説明

射精補助具

【課題】 使用者が継続して使用しても飽きが生ずることなく、長期間に亘って継続して使用することができる新規な射精補助具を提供することを目的とする。
【解決手段】 人形又はその一部の局部位置に形成された収容凹部内に収容され又は独立して使用される収納容器5と、この収納容器5に形成された所定の収納空間8内に収納され、内側には男性性器の亀頭又は陰茎部と接触する性器接触部又は性器接触面が形成された性器接触部材11,21と、を備え、上記性器接触部材11,21は、使用時における男性性器の外径や挿入角度等の使用条件により、全部又は一部が上記収納空間8内を移動するよう複数配置されてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男性性器が挿入されるとともに、射精を誘発する射精補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
男性は、女性との性交渉により射精を行う場合が多い。しかし、拘置所の受刑者であったり、感染症その他の疾病が原因で、女性との性交渉が不能であったりする場合、或いは、体外受精などを行う場合等、女性との性交渉における場合以外においても、射精が必要な場合が多い。そこで、従来ではこうした女性との性交渉以外においても射精を誘発し補助する射精補助具が提案され、販売されている。こうした射精補助具としては、例えば、可撓性材質の容器本体と、この容器本体内に充填固着された軟らかい弾性に富んだ材質の充填部材と、この充填部材の略中央部軸方向に前記容器本体の底部に向けて設けられた狭挿部と弛挿部から成る陰茎挿入部と、この陰茎挿入部に塗布させる潤滑剤とにより構成要素とされたものが開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平7−44649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の射精補助具は、男性性器に接触する充填部材(性器接触部材)が、有底筒状に一体成形された状態で容器本体内に充填固着されたものであって、男性性器が接触する充填部材(性器接触部材)の位置関係は常時一定(固定)であることから、使用者が購入した後に飽きが生じ、長期間使用することができず、再度別の射精補助具を新たに購入する必要が生ずるという問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した従来の技術による射精補助具が有する課題を解決するために提案されたものであって、使用者が継続して使用しても飽きが生ずることなく、長期間に亘って継続して使用することができる新規な射精補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)に係る射精補助具は、人形又はその一部の局部位置に形成された収容凹部内に収容され又は独立して使用される収納容器と、この収納容器に形成された所定の収納空間内に収納され、内側には男性性器の亀頭又は陰茎部と接触する性器接触部又は性器接触面が形成された性器接触部材と、を備え、上記性器接触部材は、使用時における男性性器の外径や挿入角度等の使用条件により、全部又は一部が上記収納空間内を移動するよう複数配置されてなることを特徴とするものである。
【0006】
この第1の発明では、男性性器の大きさ状態又は挿入角度などの使用条件により、男性性器のピストン運動に追随して、該収納容器の長さ方向に、複数の性器接触部材のうちの全部が移動する場合もあれば、前方に配置された性器接触部材のみが移動する場合もある。したがって、この発明によれば、男性性器の大きさ状態又は挿入角度などにより、使用の度において一定とはならず常に異なった状態で男性性器に接触することとなるから、使用者が継続して使用しても飽きが生ずることなく長期間に亘って使用することができる。
【0007】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係る射精補助具は、上記第1の発明において、前記収納容器内には、前記性器接触部材の移動範囲を規制する規制部材が配置され、この規制部材は、前記収納容器の長さ方向に移動調節可能とされてなることを特徴とするものである。
【0008】
この第2の発明では、規制部材を移動させることにより、男性性器のピストン動作のストローク長に対応して、収納容器内における性器接触部材の移動量が調整できることから、使用者が継続して使用しても飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となるとともに、より射精を誘発することができる。
【0009】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る射精補助具は、上記第1又は2の発明の何れかにおいて、前記収納容器内には、中空状に成形されてなる単一又は複数のスペーサが収納され、前記各性器接触部材及びスペーサは、前記収納容器内から着脱可能とされてなるとともに、該性器接触部材とスペーサとの配置位置が変更可能とされてなることを特徴とするものである。
【0010】
この第3の発明では、前記収納容器内における性器接触部材とスペーサとの配置位置が変更可能とされてなることから、使用者の嗜好により該性器接触部材とスペーサとの配置位置を任意に変更することにより、さらに飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となる。また、各性器接触部材及びスペーサは、上記収納容器内から着脱可能とされてなることから、収納容器、性器接触部材、スペーサをそれぞれ容易に洗浄することができ、常に清潔な状態で使用することができる。
【0011】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)に係る射精補助具は、上記第3の発明において、前記収納容器の内側には、円柱状の収納空間が形成されてなるとともに、前記性器接触部材及びスペーサの外形形状は円形状に成形されてなり、該性器接触部材及びスペーサは、前記収納容器内において、使用時における男性性器の外径や挿入角度等の使用条件により、該性器接触部材及びスペーサの軸心を中心に回動可能とされてなることを特徴とするものである。
【0012】
この第4の発明では、性器接触部材及びスペーサは、この収納容器内において、該性器接触部材及びスペーサの軸心を中心に回動可能とされてなることから、より一層多様な使用状態を実現することができ、さらに飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となる。
【0013】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)に係る射精補助具は、上記第1,2,3又は4の発明の何れかにおいて、前記性器接触部材は、形状、原料、男性性器の亀頭又は陰茎部が挿入される空間の大きさの少なくとも何れか一つが相違した複数種類であることを特徴とするものである。
【0014】
