説明

導体パターン形成基材

【課題】従来よりも表面抵抗が低く、導電性が高い導体パターンが生産性高く基材に形成された導体パターン形成基材を提供する。
【解決手段】導体パターン形成基材に関する。基材4の表面にセルロースアセテートアルキレートで受容層5が形成されている。前記受容層5の表面に導電性ペースト3が所定パターン形状に印刷されて導体パターン6が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の回路パターンや、太陽電池、タッチパネル、有機EL等の電極パターンや、テレビ、GPS等のアンテナパターンや、電磁波シールド材の電磁波シールドパターン等の導体パターンが基材に形成された導体パターン形成基材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラズマディスプレイパネル(PDP)等に用いられる電磁波シールド材において、電磁波シールドパターン等の導体パターンを形成するにあたっては、グラビア印刷等の凹版印刷等が使用されている(例えば、特許文献1−8参照)。その一例として、特許文献1に記載の電磁波遮蔽膜付き透明基材は、透明基材の上面全体に下地層を形成し、この下地層の上にグラビア印刷法により触媒インク層を所定のパターンに形成した後、触媒インク層の上にメッキ法により触媒インク層と同一パターン形状の金属層を形成することによって製造されている。
【0003】
ここで、下地層は、酸化物微粒子及び有機高分子等を含む塗料を用いて形成されるが、酸化物微粒子が含まれているので多孔質構造を形成するものと考えられる。他方、触媒インク層は、貴金属微粒子が担持された酸化物微粒子、有機高分子、有機溶剤等を含む触媒インクを用いて形成される。そして、グラビア印刷法により下地層の上に触媒インク層を形成する場合には、図13に示すように、まず版胴21のパターン溝22に充填された触媒インク23中の有機溶剤が多孔質状の下地層24中に吸収され、これにより触媒インク23の粘度が高くなり、適度に硬くなった触媒インク23が多孔質状の下地層24に食い込んでアンカー効果により触媒インク23と下地層24との密着力が向上し、触媒インク23が版胴21のパターン溝22から引き抜かれるものと考えられる。なお、図13において、12は余分な触媒インク23を削ぎ落とすためのドクター、25は透明基材、矢印は有機溶剤が流れる向きを示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−281290号公報
【特許文献2】特開2008−211010号公報
【特許文献3】特開2008−300724号公報
【特許文献4】特開2009−004617号公報
【特許文献5】特開2009−076827号公報
【特許文献6】特開平11−170420号公報
【特許文献7】特開2009−177108号公報
【特許文献8】特開2008−283008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の導体パターンの形成方法にあっては、触媒インク23と下地層24との接触時間が長すぎると、触媒インク23中の有機溶剤が下地層24中に吸収されすぎて触媒インク23が過度に硬くなり、版胴21のパターン溝22から触媒インク23の全部を引き抜くことが難しくなる。そうすると、パターン溝22の浅い部分の触媒インク23のみが下地層24に転写されて導体パターン6が形成されることになるが、このような導体パターン6は、パターン溝22に充填されている触媒インク23の全部が転写されて形成された導体パターン6に比べて、表面抵抗が高く、導電性が低いという問題がある。
【0006】
また、従来の導体パターンの形成方法にあっては、触媒インク層のみでは十分な導電性が得られないので、触媒インク層の上にさらに金属層を形成する必要があるので、生産性が低くなるという問題もある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、従来よりも表面抵抗が低く、導電性が高い導体パターンが生産性高く基材に形成された導体パターン形成基材を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る導体パターン形成基材は、基材の表面にセルロースアセテートアルキレートで受容層が形成され、前記受容層の表面に導電性ペーストが所定パターン形状に印刷されて導体パターンが形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
前記導体パターン形成基材において、前記導体パターンの導体厚さが0.5μm以上であることが好ましい。
【0010】
前記導体パターン形成基材において、前記導体パターンの導体厚さの10%以上が前記受容層にめり込んでいることが好ましい。
【0011】
前記導体パターン形成基材において、前記セルロースアセテートアルキレートとして、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートから選ばれる1種以上のものが用いられていることが好ましい。
【0012】
前記導体パターン形成基材において、前記所定パターン形状に印刷された導電性ペーストが水蒸気により加熱処理されて導体パターンが形成されていることが好ましい。
【0013】
前記導体パターン形成基材において、前記所定パターン形状に印刷された導電性ペーストが加圧されて導体パターンが形成されていることが好ましい。
【0014】
前記導体パターン形成基材において、前記導電性ペーストが所定パターン形状に印刷された後、これが加熱された状態でロールによりプレスされて導体パターンが形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る導体パターン形成基材によれば、受容層であるセルロースアセテートアルキレートが導電性ペースト中の溶媒で膨潤してタック性(粘着性)を発現するものであり、このタック性によって受容層が例えば印刷用凹版の凹部から導電性ペーストを引き抜くことによって、従来よりも導体厚さを厚くすることができ、表面抵抗が低く、導電性が高い導体パターンを生産性高く形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】グラビア印刷機の一例を示す概略断面図である。
【図2】グラビア印刷機の他の一例を示す概略断面図である。
【図3】グラビア印刷機の他の一例を示す概略断面図である。
【図4】導体パターンの形成方法の一例を示すものであり、(a)〜(c)は一部を拡大した概略断面図である。
【図5】導体パターンの形成方法の他の一例を示す概略断面図である。
【図6】導体パターンの形成方法の他の一例を示す概略断面図である。
【図7】導体パターンの形成方法の他の一例を示す概略断面図である。
【図8】導体パターンの形成方法の他の一例を示す概略断面図である。
【図9】導体パターン形成基材の一部を拡大して示す平面図である。
【図10】印刷用凹版の一例を示すものであり、(a)は表面、(b)は凹部断面の電子顕微鏡写真である。
【図11】(a)は実施例1の導体パターンの断面、(b)は実施例4−2の導体パターンの断面、(c)は実施例18の導体パターンの断面をそれぞれデジタルマイクロスコープ(株式会社ハイロックスジャパン製「KH−7700」)で撮影した写真である。
【図12】印刷用凹版の凹部形成面と基材の受容層形成面との接触時間と、形成される導体パターンの導体厚さとの関係を示すグラフである。
【図13】従来の導体パターンの形成方法の一例を示すものであり、(a)〜(c)は一部を拡大した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
本発明において基材4としては、絶縁性のあるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)のほか、ポリメタクリル酸メチルに代表されるアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、JSR株式会社製の商品名「アートン」に代表されるノルボルネン系樹脂、東ソー株式会社製の品番「TI−160」に代表されるオレフィンマレイミド樹脂等にて形成される有機樹脂基体や、ガラスにて形成されるガラス基体、特開平08−148829号公報に記載されているエポキシ樹脂基材等のような、シート状あるいは板状のもの等を用いることができる。また基材4としては、短尺のものを用いてもよいが、後述の図7や図8のように導電性ペースト3が印刷された基材4はロール30により連続してプレスすることができるので、長尺のものを用いるのが好ましい。また、基材4の厚さは、1μm〜20mmであることが好ましく、10μm〜1mmであることがより好ましく、25μm〜200μmであることが最も好ましい。
