説明

射出成形性に優れた低硬度エチレンビニルアセテート系発泡体とその製造方法、並びにこれを用いた医療及びヘルスケア用素材

【課題】射出成形性に優れた低硬度エチレンビニルアセテート系発泡体とその製造方法、並びにこれを用いた医療及びヘルスケア用素材の提供。
【解決手段】本発明は、射出成形性に優れた低硬度エチレンビニルアセテート系発泡体とその製造方法、並びにこれを用いた医療及びヘルスケア用素材に関し、さらに詳しくは、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂にエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂を適正の割合で混合して基材樹脂とし、これを特異性あるように構成された条件で混練、素練、ペレット化及び発泡させる一連の技術構成によって、エチレンビニルアセテート系樹脂を基材樹脂成分としながらも、互いに両立する物性である低硬度と射出成形性を同時に満たすことによって低比重及び低硬度を達成し、人体親和性がより向上し、既存の発泡体の主成分であったポリウレタンまたはポリエチレン系樹脂を用いた場合とは異なり環境にやさしいので、特にヘルスケア用品または医療用品への使用時により効果的であるエチレンビニルアセテート系発泡体及びその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形性に優れた低硬度エチレンビニルアセテート系発泡体とその製造方法、並びにこれを用いた医療及びヘルスケア用素材に関し、さらに詳しくは、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂にエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂を適正の割合で混合して基材樹脂とし、これを特異性あるように構成された条件で混練、素練、ペレット化及び発泡させる一連の技術構成によって、エチレンビニルアセテート系樹脂を基材樹脂成分としながらも、互いに両立する物性である低硬度と射出成形性を同時に満たすことができ、人体に対する親和性が向上し、環境にやさしい素材であって、特に、ヘルスケア用品または医療用品への適用時にさらに好ましい効果を期待できる低硬度エチレンビニルアセテート系発泡体とその製造方法、並びにこれを用いた医療及びヘルスケア用素材に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の特殊発泡体市場は、経済が成長し、電気電子用、先端産業用及び医療用分野のような高機能性素材の需要が増加するに伴い、持続的な成長趨勢にあり、その中でも医療及びヘルスケア用発泡体分野は、最近のウェルビーイング文化の拡散とともに急速な成長が予想されている。
現在まで国内外の医療及びヘルスケア用製品に使用されてきた大部分の素材は、ポリウレタンまたはポリエチレン基材の高分子発泡体であった。
しかし、前記のポリウレタンまたはポリエチレン基材の高分子発泡体は、表面の触感が柔らかくなく、時間が経過するにつれて加水分解及び変色の問題が発生するという問題がある。
これに対し、低硬度のEVA発泡体は、加水分解及び変色に対して優れた安定性を有しており、焼却の際に有害なガスや副産物を発生させないので環境にやさしい素材としてみなされているが、製造プロセス上、射出成形が非常に難しいという問題があった。
最近、新たなウェルビーイング文化の概念と並行して形成されたマーケットの急速な成長によって、これまで使用されてきた素材と比較して非常に柔らかくて軽く、人体親和性及び環境にやさしい機能等が改善されることによって、使用者に快適さを付与する機能以外にも、国内外の市場で医療用フォーム(Medical Foam)として認められる新たな先端素材の開発が要求されている。
【0003】
本発明者らは、前記のポリウレタンまたはポリエチレン基材の高分子発泡体等の問題を解決するために鋭意努力した結果、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂にエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂を適正の割合で混合して基材樹脂とするとともに、特異性あるように構成された条件で混練、素練、ペレット化及び発泡させる場合、射出成形が可能となることを見出し、本発明を完成した。
また、本発明のエチレンビニルアセテート発泡体は、低比重と低硬度の条件を十分に満たすことを知見した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、柔らかくて触感が良好であり、軽い質感を発現させ、特に医療用及びヘルスケア用品に適するように射出成形性が向上した低硬度のエチレンビニルアセテート発泡体及びその製造方法を提供するのにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂50〜90重量部とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂10〜50重量部とからなる樹脂の混合物を基材樹脂とする組成物からなる発泡体であって、硬度が15〜18及び比重が0.16〜0.18の範囲である、射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体をその特徴とする。