この第5の発明では、前記収納容器内には、形状、原料、男性性器の亀頭又は陰茎部が挿入される空間の大きさの少なくとも何れか一つが相違した複数種類の性器接触部材が収納されてなることから、より一層多彩な使用態様が可能となり、さらに飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となる。特に、前記収納容器内から着脱可能とされてなるとともに、性器接触部材とスペーサとの配置位置が変更可能とされてなるものにあっては、さらに多彩な使用態様が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る射精補助具では、男性性器の大きさ状態又は挿入角度などの使用条件により、男性性器のピストン運動に追随して、該収納容器の長さ方向に、複数の性器接触部材のうちの全部が移動する場合もあれば、前方に配置された性器接触部材のみが移動する場合もある。したがって、この発明によれば、男性性器の大きさ状態又は挿入角度などにより、使用の度において一定とはならず常に異なった状態で男性性器に接触することとなるから、使用者が継続して使用しても飽きが生ずることなく長期間に亘って使用することができる。
【0016】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)に係る射精補助具では、規制部材を移動させることにより、男性性器のピストン動作のストローク長に対応して、収納容器内における性器接触部材の移動量が調整できることから、使用者が継続して使用しても飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となるとともに、より射精を誘発することができる。
【0017】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)に係る射精補助具では、前記収納容器内における性器接触部材とスペーサとの配置位置が変更可能とされてなることから、使用者の嗜好により該性器接触部材とスペーサとの配置位置を任意に変更することにより、さらに飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となる。また、各性器接触部材及びスペーサは、上記収納容器内から着脱可能とされてなることから、収納容器、性器接触部材、スペーサをそれぞれ容易に洗浄することができ、常に清潔な状態で使用することができる。
【0018】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)に係る射精補助具では、性器接触部材及びスペーサは、この収納容器内において、該性器接触部材及びスペーサの軸心を中心に回動可能とされてなることから、より一層多様な使用状態を実現することができ、さらに飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となる。
【0019】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)に係る射精補助具では、前記収納容器内には、形状、原料、男性性器の亀頭又は陰茎部が挿入される空間の大きさの少なくとも何れか一つが相違した複数種類の性器接触部材が収納されてなることから、より一層多彩な使用態様が可能となり、さらに飽きることなく長期間に亘って使用することが可能となる。特に、前記収納容器内から着脱可能とされてなるとともに、性器接触部材とスペーサとの配置位置が変更可能とされてなるものにあっては、さらに多彩な使用態様が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための射精補助具に係る最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
この実施の形態に係る射精補助具1は、図1又は図2に示すように、外側収納容器4と、この外側収納容器4の内側に収納されてなる内側収納容器5と、この内側収納容器5に形成された収納空間8内に収納され図示しない男性性器の亀頭又は陰茎部と接触する4個の柔軟接触部材11及び1個の弾性接触部材21と、前記収納空間8内に収納され中空状に成形された4個のスペーサ29と、最も前方側(図2に示す射精補助具1の左方側)に配置されてなり前記柔軟接触部材11、弾性接触部材21又はスペーサ29の移動範囲を調節する規制部材6と、この規制部材6内に装着され男性性器の亀頭の先端が当接する当接部材32とを備えている。
【0022】
この射精補助具1は、上記外側収納容器4が、図示しない女性の人形又はその人形の腰周辺を模った模造品であって女性の局部位置に収容され、若しくは、該射精補助具1単体で使用されるものである。そして、この射精補助具1を構成する上記外側収納容器4は、樹脂により一体成形されてなるものであって、図1又は図2に示すように、一端には開口(符号は省略する。)が形成され、他端は有底とされた円筒状に一体成形されてなるものである。また、この外側収納容器4は、図4(a)に示すように、筒部4aと底部4bとを有し、上記開口が形成された筒部4aの一端側外周には、外側に膨出したリング状鍔部(フランジ部)4dが形成されている。したがって、この外側収納容器4の一端面(正面)4cは、該外側収納容器4の中途部における正断面面積よりも若干広い面積を有している。また、この外側収納容器4の一端面(正面)4cの内側であって、それぞれ対向する部位には、後述する内側収納容器5に形成された突設片5d,5dが上記リング状鍔部(フランジ部)4dの内側に挿通される切欠き4g,4gが形成され、さらに、該外側収納容器4の内周には、上記切欠き4g,4gと連通してなるとともに上記突設片5d,5dが掛止される掛止溝4f,4f(図示は1箇所)が形成されている。これらの掛止溝4f,4fは、上記切欠き4g,4gの形成位置から該外側収納容器4の一端面(正面)4c側から見て時計回り方向に長さを有するものである。すなわち、上記各切欠き4g,4gは、後述する突設片5d,5dを上記各掛止溝4f,4fに導き又は各掛止溝4f,4f内の突設片5d,5dをこの外側収納容器4内から外側に導くものである。
【0023】
また、上記内側収納容器5は、図2に示すように、上記外側収納容器4内に収納されてなるものであり、図1又は図4(b)に示すように、樹脂により筒部5aを有した円筒状に一体成形されている。そして、この内側収納容器5の図示しない男性性器が挿入される一端には、該内側収納容器5の筒部5aの外側に膨出してなるとともに、内側に一体的に膨出してなるフランジ部5bがリング状に形成されている。なお、上記フランジ部5bの外径は、上記外側収納容器4に形成されたリング状鍔部(フランジ部)4dの外径と等しいものとされている。そして、この内側収納容器5の一端側中途部の外側には、上記各切欠き4g,4gに挿通される突設片5d,5dがそれぞれ突設されている。したがって、図1に示す状態において、この内側収納容器5は、該内側収納容器5を上記外側収納容器4内に収納し装着する場合においては、この内側収納容器5の他端側を上記外側収納容器4の一端面(正面)4c側から内部に挿入するとともに、上記各突設片5d,5dを各切欠き4g,4gに挿通し、その後にこの内側収納容器5を時計回り方向に回転操作させる(又は、上記外側収納容器4を反時計回り方向に回転操作させる)ことにより、各突設片5d,5dは、上記各掛止溝4f、4f内に挿入される。すなわち、この内側収納容器5は、こうした操作により上記外側収納容器4内に装着された状態においては、外側収納容器4から抜ける方向に力が作用しても抜け出てしまうことがない。