【0019】
そして、上記のような基材4の表面にセルロースアセテートアルキレートで受容層5(アンダーコート層)を形成する。セルロースアセテートアルキレートで形成された受容層5は、後述する導電性ペースト3中の溶媒を吸収して膨潤し、これによりタック性(粘着性)を発現することができるものであるが、特にセルロースアセテートアルキレートとしては、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートから選ばれる1種以上のものを用いるのが好ましい。このようなセルロースアセテートアルキレートを用いる場合には、その他のセルロースアセテートアルキレートを用いる場合に比べて、受容層5に容易に強力なタック性を発現させることができるものである。またセルロースアセテートアルキレートの数平均分子量は1000〜200000であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましい。セルロースアセテートアルキレートの数平均分子量が1000未満であると、タック性が弱くなって、アスペクト比(導体厚さ/導体幅)の高い導体パターンを形成することができないおそれがある。逆にセルロースアセテートアルキレートの数平均分子量が200000を超えると、溶解度が低下するため、タック性を発現しにくくなるおそれがある。そして、基材4の表面に受容層5を形成するにあたっては、まずセルロースアセテートアルキレートをメチルイソブチルケトン(MIBK)等の溶媒に溶解して受容層形成用溶液を調製する。このときセルロースアセテートアルキレートの含有量は、数平均分子量の大小にもよるが、受容層形成用溶液全量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。次にマイクログラビアコーター等を用いて受容層形成用溶液を基材4の表面に塗布した後、これを60〜200℃で1秒間〜30分間加熱乾燥して溶媒を除去すると共に高分子量化させることによって、基材4の表面に受容層5を形成することができる。このとき受容層5の厚さは0.01〜50μmであることが好ましい。受容層5の厚さが0.01μm未満であると、後述する印刷用凹版1の凹部2から導電性ペースト3を引き抜くための十分なタック性が得られないおそれがある。また厚さが50μmを超える受容層5は、塗布による形成が困難であると共に、表面の平滑性が低下するおそれがある。
【0020】
なお、前述した特許文献1等に記載されているような従来の導体パターンの形成方法では、下地層に酸化物微粒子が含まれているため、触媒インクと下地層との接触面積が減少することにより、タック性が発現しにくくなるものと考えられる。よって、本発明ではタック性の発現に影響を及ぼさない範囲内であれば、受容層5に酸化物微粒子が含まれていてもよい。具体的には、酸化物微粒子の含有量は10質量%未満であることが好ましく、3質量%未満であることがより好ましいが、極力、酸化物微粒子は含まれていないことが最も好ましい。
【0021】
また導電性ペースト3としては、金属粉、アンチモン−錫酸化物やインジウム−錫酸化物等の金属酸化物粉末、金属ナノワイヤ、グラファイト、カーボンブラック、熱可塑性樹脂、添加剤、溶媒等を配合して調製されたものを用いることができる。金属粉としては、銀粉、銅粉、ニッケル粉、アルミニウム粉、鉄粉、マグネシウム粉及びこれらの合金粉もしくはこれらの粉末に異種金属を1層以上コーティングしたものから選ばれるものを用いることができ、また金属ナノワイヤとしては、金、銀、銅、白金等のナノワイヤを用いることができる。これらの配合量は導電性ペースト3全量に対して0〜99質量%であることが好ましく、使い易さと導電性の観点から、50〜99質量%であることがより好ましい。またカーボンブラック、グラファイトの配合量は0〜99質量%であることが好ましく、使い易さと黒色度合いの観点から、0.01〜20質量%であることがより好ましい。なお、少なくとも金属粉、金属ナノワイヤ、カーボンブラック、グラファイトのいずれかを用いる。また熱可塑性樹脂としては、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などや、−COC−骨格、−COO−骨格などを含むこれらの樹脂の誘導体、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体等を用いることができ、この配合量は0.1〜20質量%であることが好ましい。また添加剤としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製「BYK333(シリコンオイル)」等の消泡剤・レベリング剤を用いることができ、この配合量は0〜10質量%であることが好ましい。また溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、キシレン、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−(2−メトキシ−2−メチルエトキシ)−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−フェノキシエタノール及び水等をそれぞれ単独で用いたり、任意の割合で混合した混合溶媒として用いたりすることができるものであり、この配合量は0.1〜50質量%であることが好ましい。
【0022】
また印刷用凹版1としては、表面に凹部2が所定パターン形状に形成された銅板等を用いることができる。ここで、凹部2の深さは0.5μm以上(上限は1mm)であり、凹部2の幅は1mm以下(下限は0.5μm)であることが好ましい。これにより、導体厚さが0.5μm以上(上限は1mm)であり、導体幅が1mm以下(下限は0.5μm)である微細な導体パターン6を容易に形成することができるものであり、このような導体パターン6は、従来よりもアスペクト比(導体厚さ/導体幅)が高くなるため、より狭い導体幅(細線)となり、表面抵抗が低く、導電性が高いものである。特にこのような導体パターン6は、後述する加圧(プレス)、水蒸気加熱、水蒸気加熱加圧の各処理で、表面抵抗がさらに低くなり、導電性がさらに高くなるものである。また所定パターン形状としては、特に限定されるものではないが、例えば、プリント配線板の回路パターンや、太陽電池、タッチパネル、有機EL等の電極パターンや、テレビ、GPS等のアンテナパターン等を形成する場合には、任意のパターン形状を挙げることができるが、プラズマディスプレイ等に利用される電磁波シールド材を製造する場合には、図9のような格子状又は網目状(メッシュ状)等の電磁波シールドパターンを挙げることができる。
【0023】
そして印刷は、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等を採用して行うことができるが、中でも生産性の高いグラビア印刷等の凹版印刷を採用して行うことが好ましい。すなわち、図1や図2はグラビア印刷機8の一例を示すものであり、これは円筒状の版胴9、圧胴10及び支持ロール11を設けて形成されており、印刷用凹版1は凹部形成面を外側にして版胴9の周囲に巻き付けてセットされる。そして、版胴9を回転させながらその外表面の凹部2に導電性ペースト3を供給して充填すると共に、余分な導電性ペースト3をドクター12で削ぎ落とす(図4(a)参照)。基材4は、受容層形成面が版胴9の外表面に接触するように、版胴9と逆向きに回転する圧胴10によって版胴9と圧胴10の間を通し、そのまま版胴9に約半周(図1参照)〜約3/4周(図2参照)巻き付けて、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4の受容層形成面とを0.5秒以上(上限は60秒)接触させることによって(図4(b)参照)、導電性ペースト3を基材4の受容層形成面に所定パターン形状に印刷するものである(図4(c)参照)。このように、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4の受容層形成面とを0.5秒以上接触させると、受容層5であるセルロースアセテートアルキレートが導電性ペースト3中の溶媒で十分に膨潤してタック性(粘着性)を発現するものであり、このタック性によって受容層5が印刷用凹版1の凹部2から導電性ペースト3を効率よく引き抜くことができるものである。このとき、より厚い導体厚さを得るという観点からは、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4の受容層形成面との接触時間は1秒以上であることが好ましく、2秒以上であることがより好ましい。そして引き抜かれた導電性ペースト3は、受容層5と共に乾燥され溶媒が除去されて、導体パターン6を形成することになるが、この導体パターン6の導体厚さは印刷用凹版1の凹部2の深さの50%以上(上限は100%)となるのが好ましい。よって、特にアスペクト比(深さ/幅)の高い凹部2が表面に形成された印刷用凹版1を用いるようにすれば、従来よりも導体厚さを厚くして、導体幅を狭くすることができ、これによりアスペクト比(導体厚さ/導体幅)が高まり、表面抵抗が低く、導電性が高い導体パターン6を生産性高く形成することができるものである。なお、図4において、矢印は溶媒が流れる向きを示す。
【0024】
しかし、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4の受容層形成面との接触時間が0.5秒未満であると、受容層5であるセルロースアセテートアルキレートが十分なタック性を発現することができないおそれがある。そのため、印刷用凹版1の凹部2から導電性ペースト3を引き抜くことができなかったり、仮に引き抜くことができても、形成された導体パターン6の導体厚さが印刷用凹版1の凹部2の深さの50%未満となってアスペクト比が低くなったりするおそれがあるものである。
【0025】
その後、導電性ペースト3が印刷された基材4は、その印刷面を外側にして、版胴9と逆向きに回転する支持ロール11の周囲に巻き付けられた後、導電性ペースト3及び受容層5中の溶媒を除去するために乾燥工程(図示省略)に搬送される。そして、乾燥工程が終了すると、導体パターン6が基材4に形成された導体パターン形成基材(例えば、プリント配線板や電磁波シールド材など)を得ることができるものである。なお、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4の受容層形成面との接触時間は、基材4の搬送速度を変更したり、図1や図2のように支持ロール11の位置を調節して基材4の版胴9への巻き付けの程度を変更したりして調整することができる。
【0026】
また、基材4の受容層5の表面に所定パターン形状に印刷された導電性ペースト3は、50〜150℃、0.1〜180分の条件で加熱して乾燥させ、これを図5のように加熱加圧装置13を用いて加圧することによって導体パターン6を形成するのが好ましい。加熱加圧装置13としては、近接・離間し、対向面が平坦に形成された一対の熱盤14,15を備えたものを用いることができる。上記のようにして形成された導体パターン6は、加圧で圧縮されることによって金属粉等の導電性微粒子間の接触面積が増加するので、従来の導体パターンに比べて、表面抵抗が低くなり、導電性が高くなるものである。ここで、加圧は50〜150℃、0.01〜200kgf/cm(0.98kPa〜19.6MPa)、0.1〜180分の条件で行うのが好ましく、80〜150℃、1〜50kgf/cm(98kPa〜4.9MPa)、0.1〜60分の条件で行うのがより好ましい。また、加熱加圧終了後に、圧力を保ったまま水冷等で急速冷却、例えば110℃から40℃まで30分で冷却することも導電性ペースト3の圧縮状態を保つ上で有効である。なお、加圧する場合には、図5のように導電性ペースト3が印刷された基材4と熱盤14,15との間に離型シート16を介在させるようにしてもよい。この離型シート16としては、ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムにシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布して剥離剤層を設けたもの、公知の偏光板等を用いることができる。
【0027】
また、基材4の受容層5の表面に所定パターン形状に印刷された導電性ペースト3は、50〜150℃、0.1〜180分の条件で加熱して乾燥させ、これを図6のように水蒸気加熱装置17を用いて水蒸気7により加熱処理することによって導体パターン6を形成するのも好ましい。ここで、水蒸気加熱装置17は、処理室18内に高温の水蒸気7を噴出する蒸気噴出部19を設けて形成されている。そして、導電性ペースト3を乾燥させた後の基材4を処理室18内に入れて、蒸気噴出部19から水蒸気7を噴出させることによって、水蒸気7による加熱処理(水蒸気加熱処理)を行うことができる。このようにして形成された導体パターン6は、水蒸気7により加熱処理されることによって、熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂成分が金属粉等の導電性微粒子間から流れ出して排除され、導電性微粒子間の接触面積が増加するので、従来の導体パターンに比べて、表面抵抗が低くなり、導電性が高くなるものである。ここで、水蒸気加熱処理は40〜200℃、湿度50〜100%、0.0001〜100時間の条件で行うのが好ましく、70〜150℃、湿度70〜99%、0.01〜100時間の条件で行うのがより好ましい。
【0028】
また、水蒸気加熱処理は、図6のように加圧しながら行うのが好ましい。この場合、水蒸気加熱加圧装置20を用いることができるものであり、この水蒸気加熱加圧装置20は、耐圧容器で形成された処理室18内に高温の水蒸気7を噴出する蒸気噴出部19及び処理室18内を加圧する加圧手段(図示省略)を設けて形成されている。そして、導電性ペースト3を乾燥させた後の基材4を処理室18内に入れて、蒸気噴出部19から水蒸気7を噴出させると共に加圧手段によって処理室18内を加圧することによって、水蒸気加熱処理を加圧しながら行うことができる。このようにして形成された導体パターン6は、水蒸気加熱処理によって得られる効果に加えて、加圧することによって、熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂成分が金属粉等の導電性微粒子間から流れ出して排除されるのが促進され、導体パターン6を短時間で効率よく形成することができると共に、導電性ペースト3中の金属粉等の導電性微粒子同士を凝集させ、表面抵抗をさらに低くすることができるものである。ここで、加圧を伴う水蒸気7による加熱処理(水蒸気加熱加圧処理)は30〜200℃、湿度50〜100%、0.01〜200kgf/cm(0.98kPa〜19.6MPa)、0.0001〜50時間の条件で行うのが好ましく、70〜150℃、湿度70〜99%、1〜50kgf/cm(98kPa〜4.9MPa)、0.01〜50時間の条件で行うのがより好ましい。
【0029】
また、図7(a)のように基材4の受容層5の表面に所定パターン形状に印刷された導電性ペースト3は、50〜150℃、0.1〜180分の条件で加熱して乾燥させ、これを熱風や遠赤外線(IR)等により120〜150℃の温度で加熱して基材4、受容層5及び導電性ペースト3を温めた状態で図7(b)のようにロールプレス装置31を用いてロール30によりプレスすることによって、図7(c)のような導体パターン6を形成するのも好ましい。このように、ロール30によるプレスの前に基材4、受容層5及び導電性ペースト3を加熱しておくことで、受容層5が柔らかくなって、ロール30によるプレス時に印刷された導電性ペースト3が広がらず、導体幅の狭い導体パターン6を得ることができ、低抵抗化を図ることができるものである。なお、乾燥のための加熱とその後の加熱は連続して行ってもよいし、乾燥のための加熱を行って放冷した後、再度加熱するようにしてもよい。ここで、ロールプレス装置31としては、例えば、回転可能な2本のロール30を平行に対向配置して形成されたものを用いることができる。各ロール30は、その寸法は特に限定されるものではないが、ゴムロールやスチールロール等で形成された加熱ロールであることが好ましい。そして、ロール30によるプレスは、導電性ペースト3が印刷された長尺の基材4を2本のロール30の間に通して連続して搬送することによって行うことができる。ロール30によるプレスする直前において、導電性ペースト3が印刷された基材4は、60〜400℃(より好ましくは70〜200℃)、0.5秒〜1時間(より好ましくは5秒〜30分間)の条件で加熱し温めておくのが好ましい。また、ロール30による加熱の温度は60〜400℃(より好ましくは70〜200℃)、加圧の圧力は0.1〜400kgf/cm(0.01〜39.2MPa)(より好ましくは0.5〜200kgf/cm(0.05〜19.6MPa))、基材4を2本のロール30の間に通す速度は0.5〜30m/分に設定するのが好ましい。ロール30による加熱の温度が60℃未満であると、導電性ペースト3が十分に硬化しないおそれがあり、逆に上記温度が400℃を超えると、基材4が熱的損傷を受けるおそれがある。またロール30による加圧の圧力が0.5kgf/cm(0.05MPa)未満であると、導体パターン6の表面抵抗を十分に低くすることができないおそれがあり、逆に上記圧力が400kgf/cm(39.2MPa)を超えると、導体パターン6の導体幅が広がりすぎて、絶縁を確保しなければならない場合に隣り合う導体パターン6同士が接触してしまうおそれがある。また、基材4を2本のロール30の間に通す速度が0.5m/分未満であると、導体パターン6を迅速に形成することができないおそれがあり、逆に上記速度が30m/分を超えると、加圧の時間が短くなりすぎて、導体パターン6の表面抵抗を十分に低くすることができないおそれがある。なお、2本のロール30のクリアランスは、上記圧力で加圧することができるように適宜調整すればよい。
【0030】
そして、上記のようにして形成された導体パターン6は、ロール30によるプレスで圧縮されることによって金属粉等の導電性微粒子間の接触面積が増加するので、従来の導体パターンに比べて、表面抵抗が低くなり、導電性が高くなるものである。しかもこの場合のプレスは、バッチ式のプレス装置(近接・離間する一対の加圧板を設けて形成されたもの)により断続的に行うのではなく、連続式のロールプレス装置31により間断なく行うようにしているので、導体パターン6を迅速に形成することができ、その結果、プリント配線板や電磁波シールド材等の製造速度を高めることができるものである。なお、ロール30によりプレスする場合には、導電性ペースト3が印刷された基材4とロール30との間に離型シート(図示省略)を介在させるようにしてもよい。この離型シートとしては、ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムにシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布して剥離剤層を設けたもの、公知の偏光板等を用いることができる。
【0031】
図8は本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、このものでは、図7に示すロールプレス装置の代わりに多段式ロールプレス装置32を用いてロール30によるプレスを複数回行うようにしている。ここで、多段式ロールプレス装置32としては、例えば、回転可能な第1ロール30a、第2ロール30b及び第3ロール30cからなる3本のロール30を用い、第1ロール30aと第2ロール30bとを平行に対向配置し、第2ロール30bと第3ロール30cとを平行に対向配置して形成されたものを用いることができる。各ロール30の寸法・材質は特に限定されるものではないが、各ロール30が加熱ロールであることが好ましい。そして、ロール30によるプレスは、まず導電性ペースト3が印刷された長尺の基材4を第1ロール30aに半周程度巻き付け、そのまま第1ロール30aと第2ロール30bの間に通し、引き続き第2ロール30bに半周程度巻き付け、そのまま第2ロール30bと第3ロール30cの間に通し、引き続き第3ロール30cに半周程度巻き付けて連続して搬送することによって行うことができる。また図8に示すものでは、基材4の第1ロール30aへの巻き付けは、導電性ペースト3が印刷された面と反対側の面が第1ロール30aの外周面に接触するように行っているので、基材4の第2ロール30bへの巻き付けは、導電性ペースト3が印刷された面が第2ロール30bの外周面に接触するように行われ、基材4の第3ロール30cへの巻き付けは、第1ロール30aへの巻き付けと同様に、導電性ペースト3が印刷された面と反対側の面が接触するように行われることになる。これにより温度を一定に保ちながらプレスすることができる。温度が一定に保たれないと、印刷後の導電性ペースト3をプレスしても潰れるだけで低抵抗化を図ることができない。各ロール30による加熱の温度は60〜400℃(好ましくは70〜200℃)、加圧の圧力は0.1〜400kgf/cm(0.01〜39.2MPa)(0.5〜200kgf/cm(0.05〜19.6MPa))、基材4を2本のロール30の間に通す速度は0.5〜30m/分に設定するのが好ましい。各ロール30による加熱の温度が60℃未満であると、導電性ペースト3が十分に硬化しないおそれがあり、逆に上記温度が400℃を超えると、基材4が熱的損傷を受けるおそれがある。また各ロール30による加圧の圧力が0.1kgf/cm(0.01MPa)未満であると、導体パターン6の表面抵抗を十分に低くすることができないおそれがあり、逆に上記圧力が400kgf/cm(39.2MPa)を超えると、導体パターン6の導体幅が広がりすぎて、絶縁を確保しなければならない場合に隣り合う導体パターン6同士が接触してしまうおそれがある。また、基材4を2本のロール30の間に通す速度が0.5m/分未満であると、導体パターン6を迅速に形成することができないおそれがあり、逆に上記速度が30m/分を超えると、加圧の時間が短くなりすぎて、導体パターン6の表面抵抗を十分に低くすることができないおそれがある。なお、2本のロール30のクリアランスは、上記圧力で加圧することができるように適宜調整すればよい。なお、多段式ロールプレス装置32において、ロール30の本数は3本に限定されるものではなく4本以上であってもよい。
【0032】
そして、上記の場合にはロール30によるプレスは、第1ロール30aと第2ロール30bの間で1回、第2ロール30bと第3ロール30cの間で1回、合計2回行っていることになる。このようにして形成された導体パターン6は、ロール30によるプレスで複数回圧縮されることによって金属粉等の導電性微粒子間の接触面積がさらに増加するので、ロール30によるプレスで1回圧縮されることによって形成された導体パターン6に比べて、さらに表面抵抗が低くなり、導電性が高くなるものである。しかもこの場合のプレスも、バッチ式のプレス装置(近接・離間する一対の加圧板を設けて形成されたもの)により断続的に行うのではなく、連続式の多段式ロールプレス装置32により間断なく行うようにしているので、導体パターン6を迅速に形成することができ、その結果、プリント配線板や電磁波シールド材等の製造速度を高めることができるものである。なお、この場合にも、導電性ペースト3が印刷された基材4とロール30との間に離型シート(図示省略)を介在させるようにしてもよい。この離型シートとしては、ポリエステルフィルム、ポリエステルフィルムにシリコーン樹脂等の剥離剤を塗布して剥離剤層を設けたもの、公知の偏光板等を用いることができる。
【0033】
また、上述のいずれの方法を使用して製造された導体パターン形成基材においても、導体パターン6の導体厚さの10%以上(上限は100%)が受容層5にめり込んでいることが好ましい。このように、導体パターン6が受容層5にめり込んでいることによって、導体パターン6の受容層5に対する密着性を高く得ることができるものである。また、導体パターン6を受容層5にめり込ませることによって、導体パターン形成基材の表面が平滑に近づき、導体パターン6と受容層5との段差が小さくなるので、導体パターン形成基材の表面に蒸着、スパッタ、塗工等により成膜する場合に容易に成膜層を形成することができる。同様の理由により、導体パターン形成基材の表面に感圧型粘着剤や熱溶着接着剤等を用いて他の基材4を貼り合わせる場合に、導体パターン形成基材と他の基材4との間に気泡が入る等の不具合が生じにくくなる。
