行うようにしてもよい。また、通信制御部119は、ユーザからの通信開始の入力情報を受け付けた場合に、サーバ20との通信を行うようにしてもよい。
【0068】
特に、通信制御部119は、サーバ20にユーザの識別情報を送信して、ユーザ情報に関するデータ(ゲームデータ、或いは、ユーザのWebページ等)をサーバ20から受信する処理を行う。例えば、通信制御部119は、ユーザとフレンド関係にある他のユーザの情報(他のユーザ名、他のユーザの掲示情報など)を含むデータを、サーバ20から受信する処理を行うようにしてもよい。
【0069】
なお、通信制御部119は、画像を描画するフレームレートに応じてデータを含むパケットを生成し、サーバ20に生成したパケットを送信する処理を行ってもよい。具体的に説明すると、例えば、フレームレートが60fpsである場合には、1/60秒毎に、サーバ20にパケットを送信する処理を行ってもよい。
【0070】
また、通信制御部119は、撮像部30で撮像した撮像画像を、ネットワークを介してサーバや他の端末に送信してもよい。また、通信制御部119は、入力情報、ゲーム情報、ゲーム結果などをサーバや他の読み取り装置(端末)10に送信するようにしてもよい。
【0071】
描画部120は、オブジェクトをオブジェクト空間(仮想的3次元空間)に配置する処理を行う。例えば、オブジェクト配置部は、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を、オブジェクト空間に配置する処理を行う。ここでオブジェクト空間とは、仮想的なゲーム空間であり、例えば、ワールド座標系、仮想カメラ座標系のように、3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0072】
例えば、オブジェクト配置部は、ワールド座標系にオブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)を配置する。また、例えば、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0073】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。言い換えると、描画部120は、オブジェクト空間において、仮想カメラから見える画像を生成する。
【0074】
例えば、描画部120は、オブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理(頂点シェーダによるシェーディング)が行われる。なお頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0075】
頂点処理では、頂点処理プログラム(頂点シェーダプログラム、第1のシェーダプログラム)に従って、頂点の移動処理や、座標変換、例えばワールド座標変換、視野変換(カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換(投影変換)、ビューポート変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。
【0076】
そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(ピクセルシェーダによるシェーディング、フラグメント処理)が行われる。ピクセル処理では、ピクセル処理プログラム(ピクセルシェーダプログラム、第2のシェーダプログラム)に従って、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ172(ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット、フレームバッファ)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0077】
なお頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現される。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、従来のハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0078】
そして描画部120は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0079】
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理が行われる。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)は、記憶部170に保存される。
【0080】
テクスチャマッピングは、記憶部170に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理である。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部170からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0081】
隠面消去処理としては、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行うことができる。すなわちオブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファに格納されるZ値を参照する。そして参照されたZバッファのZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファのZ値を新たなZ値に更新する。
【0082】
αブレンディング(α合成)は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)のことである。
【0083】
例えば、αブレンディングでは、これから画像バッファ172に描画する描画色(上書きする色)C1と、既に画像バッファ172(レンダリングターゲット)に描画されている描画色(下地の色)C2とを、α値に基づいて線形合成処理を行う。つまり、最終的な描画色をCとすると、C=C1*α+C2*(1−α)によって求めることができる。
【0084】
なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0085】
音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0086】
なお、本実施形態の読み取り装置(端末、ゲーム装置)10は、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード、或いは、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードでゲームプレイできるように制御してもよい。例えば、マルチプレーヤモードで制御する場合には、ネットワークを介して他の読み取り装置10とデータを送受信してゲーム処理を行うようにしてもよいし、1つの読み取り装置10が、複数の入力部からの入力情報に基づいて処理を行うようにしてもよい。また、読み取り装置10は、サーバ20から受信したゲームプログラムに基づいて、ゲーム処理を行うようにしてもよい。
【0087】
2.読み取り装置の説明
図2(A)(B)は、本実施形態の読み取り装置10の一例を示す。本実施形態の読み取り装置10は、例えば携帯型ゲーム装置である。読み取り装置10は、本体上部2と本体下部4とがヒンジ部6により接合されており、本体上部2と本体下部4とがヒンジ軸回りに回動可能に形成されている。そして本体上部2には第1のディスプレイ11と、第1のディスプレイ11に立体視用画像を表示する際に立体度を調整するスライド型の3Dボリューム(立体視の奥行き度の調整機能)が設けられている。
【0088】
そして、本実施形態の読み取り装置10の本体上部2には、撮像部(カメラ)30(31、32、33)が設けられている。つまり、図2(B)に示すように、本体上部2の外側に2つの撮像部31、32と、図2(A)に示すように、本体上部2の内側に1つの撮像部33が設けられている。
【0089】
また、図3に示すように、本実施形態の読み取り装置10は、2つの撮像部31、32によって撮像された各撮像画像を合成することによって立体視用画像を生成することができる。そのため、2つの撮像部31、32が、本体上部2において、所定の位置、所定の方向を向くように配置設定されている。例えば、各撮像部31、32は、本体上部2の代表位置Pから所定距離Lだけ離れた位置CP1、CP2に配置され、本体上部においてのY軸、Z軸が揃うように配置されている。そして、撮像部31、32は、同じ方向Vを向くように配置される。そして、撮像部31、32は、同一の被写体である対象物を、入力部160からの入力情報を受け付けたタイミング(入力信号を検出したタイミング)で、撮像する。撮像部31、32によって撮像された各撮像画像は、撮像画像記憶部173に記憶される。そして、本実施形態の読み取り装置10は、撮像画像記憶部173に記憶された各撮像画像を認識する処理を行う。
【0090】
また、図2(A)に示すように、本体下部4には、第2のディスプレイ12が設けられている。また本体下部4には、スライドパッド13、十字キー14、電源ボタン15、ボタン16、セレクトボタン17、ホームボタン18、スタートボタン19、などの入力部(操作部)160が設けられている。なお、読み取り装置10は、操作者が音入力(音声入力)を行うための音入力装置(マイク)が設けられていてもよい。
【0091】
また、本実施形態の第2のディスプレイ12は、液晶ディスプレイとタッチパネルとが積層されて構成されており、第2のディスプレイ12の表示領域に対する接触操作位置を検出できるようになっている。そして本実施形態では、操作者にタッチペン17あるいは指により第2のディスプレイ12に対して接触操作を行わせ、その接触操作位置を検出する。
【0092】
3.本実施形態の手法
3.1 概要
本実施形態では、読み取り装置10の撮像部30(例えば、撮像部31、32)によって、対象物(例えば、カード)を撮像し、撮像された2つの撮像画像それぞれから対象物の真正を示す所定情報を認識することができるか否かを判断する。そして、撮像部30によって撮像された2つの撮像画像のうち一方の撮像画像において所定情報を認識でき、他方の撮像画像において所定情報を認識できない場合に、真の対象物であると判定する処理を行う。
【0093】
より具体的に説明すると、本実施形態では、対象物40の一例として所定の大きさの長方形のカード(印刷媒体)を用いる。このカード40は、印刷面の所定領域(シンボル記録領域、コード記録面)に見る方向によって色が変化する偏光インク等の特殊インク、レンチキュラー、エンボス加工等の特殊加工が施されている。そして、本実施形態では、カード40の印刷面に特殊加工が施されたカードを、真のカード(正規のカード)として取り扱う。例えば、図4(A)に示すように、特殊インクが施されたコードが記録されたカード40は、位置P0からカードの方向R1から見たときには、コードを見ることができる。一方、図4(B)に示すように、位置P1からカードの方向R2から見たときには、コードを見ることができない。
【0094】