【0024】
また、この内側収納容器5の他端側(前端面5g側)の内周には、後述する規制部材6と螺合可能な雌ねじ5fが形成されている。そして、この雌ねじ5fには、上記規制部材6が螺合されている。この規制部材6は、樹脂により一体成形されてなるものであり、図1又は図4(c)に示すように、円筒状に成形された第1の筒部6bと、手指でこの規制部材6を回動操作するための摘みとして機能する第2の筒部6cと、これら第1の筒部6bと第2の筒部6cとの間に形成されてなり、外側に膨出してなる円環状凸部6eとを備えている。上記円環状凸部6eは、この規制部材6の他端側(前端面6h側)中途部に形成されており、該円環状凸部6eの外径は、前記外側収納容器4の内径よりも僅かに小さい寸法となされているとともに上記内側収納容器5の内径よりも大きい寸法となされている。さらに、この規制部材6の外周であって、上記円環状凸部6eの形成位置よりも一端側(後端面6g側)には、上記内側収納容器5に形成された雌ねじ5fと螺合される雄ねじ6fが形成されている。また、この規制部材6の内周には、後述する基板31又は案内筒36と螺合可能な雌ねじ6iが、前端面6h側から反対側の後端面6g近傍の間に螺刻されている。
【0025】
したがって、この規制部材6は、上記内側収納容器5の前端面5g側から上記第1の筒部6bを挿入するとともに、雄ねじ6fを該内側収納容器5の内周に形成された雌ねじ5fに螺合するよう回転操作し螺進させることにより、図2に示すように、上記円環状凸部6eの正面が内側収納容器5の前端面5gに当接する。なお、このように規制部材6が上記内側収納容器5に装着された際に、該規制部材6の後端面6gから前記フランジ部5bの小径側背面までの間に形成された空間が、後に詳細に説明する柔軟接触部材11,弾性接触部材21及びスペーサ29が任意に収納される収納空間8である。したがって、こうした収納空間8は、後述するように、上記内側収納容器5に形成された雌ねじ5fとこの規制部材6に形成された雄ねじ6fとの螺合状態を調節することにより、僅かに調節することができ、柔軟接触部材11,弾性接触部材21及びスペーサ29の移動量を変更することができる。
【0026】
そこで、以下、柔軟接触部材11,弾性接触部材21及びスペーサ29について詳細に説明する。これら柔軟接触部材11と弾性接触部材21は、この実施の形態においては、図2に示すように、内径及び幅の等しい4個の柔軟接触部材11と1個の弾性接触部材21と幅の等しい4個のスペーサ29とが、上記内側収納容器5内にそれぞれ着脱可能に且つそれぞれの配置位置が変更可能に収納されている。そして、上記各柔軟接触部材11は、図5(b),(c)に示すように、樹脂により円環状に一体成形された装着リング12と、この装着リング12の内周面12aに固定された弾性変形可能な柔軟部材13とからなり、該柔軟部材13の内側には、男性性器が挿入される内径の挿入空間17が形成されている。上記装着リング12の外径は、上記規制部材6の第1の筒部6bの外径(雄ねじ6fの部分を除く)とほぼ同じ寸法となされている。したがって、上記各柔軟接触部材11は、上記規制部材6を内側収納容器5から取り外すことによって該内側収納容器5内から取り外すことができるとともに、該内側収納容器5内において回動自在でかつ軸方向に移動自在とされている。
【0027】
また、各柔軟部材13は、図5(a)に示すように、可撓性を有する軟質樹脂により長方形状に成形された板状の基材14と、この基材14の側面に溶着され軟質で薄膜のフィルムにより袋状に成形された袋体15と、この袋体15内に封入されたゲル状のゲル状材16とからなる直方体にそれぞれ成形されている。この直方体に成形された各柔軟部材13は、図5(b)又は(c)に示すように、各基材14の外周面14aを外側にして円弧状にそれぞれ湾曲され、湾曲された外周面14aが上記装着リング12の内周面12aにそれぞれ接着されている。そして、各柔軟接触部材11を構成する柔軟部材13は、直方体に成形された形状から、袋体15を内周側にして円弧状にそれぞれ湾曲されてなることから、各袋体15の表面には多数の皺(符号は省略する)が形成され、これら多数の皺により、男性性器の亀頭又は陰茎部と接触する性器接触部(符号は省略する)に多数の柔軟な凹凸部(符号は省略する)が形成されている。なお、基材14の素材は軟質のポリウレタンであり、上記袋体15の素材は薄膜フィルム状の熱可塑性ポリウレタンである。また、上記ゲル状材16はポリウレタンを素材としてゲル化したのである。上記袋体15の図示厚みについては、明瞭化のために過大表示したものであって、本実施の形態においては、0.01mmないし0.03mmの薄膜フィルムである。
【0028】
また、上記弾性接触部材21は、図6(a),(b)に示すように、樹脂により内側収納容器5の内周に挿入可能な外径の円環状に成形された装着リング22と、この装着リング22の内周面22aに基端部が固定された12個の弾性材23と、これらの弾性材23の先端にそれぞれ固定され男性性器の亀頭又は陰茎部に接触する樹脂製の接触子24とをそれぞれ備え、これら接触子24の先端内側に男性性器が挿入される内径の挿入空間25が形成されている。上記装着リング22は、外径が内側収納容器5内に着脱可能であるとともに、回動自在かつ軸方向に移動自在に成形されてなり、内周面22a内には、等分な12箇所に植設穴(凹部)22bが形成されている。また、各弾性材23は、金属線材により基端部を固定位置として弾性変形可能な螺旋状に形成され、装着リング22の植設穴(凹部)22b内に基端部が植設されるとともに、装着リング22の中心方向に向かってそれぞれ配置されている。また、各接触子24は、先端部が半球状の円柱状にそれぞれ形成され、基端部が弾性材23の先端に固定されている。そして、上記弾性接触部材21は、各接触子24が、装着リング22の内周に植設された各弾性材23の先端にそれぞれ固定されてなることから、該各接触子24の先端に男性性器の亀頭又は陰茎部が接触することにより、該各接触子24は、各弾性材23の弾性作用によりそれぞれ揺動される。なお、弾性材23は、螺旋形状に限定されるものではなく、例えば、直線状の弾性材あっても良い。
【0029】
また、上記スペーサ29は、上記柔軟接触部材11、弾性接触部材21とともに収納空間8内に収納されてなり、図2に示すように、内側収納容器5の内周にそれぞれ挿入可能な外径と、少なくとも男性性器を挿入可能な内径とをそれぞれ有し、内側収納容器5内に着脱可能であるとともに、回動自在かつ軸方向に移動自在に樹脂により円環状にそれぞれ成形されている。そして、前記収納空間8内には、最も前方側の弾性接触部材21と、4個の柔軟接触部材11と、これらの間に介挿された4個のスペーサ29とがそれぞれ挿入されている。これら弾性接触部材21、4個の柔軟接触部材11及び4個のスペーサ29の各幅は、前記規制部材6の円環状凸部6eが内側収納容器5の前端面5gに当接した状態において(図2参照)、該弾性接触部材21、4個の柔軟接触部材11及び4個のスペーサ29が、前記収納空間8内に最小の隙間Sを有して挿入可能な幅に形成されている。この収納空間8に形成される隙間Sの量は、前記規制部材6を回動させ該規制部材6の後端面6gの位置を軸方向に進退移動させることにより調節することができるので、後述する4個の柔軟接触部材11及び弾性接触部材21と4個のスペーサ29との軸方向(長手方向)への移動量を調節することができる。また、規制部材6の前進端位置(すなわち、隙間Sが最小となる位置)は、該規制部材6の鍔部6eが前記内側収納容器5の前端面5gに当接することにより規制される。なお、収納空間8の隙間Sは、図2の右寄りの1箇所に図示したが、必ずしも1箇所に形成されるものではなく、複数個所に分散して形成されることもある。