【0034】
以上のように本発明では、従来の導体パターンの形成方法に比べて、歩留まりを高めることができるものである。また本発明では導体パターン6は印刷工程・プレス工程のみを経て形成されるので、従来の導体パターンの形成方法に比べて、工程数を減らして手間を省くことができるものである。しかもこのように少ない工程数で表面抵抗の低い導体パターン6を容易かつ迅速に形成することができるものである。
【0035】
なお、図示省略しているが、基材4の導体パターン6が形成された面をカバーシートで被覆するようにしてもよい。このカバーシートとしては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、非晶性PET(PET−G)、透明粘着剤層付きPET等で形成されたものを用いることができる。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0037】
(基材(No.1))
基材4として、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製の品番「A4300」)を用いた。
【0038】
またセルロースアセテートアルキレートとして、数平均分子量が70000であるセルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカルジャパン株式会社製の品番「CAB381−20」)を用い、これをメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解することによって、8質量%の受容層形成用溶液を調製した。
【0039】
次にマイクログラビアコーターを用いて、グラビア版#70、回転数115rpm、基材4の搬送速度1.5m/分の条件で受容層形成用溶液を基材4の表面に塗布した後、これを120℃、長さ12mの温風乾燥炉に通過させて加熱乾燥させることによって、受容層5が表面に形成された基材4(No.1)を得た。この基材4(No.1)の受容層5の厚さは、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープで断面計測したところ、4.3μmであった。
【0040】
(基材(No.2))
セルロースアセテートアルキレートとして、数平均分子量が16000であるセルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカルジャパン株式会社製の品番「CAB551−0.01」)を用い、これをメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解することによって、20質量%の受容層形成用溶液を調製するようにした以外は、基材4(No.1)の場合と同様にして、受容層5が表面に形成された基材4(No.2)を得た。この基材4(No.2)の受容層5の厚さは、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープで断面計測したところ、1.8μmであった。
【0041】
(基材(No.3))
セルロースアセテートアルキレートとして、数平均分子量が30000であるセルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカルジャパン株式会社製の品番「CAB551−0.2」)を用い、これをメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解することによって、18.5質量%の受容層形成用溶液を調製するようにした以外は、基材4(No.1)の場合と同様にして、受容層5が表面に形成された基材4(No.3)を得た。この基材4(No.3)の受容層5の厚さは、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープで断面計測したところ、2.2μmであった。
【0042】
(基材(No.4))
セルロースアセテートアルキレートとして、数平均分子量が15000であるセルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカルジャパン株式会社製の品番「CAP504−0.2」)を用い、これをメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解することによって、18.5質量%の受容層形成用溶液を調製するようにした以外は、基材4(No.1)の場合と同様にして、受容層が表面に形成された基材4(No.4)を得た。この基材4(No.4)の受容層5の厚さは、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープで断面計測したところ、3.8μmであった。
【0043】
(基材(No.5))
基材4として、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製の品番「A4300」)を用いた。
【0044】
また、特開2008−283008号公報の実施例1に記載された塗工液を調製した。なお、この塗工液にはセルロースアセテートアルキレートは含有されていない。
【0045】
次に上記の塗工液を基材4の表面に塗布した後、これを120℃で1.5分加熱乾燥させることによって、受容層5が表面に形成された基材4(No.5)を得た。この基材4(No.5)の受容層5の厚さは、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープで断面計測したところ、3.6μmであった。
【0046】
(導電性ペースト(No.1))
セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカルジャパン株式会社製の品番「CAB551−0.01」)を3質量%、カーボンブラック(三菱化学株式会社製の品番「#2350」)を1質量%、銀粉(DOWAハイテック株式会社製の品番「AG−SMDK−101」)を90質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)を5質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを1質量%配合して調製されたものを導電性ペースト3(No.1)として用いた。
【0047】
(導電性ペースト(No.2))
太陽インキ製造株式会社製の品番「AF5200E」を導電性ペースト3(No.2)として用いた。
【0048】
(導電性ペースト(No.3))
セルロースアセテートブチレート(イーストマンケミカルジャパン株式会社製の品番「CAB551−0.2」)を5質量%、カーボンブラック(三菱化学株式会社製の品番「#2350」)を3質量%、銀粉(DOWAハイテック株式会社製の品番「AG−SMDK−101」)を80質量%、メチルイソブチルケトン(MIBK)を10質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを2質量%配合して調製されたものを導電性ペースト3(No.3)として用いた。
【0049】
(印刷用凹版)
印刷用凹版1としては、図10に示すように表面に格子状の凹部2(幅L/ピッチP/深さD=23/250/13(μm))が形成された銅板を用いた。凹部2は、銅板にエッチング及び電解銅めっきを行うことによって形成した。そして、上記印刷用凹版1を凹部形成面が外側になるようにして図1〜図3に示すグラビア印刷機8の版胴9の周囲に巻き付けてセットした。なお、図3に示すグラビア印刷機8においては、支持ロール11が設けられておらず、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4の受容層形成面とを略線接触させるようにしたものである。
【0050】
