封止用部材およびそれを備える電子機器
【課題】 筺体内部へ挿入される挿入部材に装着可能であると共に、挿入部材に悪影響を与えにくい封止用部材を提供すること。
【解決手段】
筺体2,3の開口部に挿入される挿入部材5を挟むように閉じる開閉面12を有する弾性部材11と、弾性部材11に埋設される挟持部材13と、を有し、挟持部材13は、弾性部材11を介して挿入部材5を外側から挟持すると共に、開閉面12を閉じた状態に維持可能である封止用部材10としている。
【解決手段】
筺体2,3の開口部に挿入される挿入部材5を挟むように閉じる開閉面12を有する弾性部材11と、弾性部材11に埋設される挟持部材13と、を有し、挟持部材13は、弾性部材11を介して挿入部材5を外側から挟持すると共に、開閉面12を閉じた状態に維持可能である封止用部材10としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封止用部材およびそれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(PDA)などの電子機器には、筺体に形成された開口部からフレキシブル基板等の挿入部材を挿通させる場合がある。かかる場合にその開口部から筺体内に異物が侵入しないように、その開口部と挿入部材との間に封止用部材を設ける場合がある。
【0003】
たとえば、封止用部材としては、開口部と挿入部材との間隙に液状のゴムを充填してなるものが知られている(特許文献1を参照)。また、封止用部材と挿入部材との密着性を向上させるために、挿入部材と封止用部材とを一体成型されたものも知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報WO2003/085793
【特許文献2】特開2005−348341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1あるいは特許文献2に記載の封止用部材では、挿入部材と封止用部材とを一体成型しているため、その一体成型の際に加えられる熱および圧力等により、挿入部材が破損あるいは変形等するという問題がある。たとえば、挿入部材としてフレキシブル基板等を用いる場合、一体成型の際に加えられる熱および圧力等により、フレキシブル基板に内包されている導線の断線を招く危険性がある。
【0006】
また、特許文献1あるいは特許文献2に記載の封止用部材では、挿入部材と封止用部材とが固着しているため、挿入部材に加えられた張力により、挿入部材と封止用部材との固着部分にストレスが生じ、破損等する危険性がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであって、筺体内部へ挿入される挿入部材に装着可能であると共に、挿入部材に悪影響を与えにくい封止用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の封止用部材は、筺体の開口部に挿入される挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、挟持部材は、弾性部材を介して挿入部材を外側から挟持すると共に、開閉面を閉じた状態に維持可能なものとしている。
【0009】
さらに、挟持部材に若しくはそれとは別に、弾性部材と挿入部材とが密着状態を保つように保持する保持手段を有してもよい。
【0010】
また、挟持部材は、弾性部材をその閉じる方向に付勢するのが好ましい。
【0011】
また、挟持部材の少なくとも一部は、挿入部材を挿入した場合に挿入部材から見て外側方向に凸形状であると共に、挿入部材への所定の加圧力により凸形状の頂点が反転してへこむことにより、挿入部材を挟持するのが好ましい場合もある。
【0012】
また、挟持部材は、2本の板状部分とそれらをつなぐ湾曲部分とから連続形成され、
湾曲部分を支点に弾性体が開閉し得る。
【0013】
また、弾性部材は、挿入部材と接する領域が、それ以外の領域内方にへこんでいるのが好ましい。
【0014】
また、別の発明の電子機器の実施の形態では、筺体に設けられた開口部から挿入される挿入部材と、挿入部材を挟持するように構成され、かつ、開口部を封止する封止用部材と、を有し、封止用部材は、挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、挟持部材は、弾性部材を介して挿入部材を外側から挟持すると共に、開閉面を閉じた状態に維持可能なものとしている。
【0015】
また、弾性部材が閉じた状態を保持するために、弾性部材には、挿入部材へ向かう方向の挟圧力が挟持部材および筺体の内壁により付与されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、筺体内部へ挿入される挿入部材に装着可能であると共に、挿入部材に悪影響を与えにくい封止用部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る封止用部材を備える電子機器としての携帯電話の斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話が折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る封止用部材が装着された挿入部材を示す斜視図である。
【図4】図3の封止用部材および挿入部材について、Aで示す領域を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4の封止用部材を挿入部材に装着するために開いた状態を示す斜視図である。
【図6】図4の封止用部材の弾性部材に埋設される挟持部材を示す斜視図である。
【図7】図3の封止用部材が閉じた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図8】図7の封止用部材の底面図である。
【図9】図7の封止用部材を図7の左側からみた場合の左側面図である。
【図10】図7の封止用部材を図7の右側から見た場合の右側面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る封止用部材が装着された挿入部材を示す斜視図である。
【図12】図11の封止用部材が閉じた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図13】図11の封止用部材が開いた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図14】本発明の別の変形例に係る封止用部材が備える挟持部材を示す斜視図である。
【図15】本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が開いた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図16】図15の封止用部材が閉じた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図17】本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が有する挟持部材を挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図18】本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が備える挟持部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態に係る電子機器および封止用部材について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
