説明

射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法

【課題】射出成形機の通常の稼動を一時的に停止して加熱シリンダ内に有する熱可塑性樹脂の保温制御をする際、当該樹脂に炭化物が発生しないようにして保温制御することができる、射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法を提供する。
【解決手段】射出成形機で成形体を成形する通常の稼動から保温制御に切替えられた際、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂が急激な降温により炭化しないようにするため、射出成形機の通常の稼動中に温度にばらつきのあった複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを、炭化の発生することのない保温限界温度t2まで所定時間(n×T)をかけて降温し、降温された各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度を一定になるよう制御する。これにより、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂に炭化物が発生することを防止することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型閉された金型のキャビティに加熱シリンダの加熱ヒータで溶融された熱可塑性樹脂を射出する射出成形機に関し、特に加熱シリンダ内で溶融される熱可塑性樹脂の温度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から用いられている一般的な射出成形機においては、加熱シリンダ内に原料である粒状の熱可塑性樹脂(ペレット)を送り、加熱シリンダ内に設けられた進退可能なスクリューにより樹脂を溶融しながら、スクリュー先端のノズル側に送り出し、スクリューの先端側に設けられた射出ノズルから金型装置のキャビティに溶融樹脂を射出させ、キャビティ内で溶融樹脂を冷却させ固化させた後、金型を開き、突出しピンなどにより金型に張り付いている成形物を金型から外すことにより、成形体が成形されている。
【0003】
ところで、筒状の加熱シリンダの外側には、その長手方向に沿うようにして、加熱シリンダ内に供給されてきたペレット状の樹脂を加熱溶融するための加熱ヒータが複数設けられている構造のものがあり、複数の加熱ヒータが加熱されることにより、加熱シリンダ内に搬送されてきた樹脂は200℃〜250℃ほどの高温に加熱溶融されるのだが、射出成形機の稼動を一時的に停止したときには、高温化された溶融樹脂が、加熱シリンダ表面からの放熱によって急激に温度低下(降温)され、それにより、樹脂が炭化して成形品に黒点なとの炭化物が発生することがある。
【0004】
上記技術に関連するものとして、特許文献1には、成形中に成形機を一時停止し、成形を再開したときに、成形体に炭化による黒点が発生することを防止することを目的として、一時停止中のシリンダーの温度を制御する成形機の制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−254930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1における温度制御は、成形機の停止中のシリンダーの温度を樹脂の成形温度より低い温度に保持することにより、成形品に黒点が発生することを防止しようという方法であるが、成形機が停止され、樹脂が急激に冷却されると、シリンダーの温度を樹脂の成形温度より低い温度になるよう制御したとしても、成形品の材料がアクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂等のいわゆる高温樹脂である場合には、黒点(炭化物)が発生することがあることから、このような問題点の改善が求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、射出成形機の通常の稼動を一時的に停止(中断)して加熱シリンダ内に有する熱可塑性樹脂の保温制御をする際、当該樹脂に炭化物が発生しないようにして保温制御することができる、射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法は、
内部にスクリューが設けられると共に外周に加熱ヒータの装着された筒状の加熱シリンダと、該加熱シリンダの先端に構成され溶融された熱可塑性樹脂を射出する射出ノズルと、加熱シリンダの外側に装着され前記加熱シリンダ内に有する前記熱可塑性樹脂を溶融する複数の加熱ヒータと、これらの加熱ヒータの温度を検出する温度検出センサーを備えた射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法において、
前記射出成形機を稼動しているときに、該射出成形機の稼動を一時的に停止して前記複数の加熱ヒータにより前記熱可塑性樹脂の降温しながらの保温制御を行うときに、
前記熱可塑性樹脂が急激な降温により炭化しないようにするために、前記複数の加熱ヒータの温度を全て一定になるよう降温するとき、
前記保温制御が開始されてから前記保温限界温度になるまでを、保温処理段階として複数回の段階にわけ、
当該回数と、前記熱可塑性樹脂の種類に基づき予め決められた該熱可塑性樹脂の降温速度と、保温限界温度とを用いて、
各保温処理段階の終了時に、該各保温処理段階の終了時の基準温度に基づき予め設定した温度の範囲になるよう、制御手段が前記加熱ヒータの各々の温度を制御し、