(実施例1)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.1)の組合せで図1に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.1)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.1)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。この導体パターン6の断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ハイロックスジャパン製「KH−7700」)で撮影した写真を図11(a)に示す。
【0051】
(実施例2)
基材4(No.1)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、導体パターン6を形成した。
【0052】
(実施例3)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.1)の組合せで図2に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.1)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.1)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0053】
(実施例4)
基材4(No.1)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして、導体パターン6を形成した。
【0054】
(実施例4−2)
実施例4の導体パターン6を図5に示す加熱加圧装置13を用いて115℃、2.54kgf/cm(249kPa)、50分の条件で加熱加圧した。この導体パターン6の断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ハイロックスジャパン製「KH−7700」)で撮影した写真を図11(b)に示す。
【0055】
(実施例4−3)
実施例4の導体パターン6を図6に示す水蒸気加熱装置17を用いて85℃、湿度90%、12時間の条件で水蒸気7により水蒸気加熱処理した。
【0056】
(実施例4−4)
実施例4の導体パターン6を図6に示す水蒸気加熱加圧装置20を用いて115℃、湿度90%、2.54kgf/cm(249kPa)、50分の条件で加圧しながら水蒸気7により加熱処理した。
【0057】
(実施例5)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.1)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.1)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.1)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0058】
(実施例6)
基材4(No.1)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように変更した以外は、実施例5と同様にして、導体パターン6を形成した。
【0059】
(比較例1)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.5)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.5)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.5)の受容層形成面との接触時間を下記[表1]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.5)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0060】
実施例1〜6及び比較例1の導体パターン6の導体幅の平均値、ピッチの平均値、導体厚さの平均値、アスペクト比(導体厚さ/導体幅)、受容層5にめり込んでいる導体厚さの割合(%)、表面抵抗を下記[表1]に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
実施例1〜4−4の導体パターン6は、実施例5、6の導体パターン6に比べて、表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。また、実施例1と実施例2との対比や実施例3と実施例4との対比から、基材4(No.1)の搬送速度を速くしても、導体パターン6の表面抵抗はあまり高くならないため、生産性の向上が期待できることも確認された。なお、加圧処理を行った実施例4−2及び4−4では、導体パターン6が潰れ、さらに受容層5にめり込んだため、アスペクト比は小さくなったが、加圧処理によりさらに表面抵抗が小さくなり、導電性が高くなることが確認された。
【0063】
(実施例7)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.2)の組合せで図2に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.2)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.2)の受容層形成面との接触時間を下記[表2]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.2)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0064】
(実施例8)
基材4(No.2)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.2)の受容層形成面との接触時間を下記[表2]に示すように変更した以外は、実施例7と同様にして、導体パターン6を形成した。
【0065】
(実施例9)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.2)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.2)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.2)の受容層形成面との接触時間を下記[表2]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.2)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0066】
(比較例2)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.5)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.5)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.5)の受容層形成面との接触時間を下記[表2]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.5)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0067】
実施例7〜9及び比較例2の導体パターン6の導体幅の平均値、ピッチの平均値、導体厚さの平均値、アスペクト比(導体厚さ/導体幅)、受容層5にめり込んでいる導体厚さの割合(%)、表面抵抗を下記[表2]に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例7〜9の導体パターン6は、比較例2の導体パターン6に比べて、表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。特に実施例7、8の導体パターン6は、実施例9の導体パターン6に比べて、さらに表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。また、実施例7と実施例8との対比から、基材4(No.2)の搬送速度を速くしても、導体パターン6の表面抵抗はあまり高くならず、生産性の向上が期待できることも確認された。
