説明

封入封緘システム

【課題】追封入可能なように封筒用紙を折り曲げても排紙不良が生じる懸念がない封入封緘システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る封入封緘システムは、内容物を内包しつつ封筒用紙を折り曲げて封書を形成する封筒形成部85を有する。また、互いに重ねられて押圧されると接着する一対の圧着糊を、封筒用紙外折り部分と、封筒用紙外折り部分が重ね合わせられる封筒用紙被重ね部分とにそれぞれ塗布する圧着糊塗布部88を有する。更に、封筒形成部85の突当て部材駆動部86eに対し、圧着糊を重ね合わせるように外折り用紙部分を折り曲げる封緘用折り曲げ位置と、圧着糊を重ね合わせないように外折り用紙部分を折り曲げる非封緘用折り曲げ位置とを切り替える封入封緘コントローラ119を有する。そして、排出された封緘済みの封書および非封緘の封書の何れも収容する収容部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物を内包して封緘する封入封緘システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ダイレクトメール等の封書の利用拡大に伴って、封入封緘装置について種々の開発がなされており、従来の一般的な封入封緘装置(例えば特許文献1参照)の構成等について簡単に説明すると、次のようになる。
【0003】
即ち、一般的な封入封緘システムは、装置筐体を具備しており、この装置筐体内には、内容物用紙を折り曲げて内容物を形成する内容物形成部が設けられている。また、装置筐体内における内容物形成部に離隔した位置には、封筒用紙を折り曲げて封筒を形成する封筒形成部が設けられている。そして、装置筐体内における封筒形成部の入口側には、内容物搬送部が設けられており、この内容物搬送部は、内容物形成部から送り出された内容物を折り曲げ中の前記封筒用紙に封入されるように予め設定した一定の送出タイミングで封筒形成部側へ送り出すものである。更に、装置本体内における封筒形成部の出口側には、封緘部が設けられており、この封緘部は、内容物を封入した状態で、封筒形成部から送り出された封筒を封緘するものである。そして、封緘部で封緘してなる封緘物の排出口側には、封緘物を収容する収容部が設けられている。
【0004】
このような一般的な封入封緘システムでは、内容物形成部によって内容物用紙を折り曲げて内容物を形成して、内容物搬送部側へ送り出す。次に、封筒形成部によって封筒用紙を折り曲げて封筒を形成して、封緘部側へ送り出す。そして、封筒形成部による封筒用紙の折り曲げ中に、内容物搬送部によって内容物を予め設定された一定の送出タイミングで封筒形成部側へ送り出すことにより、内容物を封入した状態で封筒を封緘部側へ送り出す。更に、封緘部によって封筒を封緘することにより、封書の作製が終了し、排出口側から封緘物を排出し、収容部に入れて収容する。
【0005】
しかし、封緘物に追封入したい場合が生じても、既に封緘されているため追封入することができない。この対策として、封筒のフラップ部を折り返さないことで、フラップ部の接着を避けて追封入可能にしておくことが特許文献2に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−67724号公報
【特許文献2】特開2002−370718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2では、フラップ部を接着した封緘物とフラップ部を接着していない非封緘物とで平面寸法が大きく異なり、同一の収容部に収容する上で排紙不良が生じる懸念がある。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、追封入可能なように封筒用紙を折り曲げても排紙不良が生じる懸念がない封入封緘システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴は、封筒用紙端部からの折り曲げ位置を調整する位置調整部を有していて、封筒最外側を構成する封筒用紙外折り部分を前記折り曲げ位置で折り曲げることで、内容物を内包しつつ封書を形成する封筒形成手段と、互いに重ねられて押圧されると接着する一対の圧着糊を、前記封筒用紙外折り部分の所定位置と、前記封筒用紙外折り部分が重ね合わせられる封筒用紙被重ね部分の所定位置とにそれぞれ塗布する圧着糊塗布手段と、前記位置調整部に対し、前記圧着糊を重ね合わせるように前記外折り用紙部分を折り曲げる封緘用折り曲げ位置と、前記圧着糊を重ね合わせないように前記外折り用紙部分を折り曲げる非封緘用折り曲げ位置との切り替え制御を行う制御手段と、前記封筒形成手段で形成されて排出された、封緘済みの封書および非封緘の封書の何れも収容する収容手段と、を具備したことにある。
【0010】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴は、前記封筒形成手段により、前記封緘用折り曲げ位置と前記非封緘用折り曲げ位置とにおいて折り曲げられた際の各折り曲げ線が互いに平行であり、前記圧着糊塗布手段は、前記封緘用折り曲げ位置の折り曲げ線に直交する封筒用紙縁部に沿って所定のピッチで配列されるように前記圧着糊を塗布することにある。
【0011】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴は、前記圧着糊の配列方向に沿った糊幅W1および糊同士の間隔W2が、前記封筒用紙外折り部分および前記封筒用紙被重ね部分で互いに同じにされ、かつ、W1≦W2 を満たしていることにある。
【0012】
本発明に係る封入封緘システムの第4の特徴は、前記封筒形成手段により、前記封緘用折り曲げ位置と前記非封緘用折り曲げ位置とにおいて折り曲げられた際の各折り曲げ線が互いに平行であり、前記圧着糊塗布手段は、前記封緘用折り曲げ位置の折り曲げ線に平行に前記圧着糊を塗布することにある。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る封入封緘システムによれば、折り曲げ位置を若干変更することで、封緘(追封入不可)、非封緘(追封入可)の何れであっても、排出される封書のサイズをほとんど同じにすることが可能であるので、追封入可能なように封筒用紙を折り曲げた封書を封緘済みの封書と同一の収容手段に収容しても排紙不良が生じる懸念がない封入封緘システムとすることが可能になる。
【0014】