【0030】
したがって、上記4個の柔軟接触部材11及び弾性接触部材21と4個のスペーサ29とは、上記収納空間8内において軸方向に移動自在であることから、該4個の柔軟接触部材11及び弾性接触部材21と4個のスペーサ29の内側に挿入された男性性器のピストン運動に追随して、内側収納容器5の長さ方向に移動可能である。その移動の態様は様々であって、例えば、該収納空間8内に収納された全ての柔軟接触部材11及び弾性接触部材21と全てのスペーサ29とが一体的に、又は単一又は複数の柔軟接触部材11及び/又は弾性接触部材21が、若しくは該単一又は複数の柔軟接触部材11及び/又は弾性接触部材21が単一又は複数のスペーサ29と一体的に移動される。また、上記4個の柔軟接触部材11,弾性接触部材21,4個のスペーサ29の移動量は、上記収納空間8内に形成される隙間Sの量が調節可能であることから、その移動量(収納空間8内の隙間Sの量)を使用者の嗜好に応じて調節することができる。また、上記柔軟接触部材11、弾性接触部材21及びスペーサ29は、図2に示す配置に限定されるものではなく、後述するように、配置順序、使用個数等を使用者の嗜好に応じて適宜選択的に組み合わせを替えて使用することができるとともに、前記収納空間8内における移動量についても、柔軟接触部材11、弾性接触部材21、スペーサ29の組み合わせを替えるか、又は前記規制部材6の進退移動量により調節することができる。
【0031】
また、図6(c),(d)に示す弾性接触部材26は、上記弾性接触部材21の他の例を示すものであり、前記弾性接触部材21の12個の弾性材23と、該12個の弾性材23にそれぞれ固定された接触子24とが装着リング27の幅方向に2列(多重)に配置され、前記接触子24の先端内側に男性性器が挿入される内径の挿入空間28が形成されている。この弾性接触部材26は、前記弾性接触部材21よりも男性性器に接触する部分が増加されたものであるが、構成は前記弾性接触部材21と同様であるため詳細な説明は省略する。また、装着リング27は、樹脂により円環状に成形され、外径が内側収納容器5の収納空間8内に着脱可能であるとともに、回動自在かつ軸方向に移動自在に成形されている。
【0032】
次に、前記内側収納容器5の前方側(図2に示す左方側)に配置された当接部材32は、内側収納容器5内に挿入された男性性器の亀頭の先端が当接する部材であって、前記規制部材6に螺合された基板31に配置されている。この基板31は、図7(a),(b)に示すように、円板状に成形された外周に規制部材6の雌ねじ6iと螺合可能な雄ねじ31aが螺刻され、前面31bには図示しない手指の先端が係合可能な4個の操作穴31cが形成されている。そして、これら操作穴31cの反対側の後面31eには、当接部材32が接着されてなり、操作穴31cに手指の先端を係合して回動させることにより、前記当接部材32は、該基板31と一体的に前記規制部材6内の軸方向に進退移動される。また、当接部材32は、図7(b)に示すように、軟質で薄膜のフィルムにより袋状に成形された袋体33と、この袋体33に封入されたゲル状のゲル状材34とからなり、袋体33の形状は、内側収納容器5内に挿入された男性性器の亀頭と対向すべく突出した半球体に成形されてなり、その平坦面(符号は省略する)が基板31の後面31eに接着されている。なお、当接部材32を軸方向に進退移動させる手段は、上記規制部材6と基板31との螺合によるものに限定されるものではなく、例えば、上記規制部材6にスライドガイド部を設け、上記基板31には、スライドガイド部に案内される被ガイド部を設けることにより該基板31を軸方向に移動可能としても良い。
【0033】
そして、前記基板31に接着されてなる当接部材32は、図2に示すように、前記基板31の操作穴31cに手指の先端を係合して回動させることにより軸方向(長手方向)に前進又は後退(螺進又は螺退)させて、使用者の所望する前記亀頭の当接位置に移動調節することができる。したがって、この基板31に接着された当接部材32は、予め調節された位置において、内側収納容器5内に挿入された男性性器の亀頭の先端が当接すると、その当接力により柔軟に変形するとともに、該当接部材32が半球体に成形されているので、亀頭の接触位置は該亀頭の先端部に限定されることなく先端近傍の側部にも接触される。なお、袋体33の素材は薄膜フィルム状の熱可塑性ポリウレタンが使用され、ゲル状材34はポリウレタンを素材としてゲル化したのである。また、図7(b)に示す袋体33の図示厚みについては、明瞭化のために過大表示したものであって、本実施の形態においては、0.01mmないし0.03mmの薄膜フィルムを使用した。
【0034】
次に、他の実施の形態に係る射精補助具10について説明する。
【0035】
この他の実施の形態に係る射精補助具10は、図3に示すように、外側収納容器4と、この外側収納容器4の内側に収納されてなる内側収納容器5と、この内側収納容器5に形成された収納空間8内に収納され図示しない男性性器の亀頭又は陰茎部と接触する4個の柔軟接触部材11及び1個の弾性接触部材26(又は弾性接触部材21)と、前記収納空間8内に収納され中空状に成形された4個のスペーサ29と、最も前方側(図3に示す射精補助具10の左方側)に配置されてなり前記柔軟接触部材11、弾性接触部材21(又は弾性接触部材21)又はスペーサ29の移動範囲を調節する規制部材6と、この規制部材6内に螺合された案内筒36と、この案内筒36内に配置されたコイルばね38及び基板41と、この基板41に取付けられるとともに前記内側収納容器5の男性性器の挿入方向前方に配置され男性性器の亀頭の先端が当接する当接部材32とにより構成されている。なお、この他の実施の形態に係る射精補助具10の構成要素のうち、外側収納容器4、内側収納容器5、4個の柔軟接触部材11、1個の弾性接触部材26(又は弾性接触部材21)、4個のスペーサ29及び規制部材6は、上述した実施の形態に係る射精補助具1の構成と同一であることから、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
そして、図3に示す前記規制部材6内に螺合された案内筒36は、樹脂により一体成形されてなるものであって、図8(a),(b)に示すように、有底円筒状に成形された筒部36dの外周に規制部材6の雌ねじ6iと螺合可能な雄ねじ36aが螺刻され、前面36b側には底部36eが形成されている。この底部36eの内側には、後述するコイルばね38のばね座となる円形凹状のばね挿入溝36fが形成されているとともに、外側には、図示しない手指の先端が係合可能な4個の操作穴36g,36g,36g,36gが形成されている。また、この案内筒36の後面36c側(開口側)には、内周から内側に膨出した内鍔部36iが形成されるとともに、該内鍔部36iの対向する2箇所には切欠き36j,36jが、後述する基板41を後端面36cに対して直角に挿通可能な該基板41よりも大きな幅と内径とを有して形成されている。この案内筒36内の後方側(図3に示す射精補助具10の右方側)には、前記基板41が配置されている。