【0070】
(実施例10)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.3)の組合せで図2に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.3)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.3)の受容層形成面との接触時間を下記[表3]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.3)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0071】
(実施例11)
基材4(No.3)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.3)の受容層形成面との接触時間を下記[表3]に示すように変更した以外は、実施例10と同様にして、導体パターン6を形成した。
【0072】
(実施例12)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.3)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.3)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.3)の受容層形成面との接触時間を下記[表3]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.3)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0073】
(比較例3)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.5)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.5)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.5)の受容層形成面との接触時間を下記[表3]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.5)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0074】
実施例10〜12及び比較例3の導体パターン6の導体幅の平均値、ピッチの平均値、導体厚さの平均値、アスペクト比(導体厚さ/導体幅)、受容層5にめり込んでいる導体厚さの割合(%)、表面抵抗を下記[表3]に示す。
【0075】
【表3】

【0076】
実施例10〜12の導体パターン6は、比較例3の導体パターン6に比べて、表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。特に実施例10、11の導体パターン6は、実施例12の導体パターン6に比べて、さらに表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。また、実施例10と実施例11との対比から、基材4(No.3)の搬送速度を速くしても、導体パターン6の表面抵抗はあまり高くならないため、生産性の向上が期待できることも確認された。
【0077】
(実施例13)
導電性ペースト3(No.2)及び基材4(No.3)の組合せで図2に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.3)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.3)の受容層形成面との接触時間を下記[表4]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.2)を基材4(No.3)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0078】
(実施例14)
基材4(No.3)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.3)の受容層形成面との接触時間を下記[表4]に示すように変更した以外は、実施例13と同様にして、導体パターン6を形成した。
【0079】
(実施例15)
導電性ペースト3(No.2)及び基材4(No.3)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.3)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.3)の受容層形成面との接触時間を下記[表4]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.2)を基材4(No.3)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0080】
(比較例4)
導電性ペースト3(No.2)及び基材4(No.5)の組合せで図3に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.5)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.5)の受容層形成面との接触時間を下記[表4]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.2)を基材4(No.5)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0081】
実施例13〜15及び比較例4の導体パターン6の導体幅の平均値、ピッチの平均値、導体厚さの平均値、アスペクト比(導体厚さ/導体幅)、受容層5にめり込んでいる導体厚さの割合(%)、表面抵抗を下記[表4]に示す。
【0082】
【表4】

【0083】
実施例13〜15の導体パターン6は、比較例4の導体パターン6に比べて、表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。特に実施例13、14の導体パターン6は、実施例15の導体パターン6に比べて、さらに表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。また、実施例13と実施例14との対比から、基材4(No.3)の搬送速度を速くしても、導体パターン6の表面抵抗はあまり高くならないため、生産性の向上が期待できることも確認された。
【0084】
(実施例16)
導電性ペースト3(No.2)及び基材4(No.4)の組合せで図2に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.4)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.4)の受容層形成面との接触時間を下記[表5]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.2)を基材4(No.4)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0085】
(比較例5)
導電性ペースト3(No.2)及び基材4(No.5)の組合せで図2に示すグラビア印刷機8を用い、基材4(No.5)の搬送速度及び印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.5)の受容層形成面との接触時間を下記[表5]に示すように調整して、導電性ペースト3(No.2)を基材4(No.5)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体パターン6を形成した。
【0086】
実施例16及び比較例5の導体パターン6の導体幅の平均値、ピッチの平均値、導体厚さの平均値、アスペクト比(導体厚さ/導体幅)、受容層5にめり込んでいる導体厚さの割合(%)、表面抵抗を下記[表5]に示す。