1.電子機器の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る封止用部材10を備える電子機器としての携帯電話1の斜視図である。図2は、図1に示す携帯電話1が折り畳まれた状態を示す斜視図である。なお、図1および図2においては、携帯電話1に備えられる挿入部材5および封止用部材10を点線にて示している。
【0020】
携帯電話1は、第1の筺体2および第2の筺体3を有している。携帯電話1は、第1の筺体2と第2の筺体3とが連結部4により回動可能に連結された、いわゆる折り畳みタイプの携帯電話として構成されている。挿入部材5は、一端側が第1の筺体2に設けられた開口部を通って、第1の筺体2の内部に挿入され、他端側が第2の筺体3に設けられた開口部を通って、第2の筺体3の内部に挿入されている。また、挿入部材5は、連結部4の内部を通って、第1の筺体2の内部に位置する基板と第2の筺体3に位置する基板とにそれぞれ接続されている。挿入部材5は、第1の筺体2側と第2の筺体3側とにそれぞれ封止用部材10を装着している。封止用部材10は、第1の筺体2に設けられた開口部および第2の筺体3に設けられた開口部を塞ぐように装着されている。
【0021】
図3は、封止用部材10が装着された挿入部材5を示す斜視図である。
【0022】
挿入部材5としては、たとえば、フレキシブルプリント回路基板(FPC)を用いることができる。FPCは、携帯電話1の折り畳み動作に追従できるような柔軟な配線資材となることから、第1の筺体2および第2の筺体3を連動させるために用いられる。本実施の形態では、挿入部材5は、帯状のFPCであって、その両端部に、コネクタ6をそれぞれ備える。封止用部材10が挿入部材5を挟んだ状態にて携帯電話1に装着されると、挿入部材5は、封止用部材10に挿通された状態となる。
【0023】
2.封止用部材の構成
(第1の実施の形態)
図4は、図3の封止用部材10および挿入部材5について、Aで示す領域を拡大して示す斜視図である。図5は、図4の封止用部材10を挿入部材5に装着するために開いた状態を示す斜視図である。図6は、図4の封止用部材10に埋設される挟持部材13を示す斜視図である。図7は、図4の封止用部材10が閉じられた状態において、挿入部材5の挿入方向から見た場合の正面図である。図8は、図7の封止用部材10の平面図である。図9は、図7の封止用部材10の左側面図である。図10は、図7の封止用部材10の右側面図である。なお、背面図については、正面図と略左右対称となるため図示を省略する。同様に、底面図と平面図とは、略対称となるため、一方のみを図示している。また、図7〜10では、埋設された挟持部材13を点線にて表示している。
【0024】
封止用部材10は、その外側を弾性部材11にて覆われている。弾性部材11は、挿入部材5を挿入するために第1の筺体2および第2の筺体3に設けられた開口部を封止し、第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内部に水、埃あるいはその他の異物の侵入を防ぐ部材である。弾性部材11は、挿入部材5を挟むようにして、挿入部材5に対して着脱可能な部材である。弾性部材11は、挿入部材5を挟持できるように、挿入部材5を挿入する開閉可能な開閉面12を有する。
【0025】
弾性部材11は、好適には、柔軟な樹脂若しくはエラストマーから成る。弾性部材11を柔軟な樹脂若しくはエラストマーから構成することにより、弾性部材11は、第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内面と挿入部材5との隙間を埋めるように容易に変形できる。このため、封止効果を高めることができる。弾性部材11は、たとえば、ショアA硬度が20〜70度のウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム等から主に形成されるのが好ましい。それらの中でも、耐久性が高いシリコーンゴムあるいはそれらの複合品を用いるのがより好ましい。弾性部材11の大きさおよび形状は、使用する弾性体の硬度により適宜決定されるが、例えば、縦1〜5mm、横1〜10mmの楕円体とすることができる。弾性部材11の一辺が1mm以上の場合には、弾性部材11が第1の筺体2および第2の筺体3と接し、第1の筺体2あるいは第2の筺体3により圧縮および固定された際に、弾性部材11は、容易に変形し、各筐体の寸法のばらつきを吸収できる。そのため、弾性部材11と、第1の筺体2および第2の筺体3との間に隙間が生じにくい。一方、弾性部材11の肉厚(挟持部材13の外面から弾性部材11の外面までの最短距離)が5mm以下の場合には、長期間の使用においても、弾性部材11の弾性力の低下によるシール性能の低下、あるいは弾性部材11自体が変形することによるシール性能の低下の影響を小さくできる。さらに、弾性部材11の突出長さを5mm以内とすることで、第1の筺体2および第2の筺体3により弾性部材11が圧縮および固定された際に弾性部材11に加えられた圧縮荷重が大きくなりすぎないため、第1の筺体2あるいは第2の筺体3が変形あるいは破損しにくくなる。また、弾性部材11の硬度を調節すると、弾性部材11と、挿入部材5との密着性あるいは弾性部材11と第1の筺体2もしくは第2の筺体3との密着性を高め、かつ、弾性部材11の寸法精度を確保できる。
【0026】
また、封止用部材10は、第1の筺体2または第2の筺体3に挿入した状態において、その内壁から弾性部材11を互いに押し付ける方向への挟圧力が付与されている。そのため、弾性部材11は、挿入部材5を挟持した状態で保持される。
【0027】
なお、弾性部材11のうち、挿入部材5と接触しない部分は、挿入部材5と接触する部分よりも、挿入部材5側に突出しているのが好ましい。このことは、弾性部材11のうち、挿入部材5と接する領域が、それ以外の領域よりも内側にへこんでいることを意味する。
【0028】
図4および図5に示すように、弾性部材11には、切り込みが設けられ、開閉可能な開閉面12が設けられている。開閉面12は、弾性部材11を完全に分割しないように設けられている。このため、弾性部材11は、開閉面12が設けられていない部分を支点として開閉できる。
【0029】
挟持部材13は、図7〜10に示すように、好適に、弾性部材11に埋設される部材である。挟持部材13は、たとえば、2枚の略平行に伸びる板状部分とそれらをつなぐ湾曲部分とから連続形成される、いわゆるU字状のクリップである。挟持部材13の2枚の板状部分は、挿入部材5を挟むように開口し、弾性部材11の開閉面12に沿って埋設されている。ここで「埋設」とは、挟持部材13が弾性部材11によって完全に覆われている状態の他、一部のみ覆われている状態も含むように広義に解釈される。以後の「埋設」も同様である。挟持部材13の湾曲部分は、弾性部材11が開閉する際に支点となる部分に位置する。したがって、弾性部材11は、挟持部材13の湾曲部分を支点に回動することで、挟持部材13の湾曲部分と反対側の端部にて開閉可能である。
【0030】
図5に示すように、弾性部材11の開閉面12を開状態にすることで、挿入部材5を開閉面12に挿入可能である。開閉面12は弾性部材11の一端側で開口するため、開閉面12の開口している側の端から挿入部材5を挿入できる。したがって、挿入部材5を長さ方向に挿入する必要がないため、挿入部材5がコネクタ6等を有する場合であっても挿入部材5への封止用部材10の装着が容易である。また、ユーザが、弾性部材11を開状態にするための力を封止用部材10に与えるのを止めると、挟持部材13の復元力により、弾性部材11は、挿入部材5を挟む方向に駆動する。弾性部材11は、挟持部材13により封止用部材10を閉じる方向に付勢されるため、弾性部材11は、挿入部材5を挿入した状態で開閉面12を閉じた状態に維持できる。したがって、封止用部材10を開き、挿入部材5を所定の場所に配置し、封止用部材10への力を解放すると、封止用部材10は、その弾性部材11を閉じる方向に駆動し、その結果、挿入部材5を挟持できる。