また、本発明は、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂50〜90重量部とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂10〜50重量部とからなる樹脂の混合物を基材樹脂として含む発泡体用組成物を80〜120℃の温度範囲で混練する段階と;前記で得られた混練物を素練、ペレット化及び発泡させる段階とを含んでなる、射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法を含む。
さらに、本発明は、前記低硬度の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体が適用された医療用品及びヘルスケア用品を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂を主要基材とし、射出成形性に優れた発泡体を製造することができ、本発明によるエチレンビニルアセテート(EVA)系発泡体は、低比重でかつ低硬度を示し、柔らかい質感を発現するので人体への適用時に効果的である。
また、銀ナノ粒子、ナノクレイ、緑茶エキス、ヨモギエキス、松葉エキス及び磁性体粉末等をさらに添加する場合、抗菌性及び天然芳香性の機能性をさらに示すので、ヘルスケアまたは医療用品及び様々な生活用品により効果的に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂にエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂を適正の割合で混合して基材樹脂とし、これを特異性あるように構成された条件で混練、素練、ペレット化及び発泡させる一連の技術構成によって、エチレンビニルアセテート系樹脂を基材樹脂成分としながらも、互いに両立する物性である低硬度と射出成形性を同時に満たすことによって、低比重及び低硬度を達成し、人体親和性がより向上し、既存の発泡体の主成分であったポリウレタンまたはポリエチレン系樹脂を用いた場合とは異なって環境にやさしいので、特にヘルスケア用品または医療用品への使用時にさらに効果的であるエチレンビニルアセテート系発泡体及びその製造方法に関するものである。
【0008】
本発明のエチレンビニルアセテート系発泡体を構成成分別に具体的に説明する。
まず、本発明のエチレンビニルアセテート系発泡体は、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂との混合物を基材樹脂とする。
前記EVA樹脂は、現在環境にやさしく、人体に無害で、人体親和性に優れた特性のために医療用またはヘルスケア用等に適用する場合、好ましい素材としてみなされているが、低硬度の発泡体に製造しようとする場合、射出成形が困難であるため射出による形象化が難しく、射出製品の収縮性が高いという短所のため発泡体に製造するのには問題がある素材である。そこで、本発明では、このようなEVA樹脂における問題を、流れ性、成形性及び耐収縮性に優れた特性を有するEMA樹脂を配合することによって解決し、EVA樹脂を基材としながらも、射出成形性に優れた低硬度の発泡体を得ることができた。
【0009】
本発明の低硬度のEVA系発泡体は、基材樹脂を構成するEVAの使用量が50〜90重量部であり、EMA樹脂の使用量が50〜10重量部であるが、前記EVA樹脂の使用量が50重量部未満であるかEMA樹脂の使用量が50重量部を超える場合、ヘルスケアまたは医療用製品の素材として使用するのには硬度が高いという問題があり、これとは異なり、EVA樹脂の使用量が90重量部を超えたり、EMA樹脂の使用量が10重量部未満である場合、製品の収縮性が高いため、初期に脱型された製品と形状が固まった後の製品の外観に大きな変化が生じ、好ましい形象化が困難であるという問題が生じることがあるので、基材樹脂を構成するEVA樹脂とEMA樹脂の使用量を調節することは重要な懸案である。
【0010】
本発明の低硬度のEVA系発泡体は、前記の基材樹脂以外に加工助剤、発泡助剤、流れ性改善剤、潤滑剤、架橋剤及び発泡剤等の種々の添加剤を用いる。即ち、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂とからなる基材樹脂の混合物100重量部に対して、加工助剤1〜3重量部、発泡助剤0.5〜2重量部、流れ性改善剤1〜2重量部、潤滑剤4〜20重量部、架橋剤0.6〜1.1重量部、及び発泡剤3〜4重量部等を含む組成物からなるが、このような本発明の低硬度のEVA系発泡体は、硬度が15〜18と低硬度を達成し、比重が0.16〜0.18の範囲で、かつ射出成形性に優れる。
前記加工助剤としては、発泡体の製造時、加工性と分散性を増進させる役割を果たすものであって、当業界で通常用いられる加工助剤を当業者の選択によって使用することができる。このような加工助剤としては、これに限定されるものではないが、具体的に、ステアリン酸(St/A)や、市販のTR−141(MS SEK社製、主成分Stearamide)等が挙げられる。加工助剤の使用量は1〜3重量部であり、使用量が1重量部未満であると、加工時にロールミル(Roll Mill)に接着されて加工しにくくなり、3重量部を超えると、発泡に影響を及ぼして発泡倍率が顕著に増加する。
【0011】
前記発泡助剤は、均等な熱伝達と架橋反応速度の安定化を図る役割を果たす成分であって、当業界で通常用いられる発泡助剤を当業者の選択によって使用することができる。このような発泡助剤としては、これに限定されるものではないが、具体的に、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする発泡助剤として、市販のZnO 2号及びZnO 1号(KILCHUN化学社製)及びC−30(PCC(Taiwan)社製)等が挙げられる。前記発泡助剤の使用量は0.5〜2重量部であり、使用量が0.5重量部未満であると、発泡が円滑に行われず、発泡の際、発泡時間もまた顕著に増加し、2重量部を超えると、その他の添加剤と化学反応を起こして変色をもたらし、発泡条件にも影響を及ぼす。