そして、本実施形態では、撮像部30によって、異なる位置で撮像して得られた2つの撮像画像の認識処理を行うことによって、真贋判定(真偽判定)を行っている。つまり、図5に示すように、本実施形態の読み取り装置10は、撮像部31に撮像された撮像画像61からコードを認識し、撮像部32に撮像された撮像画像62からコードを認識しない場合に、真のカードと判定する。
【0095】
一方、所定領域にいずれの方向からも視認可能な通常のインクが施された偽のカード50が存在する。例えば、図6(A)に示すように、通常インクが施されたコードが記録されたカード50は、位置P0からカード50の方向R1から見たときには、コードを見ることができるし、図6(B)に示すように、位置P1からカード50の方向R2から見たときにも、コードを見ることができる。本実施形態の読み取り装置10は、コード部分に通常のインクが施されたカードを、偽のカードと判定する。
【0096】
つまり、図7に示すように、本実施形態の読み取り装置10は、撮像部31から撮像された撮像画像71にコードが撮像されるのでコードを認識することができる。また、読み取り装置10は、撮像部32から撮像された撮像画像72にコードが撮像され、コードを認識することができる。このように、両方の撮像画像71、72においてコードを認識することができる場合に、偽のカードであると判定する。
【0097】
このように、本実施形態では、偏光インク等が施されたカードを、正規のカードとして扱っているので、複写機等による偽造が困難となる。つまり、本実施形態によれば、偽造防止を図ることが可能なカードを提供することができる。また、本実施形態の読み取り装置によれば、簡易に真贋判定を行うことができる。以下、詳細を説明する。
【0098】
3.2 対象物の説明
まず、読み取り装置10において認識される情報が記録された対象物について説明する。本実施形態の対象物は、撮像部30の被写体となる対象物であり、例えば、カードなどの印刷物(印刷媒体)、画面(表示画面、表示媒体)等の物(媒体)とすることができる。本実施例では、対象物として主に、印刷物を例にとって記載している。なお、対象物が自発光型の画面等の場合は、光の照射等の照明は不要であり、反射光ではなく、直接光を撮像又は、観察することになる。
【0099】
また、本実施形態の対象物に記録されるシンボル(例えば、コード)は、光(可視光)が照射された場合に、見る角度に応じて、シンボルから受光する光の成分が変化する(別の言い方をすれば、見る角度に応じて、シンボルからの反射光の成分が変化する)。なお、光の成分とは、光の色成分及び輝度成分の少なくとも一方である。つまり、観察者が対象物を傾けると、その傾斜角度に応じてコードが見えたり見えなかったり変化するように見える。本実施形態の対象物の例についてより具体的に説明する。
【0100】
3.2.1 シンボルの説明
まず、本実施形態のシンボルについて説明する。本実施形態のシンボルは、コードや、図柄、文字、絵文字、数値、色、模様、色分け模様、無模様、無地、帯状のグラデーション等とすることができる。例えば、コードは、横方向に縞模様状の線の太さによって情報を示す一次元のコードだけでなく、縦横に情報を示す2次元コード(例えば、QRコード(登録商標)、網目模様のコード)としてもよい。また、コードは、白又は黒によって示されるコードでもよいし、色によるコードでもよい。
【0101】
そして、本実施形態の対象物には、シンボルが記録される。ここで、シンボルが対象物に「記録される」とは、シンボルが対象物に「印刷される」、シンボルが対象物に「エンボス加工(凹凸加工)される」、シンボルが対象物に表示されることを意味するが、他の態様でシンボルが対象物に記録されていてもよい。
【0102】
また、本実施形態の対象物に記録されるシンボルは、観察者が受光する光の成分が変化するように記録されている。つまり、対象物に記録されるシンボルは、観察者の見る角度に応じて、光の成分が変化するように見える。
【0103】
したがって、対象物に記録されるシンボルは、本実施形態の読み取り装置10が備える撮像部30の撮像位置に応じて、撮像部30が受光する光の成分が変化することになる。
【0104】
また、本実施形態の対象物に記録されるシンボルは、光源の設定に応じて、反射光の成分が変化するように、シンボルが記録されていてもよい。つまり、光源の強度等の設定に応じて、撮像部30が受光する光の成分が変化するようにシンボルが記録されていてもよい。
【0105】
また、シンボルは、当該対象物の真正を示す所定情報に応じたシンボルとしてもよい。ここで、所定情報とは、対象物の真正を示す情報であり、例えば、シンボルそのものであってもよいし、シンボルが示すデータ、シンボルが示すデータに含まれる対象物の真正を示す特定のデータ、シンボルから認識されるデータ等である。
【0106】
より具体的に説明すると、例えばシンボルがコード(1次元コード、2次元コード)である場合において所定情報に応じたコードとは、例えば、予め定めた対象物の真正を示す数値(文字列でもよい)を含むデータをエンコードしたコードとすることができる。
【0107】
また、例えばシンボルが色である場合において所定情報に応じた色とは、予め定めた対象物の真正を示す色である。例えば、真正を示す色を赤色と定義した場合には、対象物に赤色をシンボルとして記録する。
【0108】
また、例えばシンボルがマークである場合において所定情報に応じたマークとは、予め定めた対象物の真正を示すマークである。例えば、真正を示すマークを円形マークと定義した場合には、対象物に円形マークをシンボルとして記録する。
【0109】
また、本実施形態の対象物には、第2のシンボルが記録されていてもよい。例えば、対象物には、光(例えば、可視光)が照射された場合に、見る角度に応じて、第2のシンボルから受光する光の成分(反射光に含まれる成分)が変化するように、第2のシンボルが記録されていてもよい。また、第2のシンボルは、当該対象物の真正を示す所定情報とは異なる(無関係の)シンボルとしてもよいし、第2のシンボルは、当該対象物の真正を示す第2の所定情報に応じたシンボルとしてもよい。また、対象物には、見る角度に応じて、第1のシンボルから受光する光の第1の成分(反射光の第1の成分)から、第2のシンボルから受光する光の第2の成分(反射光の第2の成分)に変化するように、第1のシンボルと第2のシンボルとが記録されていてもよい。
【0110】
また、本実施形態では、第1のシンボルは、ゲーム情報を決定するための情報に応じたシンボルとしてもよい。例えば、本実施形態の第1のシンボルは、ゲームにおいてキャラクタを決定するために用いる情報、強さパラメータ、体力値パラメータ、アイテム、動画、文字、実行すべきイベントプログラム名、音声などのゲーム情報を、読み取り装置10によって認識可能なシンボルとしてもよい。そして、読み取り装置10において、シンボルが認識され、シンボルによって認識されたゲーム情報を、ゲーム処理で用いるようにしてもよい。なお、第2のシンボルを対象物に記録する場合には、当該第2のシンボルを、ゲーム情報を決定するための情報に応じたシンボルとしてもよい。
【0111】
例えば、本実施形態では、ゲーム情報を決定するための情報(数値や文字列)を含むデータをエンコードし、エンコードしたコードを第1のシンボルとして対象物に記録してもよい。また、本実施形態では、ゲーム情報を決定するための色を第1のシンボルとして対象物に記録してもよいし、ゲーム情報を決定するためのマークを第1のシンボルとして対象物に記録してもよい。
【0112】
3.2.2 シンボルの記録の具体例
本実施形態の対象物40は、対象物40の一部或いは全部にシンボルが記録される。なお、対象物40がカードである場合には、表面、裏面の少なくとも一方にシンボルを記録する。また、対象物40の予め決められた所定領域(シンボルの記録領域)に、シンボルを記録するようにしてもよい。
【0113】
例えば、対象物40は、図8(A)〜(D)に示すように、所定領域(シンボルの記録領域)A1〜A3を設定し、所定領域に、レンチキュラー、カラーシフティング、エンボス加工等を施すことによって、見る方向に応じて色が変化するように形成している。
【0114】
具体的に説明すると、図8(A)に示すように、対象物40の所定領域A1に、可視光が照射された場合に、見る角度に応じて、コードから受光する光の成分(反射光の成分)が変化するように、コードを記録する。言い換えると、所定領域A1に、コード記録面に対する見る角度θの変化に応じて色及び輝度の少なくとも一方が変化する変化部を設ける。
【0115】
例えば、コード記録面に対する見る角度が第1の角度θ1である第1の方向R1から見た場合に所定領域A1においてコードが見え、コード記録面に対する見る角度が第2の角度θ2である第2の方向R2から見た場合に所定領域A1にコードが見えないように、コードを記録する。記録方法は、レンチキュラー、偏光インクや偏光シート、エンボス加工などの印刷手法、立体視映像表示画面に表示するための画像描画がある。
【0116】
また、対象物40は、図8(B)に示すように、対象物40の全体(表面全体及び裏面全体の少なくとも一方)である領域A2を、見る方向に応じて色或いは輝度が変化するように見える特殊印刷、特殊画像を施してもよい。かかる場合は、図8(B)に示すように、領域A2の一部にシンボル(コード)を記録してもよいし、領域A2全体にシンボルを記録してもよい。また、図8(B)に示すように、第1、第2の方向R1、R2において、シンボル(コード)の記録領域以外の領域に見る方向に応じて図柄等を変化させるようにしてもよい。
【0117】
3.2.3 識別マークの記録
本実施形態では、第1のシンボルが記録されている所定領域以外に、いずれの方向からも視認可能な複数の識別マークを対象物に記録するようにしてもよい。例えば、複数の識別マークと所定領域とが、所定の配置関係で配置されているように各識別マークと第1のシンボルを対象物に記録する。このようにすれば、読み取り装置10においてマークM1〜M3を認識することによって、マークM1〜M3の位置関係から、読み取るべき第1のシンボル(コード)がどの部分に記載されているのか容易に判断できる。なお、マークM1〜M3は、いずれの方向からも視認できるように形成されている。マークM1〜M3は、所定領域を抽出するために、いずれの方向からも視認可能に形成される必要があるからである。
【0118】
例えば、図8(C)に示すように、第1の方向R1から見た場合には、所定領域A3においてコードが見え、第2の方向R2から見た場合には、所定領域A3においてコードが見えないように記録され、複数の識別マークM1〜M3はいずれの方向からも視認できるように記録される。
【0119】
そして、図8(C)に示すように、本実施形態では、複数の識別マークM1〜M3が、対象物の所定の位置に所定間隔をおいて配置されている。つまり、対象物40の4隅のうち、3個の識別マークM1〜M3を3隅に配置し、残りの1つの隅にシンボルを記録するための所定領域A3を設定する。本実施形態の識別マークM1〜M3は、同一の中心点をもち、大きさが異なる2つの正方形で構成し、内側の正方形を黒塗りで示しているが、識別マークは識別可能なものであればよい。
【0120】
また、本実施形態の対象物40は、図8(D)に示すように、対象物40に複数のマークM1〜M3を設けて、マークM1〜M3の位置関係に基づき第1のシンボルが記録されている所定領域A3のほかに、情報記録領域(情報記録範囲)Bを設けてもよい。
【0121】
例えば、マークM1〜M3、所定領域A3、情報記録領域Bが、所定の位置関係を有するように予め配置決定すれば、所定領域A3にはカード偽造の判定のための情報を記録し、情報記録領域Bには、他の情報(所与の情報)に応じた第3のシンボルを記録することができるので、読み取り装置10の処理を簡易にすることができる。