【0031】
上述のような構成の封止用部材10では、封止用部材10を挿入部材5に装着する際に熱あるいは圧力を加える、または、放射線等を照射する必要がない。このため、熱、圧力あるいは放射線等により挿入部材5が破損あるいは変形することがない。また、封止用部材10では、挿入部材5と封止用部材10とが固着していないため、挿入部材5への張力により、挿入部材5と封止用部材10との固着部分にストレスが生じにくく、挿入部材5の破損等を防ぐことができる。
【0032】
また、上述のような封止用部材10を備える携帯電話1では、携帯電話1の内部に水や埃等の異物が侵入するのを防ぐことができる。なぜなら、携帯電話1の第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内壁と挿入部材5との隙間を封止用部材10が封止しているからである。特に、弾性部材11は、携帯電話1の第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内壁と封止用部材10との隙間を封止できる。また、弾性部材11は、封止用部材10と挿入部材5との隙間を封止できる。
【0033】
さらに、上述のような封止用部材10では、挟持部材13により、開閉面12が閉じられた状態を維持できる。したがって、開閉面12にて挿入部材5を挟持した状態では、弾性部材11と挿入部材5との間、または、開閉面12から、携帯電話1の内部に水や埃等の異物が侵入するのを防ぐことができる。また、上述のような封止用部材10では、挟持部材13が挿入部材5を把持するため、挿入部材5から封止用部材10が脱落しにくい。特に、第1の筺体2あるいは第2の筺体3が変形あるいは分解された場合にも、封止用部材10は、単独で挿入部材5に装着された状態を保つことができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る封止用部材20について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
図11は、第2の実施の形態に係る封止用部材20の斜視図である。図12は、図11の封止用部材20が閉じた状態において、挿入部材5の挿入方向から見た正面図である。図13は、図11の封止用部材20が開いた状態において、挿入部材5の挿入方向から見た正面図である。図12および図13では、弾性部材11に埋設された挟持部材13の位置を点線で示している。なお、以後の説明において、第1の実施の形態に係る封止用部材10と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0036】
封止用部材20は、第1の実施の形態に係る封止用部材10と比較して、開閉面22の形状が異なる。封止用部材10の開閉面12は、弾性部材11の一端側から切り込みを入れて形成されているが、封止用部材20の開閉面22は、弾性部材11に貫通孔として形成されている。したがって、ユーザが、弾性部材11を開状態にするための力を封止用部材20に与えると、図13のように、開閉面22が大きく開いた状態となる。開閉部22内に挿入部材5を挿入し、ユーザが弾性部材11を開状態にするための力を解放すると、挟持部材13の復元力により、弾性部材11は、挿入部材5を挟む方向に駆動する。弾性部材11は、挟持部材13により挟持力が付与されることから、開閉面12は、挿入部材5を挿入した状態で閉状態を維持できる。
【0037】
上述のように封止用部材20を構成することで、ユーザは、封止用部材20を開き、挿入部材5を所定の場所に配置し、封止用部材20への力を解放すると、封止用部材20は、その弾性部材11を閉じる方向に駆動し、その結果、挿入部材5を挟持できる。したがって、携帯電話1の第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内壁と挿入部材5との隙間を封止用部材20により封止することで、携帯電話1の内部に水や埃等の異物が侵入するのを防ぐことができる。特に、開閉面12は、弾性部材11の端部を切り裂いていないため、防塵あるいは防水性により優れる。
【0038】
3.その他の実施の形態
以上、本発明の実施の形態に係る封止用部材10,20および封止用部材10を備える携帯電話1について説明したが、本発明は、上述の各実施の形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
【0039】
上述の各実施の形態では、電子機器として携帯電話1を例示したが、携帯電話以外の電子機器に封止用部材10,20を採用してもよい。たとえば、PDA、ポータブルコンピュータあるいはその他の精密機器に封止用部材10,20を採用してもよい。
【0040】
また、上述の実施の形態では、携帯電話1は、第1の筺体2および第2の筺体3を有するものとしたが、このような形態に限らない。1つの筺体しか有さない電子機器であって、その筺体に何らかの部材を挿入するための開口部が設けられている場合にも、本発明を用いることができる。また、本発明の電子機器は、折り畳み式の携帯電話1ではなく、スライド式(第1の筺体2が第2の筺体3に対してスライド移動するもの)の携帯電話であってもよい。
【0041】
また、上述の実施の形態では、挿入部材5は、FPCであるが、このような形態に限らない。FPC以外の挿入部材5に封止用部材10,20を適用することもできる。かかる場合には、弾性部材11のうち、挿入部材5と接触する各部分には、挿入部材5の表面に沿った形状の凹部が設けられていてもよい。
【0042】
上述の実施の形態では、挿入部材5は、1つの弾性部材11により挟持されているが、このような形態に限らない。たとえば、挿入部材5は、2つ以上の別の弾性部材11により挟持されていてもよい。また、弾性部材11は、1種類の弾性体層から構成されていてもよいし、複数の弾性体層から構成されていてもよい。さらに、弾性部材11の内部に、寸法精度を向上させること等を目的として、挟持部材13以外の硬質の部材を埋設してもよい。
【0043】
また、上述の実施の形態では、封止用部材10,20は、挿入部材5に対し、着脱可能に装着されるものとしているが、そのような形態に限らない。たとえば、封止用部材10,20は、一旦、挿入部材5に装着されると、封止用部材10,20を破壊しない限り取り外しができないような形態であってもよい。
【0044】
また、上述の実施の形態に係る封止用部材10,20では、挿入部材5を挟む弾性部材11の上側と下側とを、同程度の大きさおよび形状としたが、このような形状に限られない。挿入部材5を挟んで弾性部材11の形状あるいは大きさが非対称であってもよい。しかし、異物を侵入させにくくするために、弾性部材11の外周部分の凹凸は、少ないのが好ましい。さらに、封止用部材10,20は、挿入部材5を中心軸として、左右および上下が略対称の形状であるのが好ましい。かかる場合には、封止用部材10,20は、弾性部材11のどの部分であっても筺体の内面に均一に密着することができるため、弾性部材11のどの部分からでも均一に異物の侵入を防ぐことができる。
【0045】
また、弾性部材11は、閉じる方向に付勢されているが、このようなものに限らない。たとえば、封止用部材10,20において、弾性部材11が挿入部材5を挟持した状態に保つための保持手段を備える場合には、挟持部材13により付勢しなくてもよい。たとえば、封止用部材10は、さらに別の保持手段として1組のフック機構を有していてもよい。また、そのフック機構により、弾性部材11が、開閉面12,22に対して水平方向にずれることなく閉じるようにしてもよい。