【0087】
【表5】

【0088】
実施例16の導体パターン6は、比較例5の導体パターン6に比べて、表面抵抗が小さく、導電性が高いことが確認された。
【0089】
(印刷用凹版の凹部形成面と基材の受容層形成面との接触時間と、形成される導体パターンの導体厚さとの関係)
導電性ペースト3(No.1)及び基材4(No.1)の組合せで図1〜図3に示すグラビア印刷機8を用い、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を0〜10秒の間で変化させて、導電性ペースト3(No.1)を基材4(No.1)の受容層形成面に印刷した後、120℃、30分の条件で加熱して乾燥させることによって、導体厚さの異なる複数の導体パターン6が形成された。なお、形成された導体パターン6の導体幅はいずれも略同一であった。そして、印刷用凹版1の凹部形成面と基材4(No.1)の受容層形成面との接触時間を横軸にとり、形成された導体パターン6の導体厚さを縦軸にとって、各データをプロットすると、図12に示すようなグラフが得られた。
【0090】
このグラフから、アスペクト比の高い凹部2(幅L/ピッチP/深さD=23/250/13(μm))が表面に形成された印刷用凹版1を用いているにもかかわらず、上記接触時間が0.5秒未満であると、形成される導体パターン6の導体厚さは4μm以下となり、アスペクト比が低くなることが確認された。また図12に示すグラフによれば、上記接触時間が0.5秒から約4秒までの間はアスペクト比が急激に高くなるが、その後は約10秒経過するまで高いアスペクト比を維持していることが確認された。このことから、上記接触時間が少なくとも約10秒経過するまでは受容層5はタック性を発現し続け、アスペクト比の高い凹部2であってもその凹部2から導電性ペースト3の全部を容易に引き抜くことができるものと考えられる。
【0091】
(実施例17)
まずスクリーン印刷を使用して基材4(No.1)の表面に導電性ペースト3(No.3)を図9のように格子状又は網目状に印刷した。このときライン(L)/ピッチ(P)が20μm/250μmのスクリーン版を用いて印刷した。
【0092】
その後、基材4(No.1)の表面に印刷された導電性ペースト3(No.3)を120℃、30分の条件で加熱して乾燥させた。これを実施例17の電磁波シールド材とし、その導体パターン6の表面抵抗を測定したところ、0.88Ω/□であった。また、導体パターン6のライン(L)/ピッチ(P)は20.2μm/250.04μmであった。また、受容層5にめり込んでいる導体パターン6の導体厚さの割合は0.1%であった。
【0093】
(実施例18)
実施例17の電磁波シールド材を130℃の温度で10分間加熱して温めた状態で図7に示すロールプレス装置31を用いて120℃、20kgf/cm(2.0MPa)、3m/分の条件でロール30によりプレスすることによって、導体パターン6を形成した。これを実施例18の電磁波シールド材とし、その導体パターン6の表面抵抗を測定したところ、0.53Ω/□であった。また、導体パターン6のライン(L)/ピッチ(P)は21.1μm/250.11μmであった。また、導体パターン6のライン(L)/ピッチ(P)は20.2μm/250.04μmであった。また、受容層5にめり込んでいる導体パターン6の導体厚さの割合は63.3%であった。この導体パターン6の断面をデジタルマイクロスコープ(株式会社ハイロックスジャパン製「KH−7700」)で撮影した写真を図11(c)に示す。
【0094】
(実施例19)
実施例17の電磁波シールド材を130℃の温度で10分間加熱して温めた状態で図8に示す多段式ロールプレス装置32を用いて130℃、20kgf/cm(2.0MPa)、3m/分の条件でロール30によりプレスすることによって、導体パターン6を形成した。これを実施例19の電磁波シールド材とし、その導体パターン6の表面抵抗を測定したところ、0.41Ωcmであった。また、受容層5にめり込んでいる導体パターン6の導体厚さの割合は65.8%であった。
【0095】
(実施例20)
実施例17の電磁波シールド材を室温(25℃)に保ち、この温度以上に加熱して温めることなく、図7に示すロールプレス装置31を用いて120℃、20kgf/cm(2.0MPa)、3m/分の条件でロール30によりプレスすることによって、導体パターン6を形成した。これを実施例20の電磁波シールド材とし、その導体パターン6の表面抵抗を測定したところ、0.70Ω/□であった。また、導体パターン6のライン(L)/ピッチ(P)は38.9μm/241.38μmであった。また、受容層5にめり込んでいる導体パターン6の導体厚さの割合は58.3%であった。
【0096】
(比較例6)
まずスクリーン印刷を使用して基材4(No.5)の表面に導電性ペースト3(No.3)を図9のように格子状又は網目状に印刷した。このときライン(L)/ピッチ(P)が20μm/250μmのスクリーン版を用いて印刷した。
【0097】
その後、基材4(No.5)の表面に印刷された導電性ペースト3(No.3)を120℃、30分の条件で加熱して乾燥させた。これを比較例6の電磁波シールド材とし、その導体パターン6の表面抵抗を測定したところ、9.5Ω/□であった。また、導体パターン6のライン(L)/ピッチ(P)は24.3μm/248.3μmであった。また、受容層5にめり込んでいる導体パターン6の導体厚さの割合は0.1%であった。
【0098】
また、実施例4−2、4−4、18〜20は、導体パターン6の導体厚さの10%以上が受容層5にめり込んでいるので、他の実施例及び各比較例に比べて、導体パターン6の受容層5に対する密着性が高いものであった。
【符号の説明】
【0099】
3 導電性ペースト
4 基材
5 受容層
6 導体パターン
7 水蒸気
30 ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面にセルロースアセテートアルキレートで受容層が形成され、前記受容層の表面に導電性ペーストが所定パターン形状に印刷されて導体パターンが形成されていることを特徴とする導体パターン形成基材。
【請求項2】
前記導体パターンの導体厚さが0.5μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の導体パターン形成基材。
【請求項3】
前記導体パターンの導体厚さの10%以上が前記受容層にめり込んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の導体パターン形成基材。
【請求項4】
前記セルロースアセテートアルキレートとして、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートから選ばれる1種以上のものが用いられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導体パターン形成基材。
【請求項5】
前記所定パターン形状に印刷された導電性ペーストが水蒸気により加熱処理されて導体パターンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導体パターン形成基材。
【請求項6】
前記所定パターン形状に印刷された導電性ペーストが加圧されて導体パターンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導体パターン形成基材。
【請求項7】
前記導電性ペーストが所定パターン形状に印刷された後、これが加熱された状態でロールによりプレスされて導体パターンが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導体パターン形成基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−119682(P2011−119682A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241217(P2010−241217)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】