【0122】
つまり、図8(D)に示すように、対象物の所定領域A3に、第1の方向R1から見た場合にはコードが見え第2の方向R2から見た場合にコードが見えないようにコードを記録し、さらに、複数の識別マークM1〜M3や情報記録領域Bに記録された別の情報(第3の情報)に応じた第3のシンボル(例えば、第3のコード)は、いずれの方向からも視認できるように記録される。なお、情報記憶領域Bに、第1の方向R1から見た場合に第3のシンボルが見え第2の方向R2から見た場合に第3のシンボルが見えないように当該第3のシンボルを記録するようにしてもよい。
【0123】
3.2.4 シンボルを記録する手法
次に、見る角度に応じて、受光する光の成分(反射光)が変化する記録方法について簡単に説明する。
【0124】
(1)レンチキュラー
本実施形態では、レンチキュラーを用いて、可視光が照射された場合に、見る角度に応じて、シンボルから受光する光の成分(シンボルからの反射光に含まれる成分)が変化するように、シンボルを対象物に記録する。つまり、本実施形態の対象物40所定領域に、レンチキュラーを施すことによって、見る方向に応じて色が変化するように形成してもよい。特に、本実施形態の対象物40は、特定の方向から対象物40を見た場合に、受光する光の成分に第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを記録する。
【0125】
レンチキュラーとは、シート状のレンチキュラーレンズを用いて、見る角度によって絵柄が変化したり、立体感が得られたりする物(印刷物、裸眼式の立体視ディスプレイ)である。
【0126】
例えば、図9に示すように、レンチキュラーシート(レンチキュラーレンズ)は、表面に微細な細長い蒲鉾上の凸レンズが無数に並んだシートであり、このシートは透明なプラスチック製である。そして、レンチキュラーシートにシンボルを印刷した印刷物を貼り合わせ、或いは、レンチキュラーシートの裏面そのものに直接シンボルを印刷することにより、レンチキュラーを生成する。
【0127】
なお、印刷物を貼り合わせる場合は、2つのシンボルを細長く短冊状に切り、切り取られた各シンボルの短冊を交互にインターレース状に、2つのシンボルの短冊の組み合わせが、1つの凸レンズが載るように貼り合せる(印刷する)。また、3次元ディスプレイでは、ピクセルの列とレンチキュラーのレンズの並びを一致させ、一列おきに異なるシンボルを表示させる。
【0128】
例えば、図9に示すように、シンボルEの色と、シンボルFの色が交互に並び、見る角度によって片方のシンボルを見ることができる。例えば、視点P2の場合は、シンボルEの色が見え、視点P3の場合には、シンボルFの色を見ることができる。
【0129】
本実施形態において、所定領域にレンチキュラーを用いる場合には、シンボルEとして、第1のコードを施し、シンボルFとして第1のコードが記録されていない無地や図柄、或いは、第2のコードを施す。そして、一方の視点位置(視線方向)から第1のコードが見えるようにレンチキュラーを施せばよい。
【0130】
このようにすれば、視点P2から対象物40の所定領域を見た場合に、第1のシンボルから受光する光の成分に第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを記録することができる。また、視点P3から対象物40の所定領域を見た場合に、無地や図柄、或いは、第2のシンボルから受光する光の成分に第2の成分が含まれるように、無地や図柄、或いは、第2のコードを記録することができる。
【0131】
(2)カラーシフティング
本実施形態では、偏光インク(カラーシフトインク)または偏光シート(カラーシフティングシート)を用いて、可視光が照射された場合に、見る角度に応じて、シンボルから受光する光の成分(シンボルからの反射光に含まれる成分)が変化するように、シンボルを対象物に記録してもよい。つまり、本実施形態の対象物40所定領域に、カラーシフティングを施すことによって、見る方向に応じて色が変化するように形成してもよい。特に、本実施形態の対象物40は、特定の方向から対象物40を見た場合に、観察者が受光する光の成分に第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを記録する。
【0132】
例えば、本実施形態の対象物40の所定領域にカラーシフティング(カラーシフティングフィルムやカラーシフトインク)を施し、対象物40の所定領域が見る方向に応じて色が変化するように形成(印刷)する。
【0133】
例えば、カラーシフティングは、薄い高分子膜を積層し、この多層構造によって光の干渉をコントロールするものである。例えば、図10(A)に示すように、視点P4の場合(正面からカラーシフティングを施した対象物を見た場合)は、白色光が目に入射され、図10(B)に示すように、視点P5の場合(カラーシフティングを施した対象物を斜めに見た場合)、白色光のうちシアン色光が目に入射される。
【0134】
本実施形態において所定領域にカラーシフトインクを施す場合には、第1のコードをカラーシフトインクで印刷する。つまり、カラーシフトインクが施された第1のコードは、見る角度に応じて、第1のコードから受光する光の成分(第1のコードからの反射光)が、第1の成分から第2の成分に変化することになる。
【0135】
例えば、第1のコードをカラーシフトインクで印刷すると、第1のコードが特定の方向(例えば視点P5から)見た場合にシアン色光を反射する。本実施形態では、例えば、視点P5から対象物40の所定領域を見た場合に、第1のコードから受光する光の成分(第1のコードからの反射光)に第1の成分(例えば、シアン色の成分)が含まれるように、第1のシンボルを記録する。
【0136】
(3)エンボス加工
本実施形態では、対象物として潜像を有する印刷物を用いる場合には、エンボス加工によって、可視光が照射された場合に、シンボルから受光する光の成分(シンボルからの反射光に含まれる成分)が変化するように、シンボルを対象物に記録してもよい。つまり、本実施形態の対象物40の所定領域に、エンボス加工を施すことによって、見る方向に応じて色が変化するように形成してもよい。特に、本実施形態の対象物40は、特定の方向から対象物40を見た場合に、受光する光の成分に第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを記録する。
【0137】
ここで、エンボス加工は、エンボス版で物に凹凸の段差をつけ、この段差を利用して、見る方向によって色が変化することを利用したものである。本実施形態において所定領域にエンボス加工を施す場合には、第1のコードのエンボス加工を行う。つまり、特定の方向から対象物40の所定領域を見た場合に、第1のシンボルから受光する光の成分(第1のコードからの反射光)に第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを記録する。
【0138】
なお、第1のコードが記録されていない無地の(図柄のない)エンボス加工、或いは、第2のコードが記録されるエンボス加工を行うようにしてもよい。
【0139】
(4)立体視映像表示画面
本実施形態では、対象物として立体視映像表示画面を用いる場合には、立体視映像表示画面を見る角度に応じて、第1のシンボルから受光する光の成分が変化するように、第1のシンボルに基づく画像を生成する。特に、本実施形態の対象物40は、特定の方向から対象物40を見た場合に、受光する光の成分に第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを記録する。
【0140】
本実施形態において立体視画像を生成する場合には、第1のコードが描画された画像と、第1のコードが記録されていない画像(例えば、無模様(無地)の画像)、或いは、第2のコードが描画された画像とを合成して、立体視画像を生成するようにすればよい。
【0141】
例えば、特定の方向から対象物40の所定領域を見た場合に、第1のコードから受光する光の第1の成分が含まれるように、第1のシンボルを表示する。
【0142】
また、別の方向から対象物40の所定領域を見た場合に、無地や図柄、或いは、第2のコードから受光する光の成分に含まれる第2の成分を含むように、無地や図柄、或いは、第2のコードを表示してもよい。
【0143】
なお立体視映像表示画面は、フラットパネルディスプレイ等であり、表示画面に、表示画面と略平行にレンズ板を配置したものである。レンズ板は、上述したレンチキュラーとしてもよい。また、レンチキュラーの他、裸眼立体視が可能な構成であればよい。
【0144】
3.2.5 シンボルの他の例
本実施形態の対象物に記録するシンボルは、コードに限らず、色、マーク、図柄、模様、帯状のグラデーションなどとすることができる。例えば、図11(A)に示すように、対象物40の所定領域A1に、見る方向に応じて異なる色を施してもよい。具体的には、図11(A)に示すように、対象物40の所定領域A1に、第1の方向(例えば対象物40のコード記録面に対する見る角度が第1の角度θ1である第1の方向R1)から見た場合に、観察者が受光する光の色成分(反射光の色成分)が赤色となるように、赤色を記録する。また、対象物40の所定領域A1に、第2の方向(例えば対象物40のコード記録面に対する見る角度が第2の角度θ2である第2の方向R2)から見た場合に、観察者が受光する光の色成分(反射光の色成分)が黒色となるように、黒色を記録する。なお、かかる場合は、所定領域A1に記録される赤色の色データを、対象物の真正を示す「所定情報」として予め定義してもよい。また、所定領域A1に記録される赤色の色データを、「第1の所定情報」として予め定義し、所定領域A1に記録される黒色の色データを、「第2の所定情報」として予め定義してもよい。
【0145】
また、本実施形態の対象物は、図11(B)に示すように、対象物40の所定領域A1に、見る方向に応じて異なるマーク(図柄、模様、絵)を施してもよい。具体的には、図11(B)に示すように、対象物40の所定領域A1に、第1の方向(例えば対象物40のコード記録面に対する見る角度が第1の角度θ1である第1の方向R1)から見た場合に、観察者が受光する光の色成分(反射光の色成分)が円形マークの色となるように、黒の円形マークを記録する。また、対象物40の所定領域A1に、第2の方向(例えば対象物40のコード記録面に対する見る角度が第2の角度θ2である第2の方向R2)から見た場合に、観察者が受光する光の色成分(反射光の色成分)が三角形マークの色となるように、三角形のマークを記録する。なお、かかる場合には、所定領域A1に記録される円形マークの形状データを、対象物の真正を示す「所定情報」として予め定義してもよい。また、所定領域A1に記録される円形マークの形状データを、「第1の所定情報」として予め定義し、所定領域A1に記録される三角形マークの形状データを、「第2の所定情報」として予め定義してもよい。
【0146】