【0046】
また、弾性部材11は、開閉面12に凹部と凸部とを対向するように設けていてもよい。かかる場合には、弾性部材11が、開閉面12,22に対して水平方向にずれることなく閉じることが容易となる。
【0047】
上述の実施の形態では、挟持部材13は、U字状の部材としているが、このような形態にかぎらない。たとえば、挟持部材13は、弾性変形できる板状あるいは棒状の部材を1以上折り曲げたもの、渦巻き状にしたもの、あるいはコイルばね形状にしたものでもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態では、挟持部材13は、弾性部材11に埋設されているが、このような形態に限らない。挟持部材13は、挿入部材5、第1の筺体2および第2の筺体3と接触する部分以外にて弾性部材11に固着されて、あるいは嵌め込み可能に構成されてもよい。また、挟持部材13の一部のみが、弾性部材11に埋設されていてもよい。
【0049】
図14は、本発明の別の変形例に係る封止用部材が有する挟持部材23の斜視図である。
【0050】
図14に示すように、挟持部材23は、保持手段として、U字状の端部にフック部24を有していてもよい。かかる場合には、挟持部材23の端部は、弾性部材11から露出するように埋設される。具体的には、挟持部材23のうち、フック部24を有する側は、弾性部材11の開閉面12から突出している。一方、挟持部材23のうちフック部24を有さない側は、弾性部材11に設けられた凹部から露出するように埋設される。そして、弾性部材11を閉じる際には、図14に示すように、挟持部材23のフック部24を他端側に引っ掛けることにより、弾性部材11が開いた状態になるのを防止できる。
【0051】
図15は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材40が開いた状態において、挿入部材5を挿入する方向から見た場合の正面図である。図16は、図15の封止用部材40が閉じた状態において、挿入部材5を挿入する方向から見た場合の正面図である。なお、図15および図16では、挟持部材43を点線で示している。
【0052】
上述の実施の形態では、挟持部材13は、U字状であるものとしたが、このようなものに限らない。図15および図16に示すように、挟持部材43は、2つの板状部材のうち、少なくとも一方が挿入部材5を貫通させた場合に挿入部材5とは逆側に凸形状(すなわち、外側に突出した椀形状)であってもよい。かかる形状の挟持部材43は、挿入部材5の方向に加圧されると、図16のように凸形状が反転し、凸形状の頂点44が挿入部材5側にへこむことで、開閉面22を閉じた状態とすることができる。
【0053】
図17は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材50が有する挟持部材53を挿入部材5の挿入方向から見た場合の正面図である。
【0054】
図17に示すように、挟持部材53は、2つの板状部材のうち、両方が挿入部材5を貫通させた場合に挿入部材5からみて外側に凸形状(外側に突出する椀形状)であってもよい。かかる形状の挟持部材53は、その凸形状の頂点54を挿入部材5の方向に加圧されると、2つの板状部材の両方の凸形状が反転し、頂点54が挿入部材5側にへこむことで、開閉面を閉じた状態とすることができる。
【0055】
図18は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が有する挟持部材63の斜視図である。図19は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が備える挟持部材64において、開いた状態を上側に、閉じた状態を下側に示す斜視図である。
【0056】
図18に示すように、挟持部材63は、挟持部材23と同様に、保持手段として、フック部64を有している。また、挟持部材63は、その内側に挿入部材5を貫通させた場合に挿入部材5と逆側に凸形状の頂点65を有している。したがって、挟持部材63では、フック部64により弾性部材11を閉じた状態にした後、頂点65を加圧することで、凸形状が反転し、弾性部材11が挿入部材5を把持する力を向上させることができる。
【0057】
なお、挟持部材13,23,63のように一端側に開放端を有する挟持部材は、一端側から切り込みを入れて形成された開閉面12を有する弾性部材11に埋設することができる。しかし、挟持部材13,23,63は、貫通孔として形成された開閉面22を有する弾性部材11に埋設されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、たとえば、防水あるいは防塵の電子機器に利用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 携帯電話(電子機器)
2 第1の筺体(筺体)
3 第2の筺体(筺体)
5 挿入部材
10,20,40 封止用部材
11 弾性部材
12,22 開閉面
13,23,43,53,63 挟持部材
24,64 フック部
44,54,65 頂点
【技術分野】
【0001】
本発明は、封止用部材およびそれを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(PDA)などの電子機器には、筺体に形成された開口部からフレキシブル基板等の挿入部材を挿通させる場合がある。かかる場合にその開口部から筺体内に異物が侵入しないように、その開口部と挿入部材との間に封止用部材を設ける場合がある。
【0003】
たとえば、封止用部材としては、開口部と挿入部材との間隙に液状のゴムを充填してなるものが知られている(特許文献1を参照)。また、封止用部材と挿入部材との密着性を向上させるために、挿入部材と封止用部材とを一体成型されたものも知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開公報WO2003/085793
【特許文献2】特開2005−348341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1あるいは特許文献2に記載の封止用部材では、挿入部材と封止用部材とを一体成型しているため、その一体成型の際に加えられる熱および圧力等により、挿入部材が破損あるいは変形等するという問題がある。たとえば、挿入部材としてフレキシブル基板等を用いる場合、一体成型の際に加えられる熱および圧力等により、フレキシブル基板に内包されている導線の断線を招く危険性がある。
【0006】
また、特許文献1あるいは特許文献2に記載の封止用部材では、挿入部材と封止用部材とが固着しているため、挿入部材に加えられた張力により、挿入部材と封止用部材との固着部分にストレスが生じ、破損等する危険性がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであって、筺体内部へ挿入される挿入部材に装着可能であると共に、挿入部材に悪影響を与えにくい封止用部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の封止用部材は、筺体の開口部に挿入される挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、挟持部材は、弾性部材を介して挿入部材を外側から挟持すると共に、開閉面を閉じた状態に維持可能なものとしている。
【0009】
