説明

封入封緘システム

【課題】封入封緘された印刷用紙の折れ状態に応じた適切な制御を行う。
【解決手段】ジョブに基づいて、印刷用紙及び封緘用の封筒用紙に印刷する印刷部9と、印刷手段で印刷された印刷用紙を封筒用紙で封入封緘して封筒を作成する封筒形成部85と、封筒形成部85により作成された封筒を封筒搬送路上で搬送する導出ローラと、導出ローラによる搬送方向と直交して設けられ、封筒搬送路49上を搬送される封筒の厚みを検出する押圧センサ114と、押圧センサ114により検出された検出値に基づいて、印刷用紙の折れの状態を判定する判定部121と、判定部121の判定結果に応じた制御を行う機器制御部123とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒に複数枚の印刷物を内包して封緘する封入封緘システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、封筒に複数枚の印刷物を内包して封緘することが広く行われている。この場合、通常、封入封緘システムを用い、封筒に入れる印刷物を印刷し、複数枚の印刷物が封筒に入るように折りたたみ、封筒に内包するように封緘している。
【0003】
例えば、特許文献1では、宛名シートとそれに続くデータシートとを封筒に封入封緘する封入封緘装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−273109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の封入封緘装置では、宛名シートとそれに続くデータシートとを封筒に封入封緘する際、宛名シートやデータシート(以後、内容物という)が封筒に引っ掛かり、又は斜行搬送されることにより角折れが発生する場合があった。また、宛名シートやデータシートの封筒に封入する際の搬送速度が速すぎたり、又は遅すぎたりして、搬送方向先端部や後端部が折れる(以後、一辺折れという)場合があった。
【0006】
このような場合、角折れや一辺折れした内容物が封入封緘され、いずれの場合においても同様に扱われてしまうが、折れの状態によっては、封入封緘処理を停止する必要や、封筒の搬送を調整する必要が生じる場合があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、封入封緘された内容物の折れ状態に応じた制御を行う封入封緘システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴は、ジョブに基づいて、印刷用紙及び封緘用の封筒用紙に印刷する印刷手段と、前記印刷手段により印刷された印刷用紙を搬送する用紙搬送手段と、前記用紙搬送手段で搬送された印刷用紙を前記封緘用の封筒用紙に封入し封緘することにより封筒を作成する封入封緘手段と、前記封入封緘手段により作成された封筒を封筒搬送路上で搬送する封筒搬送手段と、前記封筒搬送手段による搬送方向と直交して設けられ、前記封筒搬送路上を搬送される封筒の厚みを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された検出値に基づいて、前記印刷用紙の折れの状態が1つの角が折れた角折れ又は一辺が折れる辺折れであることを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じた制御を行う制御手段と、を備えたことにある。
【0009】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴は、前記判定手段は、前記辺折れのうち、前記印刷用紙に、前記封筒搬送手段の搬送方向に直交する一辺が折れる前後折れ、又は前記封筒搬送手段の搬送方向に平行な一辺が折れる左右折れのいずれが発生したかを判定し、前記制御手段は、前記判定手段により前後折れが発生したと判定された場合、前後折れが解消するように前記用紙搬送手段における搬送の速度調整を行い、左右折れが発生したと判定された場合、左右折れが解消するように前記用紙搬送手段の左右位置調整を行うことにある。
【0010】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴は、エラーを報知する報知手段を更に備え、前記制御手段は、前記判定手段により角折れが発生したと判定された場合、前記報知手段にエラーを報知させ、前記判定手段により辺折れが発生したと判定された場合、前記ジョブに基づいて、前記封入封緘手段により作成された封筒のうち何枚目に辺折れが発生したかを前記報知手段にエラーを報知させることにある。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る封入封緘システムの第1の特徴によれば、検出手段により検出された検出値に基づいて、印刷用紙の折れの状態が1つの角が折れた角折れ又は一辺が折れる辺折れであることを判定する判定手段と、判定手段の判定結果に応じた制御を行う制御手段とを備えるので、封入封緘された印刷用紙の折れ状態に応じた適切な制御を行うことができる。
【0012】
本発明に係る封入封緘システムの第2の特徴によれば、判定手段により前後折れが発生したと判定された場合、前後折れが解消するように用紙搬送手段における搬送の速度調整を行い、左右折れが発生したと判定された場合、左右折れが解消するように用紙搬送手段の左右位置調整を行うので、前後折れ又は左右折れが生じた場合には、封入封緘システムを停止することなく、折れを解消することができる。
【0013】
本発明に係る封入封緘システムの第3の特徴によれば、判定手段により角折れが発生したと判定された場合、報知手段にエラーを報知させ、判定手段により辺折れが発生したと判定された場合、ジョブに基づいて、封入封緘手段により封緘された封筒のうち何枚目に辺折れが発生したかを報知手段にエラーを報知させるので、折れが発生した場合、適切なメッセージを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態である封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図であり、
【図2】本発明の一実施形態である封入封緘システムの模式的な正面図である。
【図3】本発明の一実施形態である封入封緘システムが備える押圧センサの構成を模式的に示した図である。(a)は、本発明の一実施形態である封入封緘システムが備える押圧センサを搬送方向から見た側面図であり、(b)は、本発明の一実施形態である封入封緘システムが備える押圧センサの検出部の正面図である。