【0037】
この基板41は、図8(d)に示すように、樹脂により一端開口の皿状に成形され、この開口側には、該基板41を後方側(図3に示す射精補助具10の右方側)へ付勢する後述のコイルばね38のばね座となるばね挿入穴41aが形成されている。この基板41の外径は、前記案内筒36内に挿入可能かつ軸方向に進退移動可能に形成されるとともに、幅は、前記案内筒36の切欠き36j,36j内に挿通可能に形成されてなり、後面41bに前記当接部材32が接着されている。なお、この当接部材32の構成は、上述した実施の形態に係る射精補助具1の基板31に接着されたものと同一の構成であることから、繰返し説明することは省略する。この基板41と前記案内筒36の底部36eとの間には、図3に示すように、コイルばね38が介挿されている。このコイルばね38は、案内筒36の内鍔部36iの内周よりも小径でなる円筒状に成形され、当接部材32が男性性器のピストン運動に追随して往復移動可能な弾性力を有して前記基板41を付勢すべく、前端(図示の左側)が案内筒36のばね挿入溝36fに着座されるとともに、後端(図示の右側)が基板41のばね挿入穴41aに着座されている。
【0038】
ところで、案内筒36内に前記コイルばね38及び基板41を装着する手順は、図3又は図8に示すように、案内筒36の後方側(後面36c側)からコイルばね38を挿入し、その前端をばね挿入溝36fに着座させる。その後、図8(d)に示す当接部材32が接着された基板41を、図8(a)に示す後端面36cに対して直角方向に対向させるとともに、該基板41の前面41cと後面41bとを図8(b)に示す2箇所の切欠き36j,36j内に摺接させて挿入する。さらに(以下、図示は省略する)、該基板41の外周によりコイルばね38を前方側へ押圧しつつ案内筒36内に該基板41を挿入し、該基板41の外周が切欠き36j,36jよりも内側に挿通された状態において、該基板41に接着された当接部材32が射精補助具10の入り口に対向すべく該基板41を約90度転回させる。そして、図3に示すように、コイルばね38の後端を該基板41の挿入穴41aに着座させることにより該基板41が内鍔部36i(図8(a)参照))に当接し、該基板41はコイルばね38により男性性器の挿入方向とは逆方向に付勢される。
【0039】
したがって、基板41に接着された当接部材32は、内側収納容器5内に挿入された男性性器の亀頭の先端が当接すると、その当接力により該当接部材32は柔軟に変形し、前記亀頭がさらに前進すると、該当接部材32は、コイルばね38の弾性力に抗して前記亀頭に接触した状態を維持しながら前進するとともに、前記亀頭が後退する場合にも、前記亀頭に接触した状態を維持しながら後退することができる。また、前記亀頭の先端が当接部材32に当接するまでの距離(図3に示す射精補助具10の入り口から当接部材32までの距離)は、案内筒36の操作穴36gに手指の先端を係合して回動させることにより該案内筒36を前進又は後退させて、使用者の所望する位置に調節することができる。なお、上記案内筒36は、筒部36dと底部36eとが一体成形されているものには限定されず、例えば、筒部36dと底部36eとを独立して成形するとともに、底部36eの外周と筒部36dの内周とを螺合させ、底部36eを軸方向に進退移動させることによりコイルばね38の弾性力(すなわち、前記亀頭の先端が当接部材32に当接する際の当接力)を調節することができる。
【0040】
次に、上述した実施の形態の射精補助具1及び他の実施の形態の射精補助具10以外の使用例について説明する。
【0041】
上述した実施の形態の図1,図2,図3に示す射精補助具1,10は本発明の一部の実施態様を示すものであって、本発明は、上述した各構成要素の組み合わせ、配置順序、使用個数等を使用者の嗜好に応じて適宜変更することにより多様な実施態様を選択的に構成して使用することができる。例えば、上記収納空間8内の構成については、複数個の柔軟接触部材11を異なる内径に形成するとともに、これらの組み合わせ順序を選択することができ、また、柔軟接触部材11,弾性接触部材21,26,スペーサ29等の使用個数や配置順序を変更することにより隣接する前記各構成要素同士の間隔及び/又は前記各構成要素の収納空間8内における移動量を選択することがで、さらには、弾性接触部材21及び/又は26の何れかを選択して収納空間8内における配置順序を変更することができるとともに、これらの組み合わせを変更することができる。
【0042】
また、この収納空間8の前方側に配置された規制部材6内の構成については、図2に示す基板31に接着された当接部材32、又は図3に示す基板41に接着された当接部材32の何れかを選択できるとともに、前記収納空間8内の各実施態様のうちの何れかとの組み合わせを選択することができる。以下、これらのうちから抽出した第3ないし第5の使用例について、図9,図10を参照して説明する。なお、第3ないし第5の使用例に係る各構成要素は、上述した実施の形態に係る射精補助具1,10の各構成要素と同一であることから、これらの構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明は省略するとともに、同一の構成要素に係る異なるサイズの表示はローマ字を逐次付記して区別をする。
【0043】
図9(a)は、第3の使用例に係る射精補助具20を示し、収納空間8内には、該収納空間8の入り口側から前方側へ順に内径の異なる4個の柔軟接触部材11A,11B,11C,11Cがそれぞれ配置され、その前方には弾性接触部材26が配置され、これらの間には等しい幅の4個のスペーサ29A,29A,29A,29Aがそれぞれ配置されるとともに、内側収納容器5内に螺合された規制部材6の回動による移動調節により隙間Saが形成されている。これらのうち、4個の柔軟接触部材11A,11B,11C,11Cの男性性器に接触する柔軟部材13A,13B,13C,13Cの各内径d,d,d,dは、収納空間8の入り口側から前方側へ順にd>d>d=dでなり、男性性器が挿入方向前方に進むに従い男性性器の亀頭又は陰茎部への接触力が増加されるようになっている。なお、収納空間8の隙間Saは、図中の1箇所に図示したが、必ずしも1箇所に形成されるものではなく、複数個所に分散して形成されることもある。また、この収納空間8内の最も前方側に配置された弾性接触部材26は、内周に埋設された12個の弾性材23にそれぞれ固定された接触子24が2列に配置され(図6(c),(d)参照)、男性性器に接触する部分が24箇所となられたものである。また、前記収納空間8の前方の規制部材6内には基板31が螺合され、該基板31の回動により、該基板31の後面側に接着された当接部材32が、前記亀頭と当接可能な当接位置に移動調節されている。
【0044】