請求項2に係る封入封緘システムによれば、圧着糊の配置位置を調整することにより、折り曲げ位置を僅かに変更して封緘、非封緘を切り替えることができ、封緘、非封緘の何れであっても、排出される封書のサイズをほとんど同じにすることが簡単に行われる。
【0015】
請求項3に係る封入封緘システムによれば、折り曲げ位置を僅かに変更することで、封書の封緘、非封緘を確実に切り替えることができる。
【0016】
請求項4に係る封入封緘システムによれば、圧着糊の配置位置を調整することにより、折り曲げ位置を僅かに変更して封緘、非封緘を切り替えることができ、封緘、非封緘の何れであっても、排出される封書のサイズをほとんど同じにすることが簡単に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の封入封緘システムの模式的な正面図である。
【図3】本発明の一実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。
【図4】図4(a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態の封入封緘システムで内容物が封筒に内包される動作を説明する工程毎の模式的な側面断面図である。
【図5】図5(a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態の封入封緘システムで内容物が封筒に内包される動作を説明する工程毎の模式的な側面断面図である(図5は図4に連続する工程を示している)。
【図6】本発明の一実施形態の封入封緘システムの動作を説明するフローチャート図である。
【図7】本発明の一実施形態で、封筒用紙に予め糊を塗布しておくことを示す平面図である。
【図8】本発明の一実施形態で、折り曲げ位置を変更することにより封緘、非封緘が切り替え可能であることを説明する説明図である。
【図9】本発明の一実施形態で、封筒用紙に糊を塗布するパターン例を説明する説明図である。
【図10】本発明の一実施形態で、封筒が通常に折られて内容物が封緘されていることを示す平面図である。
【図11】本発明の一実施形態で、封筒が封緘されずに追封入可能とされていることを示す平面図である。
【図12】本発明の一実施形態の変形例で、封筒が通常に折られて内容物が封緘されていることを示す平面図である。
【図13】本発明の一実施形態の変形例で、封筒が封緘されずに追封入可能とされていることを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。また、以下の説明では、用紙としてどのサイズの用紙であっても適用可能である。また、以下の実施の形態では、例えば孔版印刷やインクジェットで印刷するが、他の手法で印刷してもよく、本発明では印刷形式は特に限定されない。また、封緘する印刷物の種類の数(印刷物の枚数)も特に限定されるものではない。
【0019】
また、以下の説明中において、「上流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て下流ことをいう。また、図2で、「L」は正面から見た左方向、「R」は正面から見た右方向を示す。
【0020】
図1は、本実施形態の封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図である。図2は、本実施形態の封入封緘システムの模式的な正面図である。図3は、本実施形態の封入封緘装置における封入封緘コントローラを説明する制御ブロック図である。図4(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システムで内容物が封筒に内包される動作を説明する工程毎の側面断面図である。図5(a)および(b)は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システムで内容物が封筒に内包される動作を説明する工程毎の側面断面図である。図5は図4に連続する工程を示しており、また、図4、図5では、内容物及び封筒用紙は模式的に示してある。
【0021】
図6は、本実施形態の封入封緘システムの動作を説明するフローチャート図である。図7は、本実施形態で、封筒用紙に予め糊を塗布しておくことを示す平面図である。図8は、本実施形態の封入封緘システムで封緘、非封緘が切り替え可能であることを説明する説明図である。図9は、本実施形態で、封筒用紙に糊を塗布するパターン例を説明する説明図である。図10は、本実施形態で、封筒が通常に折られて内容物が封緘されていることを示す平面図である。図11は、本実施形態で、封筒が封緘されずに追封入可能とされていることを示す平面図である。
【0022】
図1、図2に示すように、本実施形態の封入封緘システム1は、画像形成装置3と封入封緘装置5とを有する。図2に示すように、画像形成装置3は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態あるいは封入しない状態で封筒を形成することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、封入封緘システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒をそれぞれ形成して、内容物Bを封筒に封入した状態あるいは封入しない状態にすることにより、封書Mを作製するものである。
【0023】
画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられている。この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられている。装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0024】
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられている。各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えている。複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0025】
また、装置筐体7内の図示左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、下流端側(基端側)に2つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の上流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0026】