さらに、挟持部材に若しくはそれとは別に、弾性部材と挿入部材とが密着状態を保つように保持する保持手段を有してもよい。
【0010】
また、挟持部材は、弾性部材をその閉じる方向に付勢するのが好ましい。
【0011】
また、挟持部材の少なくとも一部は、挿入部材を挿入した場合に挿入部材から見て外側方向に凸形状であると共に、挿入部材への所定の加圧力により凸形状の頂点が反転してへこむことにより、挿入部材を挟持するのが好ましい場合もある。
【0012】
また、挟持部材は、2本の板状部分とそれらをつなぐ湾曲部分とから連続形成され、
湾曲部分を支点に弾性体が開閉し得る。
【0013】
また、弾性部材は、挿入部材と接する領域が、それ以外の領域内方にへこんでいるのが好ましい。
【0014】
また、別の発明の電子機器の実施の形態では、筺体に設けられた開口部から挿入される挿入部材と、挿入部材を挟持するように構成され、かつ、開口部を封止する封止用部材と、を有し、封止用部材は、挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、挟持部材は、弾性部材を介して挿入部材を外側から挟持すると共に、開閉面を閉じた状態に維持可能なものとしている。
【0015】
また、弾性部材が閉じた状態を保持するために、弾性部材には、挿入部材へ向かう方向の挟圧力が挟持部材および筺体の内壁により付与されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、筺体内部へ挿入される挿入部材に装着可能であると共に、挿入部材に悪影響を与えにくい封止用部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る封止用部材を備える電子機器としての携帯電話の斜視図である。
【図2】図1に示す携帯電話が折り畳まれた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る封止用部材が装着された挿入部材を示す斜視図である。
【図4】図3の封止用部材および挿入部材について、Aで示す領域を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4の封止用部材を挿入部材に装着するために開いた状態を示す斜視図である。
【図6】図4の封止用部材の弾性部材に埋設される挟持部材を示す斜視図である。
【図7】図3の封止用部材が閉じた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図8】図7の封止用部材の底面図である。
【図9】図7の封止用部材を図7の左側からみた場合の左側面図である。
【図10】図7の封止用部材を図7の右側から見た場合の右側面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る封止用部材が装着された挿入部材を示す斜視図である。
【図12】図11の封止用部材が閉じた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図13】図11の封止用部材が開いた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図14】本発明の別の変形例に係る封止用部材が備える挟持部材を示す斜視図である。
【図15】本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が開いた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図16】図15の封止用部材が閉じた状態において、挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図17】本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が有する挟持部材を挿入部材の挿入方向から見た場合の正面図である。
【図18】本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が備える挟持部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態に係る電子機器および封止用部材について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
1.電子機器の構成
図1は、本発明の実施の形態に係る封止用部材10を備える電子機器としての携帯電話1の斜視図である。図2は、図1に示す携帯電話1が折り畳まれた状態を示す斜視図である。なお、図1および図2においては、携帯電話1に備えられる挿入部材5および封止用部材10を点線にて示している。
【0020】
携帯電話1は、第1の筺体2および第2の筺体3を有している。携帯電話1は、第1の筺体2と第2の筺体3とが連結部4により回動可能に連結された、いわゆる折り畳みタイプの携帯電話として構成されている。挿入部材5は、一端側が第1の筺体2に設けられた開口部を通って、第1の筺体2の内部に挿入され、他端側が第2の筺体3に設けられた開口部を通って、第2の筺体3の内部に挿入されている。また、挿入部材5は、連結部4の内部を通って、第1の筺体2の内部に位置する基板と第2の筺体3に位置する基板とにそれぞれ接続されている。挿入部材5は、第1の筺体2側と第2の筺体3側とにそれぞれ封止用部材10を装着している。封止用部材10は、第1の筺体2に設けられた開口部および第2の筺体3に設けられた開口部を塞ぐように装着されている。
【0021】
図3は、封止用部材10が装着された挿入部材5を示す斜視図である。
【0022】
挿入部材5としては、たとえば、フレキシブルプリント回路基板(FPC)を用いることができる。FPCは、携帯電話1の折り畳み動作に追従できるような柔軟な配線資材となることから、第1の筺体2および第2の筺体3を連動させるために用いられる。本実施の形態では、挿入部材5は、帯状のFPCであって、その両端部に、コネクタ6をそれぞれ備える。封止用部材10が挿入部材5を挟んだ状態にて携帯電話1に装着されると、挿入部材5は、封止用部材10に挿通された状態となる。
【0023】
2.封止用部材の構成
(第1の実施の形態)
図4は、図3の封止用部材10および挿入部材5について、Aで示す領域を拡大して示す斜視図である。図5は、図4の封止用部材10を挿入部材5に装着するために開いた状態を示す斜視図である。図6は、図4の封止用部材10に埋設される挟持部材13を示す斜視図である。図7は、図4の封止用部材10が閉じられた状態において、挿入部材5の挿入方向から見た場合の正面図である。図8は、図7の封止用部材10の平面図である。図9は、図7の封止用部材10の左側面図である。図10は、図7の封止用部材10の右側面図である。なお、背面図については、正面図と略左右対称となるため図示を省略する。同様に、底面図と平面図とは、略対称となるため、一方のみを図示している。また、図7〜10では、埋設された挟持部材13を点線にて表示している。
【0024】
封止用部材10は、その外側を弾性部材11にて覆われている。弾性部材11は、挿入部材5を挿入するために第1の筺体2および第2の筺体3に設けられた開口部を封止し、第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内部に水、埃あるいはその他の異物の侵入を防ぐ部材である。弾性部材11は、挿入部材5を挟むようにして、挿入部材5に対して着脱可能な部材である。弾性部材11は、挿入部材5を挟持できるように、挿入部材5を挿入する開閉可能な開閉面12を有する。
【0025】