次に、図9(b)は、第4の使用例に係る射精補助具30を示し、収納空間8内には、該収納空間8の入り口側から前方側へ順に内径の異なる3個の柔軟接触部材11A,11B,11Cがそれぞれ配置され、その前方には弾性接触部材21が配置され、柔軟接触部材11A,11Bの間には等しい幅の2個のスペーサ29A,29Aが、柔軟接触部材11B,11Cの間にはスペーサ29Aが、また、柔軟接触部材11Cと弾性接触部材21との間には前記スペーサ29Aよりも幅の広いスペーサ29Bがそれぞれ配置されるとともに、内側収納容器5内に螺合された規制部材6の回動による移動調節により隙間Sb及びScが形成されている。これらのうち、3個の柔軟接触部材11A,11B,11Cの男性性器に接触する柔軟部材13A,13B,13Cの各内径d〜dは、収納空間8の入り口側から前方側へ順にd>d>dでなり、男性性器が挿入方向前方に進むに従い男性性器の亀頭又は陰茎部への接触力が増加されるようになっている。
【0045】
なお、収納空間8の隙間Sbは、上記第3の使用例の隙間Saと略同一に設定するとともに、隙間Scは隙間Sbの約2倍に設定した例であって、図中の2箇所に図示したが、必ずしも2箇所に形成されるものではなく、1箇所又は多数個所に分散して形成されることもある。また、この収納空間8内の最も前方側に配置された弾性接触部材21は、内周に埋設された12個の弾性材23にそれぞれ固定された接触子24が1列に配置され(図6(a),(b)参照)、男性性器に接触する部分が12箇所となられたものである。また、前記収納空間8の前方の規制部材6内には案内筒36が螺合され、この案内筒36内には後方側から前方側へ順に、当接部材32が接着され進退移動可能な基板41と、該基板41を付勢するコイルばね38とがそれぞれ挿入されている。
【0046】
次に、図10は、第5の使用例に係る射精補助具40を示し、収納空間8内には、収納空間8の入り口側から前方側へ順に内径及び幅の等しい2個の柔軟接触部材11A,11Aと、弾性接触部材26と、内径及び幅の等しい2個の柔軟接触部材11B,11Bとがそれぞれ配置され、柔軟接触部材11A,11Aの間にはスペーサ29Aが、柔軟接触部材11Aの前方側と弾性接触部材26との間にはスペーサ29Aが、また、弾性接触部材26と柔軟接触部材11Bの後方側との間には前記スペーサ29Aよりも幅の広いスペーサ29Cがそれぞれ配置されるとともに、内側収納容器5内に螺合された規制部材6の回動による移動調節により隙間Sdが形成されている。これらのうち、4個の柔軟接触部材11A,11A,11B,11Bの男性性器に接触する柔軟部材13A,13A,13B,13Bの各内径d,d,d,dは、収納空間8の入り口側から前方側へ順にd=d>d=dでなり、男性性器が挿入方向前方に進むに従い男性性器の亀頭又は陰茎部への接触力が増加されるようになっている。
【0047】
なお、収納空間8の隙間Sdは、図中の1箇所に図示したが、必ずしも1箇所に形成されるものではなく、複数個所に分散して形成されることもある。また、この収納空間8内の略中央部に配置された弾性接触部材26は、内周に埋設された12個の弾性材23にそれぞれ固定された接触子24が2列に配置され(図6(c),(d)参照)、男性性器に接触する部分が24箇所となられたものである。また、前記収納空間8の前方の規制部材6内には案内筒36が螺合され、この案内筒36内には後方側から前方側へ順に、当接部材32が接着され進退移動可能な基板41と、該基板41を付勢するコイルばね38とがそれぞれ挿入されている。
【0048】
次に、上記構成でなる実施の形態の使用方法及びその作用効果について説明する。なお、以下の説明に際しては、図1及び図2に示す射精補助具1の構成を代表例とし、随時他の例を引用しながら説明する。
【0049】
この射精補助具1の図1に示す各構成要素を組付ける手順は、まず、図2に示すように、4個の柔軟接触部材11のそれぞれと、4個のスペーサ29のそれぞれとを交互に、内側収納容器5の前端面5g側から収納空間8の入り口側へ順に挿入する。次に、弾性接触部材21を挿入した後、規制部材6を内側収納容器5の前端面5g側から螺合させて挿入し、その第2の筒部6cの回動操作により収納空間8内の軸方向の隙間Sの量を調整する。次に、基板31を該基板31に接着された当接部材32を収納空間8の入り口側にして、規制部材6内にその第2の筒部6c側から螺合させて挿入し、該基板31をその操作穴31cの回動操作により軸方向(長手方向)に移動させて、前記当接部材32の挿入位置を使用者の所望する亀頭の当接位置に調節する。次に、上記4個の柔軟接触部材11,4個のスペーサ29,弾性接触部材21,規制部材6,基板31及び当接部材32がそれぞれ収納された内側収納容器5を外側収納容器4の入り口(鍔部4d側)から挿入するとともに、図2に示す掛止溝4fに突設片5dを掛合させることにより該内側収納容器5は、外側収納容器4から抜け出ることなく掛止され、使用者の男性性器が挿入される準備ができる。なお、前記隙間Sは、4個の柔軟接触部材11と4個のスペーサ29と1個の弾性接触部材21との移動量であって、使用者の嗜好に応じて調節する。また、この隙間Sは、前記規制部材6の回動操作により所望の隙間Sが得られない場合には、後述するように柔軟接触部材11、スペーサ29又は弾性接触部材21の個数を変更するか、又は幅の異なるものを選択すればよい。
【0050】
そして、図2に示す上記柔軟接触部材11,弾性接触部材21,スペーサ29のそれぞれは、内側収納容器5内に着脱可能に収納されているので、それぞれの配置位置を任意に変更することができるとともに、形状、原料、男性性器が挿入される挿入空間の大きさ等を様々に構成することができる。例えば、図3に示す射精補助具10のように、弾性接触部材21に替え弾性接触部材26に変更することや、図9(a)に示す射精補助具20のように、4個の柔軟接触部材11に替え内径の異なる4個の柔軟接触部材11A,11B,11C,11Cに変更することや、図9(b)に示す射精補助具30のように、4個の柔軟接触部材11に替え内径の異なる3個の柔軟接触部材11A,11B,11Cに変更するするとともに、幅の異なる4個のスペーサ29A,29A,29A,29Bに変更することや、図10に示す射精補助具40のように、内径の異なる4個の柔軟接触部材11A,11A,11B,11Bの間に弾性接触部材26を配置するとともに、幅の異なる3個のスペーサ29A,29A,29Cを配置することができる。
【0051】
すなわち、柔軟接触部材11,弾性接触部材21の内周(性器接触部又は性器接触面)が男性性器の亀頭又は陰茎部に接触することにより、該亀頭又は陰茎部が刺激され射精を誘発するばかりでなく、それぞれの配置位置を任意に変更することにより、男性性器が接触する各柔軟接触部材11の内径、弾性接触部材21の接触子24の構成、又は上記各構成要素の配置位置を様々に変更できることから、使用者は、この実施の形態に係る射精補助具を継続して使用しても飽きることなく、長期間に亘って継続して使用することができる。また、上記柔軟接触部材11,弾性接触部材21,スペーサ29は、規制部材6、基板31、当接部材32とともに内側収納容器5内から着脱可能でなることから、これらの各部材とともに内側収納容器5内をそれぞれ容易に洗浄することができ、常に清潔な状態で使用することができる。
【0052】
また、図2に示す収納空間8の軸方向の隙間Sは、規制部材6の進退移動により調節するか、又は柔軟接触部材11,弾性接触部材21,スペーサ29等の配置順序、使用個数等を使用者の嗜好に応じて適宜選択的に組み合わせを替えて調節することができるので、飽きることなく長期間に亘って使用することができるとともに、移動量の調節により男性性器のストロークに対応することができ、より射精を誘発することができる。なお、柔軟接触部材11,弾性接触部材21は、その移動可能な範囲である隙間Sが、男性性器のピストン動作のストローク範囲に亘るものでは射精を誘発することができず、また、微小な移動範囲である場合には、固定状態と同様であることから、隙間S(移動可能な範囲)は、使用者の嗜好により調節することが望ましい。