装置筐体7の図示左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0027】
印刷搬送路13の図示左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。更に、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33側に挟持しつつ引き入れたり又はスイッチバック搬送路33側から挟持しつつ送り出したりする出入ローラ対(図示省略)が設けられており、出入ローラ対は、適宜の出入搬送モータ(図示省略)の駆動により正逆方向へ回転可能である。
【0028】
装置筐体7内の図示左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0029】
装置筐体7内の適宜位置には、画像形成コントローラ37が設けられており、この画像形成コントローラ37は、印刷部9、内容物用紙給紙部15、封筒用紙給紙部23等の動作を制御するものである。また、画像形成コントローラ37は、画像形成に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、画像形成に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えている。更に、装置筐体7の上部には操作パネル39が設けられている。操作パネル39やプリンタドライバがインストールされたPCのPC画面40(図3参照。外部に接続されたパソコンの画面)は、内容物Bに関する情報としての内容物の寸法を入力可能であるとともに、封筒Eに関する情報としてのフォームパターンおよび追封入可否を入力可能であって、画像形成コントローラ37および封入封緘コントローラ119に電気的に接続されている。そして、封入封緘システム1では、PC画面40によって内容物B及び封筒Eに関する情報を入力できるとともに、操作パネル39から内容物B及び封筒Eに関する情報を入力できるようにされている。なお、フォームパターン検出結果38(図3参照)が封入封緘コントローラ119に入力される構成にしてもよい。
【0030】
図1及び図2に示すように、封入封緘システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体41(以下、適宜に装置筐体41という)を具備している。この装置筐体41の上部には、後述の封筒搬送路49から排出された封書Mが収容される収容部(排紙部)42が設けられている。装置筐体41の上部では装置筐体41の一部が凹んでおり、この部位にフェンス42fが立設されていることで収容部42が形成されている。ここで、収容部42には、封書Mが封緘物であっても非封緘物であっても収容されるようになっている。フェンス42fの立設位置は非封緘物の幅に対応した位置であり、封緘物であっても非封緘物であっても収容部42に排紙不良を起こすことなく順次積層されるように、収容部42の幅D(装置筐体41の側壁からフェンス42fまでの距離のこと。図1参照)が設定位置にされている。本実施形態では、フェンス42fの位置が収容部幅方向に可変であり、封書Mのサイズに合わせてフェンス42fの位置が変更可能となっている。
【0031】
また、この装置筐体41内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路43が設けられており、この導入搬送路43の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続してある。また、装置筐体41内における導入搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0032】
装置筐体41内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路45が設けられており、この内容物用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体41内における内容物用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0033】
装置筐体41内における内容物用紙搬送路45の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路47が設けられており、この封筒用紙搬送路47の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体41内における封筒用紙搬送路47に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0034】
内容物用紙搬送路45の下流端側と封筒用紙搬送路47の下流端側は合流している。装置筐体41内における内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路49が設けられている。そして、この封筒搬送路49は、装置筐体41の上部まで延びている。また、装置筐体41内における封筒搬送路49に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
【0035】
内容物用紙搬送路45の途中には、整合部51が設けられており、この整合部51は、導入搬送路43から送り出された印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を集積して整合するものである。また、整合部51は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を待機させる整合ゲート(待機ゲート)53を備えており、この整合ゲート53は、内容物用紙搬送路45を開状態と閉状態に切り替え可能になっている。
【0036】
内容物用紙搬送路45における整合部51の出口側(下流側)には、内容物形成部55が設けられており、この内容物形成部55は、整合部51から送り出された整合済みの複数枚の内容物用紙P1(以下、適宜に内容物用紙P1という)を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部55の具体的な構成は、次のようになる。
【0037】
装置筐体41内における整合部51の出口側には、主折りローラ57が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接した位置には、主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入する導入ローラ59が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ57の下側には、主折りローラ57と導入ローラ59によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板61が設けられている。更に、ガイド板61には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材63が設けられており、この突当て部材63は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板61に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ導入ローラ59に対向した位置には、中間ローラ65が回転可能に設けられており、この中間ローラ65は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
【0038】
装置筐体41内における主折りローラ57の図示左側には、主折りローラ57と中間ローラ65によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板67が設けられている。また、ガイド板67には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材69が設けられており、この突当て部材69は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板67に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ中間ローラ65に対向した位置には、導出ローラ71が回転可能に設けられており、この導出ローラ71は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出するものである。
【0039】
ここで、主折りローラ57、導入ローラ59、中間ローラ65、及び導出ローラ71は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0040】
封筒用紙搬送路47の途中には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部73の具体的な構成は、次のようになる。
【0041】
装置筐体41内における封筒用紙搬送路47の途中には、主折りローラ75が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接した位置には、主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ77が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ75の下側には、主折りローラ75と導入ローラ77によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板79が設けられている。更に、ガイド板79には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材81が設けられており、この突当て部材81は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板79に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接しかつ導入ローラ77に対向した位置には、導出ローラ83が回転可能に設けられており、この導出ローラ83は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出するものである。
【0042】
ここで、主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0043】
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、前折り部73から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部85の具体的な構成は、次のようになる。
【0044】
装置筐体41内における前折り部73の出口側(下流側)には、主折りローラ87が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接した位置には、主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ89が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ87の下側には、主折りローラ87と導入ローラ89によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板91が設けられている。更に、ガイド板91には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材93が設けられており、この突当て部材93は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)を有しており、第4位置調節モータの駆動によりガイド板91に沿って位置調節可能(図4(a)参照)とされている。そして、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ導入ローラ89に対向した位置には、中間ローラ95が回転可能に設けられており、この中間ローラ95は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
【0045】
装置筐体41内におけるガイド板91の近傍には、反射型の光電センサ等の封筒用紙センサ97が設けられており、この封筒用紙センサ97は、封筒用紙P2が突当て部材93に近接したこと、換言すれば、封筒形成部85による(主折りローラ87と中間ローラ95の協働による)封筒用紙P2の折り曲げの開始タイミングを検出するものである。
【0046】
装置筐体41内における主折りローラ87の右側には、主折りローラ87と中間ローラ95によって折り曲げられた封筒用紙P2を案内するガイド板99が設けられている。また、ガイド板99には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近にたるみを与える突当て部材101が設けられており、この突当て部材101は、封筒形成部85が有する後述の突当て部材駆動部86e(図3参照)によって、図4(a)に示した突当て部材93の作動原理と同様の原理により位置調整可能となっている。すなわち、突当て部材駆動部86eは適宜の第5位置調節モータ(図示省略)を有しており、第5位置調整モータの駆動によりガイド板99に沿って突当て部材101が位置調節可能とされている。更に、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ中間ローラ95に対向した位置には、導出ローラ103が回転可能に設けられており、この導出ローラ103は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、封筒搬送路49側へ導出するものである。
【0047】
ここで、主折りローラ87、導入ローラ89、中間ローラ95、及び導出ローラ103は、それぞれ適宜の第3折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0048】
内容物用紙搬送路45の途中における封筒形成部85の入口側(上流側)には、内容物搬送部105が設けられており、この内容物搬送部105は、内容物形成部55から送り出された内容物Bを、折り曲げ線P2bから折り曲げ中の封筒用紙P2に封入されるように封筒形成部85側へ送り出すものである。また、内容物搬送部105は、内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す送出ローラ対107を備えており、送出ローラ対107は、適宜の送出モータ109(図5(a)(b)の駆動により回転可能である。更に、装置筐体41内における送出ローラ対107の近傍には、反射型の光電センサ等の内容物センサ111が設けられており、この内容物センサ111は、内容物B(の先端)が封筒形成部85に接近したことを検出するものである。
【0049】
封筒搬送路49の途中には、封緘部113が設けられており、この封緘部113は、封筒形成部85から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部113は、封筒Eを挟持して押圧する封緘ローラ対115を備えており、この封緘ローラ対115は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、封緘ローラ対115によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した糊の接着作用によって封緘されるようになっている。そして、装置筐体41の上部における封筒搬送路49の出口側(下流端側)には、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する封書排出部117が設けられている。
【0050】
続いて、本発明の実施形態の要部について説明する。
【0051】
図3に示すように、装置筐体41内の適宜位置には、封入封緘コントローラ119が設けられており、この封入封緘コントローラ119は、整合部51、内容物形成部55、前折り部73、封筒形成部85、圧着糊塗布部88、内容物搬送部105、及び封緘部113等の動作を制御するものである。また、封入封緘コントローラ119は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ119には、画像形成コントローラ37、PC画面40、封筒用紙センサ97、および、内容物センサ111が電気的に接続されている。
【0052】
更に、封入封緘コントローラ119のメモリは、フォームパターン記憶部120としての機能を有し、封入封緘コントローラ119のCPUは、折り位置算出部122としての機能、駆動制御部124としての機能および送出制御部127としての機能を有している。
【0053】
フォームパターン記憶部120は、内容物Bに関する情報としてのフォームパターン(縦幅、横幅なども含めたもの)を一覧表(テーブル)で有している(例えば図9参照)。折り位置算出部122は、PC画面40で入力されたフォームパターンに基づき、内容物Bがフォームパターン記憶部120の一覧表のどのフォームに相当するかを判断し、封筒の折り曲げ線P2c(図1、図7参照)の位置である折り位置を決定するものである。なお、入力されたフォームパターンがフォームパターン記憶部120に記憶されていない場合には、そのフォームパターンに応じて折り曲げ線P2cの位置を折り位置算出部122が算出して決定する。
【0054】
駆動制御部124は、第1〜第5位置調整モータをそれぞれ駆動させて、突当て部材63、69、81、93、101を位置調節するものである。すなわち、封筒形成部85は、突当て部材63、69、81、93、101をそれぞれ位置調節する突当て部材駆動部86a〜e(図3参照)を有しており、駆動制御部124が突当て部材駆動部86a〜eを制御している。従って、上述したように、折り位置算出部122で決定された位置に折り曲げ線P2cが形成されるように、駆動制御部124は、突当て部材駆動部86eの上記第5位置調節モータを駆動させて突当て部材101を移動させて所定位置で停止させることが可能になっている。
【0055】
また、封入封緘装置5は、封筒用紙P2に圧着糊を塗布する圧着糊塗布部88(図3参照)を有する。圧着糊としては、少なくとも一組のペアである圧着糊Gg、Ghを用いる。この圧着糊Gg、Ghは、互いに圧着されると接着力が発生して固化し、一方の圧着糊だけが用紙に押圧されても接着力が発生しないものである。
【0056】
封入封緘装置5は、折り曲げ線P2aで折り曲げた後(すなわち封筒用紙前折り部分Pf(図1参照)を形成した後)に、折り曲げ線P2bに直交する両側の封筒用紙縁部に、折り曲げ線P2bで折り曲げると圧着される圧着糊Gg、Ghを塗布するようになっている。なお、折り曲げ線P2bで折り曲げると圧着される部位に関しては、圧着糊Gg、Ghに代えて通常の水糊を塗布してもよい。
【0057】
更に、封入封緘装置5は、折り曲げ線P2bで折り曲げた後(すなわち内容物Bを挟むように封筒用紙被重ね部分Pm(図1、図7参照)を形成した後)、図7に示すように、折り曲げ線P2cで折り曲げられることで封筒最外側を構成する封筒用紙外折り部分Pzに圧着糊Ggを、封筒用紙外折り部分Pzが重ね合わせられる封筒用紙被重ね部分Pmに圧着糊Ghを、それぞれ圧着糊塗布部88で塗布するようになっている。本実施形態では、圧着糊Ggの塗布位置は、封筒用紙外折り部分Pzの内面(封筒用紙被重ね部分Pmに重ねあわされる面)のうち、折り曲げ線P2cに直交する用紙両側の縁部Pzsに所定のピッチで所定位置に配列される位置である。そして、圧着糊Ghの塗布位置は、封筒用紙被重ね部分Pmのうち、折り曲げ線P2cに直交する用紙両側の縁部Pmsに所定のピッチで所定位置に配列される位置である。