弾性部材11は、好適には、柔軟な樹脂若しくはエラストマーから成る。弾性部材11を柔軟な樹脂若しくはエラストマーから構成することにより、弾性部材11は、第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内面と挿入部材5との隙間を埋めるように容易に変形できる。このため、封止効果を高めることができる。弾性部材11は、たとえば、ショアA硬度が20〜70度のウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム等から主に形成されるのが好ましい。それらの中でも、耐久性が高いシリコーンゴムあるいはそれらの複合品を用いるのがより好ましい。弾性部材11の大きさおよび形状は、使用する弾性体の硬度により適宜決定されるが、例えば、縦1〜5mm、横1〜10mmの楕円体とすることができる。弾性部材11の一辺が1mm以上の場合には、弾性部材11が第1の筺体2および第2の筺体3と接し、第1の筺体2あるいは第2の筺体3により圧縮および固定された際に、弾性部材11は、容易に変形し、各筐体の寸法のばらつきを吸収できる。そのため、弾性部材11と、第1の筺体2および第2の筺体3との間に隙間が生じにくい。一方、弾性部材11の肉厚(挟持部材13の外面から弾性部材11の外面までの最短距離)が5mm以下の場合には、長期間の使用においても、弾性部材11の弾性力の低下によるシール性能の低下、あるいは弾性部材11自体が変形することによるシール性能の低下の影響を小さくできる。さらに、弾性部材11の突出長さを5mm以内とすることで、第1の筺体2および第2の筺体3により弾性部材11が圧縮および固定された際に弾性部材11に加えられた圧縮荷重が大きくなりすぎないため、第1の筺体2あるいは第2の筺体3が変形あるいは破損しにくくなる。また、弾性部材11の硬度を調節すると、弾性部材11と、挿入部材5との密着性あるいは弾性部材11と第1の筺体2もしくは第2の筺体3との密着性を高め、かつ、弾性部材11の寸法精度を確保できる。
【0026】
また、封止用部材10は、第1の筺体2または第2の筺体3に挿入した状態において、その内壁から弾性部材11を互いに押し付ける方向への挟圧力が付与されている。そのため、弾性部材11は、挿入部材5を挟持した状態で保持される。
【0027】
なお、弾性部材11のうち、挿入部材5と接触しない部分は、挿入部材5と接触する部分よりも、挿入部材5側に突出しているのが好ましい。このことは、弾性部材11のうち、挿入部材5と接する領域が、それ以外の領域よりも内側にへこんでいることを意味する。
【0028】
図4および図5に示すように、弾性部材11には、切り込みが設けられ、開閉可能な開閉面12が設けられている。開閉面12は、弾性部材11を完全に分割しないように設けられている。このため、弾性部材11は、開閉面12が設けられていない部分を支点として開閉できる。
【0029】
挟持部材13は、図7〜10に示すように、好適に、弾性部材11に埋設される部材である。挟持部材13は、たとえば、2枚の略平行に伸びる板状部分とそれらをつなぐ湾曲部分とから連続形成される、いわゆるU字状のクリップである。挟持部材13の2枚の板状部分は、挿入部材5を挟むように開口し、弾性部材11の開閉面12に沿って埋設されている。ここで「埋設」とは、挟持部材13が弾性部材11によって完全に覆われている状態の他、一部のみ覆われている状態も含むように広義に解釈される。以後の「埋設」も同様である。挟持部材13の湾曲部分は、弾性部材11が開閉する際に支点となる部分に位置する。したがって、弾性部材11は、挟持部材13の湾曲部分を支点に回動することで、挟持部材13の湾曲部分と反対側の端部にて開閉可能である。
【0030】
図5に示すように、弾性部材11の開閉面12を開状態にすることで、挿入部材5を開閉面12に挿入可能である。開閉面12は弾性部材11の一端側で開口するため、開閉面12の開口している側の端から挿入部材5を挿入できる。したがって、挿入部材5を長さ方向に挿入する必要がないため、挿入部材5がコネクタ6等を有する場合であっても挿入部材5への封止用部材10の装着が容易である。また、ユーザが、弾性部材11を開状態にするための力を封止用部材10に与えるのを止めると、挟持部材13の復元力により、弾性部材11は、挿入部材5を挟む方向に駆動する。弾性部材11は、挟持部材13により封止用部材10を閉じる方向に付勢されるため、弾性部材11は、挿入部材5を挿入した状態で開閉面12を閉じた状態に維持できる。したがって、封止用部材10を開き、挿入部材5を所定の場所に配置し、封止用部材10への力を解放すると、封止用部材10は、その弾性部材11を閉じる方向に駆動し、その結果、挿入部材5を挟持できる。
【0031】
上述のような構成の封止用部材10では、封止用部材10を挿入部材5に装着する際に熱あるいは圧力を加える、または、放射線等を照射する必要がない。このため、熱、圧力あるいは放射線等により挿入部材5が破損あるいは変形することがない。また、封止用部材10では、挿入部材5と封止用部材10とが固着していないため、挿入部材5への張力により、挿入部材5と封止用部材10との固着部分にストレスが生じにくく、挿入部材5の破損等を防ぐことができる。
【0032】
また、上述のような封止用部材10を備える携帯電話1では、携帯電話1の内部に水や埃等の異物が侵入するのを防ぐことができる。なぜなら、携帯電話1の第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内壁と挿入部材5との隙間を封止用部材10が封止しているからである。特に、弾性部材11は、携帯電話1の第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内壁と封止用部材10との隙間を封止できる。また、弾性部材11は、封止用部材10と挿入部材5との隙間を封止できる。
【0033】
さらに、上述のような封止用部材10では、挟持部材13により、開閉面12が閉じられた状態を維持できる。したがって、開閉面12にて挿入部材5を挟持した状態では、弾性部材11と挿入部材5との間、または、開閉面12から、携帯電話1の内部に水や埃等の異物が侵入するのを防ぐことができる。また、上述のような封止用部材10では、挟持部材13が挿入部材5を把持するため、挿入部材5から封止用部材10が脱落しにくい。特に、第1の筺体2あるいは第2の筺体3が変形あるいは分解された場合にも、封止用部材10は、単独で挿入部材5に装着された状態を保つことができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る封止用部材20について、図面を参照しながら説明する。
【0035】
図11は、第2の実施の形態に係る封止用部材20の斜視図である。図12は、図11の封止用部材20が閉じた状態において、挿入部材5の挿入方向から見た正面図である。図13は、図11の封止用部材20が開いた状態において、挿入部材5の挿入方向から見た正面図である。図12および図13では、弾性部材11に埋設された挟持部材13の位置を点線で示している。なお、以後の説明において、第1の実施の形態に係る封止用部材10と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0036】
封止用部材20は、第1の実施の形態に係る封止用部材10と比較して、開閉面22の形状が異なる。封止用部材10の開閉面12は、弾性部材11の一端側から切り込みを入れて形成されているが、封止用部材20の開閉面22は、弾性部材11に貫通孔として形成されている。したがって、ユーザが、弾性部材11を開状態にするための力を封止用部材20に与えると、図13のように、開閉面22が大きく開いた状態となる。開閉部22内に挿入部材5を挿入し、ユーザが弾性部材11を開状態にするための力を解放すると、挟持部材13の復元力により、弾性部材11は、挿入部材5を挟む方向に駆動する。弾性部材11は、挟持部材13により挟持力が付与されることから、開閉面12は、挿入部材5を挿入した状態で閉状態を維持できる。