また、本実施形態の対象物は、可視光が照射された場合に、見る角度に応じて、第1のコードから受光する光(反射光)の第1の成分から、第2のコードから受光する光(反射光)の第2の成分に変化するように形成してもよい。例えば、図11(C)に示すように、対象物40の所定領域A1に、見る方向に応じて異なるコードを施してもよい。具体的には、図11(C)に示すように、対象物40の所定領域A1に、第1の方向(例えば対象物40のコード記録面に対する見る角度が第1の角度θ1である第1の方向R1)から見た場合に、観察者が受光する光の色成分(反射光の色成分)が第1のコードC1の色となるように、第1のコードC1を記録する。また、対象物40の所定領域A1に、第2の方向(例えば対象物40のコード記録面に対する見る角度が第2の角度θ2である第2の方向R2)から見た場合に、観察者が受光する光の色成分(反射光の色成分)が第2のコードC2の色となるように、第2のコードC2を記録する。このようにすれば、限られた領域A1において、複数の情報(例えば、第1、第2のコード)を記録することができる。なお、かかる場合には、所定領域A1に記録される第1のコードのコードデータに含まれる数値を、対象物の真正を示す「所定情報」として予め定義してもよい。また、所定領域A1に記録される第1のコードのコードデータに含まれる数値を、「第1の所定情報」として予め定義し、所定領域A1に記録される第2のコードのコードデータに含まれる数値を、「第2の所定情報」として予め定義してもよい。
【0147】
なお、本実施形態の対象物40には、見る方向に応じて受光する光の成分(反射光の成分)が異なる領域を複数設けてもよい。かかる場合には、各領域をマークM1〜M3の位置関係に基づいて設定するようにしてもよい。
【0148】
3.3 認識処理
本実施形態の読み取り装置10は、対象物を撮像し、撮像画像の認識処理を行う。例えば、見る角度に応じて観察者が受光する光の成分(反射光の成分)が変化する対象物40を撮像し、撮像された撮像画像の認識処理を行う。
【0149】
上述したように、図4に示すように、人間の目において、対象物40から受光する光の成分(反射光の成分)は、見る角度に応じて第1の成分から第2の成分に変化する。したがって、本実施形態の読み取り装置10は、このような観察者が受光する光の成分(反射光の成分)の変化を利用して、コードの認識処理を行う。
【0150】
また、本実施形態の読み取り装置10は、例えば、図12に示すように、2つの撮像部31、32が各撮像位置P6、P7において、同一の被写体である対象物40を同じタイミングで撮像してもよい。また、読み取り装置10は、1つの撮像部で、対象物40を撮像してもよい。
【0151】
本実施形態の認識処理について詳細に説明すると、例えば、読み取り装置10は、撮像部31によって、コードの光の成分を少なくとも受光する第1の撮像位置P6から、当該コードとは認識できない光の成分を少なくとも受光する第2の撮像位置P7から対象物40を撮像する。そして、本実施形態の読み取り装置10は、第1の撮像位置P6から撮像された第1の撮像画像、及び、第2の撮像位置P7から撮像された第2の撮像画像の認識処理を行う。
【0152】
そして、読み取り装置10は、例えば、取得した第1、第2の撮像画像から、対象物の真正を示す所定情報を認識できるか否かを判定する。
【0153】
具体的には、読み取り装置10は、所定情報(第1の所定情報)を認識の可否を示すフラグFC1を1又は0に設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識した場合にはFC1=1に設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識しない(認識エラー)の場合にはFC1=0に設定する。具体的には、図5に示すように、本実施形態の読み取り装置10は、撮像位置P6から撮像部31によって撮像された撮像画像61において所定情報(第1の所定情報)を認識した場合には、FC1=1に設定する。同様に、撮像位置P7から撮像部32によって撮像された撮像画像62において所定情報(第1の所定情報)を認識しない場合には、FC1=0に設定する。
【0154】
なお、読み取り装置10は、第2の所定情報を認識の可否を示すフラグFC2を1又は0に設定し、第2の所定情報を認識した場合にはFC2=1に設定し、第2の所定情報を認識しない(認識エラー)の場合にはFC2=0に設定するようにしてもよい。
【0155】
読み取り装置10において、撮像画像から第1の所定情報を認識できるか否かを判定する処理は次のように行う。例えば、一定のしきい値を用いて撮像画像において反射光(受光する光)の輝度が高い部分(白い部分)を「0」、輝度が低い部分(黒い部分)を「1」に変換する。そして、変換されたデータが、第1の所定情報に適合する場合(例えば、適合率が所定適合率以上の場合)に認識可と判定する。一方、第1の所定情報に適合しない場合(例えば、適合率が所定適合率以下である場合)に、認識不可と判定する。また、認識可否の判定処理は、予め定義された第1の所定情報の画像パターンと撮像画像とのパターンマッチングを行い、その適合度に基づいて判定してもよい。なお、撮像画像から第2の所定情報を認識できるか否かを判定する処理も、撮像画像から第1の所定情報を認識できるか否かを判定する処理と同様に処理を行う。
【0156】
また、読み取り装置10において、認識したコードデータ(コードをデコードしたデコードデータ)に真正を示す数値が存在するか否かに基づいて、撮像画像から第1の所定情報を認識できるか否かを判定する処理を行ってもよい。例えば、コードデータに真正を示す数値が存在する場合に、認識可と判定し、コードデータに真正を示す数値が存在しない場合に、認識不可と判定してもよい。
【0157】
また、読み取り装置10において、撮像画像から真正を示す色の画素数が所定数以上存在するか否かに基づいて、撮像画像から第1の所定情報を認識できるか否かを判定する処理を行ってもよい。例えば、撮像画像から真正を示す色の画素数が所定数以上存在する場合に、認識可と判定し、撮像画像から真正を示す色の画素数が所定数以上存在しない場合に、認識不可と判定してもよい。
【0158】
また、認識可否の判定処理は、予め定義された第1の所定情報の画像パターンと撮像画像とのパターンマッチングを行い、その適合度に基づいて判定してもよい。
【0159】
なお、撮像画像から第2の所定情報を認識できるか否かを判定する処理も、撮像画像から第1の所定情報を認識できるか否かを判定する処理と同様に処理を行う。
【0160】
また、本実施形態では、図8(C)に示すように、対象物40にマークM1〜M3が施されている場合には、図13(C)に示すように、撮像画像上におけるマークM1〜M3の位置関係から認識処理対象のコード範囲CR1を特定してもよい。なお、コード範囲は、撮像画像上の範囲であり、対象物40の所定領域に対応する範囲である。このようにすれば、撮像画像上の認識すべき範囲が限られるので処理負荷を軽減することができる。
【0161】
例えば、図13(A)に示すように、撮像画像63を取得した場合には、図13(B)に示すように、マークM1〜M3それぞれの位置Q1〜Q3を認識する。そして、図13(C)に示すように、撮像画像63の位置Q1〜Q3の位置関係から、コード範囲CR1を特定する処理を行う。そして、本実施形態では、特定されたコード範囲CR1内で認識処理を行う。例えば、所定情報(第1の所定情報)を認識できる場合にはFC1=1を設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識できない場合はFC1=0を設定する。
【0162】
また、本実施形態では、図8(D)に示すように対象物40にマークM1〜M3と、他のコードが記載されている場合には、マークM1〜M3の位置関係から認識すべき複数のコード範囲CR11、CR12を特定する処理を行う。
【0163】
例えば、撮像部31において撮像した撮像画像を取得する。そして、例えば、図14(A)に示すように、撮像画像65を取得した場合には、図14(B)に示すように、マークM1〜M3それぞれの位置Q11〜Q13を認識する。そして、図14(C)に示すように、撮像画像65の位置Q11〜Q13の位置関係から、コード範囲CR11、R12を特定する処理を行う。そして、本実施形態では、特定されたコード範囲CR11、R12内で、コードを認識する処理を行う。
【0164】
例えば、コード範囲CR11で、所定情報(第1の所定情報)を認識する場合にはFC1=1を設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識できない場合はFC1=0を設定する。また、コード範囲CR12において、コードを認識できた場合には、そのコードから得られる情報をゲーム処理に用いる。
【0165】
なお、本実施形態の認識処理は、複数の撮像部が異なるタイミングで同一対象物40を撮像してもよい。かかる場合は、対象物40は静止していることが好ましい。また、本実施形態では、3つ以上の撮像部を備えていてもよく、3つ以上の撮像画像から情報を認識してもよい。
【0166】
また、本実施形態では、撮像画像のコード、識別マークを認識する処理を行っているが、コードや識別マークだけでなく、図柄、絵、文字、色などの識別可能なシンボルを認識する処理を行ってもよい。
【0167】
3.4 真贋判定処理
本実施形態では、所定情報の認識結果に基づいて、対象物40の真贋判定処理を行う。
【0168】
3.4.1 真贋判定処理例1
本実施形態では、撮像部によって撮像された第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から所定情報(第1の所定情報)を認識し、他方の撮像画像から所定情報(第1の所定情報)を認識しない場合に、対象物を真(本物)と判定する処理を行う。そして、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、両方の撮像画像から所定情報を認識する場合、又は、両方の撮像画像から所定情報を認識しない場合には対象物40は偽(偽物)であると判定する。
【0169】
例えば、図5に示すように、本実施形態の読み取り装置10は、撮像部31から撮像された撮像画像61の所定情報(第1の所定情報)の認識可否を示すフラグFC1が1、撮像部32から撮像された撮像画像62のフラグFC1が0の場合は、真と判定する。なお、撮像画像61のフラグFC1が0であって撮像画像62のフラグFC1が1の場合も、真と判定する。
【0170】
例えば、図7に示すように、偽造品50である場合には、読み取り装置10は、撮像部31から撮像された撮像画像71のフラグFC1が1、撮像部32から撮像された撮像画像72のフラグFC1が1で同じ値であるので、対象物50が偽物であると判定する。なお、2つの撮像画像のフラグFC1が共に0の場合も対象物50が偽物であると判定する。このように、本実施形態の読み取り装置10によれば、簡易に本物、偽物の区別を行うことができる。
【0171】
3.4.2 真贋判定処理例2
また、本実施形態では、撮像部によって撮像された第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し、他方の撮像画像から第2の所定情報を認識した場合に、対象物を真(本物)と判定する処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、第1の所定情報の認識、第2の所定情報の認識という2段階の認識処理があるので、真贋判定をより適確に行うことができる。例えば、本実施形態の読み取り装置10は、撮像部31から撮像された撮像画像61のフラグFC1(第1の所定情報を認識可否を示すフラグFC1)が1であって、かつ、撮像部32から撮像された撮像画像62フラグFC2(第2の所定情報の認識可否を示すフラグFC2)が1の場合は、真と判定してもよい。或いは、撮像画像61のフラグFC2が1であって、かつ、撮像画像62のFC1が1の場合は、真と判定してもよい。