前記流れ性改善剤は、初期の着色を防止し、射出を円滑にする役割を果たす成分であって、当業界で通常用いられる加工助剤を当業者の選択によって使用することができる。このような流れ性改善剤としては、これに限定されるものではないが、具体的に、ステアリン酸亜鉛(Zn/St)等を有効成分とするものを使用でき、市販の製品としては、PE−WAX(BASF社製)等が挙げられる。前記流れ性改善剤の使用量は1〜2重量部であり、使用量が1重量部未満であると射出機内の原料注入時間及び射出時間が増加し、2重量部を超えると熱安定性が減少する。
【0012】
前記潤滑剤は、架橋及び発泡反応に影響を少なく及ぼし、かつ硬度を低減できる特徴があるものを使用することができ、具体的に種々の加工油等を用いることができるが、市販の製品としては、W−oil(SECHANG石油化学社製(韓国))、P−90(MICHANG石油社製)及びW−1000(MICHANG石油社製)等から選択されたものを使用することができる。このような潤滑剤の使用量は4〜20重量部であり、使用量が4重量部未満であると、硬度に影響を及ぼし、目的とする物性に到達できず、20重量部を超えると架橋及び発泡に影響を及ぼし、好ましくない射出成形が起こる。
前記架橋剤としては、最終の射出発泡体において独特の臭いを発生させない特徴があるものを使用することができ、具体的にジクミルパーオキシド(DCP)及びt−ブチルペルオキシイソプロピルベンゼン(BIPB)等を有効成分とするものを使用することができる。このような架橋剤の使用量は0.6〜1.1重量部であり、使用量が0.6重量部未満であると、架橋時間が長くなり、射出の際、形象化しにくくなり、1.1重量部を超えると、架橋度が増加し、射出の際、製品が裂けたり、早期に発泡する場合が発生する。
前記発泡剤としては、無毒性、自己消化性及び高温発泡性に優れ、発泡の際、多くのガス量を排出する特徴があるものを使用することができ、具体的にアゾジカルボンアミド等を有効成分として用いる成分を使用することができる。市販の製品としては、DX−74H(DONGJIN社製)、AD/E(KUMYANG化学社製)、Cellcom F(KUMYANG化学社製)及びAC 3000(KUMYANG化学社製)等が挙げられる。前記発泡剤の使用量は3〜4重量部であり、使用量が3重量部未満であると、発泡倍率が減少し、硬度に影響を及ぼし、4重量部を超えると、発泡倍率が増加し、製品化しにくくなる。
前記の組成成分以外に、必要に応じて、通常発泡体の加工分野で用いられる添加剤を添加することができ、具体的に顔料、充填剤(Filler)、酸化防止剤及び老化防止剤等があるが、これらの使用は本発明のEVA系発泡体の物性に影響を及ぼさない範囲内で当業者の選択によって許容される。
【0013】
なお、本発明の低硬度のEVA系発泡体は、抗菌機能性及び芳香性等のために、銀ナノ粒子、緑茶エキス、ヨモギエキス、松葉エキス及び磁性体粉末等から選択された1種または2種以上の混合物を含んでもよく、前記の銀ナノ粒子、緑茶エキス、ヨモギエキス、松葉エキス及び磁性体粉末等を含む場合は、抗菌性及び芳香性等が向上した結果が得られる。
前記の添加可能な銀ナノ粒子としては、直径が20〜200nm、好適には60〜180nm範囲のものを使用することがさらに好ましく、銀ナノ粉末及び銀ナノコロイド粒子等を用いてもよい。このような銀ナノ粒子は、基材樹脂の混合物100重量部に対して0.1〜1.0重量部を使用することができ、好ましくは0.2〜0.3重量部を使用することができる。前記銀ナノ粒子の使用量が0.1重量部未満であると、十分な抗菌性が得られず、1.0重量部を超えると、製品の変色をもたらす。
【0014】
前記の添加可能な緑茶エキスは、芳香性の向上、特に天然芳香性の付与のために用いられる成分であり、エタノールに対する溶解性及び蒸発性が良好なものを使用することができるが、具体的には、粉末状の緑茶エキスまたはエタノールに溶解させた緑茶エキス等を使用することができる。このような緑茶エキスの使用量は、基材樹脂の混合物100重量部に対して0.5〜5重量部であり、好ましくは1〜5重量部であるが、使用量が0.5重量部未満であると、天然芳香性がほとんどなく、5重量部を超えると、緑茶特有の香りが強いため天然芳香性が快適に発現されない。特に、緑茶エキスの含量が2.5重量部を超える場合は、色が濃くなる傾向にあるので、美観を考慮してその程度を調節しなければならず、発泡条件に応じて多少の気泡が発生することがあるので注意を要する。
前記の添加可能なヨモギエキスは、芳香性の向上、特に天然芳香性の付与のために用いられる成分であり、エタノールに対する溶解性及び蒸発性が良好なものを使用することができるが、具体的には、エタノールに溶解させたヨモギエキス等を使用することができる。このようなヨモギエキスの使用量は、基材樹脂の混合物100重量部に対して0.5〜5重量部であり、好ましくは1〜5重量部であるが、使用量が0.5重量部未満であると、天然芳香性がほとんどなく、5重量部を超えると、ヨモギ特有の香いが強いため天然芳香性が快適に発現されない。
【0015】