【0037】
上述のように封止用部材20を構成することで、ユーザは、封止用部材20を開き、挿入部材5を所定の場所に配置し、封止用部材20への力を解放すると、封止用部材20は、その弾性部材11を閉じる方向に駆動し、その結果、挿入部材5を挟持できる。したがって、携帯電話1の第1の筺体2あるいは第2の筺体3の内壁と挿入部材5との隙間を封止用部材20により封止することで、携帯電話1の内部に水や埃等の異物が侵入するのを防ぐことができる。特に、開閉面12は、弾性部材11の端部を切り裂いていないため、防塵あるいは防水性により優れる。
【0038】
3.その他の実施の形態
以上、本発明の実施の形態に係る封止用部材10,20および封止用部材10を備える携帯電話1について説明したが、本発明は、上述の各実施の形態に限定されることなく、種々変形を施して実施可能である。
【0039】
上述の各実施の形態では、電子機器として携帯電話1を例示したが、携帯電話以外の電子機器に封止用部材10,20を採用してもよい。たとえば、PDA、ポータブルコンピュータあるいはその他の精密機器に封止用部材10,20を採用してもよい。
【0040】
また、上述の実施の形態では、携帯電話1は、第1の筺体2および第2の筺体3を有するものとしたが、このような形態に限らない。1つの筺体しか有さない電子機器であって、その筺体に何らかの部材を挿入するための開口部が設けられている場合にも、本発明を用いることができる。また、本発明の電子機器は、折り畳み式の携帯電話1ではなく、スライド式(第1の筺体2が第2の筺体3に対してスライド移動するもの)の携帯電話であってもよい。
【0041】
また、上述の実施の形態では、挿入部材5は、FPCであるが、このような形態に限らない。FPC以外の挿入部材5に封止用部材10,20を適用することもできる。かかる場合には、弾性部材11のうち、挿入部材5と接触する各部分には、挿入部材5の表面に沿った形状の凹部が設けられていてもよい。
【0042】
上述の実施の形態では、挿入部材5は、1つの弾性部材11により挟持されているが、このような形態に限らない。たとえば、挿入部材5は、2つ以上の別の弾性部材11により挟持されていてもよい。また、弾性部材11は、1種類の弾性体層から構成されていてもよいし、複数の弾性体層から構成されていてもよい。さらに、弾性部材11の内部に、寸法精度を向上させること等を目的として、挟持部材13以外の硬質の部材を埋設してもよい。
【0043】
また、上述の実施の形態では、封止用部材10,20は、挿入部材5に対し、着脱可能に装着されるものとしているが、そのような形態に限らない。たとえば、封止用部材10,20は、一旦、挿入部材5に装着されると、封止用部材10,20を破壊しない限り取り外しができないような形態であってもよい。
【0044】
また、上述の実施の形態に係る封止用部材10,20では、挿入部材5を挟む弾性部材11の上側と下側とを、同程度の大きさおよび形状としたが、このような形状に限られない。挿入部材5を挟んで弾性部材11の形状あるいは大きさが非対称であってもよい。しかし、異物を侵入させにくくするために、弾性部材11の外周部分の凹凸は、少ないのが好ましい。さらに、封止用部材10,20は、挿入部材5を中心軸として、左右および上下が略対称の形状であるのが好ましい。かかる場合には、封止用部材10,20は、弾性部材11のどの部分であっても筺体の内面に均一に密着することができるため、弾性部材11のどの部分からでも均一に異物の侵入を防ぐことができる。
【0045】
また、弾性部材11は、閉じる方向に付勢されているが、このようなものに限らない。たとえば、封止用部材10,20において、弾性部材11が挿入部材5を挟持した状態に保つための保持手段を備える場合には、挟持部材13により付勢しなくてもよい。たとえば、封止用部材10は、さらに別の保持手段として1組のフック機構を有していてもよい。また、そのフック機構により、弾性部材11が、開閉面12,22に対して水平方向にずれることなく閉じるようにしてもよい。
【0046】
また、弾性部材11は、開閉面12に凹部と凸部とを対向するように設けていてもよい。かかる場合には、弾性部材11が、開閉面12,22に対して水平方向にずれることなく閉じることが容易となる。
【0047】
上述の実施の形態では、挟持部材13は、U字状の部材としているが、このような形態にかぎらない。たとえば、挟持部材13は、弾性変形できる板状あるいは棒状の部材を1以上折り曲げたもの、渦巻き状にしたもの、あるいはコイルばね形状にしたものでもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態では、挟持部材13は、弾性部材11に埋設されているが、このような形態に限らない。挟持部材13は、挿入部材5、第1の筺体2および第2の筺体3と接触する部分以外にて弾性部材11に固着されて、あるいは嵌め込み可能に構成されてもよい。また、挟持部材13の一部のみが、弾性部材11に埋設されていてもよい。
【0049】
図14は、本発明の別の変形例に係る封止用部材が有する挟持部材23の斜視図である。
【0050】
図14に示すように、挟持部材23は、保持手段として、U字状の端部にフック部24を有していてもよい。かかる場合には、挟持部材23の端部は、弾性部材11から露出するように埋設される。具体的には、挟持部材23のうち、フック部24を有する側は、弾性部材11の開閉面12から突出している。一方、挟持部材23のうちフック部24を有さない側は、弾性部材11に設けられた凹部から露出するように埋設される。そして、弾性部材11を閉じる際には、図14に示すように、挟持部材23のフック部24を他端側に引っ掛けることにより、弾性部材11が開いた状態になるのを防止できる。
【0051】
図15は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材40が開いた状態において、挿入部材5を挿入する方向から見た場合の正面図である。図16は、図15の封止用部材40が閉じた状態において、挿入部材5を挿入する方向から見た場合の正面図である。なお、図15および図16では、挟持部材43を点線で示している。
【0052】
上述の実施の形態では、挟持部材13は、U字状であるものとしたが、このようなものに限らない。図15および図16に示すように、挟持部材43は、2つの板状部材のうち、少なくとも一方が挿入部材5を貫通させた場合に挿入部材5とは逆側に凸形状(すなわち、外側に突出した椀形状)であってもよい。かかる形状の挟持部材43は、挿入部材5の方向に加圧されると、図16のように凸形状が反転し、凸形状の頂点44が挿入部材5側にへこむことで、開閉面22を閉じた状態とすることができる。
【0053】
図17は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材50が有する挟持部材53を挿入部材5の挿入方向から見た場合の正面図である。
【0054】
図17に示すように、挟持部材53は、2つの板状部材のうち、両方が挿入部材5を貫通させた場合に挿入部材5からみて外側に凸形状(外側に突出する椀形状)であってもよい。かかる形状の挟持部材53は、その凸形状の頂点54を挿入部材5の方向に加圧されると、2つの板状部材の両方の凸形状が反転し、頂点54が挿入部材5側にへこむことで、開閉面を閉じた状態とすることができる。
【0055】