【0172】
3.4.3 真贋判定処理例3
さらに、本実施形態では、図15に示すように、取得した各撮像画像から認識した情報F1、F2の組み合わせが、予め定義された組み合わせパターンと一致している場合は真と判定し、そうでない場合は偽と判定してもよい。各撮像画像から認識した情報F1、F2とは、撮像画像から認識した認識結果情報であり、例えば、コードデータ、当該コードデータを解析したデータ(コードデータに含まれる情報)、色情報、画像情報等である。また、各撮像画像から認識した情報F1、F2は、認識される所定情報(第1の所定情報、第2の所定情報)としてもよい。
【0173】
例えば、図15に示すように、各撮像画像の認識した情報F1、F2の組み合わせが(DA,D1)又は(D1,DA)である場合には、ID=1のパターンに対応するので、真と判定する。一方、各撮像画像の情報F1、F2の組み合わせが(DA,DA)等のように同じ場合や、或いは、図15に示すように予め決めた定義パターンに存在しない場合には、偽と判定する。このようにすれば、より真贋判定を適確に行うことができる。
【0174】
3.4.4 共通性判定処理
また、本実施形態では、撮像部によって撮像された各撮像画像において、共通のマークM1〜M3の認識結果に基づき各撮像画像の共通性(同一性)を判定し、共通性を有すると判定した場合に、真贋判定を行うようにしてもよい。つまり、共通性を有しない場合には偽物と判定する。このようにすれば、例えば、2つの撮像画像の被写体である対象物40が異なる場合や、ゲームで用いる対象物40とは全く別の物を被写体としている場合の撮像等を排除することができ、不正な撮像を防止することができる。
【0175】
例えば、本実施形態では、第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とにおいて識別マークM1〜M3を検出した場合に、共通性を有すると判定する。本実施形態の対象物40は、いずれの方向からも視認可能な複数の識別マークそれぞれが、各所定位置に記録されているので、第1の撮像画像上の各識別マークの位置関係と、第2の撮像画像上の各識別マークの位置関係とを比較し、比較結果が所定の位置関係条件を満たす場合に、共通性を有すると判定してもよい。
【0176】
また、本実施形態の読み取り装置10は、撮像部31の撮像位置P6から撮像部32の撮像位置P7までの距離や、撮像部31、32の撮像方向が予め決められている。したがって、撮像部31の撮像位置P6から撮像部32の撮像位置P7までの距離、及び、識別マークM1〜M3の撮像画像上の位置座標Q1〜Q3と、に基づき、撮像位置P6に対する対象物40の距離N1及び撮像位置P7に対する対象物40の距離N2を求めることができる。例えば、本実施形態では、距離N1、N2を求め、距離N1、距離N2の差分値が所定値以下である場合(所定の位置関係条件を満たす場合)は、同一性があると判定するようにしてもよい。
【0177】
本実施形態の読み取り装置10は、撮像部31の撮像位置P6から撮像部32の撮像位置P7までの距離だけでなく、撮像部31、32の撮像方向が予め決められている。したがって、撮像部31の撮像位置P6から撮像部32の撮像位置P7までの距離、及び、識別マークM1〜M3の撮像画像上の位置座標Q1〜Q3と、に基づき、撮像位置P6に対する対象物40の向き(姿勢)U1及び撮像位置P7に対する対象物40の向き(姿勢)U2を求めることができる。例えば、本実施形態では、向きU1、U2を求め、向きU1、U2の差分値が第2の所定値以下である場合(所定の向き関係条件を満たす場合)は、同一性があると判定するようにしてもよい。
【0178】
3.5 決定処理
また、本実施形態では、真贋判定によって真と判定された場合に、少なくとも1つの撮像画像から認識される情報(撮像画像から認識した認識結果情報、例えば、コードデータ、当該コードデータを解析したデータ(コードデータに含まれる情報)、認識される所定情報(第1の所定情報、第2の所定情報)、色情報、画像情報等)に基づいて、ゲーム情報を決定するようにしてもよい。
【0179】
例えば、本実施形態では、撮像画像から認識される情報に基づいて、プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタを決定する処理を行うことができる。
【0180】
例えば、第1の撮像画像の認識処理、及び、第2の撮像画像の認識処理の少なくとも一方で情報Fを得た場合、図16に示すように、撮像画像から認識される情報(例えば、情報F)が「DA」である場合には、「DA」に対応するキャラクタは「人間」であるので、予め記憶部に記憶されている「人間」のキャラクタを、プレーヤキャラクタとして決定する処理を行う。
【0181】
また、例えば、図11(C)に示すように、第1のコードC1と、第2のコードC2とが記録された対象物を読み取る場合は、第1、第2の撮像画像でコードC1、C2に応じた2つの情報を認識する場合がある。かかる場合は、2つの情報に基づいてキャラクタを決定してもよい。例えば、図15に示すように、第1の撮像画像F1により認識した第1の情報がDAであり、第2の撮像画像により認識した第2の情報F2がD1である場合には、複数の人間のキャラクタのうち「人間1」のキャラクタをプレーヤキャラクタとして決定する。このように、複数の情報があれば、バラエティーに富んだキャラクタを用意することができる。
【0182】
3.6 真贋判定処理の流れ
次に、真贋判定の処理の流れについて、図17を用いて説明する。まず、対象物を撮像した複数の撮像画像を取得する。例えば、複数の異なる撮像位置から対象物を撮像した撮像画像を取得する(ステップS1)。
【0183】
次に、各撮像画像において共通性を有するか否かを判定する(ステップS2)。そして、各撮像画像において共通性を有する場合(ステップS2のY)、ステップS3に進む。一方、各撮像画像において共通性がないと判定された場合(ステップS2のN)、偽の判定(ステップS5)を行う。
【0184】
次に、各撮像画像のコード範囲に差異があるか否かを判定する(ステップS3)。例えば、撮像部31で撮像した撮像画像、撮像部32で撮像した撮像画像のうち、一方の撮像画像から所定情報を認識可、他方の撮像画像から所定情報を認識不可の組み合わせであるか否かを判定する。
【0185】
そして、各撮像画像のコード範囲に差異がある場合(ステップS3のY)、例えば、一方の撮像画像から所定情報を認識可、他方の撮像画像から所定情報を認識不可の組み合わせである場合には、真と判定する(ステップS4)。
【0186】
一方、各撮像画像のコード範囲に差異がない場合(ステップS3のN)、例えば、両方の撮像画像から所定情報を認識可、或いは、両方の撮像画像から所定情報を認識不可である場合には、偽と判定する(ステップS5)。以上で処理が終了する。
【0187】
3.7 その他
3.7.1 撮像部の数
本実施形態では、複数の撮像部31、32によって、2つの撮像画像を取得しているが、撮像部は少なくとも1つでもよい。例えば、図18(A)に示すように、1つの撮像部30が撮像位置P8から対象物40を撮像する。そして、図18(B)に示すように、撮像部30を移動させて、P8とは異なる位置P9を撮像部30の新たな撮像位置として設定し、位置P9から対象物40を撮像する。なお、対象物40は、固定に設定してもよいし、可変に設定してもよい。つまり、本実施形態では、撮像位置P8で撮像した撮像画像と、撮像位置P9で撮像した撮像画像の2つの撮像画像を取得するようにしてもよい。
【0188】
3.7.2 対象物の設定
本実施形態では、対象物40の位置を可変に設定してもよい。例えば、図19(A)に示すように、対象物40の代表点(中心点)が位置P40に位置するように設定し、撮像部30が位置P40に位置する対象物40を撮像する。そして、図19(B)に示すように、対象物40(対象物40の代表点)を位置P40から位置P41に移動させる。そして、撮像部30がP41に位置する対象物40を撮像する。なお、撮像部30は、固定に設定してもよいし、可変に設定してもよい。つまり、本実施形態では、対象物40を位置P40に配置した際の撮像画像と、対象物40を位置P41に配置した際の撮像画像の2つの撮像画像を取得するようにしてもよい。
【0189】
3.7.3 自然光の遮蔽
本実施形態では、対象物40に照射する自然光を光(可視光)の一例としてもよいが、自然光を遮蔽し、自然光とは別の光源(可視光の光源)を対象物40に照射してもよい。
【0190】
例えば、図20に示すように、自然光L1からの対象物40への照射を遮蔽物70によって遮蔽する。なお、撮像部30は、対象物40を撮像できるように、遮蔽物70の内側(対象物が存在する側)に配置設定する。
【0191】
そして、遮蔽物70で囲まれる自然光が遮られた範囲AR内の光源位置LP2に、光源L2を設定し、光源L2からの光を対象物40に照射する。このようにすれば、環境を問わず、確実に光源L2からの光を対象物40に照射することができる。なお、自然光を遮蔽する場合、自然光全てを遮蔽する場合でもよいし、自然光の一部の遮蔽するようにしてもよい。
【0192】
4.変形例
4.1 概要
上述した例では、本実施形態では、撮像部30(例えば、撮像部31、32)によって、対象物(例えば、カード)を撮像し、撮像された2つの撮像画像それぞれから対象物の真正を示す所定情報を認識することができるか否かを判断したが、読み取り装置10が備える光源(発光部)を可変に設定して、複数の撮像画像を取得するようにしてもよい。そして、取得された複数の撮像画像のうち一方の撮像画像において所定情報を認識でき、他方の撮像画像において所定情報を認識できない場合に、真の対象物であると判定する処理を行うようにしてもよい。
【0193】
例えば、図21(A)(B)に示すように、真上から特殊インクが施されたコードが記録されたカード(対象物40の一例)を見た場合について説明する。例えば、図21(A)に示すように、光源位置LP3から照射方向LR1でカード(対象物)40を照射すると、コードを見ることができる。一方、図21(B)に示すように、光源位置LP4から照射方向LR2でカード(対象物)40を照射すると、コードを見ることができない。
【0194】
つまり、本実施形態の変形例では、光源を多様に設定することによって、異なる光源の設定で撮像された2つの撮像画像の認識処理を行うことによって、真贋判定(真偽判定)を行っている。
【0195】
例えば、図21(A)(B)に示すように、読み取り装置10は、図21(A)の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像からコードを認識し、図21(B)の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像からコードを認識しない。かかる場合に、真のカードと判定する。
【0196】
一方、所定領域にいずれの方向からも視認可能な通常のインクが施された偽のカード50が存在する。例えば、図22(A)に示すように、通常インクが施されたコードが記録されたカード50に対して、光源位置LP3から照射方向LR1で照射すると、コードを見ることができるし、図22(B)に示すように、光源位置LP4から照射方向LR2で照射した場合もコードを見ることができる。かかる場合、読み取り装置10は、コード部分に通常のインクが施されたカードを、偽のカードと判定する。
【0197】