前記射出成形機を稼動しているときに温度にばらつきのあった前記複数の加熱ヒータの全ての温度を前記保温限界温度になるように降温制御し、該複数の加熱ヒータの全ての温度が前記保温限界温度に達したら、さらに前記複数の加熱ヒータの全ての温度が一定になるよう温度制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、射出成形機で成形体を成形する通常の稼動から保温制御に切替えられた際、加熱シリンダ内に有する熱可塑性樹脂が急激な降温により炭化しないようにするため、射出成形機の通常の稼動中に温度にばらつきのあった複数の加熱ヒータを、炭化の発生することのない保温限界温度まで所定時間かけて降温し、降温された各加熱ヒータの温度を一定になるよう制御することができるので、加熱シリンダ内に有する熱可塑性樹脂に炭化物が発生することを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一例の射出成形機に構成される加熱シリンダを示す構成図である。
【図2】加熱シリンダに設けられた加熱ヒータによる熱可塑性樹脂の保温制御を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図1及び図2により以下に説明する。もちろん、本発明は、その発明の趣旨に反しない範囲で、実施形態において説明した以外の構成のものに対しても容易に適用可能なことは説明を要するまでもない。
【0012】
本発明の一例の射出成形機は、公知の射出成形機と同様の構成を有するので図示を省略するが、射出ユニット、型締ユニットを備えるものであり、射出ユニットには、図1に示す加熱シリンダ1が構成されている。
【0013】
図1に示す筒型の加熱シリンダ1には、先端に射出ノズル2、外側に複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3e、内部に回転可能にスクリュー4、基端にホッパブロック5、ホッパブロック5の上部にホッパ6が設けられており、加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの各々の温度を検出する温度検出センサー7a,7b,7c,7d,7eが各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eに対応して設けられている。また、温度検出センサー7a,7b,7c,7d,7eで検出された各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度は、制御手段10に出力され、当該制御手段10で一元的に管理されるようになっており、加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eからの出力データに基づき制御手段10が、各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度制御を行う。
【0014】
また、本実施形態の射出成形機は、原料である粒状の熱可塑性樹脂(ペレット)がホッパ6に投入され、加熱シリンダ1の内部に設けられたスクリュー4が回転されることにより、加熱シリンダ1の後部へ供給された熱可塑性樹脂は射出ノズル2の設けられた加熱シリンダ1の先端側へ送り出され、複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eにより加熱シリンダ1内で加熱溶融され、図示しない、計量用モータ等からなる回転駆動手段によりスクリュー4が回転されることにより計量された後、図示しない、射出用モータ、ボールネジ機構等からなる進退駆動手段によりスクリュー4が前進されることで金型のキャビティへ所定量の熱可塑性樹脂が射出される。
【0015】
また、加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eは、図1に示すように、加熱シリンダ本体の外周のほか、射出ノズル2の外周にも装着されており、加熱シリンダ1の長手方向に前記加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eが5つ間隔を空けて巻き付けられるようにして装着され、射出成形機で成形体を成形する稼動時には、各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eが200℃以上の高温に加熱される。
【0016】
ここで、射出成形機の稼動を一時的に停止した際、複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを熱源として、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂の温度(保温)制御方法について図2に基づき以下に説明する。なお、加熱シリンダ1の先端側から基端側にかけて配列された複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eについては、加熱シリンダ1の先端側から基端側の順に、第1の加熱ヒータ3a、第2の加熱ヒータ3b、第3の加熱ヒータ3c、第4の加熱ヒータ3d、第5の加熱ヒータ3eとして説明することとし、図2では、これら加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eに対応する温度検出センサー7a,7b,7c,7d,7eで検出された温度を波形で表している。
【0017】