【0053】
さらにまた、上記柔軟接触部材11,弾性接触部材21,スペーサ29のそれぞれは、図2に示す内側収納容器5の収納空間8内において、軸方向に移動自在に収納されているので、男性性器の大きさ状態又は挿入角度などの使用条件により、男性性器のピストン運動に追随して、上記柔軟接触部材11,弾性接触部材21のうちの全部が移動する場合もあれば、一部のみが移動する場合もある。したがって、男性性器の大きさ状態又は挿入角度などにより、使用の度において一定とはならず常に異なった状態で男性性器に接触することとなるから、使用者が継続して使用しても飽きが生ずることなく長期間に亘って使用することができる。なお、柔軟接触部材11、弾性接触部材21の移動範囲は、男性性器のピストン運動のストローク長よりも短い長さにする必要がある。また、上記柔軟接触部材11,弾性接触部材21,スペーサ29のそれぞれは、内側収納容器5内に着脱可能かつ軸方向に移動自在に収納されているので、収納空間8内に収納された全ての柔軟接触部材11及び弾性接触部材21と全てのスペーサ29とが一体的に、又は単一又は複数の柔軟接触部材11及び/又は弾性接触部材21が、若しくは該単一又は複数の柔軟接触部材11及び/又は弾性接触部材21が単一又は複数のスペーサ29と一体的に、該柔軟接触部材11、弾性接触部材21及びスペーサ29の内側に挿入された男性性器のピストン運動に追随して、内側収納容器5の長さ方向に移動可能となり射精をより一層誘発することができる。
【0054】
さらにまた、図2に示す柔軟接触部材11の柔軟部材13の内側には、図5(b)に示すように、男性性器が挿入される挿入空間17が形成されてなることから、男性性器に損傷を与えることなく射精を誘発することができる。そして、上記男性性器に接触する性器接触部が形成されている柔軟部材13は、樹脂により枠状に成形された装着リング12の内周面に固定され、さらに、この装着リング12は、上記内側収納容器5内に収納されていることから、可能な限り柔軟性の高い材料を使用するとともに、保形性をも維持するというあい反する問題を解決し、より良好な使用状態とすることができる。また、使用者は使用中に上記柔軟部材13に触れる必要性はないとともに、組付け作業時においても組付けが容易に行うことができ、さらには組付け状態も保持することができ、極めて簡便に取り扱うことができる。また、図5(b),(c)に示す柔軟部材13は、図5(a)に示す上記板状の基材14と、この基材14の側面に溶着された上記袋体15と、この袋体15内に封入されたゲル状のゲル状材16とからなる直方体に成形した後、この直方体を図5(b),(c)に示すように、基材14を外側にして円弧状に湾曲して上記装着リング12の内周面12aにそれぞれ接着されている。したがって、袋体15の表面には多数の皺(符号は省略する)が形成され、柔軟部材13の挿入空間17に挿入された男性性器の亀頭又は陰茎部には、袋体15に形成された多数の皺を介して形成された凹凸部により、柔らかい刺激が付与され射精を誘発させることができる。また、ゲル状材16は、袋体15内に封入されていることから、該ゲル状材16の形状が保形され取扱いが簡便となる。
【0055】
さらにまた、男性性器の亀頭や陰茎部に接触する弾性接触部材21(図2参照)は、図6(a),(b)に示すように、装着リング22と、この装着リング22の内周面に基端が固定された弾性材23と、この弾性材23の先端に固定された接触子24とを備え、この接触子24が、男性性器の亀頭又は陰茎部に接触する。したがって、この弾性接触部材21は、各接触子24が各弾性材23の弾性作用によりそれぞれ揺動可能であることから、男性性器が性器接触面と接触しても該男性性器に損傷を与えることがないとともに、男性性器の位置や大きさ又は方向性により、常に同じ感触・状態となることは少ないため、使用者が継続して使用しても飽きることなく、長期間に亘って継続して使用することができる。また、この弾性接触部材21は、弾性材23が植設穴(凹部)22b内に植設され、該弾性材23の弾性作用が規制されないことから、弾性範囲が広いとともに、円滑に弾性運動がなされて亀頭又は陰茎部が刺激され射精を誘発することができる。
【0056】
また、12個の弾性材23の先端に固定された12個の接触子24の内側には、該接触子24の先端により男性性器が挿入される挿入空間25が形成されていることから、該挿入空間25内に男性性器が挿入されると、弾性接触部材21が内側収納容器5の手前側に配置されている場合には、先ず亀頭の先端又はその近傍が接触子24に接触するとともに、さらに男性性器が内部に挿入されると、該接触子24の先端が亀頭に摺接し、さらに内部に挿入されると、陰茎部の周面に接触・摺接する。また、この弾性接触部材21が、男性性器の挿入方向の前方に配置された場合には、陰茎部には接触・摺接することなく亀頭にのみ接触・摺接される。そして、こうした弾性接触部材21の配置位置に限らず、上記各接触子24は、上記弾性材23の弾性作用により任意の方向に弾性変形し、男性性器の位置や大きさ又は方向性により、常に同じ感触・状態となることは少なく様々な動きを実現することができる。したがって、使用者が継続して使用しても飽きが生ずることなく、長期間に亘って継続して使用することができる。また、複数(12個)の接触子24が配置されていることから、多数の接触部の刺激により、より一層射精を誘発する。また、上記弾性接触部材21の他の例に係る弾性接触部材26は、上記弾性接触部材21の12個の弾性材23と12個の接触子24とが、装着リング27の幅方向に2列(多重)に配置されたものであり、男性性器に接触する部分が増加されたものであることから、さらに一層射精を誘発することができる。なお、上記弾性材23は、少なくとも接触子24が男性性器に接触することにより弾性作用を備えた部材であれば、その材料や形状は勿論長さや数も限定されるものではない。
【0057】
さらにまた、男性性器の亀頭先端部が接触する当接部材32(図2参照)は、柔軟性を有する素材により成形されてなることから、予め調節された位置において、内側収納容器5内に挿入された男性性器の亀頭の先端部が当接すると、その当接力により柔軟に変形し、より射精を誘発するとともに、亀頭に損傷を与える危険性もない。また、当接部材32は半球体に成形されているので、亀頭の接触位置は該亀頭の先端部に限定されることなく先端近傍の側部にも接触され、多様な刺激を得ることができるのでさらに射精を誘発させることができる。また、ゲル状材34は、図7(b)に示す袋体33内に封入されていることから、該ゲル状材34の形状が保形され取扱いが簡便となるとともに、より弾力性に富み、射精を誘発することができる。また、男性性器の亀頭には、この基板31に接着された当接部材32ばかりではなく、上記収納空間8内に収納された柔軟接触部材11及び弾性接触部材21(又は弾性接触部材26)も接触するので、相乗効果によりさらに射精を誘発させることができる。また、当接部材32が接着される基板31は、図2に示すように規制部材6内に螺合され、該基板31の操作穴31cに手指の先端を係合して回動させることにより前進又は後退(螺進又は螺退)させて、使用者の所望する軸方向(長手方向)に移動調節することができる。したがって、使用者の男性性器の長さに対応して前記亀頭の先端が当接部材32に当接する際の位置及び当接力を調節することができるとともに、従来の射精補助具よりもさらに射精を誘発することができる。