つまり、図22(A)(B)に示すように、読み取り装置10は、図22(A)の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像からコードを認識し、図22(B)の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像からコードを認識する。かかる場合に、偽のカードと判定する。
【0198】
本実施形態の変形例においても、上述したように、偏光インク等が施された対象物40(例えば、カード)を、正規の対象物として扱っている。つまり、対象物40に記録されるシンボル(例えば、コード)は、光(可視光)が照射された場合に、見る角度に応じて、シンボルからの反射光(シンボルから受光する光)が変化するものである。以下、変形例の詳細を説明する。
【0199】
4.2 光源の設定
本実施形態の変形例の読み取り装置10は、まず対象物を照射するための少なくとも1つの光源を可変に設定する。例えば、読み取り装置10は、少なくとも1つの光源に対して、第1の光源設定と第2の光源設定とを排他的に行う。
【0200】
つまり、本実施形態の変化例の読み取り装置は、第1、第2の光源設定を行う。例えば、撮像部30が、対象物40に記録されたシンボルから受光する光の成分(反射光の成分)が異なるように、第1、第2の光源設定を行う。そして、第1、第2の光源設定時それぞれにおいて、撮像部が対象物40を撮像して、2つの撮像画像を取得し、取得した2つの撮像画像に基づいて認識処理を行う。
【0201】
4.2.1 光源の設定の具体例1(光源の強度)
本実施形態の変形例では、例えば、光源の強度を可変に設定してもよい。ここで、光源の強度とは、輝度、光度、照度、光度エネルギー、光束、光束発散度、視感度、発光効率の少なくとも1つである。
【0202】
例えば、図23(A)(B)に示すように、光源位置を変化させることによって、光源の強度を可変に設定してもよい。つまり、図23(A)に示すように、光源L4が、光源位置LP5から対象物40を照射する。その後、光源L4を、光源位置LP5よりも強い強度で対象物40を照射可能な光源位置LP6に移動させる。つまり、光源L4を対象物40に近づける。そして、光源位置をLP6に移動させると、図23(B)に示すように、光源L4が、光源位置LP6から対象物40を照射する。なお、光源位置LP6は、光源L4を対象物から遠ざけて、光源位置LP5よりも弱い強度で対象物40を照射可能な位置に移動させてもよい。
【0203】
つまり、本実施形態では、異なる強度の複数の光源位置(第1、第2の光源位置)を設定する。そして、第1の光源位置から照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2の光源位置から照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得する。
【0204】
また、図24(A)(B)に示すように、光源L5を調光することによって、光源の強度を可変に設定してもよい。つまり、図24(A)に示すように、光源L5が、光源位置LP7から第1の強度値d1で対象物40を照射する。その後、光源L5を第1の強度値d1よりも強い第2の強度値d2(d1<d2)に調光させ、図24(B)に示すように、光源L5が、光源位置LP7から第2の強度値d2で対象物40を照射する。なお、第2の強度値d2は、第1の強度値d1よりも弱い強度としてもよい。
【0205】
つまり、本実施形態では、異なる強度の複数の強度値(第1、第2の強度値)を設定する。そして、第1の強度値によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2の強度値によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得する。
【0206】
また、本実施形態では、後述する光源の照射方向を変化させたり、光源の照射数を変化させることによって、光源の強度を可変に設定してもよい。
【0207】
4.2.2 光源の設定の具体例2(光源の明度)
また、本実施形態の変形例では、例えば、光源の明度を可変に設定してもよい。なお、光源の明度とは、光源のRGBの各成分の各明度を含む。光源の明度の設定は、光源の強度と同様に行うことができる。
【0208】
例えば、図23(A)(B)に示すように、光源位置を変化させることによって、光源の明度を可変に設定してもよい。つまり、図23(A)に示すように、光源L4が、光源位置LP5から対象物40を照射する。その後、光源L4を、光源位置LP5よりも明るい明度で対象物40を照射可能な光源位置LP6に移動させる。つまり、光源L4を対象物40に近づける。そして、光源位置をLP6に移動させると、図23(B)に示すように、光源L4が、光源位置LP6から対象物40を照射する。なお、光源位置LP6は、光源L4を対象物から遠ざけて、光源位置LP5よりも弱い明度で対象物40を照射可能な位置に移動させてもよい。
【0209】
つまり、本実施形態では、異なる明度の複数の光源位置(第1、第2の光源位置)を設定する。そして、第1の光源位置から照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2の光源位置から照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得する。
【0210】
また、図24(A)(B)に示すように、光源L5を調光することによって、光源の明度を可変に設定してもよい。つまり、図24(A)に示すように、光源L5が、光源位置LP7から第1の明度値e1で対象物40を照射する。その後、光源L5を第1の明度値e1よりも強い第2の明度値e2(e1<e2)に調光させ、図24(B)に示すように、光源L5が、光源位置LP7から第2の明度値e2で対象物40を照射する。なお、第2の明度値e2は、第1の明度値e1よりも弱い明度としてもよい。
【0211】
つまり、本実施形態では、異なる明度の複数の明度値(第1、第2の明度値)を設定する。そして、第1の明度値によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2の明度値によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得する。
【0212】
また、光源の明度を設定する際は、光のRGBの3つ成分のうち、少なくとも1つの成分(例えば、R成分のみ)を変化させるようにしてもよい。例えば、本実施形態では、異なるR成分の複数の明度値(第1、第2のR成分の明度値)を設定する。そして、第1のR成分の明度値によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2のR成分の明度値によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得するようにしてもよい。なお、G成分、B成分についても同様に変化させて2つの撮像画像を取得するようにしてもよい。
【0213】
また、本実施形態では、後述する光源の照射方向を変化させたり、光源の照射数を変化させることによって、光源の明度を可変に設定してもよい。
【0214】
4.2.3 光源の設定の具体例3(光源の照射方向)
また、本実施形態の変形例では、光源の照射方向を可変に設定してもよい。例えば、図21(A)に示すように、対象物40(カード等)のコード記録面と照射方向LR1とのなす角度θ1から、図21(B)に示すように対象物40(カード等)のコード記録面と照射方向LR2とのなす角度θ2(θ1>θ2)に変化させて設定するようにしてもよい。逆に、対象物40(カード等)のコード記録面と照射方向LR1とのなす角度を、θ2からθ1に変化させて設定するようにしてもよい。
【0215】
つまり、本実施形態では、異なる複数の照射方向(第1、第2の照射方向)を設定する。そして、第1の照射方向によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2の照射方向によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得する。
【0216】
4.2.4 光源の設定の具体例4(光源の照射数)
また、本実施形態の変形例では、例えば、光源の照射数を可変に設定してもよい。例えば、図25(A)に示すように、対象物40を照射する光源の数が1つ(光源L6)から、図25(B)に示すように、対象物40を照射する光源の数を2つ(光源L6、L7)に変化させて設定するようにしてもよい。つまり、対象物40に照射する光源の照射数を増加させるように設定してもよい。逆に、対象物40を照射する光源の照射数を減らすように設定してもよい。なお、光源自体の数を3つ以上とし、対象物40を照射する(オンにする)光源の照射数は3つ以上としてもよい。
【0217】
つまり、本実施形態では、光源の照射数が異なる複数の光源設定(第1の照射数の設定、第2の照射数の設定)を行う。第1の照射数によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、第2の照射数によって照射された対象物を撮像した撮像画像と、を取得する。
【0218】
4.2.5 その他
なお、本実施形態では、複数の光源設定を行うが、光源の強度、明度、照射方向、照射数の少なくとも1つが異なるように、複数の光源設定を行うようにしてもよい。また、他の態様で異なる複数の光源設定を行うようにしてもよい。
【0219】
4.3 認識処理
次に、本実施形態の変形例の読み取り装置10は、第1の光源設定時に対象物を撮像した第1の撮像画像と、第2の光源設定時に対象物を撮像した第2の撮像画像とを取得し、第1、第2の撮像画像の認識処理とを行う。なお、本実施形態の変形例では、光源設定の変化状況に応じて、撮像部30が撮像するタイミングを変化させるようにしている。なお、撮像部30は少なくとも1つあればよく2以上でもよい。
【0220】
本実施形態の変形例の読み取り装置10は、例えば、取得した第1、第2の撮像画像から、対象物の真正を示す所定情報を認識できるか否かを判定する。
【0221】
具体的には、読み取り装置10は、所定情報(第1の所定情報)を認識の可否を示すフラグFC1を1又は0に設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識した場合にはFC1=1に設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識しない(認識エラー)の場合にはFC1=0に設定する。具体的には、第1の光源設定時に撮像部30によって撮像された撮像画像81において所定情報(第1の所定情報)を認識した場合には、FC1=1に設定する。同様に、第2の光源設定時に撮像部30によって撮像された撮像画像82において所定情報(第1の所定情報)を認識しない場合には、FC1=0に設定する。
【0222】
なお、読み取り装置10は、第2の所定情報を認識の可否を示すフラグFC2を1又は0に設定し、第2の所定情報を認識した場合にはFC2=1に設定し、第2の所定情報を認識しない(認識エラー)の場合にはFC2=0に設定するようにしてもよい。
【0223】
読み取り装置10において、撮像画像から第1の所定情報を認識できるか否かを判定する処理、撮像画像から第2の所定情報を認識できるか否かを判定する処理等は、上述した通りである。
【0224】
また、本実施形態の変形例においても、上述したように、図8(C)に示すように、対象物40にマークM1〜M3が施されている場合には、図13(C)に示すように、撮像画像上におけるマークM1〜M3の位置関係から認識処理対象のコード範囲CR1を特定してもよい。