【図4】本発明の一実施形態である封入封緘システムの封入封緘装置の機能構成を示す機能構成図である。
【図5】本発明の一実施形態である封入封緘システム1における内容物に折れの状態を模式的に説明した図である。(a)は、角折れを示した図であり、(b)は、後折れを示した図であり、(c)は、前折れを示した図であり、(d)は、右折れを示した図である。
【図6】本発明の一実施形態である封入封緘システムにおける処理手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態である封入封緘システムが備える押圧センサの検出結果の一例を示した図である。
【図8】本発明の一実施形態である封入封緘システムによる調整動作の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
また、以下の説明では、用紙としてどのサイズの用紙であっても適用可能である。また、以下の実施の形態では、例えば孔版印刷やインクジェットで印刷するが、他の手法で印刷してもよく、本発明では印刷形式は特に限定されない。また、封緘する印刷物の種類の数(印刷物の枚数)も特に限定されるものではない。
【0017】
<封入封緘システムの構成>
本発明の一実施形態である封入封緘システムの構成について説明する。なお、説明中において、「上流」とは、内容物用紙等の搬送方向から見て上流のことをいい、「下流」とは、内容部用紙等の搬送方向から見て下流ことをいう。また、図2で、「L」は正面から見た左方向、「R」は正面から見た右方向を示す。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態である封入封緘システムで内容物用紙等が形成されることを説明する説明図であり、図2は、本発明の一実施形態である封入封緘システムの模式的な正面図である。
【0019】
図1、図2に示すように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1は、画像形成装置3と封入封緘装置5とを有する。図2に示すように、画像形成装置3は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行い、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するシステムである。換言すれば、封入封緘システム1は、複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行う画像形成装置3と、この画像形成装置3に隣接した位置に設けられた封入封緘装置(封書作製装置)5との組み合わせからなっている。ここで、封入封緘装置5は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘することにより、封書Mを作製するものである。
【0020】
画像形成装置3は、画像形成装置筐体7(以下、適宜に装置筐体7という)を具備しており、この装置筐体7内には、ジョブに含まれる画像データ(内容物画像データ及び封筒画像データ)に基づいて内容物用紙P1及び封筒用紙P2に印刷を行うインクジェット方式の印刷部9が設けられている。この印刷部9は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクを吐出する複数のライン型のインクヘッド11A,11B,11C,11Dを備えている。また、装置筐体7内には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を搬送するためのループ状の印刷搬送路13が印刷部9を囲むように設けられている。装置筐体7内における印刷搬送路13に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第1搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。複数の第1搬送ローラ対は、適宜の第1搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0021】
装置筐体7内における印刷部9の下側には、複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ順次給紙する複数の内容物用紙給紙部15が上下方向に段状に設けられている。各内容物用紙給紙部15は、複数枚の内容物用紙P1を積載する給紙トレイ17と、この給紙トレイ17に積載された複数枚の内容物用紙P1を印刷部9側へ順次送り出す複数の給紙ローラ19とを備えている。複数の給紙ローラ19は、適宜の内容物用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0022】
また、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路21が設けられており、この給紙搬送路21は、上流端側(基端側)に2つの分岐部分21aを有している。更に、給紙搬送路21の各分岐部分21aの端部は、対応する内容物用紙給紙部15に接続してあり、給紙搬送路21の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路21に沿った位置には、内容物用紙P1を挟持して搬送する複数の第2搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第2搬送ローラ対は、適宜の第2搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0023】
装置筐体7の左側部には、封筒用紙P2を印刷部9側(印刷搬送路13側)へ給紙する封筒用紙給紙部23が設けられており、この封筒用紙給紙部23は、複数枚の封筒用紙P2を積載する給紙トレイ25と、この給紙トレイ25に積載された封筒用紙P2を印刷部9側へ送り出す複数の給紙ローラ27とを備えており、複数の給紙ローラ27は、適宜の封筒用紙給紙モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。また、装置筐体7内の左部には、封筒用紙P2を印刷部9側へ搬送するための給紙搬送路29が設けられており、この給紙搬送路29の上流端部(基端部)は、封筒用紙給紙部23に接続してあって、給紙搬送路29の下流端部(先端部)は、印刷搬送路13に接続してある。そして、装置筐体7内における給紙搬送路29に沿った位置には、封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第3搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第3搬送ローラ対は、適宜の第3搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0024】
印刷搬送路13の左側上部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を一時的に収容するカセット31が設けられている。また、装置筐体7内の左部からカセット31内にかけて、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を表裏反転させて印刷部9側へ搬送するためのスイッチバック搬送路33が設けられており、このスイッチバック搬送路33の基端部は、公知のスイッチバック用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。更に、装置筐体7内の左部には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2をスイッチバック搬送路33側に挟持しつつ引き入れたり又はスイッチバック搬送路33側から挟持しつつ送り出したりする出入ローラ対(図示省略)が設けられており、出入ローラ対は、適宜の出入搬送モータ(図示省略)の駆動により正逆方向へ回転可能である。
【0025】
装置筐体7内の左部には、印刷搬送路13から送り出された内容物用紙P1及び封筒用紙P2を封入封緘装置5側(右方向)へ搬送するための連絡搬送路35が設けられており、この連絡搬送路35の上流端部(基端部)は、公知の連絡用フラッパ(図示省略)の作動によって印刷搬送路13に接続、遮断可能になっている。また、装置筐体7内における連絡搬送路35に沿った位置には、内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第4搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第4搬送ローラ対は、適宜の第4搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0026】
装置筐体7内の適宜位置には、画像形成コントローラ37が設けられており、この画像形成コントローラ37は、印刷部9、内容物用紙給紙部15、封筒用紙給紙部23等の動作を制御するものである。また、画像形成コントローラ37は、画像形成に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、画像形成に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えている。更に、装置筐体7の上部には操作パネル39が設けられている。操作パネル39やプリンタドライバがインストールされたPC(personal computer)の表示画面は、内容物Bに関する情報としての内容物用紙P1の用紙厚,枚数,サイズ及び封筒Eに関する情報を入力可能であって、画像形成コントローラ37に電気的に接続されている。
【0027】
そして、封入封緘システム1では、画面によって内容物B及び封筒Eに関する情報を入力され、又は、操作パネル39から内容物B及び封筒Eに関する情報を入力されることにより、画像生成処理や封入封緘処理を実行するための印刷ジョブが生成される。
【0028】
図1及び図2に示すように、封入封緘システム1における封入封緘装置5は、封入封緘装置筐体41(以下、適宜に装置筐体41という)を具備している。この装置筐体41内には、連絡搬送路35(画像形成装置3)から送り出された印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を右方向へ搬送するための導入搬送路43が設けられており、この導入搬送路43の上流端部(基端部)は、連絡搬送路35の下流端部(先端部)に接続してある。また、装置筐体41内における導入搬送路43に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第5搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第5搬送ローラ対は、適宜の第5搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0029】
装置筐体41内には、印刷済みの内容物用紙P1等(内容物Bを含む)を搬送するための内容物用紙搬送路45が設けられており、この内容物用紙搬送路45の上流端部(基端部)は、公知の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部(先端部)に接続、遮断可能である。また、装置筐体41内における内容物用紙搬送路45に沿った位置には、印刷済みの内容物用紙P1等を挟持して搬送する複数の第6搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第6搬送ローラ対は、適宜の第6搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0030】
装置筐体41内における内容物用紙搬送路45の上側には、印刷済みの封筒用紙P2を搬送するための封筒用紙搬送路47が設けられており、この封筒用紙搬送路47の上流端部(基端部)は、前述の封入封緘用フラッパの作動によって導入搬送路43の下流端部に接続、遮断可能である。更に、装置筐体41内における封筒用紙搬送路47に沿った位置には、印刷済みの封筒用紙P2を挟持して搬送する複数の第7搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられており、複数の第7搬送ローラ対は、適宜の第7搬送モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0031】
内容物用紙搬送路45の下流端側と封筒用紙搬送路47の下流端側は合流している。装置筐体41内における内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部の下流側(出口側)には、内容物Bを封入した状態で封筒E等(封書Mを含む)を搬送するための封筒搬送路49が設けられている。そして、この封筒搬送路49は、装置筐体41の上部まで延びている。また、装置筐体41内における封筒搬送路49に沿った位置には、封筒E等を挟持して搬送する複数の第8搬送ローラ対(図示省略)が間隔を置いて設けられている。
【0032】
内容物用紙搬送路45の途中には、整合部51が設けられている。この整合部51は、導入搬送路43から送り出された印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を集積して整合するものである。また、整合部51は、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1を待機させる整合ゲート(待機ゲート)53を備えており、この整合ゲート53は、内容物用紙搬送路45を開状態と閉状態に切り替え可能になっている。
【0033】
内容物用紙搬送路45における整合部51の出口側(下流側)には、内容物形成部55が設けられており、この内容物形成部55は、整合部51から送り出された整合済みの複数枚の内容物用紙P1(以下、適宜に内容物用紙P1という)を折り曲げて内容物Bを形成するものである。そして、内容物形成部55の具体的な構成は、次のようになる。
【0034】
装置筐体41内における整合部51の出口側(下流側)には、主折りローラ57が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接した位置には、主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を内容物用紙搬送路45から導入する導入ローラ59が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ57の下側には、主折りローラ57と導入ローラ59によって導入された内容物用紙P1を案内するガイド板61が設けられている。更に、ガイド板61には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近にたるみを与える突当て部材63が設けられており、この突当て部材63は、適宜の第1位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板61に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ導入ローラ59に対向した位置には、中間ローラ65が回転可能に設けられており、この中間ローラ65は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1a付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1aから折り曲げるものである。
【0035】
装置筐体41内における主折りローラ57の左側には、主折りローラ57と中間ローラ65によって折り曲げられた内容物用紙P1を案内するガイド板67が設けられている。また、ガイド板67には、内容物用紙P1(の先端)に突き当たって内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近にたるみを与える突当て部材69が設けられており、この突当て部材69は、適宜の第2位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板67に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ57に隣接しかつ中間ローラ65に対向した位置には、導出ローラ71が回転可能に設けられており、この導出ローラ71は、内容物用紙P1の折り曲げ線P1b付近をたるませた状態で主折りローラ57と協働して内容物用紙P1を折り曲げ線P1bから折り曲げつつ、内容物用紙搬送路45側へ導出するものである。
【0036】
ここで、主折りローラ57、導入ローラ59、中間ローラ65、及び導出ローラ71は、それぞれ適宜の第1折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0037】
封筒用紙搬送路47の途中には、前折り部73が設けられており、この前折り部73は、連絡搬送路35から送り出された印刷済みの封筒用紙P2(以下、適宜に封筒用紙P2という)の前折りを行うものである。そして、前折り部73の具体的な構成は、次のようになる。
【0038】
装置筐体41内における封筒用紙搬送路47の途中には、主折りローラ75が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接した位置には、主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ77が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ75の下側には、主折りローラ75と導入ローラ77によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板79が設けられている。更に、ガイド板79には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近にたるみを与える突当て部材81が設けられており、この突当て部材81は、適宜の第3位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板79に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ75に隣接しかつ導入ローラ77に対向した位置には、導出ローラ83が回転可能に設けられており、この導出ローラ83は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2a付近をたるませた状態で主折りローラ75と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2aから折り曲げつつ、封筒用紙搬送路47側へ導出するものである。
【0039】
ここで、主折りローラ75、導入ローラ77、及び導出ローラ83は、それぞれ適宜の第2折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0040】
内容物用紙搬送路45と封筒用紙搬送路47の合流部には、封筒形成部85が設けられており、この封筒形成部85は、前折り部73から送り出された封筒用紙P2を折り曲げて封筒Eを形成するものである。そして、封筒形成部85の具体的な構成は、次のようになる。
【0041】
装置筐体41内における前折り部73の出口側(下流側)には、主折りローラ87が回転可能に設けられており、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接した位置には、主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を封筒用紙搬送路47から導入する導入ローラ89が回転可能に設けられている。また、装置筐体41内における主折りローラ87の下側には、主折りローラ87と導入ローラ89によって導入された封筒用紙P2を案内するガイド板91が設けられている。更に、ガイド板91には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近にたるみを与える突当て部材93が設けられており、この突当て部材93は、適宜の第4位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板91に沿って位置調節可能である。そして、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ導入ローラ89に対向した位置には、中間ローラ95が回転可能に設けられており、この中間ローラ95は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げるものである。
【0042】
装置筐体41内におけるガイド板91の近傍には、反射型の光電センサ等の封筒用紙センサ97が設けられており、この封筒用紙センサ97は、封筒用紙P2が突当て部材93に近接したこと、換言すれば、封筒形成部85による(主折りローラ87と中間ローラ95の協働による)封筒用紙P2の折り曲げの開始タイミングを検出するものである。
【0043】
装置筐体41内における主折りローラ87の右側には、主折りローラ87と中間ローラ95によって折り曲げられた封筒用紙P2を案内するガイド板99が設けられている。また、ガイド板99には、封筒用紙P2(の先端)に突き当たって封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近にたるみを与える突当て部材101が設けられており、この突当て部材101は、適宜の第5位置調節モータ(図示省略)の駆動によりガイド板99に沿って位置調節可能である。更に、装置筐体41内における主折りローラ87に隣接しかつ中間ローラ95に対向した位置には、導出ローラ103が回転可能に設けられており、この導出ローラ103は、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げつつ、封筒搬送路49側へ導出するものである。
【0044】
ここで、主折りローラ87、導入ローラ89、中間ローラ95、及び導出ローラ103は、それぞれ適宜の第3折りモータ(図示省略)の駆動により回転可能である。
【0045】
内容物用紙搬送路45の途中における封筒形成部85の入口側(上流側)には、内容物送出部105が設けられており、この内容物送出部105は、内容物形成部55から送り出された内容物Bを、折り曲げ線P2bから折り曲げ中の封筒用紙P2に封入されるように封筒形成部85側へ送り出すものである。また、内容物送出部105は、内容物Bを封筒形成部85側へ送り出す環状の搬送ベルト107を備えており、この環状の搬送ベルト107は、適宜の送モータ(図示しない)の駆動により回転可能である。更に、装置筐体41内における環状の搬送ベルト107の近傍には、反射型の光電センサ等の内容物センサ111が設けられており、この内容物センサ111は、内容物B(の先端)が封筒形成部85に接近したことを検出するものである。
【0046】
また、封筒搬送路49の途中には、封緘部113が設けられており、この封緘部113は、封筒形成部85から送り出された封筒Eを封緘するものである。また、封緘部113は、封筒Eを挟持して押圧する封緘ローラ対115を備えており、この封緘ローラ対115は、適宜の封緘モータ(図示省略)の駆動により回転可能である。ここで、封筒Eは、封緘ローラ対115によって挟持して押圧されることにより、封筒用紙P2に予め塗布した感圧接着剤及び水糊の接着作用によって封緘されるようになっている。
【0047】
さらに、封筒搬送路49の下流側には、正常に封緘され、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する封書排出部117と、内容物Bに折れが発生した状態で封緘され、封筒搬送路49から送り出された封書Mを排出する不良封書排出部112とが設けられている。封筒搬送路49の途中には、切り替え機構118が設けられており、封書Mを封書排出部117へ排出する経路と、不良封書排出部112へ排出する経路とを、切り替える。
【0048】
封筒搬送路49の途中の搬送ベルト107の上方には、封筒搬送路49を搬送される封筒Eの厚みを測定するための押圧センサ114が設けられている。押圧センサ114は、例えば、封筒Eの幅方向(搬送方向と直交する方向)に8つの検出部を有し、封筒Eの幅方向において8点の厚さを測定することができる。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1が備える押圧センサ114の構成を模式的に示した図である。図3(a)は、押圧センサ114を搬送方向から見た側面図である。
【0050】
図3(a)に示すように、押圧センサ114は、封筒Eの幅方向(搬送方向と直交する方向)に8つの検出部114a〜114hを有している。そして、検出部114a〜114hにより押圧値を検出することにより、封筒搬送路49を搬送される封筒Eの厚さを測定する。
【0051】
図3(b)は、押圧センサ114の検出部114aの正面図である。なお、検出部114b〜114hは、検出部114aと同一の構成を有するので、説明を省略する。
【0052】
図3(b)に示すように、弾力性を有する押さえ板114kの上流側の端部がセンサ据え付け台114jに固定されており、下流側の端部が封筒搬送路49に接触している。
【0053】
そして、封筒Eが、封筒搬送路49上を搬送され、押さえ板114kに接触すると、押さえ板114kはX方向に持ち上げられる。検出部114aは、その持ち上げられることによる押圧力を電気信号に変換することにより、封筒Eの厚さを測定することができる。
【0054】
このように、封筒Eの幅方向(搬送方向と直交する方向)に8つの検出部114a〜114hを有し、それぞれの検出部が、封筒Eの厚さを測定するので、封筒Eの幅方向において8点の厚さを測定することができる。
【0055】
<封入封緘システムの機能構成>
図4は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1の封入封緘装置5の機能構成を示す機能構成図である。
【0056】
図4に示すように、封入封緘装置5の装置筐体41内の適宜位置には、封入封緘コントローラ119が設けられており、この封入封緘コントローラ119は、整合部51、内容物形成部55、前折り部73、封筒形成部85、内容物送出部105、及び封緘部113等の動作を制御するものである。
【0057】
また、封入封緘コントローラ119は、封入封緘に関する制御プログラム等を記憶するメモリと、封入封緘に関する制御プログラムを実行するCPUとを備えてあって、封入封緘コントローラ119には、画像形成コントローラ37、押圧センサ114、及び内容物センサ111が電気的に接続してある。
【0058】
また、封入封緘コントローラ119は、その機能上、判定部121と、機器制御部123とを備える。
【0059】
判定部121は、押圧センサ114により検出された検出値に基づいて、内容物Bの折れの状態を判定する。具体的には、判定部121は、内容物Bに、搬送ベルト107の搬送方向に直交する一辺が折れる前後折れ、又は搬送ベルト107の搬送方向に平行な一辺が折れる左右折れのいずれが発生したかを判定したり、内容物Bに、1以上の角が折れる角折れ又は一辺以上の辺が折れる辺折れのいずれが発生したかを判定する。
【0060】
機器制御部123は、判定部121の判定結果に応じて、各構成機器の制御を行う。例えば、機器制御部123は、判定部121により前後折れが発生したと判定された場合、前後折れが解消するように搬送ベルト107の速度調整を行い、左右折れが発生したと判定された場合、左右折れが解消するように搬送ベルト107の左右位置調整を行う。また、機器制御部123は、判定部121により角折れが発生したと判定された場合、操作パネル39にエラーを報知させ、判定部121により辺折れが発生したと判定された場合、印刷ジョブに基づいて、封緘された封筒のうち何枚目に辺折れが発生したかを操作パネル39にエラーを報知させる。
【0061】
<封入封緘システムにおける内容物の折れの状態>
以上のような装置構成において、印刷済みの複数枚の内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘するが、その際、内容物Bに折れが発生する場合がある。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1における内容物Bに折れの状態を模式的に説明した図である。図5(a)は、角折れを示した図であり、図5(b)は、後折れを示した図であり、図5(c)は、前折れを示した図であり、図5(d)は、右折れを示した図である。
【0063】
図5(a)に示すように、内容物Bは、例えば封筒Eに引っ掛かり、又は搬送方向に対して斜行して搬送されることにより、内容物Bの4つの角について、少なくとも1の角に角折れ201が発生する場合がある。
【0064】
このように、内容物Bに角折れが発生し、封筒Eに封緘されると、ユーザは、外観からは角折れを認識することができないので、封入封緘システム1は、封入・封緘処理を中止する必要がある。
【0065】
また、図5(b)に示すように、内容物Bが完全に封筒E内に封入される前に、封筒Eが形成されると、搬送方向下流側の一辺が折れる後折れが発生する。具体的には、搬送ベルト107により搬送された内容物Bが封筒E内に封入される前に、導出ローラ103が、封筒用紙P2の折り曲げ線P2c付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2cから折り曲げた場合、後折れ203が発生する。
【0066】
このように、内容物Bに後折れ203が発生した場合、封入封緘システム1は、搬送ベルト107による内容物Bの搬送速度、即ち、搬送ベルト107のベルト回転速度を速くなるように搬送速度を調整する必要がある。
【0067】
また、図5(c)に示すように、内容物Bが封筒E内に封入され過ぎた状態で、封筒Eが形成されると、搬送方向下流側の一辺が折れる前折れが発生する。具体的には、搬送ベルト107により搬送された内容物Bが封筒E内に封入され過ぎた状態で、中間ローラ95が、封筒用紙P2の折り曲げ線P2b付近をたるませた状態で主折りローラ87と協働して封筒用紙P2を折り曲げ線P2bから折り曲げた場合、前折れ205が発生する。
【0068】
このように、内容物Bに前折れ205が発生した場合、封入封緘システム1は、搬送ベルト107による内容物Bの搬送速度、即ち、搬送ベルト107のベルト回転速度を遅くなるように搬送速度を調整する必要がある。
【0069】
また、図5(d)に示すように、内容物Bが幅方向、即ち、搬送方向に直交する方向(右方向)にずれた状態で、封筒Eが形成されると、幅方向の右側の一辺が折れる右折れ207が発生する。
【0070】
このように、内容物Bに左右折れ207が発生した場合、封入封緘システム1は、搬送ベルト107を左方向へ移動する必要がある。同様に、内容物Bが左方向にずれた状態で、封筒Eが形成されると、幅方向の左側の一辺が折れる左折れが発生する。この場合、封入封緘システム1は、搬送ベルト107を右方向へ移動する必要がある。
【0071】
そこで、本発明の一実施形態である封入封緘システム1では、封緘された封筒Eの厚みを検出する押圧センサ114を有し、この押圧センサ114により検出された検出値に基づいて、内容物Bの折れの状態を判定し、この判定結果に応じて、折れを解消するように搬送ベルト107の搬送速度調整や左右位置調整等の調整動作を行ったり、折れが発生したことを報知したりする。
【0072】
<封入封緘システムの作用>
次に、本発明の一実施形態である封入封緘システム1における作用について説明する。
【0073】
図6は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1における処理手順を示したフローチャートである。
【0074】
図6に示すように、封入封緘コントローラ119は、封入・封緘処理を要求するジョブを受信すると(ステップS101)、カウンタiの値に“1”を代入し、受信したジョブに含まれる総枚数をCに代入し、エラーカウンタECの値に“0”を代入する(ステップS103)。
【0075】
次に、封入封緘コントローラ119の機器制御部123は、第i番目の内容物用紙P1及び封筒用紙P2に対して、封入・封緘処理を開始する(ステップS105)。具体的には、機器制御部123は、印刷済みの内容物用紙P1及び封筒用紙P2から内容物B及び封筒Eをそれぞれ形成して、内容物Bを封入した状態で封筒Eを封緘する処理を開始する。
【0076】
次に、封入封緘コントローラ119は、カウンタiの値に“1”を加算した後(ステップS107)、カウンタiの値が総枚数Cを越えたか否かを判定する(ステップS109)。
【0077】
ステップS109において、カウンタiの値が総枚数Cを越えたと判定された場合(YESの場合)、封入・封緘処理を終了する。
【0078】
一方、カウンタiの値が総枚数C以下であると判定された場合(NOの場合)、封入封緘コントローラ119の判定部121は、内容物Bに折れがあるか否かを判定する(ステップS111)。この内容物Bに折れがあるか否か、及び折れがある場合にどのような形態で折れが発生しているかを判定する判定処理の詳細については、後述する。
【0079】
ステップS111において、内容物Bに折れがあると判定された場合(YESの場合)、封入封緘コントローラ119は、エラーカウンタECの値に“1”を加算した後(ステップS113)、判定部121は、エラーカウンタECの値が、折れ閾値ECLを越えたか否かを判定する(ステップS115)。ここで、この折れ閾値ECLは、例えば、3回など予め適切な値を設定しておく必要がある。
【0080】
ステップS115において、エラーカウンタECの値が、折れ閾値ECLを越えたと判定された場合(YESの場合)、判定部121は、押圧センサ114の検出値に基づいて、辺折れか否かを判定する(ステップS117)。
【0081】
ステップS117において、辺折れではない、即ち、角折れであると判定された場合(NOの場合)、機器制御部123は、封入・封緘処理を中止し(ステップS119)、操作パネル39にエラーを表示させる(ステップS121)。例えば、機器制御部123は、操作パネル39に、「角折れが発生しました。メンテナンスセンターに連絡してください。」というようなメッセージを表示させる。
【0082】
一方、ステップS117において、辺折れであると判定された場合(YESの場合)、判定部121は、押圧センサ114の検出値に基づいて、左右折れ、即ち、右折れ又は左折れであるか否かを判定する(ステップS123)。
【0083】
ステップS123において、左右折れであると判定された場合(YESの場合)、機器制御部123は、搬送ベルト107の左右位置調整を行う(ステップS125)。
【0084】
一方、ステップS123において、左右折れではない、即ち、前後折れであると判定された場合(NOの場合)、機器制御部123は、搬送ベルト107の速度調整を行う(ステップS127)。このステップS125における搬送ベルト107の左右位置調整、及びステップS127における搬送ベルト107の速度調整の調整動作については、後述する。
【0085】
次に、機器制御部123は、何枚目に辺折れが生じたかを操作パネル39に表示させる(ステップS129)。例えば、機器制御部123は、操作パネル39に、「第i番目の内容物Bに辺折れが発生しました。」というようなメッセージを表示させる。
【0086】
次に、機器制御部123は、切り替え機構118を切り替え動作させることにより、封書Mを不良封書排出部112へ排出させる。
【0087】
そして、封入封緘コントローラ119は、エラーカウンタECの値に“0”を代入して(ステップS133)、処理をステップS105に移行する。
【0088】
以上のように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1によれば、封緘された封筒Eの厚みを検出する押圧センサ114と、押圧センサ114により検出された検出値に基づいて、内容物Bの折れの状態を判定する判定部121と、判定部121の判定結果に応じ制御を行う機器制御部123とを備えているので、角折れや一辺折れした内容物が封入封緘されたことを検出し、この検出結果に応じた制御を行うことができる。
【0089】
<判定処理>
次に、本発明の一実施形態である封入封緘システム1における判定処理について説明する。
【0090】
図7は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1が備える押圧センサ114の検出結果の一例を示した図である。図7では、図5(a)に示したような、角折れが発生した場合の検出結果の一例を示している。
【0091】
図7に示すように、押圧センサ114は、封筒Eの幅方向(搬送方向と直交する方向)に8つの検出部114a〜114hを有しており、それぞれの検出部が検出値を出力する。
【0092】
t1時点において、搬送方向における封筒Eの先端を検出し、t7時点において、封筒Eの後端を検出している。
【0093】
そこで、封入封緘コントローラ119の判定部121は、検出部114aの封筒Eの先端近傍の検出エリア301と、検出部114hの封筒Eの先端近傍の検出エリア302と、検出部114aの封筒Eの後端近傍の検出エリア303と、検出部114hの封筒Eの後端近傍の検出エリア304とにおける検出値に基づいて、内容物Bにどのような形態で折れが発生しているかを判定する。
【0094】
具体的には、判定部121は、t1より所定の時間が経過したt3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値と、t7より所定の時間前のt5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値とに基づいて、角折れ、辺折れが発生したか否かを判定する。
【0095】
例えば、判定部121は、t3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値と、t5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値とのうち、いずれか1つの検出値のみが予め定められた折れ閾値を超えた場合、判定部121は、折れ閾値を超えた箇所で内容物Bに角折れが発生したと判定する。
【0096】
図7の例では、検出部114aの封筒Eの先端近傍の検出エリア301における検出値、即ち、t3時点における検出部114aの検出値のみが、折れ閾値を超えているので、判定部121は、内容物Bの先端左側近傍に角折れが発生したと判定する。なお、図7に示すように、封筒Eの幅方向において、検出部114a側を左側、検出部114h側を右側という。
【0097】
また、判定部121は、t3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値と、t5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値とのうち、t3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値のみが、折れ閾値を超えた場合、判定部121は、折れ閾値を超えた箇所で内容物Bに前折れが発生したと判定する。
【0098】
判定部121は、t3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値と、t5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値とのうち、t5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値のみが、折れ閾値を超えた場合、判定部121は、折れ閾値を超えた箇所で内容物Bに後折れが発生したと判定する。
【0099】
判定部121は、t3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値と、t5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値とのうち、t3時点における検出部114aと、t5時点における検出部114aとの検出値のみが、折れ閾値を超えた場合、判定部121は、折れ閾値を超えた箇所で内容物Bに左折れが発生したと判定する。
【0100】
判定部121は、t3時点における検出部114a及び検出部114hの検出値と、t5時点における検出部114a及び検出部114hの検出値とのうち、t3時点における検出部114hと、t5時点における検出部114hとの検出値のみが、折れ閾値を超えた場合、判定部121は、折れ閾値を超えた箇所で内容物Bに右折れが発生したと判定する。
【0101】
以上のように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1が備える判定部121は、押圧センサ114の検出結果に基づいて、内容物Bの折れの状態を判定するので、角折れ、前折れ、後折れ、左折れ、右折れ等折れの状態を正確に判定することができる。
【0102】
<調整動作>
次に、図6に示したフローチャートのステップS125における搬送ベルト107の左右位置調整、及びステップS127における搬送ベルト107の速度調整の調整動作について、説明する。
【0103】
図8は、本発明の一実施形態である封入封緘システム1による調整動作の一例を示した図である。
【0104】
図8に示すように、搬送ベルト107は、内容物Bの幅方向(X1方向,X2方向)に移動可能に設けられている。
【0105】
そして、判定部121により、左折れ又は右折れが発生したと判定された場合、機器制御部123は、搬送ベルト107の左右位置調整を行う。具体的には、機器制御部123は、内容物Bが、左折れ又は右折れが解消するように、即ち、封筒Eの幅方向において中央部に封入されるように、搬送ベルト107をX1方向又はX2方向に移動させる。
【0106】
また、判定部121により、前折れ又は後折れが発生したと判定された場合、機器制御部123は、搬送ベルト107の速度調整を行う。具体的には、機器制御部123は、内容物Bが、封筒Eの搬送方向において中央部に封入されるように、即ち、前折れが解消するように、搬送ベルト107の搬送速度を低下させ、又は、後折れが解消するように搬送ベルト107の搬送速度を上昇させる。
【0107】
このように、本発明の一実施形態である封入封緘システム1によれば、内容物Bの折れの状態を判定し、この判定結果に応じて、操作パネル39にメッセージを表示させたり、搬送ベルト107の位置を調整したり、搬送ベルト107の速度を調整したり、各構成機器の制御を行うので、ユーザは、折れ状態に応じた適切な処置を行うことがきできる。
【符号の説明】
【0108】
1…封入封緘システム
3…画像形成装置
5…封入封緘装置
9…印刷部
13…印刷搬送路
19…給紙ローラ
21…給紙搬送路
29…給紙搬送路
33…スイッチバック搬送路
35…連絡搬送路
37…画像形成コントローラ
39…操作パネル
41…封入封緘装置筐体
43…導入搬送路
45…内容物用紙搬送路
47…封筒用紙搬送路
49…封筒搬送路
51…整合部
55…内容物形成部
73…前折り部
85…封筒形成部(封入封緘手段)
103…導出ローラ(封筒搬送手段)
105…内容物送出部
107…搬送ベルト(用紙搬送手段)
112…不良封書排出部
113…封緘部
114…押圧センサ(検出手段)
114h…検出部
117…封書排出部
118…切り替え機構
119…封入封緘コントローラ
121…判定部
123…機器制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに基づいて、印刷用紙及び封緘用の封筒用紙に印刷する印刷手段と、
前記印刷手段により印刷された印刷用紙を搬送する用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段で搬送された印刷用紙を前記封緘用の封筒用紙に封入し封緘することにより封筒を作成する封入封緘手段と、
前記封入封緘手段により作成された封筒を封筒搬送路上で搬送する封筒搬送手段と、
前記封筒搬送手段による搬送方向と直交して設けられ、前記封筒搬送路上を搬送される封筒の厚みを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された検出値に基づいて、前記印刷用紙の折れの状態が1つの角が折れた角折れ又は一辺が折れる辺折れであることを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に応じた制御を行う制御手段と、
を備えたことを特徴とする封入封緘システム。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記辺折れのうち、前記印刷用紙に、前記封筒搬送手段の搬送方向に直交する一辺が折れる前後折れ、又は前記封筒搬送手段の搬送方向に平行な一辺が折れる左右折れのいずれが発生したかを判定し、
前記制御手段は、
前記判定手段により前後折れが発生したと判定された場合、前後折れが解消するように前記用紙搬送手段における搬送の速度調整を行い、左右折れが発生したと判定された場合、左右折れが解消するように前記用紙搬送手段の左右位置調整を行う
ことを特徴とする請求項1記載の封入封緘システム。
【請求項3】
エラーを報知する報知手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記判定手段により角折れが発生したと判定された場合、前記報知手段にエラーを報知させ、前記判定手段により辺折れが発生したと判定された場合、前記ジョブに基づいて、前記封入封緘手段により作成された封筒のうち何枚目に辺折れが発生したかを前記報知手段にエラーを報知させる
ことを特徴とする請求項1記載の封入封緘システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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