【0058】
また、基板41は、該基板41のばね挿入穴41a(図8(d)参照)側に配置されたコイルばね38により、男性性器の挿入方向とは逆方向に付勢されているので、内側収納容器5内に挿入された男性性器の亀頭の先端が当接すると、その当接力により該当接部材32は柔軟に変形し、前記亀頭がさらに前進すると、該当接部材32は、コイルばね38の弾性力に抗して前記亀頭に接触した状態を維持しながら前進するとともに、前記亀頭が後退する場合にも、前記亀頭に接触した状態を維持しながら後退することができる。こうした動作をする場合には、前記亀頭が上記当接部材32に当接した際に使用者が受ける感触よりもやや強い感触を覚え、より射精を誘発することができる。さらに、こうした構成を採用することにより、急激に男性性器を挿入することにより亀頭が損傷される危険性も防止することができる。また、前記亀頭の先端が当接部材32に当接するまでの距離(図3に示す射精補助具10の入り口から当接部材32までの距離)は、案内筒36の操作穴36gに手指の先端を係合して回動させることにより該案内筒36を前進又は後退させて、使用者の所望する位置に調節することができる。
【0059】
なお、上記構成でなる射精補助具1,10,20,30又は40は、人形又はその一部の局部Yに収容され又は独立して使用されるものであるが、人形又はその一部の局部Yに収容して使用する場合には、図2,図3,図9又は図10に示すように、図示しない人形又はその一部の局部Yに形成された収容凹部Ya内に外側収納容器4を挿入し固定した状態で使用することができる。また、内側収納容器5の後方端(入り口側)に位置するフランジ部5b端面には、男性性器が挿入可能なスリットFaが形成されてなる女性の局所を模した蓋部材Fを貼付しても良い。また、上記各実施の形態に係る射精補助具の使用に際しては、男性性器が接触する部位に図示しない潤滑剤を塗布することにより、射精をより一層誘発することができる。また、コンドームを併用することにより、射精補助具内の洗浄を簡素化することができる。
【0060】
なお、外側収納容器4及び内側収納容器5は本発明の収納容器を構成し、柔軟接触部材11,11A,11B,11C及び弾性接触部材21,26は本発明の性器接触部材であり、装着リング12及び装着リング22,27は本発明の枠部材である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る射精補助具の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係る射精補助具の実施の形態を示す断面図である。
【図3】本発明に係る射精補助具の他の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る射精補助具の実施の形態の構成要素を示し、(a)は外側収納容器、(b)は内側収納容器、(c)は規制部材を示す断面図である。
【図5】本発明に係る射精補助具の実施の形態の柔軟接触部材を示し、(a)は柔軟接触部材を構成する柔軟部材の断面図、(b)は柔軟接触部材の正面図、(c)は柔軟接触部材の断面図である。
【図6】本発明に係る射精補助具の実施の形態の弾性接触部材を示し、(a)は1列の弾性接触部材の正面図、(b)は同じく断面図、(c)は2列の弾性接触部材の正面図、(d)は同じく断面図である。
【図7】本発明に係る射精補助具の実施の形態の基板及び当接部材を示し、(a)は正面図、(b)断面図である。
【図8】本発明に係る射精補助具の実施の形態の構成要素を示し、(a)は案内筒の断面図、(b)は同じく正面図、(c)はコイルばねの側面図、(d)は基板及び当接部材の断面図である。
【図9】本発明に係る射精補助具の他の実施の形態を示し、(a)は第3の使用例、(b)は第4の使用例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る射精補助具の他の実施の形態を示し、第5の使用例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1,10,20,30,40 射精補助具
4 外側収納容器
5 内側収納容器
6 規制部材
8 収納空間
11 柔軟接触部材
12,22,27 装着リング
13 柔軟部材
14 基材
15 袋体
16,34 ゲル状材
17 挿入空間
21,26 弾性接触部材
23 弾性材
24 接触子
25,28 挿入空間
29 スペーサ
31,41 基板
32 当接部材
33 袋体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人形又はその一部の局部位置に形成された収容凹部内に収容され又は独立して使用される収納容器と、
この収納容器に形成された所定の収納空間内に収納され、内側には男性性器の亀頭又は陰茎部と接触する性器接触部又は性器接触面が形成された性器接触部材と、を備え、
上記性器接触部材は、使用時における男性性器の外径や挿入角度等の使用条件により、全部又は一部が上記収納空間内を移動するよう複数配置されてなることを特徴とする射精補助具。
【請求項2】
前記収納容器内には、前記性器接触部材の移動範囲を規制する規制部材が配置され、この規制部材は、前記収納容器の長さ方向に移動調節可能とされてなることを特徴とする請求項1記載の何れかの射精補助具。
【請求項3】
前記収納容器内には、中空状に成形されてなる単一又は複数のスペーサが収納され、
前記各性器接触部材及びスペーサは、前記収納容器内から着脱可能とされてなるとともに、該性器接触部材とスペーサとの配置位置が変更可能とされてなることを特徴とする請求項1又は2記載の何れかの射精補助具。
【請求項4】
前記収納容器の内側には、円柱状の収納空間が形成されてなるとともに、前記性器接触部材及びスペーサの外形形状は円形状に成形されてなり、該性器接触部材及びスペーサは、前記収納容器内において、使用時における男性性器の外径や挿入角度等の使用条件により、該性器接触部材及びスペーサの軸心を中心に回動可能とされてなることを特徴とする請求項3記載の射精補助具。
【請求項5】
前記性器接触部材は、形状、原料、男性性器の亀頭又は陰茎部が挿入される空間の大きさの少なくとも何れか一つが相違した複数種類であることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の何れかの射精補助具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−119478(P2010−119478A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294089(P2008−294089)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(508342851)有限会社東成社 (5)
【Fターム(参考)】