図2は、射出成形機を稼動して、光学部品(導光板やレンズ)を製造するときにアクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂等の高温樹脂(熱可塑性樹脂)を材料して用い成形する成形中のときに、機器の異常によりアラームが発生し、それに伴い保温制御に切替えられ、射出成形機の稼動を一時的に停止して加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂の保温制御を行っているときの、第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度の変化を表している。
【0018】
ところで、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂に対し炭化が発生しないよう制御するためには、成形中に200度以上の高温に加熱されている熱可塑性樹脂を、所定時間かけて所定の保温限界温度t2になるまで降温したのち、保温限界温度t2である160℃で一定になるよう保温制御する必要がある。そのため、本実施形態の第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eは、成形中においては、温度にばらつきがあるが、第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度が全て160℃になったら、その温度で全ての第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを160℃になるよう制御手段10が保温制御する。なお、「保温限界温度」とは、樹脂の種類により決まるものであり、保温限界温度t2である160℃未満に熱可塑性樹脂の温度が低下された場合には、射出成形機を保温制御から通常の稼動に戻したときに、樹脂焼けが発生するため、160℃の温度を保温限界温度として定義する。
【0019】
図2に示すように、射出成形機を稼動した成形体の成形中((a)〜(b))において、何らかの原因より、アラームが発生されると(b)、(b)のタイミングで、射出成形機の稼動が一時的に中止され、保温制御が開始される。
【0020】
本実施形態の保温制御((b)以降)においては、成形中((a)〜(b))に200℃以上であった第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度を、段階的(図2の保温処理第1段階、保温処理第2段階、保温処理第3段階)に降温させる。
【0021】
先ず、前記熱可塑性樹脂の降温速度(単位時間あたりの自然冷却速度)は、当該熱可塑性樹脂の種類により決まっているので、ここでは降温速度aは1.5(℃/分)であり、各保温処理段階(保温処理第1段階,保温処理第2段階,保温処理第3段階,(保温処理第n段階))の時間(分)をTとし、第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eのうち成形中に最も高温の第2の加熱ヒータ3bの温度をt1(250℃)とし、保温限界温度をt2(160℃)とし、保温処理段階の回数をn回(本実施形態では3回)とした場合、下記数1の数式により、時間Tを算出する。
【0022】
(数1)
(t1−t2)/(n×T)=a
※nは1以上とする
n×Tは、保温限界温度t2に達するまでの時間(b)〜(e)
【0023】
上記数1の数式に前記数値を代入すると、(250(℃)−160(℃))/(3×T)=1.5(℃/分)
であるから、T=20(分)となる。
【0024】
そして、算出されたTの数値により、保温処理第1〜第3段階における各時間が制御手段10により決定される。
【0025】
そして、Tは20(分)であって、aは1.5(℃/分)であることから、Tとaの数値を用いて、制御手段10が、下記数2の数式により、保温処理第1〜第3段階の各段階の終了時((c),(d),(e))における各基準温度を、1段階あたり30℃ずつ降温することを決定する(保温処理第1段階終了時は220℃(250℃−30℃),保温処理第2段階終了時は190℃(250℃−30℃×2),保温処理第3段階終了時は160℃(250℃−30℃×3))。
【0026】
(数2)
T×a=20(分)×1.5(℃/分)=30℃
【0027】
そして、各保温処理段階終了時((c),(d))では、第1〜第5の全ての加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度が、前記基準温度の±10℃(より好ましくは±5℃)の範囲になるよう、制御手段10が各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを制御し、前記基準温度の±10℃(より好ましくは±5℃)の範囲にしてから、次の保温処理段階に移行する。そして、図2に示すように、このような処理を、各段階毎に繰り返すことで、第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを、保温限界温度t2である160℃に到達する保温処理第n段階(本実施形態では保温処理第3段階)の終了時(e)に160℃まで降温させる。そして、制御手段10が、保温継続制御として、第1〜第5の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを160℃の状態を維持するよう制御を行う。
【0028】