前記の添加可能な松葉エキスは、芳香性の向上、特に天然芳香性の付与のために用いられる成分であり、エタノールに対する溶解性及び蒸発性が良好なものを使用することができるが、具体的には、エタノールに溶解させた松葉エキス等を使用することができる 。このような松葉エキスの使用量は、基材樹脂の混合物100重量部に対して0.5〜5重量部であり、好ましくは1〜5重量部であるが、使用量が0.5重量部未満であると、天然芳香性がほとんどなく、5重量部を超えると、松葉特有の香いが強いため天然芳香性が快適に発現されない。
前記の添加可能な磁性体粉末は、生体を活性化させ、人体の神経系と免疫系の安定化付与のために用いられる成分であり、塩化鉄(FeCl3・6H2O)等の鉄塩とオレイン酸ナトリウム(sodium oleate)等の脂肪酸エステルを反応させて製造した鉄−オレート(iron-oleate)等を溶解させた後、焼成して得た磁性体(具体的にiron-oxide等)粉末を使用することができるが、このような磁性体粉末は磁化率が0.001〜0.01emu(electromagnetic unit)範囲であり、直径が0.1〜20μmの範囲であるものを使用することがさらに好ましく、このような磁性体粉末の使用量は、基材樹脂の混合物100重量部に対して0.5〜5重量部であり、好ましくは1〜5重量部であるが、使用量が0.5重量部未満であるかまたは5重量部を超えると、磁性体付加による生体活性、人体の神経系、免疫系の安定化特性が発現されない。
【0016】
以下、本発明の低硬度の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法を段階別に説明する。
まず、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂とからなる樹脂の混合物を基材樹脂として含む発泡体用組成物を混練する段階について説明する。
前記発泡体用組成物は、エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂50〜90重量部とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂10〜50重量部とからなる基材樹脂100重量部と、前記基材樹脂の混合物100重量部に対して適量の加工助剤、発泡助剤、流れ性改善剤、潤滑剤、架橋剤及び発泡剤等の添加剤を含んでなるが、このような発泡体用組成物を80〜120℃の温度範囲で混練させる。
これに、さらに銀ナノ粒子を添加する場合、0.5〜5.0重量部、ナノクレイを添加する場合、0.5〜5.0重量部、磁性体粉末を添加する場合、0.5〜5.0重量部、緑茶エキスを添加する場合、0.5〜5.0重量部、ヨモギエキスを添加する場合、0.5〜5.0重量部、松葉エキスを添加する場合、0.5〜5.0重量部を含ませることができる。
前記混練時の混練温度が80℃未満であると、物理的混合が起こらず、120℃を超えると、早期発泡が起こり、製品化することができないという問題がある。前記混練にかかる時間は、全組成物の使用量によって異なるが、10〜15分間混練する場合がよい。前記混練は、通常当業界で用いられる混練機を使用することができ、このような混練機としては、ニーダー(Kneader)、バンバリーミキサー(Banbury Mixer)、インターミキサー(Inter Mixer)、バッチミキサー(Batch Mixer)、加圧式ミキサー及びインテンシブミキサー(Intensive Mixer)等を用いることができる。
【0017】
前記で得られた混練物を一定の条件で素練させる。前記素練は80〜100℃の温度範囲で行われ、素練温度が80℃未満であると、加工時にロール(Roll)の表面に巻き取られずに砕くため形象化しにくく、100℃を超えると、発泡剤が分解し、早期発泡が起こるという問題がある。前記素練は、好ましくは5〜10分間行われ、このような素練を3〜5回繰り返し行ってもよい。前記素練は通常当業界で用いられる素練機を用いることができ、このような素練機としては、ローラー(Roller)、カレンダー(Carender)及び押出機(Extruder)等を用いることができる。
素練を行った後、ペレット化させるが、前記ペレット化は30〜80℃の温度範囲、好ましくは40〜80℃で行う。この際、ペレット化温度が30℃未満であると、ペレット化の作業時に絡まれるため射出に適さず、80℃を超えると、早期発泡及び絡み現象が発生する。前記のペレット化条件が合わないとペレット化中に甚だしいカッティング(Cutting)現象が発生することがある。ペレット化はペレタイザー(Pelletizer)等を用いて行ってもよいが、ペレタイザーのスクリュー回転条件を20〜30rpmの範囲にして行えばよい。
【0018】
前記のように混練、素練及びペレット化段階を経た後発泡させるが、発泡は、好ましくは135〜180℃の温度条件と、80〜120kg/cm2の圧力条件で、420〜3600秒間行う。この際、前記発泡は発泡射出方法を取る場合にさらに好ましく、発泡時の温度が135℃未満であると、射出時間が顕著に長くなり、かつ脱型の際にも問題が発生し、180℃を超えると、射出製品の外観が裂けたり、脱型時に割れ現象が発生するという問題がある。前記発泡時間が420秒未満であると、未架橋によって架橋発泡が円滑に行われないため製品の成形に問題が発生し、3600秒を超えると、過度な架橋によって製品の破裂または割れ現象が発生するとう問題がある。即ち、前記のような発泡条件を十分に満たさない場合は、成形性に問題が発生するので、好ましい外観の形成が難しくなる。
【0019】
また、機能性付加のためにさらに添加する銀ナノ粒子、ナノクレイ、磁性体粉末、緑茶エキス、ヨモギエキス及び松葉エキス等の使用量は、発泡体の発泡比率と機能性に多くの影響を及ぼすので、これらを添加する場合、特別な注意を要する。