【0058】
折り曲げ線P2cとしては、図7、図8、図10、図11に示すように、追封緘不可とする(すなわち圧着糊同士を当接させて圧着して封緘する)ように入力された場合には、封入封緘コントローラ119が折り曲げ線P2c1(封緘用折り曲げ位置)を選定し、追封緘可とする(すなわち圧着糊同士を当接させないで封緘しない)ように入力された場合には、封入封緘コントローラ119が折り曲げ線P2c2(非封緘用折り曲げ位置)を選定して、何れの場合であっても突当て部材駆動部86eの位置を駆動制御部124によって制御するようになっている。なお、折り曲げ線P2c(P2c1、P2c2)のおおまかな位置は、突当て部材101からローラのニップ位置までの距離によって決まる。
【0059】
圧着糊塗布部88が圧着糊Gg、Ghを塗布する上記配列位置としては、折り曲げ線P2c1で折り曲げた場合には圧着糊Ggと圧着糊Ghとが全て重なり合う位置、または、封緘する上で問題のない程度に重なり合う位置であり、しかも、折り曲げ線P2c2で折り曲げた場合には圧着糊Ggと圧着糊Ghとが全て重なり合わない位置である。
【0060】
本実施形態では、圧着糊Ggおよび圧着糊Ghの配列位置として以下のように規定している。すなわち、図7に示すように、封筒用紙外折り部分Pzにおける封筒用紙P2の長手方向端部Pzt(基準端面)から距離α1の位置に折り曲げ線P2c1が、距離α2の位置に折り曲げ線P2c2が、それぞれ設定されている場合であって、封筒用紙外折り部分Pzにおいて、圧着糊Ggの糊幅をW1、圧着糊Gg同士の間隔(すなわち圧着糊が形成されていない部分の幅)をW2、折り曲げ線P2c1に最も近い圧着糊Ggの折り曲げ線P2c1側の縁Ggsから長手方向端部Pztまでの距離をL1とし、封筒用紙被重ね部分Pmにおいて、圧着糊Ghの糊幅をW1’、圧着糊Gh同士の間隔をW2’、折り曲げ線P2c1に最も近い圧着糊Ghの折り曲げ線P2c1側の縁Ghsから長手方向端部Pztまでの距離をL1’、とした場合に、
W1=W1’ 式(1)
W2=W2’ 式(2)
W1≦W2 式(3)
α1=L1+(L1’−L1)/2=(L1+L1’)/2 式(4)
を満たし、かつ、
α1+0.5×W1<α2<α1+0.5×W2 式(5)
または、
α1−0.5×W2<α2<α1−0.5×W1 式(6)
のいずれか一方を満たすことを規定する。
【0061】
なお、これらの設定は一例であり、折り曲げ線P2c1で折り曲げると封緘され、折り曲げ線P2c2で折り曲げると非封緘となる限り、他の設定とすることが可能であり、封筒用紙を折り曲げるフォームパターンに応じて、α1、α2、L1、L1’、W1、W2、W1’、W2’の値を変更することが可能である。
【0062】
送出制御部127は、封筒用紙センサ97からの検出信号の入力をトリガー(基準)として、予め設定されている送出タイミングに合わせて内容物Bを封筒形成部85側へ送り出すように内容物搬送部105の送出モータ109を制御するものである。また、送出制御部127は、封入封緘コントローラ119に内容物センサ111からの検出信号が入力されると、内容物搬送部105の送出モータ109の駆動を停止するように制御するものである。
【0063】
続いて、封入封緘システム1の動作について、本実施形態の作用、効果を含めて説明する。図6は、それぞれ、本実施形態の封入封緘システム1の動作を説明するフローチャート図である。
【0064】
作製予定の封書M毎に、内容物Bに関する情報としての内容物の寸法、封筒Eに関する情報としてのフォームパターンおよび追封入可否をPC画面40(パソコンのアプリケーションを利用する)での入力操作によって画像形成コントローラ37に入力する(図6におけるステップS1〜S4)。なお、選定方式ではなく、使用者がパターン図を入力する方式にすることも可能である。また、PC画面40でなく操作パネル39から入力することも可能である。
【0065】
ステップS4の終了後に、実際に封書Mの作製を開始すると(ステップS5)、作製対象の封書Mに応じた内容物Bに関する情報(情報データ)及び封筒Eに関する情報(情報データ)が画像形成コントローラ37から封入封緘コントローラ119に送信(入力)される(ステップS6、S7)。
【0066】
ステップS7の終了後に、内容物用紙給紙部15から複数枚の内容物用紙P1を給紙搬送路21を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、順次給紙された内容物用紙P1を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によって内容物画像データに基づいて複数枚の内容物用紙P1に順次印刷を行う(ステップS8)。ここで、内容物用紙P1をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって複数枚の内容物用紙P1に両面印刷を行うことができる。
【0067】
ステップS8の終了後に、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を連絡搬送路35を介して導入搬送路43側(封入封緘装置5側)へ順次送り出す。そして、複数枚の内容物用紙P1を導入搬送路43及び内容物用紙搬送路45に沿って搬送して、閉状態の整合ゲート53側へ順次送り出す。そして、整合部51によって複数枚の内容物用紙P1を整合する(ステップ9)。
【0068】
ステップS9の終了後に、整合ゲート53を閉状態から開状態に切り替えて、整合済みの内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45側へ送り出す。次に、内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45に沿って内容物形成部55側へ搬送する。そして、内容物形成部55における主折りローラ57と導入ローラ59の協働により内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入し、内容物形成部55によって内容物用紙P1に折り曲げを行う(ステップS10)。
【0069】