図18は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が有する挟持部材63の斜視図である。図19は、本発明のさらなる別の変形例に係る封止用部材が備える挟持部材64において、開いた状態を上側に、閉じた状態を下側に示す斜視図である。
【0056】
図18に示すように、挟持部材63は、挟持部材23と同様に、保持手段として、フック部64を有している。また、挟持部材63は、その内側に挿入部材5を貫通させた場合に挿入部材5と逆側に凸形状の頂点65を有している。したがって、挟持部材63では、フック部64により弾性部材11を閉じた状態にした後、頂点65を加圧することで、凸形状が反転し、弾性部材11が挿入部材5を把持する力を向上させることができる。
【0057】
なお、挟持部材13,23,63のように一端側に開放端を有する挟持部材は、一端側から切り込みを入れて形成された開閉面12を有する弾性部材11に埋設することができる。しかし、挟持部材13,23,63は、貫通孔として形成された開閉面22を有する弾性部材11に埋設されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、たとえば、防水あるいは防塵の電子機器に利用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 携帯電話(電子機器)
2 第1の筺体(筺体)
3 第2の筺体(筺体)
5 挿入部材
10,20,40 封止用部材
11 弾性部材
12,22 開閉面
13,23,43,53,63 挟持部材
24,64 フック部
44,54,65 頂点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体の開口部に挿入される挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、
上記弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、
上記挟持部材は、上記弾性部材を介して上記挿入部材を外側から挟持すると共に、上記開閉面を閉じた状態に維持可能であることを特徴とする封止用部材。
【請求項2】
請求項1に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材に若しくはそれとは別に、前記弾性部材と前記挿入部材とが密着状態を保つように保持する保持手段を有することを特徴とする封止用部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材は、前記弾性部材をその閉じる方向に付勢することを特徴とする封止用部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材の少なくとも一部は、前記挿入部材を挿入した場合に前記挿入部材から見て外側方向に凸形状であると共に、前記挟持部材は、前記挿入部材への所定の加圧力により上記凸形状の頂点が反転してへこむことにより、前記挿入部材を挟持することを特徴とする封止用部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材は、2本の板状部分とそれらをつなぐ湾曲部分とから連続形成され、
上記湾曲部分を支点に前記弾性体が開閉することを特徴とする封止用部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の封止用部材であって、
前記弾性部材は、前記挿入部材と接する領域が、それ以外の領域内方にへこんでいることを特徴とする封止用部材。
【請求項7】
筺体に設けられた開口部から挿入される挿入部材と、
上記挿入部材を挟持するように構成され、かつ、上記開口部を封止する封止用部材と、を有し、
上記封止用部材は、
上記挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、
上記弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、
上記挟持部材は、上記弾性部材を介して上記挿入部材を外側から挟持すると共に、上記開閉面を閉じた状態に維持可能であることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記弾性部材が閉じた状態を保持するために、前記弾性部材には、前記挿入部材へ向かう方向の挟圧力が前記挟持部材および前記筺体の内壁により付与されていることを特徴とする電子機器。
【請求項1】
筺体の開口部に挿入される挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、
上記弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、
上記挟持部材は、上記弾性部材を介して上記挿入部材を外側から挟持すると共に、上記開閉面を閉じた状態に維持可能であることを特徴とする封止用部材。
【請求項2】
請求項1に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材に若しくはそれとは別に、前記弾性部材と前記挿入部材とが密着状態を保つように保持する保持手段を有することを特徴とする封止用部材。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材は、前記弾性部材をその閉じる方向に付勢することを特徴とする封止用部材。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材の少なくとも一部は、前記挿入部材を挿入した場合に前記挿入部材から見て外側方向に凸形状であると共に、前記挟持部材は、前記挿入部材への所定の加圧力により上記凸形状の頂点が反転してへこむことにより、前記挿入部材を挟持することを特徴とする封止用部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の封止用部材であって、
前記挟持部材は、2本の板状部分とそれらをつなぐ湾曲部分とから連続形成され、
上記湾曲部分を支点に前記弾性体が開閉することを特徴とする封止用部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の封止用部材であって、
前記弾性部材は、前記挿入部材と接する領域が、それ以外の領域内方にへこんでいることを特徴とする封止用部材。
【請求項7】
筺体に設けられた開口部から挿入される挿入部材と、
上記挿入部材を挟持するように構成され、かつ、上記開口部を封止する封止用部材と、を有し、
上記封止用部材は、
上記挿入部材を挟むように閉じる開閉面を有する弾性部材と、
上記弾性部材に埋設される挟持部材と、を有し、
上記挟持部材は、上記弾性部材を介して上記挿入部材を外側から挟持すると共に、上記開閉面を閉じた状態に維持可能であることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記弾性部材が閉じた状態を保持するために、前記弾性部材には、前記挿入部材へ向かう方向の挟圧力が前記挟持部材および前記筺体の内壁により付与されていることを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−154361(P2012−154361A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11740(P2011−11740)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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