銀ナノ粒子は粉末状の銀ナノ粒子またはコロイド状の銀ナノ粒子を添加してもよく、ナノクレイはエタノールに分散した状態で添加してもよく、磁性体粉末は粉末状またはエタノールに溶解させた状態で添加してもよく、緑茶エキスは粉末状またはエタノールに溶解させた状態で添加してもよく、ヨモギエキスと松葉エキスはエタノールに分散した状態で添加してもよい。
このような銀ナノ粒子、ナノクレイ、磁性体粉末、緑茶エキス、ヨモギエキス及び松葉エキス等の分散性を向上させるために、エタノール等の溶媒に均一に分散させた後、基材樹脂と混合させる場合、好ましい。
前記銀ナノ粒子は、シリカコロイドで反応混合物の濃度を適宜調節し、銀ナノの粒度分布を調節して添加することができる。
【0020】
前記ナノクレイは、発泡体の安全性を高め、難燃性の特徴があるものを添加することができ、前記ナノクレイの比表面積が12〜15m2/gの範囲にあるものを使用することができ、このようなナノクレイの平均直径が1128〜1400nmの範囲にあるものを用いることができ、使用量は基材100重量部に対して0.1〜2.0重量部の範囲に用いることがマスタバッチの硬度の点から好ましい。
磁性体粉末を添加する場合、磁性体粉末の物性が変質せず、かつ十分な発泡が行われるためには、発泡温度と発泡時間を注意深く調節しなければならないが、特に150℃以下、好ましくは135〜145℃の温度範囲が好適であり、発泡時間は600秒以上、好ましくは1200〜3600秒の範囲である。
特に、緑茶エキスを添加する場合、緑茶エキスの物性が変質せず、かつ十分な発泡が行われるためには、発泡温度と発泡時間を注意深く調節しなければならないが、特に150℃以下、好ましくは135〜145℃の温度範囲が好適であり、発泡時間は600秒以上、好ましくは1200〜3600秒の範囲である。
【0021】
また、ヨモギエキスを添加する場合、ヨモギエキスの物性が変質せず、かつ十分な発泡が行われるためには、発泡温度と発泡時間を注意深く調節しなければならないが、特に150℃以下、好ましくは135〜145℃の温度範囲が好適であり、発泡時間は600秒以上、好ましくは1200〜3600秒の範囲でる。
松葉エキスを添加する場合、松葉エキスの物性が変質せず、かつ十分な発泡が行われるためには、発泡温度と発泡時間を注意深く調節しなければならないが、特に150℃以下、好ましくは135〜145℃の温度範囲が好適であり、発泡時間は600秒以上、好ましくは1200〜3600秒の範囲である。
前記のような組成成分を含んでなる組成物として前記のような一連の条件を満たす製造方法で製造された本発明のEVA系発泡体は、射出成形による発泡が可能であり、発泡率が155〜170%、硬度が15〜18(Asker C Type)、比重が0.16〜0.18の範囲である低硬度及び低比重を示すため、既存の通常の発泡体より軽くて軟らかく、質感に優れるものとなる効果があり、特にこれを医療用品やヘルスケア用品等に適用する場合、好ましい。
【0022】
また、さらに銀ナノ粒子や緑茶エキス、ヨモギエキス、松葉エキス等を添加する場合、高い抗菌性及び天然芳香性等の効果を期待することができ、磁性体粉末を添加する場合、生体活性、人体の神経系、免疫系の安定化等の効果を期待することができ、ナノクレイを添加する場合、酸素や二酸化炭素、化合物等のガスに対する遮断機能性を向上させて製品をさらに長時間安定的に用いることができ、難燃性等の効果を期待することができる。
【0023】
(実施例)
以下、本発明を下記実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、これらは本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を制限しない。
実施例1〜4及び比較例1〜5
下記表1に示す成分及び組成からなる組成物をニーダー(Kneader)で115〜120℃の温度範囲で10〜12分間混練した後、ローラーで80〜90℃で3〜5回繰り返し素練し、30〜35℃の温度範囲で28〜30rpmで回転するペレタイザーを用いてペレット化させ、170〜175℃の温度範囲と90〜120kg/cm2の圧力範囲の射出発泡条件で420〜600秒間発泡させて発泡体を製造した。
【0024】
【表1】

1)エチレンビニルアセテート樹脂:VA 28、VA800、ロッテ油化社製
2)エチレンビニルアセテート樹脂:VA 40、40L03、デュポン社製
3)エチレンメチルアクリレート樹脂:MA 25、EL1125、デュポン社製
4)スチレン−エチレン−スチレンブロックコポリマー:油分 45、LG485、LG化学社製
5)ポリイソプレンポリマー:スチレン量 13、2043、SEPTON社製
6)スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー;スチレン量18、KTR 801、KUMHO化学社製
7)スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー;スチレン量18、KTR 802、
KUMHO化学社製
8)ステアリン酸;Sp.Gr.0.84、St/A、LG化学社製
9)酸化亜鉛;反応安定化、Zn/O、KILCHUN社製
10)ステアリン酸亜鉛;融点116〜125℃、Zn/St、SAMDONG商社製
11)加工油;Sp.gr.0.867、W−oil、SECHANG石油化学社製
12)ジクミルパーオキシド;純度99%、DCP、Sinopec社製
13)T-ブチルパーオキシイソプロピルベンゼン;純度98%、BIPB、Sinopec社製
14)アゾジカルボンアミド;分解温度161〜165℃、DX−74H、DONGJIN社製
15)アゾジカルボンアミド;分解温度169℃、AD/E、KUMYANG社製
【0025】
実験例1
前記実施例1〜4及び比較例1〜5によって製造された発泡体を以下のような方法でそれぞれの該当物性を測定し、その結果を表2に示す。
(1)硬度:ASTM D2240
(2)比重:ASTM D297
(3)弾性:ASTM D1054
(4)収縮率:ASTM D1056
(5)圧縮永久歪み:ASTM D3754
(6)引裂け強度:ASTM D624
(7)内部強度:ASTM D3754
(8)引張り強度:ASTM D412
(9)伸び:ASTM D751
(10)発泡率:発泡体の発泡倍率は、金型の底の対角線長さ(L)に発泡体の底の対角線長さ(m)の比で計算した。発泡率の%はm/L×100として示した。
【0026】
【表2】

【0027】
前記表2に示したように、本発明によって製造されたエチレンビニルアセテート系発泡体は、硬度が15〜18の範囲であり、これと同時に比重が0.12〜0.18の範囲であることを確認することができた。
【0028】
製造例1:銀ナノ粒子の製造
硝酸10重量%水溶液500mlに銀塊200gを入れ、銀塊が全て溶けるまで100℃で加熱しながら、水が蒸発する場合、引き続いて水を補充して500mlを保つようにした。 銀塊が全て溶けた後、水を加えて総体積が1000mlになるように調整した。
前記銀水溶液50mlにポリビニルピロリドン(分子量10000)3gと水ガラス水溶液(水ガラス:水=25:75(v/v))1mlを混合した後攪拌し、これに0.3gのNaBH4を蒸溜水10mlに溶かしたホウ酸ナトリウム水溶液を加えて攪拌した後、遠心分離して平均直径100〜180nm範囲の銀ナノ粒子を得た。
【0029】
製造例2:磁性体粉末の製造
10.8gの塩化鉄(FeCl3・6H2O、40mmol、Aldrich、98%)と36.5gのオレイン酸ナトリウム(sodium oleate、120mmol、TCl、95%)を、80mlのエタノールと60mlの蒸留水と140mlのヘキサン(hexane)とを混合した溶媒に溶かした。これを70℃まで加熱し、4時間反応させた後、静置して上澄液を水で洗浄してNaClを除去した後、減圧蒸留器(evaporator)を用いてヘキサンを除去した鉄−オレート(iron-oleate)を得た。
36gの鉄−オレートと5.7gのオレイン酸(oleic acid、Aldrich、90%)を200gの1−オクタデセン(1-octadecene、Aldrich、90%)に溶かし(室温条件)、1分当り3.3℃の昇温条件で320℃まで加熱した後、320℃で30分間保持して磁性体(iron-oxide)を生成させ、室温に冷却した後、500mlのエタノールを添加した。これを電気炉(electric muffle furnace)で900℃まで焼成して粉末状態の磁性体を得た。得られた磁性体のIR分析結果を図1に示し、図2には磁性体の電子顕微鏡写真を示す。
【0030】
製造例3:緑茶エキスの製造
緑茶葉(智異山棲息)とエタノールを1:20の重量比で混合して50℃で12時間抽出する過程を2回繰り返した後、真空オーブンで48時間乾燥し、溶媒を蒸発させて緑茶エキスを得た(粉末状のエキス、収率15%)。
【0031】
製造例4:ヨモギエキスの製造
ヨモギ(智異山棲息)とエタノールを1:20の重量比で混合して50℃で12時間抽出する過程を2回繰り返した後、真空オーブンで48時間乾燥し、溶媒を蒸発させてヨモギエキスを得た(液状のエキス、収率15%)。
【0032】
製造例5:松葉エキスの製造
松葉(智異山棲息)とエタノールを1:20の重量比で混合して50℃で6時間抽出した後、真空オーブンで48時間乾燥し、溶媒を蒸発させて松葉エキスを得た(液状のエキス、収率26.2%)。
【0033】
実施例5〜6
前記実施例3の組成物にコロイド状の銀ナノ粒子0.2重量部(実施例5)と、エタノールに7重量%の濃度で溶解させた緑茶エキス3重量部(実施例6)とをさらに添加し、前記実施例1と同様の条件で混練、素練した後、140℃で100kg/cm2の圧力条件で20〜40分間射出して発泡体を製造した。
【0034】
実験例2
前記実施例5の発泡体を2.5×2.5×0.2cmの大きさに試片を製造した後、紫外線殺菌し、ブドウ状球菌(Staphylococcus aureus)を用いて抗菌力を測定した。
前記抗菌力測定は、ブドウ状球菌を平板培地に分株した後、37℃の好気的培養条件で16時間培養した後、コロニー(colony)の数を計数し、これを基準に吸光度(OD、600nm)を測定し、0.1であるときに菌株を希釈した後、それぞれ計算し、希釈して細胞溶液0.1mlを前記紫外線殺菌した発泡体の試片に加圧密着法(FC−TM−20)を変形して菌株を接種した後、37℃の好気的培養条件で24時間培養して生成したコロニーの数を計数して抗菌力を測定した。その結果を下記表3に示す。


【0035】
【表3】

【0036】
前記表3によれば、同様の組成と同様の方法で製造しても、銀ナノ粒子を含んでいない実施例3と銀ナノ粒子を含む実施例5を比較すると、銀ナノ粒子を含む場合、約86%の顕著な抗菌性を確認することができた。
また、同様の組成と同様の方法で製造しても、緑茶エキスを含んでいない実施例3と実施例6の芳香性を比較すると、緑茶エキスが含まれた実施例6の場合、約4〜6カ月程度の天然芳香性を示した。
【0037】
実験例3
3〜4月齢の雄ウサギ(New Zealand White Rabbit、購入先セムタコcorps、体重2.0〜3.0kg)を入手後約1週間動物室で純化させた後、健康なウサギ6匹を用いて実験を行った。実験を行う環境条件は、20±2℃、相対湿度50±10%、換気回数10〜12回/hr、照明12時間、照度200〜300LuXとして設定し、実験動物用ウサギ飼料((株)ピュリナコリア)と紫外線殺菌処理された飲用水を自由摂取させた。
前記ウサギの腹部に約2.5×2.5cm程度の大きさに脊椎を中心に左右それぞれ2カ所を設定し、上部の擦過部位1カ所と非擦過部位1ヵ所は試験物質(前記実施例5によって製造された発泡体)を塗布する処置区画として、下部の2ヵ所は無処置対照区画(滅菌ガーゼ)として定めて試験した。試験動物の処置部位を24時間前に除毛して試験物質及び滅菌ガーゼを適用し、非刺激性テープで十分に固定して24時間晒し、試験物質の適用後、微温水を用いて適用部位を洗浄し、以下の項目を観察した。
1)一般症状の観察
試験物質の適用後72時間まで一般症状の変化、中毒症状及び死亡動物の有無を観察した。その結果、全ての動物においていかなる一般症状も観察されず、死亡動物も観察されなかった。
2)体重測定
試験物質の適用直前、適用後24時間、及び72時間目に個体別体重を測定した。その結果、全ての動物において試験期間中正常な体重増加が認められた。
3)適用部位観察
試験物質の塗布終了後、適用部位のパッチを除去して24時間及び72時間目に紅斑と痂皮形成及び浮腫等の刺激性の有無を観察した。その結果、試験物質処置後24時間及び72時間目に紅斑と痂皮及び浮腫が観察されなかった。DraizeのP.I.I.(Primary irritation index)の算出による1次皮膚刺激性は「0(zero)」と評価された。
【0038】
【表4】

1) 一次刺激指数(Primary irritation index, Sum of means/4)
【0039】
前記表4に示したように、本発明によって製造された低硬度射出成形性発泡体は、皮膚に対して刺激を与えない非刺激性物質であることを確認することができた。このような結果から、本発明の発泡体は、種々の医療用品と種々のヘルスケア用品を構成する素材に適用可能であることを確認することができる。
【0040】
実施例7〜11:ナノクレイ含量による物性変化
前記実施例3の組成物にナノクレイ(nanomer、直径1128〜1500nm)を下記表5に示す含量でさらに添加し、前記実施例1と同様の条件で混練、素練した後、140℃で100kg/cm2の圧力条件で20〜40分間射出して発泡体を製造した。
【0041】
実施例12〜16:磁性体粉末含量による物性変化
前記実施例3の組成物に、製造例2によって製造されたもので、磁性体粉末(平均直径0.5μm以下)を下記表5に示す含量でさらに添加し、前記実施例1と同様の条件で混練、素練した後、140℃で100kg/cm2の圧力条件で20〜40分間射出して発泡体を製造した。
【0042】
実施例17〜21:緑茶エキス含量による物性変化
前記実施例3の組成物に、前記製造例3によって製造されたもので、エタノールに7重量%の濃度で溶解させた緑茶エキスを下記表5に示す含量でさらに添加し、前記実施例1と同様の条件で混練、素練した後、140℃で100kg/cm2の圧力条件で20〜40分間射出して発泡体を製造した。
【0043】
実施例22〜26:ヨモギエキス含量による物性変化
前記実施例3の組成物に、前記製造例4によって製造されたもので、エタノールに7重量%の濃度で溶解させたヨモギエキスを下記表5に示す含量でさらに添加し、前記実施例1と同様の条件で混練、素練した後、140℃で100kg/cm2の圧力条件で20〜40分間射出して発泡体を製造した。
【0044】
実施例27〜31:松葉エキス含量による物性変化
前記実施例3の組成物に前記製造例5によって製造された、エタノールに7重量%の濃度で溶解させた松葉エキスを下記表5に示す含量でさらに添加し、前記実施例1と同様の条件で混練、素練した後、140℃で100kg/cm2の圧力条件で20〜40分間射出して発泡体を製造した。
【0045】
実験例4
前記実施例5〜31によって製造された発泡体を以下の方法でそれぞれの該当物性を測定し、その結果を下記表5に示す。
(1)硬度(hardness):ASTM D2240
(2)比重(density):ASTM 3575
(3)弾性(resilience):DIN 53512
(4)収縮率(shrinkage):ASTM D1056.70℃×40分
(5)圧縮永久歪み(compression set):ASTM D395
(6)引裂け強度(Tear strength):ASTM D624
(7)内部強度(Split tear strength):ASTM D3574
(8)引張り強度(tensile strength):ASTM D412
(9)伸び(Elongation):ASTM D412
(10)発泡率(ER):発泡体の発泡倍率は、金型の底の対角線長さ(L)に発泡体の底の対角線長さ(m)の比で計算した。発泡率の%はm/L×100として示した。



【0046】
【表5】

1)基材樹脂100重量部に対する相対量
2)70℃×40分
3)横収縮(width shrinkage)
4)縦収縮(length shrinkage)
【0047】
前記表5に示したように、本発明の低硬度射出成形性発泡体は、ナノクレイ、磁性体粉末、緑茶エキス、ヨモギエキス及び松葉エキス等をさらに添加することによって、様々な機能性を有する発泡体に製造することができ、前述のように、ナノクレイ、磁性体粉末、緑茶エキス、ヨモギエキス及び松葉エキス等の付加物質を添加する場合にも低硬度特性及び一定の比重を維持しながら、射出成形性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】製造例2によって製造された磁性体粉末[SM−900]の分析結果を示すFT−IR(fourier transform-infra Red)スペクトルを示す図であり、グラフのうちNF−900は、Ferrite powder(商品名;TAEPYONGYANG金属社製)を用いて行った結果であり、SM−900は900℃で焼成した結果であり、SMは焼成していない場合の結果を示す。
【図2】製造例2によって製造された磁性体粉末[SM]の電子顕微鏡写真を示す図であり、(a)と(b)は、Ferrite powder(商品名;TAEPYONGYANG金属社製)を用いた場合の結果であり、(c)及び(d)は製造例2で製造された磁性体粉末[SM]の写真である。
【図3】図3の(a)は、Ferrite powder(商品名;TAEPYONGYANG金属社製)の温度による磁化率を示すグラフであり、(b)は、製造例2によって製造された磁性体粉末を300℃で焼成した磁性体[SM−300]の温度による磁化率を示すグラフであり、(c)は製造例2によって製造された磁性体粉末を900℃で焼成した磁性体[SM−900]の温度による磁化率を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂50〜90重量部とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂10〜50重量部とからなる樹脂の混合物を基材樹脂とする組成物からなる発泡体であって、硬度が15〜18及び比重が0.16〜0.18の範囲であることを特徴とする射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項2】
前記組成物が、銀ナノ粒子を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項3】
前記組成物が、緑茶エキスを含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項4】
前記組成物が、磁性体粉末を含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項5】
前記組成物が、ナノクレイを含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項6】
前記組成物が、ヨモギエキスを含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項7】
前記組成物が、松葉エキスを含むことを特徴とする請求項1記載の射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体。
【請求項8】
エチレンビニルアセテート(EVA)樹脂50〜90重量部とエチレンメチルアクリレート(EMA)樹脂10〜50重量部とからなる樹脂の混合物を基材樹脂として含む発泡体用組成物を80〜120℃の温度範囲で混練する段階と;
前記で得られた混練物を素練、ペレット化及び発泡させる段階と
を含んでなることを特徴とする射出成形されたエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法。
【請求項9】
前記素練が、80〜100℃の温度範囲で3〜5回繰り返し行われることを特徴とする請求項8記載のエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法。
【請求項10】
前記ペレット化が、30〜80℃の温度範囲で20〜30rpmの回転条件で行われることを特徴とする請求項8記載のエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法。
【請求項11】
前記発泡が、135〜180℃の温度条件で射出成形法によって行われることを特徴とする請求項8記載のエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法。
【請求項12】
前記基材樹脂100重量部に対して、銀ナノ粒子、緑茶エキス、ナノクレイ、磁性体粉末、ヨモギエキス及び松葉エキスから選択された1種または2種以上の混合物をさらに添加して混練させることを特徴とする請求項8記載のエチレンビニルアセテート系発泡体の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のエチレンビニルアセテート系発泡体が適用されたことを特徴とする医療用品。
【請求項14】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のエチレンビニルアセテート系発泡体が適用されたことを特徴とするヘルスケア用品。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−501068(P2008−501068A)
【公表日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541116(P2007−541116)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【国際出願番号】PCT/KR2006/004291
【国際公開番号】WO2007/046661
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(506398966)コムテック ケミカル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】