以上のような本実施形態における熱可塑性樹脂の温度制御方法によれば、射出成形機を稼動しているときに、該射出成形機の稼動を一時的に停止(中断)して、複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eにより、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂の降温しながらの保温制御を行うときに、当該熱可塑性樹脂が急激な降温により炭化しないようにするために、複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度を全て一定になるよう降温するとき、保温制御が開始されてから(b)保温限界温度になるまでを(e)、保温処理段階として複数回の段階(保温処理第1段階〜保温処理第3段階)にわけ、当該回数(n)と、熱可塑性樹脂の種類に基づき予め決められた該熱可塑性樹脂の降温速度(a)と、保温限界温度(t2)等を用いて、各保温処理段階の終了時((c),(d))に、該各保温処理段階の終了時の基準温度((c)は220℃,(d)は190℃)に基づき予め設定した温度の範囲((c)は220℃の±10の範囲,(d)は190℃の±10℃の範囲)になるよう、制御手段10が加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの各々の温度を制御し、射出成形機を稼動しているときに温度にばらつきのあった複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの全ての温度を、所定時間(n×T)かけて保温限界温度(160℃)になるように降温制御し、該複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの全てが前記保温限界温度(160℃)に達したら、さらに前記複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの全ての温度が一定になるよう温度制御する。これにより、射出成形機で成形体を成形する通常の稼動から保温制御に切替えられた際、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂が急激な降温により炭化しないようにするため、射出成形機の通常の稼動中に温度にばらつきのあった複数の加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eを、炭化の発生することのない保温限界温度t2まで所定時間(n×T=3×20=60分)かけて降温し、降温された各加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度を一定になるよう制御することで、加熱シリンダ1内に有する熱可塑性樹脂に炭化物が発生することを防止することが可能となる。
【0029】
以上、本実施形態の一例を詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本実施形態においては、保温処理段階の回数を3回としているが、4回以上や3回未満でもよく、また、本実施形態では各保温処理段階終了時((c),(d))、第1〜第5の全ての加熱ヒータ3a,3b,3c,3d,3eの温度が、前記基準温度の±10℃の範囲にしてから次の保温処理段階に移行するが、前記基準温度に一致したときに次の保温処理段階に移行するようにしてもよく適宜選定できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 加熱シリンダ
2 射出ノズル
3a 第1の加熱ヒータ
3b 第2の加熱ヒータ
3c 第3の加熱ヒータ
3d 第4の加熱ヒータ
3e 第5の加熱ヒータ
4 スクリュー
5 ホッパブロック
6 ホッパ
7a,7b,7c,7d,7e
10 制御手段
a 降温速度
n 保温制御時における保温処理段階の回数
t1 成形中に最も高温の加熱ヒータ3の温度
t2 保温限界温度
T 各保温処理段階の時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にスクリューが設けられると共に外周に加熱ヒータの装着された筒状の加熱シリンダと、該加熱シリンダの先端に構成され溶融された熱可塑性樹脂を射出する射出ノズルと、加熱シリンダの外側に装着され前記加熱シリンダ内に有する前記熱可塑性樹脂を溶融する複数の加熱ヒータと、これらの加熱ヒータの温度を検出する温度検出センサーを備えた射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法において、
前記射出成形機を稼動しているときに、該射出成形機の稼動を一時的に停止して前記複数の加熱ヒータにより前記熱可塑性樹脂の降温しながらの保温制御を行うときに、
前記熱可塑性樹脂が急激な降温により炭化しないようにするために、前記複数の加熱ヒータの温度を全て一定になるよう降温するとき、
前記保温制御が開始されてから前記保温限界温度になるまでを、保温処理段階として複数回の段階にわけ、
当該回数と、前記熱可塑性樹脂の種類に基づき予め決められた該熱可塑性樹脂の降温速度と、保温限界温度とを用いて、
各保温処理段階の終了時に、該各保温処理段階の終了時の基準温度に基づき予め設定した温度の範囲になるよう、制御手段が前記加熱ヒータの各々の温度を制御し、
前記射出成形機を稼動しているときに温度にばらつきのあった前記複数の加熱ヒータの全ての温度を前記保温限界温度になるように降温制御し、該複数の加熱ヒータの全ての温度が前記保温限界温度に達したら、さらに前記複数の加熱ヒータの全ての温度が一定になるよう温度制御することを特徴とする射出成形機における熱可塑性樹脂の温度制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate