説明

射出成形装置及び射出成形方法

【課題】第1キャビティと第2キャビティとに溶融材料を確実に供給することができると共に、中間金型を小型化及び軽量化することができ、これによって、小型化を図ることができる射出成形装置及び射出成形方法を提供する。
【解決手段】射出成形装置10Aは、第1ノズル部44と第2ノズル部46が設けられた固定金型16と、貫通孔72が形成された中間金型20と、可動金型24とを備える。型閉じ動作を開始すると、中間金型20の貫通孔72に第2ノズル部46が挿入され、貫通孔72に設けられたシール部材78が皿ばね80の作用によって該第2ノズル部46に押し付けられる。型閉じ動作が完了した後、第1ノズル部44は、固定金型16と中間金型20との間に形成される第1キャビティ204aに溶融材料を供給し、第2ノズル部46は、可動金型24と中間金型20との間に形成される第2キャビティ204bに溶融材料を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1金型と第2金型との間に中間金型を配設した射出成形装置及び射出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つ以上の樹脂製品を同時に成形するために、スタックモールド型(タンデム型)と呼ばれる金型を備えた射出成形装置が広汎に用いられている。
【0003】
この種の射出成形装置は、一般的に、固定金型と可動金型との間に配設された中間金型を備え、型閉じ状態で、前記固定金型と前記中間金型との間に第1キャビティが形成されると共に、前記可動金型と前記中間金型との間に第2キャビティが形成される構成となっている。
【0004】
このような射出成形装置として、固定金型に形成された第1の通路から導かれた溶融樹脂を中間金型に形成された第2の通路に流通させて第1キャビティと第2キャビティとに供給することにより、所望の樹脂製品を成形する技術的思想が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−122689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来技術では、高圧の溶融樹脂(溶融材料)が流通する第2の通路(マニホールド)を中間金型に形成しているので、該中間金型が大型且つ大重量となる。このように中間金型が大重量であると、ダイバーやガイドピン以外に該中間金型を支持する機構(例えば、支持台)が必要になるので、射出成形装置が大型化するという問題がある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、第1キャビティと第2キャビティとに溶融材料を確実に供給することができると共に、中間金型を小型化及び軽量化することができ、これによって、小型化を図ることができる射出成形装置及び射出成形方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1] 本発明に係る射出成形装置は、近接離間可能な状態で対向配置された第1金型と第2金型と、前記第1金型と前記第2金型との間に配設された中間金型と、を備え、型閉じ状態で、前記第1金型と前記中間金型との間に形成される第1キャビティと、前記第2金型と前記中間金型との間に形成される第2キャビティとに溶融材料を充填可能な射出成形装置において、前記中間金型には、前記第1金型に対向する面と前記第2金型に対向する面とのそれぞれに開口する貫通孔が形成されており、前記第1金型に設けられて前記第1キャビティに前記溶融材料を供給するための第1ノズル部と、前記貫通孔に挿入可能な状態で前記第1金型に設けられ、且つ前記溶融材料を前記第2キャビティに供給するための第2ノズル部と、前記貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材と、前記シール部材を前記第1金型が位置する側に押圧して前記第2ノズル部に押し付ける押圧手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る射出成形装置によれば、中間金型に第2ノズル部が挿入可能な貫通孔を形成している。そのため、第1キャビティに溶融樹脂を供給する第1ノズル部と、第2キャビティに溶融樹脂を供給する第2ノズル部とを第1金型に設けることができる。これにより、中間金型にマニホールド機能を有した溶融材料流路を形成する必要がないので、該中間金型を小型化(薄型化)及び軽量化することができる。よって、射出成形装置の小型化を図ることができる。
【0010】
また、前記貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材を押圧手段にて第1金型が位置する側に押圧することにより前記第2ノズル部に押し付けることができるので、前記第2ノズル部から導出された溶融材料が該第2ノズル部と前記貫通孔を構成する壁面との間の隙間に漏出することを防止することができる。よって、第1キャビティと第2キャビティとに溶融材料を確実に供給することができる。
【0011】
[2] 上記の射出成形装置において、前記第2ノズル部は、前記溶融材料が流通するノズル本体と、前記ノズル本体を加熱する加熱手段と、を有し、前記貫通孔を構成する前記壁面と前記シール部材との間には、前記加熱手段により前記ノズル本体が加熱される前の状態で所定のクリアランスが形成されていてもよい。
【0012】
このような構成によれば、第2ノズル部のノズル本体を加熱する前の状態で、貫通孔を構成する壁面とシール部材との間には所定のクリアランスが形成されている。そのため、シール部材が第2ノズル部から受けた熱によって熱膨張した際に、該シール部材が前記貫通孔を構成する前記壁面にかじり付くことを好適に抑えることができる。なお、この場合、熱膨張したシール部材を該壁面に接触させる(摺動可能にする)こともでき、そうすれば、第2ノズル部から導出された溶融材料が該第2ノズル部と該貫通孔を構成する壁面との間に漏出することはない。
【0013】
[3] 上記の射出成形装置において、前記第2金型には、前記シール部材に対向する部位に孔部が形成されており、前記押圧手段の押圧方向に沿って変位可能な状態で前記孔部に配設され、且つ前記シール部材に接触する受け部材をさらに備え、前記押圧手段は、前記孔部に設けられた状態で前記受け部材を介して前記シール部材を押圧してもよい。
【0014】
このような構成によれば、押圧手段を第2金型の孔部に配設しているので、該押圧手段を中間金型に設けた場合と比較して該中間金型を一層小型化及び軽量化することができる。この場合、受け部材は、第2ノズル部に対して直接的に接触することはないので、第2ノズル部から受ける熱量も少なくて済む。これにより、受け部材が熱膨張して前記孔部を構成する壁面にかじり付くことを抑えることができる。
【0015】
[4] 上記の射出成形装置において、前記シール部材には、前記第2ノズル部から導出された前記溶融材料を前記第2キャビティに導くためのスプルが形成されていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、シール部材をスプルブッシュとしても利用することができる。
【0017】
[5] 上記の射出成形装置において、前記第2ノズル部のうち前記溶融材料が導出する導出口は、型閉じ状態で前記貫通孔における前記第2金型が位置する側の開口部内に位置していてもよい。
【0018】
このような構成によれば、型閉じ状態で、第2ノズル部の導出口が貫通孔における第2金型が位置する側の開口部内に位置している。すなわち、シール部材にはスプルが形成されていない。これにより、シール部材にスプルを形成した場合と比較して、該シール部材の熱膨張量を小さくすることができるので、該シール部材が貫通孔を構成する壁面にかじり付くことを一層好適に抑えることができる。
【0019】
[6] 上記の射出成形装置において、前記中間金型には、前記第1金型が位置する側への前記シール部材の移動を制限するストッパ部が設けられていてもよい。
【0020】
このような構成によれば、第1金型が位置する側へのシール部材の移動がストッパ部にて制限されるので、押圧手段にて該シール部材が第2ノズル部に過度に押し付けられることを抑えることができる。よって、該第2ノズル部が破損することを防止することができる。
【0021】
[7] 上記の射出成形装置において、前記押圧手段は、皿ばねであってもよい。このような構成によれば、コンパクトな構成でシール部材を押圧することができる。
【0022】
[8] 本発明に係る射出成形方法は、近接離間可能な状態で対向配置された第1金型と第2金型と、前記第1金型と前記第2金型との間に配設され、且つ前記第1金型に対向する面と前記第2金型に対向する面とを貫通する貫通孔が形成された中間金型と、前記第1金型に設けられた第1ノズル部と第2ノズル部と、を備えた射出成形装置を用いた射出成形方法であって、前記第1金型と前記第2金型とを近接させることにより、前記貫通孔に前記第2ノズル部を挿入させ、前記第1金型と前記中間金型との間に第1キャビティを形成すると共に、前記第2金型と前記中間金型との間に第2キャビティを形成する型閉じ工程と、前記第1ノズル部にて前記第1キャビティに溶融材料を供給する第1供給工程と、前記第2ノズル部にて前記第2キャビティに前記溶融材料を供給する第2供給工程と、を行い、前記型閉じ工程では、前記貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材を押圧手段にて前記第1金型が位置する側に押圧することにより、前記第2ノズル部に押し付けることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る射出成形方法によれば、型閉じ工程において、中間金型の貫通孔に第2ノズル部を挿入させて、第1キャビティと第2キャビティとを形成し、第1供給工程で第1金型に設けられた第1ノズル部にて前記第1キャビティに溶融材料を供給し、第2供給工程で前記第1金型に設けられた第2ノズル部にて第2キャビティに前記溶融材料を供給している。これにより、中間金型にマニホールド機能を有した溶融材料流路を形成する必要がないので、該中間金型を小型化(薄型化)及び軽量化することができる。よって、射出成形装置の小型化を図ることができる。
【0024】
また、型閉じ工程において、前記貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材を第1金型が位置する側に押圧することにより前記第2ノズル部に押し付けているので、前記第2ノズル部から導出された溶融材料が該第2ノズル部と前記貫通孔を構成する壁面との間の隙間に漏出することを防止することができる。よって、第1キャビティと第2キャビティとに溶融材料を確実に供給することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、第1金型と第2金型との間に中間金型を配設し、前記第1金型に第1ノズル部及び第2ノズル部を設けて該中間金型に前記第2ノズル部が挿入可能な貫通孔を形成しているので、型閉じ状態で、該第1ノズル部にて第1キャビティに溶融材料を供給すると共に、該第2ノズル部にて第2キャビティに溶融材料を供給することができる。これにより、中間金型を小型化及び軽量化することができるので、射出成形装置の小型化を図ることができる。
【0026】
また、貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材を押圧手段にて第2ノズル部に押し付けるので、第1キャビティと第2キャビティとに溶融材料を確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形装置に形成される第1キャビティと第2キャビティに溶融樹脂を充填した状態を示す一部断面説明図である。
【図2】図1の射出成形装置の型開き状態を示す一部省略拡大縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る射出成形方法を説明するためのフローチャートである。
【図4】図2の射出成形装置の型閉じ状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る射出成形装置の型開き状態を示す一部省略拡大縦断面図である。
【図6】図5の射出成形装置の型閉じ状態を示す一部省略拡大縦断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る射出成形装置の型開き状態を示す一部省略拡大横断面図である。
【図8】図7の射出成形装置の型閉じ状態を示す一部省略拡大横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る射出成形方法について、それを実施する射出成形装置との関係で好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る射出成形装置10Aについて図1〜図4を参照しながら説明する。本実施形態に係る射出成形装置10Aは、いわゆるスタックモールド型と呼ばれる金型を備える装置である。すなわち、射出成形装置10Aは、図1に示すように、固定金型16と可動金型24との間に配設された中間金型20を備えており、型閉じ状態で、固定金型16と中間金型20との間に形成される第1キャビティ204aと、可動金型24と中間金型20との間に形成される第2キャビティ204bとに溶融樹脂(溶融材料)を充填することにより、2つ以上の樹脂製品を同時に形成するものである。
【0030】
具体的には、図1及び図2に示すように、射出成形装置10Aは、固定盤12と、前記固定盤12の各隅角部に固定されて該固定盤12の厚み方向に延在した複数(例えば、4本)のダイバー14と、前記固定盤12に固着された固定金型(第1金型)16と、前記固定金型16に設けられた射出機構18と、前記固定金型16に対向するように前記複数のダイバー14に対して移動可能に支持された中間金型20と、前記中間金型20に設けられたシール機構22と、前記中間金型20の前記固定金型16とは反対側に配設された可動金型(第2金型)24と、前記可動金型24に固着されて前記複数のダイバー14に対して移動可能に支持された可動盤26と、制御部28とを備える。
【0031】
固定金型16の一方の面は、固定盤12の他方の面に固着されている。固定金型16の他方の面は、型閉じ状態において、中間金型20の一方の面との間で、溶融樹脂流路としての第1ランナ200aと第1ゲート202aと、樹脂製品の成形空間としての第1キャビティ204aとを形成する(図1及び図4参照)。
【0032】
第1ランナ200aと第1ゲート202aとは、射出機構18(後述する第1ノズル部44)から導かれた溶融樹脂を第1キャビティ204aに導くための流路である。
【0033】
射出機構18は、溶融樹脂を所定圧力で射出する射出部38(図1参照)と、固定盤12を貫通するように配設されて前記射出部38から射出された溶融樹脂が導かれる導入部40と、固定金型16の内部に設けられた状態で前記導入部40に連結されたマニホールド部42と、前記マニホールド部42に連結された第1ノズル部44と第2ノズル部46とを有する。
【0034】
マニホールド部42は、導入部40から導かれた溶融樹脂を第1ノズル部44と第2ノズル部46に分配する。
【0035】
第1ノズル部44は、マニホールド部42から導かれた溶融樹脂を第1キャビティ204aに供給するためのものであり、固定金型16の厚み方向に沿って延びたノズル本体50と、前記ノズル本体50の外周面に周回装着されたノズルヒータ(加熱手段)52と、ノズル本体50の先端面に設けられたヘッド部54とを含む。
【0036】
ノズルヒータ52は、ノズル本体50を加熱することにより、該ノズル本体50を流通する溶融樹脂の温度を略一定に維持するためのものである。ヘッド部54の先端面は、固定金型16の他方の面に露出している。また、ヘッド部54の内部に形成されている樹脂流路は、型閉じ状態で、第1ランナ200aに連通する。
【0037】
第2ノズル部46は、マニホールド部42から導かれた溶融樹脂を後述する第2キャビティ204bに供給するためのものであり、固定金型16の厚み方向に沿って延びた長尺なノズル本体58と、前記ノズル本体58の外周面に周回装着された複数(例えば、2つ)のノズルヒータ60と、前記ノズル本体58の先端に設けられたヘッド部62とを含む。ノズル本体58の先端側は、固定金型16の他方の面から突出している。
【0038】
中間金型20は、図示しない引張リンクによって可動金型24に接続されている。これにより、型開きを行う際に、可動盤26を固定金型16が位置する側とは反対側に移動させるだけで中間金型20を固定金型16と可動金型24の両方から離間させることができる。
【0039】
中間金型20には、その厚み方向に沿って延びた貫通孔72が形成されている。貫通孔72は、中間金型20の一方の面(中間金型20における固定金型16に対向する面)に開口する大径孔74と、前記大径孔74に連通して中間金型20の他方の面(中間金型20における可動金型24に対向する面)に開口する小径孔76とを含む。
【0040】
大径孔74は、型閉じ状態で、第2ノズル部46の先端側が挿入可能に形成されている(図1及び図4参照)。
【0041】
中間金型20の他方の面は、型閉じ状態において、可動金型24の一方の面との間で、溶融樹脂流路としての第2ランナ200bと第2ゲート202bと、樹脂製品の成形空間としての第2キャビティ204bとを形成する(図1及び図4参照)。
【0042】
第2ランナ200bと第2ゲート202bとは、射出機構18(第2ノズル部46)から導かれた溶融樹脂を第2キャビティ204bに導くための流路である。
【0043】
シール機構22は、第2ノズル部46から導出された溶融樹脂が貫通孔72を構成する壁面と該第2ノズル部46との間の隙間に漏出することを防止するためのものである。シール機構22は、貫通孔72内に配設されたシール部材78と、前記シール部材78を固定金型16が位置する側に押圧(付勢)する複数(例えば、4つ)の皿ばね(押圧手段)80とを有する。
【0044】
シール部材78は、中間金型20の厚み方向に沿って延びたシール部材本体82と、シール部材本体82の一端部から外方に張り出した鍔部83とを含む。シール部材本体82には、その一端面に形成された略半球状の凹部84と、前記凹部84を構成する壁面と該シール部材78の他端面とに開口するテーパ孔86とが形成されている。
【0045】
凹部84は、第2ノズル部46のヘッド部62と液密に接触可能となっている。テーパ孔86は、シール部材78の他端面に向かうに従って拡径している。なお、テーパ孔86は、いわゆるコールドスプルとして機能する。言い換えれば、本実施形態ではシール部材78はスプルブッシュとしても利用される。
【0046】
シール部材本体82と小径孔76を構成する壁面との間には、型開き状態(第2ノズル部46のノズル本体58がノズルヒータ60により加熱される前の状態)において、所定のクリアランスCLが形成されている。
【0047】
このクリアランスCLは、第2ノズル部46等から熱を受けてシール部材78が熱膨張した際に、該シール部材78が小径孔76を構成する壁面に接触する(摺動可能となる)程度の寸法に設定されている。
【0048】
これにより、熱膨張したシール部材78が小径孔76を構成する壁面にかじり付くことを好適に抑えることができると共に、貫通孔72を構成する壁面と第2ノズル部46との間の隙間に溶融樹脂が漏出することを防止することができる。なお、図2では、理解を容易にするために、前記クリアランスCLの寸法を誇張して図示している。
【0049】
このようなシール部材78は、小径孔76を構成する壁面に対する摺動性が良好であり、且つ熱膨張係数の小さい材料で構成することが好ましい。前記クリアランスCLの設定が容易になるからである。なお、本実施形態において、シール部材78は、ステンレス鋼で構成されている。
【0050】
複数の皿ばね80は、大径孔74と小径孔76との境界部に形成された段差部75とシール部材78の鍔部83との間に介装されている。これにより、型開き状態において、シール部材本体82の他端面は、中間金型20と可動金型24とのパーティングライン(PL面)よりも固定金型16寄りに位置することになる。
【0051】
制御部28は、射出制御部88、加熱制御部90、及び可動盤駆動制御部94を有する。射出制御部88は、射出部38を駆動制御して所定圧力の溶融樹脂を第1ノズル部44と第2ノズル部46に所定量だけ射出する。
【0052】
加熱制御部90は、第1ノズル部44のノズルヒータ52を駆動制御してノズル本体50を加熱する。また、加熱制御部90は、第2ノズル部46の複数のノズルヒータ60を駆動制御してノズル本体58を加熱する。
【0053】
本実施形態に係る射出成形装置10Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、この射出成形装置10Aを用いた射出成形方法について説明する。なお、以下の説明では、型開き状態を初期状態とする。
【0054】
図3に示すように、先ず、型閉じ動作を開始する(ステップS1)。すなわち、可動盤駆動制御部94が可動盤26を駆動して中間金型20側に移動させる。そうすると、可動金型24が中間金型20に接触した後、可動金型24と中間金型20とが一体となって固定金型16が位置する側に移動する。そして、第2ノズル部46が中間金型20の貫通孔72に挿入され、シール部材78の凹部84が第2ノズル部46のヘッド部62に接触する(ステップS2)。
【0055】
次いで、中間金型20の固定金型16側への移動に伴って、シール部材78が可動金型24側に変位すると共に、その凹部84が複数の皿ばね80の作用によってヘッド部62に押し付けられる(ステップS3)。これにより、シール部材78の凹部84をヘッド部62に対して液密に接触させることができる。
【0056】
なお、このとき、皿ばね80を用いずに中間金型20の型閉じ動作だけでシール部材78の凹部84を第2ノズル部46のヘッド部62に押し付けることも可能であると考えられるが、この場合、金型の加工精度を向上させる必要があるので、射出成形装置10Aの製造コストが高騰化する懸念がある。
【0057】
また、通常、型閉じ状態において、中間金型20の固定金型16に対する押圧力(型閉じ力)は、シール部材78の凹部84と第2ノズル部46のヘッド部62との間に必要なシール力よりも大きいため、該凹部84が該ヘッド部62に過度に押し付けられるおそれもある。そうすると、例えば、ヘッド部62(シール部材78)が破損することもある。
【0058】
一方、本実施形態では、複数の皿ばね80の弾性力(ばね力)を利用しているので、シール部材78の凹部84をヘッド部62に適度な力で押し付けることができる。そのため、ヘッド部62(シール部材78)が破損することを好適に抑えることができる。また、金型の加工精度を向上させる必要もないので、射出成形装置10Aの製造コストの高騰化を抑えることができる。
【0059】
その後、ステップS4において、型閉じ動作が完了する。これにより、図4に示すように、固定金型16と中間金型20との間に第1ランナ200a、第1ゲート202a、及び第1キャビティ204aが形成されると共に、中間金型20と可動金型24との間に第2ランナ200b、第2ゲート202b、及び第2キャビティ204bが形成される。また、このとき、第1ノズル部44のヘッド部54の樹脂流路が第1ランナ200aに連通し、シール部材78のテーパ孔86が第2ランナ200bに連通する。
【0060】
そして、加熱制御部90は、第1ノズル部44のノズルヒータ52を駆動すると共に、第2ノズル部46のノズルヒータ60を駆動する(ステップS5)。これにより、第1ノズル部44のノズル本体50が所定温度まで昇温されると共に、第2ノズル部46のノズル本体58が所定温度まで昇温される。
【0061】
なお、このとき、シール部材78は、第2ノズル部46から受けた熱によって熱膨張する。そして、本実施形態では、シール部材本体82と小径孔76を構成する壁面との間に所定のクリアランスCLを予め形成しているので、その熱膨張したシール部材78は前記小径孔76を構成する壁面に接触する(摺動可能となる)。これにより、シール部材78が熱膨張した際に、該シール部材78が該小径孔76を構成する壁面にかじり付くことを好適に抑えることができる。
【0062】
続いて、射出制御部88は、射出部38を駆動して所定圧の溶融樹脂を該射出部38から所定量だけ射出する(ステップS6)。そうすると、射出部38から射出された溶融樹脂は、導入部40を介してマニホールド部42に導かれ、第1ノズル部44と第2ノズル部46に分配される。
【0063】
第1ノズル部44に導かれた溶融樹脂は、そのヘッド部54から導出され、第1ランナ200a及び第1ゲート202aを介して第1キャビティ204aに供給される。
【0064】
一方、第2ノズル部46に導かれた溶融樹脂は、そのヘッド部62から導出され、テーパ孔86、第2ランナ200b及び第2ゲート202bを介して第2キャビティ204bに供給される。
【0065】
これにより、第1キャビティ204aと第2キャビティ204bとに溶融樹脂が充填されるに至る(ステップS7、図1参照)。なお、このとき、上述したように、シール部材78は前記小径孔76を構成する壁面に接触しているので、シール部材78と貫通孔72を構成する壁面との間の隙間に溶融樹脂が漏出することはない。
【0066】
そして、充填された溶融樹脂が十分に固化した後、型開き動作を行う(ステップS8)。すなわち、可動盤駆動制御部94が可動盤26を駆動して可動金型24を固定金型16が位置する側とは反対側に移動させる。これにより、可動金型24が中間金型20から離間し、次いで、図示しない引張リンクで可動金型24に接続されている中間金型20が該可動金型24に引張られることにより固定金型16から離間する。
【0067】
その後、樹脂製品を取り出す(ステップS9)。この段階で、本実施形態に係る射出成形が終了する。
【0068】
本実施形態によれば、中間金型20に貫通孔72を形成している。そのため、第1キャビティ204aに溶融樹脂を供給する第1ノズル部44と、第2キャビティ204bに溶融樹脂を供給する第2ノズル部46とを固定金型16に設けることができる。
【0069】
すなわち、本実施形態では、中間金型20にマニホールド機能を有した溶融樹脂流路を形成する必要がないので、該中間金型20を小型化(薄型化)及び軽量化することができる。これにより、射出成形装置10Aの小型化を図ることができる。
【0070】
また、中間金型20の小径孔76を構成する壁面に摺動可能なシール部材78を複数の皿ばね80の弾性力により第2ノズル部46のヘッド部62に押し付けているので、該ヘッド部62から導出された溶融樹脂が第2ノズル部46と貫通孔72を構成する壁面との間の隙間Vに漏出することを防止することができる。よって、第1キャビティ204aと第2キャビティ204bとに溶融樹脂を確実に供給することができる。
【0071】
本実施形態によれば、皿ばね80を用いてシール部材78を押圧しているので、押圧手段の構成をコンパクトにすることができる。
【0072】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る射出成形装置10Bについて図5及び図6を参照しながら説明する。なお、第2実施形態に係る射出成形装置10Bにおいて、第1実施形態に係る射出成形装置10Aと同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0073】
本実施形態に係る射出成形装置10Bは、第2ノズル部46に代えて第2ノズル部100を備えている。第2ノズル部100は、固定金型16の厚み方向に沿って延びた長尺なノズル本体102と、前記ノズル本体102の外周面に周回装着された3つのノズルヒータ104とを有する。
【0074】
ノズル本体102は、図2に示すノズル本体58よりも長尺であり、その先端側に位置する湾曲部106と、前記湾曲部106に連なり該ノズル本体102の先端部を構成する縮径部108とを有する。
【0075】
第2ノズル部100は、型閉じ状態において、縮径部108の先端面(第2ノズル部100のうち溶融樹脂が導出する導出口109)が中間金型20と可動金型24とのPL面に位置する(図6参照)。言い換えれば、第2ノズル部100は、型閉じ状態において、導出口109が小径孔76の可動金型24が位置する側の開口部内に位置する。
【0076】
また、本実施形態に係る射出成形装置10Bは、シール機構22に代えてシール機構110を備えている。シール機構110は、シール部材112と、皿ばね80とを有する。なお、本実施形態では、押圧手段として皿ばね80を1つだけ設けた例を示しているが、複数の該皿ばね80を設けてもよいことは勿論である。
【0077】
シール部材112は、略円筒状に形成されたシール部材本体114と、シール部材本体114の一端部から外方に張り出した鍔部116とを含む。シール部材本体114には、その一端面に開口する大径な孔118と、前記孔118に連通して前記シール部材本体114の他端面に開口する小径な孔120とが形成されている。
【0078】
また、孔118と孔120との境界部には、第2ノズル部100の湾曲部106に接触可能な面122が形成されている。
【0079】
シール部材本体114と小径孔76を構成する壁面との間には、型開き状態において、所定のクリアランスが形成されている。該クリアランスは、図2に示すクリアランスCLと同様に設定される。
【0080】
皿ばね80は、大径孔74と小径孔76との境界部に形成された段差部75とシール部材112の鍔部116との間に介装されている。これにより、型開き状態において、シール部材本体114の他端面は、中間金型20と可動金型24のPL面よりも固定金型16寄りに位置することになる。
【0081】
以上のように構成された射出成形装置10Bでは、型閉じ動作を開始すると、第2ノズル部100が中間金型20の貫通孔72に挿入され、該第2ノズル部100の湾曲部106が面122に接触する。
【0082】
次いで、中間金型20の固定金型16への移動に伴って、シール部材112が可動金型24側に変位すると共に、シール部材112の面122が皿ばね80の作用によって湾曲部106に押し付けられる。これにより、シール部材112の面122を湾曲部106に対して液密に接触させることができる(図6参照)。
【0083】
このとき、第2ノズル部100の導出口109は、中間金型20と可動金型24とのPL面に位置している。すなわち、シール部材112には、コールドスプルが形成されていないので、第2ノズル部100から第2ランナ200bに溶融樹脂を供給する際に、該シール部材112が該溶融樹脂から直接的に熱を受ける部分を大幅に縮小することができる。
【0084】
よって、シール部材112にコールドスプルを形成する場合と比較して、シール部材112の熱膨張量を小さくすることができるので、該シール部材112が小径孔76を構成する壁面にかじり付くことを一層好適に抑えることができる。
【0085】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る射出成形装置10Cについて図7及び図8を参照しながら説明する。なお、第3実施形態に係る射出成形装置10Cにおいて、第2実施形態に係る射出成形装置10Bと同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0086】
本実施形態に係る射出成形装置10Cは、中間金型20と可動金型24に代えて、中間金型130と可動金型132を備えている。中間金型130には、その一方の面に開口する大径孔134と、前記大径孔134に連通する中径孔136と、前記中径孔136に連通して該中間金型130の他方の面に開口する小径孔138とを含む貫通孔140が形成されている。
【0087】
貫通孔140には、シール部材112が配設されており、大径孔134と中径孔136との境界部に形成された段差部142には、該シール部材112の固定金型16側の変位を制限するストッパ部144が固定されている。
【0088】
このようにストッパ部144を設けることで、シール部材112が第2ノズル部100に対して過度に押し付けられることを抑えることができる。よって、第2ノズル部100が破損することもない。なお、図7から諒解されるように、シール部材112は、貫通孔140から可動金型132側に若干突出している。
【0089】
シール部材本体114と小径孔138を構成する壁面との間には、型開き状態において、所定のクリアランスが形成されている。該クリアランスは、図2に示すクリアランスCLと同様に設定される。
【0090】
また、射出成形装置10Cは、シール機構110に代えてシール機構148を備えている。シール機構148は、上述したシール部材112と、配置孔146と、受け部材150と、複数(例えば、4つ)の皿ばね80とを有している。
【0091】
配置孔146は、可動金型132をその厚み方向に貫通している。また、配置孔146における可動金型132の一方の面の開口部は、シール部材112に対向している。配置孔146における可動金型132の他方の面の開口部には、可動盤26の突出部26aが嵌入されている。
【0092】
受け部材150は、略円筒状に形成されており、配置孔146を構成する壁面に摺動可能な状態で該配置孔146に配設されている。なお、受け部材150は、シール部材112と接触可能となっている。また、受け部材150には、その一端面に形成された配設溝154と、該配設溝154の底面と該受け部材150の他端面とに開口する挿通孔156とが形成されている。
【0093】
配設溝154には、可動金型132における第2ランナ200bの一部を構成する壁部が配設され、挿通孔156には、支柱160が挿通される。支柱160は、第2ランナ200bを構成する前記壁部と可動盤26の突出部26aとの間に介設されている。
【0094】
図7から諒解されるように、受け部材150は、型開き状態において、配置孔146から中間金型130側に突出している。複数の皿ばね80は、可動盤26の突出部26aと受け部材150との間に介設されている。
【0095】
以上のように構成された射出成形装置10Cでは、型閉じ動作を開始すると、先ず、可動金型132が中間金型130に接触すると共に受け部材150がシール部材112に接触する。このとき、シール部材112は、受け部材150に押されて貫通孔140内を固定金型16側に移動する。
【0096】
次いで、可動盤26をさらに移動させると、可動金型132と中間金型130とが一体となって固定金型16側に移動し、シール部材112の面122が第2ノズル部100の湾曲部106に接触する。
【0097】
そうすると、受け部材150が配置孔146内を可動盤26側に変位すると共に、皿ばね80の作用によって押圧された受け部材150がシール部材112を固定金型16側に押圧する。
【0098】
これにより、シール部材112の面122が第2ノズル部100の湾曲部106に押し付けられるので、該面122を湾曲部106に対して液密に接触させることができる。
【0099】
本実施形態によれば、皿ばね80を可動金型132の配置孔146に配設しているので、該皿ばね80を中間金型130に設けた場合と比較して該中間金型130を一層小型化及び軽量化することができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、受け部材150は、第2ノズル部100に対して直接的に接触することはないので、第2ノズル部100から受ける熱量も少なくて済む。これにより、受け部材150が熱膨張して配置孔146を構成する壁面にかじり付くことを抑えることができる。
【0101】
本実施形態において、受け部材150は、配置孔146を構成する壁面との間に適度な隙間が形成されるように該配置孔146に配設されていてもよい。こうすることで、受け部材150が熱膨張して配置孔146を構成する壁面にかじり付くことを一層抑えることができる。
【0102】
本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。
【0103】
例えば、本発明において、シール部材78、112は、第2ノズル部46、100に設けられていてもよい。また、押圧手段は、皿ばね80に限定されない。すなわち、押圧手段として、皿ばね80とは異なる弾性部材やシリンダ機構等を利用してもよい。