具体的には、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と中間ローラ65の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げる。続いて、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と導出ローラ71の協働により内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出する。これにより、整合済みの内容物用紙P1(印刷済みの複数枚の内容物用紙)から内容物Bを形成して(ステップS11)、内容物形成部55側から送り出すことができる。
【0070】
その後、内容物Bを内容物用紙搬送路45に沿って搬送して、回転中の送出ローラ対107の間に進入させる。そして、図4(a)に示すように、内容物センサ111によって内容物Bが封筒形成部85に接近したことを検出すると(ステップS12)、換言すれば、内容物センサ111からの検出信号が封入封緘コントローラ119に入力されると、送出制御部127(封入封緘コントローラ119のCPU)によって送出モータ109の駆動を停止する。これにより、内容物Bを封筒形成部85の入口側に待機させることができる(ステップS13)。
【0071】
ステップS13の終了後に、封筒用紙給紙部23によって封筒用紙P2を給紙搬送路29を介して印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する。そして、封筒用紙P2を印刷搬送路13に沿って搬送しつつ、印刷部9によって封筒画像データに基づいて封筒用紙P2に印刷を行う(ステップS14)。ここで、封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33を経由して循環搬送することにより、印刷部9によって封筒用紙P2に両面印刷を行うことができる。
【0072】
ステップS14の終了後に、印刷済みの封筒用紙P2を連絡搬送路35を介して導入搬送路43側(封入封緘装置5側)へ送り出す。次に、封筒用紙P2を導入搬送路43及び封筒用紙搬送路47に沿って前折り部73側へ搬送する。そして、前折り部73における主折りローラ75と導入ローラ77の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入し、前折り部73によって封筒用紙P2に前折りを行う(ステップS15)。具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と導出ローラ83の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出する。
【0073】
また、封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47に沿って封筒形成部85側へ搬送する。そして、図4(b)に示すように、封筒形成部85における主折りローラ87と導入ローラ89の協働により封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入し、封筒用紙センサ97によって封筒形成部85による折り曲げの開始タイミングが検出され(ステップS16)、封筒形成部85によって封筒用紙P2に、封筒用紙前折り部分Pf以外の折り曲げが開始される(ステップS17)。
【0074】
具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と中間ローラ95の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げる。一方、送出制御部127(封入封緘コントローラ119のCPU)によって送出モータ109を制御することにより、図5(a)(b)に示すように、封筒用紙センサ97からの検出信号の入力をトリガーとして、封入封緘コントローラ119のCPUによって決定された送出タイミングに合わせて内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す。なお、図示を省略しているが、折り曲げ線P2bで折り曲げられると、折り曲げられた用紙部分の両サイドが、すなわち折り曲げ線P2bに直交する縁部が、重ねられた用紙部分の両サイドの縁部に接着するように、予め、圧着糊Gg、Gh(あるいは水糊)を所定位置に塗布しておく。
【0075】
折り曲げ線P2bが形成された後、圧着糊塗布部88によって、封筒用紙P2の上述の縁部Pzs、Pmsに圧着糊を塗布する(ステップS18)。この圧着糊としては、上述したように一組の圧着糊のペアである圧着糊Gg、Ghを用いる。
【0076】
続いて、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と導出ローラ103の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げる。具体的には、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と中間ローラ95の協働により封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げる。その際、追封緘可とするか不可とするかを判断する(ステップS19)。
【0077】
追封緘不可とする場合(すなわち圧着糊同士を当接させることにより圧着して封緘する場合)には、距離α1(折り曲げ線P2c1を形成する位置)を算出して(ステップS20)、距離α1に対応する位置に突当て部材101を移動させ(ステップS21)、折り曲げ線P2c1を形成して封緘してなる封書Mを形成する(ステップS22)。更に、内容物用紙搬送路45側へ封書Mを導出することで、封緘された封書Mを収容部42(図1、図2参照)へ排出する(ステップS26)。
【0078】
追封緘可とする場合(すなわち圧着糊同士を当接させないことにより封緘しない場合)には距離α2(折り曲げ線P2c2を形成する位置)を算出して(ステップS23)、距離α2に対応する位置に突当て部材101を移動させ(ステップS24)、折り曲げ線P2c2を形成して非封緘の封書Mを形成する(ステップS25)。更に、内容物用紙搬送路45側へ封書Mを導出することで、非封緘の封書Mを収容部42(図1、図2参照)へ排出する(ステップS26)。
【0079】
ステップS26の終了後、次の作製対象の封書Mがある場合には(ステップS27)、ステップS1に戻ってステップS1以下の処理を実行する。なお、ステップS1以下で同じ条件のものが並んでいる場合には、途中のステップに戻って処理を実行してもよい。例えば、次の封書を作製する際にステップS1〜S4が同じ条件であれば、ステップS5に戻ってステップS5以下を実行してもよい。
【0080】
ここで、封入封緘システム1の動作は、前述のステップの順序に限定されるものでなく、適宜に順序を変更しても構わない。
【0081】
非封緘の封書Mについては、追封入後、折り曲げ線P2c2で折り曲げられてフラップ状となった封筒用紙外折り部分Pzを、例えば手動で封筒用紙被重ね部分Pmに糊付け等して封書Mを封緘する。
【0082】
また、図7、図10、図11では、封緘する場合に比べ、非封緘にする場合には式(5)に対応させてα1<α2となるように折り曲げる例で図示したが、式(6)に対応させてα1>α2となるように折り曲げることも可能である。
【0083】
また、本実施形態では封筒Eを形成する際に封筒用紙P2を前折りする例で説明したが、前折りをしないで封筒Eを形成することが可能である。
【0084】
また、本実施形態では、図10、図11の二点鎖線で示すように、封筒用紙外折り部分Pzのうち封筒用紙P2の長手方向端部Pztに圧着糊Gg2(圧着糊Ggと同じ成分のもの)を塗布し、封筒用紙被重ね部分Pmでこの圧着糊Ggに対応する部位にも圧着糊Gh2(圧着糊Ghと同じ成分のもの)を塗布してもよい。この塗布位置は、折り曲げ線P2c1で折り曲げた場合には圧着糊Gg2と圧着糊Gh2とが重なり合うことにより接着する位置であり、しかも、折り曲げ線P2c2で折り曲げた場合には圧着糊Gg2と圧着糊Gh2とが重なり合わないことにより接着しない位置である。
【0085】
また、縁部Pzs、Pmsに所定ピッチで配列するように圧着糊Gg、Ghを塗布することに代えて、図12、図13に示すように、折り曲げ線P2cに平行な1本あるいは複数本にわたって圧着糊Gg、Ghを接着させたい位置に塗布してもよい。これによっても、折り曲げ位置P2cの切替により封緘、非封緘を切り替えることができる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態によれば、折り曲げ位置を僅かに変更することで、封緘(追封入可)、非封緘(追封入不可)を切り替えて封書Mを形成することができる。そして、封緘、非封緘の何れの封書Mであっても、収容部42に排出される封書Mのサイズがほとんど同じである。例えば、W1が4mmであっても、封緘、非封緘の違いによる封書Mのサイズの違いは2mmである。従って、封緘済みの封書Mと非封緘の封書Mとを同じ収容部42に収容しても排紙不良が生じる懸念がない封入封緘システム1とすることが可能になる。このことは、連続して封書を作成する際に、製造時間の短縮や作業性の向上の観点で特に大きな効果を奏する。
【0087】
また、折り曲げ線P2c1(封緘用折り曲げ位置)とP2c2(非封緘用折り曲げ位置)とが互いに平行な直線であり、圧着糊塗布部88は、折り曲げ位置P2c1に直交する縁部Pzs、Pmsに沿って配列するように圧着糊Gg、Ghを塗布している。従って、糊の配置位置を調整することにより、折り曲げ位置を僅かに変更して封緘、非封緘を切り替えることができ、封緘、非封緘の何れであっても封書Mのサイズをほとんど同じにすることが簡単に行われる。なお、封筒内の収容領域を効果的に確保することもできる。
【0088】
そして、圧着糊Gg、Ghの配列方向に沿った糊幅W1および糊同士の間隔W2が、一対のペアの圧着糊Gg、Ggで互いに同じである。そして、W1≦W2 を満たしている。これにより、折り曲げ位置を僅かに変更することで、封書Mの封緘、非封緘を確実に切り替えることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 封入封緘システム
42 収容部(収容手段)
85 封筒形成部(封筒形成手段)
86e 突当て部材駆動部(位置調整部)
88 圧着糊塗布部(圧着糊塗布手段)
101 突当て部材(位置調整部)
113 封緘部(封筒形成手段)
119 封入封緘コントローラ(制御手段)
B 内容物
Gg 圧着糊
Gh 圧着糊
Pm 封筒用紙被重ね部分
Pms 縁部(封筒用紙縁部)
Pz 封筒用紙外折り部分
Pzs 縁部(封筒用紙縁部)
P2 封筒用紙
P2c1 折り曲げ線
P2c2 折り曲げ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒用紙端部からの折り曲げ位置を調整する位置調整部を有していて、封筒最外側を構成する封筒用紙外折り部分を前記折り曲げ位置で折り曲げることで、内容物を内包しつつ封書を形成する封筒形成手段と、
互いに重ねられて押圧されると接着する一対の圧着糊を、前記封筒用紙外折り部分の所定位置と、前記封筒用紙外折り部分が重ね合わせられる封筒用紙被重ね部分の所定位置とにそれぞれ塗布する圧着糊塗布手段と、
前記位置調整部に対し、前記圧着糊を重ね合わせるように前記外折り用紙部分を折り曲げる封緘用折り曲げ位置と、前記圧着糊を重ね合わせないように前記外折り用紙部分を折り曲げる非封緘用折り曲げ位置との切り替え制御を行う制御手段と、
前記封筒形成手段で形成されて排出された、封緘済みの封書および非封緘の封書の何れも収容する収容手段と、
を具備したことを特徴とする封入封緘システム。
【請求項2】
前記封筒形成手段により、前記封緘用折り曲げ位置と前記非封緘用折り曲げ位置とにおいて折り曲げられた際の各折り曲げ線が互いに平行であり、
前記圧着糊塗布手段は、前記封緘用折り曲げ位置の折り曲げ線に直交する封筒用紙縁部に沿って所定のピッチで配列されるように前記圧着糊を塗布することを特徴とする請求項1に記載の封入封緘システム。
【請求項3】
前記圧着糊の配列方向に沿った糊幅W1および糊同士の間隔W2が、前記封筒用紙外折り部分および前記封筒用紙被重ね部分で互いに同じにされ、かつ、
W1≦W2
を満たしていることを特徴とする請求項2に記載の封入封緘システム。
【請求項4】
前記封筒形成手段により、前記封緘用折り曲げ位置と前記非封緘用折り曲げ位置とにおいて折り曲げられた際の各折り曲げ線が互いに平行であり、
前記圧着糊塗布手段は、前記封緘用折り曲げ位置の折り曲げ線に平行に前記圧着糊を塗布することを特徴とする請求項1に記載の封入封緘システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−67398(P2013−67398A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205936(P2011−205936)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】