【0225】
また、本実施形態の変形例においても、図8(D)に示すように対象物40にマークM1〜M3と、他のコードが記載されている場合には、図14(C)に示すように、マークM1〜M3の位置関係から認識すべき複数のコード範囲CR11、CR12を特定する処理を行ってもよい。つまり、特定されたコード範囲CR11、CR12内で、コードを認識する処理を行ってもよい。
【0226】
例えば、コード範囲CR11で、所定情報(第1の所定情報)を認識する場合にはFC1=1を設定し、所定情報(第1の所定情報)を認識できない場合はFC1=0を設定する。また、コード範囲CR12において、コードを認識できた場合には、そのコードから得られる情報をゲーム処理に用いる。
【0227】
また、本実施形態の変形例では、撮像画像のコード、識別マークを認識する処理を行っているが、コードや識別マークだけでなく、図柄、絵、文字、色などの識別可能なシンボルを認識する処理を行ってもよい。
【0228】
4.4 真贋判定処理
本実施形態の変形例においても、所定情報の認識結果に基づいて、対象物40の真贋判定処理を行う。
【0229】
4.4.1 真贋判定処理例1
本実施形態では、第1の光源設定時に対象物を撮像した第1の撮像画像と、第2の光源設定時に対象物を撮像した第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から所定情報(第1の所定情報)を認識し、他方の撮像画像から所定情報(第1の所定情報)を認識しない場合に、対象物を真(本物)と判定する処理を行う。そして、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、両方の撮像画像から所定情報を認識する場合、又は、両方の撮像画像から所定情報を認識しない場合には対象物40は偽(偽物)であると判定する。
【0230】
例えば、本実施形態の読み取り装置10は、例えば、第1の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像81の所定情報(第1の所定情報)の認識可否を示すフラグFC1が1、第2の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像82のフラグFC1が0の場合は、真と判定する。なお、撮像画像81のフラグFC1が0であって撮像画像82のフラグFC1が1の場合も、真と判定する。
【0231】
例えば、図22に示すように、偽造品50である場合には、読み取り装置10は、第1の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像91のフラグFC1が1、第2の光源設定時に撮像部30から撮像された撮像画像92のフラグFC1が1で同じ値であるので、対象物50が偽物であると判定する。なお、2つの撮像画像のフラグFC1が共に0の場合も対象物50が偽物であると判定する。このように、本実施形態の読み取り装置10によれば、簡易に本物、偽物の区別を行うことができる。
【0232】
4.4.2 真贋判定処理例2
また、本実施形態の変形例においても、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し、他方の撮像画像から第2の所定情報を認識した場合に、対象物を真(本物)と判定する処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、第1の所定情報の認識、第2の所定情報の認識という2段階の認識処理があるので、真贋判定をより適確に行うことができる。例えば、読み取り装置10は、第1の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像81のフラグFC1(第1の所定情報を認識可否を示すフラグFC1)が1であって、かつ、第2の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像82のフラグFC2(第2の所定情報の認識可否を示すフラグFC2)が1の場合は、真と判定してもよい。或いは、撮像画像81のフラグFC2が1であって、かつ、撮像画像82のFC1が1の場合は、真と判定してもよい。
【0233】
4.4.3 真贋判定処理例3
さらに、本実施形態の変形例においても、図15に示すように、取得した各撮像画像から認識した情報F1、F2の組み合わせが、予め定義された組み合わせパターンと一致している場合は真と判定し、そうでない場合は偽と判定してもよい。例えば、図15に示すように、各撮像画像の認識した情報F1、F2の組み合わせが(DA,D1)又は(D1,DA)である場合には、ID=1のパターンに対応するので、真と判定する。一方、各撮像画像の情報F1、F2の組み合わせが(DA,DA)等のように同じ場合や、或いは、図15に示すように予め決めた定義パターンに存在しない場合には、偽と判定してもよい。
【0234】
4.4.4 共通性判定処理
また、本実施形態の変形例においても、第1、第2の光源設定で撮像部30に撮像された各撮像画像において、共通のマークM1〜M3の認識結果に基づき各撮像画像の共通性(同一性)を判定し、共通性を有すると判定した場合に、真贋判定を行うようにしてもよい。つまり、共通性を有しない場合には偽物と判定する。このようにすれば、例えば、2つの撮像画像の被写体である対象物40が異なる場合や、ゲームで用いる対象物40とは全く別の物を被写体としている場合の撮像等を排除することができ、不正な撮像を防止することができる。
【0235】
4.5 決定処理
また、本実施形態の変形例においても、真贋判定によって真と判定された場合に、少なくとも1つの撮像画像から認識される情報(撮像画像から認識した認識結果情報、例えば、コードデータ、当該コードデータを解析したデータ(コードデータに含まれる情報)、認識される所定情報(第1の所定情報、第2の所定情報)、色情報、画像情報等)に基づいて、ゲーム情報を決定するようにしてもよい。
【0236】
例えば、本実施形態の変形例においても、撮像画像から認識される情報に基づいて、プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタを決定する処理を行うことができる。
【0237】
例えば、第1の撮像画像の認識処理、及び、第2の撮像画像の認識処理の少なくとも一方で情報Fを得た場合、図16に示すように、撮像画像から認識される情報(例えば、情報F)が「DA」である場合には、「DA」に対応するキャラクタは「人間」であるので、予め記憶部に記憶されている「人間」のキャラクタを、プレーヤキャラクタとして決定する処理を行う。
【0238】
また、例えば、図11(C)に示すように、第1のコードC1と、第2のコードC2とが記録された対象物を読み取る場合は、第1、第2の撮像画像でコードC1、C2に応じた2つの情報を認識する場合がある。かかる場合は、2つの情報に基づいてキャラクタを決定してもよい。例えば、図15に示すように、第1の撮像画像により認識した第1の情報F1がDAであり、第2の撮像画像により認識した第2の情報F2がD1である場合には、複数の人間のキャラクタのうち「人間1」のキャラクタをプレーヤキャラクタとして決定する。このように、複数の情報があれば、バラエティーに富んだキャラクタを用意することができる。
【0239】
4.6 真贋判定処理の流れ
次に、真贋判定の処理の流れについて、図17を用いて説明する。まず、対象物を撮像した複数の撮像画像を取得する。例えば、本実施形態の変形例では、第1の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像と、第2の光源設定時に撮像部30に撮像された撮像画像とを取得する。(ステップS1)。
【0240】
次に、各撮像画像において共通性を有するか否かを判定する(ステップS2)。そして、各撮像画像において共通性を有する場合(ステップS2のY)、ステップS3に進む。一方、各撮像画像において共通性がないと判定された場合(ステップS2のN)、偽の判定(ステップS5)を行う。
【0241】
次に、各撮像画像のコード範囲に差異があるか否かを判定する(ステップS3)。例えば、第1の光源設定時に撮像した撮像画像、第2の光源設定時撮像した撮像画像のうち、一方の撮像画像から所定情報を認識可、他方の撮像画像から所定情報を認識不可の組み合わせであるか否かを判定する。
【0242】
そして、各撮像画像のコード範囲に差異がある場合(ステップS3のY)、例えば、一方の撮像画像から所定情報を認識可、他方の撮像画像から所定情報を認識不可の組み合わせである場合には、真と判定する(ステップS4)。
【0243】
一方、各撮像画像のコード範囲に差異がない場合(ステップS3のN)、例えば、両方の撮像画像から所定情報を認識可、或いは、両方の撮像画像から所定情報を認識不可である場合には、偽と判定する(ステップS5)。以上で処理が終了する。
【0244】
4.7 その他
本実施形態の変形例においては、1つの撮像部で複数の撮像画像を取得しているが複数の撮像部を用いて複数の撮像画像を取得してもよい。第1の光源設定時の撮像部と、第1の光源設定時の撮像部とを、それぞれ別の撮像部によって撮像してもよい。例えば、図18(A)(B)に示すように、1つの撮像部30の位置を可変に設定してもよい。また、撮像部30の位置を固定に設定してもよい。
【0245】
また本実施形態の変形例においても、図19(A)(B)に示すように、対象物40の位置を可変に設定してもよい。例えば、第1の光源設定時の対象物40の位置と、第2の光源設定時の対象物40の位置とを可変に設定してもよいし、対象物40の位置を固定にしてもよい。
【0246】
また、本実施形態の変形例は、対象物40に照射する自然光を光(可視光)の一例としてもよいが、図20に示すように、自然光を遮蔽し、自然光とは別の光源(可視光の光源)を対象物40に照射してもよい。
【0247】
例えば、図20に示すように、自然光L1からの対象物40への照射を遮蔽物70によって遮蔽する。なお、撮像部30は、対象物40を撮像できるように(遮蔽されないように)、遮蔽物70の内側(対象物が存在する側)に配置設定する。
【0248】
そして、遮蔽物70で囲まれる自然光が遮られた範囲AR内において、本実施形態の変形例で述べた光源設定を行ってもよい。つまり、設定される光源は、範囲AR内に配置される。このようにすれば、環境を問わず、確実に設定した光源からの光を対象物40に照射することができる。なお、自然光を遮蔽する場合、自然光全てを遮蔽する場合でもよいし、自然光の一部の遮蔽するようにしてもよい。
【0249】
4.8 光源の切り替え
本実施形態では、図26(A)(B)に示すように、複数の光源L6、L7を用い、各光源の照射(ON)、非照射(OFF)を交互に切り替えるようにしてもよい。かかる場合には、一方の光源を照射したときに他方の光源が非照射になるように制御する。そして、各光源の照射、非照射を切り替えるタイミングで、撮像部が対象物40を撮像する処理を行う。このようにすれば、読み取り装置は、見る角度に応じて観察者が受光する光の成分(反射光の成分)が変化する対象物40を撮像する場合においても、適確に認識することができる。
【0250】
より詳しく説明すると、本実施形態では、図26(A)に示すように、光源L6をオンに設定し光源L7をオフに設定した際に撮像部30が対象物40を撮像した第1の撮像画像と、図26(B)に示すように、光源L6をオフに設定し光源L7をオンに設定した際に撮像部30が対象物40を撮像した第2の撮像画像とを取得する。そして、本実施形態では、第1の光源の照射時に撮像された第1の撮像画像の認識処理を行い、第2の光源の照射時に撮像された第2の撮像画像の認識処理を行う。例えば、上述したように、取得した各撮像画像の認識結果に基づいて、対象物の真贋を判定する処理や、対象物の認識処理を行う。
【0251】
また、本実施形態の光源L6、L7は、可視光を対象物40に照射可能に設定される。また、撮像部30の撮像位置P16は、光源L6の照射時に対象物40の反射光の第1の成分(色成分、輝度成分)を少なくとも受光する位置であって、光源L7の照射時に対象物40の反射光の第2の成分を少なくとも受光する位置に設定される。
【0252】
5.サーバ
また、本実施形態では、読み取り装置10の処理部100で行う一部又は全部の処理をサーバ20で行うようにしてもよい。つまり、図27に示すように、サーバ20は、端末10(読み取り装置10)とネットワークを介して接続され、サーバ20と端末10とはデータを送受信する処理を行う。
【0253】
例えば、サーバ20が、端末10から撮像画像を受信すると、その撮像画像を認識する処理を行うようにしてもよい。
【0254】
つまり、本実施形態のサーバ20は、対象物40が撮像された撮像画像を、所与の端末10(本実施形態の読み取り装置10)からネットワークを介して受信する処理を行い、受信した撮像画像の認識処理を行うようにしてもよい。なお、この対象物40は、上述したように、光(例えば、可視光)が照射された場合に、見る角度に応じて、第1のシンボルから受光する光(第1のシンボルからの反射光)が変化するように第1のシンボルが記録された物である。
【0255】
例えば、端末10が、第1の撮像位置から対象物40を撮像した第1の撮像画像と、第2の撮像位置から対象物40を撮像した第2の撮像画像とを、ネットワークを介してサーバ20に送信すると、サーバ20は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とを端末10から受信する処理を行い、第1の撮像画像の認識処理を行い、第2の撮像画像の認識処理を行うようにしてもよい。
【0256】
また、端末10が、少なくとも1つの光源に対して、第1の光源設定と第2の光源設定とを排他的に行い、第1の光源設定時に対象物を撮像した第1の撮像画像と、第2の光源設定時に対象物を撮像した第2の撮像画像とネットワークを介してサーバ20に送信すると、サーバ20は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とを端末10から受信する処理を行い、第1の撮像画像の認識処理を行い、第2の撮像画像の認識処理を行うようにしてもよい。
【0257】
また、サーバ20は、端末10(或いは他の撮像部)で撮像する際に被写体となる対象物40の真贋を判定してもよい。
【0258】
例えば、サーバ20は、端末10から受信した第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し他方の撮像画像から当該第1の所定情報を認識しない場合に、対象物40を真と判定する処理を行うようにしてもよい。
【0259】
また、サーバ20は、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、一方の撮像画像から第1の所定情報を認識し他方の撮像画像から第2の所定情報を認識した場合に、対象物20を真と判定してもよい。
【0260】
また、サーバ20は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有するか否かを判定し、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて識別マークを認識した認識結果に基づき、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有するか否かを判定してもよい。例えば、サーバ20は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とにおいて共通性を有しない場合には、対象物40を偽と判定する処理を行うようにしてもよい。
【0261】
また、サーバ20は、第1の撮像画像の認識処理結果と、第2の撮像画像の認識処理結果とに基づいて、ゲーム処理で用いられるゲーム情報を決定する処理を行うようにしてもよい。例えば、サーバ20は、第1の撮像画像から認識した情報と、第2の撮像画像から認識した情報とに基づいて、ゲーム処理で用いられるゲーム情報を決定する処理を行うようにしてもよい。なお、サーバ20は、対象物が真と判定された場合に、第1の撮像画像から認識した情報と、第2の撮像画像から認識した情報とに基づいて、ゲーム処理で用いられるゲーム情報を決定する処理を行うようにしてもよい。
【0262】
なお、本実施形態のサーバ20は、真贋判定の結果情報、第1、第2の撮像画像の共通性の判断結果、決定されたゲーム情報を端末10に送信するようにしてもよい。また、本実施形態のサーバ20は、端末10から、操作情報を受信してゲーム処理を行うようにしてもよい。そして、サーバ20は、ゲーム情報、キャラクタの位置情報、ゲーム勝敗結果等を端末10に送信してゲームを進行させるようにしてもよい。
【0263】
6.筐体
本実施形態は、読み取り装置は、業務用のゲーム装置に応用してもよい。図28(A)は、業務用ゲーム装置の一例である。例えば、図28(A)に示すように、ゲーム装置10−1は、ゲームに使用する所定サイズの対象物40(カード)が、予め決められたカード挿入部70に挿入されると、ゲーム装置10−1が備える撮像部によってカードを被写体として撮像し、各撮像画像の認識処理を行う。そして、各撮像画像の認識結果に基づいて、上述した真贋判定処理を行う。なお、挿入部70は、図28(A)に示すように、自然光を遮蔽するように形成されていてもよい。
【0264】
また、図28(B)は、業務用ゲーム装置の他の例である。例えば、図28(B)に示すように、ゲームに使用する所定サイズの対象物40(カード)が、無色透明な載置台60に配置されると、ゲーム装置10−2が備える撮像部によって載置台60に配置された対象物40を被写体として撮像し、各撮像画像の認識処理を行う。例えば、ゲーム装置10−2は、カードの裏面が撮像されることにより、当該カードに記録されたシンボル(コード)を認識する処理を行う。
【0265】
また、ゲーム装置10−1、10−2で使用する対象物40は、上述した見る方向に応じて色・輝度が異なるシンボル(コード)が所定領域に記録されたカードである。なお、ゲーム装置10−1、10−2のいずれにおいても、異なる複数の撮像位置から撮像した複数の撮像画像を取得してもよいし、変形例に示すように、異なる複数の光源設定時それぞれにおいて撮像した複数の撮像画像を取得するようにしてもよい。
【0266】
7.その他
また、本実施形態で行う認識処理、真贋判定処理等は、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、対戦ゲーム、レースゲーム、音楽ゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲーム、フライトシューティングゲームなど種々のゲーム装置、ゲームを提供するサーバで行うようにしてもよい。
【0267】
なお、本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0268】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。なお、本実施形態で説明した実施例は、自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0269】
10 読み取り装置(端末)、
100 処理部、110 共通性判定部、111 認識処理部、
112 真贋判定部、113 ゲーム処理部、114 決定部、
115 表示制御部、116 光源設定部、117 撮像部設定部、
118 対象物設定部、119 通信制御部、120 描画部、130 音処理部、
170 記憶部、171 主記憶部、172 画像バッファ、173 撮像画像記憶部、
30 撮像部、31 第1の撮像部、32 第2の撮像部、33 第3の撮像部、
160 入力部、162 検出部、
180 情報記憶媒体、190 表示部、
192 音出力部、196 通信部、
20 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取り装置において認識されるシンボルが記録された対象物であって、
見る角度に応じて受光する光の成分が変化するシンボルが記録され、
前記シンボルは、ゲーム情報を決定するための情報に応じたシンボルであることを特徴とする対象物。
【請求項2】
請求項1において、
前記対象物に光源からの光が照射された場合において、当該光源の設定に応じて、前記シンボルから受光する光の成分が変化することを特徴とする対象物。
【請求項3】
請求項1又は2において、
当該対象物の真正を示す所定情報に応じた前記シンボルが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
当該対象物の真正を示す所定情報に応じた第1のシンボルと、当該所定情報とは異なる第2のシンボルとが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
当該対象物の真正を示す第1の所定情報に応じた第1のシンボルと、当該対象物の真正を示す第2の所定情報に応じた第2のシンボルとが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項6】
請求項4又は5において、
見る角度に応じて、第1のシンボルから受光する光の成分から、第2のシンボルから受光する光の成分に変化するように、第1のシンボルと第2のシンボルとが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記シンボルが記録されている所定領域以外に、いずれの方向からも視認可能な複数の識別マークが記録され、
前記複数の識別マークと前記所定領域とが、所定の配置関係で配置されていることを特徴とする対象物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
前記シンボルが記録されている所定領域以外に、所与の情報に応じた第3のシンボルが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
偏光インク又は偏光シートを用いて、前記シンボルが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
エンボス加工によって、前記シンボルが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
レンチキュラーを用いて、前記シンボルが記録されていることを特徴とする対象物。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
前記シンボルを描画した画像に基づく立体視画像を表示する立体視画像表示画面であることを特徴とする対象物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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