【符号の説明】
【0104】
10A〜10C…射出成形装置 16…固定金型(第1金型)
20、130…中間金型 24、132…可動金型(第2金型)
44…第1ノズル部 46、100…第2ノズル部
58、102…ノズル部本体
60、104…ノズルヒータ(加熱手段)
72、140…貫通孔 78、112…シール部材
80…皿ばね(押圧手段) 86…テーパ孔(スプル)
109…導出口 144…ストッパ部
146…配置孔(部) 150…受け部材
204a…第1キャビティ 204b…第2キャビティ
CL…クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接離間可能な状態で対向配置された第1金型と第2金型と、
前記第1金型と前記第2金型との間に配設された中間金型と、を備え、
型閉じ状態で、前記第1金型と前記中間金型との間に形成される第1キャビティと、前記第2金型と前記中間金型との間に形成される第2キャビティとに溶融材料を充填可能な射出成形装置において、
前記中間金型には、前記第1金型に対向する面と前記第2金型に対向する面とのそれぞれに開口する貫通孔が形成されており、
前記第1金型に設けられて前記第1キャビティに前記溶融材料を供給するための第1ノズル部と、
前記貫通孔に挿入可能な状態で前記第1金型に設けられ、且つ前記溶融材料を前記第2キャビティに供給するための第2ノズル部と、
前記貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材と、
前記シール部材を前記第1金型が位置する側に押圧して前記第2ノズル部に押し付ける押圧手段と、
を備えることを特徴とする射出成形装置。
【請求項2】
請求項1記載の射出成形装置において、
前記第2ノズル部は、前記溶融材料が流通するノズル本体と、
前記ノズル本体を加熱する加熱手段と、を有し、
前記貫通孔を構成する前記壁面と前記シール部材との間には、前記加熱手段により前記ノズル本体が加熱される前の状態で所定のクリアランスが形成されていることを特徴とする射出成形装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の射出成形装置において、
前記第2金型には、前記シール部材に対向する部位に孔部が形成されており、
前記押圧手段の押圧方向に沿って変位可能な状態で前記孔部に配設され、且つ前記シール部材に接触する受け部材をさらに備え、
前記押圧手段は、前記孔部に設けられた状態で前記受け部材を介して前記シール部材を押圧することを特徴とする射出成形装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形装置において、
前記シール部材には、前記第2ノズル部から導出された前記溶融材料を前記第2キャビティに導くためのスプルが形成されていることを特徴とする射出成形装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形装置において、
前記第2ノズル部のうち前記溶融材料が導出する導出口は、型閉じ状態で前記貫通孔における前記第2金型が位置する側の開口部内に位置することを特徴とする射出成形装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の射出成形装置において、
前記中間金型には、前記第1金型が位置する側への前記シール部材の移動を制限するストッパ部が設けられていることを特徴とする射出成形装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の射出成形装置において、
前記押圧手段は、皿ばねであることを特徴とする射出成形装置。
【請求項8】
近接離間可能な状態で対向配置された第1金型と第2金型と、
前記第1金型と前記第2金型との間に配設され、且つ前記第1金型に対向する面と前記第2金型に対向する面とを貫通する貫通孔が形成された中間金型と、
前記第1金型に設けられた第1ノズル部と第2ノズル部と、を備えた射出成形装置を用いた射出成形方法であって、
前記第1金型と前記第2金型とを近接させることにより、前記貫通孔に前記第2ノズル部を挿入させ、前記第1金型と前記中間金型との間に第1キャビティを形成すると共に、前記第2金型と前記中間金型との間に第2キャビティを形成する型閉じ工程と、
前記第1ノズル部にて前記第1キャビティに溶融材料を供給する第1供給工程と、
前記第2ノズル部にて前記第2キャビティに前記溶融材料を供給する第2供給工程と、
を行い、
前記型閉じ工程では、前記貫通孔を構成する壁面に摺動可能なシール部材を押圧手段にて前記第1金型が位置する側に押圧することにより、前記第2ノズル部に押し付けることを特徴とする射出成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−95002(P2013−95002A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238273(P2011−238273)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】